3. 母系社会[1120] leqMbo7Qie8 2016年1月03日 01:43:50 : QgdPBnCeXI : dGETZ2fXzlU[1]
>>2さん
●全世界の病害虫による食料生産被害は、外国から輸入食料品と共に侵入した病害虫によるものも含めると、世界の食料収穫量を、年間20〜40%も減産させているという研究報告があります。食料の安全保障にとって、植物の病害虫や病原菌は、依然として深刻な脅威です。
例えば、メキシコから北アメリカ経由でヨーロッパに侵入した「ジャガイモ輪腐病」は、1845年からヨーロッパ全域で4年間大流行しました。それで、当時イギリスの植民地だったアイルランドでは、貧農の主食がジャガイモだったために、貧しい人々が深刻な飢餓に陥り、人口の20%以上、100万人が餓死する大惨事となりました。(ただし、これは宗主国イギリスの判断で防止できた飢餓。イギリスはアイルランドで飢餓が起きているのに、そのアイルランドからジャガイモの輸出を続けたために起こった人為的飢餓だった)
また、ヨーロッパのタバコ属植物とナス科植物が、やはり北アメリカから侵入した「タバコべと病」により、大被害が生じています。他にも1865年、アメリカから輸入したぶどうの木に外来種のアブラムシが感染していたため、フランスのワイン産業が全滅しかけたこともあります。また、北アメリカを原産地とする害虫には、アメリカシロヒトリのように、ほぼ全世界に広がり、サクラ、ヤナギ、カキ、コナラ、リンゴなど約100種類以上の樹木に、現在でも被害を生じさせているものもいます。
東アフリカでは、1980年代に中央アメリカからきた害虫「オオコナナガシンクイムシ」により、貯蔵穀物の80%が被害を受け、深刻な食料不足が起きました。 途上国の小規模農家には、病害虫による被害は生死を左右する大問題です。
日本でも、江戸中期に西日本各地で起きた「享保の大飢饉」は冷夏と害虫で起きた飢饉であり、少なくとも1万人以上、最大で約100万人の餓死者が出で、250万人以上が飢餓に苦しんだらしいのです。「ジャガイモ輪腐病」は戦後、日本にも侵入して今でも被害が生じています。
●食料品の貿易で広がる世界各地固有の病原菌や病害虫は、一般的に拮抗菌や競争種、天敵がいない新天地では急速に蔓延し、大きな被害を与えるというのが定説です。
それで、病害虫が国境を越えて広がらないように、1952年に「国際植物防疫条約」が制定されました。しかし、近年は経済のグローバル化で、かつてないほど農産物貿易は増大し、新しく輸入されるようになった食料品の種類も量も急速に増え、益々検疫が困難になっています。
★しかし、たとえ将来、完璧な検疫が行えるようになっても、病害虫はコンテナと一緒に侵入する場合があるので、農産物貿易を縮小するしか、防ぐ方法は無いのです。基本的には、各国は極力食料の自給率を上げて、食料貿易は必要最小限にするべきであり、農業貿易は拡大するべき分野ではありません。
ヨーロッパで、14世紀から16世紀にかけて猛威を振るった天然痘やペスト、梅毒などは有名ですが、今までは無害な菌でも、突然変異で植物だけでなく、動物(人間)にも害を与える病原菌になるかもしれません。
★ですから、安倍内閣がTPPで、農業も輸出産業化が可能と提唱していますが、農産物を輸出する政策は日本人だけでなく、人類に甚大な被害を与えるかもしれない反動的政策です。
しかし、既に商社やモンサントなどの巨大アグリビジネス資本が、農産物貿易で巨利を上げ、欧米のマスゴミを支配しているため、決して日本の新聞やテレビも、こうした農産物貿易のリスク問題は報道しません。
<国連FAO>植物病害虫に対する国際協定は施行から60年目を迎える
FAOは、国際植物防疫条約の制定日を祝う
http://www.fao.or.jp/detail/article/807.html