13. 2017年3月19日 21:56:03 : dIy8kCRTos : enuoQHhQv90[1]
この国のマスコミ記者のレベル(質)が低すぎる! その理由と原因がどこにあるのか?
その答えの一端を、3/15の菅野完氏へのインタビュー(メディア・スクラム)で見た気がした。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00352502.html
blob:https://www.dailymotion.com/618b9cc6-1a58-4598-ab0e-1bb790ae5c2d
籠池氏の上京した3/15、これを追いかけてライター菅野完氏の自宅マンションに大挙して押しかけたメディア記者たちを見ながら、私は映像に向かって怒鳴りたい気持ちが押さえられなかった。「能(脳)なしのバカヤロウ記者ども!」
記者「籠池氏が会見を中止した理由は? 誰かに止められたとかは?」
菅野氏「いろんな要素です。」
記者「籠池さんは、話したいと言っていらっしゃるんですか?」
菅野氏「僕にはね。」
記者「はぁ〜? 『僕には』というのは、つまり、国民の皆さんにたいして一般の国民・府民にたいして、今回の国有地の話についてですから、菅野さんを通して説明したいと、そういうふうに受け止めてよろしいのですね。私たちも、それを仕事としているわけですし。」
最後の記者の質問にたいして、菅野氏は「今、国有地の問題とおっしゃいましたけれど、籠池さんから交換条件をいただいております」と言って、2人の重要人物の写真を掲げた。一人は当時の理財局長 迫田英寿氏(現国税庁長官)、もう一人は大阪府知事 松井一郎氏である。
籠池氏は現理財局長の佐川氏から「10日間でいいから、身を隠してくれ」と言われたというが、その理由について、菅野氏は「それは迫田氏を守るためでしょう」と氏の推論を述べ、さらに、「今、大阪府は、もう一人の重要人物=松井一郎大阪府知事を守ろうとしている」と付け加えた。
菅野氏「皆さん、この2人の官舎とマンションの前に、これぐらいの(量の)カメラを並べました?」
菅野氏「籠池氏は国有地取引の疑惑について問われているが、国有地払い下げの決定に権限をもっているのは当時の理財局長・迫田英寿であり、小学校開設の許可に大きな権限と影響の一端をになっていたのは大阪府自治・松井一郎です。籠池氏がどう関与しようとも、(審議と決定については)決済印・認可印が押せないのです、彼は『私人』ですから。これにたいして、認可の判子を押せるのは松井知事であるし、国有地決済の最後の印を押せるのは近畿財務局の局長と当時の財務省理財局長・迫田氏なのです。であれば、国有地の売買と小学校の開設疑惑について判断の責任を問われるのは、私人である籠池理事長ではなく、公人である理財局長と公人である知事ではないですか? マイクを向け、カメラを向けるべきは政治家と役人ではないですか?
みなさんは、どうして私人の籠池氏や、ライターの菅野の家の前には大勢で押しかけるのに、もっとも疑惑の中心人物である迫田氏と松井氏の家の前には張らないんですか?」
菅野氏の痛烈なメディア記者批判である。
ところが、ここでひとりの頭の悪い若い記者が「理財局長も国会で答弁してますし、松井知事も毎日会見されていますが」と反論した。
ここで、私は堪忍袋の緒が切れた。頭と勘の悪いのは天分だから仕方がないとしよう。(実は、頭も勘も、鍛えれば良くなる!) しかし、この記者どものどうしようもない所は『根性(魂)』がない事だ。
菅野氏が問うた次の言葉がすべてを表している。
「どうして家に行かないの? 僕の家の前に来てるのに、なぜ、記者会見の場以外に家の前に行かないのですか?」ここまで言われても、このテレ朝の若造記者には、まだ、菅野氏の批判が届いていないらしい。
「いや、家の前に行くかどうかは別として・・・、」
菅野氏「籠池さんは私人ですよ」
記者「私人ではありますが、国有地の売買の取引について不透明な点があるので。私たちも仕事ですから。」
この若造記者はいったい、自分の「仕事」とやらをどのように認識しているのだろう? 彼の言葉の裏から聞こえてくるのは、「毎日定時に出社し記者会見に出かけ、上司から命じられた取材を他社の記者と同レベルでこなすこと」程度の仕事である。これが、工場労働者ならこの程度の答えでもよしとしよう。(ただし、それは日本の工場労働者にずいぶん失礼な話だ。優れた工場労働者は、自分の製造する製品がどのような問題と課題をかかえているか、製品の歩留まりが向上するのにどのような工夫が必要か?など、労働のルーティーンから外れた所でも頭と技術を切磋琢磨している。それが労働というものだ)
しかるに、この人は『記者』なのです。社会や政治の問題をTVや新聞の前の読者に伝える事を生業(なりわい)とする記者なのです。それがこの程度をもって記者の仕事としているということは、日本の新聞やTVはジャーナリズムの基本を失っているということです。ぶら下がり取材と、記者会見で流される政権御用達の情報を伝えれば記者の仕事はお終い。これでは、まさに、安倍政権の狙い通りの「御用メディア」しか育たない!!
菅野氏「同業者としての菅野からのお願いです。この2人こそが悪いヤツらです。大阪になんぼでもおるフツーのおっちゃんの籠池理事長を追い回したり、ライターの家の前にメディアスクラムを組むよりも、公人である迫田と松井の家の前に張り込んで取材マイクを向けカメラを回したほうがよほどいい記事がかけるんとちゃいますか。」
日本のマスコミ報道が劣化の一途をたどっているその背景には、「記者クラブ」の存在が大きく横たわっている。記者クラブに胡座をかいている大新聞の記者がまともな取材と記事を書けないことは、2011年原発事故の際の、東電記者会見の中継を見ていてよくわかった。自分の身を削るような取材力を磨かないことには、優れた報道記者は育たないし、大スクープは生まれない。かつて、1971年の沖縄返還協定にからむ密約を大スクープした西山記者が「国家機密の漏洩(国家公務員法・守秘義務違反)」の疑いで逮捕された事件=「西山事件」があった。この国は権力に都合の悪い事実はどんな力をもってでも秘匿しよう画策する。これを法律にまで仕立て上げたのが「秘密(国家機密)保護法」である。
他方、この国のメディアは、かつては西山記者のような仕事もあったが、近年、多くのマスコミは、企業の宣伝収益と政府・権力の意向を忖度することに軸足を移し、国民の知る権利や国民の真の利益に立脚する報道姿勢など忘れてしまったかのような有様である。取材源と人間関係を構築し、自分の足で稼いで本物の報道を追う記者が増えないことには、メディアの劣化は止まるところを知らない。
菅野氏に批判されるまでもなく、本当の記者魂を鍛えないことには、この国のメディアはきっと潰れる!
そして、国民もつぶされてしまう! かつて、72年前のように。