3. 2018年8月22日 13:50:04 : rjfC93WpoU : rByf@4OdcPQ[1]
翁長氏の録音、知事選動かす 玉城氏、急きょ後継候補に
2018年8月22日05時41分 朝日新聞
沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事の急逝に伴う県知事選の構図が事実上、固まった。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設反対を訴えてきた「オール沖縄」勢力が沖縄3区選出の自由党の玉城(たまき)デニー衆院議員(58)を擁立。自民・公明両党が推す前宜野湾市長の佐喜真(さきま)淳(あつし)氏(54)との一騎打ちの構図となる。
玉城氏は21日、所属する自由党の小沢一郎代表と国会内で会談した。その後、記者団に「翁長知事が亡くなった後の非常に重要な意味を持つ選挙だ」と語った。翁長氏の後継候補を選ぶオール沖縄勢力の「調整会議」は22日にも会合を開き、玉城氏の擁立を確認し、正式に立候補を要請する見通しだ。
9月13日告示、同30日投開票に早まった知事選。擁立劇は、急転直下だった。調整会議は17日の会合で、所属する各団体が推薦する人物の名前を書いて投票し、両副知事ら5人の名前が挙がった。その中に玉城氏の名前はなかった。
ところが、その日の夜から翌日にかけて、翁長氏が亡くなる数日前に録音した音声の存在が判明。玉城氏と、県内でスーパーなどを展開する「金秀(かねひで)グループ」の呉屋守将(ごやもりまさ)会長の名前が挙げられていた。
翁長氏による事実上の「後継指名」。呉屋氏が固辞したことで、一気に玉城氏擁立の流れができた。県政与党の県議は「死んでも翁長氏が沖縄の政治を動かしている状態だ」と言う。
玉城氏は米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対の立場をとる一方、自由党に所属して自らを「保守」と称す。2009年の衆院選で民主党から立って初当選。その後は小沢氏と行動を共にして、現在4期目で自由党幹事長を務める。ラジオDJや沖縄市議を経て沖縄での知名度もある。
20日のTBSラジオの番組では「オール沖縄は、イデオロギーではなくアイデンティティーだ」と語った。オール沖縄の国会議員からは「保革を乗り越え、翁長氏の遺志を継げる立場として適任だ」との声が上がる。
課題は、4年前に翁長氏を当選させた時のように、オール沖縄が一枚岩になりきれるかどうかだ。玉城氏擁立に対しても、翁長氏の音声の開示を求めるなどの反発がある。そもそも保守層の一部が離れ、オール沖縄内部における共産党の影響力が強まっていることへの警戒感も強い。
立憲民主党幹部は「共産党が前面に出てこなければ勝てる」と語り、保革対決の構図となることを避けたい考えだ。共産党幹部も「保守から革新までの枠組みは大事にする。ちゃんとわきまえている」。各党とも、重要な課題との認識では一致している。
選挙戦になれば、辺野古の埋め立てを強硬に進めてきた安倍政権のありようを問う戦いになる。
オール沖縄勢力の国会議員は「ここまで来たらまとまってやるしかない。まとまらなければ、結局は自民党が喜ぶだけ」と語る。まずは玉城氏がどのような選挙態勢を構築するかが焦点となりそうだ。(山下龍一、伊藤和行)
■佐喜真氏擁立、自公が連携
4年ぶりの県政奪還をめざす自民党は21日、佐喜真氏の推薦を決めた。党本部で開いた役員連絡会で「非常に重要な選挙になるので党をあげて戦う」と確認。前回は自主投票だった公明も同日、推薦を決めた。沖縄を地盤とする下地幹郎・元郵政民営化担当相(日本維新の会)と共闘して戦う態勢を整えつつある。
自民が佐喜真氏を擁立したのは、公明との関係が良好で、こうした態勢が組める人材と判断したためだ。政権幹部は「自民・公明・下地で絶対に勝てる。勝利の方程式だ」と強調。直近の名護、石垣、沖縄の3市長選での勝利をそのまま知事選につなげたい考えだ。
すでに自民党本部の職員も沖縄入りし、「総裁選があろうとも政府・与党の幹部をどんどん沖縄入りさせる」(自民党関係者)という。選挙戦では、基地問題ではなく、佐喜真氏と政権との強いつながりを訴えて、観光や物流などで好調な沖縄経済の振興を前面に出す方針だ。
しかし、翁長氏が辺野古埋め立ての承認撤回を表明し、その後に急逝したことで、知事選前に埋め立てを強行して既成事実化を図り、知事選の争点から外すという当初の目算は完全に狂った。
17日の土砂投入は気象状況を理由に延期した政府内には「工事を止めると移設は喫緊の課題としてきた国の主張はなんだったのかとなる」との声もある。一方で土砂投入を強行すれば、移設反対を訴えてきた翁長氏の「弔い合戦」の色合いが増し、1カ月後の知事選にマイナスとの見方も根強い。
県は翁長氏の「遺志」とあって、撤回する方針を変えていない。20日には聴聞の報告書も完成し、いつでも撤回を実施できる状況になった。玉城氏やオール沖縄勢力をバックアップするため、工事を止めた状態で知事選を迎えられるタイミングでの実施に踏み切る方針だ。政権幹部は「神経戦をやっている」と苦しい事情を明かす。(大久保貴裕)
https://digital.asahi.com/articles/ASL8P4QR2L8PUTFK00S.html
>立憲民主党幹部は「共産党が前面に出てこなければ勝てる」と語り、保革対決の構図となることを避けたい考えだ。共産党幹部も「保守から革新までの枠組みは大事にする。ちゃんとわきまえている」。各党とも、重要な課題との認識では一致している。
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