9. 2017年12月30日 12:13:40 : NZ4fYImJBU : fE6oRPQvrMA[1]
植草氏>「現実に日本株価は大幅に上昇した。その最大の背景は、日本の上場企業の収益水準が高く、かつ、大幅増益基調が持続したこと」
大企業の内部留保急増から、上場企業の大幅増益基調は間違いないだろうし、これが株高をもたらしたのも事実だろう。しかし、株高は金融緩和の側面からも捉えられるべきだ。結論から言えば、野口悠紀雄も指摘(※)している如く、現行経済の異次元金融緩和は、正に経済のジョン・ロー化であり、こうした側面が株高に大きく影響している点を、見よつうことだ。ジョン・ローは、ルイ15世下で巧く財務総監に潜り込んだが、破産状態の国家財政を、手品のように解決し、財政破綻を雲散霧消させる荒業を見せた。ローの手口は、現代の中央銀行に相当する自分の銀行を設立し、ここの発行紙幣を国家紙幣と同等にした。次に彼は、ミシシッピ会社を設立し、鉱山開発から巨額利益揚がると大宣伝し、株式を発行したわけだ。宣伝が効いて、当社株式はうなぎ昇りに上昇したが、ローの手口が巧妙なのは、この株式を、当時すでに人気失墜で大幅下落の国債と、市場価格でなく額面価格で交換可能と、国民に宣伝した点であった。国民は、掴んだババが再度金(キン)に蘇生できるつうんで、競って国債を株式に交換(国債を額面で処分し、株式購入)した。こうしてミシシッピ会社には巨額資金が集中し、それでもって当社は、王室に12億リーブル貸付けた。この貸付額は、当時の国債残高のおよそ半分つうから凄い。
ミシシッピ会社の株式は、更に買われ上昇したが、問題は配当だ。配当のカネをどう工面するか、ローは自分の銀行が発行する紙幣で配当を支払うことにし、株主もこれを受け入れた。当初は、ローの銀行の紙幣は信用持ち流通し、会社の株式も騰りに騰がり、熱狂状態からバブルになった。しかし、こうした詐術はいつまでも続かない、銀行の紙幣への疑念が広まり、金(gold)への交換要求が起きた。金などあるわけないし、銀行破綻、会社株式暴落で、ローの手品もあえなく一巻の終わりとなった。
現在の政府・日銀の量的金融緩和政策も、ローがやったような”国債の貨幣化”と何ら変わることなく、政府はセッセと紙幣を増発することで、国債償還をやってるのだ。但し日本の現状は、日銀当座預金は増えたが、つまりマネタリーベースは増えたが、企業貸出の増加つうかマネーストックの増加にはつながらず、インフレには至ってない。よって厳密にいえば、日銀の国債購入代金は、現状は日銀当座預金という形で止まってるわけで、未だ”貨幣化”とは言えない。しかし、こうしたやり方は、やがて貨幣価値を毀損し、経済は混乱させ、株価暴落を招かない保証はない。ジョン・ローのシステムが破綻したように、現状の日本経済も極めて危うい橋を渡ってるといえる。当論文での植草分析も、別に株式上昇万歳と浮かれてるわけでないし、2018年へ向けての警告もしてるわけだから、極めて妥当な分析と評価できるが、来2018年は荒れそうは、間違いなさそうだ。1佐助氏も金(gold)に言及してるが、上っ放れようなことあると、何かの前兆かも知んねえな。
http://www.asyura2.com/17/senkyo237/msg/702.html#c9