43. 2017年4月09日 01:41:11 : wCeeZHwcck : ivdt36pECO8[1]
反対する者が必要以上に細目に拘るのは組織的犯罪集団に法の抜け道を教えようとしているからのように思えて仕方がない。
やましいことがなければ反対する理由がない。
反対する者はテロ組織、暴力団、薬物密売組織、振り込め詐欺集団などの「組織的犯罪集団」の関係者または被害妄想狂だろう。
普通に生活していてもテロに巻き込まれる可能性は十分にある。
特に東京五輪は要注意だ。
テロ等準備罪の処罰対象は他にも暴力団、麻薬犯罪組織、振り込め詐欺集団などの組織的犯罪集団だ。
だからテロ等準備罪が絶対に必要だ。
個人的には、犯罪を未然に防止したり犯罪者を処罰することに限定するならば、盗聴・通信傍受も止むを得ないと思っている。
それに関する法の不備があれば法整備をすればいいだけのことだ。
またそれ以外の方法で知ることもあるだろう。
プライバシーも安全あっての話だ。
なぜ民主党政権時代にパレルモ条約を締結しなかった?
「現行法のままでも締結できる」などという嘘をつくな。
治安維持法を引き合いに乱用の可能性を指摘する声もあるが、治安維持法の構成要件は曖昧で、拷問や裁判所の手続きを経ない拘束が行われていた。現代とは民主主義の成熟度も全く異なり、「現代の治安維持法」という批判は中身がない。
「テロ等準備罪」は国際常識、成立を急げ 2017年4月6日
「テロ等準備罪」について「朝日新聞」などが相変わらず全面否定の論陣を張っている。
テロ等準備罪を新設する組織犯罪処罰法改正案は、日本が「国際組織犯罪防止条約(パレルモ条約)」を批准するために必要な国内法である。
日本周辺の国際情勢の厳しさを見れば、なぜいま同条約を批准しなければならないのかが分かるはずだ。北朝鮮の脅威、不安定さの中で左傾化する韓国情勢などが懸念されるが、2020年の東京五輪に向けて日本を狙ったテロや犯罪が国内外で発生する危険は高まり続けるだろう。テロや犯罪防止に最も必要なのは何と言っても情報である。情報は国際社会との協力の中でこそスムーズに交換される。
こうした事情から、各国は相互に協力し合ってきた。その枠組みが「国際組織犯罪防止条約(パレルモ条約)」である。国連加盟国の96%、187か国が締結しており、未締結国は日本を含めて11か国のみである。
政府は同法案を2017年3月21日に閣議決定し、2017年6月中にも成立させたい方針だが、国会は森友学園問題などに日程を取られ、議論が進んでいない。「朝日新聞」をはじめとするメディアは、法案の趣旨を歪曲して報道し続ける。同紙は2017年3月22日、1面トップで「『共謀罪』全面対決へ」との見出しを掲げた。政府提案の「テロ等準備罪」という名称さえ、「必要に応じて使用」はするが、「犯罪を計画段階で処罰する『共謀罪』の趣旨が盛り込まれている」ために、「共謀罪」と呼び続けると宣言した。
同紙は、「内心の自由 踏み込む危険」という小見出しも掲げたが、もし、今回の法案に個々の人間の内心の自由を抑圧する内容が本当に盛り込まれているのであれば、私とて許容できない。だが、法案をきちんと読めば、その懸念は払拭されている。
2006年、自民党と公明党が「共謀罪」を国会に提案した時、私は衆議院法務委員会で参考人として意見を述べた。当時は、現在、朝日新聞が報じているような懸念が実はあった。従って私は率直に法案に対して抱いていた危惧について語った。
明確な歯止め
私の発言は主として2点に絞り込める。
@共謀罪は必要である。
A但し、個々人の心の中にまで入り込んで規制し、言論の自由や思想信条の自由を阻害する余地のないように、目に見える歯止め、外形的要件を定めるべきである。そのために与党は民主党(現民進党)の修正案を受け入れるのがよい。
2006年、民主党は立派な修正案を出しており、朝日新聞も民主党と同じような主張をしていたのだ。
改めて当時の私の発言を、議事録を取り寄せて読んでみた。逮捕や強制捜査が無闇に行われ、内心の自由が脅かされる危険性を、私はとても気にしている。言論人として、そうしたことは受け入れ難いと強調し、捜査や逮捕に至る外形的要因を定めるよう、求めている。その気持ちは今でも全く同じである。
興味深いことに、私も朝日新聞も、さらに民主党も、捜査権や逮捕権の暴走に歯止めをかけよと同じように主張していたことになる。
但し、私と、朝日新聞及び民主党の間には、共謀罪が日本にとって必要か否かという点において、決定的な違いがあった。私は必要だと、当時も今も考えている。現に2006年の発言録では、共謀罪は必要だということを、私は計6回も繰り返している。
さて、2017年の今、政府が提案したテロ等準備罪新設法案は、当時の共謀罪のものとは大きく異なる。最大の違いは、2006年には「重大な犯罪を行おうと具体的に合意したこと」を罪に問えた。ところが今回は、「合意に加えて実行準備行為があること」が、処罰の要件とされた。私が要望し、朝日新聞も求めていた明確な歯止めが施されたのだ。民主党の要求も容れられた。朝日新聞が言う「内心の思い」だけでは処罰されない。今の政府案は以前と全く変わっていないとの朝日新聞の主張は明確な間違いだ。
前回は処罰の対象となる犯罪数は615だったが、今回は277に絞り込まれた。インターネット配信の「言論テレビ」で2017年3月31日、参院議員の佐藤正久氏が語った。
「共謀罪の対象となるのは死刑または4年以上の懲役、禁錮の罪に相当する犯罪です。その基準で全てを洗い出して数えたら676もあった。けれどもその中には公職選挙法違反なども含まれていた。これは全く組織犯罪には当たらない。それで、組織的犯罪集団が関係しそうな麻薬やマネーロンダリングなどに関わる犯罪に絞り込んで、277になりました。労働組合などは捜査対象組織とはならないことが、以前より、ずっと、はっきりしました」
現行法では無理
それでも、朝日新聞も民進党も納得しない。現在、日本にある種々の犯罪取締法で十分取り締まれると主張する。本当にそうか。佐藤正久氏は、現行法では無理だと主張する。
「私がテロリスト集団の一員だと仮定します。仲間が刑務所にぶち込まれた。救い出したい。そこで一般人を人質に取って、刑務所の仲間と交換しようと考えた。今の法律では、テロリストたちがそんな計画を立てても、手を出せない。彼らが人質取るために武器を購入しても捕まえられない。武器を携行して狙った人のいる家の近くまで行っても逮捕できないのです。なぜって、まだ犯行に及んでいませんから」
日本の法律では、犯人たちが武器を持って狙った家に侵入した段階ではじめて、逮捕できるというのだ。人質を救うこと自体、どれだけ大変なことか。犠牲者がでる危険性も十分にある。だが日本の法律は、基本的に犯行後に対する処罰であり、本来守れるものも守れない。
佐藤正久氏は別の事例を語った。
「テロリストが水源に毒を入れて多くの人を殺害し、社会に混乱を起こそうと計画したと仮定します。現行法では計画を立てても、毒を購入しても逮捕できません。毒を持って水源場に行っても何もできません。現行法で逮捕できるのは、彼らが水源に毒を投げ入れた瞬間なのです」
水源はどうなるのか。環境は汚染され、人々は死に追いやられる。そんな事態が予測されても、事件が起きるまで取り締まれない現行法で万全なはずはないだろう。
「テロ等準備罪の下では、犯人たちが人質を取るための武器を買ったり、水源地を汚染する毒を入手した段階で逮捕、取り調べができるようになります。テロ等準備罪が現行法の重大な大きな穴を塞ぐ機能を果たすのです」と、佐藤正久氏。
96%の国々が締結している「国際組織犯罪防止条約(パレルモ条約)」を日本が批准すること、そのための法整備を進めることが、なぜ、受け入れられないのか。朝日新聞をはじめとするテロ等準備罪に反対するマスコミは反対のための反対はやめるべきだ。民進党・共産党・自由党・社民党・沖縄の風なども反対のための反対はやめるべきだ。山口二郎・法政大教授などの左翼言論人も反対のための反対はやめるべきだ。
過去3回廃案となった共謀罪@「共謀罪」と今回のA「テロ等組織犯罪準備罪」の相違点
■適用対象
@団体⇒A組織的犯罪集団
■構成要件
@合意⇒A「合意」+「具体的な準備行為」
「テロ等準備罪」に規定される厳しい要件
要件を満たす事例
要件を満たさない事例
■「テロ等準備罪」に規定される厳しい要件
@犯罪主体の限定
4年以上の懲役・禁固刑を定めた「重大な犯罪」の実行を目的とした組織的犯罪集団によるもの
A具体的・限定的な計画(合意)の存在
B重大な犯罪を実行するための準備行為
■要件を満たす事例
・テロ組織構成員らがテロを計画、化学物質を調達
・暴力団組員らが対立組織の幹部を射殺することを計画、拳銃購入のための資金を用意
■要件を満たさない事例
・企業が脱税を計画、裏帳簿を作成→@を満たさない
・酒席で同僚と「上司を殴りたい」と会話→どれも満たさない
国際組織犯罪防止条約(パレルモ条約)のメリット
法務省関係者は「パレルモ条約に加盟すれば、捜査共助や犯罪人引き渡しの条約を結んでいない国に対しても捜査協力を依頼できるようになる」と説明する。
捜査共助は国同士が犯罪捜査を協力し合う制度だ。「刑事共助条約」を締結した相手国であれば、法務省を通じて現地の捜査当局に捜査協力を依頼できる。
具体的には、容疑者の人定や犯罪に利用された金融機関の口座照会、関係者の所在確認を依頼することも可能になる。例えば、平成23年に発覚したオリンパスの損失隠し事件では、東京地検特捜部が刑事共助条約に基づき、米司法省に捜査共助を要請している。
ただ、日本が刑事共助条約を締結しているのは米国、韓国、中国、香港、EUとロシアのみ。それ以外の国であっても、外務省を通じた外交ルートを利用して協力を依頼することは可能だが、必ずしも協力が得られるとはかぎらない。
相手国に逃走している容疑者の引き渡しを取り決めた「犯罪人引き渡し条約」に至っては、日本は米国、韓国の2カ国としか結んでいない。そうした中、「パレルモ条約に入れば、外交ルートを経由せず相手国の捜査機関と直接、迅速なやり取りができる」(法務省幹部)という。
国際組織犯罪防止条約(パレルモ条約)を締結していない国連加盟国
日本、イラン、コンゴ共和国、ソマリア、ソロモン諸島、ツバル、パプアニューギニア、パラオ、フィジー、ブータン、南スーダン
法務省
「組織的な犯罪の共謀罪」に対する御懸念について
http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji30.html
組織的な犯罪の共謀罪〜 対象となり得るケース・ならないケース〜
http://www.moj.go.jp/content/000003506.pdf
組織的な犯罪の共謀罪に関するQ&A
http://www.moj.go.jp/content/000001561.pdf
2017.4.6 22:07更新
【テロ等準備罪】
組織犯罪処罰法改正案が審議入り 安倍晋三首相「常時監視の懸念は全く無用」
http://www.sankei.com/politics/news/170406/plt1704060035-n1.html
共謀罪の構成要件を厳格化した「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が6日、衆院本会議で審議入りし、安倍晋三首相も出席して趣旨説明と質疑が行われた。与党は月内に衆院を通過させる構えで、今国会での成立を目指す。
改正案は、過去3回廃案となった共謀罪と異なり、テロ組織や麻薬密売組織など「重大な犯罪」の実行を目的とした「組織的犯罪集団」に適用対象を限定した。具体的な計画(合意)に加え、資金調達や犯行現場の下見などを実行するための「準備行為」も要件とした。
安倍首相は本会議で「重大な結果の発生を未然に防止できる」と意義を強調し、3年後の東京五輪に向け「テロ対策に万全を期すことは開催国の責務だ」と語った。187の国・地域が入る国際組織犯罪防止条約を締結するためにも法案成立が必要だと訴え、「犯罪の嫌疑がなければ捜査は行われない。捜査機関が常時国民の動静を監視するようになるといった懸念は全く無用だ」と語った。
民進党や共産党などは一般市民が対象になる可能性があるなどとして廃案を求めている。日本維新の会は対案を提出する方針だ。
2017.4.6 22:17更新
【テロ等準備罪】
衆院本会議での質疑要旨 安倍晋三首相「内心を処罰することはない」、民進・逢坂誠二氏「恒常的な国民監視が前提の法案だ」
http://www.sankei.com/politics/news/170406/plt1704060040-n1.html
共謀罪の構成要件を厳格化した「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が6日の衆院本会議で審議入りした。質疑要旨は以下の通り。
土屋正忠氏(自民)「法案は、国際組織犯罪防止条約(TOC条約)を締結するために必要な法整備を行うものだ」
安倍晋三首相「資金源を絶つことがテロ根絶の効果的な方策だ。条約は、テロを含む幅広い国際的な犯罪組織を効果的に防止するための枠組みであり、すでに187の国と地域が締結している極めて重要な条約だ。わが国が国際社会における『法の抜け穴』となるわけにはいかない」
逢坂誠二氏(民進)「首相は『共謀罪法案』を作らなければ日本はテロに対抗できない危険な国だ、という誤ったメッセージを世界に発信した」
首相「(治安)情勢は常に変化しており、テロ対策に『これで十分』ということはない。さらなる努力を放棄するような政党には政権を担う資格はない」
逢坂氏「恒常的な国民監視が前提の法案だ」
首相「対象となる団体をテロリズム集団、暴力団、薬物密売組織などの組織的犯罪集団に限定しており、一般の方々や正当な活動を行っている団体が適用対象になることはない」
国重徹氏(公明)「(環境保護団体などが)主義主張をアピールするための座り込みを計画しただけで、組織的犯罪集団にあたってしまうのではないかとの懸念の声がある」
金田勝年法相「一般の会社や市民団体、労働組合などの正当な活動を行っている団体が対象とはならない。自然環境や景観の保護などを主張する団体は、結合関係の基礎が正当な目的にあるものと考えられ、組織的犯罪集団にあたることはなく、座り込みを計画したとしても処罰の対象となることはない」
藤野保史氏(共産)「内心を処罰する法律を作れば、政権と捜査機関次第で恣意(しい)的に解釈され、自由な社会を押しつぶしていく」
首相「(過去に廃案となった)共謀罪について『内心が処罰の対象となる』などの懸念や批判を払拭するため、実行準備行為があって初めて処罰の対象とすることにより、内心を処罰することではないことをより一層明確にしている。捜査機関が常時、国民の動静を監視する『監視社会』になることはない」
松浪健太氏(維新)「対象犯罪の中には著作権法違反などの親告罪がある。実行行為が親告罪であれば、計画行為も親告罪になる。この点を法文上も明文化すべきではないか」
金田氏「(計画行為も)親告罪となるものと考えている。明記するまでもなく、解釈上明らかだ」
松浪氏「GPS(衛星利用測位システム)捜査の立法も必要ではないか」
松本純国家公安委員長「最高裁で『立法的措置が講じられることが望ましい』旨の判決がなされた。判決の内容を踏まえ、関係省庁とも必要な連携を図りながら適切に検討する」
2017.4.6 22:27更新
【テロ等準備罪】
論点整理 構成要件は共謀罪より厳格化 一般人は対象外
http://www.sankei.com/affairs/news/170406/afr1704060034-n1.html
「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が6日、衆院本会議で審議入りした。野党は「内心の自由を脅かすものだ」などと反発するが、通常、国政に関わる発言は控えている検察関係者からも「法案に反対する人は本当に日本のことを考えているのか」といった本音が漏れる。従来の共謀罪に対する懸念を払拭するため、テロ等準備罪は構成要件がより厳格化されたからだ。国会審議を見据え、論点を整理する。
■共謀罪との違いは?
「共謀罪という言葉が一人歩きし、あたかも居酒屋で会社の同僚と話し合っただけで処罰されるといった誤解が広まったが、テロ等準備罪で構成要件が明確になった意義は大きい」
検察幹部がこう指摘するように、テロ等準備罪は、過去3度廃案になった共謀罪とは大きく異なる。具体的な計画(合意)が存在することに加え、凶器の購入資金や化学物質調達など重大犯罪を実行するための準備行為があった場合に限って適用できるからだ。
適用対象は「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」と明記されており、一般市民や一般企業が処罰されることもない。構成要件をみれば、「内心の自由を脅かす」といった批判はあたらないことが分かる。
■空白地帯をカバー
テロ等準備罪によって、現行法で対処できなかった空白部分をカバーできるようになる。確かに、現行法でも殺人やハイジャック防止法など重大犯罪に対しては、実行前に取り締まることができる共謀罪、予備罪、準備罪の規定はある。
このため野党から「現行法で対処できないのか」との声も上がるが、法務・検察関係者は異口同音に「現行では共謀・謀議の段階での身柄拘束には高いハードルがある」と指摘する。
予備罪の規定はあるものの、これまでは、客観的に相当な危険性があるとは認められず適用できなかったケースや、そもそも予備罪の規定がなく、準備段階の証拠しかなかったために処罰できなかった組織犯罪も処罰できる可能性がある。
■国際条約締結に不可欠
2020年東京オリンピック・パラリンピックを踏まえ、各国と協調しテロに対峙(たいじ)する国際組織犯罪防止条約(TOC条約・パレルモ条約)の締結が急務だが、国内担保法の整備が進まない日本は未締結。条約は「4年以上の懲役」が科せられる重大犯罪について共謀罪を設けるよう求めており、今回の法案成立は国際連携の輪に加わるための最低条件となる。
条約に加盟すれば、日本の捜査機関が、これまで捜査共助の条約を結んでいなかった国に対しても、外交ルートを介さずに捜査協力を依頼できるようになる。逃走している容疑者の引き渡しを相手国に求めることも可能となり、日本は犯罪捜査上の多くのメリットを享受できるようになる。
2017.4.6 23:07更新
【テロ等準備罪を考える】
「乱用」批判は当たらない 条約締結の根本的義務 弁護士・木村圭二郎氏
http://www.sankei.com/affairs/news/170406/afr1704060038-n1.html
国際組織犯罪防止条約(TOC条約)の締結は平成15年に国会で承認された後、たなざらしにされてきた。条約を締結すれば、各国間で組織犯罪などに関する捜査情報などが共有できるほか、締約国の当局同士が大使館などを経由することなく直接やり取りすることも可能となり、スピードや量の面でより実効的な協力態勢が整うこととなる。
テロ等準備罪は、犯罪の実行を基礎的な目的として組織された「組織的犯罪集団」の行為に適用対象を絞っており、通常の労働組合や市民団体が適用対象となることはない。また、犯罪が成立するには、合意を具体化した「計画」や、「計画」を遂行した「準備行為」が必要で、構成要件はかなり厳格になっている。
治安維持法を引き合いに乱用の可能性を指摘する声もあるが、治安維持法の構成要件は曖昧で、拷問や裁判所の手続きを経ない拘束が行われていた。現代とは民主主義の成熟度も全く異なり、「現代の治安維持法」という批判は中身がない。
テロ等準備罪の対象犯罪は当初の676から277に絞り込まれた。対象犯罪の数が多いという批判に対応するため、「組織犯罪」に対象を限定したもので、こうした対応は、まさに民主的なプロセスが機能していることを示している。
日本弁護士連合会は「共謀罪(テロ等準備罪)を規定しなくても条約締結ができる」との条約解釈を前提に反対しているが、この解釈は誤っている。テロ等準備罪の制定は、条約が重要な目的とする刑罰の国際的統一のための根本的義務で、この罪を規定しない限り、締結できないことは明らかだ。政府としての条約解釈権限を持つ外務省も、同様の見解を示している。
日弁連は法律家集団として、法的に根拠のある議論をすべきだ。日弁連は法的理屈よりも結論ありきで反対しているのが現状で、強制加入団体の在り方として、大いに疑問が残る。
テロ等準備罪は野党による与党攻撃のための政争の具とされているが、条約では振り込め詐欺などの犯罪収益が国外で没収された場合に「返還要請を行った締約国に返還することを優先的に考慮する」といった、被害回復につながる規定もある。組織犯罪に関する情報交換や捜査協力が、テロ対策を含むわが国の治安向上に資することは言うまでもない。国会では、こうした組織犯罪対策の面から建設的な議論をすべきだ。(談)
2017.4.7 05:03更新
【主張】
テロ準備罪の審議 国際社会の環に参加せよ
http://www.sankei.com/politics/news/170407/plt1704070006-n1.html
「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が衆院本会議で審議入りした。
安倍晋三首相は「東京五輪・パラリンピックの開催を控え、テロ対策に万全を期すことは開催国の責務だ」と述べ、法案の成立を訴えた。
同罪の新設は、国連が採択した「国際組織犯罪防止条約」を批准するために求められた条件である。
日本はいまだ締結に至らず、国連加盟国中、未締結国は日本を含め、イラン、南スーダン、ソマリアなど11カ国にすぎない。
いつまでも日本が、テロ組織や国際組織犯罪に対峙(たいじ)する国際社会の弱い環(わ)でいるわけにはいかないはずだ。国民をテロや犯罪集団から守るための法改正でもある。政府は堂々と論戦に応じ、法案を通してほしい。
条約締結のために新設を目指した「共謀罪」は、「市民団体が処罰される」「内心の自由を侵害する」などの曲解や「居酒屋で上司を殴る相談をしても逮捕されるのか」といった極論にさらされ、過去に3度、廃案となった。
テロ等準備罪はこのため、共謀罪の構成要件を厳格化した。「組織的犯罪集団」を明確に限定し、犯罪を実行するための準備行為を処罰の対象とした。法案を読む限り、懸念は払拭されている。
共謀罪はいわば、国連の求めに対する満額回答であり、テロ等準備罪は、各国の国情や国内法に応じた許容範囲に当たる。
それでも、野党の反対は止まらない。民進党の山井和則国対委員長は会見で「1億総監視社会をつくりかねない危険極まりない法案だ」と述べ、社民党の又市征治幹事長は「思想・信条の自由などを侵す明白な違憲立法である」との談話を発表した。これらは反対のための反対に陥っていないか。
新法が処罰や捜査の対象とするのは、「テロリズム集団などの組織的犯罪集団」が、犯罪を実行するための準備行為を行った事案に限られる。テロ等準備罪による1億総監視や、個人の思想・信条に踏み込むことはできない。
政府にも注文がある。
法案に「テロリズム」の文言を使う以上、組織的犯罪集団の例示にとどめず、改めてその定義を新法にうたうべきではないか。その上で、法改正がテロとの戦いにどのように寄与するのか、具体的に語るべきである。
2017.4.7 15:00更新
【西論】
法曹界の左傾 戦後の偏りを自覚せよ
http://www.sankei.com/west/news/170407/wst1704070006-n1.html
テロ等準備罪を設ける組織犯罪処罰法改正案が、国会に提出された。
批判しているのは、野党や左派メディアだけではない。日本弁護士連合会(日弁連)。監視社会を招く恐れがある、などとする意見書を出し、集会を開いて反対活動を続けている。
この法案に限らない。
安保法案の採決から1年となる昨年9月、日弁連は法の廃止を求める会長談話を出した。いわく、「憲法違反の安保法制」の運用は、「立憲主義や恒久平和主義に対するより深刻な危機となる」。
安保法案の採決に至るまで日弁連は、意見書を出し集会を開いて反対を続けた。採決の際も会長声明で抗議している。
あるいはまた、死刑や原発の廃止を、宣言や会長声明の形で訴えているのも日弁連である。一昨年、安倍晋三首相の戦後70年談話が注目されているとき、日弁連会長談話は、日本が「植民地支配と侵略」で多くの国の人を苦しめたと位置づけ、その反省の上に立った現行憲法の尊重を訴えた。
一部を拾っただけでも、これらが特定の政治的な主張であることがわかる。左といわれる政治団体やメディアの主張に近い。
弁護士が本来、公平であるべきなのはいうまでもない。これらの主張はその公平さを逸脱している。
記しておくなら弁護士は、日弁連への登録が義務づけられている。現実には、政治的にさまざまな立場の弁護士がいよう。ところが全体としては、特定の方向にバイアスがかかってしまっているのである。
◆憲法というイデオロギー
日弁連は左傾化している、と見るのが自然である。ある政治的な勢力の浸透もうかがわせる。
しかし、ことは弁護士だけの話ではない。この左傾は、法学者にもときには裁判官にも、見られてきたものなのである。法曹界そのものの左傾として、捉えられるべき問題だろう。
なぜかと問う前に、安保法案に関して一昨年7月、朝日新聞が行ったアンケートを振り返りたい。
憲法学者ら209人に聞き、122人が回答した。安保法案が「憲法違反」と答えた人が104人。自衛隊については「憲法違反」が50人、「違反の可能性」が27人だった。
筆者は疑問に思うのだが、自衛隊が「違反」「違反の可能性」と答えた学者たちは、では自衛隊を廃止せよと、今も訴えているのだろうか。安保法案が違憲だと訴えるなら、その前に自衛隊の違憲性を正すことが道理のはずではないか。
しかし自衛隊員が命をかけて日本を守ってくれているのが、この国の現実である。隊員の真心に応えるならば、現在の条文では違憲と読まざるをえない憲法を改正せよとこそ、訴えるべきではないのか。
ここに法曹界の左傾の病根が、顔をのぞかせている。まず現行憲法ありきなのであって、現実に即して憲法を考える姿勢がない。北朝鮮のミサイルの脅威も、国民を守っている自衛隊の存在も、彼らの眼中にあるとは思えない。
ある社会集団を制約する思想や信条の体系をイデオロギーと呼ぶならば、ここにあるのは「憲法イデオロギー」とでも呼ぶべきものだ。現行憲法が無批判の大前提となり、さまざまな判断を制限してしまっているのである。
◆日本にふさわしい憲法を
この左傾は、どこに由来するのだろう。
筆者は単純に考えている。最高法規たる戦後憲法そのものが、左に偏ってしまっているからである。
社会のなにものかを保守する立場を右、否定し革新する立場を左と図式的に見るとしよう。戦後アメリカが作った憲法は、左に軸足を置いている。9条は、国権、交戦権という国家の権利の否定である。主権の一部を否定することで憲法は、日本を革新しようとしたといってよい。
そのような新憲法が広く受け入れられたのは、戦争への反動もあっただろう。しかし月日がたち、日本を取り巻く安全保障環境は格段に悪くなっている。
さらに日本の場合やっかいなのは、戦後を覆った容共的な思潮が、憲法と同調していった点である。
これも筆者なりにいえば理由は単純で、マルクス・レーニン主義の特徴の一つは、国家を否定し廃絶することにあるからだ。
共産思想と親和性のある戦後の進歩的知識人の多くは、主権の一部を否定する憲法を擁護する位置に立った。法学にとどまらず、護憲を唱えることが戦後の主流となってしまった。
しかしそのような憲法イデオロギーにとらわれず、日本の現実を直視し、日本人の常識を大切にし、国柄にふさわしい憲法を考えようと声を上げている法曹人もいる。
過日亡くなった小寺一矢・元大阪弁護士会会長もそんなお一人だった。
訃報に接し、評伝を書かせていただいた。「人生を愛し、日本を愛した」と見出しをつけた。通夜の日、その紙面を棺(ひつぎ)に入れてくださっていた。
法曹界の左傾を正していくことは、なお筆者らの責務だと思っている。小寺氏に教わった若い世代は、「戦後72年 弁護士会」という連載を始めた。第1部は「政治闘争に走る『法曹』」。
謹んでご霊前に報告させていただく次第である。 (論説委員・河村直哉)
2017.4.8 05:03更新
【産経抄】
民進党議員が「国民と日本社会の最大の危機」と主張しているのは… 4月8日
http://www.sankei.com/column/news/170408/clm1704080002-n1.html
米国がとうとう、化学兵器使用が疑われるシリアのアサド政権の空軍基地を攻撃した。「アサドの行動を変えさせるための何年にもわたるこれまでの取り組みは、大きな失敗に終わった」。トランプ大統領の声明は、融和的だったオバマ前政権からの姿勢転換を、強く印象付けた。
▼折しも中国の習近平国家主席が訪米し、トランプ氏と初顔合わせをしている最中での出来事である。国連安全保障理事会決議に反して5日、弾道ミサイルを発射したばかりの北朝鮮と、その後見役である中国に米国の本気を見せつけたかのようでもある。
▼「米国の対北先制攻撃は結構あり得る。相当なところまで来ている」。自衛隊最高幹部の一人は事態をこう分析する。当然のことながら北朝鮮有事は、わが国の安全保障にも国民生活にも多大な影響を与える。韓国で暮らす邦人の保護も喫緊の課題である。
▼外務省は3月、外交に関する国内世論調査を公表した。それによると、東アジアの安全保障環境は一層厳しさを増していると考える人は9割近い88・5%に上り、前回平成27年12月の調査を6・4ポイント上回った。国民は「今そこにある危機」に気付いている。
▼にもかかわらず、別天地のようにのんきな議論が延々と続いているのが国会である。民進党議員が「国民と日本社会の最大の危機」と主張し、「総力戦で粉砕」すると訴えるのは、北朝鮮の核でもミサイルでもなく、一般市民は対象外の「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案のことなのだ。
▼国民意識から周回遅れの野党や一部マスコミをまともに相手にするよりも、政府にはもっとやるべきことがある。安全保障上の不備や、それを解消するために必要な措置を真摯(しんし)に訴えてもらいたい。
法務省
参加罪を選択しなかった理由
http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji35-5.html
○条約第5条は、参加罪について、組織的な犯罪集団の犯罪活動に参加する行為を犯罪とするだけではなく、犯罪活動以外の「その他の活動」に参加する行為についても、自己の参加が当該犯罪集団の目的の達成に寄与することを知っている場合には、これを犯罪とすることを義務付けています。
○しかし、我が国においては、このように、必ずしも特定の犯罪との結び付きのない活動に参加する行為自体を直接処罰する規定の例がありませんので、そのような法整備を行うことについては、慎重な検討が必要であると考えられます。
○これに対して、条約第5条の定める共謀罪は、「重大な犯罪を行うことを一又は二以上の者と合意すること」を犯罪とするものですが、このように特定の犯罪を実行することの共謀を処罰の対象とすることについては、刑法第78条の内乱陰謀罪や、爆発物取締罰則第4条の爆発物使用の共謀の罪など、現行法にもその例がありますので、我が国の法制にもなじむと考えられます。
○このようなことから、政府としては、条約第5条の義務を充たすための法整備を行うに当たり、参加罪ではなく、もう一方の選択肢である重大な犯罪の共謀を犯罪とする法整備を行うことが適当であると考え、組織的な犯罪集団の関与する重大な犯罪の共謀に限って処罰する「組織的な犯罪の共謀罪」を設けることとしました。
法務省
「組織的な犯罪の共謀罪」の創設が条約上の義務であることについて
http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji35-1.html
○国際組織犯罪防止条約第5条は、締約国に対し、重大な犯罪(長期4年以上の罪)の共謀(共謀罪)又は組織的な犯罪集団の活動への参加(参加罪)の少なくとも一方を犯罪とすることを明確に義務付けています。
(参考条文)第5条 組織的な犯罪集団への参加の犯罪化
1締約国は、故意に行われた次の行為を犯罪とするため、必要な立法その他の措置をとる。
(a ) 次の一方又は双方の行為(犯罪行為の未遂又は既遂に係る犯罪とは別個の犯罪とする。)
(i ) 金銭的利益その他の物質的利益を得ることに直接又は間接に関連する目的のため重大な犯罪を行うことを一又は二以上の者と合意することであって、国内法上求められるときは、その合意の参加者の一人による当該合意の内容を推進するための行為を伴い又は組織的な犯罪集団が関与するもの
(ii ) 組織的な犯罪集団の目的及び一般的な犯罪活動又は特定の犯罪を行う意図を認識しながら、次の活動に積極的に参加する個人の行為
a組織的な犯罪集団の犯罪活動
b組織的な犯罪集団のその他の活動(当該個人が、自己の参加が当該犯罪集団の目的の達成に寄与することを知っているときに限る。)
○この点、我が国の現行法には、一部の犯罪を除いて、犯罪の共謀を処罰する規定はありませんし、組織的な犯罪集団の活動への参加を一般的に処罰する規定もありません。
したがって、我が国の現行法は、条約第5条が定める義務を充たしておらず、「組織的な犯罪の共謀罪」を設けることなくこの義務を充たすことはできないと考えています。
○なお、この点に関連して、「国連の担当事務局が作成している『立法ガイド』によれば、共謀罪と参加罪のいずれも設けないことが許されるのではないか。」との指摘がありますが、「立法ガイド」の記載は、共謀罪又は参加罪の少なくとも一方を犯罪とすることを明確に義務付けている条約第5条の規定を前提として、共謀罪を選択した国は参加罪を設ける必要はなく、参加罪を選択した国は共謀罪を設ける必要はないことを述べたものに過ぎず(「立法ガイド」を作成した国連の担当事務局も、我が国の照会に対し、このような理解が正しい旨回答している。)、この指摘は当たらないと考えています。
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/724.html#c43