90. ym[1] gpmCjQ 2016年1月13日 07:34:19 : vgbmdfZROw : Dsfx5r9L2oI[1]
「知る大切さ」さんは幾つか、根本的なところで誤解をされていると思うのですが、
まず割引率と物価を混同されないことが重要かと思います。
「割引率」というのは厄介な概念なのですが、今の場合、簡単に言うと
割引率とは発電主体(電力会社等)が資金を借り入れるときの「利子率」のようなものだと
考えるのが妥当です。
(「知る大切さ」さんは、割引率が経済成長率と関係あるかのように書かれて
いるように読めますが、実際には経済成長率とはあまり関係ありません。)
「利子率」には、「実質利子率」と「名目利子率」があります。
例えば名目利子率が5%だった場合、今年の100万円は来年は105万円になるわけですよね。
しかし、仮にインフレ率が2%だと、物価として今年の100万円は来年の102万円に相当するので、
せっかく5万円の利子がついたとしても、実質ベース(物価の影響を控除したベース)でいうと
3万円分くらいしか利子がついていないことになります。
この場合、物価の影響を控除した利子率を実質利子率といい、
名目利子率が5%、インフレ率が2%の場合には、実質利子率は3%となります。
「割引率」は今の場合「利子率」のようなものなので、やはり
「実質割引率」と「名目割引率」があります。
(わかりにくければ「割引率」を「利子率」に置き換えて読んで頂くと良いかと思います)
発電コスト検証ワーキンググループで言われている「割引率」とは「実質割引率」のことで、
しかもこのワーキンググループで計算されている「コスト」や「貨幣価値」は
全て「実質」ベース(正確には2014年実質値、つまり2014年時点での物価水準に全て換算した値)
で記されています。
例えば、2014年モデルプラントで原子力の発電コストは政策経費込みで10.1円/kWh〜、
2030年モデルプラントでは10.3円/kWh〜、となっていますが、
これは物価の影響を控除した「実質」ベースで「10.3円/kWh〜」である、との結果になっているわけです。
仮に、2030年モデルプラントの計算時点までに20%のインフレが起きたとすると、
「名目」ベースでは原子力発電コストは「12.36円/kWh〜」である、ということです。
将来のインフレ・デフレの影響で将来のコストは見かけ上、大きく変わってしまいますので、
こういう場合、このワーキンググループのように、「実質値」で記載するのが一般的です。
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/371.html#c90