35. 2018年5月10日 11:42:41 : hCtZTfu7bY : UejAb@L6nxQ[1]
●放送局にとって政府は、最優先で監視しチェックしなければならない最強の権力
●国家行政組織法を改正し、独立行政委員会における人事の中立性や透明性を確保しなければならない
▼放送法の「根本的問題」、それは日本では放送免許が政府から付与されているという問題
▼憲法で「政府による検閲はできない」ことが定められ、政府が放送内容に介入できないのは自明
→放送法4条もそのような枠組みの中で捉えられなければならないが、それがそうなっていない
▼放送局にとって政府は、最優先で監視しチェックしなければならない最強の権力
→しかし、政府から免許をもらっている放送局は、チェックする対象から生殺与奪を握られている
▼放送免許は戦前と同じように、政府から直接、付与される体制を復活させてしまった
→政府が放送免許を付与し、停波もできるというのは、民主主義国家としてあまりにも異常
▼中立性・独立性が担保された透明性のある独立委員会が放送免許の付与を行うようにしなければならない
→国家行政組織法を改正し、独立行政委員会における人事の中立性や透明性を確保しなければならない
▼アメリカでは極端に偏った政治信条の持ち主を大勢生み、アメリカ社会の分断を進めてしまった
神保哲生に聞く「放送制度改革」の本質:放送自由化の必要性と、解決すべき日本固有の問題|Real Sound|リアルサウンド テック
http://realsound.jp/tech/2018/05/post-191704.html
■ 放送法が抱える“根本的な問題”
神保哲生(以下、神保):放送法の改正は、憲法改正とセットになっていると見るべきでしょう。安倍政権の最終目標である憲法改正を実現するためには、国民投票で過半数の賛成を得なければなりません。それを確実なものにするためには、憲法改正に向けて世論をコントロールする必要があります。安倍政権が世論に大きな影響を持つ放送というメディアを押さえたいと考えることは、自然なことだと思います。
放送法については今のうちに解決しておかなければならない課題があります。そもそも現行の放送法に、根本的かつ致命的な欠陥があり、それが放送法4条問題を難しい政治問題にしてしまっている。これを解決せずに4条を削除するのは最悪の選択だと、私は考えています。
ーー放送法の「根本的問題」とは。
神保:それは日本では放送免許が政府から付与されているという問題です。よく放送法4条をめぐる議論の中で、アメリカでは同様の規定だったフェアネス・ドクトリン(公正原則)が1987年に廃止されたことで、「政府の介入ができなくなった」という話が聞かれますが、この指摘には根本的な誤解があります。
日本もアメリカも、そもそも憲法で表現の自由が保障されていて、「政府による検閲はできない」ことが定められているので、政府が放送内容に介入できないのはフェアネス・ドクトリンの有無に関わらず、自明のことなんです。アメリカのフェアネス・ドクトリンは、政府が放送事業者に政治的に中立・公平な放送を要求しているのではありません。あくまで政治的中立性は放送事業者が自らを律するものでなければならない。そうでなければあからさまな憲法違反となり、訴えられたら一発で負けてしまいます。
日本も憲法21条で表現の自由が保障されているので、放送法4条もそのような枠組みの中で捉えられなければなりませんが、それがそうなっていない。それは、アメリカの放送局がFCC(連邦通信委員会)という独立行政委員会から免許を付与されているのに対し、日本の放送局は政府から免許を付与されているということです。放送局にとって政府は、最優先で監視しチェックしなければならない最強の権力です。その政府から免許をもらっている放送局は、チェックする対象から生殺与奪を握られていることになります。
戦後、日本の放送行政はGHQが抜本的に改正し、日本でも放送免許は電波監理委員会という独立委員会が付与する仕組みになりました。ところが、サンフランシスコ講和条約によって主権を回復した日本は、4月1日に施政権を回復した3ヶ月後には電波法を改正し、電波監理委員会を廃止してしまいました。そして、放送免許は戦前と同じように、政府から直接、付与される体制を復活させてしまいました。
これが、日本の放送をめぐる根本的な問題です。政府が放送免許を付与し、停波もできるというのは、独裁国家であればいざ知らず、民主主義国家としてあまりにも異常なことです。放送法4条が、政府が放送内容に介入できると解釈されている理由も、そもそも免許を付与しているのが政府なので、政府はその免許を取り上げることができるという論理の上に成り立っています。
実は放送事業者を制約しているようにも読める放送法4条も、逆説的に政治の介入に対する盾になっています。政府が放送内容に介入してきた時、放送事業者は「放送法4条で政治的な中立性が要求されているので、それはできない」と突っぱねることができるからです。放送事業者が政府から免許をもらっている現在の異常な体制を維持したままで、もし放送法4条が廃止されてしまえば、放送事業者が政治の介入を突っぱねる根拠を失ってしまうという、ということです。
日本では放送法4条をあれこれ議論する前に、まず免許の問題をきちんと論じる必要があります。アメリカのFCCのように、まずは一定の中立性・独立性が担保された透明性のある独立委員会が放送免許の付与を行うようにしなければなりません。それができて初めて、放送法4条の是非を論じる意味が出てきます。
ーー独立性が担保された第三者機関が放送免許を交付する、という仕組みができる可能性はありますか?
神保:本来は自由な言論を実現する上で最低限の条件だと思いますが、日本ではそれさえもかなりのハードルがあります。残念ながら安倍政権以降の日本では、いわゆる三条委員会と呼ばれる独立行政委員会が、本来の中立性や独立性を失ってしまったからです。
安倍政権は内閣法制局長官やNHK経営委員、原子力規制委員会などの人事で、ことごとく不文律を破り、与党の過半数で「同意人事」を押し切ってしまいました。そのような状況でFCCのような独立行政委員会を作っても、与党が管理するのと同じことになってしまう可能性があります。そのため、放送免許を付与する独立行政委員会を作るだけでは無意味です。まずは国家行政組織法を改正し、独立行政委員会における人事の中立性や透明性を確保しなければなりません。
■公正原則を撤廃したアメリカで何が起こったか
各チャンネルは思い切って偏った内容の番組を放送した方が、固定客を得やすい。日本でいう“タコツボ化”が生じ、結果的にこれは極端に偏った政治信条の持ち主を大勢生み、アメリカ社会の分断を進めてしまった可能性が高い。
自由化して市場原理に委ねればどんな問題でも解決する、という新自由主義的なアプローチが、必ずしもいい結果を生まなかった好例となってしまいました。
アメリカといういわば失敗の先行事例があるわけですから、まったく同じ道を後追いするのではなく、アメリカでうまくいかなかった部分については、周回遅れの特権として、その教訓を活かすべきだと思います。
総務省、BS放送への参入促進策を検討 規制改革会議で表明 :日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3025941009052018PP8000/
総務省は今後、BS放送への新規参入の促進策を検討する考えを示した。
委員が「新規参入を促す必要性を強調する有識者もいる」と指摘したことに総務省が答えた。総務省は地上波への参入には言及しなかったという。
→BS放送で「ニュース女子」が復活する危険性がある
TOKYO MXが『ニュース女子』打ち切りも他局やネットで番組続行! “DHCがバックにいる”と開き直る出演者(リテラ) 赤かぶ
http://www.asyura2.com/18/senkyo240/msg/643.html
安倍首相が党大会で「改憲」強行を表明! 裏では電通に依頼して国民投票に向けた大規模広告戦略を計画(リテラ) 赤かぶ
http://www.asyura2.com/18/senkyo241/msg/893.html
広告が憲法を殺す日 国民投票とプロパガンダCM (集英社新書) | 本間 龍, 南部 義典 |本 | 通販 | Amazon
https://www.amazon.co.jp/dp/4087210316
http://www.asyura2.com/18/senkyo240/msg/643.html#c35