84. 2015年12月10日 06:15:43 : IQ25mV52Rg : NP1yIDJ6cC0[1]
2015.12.10 01:00
【阿比留瑠比の極言御免】
原発事故で情報操作 菅官邸の明るみに出た実態
http://www.sankei.com/affairs/news/151210/afr1512100001-n1.html
東京電力福島第1原発の事故対応をめぐり、菅直人元首相が安倍晋三首相に損害賠償などを求める訴訟を起こし、東京地裁が請求をいずれも棄却した件では、判決で興味深い指摘がなされていた。水素爆発した1号機への海水注入に関する当時の菅官邸のあり方を、こう認定したのである。
「東京電力は、準備でき次第、海水注入を行うことを早々に決めていたが、官邸は、その後の午後6時に『真水による処理はあきらめ海水を使え』との首相指示が出されたと発表し、あたかも海水注入を渋る東京電力に対して海水を使うように原告(菅氏)が指示したと受け取ることができる情報を発信した」
「(安倍首相のメールマガジンの)海水注入の実施を決定したのは原告であるとの虚偽の事実を原告の側近が新聞やテレビに流したことについても、その重要な部分は、真実であった」
地裁が事実認定
つまり、地裁は菅官邸がメディアに対し、情報操作を行っていたと事実認定したのだ。これは政治と報道の関係を考える上で、もっと注目されるべき点だ。
筆者は東日本大震災時も官邸を担当しており、当時の官邸政治家や政府高官らの言動をよく覚えている。彼らは事故発生直後から、取材記者らにこんな情報を流していた。
「菅氏が渋る東電にベント(排気)をさせた」
「原子炉の廃炉を懸念して嫌がる東電に対し、菅氏が英断で海水注入させた」 どちらも事実とは異なる。東電は早くベントをしようと懸命だったし、菅氏の言動が始まっていた海水注入を止める危険があったことも後に分かった。
極限状況の中で、官邸政治家らも事故の現状を正確に把握できていなかった部分はあるにしろ、当時も「彼らは都合の悪いことは全部東電のせいにしようとしているな」と感じたことも記憶している。
こうした菅官邸による情報の誤発信や誘導については、国会や政府など各事故調査委員会の報告書でもあまり触れられておらず、判決の意味は大きい。
混乱原因を東電に
これに対し、菅氏自身は不満たらたらで、5日付のブログ「海水注入事件の真実」では、混乱の原因を「東電の責任逃れ体質」に求め、こう記している。
「淡水がなくなった後の海水注入も東電の判断で行わる(※ママ、行われる?)ことには何ら問題なかった」「東電の『おもんばかり体質』が混乱を起こしたのだ」
だが実際は、官邸で一部始終を目撃した関係者によると、速やかな海水注入を求める専門家らに対し、菅氏はこう怒鳴っていた。
「海水を入れると再臨界するという話があるじゃないか。君らは水素爆発はないと言っていたじゃないか。それが再臨界はないといえるのか。そのへんの整理をもう一度しろ!」
当時の東電は官邸に「指示なく勝手なことはするな」と厳命されていた。判決が、菅氏に「海水注入を中断させかねない振る舞いがあった」と指摘したように、当時の吉田昌郎所長が菅氏の意をくんだ東電本店の指示に逆らい、独断で注水を続けていなければ、事故はさらに深刻な局面を迎えていたかもしれない。
「(安倍首相は)混乱の責任をすべて私に押し付けようとしたのだ」
ブログでこう結論付けた菅氏は4日、東京高裁に控訴している。高裁審理を通じ、さらに菅官邸の実態周知が進むことを期待する。
(論説委員兼政治部編集委員)
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/328.html#c84