5. 2018年12月04日 19:02:30 : ZzavsvoOaU : Pa801KbHuOM[178]
これまでも日本の検察が普通にやっていることで
別にゴーンが特別でもなんでもない
逆に、給料カットのフリをして、裏で報酬をこっそりもらう算段をしていたのに
厳しく調べなければ、当然、検察への厳しい批判が来ることになる
★阿修羅♪ > Pa801KbHuOM > 100002
|
g検索 Pa801KbHuOM |
|
別にゴーンが特別でもなんでもない
逆に、給料カットのフリをして、裏で報酬をこっそりもらう算段をしていたのに
厳しく調べなければ、当然、検察への厳しい批判が来ることになる
悪質なデマ
広くて安いURも多い
また持ち家派は、住宅が老朽化すると、メンテコストが急上昇するし
災害や、引越しなど様々なリスクがある
>高齢になって持ち家がないと、まともなところには住めない
今後、高齢化した持ち家派が手放す中古住宅が激増していくことになる
結局、どんな住レベルになるかは、本人の経済力、智慧と意志の問題であり
持ち家にこだわったところで意味はない
https://jp.reuters.com/article/idJP2018120601001754?il=0
国内社会ニュース(共同通信)2018年12月6日 / 17:50 / 44分前更新
ゴーン前会長、一転サイン認める
共同通信
1 分で読む
日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)=金融商品取引法違反の疑いで逮捕=が東京地検特捜部の調べに、報酬の一部を有価証券報告書に記載せず、退任後に受け取る計画が記された文書にサインしたと供述していることが6日、関係者への取材で分かった。逮捕当初は否定していた。特捜部は、退任後の報酬支払いは確実だったと認識し、報告書への記載義務が生じた証拠になるとみている。
一方、関係者によると、ゴーン容疑者は「文書の内容を確認したという意味でサインしただけだ」とも説明。文書に効力はないとの主張は変えず、虚偽記載の容疑を否認しているもようだ。
【共同通信】
即座に考え直すべき珍名「高輪ゲートウェイ駅」
山手線新駅名から透けて見える「ポスト・トゥルース」
2018.12.6(木) 伊東 乾
四十七士、忠義の行進「赤穂義士行列」 東京
東京都中央区を歩く「赤穂義士行列」の参列者たち(2016年12月14日撮影)。(c)AFPBB News/Yoko Akiyoshi〔AFPBB News〕
今回は、10年ほど前に「日経ビジネスオンライン」に経済コラムを連載し始めて以来、初めて「東京大学大学院情報学環」の教員である伊東個人として、合理的な背景を明示した意見を記したいと思います。
このコラムでは一貫して一私人として様々な問題を考えて来ましたが、今回は大学に所属する人間として、一定の背景を持って、問題点を指摘すべきだと思ったものです。
12月4日、東京都内に新設される予定の、山手線に30番目の新駅名称案が発表されました。
即座に再検討すべきと思います。発表された案はあまりにも問題が多すぎ、考慮の対象にならないと考えます。
「高輪ゲートウェイ」
すでにネットでも様々な反対意見を目にしました。賛成というものは、私が見た限りまだ1つも確認できていません。
以下に私が記す主要な理由は、不合理である以上に、「無用のコストや手間の発生が見込まれるから」というもので、本稿はその根拠を一つひとつ明示していきたいと思います。
ちなみに、かつて国鉄から分割民営化直後のJRに「E電」という、不可思議な呼称があったのを、ご存知でしょうか。さっさと消えました。「高輪ゲートウェイ」も同様に思います。
一度発表してしまったら後に引けないなどと無駄な意地を張らず、普段私は大学の肩書を一切併用しませんが、今回は、一定の背景を持つ東京大学スタッフの一私人として客観的に記しますので、虚心坦懐に見当してもらいたいと思います。
時宜を逸さず差し替えるのが、JRのためでもあるし、何より私自身を含む利用客のためでしょう。
公共交通機関に恣意的な名称?
すでに報じられている通り、山手線新駅については「公募で名称を決定」するとして6万4000通以上の応募があり、1万3000種以上の新駅案が寄せられたといいます。
報道されるトップテンは
1位:高輪(8398件)
2位:芝浦(4265件)
3位:芝浜(3497件)
同数4位:新品川と泉岳寺(各2422件)
6位:新高輪(1275件)7位:港南(1224件)
8位:高輪泉岳寺(1009件)
9位:JR泉岳寺(749件)
10位:品田(635件)
いずれも命名の理由が第三者にも明確です。「品田」というのは「品川」と「田町」の間ということでしょう。
私の最寄り駅「国立(くにたち)」は「国分寺」と「立川」の間に作られたので「国立」と名づけられたもので、1926年の開業から92年を経ていますが、地元にしっかり愛されています。
戦後の1951年からは自治体の名前(国立町→国立市)にもなり、私自身の母校も「国立」の2文字が入っています。必然性のあるネーミングであれば、地元にも愛され、長く定着することでしょう。
そこで、「たかなわげーとうぇい」に、こうした定着が期待できるか?
まずもって無理と思う第1の理由に「ゲートウェイ」という日本語が一般には定着していないことを挙げるべきでしょう。
大学院情報学環というものを設立して着任した大学人として申しますが、私たちITに関わる人間にとって「ゲートウェイ」とはコンピュータ―のネットワークを、プロトコルの異なるネットワークと接続するノードを意味します。
日本語のカタカナ英語として定着している例を調べてみると、グーグルなどの検索エンジンで見る限り、上記の意味以外をほぼ見出すことができません。
例外としては、ホテルの名称など固有名詞がある程度。日本語のカタカナとして「ゲートウェイ」という一般呼称が定着しているとは、まず言えないと判断して構わないでしょう。
一方、横文字で「gateway」を引くと
1 可算名詞 (塀・生け垣の木戸のついた)出入り口.
2 [the gateway] 〔…へ通じる〕入り口,道 〔to〕.
3 The gateway to success(成功への道).
(weblio英和辞典)
などと出てきます。これらから安全に結論できることは「高輪」という地名と「ゲートウェイ」というカタカナを組み合わせる確率が極めて低いという判断です。ネットの情報資源から推定演算などすることも可能です。
ネット上には
「1位:高輪(8398件)だダメで130位:高輪ゲートウェイ(36票)が通るのなら、何のために公募しているのか解らない」
という意見がありました。私が不勉強なだけかもしれませんが、「高輪」と「ゲートウェイ」という、全く隔絶した2概念を合体させた名称が、たかだか6万の母集団の中で36通もあったというのは驚きです。
全く作為がないとすれば天文学的に珍しい偶然ということになりそうです。というより、一般には不可能な現象と言った方が早いと思います。
「高輪」と「ゲートウェイ」が出会う確率は「中央」と「フリーウェイ」が出会うよりも低く、荒井由美の作詞能力よりも稀な現象と言うべきで、こんな少数母集団で偶然に36通もあるわけがないと思うのは、私だけでしょうか?
「中央」は「高速」ですから、まだフリーウェイと出会う可能性があるでしょう。高輪にはそんなものはないと思うのですが。
しばらく前に「ゆるきゃら投票」で組織票が問題になりましたが、「高輪」と「ゲートウェイ」の出会う確率は一般にはゼロに近く、複数で合議し、同じ名称を投票した可能性が第1に考えられます。
「大学入学試験で、隣接する座席の答案がそっくりである」と比較可能な程度に、稀な現象であるのは間違いありません。
JR東日本は、選出された案で「応募頂いた方全員に賞品(クリスタル・ペーパーウエイト)を差し上げます。さらに、応募頂いたすべての方からも抽選で100名の方に差し上げます」http://www.jreast.co.jp/press/2018/20181201.pdfと発表しています。
もしこれが本当だとすれば、最初から商品は150程度しか準備していなかったことになり、この募集の公正性が著しく疑われる可能性があるかもしれません。
私企業のキャンペーンなのだから、でき試合でもいいじゃないか というご意見もあろうかと思います。
しかし、元来は国鉄という公の資産であった鉄道メディアであること、珍奇な言葉の組み合わせですので、仮に意匠登録など法的な問題が後々発生すると、非常にやっかいであること、さらには、以下に触れるような客観的、合理的な背景から、この名称は直ちに廃絶するのが正解と思います。
先ほども触れたように 昔、「中央フリーウエイ」という歌がありました。中央高速があるから「中央」「フリーウェイ」はまだ結びつきます。
荒井由美の詩想よりも稀な言語の跳躍「高輪」+「ゲートウェイ」ができる人が6万人に36人もいるのなら、日本全国に7万2000人以上、松任谷由美に勝るソングライターがいて不思議でないことになるでしょう。
それくらい、この特殊なネーミングが 「36通」もあったというのは、ランダムな公平性から偏った現象であると思われます。
こんな、1970年代の「ニューミュージック」みたいな特定の趣味も垣間見えるネーミングに、そのあたりにかぶる年代層、少数の恣意があるのでは、といったことも勘ぐったりできますが、主観的な勘ぐり以上に、客観的な問題がこのミス・ネーミングにはほかにも山のように指摘できます。
そのうちの2点だけ、以下に記してみましょう。
「情報量」から判断する不適切
東京大学大学院情報学環の伊東として、第2に指摘したいと思う、この名称の不適切さは「情報量」にあります。
現在、山手線では29の駅が営業してしていますが、そのうち3駅が「4文字の名前」を持ちます。具体的に示せば、
西日暮里
新大久保
高田馬場
の3つになります。
また8つの駅が「3文字の名前」を持っています。これもすべて記すなら
日暮里
御徒町
秋葉原
有楽町
浜松町
五反田
恵比寿
代々木
で、それ以外の18はすべて漢字2文字の駅名です。これはさすがに全部は記しませんが
東京
新橋
品川
渋谷
新宿
池袋
上野・・・
と、我が国を代表する電車の駅の名が並びます。これ以外にはありません。つまり、山手線すべての駅が「漢字4文字以内」で記されています。
これを、山手線に加えて、三鷹から千葉まで東西に伸びる「総武線」に拡大しても
阿佐ヶ谷
千駄ヶ谷
御茶ノ水
下総中山
幕張本郷
新検見川
と「駅の名前」は4文字以下に限られています。
さて、日本の工業規格であるJISでは漢字1文字を16ビット=2バイト、英数半角カタカナ、記号などを7あるいは8ビット≦1バイトで表記する体系を採用しています。このため漢字を「2バイト文字」などと呼んだりするわけです。
現在の山手線の駅名はすべて漢字4文字以内ですから、それを表記するのには
2×4=8バイト(=64ビット)
の情報空間があればすべてを尽くすことができます。翻って「高輪ゲートウェイ」という8文字は、仮にカタカナを半角で表現しても
2×2(「高」「輪」+1×6(「ゲ」「―」「ト」「ウ」「エ」「イ」)=10バイト(=80ビット)の情報量を必要としていることが分かります。
もっと単純に考えるなら、従来は4文字が最高だったところに、いきなりカタカナを含む8文字の駅名が登場したわけで、フォーマットの破壊も著しいと言わねばなりません。
発券などにあたっての、コンピュータ―のシステムに、そんなに多大な影響があるとは考えていません。
もっと現実的に、表示枠の文字数が決まっている箇所が、既存のJR情報資源には少なくないと思われます。
端的に言えば、3〜4文字分しか枠のない枠に「高輪ゲートウェイ」を無理やり押し込めばどうなるか?
「高輪ゲ」
「高輪ゲー」
「高輪ゲト」
「高輪ゲウ」
・・・
ろくなことになりません。
「半角で押し込めばいいだろう」という人もあるでしょうが、少子高齢化でこれから老眼人口が増える一方の我が国で、いまさら新駅に蟻の行列ですか・・・?
率直に申して、ため息しか出て来ません。
駅名は、中央線まで拡大すれば「武蔵小金井」さらに「武蔵溝の口」など10バイト以上のものもありますから、システム上困ることは少ないだろうことを祈りますが、ユーザフレンドリーな形では全くないのは一目瞭然でしょう。
これはさらに、ビジュアルという観点で考えると、ほぼ致命的なことになってしまうのがすぐに分かります。
即座に考え直した方がよい「高輪ゲートウェイ」
最後に、現在の東京大学で私一人と思いますが、芸術実技の教員として、半分は畑違いですが、ビジュアルに及ぼすかなりの影響を指摘したいと思います。
駅を1つ増やすと、あらゆる路線図を更新することになります。シールなど貼って対応しているケースも目にしますが、今回のケースではどうでしょうか?
JR東日本の「東京近郊IR路線図」http://jasf.org/rosenzu/ をリンクしますので、確認してみてください。
このように水戸、那須塩原、高崎、木更津から小田原、熱海あたりまでを一望のもとにおくと、駅の名前というのは、日本人の大半の苗字と同様、漢字2文字か3文字が圧倒的に多いのが分かると思います。
5文字以上は、「本庄早稲田」とか「葛西臨海公園」とか、短縮するにできないなりの理由が明確に分かるものが、後に述べる例外を除いて大半のように思われます。
そんな中で、山手線の「品川」と「田町」の間を見ていただきたいのです。
この込み合ったエリアに、どうやって8文字の駅名とそのアルファベットを、この場合は半角などという老眼敵対的なことは絶対にやってほしくないわけですが、入れ込むというのか?
もとより4本の路線が並走しているエリアです。
さらに向かって右、すなわち東側には、東海道新幹線が走り、すぐ横に「高速鉄道りんかい線」それらと直交して浜松町から羽田に伸びる「東京モノレール」が入り組んで、この一帯は山手線沿線の中でも、最も「文字が込み合ったエリア」であることが分かります。
さて、路線図上、少し右上に視線を向けると、画面上、宇都宮線(東北本線)尾久駅の真上に、やたらと広い面積を食っている駅名が1つ目につきます。吉川と南越谷の間に位置する
「越谷レイクタウン」駅
です。いま、ここでは「越谷レイクタウン」という駅名が良いとか悪いとか言うつもりはありません。
検索してみたところ、武蔵野線の新設駅として多くの利用があり、栄えているとのことで、結構だと思います。問題は、そのレイアウトにあります。
「越谷レイクタウン」と「高輪ゲートウェイ」文字数が同じであるのが分かると思います。
いま、縦書きで表示されている、この「越谷レイクタウン」と同じだけの文字表示面積を、縦書きでも横書きでもいい、田町と品川の間にレイアウトしようとすると何が起きるか?
すでに「シールを貼って一部修正」で済む限界を超えているのは明らかに分かるでしょう。
山手線の内側に書こうとすると、品川や大崎、五反田すら通り過ぎて目黒あたりから書き始めないと文字が入りません。無理です。
それでは、と山手線の外に書こうとすると、先ほどの「高速鉄道りんかい線」「東京モノレール」などが犇めき、こちらもこちらで「天王洲アイル」「大井競馬所前」「流通センター」と、長い駅名がずらずらと続いている。
つまり、このままじゃレイアウトできない、ということですね。
抜本的、それも相当本腰を入れてのレイアウトの変更をしないと、こんな8文字名前の駅など、山手線の中に書き込むことはできない。
皆さんも、頭の中で実際にレイアウトを思い描いて、脳内シミュレーションしてみてください。
例えば、常磐線我孫子駅の先、土浦の手前に「ひたち野うしく」駅があります。万博中央駅から転じた駅で今回のものよりは少ない「7文字」ですが、周囲のスペースを含めてやたらと存在感があります。
これと同じというか一文字多いわけですが、これだけのスペースを日本語とアルファベットで品川や流通センターがひしめくこのエリアに読みやすくレイアウトするなら、相当手がかかるのは、一目瞭然でしょう。
「そんなの、新たにデザインすりゃいいだけのことじゃないか・・・」
言うんですよ、そういうことを、なーんも考えないでアイデア出してるつもりの広告代理店とか、プロデューサーとか、現場を知らない人間が。
私も『題名のない音楽会』というテレビ番組の監督時代、この種の現場知らずのために、どれくらい無駄な時間と労力をかけさせられたか、知れたものではありません。
変えればいいと言っても、変えられないものもあります。例えば車内路線図の面積などは変えようがないでしょう。
比較的行儀よく、細密充填に近い形でいまレイアウトされている品川、田町近在に、余計な8文字を入れるとすると、下手をすると山手線の半径から拡大するようなデザイン変更となるかもしれません。
そうなると、文字通り「しわよせ」を食うのは周辺部でしょう。
今だって、甲府から先の中央本線とか、水戸より先の水郡線とか、かなり文字が詰まっていますが、さらに工夫して詰めるしかないのかもしれない。
また、明らかに影響を受けるのは、東京モノレールなど至近部分で、下手なレイアウト変更は、およそ不自然なものになりかねない。
よしや、それらの課題を全部クリアしたとしても、以下は断言して構わないと思いますが、要するに、見難くなります。
そんなのは、こんなに紙幅を使わなくても当たり前のことで、従来は大半が漢字2〜3文字、カタカナなど皆無の路線に、いきなり不自然なものを押し込むのですから、場所を食って周囲が歪むことは間違いありません。
そうやって、スペースを食うことで、下手なテレビ芸人のアピール法みたいに、目立たせようという考えがあるのかもしれません。
しかし、作為を弄してメディア上だけにプレゼンスを作るとすれば、典型的な「ポスト・トゥルース」の手法と言うべきで、あらゆる意味で感心できません。
要するに「ウソ」の一種と言って外れないでしょう。
そして、それらすべてが「コスト」を発生させます。必要のない出費があらゆる方面に求められ、最終的にそれらは旅客の運賃に跳ね返ってくるしかない。
とんでもないネーミングだとしか、言いようがありません。さっさとこんな案はやめてほしいと思います。
ちなみに身の回りで学生などにも意見を訊いてみたところ「タカゲーとか言わないんじゃないですか?」「クソゲーみたい(笑)」「呼ぶとしたら普通に高輪ですよね」といった意見ばかりを耳にしました。
そりゃそうでしょう。ティーンも呆れていましたから、我々の世代ばかりが疑問を呈しているわけではないと言っていいかと思います。
最後に個人の意見を付すならば、島国で国際化しているつもりかもしれませんが、諸外国の重要な駅名で、この種の外来語借用例を私は思いつくことができません。滑稽な仕儀と映ります。
漢字2〜3文字、せいぜい4文字の、ごくごく当たり前、平凡で定着する真っ当な名前に、早急に改めるべきだと思います。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54878
ひきこもりで変わり者、分身型ロボットで起業オリィ研究所の吉藤氏「世間より自分の顔色を窺おう」
日経ビジネスRaise「オープン編集会議」
2018年12月6日(木)
飯泉 梓
「分身型ロボット」というユニークなロボットを開発し、注目を浴びるオリィ研究所の吉藤健太朗代表。だが、もともとは人とのコミュニケーションが苦手で、3年半のひきこもり生活をするなど「変わり者」として見られていた。だが、その変わり者であったことが、ゼロからイチを生み出す原動力になったという。吉藤氏に起業の経緯とゼロイチ人材に必要なことを聞いた。
吉藤健太朗(よしふじ・けんたろう)氏
オリィ研究所代表。1987年、奈良県生まれ。小学校5年から中学校2年まで不登校を経験、工業高校にて電動車いすの新機構の開発を行い、国内の科学技術フェアJSECにて文部科学大臣賞、ならびに世界最大の科学大会Intel ISEFにてGrand Award 3rdを受賞。その際に寄せられた多くの相談と自身の療養体験がきっかけとなり「人間の孤独を解消する」ことを人生のミッションとする。早稲田大学にて2009年から孤独解消を目的とした分身ロボットの研究開発に専念。2012年、オリィ研究所を設立。青年版国民栄誉賞「人間力大賞」を受賞するなど注目を集めている。(写真:菊池くらげ、以下同)
持ち主の動きや言葉を再現する分身型ロボット「OriHime(オリヒメ)」が話題を呼んでいます。どんなロボットなのでしょうか。
吉藤健太朗氏:オリヒメにはカメラ・マイク・スピーカーが搭載されており、スマートフォンやパソコンなどを介して操作することで会話をしたり、その場の様子を観察したりすることができます。つまり操作する人は家にいながらにしてあたかもその場にいるようにコミュニケーションができる。一方、オリヒメが置かれた場所にいる人も操作している人の存在を感じることができます。
今、オリヒメは難病などで寝たきりになっている人や育児や介護で職場に行けない人、全身の筋肉が衰えていく難病ALS(筋萎縮性側策硬化症)の患者さんにも使われるようになっています。ALSの患者さんは目だけでオリヒメを動かし、それまでは難しかった多様なコミュニケーションが可能になりました。オリヒメを使うことで、「行きたいのに行けない」「会いたいのに会えない」状態がなくなり、孤独の解消につながると思っています。
学校に行かなかったから“我慢弱い“
面白いですね。吉藤さんがこれまでなかったものを生み出せた、つまり「ゼロからイチ」を成し遂げられたのはなぜだと思いますか。
吉藤氏:自分はゼロから0.1を生み出して、後はみんなに助けてもらったという感じですが。基本的に自分が「やりたい」と思うことしか、やりたくないんです。このロボットも、「人々の孤独を解消したい」ということを目的に、それを突き詰めた結果できあがりました。
実は私はとっても“我慢弱い”んです。だから、我慢してやりたくないことをすることがとても苦手で。これは学校にまともに行っていないことが関係していると思います。学校に行くと、集団生活の中で価値観が統一され、いつの間にか我慢することを覚えてしまう。
学校にはあまり行かなかったのですか?
吉藤氏:もともと人とコミュニケーションを取るのが苦手で、小学校5年から3年半もの間、不登校になりました。中学は1年間だけ、工業高校、高等専門学校、早稲田大学には一応通っていましたが、授業にはあまりでず、自分の好きなことだけをやっていました。だから、協調性がないし、空気も読めません。学校で誰もが教わるであろう野球やバスケットボール、サッカーなどのルールも知りません。
そして先ほども言いましたが、とても我慢弱いです。ダメと言われたことでも、なぜダメなのかを突き詰めて、それを排除することでなんとかできるようにしようとします。
例えば歩きながらスマートフォンを操作する「歩きスマホ」は禁止されていますよね? みんなは「やってはいけない」というルールだからやらない。だけど、私は歩きながらスマホを操作したい。では、「なぜ歩きスマホは禁止されているのか?」と考えてみる。スマホ画面に集中してしまい、前を見ないで歩くことが危ないからですよね。ではスマホを見つつも、前を向いて歩ける方法を考えればいいのではないかと。眼は2個ついているので、できるはずです。そこで専用の眼鏡を開発し、一つの眼はスマホの画面、もう一つの眼は前を見れるようにしました。この眼鏡をかければ歩きながらスマホを操作しても安全です。
そういう発想は普通の人はなかなか持たないですよね。学校に通わなかったことで既成概念やルールにとらわれなかったのですね。
吉藤氏:そう思います。学校は基本的に自分が行きたい時に行けばいいのではとさえ思っています。私からみると、みんなとても我慢強くて、既成概念やルールに縛られているなと思います。
洋服一つとってもそうです。私は毎日、オリジナルの黒い白衣を着ています。ただ単に白衣がかっこいいから着たいと思ったからなのですが、多くの人は「白衣は医師や研究者が着るものだ」と思っていますよね。けれど私は、なぜ着てはだめなんだろうと。それに白衣だけれど、黒くしたらもっとかっこいいのではと考え、黒い白衣を自分でデザインし、着用することにしました。
ひきこもり時代の経験がロボットの発想の原点
学校に行かなかった経験が、分身型ロボットの発想の原点にもなっています。
吉藤氏:そうですね。ひきこもりをしていた時は本当に辛かったです。とにかく孤独で。他の人よりも勉強も心の成長も大きく遅れているという劣等感、疲弊した家族の顔を見るたびに襲われる焦燥感、家からも出られず、誰にも求められていないという無力感……そういう思いばかりが募りました。人と会うことで自分と比べてしまい劣等感を感じ、さらに人前に出れなくなってしまう。ひどい時はベッドに寝たきりになり、天井ばかりを見つめていました。こんな孤独な状態を他の人に味わってほしくない。そんな思いがオリヒメの開発につながっています。
ひきこもりから脱するきっかけは何だったのでしょうか。
吉藤氏:母親がある日突然「ロボットコンクールに応募したから」と言ってきたのです。もともと手先が器用で、モノを作るのが大好きでした。いつまでもひきこもっている私を見かねて母が応募したんだと思います。このコンクールに出場し、たまたま出会ったのが、私が師匠と呼ぶ工業学校の先生です。世間ではようやく二足歩行ができるロボットが話題になっているような時代に、一輪車に乗るロボットを開発していた。「これはすごい。この人に弟子入りしたい」と思ったんです。そこで残りの中学生活を必死で勉強して、なんとか希望の工業高校に入学しました。
先生を師匠と呼ぶのが面白いですね。
吉藤氏:ああ、これも学校に行かなかったことが影響しています(笑)。マンガばかり読んでいた影響からか、世の中の人には全員師匠がついていると思っていたんですよ。だから、自分の師匠はこの人だと。
工業高校に通って、ロボット作りの基礎を学んだのですか?
吉藤氏:ここではロボットに必要となるプログラミングを学びました。ただ、一番熱中したのは車いすの開発です。私は折り紙が得意だったので、師匠から「特別支援学校での学校間交流のボランティアに行って来い」と言われ、車いすを目にしたことがきっかけです。特別支援学校の生徒たちと仲良くなって車いすを押してみると、あまりの不便さに衝撃を受けました。歩道で車いすが傾いたり、車道から歩道に上がる際の4cmほどの段差が乗り越えられなかったり。特別支援学校の生徒は「そんなもんだよ」と言うけれど、持前の“我慢弱さ”から、「もっと使いやすくできないか」と。そこで高校時代の大半を車いすの開発に注ぎました。
来る日も来る日もタイヤやいすを改良し、傾かず、段差も楽に乗り越えられる車いすを開発しました。
その車いすで日本最大の科学コンクールに出場し、優勝することになります。
吉藤氏:ありがたいことに日本の大会で優勝し、世界大会にも進出しました。ただ、この時思ったのは、この先もずっと車いす作りをしていきたいのか、ということです。新しい車いすを開発し、喜んでもえらたことは嬉しいのですが、これをずっとやり続けたかったわけではなかった。当時、体が弱く、自分が30歳まで生きることができるのか自信がありませんでした。あと10年しか命がないと仮定して、何をしたいんだろうと。やっぱり自分が心底やりたいことをしなければ、続かないと思いました。
そこでロボットにいきつくわけですね。
吉藤氏:はい。車いすを使っている人と話をすると、「足が悪いから人に会いにいけない」などと孤独を抱えている人が多かった。私自身もひきこもり時代に、とても孤独でした。そこで孤独を解消することに残りの人生をささげよう、孤独を解消するようなロボットを作りたいと考えるようになりました。
AIで孤独は癒やせない
孤独を解消するロボット。とてもユニークな発想ですが、どう開発していったのですか?
吉藤氏:ロボットの開発を本格的に始めようと、高等専門学校に編入しました。そこでAI(人口知能)を搭載したロボットを作り、人間の友達のような存在にすれば孤独は癒やせるはずだと考えていました。ただ研究を進めれば進めるほど違和感を覚えたのです。人口知能は本当に孤独を解消してくれるのかと。
当時の私は、以前と同様に周囲とのコミュニケーションがうまくいかず、友人がいませんでした。しかし「ロボットの友達を開発するために高専にきたのであって、人間の友達は必要ない」と考えていました。黙々と誰とも話さず、研究を続けていたのです。
ただ、ある日猛烈な違和感を覚えました。本当に人工知能で孤独は解消できるのか。工業高校時代、私も多少社会復帰できていたと思うのですが、それは周囲の人が支えてくれていたからではないか。人付き合いはストレスばかりで面倒なものだが、人を癒やせるのは人だけなのではないか。このまま友人がいない私がAIを搭載されたロボットを作り、本当に孤独は感じなくなるのかと。
そして「AIで孤独を消すことはできない」と判断し、せっかく編入した高専を1年足らずでやめてしまいました。
その後早稲田大学に進学することになります。
吉藤氏:たまたま以前出場した科学コンクールの優勝者を対象にした入試制度があったので、それを受けることにしました。ただ、早稲田では誰も私のやりたいことを理解してくれる人はいませんでした。ゼロからイチを生み出すようなことをしているときは、最初は誰にも理解されないし、応援もされないと思うので、ある意味当然のことだとは思います。
入りたい研究室が1つもなかったので、自分の下宿先に1人で研究室を作ることにしました。それが、会社の前身ともなるオリィ研究室です。「オリィ」というのは当時の私の呼び名です。折り紙が得意だったことから、そう呼ばれていたんです。
大学は必修科目を無視して、出たい授業のみ出席
たった1人の研究室では何をしていたんですか?
吉藤氏:ネットで情報を収集しながら、ロボットの研究を始めました。この当時から分身型ロボットの発想がありました。病気などで自分がその場に行けなくても、そこに行っているかのような感覚を味わい、孤独を感じないようにする。そのためには自分のもう一つの身体、分身を作ることが必要だと。
大学を卒業することをあきらめて、自分が出たいと思った授業だけに出ることにしました。必修科目は無視して、ロボットに必要な美術、会社経営の知識が得られる商業など、他の学科の授業も含めて面白そうなものだけもぐりこむことにしたのです。9年間通いましたが、結局、卒業していません。
そもそも大学の卒業資格はなぜ必要なのでしょうか。卒業するために興味のない授業に出席しなければならない。卒業資格を考えず、本当に興味がある授業を受けた方がよっぽど身に付きます。親は「大学に行け」と言いますが、それは子供を「会社から必要とされる人間」にしたいからではないでしょうか。
1人だけの研究室から、会社を設立するに至ります。
吉藤氏:やはりロボット開発は私1人の情熱だけでは続きません。お金も必要です。ロボットのプロトタイプが完成してから、学生ビジネスコンテストなどに出て、そこで得た賞金をもとに会社を設立しました。
ただ、儲けたいという気持ちはありません。むしろ身銭を切って研究すると楽しい。やりがいを感じるし、仕事が趣味になりますよね。
吉藤さんのような「ゼロイチ人材」になるにはどんなことが必要なのでしょうか。
吉藤氏:とにかく自分が本当に何をしたいのかを見つけることです。世間の評価なんてころころ変わります。ほんの10年前は「変人」「変わっている」は悪口でした。でも今や「変わっている」は一種の褒め言葉ですよね。
世間の顔色を窺うのでなく、自分の顔色を窺ったほうがいい。何がやりたいのかわからないのであれば、いろいろと挑戦してみる。痛手を負わない程度にやってみて、違ったらまた次のことを探してみる。
私はもともと体が弱かったので、常に「人生は有限」ということを意識して、やりたいことを探しました。だから、仮に100億円積まれても、「やりたくないこと」は絶対にしたくありません。「あと10年しか生きられなかったら何をするか」と考えてみれば、自分の本当の気持ちが分かるかもしれません。その気持ちに素直に行動すればいいと思います。
日経ビジネスRaiseのオープン編集会議では「ゼロイチ人材の育て方」をテーマにした企画を実施しています。イノベーションを活性化しようと、モノやサービスを創造する“ゼロイチ人材”を求める声は日増しに高まっていますが、同調圧力の強い日本社会ではそうした人材が育ちにくいといった批判も尽きません。そもそもゼロイチ人材ってどんな人? ゼロイチ人材の目を摘んでいるのは誰? こんなことをみんなで議論しています。
↓ ご意見の投稿はこちら ↓
ゼロイチ人材ってどうしたら育成できるんでしょう?
このコラムについて
日経ビジネスRaise「オープン編集会議」
読者が自分の意見を自由に書き込めるオピニオン・プラットフォーム「日経ビジネスRaise(レイズ)」を活用し、日経ビジネスが取材を含む編集プロセスにユーザーの意見を取り入れながら記事を作っていくプロジェクト。一部の取材に同行する「オープン編集会議メンバー」も公募。Raiseユーザー、オープン編集会議メンバー、編集部が一緒に日経ビジネス本誌の特集などを作っていく。
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/070600229/120500028/
http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/772.html#c1
■ローレンス・サマーズ(米元財務長官、米ハーバード大学教授)
中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席とトランプ米大統領は12月1日、アルゼンチンでの20カ国・地域(G20)首脳
会議閉幕後に会談し、米国が年明けに発動すると表明していた中国への追加関税は猶予し、貿易協議を再開することで合
意した。
クリントン政権後半に米財務長官、オバマ政権で国家経済会議委員長を務めたサマーズ氏は、米国は対中政策で現実的な
戦略を持つべきだと指摘する=ロイター
クリントン政権後半に米財務長官、オバマ政権で国家経済会議委員長を務めたサマーズ氏は、米国は対中政策で現実的な
戦略を持つべきだと指摘する=ロイター
これは確かにもう一つの策(追加関税の発動)よりはましだが、米中の経済摩擦の根底にある問題には全く対処してい
ない。
中国が自国経済の在り方を国際社会のルールに合致したものにするのであれば、知的財産権や外国人投資家の権利、国
営企業への補助金などの分野で大きな変革を進める必要があるという点に異論を差し挟む者はいないだろう。
■ワシントンにもはや「親中派」はいない
中国の経済面における慣行に反感を持つのはトランプ氏だけではない。ここ数カ月、過去の米政権高官や著名な中国専
門家、米経済界による米中の経済関係に対する批判がいろいろと表面化している。つまり、ワシントンにはもはや「親中
派」はいないということだ。各国政府は何よりトランプ氏への不満はあるものの、中国の商慣行にもいら立ちを募らせて
いる。
それでも中国政府の指導者らが、自分たちには独自の政治体制を選ぶ権利があるし、経済交渉ではイデオロギーの問題
ではなく、互いにウィンウィンな機会につながるような現実的事項に専念すべきだと主張することには共感はできる。
ただ、同時に、歴史的知識を少しでも持つ者なら、中国が国内での弾圧を強化し、習氏一人に権力を集中させ、軍事費
を急拡大し、さらに世界で自国が果たすべき役割は拡大していくべきだといった発言をするにつけ、同国への懸念を抱か
ずにはいられないだろう。
米国が中国に対し抱いている不満は正当なものであり、米国に今、必要なのはその不満に対処できる実効性のある戦略
だ。残念ながら、激しい怒りを見せたり、「米国第一」などと宣言したりすることは戦略とはいえない。アメとムチを織
り交ぜながら実現可能な目標を明確に伝え、成功の基準を定めて、受け入れる意思があれば成果を上げられるだろう。
米国が対中経済戦略を策定するにあたって、その問題の核心となるのは次のような不都合な分析だ。ちょっと想像して
みてほしい。もし、中国があらゆる貿易や投資のルールを完璧に守り、似たような所得水準の最も開放的な国と同様に開
放的だったとする。その場合、中国は改革をもっと迅速に進め、さらに急成長を遂げたかもしれない。あるいは、政府に
よる補助金が今ほどの規模でなければ、海外との激しい競争にさらされ、もっと緩やかな経済成長にとどまったかもしれ
ない。だが、いずれの場合でも、その成長率の違いは1ポイント以内にとどまった可能性が極めて高い。
同様に、米企業の一部が中国事業でもっと利益を上げ、中国政府の補助金のために一部の米製造業が人員削減を余儀な
くされたとしても、中国の不公正な貿易慣行のせいで米国の経済成長率が年0.1%でも影響を受けたとは真顔では主張で
きないだろう。
■米国が世界最大の経済大国の地位を失う時
中国は早晩、経済規模で米国を抜くのだから、今こそ米国は現実的に中国と交渉すべきだとサマーズ氏は指摘する(写真
は12月1日の米中首脳会談)=共同
中国が、現在の国際秩序に対する脅威ではないと言っているのではない。そして、米国が1世紀に及ぶ支配の末に世界
最大の経済大国の地位を失うことになれば、それは極めて重大な事態だ。米国は今後10年の間にIT(情報技術)、人工
知能(AI)、バイオ技術の分野で確実ではないものの覇権を失う可能性がある。そうなった場合、国際秩序が大きく変
わることに伴うトラウマは一段と大きなものになるだろう。
米国は、自国の経済規模が世界最大の国の半分になっている2050年の世界を想像できるだろうか。たとえ想像できたと
しても、米国の政治リーダーはその現実を認め、そんな中にあっても世界を形づくるような交渉をすることができるだろ
うか。米国にとって経済規模で抜かれる事態は受け入れられないかもしれない。しかし、これを止める手段があるだろう
か。米国は衝突を起こさずに中国を抑えつけることができるだろうか。
これらは明確な答えがない非常に難しい問題だ。だが、だからといって、こうした問題を無視して目先の不満だけに集
中するという言い訳は通用しない。中国が繁栄し、成長する権利を米国が受け入れるのであれば、中国は個々の貿易問題
については対応する姿勢を見せている。人口の多さから早晩、世界最大の経済大国になると分かっているからだ。
■米国は今のうちに中国と向き合うべきだ
これは、米国が今のうちに向き合うべき問題だ。世界経済のグローバル化がここまで進んだ今、中国を脅すことはでき
ても、抑えつけることはできない。無理を押し通そうとすれば、中国政府内の最も強硬な反米派を勢いづかせることにな
る。
トランプ氏は欠点も多いが、歴代の米大統領が避けてきた手を使って中国に経済問題に取り組ませている。問題は、同
氏がこれを重要な成果につなげられるかだ。米国は話せば分かる相手だと中国を納得させる手腕と、貿易について小粒な
交渉に終わらせない意思がトランプ氏にあるかがカギとなる。我々は望みを持つことはできるが、あまり期待しすぎない
ほうがいい。
(2018年12月4日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)
(c) The Financial Times Limited 2018. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing
this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or
quality of the translation.
http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/771.html#c1
キャッチアップにおいて、市場原理主義による厳しい淘汰と
国家資本主義による選別が、いかに強力かという好例の一つだが
ITによる強力な監視体制で、強い競争力を維持しながら
高齢化と特権が蔓延し、米国以上の超格差社会で非効率に巨大化した帝国を維持していくのは容易ではない
【関連記事】総務相「行政指導を検討」 ソフトバンク通信障害
スウェーデン通信機器大手エリクソンは、通信障害についてデータを中継する「パケット交換機」に不具合が見つかったと発表した。右は通信障害のおわびが張り出されたソフトバンクの店舗入り口
スウェーデン通信機器大手エリクソンは、通信障害についてデータを中継する「パケット交換機」に不具合が見つかったと発表した。右は通信障害のおわびが張り出されたソフトバンクの店舗入り口
通信障害はソフトバンクの携帯電話サービスで6日午後1時39分に発生し、全国で通信が利用できないか困難になった。英携帯電話大手O2でもほぼ同じ時刻に障害が起き、データ通信が利用できなくなった。
ソフトバンクの通信障害は約4時間半で解消したが、O2の障害は続いており、復旧するのは7日朝(日本時間同日午後)になる見込みだという。エリクソンのボリエ・エクホルム最高経営責任者(CEO)は「顧客と利用者に謝罪する」との声明を出し、早期復旧に注力すると表明した。
英国では今回の通信障害により、O2の回線を使うロンドン交通局のバス停の電光掲示板で、運行情報が表示されなくなるなどの影響が出た。
http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/697.html#c1
≫日仏原発開発/中国原発市場/武田薬品工業/LINE/飲食店業界〜キャッシュレス決済で遅れをとる日本の現状。日本はまずシステムを構築せよ
日仏原発開発 フランス政府が次世代原子炉開発を凍結
中国原発市場 中国、新型原発の稼働ラッシュ
武田薬品工業 シャイアー買収「賛成できない」
LINE スマホ決済で中国テンセントと提携
飲食店業界 「無断キャンセル」防止へ議論
─────────────────────────
【2】問題解決力トレーニングプログラム より
─────────────────────────
≫冬のキャンペーンスタート!問題解決を学ぶなら今がチャンス!
オンライン講座『新 問題解決必須スキルコース』
2019年1月開講クラスの受講料が≪10%OFF≫
─────────────────────────
【3】問題解決力トレーニングプログラム より
─────────────────────────
≫『マーケティング・コミュニケーション』1月開講クラス募集中!
デジタル分野特有の考え方を抑え、これからのマーケターが持つべき
オンラインとオフラインを統合的に考える実践的スキルを習得する
─────────────────────────
【4】BBT×PRESIDENT より
─────────────────────────
≫【締切間近!】第16回 BBT×PRESIDENTエグゼクティブセミナーのご案内
大前研一直伝!〜経営者のための戦略思考〜
右脳と左脳を刺激し、世界基準の発想力を育てる
─────────────────────────
【5】クリックアンケートのお願い
─────────────────────────
─────────────────────────
【6】あとがき
─────────────────────────
■ [1]〜大前研一ニュースの視点〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日仏原発開発/中国原発市場/武田薬品工業/LINE/飲食店業界〜キャッシュレス決済で遅れをとる日本の現状。日本はまずシステムを構築せよ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日仏原発開発 フランス政府が次世代原子炉開発を凍結
中国原発市場 中国、新型原発の稼働ラッシュ
武田薬品工業 シャイアー買収「賛成できない」
LINE スマホ決済で中国テンセントと提携
飲食店業界 「無断キャンセル」防止へ議論
─────────────────────────
▼日本の原発計画はすでに詰んでいる。今後の原発の中心は途上国へ
─────────────────────────
日本がフランスと進めている次世代原子炉開発について、
仏政府が2020年以降、計画を凍結する方針を
日本側に伝えたことがわかりました。
建設コストが増加したことや、原発依存度を引き下げる
フランス政府の方針などを受けたもの。
日本は2016年に高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃炉を決め、
今後の研究開発にはこの原発のデータを活用する計画で、
日本の原子力計画への影響は必至と見られています。
日本がプルトニウムの備蓄を増やしていることについて、
かねてから欧州や米国から注意勧告を受けてきました。
日本としては高速増殖炉の開発を続けている
という大義名分を掲げてきたものの、
「もんじゅ」の廃炉が決定したことで
それも通用しなくなりました。
そこで、フランスの実証炉「アストリッド」に資金を投じて
一緒に開発を進める立場を取ろうとしていたのです。
しかし、フランスは原子力依存度を
現状の約70%から50%程度に落とすことを決定し、
この思惑も失敗に終わることになりました。
フランスはすでに「ラプソディ」「フェニックス」
「スーパーフェニックス」という
1000メガワット級の高速増殖炉の開発に成功していますから、
無理に「アストリッド」を開発する必要がありません。
「日本が資金を出すなら一緒にやってもいい」
くらいの考えだったのでしょう。
それを急に止めると言い出すあたりは、
マクロン大統領らしいなと思います。
日本では「日本の原子力計画に打撃」と一部で報道されていますが、
こんな都合がいいだけの便乗政策が中止になって
「打撃」と解釈するのは、私には理解できません。
プルトニウム備蓄の大義名分となる日本の全原子力政策が、
全面的にフランスに依存していたというのも悲しい話です。
結局、日本の原子力政策という意味では、
高速増殖炉もんじゅの失敗で
ゲームオーバーだったということです。
日本のプルトニウムの備蓄については
世界中から注目されていますが、この事態に至っては
備蓄し続ける正当な理由付けをすることは難しいでしょうから、
不要なものは返却するしかないと私は思います。
日本とは対象的に開発が進んでいるのが中国です。
日経新聞が報じたところによると、中国では9月から11月にかけて、
加圧水型軽水炉(PWR)「AP1000」を採用した
原発3基が商業運転を開始しました。
事故で電源が失われても自動で原子炉が停止可能な
次世代型の原子炉「第3世代プラス」と呼ばれるもので、
習近平指導部が打ち出す産業政策「中国製造2025」を背景に、
2030年には最大で現状の4倍近くの
1億5千万キロワットまで発電能力を引き上げる計画です。
この「AP1000」という原子炉は
米ウエスチングハウスが開発したものです。
もし今も東芝がウエスチングハウスを保有していれば、
ライセンス料だけで相当なことになっていたでしょう。
東芝としては泣くに泣けない事態でしょう。
世界各国の原子炉の建設状況、計画状況を見ると、
メインはロシアと中国、それに次ぐのがインドで、
ほぼこの3国に集中しています。結局、
発展途上国が原子炉の主力建設地域になってきています。
日本は計画中としているものがいくつかありますが、
実際に開発されることはないでしょう。
中国の原発開発状況を見ていると、
日本の川崎重工が開発した新幹線が
いつの間にか中国製として輸出されるようになっていた
パターンを想起してしまいます。
中国が原子炉の開発をマスターすると、
同じようなことが起こってくると思います。
─────────────────────────
▼武田薬品のシャイアー買収は下手をすると「ルノー・日産化」する
─────────────────────────
武田薬品工業の創業家で社長・会長を務めた
武田国男氏がアイルランドの製薬大手シャイアーの買収に
反対していることがわかりました。
武田氏は「医薬業界にはM&Aは必要」としながらも、
独自に分析した結果、シャイアーの案件は
リスクが高いと判断したとのことです。
武田国男氏は偉大な経営者ですが、
すでに海外(シンガポール)にいる身ですから、
負け犬の遠吠えのように見えてしまいます。
シャイアーは買収に次ぐ買収で大きく成長した企業ですが、
業績推移を見ると純利益の乱高下が激しいのがわかります。
今のタイミングは「高値づかみ」したような形になっています。
こういう点も買収に賛成できない理由になっているのだと思います。
とは言え武田国男氏を含め、創業家の株式保有比率は3%程度なので、
まず委任状争奪戦(プロキシーファイト)には影響しないレベルです。
武田薬品の社長は、武田国男氏から長谷川氏、
そして長谷川氏から同社初の外国人社長になった
クリストフ・ウェバー氏へ引き継がれています。
このシャイアー買収問題は、下手をすると
「ルノー・日産化」する可能性があるので、
その点は注意するべきでしょう。
─────────────────────────
▼LINEはアント・フィナンシャルを目指せ
─────────────────────────
LINEは中国ネットサービス大手のテンセントと提携し、
2019年から訪日中国人客にスマートフォン決済サービスを
開始する見通しが明らかになりました。
また、みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)
と提携し銀行業に参入する計画も発表しています。
実務的なことで言えば、みずほとの提携は要らないでしょう。
アリババのアント・フィナンシャルと同じようなことをすれば、
LINE自体が金融機関のような仕事をすることは難しくありません。
おそらく、顧客の取引DBの情報などを
狙っているだけだと私は見ています。
─────────────────────────
▼キャッシュレス決済で遅れをとる日本の現状。日本はまずシステムを構築せよ
─────────────────────────
飲食店の無断キャンセル防止へ向けて、業界団体や弁護士、
経産省などが参加する検討会が開かれました。
会議ではコース料理を予約して
無断キャンセルした場合は全額を、
席だけを予約した場合も平均客単価の5割程度を
請求することなどが指針としてまとめられました。
年間被害総額は約2000億円ですから、
もちろんこの問題を解決すべく取り組むのは良いことです。
しかし、「指針をまとめる」よりも
「システムを構築」するほうが先だと私は思います。
というのは、すでに中国ではアント・フィナンシャルが
構築したシステムのおかげで解決しているからです。
お客さんは飲食店を予約すると同時に、
アント・フィナンシャルのシステムで
電子決済が完了してしまいます。キャンセルされても、
すでにお金を払ってもらっているので飲食店としては特に困りません。
実際には、このシステムが構築されたことで、
中国では飲食店の予約キャンセル数が激減しました。
日本にとっては羨ましい話です。
---
※この記事は12月2日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています
─────────────────────────
▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
─────────────────────────
今週は、注目企業の話題を中心にお届けいたしました。
飲食店の無断キャンセル防止へ動き出し、
検討に向けて取り組みが始まりました。
この話題に対して大前は記事中で、
キャッシュレス決済で遅れをとる日本の現状を指摘し、
まずシステムを構築することが先だと言及しています。
中国のアント・フィナンシャルの例を
記事中で紹介をしていますが、
成功した事例とその理由を具体的に読み解くことは重要です。
事例を学ぶ際には、成功事例だけを学ぶだけでなく、
失敗事例も探し、その理由を探ることも大切です。
ノウハウを積み重ねることで、
自分が応用できるパターンとして認識し、
ビジネスの勝率を高めることができます。
▼【登録無料!】「問題解決5日間メールセミナー」
『新 問題解決必須スキルコース』の講義映像を一部公開!
問題解決において重要なエッセンスを一部抜粋してメールでお届け
http://r34.smp.ne.jp/u/No/3924570/iATIdjH7ci0D_212949/924570_181207001.html
http://www.asyura2.com/18/genpatu50/msg/633.html#c1
[ドバイ 9日 ロイター] - イランのロウハニ大統領は9日、石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国が減産を決定したことについて、米国の「干渉政策」が拒絶されたとの認識を示した。国営イラン通信が伝えた。
OPEC加盟国とロシアを中心とした非加盟国は7日にウィーンで開いた会合で、合わせて日量120万バレルの減産を実施することで合意した。トランプ米大統領の原油安を求める声を振り切り減産を決定。減産幅が市場予想を上回ったことで、原油価格は約5%上昇した。[nL4N1YC4O7]
ロウハニ大統領は「米国はOPECの問題に干渉し、石油供給の均衡を防ごうとしたが、幸い、加盟国の抵抗と、イランとザンギャネ氏(イラン石油相)の努力により、この計画は無力化され、米国の干渉主義が敗北した」と述べた。
http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/843.html#c1
[10日 ロイター] - 米国債のイールドカーブのいくつかの主要年限間で長短利回り差が逆転(逆イールド化)した後、景気後退が到来するとしても、その時期は大方が考えるよりも遅くなる可能性がある。
長期ゾーンに比べて短期ゾーンの発行量が急激に増えたことで国債市場の動きが変わってしまった上に、一般的に注目されているのと別の指標は、景気下降局面の訪れがもっと先だと示唆しているからだ。
トランプ政権が来年1兆ドルに達しようかという財政赤字穴埋めのために計画している国債増発は短期ゾーンに集中している。一方、銀行は2007─09年の金融危機以降、米国債よりも住宅ローン担保債(MBS)の購入を優先する傾向があり、MBSのイールドカーブの重要性が高まってきた。
従来重視されてきた米国債の2年─10年利回りが逆イールド化すれば、18カ月から2年で景気後退が始まるとみなされてきた。しかしこうした需給面の構造変化を受け、一部の専門家は逆イールド発生から景気後退開始までの期間が延びているのではないかとの見方をするようになっている。
短期ゾーンでは今週、2─3年と2─5年の利回りが逆転して金融危機以来初めて米国債市場に逆イールドが出現。2─10年利回りの差もわずか10ベーシスポイント(bp)弱と、07年以降で最小になり、景気後退が近いとの観測が広がった。
ただしイールドカーブは、金融危機に対応して主要中央銀行が実施した量的緩和(QE)によっていびつにされた面がある、とアナリストは主張する。つまりたとえ2─10年が逆イールド化しても、必ずしも景気後退が間近だと読み取るべきではないという。
ジェフリーズの短期市場エコノミスト、トーマス・シモンズ氏は「現在のイールドカーブはQEとその巻き戻しによって、大々的に歪められている」と話した。
そこに米財務省が今年2月以降で2年債を820億ドルも増発し、発行額が10年債の220億ドルを大きく上回る事態が加わった。サイモンズ氏は「短期ゾーンには非常に大量の供給があり、長期ゾーンはそこまでではない」と指摘。短期ゾーンの利回りを相対的に押し上げ、2─10年の利回り差縮小をもたらした。
米国債需要も金融危機後に変化があった。銀行が連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)や連邦住宅抵当貸付公社(フレディマック)といった政府系住宅金融機関が保証するMBSを米国債の代わりの投資先とする動きが強まったのだ。
カナコード・ジェニュイティのアナリスト、ブライアン・レイノルズ氏は「銀行が米国債をファニーメイ債やフレディマック債ほど投資手段として利用しなくなった点を踏まえれば、米国債のイールドカーブの重要度は過去9年半で低下している」と分析する。
米連邦準備理事会(FRB)のデータで米銀の保有動向を見ると、08年末に1兆1600億ドルだった政府系住宅金融機関保証付きMBSは2兆2300億ドルまで膨らみ、米国債の560億ドルから5030億ドルより増加幅が大きくなった。
ファニーメイとフレディマックの保証が付いたMBSの2─10年利回り差は足元でそれぞれ約24bpと44bpあり、この先逆イールド化する場合でも、米国債の同期間よりも後になりそうだ。
サンフランシスコ地区連銀は8月に公表した論文で、金融市場で主な話題になるのは米国債の2─10年利回りだが、1年後の景気後退を予告する指標としては3カ月物短期国債と10年債の逆イールド化の方が優れていることが分かったとしている。
現在の3カ月─10年の利回り差は50bp前後なので、やはり2─10年よりも逆イールド化の時期は遅くなるだろう。
アリアンツ・インベストメント・マネジメントのシニア投資ストラテジスト、チャーリー・リプリー氏は、このイールドカーブが逆転するのはずっと先になってもおかしくないとみている。
https://jp.reuters.com/article/us-bonds-yieldcurve-analysis-idJPKBN1OA0DC
http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/882.html#c1
実体経済の拡大と実質生活水準の上昇がなければ、ほとんど無意味
国債金利低下さらに、日銀の修正前に 一時4カ月半ぶり 海外勢が国債買い (2018/12/6 18:29) [有料会員限定]
日米金利差、縮小進む 米利上げ停止観測で円高リスク (2018/12/5 22:40) [有料会員限定]
米中摩擦が下押し圧力に 大阪で景気討論会 (2018/12/4 18:32) [有料会員限定]
実は日米株価に不吉な予兆 早まる米利上げ打ち止め (2018/12/3 5:30) [有料会員限定]
相場と投資を読み解く
円高支える弱い米指標 (2018/12/10 12:36) [有料会員限定]
株、TOPIXが安値更新 主力銘柄に売り (2018/12/10 14:20) [有料会員限定]
異常な米株価変動、疑心暗鬼のマーケット(豊島逸夫) (2018/12/10 11:15更新)
狙われる自動車関連株 ファンド勢、再編視野 (2018/12/10 5:30) [有料会員限定]
崩れゆく欧州 ユーロ20年、強まる遠心力 (2018/12/9 5:30) [有料会員限定]
http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/912.html#c1
SoftBank Group Corp. logo Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
ソフトバンクの新規株式公開(IPO)に関連し、国内主幹事を務めているSBIホールディングス傘下のSBI証券が顧客に過少に当選株数を伝え、訂正していたことが分かった。
同証経営企画部の緒方剛史次長によると、10日午後6時に抽選を実施。その後、当選株数や補欠当選株数を伝えたが、12日未明に訂正し、実際はもっと多く当選していたことを顧客に伝えたという。
緒方氏は、ソフトバンク株の人気がなくキャンセルが相次いだために急きょ当選株数を増やしたのではないかとの観測を否定。エラーの原因や影響を与えた口座数、金額については回答できないとしている。
今回の件を受け、SBI証では13日正午までとしていた購入の正式申し込みを午後6時まで延長、コールセンターで受け付けることを決めた。緒方次長は、「ソフトバンク株を購入したいという問い合わせが相次いでいる」と述べ、ソフトバンクを専門に対応する人員を大幅に増やした。
SBI証は9月末時点で445万口座を保有。ソフトバンクの2兆6500億円規模のIPOでは約1800億円を引き受けており、国内主幹事の1社となっている。ソフトバンクの広報担当者は、回答を控えるとしている。
13日のSBIHDの株価は一時5.3%安の2463円と反落した。東証1部の証券・商品先物取引指数は1.4%高と構成銘柄の多くが上昇する中、下げが顕著。ソフトバンクグループ株も最大で2.7%下落した。
(4段落に申込期限の延長について追加します.)
http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/910.html#c1
上野泰也のエコノミック・ソナー
パウエル議長は「安全運転」の姿勢
2018年12月18日(火)
上野 泰也
パウエルFRB議長(写真:AFP/アフロ)
アメリカの国債市場では12月3日、米10年債利回りが前週末に続いて節目である3%よりも低い水準で取引されたが、それ以上に重要な出来事が3つあった。
@米30年債利回りが一時3.25%まで低下したこと(翌4日の東京市場の取引時間帯には3.2%台前半まで低下し、その後3.1%台前半に)
〜 米30年債の3.25%近辺は、9月頃までは米年金マネーによる押し目買い注文が厚いため、金利上昇方向のかなりしっかりした「天井」とみられていた。ところが、10月になってこの水準を上抜けたことにより、米国債の長期・超長期ゾーンの利回りが全般的に上方シフトしたという経緯がある。再び3.25%が「天井」になれば、10〜11月に上昇する前の状況に回帰するわけで、米国(ひいてはそれに連動してきた日本)の長期・超長期ゾーンで金利低下の余地が拡大する。
中期ゾーンで部分的な逆イールドが発生
A2年債と5年債の「利回り逆転」が起こった(米国債イールドカーブの中期ゾーンで部分的に「逆イールド」が発生した)こと
〜 前者が2.82%、後者が2.81%というごくわずかな差だが、11年ぶりの現象である。3年債と5年債でも同じことが起こり、その後も逆転状態が継続している。FRB(米連邦準備理事会)の利上げ路線に対して債券市場が警告し始めたと言える。一般には、後述する2年債と10年債、あるいは3カ月物財務省証券(T-Bill)と10年債の「逆イールド」が、債券市場による先行きの景気後退(リセッション)到来「警告シグナル」とされている。
中短期ゾーンの金利が利上げを反映し、先行きも利上げが継続されるとの見通しを織り込んで上昇する一方で、長期・超長期ゾーンの金利は利上げのし過ぎによる景気のオーバーキル(意図した以上の悪化)や、それに伴う物価の押し下げを織り込む形でほとんど上がらないか、あるいは低下する。
それらにより「逆イールド」が形成されるわけである。00年のITバブル崩壊後も、06年の住宅バブル崩壊後も、「警告シグナル」は正しく発信された<図1>。なお、世の中には誤解している人もいるため付言しておくと、「逆イールドが発生するとその効果によって景気後退になる」というような因果関係があるわけではない。景気後退の確率が上昇したことを、さまざまなデータを織り込んで相場形成がなされる中で、債券市場が警告する、ということである。
図1:米2年債と10年債の利回り格差(10年債−2年債)
(出所)FRB資料より筆者作成
Bより市場がウォッチしている2年債と10年債の利回り格差が15ベーシスポイント、すなわち0.15%まで縮小したこと(07年7月以来の小さな幅。その後10ベーシスポイントを下回る場面も見られており、このベースでの「逆イールド」は時間の問題か)
同じ12月3日には、「入手される指標を考慮すると同時に、方向性が著しく変化すれば対応するという戦略に沿っていく」というクオールズFRB副議長(金融規制担当)の発言が報じられた(ロイター)。
「われわれはデータに依存しているものの、ダイヤルの針の振れにいちいち対応するわけではない」とも、同副議長は発言。個別の経済指標の下振れだけでは不十分で、米国景気全体の過熱感がなくなり減速が明確化するという「方向性の著しい変化」が確認できた場合には利上げを休止することで、FRB指導部が一致していることを示唆したものだと、筆者は受け止めている。
米国の主要な景気指標の中では、週次で発表されているイニシャルクレーム(新規失業保険申請件数)が、このところ増加トレンドに転じている<図2>。11月24日までの週は235千件で、3週連続の増加。次の週は小幅減少したものの、基調は上向きである。
図2:米イニシャルクレーム(新規失業保険申請件数)
(出所)米労働省
イニシャルクレームは、米調査機関コンファレンスボードが月次で公表している景気先行指数の内訳に採用されている経済指標でもある。だが、FRBにとっては、利上げを止める前提になる米景気減速明確化のエビデンスとしては、これだけではまだ不十分なのだろう。
米国の金融政策を決める会合である米FOMC(連邦公開市場委員会)参加者の最近の発言のうちで、筆者が最も強い印象を受けたのは、12月4日の英経済紙フィナンシャルタイムズが掲載した、カプラン・ダラス連銀総裁のインタビューである。カプラン総裁は、12月FOMCにおける追加利上げに賛成するのかという問いかけへの直接の回答は避けつつも、ハト派(利上げ慎重派)的な議論を展開した。
「われわれがそれ(利上げ)をやり過ぎてしまう事態を、私は避けたい(I want to avoid a situation where we have overdone it.)」
上記の発言に、カプラン総裁の主張、さらにはパウエル議長率いるFRB指導部が利上げ休止に向けた地ならしをこのところ行っている理由が凝縮されているように思う。
拡張局面を長引かせてほしいトランプ大統領
FRBが利上げを重ねすぎた結果として景気がポッキリいってしまう(景気後退が到来する)というのが、過去に何度も見られたパターンである。そうした事態を回避し、景気拡張局面をできるだけ長引かせるのが、FRBに現在課せられている課題である。
ちなみに、20年大統領選での再選を目指しているトランプ大統領がFRBによる利上げへの批判を繰り返している背後には、景気悪化時の選挙は自らに不利だから拡張局面をできるだけ長引かせてほしいという意向があると推測される。
カプラン総裁はさらに、「インフレ状況がより落ち着いているので、忍耐強くなり、非常に警戒的になり、間違いを犯してしまうのを避けようとする余裕が、われわれにはあると思う」と述べた。物価急加速のリスクが小さければ、あわてて利上げを重ねる必要性は乏しい。
また、財政面からの刺激で米国の経済成長はかさ上げされており実勢が見えにくくなっているものの、19年前半あるいは半ばになればそうした影響が減衰して、米国の経済は現在とは相当違って見えるかもしれないと、カプラン総裁は主張。
その上で、景気のダウンサイドリスクとして、財政面からの景気刺激の減衰に加えて、これまでの利上げの効果発現、住宅セクターの弱い兆候、世界経済の減速、貿易摩擦・関税の悪影響を挙げた。
同じ3日にロイター通信が配信したインタビューでも、カプラン総裁は利上げ休止に前向きなコメントを発した。その中には、「19年半ばまでに経済は現在とかなり異なる状況になる可能性が非常に高いとの見解に同意している。このことからFRBは行動に慎重になるのが賢明だ」というくだりがあった。
19年にかけての世界の経済・マーケット動向の中心軸にあり最もウォッチすべきは、言うまでもなく、世界最大の経済大国である米国の経済および金融政策の行方である。
米国の景気は減速(スローダウン)が徐々に明確になり、FRBの利上げは19年3月に休止されるだろう。四半期ごとの利上げというパターンが崩されて、スキップされるということである。
19年3月?利上げ休止を予期する市場とホワイトハウス
景気が減速していても腰折れはなさそうだと判断されれば、6月の利上げ再開があり得るものの、その後は経済にとって引き締め的でも緩和的でもない、いわゆる「中立水準」に政策金利がほぼ到達したとFRBは判断して利上げ局面は終了とし、そのまま長期様子見姿勢に転じるのではないか。そのようなシナリオを筆者は描いている。
12月7日に発表された米11月の雇用統計は、12月の追加利上げを後押しするしっかりした内容になったものの、子細に見れば、非農業部門雇用者数(前月差)の6カ月移動平均が久しぶりに+20万人を下回るという、米景気の減速を示唆する動きもあった。
この日はFRBの内外からさまざまな発言が出てきたのだが、筆者が最も印象的だったのは、クドローNEC(国家経済会議)委員長がブルームバーグテレビで語った内容である。
「当局(FRB)から送られているシグナルは、今月何らかの行動を起こすかもしれないが、その後は多分かなりの期間において何もしないというものだと私は考えている」と述べたクドロー委員長は、「私のボスであるトランプ氏もだいたい私の考えと一致している」と付け加えた。金融市場だけでなくホワイトハウスも、19年入り後のFRBによる利上げ休止を予期しているようである。
このコラムについて
上野泰也のエコノミック・ソナー
景気の流れが今後、どう変わっていくのか?先行きを占うのはなかなか難しい。だが、予兆はどこかに必ず現れてくるもの。その小さな変化を見逃さず、確かな情報をキャッチし、いかに分析して将来に備えるか?著名エコノミストの上野泰也氏が独自の視点と勘所を披露しながら、経済の行く末を読み解いていく。
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/248790/121400170/
FRBは引き締め「二面作戦」やめよ−ドラッケンミラー氏WSJ寄稿
Vincent Bielski
2018年12月17日 13:49 JST
今週のFOMCでは流動性動向反転や株安に言及すべきだ
9月時点では相当の混乱が起きるまで毎FOMCで利上げをと発言
An eagle sculpture stands on the facade of the Marriner S. Eccles Federal Reserve building in Washington, D.C., U.S. Photographer: Andrew Harrer/
米金融当局に利上げと流動性引き締めの「二面作戦」をやめるよう富豪の著名投資家スタンリー・ドラッケンミラー氏が呼び掛けた。16日付の米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)への寄稿で、景気が減速しつつあり、相場が下落している時期だと指摘した。
同氏はウォーシュ元米連邦準備制度理事会(FRB)理事との共同執筆で、「米経済は来年も堅調を維持すると考えているが、連邦準備制度にせよ政権にせよ、政策の重大な過ちを犯す余地はないだろう」と記した。
ドラッケンミラー氏は、今週の連邦公開市場委員会(FOMC)では世界的に中央銀行からの流動性動向が10月1日前後から反転していることや株式相場の下落が始まったことなどの展開に言及するべきだとも論じた。
ドラッケンミラー氏はドゥケイン・ファミリー・オフィスの会長兼最高経営責任者(CEO)。ウォーシュ氏は現在、スタンフォード大学フーバー研究所で客員研究員をしている。
ドラッケンミラー氏は9月、13Dグローバル・ストラテジー&リサーチのキリル・ソコロフ会長とのインタビューで、金融当局が利上げを継続することを促し、相当程度の混乱が起こるまでは毎会合で利上げをすべきだと発言していた。その混乱が到来したと同氏は考えているようだ。
原題:Druckenmiller Urges Fed to Pause Tightening ‘Blitz’ in WSJ Op-Ed(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-12-17/PJV2PT6JTSE801?srnd=cojp-v2
逆イールド、カーブ全体に広がるかー債券トレーダーが「ドット」注視
Katherine Greifeld
2018年12月17日 13:53 JST
現在の市場のコンセンサスは「ハト派的な利上げ」
タカ派的利上げとなればカーブはますますフラット化とリンゲン氏
Photographer: Michael Nagle/Bloomberg
債券トレーダーは今週の米利上げをほぼ確信しており、来年の金利予想と景気見通しが連邦公開市場委員会(FOMC)の焦点となる。市場の一部で起こっている逆イールドがカーブ全体へと波及するかどうかに影響する。
トレーダーは来年の利上げ継続を疑問視するとともに、世界の経済成長にも懸念を抱く。2年物米国債と10年物の利回り格差も既に、2007年以来のマイナスに近い。こうした中で、FOMCの19年見通しに注目が集まる。
BMOキャピタル・マーケッツの米金利戦略責任者イアン・リンゲン氏は、FOMCメンバーがドット・プロットで来年3回の利上げ見通しを確認すれば、カーブはさらにフラット化するだろうと話す。
「本物のリスクはドット・プロットに変化がなく、当局は利上げをし、全体としてタカ派的なコメントをすることだ。そうなれば予想外だろう。現在のコンセンサスは『ハト派的な利上げ』だと思われるからだ。『タカ派的』利上げとなればカーブはますますフラット化するだろう」と同氏は話した。
原題:Bond Traders Ponder Next Inversion as Fed Dots Take Center Stage(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-12-17/PJV4966JTSE801?srnd=cojp-v2
日銀オペ減額の加速は必至か、国債発行6年連続減−金利低下回避
三浦和美、Chikako Mogi
2018年12月17日 7:19 JST 更新日時 2018年12月17日 11:22 JST
よほど積極的にオペ削減しないと需給タイト化進むーSMBC日興
問題は発行が減る以上に日銀が買い入れを減らせるかーメリル日本証
Photographer: Akio Kon/Bloomberg
債券市場では来年度の国債発行額が6年連続で減少すると見込まれており、日本銀行は国債利回りが低下し過ぎないように買い入れオペの減額ペースの加速に迫られるとの見方が出ている。
ブルームバーグが2019年度の国債発行計画について、証券会社10社を対象に実施した調査によると、全社が14年度から6年連続で減額と予想。債券相場に直接的に影響を及ぼす、入札を通じたカレンダーベースの市中発行額については、18年度当初計画の134兆2000億円より2兆円から最大6兆円減るとみている。
SMBC日興証券の森田長太郎チーフ金利ストラテジストは、「よほど積極的に日銀が買い入れ削減を行わないと債券市場の需給タイト化が進み、金利水準が低下する可能性がある。投資家が円債投資により消極的になる」と言う。
日銀は金融緩和策の軸足を量から金利に移したことに伴い、国債買い入れペースを鈍化させている。7月には市場流動性の回復への対応でペースを一段と緩めた。11月の買い入れオペ総額は6.6兆円程度と、追加金融緩和を決めた14年10月より前の規模まで縮小。目標の年間増加額80兆円めどの半分のペースまで落としている。今後、国債の供給量が減れば、それに合わせてオペを減額していかないと、需給が逼迫する要因となる。
メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「発行が減った分は単純に日銀の買い入れ減額が可能になるが、問題は発行が減る以上に買い入れを減らせるかどうかだろう」と指摘。「今まで避けてきた残存期間10年近辺の買い入れを減らす必要もありそうだ」と言う。
カレンダーベース
変更見通し 年限別の調整
三菱モルガン 6兆円減 1年TB、2年、5年、10年、20年減額
メリルリンチ 3.6兆円減 5年、10年、20年減額
みずほ 5.4兆円減 1年TB、2年、5年、10年、20年減額
流動性供給は増額
大和 2.4兆〜3.6兆円減 5年、20年減額(10年減額の可能性も)
SMBC日興 最大4兆〜5兆円減 5年、10年、20年減額
(総発行額次第で2年減額も)
モルガンMUFG 2.4兆円減 5年、20年減額
BNPパリバ 3.6兆円減 5年、10年、20年減額
JPモルガン 4.8兆円減 2年、5年、10年、20年減額
バークレイズ 4.8兆円減 2年、5年、10年、20年減額
岡三証 2.4兆円減 2年、20年減額
ブルームバーグは、財務省は19年度国債発行計画で入札を通じた市中発行額を18年度当初予算比4.8兆円減の129.4兆円とする方針と伝えた。
来年度国債発行額に関する記事はこちらをご覧下さい。
長期金利の指標とされる新発10年物国債利回りは、世界的な景気減速懸念を背景としたリスク回避の買いで水準を切り下げている。14日には長期債に相当する残存5年超10年以下の購入額を減らしたが、同利回りは0.025%と7月末の日銀金融政策修正前の低水準を更新した。
大和証券の小野木啓子シニアJGBストラテジストは、「財務省の国債発行と日銀の買い入れバランスという観点のみから考えれば、日銀はゆっくり減額できるかもしれないが、どちらかというと、発行減額効果の方が効いていくとみられ、大きく金利上昇が進むということは考えられない」とみる。
(第6段落を追加して更新します.)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-12-16/PJP5NL6KLVR501?srnd=cojp-v2
長期金利目標の引き上げ予想が後退、12月会合は無風−日銀サーベイ
日高正裕、藤岡徹
2018年12月17日 5:00 JST
19年後半に景気後退陥る可能性は低くない−BNPパリバ証・河野氏
日銀は景気後退なら緩和のふりするしかない−東短リサーチ・加藤氏
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
世界的に金融市場でリスク回避の動きが強まる中、日本銀行が長期金利目標を早期に引き上げるとの見方が後退していることがブルームバーグの調査で分かった。19、20両日の金融政策決定会合については、調査対象のエコノミスト49人全員が現状維持を予想した。
10−13日に実施した調査によると、2019年末までに0%程度の長期金利目標を引き上げるとの予想は6人(12%)と、前回10月調査(22%)から低下した。短期政策金利のマイナス金利を引き上げるとの予想も7人(14%)と前回(22%)から低下した。世界経済の先行き不透明感の強まりから株価が乱高下し、長期金利が低下していることを受け、日銀の金融政策正常化への期待も沈静化していることが確認された。
調査の結果はここをクリックしてください
政府・与党は19年10月の消費増税に向けてさまざまな対策を打ち出しているが、日銀の正常化に及ぼす影響については「何とも言えない」との回答が23人(47%)、正常化の「助けにならない」との回答が16人(33%)だった。
12月調査の企業短期経済観測調査(短観)で大企業・製造業の業況判断DIがプラス19と横ばいにとどまったが、先行きは米中貿易摩擦などへの懸念から悪化した。エコノミストの間でも景気後退を意識する向きが増えている。
BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは、世界経済の減速を背景に輸出は足踏みし、個人消費もさえないと指摘。非製造業の建設投資に頭打ちの兆候が見られ、外需の軟化や貿易戦争を巡る不確実性の高まりの影響が今後「製造業の設備投資にも徐々に表れてくる」とした上で、「19年後半に景気後退に陥る可能性は低くない」とみる。
政府・与党はキャッシュレス決済に対する5%のポイント還元や住宅ローン減税の延長など、各種の消費増税対策を打ち出している。茂木敏充経済再生担当相は12日の講演で、14年の前回増税以上の対策を確実に行うと言明した。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎主席研究員は、「一定の効果はある」としながらも、需要を完全に平準化することは難しく、「増税後の一時的な需要の後退は覚悟せざるを得ない」と指摘する。大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは、増税前の駆け込み需要が7−9月期に出過ぎると「そこが景気のピークになる可能性は残る」とみる。
景気後退に陥ったら
景気後退に陥った場合、どのような緩和手段が残されているかエコノミストに聞いたところ、「有効な手段は乏しい」(日本総合研究所の牧田健チーフエコノミスト)といった声が圧倒的だった。クレディ・アグリコル証券の森田京平チーフエコノミストは、「論理的に説明可能でかつ法的に実施可能、かつ経済的に副作用が小さい策は日銀には残されていない」と指摘する。
シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストは、「日銀は『緩和手段がなくなった』とは口が裂けても言えないため、何らかの緩和措置を実施することになろう」と予想する。東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは、世界で最も緩和策の発動余地がない中央銀行は日銀であり、今のまま景気後退を迎えたら「細かい技術的な『緩和のふり』を示すしかないだろう」とみる。
そうした中、比較的多かったのが指数連動型上場投資信託(ETF)の拡大。黒田東彦総裁は10日の国会答弁で、日銀のETF購入が個別銘柄に大きな影響を与えているとの批判に対し、株式市場関係者の「セールストーク」と切り捨てた。野村証券の松沢中チーフマクロストラテジストは、「政策金利下げ、国債買い増しの選択肢がなく、結果的にETF買い増しに動く」と予想している。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-12-16/PJPHTZ6KLVR501?srnd=cojp-v2
債券、超長期中心に上昇−世界経済の先行き懸念や需給逼迫観測で
三浦和美
2018年12月17日 7:56 JST 更新日時 2018年12月17日 16:05 JST
新発20年債利回りは一時0.54%、8月1日以来の低水準
年末に向けて需給がタイト化しやすいー三井住友トラスト
債券相場は上昇。需給の良好さを背景に明日の20年債入札を波乱なく通過できるとの観測から超長期債を中心に堅調となった。世界経済の先行き懸念から海外金利が低下したことや、日本銀行が実施した国債買い入れオペの結果も相場の支えとなった。
長期国債先物2019年3月物の終値は前週末比7銭高の152円09銭。一時は152円17銭と中心限月の日中取引で16年10月以来の高値
新発10年物352回債利回りは一時、日本相互証券の前週末午後3時の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)低い0.025%。前週末に付けた4カ月半ぶり低水準に並ぶ
20年物166回債利回りは一時0.54%と、新発債として8月1日以来の低水準
市場関係者の見方
三井住友トラスト・アセットマネジメントの押久保直也シニアエコノミスト
日銀オペ結果、残存1−3年の応札倍率が昨年11月以来の水準に低下するなど、需給逼迫が意識される展開
グローバルで景気の先行き懸念が高まっていることも相場の下支え要因
外部環境が債券の買いシグナルを発する中で、明日の20年債入札は無難に消化される可能性があり、年末に向けて需給がタイト化しやすい
日銀オペ
対象は残存期間1年超5年以下と変動利付国債
買い入れ額は1ー3年が3500億円、3−5年が4000億円、変動利付債が1000億円といずれも据え置き
1−3年の応札倍率は昨年11月以来の低水準と、市場の売り圧力の弱まり示唆
過去の国債買い入れオペの結果一覧
背景
14日の米10年物国債利回りは前日比2bp低い2.89%程度で終了
14日のダウ工業株30種平均終値は2%安の24100.51ドル
新発国債利回り(午後3時時点)
2年債 5年債 10年債 20年債 30年債 40年債
-0.155% -0.140% 0.030% 0.545% 0.770% 0.915%
前週末比 横ばい -1.0bp 横ばい -0.5bp -1.0bp -1.0bp
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-12-16/PJPWBX6S972D01?srnd=cojp-v2
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/162.html#c1
世界では1000億(1Billion)が普通だろう
それだけあって初めて、家族全員が死ぬまで働かずに済むレベルだ
(ただし治安が守られるという前提)
よって一億円の純金融資産など、ほとんど大したことはなく
しかも、その大部分は高齢者が長生きリスクのために使わずに貯金している
さらに利率の良い定期ですら僅か年間数万程度の利子しかつかない
つまり日本の富裕層という言葉は、ほとんど意味はない
年間10億程度のゴーンで騒いでいるのだから
まだまだ日本は平和で平等な国ということ
その点では、海外の本当の富裕層に大いにアピールできるとも言える
https://diamond.jp/articles/-/188834
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/165.html#c4
不当な差別の自由など、本来、どこの国にもないし
そういう人物を公務員として雇うこともできないのは当然
労働生産性が低く、稼ぐ力が無いのに
名目賃金を上げたところで、悪いインフレになるだけのこと
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/171.html#c7
デフレが終わった状況で
食料や介護などのコストが上昇し続けている場合
さらなる財政措置はインフレ悪化と増税を招き、中上流層の実質可処分所得(財布)を直撃する
さらに貿易戦争の継続と米中欧景気減速で、リスク資産が暴落し、企業の景況感も悪化した場合
税収も減り、高付加価値雇用も悪化することになる
世界で最もGDP比債務残高が大きい日本は、ただでさえ金融不安定性が高く
さらに超少子高齢化で内需が縮小し続け、付加価値の増加を外需に依存し
温暖化や巨大地震といった拡大する自然災害、そして安全保障リスクも大きい状況では
海外の影響により景況感も財政も大きく影響される脆弱な構造だから
基本は、富裕層や中上流層はもちろん、生活保護受給者もワープア層も、貧困化が続くと見るのが妥当だろう
それでも、まだ世界の中ではマシな方だ
愚かな投稿
で一体、何が、どうまずいのか、何の根拠もない
正解は逆であり、日銀の政策自体には、問題はない
本当の問題は、日本の人口・産業・教育といった根幹となる構造の劣化であり
それを解決すべき政治の劣化、そして、その背後にある
大部分の国民の劣化、つまりお上依存で自分で問題を解決できないメンタルの劣化が最大の問題であり
これは、日銀がいくら頑張ったところでどうにもならない
大きな危機によって、大規模な淘汰が起こらない限り何も変わらないのは
愚かな人類の歴史が示している
刺激策の結果、円安で、雇用が大幅に改善し
デフレ不況からも脱却できたのだから
単なるプロパガンダに過ぎない
元々、自己利益しか考えない大衆のせいで、何の構造改革も進まない政治状況だから
本来、何の刺激策もなければ、人口も経済もさらなる衰退が続き
産業も雇用も悪化し続けるのは、韓国を見れば明らかなこと
そして何より、ロシアは遥かに深刻な状況なのだから
Sputnikが本来批判すべきはプーチン政権だろう
ま現実にはプロパガンダ紙には無理だろうが
よって、だれもクジラやイルカを食べなければ、捕鯨も無意味になるのだが
未だに野蛮な人間は、消えない
生態系の持続可能性を考えたなら
本来、ウシや豚、さらにマグロも含め、よほど数が増えすぎない限り
動物を商業的に殺して食べる肉食を一切、止めるのが妥当だろう
自分や家族が殺されて食われることを認めるのであれば別だが
日本の株価は、欧州同様、米国に比べると、遥かに低い水準であり
日銀による価格嵩上げ効果は、かなり小さい
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/270.html#c1
今後も、ブラック企業は淘汰され、結果として、名目賃金も労働環境も改善が続くが
来年以降、米中対立や、反グローバリズムによるリセッションにより、倒産と雇用悪化が起こる確率の方が高い
その場合、次の改善サイクルが来るのは当面先延ばしになるだろう
愚か者の発言
相場は、現実そのものであり
それが間違っていると愚痴を言ったところで負け犬の遠吠えに過ぎない
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/290.html#c1
国土交通省はオフィスビルやホテル、商業施設など住宅を除く新築の中規模建物(延べ床面積300平方メートル以上2千平方メートル未満)について、省エネ基準への適合を義務付ける方針だ。実際に義務付けるのは2020年以降となる見通しだ。住宅や小規模建物(同300平方メートル未満)は現状の基準への適合率が低いことに加え、業界の反対が根強いことから見送る。
政府がパリ協定を踏まえて策定した省エネ目標を達成するための施策の一環となる。省エネ基準への適合を義務付けられると、建築主は断熱窓や高効率の空調、発光ダイオード(LED)照明といった設備の導入を求められる。
国交省は19年の通常国会で建築物省エネ法改正案の提出をめざす。中規模建物については省エネ基準への適合率が現状で9割を超えている。このため国交省は実際に義務付けたとしても影響が少ないと判断した。
一方で、住宅や小規模建物は適合割合が5〜6割にとどまっている。省エネ基準に合わせるための投資はかさむため、法令で義務化すれば住宅投資へのマイナスの影響をおよぼしかねないと判断した。
政府は新築の住宅や建築物の省エネ基準への適合義務化を20年までに段階的に進める方針を示してきた。今回は小規模建物・住宅への義務化は見送るが、建築士に対して、建築主に建物が省エネ基準に適合しているかどうかの説明を義務付ける制度を設ける方針だ。
住宅の場合、建築主が省エネ基準を知らない場合が多いとされる。一方で建築主が居住者になることが多いため、省エネについての情報を建築士から提供することで、まずは省エネへの意識を高めてもらう狙いがある。
http://www.asyura2.com/18/senkyo255/msg/444.html#c1
「鎮痛剤が切れた」。英ヘッジファンド、ユーリゾンSLJキャピタルのスティーブン・ジェン氏は世界株安の原因をこう指摘する。金融緩和でばらまかれたマネーの多くは株式など資産に向かってきた。巻き戻されれば、当然、株価は調整を迫られるというわけだ。
米連邦準備理事会(FRB)は2016年には株価下落を受けて利上げを停止するなどの対応をとり、投資家はFRBが株安を防いでくれるとの慢心につながっていた。ところが、パウエル議長と市場の対話はすれ違い始めている。
パウエル議長は米経済の堅調さを足がかりに、今後の利上げは「データ次第」と強調する。資産圧縮も着々と進め、調整の範囲なら株価下落もやむなしとの構えだ。
一方、市場は金利高の影響を受けやすい住宅市場の減速や社債の価格下落(利回りの上昇)をみて、広範に景気が悪化しかねないと不安を強めている。エコノミストらの間では「景気後退があっても2020年以降で、しかも浅い」との見方がもっぱらだが、19年にも景気が大きく後退するような株価の動きだ。
株価の下げは行き過ぎとの見方は多い。だが、無視できないのは「米国経済は予想以上に金利上昇に弱いのでは」(みずほ総合研究所の小野亮主席エコノミスト)との不安が台頭している点だ。
米国の政策金利は2%台半ばで、まだ緩和的とされる。だが、緩和で上昇した資産価格の調整や海外から還流する悪影響を考慮すると、金利は景気を悪化させる水準にすでに到達したのかもしれない。貿易戦争や過大な債務、中国の成長鈍化などで世界経済の脆弱性は増しており、米国も無縁ではない。
トランプ政権は景気が好調なときに減税を打ち出した。この先は打ち手が限られ、最近ではFRBに矛先を向けている。場当たり的な政策はバブル的な株高と、その反動安を招いた。政策の信頼性も落としてしまった。
世界経済は19年も3%を超える成長が見込まれている。ただ、株価の下落による「逆資産効果」や、企業や消費者の心理悪化が、自己実現的に景気の低迷を招きかねない。「年明けも株安が続くようだと、金利上昇から逆資産効果にいたって景気が後退した過去のパターンと似てくる」(バークレイズ証券の山川哲史調査部長)
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/291.html#c2
実際は海外に比べ、日本では資本家の方が不利であり
一般労働者が、大幅に優遇されているのが、不都合な真実であり
だから日本では投資や企業が活性化しないのだが
非モテが多数派であり、こうした恨みに囚われていることも厳然たる事実として
政治家は認識して、対処し続けないと、いずれ米国のような悲惨な事態になる
その点、日本は当面は大丈夫だろう
>「資本家」と仲良くしてる「労働者」を糞ビッチが!と非モテがディスる
民主党の支持基盤だった大企業労組のことか
長期国債先物3月物は前日比13銭安の152円39銭で終了。株価の一時軟化で152円54銭まで上昇する場面も
新発10年物352回債利回りは、日本相互証券の前日午後3時の参照値から横ばいの0.01%。一時は0.03%まで上昇
市場関係者の見方
SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジスト
株が大きく上昇しない限り長期金利のマイナス化は視野に入るが、2年から7年までの利回り曲線はほぼフラット、先物の7年ゾーンが強過ぎる。10年ゾーンは出遅れながらついていく展開
米国市場が休場で状況は何も変わらず、米株先物の下落や夜間取引の米10年国債利回りの低下に相場が支えられる場面も
生命保険会社にとっては、超長期債利回りが下がる一方、ドル・円は110円程度とオープン外債投資のターゲット付近。日銀は超長期金利を上げない方が円安が促される
パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長
今年1年は世界経済の鈍化や米中貿易問題などいろいろあり、そのツケが一気にきた感があり、これまでの好循環が逆流し始めた
これだけ株が下がると負の資産効果も懸念される
2年債入札
最低落札価格は100円45銭と、市場の予想中央値100円44銭5厘を上回る
応札倍率は5.36倍に上昇、テールは4厘と若干拡大
SMBC日興の竹山氏
午前に調整したおかけで入札は順調になったが、これぐらいの水準にならなければ買う人がいなかったとも言える
過去の2年債入札の結果一覧
背景
日経平均株価は前日比171円32銭(0.9%)高の1万9327円06銭で終了。一時は1万9000円割れ
25日の米国市場は休場、時間外取引の米10年国債利回りは2.75%台から2.72%台まで低下
新発国債利回り(午後3時時点)
2年債 5年債 10年債 20年債 30年債 40年債
-0.130% -0.130% 0.010% 0.505% 0.705% 0.845%
前日比 +2.0bp +1.5bp 横ばい 横ばい 横ばい +1.0bp
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-12-25/PKAFZ76TTDS301?srnd=cojp-v2
ビジネス2018年12月26日 / 15:57 / 7時間前更新
日本株6日ぶり反発、一時1万9000円割れ 追証大量発行観測も
2 分で読む
[東京 26日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は6日ぶり反発。朝方は前日大幅安の反動による買い戻しで上げ幅を300円超に拡大したが、買い一巡後は伸び悩み、後場寄り後にマイナス転換した。
下げの勢いが強まる中で1万9000円を割り込んだものの、同水準で下げ止まり、大引けにかけてプラス圏に再浮上した。東京時間に買い材料は乏しく、今晩の米国株の動向を見極めたいとする向きも多かった。
日経平均は一時1万8948円58銭まで下落し、2017年4月25日以来1年8カ月ぶりの安値を付けた。
後場一段安となった場面では、ファーストリテイリング(9983.T)、ソフトバンクグループ(9984.T)、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028.T)など値がさ株の売りが目立った。「日経平均の見た目を悪くしようとする仕掛け的な売りが入っているような感じだ」(中堅証券)との声が出ていた。
米株価指数先物の下げ幅拡大が重しとなったほか、大手証券で4ケタ規模の追い証が発生したとの観測も出ていた。
その後、大引けにかけてプラス転換したが、市場からは「先物主導。1万9000円割れで下値を攻めたが、崩しきれなかったために一気に買い戻された」(東海東京調査センターのシニアストラテジスト、中村貴司氏)との声が出ていた。
騰落率は日経平均が前日比0.89%高、TOPIXが同1.12%高となった。セクター別では精密機器や空運、ガラス・土石製品が上昇率上位にランクイン。ゴム製品、食料品、保険の3業種が値下がりした。
個別銘柄では、キヤノン(7751.T)、JT(2914.T)、ブリヂストン(5108.T)など12月期決算銘柄には配当権利落ちの影響が出た。
象印マホービン(7965.T)は連日の年初来安値更新となった。25日に発表した2019年11月期の連結経常利益が前年比3.1%減と、3年連続の経常減益になる見込みだったことが嫌気された。売上高は増加するものの、原材料費の上昇などが利益を圧迫するという。
東証1部の騰落数は、値上がり1831銘柄に対し、値下がりが254銘柄、変わらずが38銘柄だった。
日経平均.N225
終値 19327.06 +171.32
寄り付き 19302.59
安値/高値 18948.58─19530.35
TOPIX.TOPX
終値 1431.47 +15.92
寄り付き 1425.01
安値/高値 1408.89─1443.87
東証出来高(万株) 138826
東証売買代金(億円) 22883.08
https://jp.reuters.com/article/tokyo-stx-close-idJPKCN1OP0DS
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/308.html#c1
破綻しないだけマシだろう
>現行の65歳支給のままであれば、100歳まで生きて35年間受給すると、計算上の生涯年金総額は約6720万円になる。しかし、それは“夢の夢”の金額
当たり前だ
ただでさえ負担が増え続け、GPPの2倍に達する見えない長巨額債務を負わされている
将来世代の生活を守り
日本を破滅させないためには 70は当然として、75歳以降の年金給付先延ばしを検討せざる得ない
世界を見ても
世界第2の経済力をもつ中国はもちろん、
トップレベルの経済軍事力をもつ米国でも底辺層の大衆は悲惨なものだし
さらに政治・経済が崩壊し、産業が非効率に低迷すると、
ロシアのような軍事超大国の国民すら
超格差の下で悲惨なことになる
最も進んだ欧州すら、フランスを見れば明らかなように万全とは程遠い
何の心配もせず、楽して生きられる世界などどこにもない
まして衰退が続く日本では、言うまでもない
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/10/post-11051.php
年金給付は平均寿命より後! 極北ロシアを「牢獄」に変えるプーチンの年金改革
2018年10月2日(火)17時30分
ロシアの鉄道職員アンドレイ・ブゲラさんには、1つの目標がある。それは、年金がもらえる年齢まで生きて、北極圏にある汚染された極寒の炭鉱町を離れ、少しでも快適な老後を迎えるため南に引っ越すことだ。
だが、プーチン大統領が年金受給年齢を5年先送りする計画を発表した今となっては、この目標をかなえることができないのではないかとブゲラさんは心配している。
彼が暮らす孤立したボルクタ市に続く道路はなく、冬は気温がマイナス40度を下回る。真っ白な雪は炭塵のせいで黒色に変わる。
汚染された薄い空気や乏しい日光、そして最大10カ月続く冬がボルクタの平均寿命を著しく低下させている。ロシア政府は昨年、最も汚染された都市の8番目に同市を挙げた。
6月、わずか2週間の間にブゲラさんの友人3人が、50歳を前にして亡くなった。
「1人の同僚は夜勤から帰宅して眠りについた後、目覚めることがなかった。家族を、3人の子どもを残して。まだ47歳だった。心臓が、血栓が原因だった。60歳が定年だと、政府はどうしたら考えられるというのか」とブゲラさんは言う。
ロシアの極北地方では長い間、厳しい環境に労働者を誘致するため、早期退職が認められていた。しかし政府が計画している年金改革案では、年金受給年齢が男性60歳、女性55歳までと、5年先送りされる。
政府データによると、ボルクタ市があるロシア連邦コミ共和国で2005年に生まれた男性の平均寿命は56歳と予想されている。提案されている新たな年金受給年齢より4年早い。
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/312.html#c2
添加物といっても、大部分は、天然由来成分
何十年も食べ続けても、80まで元気に生きている人も多い
不衛生な食生活をしている途上国の寿命が短いことからも明らかな話
ムダなことにストレスを感じるよりも
野菜ジュースでも買って飲み、運動や睡眠、禁煙、アンガーコントロールなどで生活習慣を整える方が遥かに健康寿命にとって重要
分析が甘い
ブラック労働の蔓延は、労働供給が過剰なためであり
それは需給逼迫(失業率の歴史的な低下)により解決しつつある
一方、低賃金(実質賃金低迷)になるのは、大部分の企業(主に中小)が高い労働コストを吸収できないからであり
その原因は、値上げが難しいこと
つまり、非労働人口である高齢者が大幅に増え続け、
社会保障コストの増加や、年金の低迷で、実質収入が増えないからであり
頼みはインバウンドや海外への輸出、さらには生産効率の向上しかないが
日本の産業構造は米国のような高付加価値かに失敗しており
中国など新興国との苛酷な競争で、利益率を高めることができず
明らかに、こうしたマイナス効果を補うには不十分な現状にある
さらに低賃金の移民労働者の流入は、介護など労働集約的な非効率産業を温存するだけで
根本的な問題を改善するよりも、今後、AIやロボットの開発競争で抑制的に働く可能性も高い
華為は18年の売上高が1085億ドル(約12兆円)になると予想。郭平輪番会長が公表した年末の書簡で明らかになった。同社は今年、2億台以上のスマートフォンを出荷し、世界のスマホ出荷台数ランキングで米アップルを上回った。
郭氏は第5世代(5G)移動通信革命で最前線を定位置とする同社の取り組みを倍増させると表明した。
原題:Huawei’s Revenue Growth Rebounds Despite ‘Storm-Tossed’ 2018(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-12-27/PKE0WA6TTDS501?srnd=cojp-v2
中国、米国の要求エスカレートに身構え−通商対立解消で一斉取り組み
Bloomberg News
2018年12月27日 15:36 JST
米代表団が1月7日からの週に北京を訪れる−関係者
中国当局者は米国が何を望んでいるかの把握に努める
中国は来年1月に始まるとされる米国との貿易協議に臨む。通商対立解消に向けて一斉に取り組んできたが、十分かどうかについて確信は持てずにいる。
習近平国家主席とトランプ米大統領の今月1日の首脳会議で、米中の貿易戦争は一時的な停戦に至った。中国はそれ以来、米国製自動車に対する報復関税を撤廃し、強制的技術移転を防止するための法案を起草中だ。さらに、700品目余りの輸入関税を引き下げるほか、米国産原油と液化天然ガス、大豆の購入を再開した。
協議に詳しい複数の関係者によると、中国当局は1月に事態を進展させるため他に何が必要かを把握するため米国側と絶えず連絡を取っている。中国当局者には、米国自体も何を望んでいるのか明確には分かっていないように見受けられると、交渉が非公開であることを理由に匿名を条件に関係者は語った。
関係者によれば、中国は米国が懲罰的関税を撤廃するとともに新たな関税を賦課しないことを望んでいるが、それに同意する前に米国がより多くを要求するのではないかと考えている。交渉が決裂した場合に備えて、当局は代替の報復措置を取りまとめているという。
中国社会科学院の米中関係専門家、呂祥氏は「アルゼンチンでの首脳会談後、開放と改革を加速させる中国のインセンティブは高まった」と指摘。「合意への最大の障壁は、米国の要求に際限がない恐れだ」と述べた。
関係者の話では、ゲリッシュ米通商代表部(USTR)次席代表率いる代表団が1月7日からの週に北京を訪れる。マルパス財務次官(国際問題担当)も同行するという。
1月の協議について中国商務省にファクスでコメントを求めたが応答はない。
原題:China Heads Into Trade Talks Bracing for More U.S. Demands(抜粋)
ワールド2018年12月27日 / 15:54 / 1時間前更新
米、華為・ZTE製機器の利用禁止命じる大統領令検討=関係者
2 分で読む
[ワシントン 27日 ロイター] - 複数の関係筋によると、トランプ米大統領は、国内企業に対し、中国の華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL] と中興通訊(ZTE)(0763.HK)(000063.SZ)が製造した通信機器の利用を禁止する大統領令を来年にも発令することを検討している。
米国は、両社が中国政府の指示を受けているとみており、米国人に対する諜報(ちょうほう)活動に両社の製品が利用される可能性があると主張している。
大統領令は8カ月以上前から検討されており、早ければ来年1月にも発令される可能性がある。
大統領令は、米国企業が国家安全保障上、重大な脅威となり得る海外通信機器市場から機器を購入することを阻止するよう商務省に指示する内容。通信業界と政権の関係者が明らかにした。
華為技術と中興通訊が名指しされる公算は小さいが、関係筋の1人によると、商務省は両社製通信機器の利用拡大を制限する権限を得たと解釈する見通し。
大統領令の文面は最終決定していないという。
大統領令は、国際緊急経済権限法を発動するもので、大統領が非常事態を宣言し、商取引を規制する。
米国では今年8月に、両社と米政府の取引制限を盛り込んだ国防権限法が成立している。
中国外務省の華春瑩報道官は、公式に確認されていないとして大統領令に関するコメントを避けた。
両社のコメントは取れていない。両社は自社製品が諜報活動に利用されているのではないかとの疑惑を過去に否定している。ホワイトハウスのコメントも取れていない。
大統領令については、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙が今年5月に初めて報じたが、現時点では発令されていない。
米国では、地方の通信会社が両社の最大の顧客となっている。
米国の大手携帯電話会社は、特に華為技術との関係解消に動いているが、地方の中小通信会社は、相対的に価格の安い両社の通信機器を利用している。
加入者10万人未満の通信会社が加盟する米国の地方無線協会(RWA)が今月、連邦通信委員会(FCC)に提出した文書によると、同協会の会員企業の推定25%が華為技術か中興通訊の製品を利用している。
RWAの法律顧問によると、同協会は、大統領令が発令されれば、会員企業が両社製品の交換を強制されるのではないかと懸念している。両社製品の交換には会員全体で8億─10億ドルの費用がかかる見通しという。
*中国外務省報道官の反応を追加しました.
https://jp.reuters.com/article/huawei-zte-trump-idJPKCN1OQ0BP
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/331.html#c1
平成が終ろうとしている2018年、周囲の目線を気にして「〜してはいけない」と思い込まされてきた当事者たちが、声を上げ始めた。そして、「引きこもり支援」を巡る時代の空気は、「8050問題」など長期高齢化する当事者・家族の孤立が地域の課題となる中で、従来の「就労支援」から1人1人の特性に寄り添った「生き方支援」へと転換された1年だったと言える。
2017年末、朝日新聞は1面で、80代の親が収入のない50代の子と同居を続けて行き詰まる「8050問題」を紹介する記事を載せ、共同通信は同日、内閣府が2018年度、40歳以上の「ひきこもり実態調査」を追加で行うと配信し、各紙に掲載された。
厚労省は「ひきこもり支援」についても、2015年度に施行された生活困窮者自立支援法に基づき、今年度から当事者団体のつくる居場所やプラットホームなどのサポート事業に対して、1自治体あたり上限300万円(補助率2分の1)の支援を始めた。一方的に就労をゴールに置くのではなく、そもそもの国の同法の理念である「誰も見捨てない」「誰も見放さない」という「生き方支援」を財政面でも明確に打ち出した形だ。
18年8月、日本経済新聞は『変わるひきこもり支援 就労から居場所づくりへ』という見出しの記事を掲載した。これまで就労が中心だった国の支援は、2000年代には「ニート」という造語が使われ、原則39歳までを対象に、短期間で就職率を上げる面接指導や訓練などが中心だったため、目的に馴染めない中高年層や生きづらさを抱えた人たちがこぼれ落ちてきた問題を指摘したものだが、こちらも共同通信の配信だ。
KHJ全国ひきこもり家族会連合会の調査によると、40代以上で10年以上引きこもる長期高齢者の7割は就労経験者であり、職場で傷ついて恐怖を感じている体験者に、就労へと押し戻そうとする支援そのものがなじまなかった。にもかかわらず、これまでの支援の枠組みは就労支援が主眼に置かれ、こぼれ落ちた人たちの多くは遮断されることで希望がなくなり、家族ごと引きこもらされてきたといえる。
NHKが取り上げる「ひきこもり」像も、従来の社会側からの目線から、引きこもってきた本人たちの目線へと移っていき、生きていたいと思えるように頑張る姿や声をダイレクトに伝える番組づくりへと変わったのが印象的だった。
「クローズアップ現代+」では、「ひきこもりルネサンス〜生き抜くためのヒント〜」と題して、引きこもってきた経験者たちの様々な生き方、当事者たちがつくり出す居場所や媒体、多様な人たちとのプラットホームである対話の場などが紹介され、「ハートネットTV」でも、居場所活動や当事者媒体をつくる本人たちが次々に番組に登壇、自らの意思で紡ぎ出す言葉を発信するなど、それらの姿や声が全国各地で孤立する当事者や家族たちに届けられ、勇気づけた。
東京都では長年、「青少年・治安対策本部」が「ひきこもり支援」を担当してきたが、7月に都議や学識経験者、各行政機関だけでつくる協議会で意見具申されたのを契機に、都内の複数の当事者グループや家族会は「ひきこもりが犯罪者予備軍との印象を与える」として、担当を長期高齢化に即した福祉部署に移管するよう、小池百合子都知事に要望した。都議会でロビー活動を行うことも、初めてで手探りの経験だった。
しかし、事態は動いた。小池知事は12月議会で、都議会公明党が「ひきこもり対策も青少年事業から8050問題が顕著となった昨今、見直しが求められる」と迫った代表質問に対し、「都庁の組織全体を再構築すべき時期に来ている」として、「迅速に解決すべき課題ついては、必要な体制をスピード感を持って構築していく」と答弁した。同本部長も、相談体制の年齢制限の撤廃を明言した。遅きに逸した感じだが、2020年五輪・パラリンピックを控えた首都・東京都で、当事者や家族が動いたことによって現実に即した支援の枠組みに変わろうとしていることは、全国への波及も大きいと言える。
平成の30年間を引きこもり
世の中の変化を知らない男性
2018年は、そんな各地の当事者や家族から声をかけられ、行政への要望やロビー活動に同席する機会も増えた。12月、青森県庁で、要望に立ち会った際には、県内各地から当事者や家族が集まってきていて驚かされた。
弘前市から駆け付けた神譲さん(51歳)は、これまで30年ほど引きこもってきて、周りがどんな世の中になっているのかさえわからなかった。
高校卒業後、首都圏で働いていた。当時、会社の上司が、中学時代の担任に「こちらで頑張ってますよ」と伝えた。ところが、当時の担任は何を思ったのか、「中学時代、いじめに遭っていた」ことを上司に知らせた。上司は、その話を同僚たちに話し、同僚がよそよそしくなった。「いじめられていた」という噂は広まり、職場で孤立していった。
「何も悪いことしていないのに、なんで?」と思ったが、居づらくなり、人が怖くなった。
神さんは、高校時代までいじめに遭ったものの頑張って通い続けた。母親がいつも家にいて、心配をかけたくなかった。自分の子どもがいじめられてると知ったら悲しむと思ったから、いじめられている素振りも見せずに通い続けた。
当時の反動なのか、その後、年齢を経るとともに外に出られなくなっていく。
実家では、父親は「働け」「金を入れろ」としか言わなかった。相談しようとしても取り合わない。酒が入ると口論になり、父に包丁を向けられたことも何度かあった。ギリギリのところで生きてきた。
母親からも、「近所の目があるから、仕事を探しなさい」と言われ、仕事を探そうと何度となくハローワークに行った。しかし、ハローワークが近づいてくると、具合が悪くなる。パニックになって行き詰まる。出かけるたびに「ああなるのでは」と思い、足が遠のいた。
ずっと居場所を求めていた。この間、「怠けている」の1点だけで責められ、自分は本当に怠けているだけなのかな、と思い込んでいた。そういうつもりはないし、怠けとは違うと思っていたけど、そのことを相談する場も相手もなく、ズルズルと長引いてしまった。
「意見を言ってはいけない」
偏見から逃れ幸せを探求し始めた
昨年12月、新聞で青森市で活動する「さくらの会」という引きこもり家族会を知った。「何か変わるきっかけがあれば……」と思って、遠くから参加した。
県の担当者たちの前で、仲間たちと一緒に神さんもこれまでの思いや要望を言った。
「支援に変化があればいいなとの思いで、当事者である私たちが県の方々に発言した。当事者の声を聞かなければ、県も対策のしようがない。これからも、さくらの会で居場所づくりに協力して、声を色々な場で発信していきたい」
意見を言ってはいけないという偏見に囚われ、これまで権利も行使できずに引きこもらされてきた当事者たちが、「働くよりも前に、自分らしく生きていくことが大事なんだ」という価値観に気づき、幸せへの探求を明言し始めた年でもあった。
11月末、KHJ全国ひきこもり家族会連合会は、従来の家族会のあり方を変える「自分らしい生き方シンポジウム」を大阪市で開催。それぞれの生き方を実践している人たちが登壇し、「あなたが就労や自立に捉われず、生きる上で最も大切に思っていることは何ですか」というメッセージを発信した。同じ趣旨のシンポジウムは、2019年1月、東京でも十数人の実践者たちが参加して行われる。
「引きこもりに人権はあるか」
シンポジウムで声を上げた人々
12月、大阪府豊中市では当事者団体が主催して、「生産性のない“ひきこもり”に人権はあるのか」というシンポジウムも開かれた。
「LGBTは生産性がない」などと雑誌で発言した政治家の言葉を揶揄した刺激的なタイトルだったが、「ひきこもり」界隈の当事者側から、自らの「人権」を言葉にすること自体、今までなかった動きであり、新しい流れだ。
「この豊中市は“忖度”という言葉が生まれたところなので、抗う意味もあったんです」
主催者のNPO「ウィークタイ」代表の泉翔さんがそう笑いを取ると、登壇者のひきこもり当事者「VOSOT」主催者のぼそっと池井多さんが、「私は“生産性”という言葉が流行語大賞を取るべきだと思った」と返した。
支援者の立場から、精神科病院でPSWとして働いている神田桂子さんは「しんどいけど悩み続けなければいけないと思っている。それくらい人の生きることに触れるのは重いこと。そうやって明日からも生きていきたい」と打ち明けた。
2019年は、それぞれが自分の幸せな生き方を求めて動き出すことで、当事者や家族を苦しめてきた価値観に少しでも変化が起こることを期待したい。
(ジャーナリスト 池上正樹)
※この記事や引きこもり問題に関する情報や感想をお持ちの方、また、「こういうきっかけが欲しい」「こういう情報を知りたい」「こんなことを取材してほしい」といったリクエストがあれば、下記までお寄せください。
Otonahiki@gmail.com(送信の際は「@」を半角の「@」に変換してお送りください)
なお、毎日、当事者の方を中心に数多くのメールを頂いています。本業の合間に返信させて頂くことが難しい状況になっておりますが、メールにはすべて目を通させて頂いています。また、いきなり記事の感想を書かれる方もいらっしゃるのですが、どの記事を読んでの感想なのか、タイトルも明記してくださると助かります。
https://diamond.jp/articles/-/189717
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/318.html#c1
こうしたポピュリスト政治家が先進国に溢れるようになった主因である
中間層の喪失と国民の二極化であり
それをもたらしたのはグローバリズムの恩恵を大衆に還元できない政治
そして、その根底にあるのは、相も変らぬ人類の愚かさとエゴイズムいうことだ
そうでもない
リーマンショック前を上回る巨額の負債が高まり
中小企業向け債券は、クレジットバブル
トランプ減税などもあり、米国株は、明らかに上がりすぎていた
それが調整される良い機会であったとも言える
日本株は、全くバブルではないが、
今後の政権交代リスクや、米中発の景気後退を想定すれば
現状の利益水準の基づいた株価が下がりすぎとも言えない
マザーズ市場の大幅な調整は、そうした信用状況の悪化を織り込んでいたとも言える
例えば、経済不安により不必要な買いだめが起こりインフレが亢進するような状況であれば、日銀は金利は高くした方が良いし、
同時に、政府・金融庁は、厳しく闇金融を規制し、その一方で生産力を高めるような公的融資保証は強化した方がよい
また、金融不安が高まり、投資や消費が減退し、貸し渋りが起こるような状況では、マイナス金利による金融仲介機能の阻害は、それほど問題にはならないどころか、必要でもあるが
景気が回復し、インフレ率が定常的にプラスになっているのにマイナス金利を維持するのは、副作用が大きくなる
つまり金融経済もまた、人が行っているのだから、生き物と同じような扱いが必要だということ
一律なやり方では、最適化は難しい
いずれはAIによる制御が必要になるだろう
最近、この手の愚かなタイトルが多いが
別に、年収1億円でも乗る人は乗るし
それで何も問題はない
愚かな話
高齢世帯は過剰な貯蓄を抱えているのだから、
引退して年金生活になれば、必然的に家計は赤字になる
もちろん死ぬまで働いて、貯蓄を増やし続けるという選択肢もあるが
AIロボット化が進み、十分な労働供給があるのであれば
別に、無理して働く必要などない
▽…人事院は毎年、民間企業の給与水準を調べ、国家公務員の給与を是正する人事院勧告(人勧)を内閣と国会に対して行っている。景気回復などを反映し、官民の給与格差が生じないようにする。争議権などの制約を受ける国家公務員の労働基本権の代償措置としての機能も持つ。地方公務員の給与も通例、人勧に沿って改定される。2018年8月には、18年度の国家公務員一般職の月給を平均655円(0.16%)、ボーナス(期末・勤勉手当)を0.05カ月分引き上げることを勧告した。
▽…少子高齢化に伴って国家公務員の定年を60歳から65歳に段階的に引き上げ、60歳以上の給与は60歳前の7割程度に減らす方針も盛り込んだ。地方公務員も国家公務員に準じて見直される見込みだ。関連法案は制度の導入を機に、60歳未満の賃金カーブをゆるやかにする方針も明記した。政府は公務員の定年延長に向けた新たな制度の骨格を示すことで、民間企業にも定年の見直しを促す。
▽…13年に施行された改正高年齢者雇用安定法は、60歳の定年後も希望者全員を雇用するよう企業に義務付けた。厚生年金の受給開始年齢引き上げと合わせ、25年度には企業は65歳まで雇用しなければならない。ただ、定年を延長したり廃止したりする企業はまだ少なく、契約や嘱託などの形で働く継続雇用制度を採用している。人手確保へ民間全体に定年延長の取り組みを広げられるかが問われる。
国家公務員の定年を60歳から65歳に延長するための関連法案の概要が判明した。60歳以上の給与水準を60歳前の7割程度とする。60歳未満の公務員の賃金カーブも抑制する方針を盛り込む。希望すれば65歳まで働ける再任用制度は原則廃止する。総人件費を抑えながら人手不足を和らげる。政府は民間企業の定年延長の促進や給与水準の底上げにつなげる考えだ。
イブニングスクープ
翌日の朝刊に掲載するホットな独自ニュースやコラムを平日の午後6時ごろに配信します。
政府は国家公務員法や給与法の改正案などの関連法案を年内にも提出することを目指す。2021年4月に施行し、定年を段階的に引き上げる方針だ。
法案には60歳以上の職員の給与を60歳前に比べ、7割に抑える方針を明記した。民間企業の給与水準が7割程度との人事院の調査を踏まえた。
賃金カーブの見直しでは、60歳以上の給与のみを7割に抑制するのは「当分の間の措置」と位置づけ、60歳未満と一体で抑制する規定を設ける。50代から60代の給与水準がなだらかになるようにする。今後、具体的な引き下げ幅や時期を調整する。50代から徐々に給与水準を抑制する形になるとみられる。
現役世代の給与引き下げには反発が予想されるものの、現行の給与制度と整合性をとる必要がある。65歳定年制が定着した場合、一定の年齢に達したことを理由に給与を一気に引き下げれば公務員の生活への影響が避けられず、合理的な説明もつきにくいと判断した。
民間の雇用延長は大企業の場合、退職後に再雇用する継続雇用型が一般的だ。労働政策研究・研修機構の15年の調査(約6200社)によると、60歳直前(定年前)の賃金を100とした場合の61歳時点の賃金は、1000人以上の大企業で「6割未満」が25.8%を占めた。
日本経済新聞社の昨年12月の「社長100人アンケート」でも雇用延長した場合の賃金水準について「定年前の7割」と「同5割」がいずれも18.6%で最多だった。大和総研の菅原佑香研究員は「政府が60歳以上の給与水準を示すことで、民間企業も足並みをそろえる可能性がある」と指摘する。
政府は60歳未満の給与水準の抑制に加え、60歳以上の職員が短時間勤務を選べる制度もあわせて導入する。個人の体力や事情に合わせた多様な働き方を可能にする。その一方、65歳まで働ける現行の再任用制度は原則廃止する。定年の段階的な引き上げ期間中は存続させ、65歳への延長が完了した時点で廃止する方針だ。
60歳に達すると原則として管理職から外す「管理監督職勤務上限年齢(仮称)」の制度をつくる。専門性が高く後任を見つけにくいポストなどに限って留任を認める例外規定も設ける。例外として認められれば、60歳に達しても給与を7割に減らす対象には含めない。
定年引き上げの開始時期やペースは、21年度の61歳から2年に1歳ずつ引き上げる案を軸に検討する。29年度に65歳への延長が完了する。政府・与党内には3年に1歳ずつ上げる案もあり、与党などの意見を踏まえて最終決定する。
政府が制度設計のひな型を示すことで、同じく人手不足や高齢化の構造問題を抱える地方公務員や民間企業にも波及する可能性がある。厚生労働省の17年調査によると、定年が65歳の企業の割合は2割弱で高齢化のスピードに追いついているとは言い難いのが実情だ。
安倍晋三首相は年頭の記者会見で、19年を「全世代型社会保障元年」と語った。これまでに現在65歳の継続雇用年齢の70歳への延長や年金受給開始年齢を70歳を超えてからでも選べるようにするなどの改革案を示している。公務員の定年延長もこの一環で、雇用制度と社会保障制度を一体的に見直す。
赤字国債を垂れ流し、国民にツケを回せる国と違って、
高賃金の正社員を抱える企業は、解雇も賃金カットもできないのだから、当然のことだ
三井住友海上火災保険は残業を減らすため、社員が退社時間を宣言するカードを机の上に立てる
(東京都千代田区)
三井住友海上火災保険は残業を減らすため、社員が退社時間を宣言するカードを机の上に立てる
(東京都千代田区)
労働基準法は原則として「1日8時間、週40時間を超えて働かせてはならない」と定める。ただ労使が「サブロク協定」を結べば「月45時間、年360時間」まで、特別条項を付ければさらに時間外労働させることも可能で、青天井の残業につながるとの批判が出ていた。
働き方改革関連法のひとつである改正労基法は特別条項付きの協定でも上限を「年720時間(月平均60時間)」までに規制。休日労働を含め単月では100時間未満、2〜6カ月平均で80時間以内に制限する。違反企業には罰金などを科す。4月から先行して大企業に適用される。菅野百合弁護士は「監督当局が残業の調査や指導を強めるとみられ、企業は優先して長時間労働の是正に取り組むべきだ」と指摘する。
さらに従業員が仕事を終えてから次に働き始めるまでに一定の休息時間を確保する「勤務間インターバル制度」の導入努力義務は、4月からすべての企業に課される。詳細を議論してきた厚生労働省の有識者検討会は、インターバル時間の目安として「8〜12時間」とする報告書を18年12月にまとめた。
生産性向上を目指すルールも導入される。脱時間給制度は年収1075万円以上のコンサルタントやアナリストなど5業務を、労基法の労働時間規制の適用外とし、働いた時間と賃金の関係を切り離す。専門知識などを必要とするホワイトカラーの仕事は就業時間と成果が比例しにくい。
1月召集の通常国会では、職場のパワーハラスメントを防ぐ措置を企業に義務付ける法案が提出される見通しだ。パワハラに関与した社員らの処分を就業規則に盛り込むなどの対応を求める。
通常国会で消費者庁が公益通報者保護法改正案の提出を検討していたが、先送りする見通しだ。企業統治強化の上で、企業は不正の早期発見のために内部通報制度の実効性確保が課題だ。保護対象をOBや役員に広げるほか、大企業に内部通報窓口設置を義務付けるなどとした報告書が18年末に答申されたが、同庁は改正法案策定には、なお調整事項が多いとしている。
一方、19年は外国人雇用の転換点になりそうだ。4月に施行される改正出入国管理法は初めて単純労働に外国人の就労を認めた。同法は新たな在留資格「特定技能」を設けた。政府が18年12月に基本方針などを閣議決定し、農業、介護、宿泊、外食、建設など14分野を対象にすると明記。5年間で最大34万人の受け入れを見込んでいる。
働き方改革関連法の施行は20年以降も段階的に続く。裁量労働制の拡充、解雇の金銭解決制度の創設など検討が継続している課題も多い。「法令に違反すれば、信用を損ねることを意識して対応する必要がある」(菅野氏)
20年東京五輪・パラリンピックが近づき、日本企業の人権配慮に対する海外からの関心も増す。企業は、国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」も踏まえ、国籍にかかわらずに従業員や取引先の労働環境に目配りする責任を一層問われそうだ。
2019年は産業界を取り巻くルールが大きく変わる。4月には「働き方改革関連法」が一部施行され、効率的な働き方が一段と求められる。外国人の単純労働就労に道を開く法律も施行される。対立を深める米中のルールも日本企業に影響を及ぼす。データ規制や海外との経済協定からも目が離せない。企業法務の重みが問われる1年となりそうだ。
https://www.nikkei.com/content/pic/20190107/96959999889DE1EBE4E0EBE6E5E2E2E6E2E3E0E2E3EB869198E2E2E2-DSKKZO3962950004012019TCJ000-PB1-1.jpg
http://www.asyura2.com/18/senkyo255/msg/861.html#c1
確かに現実社会では少数派だろうが
asyuraサイトでは、そう珍しくは無い
http://www.asyura2.com/17/jisin22/index.html
構造的に日本経済が衰退傾向にあることは間違いないことだし
リフレ政策だけで、日本経済の生産性が上昇し、実質GDPが成長するというのは明らかに間違いだが
リフレ政策が間違いであるという根拠にはならない
そして小笠原が主張するような、消費税増税と金融引き締めを続けたら
今よりも遥かに悪い経済状況になっていたことも明らか
つまりリフレ政策と、構造改革を、両方、行うべきだが、現実にはできなかったということであり
その根本原因は安倍政権というより、国民自身にあるのだから
全く無意味な批判と言える
愚かなデマ
>預貯金を増やせば、残した現金に相続税が課税されて資産を減らす
不動産は迷惑になることがあるとしても、現金の場合、被相続人が、よほど愚かでない限り
相続分から税を払うだけだから、別に害にはならない
もちろん賢い子孫には、遺産など何も残す必要はないが
賢い子孫は、賢く、有益な寄付や、SDGsのような社会投資に使うので、これも害にはならない
相変わらずのゴミだが
これまでが、過剰な円安と株高だったのであり
調整が行われるのが妥当
また、今の金融財政政策を維持するのであれば
円高になったとしても、大した円高にはならない
はるかに重要な問題は、米中貿易戦争など外部経済の悪化や、周辺の安全保障、さらに温暖化による生態系破壊や巨大地震リスクだが
こちらは日銀はもちろん日本政府が簡単にどうにかできるものではない
粛々と国民全体が、生産性の上昇と、自分の生活環境の改善に努めるしかない
成熟し老化し
無責任な愚民が増え、政治が劣化し
対処を怠れば滅亡する
無責任な老人が増えれば、
若者も、それに倣い
政治や金融政策は、株価に一喜一憂する投資家を喜ばせるためにあるわけではない
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/526.html#c1
この手の愚か者は尽きないが
今後、仮に、金融リスクが高まれば、当然、日銀の緩和策の作用は、副作用を大きく上回る状況になるし
そうでなく、単なる、外需減少による景気後退であれば、その対策は日銀ではなく
政府の財政拡大政策や規制緩和政策ということになる
結果はそこそこ良好。体力は同世代平均を上回り、問題なし。処理能力も「今のところ心配な部分はありません。読解力が高めなので会話が多い仕事や多くのマニュアルを読む必要がある仕事などで力を発揮できます」と聞き、一安心だ。
ただ、懸念材料は記者の「個性」にあった。感情がストレートに出やすい面があり、それは強みであると同時に周囲を萎縮させる恐れがあるという。「自己主張の強いシニアは年下の管理職や同僚に煙たがられます。謙虚な姿勢を心掛けましょう」とクギを刺された。
■日本のシニア、就労意欲が旺盛
政府が目指す70歳雇用。人手不足解消といった社会的な要請に加えて、シニア側の高い就労意欲も背景にある。リクルートジョブズが2018年3月に60〜74歳の男女約6000人を対象に実施した就労意識調査では、74%が70歳以上まで働きたいと答えた。希望の引退年齢は平均71.5歳に達した。
https://www.nikkei.com/content/pic/20190110/96958A9F889DE1EBE4EBE4E0E0E2E2E5E2E3E0E2E3EBE2E2E2E2E2E2-DSXMZO3969604007012019I00001-PN1-10.jpg
世界と比べても、日本のシニアは就労意欲が旺盛だ。65歳以上男性の労働力率(16年)は31.7%に上り、米国24.0%やカナダ17.9%といった先進国を上回る。
内閣府は15年に日本と米国、ドイツ、スウェーデンを対象に「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」を実施した。就労継続を希望する理由を比較すると、日本は「収入がほしい」「働くのは体に良い、老化を防ぐ」が上位を占めた。日本人は長寿化で60歳以降の“余生”が長い。隠居には早く、生活費を稼ぐためにも末永く働きたいと望んでいる。
ただ、シニアが意欲満々でも雇う側にその気がなければ活躍は難しい。高年齢者雇用安定法(高齢法)は社員を65歳まで継続雇用するように企業に義務付けている。60歳定年を採用する多くの企業も同法に基づき、定年後に65歳まで再雇用する仕組みなどを持っている。
■企業はシニア活用ためらう モチベーション維持が課題
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の「60歳以降の社員に関する人事管理に関するアンケート調査」(17年実施)によると、企業の57%が「(高齢者の活用は)高齢法の範囲にとどめたい」と答えた。足元の人手不足がこれだけ深刻であっても、65歳を超えても自社社員を活用したいと希望する企業は4割にすぎない。シニア自身の健康状態、仕事へのモチベーション低下、組織の世代交代の遅延・停滞などが、ためらう理由だ。
https://www.nikkei.com/content/pic/20190110/96958A9F889DE1EBE4EBE4E0E0E2E2E5E2E3E0E2E3EBE2E2E2E2E2E2-DSXMZO3984039010012019I00001-PN1-2.jpg
モチベーション維持はシニア活用に取り組む企業に共通する悩みだ。入社時に想定していた定年がゴール直前で先に延びると、気持ちは切れやすい。
明治安田生命保険は19年春に定年年齢を60歳から65歳に引き上げる。制度改定に備えて17年から58歳社員を対象にした「キャリアデザイン研修」を実施している。管理職を除く全社員が対象。研修で重視しているのは、一人ひとりが働くモチベーションの源泉に気付くこと。これまでのキャリアの棚卸しを通じて、60歳以降も成果を出し続けられるように意識改革を促す。
■50代記者、転職コンサルトと面談 現実は…
社内で働き続けるのが難しいなら、いっそ社外に活躍の場はないものか。
「からだ測定」の高評価に気をよくした54歳記者は、転職支援を手掛けるリクルートキャリアにあっせんを依頼した。リクナビNEXTの藤井薫編集長は「リーマン・ショック後の09年度と比べて、50歳以上の転職成約件数は約1.8倍。全年齢平均2.6倍よりは低いが、シニアを求める企業は確実に増えている」と説明する。
ほのかな期待を胸に転職コンサルタントとの面談に臨む。職歴と語学力、どんな仕事をしたいか、勤務地や年収の希望などを一対一で念入りに聞かれる。
組織を束ねる自信はないので管理職は遠慮したい。勤務地は全国どこでも構わない。退職金が入れば年収は今より4割程度下がっても暮らしていける。およそ30分、条件や希望をやり取りした後、キャリアコンサルタントは重い口を開いた。「残念ですが希望条件に合う転職先を紹介するのは極めて難しい状況です」
ネックは希望年収だった。「シニア採用に積極的なのは主に中小企業。大手企業と違って人材育成が社内で十分にできていないのでシニア転職者でも活躍できる余地がある。ただ経営規模が小さい分、厚遇は望めない」。年収4割減は思い切った譲歩のつもりだったが、現実は厳しかった。ある程度予想していたとはいえ、己の甘さを改めて痛感した。
https://www.nikkei.com/content/pic/20190110/96958A9F889DE1EBE4EBE4E0E0E2E2E5E2E3E0E2E3EBE2E2E2E2E2E2-DSXMZO3969614007012019EAC002-PN1-11.jpg
■シニアの経験、どこで生かす?
日本的雇用慣行は戦後の高度経済成長を支えた要因だ。新卒一括採用で若手を採り、社内で定期異動を繰り返しながら、職場内訓練(OJT)で会社に貢献できる力を身に付ける。そんな企業戦士が昭和の経営を支えた。
新入社員を、自社のニーズに合致する戦力に育てるには時間を要する。そのため日本企業は長く勤めるほど働く側も得をする年功的賃金を採り入れた。
平成に入り、賃金の上昇カーブは緩やかになったとはいえ、今も多くは年齢とともに賃金が増える。年齢が高くなるほど外部労働市場での自分の値段と社内での賃金が乖離(かいり)していく。よほどの専門技能がなければ定年前の転職は大幅な収入減が付きまとう。
だが勤務先に居座っても、待遇の低下は避けられない。企業の多くは役職定年を導入しており、定年前に管理職ポストを後輩に譲る。この時点で役職手当がなくなり、収入は減る。さらに定年後再雇用で待遇はもう一段下がる。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査では、定年後の継続雇用者の給与水準は、大半の企業で定年時の7割以下に低下するという。その分、役割や責任が軽くなるが、そこにやりがいを見いだせるか否かは個々の価値観に左右される。
パソナの顧問ネットワークサービスは、シニア層に新たなワークスタイルを提案する。長年培った専門性を生かし、中小企業やベンチャー企業と業務委託契約を結び、“顧問”として活躍する道だ。
正社員として受け入れると恒常的に人件費コストがかさむので企業は採用をためらう。だが、常勤でなくプロジェクト単位の業務委託なら、シニアの知恵と経験を買いたい企業はたくさんあるという。
■専門生かし顧問の道も プライド捨てられるか
記者自身も顧問に就けるか、面談してもらった。
職歴など個人プロフィルを1時間ほど答えた後、案件を1つ紹介してもらえた。消費財メーカーが運営する女性向けサイトのコンサルティングだ。
自社商品の販売促進に活用したいが、サイトの知名度が低い。ネットユーザーの目を引く情報を増やしたいものの、信ぴょう性に欠ける過激な情報では逆に企業ブランドを毀損する――。そのバランスの取り方に苦慮しており、新聞での取材・記事執筆経験が生かせるらしい。
実際の業務は月1回、2時間の会議に出席してサイト運営者に助言すること。もちろん適切な助言には下調べや準備も必要だ。これら込みで報酬は月5万円。
顧問コンサルティング本部の草野琢也部長は「1社だけの顧問契約で生活するのは厳しい。でも、もともと働いていた会社で再雇用されながら空いた時間で顧問をいくつか掛け持ちすれば、減収分は補える。副業解禁の流れを受けて、こうした働き方を選ぶシニアが増えてきた」と説明する。
https://www.nikkei.com/content/pic/20190110/96958A9F889DE1EBE4EBE4E0E0E2E2E5E2E3E0E2E3EBE2E2E2E2E2E2-DSXMZO3969616007012019EAC001-PN1-10.jpg
顧問ネットワークサービスの登録者は約5000人に上る。海外市場の開拓経験者やIT分野の技術者など専門分野がある人ほど顧問契約に至りやすい。
ただし、専門性が高くとも敬遠されるシニア人材も多いという。彼らの共通項は過去の成功やプライドを捨てられないこと。草野さんは「専門知識や智恵がほしくとも最初から上から目線で来られては組織に波風が立つ。顧客の目線に合わせ、寄り添う謙虚さが不可欠」と強調する。
実は冒頭で紹介した「からだ測定」も、性格診断で自己主張が強すぎないか、協調性を持っているかなどに重きを置いて評価している。開発段階で企業に綿密に聞き取りし、企業がシニアに求める特性を評価に反映した。
開発を担当したリクルート次世代事業開発室の宇佐川邦子さんは「専門性をただ発揮するだけでなく、周囲の意見にも耳を傾けるシニアを企業は欲している。周囲に溶け込める『かわいらしさ』を持てるか否かが70歳まで働く大切な資質だ」と指摘する。
(編集委員 石塚由紀夫)
http://www.asyura2.com/19/senkyo256/msg/130.html#c1
高齢者と地方なのだから、ほとんど意味はない
>公務員は全員クビになり、公務員年金も支払われない、ということになれば、官僚たちは本気で国家財政を破綻させないようにするにはどうすべきか、を真剣に考えるに違いない
それに政治家は人事権を握っているから、官僚にできることはあまりない
これまで通り、有力政治家の利権の範囲にバラマキを抑制したり
マスコミに政治家の不正情報を流して、抵抗するくらいだろう
また、万が一、成功して、財政が黒字になったとしても
単に富裕層や企業増税をすれば、雇用も経済も縮小して全体が貧困化するし
大幅な社会保障カットを断行すれば、底辺層の生活は悪化し
その結果、当然、厳しいデフレになるだろう
ただし、いずれにせよ、改革が停滞して経済が衰退し、
現役世代の一人当たりの負担が拡大していけば、
悪いインフレに転じるから、こうした厳しい状況に追い込まれ
破綻処理法があったとしても、痛みは避けられないことは間違いない
日本のPERは低空飛行のまま
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/531.html#c1
相変らず支離滅裂
日本の問題の本質がわかっていないから、こうなる
当然、無意味な批判だけで、何の対案もでてこない
あまり意味がない基準
>経済規模の大きさがそのまま、その国の人々の幸福感と一致するわけではない
と言うより、ほとんど関係ない
危険で、まともな人権もなく、貧しい紛争地帯でも、幸福感は、それほど先進国と変わらないことも多い
国家の持続的な発展にとって、幸福感は、それほど重要ではない
そして日本の若者の幸福感は上昇し続けている
>これから人生の成熟期を迎える若者たちにとって、世界はより厳しいものとなるのかもしれない。
根本的には、あまり変わらないだろう
世界というのは常に過酷であり、現生人類も、今の生態系もいずれ滅びる
幸福感や経済は、あまり関係はない
縄文人や弥生人という実体があるわけではない
人種も文明も同じ
環境に適応して、走り続けるものが、この世界に勝ち残ることができるだけのこと
世界は絶えず流動し続ける
知識や知能と、所得や資産の相関はもちろんあるが
超富裕層になると、単純な知能では全く説明はできない
かなり人脈、Grtidそして運など違う面の影響が圧倒的に強い
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/694.html#c2
この手の話は、良く出てくるが、
残念ながら、そうはならない
価格が高騰して、結局、米国の医療と同じく
中間層が不幸になるだけだ
なぜなら問題の本質は
介護施設や、保育所などと同じで
問題は財源ではなく、途上国などでの圧倒的な供給不足と需要超過にあるからだ
解決は、紛争の抑止と需要生産性の向上しかないが
当然、金や技術で解決できるものではなく
対策は民度の向上、つまり国民が自力で解決するしかない
2019.1.26 09:08
円高・ドル安の展開を示す年明け4日の東京証券取引所内の株価・外為表示ボード(AP)
1回目は事故、2回目は偶然といえるかもしれない。しかし外国為替市場で3回目の「フラッシュクラッシュ」に身構えるトレーダーらは今、日本のカレンダーを研究しているに違いない。
円に対する1月第1週のトルコ・リラのフラッシュクラッシュ(急落)と2016年1月の南アフリカ・ランドの急落には、3つの共通点がある。いずれもアジア時間早朝、日本の連休中に起こったほか、個人投資家のこれら高利回り通貨のロング(買い持ち)ポジションは高水準にあった。
日本では今年、1月12〜14日を含めて3日以上となる連休が9回ある。過去2回と同じような機会が生じれば、日本の個人投資家のポジションに投機筋が攻撃を仕掛ける準備を整えるかもしれないと市場参加者らはみている。
標的は個人投資家
ウエストパック銀行のシニア通貨ストラテジスト、ショーン・キャロー氏(シドニー在勤)は「われわれは外為のフラッシュクラッシュ再来を覚悟すべきだ。われわれというのは、朝食を食べているオーストラリア人のことだ。それが最も流動性が低い時間帯だからだ」と述べた。「例えばロンドン時間午後2時に同様のことが起こるとは非常に考えづらい」と付け加えた。
問題あるいはヘッジファンドにとっての好機は、日本が休場の日は日中取引規模が320億ドル(約3兆4500億円)のオーストラリア市場が、シンガポールと香港市場が開くまで主戦場になることだ。日本の金融先物取引業協会の最新データによれば、豪州市場の規模は昨年11月末の日本の個人投資家のロングポジション残高にほぼ一致する。
信用取引に応じるブローカーは日本が休場でも毎日、資産を時価評価し、損失が一定水準に達すればポジションを清算しなければならない。会社ごとに若干の違いはあるが、外為どっとコム総研の神田卓也調査部長によると、これは総じて日本時間午前7時ごろに行われる。
流動性の低さは、個人投資家のポジションを投機筋の攻撃に対して脆弱(ぜいじゃく)にする。ストップロスを引き起こし極端な値動きから利益を得ようとするトレーダーが現れる恐れがある。
楽天証券のオーストラリア部門で最高執行責任者(COO)を務めるニック・トウィデール氏は「日本が祝日で大きなリテールポジションがあれば、マーケットはストップを付けにいこうとする」と話す。
また、ナショナル・オーストラリア銀行の外為戦略責任者、レイ・アトリル氏は、円ショート(売り持ち)を強制的に急解消させる動きが引き金になり得るが、アルゴリズム取引をする金融機関やファンドの行動が、変動を大きく増幅させかねないと指摘した。
1月4%近く変動
日本の年末年始休暇の最終日だった1月3日の朝、円は数分の間に米ドルに対して4%近く上昇。きっかけは対円での豪ドルとトルコ・リラ売り注文殺到だった。
日本の個人投資家が持つポジションのリスクには、過去1年に改めて注目が集まった。日本銀行の政策で貯蓄を持つ個人は金利収入の道を断たれ、高利回り通貨へと向かった。トルコ・リラのほかに日本の投資家がロングにする通貨は南ア・ランドやメキシコ・ペソなど。金融先物取引業協会のデータによれば、豪ドルやニュージーランド・ドルも買われている。
祝日を月曜に移す政策のおかげで日本には3日以上の連休が多く、トレーダーらはフラッシュクラッシュの高いリスクに神経質にならざるを得ない。(ブルームバーグ Masaki Kondo、Ruth Carson)
好機到来
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/731.html#c1
現実には、そうはならない
労働需給と生産性、そして企業利益に応じた賃金体系に収束することになる
ただし今のような厳しい解雇規制が続く限り、価格変動リスクを織り込んだ
最適水準より常に弱めの雇用になる
つまり今とあまり変わらない
http://www.asyura2.com/19/senkyo256/msg/768.html#c1
超少子高齢化で膨張し続ける社会保障コストと、地方のインフラコスト
そして企業の投資意欲の減退=生産性の低迷なので
定年延長で、社会保障コストの抑制ができるとしても、
トータルでの既存の意味での生活水準の向上を、あまり期待しても無駄だろう
それよりもIT化を活用した、新たな生活価値を考えた方が妥当だろう
ここが最大の問題だろう
名目的には、主権国家が無制限な権利を要求できるような今の世界システムがもつ根本的な問題が、技術進歩によるグローバル化の徹底により露呈されたということだ
その根底には、ヒトという種の持つ、共感能力の限界と生物としての利己主義があるのだから、
ヒトが、遺伝子改変などで革新されるか、革新されたヒト(AI)でシステム制御が置換されない限り、問題の解決はなく
いずれは致命的な文明の崩壊(自然環境と生態系の破壊を伴う)が起こることになる
先進国でも労働需給が一致すると、高度成長期と同じことが、一部の業界では起こる好例だが
当然、いつまでも続くわけではない
世界全体でAIとロボットが労働者に置き換わるのであれば、
ごく一部の超優秀者を除き、基本的な労働需要は消滅するので
皆がBasic Incomeで大部分の時間、好きなことをして生きられる次代が到来する
ただし資源と環境問題を解決するためには、世界人口を大幅に減らす必要があるから
世界全体の超少子化、つまり日本化の進展が必須だろう
2019年2月4日
テーマ:世界のGDPの、成長率の低下
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・
HP: http://www.cool-knowledge.com/
感想/メール:yoshida@cool-knowledge.com
Systems Research Ltd.吉田繁治 40277部
おはようございます。昨年秋の米中貿易戦争から、中国の生産量の
低下が明らかになり、中国に生産とかかわりをもつ、日本、米国、
欧州の企業の、売上と利益の急減速(18年10月〜12月期)が明らか
になって来ました。
2010年代に、GDPが日本を超えて世界2位になり、「世界の工場」に
なった中国には、世界中がサプライチェーンとして深いかかわりを
もっています。本稿では、これをテーマとします。
その前に、日本の政府統計の問題。中国の経済統計よりは、はるか
にいい。しかし基幹的な統計で、密かに集計の基準を変えて、連続
性のない数値を出していたことは、政府政策と経済予想にとって重
大な問題になります、
*
賃金統計をはじめとする、わが国の基幹統計の40%にあたる23で誤
りがあったことが明らかになり、会期が始まった国会では、政府が
追及されています。行政の政策は、国家の統計に基づくものです。
意図したものなら、官僚の犯罪です。
矢面の厚労省には「軽く済ませよう」という意図が見えます。事実
に基づかねばならない行政の統計不正と官僚の仕事ぶりは、見逃し
てはならない。
▼サンプリングについての基本的な知識
40%の経済統計の数字を高く見せる誤りが、諸官庁で、同時に発生
する確率は低い。証明はされなくても、サンプリングにおいて偽装
があったことになるでしょう。目的は、アベノミクスの成果への
「忖度(そんたく)」でしょう。
GDPの統計においても、推計値の発表前、政府自民党の幹事長に対
して内閣府の幹部から内々の報告がある習慣があります。そのとき
「鉛筆舐め」が行われていたのは、広く知られています。国民所得
でもあるGDPの上昇率が高くなると、政権の支持が上がるからです。
経済統計には、政治性が混じっています。(注)GDP=世帯所得+
企業所得+設備の減価償却費=生産額=需要額。GDPの三面等価と
言っています。
統計には、標本を抽出するサンプリングにともなう誤差があります。
サンプリング法では、ランダム抽出したデータから、母集団(全
体)を推計します。そのとき、推計の誤差が出るのです。
(注)政府統計で5300万世帯の全数が調査され、誤差がないのは、
5年に1度の国勢調査だけです。調査員1人が50から100世帯を受け持
つと、費用は1回で650億円もかかるという。費用が大きいため、
2010年からは、調査員に手渡しするか郵送に変わっています。
誤差は、「{(回答比率×(1−回答比率)}÷サンプル数」の結果
の平方根をとって2倍したものです。サンプルのYes、Noの比率が
50%付近のときが、母集団(全体)との誤差が、もっとも大きくな
ります。
【事例】
ある商品に満足すると答えた人が50%の場合、サンプル数が500な
ら、母集団の満足度は、「50%±4.5%=45.5%〜54.5%」と推計
されます。(注)サンプル数が500の4倍の、2000のときの誤差は、
約半分の2.2%に縮小します。3000なら1.8%です。母集団は統計用
語であり、全数を意味します。
【サンプル数と誤差】
サンプル数500のときの統計結果には、母集団の全数の調査と、最
大9ポイントの誤差の範囲が出ます。これが、統計への科学的な知
見です。
厚労省が行っていた、東京都の、500人以上の会社の賃金統計では、
全数調査するという規定があるのに、任意に(おそらくは選択し
て)1/3に絞っていたのが事実とすれば、このサンプリング誤差を
利用したものになるでしょう。
英国の首相ディズレリーが言った、「世の中の嘘は3つある。嘘、
大嘘、そして(サンプリングの)統計だ」ということになってしま
っています。
今回発覚したことは、幹部官僚が、内閣からの高い人事評価を求め
たことが原因であるみみっちい奸計(かんけい)に属することでし
ょう。
厚労省の統計で、民間会社の賃金の上昇率が低く出たとすれば、何
らかの「幹部による修正」が行われたはずだからです。そういった
仕事は、「自分の妻や子供には話せない」レベルの、醜悪なもので
す。
根源は、カルロス・ゴーンの報酬の、有価証券報告書への過小記載
と同じ構造のものです。官僚にも同じ心理が忍び寄っているのでし
ょう。
【政府機関は、民間が代行できる】
中央銀行の通貨発行は、西欧と米国では、19世紀まで、民間銀行が
行ってきたことなので、中央銀行という機関は、解消できます。
年金保険、医療保険、介護費、雇用保険などは、厚労省ではなくて
も、監視制度を作れば民間の保険会社が行うことができます。税収
からの補填金を入れる制度を作ればいい。
政府の産業行政を統括している経産省も、必要がない組織です。政
府機関で必要なのは税をつかさどる財務省、国民を守る国防省、犯
罪を取り締まる警察と裁判所です。
外交も、民間機関が行えます。わが国の近代化の過程では必要性が
あった文科省、農水省、国土交通省も今は必要がない。
年金、医療、雇用を政府保険にする福祉国家を言った頃から、政府
機関と財政が肥大し、借金である国債を発行する赤字が増えたので
す。国家を名乗る省庁の解消、公務員、代議士の削減が、真の行政
改革でしょう。税率では、1/3以下の減税になります。消費税の増
税も要らない。
税と福祉では、政府は、毎回、税と福祉費用が高い北欧を参照しま
すが、民間からの監視制度(オンブズマン)が強力な北欧とは行政
の根本が違います。日本には、国民による行政、民主的な監視制度
が欠落しています。民主制として、代議士を選べるだけです。政府
が直接民主制にしなかったのは、官僚制度で、戦前の天皇制の事務
官を続けたからです。
わが国は米国の占領下で、憲法を作り、戦後の福祉国家を言って、
設計を誤ったまま、約70年来ています。国民の多数派の意思があれ
ば、自然ではない国家の体制は、改編と変更ができます。人口減少
時代に向かう今、必要なことでしょう。(注)極端と見られる少数
派の意見であることは承知しています。
【福祉国家の前提条件】
50代以下の人から65歳以上に所得移転を行う福祉国家は、「働く人
が増加し、国民所得が増える」ことを前提にして、成立します。
働く人の平均賃金が上がらなくなり(=税収が増えず)、働く人は
減って、年金保険、医療保険、介護保険の受給者が増えると、構造
的な財政赤字になるのが福祉国家です。
わが国の年金・医療費の基本部分は、中国のような高度成長の終わ
りの時期だった1970年代に設計されています。この中で、民間の平
均の実質賃金が減る中で、統計的な手盛りと、天下りで賃金と年金
をあげてきた政府官僚、そして政治家のコストが高くなっています。
【公務員の生涯報酬】
GDP(国民所得)が増えなかった20年で、民間の平均に比較した公
務員の生涯平均報酬は高くなっています。賃金を決める人事院勧告
制度で、主に上場企業大手の賃金上昇率を参考にし、その上昇率に
準じてきたからです。年金や医療費の公務員共済保険は、もともと
民間より厚い。80年代まで公務員報酬は低かったのです。
GDPが増えず、財政赤字だけが増えた90年代から、毎年、少しずつ
変わってきました。1年ではわずかに見える1.5%違っても、30年で
は1.9倍になります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<987号:貿易戦争とブレグジットの波及から、
世界経済は低速化する>
2019年1月30日:有料版
【目次】
1.テーマと、その理由
2.アップルの、生産計画の急減の発表からだった(18年10月)
(注)無料版はここまで。
3.エヌビディア(NVIDIA)の株価も急落した
4.FRBは、2019年の3月までは利上げの停止
5.「尋常ではない(中国の)変化」
6.中国の、企業負債による住宅投資と設備投資
7.EUからの、英国のブレグジットの波及
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■1.テーマと、その理由
テーマは、「貿易戦争とブレグジットの、複雑系での波及から、世
界経済は低速化した」こととします。
【IMFの世界GDP予想】
世界の経済統計を集約しているIMFは、「2018年から19年の世界経
済の成長は3.7%と予想され、両年ともに、18年4月時点での予測
(期待)を0.2ポイント下回った」(18年10月)としています。
https://www.imf.org/ja/Publications/WEO/Issues/2018/09/24/
world-economic-outlook-october-2018
【期待のフィードバックから、複雑系になる経済】
0.2ポイントなら「微減」です。しかし経済は「人間の認識である
成長期待をフィードバックする回路」をもちます。この集合的な期
待が、経済が複雑系なる理由です。
具体的に言うと、GDPの期待成長率がそれ以前より上がると、投資
と株の購入が増え、下がると投資と株の購入が減ります。このため、
GDPの期待成長率の低下は、その何倍も経済成長率を低めることに
なります。
商品生産と投資という実体経済のしっぽが株価ですが、期待のしっ
ぽが振られると、実体経済を成長させる投資も変化するからです。
【期待を集約する株価】
この期待は、典型的には、投資家の期待が集合したものである「株
価」に現れます。株価指数は期待成長率が低下したとき、10%単位
で下げ、それが上がると10%単位で上げます。
そして、株価指数の高い上昇率は、次年度のGDPの期待成長率を一
層高める要素になって行きます。株価の上昇により、マネー資本の
コストが下がり、投資額が増えるからです。株価が下げるときは、
逆です。
【複雑系】
要因が多く絡む複雑系を例えるのに、「アマゾンの蝶のはばたきが、
フロリダのハリケーンになる」と言われますが、それは極端にして
も、「人々の、GDPへの期待成長率が投資を決めている」ので、世
界のGDP成長に対する0.2ポイントの期待の変化は、増幅されます。
それが、1年後、2年後の実体経済のGDPになって行くのです。金融
経済の期待の変化が、実体経済の変化を増幅しています。
毎月の所得が2万円(約5%)上がると、1万円(約2.5%)しか上が
らないときは買い控えていた高い商品を買うようになるという世帯
の購買行動と同じことが経済全体で起こって、データが共鳴し、影
響し合っているのです。
【PER倍率の変化】
投資家の期待心理を示すのが株価であり、日経平均、米国のS&
P500、欧州のFTSE100、ドイツのDAX100、中国の上海総合などの
PER倍率(=株価÷次期予想純益)です。現在の株価が、将来の何
年分の税引き後利益(純益)を含んでいるかを示す株価の評価指標
がPERです。
投資の将来期待を示す指標であるPER倍率は、世界のGDPの期待成長
率が高まると、その何倍も高くなり、下がるときは何倍も下げます。
世界の国々で、海外生産が多いグローバル経済になっているので、
日本のGDPより、世界経済の期待成長率の変化が、わが国の日経平
均(225社の単純平均株価)のPERを左右している大きな要素になっ
ています。
https://nikkei225jp.com/data/per.php
■2.アップルの、生産計画の急減の発表からだった(18年10月)
【スマホの出荷台数】
アップルは、2018年の第二四半期までは4000万台水準のスマホを生
産・出荷していました。出荷台数で世界1位はサムスン(同7100万
台)、2位が、米国政府での使用が禁止されたファーウェイ(同
5400万台)、3位がアップルでした。世界出荷が3億4200万台であり、
コンピュータを含むデジタル家電のトップです。
【18年10月】
18年6月ころから、アップルの生産が最大20%減になると噂されて
はいました。発表されたのは18年10月です。19年1月から3月期に、
全機種で当初予定の生産を10%減らすということでした。
原因は3つでした。
(1)スマホの世界需要が2018年にピークアウトした。
(2)中国では、アップルから、同じ機能で価格は約半分のファー
ウェイに切り替える人が増えた。つまり「機能・品質÷価格」のコ
ストパフォーマンスで負けた。
アジアと中国では、スマホでのSNSの利用時間が1人平均で約3時間
と世界1長い。日本では1/3の50分。衛星通信なので、20世紀のよう
に長い時間がかかる電話線の敷設が要らないスマホ化と電子マネー
の利用は、中国とアジアがはるかに進んでいます。
【アップルの株価】
アップルの株価時価総額は、トヨタの約5倍です。1兆ドル(110兆
円)を超え、世界史上1位でした(18年10月初旬)。株価を上げる
自社株買いも10兆円とダントツに1位でした。
1株の株価では、頂点が250ドル(18年10月)。生産計画の減少の発
表から150ドル(18年12月)にまで、40%も下げています。今日は
156ドルです(1月30日)。
PERは12.9倍。時価総額は7316億ドル。アップルに部品を供給して
いる、日米中のメーカーの株価も、同時に下げています。
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/chart/AAPL
アップルの株価の下落は、生産台数の減少からです。中国の地方裁
判所が、クアルコム(米国の通信機器設計会社:通信速度が100倍
の5Gのチップも開発)からの特許侵害の訴えから、旧iPhoneの販売
の差し止めをしたことも大きい。
中国では、携帯電話の契約台数が人口を上回る14.7億台で、世界1
の市場です。2位は、インドの11.7億台。日本は人口の半分の6600
万台であり、中国の22分の1と小さい。
【エレクトロニクスの需要】
エレクトロニクス製品の、国別の生産と需要は激変しています。ス
マホは、世界のエレクトロニクスメーカーの盛衰を決めます。
動力機械である自動車でも、中国の需要は3000万台(18年9月は12
%減)。日本の需要は、営業車を含んで519万台と中国の約6分の1
です。TVの出荷台数では、中国が世界の70%を占めています。工業
製品では、2010年代に、中国での販売が世界のメーカーの死命を決
するように、変化しています。
【DACの買い替えにあたって】
私的なことですが、PCオーディオではもっとも重要なDAコンバー
ター(デジタル・アナログ変換器)として、ONKYOの、評価の高い
DAC-1000(アマゾンで115千円)を、2012年から6年使っています。
最近、時々、超高域での雑音が入ります。昨日メーカーに問い合わ
せると、電源プラグを抜いて放電し、再度入れて、ソフトのクリア
をするといいかもしれないという。行ってみると、(たぶん)直り
ましたが、買い替えの時期かもしれません。数百個は使われている
コンデンサの容量が抜けたのか・・・
数か月前からネットで検索し、(音を想像しながら楽しみに)探し
ているのですが価格での中高級品まで中国メーカーが制圧していま
す。カタログ性能はよくても、完成品の品質検査に甘いところがあ
り、バラつきが混じる中国製を買うかどうか、悩んでいます。買う
ことに60%くらい傾斜しています。
1980年代までは世界1だった日本のメーカーは、2000年代のデジタ
ル化とともに、消えています。いいものを作っていた専門メーカー
のパイオニアも、先ごろ香港のファンドに買収され、上場が廃止さ
れました。中国は、約10年で、世界の工場になっています。需要が
爆発するAIでも、日本は、米国と中国の3周遅れという。これも、
技術開発を約20年、軽視したつけです。
日銀の量的緩和、政府の拡張財政、そして何よりも円安に依存し、
将来投資が少なかったからです。円安とは、コストダウンの技術開
発からではなく、通貨価値の低下により輸出品のドル価格を下げる
ことです。
1980年代まで、2倍の円高にもかかわらず、正当な技術開発とコス
トダウンをして輸出を続けていました。世界からは、驚異とされた
のです。日本経済の強さは、技術革新からでした。2000年代からは
技術開発が低迷し円安への依存になっています。その間に、中国が
先端的なITを含んで、工業化したのです。
【GAFAの株価】
アップルの株価下落は、株価バブルを作って来たGAFAの株価崩壊の
始まりを示すものかもしれません。
GAFAは、グーグル(時価総額7230億ドル:79兆円)、アップル(同
7480億ドル:82兆円)、フェースブック(3520億ドル:38兆円)、
アマゾン(7230億ドル:79兆円)です。
6位には、中国のテンセント(3800億ドル:41兆円)、8位にアリバ
バ(3520億ドル:38兆円)がはいっています。日本の1位はトヨタ
です。時価総額は1680億ドル(18兆円)、世界の41位。産業への期
待を示すように、50位以内にはトヨタしかありません。
https://www.180.co.jp/world_etf_adr/adr/ranking.htm
投資家心理の変化から、GAFAの株価が40%下落のアップルを追って、
同時に下がると、第二のリーマン危機が起こります。投資家と金融
機関の資産が縮小するからです。(注)中国の住宅・不動産価格の
下落と重なって、2019年秋の可能性は高いと見ています。
2018年の3月までは、FRBの利上げの停止を好材料にして株価が戻る
でしょう。問題は、世界経済の急減速のデータが出揃う時期になる
2019年の秋(9月から11月)です。
3.エヌビディア(NVIDIA)の株価も急落した
・・・・無料版はここまでとします。
以下は有料版の申し込みサイトです。新年もはや2月ですが、いか
がでしょうか。
https://www.mag2.com/m/P0000018.html
有料版のバックナンバー(以下に過去の全部があります↓)
https://www.mag2.com/archives/P0000018/
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/843.html#c1
これは世界大戦前にも見られたことであり、帝国主義国家間や共産主義体制との戦いがない場合は、基本、富裕層にマネーが集中し、大衆の賃金や消費は相対的に抑制されるのでデフレ傾向が先進国では定着する。
また冷戦が終わり、共産主義が崩壊して資本主義が成熟してくると、グローバル企業による途上国への投資が加速し、
必然的に先進国の大衆の貧困化と、新興国での中間層の富裕化、そして世界全体の超富裕層の拡大という形で、資産格差が拡大し、大衆の不満は高まる。
そして主権国家の無制限な権利を認める世界では、累進税制強化や再分配政策のようなポピュリズム政策は、産業の衰退と貧困化を招く
つまり高い成長やインフレが続くのは、あくまでも例外的な状況だったと考えて良く
旧ソ連や、ベネズエラ、ジンバブエのような崩壊国家を除けば、ハイパーインフレなど起こらず、ある程度、産業が発展した国家では、デフレ圧力と低成長が続く方が必然ということになる
また、低成長で資源消費が少ない方が、持続可能性という点では望ましいかもしれないが、
格差の拡大に不満をもつ大衆を扇動するポピュリスト政治家が国家間の反目を高めることに成功すれば、
地域紛争が多発し、環境破壊と生態系の破壊で、人類文明が崩壊していくリスクはそう低くは無い
相変らず、愚かだが
人口減少にも関わらず、実質賃金総額は伸びている
つまり雇用の裾野が増えているということであり
その背景には、過去と違い、残業への厳しい監視体制ができつつあることが効いている
つまり、残業ができなければ、一人当たりの実質賃金が下がるのは当たり前ということになる
これは民主党時代のデフレ不況期では、企業倒産が相次ぎ、非正規雇用が減り、自殺も多かったが
円高で雇用者の実質賃金は増え続けていたのと対照的である
どちらが日本にとって良いかは言うまでもない
ただし、それがアベノミクス(と言うより巨額の金融緩和)のせいだけに起因するかと言えば、そうではないし
当たり前だが、金融緩和だけで日本経済が回復し、産業の財政も改善するわけでもない
官民に加え、地方や高齢者も含めた厳しい構造改革が必須ということになる
別に誰も「生きろ」などとは言ってないから気にする必要はないだろうが
高い生活水準を維持して「生きたい」なら、その分、仕事をすれば良い
「逝きたい」なら何もする必要などない
おさまることがない高齢者の怒りに政治はなすすべを失った。2008年のことだ。後期高齢者医療制度(後期制度)が始まる4月を前に、福田康夫首相は「長寿医療制度」と呼ぶよう周知することを決めた。
慢性病になったり足腰が衰えたりするリスクが高まる75歳以上の人に限定し、独自の財源を充てる後期制度は理にかなった設計だった。だが野党の民主党が「うば捨て山だ」「家族を分断する」と訴え、テレビが増幅させる番組を流すと、政府側の説明では太刀打ちできなくなった。
「長寿」という窮余の改称も焼け石に水。福田氏が繰り出したのが加入者が払う保険料の大値引きだ。
夫婦ともに年金収入が年80万円以下の世帯の場合、月3800円の均等割保険料が9割引きの380円に。大盤振る舞いの財源は赤字国債を発行して賄ってきた。将来世代へのツケ回しである。政治が高齢世代にいい顔をしようとするシルバーデモクラシーが、顕著になっていた。
その前年、第1次安倍晋三政権の時に燃えさかったのが年金記録問題だ。これを徹底追及して得点を稼いだ民主党は後期制度という格好の材料を得て勢いづいた。09年の衆院選で政権交代を果たした要因の一つに、高齢有権者の多くを味方につけた一連のキャンペーンがあった。
高齢人口は増え、加えて投票所に足を運ぶ人が多い。この層の暮らしに直結する社会保障や税制で「負担は軽く、給付は厚く」を掲げて選挙を戦う野党。それに抱きつくように同じような主張に傾く政権与党。犠牲になるのは制度の持続性だ。
小泉純一郎政権の04年、年金改革法を自民、公明の与党が強行採決して成立させたのは、2100年ごろまでを見通して年金財政の均衡を図るという哲学を実現させようとしたからだ。その手段は(1)独立行政法人が運用する積立金を計画的に取り崩す(2)現役世代が払う保険料を段階的に引き上げる(3)高齢者の年金受給額を毎年小刻みに切り下げるマクロ経済スライドを導入する――の3点。一部の与党議員はこれを「100年安心プラン」と銘打った。
100年安心の実現には3つすべてを満たす必要がある。それから15年。達成度はどうか。(2)は厚生年金の料率が18.3%になった17年に完遂したが、(1)は取り崩し額が想定を超過し、(3)に至ってはマクロスライドの発動が19年度でようやく2回目となる。「ルール違反」は様々な理屈がつけられ、正当化されてきた。
【関連記事】年金抑制なお不十分 マクロ経済スライドやっと2度目
01年、竹中平蔵経済財政相の手による経済財政白書に興味深い分析が載った。人が生涯を通じ、政府に対してどれだけ負担し、政府からどれだけ受益を得たかを世代別に推計した世代会計だ。1939年以前に生まれた世代は約5700万円の受益超、70〜79年生まれは約1300万円の負担超、80年以降は約4200万円の負担超という結果だった。
生涯収支が高齢者は黒字、子供が赤字になるのは少子高齢化に直面する日本にとって避けがたい。社会保障の成熟やインフラ建設が途上にあった戦後復興期の現役世代は、勝ち組であってよいという考えもある。しかしシルバーデモクラシーが世代間格差をさらに広げようとしているなら看過はできまい。
国会が介護保険法を成立させた1997年、首相は厚生族議員のボスを自任した橋本龍太郎氏。型にはまった福祉サービスから、高齢者と家族が主体的にサービスを選ぶ仕組みへ。年金、医療、雇用、労災につぐ第5の社会保険の誕生である。
このとき保険料の出し手を40歳以上に絞ったのは、負担を折半する産業界に配慮した面がある。当時、厚生省幹部は「自らの老後を考え始め、親が要介護になる可能性があるのが40歳だ」と理屈づけしていた。だが介護総費用がこの間に3倍の11兆円に膨れあがった現実を考えれば、負担年齢の引き下げが政治課題に上る日も遠くなかろう。
04年に『破産する未来―少子高齢化と米国経済』を著し(邦訳版は05年に日本経済新聞社刊)、激しい世代間格差を「財政的幼児虐待」と形容したのはボストン大のローレンス・コトリコフ教授だ。
平成が終わろうとしている今、安倍政権は後期制度の保険料の大値引きの是正に一歩踏み出した。
匿名ブログ「保育園落ちた日本死ね」が提起した待機児童問題の深刻化もあり、安倍氏は全世代型社会保障を掲げ、10月の消費税増税を機に幼児教育の無償化に乗り出す。平成後、シルバーデモクラシーに転機は訪れるか。全世代が目を凝らすべきテーマである。(大林尚)
証言 亀井善太郎・PHP総研主席(立教大大学院特任教授)が語る
亀井善太郎氏
2006年から3年ほどの衆院議員時代に感じたことは二つ。
まず、地元の集会に参加するのは高齢者ばかりだった。もう一つは、後期高齢者医療制度に反感を持つ高齢者のエネルギーだ。高齢者にとって悪い制度ではないのに野党の情緒的批判が火をつけた。シルバーデモクラシーといえるか分からないが、怒りが沸騰したときの恐ろしさは痛感した。
半面、次の世代を考えた政治をしてほしいと言ってくる高齢者も多かった。改革は痛みを伴うことが多いが、背景を丁寧に説明すると「うん、わかった」と。コミュニケーションが成立していた。高齢者が自らの世代だけのために投票するという思い込みは、高齢者をばかにしていると思う。
改革の痛みは戦後ベビーブーム期に生まれた団塊の世代にこそ受け入れてほしい。第2次世界大戦に巻きこまれて財産を失い、学ぶ機会も満足に得られなかった上の世代と異なり、高度成長やバブル経済の恩恵を受けたのだから。
08年に自民、民主の有志議員7人が年金の抜本改革提言をまとめた。両党の橋渡しに一役買ったのは、団塊世代を含め支給開始年齢の引き上げを実現させたかったからだが、それもすでに手遅れだ。
自民党が下野する09年の衆院選マニフェストに、政調会長代理の園田博之さんに頼んで「年金の持続性を高めるために超党派で協議する」と入れてもらった。年金を争点にして、できもしない高齢者優遇を競うポピュリズム選挙に終止符を打ちたかった。このマニフェストは自民党としての責任を果たした証しだと自負している。
永田町を離れてから、将来世代の視点を取り入れようと独立した財政監視機関の新設を提案した。今の政治には、受け入れる意志はないようだが……。
キーワード
世代会計
人の生涯を通じて政府部門への支払いが義務づけられている税金や社会保険料などの負担総額と、社会保障給付や公的サービスの受給総額を試算し、世代ごとの違いを比べる手法を指す。平均寿命まで生きる1人を想定して推計する。日本は一般に、高齢世代は受益総額が負担総額を上回る「生涯黒字」になり、若者やこれから生まれてくる世代は「生涯赤字」になる傾向が強い。「戦後から高度成長期にかけて社会保障制度の整備が道半ばだった」「将来世代の社会保障・税負担が過重になる」などの要因が絡み合った結果といえる。
かつては内閣府が中心になって推計していたが、ある時期から公表しなくなった。行政府が政治に配慮するようになったためだと解説する識者もいる。また厚生労働省は年金制度について負担と受益を世代別に示すことを避ける姿勢が強いようにみえる。
介護保険
2000年度にスタートした新しい社会保険制度。給付費は40歳以上の加入者や企業が払う保険料と、税財源などによる国・地方自治体の公費とで折半している。給付を受けるのは原則として介護サービスが必要と認定された65歳以上の高齢者。要介護度(要支援を含む)は心身の状態の軽重に応じて7段階に分かれている。利用者は使ったサービス費用の原則1割を負担する。
制度開始時の総費用は年3兆6千億円だった。その後、年とともに利用者が増え、18年度は11兆円強に達すると厚生労働省は見込んでいる。団塊世代のはしりが75歳以上の後期高齢者になる22年以降は、総費用の増加ペースにさらに弾みがつくのは確実だ。軽度者の自己負担を上げたり家族介護に限定的に現金を給付したりする制度改革が不可欠になっている。増収対策の切り札は保険料を負担する年齢の切り下げだ。
後期高齢者医療制度
75歳以上の後期高齢者を現役世代を中心とする健康保険制度から切り離し、独自の財源を確保して医療費を給付する制度。後期高齢者の1人当たりの年間医療費は平均すると95万円程度と、現役世代のおよそ6倍を消費している。慢性疾患にかかる人が急増するなど、この世代の特徴をふまえて制度の持続性を損なわないようにするのが2008年度に施行した狙いだ。都道府県単位で運営している。
医療給付費の財源構成は保険料が全体の50%、国と地方自治体が出す公費が50%。消費税増税の遅れによって本来は公費で賄うべき資金が大幅に不足している。厚生労働、財務両省は支援金の名目で現役世代の保険料で成り立っている企業の健康保険組合などから財源を召し上げて不足分を補っている。17年度に約1400の健保組合が出した支援金は総額1兆8300億円に達した。
保育園落ちた日本死ね
子供が保育園に落ちて仕事を辞めざるを得なくなったとみられる母親が2016年にネットに投稿した匿名ブログのタイトル。国会審議で野党議員が取りあげると、与党席から「誰が書いたんだよ」などというやじが飛び、待機児童対策の遅れにうんざりしていた人びとの怒りに火をつけた。抗議が厚生労働省などに殺到し、塩崎恭久厚労相は待機児童の解消を求める2万7600人分の署名を受け取る羽目になった。
結果として、安倍政権が保育所の増設を加速させるきっかけをつくった。しかし保育士が足りない状況はより深刻になっている。政権は10月の消費税増税による増収分の一部を保育・幼児教育の無償化に充てるが、待機児童対策としての効果ははっきりしない。切り札は保育士資格や配置要件の大幅な緩和などの規制改革と、0歳児を持つ父母がともに育児休業を取りやすくする企業の取り組みだ。
【関連記事】
・年金額0.1%増に抑制、マクロ経済スライド発動 19年度
・[社説]年金マイナス改定を恐れるな
介護の担い手 家族から社会全体に[有料会員限定]
2019/1/12付
見えぬ危機に無策 年金・医療で巨額借金[有料会員限定]
2018/4/7 2:00
高齢化が進む中、消費者としての高齢者に注目度が高まったのも平成だ。膨らむ市場を取り込もうと企業はさまざまな手を繰り出したが、多くは空振りに終わった。ひそかに抱える不安、人生経験が生む価値観の多様化など、心のひだに鈍感だったからだ。平成の終わる今、その反省がようやく実を結びつつある。
平成が始まる9年前に発表された学生作家、田中康夫氏のデビュー作「なんとなく、クリスタル」。女子大生と音楽家の都会的な恋愛を、高級ブランドなどの注釈付きで描いたミリオンセラー。古アパートでの同居とは様変わりした若者像はバブル消費の予言書といわれた。
同書には不思議なページがある。物語の終了直後、出生率と高齢化率の予測数値を説明抜きで掲載しているのだ。こうした生活は将来続かないのでは――。そんな問いを込めたが「誰も言及しなかった」と田中氏は後に振り返っている。
翌81年。国鉄(社名、団体名は当時。以下同)が「フルムーンパス」という商品を発売した。合計年齢88歳を超す夫婦に割引などの特典を与える内容で、往年の青春スター、高峰三枝子と上原謙の入浴CMが話題を集めた。若い女性を旅に誘う70年代の「ディスカバー・ジャパン」とは対照的な中高年シフト。高齢者を「消費者」として位置づけた先駆例だ。「長期予測が得意な鉄道会社だけに少子高齢化が見えていた」と、あるベテランマーケッターは読む。
平成に入りバブル景気が終了。どこかに隠れた有望市場はないか。勘のいい企業が目をつけたのが高齢者だった。自分たちが行きたい旅を企画する近畿日本ツーリストの「クラブツーリズム」。文字を大きくしたNTTドコモの携帯電話「らくらくホン」。法人の宴会低迷を補おうと有名ホテルは中高年女性向けに「ランチビュッフェ」に力を入れた。
成功例ばかりではない。孫への贈り物を買おうと百貨店業界が呼びかけた「孫の日」は定着したとはいえない。「経済的に余裕がなく困る」「孫より自分の趣味」。平成の高齢者の本音を読み違えたからだ。
2000年を過ぎた頃、高齢者マーケティングは一気に過熱する。団塊世代が60歳を迎え始める2007年問題が注目され、退職金と自由時間を手にした「人口の山」を狙う企業が急増したからだ。
豪華客船による世界クルーズ。地方や海外への移住や国内留学。書斎づくりなどの自宅改装や別荘購入。出版業界は「団塊パンチ」など、旅や趣味の情報を満載した雑誌を相次ぎ創刊した。
こうした雑誌の大半は数年を経て休刊になった。シニア専門のマーケティング会社や企画も行き詰まった例が多い。多くの企業で定年が延長となり自由時間を手にしそびれたり、リーマン・ショックや地価下落で資産が目減りしたりといった外部要因もある。しかし最大の原因は、企業が高齢者の心理を読み違えたことではないか。
昔に比べ、長生きになり体力もある。しかし高齢者は高齢者であり健康、経済、孤独という「3K」不安を抱えている人は多い。しかも同じ「団塊世代」といっても、歩んだ人生の違いは大きい。仕事面での「成功」の度合いも大きな差がある。
家庭では、妻の多くは子育てを数年前に卒業し、同性の友人たちと自由な消費や交際をすでに楽しんでいる。「夫婦2人でゆっくり」というのは夫側の勝手な期待だった。
これにシニアマーケティング特有の難しさが加わる。「高齢者向け、シニア向けと名づけた瞬間に、当の高齢者たちはそっぽを向く」と企業の商品開発担当者。「大人の××」などと新たな呼び方の工夫も重ねたが、年齢で切り取られ若者と分離されたと感じただけで、心がざわつくのが高齢者だ。
この時期に成功を収めた例が2つある。01年開業の「東京ディズニーシー(TDS)」と05年上陸の簡易フィットネスクラブ「カーブス」。両方とも米国系だ。TDSは酒をおき、ベンチを増やし、散歩するだけで外国気分を味わえる景観を整備。独自開発のぬいぐるみ「ダッフィー」も大人の女性に人気だ。カーブスは50歳以上を中心とする女性限定の運動施設。小ぶりで廉価、プールなどはない。男性や若い女性の目を気にせず体を動かせ友人も増やせる。
数々の失敗と11年の東日本大震災を経て、日本企業の戦略も地に足がついたものになった。安く名作を見られる「午前10時の映画祭」、非日常ではなく上質の日常を提供したとトップが語るJR九州の周遊列車、体力面に配慮した短期クルーズや各種ツアー、旧交をあたためる同窓会の幹事代行業、居場所づくりと健康増進に役立つよう改装したイオンのショッピングセンターなどだ。
懐の中のカネだけを見るのではなく、まず心に寄り添う。地道な努力が増える高齢者の共感を呼ぶ。(石鍋仁美)
電通シニアプロジェクト代表 斉藤徹氏
■証言 斉藤徹・ソリューション開発センターフォアキャスト研究部主任研究員
西武百貨店や流通産業研究所などを経て1997年から電通で高齢者関連のプロジェクトに携わる斉藤徹・ソリューション開発センターフォアキャスト研究部主任研究員(60)にシニアマーケティングの課題を聞いた。(以下談)
日本の高齢者市場は団塊世代とともに動いてきた。国鉄のフルムーンパスのCMも、モデルの2人は60代以上だが利用の下限は夫婦で88歳から。これから増えるミドル層を意識したとわかる。
日本の高齢者は長く「福祉」の対象であり、「消費者」とみられなかった。遊び、学びなど消費の対象として意識され始めたのが平成以降、しかも2000年を超えてから。人口減少が本格的に課題となり始めたためだ。
団塊向け雑誌がうまくいかなかったのは、若者雑誌の手法で「入門」記事を載せたから。長く生きた人に浅く広く総合的な情報は役立たない。高齢者といっても一様ではない。よく「アクティブ(活動的な)シニア」というが、皆がアクティブであるはずがない。
長寿化の結果、長生きの不安も膨らんでいる。悠々と引退するわけにはないかない。ハッピーリタイアは幻想だ。12年から定年が延びた団塊世代が引退し始めたが、以前と異なり、幅広い視座から取り組む企業が増えている。
団塊世代も70代。これから企業に必要なのは、高齢者の課題の解決につながるビジネスや商品だ。健康志向の食品、自宅周りで買い物が済み娯楽も味わえる施設や催しなどが求められる。
在宅介護をする家庭に合わせた家庭用洗剤、高齢者が家を借りる時の支援などで成功例が生まれている。一網打尽型の大ヒットではなく、規模は小さいが確実に役に立つ企画や商品、サービスが有望となるのではないか。
キーワード
■「自然体」と「センス」
40代から60代の中高年が言われてうれしい言葉を、博報堂「新しい大人文化研究所」が継続的に調べている。2015年調査では「センスがいい」が初めて「若々しい」を上回り首位になったそうだ。3割を超す支持を集めたこの2語に比べ、「成熟した」は6%台。自分自身がどうありたいかという質問でも「あるがままの自分・自然体の自分でありたい」が「いつまでも若々しい大人でありたい」を上回った。
昭和の頃、高齢者は落ち着きや枯れ、悟りを備えた成熟、円熟した姿が良しとされた。若さは未熟と同義だった。しかし平成の高齢者は成熟よりも若々しさを目指すようになる。そして今、次の段階として、時に痛々しい若さ志向よりも、「自然体」と「センス」がミックスした無理のない元気さ、前向きさが求められ始めたと同研究所の阪本節郎所長は読み解く。ポスト平成のシニア像かもしれない。
■終活
「終活」の新語が誕生し、従来「縁起でもない」と避けてきた「死」を巡る議論が活発になってきた。墓のデザインや葬儀の演出といったわかりやすい話題を入り口に、死までの時間をどう充実させるか、医療や延命をどこまで求めるかなど、深い議論が始まりつつある。
主導者は大衆になじみのある文化人、特に女性だ。内館牧子さんは小説「終わった人」「すぐ死ぬんだから」で高齢者の本音を描き、橋田寿賀子さんは尊厳死や安楽死への考え方を提言。樹木希林さんはがんとの共生や死の受容を実践してみせた。男性でも脚本家の倉本聰さんは高齢者の集合住宅が舞台のドラマ「やすらぎの郷」でまだ生臭く、艶っぽいが、仲間の死を前に寂しくも思う姿を活写し高視聴率を獲得した。
ポスト平成は団塊世代が人生の完成期を迎える。数の力で社会制度を変えヒット商品を生んだ集団は、幕引きでもその力を発揮しつつある。
■孫
平成のシニア市場で一時、期待を集めたキーワードが「孫」だった。学費や住居購入の援助、3世代レジャーの支出負担など、孫のため、あるいは孫と過ごす時間のためなら財布のひもも緩むだろうとの期待があった。自治体も「祖父母手帳」の発行や講座の開設などで「孫育て」に参加しようと呼びかけた。
実際、祖父母の家事・育児支援は女性の社会進出を支えた。一方で今のシニア層に「孫疲れ」感が広がりつつあるのも事実だ。誰もが経済的に余裕があるわけではない。趣味や友人との交際で日々忙しいシニアにとっては、保育園の送り迎えなどはかなりの負担だ。帰省に伴う孫の世話は高齢者にはストレスだとの調査結果も出た。子育て中の夫婦が「お金と時間に余裕があるが、孫の世話以外に楽しみに乏しい」という昭和の高齢者像を自分の親に期待すると、思わぬ不和を招くことになる。
■神保町
シニアの世代交代に伴い人気の街も変わりつつある。東京の例では、これまで高齢者に人気の街といえば巣鴨か日暮里だった。昔ながらの商店街があり、和菓子や総菜の店、茶屋、神社、寺などが並び散歩やおしゃべりを楽しめる。主な支持者は女性だ。
これに対し近年、中高年の間で人気が高まってきたのが神保町だ。こちらは男性の姿が目立つ。本来は学生相手の古本屋街だが、中高年が店主となり、同世代を意識した趣味的な古書店を開く例も出てきた。映画、音楽、古い雑誌やサブカルチャーなど、従来型の古書店とは少し品ぞろえが違う。もっぱら昔の日本映画を上映する映画館も誕生し、平日の昼間からシニア男性が詰めかけている。
こうした新世代シニアの需要は東京に限らない。これからの街おこしのヒントが神保町に詰まっている。
平成は少子化ショックとともに始まり、克服できないまま終わろうとしている。世界で最低レベルの出生率に落ち込みながらも、政府内は「いずれ第3次ベビーブームがやってくる」という楽観論が根強く、対策が後手に回った。回復基調にあった出生率もこのところ頭打ち。深刻な少子化は世界に類を見ない高齢社会を出現させた。
https://www.nikkei.com/content/pic/20190209/96958A9F889DE6E3E2E0E0E7E2E2E2E5E2E0E0E2E3EB869FE3E2E2E2-DSXMZO4102248007022019TM1001-PB1-5.jpg
君は来るか 僕の腕に この空は青いか 見つめてみないか――。1993年2月19日に厚生省(当時)が主導する「WELCOME BABY キャンペーン」ソング「僕らが生まれた あの日のように」は発売された。作詞・作曲は小田和正さんと飛鳥涼さん(CHAGE&ASKA)。玉置浩二さんやカールスモーキー石井さん、浜田麻里さんら時代を代表するミュージシャンも多数参加し、子どもを持つ素晴らしさを高らかに歌い上げた作品だ。
平成初年の89年、合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むと推計される子どもの数)が1.57に落ち込み、戦後最低を更新。「1.57」ショックといわれた。
2004〜06年に内閣府参事官として国の少子化対策を担う増田雅暢氏は81年に厚生省に入省。当時は少子化担当ではなかったが「今振り返れば牧歌的な対策。人気歌手を動員し、キャンペーンを張れば出産が増えると少子化を軽くみていた」と指摘する。
「僕らが生まれた あの日のように」はシングルCD年間売り上げで50位以内に入り、楽曲としては成功した。だが最新の出生率は1.43(17年)。1.57を一度も上回ることなく、平成は終わろうとしている。
人口維持の分岐点は出生率2.07だ。この水準を下回りながら、政府も「第3次ベビーブームがやってくる」と楽観していた。
最初のベビーブームは終戦直後。このとき生まれた団塊世代が結婚・出産の適齢期を迎えた70年代前半に第2次出産ブームは起きた。そしてその団塊ジュニア(71〜74年生まれ)が適齢期を迎えればやがて3度目のブームが来ると踏んでいた。
将来推計人口では出生率の見通しが甘く、00年代前半まで下方修正を繰り返す。甘い期待は外れ、平成に入って間もなく、バブル経済が崩壊。経営難に陥った企業は新卒採用を絞った。学校を卒業しても正社員になれず、若者世代の非正規化が進んだ。
団塊ジュニアはそのあおりを真正面から受けた。中京大学教授の松田茂樹氏は「非正規雇用だったり正社員であっても収入が低かったりした男性は結婚できなかった。雇用劣化が未婚化を促し少子化に拍車をかけると当時の政府は見抜けなかった」と説明する。
出生率低下に歯止めがかからず、政府も90年代後半にようやく本腰を入れる。保育サービスの拡充や仕事と子育ての両立支援などを柱とする少子化対策推進基本方針を99年12月にまとめる。
01年に厚生、労働両省が統合され、厚生労働省が誕生。初代の雇用均等・児童家庭局長に就いた岩田喜美枝氏は「01年5月に小泉純一郎首相が所信表明演説で待機児童ゼロ作戦を打ち出した。総理のお墨付きで、財務省との予算交渉がしやすくなるなど保育所整備が加速した」と振り返る。この時期の成果は03年に制定した次世代育成支援対策推進法だ。
従業員301人以上(現在101人以上)の企業に子育て支援計画作りを義務付けた。法定を上回る育児休業や短時間勤務、在宅勤務などが普及。出産しても働き続ける女性社員が増えた。SCSKは同法に基づき3年の育児休業や妊娠期にいつでも取れる有給休暇などを導入した。「制度が整い、社内の出産が増えている。働きながら2人目、3人目を出産する女性がここ10年で2倍以上になった」(同社)
企業の両立支援が整い、出生率も05年の1.26を底に回復傾向を示した。ただ、いまだ待機児童が解決できていないなど積み残された課題も多い。出生率はここ数年は横ばい。出産数の減少はさらに深刻だ。平成を3つに区切って年間出産数の減少をみると平成元〜10年は4万4千人減にとどまっていたが、平成11〜20年8万7千人減、平成21〜30年14万9千人減(推計値)と減少幅は拡大した。
増田氏は内閣府参事官(少子化担当)を務めた2004〜06年に「団塊ジュニアが出産期にいる10年までが最後のチャンス」と政府内を説いて回った。
だが財政再建や高齢者向け施策が優先され、少子化対策に十分な財源を確保できなかった。「子どもを産み育てられる年齢層が格段に減った今、保育の無償化など思い切った施策を打っても手遅れ。適切な時期に有効な手立てを打たなかったツケは未来に回る」
(石塚由紀夫)
証言 川本敏・元経済企画庁国民生活局審議官
川本敏 経済企画庁国民生活局審議官
1993年1月に経済企画庁国民生活調査課長を務めていた私の手元に、通常国会冒頭で経済企画庁長官が行う経済演説素案が届いた。ざっと読み、目を疑った。少子化に関する記述が全くなかったからだ。
国民生活調査課は国民生活白書を担当する。前年11月にまとめた92年版国民生活白書の副題は「少子社会の到来、その影響と対応」。89年に合計特殊出生率が1.57に落ち込み、戦後最低を更新した。少子化は将来日本に大禍を及ぼすと考え、92年に課長に就くとすぐにその年の白書のテーマを少子化に決めた。実際、白書が世に出ると大きな反響を呼んだ。ちなみに広辞苑(岩波書店)は「少子化」について「1992年度の国民生活白書で使われた語」と今も記述する。
白書で話題になったテーマは翌年の経済演説で言及するのが通例だ。だから当然、少子化に触れると信じて疑わなかった。問題の深刻さを理解していないと怒りに駆られ、担当部署にすぐに電話し、修正を迫った。だが担当者は「時間的余裕がない」と素っ気ない返事。少子化は政策に乗せて早く対応を取っていくべき重要な課題だという認識が経済企画庁も当時薄かった。国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計も出生率はやがて回復するとみていた。政府内でも楽観論が支配的で少子化対策は着手が遅れた。
保育サービスの充実や労働時間の短縮、男性の家事・育児参加など白書が提示した少子化対策は今でも色あせない。「30年近くも前にこれだけの有効策をよくまとめましたね」と今でも言われる。そう話す人たちは白書を賛辞する気持ちなのだろう。だが担当した我々にとっては当時の問題がほとんど解決されず時間が流れたことを意味し、少子化に歯止めをかけられなかった責任を感じている。
キーワード
■未婚率
https://www.nikkei.com/content/pic/20190209/96958A9F889DE6E3E2E0E0E7E2E2E2E5E2E0E0E2E3EB869FE3E2E2E2-DSXMZO4102243007022019TM1001-PB1-2.jpg
平成の少子化は未婚率の上昇が主因だといわれている。30代前半女性の未婚率は1990年13.9%だったのに2015年34.6%に上る。生涯未婚率も年々上昇し、15年に男性23.4%、女性14.1%に達した。ただ、出生動向基本調査でみると「一生結婚するつもりはない」とする独身者は15年男性12.0%、女性8.0%にとどまる。92年(男性4.9%、女性5.2%)と比べて増えているが、現実の生涯未婚率が大きく上回る。結婚するつもりはあっても「できない」「しない」のが実情だ。少子化が深刻な地域は自治体主導の「官製婚活」に力を入れている。
■少子化の罠
https://www.nikkei.com/content/pic/20190209/96958A9F889DE6E3E2E0E0E7E2E2E2E5E2E0E0E2E3EB869FE3E2E2E2-DSXMZO4102241007022019TM1001-PB1-2.jpg
出生率の低下は先進国共通の現象だ。終戦直後に各国はベビーブームに沸いた。その後、低下傾向に転じて1970年代以降は多くが出生率2.0を割り込む。ただここから2つのグループに分かれた。フランスや英国、スウェーデンなどは上昇に転じ、日本やドイツ、イタリア、スペインなどは低迷から抜け出せない。保育サービスの充実や子育て手当の拡充、仕事と子育ての両立支援などで国が有効な対策を打てたか否かが、グループの分かれ目といわれる。「男は仕事、女は家庭」といった性別役割分担意識が強い国ほど低迷から抜け出せないともいわれている。
低出生率が常態化するほど回復には多くのコストと労力が必要になるため、少子化の窮地から抜け出せなくなってしまうとする説もある。こうした状況は「少子化の罠(わな)」と呼ばれる。日本は平成の30年間で少子化の罠にどっぷり嵌(は)まってしまった。近年ドイツが低迷グループから抜け出し、少子化の罠から逃れようとしている。男性も使いやすい育児休業の導入や児童手当の拡充などが奏功したといわれる。ただ2016年の年間出生数約79万人のうち、母親が外国人の子どもが18万5千人を占めるなど移民の急増が出生率回復に寄与したという特殊事情もある。日本は希望出生率1.8を目標に掲げるものの、従来施策の延長で少子化の罠から脱出するのは容易ではない。
■リプロダクティブ・ライツ
1994年に国際人口開発会議(カイロ会議)がエジプトで開かれ、子どもを産むか否かの決定権(リプロダクティブ・ライツ)は個人が持つ重要な権利だと確認された。国力増強を目的にした国による介入は制限された。日本も戦前の41年に「人口政策確立要綱」を閣議決定し、富国強兵のために「産めよ増やせよ」を提唱した。その反省もあり、深刻な少子化に陥っても政府はリプロダクティブ・ライツを尊重し、出産奨励策は採っていない。ただ与党国会議員は「子どもをつくらない女性(の老後)を税金で面倒見なさいというのはおかしい」(2003年)、「女性は産む機械」(07年)といった失言を繰り返し、その度に女性の反感を買った。女性のライフスタイルが平成に多様化してきた一方、女性は子どもを産んで当たり前といった固定観念も根強く残る。女性が生きづらさを感じる社会環境は女性を出産からますます遠ざける。
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/893.html#c1
多数の地銀があり「激戦」とされる地域では融資の競争が激しく、経費を考えると赤字になるほど金利が下がっている。東京商工リサーチのデータから算出すると国内行の18年3月期の貸出金利ざやは0.25%。5年前より0.28ポイント低い。98年末以来、20年ぶりとなる500兆円台の融資があっても、収益は1兆4千億円ほど少なくなる計算だ。
「貸すのは良い。だがリターンが伴っていない」。日銀幹部の表情はさえない。融資の伸びは、経済を活発にしてデフレ脱却を目指す日銀にとって望ましいはずだ。ところが日銀の分析によると地銀105行のうち過去3年間に貸出量を増やした銀行は、増やさなかった銀行よりも収益力が落ちていた。貸出残高を増やした銀行ほど、貸出利回りの低下が大きかったためだ。
地銀は貸し出しなどのリスク性資産を増やす一方、利益の伸びが小さくなっている。地銀の自己資本比率は規制で必要な4%は大きく上回るものの、12年の12%前後から足元では10%前後まで下がった。日銀には「無理なリスクテークを続けているうちに、自己資本を食いつぶしていくことになりかねない」と警戒する声も出始めている。
問題は銀行収益が圧迫されることだけではない。西日本の別の地銀の幹部は「金利を得るために、返済に懸念がある企業にまで貸さざるを得ない」と打ち明ける。地銀を中心に融資の姿勢が緩み、財務状況に不安がある企業でも借りやすくなっている。
「社長の個人貸し付け分も丸ごと融資しますよ」。関東のある地方銀行は、中小企業の社長にこう持ちかけた。この会社は他行から信用保証協会の保証付き融資を借り入れ、社長も自社に貸し付けていた。これらを銀行が貸し倒れリスクを負う通常の融資で借り換えてもらうという提案だ。借りる企業は信用保証料の負担がなくなるため、低利の融資ならこうした取引が成り立つ。
関東の別の地銀は、信用金庫への返済が3カ月滞っていた中小企業に借り換えで融資した。一般的には「要管理先」として不良債権になるはずだが、借り換えは正常債権として扱う。
融資に占める大手行の比率は1997年末の64%から、18年末に46%まで下がった。メガバンクは収益を求めて海外展開を急ぐ。成長力が乏しい国内に残る地銀が、金融緩和であふれたマネーを不動産と中小企業に流し込む。
設備投資17%減
融資の緩みは日本だけの問題ではない。国際決済銀行(BIS)は昨年9月、「ゾンビ企業の台頭」と題した報告書を公表した。日本を含む14カ国では上場企業のうち12%が過去3年以上にわたり債務の利払いを利益でまかなえていない。こうした「ゾンビ企業」の比率は1980年代後半には約2%にすぎなかったという。
ゾンビ企業が台頭した理由としてBISがあげるのが、金融緩和によるカネ余りを背景とする低金利だ。銀行が少しでも利回りを得ようとして、リスクの高い企業への融資に積極的になることなどが背景にある。結果として収益力の低い企業に資金がまわる。ゾンビ企業のシェアが1%上がると健全な企業の設備投資は17%、雇用の伸び率は8%下がり、経済全体の生産性の伸びを0.3ポイント押し下げると推計した。
だが、世界は再び低金利に目を向け始めている。米連邦準備理事会(FRB)は1月30日、19年中に2回を見込んでいた追加利上げを棚上げする方針を示した。米中の貿易摩擦で経済の先行きが曇り、世界の中銀は金融緩和からの出口戦略に修正を迫られる。
本来、収益力が低い企業は高い金利で借りざるを得ず、成長する企業は低利で借りる。資金を成長分野に流す金利の機能が失われたままでは、経済の成長力は高まらない。
(浜美佐)
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/894.html#c1
愚かな
こういう低レベルな発想の転換?を経営者に押し付けても無意味
グローバル展開できる企業は、とっくに、国内人材依存体制から脱却し
雇用は、高付加価値・高賃金のグローバル人材と、低賃金の地域限定人材に分化しつつあり
前者は高い賃金で国内で雇用されたとしても、市場が拡大する厳しい海外赴任は当然となるし
後者は、景気環境や労働需給に合わせた賃金に抑制されることになる
また雇用の大部分は、縮小する国内市場で、大きなリスクを背負う中小企業が担っているが
全員が、さらに過大なリスクを取って、労働コストを支払うことを期待してもあまり意味はない
少子高齢化でも需要が拡大する分野では、今でも、積極的に雇用は拡大しているが
そうでない競合が厳しい多くの分野では、当然、雇用は絞られる
人口オーナス時代では、必然のことが起こっているだけであり
無理に移民などで解決するよりも、さらに物質的な貧困化が加速していった方が良い
いずれ世界全体が、同じ状況になるし、逆に、そうならなければ現在の地球生態系は壊滅し
人類文明も滅びる
そして彼は別に日本人が消えても、子育て世帯が苦しんでも、あまり気にしないタイプ
www.amazon.co.jp/子どもが減って何が悪いか-ちくま新書-赤川-学/product-reviews/4480062114/ref=cm_cr_arp_d_viewpnt_rgt?filterByStar=critical&pageNumber=1
5つ星のうち2.0誰のリバタリアニズムか知りませんが
2014年2月13日
形式: 新書Amazonで購入
2004年の本です。たまたま図書館で手に取ったので拝読させていただきました。2014年現在から見て当然ながら、相当内容が古めかしく感じます。
今や男女共同参画うんぬんの騒ぎではなく、男女ともに働かずに子供を育てられる家庭はわずかです。いまの社会で子供を育てるのは一定の「社会的リスク」を負うと自覚しながらも、それぞれが勇気と愛情を持って出産・育児するというのが若い人の共通感覚ではないでしょうか。著者がいう「少子化は受け入れて制度設計」をという議論はもうすでにされておりますし、実際そうするしかないでしょう。
著者は「子供がどんな重度の障害をもって生まれてきたとしても、愛情をもって育てる覚悟を持てた男女だけが子供を産めばよいのだ」
と記します。著者が障害のあるお子さんをお持ちなのかは存じ上げませんが、はしばしで顔を出すリバタリアニズム的文脈になんだか心に空っ風が吹くような気持ちになり、寒気がしました。
また、筆者は、ロールズの正義論、格差原理から考えると、子育て支援・両立支援は「到底正当化されない」所得移転だといいます。
「産んでも産まなくてもサンクションのない社会を」といいながら、「子供を産んだ人たちがもたない人たちよりも恵まれていないはずはない」と断言してしまうところが疑問です。こんな論理はある意味サンクションではないでしょうか。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
コメント 違反を報告
sc
5つ星のうち1.0単に想像で書いただけの本
2015年12月30日
形式: 新書Amazonで購入
データの裏付けも無く、単に世間知らずの学者が想像だけで書いた本。多少なりとも海外とやり取りする仕事をした経験がある人が読めば、この著者の意見に賛同出来ない点が多く戸惑うだろう。この著者の思想を簡単に述べると、@日本が滅びる事は全く問題ない。A中国様が日本に悪意をもつこと等有り得ない。B子育てで苦労する人を助ける必要など、全く無い。C人に貢献する人と、全然しない人、両者を全く公平に扱うべきである。D世間の人は皆、自分だけが大事で他人はどうでも良い。自分も他人も皆、そう思っている筈だ。・・・こんな感じである。
この人の主張は全く世の訳に立たない。想像だけで、全く人の役に立たない主張を述べる、有害無益な本である。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
コメント1件 違反を報告
たこたこ屋
5つ星のうち3.0これぞ研究
2008年6月19日
形式: 新書
一般に普及している言説に真っ向から挑む姿勢が日本の学者には求められています。この本の中ではリサーチリテラシーという言葉が使われていますが、研究に限らずメディアリテラシーの向上を図る必要があると思います。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
5つ星のうち3.0民よ、明日のない策と知っても……
2005年1月20日
形式: 新書
著者のあとがきによれば、キャプテンハーロックは、「男には、負けるとわかっていても戦わねばならない時がある」と述べたそうだ。 著述の倫理的動機がアニメの登場人物のセリフというのはすごいが、主張していることはきわめて「正論」だ。
「男女共同参画」派の知識人たちが、自派の言説を補強するためだけに、統計データをいいかげんに扱っているのは、国民を騙す行為であり、けしかんという著者の指摘はそのとおりだし。
「男女共同参画」が必要なら、必要とどうどうと主張すればいいのであって、そのせいで小子化するなら、そのデメリットを国民が公平に負担するシステムをきちんと構築すべしという主張も正論だ。
小子化は、都市化の進んだ豊かな社会におとづれる「必然」であって、いいかげんな政索でそれを回避しようとすれば、かえって悲惨な事態を引き起こす可能性もある。まして小手先のデータ操作で、有効性のない政索をあたかも有効であるかのように見せかけるのは言語道断ということか…。
ただ、既得権益のからむ政治的な場面で、この著者の主張がどれだけ支持されるかは疑問だ。公平な負担というのは、現在、利益を得ている者にとっては、損害を意味するからだ。私たち国民は、宇宙海賊の倫理を、どこまで受け入ることができるだろうか?
本当は星は四つでもよかったのだけれど、主張が正論すぎるところが、どこかひっかかって星三つ。
12人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
コメント 違反を報告
くろやぎ
5つ星のうち3.0オタク学者(?)が書いた問題提起本
2005年4月18日
形式: 新書
著者は、男女共同参画社会を目指すのは結構なことで自分も賛成であるが、それが出生率を上昇させるというのはウソだ。と言いきります。そもそも10年前には「女性の社会進出が少子化の原因」と語られていたのに、短期間に少子化の原因が180度逆転するのはおかしい。その論拠となる統計は、一部のデータがわざと外されているような恣意的なデータなのだから、学問に携わる者の務めとして「間違っているものは間違っている」と発言することにしたのが本書です。
1章から3章までは、「男女共同参画社会の実現は出生率低下に影響を与えない」ということを、重回帰分析を駆使して数字で証明します。
4章からは、子どもを産んだからといって報奨されるのはおかしい、共働きが夫婦にばかり優遇するような制度は、お国が国民の生活の方向性を規定しようとすることだから、「選択の自由」の理念に反している。と、ますますパワー全開です。とうとう本書のタイトルである「子どもが減って何が悪いか!」を叫び、「現行の年金制度が破綻するなら、新しい方式にすればいい」と大胆に言い切りました。
どうも、学者としての良心に忠実であろうとしているようなのですが、読んでいて、ちと疲れました。
「選択の自由」のためには、何かを選択しても懲罰も報奨されない制度が望ましい、というのは、正しい理念なのかもしれません。でも、実際の私たちの生活は、配偶者控除や児童手当や奨学金などの“報奨”を国から受けています。ヘンな理念に合わせるために、これらを全廃するなんて無理な話です。
政治は妥協と駆け引きの産物ですから、学問の世界から正論を叫ばれてもタテマエにしか聞こえません。
本書のタイトルは、機動戦士ガンダムでブライト・ノアが「殴って何が悪いか!」と叫んだのをもじったものとか。
自らがオタクであることを隠さない元気な学者が書いた問題提起本でした。
11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
コメント 違反を報告
あぶはち
VINEメンバー
5つ星のうち3.0タイトルが不適
2005年1月13日
形式: 新書
難しいですから、タイトルのインパクトにつられて安易に読むと、訳が分からなくなるのと同時に、期待を裏切られます。
このタイトルなら「子どもが減ったって、ちっとも心配することはないんだあ!」という内容に思えるじゃないですか。
現行の少子化対策を丁寧にくそ丁寧に反証しているのはなるほど凄いですが、だから「子どもが減って…!」という、タイトル通りの結論に落ち着いているとはとうてい思えません。せいぜい「子どもが減っても、ま、大丈夫ですよ。考え方次第ですよ」というのが関の山です。
だから、そういうつもりで読んでください。
18人のお客様がこれが役に立ったと考えています
T.Amakusa
5つ星のうち3.0研究者、何やってんの!
2006年3月1日
形式: 新書
「少子化問題」と「男女共同参画社会」はセット関係なのか。「少子化」の傾向は問題といえるのか。つまり、タイトル通り「子供が減って何が悪いか!」についての論考。
著者は「男女共同参画社会」と「少子化」をセットで説明する研究者のデータの恣意的操作・読み取りについて、研究者の立場としてフェアではないと批判している。また「少子化問題」のみについても、データの恣意的操作・読み取りがあり、対策についても、逆効果の可能性さえもあると指摘している。
しかし、だからといって「男女共同参画社会」について否定しているわけではなく「望まない性別や性役割を拒否したからといって、いかなる不利益も被るべきではない」一方で「自ら望む性別や性役割を生きる自由も尊重されなければならない」と主張。
ここまでは納得だが、「少子化がもたらすデメリットを、出生率回復で克服するのではなく、低出生率を前提とした制度設計によって、社会全体でその負担を引き受けるべき」という著者の結論には賛成しかねる。少子化のメリットをもっと積極的に模索していくべきではないかと思う。よって☆☆☆。文章そのものは読みやすいが、データの解釈については、よくわからないものもある。タイトルは『機動戦士ガンダム』ブライト・ノアのセリフから。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
canberraact
5つ星のうち2.0「社会学」の問題解決能力の欠如を露呈
2005年1月8日
形式: 新書
本書は、少子化現象に伴って、女性の勤労と子育ての両立を支援するという内容の「男女共同参画社会政策」に関する言説が、統計上はそれが実際には少子化解消には貢献しないと明らかにした上で批判したものである。
評者としては、本書の存在意義はきわめて低いと評価する。それは、本書は単にフェミニズム系論客の批判に最終的には終始しており、本文の中で繰り返し述べられる「少子化を前提とした社会制度設計」には、何ら問題解決策を提示しないものであるからだ。
すなわち、著者が最も重点を置くのが、統計学的解析を用いた、「男女共同参画社会政策」にまつわる言説批判であるが、これが、統計を丹念に用いて「実態」を明らかにするというよりも、言説批判のための単なる対抗言説であるという印象しか受けない。それは、このような新書においては、読者層の設定ということからも、統計的専門用語は出来る限り回避し、議論の本質を丁寧に提示すべきであるが、そうした作業にはあまり関心がないことにも示されている。
こうしたことは、もし統計の専門家が新書を執筆すれば通常では行われないと思われる。しかし、著者自身の専攻は「歴史社会学」であるということからも、言説批判のために拙速に統計的手法に飛びついたと指摘されても致し方ないであろう。
このことで示されるのは、著者であれ、著者が批判する「参画社会派」であれ、観念論的傾向に走りがちな「社会学」の問題解決能力の決定的な低さということであろう。同じ問題を取り扱った新書としては、マクロ経済の観点による『人口減少社会の設計』がはるかに有益な指摘を行っている。
少子高齢化をめぐって多種多様な論争が繰り広げられる中で、さまざまな書物が刊行されている。そうした中で、本書は、そうした「市場の広さ」に伴って発生しがちな、言説の世界に終始し、問題解決に何ら貢献しない「低質の議論」というべきものであろう。
32人のお客様がこれが役に立ったと考えています
https://telling.asahi.com/article/11765635
東大・赤川学先生、「子育て支援は独身税」じゃないですよね!?
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/893.html#c3
これは日本の長期にわたるデフレ期間と一致しており
人口オーナス、BS不況、そしてグローバル化で急成長した新興国との
競合による産業構造の崩壊の影響であり
そのクライマックスが民主党不況と言えるだろう
しかしアベノミクスで、初めて、超長期デフレから、脱却する方向になり
企業利益の改善で、まず非正規雇用が回復し、次に名目賃金が、かなり長期にわたって上昇が続くようになり
さらに実質賃金まで下げ止まってきたというのが現実だ
つまりアベノミクス(というより実体は巨額の金融緩和)で実質賃金が下がったというのは、現実の賃金カーブを見れば明らかな間違いであり
グローバルに見た日本の国力の実体にあった賃金水準に、やっと収束してきたというのが現実だろう
そして今後も国民の意識改革が進まず
国内の産業構造や、地方や高齢者への非効率的な財政バラマキが続き
一方で、労働法制の改革が進まず、高齢者を中心とした労働力が非効率に浪費されるのであれば
実質賃金以上に、実質生活水準の低下が続くことは100%間違いないし
それは、経営者の努力やバラマキ政策でどうにかなるものではない
君のお仲間だ
https://www.mag2.com/p/money/627542
避けられない「世界同時不況」は2019年に起こる?引き金を引くのは中国か米国か欧州か=高島康司
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/900.html#c1
だとしたら、多くのアベノミクス批判は完全に的外れで、
長期のデフレからは、とっくに脱却できていたということになるが
未だにデフレ不安を煽っているのも、君のお仲間だ
https://www.mag2.com/p/money/623824
日本のサブウェイ大量閉店、デフレ不況で
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/899.html#c1
竹中に限らず、今後、超少子高齢化が進む中で
あまり移民に依存せず、AIロボットで労働供給を補って
まともに日本の社会保障を再構築しようとするなら
長期的にはBI以外に選択肢は無い
そして巨額の財政の穴を埋め、デフレと円高を防ぐには
制御された財政ファイナンス、つまり異次元?金融緩和を継続する以外に選択肢は無い
これは、日本の産業と財政を破綻せず持続しようとするのであれば
どの政権になろうが同じだろう
日本では、災害からオリンピック、少子化まで政府に対策が求められ
何か不満があると、低レベルな国民は非難する
さらに酷いのが韓国で、大統領は、森羅万象すべて担当しているから
何か事故が起こると、大統領の支持率が下がり、
それを誤魔化すために日本叩きが起こる
記名記事で、政府が何をしても叩くものだ
>>04 国民にとっては、「改悪」
人によるだろう
定年延長を希望する人々は多いし
暇な貧困高齢者による犯罪や医療占有も減り、治安や医療コストも下がる
一方で健保や年金、税負担者になってくれるから
社会保障システムの不安定性や財政赤字を減らすことができ
つまり多くの国民、特に将来世代にとってメリットは大きい
何を勘違いしているか知らないが
自分、あるいは依存できる家族の労働生産性が、消費水準を超えて高ければ
十分、貯金ができるので、別に死ぬまで働く必要などない
年金もしくは生活保護水準以内で生活する場合も同じ
他人(社会保障)に依存して、生きさせろ、自分を守れ、などと言う方が、歴史的には異常であり
そういう愚か者が多数になり、自分の治安や消費すら維持できなくなった社会(かってのローマ、ソ連など旧共産圏)は必ず破綻する
できれば、そういう人々は消え、多くの絶滅寸前の生物が生きられる世界になってもらいたいものだが
残念ながら今後、人類文明が絶滅するとしても、無理そうだ
世界的に経済成長率は低下し、日本は特にその影響を受けているのに、
少子高齢化で高齢者の比率が高まったからだ
一方で、社会保障や地方のインフラ維持負担は高まるのだから
結果として、労働者一人あたりの税・社会保障負担が高まり、実質可処分所得は下がり続ける
またステルスインフレで、高齢者の実質年金も削られる
こうした状況は長期的に続くのだから、一部の現役世代の生活が多少楽になったとしても
そうした声は、小さくて聞こえないということだ
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/890.html#c6
こ野程度で済んでおり、賃金や資産格差も小さいのだから
日本の統治システムは、まだまだ世界の中では、かなりマトモで恵まれていると言えるのだが
英米仏の状況を見ても明らかなように
大衆にはわからないということだろう
日本の長期停滞の原因は、
まず超少子高齢化による需要不足と労働供給の品質劣化、
そして、バブル崩壊に伴う企業過剰債務解消による投資不足
その結果としてのグローバルな高度産業での競争の敗北、
それにもかかわらず古い労働制度による賃金の価格硬直性による、さらなる企業の競争力の低下、
ダメ押しのリーマン後の世界金融危機における円高(日銀の緩和不足、民主党の改革放置)での空洞化加速
など複合要因による
異次元緩和(アベノミクス)自体は、過去の間違った緊縮政策による円高を、円安に巻き戻しただけであり、
結果として、外需主導で、国内雇用や賃金総額は、かなり改善に向かっているが、
社会保障改革や労働改革は、ほとんど進んでおらず、労働生産性や企業の全生産性の上昇加速が起こっているわけではなく、当然、実質賃金が急加速することなどあり得ない
さらなる効果的な制度改革が必要だが、他の先進国同様、日本でも難しいだろう
富裕層の負担による住コストの下落は良い知らせ
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/109.html#c1
世間(他人)志向で他人依存の傾向が強い
それに対して、特にドイツなど北欧では、自律志向
それ自体は、問題ではないが
元々は日本は血縁・地域のコミュニティに大きく依存する社会だったのが
急速に、都市化が進み、そうした固定的なコミュニティが崩壊したのが最も大きい
結果として、不安定な自我を支えるために、ますます、
学歴や金、狭い人間関係など不安定で安心感が得られない評価に一喜一憂し
ムダな努力で疲弊することになる
そして、これは日本人に限らない話でもある
単なるビジネス上のつながりや、SNSでつながった
見えない他人との不安定な関係ばかりが、どんどん大きくなっていったことの帰結でもある
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/130.html#c3
意外性はない
愚かな国民は、愚かなポピュリスト政治家を選び、結局、国を滅ぼす
そういう甘い考えで何とかなる時代は終わったということだ
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/161.html#c8
いわゆる一般銀行や公務員などの立場から見れば、逆に
金融政策依存(財政ファイナンス、マイナス金利など)を止め、
企業は自立し、政府はもっと財政を改善すべきとなる
>諭吉先生のお札が紙切れに、日銀緩和続けば経済大混乱
>金利の急騰
>日銀の国債保有比率はますます高まっていき、買い入れ余地がどんどん減っていることが明白になった時、そのまま継続できる政策でないことに皆が気付き、「いずれ金利を抑制できなくなる
今後も日銀により市中から国債が吸収されていくにもかかわらず、
金利が急騰すると考えているとしたら
異常な思考パターンであり
まともな経済学者とは言えない
今後の世界経済と金利の低迷を予言する竹中とは対照的だが
当面の世界と日本の需要と供給構造から判断すれば、どちらが正しいかは、ほぼ明らかだろう
今後、再び、世界経済が回復し、資金需要が高まって、世界の金利が上昇し、
それが円安を加速するため、2%インフレは達成される
つまり日銀による量的緩和(国債買入)は不用になる
当然、結果として国内金利も上昇する
という事態だが、それは元々、日銀の想定していたシナリオだ
しかし、仮にインフレ目標が達成されないのに、土居のような緊縮派(民主党、自民党によらず)が政権を握るとしたら
これまでの政治的な流れから、日銀に圧力をかけ、人事介入を通して、金融緩和策を停止させることも十分、あり得る
その場合は、当然、円高と金利上昇というダブルパンチが日本を襲うことになり
民主党デフレ不況の再来となるだろう
そして、そうした事態を望んでいる人々は(中国や韓国など海外はもちろん、日本においても)多い
>日銀の国債保有比率はますます高まっていき、買い入れ余地がどんどん減っていることが明白になった時、そのまま継続できる政策でないことに皆が気付き、「いずれ金利を抑制できなくなる
いずれにせよ、このシナリオは間違い
仮に団塊世代がリタイヤして預金をおろして消費を増やしても
超少子高齢化で国内需要が拡大せず、海外景気も低迷が続くのであれあば
インフレ目標は達成されない
そして、現状の政策が続き、日銀が買い続ける限り、
当然、金利は上がらない
つまり重要なのは、国内の需給バランスであり、
当面は国内構造要因で需要が期待できないのだから
構造改革が進まない現状で、妥当な政策は明らかということ
つまり世界の先進国の中でも稀な、
若年労働者の、ほぼ完全雇用が達成されている
これは安倍政権への若年層の高支持率の源泉でもある
海外への流出は、ごく一部に限られるだろう
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/185.html#c1
課題先進国の日本経済の根本問題は、構造問題だから
金融政策のような、本来は、周期的名景気変動への対策だけで解決できるわけではない
という当り前のことが、岩田にも、大分、わかってきたようだが
具体的な財政政策や、労働、社会保障、規制政策の改革に関しては、ほとんど進まないし
既得権層に支配されたメディアも、ほとんど議論しないが
今後、世界も同様の問題に苦しむことになる
強者(超人類)による弱者の淘汰というディストピアの世界観に対するもう一つの反論は、「可謬(かびゅう)性」すなわち、間違える可能性があること、に関連する。AIの進歩は必然的に「すべての存在者は可謬的である」という認識に立った政治哲学をもたらすのではないか。
近年、驚異的な発展を見せているAIのディープラーニング(深層学習)は、原理的には単純な最小二乗法(誤差を最小にする近似計算の一手法)にすぎない。つまり、これまで深淵な神秘と思われていた知能の働きは、単純な近似計算の寄せ集めにすぎないという発見がAIの衝撃の本質である(図参照)。
近似計算なのだから、AIの知は無謬(むびゅう=間違いがない)の真理ではないし、人間の知も同様である。人やAIが作るあらゆる知は全て現実の近似であり、将来いずれ「間違いであった」と証明される可能性がある、という意味で可謬的なのである。これはAIができる前から科学的知識について広く合意されていたことでもある。
自己の無謬性の前提に立って他者を淘汰するのがこれまでの人間社会や生物進化の自然淘汰のメカニズムだが、それは多くの社会(または生物種)が進化の袋小路に陥って絶滅することを容認する、いわば非効率な進化であった。
自己の可謬性の認識に立った社会は、多様な存在者の自由な行動に寛容な社会となるはずである。自己の可謬性を認識すれば、他者が自己を超える可能性を認識し、他者を淘汰せずにその可能性の存続を尊重し、利用することが合理的な判断となる。AIによって増強された超人類が現れても、彼らが自己の可謬性を認識するならば、弱者と共存する多様な社会を維持することを目指すだろう。
◇ ◇
そのような社会の仕組みは実は目新しいものではなく、経済学者フリードリヒ・ハイエクが思い描いた市場システムこそ、可謬性に立脚した社会システムの原型である。
ハイエクは1945年の論文「社会における知識の利用」で、特定の時と場所にのみ存在する無数の暗黙の知識を集計することは、市場の価格調整メカニズムを通じてしかできないと説いた。中央計画当局や独裁者個人による市場統制の社会(設計主義)は必ず失敗すると強調したのである。ハイエクの市場システムは多様な存在者が共存し、彼らの自由が最大限に優先される社会である。自由が最優先されなければならない理由も、可謬性から導かれる。
無謬の真理を誰も知らない社会では、愚行(試行錯誤)をする権利すなわち自由を保障することが、特定の時間と場所に散らばった情報を集計するための最も道理に合った方法となる。それ以外の統制的なルール(例えばAIによる市場の制御)でも、市場の情報を集計して効率的な社会を作れると思われるかもしれない。しかし可謬性の前提の下では、そのルール自体が間違っている可能性があり、おのおのの自由を保障する方がよいということになる。
超人類は、定向進化で袋小路に入り込むなど淘汰のリスクを予想し、生物多様性や人類の多様性を残存させようとするだろう。そのような経済社会を実現するために、AIによって増強された人類にも、そうでない大多数の人類にも、さらには他の動植物にも、固有の存在価値を認め尊重する新しい自由主義の政治哲学を生み出す必要がある。
ただし、新しいテクノロジーの下で自由主義の社会を維持することは、今まで通りの民主主義を維持することとは異なるかもしれない。ハイエクは固有の価値と情報を持つ多数の人々が行き交う市場システムの意義を説き、自由主義の文化を守り育てることに人生をかけた。そのためには政治の改革が必要だとして晩年に議会改革論を詳しく論じたが、それは一種の制限民主主義(世代別の代表制)であった。1人1票の無制限な民主主義でうまくいくと、ハイエクは考えていなかった。
議会は無制限の立法権を持つわけではなく、万人が従うべき正義のルール「ノモス」は、人々の知恵の集積として市場で発見されるべきものだとハイエクは論じた。それを発見するのが立法府の本来の役割であり、公共事業の配分など資源配分のための指令「テシス」を作ることは、ノモスの発見とは全く異なる仕事だという。ノモスとテシスを混同していることが、現代の議会政治の機能不全をもたらしているとハイエクは喝破した。自由を守るためには、ポピュリズムに流れがちな民主主義を補正しなければならないという指摘は重い。
これまでの生物進化や人間社会の進化のように、淘汰の原理が今後も続くということは必然ではない。そうならないために、民主主義を適切なかたちに補正するとともに、新しい「可謬性の政治哲学」の発見が求められているのではないか。
https://www.nikkei.com/content/pic/20190218/96958A99889DE6E3E1E3E5E5E0E2E3E7E2E0E0E2E3EB9997EAE2E2E2-DSXKZO4131773015022019KE8000-PN1-4.jpg
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/195.html#c1
ポイント
○地方政府のインフラ投資劣化に強い危惧
○国有利権にメスを入れる本気うかがえず
○資源配分の権限、党・政府から市場に移せ
最近「中国経済の減速」がよく話題となる。一見、米中貿易戦争が理由にみえるが、それは中国経済が直面する「三重苦」の一つでしかない。
◇ ◇
最も深刻な問題は、投資バブル後に経済が遭遇するバランスシート調整が始まったことだ。2008年のリーマン・ショック直後の「4兆元投資」を…
[ポイント
○地方政府のインフラ投資劣化に強い危惧
○国有利権にメスを入れる本気うかがえず
○資源配分の権限、党・政府から市場に移せ
最近「中国経済の減速」がよく話題となる。一見、米中貿易戦争が理由にみえるが、それは中国経済が直面する「三重苦」の一つでしかない。
◇ ◇
最も深刻な問題は、投資バブル後に経済が遭遇するバランスシート調整が始まったことだ。2008年のリーマン・ショック直後の「4兆元投資」を起点とする投資ブーム開始から10年となり、この間の固定資産投資額の合計は446兆元、為替換算すると約7200兆円にのぼる。
これだけ投資を重ねれば、優良な投資案件は底をつき、残るは不採算な案件ばかりになる。国内総生産(GDP)を1単位増やすのに何単位の投資が必要かを示す限界資本係数を計算すると、07年には2.9だったが、17年には6.8と、投資効率は10年で半分以下に低下した。
低効率な投資に投じられた借金は償還に時間がかかり、借り換えのために新たな借金が必要になる。そういう負債を積み重ねた結果、金融機関向けを除く負債残高のGDP比率は08年の141%から、18年3月には261%に急膨張した(国際決済銀行調べ)。その陰で国全体のバランスシートが劣化している。収益を生まない資産は額面ほどの値打ちがない。容易に返せない借金は潜在的な不良債務だ。
ざっと計算してみよう。現在の金融資産総残高は200兆元で、これに利息または配当が平均5%支払われるとすれば年間10兆元だ。しかしEBIT(利払い・税引き前利益)が金融費用に達しない企業を調べると、潜在的な不良債権が2割はあるといわれ、年間2兆元の利息・配当が本来受け取る資格のない不良資産に支払われている計算だ。最大の税目である増値税(付加価値税)の税収6兆元の3分の1に相当する大きさだ。不良債権を償却処理しない限り、この負担は半永久的に続く。しかも額は増大していく。
劣化が特に危惧されるのは地方政府のインフラ投資だ。これまで政府の「隠れた保証」のおかげで債務不履行や倒産は起きなかったが、最近金融機関は財政力が弱い地方政府の債券を購入したがらなくなっている。また経済成長を維持するために政府が公共投資を増発しても、「毒を飲んで渇きを癒やすだけ」と批評する識者が増えてきた。
https://www.nikkei.com/content/pic/20190213/96958A99889DE6E3E3E4E0E2E2E2E3E0E2E0E0E2E3EB9997EAE2E2E2-DSXKZO4116202012022019KE8000-PB1-4.jpg
画像の拡大
図は日米のバブル崩壊後の金利(国債利回り)の推移と中国の今を重ね合わせたものだ。企業がバブルで傷んだバランスシートの傷を癒やすため投資と借り入れを減らし、資金需要の減退により金利が低下する様子が分かる。10年ほどおとなしくしていると健康が戻ってくるというのが、バブルでバランスシートが劣化した後の回復パターンだ。
投資バブルの後には必ずバランスシート調整が起きる。政府の強大な経済力で金融リスクを抑えてきた中国にも、その時期が到来しつつある。
しかし「バブル崩壊で中国も崩壊か」と短絡的に反応する必要はない。日本の金融機関向けを除く負債残高のGDP比は370%近いが、日本経済が近く崩壊すると考える人はいない。純債権国として国債を国内で消化できる国が財政赤字を膨らませても簡単に崩壊しない。中国も今や世界3位の債権大国だ。負債保有は企業に偏っているといわれるが、大部分は国有企業の債務だから政府債務に近い。
◇ ◇
三重苦の2番目は民営企業の苦境だ。中国の民営企業は税収の5割、GDPの6割、都市雇用の8割と、経済フローの過半を占めるが、経済ストック(富)の分配面では対照的な不遇に甘んじている。
国が土地資源を握っていることは論をまたない。また上場企業時価総額の3分の2は約5千万ある株式取引口座のうち1万2千口座が保有している(15年6月)。一方、15年に上場企業2200社の負債総額の54%は負債額上位50社が占めた(鐘寧樺・同済大教授調べ)。いずれも中央直轄大企業など「官」に富や資源が集中していることを示唆する。要するに「官」が取りすぎであり、これでは民営企業は発展できない。
さらに中国では成長が頭打ちになる「中所得国のわな」問題に関心が集まっている。習近平(シー・ジンピン)政権もこのわなに落ちないために、供給サイド改革による生産性の向上を標榜する。それならば効率が高い民営セクターを伸ばし、生産性の低い国有セクターをダウンサイズすべきだが、他方で「国有企業を強く大きく優秀にする」として、国有利権にメスを入れる本気はうかがえない。
それどころか、18年に中国では「公有制堅持」「民営企業退場論」といった時代錯誤的な保守的言説が横行し、ただでさえ景気減速や融資難に苦しむ民営企業を一層不安がらせた。習政権は慌てて民営企業を励ましたが、官民格差が解消するめどは立たない。
中国政府が富を手にしすぎていることは様々なゆがみを生んでいる。公共投資の暴走が止まらないのも、産業育成に途方もない助成が与えられて他国の同業に悪影響を及ぼしているのも、それが一因だ。
◇ ◇
米中貿易戦争とそれがもたらす先行き不透明感は、中国のみならず世界経済の懸念材料となりつつある。だが18年末に米株価が急落したのをみて、トランプ米大統領も慎重になり始めた。米中とも交渉決裂を望まないのであれば、3月初めの期限に輸入拡大などまとめやすい内容で部分合意し、知財など難しい問題は継続交渉にする妥協が図られそうな期待も生まれてきた。
むしろ最近の気掛かりは、安全保障や諜報(ちょうほう)活動を重視する超党派の米国主流派が次世代通信規格「5G」通信網の整備などを巡り始めたハイテク冷戦だ。IT(情報技術)業界はグローバルサプライチェーン(国際供給網)が最も発達して自由貿易の旗手だったが、自由な取引ができなくなれば経済活動が萎縮する恐れがある。
世界のIT関連産業では既に業績が大きく落ち込み始めている。そうした折、この冷戦がIT産業をさらに痛撃して世界経済を巻き込む惨事に発展しないか懸念される。
中国経済の減速は今後も続く。特に18年10月ごろから、いわば「厳冬」の到来を予感して、家計は倹約を心がけ、企業は固定費の圧縮を急ぎ始めた。ぜいたく品にかかる消費税収の急落や、好調なはずのネット大企業の人員整理の動きがそれを暗示している。
つがみ・としや 57年生まれ。東京大法卒、旧通産省へ。専門は中国経済、日中関係
習政権は減税やさらなる公共投資で落ち込みを穴埋めしようとしており、崖から落ちるような景気後退が起きる可能性は低い。だがバブル後に無理して短期の成長を追い求めれば、バランスシートの劣化がさらに進行する。それは潜在的な財政負担を重くし中国の将来を先食いする。それでなくても中国の財政は、高齢化の急速な進行により今後年金債務が重くのし掛かる。
中国経済を中所得国のわなから救うには、改革開放を本気で再起動して、資源配分の権限を共産党や政府から市場に委ねるしかない。しかし習国家主席らの世代が支配する今の中国共産党に、その軌道修正を期待するのは難しそうだ。その意味で筆者は「短期楽観(大事には至らず)、長期悲観」と考える。
これまで世界経済は中国経済の高成長による利益を大いに享受してきたが、今後はギアが逆向きに入ることを覚悟すべきだ。同時に「中国の台頭で世界秩序が書き換えられる」といった大げさな警戒感が過剰な反応を生んでいることにも気付くべきである。
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO41162000S9A210C1KE8000/
黄信号の中国経済(中) 軟着陸へ財政・金融政策カギ
露口洋介 帝京大学教授
経済教室コラム(経済・政治)2019/2/14付日本経済新聞 朝刊
ポイント
○内需主導の成長実現へ所得格差縮小必須
○過度の債務拡大抑制による景気減速意識
○人民銀は矢継ぎ早に金融緩和政策を発動
中国の実質成長率は2017年の6.8%から、直近の18年10〜12月期には6.4%に減速した。世界2位の国内総生産(GDP)規模に達した巨大な経済が10%を超える高成長を続けるのは難しく、減速は自然なことではある。
加えて16年末からの債務拡大抑制(デレバレッジ)に伴う金融引…
ポイント
○内需主導の成長実現へ所得格差縮小必須
○過度の債務拡大抑制による景気減速意識
○人民銀は矢継ぎ早に金融緩和政策を発動
中国の実質成長率は2017年の6.8%から、直近の18年10〜12月期には6.4%に減速した。世界2位の国内総生産(GDP)規模に達した巨大な経済が10%を超える高成長を続けるのは難しく、減速は自然なことではある。
加えて16年末からの債務拡大抑制(デレバレッジ)に伴う金融引き締めや、18年半ばから激しさを増している米中貿易摩擦の影響を受けた輸出や国内投資の低迷がさらなる減速をもたらしている。
米中貿易摩擦を巡っては、18年12月の米中首脳会談で新たな追加関税の90日間の猶予に合意し、通商協議が実施されることになった。しかし貿易摩擦で妥協が成立しても、米国の関心は知的財産権の保護や製造業の高度化を目指す政策「中国製造2025」に向けられており、米中間の確執は今後も長期にわたり継続するとみておくべきだろう。
◇ ◇
中国政府も中長期的に経済の減速に対応しようとしている。供給側では生産性の向上が重要だ。需要側では広域経済圏構想「一帯一路」で輸出市場を開拓しつつ、米国に依存しない消費を中心とした内需主導の成長モデルの確立が課題だ。政府の都市化計画の進展により、今後も農村から都市への人口移動で世帯数の増加が見込まれ、家電製品などの需要増大が期待できる。
18年3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の政府工作報告では18年の政府活動として、第1に供給側構造改革による製造強国づくり、第2に国家イノベーション(技術革新)体系の建設が挙げられた。また経済運営の基本方針を議論する18年12月の中央経済工作会議では19年の重点項目として、第1に製造業の高度化推進が示され、第2に強大な国内市場の促進として消費環境の改善や消費能力の増強が挙げられている。
中国のGDPに占める消費の比率は17年に53.6%と過去数年で大きく伸びたが、日米など先進国の6〜7割と比べると低めだ。消費を中心とした内需主導の成長モデルを確立するには、都市化する農民層の所得水準向上など所得格差の縮小が求められる。
所得の不平等を示すジニ係数(1に近づくほど不平等)は、15年に0.462まで低下していたが、その後拡大に転じ17年には0.467となった。所得格差の縮小には今後、相続税や固定資産税を全国的に導入し、所得再分配政策を拡充する必要がある。
これら供給側の構造改革や消費拡大政策が効果を表すには数年の時間が必要だろう。その間、財政・金融政策による経済安定化が求められる。
◇ ◇
財政政策については18年12月の中央経済工作会議で、従来の積極的財政政策の継続とさらなる強化を打ち出し、大規模な減税や行政費用引き下げを進めることが挙げられている。19年1月には個人所得税と小企業の法人税の減税が実施され、3月の全人代でさらに大規模な減税を含む財政政策が決定される見込みだ。
つゆぐち・ようすけ 57年生まれ。東京大法卒。日銀北京事務所長などを経て現職。専門は金融論
金融政策についてはより弾力的に運営されている。16年12月の中央経済工作会議で、「穏健な」金融政策から引き締め気味を意味する「穏健中性の」金融政策に転換した。17年には民間部門や地方政府のバブル的な債務膨張と不良債権発生という金融リスクの防止が大きな課題とされ、デレバレッジが必要とされた。
17年10月開催の共産党第19回全国代表大会で習近平(シー・ジンピン)総書記が「重大リスクの防止、貧困脱却、汚染対策の難関攻略」を今後の課題として挙げ、「金融システミックリスクを生じさせないことが最低ライン」と指摘した。18年3月の全人代での政府活動報告でも同じ内容が強調され、一方で小型・零細企業の資金調達難・調達コスト高の解決が求められた。
その後デレバレッジの行き過ぎによる景気減速が意識され始めた。中国人民銀行(中央銀行)の金融政策執行報告では、18年4月ごろには流動性供給目標を従来の「合理的安定」から「合理的に十分余裕のある」水準に変更し、事実上金融緩和方向に転換したことが示唆されている。
18年7月の国務院常務会議(閣議に相当)では「穏健中性」から「中性」を除いた「穏健な金融政策」という表現となった。この間、人民銀は18年1月に小型・零細企業などへの貸し出しが一定水準に達した銀行に限り、市中銀行から強制的に預かるお金の比率を示す「預金準備率」を0.5〜1.5%引き下げ、金融緩和と同時に小型・零細企業などの資金調達難への対応が図られた。4月、7月、10月には条件を付けずに累計2.5%引き下げ、大型商業銀行の預金準備率は14.5%となった。
また12月には人民銀の銀行向け資金供給手段の適用金利について、民営企業、小型・零細企業などへの貸し出しが一定水準に達した銀行に限り通常より0.15%引き下げ3.15%とする制度を創設した。
しかし18年12月まで人民銀は「穏健中性」の金融政策という表現を使い続けた。また4月と10月の預金準備率引き下げの際には、同時に満期を迎える銀行向け資金供給手段を回収し、預金準備率引き下げによる資金供給を一部相殺すると公表している。
ただし一部相殺されても、預金準備率引き下げによるネット(純額)の資金解放は市場金利を引き下げ、金融緩和効果を有する。人民銀は依然として金融リスク防止との両にらみで、金融緩和への転換を明確に示すことに慎重だった。一方、18年12月の中央経済工作会議では改めて「中性」を除いた「穏健な金融政策」が打ち出された。
19年に入ると人民銀は1月2日に、前述の小型・零細企業向けの貸し出しが多い銀行向けの預金準備率引き下げ措置について、小型・零細企業の範囲を拡大する措置を公表した。1月4日には15日と25日にそれぞれ0.5%ずつ預金準備率を引き下げることを公表した。人民銀の公表文でも「中性」が外れて、「穏健な金融政策」に表現が変更された。一方で「水をじゃぶじゃぶ注ぎ込む」ような緩和はしないとも指摘して、バブル的な債務拡大が生じないよう一定の配慮を示している。
https://www.nikkei.com/content/pic/20190214/96958A99889DE6E3E0E2EBEBE5E2E3E1E2E0E0E2E3EB9997EAE2E2E2-DSXKZO4120999013022019KE8000-PB1-5.jpg
画像の拡大
さらに1月23日には18年12月に創設された民営企業や小型・零細企業などに対する貸し出しの多い銀行向けの低金利の資金供給制度を発動し、2575億元の資金を供給した。19年に入り人民銀は金融リスクに配慮しつつも明確に金融緩和に重点を移し、矢継ぎ早に緩和政策を発動している。同時に民営企業や小型・零細企業などの資金調達難、調達コスト高という問題の解決も図ろうとしている。
こうした金融政策の推移は人民銀が重視する7日物銀行間取引金利の動きに表れている(図参照)。同金利は16年の2.3%程度から17年夏に2.9%程度まで上昇したが、18年3月には低下に転じ、最近では2.6%程度となっている。人民銀が17年に引き締め政策を実施した後、18年春には金融緩和政策に転じていたことが示されている。
◇ ◇
中国政府は金融リスクの防止に一定の配慮を残しながらも、デレバレッジの行き過ぎを修正し、財政・金融政策を発動しており、短期的な景気減速への対応に明らかに重点を移している。今後も必要なら財政政策を拡大することが可能だし、金融政策面でもさらに預金準備率や金利を引き下げる余地が十分存在する。供給側構造改革や所得格差是正が実現されるまで、財政・金融政策で持ちこたえられれば、当面安定した経済成長を続けることが可能となろう。
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO41209970T10C19A2KE8000/
黄信号の中国経済(下) 目先の対応策、将来に禍根
伊藤宏之 ポートランド州立大学教授 2019/2/15付
ポイント
○中国企業のドル建て債務膨張に懸念強く
○政策総動員は可能で金融危機リスク低い
○効率的資源配分へ不振企業の延命避けよ
中国の2018年の国内総生産(GDP)伸び率は6.6%で、天安門事件の影響があった1990年以来28年ぶりの低水準となった。米国経済も一層減速する可能性があり、世界GDPの40%を占める1位、2位の経済大国の先行きが不透明になってきた。
中国の統計に対する信頼度はあまり高くな…
ポイント
○中国企業のドル建て債務膨張に懸念強く
○政策総動員は可能で金融危機リスク低い
○効率的資源配分へ不振企業の延命避けよ
中国の2018年の国内総生産(GDP)伸び率は6.6%で、天安門事件の影響があった1990年以来28年ぶりの低水準となった。米国経済も一層減速する可能性があり、世界GDPの40%を占める1位、2位の経済大国の先行きが不透明になってきた。
中国の統計に対する信頼度はあまり高くなく、市場の状況や政府の対応にも不透明な点が多い。実際は政府が発表する数字よりも悪いのではないかと不安感をあおられる。今後も米中貿易戦争の中国経済への影響や中国金融市場の動向などに世界の金融市場が敏感に反応することになる。
◇ ◇
米中貿易戦争とともに、中国経済の問題として挙げられるのは国全体が抱える巨額な負債だ。米ブルームバーグによると、17年の中国経済全体の負債額は32.5兆ドル(GDP比266%)を超え、10年間で4.4倍(GDP比で1.6倍)も膨れ上がった。国全体の総負債額のうち60%が企業負債であり同じく4倍以上膨らんでいる。足元では景気減速とともに企業倒産が記録的なレベルに達している。
国全体の負債はリーマン・ショック翌年の09年以降急速に拡大した。輸出の大幅な減少を受け、積極的な財政出動を進めるとともに、建設・不動産・インフラ関連業などへの融資も増やした結果、企業負債が膨らんだためだ。
マクロ刺激策に呼応し株式や不動産市場も活況だった。だが金融当局は市場が過熱した時は銀行の融資条件を厳格化したり、銀行を迂回した融資を手掛けるシャドーバンキングの規制を強めたりして介入する一方、市場が軟化した時には介入を緩めるなどして市場を安定化させてきた。
17年ごろから中国政府は企業負債の問題を懸念し、企業への与信や債務を抑制する政策をとり、18年中盤から効果が表れ始めていた。つまり政府の積極的な融資抑制により景気が軟化し、そこに貿易戦争が起きて製造業を中心として減速が強まったと言える。
企業部門の負債の中でもドル建て債務が11年ごろから急増し、17年第4四半期に450億ドル近くも膨らんだ(図参照)。企業部門の総負債からみれば比率的には大きくないが、国際金融と国内金融市場をつなぎ、中国の企業金融に大きな影響を与えている。
https://www.nikkei.com/content/pic/20190215/96958A99889DE6E3E0E4EBE0E3E2E3E6E2E0E0E2E3EB9997EAE2E2E2-DSXKZO4126923014022019KE8000-PB1-3.jpg
画像の拡大
中国に限らず、10年代に入り多くの新興国市場でドル建て債券が急増した。08年の世界金融危機以降、先進国が大幅な金融緩和をしたため、それまで欧米に流れていた大量の資金がより高いイールド(利回り)を求めて新興国市場に流れ込んだ。米国の低金利と自国通貨高により、新興国市場では多くの企業がドル建てで資金を調達し活発に投資した。中国でも人民元が強くなると、企業の間でドル建て対外債務が増加した。
しかし15年末に米連邦準備理事会(FRB)がゼロ金利政策をやめ金融引き締めが本格化すると、資金が新興国市場から米国へと流れ始めた。17〜18年にかけて引き締めペースが上がると、資金還流がさらに強まった。米金利上昇と米トランプ政権の大幅減税などの財政拡大政策もドル高に貢献し、新興国の通貨が下落基調となった。
その結果、ドルで調達した資金の返済負担が自国通貨換算で膨らみ、バランスシートが圧迫された。投資家は新興国市場から資金を引き揚げ、金融市場が下落した。
中国の人民元も同じ経過をたどった。元高時に拡大した債務の返済負担がその後の元安で企業に重くのしかかり、さらなる株式市場の不調と為替下落を引き起こしている。現時点で18年1月に比べ人民元は対ドルで6%程度、上海総合指数は2割以上下落している。この負のサイクルは実体経済にも影響を及ぼし、今後もドル高基調が続く限り中国にとって悩みの種となる。
中国当局としては景気減速を受け、積極的に財政出動し、金融面では融資基準を再度緩くしたり、停滞企業・産業に補助金を出したりするだろう。政府の国家債務は比較的大きくないことを考えると、金融機関の破綻や企業倒産が増えても、積極的なマクロ政策や金融機関の救済などを進めることは十分可能だ。
外貨準備高が3兆ドルほどあるが、対外債務が1.9兆ドルまで拡大していることを考えると、今までのように安泰とまではいかない。ただ金融当局は何としても金融不安を避けるための政策を総動員するので、金融危機のリスクは低いと考えられる。
◇ ◇
しかし当面の危機回避はそれなりのリスクを伴う。
まず景気安定化策が本来市場から退出すべき企業(いわゆるゾンビ企業)の延命につながり、かえって非効率な資源配分を引き起こし、中国経済の構造変化と長期的な成長を阻害しかねない。
17年にサービス業を中心とする第3次産業のGDP比率が51.6%となり、工業や建設業からなる第2次産業(40.5%)を初めて超えた。よって景気刺激策は新しい産業に資源を配分し構造転換を促すようにした方がよい。しかし政治的な判断に基づき生産性が比較的低い建設関連業や重厚長大産業、国際的な価格競争力が低下した低付加価値の製造業などに国有企業・銀行を通じて資源が配分される可能性が高い。
また仮に保護対象の産業の生産量が伸びても消費が追いつかないと、その分が安価な輸出として海外市場に流れ、特に米国との貿易摩擦を高める可能性も高い。特定の産業に対する融資基準緩和などもかえって将来の不良債権を増加させ、新たな金融不安の種をまくことになりかねない。
さらに今後国内の規制を避けるために、多くの中国企業がドル建て対外債務を拡大させるかもしれない。だがそれは中国経済が国際金融では米国経済の動向や政策により直接的な影響を受け続けるということを意味する。
現在のグローバル化した世界では、米国などの主要国により世界的な金融・資産市場の潮流が決まり、他の国々はそれに従うしかないとも言われる。しかし中国としては主要国、特に米国からのショックに常にさらされるのではなく、経済大国としての主体性を持ちながら国内経済を安定化したいと考えるだろう。
◇ ◇
いとう・ひろゆき 71年生まれ。UCサンタクルーズ校博士。専門は国際金融、金融政策
そのためには人民元を国際化することが不可欠となる。人民元が国際市場で自由に流通し利便性が上がれば、中国企業も人民元を使って海外からの資金調達が可能となり、ドルなどの海外通貨の動向に債務負担や経済全体が影響されにくくなる。
人民元は16年に国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)の構成通貨となり、形式的には国際通貨の一つだ。しかし実際には貿易や国際金融取引、中央銀行の保有する外貨準備をみても、人民元が主要な国際通貨になったとは言えない。そして株式や為替市場に国有企業・銀行を使い恣意的かつ不透明な介入をし続ける以上、人民元は投資家からの信頼も国際通貨としての信認も得られない。
中国経済当局は、短期的には景気後退や金融不安への対症療法をとるだけの資力はあり、今すぐに中国発の恐慌や金融不安が起きる可能性は低い。しかし対処を間違えると経済や金融システムにゆがみやストレスが蓄積され、将来の脆弱性を助長しかねない。そうした事態を回避できるかは、政策当局者が政治的な判断ではなく、長期的な中国経済の将来を見据えた政策を実行できるかにかかっている。
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO41269210U9A210C1KE8000/
前後の記事を読む一覧
ロイター
黄信号の中国経済(上) 投資バブル後の調整 不可避[有料会員限定]
経済教室2/13
黄信号の中国経済(下) 目先の対応策、将来に禍根[有料会員限定]
経済教室2/15
類似している記事(自動検索)
利下げが次の焦点に 人民銀、緩和姿勢鮮明に[有料会員限定]
2019/1/4 23:00
「預金準備率引き下げを」中国首相、金融緩和を示唆
2019/1/4 19:15更新
中国人民銀、預金準備率1ポイント下げ
2019/1/4 18:32
人民銀、社債市場下支え 資金供給の担保、9割超に拡大
2018/6/21 18:19
つまり営業活動か
この程度の付け焼刃では、いずれAIに置き換えられるのは確実
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/196.html#c5
自由貿易に反対する国民が多いと、どうなるかがわかる好例
くだらん
だったら秒読みしてみろ
http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/643.html#c9
当然、新しい物件が増え、家賃や価格が下がれば若者は喜ぶ