32. 2017年7月01日 13:29:51 : HKDvtdqqJY : V3ga7DFyBP8[1]
前川喜平・前文部科学省事務次官と朝日新聞の”共謀罪” 加計学園問題
2017年6月
◆朝日新聞が使った禁じ手
学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画をめぐり、民進党など野党やメディアは激しく安倍政権批判をしています。
改めて流れを整理すると、事の発端は朝日新聞2017年5月17日付の朝刊です。
<安倍晋三首相の知人が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)が国家戦略特区に獣医学部を新設する計画について、文部科学省が、特区を担当する内閣府から「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だと聞いている」などと言われたとする記録を文書にしていたことがわかった>
その後、文書を持ち込んだのが前文部科学省事務次官の前川喜平氏であることが分かり、彼は新聞、週刊誌、テレビに出まくって政権批判を繰り返している、という状況です。
前川氏は天下り問題で辞任をしたのですが、自身は「引責辞任は自分の考えで申し出た」と主張しています。
しかし実を言えば、前川氏は処分リストの中に自分を加えず、さらに問題の調査をしている段階で、文部科学省の事務方から前川氏の定年延長の打診があったという。つまり、「責任を取って辞める」という意思はさらさら無かったのです。
だから、菅義偉官房長官もこの件について、「当初は責任者として自ら辞める意向を全く示さず、地位に恋々としがみついていた」と前川氏の主張を完全否定しています。
それを恨みに思い、最終的な自分の処分が定まった後で、前川氏は今度は自分で問題の文書を幾つかのメディアに持ち込み、「記事として書いてほしい」と依頼したのです。
しかしダブルチェック、つまり前川氏以外にこの文書の真贋の裏取りができなかったため、朝日新聞以外はどこも報じませんでした。
朝日新聞はダブルチェックを怠ったただけではありません。最初に報じた時は、前川氏が持ち込んだことを隠して「どこかから手に入れた文書」という扱いにし、尚且つそれを前川氏に確認するという、前川氏に一人二役をやらせるという禁じ手を使ったのです。
これはメディアがやってはいけない手法でしょう。このやり方ならば、得体の知れない人間が持ち込んだ文書でも何でもスクープになってしまいます。
朝日新聞はこれだけでなく2017年5月30日にも、前川氏が首相補佐官の和泉洋人氏と官邸で複数回面会し、「総理は自分の口から言えないから、私が代わって言う」などと言われたという証言を報じていますが、これもまた裏取り取材をしていないのではないか。
これでは、朝日新聞はプロパガンダ新聞と言われても仕方がないでしょう。
◆文書改竄の可能性
この問題は、文書に「総理のご意向」という文言が入っていたために、事が大きくなりました。
私の父も官僚でしたし、友人知人、先輩後輩に官僚は何人もいます。その中で、もう官僚を辞められた方がこんな話をしていました。
あるプロジェクトについての会議の中で、1人の官僚がこんなことを言ったそうです。
「これは××先生の地元の案件だから、もっと手際よく進めた方がいいのではないか」
別にその官僚は政治家に依頼されたわけではない。勝手に忖度をして、手際よく進めようとしたのです。
翻って今回の加計学園ですが、これは国家戦略特区で、総理がいわゆる岩盤規制に穴を開けようとした規制改革になる。総理のそういった思いを官僚は十分に承知している。だから、「総理のご意向」という言葉があったとしても、問題でもないし、不思議でもないのです。
さらに、あれは公文書なのか、という疑問もあります。公文書ならば発出部局と日付が入っており、さらに内閣府にも確認してもらったものです。しかし今回出てきたものは、あくまで文科省内の【メモ】に過ぎない。それこそ「総理のご意向」という言葉を入れたら通りやすいので、入れた可能性もあります。
それだけでなく、前川氏が朝日新聞などに持ち込んだ「文科省内部文書」と、文科省内で見つかったメモは、形式やフォントが一致せず、違うものとなっています。すなわち、前川氏が改竄してメディアに持ち込んだ可能性もある。
メディアはそんなことは分かっていたはずです。私はNHKの記者出身で、各テレビ局や新聞社には仲間がいるので話を聞くと、心ある記者は皆おかしいと思っていました。しかし、デスクなど上の方から「書け」と命じられるので書かざるを得ない状況だったのです。
メディアにいろいろ問題があるのは確かです。朝日新聞や東京新聞は常に左寄りの報道をするが、それはあくまで事実に基づいた報道という線は守っていると信じていました。
しかし、加計学園の件は事実に基づいていない。曖昧なことを確定的に報じ、一方の証言だけを取り上げる。これは極めて不健全だと言わざるを得ません。
またなぜ、前川氏が朝日新聞などメディアに持ち込んだ「内部文書」と、朝日新聞に報道される当日に民進党が入手した「内部文書」の形式やフォントが一致するのか。前川氏が民進党に持ち込んでいたのでなければ、朝日新聞か他のメディアが民進党に渡したことになります。メディアとして、ジャーナリズムとして、やってはならないことです。
◆獣医は余っていない
「なぜ、加計学園だけが50年もの間、どこの大学にも認められなかった『獣医学部新設』を認められたのか」という疑問があります。加計学園ありきではないのか、そもそも獣医は余っているのではないかと。
実は小動物などの獣医診療、いわゆるペットクリニックに務める獣医は余り気味ですが、公的機関で畜産関係の検査などに携わる獣医は不足しています。このことは毎日、政権批判を繰り返しているテレビ朝日の「報道ステーション」でさえ報じたことです。
このギャップが生まれるのは、ペットクリニックなら儲かりますが公的機関では給料が安いからで、そのあたりの給与面の改善はしていく必要があります。それはともあれ、全体として獣医が足りないのだから獣医学部を新設する必要があるのは当然でしょう。大阪府立大学の獣医学部の教授も、インタビューで「増員してほしいと要求しているけど、なかなか通らない」と答えていました。
規制改革の中で新しく獣医学部を作ったほうが良いとなり、そこで愛媛県や今治市が早くから申請していたわけですから、そこに作ろうという話になるのは至極当然な流れではないでしょうか。
◆日本獣医師会会長が手柄顔
そもそも52年間も獣医学部が新設されなかったのは【日本獣医師会】が反対していたからです。
実は安倍政権になってから、40年近く新設されなかった大学「医学部」の許可が下り、2016年度には仙台市の東北薬科大学に、2017年度には栃木県の国際医療福祉大学が千葉県成田市に「医学部」を設置しました。地元からはとても歓迎されていますが、これも長年新設されなかった理由は【日本医師会】から強く反対があったからです。
2017年1月、日本獣医師会の会報のコラムに、藏内勇夫会長が「我々の要請が実って、開校されるのは1校のみとなりました」と手柄のように書いていました。つまり、本来だったら加計学園だけでなく、他の大学にも許可が下りるかもしれなかったはずなのに、日本獣医師会が反対したことで、まずは1校だけで済んでしまった、ということです。
1校だけとなれば、獣医学部のない四国で、愛媛県とともに早くから申請を出していた今治市が採用されるのは全く不思議ではありません。もしここがうまくいったら、今後は京都産業大学も認められるかもしれないし、また獣医学部のない北陸にだってできる可能性は十分にあります。国家戦略特区によって、どんどん規制改革が行われていく好例になる。
驚いたのは、民進党が2017年6月7日、国家戦略特区を停止する法案を提出したことです。これは、民進党が岩盤規制を守る守旧派に成り下がった、ということを自ら表明したようなもの。散々、自民党の族議員云々と批判していた政党とは思えません。
民進党の内部が混乱しているのも確かでしょう。加計学園グループは江田五月氏と関係があったり、岡山1区を地盤とする民進党の高井崇志氏が獣医学部新設に尽力したことを自身のHPで書いています。
一方で、安倍政権を強く批判している玉木雄一郎氏の父親は獣医師で香川県獣医師会幹部、弟さんも獣医で、獣医学部新設を阻止することを日本獣医師会の総会で発言している。
民進党内では加計学園、獣医学部をめぐって意見が割れているのです。もしかしたら先の国家戦略特区停止法案はその混乱ゆえのものなのかもしれません。
会長短信「春夏秋冬(42)」
平成29年1月30日 公益社団法人 日本獣医師会 会長 藏内勇夫
http://nichiju.lin.gr.jp/test/html/aisatsu/shunkashuutou/log42.html
新たな獣医学部は必要なのか? 加計問題を見誤るな!
https://www.houdoukyoku.jp/posts/12860
続報!民進党・高井議員が獣医学部新設要望の過去ログをこっそり再公開
2017/6/26
http://ksl-live.com/blog9535
◆貧困女子の調査なら部下に
民進党と言えば、衆議院の本会議で、宮崎岳志(たけし)氏が前川氏の歌舞伎町「出会い系バー」(連れ出しバー)に出入りしていた件について質問しました。本会議で質問することなのか。
この件は、読売新聞が2017年5月25日に報じて表面化しました。これは読売新聞が政府からの情報リークで報じた提灯記事だ、ジャーナリズム失格だという批判がありましたが、この批判は全く当たらない。
実は2016年末の時点で、番記者のほとんどはこの件を把握していました。記者は政治家との懇談やオフレコ談義の中で確認もしているはずです。当時は、政府側がプライベートな事だからと配慮を求めていたのではないか。記者も明らかな買春なら報じたかもしれませんが、2016年末の時点では買春の明らかな証拠までは辿り着けず、あえて報じなかった。
ところが、今回の件で前川氏が表に出てくるようになったので公益性が高いと判断し、読売新聞がゴーサインを出したのでしょう。
野党議員は、「実際に売春も行われていないから問題ない」と言う。それはおかしい。「出会い系バー」(連れ出しバー)に通って女性にお金を渡す行為は、女性が性を売る行為を助長しています。
「JKお散歩」という女子高生を利用したビジネスがあります。店の経営者は女子高生に場所を提供し、そこに来た男性がお金を払って連れ出してデートする。これは大きな社会問題になっていて、女子高生を守る観点からも取り締まりや補導が行われています。
出会い系バー(連れ出しバー)は、これが女子高生ではなく、若い女性に置き換わっているだけです。男性とデートすればお金が貰える、つまり安易に女性という性を売り物に使うことを助長させていることになる。
もし、貧困の中でそうしたことをしているのだとしても、安易に性を使ってお金を稼ぐというのは健全なことではない。
もし本当にそうした女性たちの実態を知りたい、貧困から救いたいと思っているのであれば、歌舞伎町の同じ店にばかり行っても意味がない。それに調査のためなら、何も事務次官が自ら行くことはない。部下にやらせれば済むことです。そういった行為を止めさせ、自分で働き口や面接に行ける先を紹介したりして何とか抜け出せる努力をするべきでしょう。
◆女性が性を売る行為を助長
しかし、前川氏は週に何回も出会い系バー(連れ出しバー)に通って女性を連れ出し、お小遣いを渡している。まさに女性としての性を売ることを助長する行為です。
前川氏は「貧困調査だ」と言い訳していますが、ではその後、文科省内で出会い系バー(連れ出しバー)に出入りする女性の貧困についての対策を取る、また研究するというプロジェクトなり指示なりがあったのかというと、文科省曰く「全くない」。調査の結果はどこへ行ってしまったのでしょう。
プライベートはともかく、事務次官まで務め上げたのだから前川氏は官僚として優秀だった、という意見もありますが、それも疑問です。
宮城県の石巻市立大川小学校は、東日本大震災の津波によって児童の7割が亡くなりました。本当に痛ましいことですが、その後、遺族が学校管理下においての不適切な避難行動による過失死だとして、石巻市と宮城県を相手に損害賠償を求めた裁判になりました。
なぜ、そうなったのか。
大川小学校事故検証委員会は文科省主導で設置されたのですが、最終報告書が時系列も事実関係も不正確なものだった。ご遺族は「これで事実関係が明らかになる」と思っていらしたのですが、余りにも報告書が酷いために訴訟という手段を取らざるを得なかったのです。
この検証委員会の指揮を執ったのが、他ならぬ前川氏でした。
当初からご遺族の間では検証委員会の人選に疑問を呈されていて、「地元のことが分かっている遺族も参加させてほしい」と言っていたのに、前川氏は「それは必要ない」と拒否した。
最終報告書が出たのは平成26年で、前川氏は初等・中等教育局長でした。ご遺族が中間報告も最終報告書にも「事実関係がおかしい点がある」と伝えているのに、「公平中立な検証が行われていると確信している」と突っぱねた。
前川氏は、加計学園をめぐって「行政のあり方が歪められた」と言っていましたが、本当に行政のあり方を歪めたのは前川氏ではないでしょうか。
◆メディアの劣化は明らか
民進党は前川氏の証人喚問を要求しており、NHK世論調査でも「必要だ」が52%でした。しかし、私は【必要無い】と思います。これほど信用できない人間を呼んでも、本当のことを言うとは限らない。
籠池氏も呼んだはいいが、偽証がいくつもあったことを思えば(籠池氏を偽証罪に問えるかはハードルがありますが)、前川氏が偽証をしないとは言えません。
それに、前川氏はこれまでテレビや新聞、雑誌などに出て、散々自分の意見を言いまくっている。今さら彼に何を訊くことがあるのでしょうか?
メディアが連日報道すれば、何か問題があったかのように一般の人が思うのも無理はないかもしれませんが、本来は何も問題ではないのに大騒ぎになっている。バカげた話です。
政府としては、丁寧に説明を続ける以外にない。本当は、菅義偉官房長官は記者会見で、これまで私がお話ししたようなことをずっと言い続けているのですが、編集されてカットされてしまっているのです。
繰り返しになりますが、こんな捏造に近いことを1面トップで報じ、その後も大騒ぎ。メディア出身者としてずっとメディアを信じ続けていたのですが、もはやメディアの劣化は明らかです。
国会 和田政宗 が 前川前事務次官 の苦しい言い訳にとどめを刺す! ヤジの意味が本当にわからない 加計学園 最新の面白い国会中継 NPC
https://www.youtube.com/watch?v=wGzIayyvF7o&t=169s
(11分10秒あたりから)
文部科学省:佐藤生涯学習総括官
「ご指摘の女性の貧困について在職中の前川氏より関係部局において具体的な対策や研究の指示を受けたことはございません。また文部科学省として前川氏の行動については把握しておりませんが、在職中の前川氏が女性の貧困に関する、ご指摘の女性の貧困に関しますレポート等の提出をした事実はないと承知しております」
大川小学校の遺族、損害賠償訴訟の判決に向け胸中を明かす「本当は裁判まで起こしたくなかった」
投稿日: 2016年07月27日 18時42分 JST
http://www.huffingtonpost.jp/2016/07/27/okawa-sho_n_11212524.html
【加計問題】前川氏、大川小“津波で児童74人犠牲”検証委員会から遺族を排除していた(4:28〜)
投稿日:2017年6月9日
http://japan-newsforest.com/domestic-news/maekawa-izoku-haijyo170609/
【加計問題】前川氏、大川小“津波で児童74人犠牲”検証委員会から遺族を排除していた
投稿日:2017年6月9日
http://japan-newsforest.com/domestic-news/maekawa-izoku-haijyo170609/
https://www.youtube.com/watch?v=7VJVW5YzhoE#t=4m26s
平成29年6月8日 参議院内閣委員会
質疑者 自民党こころ・和田政宗
○ 和田委員
(前略)
そうした学校事故の原因調査や再発防止という点においては、東日本大震災における宮城県石巻市の大川小学校の事故をしっかり見てみなくてはいけません。この事故は全校児童108人のうち74人が亡くなりました。地震発生から約50分間、津波が襲ってくる直前まで学校管理下で児童に避難行動を取らせなかったわけですが、行政によって設置された事故検証委員会の最終報告書が「検証不足」だということで、遺族が訴訟にまで発展をしました。この大川小学校の事故検証委員会、これ文科省が主導する形で設置されましたけれども、この検証委員会の設置や人選について文科省で指揮を取ったのは誰でしょうか。
○ 瀧本審議官
お答えします。大川小学校事故検証委員会は石巻市が設置したものであり、文部科学省、宮城県教育委員会、石巻市教育委員会およびご遺族の4者の話し合いを経て、公正中立な検証を行うため、第三者を構成員として組織されたものでございます。文部科学省は、この検証業務が公正中立に行われるよう、組織としてオブザーバー参加していたものと承知しております。
○ 和田委員
事故検証委員会にそれでは遺族代表や遺族関係者をなぜ入れなかったのか、これは誰の判断でしょうか。
○ 瀧本審議官
お答えします。大川小学校事故検証委員会は、公正中立な検証を行うために、先ほど紹介した文科省と宮城県教育委員会、石巻市教育委員会およびご遺族の4者の合意の下に委員は第三者とし、当該4者、すなわちご遺族も含めてですね、この4社からの委員の選任は行いませんでしたが、この人選については事前にご遺族に説明をし、大方のご理解をいただくともに、検証委員会の開催ごとに意見交換の場を設け、ご遺族のご意見を十分に聴取しながら検証が行われたものと承知をしております。
○ 和田委員
与党側なので、そこまで追及するのはどうかというところはあるのですが、これはもう私が野党側の時からやっておりましたので、もうちょっとこれは切り込んでいかなくてはならないのですが、これ、「遺族を検証委員会に入れなかった」「入れるのは難しかった」という風に判断したのはですね、当時の前川喜平官房長なんですね、これ。当初からですね、ご遺族の間には事故検証委員会の委員の人選にも疑問が呈されまして、「遺族も参加を」という風に言っていたのを、前川氏は「それは必要ない」と言って「だめだ」という風に押し切ってるんですね。で、まぁ「行政を歪めた」というような発言が前川氏は何かしてるようですけれども、この時、前川氏、行政歪めてるんですよ、これ。ご遺族の中にはですね、当時の前川氏の様子や話を振り返って、「当初からしっかり検証する気もなかった」という風に怒りを述べてる方もいるわけです。それでも検証がしっかり行われればよかったわけですけれども、事故検証委員会の最終報告書、これ何度も何度も私も読み返しました。 事実関係が地震から津波が襲ってくるまでの50分間のあいだ、これ検証できてないわけですよ。私は防災の研究者でもありますけども、客観的に見ても、どう考えても時系列がおかしいところがあります。最終的にこの報告書でよいと判断したのは文科省の中の誰なんでしょうか。
○ 瀧本審議官
お答え申し上げます。大川小学校事故検証報告書は、公正中立かつ客観的な検証となるよう、第三者を構成員とする、この検証委員会により作成されたものでありますが、報告書の内容について様々なご意見があることは承知をしておりますが、文部科学省としては事故関係者がほとんど死亡するなど、当初から困難な条件の下、原因究明に向け可能な限り の検証が検証委員会として行ったものと認識をしているところでございます。
○ 和田委員
文科省全体で、というようなことになってくるかという風に答弁なさっておりますけれども、いま少し答弁の中でもありましたけれども、これ実は「検証が不十分だ」ということで、検証委員会の委員長も認めてる最終報告書を通してしまっているというところがあるわけです。この最終報告書、出たのが平成26年ですけれども、前川氏は初等・中等教育局長。ご遺族が中間報告や最終報告書の案に対して、「事実関係がおかしい」という風に客観的に述べてもですね、「公正中立に検証が行われていると確信している」と何度も言ってるんですね。当初の人選も含めて、この委員会を主導した前川喜平氏に対してですね、ご遺族、かなりの怒りを持っております。大川小学校で子供を亡くしたご遺族の方々はですね、「なぜ子供が命を失ったのか、その原因を明らかにしてほしい」ということで、この検証委員会に賭けてたわけですけれども、それが全くなされなかったということで、訴訟に訴えるしかなかった、裁判で事実を明らかにするしかなかったということで、「検証報告がしっかり行われていれば、そういう風にしなかったかもしれない」と言ってる遺族もいるわけですね。こうした点において委員会を主導した、前川喜平氏の責任は大きいですし、文科省全体でということであれば、文科省自体の責任も大きい。これはですね、運輸安全委員会のような強力な権限を持った調査機関というものを私は必要だという風に思っておりますし、こういったものがですね、大川小の事故を教訓として作られるのであれば、ご遺族自体も「自分たちの教訓が活かされるのであれば、ということで訴えなかったかもしれない」という風に言っている人が実際にいるわけですね。こういったところをですね、踏みにじったという風に私は被災地の議員として、ご遺族の切実な中でそういったことを申し述べたいという風に思います。それで、メディアやこの国会内の質問でもですね、「前川喜平氏、素晴らしい人物だ」という風に述べておられてる方がいらっしゃいましたけれども、確かに優れた部分はあったのだと思います。事務次官まで務められたわけでありまして。しかし、そうではない側面も私はあったという風に認識しております。それなのにとにかく素晴らしい、素晴らしいと、まさにおかしなことであるという風に思います。前川氏の事務次官時代の連れ出しバー通いに、それは現れてるのだと思うのですけれども、なぜか「これは貧困調査だ」と肯定している議員もいますけれども、 連れ出しバーに通ってデートに連れ出して女性にお金を渡すという行為は、女性が女性としての性を売る行為を助長しているわけです。
「JKお散歩」という女子高生を利用したビジネスというものをご存知だという風に思うのですけれども、これ店の経営者がですね、女子高生に場所を提供して、そこに来た男性がお金を払って連れ出してデートをする、これはもう大きな社会問題となっておりまして、女子高生を守る観点からも取締や補導というものが行われているわけです。連れ出しバーはこれが女子高生ではなく若い女性に置き換えているだけなんですね。連れ出しバーに来て男性とデートをすればお金がもらえる、安易に女性という性を売り物に使うことを助長させているわけです。貧困の中でですね、もし女性がそういったことをしているのだとしても、安易に女性としての性をそういう風に使ってお金を稼ぐというのは健全なことではありません。もし本当にそうした女性たちを貧困から救いたいという風に思っているのであれば、そういった行為をやめさせて、自分で働き口を紹介したり、そこまでは無理だとしても面接に行ける先を紹介したりしてですね、何とか抜け出させる努力をするというのが普通だという風に思います。しかし、前川氏は何回も何回も連れ出しバーに通って女性を連れ出して、お小遣いを渡している。これすなわち、若い女性とのデートをお金で楽しむ、ということですね。まさに性を売ることを助長する行為です。そこで文科省にお聞きをするんですが、前川氏は連れ出しバー通いを「貧困調査だ」という風に述べておりますけれども、実際にこうした出会い系バーに出入りする女性の貧困について対策を取るようにですとか、研究しろなどの指示はあったのでしょうか。また前川氏からレポートなど提出はあったのでしょうか。
○ 文部科学省 佐藤生涯学習総括官
ご指摘の女性の貧困について、在職中の前川氏より関係部局において具体的な対策や研究の指示を受けたことはございません。また文部科学省として前川氏の行動については把握しておりませんが、在職中の前川氏が女性の貧困に関する、ご指摘の女性の貧困に関しますレポート等の提出をした事実はないと承知しております。
○ 和田委員
この話はこれくらいにしておきますが、すり替え云々という発言が飛んでますけれども、これは文科省のトップとしてですね、現職時代にこのように女性を性としてですね、売るようなことを助長するというのは非常に由々しき問題だという風に思うんですね。前川氏の一連の発言とその関連性がある云々ではなく、これはまさに私は非常に問題があるという風に思います。こうしたことに野次が飛ぶのは私は理由としてよくわからないんですけども、本当にこうした行為がね、恥ずかしくないのか、そういった貧困の中にある女性がそういう風に安易に女性としての性を売ることを助長しないのか、これはしっかり考えていただきたいという風に思います。そういった女性は守っていかなければならないのでありまして助長する行為というのは断じて許せないという風に思います。
前川喜平前文部科学省事務次官 正義ヅラは笑止千万
2017年6月
◆加計学園疑惑は問題なし
北朝鮮情勢の緊迫、パリ協定離脱などトランプ大統領の暴走、陛下の退位問題と憲法改正、テロ対策など日本は経験したことのない難しい選択の時にある。
にもかかわらず、野党と自称リベラル系メディアは、森友事件とか加計学園問題という大スキャンダルとは言えない些事に熱を上げている。
ところで、私に限らず、霞が関OBなど行政の仕組みの実態を分かって人間にあって、ほぼ衆目一致しているのは、森友はプチスキャンダルだが、加計疑惑はそもそも何の問題もないということだ。
森友は悪気はなかったにせよ、安倍昭恵夫人が問題のある人物の口車に乗って広告塔的な役割を演じさせられてしまったのだから、証人喚問はともかく、どこかの区切りで反省の言葉くらいは欲しいところだ。
対して加計疑惑は、ほとんど何の問題もない話だ。政治主導で岩盤規制に穴を開けようとしたら、「守旧派官僚」に抵抗され、さらなる既得権侵食を予防するために、あたかも政治主導が悪いことかのような印象操作で火がついているだけだ。
前川喜平前文部科学省事務次官が指摘する文書は、最初からありそうだった。官僚は誇張や歪曲は得意だが、全くの嘘はあまり言わない。ただ一般論として、スピード感をもってやれと総理は言っていると内閣府の審議官から言われたことを忖度して、総理の意向とか、決定の内容にまで踏み込んで指示があったような表現にしたようだ。決定を急げと催促されたとしても何が問題なのか。
それに総理の意向とやらがそんな重大なものなら、前川氏は大臣と相談しているはずだが、していないのだから前川氏も聞き流す程度の話だったということだ。
「横暴な安倍官邸に対して元事務次官が全てを失う覚悟での告発」などと勘違いして持て囃す向きもあるが、それなら、現役はともかくも官僚OBから拍手喝采のはずだが、全くそういうことはない。
ただし、私は国民が何か怪しいのでないかと思う気持ちは理解できるし、それに答えることや、疑惑の原因になっている日本的システムの問題は解消すべきだと思う。まずは、なぜ前川氏の反乱が勇気ある告発でも何でもないかを論じよう。
◆前川氏の正義ヅラの裏側
安倍官邸に反抗した前川喜平前文部科学省事務次官の行動を「勇気ある行動」と思っている国民が多いが、周辺状況を知らない見当外れの見方だ。
前川氏のような事務次官だと、年収が3000万円、退職金は数千万円である。退職後は、優良な外郭団体の理事長か教授にでもなったはずである。大学教授の給与は事務次官経験者の再就職先としては高くないが、文部科学省事務次官経験者なら兼職などで副収入が確保できるし、補助金や許認可目当てに学長などになってほしいという誘いもあったかもしれないだろうから、損にはならない。
しかし、違法天下り斡旋問題で辞任に追い込まれたので、退職金は貰ったものの、将来も日の当たるポストには就きにくかった。
エリート街道を歩いてきた前川氏にとって屈辱的な状況だったのであるから、正義の味方を気取れるならこのうえなく魅力的な起死回生のチャンスで、結果、一時的に再就職が遅れるくらいはあるかもしれないが、美味しい話だ。
知名度抜群だから民進党から政界へお誘いがあるかもしれないし、評論家でもいけるし、左派的な教授の多い大学なら喜んで貰い受けるだろう。
まして、前川氏は世界的な企業創業家の一員である。父親が長男ではないからそれほど財産を引き継いでいないかもしれないと言う人もいるが、妹が中曽根弘文元文相と結婚しているというところを見ると、本家でなくても資産家のはずで、家族のために意に沿わない再就職などする必要もない立場だ。
つまり、「全てを擲って」というのは笑止千万なのだ。
◆エリートコースまっしぐら
前川氏の経歴を見ると、入省時から期待された幹部候補生で、さらに妹が中曽根弘文元文相と結婚したために、特別なプリンス的な存在だったことが窺える。
文部科学省は、いわゆる人気官庁ではない。あえて人気官庁を避ける人は滅多にいない。東京キー局の女子アナに合格したのに地方局を選ぶ女性が少ないのと同じで、もっともらしい入省や地方局を選んだ動機も後付けだから、推測しても仕方ない。
しかし、東京大学法学部を卒業して文部科学省に入れば、キャリアの中のスーパーキャリアだ。キャリア官僚のほとんどが東京大学法学部か経済学部である人気官庁と違って、文部科学省の場合、非常に少ない。前川氏の同期は15人だ。東京大学法学部は前川氏を含めて2人。経済学部、教育学部、教養学部が1人ずつだ。
一方、歴代事務次官の学歴を見ると、東京大学法学部至上主義だ。文部科学省発足以来の事務次官には、原則として文部省出身者と科学技術庁出身者が交代で就任しているが、文部省系は前川氏を含めて6人。そのうちの4人が東京大学法学部、あとは京都大学法学部と東北大学教育学部だ。
つまり、東京大学それも法学部を出て文部科学省に入れば、局長や次官になれる可能性はそれだけでもかなり高いのだ。
こういう経歴が役所でものをいうかと言えば、やはり有利だ。いろんな役所に有力政治家の子供やそれに準じる縁者がいる。それだけで出世できるとは限らないが、よほどのことがない限り、左遷っぽいポストに回されることは少ない。
特に、与謝野馨文相の秘書官を務めたことについては、与謝野氏が中曽根康弘氏の秘書を務めていたことを考えれば、それを意識した政治的人事だったはずだ(政治家の係累を秘書官にする時は大臣の指名か、あるいは、そうでなくても大臣の特別の了解を得る)。
まして、有力官庁とは言えない文部科学省の場合、政界中枢にパイプを持っている人は少ないわけで、そのことも含めて悪い待遇を受ける心配はない安全な立場だった。
そして実際、前川氏の経歴をみると、東京ではエリートコースまっしぐらだし、地方勤務は宮城県教育委員会、海外は在フランス大使館という絵に描いたような美味しいポストばかりだ。
◆復権を狙って慈善活動
こういう強い立場だからこそ、公立小中学校の教職員給与の国負担分を引き下げた小泉改革に対し、自分の名前をもじった「奇兵隊、前へ」と題したブログで批判することも可能だったわけで、政治の圧力に屈しない勇気ある反骨精神というわけではない。
ただ、民主党政権下でこれが裏目に出て窮地に陥り、朝鮮学校の高校無償化を推進するなどして擦り寄ったと報道されており、それが故に、自民党政権に戻ってまた逆方向で政治的に動いたとも言われる。
出会い系バーに通って、それを貧困女子の実態調査などと言っているのも、普通の官僚ならそういう誤解を受ける可能性の強い行動をすれば身の安全が心配なものだが、横着だったということだ。
かつてノーパンしゃぶしゃぶ事件というのがあったが、あれはエリートコースに乗っていい気になった連中がみんなで渡れば怖くない式に暴走したのが実態で、今回の件とは少し違う。
ただ、あの場合も、霞が関の幹部が大挙してああいう所に出入りしたのは行政の品位を落としたわけで、個人の軽いお遊びとは違う厳しい反省を求める対処はあって然るべきだったと私は思っている。
言うまでもないことだが、事務次官が怪しげな場所で、1人で誰にも言わずに潜入調査などやるべきではないし、文部科学行政の課題は多いのに、なぜ貧困女子の問題にだけ何十回も時間を割くのか理解できない。何より腹が立つのは、学校の先生や教育長が同じことをして発覚したら無事ではないはずだということだ。
「面従腹背」が座右の銘といった自虐発言も、教育行政のトップには全く相応しくないものだ。
退官後に匿名でボランティアをしていたと美談になっているが、不祥事で辞めて毎日が日曜日状態だったのだし、もし最後まで正体がばれないようにするくらいならいくらでも工夫できるわけで、すぐにばれるような水戸黄門の真似は、復権を狙った作為的なものだったとしか思えない。
◆ひどすぎる岩盤規制
文部科学官僚のピントが外れた呑気さは、この前川氏に限らない。前川氏が辞職するきっかけになったのは天下り斡旋問題だが、一人ひとりが全く自力で再就職先を見付けられるとは限らない中で、法に触れないギリギリが何なのか、OBなどが恐る恐る工夫をし、また、早すぎたり職務に直接かかわる露骨な再就職は避けているのが実情だろう。
ところが文部科学省は、ノンキャリアのOBがほとんど白昼堂々と斡旋システムを作り、本省の人事担当局まで協力して運用したのだから、摘発されたのは当然なのである。早稲田大学に天下った吉田大輔前高等教育局長など、現役中に人事課から履歴書を送り、退職後2カ月で天下り、仕事は古巣とのお付き合いというのだからあんまりだ。
よそもやっているのに、文部科学省は加計学園の問題で言うことを聞かないので狙われたというのは嘘だ。
文部科学省の特殊性は、縦割りの外部勢力に過度に迎合的であることだ。「文科省と日教組は対立している」と見られがちだが、実際には馴れ合いで、良くも悪くも生ぬるく高コストの教育現場を改革できないでいる。
また、専門分野の学者・業界・省内の専門職などの縦割りの論理の擁護者であることが仕事のように思っている。
各分野でボスがいて、研究費や学部新設、教科書の記述まで彼らが牛耳っている。それを既得権として擁護してきたのが文科省だ。
大学や学部の設置について役所としての統一した哲学などなく、それぞれの分野のボスたちの意向次第だ。獣医学部など、業界の要望で52年も設置がストップした一方、ボスたちが「ポストを増やしたい」と思ったら、多くの大学で定員割れで就職難でも、新規の大学や学部の開設が認められてきた。
一方、地方振興など国土政策的な配慮は嫌われた。大正から昭和のはじめにかけて、原敬首相らが各県に高等教育機関を置くことにして、それが現在の地方大学の基礎になったことでも分かる通り、分野ごとの判断で最適地に配置するのでなく、各地域に何か1つという判断を優先して大学を再配置することは地方振興の切り札だ。だが、地域配慮は縦割りのボスたちにとっては邪魔な介入でしかない。
さらに新しい成長分野でも、学問分野の枠を外した学部など認められない。例えば、ビジネス、金融工学、データサイエンス、映像など最先端の分野で日本が遅れているように、理科系と文科系の中間領域などで特に硬直的で、日本の国際競争力弱体化の原因にもなっている。
省内では、それぞれの分野の専門職の権威が高く、キャリア職員が国益のための大局的な見地から指導力を発揮するのが難しい。この背景には、大学の専門職員などから本省に転籍してきた職員の質が高いので押さえにくいという事情もあるようだ。
もちろん、専門的知見は大事だが、総合力を発揮するとか、時代に合わせた変化を実現するには弊害が多い。
明治維新と文明開化の時代にあって、文部行政は国家の行方を決めるうえで最重要の課題として扱われ、政府の主要課題だった。ところが現状は、国は文部科学省や専門家集団に任せきりで、停滞している。
だから、首相補佐官や内閣府の幹部から催促や働きかけを受けていても、感度のよい反応をする一方、主張すべきところは上手にするという芸当には慣れていなかったのだと思う。
それを象徴する出来事が、2015年の新国立競技場建設を巡る騒動だ。文科省が建設を主導していたが、巨大プロジェクトをこなせる人材がおらず、1300億円と試算していたが2520億円に膨れ上がった。そこで計画を白紙撤回し、計画全体の仕切り役を文科省から国土交通省に移した。
この時、文部科学審議官だった前川氏が経緯を検証する委員会の事務局長を担当したが、今回の問題の中で出会い系バー出入りを前川氏に注意した杉田和博内閣官房副長官と、前川氏が「総理は自分の口から言えないから私が言う」と言ったと主張する国交省OBの和泉洋人首相補佐官が文科省を押さえ込んだのである。前川氏としては、重要な権限と権益を取り上げた悪い奴だとして恨みを晴らす動機は十分にある。
◆政治主導にもルールが必要
加計学園の問題で、政治の意向が過度に発揮されたとは思わない。志願者も多い獣医学部を新しい発想で創っても良いのではないかということも、地方振興や業界の抵抗の少なさを考えて四国はどうかということについて、他の要素にも目配りしながら方向性を示していくとか、できるだけ急げということも政治家として当たり前のことだ。
その過程で、獣医業界側の要望を呈して、民進党でも玉木代議士や自民党でも麻生太郎副総理に近い人々が動いていたし、加計学園にはむしろ地元で民進党の江田五月氏などのほうが直接的な関係を持っていたが、それだって悪いこととは思わない。
しかしこの問題を離れて言えば、政治主導、官邸主導は必要なことだが、その一方で、ルール作りをしないと行政の中立性を害するとか官僚を委縮させるとかいう弊害も心配だ。
そういう問題を解決するために、安倍内閣には日本的な曖昧さを少し是正して、制度を整備することをお勧めしたい。
まず、官僚の人事を仲間内の順送り人事から政治の意向も加味していこうとしている中で、公務員の中立性を保ちつつ政治の意向も適正に反映させるバランスの取れたシステムが確立されるべきだ。
官僚機構は民間企業と違って、代替する他の組織を持たない存在である。その時の政権の意向を反映するだけでなく、将来の別の政権のもとでも機能しなくてはならないし、その経験を活かして多様な選択肢を提供できるシンクタンクでもある。一方、その時々の政権の政治的意思を最も迅速に実現していくマシーンであることも要請されている。
その2つの要請を両立させるために、日本と並ぶ官僚国家であるフランスでは幾つかの工夫をしているし、私はこうしたシステムの導入をENA(フランスの官僚養成機関でマクロン大統領の母校)留学から帰った1982年から主張し続けている。
例えば、事務次官は存在せず、大臣官房(直訳すればそうなるが、意味からすれば大臣補佐官室)が政策の主導権を取る。官房長は、普通はその省出身かどうかは別として官僚経験者で、補佐官たちは官民混成だ。
一般部局のポストも大臣の意向を反映するが、過度であることは好ましくないとされる。また、政権の意見に公然と反対する官僚は政策運営に深く関与するポストからは外されるが、待遇は維持されるし、降格はされない。また、肩叩きで退職を強制もされない。
一方、政策決定にあたって、定められた基準に従い、客観的に決定が行われているという無理なフィクションを立てながら、実態は政治的、社会的配慮で基準や分析結果の数字のほうを操作するという悪弊に陥っているのはやめたい。
私は、最終決定は政治家がして良いが、過度に恣意的にならないように歯止めを掛けるとか、政治的な意思を反映したらそれと分かるように示し、国民に対して責任を持つのが好ましいと思う。
東京都の豊洲問題でも、移転に賛成派も反対派も、自分で出したい結論に合わせて効果を試算したり、基準を設定していた。そんなことはやめて、経済効果はこういう順序だが、こういうことも大事だと思うのでこういう結論を出した。これを議会でも議論してほしいし、都民も広く議論してほしいというのが、あるべき姿だ。
そうしていけば、堂々巡りの議論などせずに、政治判断の評価は選挙での有権者の投票ですればいいことになる。
前川前次官がまた不可解発言…天下り斡旋の違法性知らないはずない、報告書に記載された「実行者」
高橋洋一 日本の解き方
2017.6.30
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170630/soc1706300006-n1.html?utm_source=browser&utm_medium=push_notification&utm_campaign=PushCrew_notification_1498745301&pushcrew_powered=1
前川喜平・前文科事務次官が23日に日本記者クラブで記者会見を行った。その際、2015年6月の閣議決定における、いわゆる「石破4条件」について、相変わらず「文部科学省に挙証責任はない」と言っている。本コラムで指摘してきたとおり、これは重大な不可解発言だ。
特区に関しては、その諸手続きを法律・閣議決定で定めている。中でも「国家戦略特別区域基本方針」はその名の通り特区に関する基本であり、これは14年2月に閣議決定されている。
その23ページでは「規制所管府省庁がこれらの規制・制度改革が困難と判断する場合には、当該規制所管府省庁において正当な理由の説明を適切に行うこととする」と書かれている。
筆者から見れば、これは許認可をもつ規制官庁なら当然であるので、わざわざ書く必要もないことだと思っているが、国家戦略特区に関わる省庁には、文科省のような「非常識官庁」もあるために、念のために書いたのだろう。
このほかにも、会見では天下りに関して、信じられない発言があった。前川氏は、天下り斡旋(あっせん)の違法性について知らなかったというのだ。
この天下り斡旋禁止を企画立案したのは、第1次安倍晋三政権時代の筆者である。このため、筆者は霞が関全部を敵に回したともいわれた。
天下り斡旋禁止は、霞が関全体で天下りについてどのように対処するかと各省人事部局が集まり協議した「有名な法律」である。それまでの天下り規制とまったく異なっていたために、キャリア公務員で知らない人はまずいない。
そもそも官僚は法律の執行を行うのが仕事だ。それなのに天下り斡旋を禁止する法律を知らないというなら、官僚失格である。前川氏は、事務次官、文科審議官、官房長という重要ポストを歴任しているので、知らなかったでは済まないはずだ。「知っていたが、必要悪としてやってしまった」というのが普通だろう。
前川氏は、官僚失格または、とんでもないウソをついていることになる。なお、その2つを兼ねていることも排除されない。
ちなみに、前川氏が現役時代に行っていた違法行為は、文科省における再就職等問題に係る調査報告に詳しい。この報告書では、50回程度前川氏が登場しており、多くの事例において、前川氏は違法行為の実行者として記され、文科省天下り問題の中心人物であり、「天下りキング」ともいうべき人物である。
その調査により、前川氏は停職処分を受けたが、その処分前に辞職が認められており、6000万円程度の退職金を手にしたようだ。
天下り斡旋の実行者であったのであるから、懲戒免職処分で退職金なしであっても不思議ではなかっただろう。今回の騒動において、前川氏をかつて天下り問題で「ゲス官僚」とこき下ろしたのに、いまや「正義の告発者」のように扱う識者もいるらしいが、二重基準にもほどがある。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
●国家戦略特別区域基本方針
平成26 年2月25 日閣議決定
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/dai4/sankou_kihon.pdf
23ページでは「規制所管府省庁がこれらの規制・制度改革が困難と判断する場合には、当該規制所管府省庁において正当な理由の説明を適切に行うこととする」と書かれている。
●文部科学省における再就職等問題に係る調査報告
(最終まとめ)
平成29年3月30日
文部科学省再就職等問題調査班
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/04/19/1382987_04.pdf
時系列で分かる加計問題真相 「総理のご意向」文書は決着後に作成 「広域的に」の解釈も大間違い
2017年6月21日
加計学園をめぐる「文書」について、文部科学省の再調査と内閣府の調査結果が公表されたが、野党やマスコミは「いまだに真相が明らかになっていない」と言う。しかし、時系列を追えば真相は分かる。
2015年6月30日、閣議決定で獣医学部新設「4条件」が決まる。閣議決定では2016年3月末までに文科省は獣医師の需要見通しを出すように求められていた。しかし、それができずに文科省の負けになった。「泣きの延長」となった2016年9月16日の時点でも獣医師の需要見通しを出せず完敗。ここまでが課長レベルでの交渉だ。
その勝負がついた後の2016年9月下旬から2016年10月上旬に、「文科省文書」が書かれている。文科省が部内向けに言い訳しているに過ぎないものであることは明らかだろう。
前川喜平・前文科事務次官は、そのようないい加減な文科省文書を、よく「本物だ」などと取り上げたものだ。前川氏の記者会見にも間違いが多かった。「行政が歪められた」と言うが、文科省の歪んだ行政が、内閣府に正されただけである。
課長レベル交渉で決着がついている以上、「総理の意向」が働くことなどあり得ない。文科省の文書にある「総理の意向」という文言については、文科省側のでっち上げ・口実の可能性さえある。
文科省の文書再調査では、2016年11月1日に内閣府から文科省へのメールで、獣医学部の新設について「広域的に」と書き加えた文書が出てきた。「広域的に存在しない地域に限り、獣医学部の新設を認める」という意味のもので、この文言が入ったことで、大阪府内の大学に獣医師養成課程がある京都産業大は新設を諦めざるを得なかった、と解説するメディアがあった。
文科省の再調査では、この文言を書き加えるよう指示したのは萩生田光一・官房副長官されていたが、実際には山本幸三・地方創生相の指示であることが後に明らかになった。
これについてマスコミの多くは、「辞任するクビを差し替えた」と捉えたようだ。つまり、萩生田氏を守るために、責任を山本氏に押し付けようとしている、ということなのだろうが、まさにこれこそ「読めていない」のだ。
もともとは「萩生田氏が『広域的に』という文言を加えるよう指示している」というメールを、(文科省から内閣府へ出向中の)内閣府職員が文科省側に送ったということだが、これはその(文科省から内閣府へ出向中の)内閣府職員が単に指示の主体を間違えただけである。
それに、一部マスコミは最終的に2016年11月9日に「広域的に」の文言が加わったことが決定したことで、事実上、京都産業大が排除されたと解説しているが、これは間違いだ。
地方行政をやっている者なら知っているはずだが、「広域的に」とは「複数の市町村に」、という意味合いである。その意味であれば、京都産業大は申請可能だったのだ。
しかし、日本獣医師会などの獣医師系団体からの政治力学が働いたため、2016年12月22日に1校しか新設できなくなってしまった。
加計学園は20年近く前から申請して京都産業大よりもかなり先だった。京都府と京都産業大学が国家戦略特区制度のもと獣医学部の設置に正式に名乗りを上げてきたのは2016年3月だ。恐らくこれは、2015年12月に今治市が国家戦略特区に認定されたことを受けて慌てて動き出したのだろう。このため京都産業大はほとんど事前準備もなく、加計学園の対抗馬と呼べるような相手ではなかった。そのことは、公表されている国家戦略特区ワーキンググループの議事録を読めば、一目瞭然だ。
そうした事情を知っている京都産業大はそんな無粋なことをやらなかっただけだ。
「国家戦略特区の制度では、規制を緩和しない場合、担当官庁がその理由を説明しなければならない。できなければ規制を緩和するだけだ。文科省が『獣医学部新設は不要』と考えるのならその理由を納得できるように説明しなければならない。前川喜平は獣医の需給について、『農水省と厚労省が説明してくれなかった』と発言していたが、文科省が調べればいいだけだ。それすらサボっていたから、文科省は突破されたのだ」
「前川喜平自身が、文科省の違法な天下り斡旋問題に関わってきた。『行政を歪めた』のは前川氏だ。どの口が言っているのか」
「事実を検証すれば明確に分かることが山ほどあるにもかかわらず、『この問題はいかがわしい』という構図を無理やり作り出そうとしている。前川喜平をヒーロー扱いし、問題の本質をすり替えようとするメディアには失望している」
「一強」政権より強い官僚支配
2017年6月23日
通常国会が2017年6月18日に閉会しました。今国会をなぞかけをするとさしずめ、「メニューの少ないソバ屋」ってとこですかね。その心は「モリとカケしかありません」です。
それにしても左右どこのメディアを見ても「安倍一強」という一言で現在の政治状況が表現されていますが、本当に現状が「安倍一強」だとするなら、日本の官僚支配はとんでもないレベルになっています。
だってそうでしょう。わずか160人定員の大学新学部設置1つで役所間に「怪文書」まで飛び交う異常事態ですからね。
「怪文書」は後に「本物」と認定されましたが、その正体は文部科学省内で出回った内閣府の「圧力?」に対する言い訳文書で、実質的には「怪文書」と呼ぶのが正解だと思います。
そもそも新学部設置の原動力となった国家戦略特区という制度は、首相を中心にして「省庁が握る許認可権」に切り込もうというもので、今回、前の役人トップが「行政が歪められた」と恨み節を言うほど文科省が抵抗し、役所内に「怪文書」が飛び交った揚げ句、やっと許認可権の一部に穴が開いたわけです。
いかに役所が自らの縄張りに手を突っ込まれることを嫌がるのか、また、首相ですら、役所の許認可権に手を出すことが困難かということが分かります。
もう1度書きますが、たった160人の獣医を増やすだけで、この騒動です。「安倍一強」と呼ばれるほど政治が強くてこれですから、そうでなければ、日本の省庁が持っている既得権を崩すなんて、ほとんど不可能だって分かります。
私は基本的に獣医がどれだけ過剰にいても良いと考えています。法学部出身者がみんな法律家になっているわけじゃないように、獣医の専門知識を持った人が一般企業やマスコミに入って活躍することは社会にとって間違いなくプラスになります。しかし現状では獣医が獣医以外の職に就く数的余裕は、日本には全くありません。
過去52年間、毎年930人しか獣医が生まれない状況の中では、獣医は動物病院の経営者の子供が、獣医学部に入って病院の跡を継ぐサイクルの中でしか、その力を発揮できなかったんです。
その結果、オーストラリアやニュージーランドが水際で食い止めた狂牛病の上陸を許し、数年おきに流行する口蹄疫が地場産業に大打撃を与え、鳥インフルエンザで自殺者まで出る日本になってしまいました。
地方の畜産獣医の不足は、熱心に獣医学部招致に動いた四国4県の知事が指摘するまでもなく、極めて深刻です。
本当に日本の政治状況は「安倍一強」なのか?権力を恣意的に使って日本の発展を阻害するのは誰なのか?皆さん、しっかりと見抜いて下さいね。
http://www.asyura2.com/17/senkyo228/msg/339.html#c32