9. 2017年6月30日 00:45:48 : 5kLExRjEjo : QtzjsIK6H4E[1]
「ちーがーうだーろーー!」密室の車内に大絶叫が響いた。「ボコッ!」鈍い音がした。
「すいません、運転中なので、、」殴られた人間は必死にこらえていた。
後部座席からの暴行はさらに続いた。「ちーがーうーー!!」再び咆哮が轟いた。街路樹が揺れ、鳥が一斉に飛び去った。
人間は静かに車を停め、エンジンを切った。
「何やってんだ、てめえ。鉄パイプで頭かち割ったろか?」すぐさま獣は唸り声を上げた。身体中の毛が逆立ち、牙をむいていた。
人間はしっかり獣を見据え、腹の底からよく通る声で言った、
「何が違うんだ!!?」。
突然の人間の反逆に、ケダモノはのけ反りながら吠えた「お前なんか、いつでもクビにできるぞ!」。
「ちがうだろーーっ!!」人間は獣を叱りつけた。
「オレの方から、辞めてやる!」。
颯爽とドアを開け、「全部録音したから」と言い残し、晴れ晴れした顔で歩き去った。
その日以来、獣は巣穴でじっと息を潜めている。
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