1. 2016年10月22日 12:09:07 : 1IPfjH32e2 : ktIAt@Bmkg8[1]
国際協力銀、ロシア銀に単独融資 欧米の制裁対象 首脳会談へ異例の支援
2016/10/22付 日本経済新聞 朝刊
国際協力銀行(JBIC)は年内に、ロシア最大手銀行のズベルバンクに単独融資する。円建てで融資額は約40億円。JBICは民間との協調融資が原則で単独融資は異例だ。ズベルバンクは欧米の対ロシア経済制裁(総合2面きょうのことば)の対象。12月に控える日ロ首脳会談を前に金融面の支援を打ち出し、政府が目指す北方領土問題の解決に向け環境を整備するねらいだ。
ズベルバンクはJBICから借りるお金を、極東のボストチヌイ港の運営会社に融資する。運営会社は石炭の積み下ろし設備の購入にあてる。運営会社や開発案件に直接融資せず、現地行を介すことで貸し倒れリスクを下げる「ツーステップローン」と呼ぶ手法だ。
JBICは民間金融機関との協調融資が原則。2008年秋の金融危機後に資金繰りが厳しくなった企業に単独融資した実績はあるが珍しい。
14年にロシアがクリミア半島の編入を宣言したのを受け、米国や欧州連合(EU)はズベルバンクを含む一部の金融機関や企業への新規融資を事実上禁じている。
日本もズベルバンクなどの債券引き受けは禁じている。円建て融資は制裁対象ではないが、邦銀はロシア向け融資に消極的だ。3メガ銀の対ロ融資残高は16年3月期に90億ドル程度と制裁前に比べ、ほぼ半減した。原油安やルーブルの暴落による経済不安もあり、新規融資はほとんどないとみられる。「米国からにらまれるのを懸念して邦銀は取引を手控えている」(政府関係者)
そんな中、JBICが対ロ融資に踏み切るのは、日本政府が北方領土交渉の進展を目指しているためだ。安倍晋三首相は5月の首脳会談でプーチン大統領に8項目の対ロ経済協力を提示した。
これを念頭にJBICは10月からルーブル建て融資を開始。財務省は10月中旬に成立した第2次補正予算でJBICに1090億円を追加出資し、ロシアへの融資を後押しする姿勢を整えた。
とはいえ足元では欧米諸国がシリア情勢を巡ってロシアとの対立姿勢を強めつつある。米国は7日、民主党全国委員会などに対するサイバー攻撃についてロシア政府が指揮したと断定。20日にはEU首脳がアサド政権の後ろ盾となっているロシアを非難し、追加制裁をちらつかせた。そんなさなかでの制裁対象への融資は緊迫を強める国際社会に波紋を広げそうだ。
http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS21H35_R21C16A0MM8000/
http://www.asyura2.com/16/senkyo214/msg/750.html#c1