13. 2018年4月02日 16:11:26 : cEgBb08SrA : gVSVKttCoOg[1]
私か慰安婦について買かれた本を読んだのは1980年代だったと記憶している。たまたま通っていた高校の図書館にあったものを読んで衝撃を受けたものだった。
戦後まもなく質の悪い紙で印刷された「カストリ雑誌」と呼ばれる一群の娯楽雑誌があったそうだが、そこに連載された庶民の体験を元にした「戦記もの」を集めて再出版したという本もあって、そこにも朝鮮人慰安婦は哀れな存在としてふつうに登場していた。
近所に満州で捕虜になり、シベリア抑留を体験した元兵士のご老人がいたが、ある時、酒を飲みながら「可哀想な慰安婦たち」について語ってくれた。
元慰安婦の女性たちが名乗りを上げ、新聞、テレビが取り上げるようになったのはそれから10年も後である。
新聞各紙やテレビがこぞってそれを取り上げていたが、慰安婦の存在がねつ造だという人はまだいなかったと思う。
兵士として戦地に行って慰安婦を当てがわれた人たちは当時六十代後半から七十代。まだかくしゃくとして各界で重鎮として活躍されていた方も多い頃だ。
旧日本の恥部とはいえ、彼等の世代の男性たちには常識であったことを覆すなど、考えられなかったのだろう。(例えば「ゲゲゲの鬼太郎」の作者、水木茂氏は兵士として自らが目撃した慰安婦を描いている。)
思えば慰安婦ねつ造論が盛んになったのはそうした人々が亡くなったり、引退された頃からである。
戦時中はせいぜい、幼い子どもであったろう櫻井よしこ氏などは若い頃は慰安婦の存在など知らなかくて当たり前だが、しかし、彼女はジャーナリストとなった。
慰安婦が名乗り出た頃には、まだ相当に存命していた兵役経験のある年配男性に幾人か当たってみれば、それがねつ造かどうかはすぐにわかったはずである。
しかし、本人がはじめからねつ造して否定する気でいたならば仕方がない。
もちろん、そんな人はジャーナリストの名に値しない「ねつ造家」であるが。
他国が知る真実を歪曲する国は信用されない。ドイツの世論がユダヤ人迫害など無かった。ナチスの犯罪とされたことはすべて濡れ衣だったなどと言ったら、ドイツはEUの中で今の地位を得ることはできなかった。
日本が戦後もアジアの中で大国ぶることができたのは、超大国アメリカの庇護と朝鮮戦争の特需を契機にした経済成長だったが、その二つを失いつつある現在、アジアの中でどんな地位を得られるというのか?櫻井氏は考えたこともないのだろう。