44. 2016年2月17日 19:00:49 : G5Yt29iAVw : d23M4glAl9k[1]
2016.2.17 07:48
【変調 日本経済(中)】
奇策・マイナス金利に頭抱える銀行 日銀頼みのアベノミクス限界か
http://www.sankei.com/economy/news/160217/ecn1602170016-n1.html
16日の日経平均株価の値動きを表示する証券会社の株価ボード=16日午後、東京都中央区(早坂洋祐撮影)
日銀が16日に導入したマイナス金利政策をめぐり、地方銀行に激震が走っている。
「最大の懸案はシステムの改修だ」。地銀の雄とされるある金融機関が、先月29日のマイナス金利導入の決定直後に開いた会議で、担当者はこう頭を抱えた。
金融商品の金利の目安となる「基準金利」は市場金利が反映される。長期金利がマイナスになれば、基準金利もマイナスになる可能性があり、システムにマイナスを入力する必要が出てくる。だが、現在のシステムでは対応できず、多額のシステム投資を迫られかねない。
みずほフィナンシャルグループは今月12日、関東財務局に提出した四半期報告書で「財務面のリスク」としてマイナス金利政策を追加した。
投資家の資産運用も難しくなりそうだ。国債などで運用する投資信託のMMF(マネー・マネジメント・ファンド)は利益が見込めず、すべての運用会社が販売を停止。生命保険会社も貯蓄性の高い一時払い保険商品の値上げや売り止めの検討に入った。
住宅ローンや貸し出しの金利を引き下げる銀行が相次ぐなど、マイナス金利政策は家計や企業への好影響も見込まれる。ただ、先行する欧州でもまだ景気へのプラス効果は判然としていない。
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日銀はなぜ奇策ともいえるマイナス金利政策の導入に踏み切ったのか。国債を買い増す従来の枠組みの追加緩和では、「最後のカード」と市場から見透かされて効果があがらない恐れがあったからだ。現在の国債購入量は年間80兆円にも上り、市場は大規模金融緩和の「限界」を意識し始めている。
さらに、原油安や中国経済の減速懸念を背景に金融市場が混乱する中、円高・株安に歯止めを掛けたい思惑もあったとみられる。金利が低下すれば円資産ではもうけにくくなるため、「投資家は円を売ってドルを買う」とみる市場関係者も多かった。
だが、欧米経済の減速懸念も急浮上し、むしろ安全資産とされる円を買う動きが加速。新政策の導入決定直後には1ドル=121円台後半まで円安ドル高が進んだが、2週間ほどで一気に円高が進み、一時110円台をつけた。
16日の東京株式市場で日経平均株価は続伸したものの、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」を支えてきた日銀の金融政策が市場に翻弄される構図の強まりは否めない。
一方、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は15日の欧州議会で「ためらわずに行動する」と3月の追加緩和を強く示唆した。ユーロ高を助長する日銀の新政策に対抗し、マイナス金利幅を広げる可能性がある。
また、米連邦準備制度理事会(FRB)も利上げペースの減速だけでなく、「マイナス金利導入を視野に入れ始めた」との観測もくすぶる。そうなれば、世界で通貨安競争を招き、市場はさらに動揺する可能性もある。
日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は「できることはまだある」と強調するが、マイナス金利政策で利ざや縮小を余儀なくされた金融機関が中小企業への貸し出しを敬遠する恐れも出てくる。
金融政策頼みのアベノミクスで景気の本格回復は果たせるのか。大規模緩和の開始から3年近くたつものの、デフレ脱却という狙いはいまだ達成されていない。
「政府は日銀任せにせず、成長戦略や財政出動に本腰を入れるべきだ」(みずほ総合研究所の高田創氏)。市場では、こんな注文の声も高まっている。
2016.2.16 21:38
マイナス金利が始動 銀行間取引で10年ぶり「0%」
http://www.sankei.com/economy/news/160216/ecn1602160065-n1.html
日銀による初めての「マイナス金利政策」の運用が16日、始まった。銀行がお金を貸し出さずに休ませておくと損をするという奇策だ。実質金利を押し下げることで世の中の金回りをよくし、「投資や消費を刺激する」という狙いがある。銀行が短期資金を貸し借りする市場では同日、一時、10年ぶりに0%の金利をつけた。
銀行が預け入れる日銀当座預金の残高は約260兆円(1月末現在)。このうち、昨年までに積み上げられた約210兆円には従来通り年0・1%の金利をつけ、大規模な金融緩和に協力してきた銀行には一定の利益となる。残りの40兆円にゼロ金利、10兆円にマイナス0・1%の金利をそれぞれ適用するが、これが銀行にとっては事実上の手数料となる。
マイナス金利を導入したこの日、短期金利の目安で銀行が資金の貸し借りをする無担保コール翌日物の金利の加重平均は0・001%(速報)だった。取引金利の最低は0%。余ったお金を日銀に預けて手数料を取られるよりも、金利が低くても貸した方がマシという考えが働いたようだ。
SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは「欧州での経験や日本の金融機関の合理的な行動を踏まえると、徐々にマイナス金利が定着していく」と予測する。
また、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは4営業日ぶりに低下し、前日比0・045%低下の0・040%だった。
市場金利の低下を受け、銀行は相次いで住宅ローンや普通預金の金利を見直している。三井住友銀行は16日、10年固定型の住宅ローンの最優遇金利を過去最低の年0・90%に引き下げた。普通預金金利も過去最低と並ぶ0・001%に設定した。横浜銀行も17日以降、足並みをそろえる。
ただ、低金利で銀行の収益が悪化すると、「貸し渋り」が起きるとの指摘も出ている。
日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は16日の衆院予算委員会で「今後、効果が実体経済や物価に表れてくる」と強調した。
2016.2.17 14:53
日銀マイナス金利 功罪判断は時期尚早
http://www.sankei.com/economy/news/160217/ecn1602170036-n1.html
16日に始まった日銀のマイナス金利政策の評価をめぐって、「長い目で見れば企業や家計は恩恵を受ける」と評価する専門家も増えてきた。これまでエコノミストの間では否定的見解が大勢を占めたが、功罪の判断は時期尚早との見方も強まっている。
「マイナス金利政策は本来であれば円安・株高効果が期待できる。日経平均株価が乱高下したのは、1月の米非製造業景況感指数が市場予想を大幅に下回ったためだ」
JPモルガン証券の菅野雅明氏はこう解説する。
金融機関が利ざや縮小など収益悪化に見舞われるとの懸念に対しては、「海外市場の動揺が収まれば、日経平均株価は銀行株の下落を補って余りあるほど上向くだろう」と予想。「利上げ中の米国を除く主要国が金融緩和すれば、世界景気を押し上げる」と唱える。
三菱UFJリサーチ&3コンサルティングの片岡剛士氏は「金融機関全体の悪影響は当初、100億円レベルにとどまる」と指摘。「ほとんどの当座預金に0・1%の金利をつけてもらっているのに、個人向け普通預金に0・001〜0・02%の金利しかつけないのは銀行の努力不足」と訴える。嘉悦大の高橋洋一教授も「マイナス金利は『本業の貸し出しをしっかりやれ』という金融機関へのメッセージ」と強調する。
家計や企業はマイナス金利で最終的に大きく得をする−。SMBC日興証券はこのほど、こんな試算をまとめた。菅義偉(すが・よしひで)官房長官も16日の記者会見で、マイナス金利の効果について「金利が短期から長期まで全体が引き下げられることで、消費や投資にプラスに働き、経済拡大にプラスに影響する」と評価。麻生太郎財務相は「効果は時間をかけて見守る必要がある」との認識を示した。
2016.2.16 11:32
年金の株式直接投資見送り 自民、GPIF改革案了承
http://www.sankei.com/politics/news/160216/plt1602160025-n1.html
自民党の年金プロジェクトチームは16日、厚生労働省が示した年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の改革案を了承した。株式の直接売買を認めないことを正式に決めた。
改革案は、組織の在り方と運用ルール見直しが柱。運用面では、現在は禁止されている株式の直接売買に関し、政府が株主議決権を行使して企業経営に介入するとの懸念が拭えず、見送った。改革実施から3年後をめどに再検討する。
組織面では、理事長に権限や責任が集中している現在の体制を改め、外部有識者らの経営委員会が資産構成割合などの重要事項を決める合議制にする。
厚労省は改革案を近く法案にまとめ、今国会に提出する予定だ。
http://www.asyura2.com/16/senkyo201/msg/365.html#c44