28. 母系社会[1152] leqMbo7Qie8 2016年2月24日 23:26:35 : lqUODLGThY : 5N_y3Lz4rdM[1]
●厳密に言えば、<資金供給量を増加させれば、物価の上昇率が上がる>というような特定の原因が特定の結果をもたらすという<因果律>自体が誤りで、全てが全てに相互に関係しているという<相互作用論>が正しい。
★現代の量子物理学では、既に特定の原因が特定の結果をもたらすという<因果律>は放棄され、起きた現象を単に数式で記述するだけの弁証法的な相互作用論に移行している。
★また、最近は自然科学でも社会科学でもシステム論的な相互作用論=関係主義が台頭している。結局は中国の<森羅万象は木・火・土・金・水の5要素が互いに作用し合い、その生成消滅によって変化が起こる>というような全てを俯瞰的に分析する「陰陽五行説」的、仏教的な東洋思想の方が、西洋の因果論的な「機械論的自然観」よりも正しかったのである。
●とは言え、問題が起きたら何らかの対処が必要なので、現象をできるだけ俯瞰的に分析して事態に関係する多くの要素を見出して何らかの仮定を立て、対策を考え、実行しなければならない。
この時、機械のような単純な構造の故障ならば、割と簡単に「原因」を見つけて修理が可能であるので、一見すると因果律が正しいように思えるのだが、これは近代の「機械論的自然観」を前提に、事態を解釈するから正しいように思えるだけである。
しかし、経済というような政治から自然現象、文化などまで全てが関係する複雑なもの、つまり、自立的対象ではないものは、当然のことだが全ての「要素」間の関係を考慮することは不可能だから、その対策は「失敗」したかのように思われる場合もあれば、「成功」したかのように思われる場合もある。しかし、それも一時的な評価に過ぎない。厳密に言えば真相は不明。
(近代経済学よりも経済人類学の方が、より妥当である根拠。近代経済学は学問=理論ではなく、資本主義を前提にした技術論である)
★だから、今回のように、失敗して万一「ハイパー・インフレ」が起きたら、対処不可能になるような「異次元金融緩和」はすべきではないのであり、このことは、福島原発の過酷事故で思い知ったハズだが、黒田のようなアホにはわからないのだろう。
★それで、多くの人々が指摘しているように、黒田の「異次元金融緩和」よりも、再分配を強化して貧困を無くし、内需を高める政策の方が失敗した場合の被害が少ないので、妥当な経済政策である。