28. 日高見連邦共和国[11664] k_qNgoypmEGWTYukmGGNkQ 2018年12月23日 07:05:34 : 0z1HrMn5Oc : O2KrJpIpius[1]
続けます。
>>06氏 の仰られることは『数学』あるいは『統計学的』には間違っていません。
ですが、統計学を元にした『世論調査(分析)』を行う場合には、“間違い”なのです。
い、正確に言うと、“実際の分布(分散)”を充分に考慮しなくては間違い得るのです。
その論考を進めましょう。
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まず、『コイントス』や『サイコロ』による“出目確立”の問題。
統計学(数学)的には、“ランダムなコイントスや出目”と簡単に言って『前提条件』してオシマイですが
リアル(現実の事象)を捉える場合、そもそも“ランダム”で“公平”な行為(結果)なんて有り得ない。
例えば、コイントスやサイコロを振ると言う『実験』を行った場合を考察しましょう。
無限にその実験を繰り返せば、サイコロの両面の出る確率は無限に『1/2』に近ずく。
サイコロの出目も無限に『1/6』に近ずく。でも厳密に『1/2』にはならない。
特にコインの場合は、コイン自体の厚みが有りますから、『立ってしまう』可能性がある。
いいでしょう。コインやサイコロが(角)で立つ(出目が出ない)可能性は除去しましょう。
数学的に可能で、さすれば、無限回数の結果、出目は『1/2』、『1/6』に収斂されます。
でも、繰り返しますが、それは『計算上の仮定と数式の結果』であり、現実には即しません。
現実でのコイントすを再考してみましょう。
現実の物体は必ず、形状や重心の偏りがあるので、コイントスの出目は物理的に完全に均等ではない。
また、ランダムな出目を確保するには、コイントスの際の公平さ(ランダムさ)を担保しなければなりません。
ある程度の高さの所から、掌の中でコインを上下左右に揺らし、そのまま落下させる。
少なくともこの程度の配慮をしなければ、コイントスの出目のランダムさは確保できません。
コインを落とすとき、ある一面だけを固定して落下させたら、出目はランダムさを失います。
そのランダムさを失う度合いは、まず落下距離(高さ)が低くなればなるほど高くなるでしょう。
また、コインが落ちる面が机程度の平滑度と硬さを持っていれば、反発して跳ねますが、
低反発ウレタンのような素材であったならば、落としたままの面が固定される確率が高まる。
かように、数学的仮定(計算)では拘束できない諸問題が現実の実験、ひいては世論調査
のような『社会の実態調査』にはついて回るんだ、という認識が不可欠になるのです。
さらに意地悪な仮定をしてみましょう。
コインを落とす先が、毛先の長く硬い人工芝であった場合、コインが『縦になる(毛足に挟まる)』
可能性が高まります。その場合、『裏・表・縦』という『3つの出目)にちゃんと分解するか、
あるいは、刺さったコインがドチラかに傾いている傾向を見て『表・裏判定』をしちゃうのか
・・・もう、こうなると、数学的な統計論や実験の客観性の担保の話しの範疇外になっちゃいますよね。
これは、コイントスだけではなく、サイコロの出目にもまったく同じことが言えるのです。
確立を論じる数学(計算)や『統計学』では、こんな前提(議論)は、全くナンセンスでしょう。
ですが、現実での、その中でも特に人間の『心(判断)』が介在する場合の“調査”に関しては
上の論考を無視して『出て来た数字だけを客観視』して論じるのは大いなる間違いだと指摘します。
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例えば、コインを落とす先が『毛足の長い人工芝』の喩えは、民意における『内閣支持率』に適用されます。
コインが刺さったのケースが、内閣支持率という質問で言うと『分からない・判断できない』に相当します。
そしてその際、コインのどっちかへの僅かな傾きで以て『裏・表判定』するという行為は
世論調査の質問の際の『聞き返し』に当たるでしょう。『あえて判断すればどちらですか』と。
私が世論調査を評価する上で大事だと繰り返している点『中間意見の尊重』というお話しです。
現実の世論調査の実施の際の公平性の担保や結果の客観性の評価は、机上の計算では推し量れない。
少なくとも、ここで語ったような諸問題があることをちゃんと理解したうえく世論調査を実施し、
公平性と客観性を担保すべき『どう努力するか』が求められるの筈なのに、現状の世論調査媒体
にはそのような論理性、倫理性、科学性が“一切欠如している”と言わざるを得ないのです。
コインの落とし方、落とす高さ、落とす先の面の設定、中間の出目への評価・判断・・・。
世論調査の場合これらの公平性が客観的に担保されない時『バイアス』と言われるのです。
さて、如何でしょうか。
これでも『世論調査』が、統計学のロジックをそのまま当てはめて良いと判断できますかや?
これが、問題提起の“その1”です。