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名護市長選、自公系の新顔当選確実 現職稲嶺氏を破る
2018年2月4日22時41分 朝日新聞
沖縄県名護市長選が4日投開票され、米軍普天間飛行場移設計画を事実上容認する前市議で新顔の渡具知(とぐち)武豊氏(56)=自民、公明、維新推薦=が、反対する現職稲嶺進氏(72)=民進、共産、自由、社民、沖縄社会大衆推薦、立憲支持=を破り、初当選を果たした。辺野古で移設工事が進む中、市民は、反対を主張し続けてきた稲嶺氏を選ばなかった。投票率は76・92%だった。
移設問題が浮上してから6度目の市長選。翁長(おなが)雄志(たけし)知事は移設に反対しているが、安倍政権は「地元の理解が得られた」として工事を加速させるとみられる。一方、翁長知事は苦しい立場に立たされる。
渡具知氏は「基地問題にこだわり過ぎ、経済を停滞させた」と稲嶺市政を批判し、学校給食費の無償化や観光振興などを中心に訴えた。移設問題については「国と県の裁判を見守る」と言うにとどめる一方、米軍再編への協力が前提となる再編交付金を受け取って市の振興に活用すると主張してきた。
自民党は知名度の高い国会議員を次々と応援に派遣し、小泉進次郎・筆頭副幹事長は選挙期間中に2度、応援に訪れた。党幹部らも昨年末から水面下で何度も沖縄に入り、全面的に支援した。
稲嶺氏は、市長を務めた2期で、国からの米軍再編交付金がなくても地域振興を進めてきたと主張。「移設を受け入れて、子どもや孫に危険を残してはいけない」と「移設反対」を前面に出して訴えた。
翁長知事もほぼ連日、名護市に入り「基地は経済発展の邪魔になる」と街頭などで繰り返し訴えたが、支持は広がらなかった。(上遠野郷)