19. 2017年2月05日 19:49:57 : B1xOdnbesE : gynMDOjtB14[1]
>>17さん
>しかし、「浸食速度が永遠に続くわけでなくデブリは徐々に冷えていき速度は当然落ちてくるから・・・」という楽観視は現時点ですべきではないと思う。
私>>8,>>15。再臨界がまた生じるとか特別な異変が起こらない限り基本的には徐々に冷えていくという考えはそう間違ってないと思うよ。
ただ温度低下の勾配が問題問題になると思う。>>15では触れなかったけど、JNESの報告書ではアルゴンヌ国立研究所のACE実験を基にした温度低下のシュミレーションをしてる。
その米国でのACE実験はデブリに見立てた2400℃にタングステンヒーターで加熱した300Kgの質量の模擬試料を質量200kgのコンクリートのうえに置いた比較的小さな円筒形の実験装置内で行った。JNESの報告結果はこの実験でのL2とL5という実験パターンを用いてシュミレーションしたもの。
この二つのパターンはデブリとコンクリートの各質量、デブリ初期温度(2400℃)は共に同じだが、L2はヒーター出力を100KWにしていてL5は60KW。またコンクリートの種類も異なる。L2は硅土質コンクリートでL5は石灰岩コンクリート(一般砂コンクリート)だ。ちなみに硅土質コンクリートは浸食速度が石灰岩コンクリートより速い結果となっている。
このシュミレーションでは温度低下測定の経過時間が最大3時間弱までしか試されてないので長期間にわたる低下率がどのくらいになるかは判断できないが、3時間範囲の結果グラフによれば、L2、L5とも実験開始5分間後頃まで開始温度の2400℃がいったん2600℃強(L2)〜2500℃強(L5)に上るがその後はもとの開始温度近くまで下降しその後はL2では極ゆるく下降するだけで3時間後は2400℃となった。
L5も低下曲線はL2ほぼ同じパターンを描くが3時間後には約2350℃でL2より50℃だけ低くなった。JNES報告書ではクラスト(殻)の温度のL2とL5の差に言及していてその原因はヒーター出力の違いにあると推測してるが
この3時間後のL2とL5の終局温度の差もそのあたりが原因かもしれないね。
以上はシュミレーションの温度低下の結果だけど、これは実際の事故ではデブリの質量、初期温度(実際は2800℃まで上がる)、絶対量の違いによる冷却時間の差(例えば熱湯を入れた大型ヤカンと小型ヤカンの冷めるまでの時間を比べれば判る)などまるで違うので、実験よりさらに温度は下がりにくいと推測できるでしょう。もちろん3時間などでは温度低下など0だと思う。
小規模の実験では3時間では温度低下は0またはわずか50℃だけど、少なくとも温度上昇はしてないことを考えれば数日間も計測してればこの実験の質量程度では確実に温度低下していくのは間違いないと思う。
ということで、私の知る範囲では「低下していくのは間違いない。しかしその質量規模や水の供給の有無と量によってどのくらいの期間でどのくらいの温度まで低下するのは判らない。」というこの程度のことしか判らないよ。少なくとも初期の浸食速度で長期間の間、初期の浸食速度を保つと言うのは無理だろうと思うよ。