1. 2015年12月24日 09:02:00 : GzctEKKi0E : 8IHgTU@mT9U[1]
国境なき記者団による、シリアで拘束された邦人ジャーナリストへの身代金要求報道について
大野元裕2015年12月23日 23:04
リンク(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151223-00000065-mai-soci)した記事によれば、本年6月に行方を断ち、シリアにおいて拘束されたといわれてきたジャーナリストの安田淳平氏を拘束したグループが、身代金を要求したと「国境なき記者団」が声明を発出した由である。
国境なき記者団は、安田氏を拘束したグループが身代金を要求しており、早急にこの要求に応じなければ、安田氏を殺害もしくは他のグループに転売するとの情報に接し、国家によるジャーナリストの保護・解放責任を求めた国連決議等に基づき、日本政府が同人の安全のために必要とされる措置を採るよう求めている(http://en.rsf.org/syria-japanese-journalist-in-danger-rsf-2…)。
安田氏は、シリア入国のために複数の筋にコンタクトしながら、トルコ側のアンタクヤにおいて取材を行っていたことが分かっている。また、トルコ政府当局やシリア反体制派のアフラール・アッ=シャームに対して、シリア入国の許可、あるいはそのための便宜を図ることを求めていたことから、行方不明後は、シリアに入国した可能性が高く、そこで拘束された可能性が高いと考えてきた。
また、トルコ・シリア国境からイドリブに向かう地点で拘束されたとの情報があるが、同声明でも越境後数時間のヌスラ戦線支配地域で拘束されたとあり、この点は符合している。イドリブは複数の勢力がうごめく地域であるが、当時イドリブ郊外のシリア側で勢力を保持していたのは、ヌスラ戦線、同戦線に参画しているサウジ人ムハイシニーのグループ、もしくは現地の部族勢力であり、安田氏が拘束されたとすれば、これらのグループのいずれかである可能性が高い。
身代金要求の真偽についてはわからないが、イドリブ郊外で同様に拘束されたといわれているドイツ人ジャーナリストに対して身代金要求が出ているのは気にかかる(http://en.news-4-u.ru/militants-dzhebhat-en-nusra-captured-…)。他方で、ヌスラ戦線は、この身代金をめぐるドイツ政府と誘拐犯の交渉への関与を否定している(http://www.qasioun.net/…/Al-Nusra-denies-any-relation…/4670/)。
安田氏は、2004年にイラクのファッルージャ付近で拘束された三人のうちの一人で、「自己責任」論を巻き起こした一人であり、かりに上述のような報道が事実だとした場合、自己責任論の再燃を含め、同人解放のための身代金をめぐっては、様々な世論が喚起されることが予想される。この時期のシリア訪問は、ジャーナリストとしての行動とは言え、慎重さを欠いていることは事実で、また安田氏は人質保険(Kidnap and ransom insurance)にも加入していなかったようであり、不用意であったとのそしりを免れない
その一方で、邦人保護およびジャーナリストの安全確保について日本政府が全く責任を負わないという議論も成立しない。特にイドリブ付近は、過去数か月、ロシア軍による空爆にさらされており、政治的な動きが絡んでいる以上、ジャーナリストでは手に負えない状況にあることも事実である。
いずれにせよ、現時点では不明確な情報が多すぎるが、この報道が誤りであることを祈るとともに、すでにこの問題が指摘されてから半年に至ろうとしているのであるから、日本政府として事実関係の確認に力を注ぐべきであることは言うまでもない。
http://blogos.com/article/151488/
http://www.asyura2.com/15/senkyo198/msg/552.html#c1