101. 2017年12月17日 19:41:29 : sDyWCvyR92 : H@a1FKL@7lU[1]
乳製品が乳癌を促進するメカニズム
・ホルモンは、循環血液中に存在して身体の様々な部位に情報を伝達する。
・ホルモンの血中濃度は非常に低いが、その作用は極めて強力である。
・ホルモンのごくわずかな濃度変化によって、身体は非常に大きな影響を受ける。
・情報メッセンジャーであるホルモンには、哺乳動物の中で共通点が多い。
乳には、プロラクチン、オキシトシン、ステロイドホルモン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(Gn-RH)、成長ホルモン放出因子(GRF)、インスリン、ソマスタチン、レラキシン、カルシトニン、ニューロテンシン、プロスタグランジン、などは母体の血液より高い濃度で含んでいる。上皮増殖因子(EGF)、インスリン様成長因子(IGF-1)、神経発育因子(NGF)など多数の成長因子も含んでいる。
環境ホルモンの例)
外因性内分泌かく乱物質(環境ホルモン)の一例として、トリブチルスズ(有機スズ化合物)のムシロガイ(巻貝の一種)に対する影響として、海水中に5ppt(1兆分の5)という極低濃度であったにもかかわらず、メスの輸卵管にオスの生殖突起が発生して(メスのオス化)、輸卵管に自らの卵が詰まって死んでしまった。
・ヒトと牛では、インスリン様成長因子(IGF-1)の構造が同じ。
・牛乳は、人の母乳よりIGF-1濃度が高い。
・IGF-1は、60℃、30分殺菌や175℃、45秒の加熱殺菌でも壊れず、濃度も減少しない。
IGF-1(インスリン様成長因子)とは
インスリンと同じような働きをもつ成長因子という意味。
インスリンとIGF-1はともに細胞を大きくする作用がある。
インスリンの主たる作用は、血液中に余分にある栄養分を細胞内に蓄える。
IGF-1は、細胞の分裂と増殖を起こし、その作用は、細胞の分裂増殖が最も盛んな時に発揮される。
・IGF-1は、IGF-1受容体を介して乳癌細胞の増殖を促す。
・培養乳癌細胞は、ごく微量のIGF-1に反応して分裂増殖する。(in vitro)
・培養乳癌細胞と乳癌の生検によって得られた癌細胞はIGF-1受容体を持ち、その結合能は正常乳腺細胞より大きい。
・乳癌細胞には、IGF-1受容体が過剰発現している。
・牛乳中のIGF-1は、消化管から吸収されて血液中に入る。
(牛乳中の主要タンパクであるカゼインや脂肪球によりIGF-1やホルモンなどの生理活性物質は、消化液による分解を免れて血中に入る)
・健康な被験者が牛乳摂取前後での採血による血漿IGF-I濃度の結果では、10%増加した。
・牛乳には、女性ホルモンであるエストロジェンが含まれている。
・牛乳中のエストロジェンがインスリン様成長因子(IGF-1)の増加をもたらす。
・エストロジェンは、普通の牛乳だけでなく、低脂肪乳、無脂肪乳にも存在する。
・牛乳中のエストロジェン濃度は、その牛の血中濃度よりも高い。
・エストロジェンは、牛乳中に硫酸エストロンとして存在する。
・妊娠しているメス馬の尿から抽出された硫酸エストロンを主成分とするプレマリン(更年期障害治療薬)が、経口エストロジェン剤として婦人科領域で使用されているように、牛乳中の硫酸エストロンは口から入ってエストロジェン作用を示す。
・IGF-1やエストロジェンの濃度が高くなくても、乳癌や前立腺癌などのホルモン依存性癌細胞の分裂・増殖を促進する。
・タモキシフェン(医薬品:経口ホルモン剤)
女性ホルモン(エストロゲン)の作用を妨げる代表的な抗ホルモン剤。エストロゲンががん細胞の持つエストロゲン受容体と結びつくとがん細胞が成長します。タモキシフェンはその前にこの受容体と結合してエストロゲンを排除し、がんの成長を押さえます。
http://www.ncc.go.jp/jp/ncch/division/pharmacy/pdf/Tam.pdf
参考まで)
・植物エストロジェン(ファイトエストロジェン)
イソフラボン(大豆に多い)、クメスタン(発芽野菜に多い)、リグナン(亜麻仁油に多い)などがあり、乳癌や前立腺癌にタモキシフェンと同様の作用で予防的に働く