9. 母系社会[1320] leqMbo7Qie8 2017年7月05日 20:00:30 : 2Wi0fkE9tM : OY0@jtQRFBo[1]
●慰安婦には、日本軍将校と結婚した女性もいた。また、慰安婦だけでなく、日本兵も牛馬のように扱き使われ、その命は軍馬よりも軽かったので、慰安婦の中には、馴染みとなった日本兵と、お互いの境遇を相憐れみ、戦友同士のような関係になった女性も存在したと思われる。
しかし、慰安婦が病気などで死ぬと、適当に掘った穴に遺体を投げ込むだけで葬式などしなかったから、死んだ犬や猫と同じ扱いだった。
●世界では、慰安婦が<性奴隷>と規定された理由は明解であり、適切という他ない。というのは、戦時中の日本軍慰安婦と、戦後の米兵用日本人慰安婦との生活や労働内容を比較すれば簡単にわかる。
<<戦時中の日本兵用の慰安婦>>
@生活の場も仕事場である慰安所に限られる
A外出が可能な場合でも許可が必要で、行動範囲にも制限があった
B年季奉公式で拘束され、慰安婦は自由にやめることができない
C嫌な客も拒否することができない
<<戦後の米兵用の日本人慰安婦>>
@自宅等の好きな所に住むことが出来た
A休みの日には、本人の自由な意志で外出できた
B慰安婦の仕事をやめようと思えば、自由にやめられた
C嫌な客は拒否できた
以上、@居住の自由が制限があり、A外出の自由も制限され、B廃業の自由(職業選択の自由)も制限され、C仕事内容の自由な選択も制限されていたという4点で、日本兵用慰安婦と米兵用慰安婦とは大きく異なる。
これを根拠にして、海外では戦時中の日本兵用の慰安婦は「性奴隷」と規定されている。だから、世界基準では本人の意識=主観は無関係である。★
それで、日本人慰安婦には、どうせなら兵士の役に立ちたいと志願して慰安婦になった吉原の娼妓もいたが、そうした女性も「性奴隷」。
あるいは、家族のためにと自発的に慰安婦になった女性がいたとしても「性奴隷」。
また、自らの意思で効率的に稼げるという理由で慰安婦になった女性がいたとしても「性奴隷」。
このように生活と労働の実態から「性奴隷」と規定される。だから、仮にネトウヨが言うように、慰安婦は高賃金だったとしても「性奴隷」である。
仮に、日本軍や日本の官憲の拉致がゼロだったとしても「性奴隷」とされるし、「強制」という点では、業者に騙された詐欺や人身売買の被害者まで、そのまま慰安婦にしていたから、日本軍は<強制した>と言われてしまうのである。
実際には、オランダ人女性の例だけでなく、中国の南海島で、日本軍が農作業中の林亜金さんを拉致して慰安婦にしたし、中国の村を襲った時、女性を拉致して部隊専用の慰安婦にしたという類の日本兵自身の証言が多数ある。
(原告:林亜金さん(1924年生 黎族)http://hainannet.org/03-genkoku/hainan2_1_1.html)
●当時の日本でも、親が同意した人身売買は違法だった。しかし、当時から偽装的「法治国家」に過ぎなかった日本では、裁判所も事実上、人身売買を容認する有様で取り締まりはほとんどされずに人身売買が横行していた。だから、ネトウヨは吉原などの遊郭の遊女も「性奴隷」であるが、そうは思わないのである。
占領地の治安維持の責任もある日本軍は、人身売買や詐欺の被害者を救済し、解放しなければならなかったが、逆に、業者と共に逃げないように監視・監禁していたから、「強制」したと非難されている。★2
先述したように、世界の「性奴隷」の定義は、<居住の自由>、 <外出の自由>、 <廃業の自由>、<特定の客を拒否する自由>が無いという4点。この定義は、娼妓の客観的な労働と生活の様式から規定されている。
だから、<当時は人権意識が低く仕方がなかった>とかの歴史的限界性の問題は、概念規定の問題とは別であり、そうした概念規定がされた慰安婦という存在の<解釈>、<評価>の問題である。
★1:たとえば、自らの意思で効率的に稼げると期待して慰安婦になった女性がいたとしても、その動機を、そのまま正直に証言するとは限らない。そこで、慰安婦の定義=概念規定する場合、慰安婦の意識=主観は重視せず、外部から客観的に評価できる生活や労働の形態を重視する立場が「行動主義哲学」。
だから、この4点で慰安婦を規定するのは、「行動主義」的な定義=概念規定である。この「行動主義」では、真偽の判断が困難な主観=意識の重視は非科学的として重視せず、真偽の判断が比較的容易で、意見の相違が少ない客観=行動を重視して評価する方法が科学的と主張し、欧米では一時期、この「行動主義」が大流行した。
だから現在、海外では主流になっている慰安婦=「性奴隷」規定が気にくわない日本のネトウヨ的な論者たちが、この慰安婦=「性奴隷」という定義に反論する場合には、この「行動主義哲学」にまで踏み込んで批判しないと、世界では誰からも相手にされないのだが、彼らは全く気付いてもいない。
(あるいは、本を買ってくれる資金源であるネトウヨたちの<幻想>を維持するために、気付かない振りをしているのかもしれない)
★2:朝日新聞が記事を訂正して謝罪したが、実は、何と「強制連行」という言葉を最初に使用したのは「産経新聞」自身だった。今では想像できないが「産経新聞」は昔、案外良い新聞だったのである。