50. 母系社会[1124] leqMbo7Qie8 2016年1月08日 18:03:43 : 8dMVMJwlIs : 2wMtOlAGP54[1]
★安倍政府は農業も自由化し、日本の農業を輸出産業にすると言っているが、農産物は基本的には「地産地消」すべきもので、農産物の自由化は、多数の人々が餓死する大惨事を起こす可能性がある。
●というのは、病害菌や病害虫により、世界の食料収穫量は年間20〜40%も減産させているという研究報告があるからだ。
★食料の安全保障にとって病害虫や病原菌は、依然として深刻な脅威なのである。
例えば、メキシコから北アメリカ経由でヨーロッパに侵入した「ジャガイモ輪腐病」は、1845年からヨーロッパ全域で4年間大流行。それで、当時英国の植民地だったアイルランドでは、貧農の主食がジャガイモだったために人口の20%以上、100万人の貧農が餓死する大惨事となった。
ただし、これは宗主国英国が飢餓輸出したことで起きた大惨事。それで1997年、英国首相トニー・ブレアが公式に謝罪したのだが、この「ジャガイモ輪腐病」は戦後、日本にも広がり今でも被害が発生している。
また、やはり北アメリカから侵入した「タバコべと病」により、ヨーロッパのタバコ属植物とナス科植物に大被害が生じた。他にも1865年、アメリカから輸入したぶどうの木に外来種のアブラムシが感染していたため、フランスのワイン産業が全滅しかけたこともある。
また、北アメリカを原産地とする害虫には、アメリカシロヒトリのように、ほぼ全世界に広がり、サクラ、ヤナギ、カキ、コナラ、リンゴなど約100種類以上の樹木に、現在でも被害を生じさせている害虫もいる。
東アフリカでは、1980年代に中央アメリカからきた害虫「オオコナナガシンクイムシ」により、貯蔵穀物の80%が被害を受け、深刻な食料不足が起きた。 途上国の小規模農家には、病害虫による被害は生死を左右する大問題。
日本でも、江戸中期に西日本各地で起きた「享保の大飢饉」は冷夏と害虫で起きた飢饉であり、少なくとも1万人以上、最大で約100万人の餓死者が出で、250万人以上が飢餓に苦しんだらしい。
●食料品の貿易で広がる世界各地固有の病原菌や病害虫は、一般的に拮抗菌や競争種、天敵がいない新天地では急速に蔓延し、大きな被害を与えるというのが定説。
それで、病害虫の拡散防止のため、1952年に「国際植物防疫条約」が制定された。しかし、近年は経済のグローバル化で、かつてないほど農産物貿易は増大し、新しく輸入されるようになった食料品の種類も量も急速に増え、益々検疫が困難になっている。
★また、仮に将来、技術進歩で完璧な検疫が可能になっても、病害虫や菌はコンテナと一緒に侵入する場合もあるので、農産物貿易を縮小するしか、防ぐ方法は無い。
★基本的には、各国は極力食料の自給率を上げて、食料貿易は必要最小限にするべきであり、農業貿易は強いて拡大するべき分野ではない。
(ヨーロッパで、何度も猛威を振るった天然痘やペスト、梅毒などは有名ですが、無害な菌も突然変異で植物だけでなく、動物や人間にも害を与える病原菌になるかもしれない)
★だから、安倍内閣がTPPで、農業も輸出産業化が可能と提唱しているが、農産物を輸出する政策は日本人だけでなく、人類に甚大な被害を与えるかもしれない反動的政策である。
しかし、既に日本の商社やモンサントなどの巨大アグリビジネス資本が、農産物貿易で巨利を上げて欧米の政治家やマスゴミを買収しているため、決して日本の新聞やテレビは、こうしたリスク問題は報道しない。
<国連FAO>植物病害虫に対する国際協定は施行から60年目を迎える
FAOは、国際植物防疫条約の制定日を祝う
http://www.fao.or.jp/detail/article/807.html
http://www.asyura2.com/13/senkyo153/msg/476.html#c50