93. 母系社会[1171] leqMbo7Qie8 2016年3月20日 12:08:38 : qUXqHFafWc : l8WomHDkrCE[1]
>>69。70。72さん(以下、69さん)
★誠に失礼ですが、69さんは残念ながらマルクス派の理論動向については、余り良く知らないようですね。
マルクス派では、旧ソ連の体制を「国家社会主義」という言葉で言い表す廣松渉氏などの有力な派があるのです。もしかしたら、「国家社会主義」という言葉を「ナチズム」という意味で解釈しているのかもしれませんが、これは様々な意味で使われている言葉なので、その意味は文脈に沿って判断して下さい。
★ウソと思うなら、下記のWIKIの「国家社会主義」でお調べ下さい。
●そもそも、「スターリン主義」(スターリニズム)という言葉は、マルクス派、それもかつての主流派である「スターリン派」ではなく、「スターリン派」に弾圧されてソ連から追放された「トロツキー派」(第四インター派)が「スターリン派」を批判した時に、「スターリン派」の体制や理論を総じて「スターリン主義」と呼んだのが起源です。
一方、「スターリン派」は自派のことを「スターリン主義派」などと自称せずに、あくまでも正統的な「マルクス・レーニン主義」を自称していたのですから、「トロツキー派」の専門用語だった段階があり、「スターリン主義」という用語を使う人は、「トロツキー派」に限られていた時代があったのです。
その後、この言葉は「トロツキ―派」が広めて、一般化した言葉です。しかし、この言葉は西側がソ連を批判するにも使える便利な言葉だったので、西側の新聞や雑誌などでも使われるようになると、他の学術用語と同じように意味が曖昧になり、「個人崇拝」とか「全体主義」とかの表面的特徴を意味する曖昧な意味の言葉に変質してしまいました。
このような皮相な意味ではなく、本格的に議論し、学問的に定義するならば、まずはマルクス派の様々な先行説を吟味・検証すべきです。それも「トロツキ―派」だけでなく、ロシア革命直後から、前衛党による上からの革命派であるレーニン主義では、「最終的には個人独裁に至る」と的確に批判していたドイツの「ローザ・ルクセンブルク派」、更にこの両派の理論的な影響や、1950年代の東欧動乱を戦車で弾圧したソ連や中国、北朝鮮にも批判的になった「新左翼」系諸派の定義も吟味・検証すべきです。
★そもそも、元祖のマルクス派内でも、まだこの議論は続いている状態で、定説など無い。だから、あたかも定説であるかのように断定的に言うこと自体が誤りです。
●ですから、そもそも「スターリン主義」という用語は、マルクス派に起源があり、長い論争もマルクス派内でしてきたのですから、「スターリン主義」を論じるなら、まずはマルクス派での議論を調べ、その議論を踏まえて行うべきです。
これは、量子力学の「観測問題」について論じるならば、まずは量子物理学、それも量子力学派内での様々な議論を調べ、そして、また量子力学派以外の議論も調べるというように、量子力学派内での議論を無視しては、まともな議論が出来ないのと同じです。何といっても、量子という概念について多くの議論を行い、理論的蓄積をしてきたのは量子力学派だからです。
先行する様々な議論を踏まえないで、勝手な思い込みで自己流の議論をすると、既に他の人が唱えていた説を自己の新説と主張してしまったり、過去の理論と同じ過ちを繰り返したり、既に間違いであることが共通認識となっている説などを唱えかねないからです。
ですから、きちんとした定義をしたいならば、先行する様々な説を真剣に検証して、先行説に欠点は無いと思えば先行説を支持し、欠点があると思う場合は、その理由と自己の新説を提起するという手順を踏むべきで、これは常識です。
★もし、69さんが先行説を検証したなら、ブントの理論的指導者の1人であり、また「物象化論」で有名な日本のマルクス哲学を代表する哲学者だった廣松渉氏の「国家社会主義」説があることを知ったでしょうし、外国にも内容は廣松渉氏とは違いますが、同じ「国家社会主義」という用語を使う有力な学者もいることが分るはずです。
★69さん自身の説かもしれませんが、おそらく69さんが支持する定義なるものを提唱した人は、先行説を真剣には吟味せず、ネットレベルの情報で、自己流の定義をしただけでしょう。
なぜなら、「トロツキ―派」や「ローザ派」、その他の「新左翼」系の論争では、「スターリン主義」を「一国社会主義論」として批判する点ではおおむね共通していましたが、ソ連に批判的でありつつも、ソ連が帝国主義に攻撃された場合はソ連を擁護すべきとするトロツキ―の「堕落した労働者国家論」陣営、それに「国家資本主義」陣営、「国家社会主義」陣営など様々な説の陣営が長い間論争してきたからです。そして、この論争の背景には、資本主義観や社会主義観(共産主義観)の違い、または民族理論や国家理論の違いなどの大問題が横たわっているからなのです。
ですから、マルクス派の先行説を真剣に吟味していたら、廣松渉氏の「国家社会主義」説は簡単に否定できるものではないことを知らないわけがありません。というわけで、69さんが支持する説が誰の説かは知りませんが、先行説を真面目に吟味していない勝手な自己流定義としか言いようがありません。それで残念ですが、このような場で詳しくコメントすると長くなり過ぎて他の人に迷惑ですし、コメントしても削除されるかもしれないのでパスします。
追伸:マルクス派の先行説を検証していれば、69さんも、このような衆人環視の元で大恥をかくこともなかったでしょう。ネットで拾ったネタでの作文、誠にご苦労様でした。
国家社会主義
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E4%B8%BB%E7%BE%A9
ソ連型社会主義
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E9%80%A3%E5%9E%8B%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E4%B8%BB%E7%BE%A9
廣松渉
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BB%A3%E6%9D%BE%E6%B8%89
http://www.asyura2.com/16/senkyo203/msg/119.html#c93