921. 日高見連邦共和国[6256] k_qNgoypmEGWTYukmGGNkQ 2018年1月24日 21:18:16 : MDmwcOdTPY : JfNqjp9VCMg[1]
お待たせ!
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『日本改造計画』小沢一郎著 講談社刊 1993年5月20日第1刷発行/1993年7月20日第3刷発行
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■第1部 いま、政治の改革を
◆大久保、伊藤、原、吉田に学ぶ (P.26〜31)より抜粋
●明確な使命感
私は、日本の近代120年の歴史の中で、注目すべきリーダーとして4人を挙げたい。大久保利通、
伊藤博文、原敬、それに吉田茂である。この4人は、政治制度や権力基盤とうものを十分に理解し、
把握したうえで卓抜なリーダーシップを発揮した。彼らは、きわめて個性的な存在だ。それだけに、
周囲の意見に耳を傾ける物分かりのよいリーダーを理想視しがちな日本風デモクラシーの観念から
すれば、同時代の人たちからは決して高い点数は得られなかった。
(中略)
吉田茂は首相として四面楚歌の中で政治生命を失った。
(中略)
先に挙げた4人のリーダーに共通しているのは点は何だろうか。何よりも時代の大きな変化に直面
して、果敢に国づくりを推進したことだ。
(中略)
最後に吉田茂は、親米英派と官僚集団を権力基盤にして、GHQと取り引きしながら第二次大戦後の
改革を進め、講和独立を達成したのである。
彼らがこのように強力なリーダーシップを発揮できた理由は何だろうか。
私は、彼らが強烈な国家意識、つまり使命感と、それを実現するための権力意思を持っていたことだ
と思う。彼らは、周囲の批判を受けながらも自らの使命を果たすために、権力構造を完全に掌握し、
実行のための体制を固めたのである。
(中略)
●権力を行使しない危険
戦後、片山・芦田内閣のあとを継いだ吉田茂はどうだったか。
昭和24年の総選挙で与党自由党が絶対多数を確保した。にもかかわらず、吉田はなお政治的安定を
求めて第2保守党である民主党との連立を計画し、その一部と合同した。自分が描いていた戦後の
新しい国家を実現するには、自由主義勢力が政治の舞台で圧倒的な地位を占める必要があると考えた
からだ。その目論見は成功し、吉田は圧倒定な勢力を背景にして、新憲法で強化された首相の権限を
存分に発揮し、戦後日本の繁栄の基礎を築いたと思う。
彼ら4人は、なぜ、批判を浴びながらも、このような権力基盤を強化したのか。日本の政治風土の中
では、どれほど実力のある個性的なリーダーでも、強力な権力基盤がなければ強いリーダーシップを
発揮できないことを知っていたからだと私は思う。
(中略)
すなわち、4人の先達を見習って、「首相は何をなさざるべきか」という発想を大きく転換し、
「首相は何をなすべきか」という視点に立ってリーダーシップを発揮すべきである。
(以下省略)
■第2部 普通の国になれ
◆日本の責任と役割 (P.109〜111)より抜粋
●誤解されている「吉田ドクトリン」
とりわけ、私が問題だと思うのは、戦後保守政治の基本哲学といわれるいわゆる「吉田ドクトリン」に
関する誤解である。吉田首相は経済優先の政治を確立して成功した、だからこの方針は変えるべきでは
ない、といった意見がある。これは明らかにおかしい。
第1部でも述べたように、吉田首相は、冷戦下の戦略として経済優先の選択をしたにすぎないのである。
経済優先は吉田首相の政治哲学によるものではなく、まして不変の政治原則ではない。そのことを吉田氏
は昭和38年に書いた『世界史と日本』の中で明確に述べている。少し長くなるがあえて、引用したい。
「当時において日本が再軍備に踏み出すことは、経済的にも、社会的にも、思想的にも不可能な
ことである・・・。
しかし、それは私の内閣在職時代のことであった。その後の事態にかんがみるに連れて、私は日本防衛
の現状に対して、多くの疑問を抱くようになった。当時の私の考え方は、日本の防衛は主として同盟国
アメリカの武力に任せ、日本自体はもっぱら戦争で失われた国力を回復し、低下した民生の向上に力を
注ぐべしとするにあった。然るに今日では日本をめぐる内外の諸条件は、当時とく比べて甚だしく異な
るものとなっている。経済の点においては、既に他国の援助に期待する域を脱し、進んで後進諸国への
協力をなし得る状態に達している。防衛の面においていつまでも他国の力に頼る段階は、もう過ぎよう
としているのではないか。私はそう思うようになったのである。
たびたびの外遊、特に欧米旅行において、私は、自由世界の国々を視察し、その指導者達と膝を交えて
会談したが、これらの国々が既に戦争の痛手から脱却し、その指導者達が何れも、自国の責任において、
自由陣営への寄与を志すべきだと感じるに至ったのである。
(中略)立派な独立国、しかも経済的にも、技術的にも、はたまた学問的にも、世界の一流に伍するに
至った独立日本国が、自己防衛の面において、いつまでも他国依存の改まらないことは、いわば国家と
しての片輪の状態にあるといってよい。国際外交の面においても、決して尊重される所以ではないのである。
(文中に差別的な表現がありますが、吉田茂氏の発言の意図を忠実に再現するため、原文のまま使用しています)
この吉田氏のことばは、30年前のものとはまったく思えない。冷戦構造下の日本政治の特異性が、実に
よく表れてる。冷戦終結後の今日においてなおのこと、一刻も早く「吉田ドクトリン」の誤解から脱却し、
新しい戦略を打ち立てなければならない。
(以下省略)
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これでまた、ヤツの‟嘘つきっぷり”が2つばかり証明されちゃいましたネ!
http://www.asyura2.com/18/senkyo238/msg/181.html#c921