★阿修羅♪ > ASID2ごとのコメント > RGi6rrE9H58
 
g検索 RGi6rrE9H58
 
RGi6rrE9H58 全コメント
[政治・選挙・NHK201] 押し付け憲法論が根底から覆った報ステ報道、文春同様報ステも絶好調(まるこ姫の独り言) かさっこ地蔵
13. 2016年2月28日 00:43:29 : EumYJHEppE : RGi6rrE9H58[1]
倉山満は憲政史研究者と自称しているようだが、近代憲法を否定している時点でお話にならない。
倉山は日本国憲法を無効と主張するのに、次の理由を挙げている

>本題。日本国憲法はなぜ日本国の憲法として正統性があるのか。

 そもそも「正統性」には歴史的伝統を踏まえている、との意味がある。日本国憲法は主権国家の憲法でありながら、占領下において外国軍隊の主導により制定された、しかも日本の歴史的伝統から逸脱する内容が多すぎる、などの「正当性」の段階で疑義がある。国際法的にも国内法的にも瑕疵がある以上、日本国憲法は憲法として無効である。よって「正統性」などありえない。

http://www.kurayama.jp/modules/wordpress/index.php?p=183

倉山は大日本帝国憲法が日本の伝統に即して書かれたとでも思っているらしい。

大日本帝国憲法は近代憲法の理念である立憲主義に基づいて草案起草されたものであり、ウィキペディアの大日本本帝国憲法の解説にもちゃんと記述がある。
たとえば草案起草から発布に至る経緯の解説では、大日本帝国憲法を当時の知識人がどう受け止めたかという記述がある。
とくに福沢諭吉と中江兆民の感想の部分を『』のうえ紹介しておこう。


制定までの経緯

―抜粋―

1889年(明治22年)2月11日、明治天皇より「大日本憲法発布の詔勅」[4]が出されるとともに大日本帝国憲法が発布され、国民に公表された。この憲法は天皇が黒田清隆首相に手渡すという欽定憲法の形で発布され、日本は東アジアで初めて近代憲法を有する立憲君主国家となった。また、同時に、皇室の家法である皇室典範も定められた。また、議院法、貴族院令、衆議院議員選挙法、会計法なども同時に定められた。大日本帝国憲法は第1回帝国議会が開会された1890年(明治23年)11月29日に施行された。

国民は憲法の内容が発表される前から憲法発布に沸き立ち、至る所に奉祝門やイルミネーションが飾られ、提灯行列も催された。当時の自由民権家や新聞各紙も同様に大日本帝国憲法を高く評価し、憲法発布を祝った[5]。自由民権家の高田早苗は「聞きしに優る良憲法」と高く評価した。

『また、福澤諭吉は主宰する『時事新報』の紙上で、「国乱」によらない憲法の発布と国会開設を驚き、好意を持って受け止めつつ、「そもそも西洋諸国に行わるる国会の起源またはその沿革を尋ぬるに、政府と人民相対し、人民の知力ようやく増進して君上の圧制を厭い、またこれに抵抗すべき実力を生じ、いやしくも政府をして民心を得さる限りは内治外交ともに意のごとくならざるより、やむを得ずして次第次第に政権を分与したることなれども、今の日本にはかかる人民あることなし」』

として、人民の精神の自立を伴わない憲法発布や政治参加に不安を抱いている。

『中江兆民もまた、「我々に授けられた憲法が果たしてどんなものか。玉か瓦か、まだその実を見るに及ばずして、まずその名に酔う。国民の愚かなるにして狂なる。何ぞ斯くの如きなるや」と書生の幸徳秋水に溜息をついている。』


福沢にしても中江にしても、大日本帝国憲法は近代憲法の衣をまとっただけの上っ面に過ぎないこと、すなわち人民が政府を縛るという意識のない民権意識の薄い明治日本に措いてこの憲法発布のバカ騒ぎは本質を伴っていないことを痛烈に批判し嘆いているわけだ。

然るに倉山は現日本国憲法を占領憲法だから、大日本帝国憲法の歴史から即断された連続性を有しない、すなわち正統性と正当性に欠けているので無効だと批判するのだが、大日本帝国憲法は草案においてもちろん立憲主義に基づいている。

立憲主義とは憲法の基では政府は制限されるということであるから、現日本国憲法が立憲主義に基づいているのであればなにも伝統など持ち出す必要も意味もない。
ましてや、大日本帝国憲法発布においてさえ、当時の知識人たちは立憲主義のなんたるかを身を以って経験したことのない日本人にはまだ早いと危惧を表明していた。

大日本帝国憲法の目指すところである立憲主義も、立憲主義という入れ物に入れただけで、政府や天皇の統治によるいびつなものであることを少なからず自覚していたということでもある。

まったくもって、とんだ憲政研究者がいたもんだ。


http://www.asyura2.com/16/senkyo201/msg/902.html#c13

   

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > ASID2ごとのコメント > RGi6rrE9H58  g検索 RGi6rrE9H58

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。