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暴走トランプ氏、欧州と鋭く対立 G7の舞台裏 安倍首相 とりなし役
2017/6/4 0:30 日経新聞
地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱を表明したトランプ米大統領。その決断の予兆となったのが1週間前の主要国首脳会議(タオルミナ・サミット)だった。関係者の証言から議論を再現すると、持論を振りかざすトランプ氏がドイツのメルケル首相ら欧州の首脳と激突。橋渡しに腐心する安倍晋三首相をよそに国際協調より孤立を選ぶトランプ氏の姿があった。
■途切れた音声
サミットはトランプ氏の遅刻で歓迎式典の開始が10分遅れ、最初から不穏な空気が漂った。その流れを引きずって入ったシリア情勢や北朝鮮などを巡る初日の政治討議はいきなり激論。会議室には首脳とシェルパと呼ばれる首脳の個人代表しか入室できず、随行団は別室で映像を見て議論を見守るのが慣例だが、今回はその映像の音声が突然切れる場面があった。
サミットでは話が機微に触れると外部への音声を遮断する合意がある。しかし、実際に途切れたのはウクライナ問題でロシアがG8を脱退した直後に開いた2014年のブリュッセル・サミット以来。日本政府関係者は「初参加の首脳が多いにもかかわらず、異例の激論となった証しだ」と証言する。
焦点の1つはシリア情勢を巡りアサド政権を支持するロシアとどう向き合うか。ウクライナ問題の対立を引きずる欧州と日米で議論がぶつかった。安倍首相は「ロシアを巻き込まないと解決しない」とロシアとの対話を主張。欧州側は厳しい対ロ姿勢を求め、平行線となった。
■対中で結束呼びかけ米説得
続く貿易を巡る討議では議論はさらに過熱。トランプ氏は「互恵的な貿易が重要だ。相手国の関税が30%なら米国も30%に引き上げる」と保護主義的な主張をまくしたてた。たまりかねたメルケル氏は「ドイツの対米黒字は我々の商品の高品質の表れだ」などとトランプ氏の批判に反論した。
その後にとりなすように安倍首相が発言し「保護と保護主義は違う。例えば知的財産の保護はどの国でも当然やる。重要なのは自由で公正な市場の確保だ」と指摘。対中国を念頭に自由で公正な貿易体制の重要性に触れてなんとかトランプ氏を納得させた。
翌日のパリ協定を巡る議論ではトランプ氏の孤立ぶりは一段と鮮明になった。離脱阻止を促す欧州首脳に安倍首相も加わり「環境問題は雇用を生み出せる。(電気自動車の)テスラがそうだ。ドナルドの腕の見せどころじゃないか」と諭したが、トランプ氏は無言だった。
■トランプ氏だけカートで移動
同行した日本政府関係者は「トランプ氏が途中帰国しないだけよかった」と話す。実際、各国首脳がヘッドホンの同時通訳で話を聞いているのに、トランプ氏だけヘッドホンをせずに話を聞かない場面も。屋外で各国首脳が歩く際にはトランプ氏が1人でカートで移動する場面も目撃された。
「(首脳宣言の)草案作りの段取りも学ぼうとしていた」。サミット後、議長国イタリアのジェンティローニ首相はトランプ氏の外交素人ぶりを公然と皮肉った。メルケル氏も「他国を頼れる時代は終わった」と語り、米国への不信感をあらわに。薄氷の結束はいつ氷解してもおかしくない。
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO17281610T00C17A6EA4000/
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/587.html#c1