90. 母系社会[1145] leqMbo7Qie8 2016年2月02日 23:16:11 : SDWVeOyCHE : J2cGqzZdK2c[1]
>>87さん
●このコメント欄の「9」で、紹介した軍事ジャーナリストの清谷信一氏は、下記のように言っています。
<引用開始>
シーレーン防衛はフィクションなので、当然、海自はそれに沿った現実的な装備、計画も有してこなかった。海自の護衛艦=駆逐艦の多くはシーレーン防衛に不適格である。海自の護衛艦はガスタービン・エンジンを搭載し、30ノットを超える高速で航行できる大型のフネばかりである。最近になって島嶼防衛を意識した3,000トンクラスの小型が計画されている。
ガスタービン・エンジンは高速での航行を可能とするが、低速での航行は苦手で、燃料消費が多いので頻繁な燃料補給が必要となる。船団護衛には燃費に優れたディーゼル・エンジンあるいは、ガスタービン・エンジンとディーゼル・エンジンを組み合あわせた機関(CODOG(Combined Diesel Or Gas turbine)などを使用すべきだ。
あるいは近年発達してきたガスタービン・エンジンやディーゼル・エンジンを発電機として使い、電力で推進する、「統合電気推進」と呼ばれる一種のハイブリッド推進艦を使用すべきだ。
欧州の海軍ではタービンエンジンより、これら「推進」がむしろ主流であり、最高速度も30ノットを割っているフネが少なくない。実際30ノットを超える速度で水上艦が航行する機会は殆どなく、むしろ航続距離や燃費、あるいは燃料タンクに当てるスペースを他のペイロードに当てることが当然と考えられている。
ところが海自は艦隊補給艦である「ましゅう」級までもガスタービン・エンジンを採用している。これまた船団護衛随伴には向かない。これでは本来給油に回す燃料を自艦で消費することになる。このため搭載燃料が実際よりも少なくなっている。基本的に補給艦は低速で、また対潜活動も行わないのでディーゼル機関を用いるのが普通だ。
<引用終了>
清谷信一氏によれば、シーレーン防衛に必要な護衛艦は低速でも問題なく、重武装も必要ないが、補給艦も含めて数が必要とのことです。
つまり、船団護衛には、燃費に優れたディーゼル艦か、ガスタービン+ディーゼルのハイブリッド艦、あるいはガスタービン艦でも、ガスタービンで発電してモーターで推進する統合電気推進艦ならば適しているわけです。そして、ヨーロッパ諸国の艦艇は、こうしたタイプの艦が多いと言っているので、日本は異常なのです。
ところが、海自の場合、艦隊補給艦「ましゅう」級までもガスタービンを採用しているので、防衛省は「シーレーン防衛」と叫んでいるが真っ赤なウソであり、海自は米空母部隊と共同して戦うような「艦隊決戦」志向で、旧帝国海軍の艦隊決戦至上主義と同じだと批判しているのです。
★清谷信一氏は、われわれのような軍縮→自衛隊解体→郷土防衛隊(陸戦用の都市ゲリラ部隊)への再編派ではなく、自衛隊の軍備増強論者。だから、われわれとは根本的に異なりますが、軍事力による「シーレーン防衛」を志向するなら、この清谷信一氏の批判は正しい。
●そもそも、日本が本気で単独で軍事力による「シーレーン防衛」を志向するなら、中東から日本までの各地に補給・修理用の自衛隊基地を建設し、大量の護衛艦や航空機を配備しなければなりませんが、少子高齢化が進む日本には、そのような軍事費を負担するのは不可能です。
また、米軍やインド軍などと共同で行うとしても、中国と対立したままでは、この「シーレーン防衛」システム自体が、いつでも中国の「シーレーン」を破壊できる軍事施設になるので、中国から見れば深刻な脅威であり、ケンカを売るようなものです。
★ところが、この米軍やインド軍などと共同で建設する「シーレーン防衛」構想も、肝心要のインドも含めて、日本から中東に至る沿岸諸国のほとんどが、中国が「海のシルクロード」の建設を呼びかけて設立した「AIIB」に加盟したので破綻したのです。日本の「シーレーン防衛」構想と、中国の「海のシルクロード」構想は真逆の構想だからです。
★日本の「シーレーン防衛」構想とは、日本の最大の貿易相手国である中国に、ケンカを売る構想なので、たとえれば、日本は、その「問屋」が商品(リン鉱石)を卸してくれなくなれば、自分の店が潰れてしまうような「問屋」に、自らケンカを売るようなもので、アホな戦略としか言えません。しかも、その「問屋」は、自分の店の最大の「お得意さん」でもあるわけです。
(様々なリンの枯渇対策が行われているが、リンがレアメタルと異なるのは、安い費用で大量に回収しなければならない点。仮に大量に回収できても、費用が高ければ、結局は食料は暴騰。リン枯渇は、200〜500年先ともされ定かではないが、さしあたり問題は枯渇よりも価格で、枯渇する前には高騰するハズで、その時期が問題。現在でも戦略物資なので米国は禁輸。リンの産出国は限られているので、日本は中国の言い値で買うしかない立場)
●もちろん、中国にも、日本のネトウヨのような国粋主義者がいる。だから、「東アジア共同体」を設立して、中国が勝手な行動が出来る「主権国家」であることを止めさせて、万一中国で国粋主義勢力が多数派となっても、東アジア全体の力で、中国の勝手な「単独行動」は不可能となるようにするべきなのです。
「東アジア共同体」を結成するためには、東アジア全体で「平和条約」を結ぶことになっていますから、日本と中・韓・北朝鮮との戦争は起きないようになり、やがて、必然的に「NATO」のアジア版が結成される。
★なぜなら、これまでの歴史が実証しているように、経済領域での共同は、政治領域での共同へと進み、やがて軍事領域での共同へと進むのは必然だからです。
★このように、87さんが公開の場で、的外れな批判をして恥をかいてしまうのは、相手(われわれ)の話を良く聞かず、先入観だけで判断して、勝手な妄想でコメントを書くからです。
★念のために、もう一度、リンクを下に貼りますが、これまでのこの欄のわれわれのコメントを全て、良く読んで再考してください。
★尖閣で、中国人が一人でも死んだら、また子孫たちが謝罪しなければならなくなる。とにかく、尖閣で無駄な戦争を起こし、自衛隊員や多くの日本人を殺すことになる策動はやめろ。
[清谷信一] <海上自衛隊のシーレーン防衛はフィクション>日本には戦時に守る対象となる自国の商船隊が存在しない
http://japan-indepth.jp/?p=6994
[清谷信一] <海上自衛隊のシーレーン防衛の無駄>火星人やゴジラの襲来にそなえて軍備予算を毎年要求するに等しい
http://japan-indepth.jp/?p=7249
田岡俊次「安倍総理の「米国艦船守れず論」に4つの点で重大な誤り」
http://diamond.jp/articles/-/53752