6. 2017年6月12日 19:55:12 : LUakltZyy6 : opDaW5t19cA[1]
>2さんの疑問に関連して
6/8参議院法務委員会での質疑
https://youtu.be/4RUafeSCZAc?t=17672
質問:
「これまで16年以上日本政府がこの条約に加盟しない事で不都合があったのか」
外務省の答え:
@「FATF金融活動作業部会※1から、日本がTOC条約(刑事共助条約)を締結していない為に国際的な捜査共助要請があった際に日本が条約の締結国と迅速、円滑な捜査共助が出来ずに負担になっていると指摘された。」
A「また日本には重大な犯罪の一部を除いて犯罪の既遂以前を処罰する(共謀罪 陰謀罪の様な)”合意罪”がない事から犯罪の双罰性※2を満たさない事によって合意罪にかかるような犯罪に対し、国際共助、協力が出来ない場合もあり得る。」
※1ファトフ【FATF】[Financial Action Task Force]
https://kotobank.jp/word/FATF-615191
※2そうばつせい【双罰性】
国際的な犯罪捜査共助の際に、協力を要請する国と要請される国双方の国内法において、対象となっている行為が犯罪として規定されていること。双方可罰性。
https://kotobank.jp/word/%E5%8F%8C%E7%BD%B0%E6%80%A7-666187
外務省の答えに対して自分の感想
@の答えに対しては、それならば現状でTOC条約をとりあえずでも締結すれば良い。そうすれば国際共助体制が組める。
《テロ等準備罪/共謀罪法案 参考人質疑》【参議院 国会生中継】〜平成29年6月1日 法務委員会〜 https://youtu.be/aPzTbEj9KsE?t=1727
この動画でも参考人の専門家にその様に指摘されている。
Aに対しては、世界には主に英米法の国と欧州大陸法の刑法体系がある。
共謀罪conspiracyは主に英米法を採用する国で執られている刑法体系であり、結社罪(参加罪)は欧州大陸法を採用する国で執られていえる刑法体系。
日本はドイツ刑法の影響を受ける、欧州大陸法の刑法体系に所属するとされる。
日本には共謀罪の様な重大な犯罪の合意を未遂以前の段階で処罰する法律は一部しかないので、英米の様な共謀罪を国内法に持つ国々と双罰性の関係が築けづ、捜査協力が出来ないと外務省は主張しているが、それではフルスペックの共謀罪を持たない他の欧州大陸法の結社罪を国内法で採用する国々と、英米の様な共謀罪を国内法に措いている国々の間では、双罰性がない為に捜査共助が行えないのか?という疑問が出てくる。
世界各国の刑法体系は共謀罪を持つ様な英米法の国々だけで構成されている訳ではない。
結社罪を国内法に於く欧州大陸法の刑法体系を採用する国々も多く存在する。
この点を踏まえると、(共謀罪の様な)合意罪がないから世界の合意罪を持っている国々(共謀罪を持っている英米の様な国)と捜査共助が出来ないという外務省の主張は片務的で、共謀罪の国もあれば、結社罪の国もあるという事実を反映していないと思われ、それを理由に合意罪の必要性を訴えるのは説得力がない様に思われる。
そしてこの問題に関しても法務委員会の参考人質疑に於いて専門家に「双罰性の問題は共謀罪の立法理由にはならない」と指摘されている。
https://youtu.be/aPzTbEj9KsE?t=2600
参考
【かんたん解説】パレルモ条約,FATF勧告と共謀罪の関係って,何?私たちが迫られている選択とは?
http://www.twitlonger.com/show/n_1spubsu