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オバマ大統領、広島訪問模索 米政府に根強い慎重論 来月、伊勢志摩サミット
2016年4月8日05時00分 朝日新聞
オバマ米大統領が、5月末の主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)で訪日した際に被爆地広島を訪問する可能性を探っている。「核なき世界」を訴えるオバマ氏はこれまでも広島訪問の意義に言及。ただ、米国内では反対論も根強いだけに、ケリー国務長官の広島訪問への国内外の反応を見極めて、慎重に判断する方針だ。
オバマ氏は、就任間もない2009年4月のプラハ演説で「核なき世界」を訴え、「核兵器を使った唯一の国として行動する道義的責任がある」と踏み込んだ。
大統領として初来日した09年11月の記者会見では、「広島、長崎を将来訪れることができれば、非常に名誉で、私にとって有意義なことだ」と話した。
ただ、当時は米国内に慎重論が強かった。日本の外務省高官も初来日の前に、水面下で「大統領の広島訪問は時期尚早だ」と否定的見解を米側に伝えていたことが、米政府の公文書で明らかになっている。
オバマ氏は過去3度の訪日でいずれも広島訪問を見送る一方、10年には当時のルース駐日米大使が米政府代表として平和記念式典に初出席。その後もオバマ政権の要人が相次ぎ広島を訪問。来週のG7外相会合でも、ケリー長官が米政府の閣僚として初めて平和記念公園を訪れる。
今回は、残り任期9カ月となったオバマ氏の最後の訪日となる可能性が高く、「核なき世界」の重要性を訴えるレガシー(遺産)作りとして、複数の米政府高官は「大統領は広島訪問に強い関心を持っている」と明かす。
一方で米政府内には慎重論も少なくない。米国では、原爆投下は戦争を早く終結させ、米国民の犠牲を防いだと正当化する意見も根強く、反発の声が出ることも予想される。また、今年の大統領選では、トランプ氏ら共和党候補がオバマ外交を「弱腰」と批判。広島訪問がさらに攻撃材料を与え、選挙戦に影響しかねない。
こうしたことからホワイトハウスは、ケリー長官の広島訪問後の米国内外の反応を見極める考えだ。最終的にはオバマ氏の決断次第だが、訪問の際の警備の準備もあり、結論をあまり先延ばしできない事情もある。
■日本側、期待する声
日本側にも期待はある。
「世界の指導者に核兵器のない世界を目指してもらうため、被爆地を訪問してもらい、被爆の実相に触れてもらうことは大切だ」。岸田文雄外相は、オバマ氏の広島訪問の可能性について問われた際、期待感をにじませた。岸田氏は被爆地・広島が地元で「世界の指導者の被爆地訪問」を提唱。オバマ氏の訪問に強い希望を抱く。
ケリー長官らG7外相の平和記念公園訪問について、外務省幹部は「何のトラブルもなく訪問を果たして欲しい。それが『次』につながる」と語る。この訪問の成功が、オバマ氏の広島訪問への実績になるとの見方だ。
ただ、日本側がオバマ氏の広島訪問を強く求めた場合、米国世論を刺激して実現を困難にさせかねない。岸田氏は会見で「大統領の日程について私が言うのは適切ではない」とも述べ、配慮を見せた。
ケリー長官の公園訪問が決まる前にも、米側は「先遣隊」を何度も公園に派遣し、碑文の内容や階段の段差まで調べ上げた。慎重な対応に、外務省関係者は「米国の閣僚らに気楽に公園に行ってもらえる雰囲気ではない」と打ち明ける。
外務省幹部は「オバマ氏の本当の予定を把握しているのはホワイトハウス中枢だけだ。みんなの期待が先走っている気がする」と静観している。
(奥寺淳、佐藤武嗣=ワシントン、安倍龍太郎)
http://www.asahi.com/articles/DA3S12300286.html
http://www.asyura2.com/16/senkyo204/msg/202.html#c2