1. 2018年10月15日 05:56:36 : 2kPsPkcRcQ : k811r0P8Wi8[1]
佐高さん、ごもっとも。
ただ、ご本人も承知で発言していると思うのだが、佐高さんの言う「ジャーナリスト」が日本というメディア社会では成り立つのが難しく、大半は、要するに「会社員」なんだよね。
専門取材分野での知識、経験を積み、脂の乗り切った40代に現場を卒業するのが、いまの日本メディアのシステム。つまり、社内に入りデスクになったり、各取材セクションでの昇進を目指す格好になる。
こうしたシステムを嫌がり、ジャーナリスティックな志を持って現場重視のフリーになる者もいるし、実際、頑張っている方もいるが、ここにも会社システムの日本メディアの弊害がある。
阿修羅でも指摘される記者クラブ制度。“会社員ジャーナリスト”でないと、記者会見、資料配布等で仲間外れにされる。幾分は改善の兆しはあるが、政治家等への接触、経団連の取材でも、フリーの取材は難しい。
付け加えれば、もろもろの国際会議を取材したくても、取材記者証(クレデンシャル)の取得がフリーの場合は困難であるケースが多い。会社ごとに取材記者証は何枚と割り振られる。
現場重視の志を持ってフリーになっても、なかなか“現場”に近づけない。
となると、迷いながらも“会社員ジャーナリスト”の立場に甘んじる。大手メディアのいいところは正社員の場合、どんなに不況時であっても、給与は下がらない。
社会の理不尽さに対する憤りはあっても、給与は決して悪くないので、家庭では良き夫(あるいは妻)であり、良きパパ(あるいはママ)でいられる。サラリーマン化し、社会に対する怒りは次第に薄れる。日々のルーチンに埋もれていく。
会社自体も時の権力者側からの恩恵を受けている。自社ビルの土地の払い下げ等々…。となると、会社の上層部の権力者側と本気で事を構えるケースは控えたい。
度が過ぎる権力批判も会社としては、あまりしたくない。“会社員ジャーナリスト”としての限界を超えた記事には、時に厳しく、時にやんわり、チェックが入る。
権力者側にとっても、記者クラブ制度はもってこい。志を持ったフリーはいないのだから、かつての大本営発表で済み、“会社員ジャーナリスト”はそれをそのまま垂れ流してくれる。
それで国民の“洗脳”もできる。
NHKはいま、完璧にこの日本メディアのシステムに組み込まれている。読売は上層部の締め付けが末端に及んでいる。
産経はそもそも志がなく、論じるに値しない。
佐高さんは間違いなく、こうした日本のメディアの実態を理解している。ただ、彼もフリーだから、日本での実現が無理だと承知でジャーナリストの理想論を語り、世論喚起につなげたいと思っているのではないか。