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News:実用段階にきた粉末状のICチップ
http://www.itmedia.co.jp/news/0209/05/nj00_jeita_myu.html
2002年9月5日 11:59 PM 更新
実用段階にきた粉末状のICチップ
日立製作所が開発した粉末状のICチップ「ミューチップ」。先月から量産が始まるなど、いよいよ実用に向けて動き出したこのチップが目指すのは、“気軽に捨てられる”デバイスだ
米粒よりもさらに小さな粉末状のICチップが、いよいよ実用化の段階に来たようだ。
粉末状のICチップとは、日立製作所が昨年6月に発表した「ミューチップ」のことだ。9月5日に行われたデジタル家電フォーラム2002の中で、この世界最小の無線ICチップの技術説明や最新動向が語られた。
ミューチップは、とにかく小さい。そのサイズは縦横が0.4ミリ角で厚さはなんと0.06ミリ(60マイクロメートル)だ。コピー用紙の厚さが約0.1ミリなので紙よりも薄いということになる。
指の上にあるホコリのようなのがミューチップ
「もともと、紙に埋め込むことを目標に作られた」と、日立製作所ミューソリューションベンチャーカンパニーCEOの井村亮氏は語る。
「4年程前に“紙幣の偽造防止にIT技術を応用できないか”と打診があったのが、ミューチップ開発のきっかけ。半導体のチップをどんどん小さくしていったら、紙幣にも埋め込むことができるのではという考えからスタートした」(井村氏)。
小さなビンに入ったミューチップを手に語るミューソリューションベンチャーカンパニーCEOの井村亮氏
このような経緯から、まず決まったのがチップのサイズだったという。紙幣に埋め込むため、紙よりも薄くしなければいけないのは当然だが、折り曲げたりもする紙幣では表面積もできるだけ小さくなければならない。「極小にすればするほど、人間がいくら折り曲げてもチップからすればまだまだ平らな状態となる。とにかく小さくすることが必要だった」(井村氏)。
だが、“先に大きさありき”だったため、極小のICチップにはそれほどたいした機能は入らない。「そのためミューチップでは、読み出し専用のROM方式を採用した」(井村氏)。
だが、ROM方式では後から情報の変更ができない。ましてや、0.4ミリ角にはいる情報などたかが知れている。果たしてこんなチップが役に立つのだろうか。
「実は、ミューチップには38ケタの数字が記録できる。つまり、10の38乗という途方もないスケールの数字の組み合わせが可能となるのだ。これは事実上無限大といっていい。地球上のありとあらゆる商品に番号を割り振っても、使い切れないほどの組み合わせが小さなチップで表現できる」(井村氏)。
これまでの無線ICチップは、書き換え可能なRAM方式が主流で、商品情報やユーザーの属性などさまざまな情報はICチップ側に記録していた。ミューチップのユニークなところは、製造過程で1個1個にまったく違う番号(背番号)を割り振ってROMに書き込んでしまうことだ。
「ミューチップの原理はバーコードと同じ。チップに割り振った背番号をもとにホストコンピュータのデータベースを参照して情報を得る方法を採用している。これならチップ側に商品情報やユーザーの属性といった各種情報を持たなくても済むほか、巨大な情報データもチップに割り振ることができる。ROM方式なので情報の改ざんができないのも特徴。情報はすべてホストコンピュータ側にあるため、紛失したり盗難にあったりしたときのセキュリティ度も高い」(井村氏)。
先月から量産が始まるなど、実用段階に入ったミューチップ。井村氏によると、大手の製紙メーカー数社がこのミューチップを埋め込んだ紙を試作し始めているという。「紙に埋め込むことができれば、小切手や有価証券、入場券などにも応用できる。1番有効なのは、パスポートに埋め込むこと。空港での個人認証の際に、そのつどデータベースにアクセスして確認できるため、パスポート偽造が非常に難しくなる。また、ミューチップが埋め込まれた紙をプリンタ用紙として使うことにより、印鑑証明や住民票といった公的機関が発行する書類も、自宅のプリンタで気軽に印刷することが可能になる」(井村氏)。
大手製紙メーカーが試作した“ミューチップペーパー”
そのほかにも、有名ブランドメーカーが模造品防止策としてハンドバッグなどにチップを埋め込むという計画や、製鉄メーカーがSCM(サプライチェーンマネジメント)にミューチップを採用する話しが進んでいるという。
従来のRAM方式の無線ICチップの単価は100円前後したが、シンプル構造のミューチップは8インチの半導体ウェハーで20万個取れるため、将来的には数十円から10円前後にまでコストダウンが図れる見込みだ。
「コストダウンで数十円になったCD-Rは、今や使い捨てメディアとなった。ミューチップは、シリコンICがこの世の中に登場してから初めての“気軽に捨てることが出来るデバイス”になることを目指している」(井村氏)。
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[西坂真人, ITmedia]
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