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(トランプショック どう考える:2)日米安保に新たな試練
2016年11月12日05時00分 朝日新聞
トランプ政権の誕生は、日本の外交・安全保障政策にとって冷戦終結以来の大きな転機となりかねない。60年あまり続いてきた在日米軍を軸とした日米同盟の根幹に対し、変更が迫られる可能性があるからだ。
安倍晋三首相とトランプ氏の早期会談の見通しがつき、日本政府はひとまず胸をなでおろした。だが、トランプ氏の外交・安保政策がなお「予測不能」であるのは間違いない。
トランプ氏は9日未明の勝利演説で「国際社会に訴えたいのは、米国は常に米国益を第一に考えるが、誰でも、どの国も公平に扱うことだ」と語った。米外交をゼロベースで再構築するともとれる発言だ。
トランプ氏の今後の日本への出方を占うキーワードは、ここでも触れられた「米国第一」と「公平」だと、添谷芳秀・慶応大教授(国際政治学)は見る。
「トランプ氏がこのふたつの原則に照らして日米同盟をどう判断するか。日本の負担と役割増大に満足しなければ、沖縄の在日米軍削減という選択肢も出てくる。そうなれば沖縄は歓迎するだろうが、日本政府は難しい対応を迫られる」
トランプ氏は当選前、日本についてこう語っていた。「日本が対価を払わなければ、数百万台もの車を我々に売りつける日本を守ることはできない」
9月26日のクリントン氏との討論会で、対日貿易と日米安保を関連づけ、駐留米軍経費の全額負担を求めた。応じなければ米軍撤退もありうると示唆。選挙戦では、被爆国・日本が政策として取りえない核保有の容認までにじませた。
全額負担か撤退か二者択一を迫る論法には「外交はビジネスの取引ではない。先例や理解、相互信頼に基づいた国同士の交渉だ」(ケリー国務長官)との批判が根強い。
実際に政権の座に就いたトランプ氏が、こうしたやり方を改めるかどうかは不透明だ。日本政府内には「共和党が上下両院で過半数を制し、議会とのねじれを解消したのは大きい。トランプ氏は強力な政治基盤のもと、公約実現を迫ってくるだろう」(外務省幹部)との見方もある。
東アジアの安全保障環境をみると、中国と北朝鮮は不安定な変数だ。加えてトランプ氏の登場によって日米安保体制までが変数になってしまえば、地域の安定は大きく損なわれる。
日本として独自の外交・安保戦略を練りあげ、アジアの安定がもたらす米国の利益は、「米国第一主義」と広い意味では矛盾しないことを説く。そうして日米同盟のソフトランディングを図ることが、日本外交に与えられた喫緊の課題だ。
(編集委員・国分高史 ワシントン=佐藤武嗣)
http://www.asahi.com/articles/DA3S12654696.html
http://www.asyura2.com/16/senkyo215/msg/833.html#c1