4. 2017年1月22日 03:55:11 : ZJfsQi2Mi6 : qZvoUBO3kQg[1]
>>2
>要は現行法で対応できるかどうかであって、法解釈で対応される事の方が余程危険。
日本の現行刑法の基本原則は「既遂の行為を犯罪として取り締まる事」を原則としている。
現行刑法の基本原則では、「法益を侵害する意思だけ」では犯罪とはならず、取り締まる事は出来ない。
つまり現行刑法の基本原則は「法益を侵害するまたは侵害する危険性のある行為を処罰する行為主義」を基本原則としている。
なぜその様な基本原則なのか?
それは、日本国憲法第19条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。
と規定されているからだ。
もしも警察権力が今回政府が立法しようとしている「共謀罪」改め「テロ等準備罪」に基づいて犯罪を摘発、取り締まりを行おうとする。
すると警察は「法益を侵害する意思があるのかないのか」に基づいて捜査、取り締まりを行う事となる。
警察はそれを確認する為に国民の内心を捜査する事となる。
従ってこの法律が立法されると、国民は「共謀罪」改め「テロ等準備罪」での処罰を避けるために、自由な言論・行動など思想表現活動を自粛せざるをえなくなり、「テロ等準備罪」はこれらの自由に多大な萎縮的効果を与えることとなる。
これは明らかに日本国憲法第十九条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。に抵触する事となり即ち憲法違反となる。
また捜査当局が「テロ等準備罪」に基づいて「犯罪の意思の有無」を確認する為に用いる捜査手段にも問題がある。
人の内心を捜査する為に市民間の電話、電子メール、SNS等を広汎に監視する捜査手法がとられるようになる。
これは、国民の通信の秘密を含むプライバシーを著しく侵害するおそれがあり、さらなる人権侵害行為が行われることが予測される。
またこれは憲法第二十一条 ○2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
に抵触する事となりやはり憲法違反となる。
しかし、それでもテロや重大な組織犯罪等に対処する為に、普通の刑法(基本原則に則った刑法)の他に例外的に62の主要重大犯罪について,未遂に至らない段階で処罰することが可能な立法が既に存在している。(予備罪が35、準備罪が6、共謀罪が13、陰謀罪が8)
更に日本はテロ防止の為の国際条約を全て批准している。
すなわち日本には日本国憲法に則った現行刑法があり、それでは取り締まる事が出来ない様な重大組織犯罪等については例外的な62の刑法を設けで既に可罰可能な状態となっている。
そしてあくまでも例外的に62の法律を設ける事によって、現行の刑法が憲法との整合性を保っているという点が重要だ。
なぜならば日本という国は法治国家であり、法律の最高法規が日本国憲法であり、その下に設けられた各法律が憲法と整合性を保つ事は当然の事だからだ。
>>2
>
>要は現行法で対応できるかどうかであって
従って、>>2の疑問については
要は既にある現行法で対応できるという事だ。
>>2も日本政府も現行法では対応出来ないという論旨だが、上で既に書いた様に現行の一般刑法は憲法と整合性を保つ為に、「法益を侵害する意思だけ」では犯罪とせず、「法益を侵害するまたは侵害する危険性のある行為を処罰する行為主義」を原則としている。
つまり>>2も、日本政府も、現行法(現行の一般刑法)では組織的重大犯罪に対処できないから「テロ等準備罪」を新設しろと言っている事となるが、「テロ等準備罪」を一般刑法に適用すると、既に書いた様に憲法に抵触し、憲法違反となってしまうのだ。
だから既に書いた様にこれまで日本政府は62のあくまでも例外的な法律を作り、重大犯罪、組織的重大犯罪に対応し、現行刑法の基本原則(理念)を変える事無く、憲法と現行刑法の間の整合性を保ち、これまでやってきたのである。
要は日本政府や>>2の主張している事は「現行法である一般の刑法の基本原則を変えろ」と言っている事になるが、要は「それは憲法違反なので出来ない」という事なのである。
また国連越境組織犯罪防止条約ではその立法ガイドに「自国の基本原則に従って、必要な措置(立法上及び行政上の措置を含む。)をとれば良い」となっている。
従って、日本政府が現状で同条約を批准する事は可能であり、政府が主張する様な「共謀罪」改め「テロ等準備罪」を国内に新設してテロ等準備罪を一般刑法に適用し現行刑法の基本原則を変えない限り同条約が批准できず、関係国と情報の連携を取る事が出来ないという事はないのである。
>>2
>法解釈で対応される事の方が余程危険。
現行の刑法の基本原則(基本理念)を変えられる事の方が一般の国民にとって最高に危険。
なぜ共謀罪に反対するのか?〜海渡雄一弁護士の講演
https://www.youtube.com/watch?v=IjGW90XrR-c&feature=youtu.be