7. 2017年5月27日 20:17:35 : Fvi9WJKUDI : uveFdCs9Y@A[1]
熊公: ご隠居 落語にドンカンてぇのがあるそうですねぇ
隠居: ドンカン? ドウカンという小噺はあるが
熊公: そう それ。 その噺に山吹の花てぇのがありやすか
隠居: 山吹伝説だね 太田道灌が狩りで村雨に遭い あばら家に立ち寄り 蓑を所望する
熊公: 村醒めってぇのは 村を出ると醒める酒 安酒を飲んで蓑まで借りる料簡はいけねぃや
隠居: 熊さん 村雨というのは通り雨 乙女が道灌公に差しだしたのが山吹の花
熊公: 山吹じゃなぁ雨はよけらんねぇ 蓑がわりは 里芋 蓮の葉だねぇ
隠居: 時に家来 『七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき』という歌を
ひき 蓑(実の)ひとつ持てない貧乏を山吹の花に託した乙女の心根を道灌公に
伝え 道灌公は歌道に暗いことを恥じ、のちに歌人と知られることにあいなった
熊公: 八の野郎 ご政道に実の一つもないと講釈を垂れたわけだ
隠居: 噺は ・・・
熊公: ご隠居 助かりやした で ついでに 八をギャフンといわせる 歌道という
やつなんぞを さらっと あっしにも読めるカナでお願いできませんか
隠居: ウーン (・・・・・・) 熊さん 幾つかあるが こういうのでどうだろう
熊公: オカメのカミナリ 何ですかこれは
隠居: 熊さん オッカムの剃刀と言いましてな しかじか(云々) ・・・ ですな
熊公: ご隠居 勉強になりました 早速 八の所へ 失礼しやす
熊公: オーイ 八
八公: ブツブ言いながら入ってきて いってぇなんだぁ
熊公: 実は八五郎殿 某(それがし) 大手門辻の かわら版を贔屓にしてござった
政道に暗いこと貴殿仰せの通り 某 誠恥じ入る次第でござる
八公: なんだぁ 豆腐の角で頭を打ったのか 熊 ご隠居の家に長居したこたぁ
お見通し 歌の一つも詠んでみな
熊公: まってました まず一首
「ムラサメのつゆもまだひぬマチのハに キリたちきえぬアキエのカンモン」
続けて
「シロだクロだとケンカはおやめ シロという字も墨でかく」
八公: いいねぇ バカでも アッ熊の証明だ 熊 俺もな おめぇにわかるのを考えてた
「おぅ 大将 何ができるんで」
「ウチは、カケだけで」
「そうかい それもらおう」
熊公: 八 バカにしやがって
で 「いまなんどき」
八公: 「もう やめどき」
客は
熊公: 鬼平(キヘイ)てんだろ
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