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DbsSfawrpEw コメント履歴 No: 100206
http://www.asyura2.com/acas/d/db/dbs/DbsSfawrpEw/100206.html
[昼休み54] 『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった 中川隆
13. 中川隆[-13660] koaQ7Jey 2018年11月20日 09:36:52 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20938]

【経済討論】財務省主導の経済でいいのか?日本[桜H30-4-14] - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=s8y0fk90-OQ


◆経済討論:財務省主導の経済でいいのか?日本

パネリスト:
 安藤裕(衆議院議員)
 高橋洋一(嘉悦大学教授・「政策工房」会長)
 田村秀男(産経新聞特別記者・編集委員兼論説委員)
 藤井聡(京都大学大学院教授・内閣官房参与)
 松田学(東京大学大学院客員教授・元衆議院議員)
 三橋貴明(経世論研究所所長)
 渡邉哲也(経済評論家)
司会:水島総

http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html#c13

[昼休み54] 『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった 中川隆
14. 中川隆[-13659] koaQ7Jey 2018年11月20日 10:04:14 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20938]

先程、『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』にコメントしようとしたら、投稿禁止にされていました。

勿論、それまでの僕のコメントもすべて削除されていました。


http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html#c14

[経世済民129] 積極財政派のおバカなコメント(小笠原誠治の経済ニュースゼミ) 赤かぶ
21. 中川隆[-13658] koaQ7Jey 2018年11月20日 10:06:24 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20938]

この続きは

『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html

に纏めました。


因みに、先程、『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』にコメントしようとしたら、投稿禁止にされていました。
勿論、それまでの僕のコメントもすべて削除されていました。


http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/463.html#c21

[昼休み54] 『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった 中川隆
15. 中川隆[-13657] koaQ7Jey 2018年11月20日 10:37:15 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20938]
グローバリズムのトリニティ「現象⇒緊縮⇒規制・自由 真の目的」

緊縮とは緊縮財政、規制とは規制緩和、自由とは自由貿易です。


 自由貿易はモノのみならず、サービス、カネ、ヒトの国境を越えた移動の自由も含まれています。


 ちなみに、なぜ最初が「現象」で「問題」ではないのかといえば、問題があろうがなかろうが、トリニティは進められてしまうためです。



【移民受入】
(現象) 少子高齢化に端を発する生産年齢人口比率低下により人手不足が深刻化

(緊縮) 政府は人手不足を解消する生産性向上には一切、おカネを使いたくない。

(規制・自由) 移民(外国人労働者)受け入れ。
(真の目的) 日本国民の給与を上げたくない。経済界が低賃金で働く”奴隷”的な労働力を求める


【水道民営化】
(現象) 水道管が老朽化。水道管の交換が必要

(緊縮) 政府は水道メンテナンスにおカネを一切、使いたくない。

(規制・自由) コンセッション方式の民営化。外資OK。
(真の目的) 日本の水道サービスを「ビジネス」と化し、利益を稼ぎ、株主に配当金を支払いたい。


【カジノ解禁】
(現象) 長引くデフレーションにより、経済が停滞

(緊縮) 政府はデフレ対策(需要創出)におカネを使いたくない。民間投資に丸投げ。
(規制・自由) カジノ解禁。民間投資でIR建設。

(真の目的) 外資含むカジノ産業が、日本「市場」で国民の所得から利益を吸い上げたい。


【種子法廃止】
(現象) 種子法により多種多様で優良なタネが安く農家に提供されている。

(緊縮) 政府は国民の生命の源であるタネの維持に、おカネを使いたくない。

(規制・自由) 種子法廃止。外資規制なし。
(真の目的) モンサント=バイエルらアグロバイオ企業が日本のタネ市場で利益を上げたい。


【高額医薬品の保険適用停止】(※未実現)
(現象) 医療技術の発達により、医療費が高額化。

(緊縮) 政府は国民の生命を守る医療サービスにおカネを使いたくない。

(規制・自由) 高額医薬品の保険適用停止。
(真の目的) 保険適用されない医薬品をカバーする民間(アメリカの)保険サービスの日本市場参入。


 安倍政権の他の構造改革も、ほぼ上記の構造を持ちます。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12420273836.html
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html#c15

[昼休み54] AI搭載ラブドールと一緒に暮らそう _ とんでもない美人のラブドールがやってきた! 中川隆
202. 中川隆[-13656] koaQ7Jey 2018年11月20日 11:14:39 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20938]
2018.11.18
ITアマゾン・レビュー、“やらせ汚染”が深刻化…業者からレビュアーへの報酬支払いの実態構成=長井雄一朗/ライター
https://biz-journal.jp/2018/11/post_25547.html

 以前から「サクラが多い」「信用できない」などといわれてきたアマゾンの利用者による商品レビュー。最近では減少傾向にあるという声も聞かれる一方、ITジャーナリストの三上洋氏は「業者側とレビュアーの関係が近くなっているため、さりげない“やらせレビュー”により、ステマ評価の手法はより巧みになっている」と語る。今回はその実態や、一般消費者がアマゾンで商品レビューを読む際の注意点などについて、三上氏に話を聞いた。

――アマゾンの商品レビューの現状を教えてください。

三上洋氏(以下、三上) 「やらせレビュー」は以前から存在しており、しばしば問題視されてきました。アマゾン側は2016年10月にレビューのガイドラインをより厳しく改定し、商品の提供を受けるのと引き換えにコメントすることはNGになりました。従来のガイドラインでは、レビュアーが商品をメーカーから無料もしくは割引料金で入手した場合、その事実を開示した上であればレビューを投稿することは可能でしたが、新ガイドラインでは対価と引き換えにレビューを投稿することは禁止になりました(アマゾンからの依頼レビューを除く)。

 その代わり、今起こっているのは「PayPal戻し」です。レビュアー側が事前に自己負担で商品を購入し、あとで業者側がPayPalで返金する。これは2パターンあって、商品の代金のみを返金する場合と、代金にレビューの謝礼を加えて返金する事例があるようです。この事例に加えて、レビュー実績のあるユーザーに業者がPayPalで送金し、レビューを執筆してもらうこともあります。さらに最近ではランサーズやクラウドワークスなどのクラウドソーシングで、業者側がレビュアーを募集することもあります。どちらにしても、こっそりと「対価」を受け取っていますから、アマゾンの規約に違反する行為でしょう。

――それではレビューは信用できませんね。

三上 以前は業者側から「必ず褒めてください」「星は5つにしてください」などと要請がありましたが、レビュー内容がわざとらしくなってしまうので、今では「商品をそのまま評価してください」という要請が多くなりました。しかし、商品やお金のやりとりのあるレビューはまったく信用なりません。業者側からお金と商品をもらったレビュアーが、星1つにすることは考えられませんので。

それでも見抜く方法


――業者側とレビュアーは、どうやって知り合うのですか。

三上 レビュアーの名前をクリックすると、その人の過去のレビューを見ることができます。ランキングが高いレビュアーは業者側にとってはインフルエンサーであり、謝礼の高い案件が持ち込まれます。レビュアーの一部はプロフィール欄にメールアドレスやブログのURLを書いているので、業者はそこから要請します。アマゾンのレビューを積極的に行っている方のブログを見ると、1日に10〜20件の依頼が来ることもあるようです。


――慣れたレビュアーは文章もうまいですね。以前、中国人のレビュアーが中国語で書いた文章が直訳されたような変なレビューが多く見られるようになり、話題になりました。業者との癒着がない公平なレビューを見抜くのは難しそうです。

三上 それでも見抜く方法はあります。あまり人気があるとは思えない商品なのに、星が5つのレビューがたくさん並んでいる場合は疑うべきです。発売直後に星5つのレビューが多くあるのも、おかしいです。また、日本人の実名が書かれたレビューのなかには、中国系の業者からの依頼によるものが多いといわれています。「日本人の実名でのレビューは信用が高い」という噂があるため、中国系の業者が日本人の実名でやらせレビューをしているようです。しかし、日本人が実名でしかも自分の写真まで掲載することは、ほとんどないでしょう。

 いろんなジャンルの商品を数多くレビューし、すべて星5つと評価しているレビュアーも信用できません。まず、そのレビュアーの過去のレビューをチェックすべきです。私がアマゾンでモバイルバッテリーやライトニングケーブルを購入するときに、明らかにやらせだとわかる嘘くさいレビューを見て、その商品を買わないと決めました。「やらせレビュー」で販促する業者は一切信用できません。

アマゾン・レビューは販売促進の生命線


――ステマレビューの手法がますます巧妙になっているともいわれています。

三上 実は、業者がレビューを依頼する商品は、それほど高額な商品ではありません。価格帯は5,000円〜1万円くらいで、スマホケース、バッテリーなどの日用品・消耗品が対象になっています。中国の商品を日本に輸入する業者が、ステマを行う例が多いようです。中国からの輸入製品や輸入代理店が多いため、競争が激しく、結果として中国系商品のレビューが増えるのです。

――個人ブログでの商品レビューは、いかがですか。

三上 アマゾンの商品を紹介してアフィリエイトで稼ぐブログは、基本的に売れればお金になる仕組みですから、プラスの評価をすることが多いですね。中立公正な評価は期待できません。いかにクリックさせて買わせるか、誘導するための評価です。レビューでもアフィリエイトは売るための販促であり、評価ではありません。もちろん良心的なブログもありますが、ごく少数です。

――そもそも、なぜアマゾンでの「やらせレビュー」は多いのでしょうか。

三上 「安い商品はアマゾンで購入する」という消費行動が、ますます広がっており、業者側にとってアマゾンのレビューは販売促進の生命線です。以前では新聞、雑誌、テレビに広告を打って広く宣伝していましたが、販促が重視されており、結果として「やらせレビュー」があふれる事態が起きているのです。

 “やらせレビュー汚染”が進行するほど、アマゾンの信用度は落ちることになります。ですから、アマゾンがレビューの品質を担保するくらいの抜本的な対策が肝要です。

――ありがとうございました。
(構成=長井雄一朗/ライター)


http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/220.html#c202

[リバイバル3] 「AI搭載ラブドール」の実用度 中川隆
192. 中川隆[-13655] koaQ7Jey 2018年11月20日 11:15:04 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20938]
2018.11.18
ITアマゾン・レビュー、“やらせ汚染”が深刻化…業者からレビュアーへの報酬支払いの実態構成=長井雄一朗/ライター
https://biz-journal.jp/2018/11/post_25547.html

 以前から「サクラが多い」「信用できない」などといわれてきたアマゾンの利用者による商品レビュー。最近では減少傾向にあるという声も聞かれる一方、ITジャーナリストの三上洋氏は「業者側とレビュアーの関係が近くなっているため、さりげない“やらせレビュー”により、ステマ評価の手法はより巧みになっている」と語る。今回はその実態や、一般消費者がアマゾンで商品レビューを読む際の注意点などについて、三上氏に話を聞いた。

――アマゾンの商品レビューの現状を教えてください。

三上洋氏(以下、三上) 「やらせレビュー」は以前から存在しており、しばしば問題視されてきました。アマゾン側は2016年10月にレビューのガイドラインをより厳しく改定し、商品の提供を受けるのと引き換えにコメントすることはNGになりました。従来のガイドラインでは、レビュアーが商品をメーカーから無料もしくは割引料金で入手した場合、その事実を開示した上であればレビューを投稿することは可能でしたが、新ガイドラインでは対価と引き換えにレビューを投稿することは禁止になりました(アマゾンからの依頼レビューを除く)。

 その代わり、今起こっているのは「PayPal戻し」です。レビュアー側が事前に自己負担で商品を購入し、あとで業者側がPayPalで返金する。これは2パターンあって、商品の代金のみを返金する場合と、代金にレビューの謝礼を加えて返金する事例があるようです。この事例に加えて、レビュー実績のあるユーザーに業者がPayPalで送金し、レビューを執筆してもらうこともあります。さらに最近ではランサーズやクラウドワークスなどのクラウドソーシングで、業者側がレビュアーを募集することもあります。どちらにしても、こっそりと「対価」を受け取っていますから、アマゾンの規約に違反する行為でしょう。

――それではレビューは信用できませんね。

三上 以前は業者側から「必ず褒めてください」「星は5つにしてください」などと要請がありましたが、レビュー内容がわざとらしくなってしまうので、今では「商品をそのまま評価してください」という要請が多くなりました。しかし、商品やお金のやりとりのあるレビューはまったく信用なりません。業者側からお金と商品をもらったレビュアーが、星1つにすることは考えられませんので。

それでも見抜く方法


――業者側とレビュアーは、どうやって知り合うのですか。

三上 レビュアーの名前をクリックすると、その人の過去のレビューを見ることができます。ランキングが高いレビュアーは業者側にとってはインフルエンサーであり、謝礼の高い案件が持ち込まれます。レビュアーの一部はプロフィール欄にメールアドレスやブログのURLを書いているので、業者はそこから要請します。アマゾンのレビューを積極的に行っている方のブログを見ると、1日に10〜20件の依頼が来ることもあるようです。


――慣れたレビュアーは文章もうまいですね。以前、中国人のレビュアーが中国語で書いた文章が直訳されたような変なレビューが多く見られるようになり、話題になりました。業者との癒着がない公平なレビューを見抜くのは難しそうです。

三上 それでも見抜く方法はあります。あまり人気があるとは思えない商品なのに、星が5つのレビューがたくさん並んでいる場合は疑うべきです。発売直後に星5つのレビューが多くあるのも、おかしいです。また、日本人の実名が書かれたレビューのなかには、中国系の業者からの依頼によるものが多いといわれています。「日本人の実名でのレビューは信用が高い」という噂があるため、中国系の業者が日本人の実名でやらせレビューをしているようです。しかし、日本人が実名でしかも自分の写真まで掲載することは、ほとんどないでしょう。

 いろんなジャンルの商品を数多くレビューし、すべて星5つと評価しているレビュアーも信用できません。まず、そのレビュアーの過去のレビューをチェックすべきです。私がアマゾンでモバイルバッテリーやライトニングケーブルを購入するときに、明らかにやらせだとわかる嘘くさいレビューを見て、その商品を買わないと決めました。「やらせレビュー」で販促する業者は一切信用できません。

アマゾン・レビューは販売促進の生命線


――ステマレビューの手法がますます巧妙になっているともいわれています。

三上 実は、業者がレビューを依頼する商品は、それほど高額な商品ではありません。価格帯は5,000円〜1万円くらいで、スマホケース、バッテリーなどの日用品・消耗品が対象になっています。中国の商品を日本に輸入する業者が、ステマを行う例が多いようです。中国からの輸入製品や輸入代理店が多いため、競争が激しく、結果として中国系商品のレビューが増えるのです。

――個人ブログでの商品レビューは、いかがですか。

三上 アマゾンの商品を紹介してアフィリエイトで稼ぐブログは、基本的に売れればお金になる仕組みですから、プラスの評価をすることが多いですね。中立公正な評価は期待できません。いかにクリックさせて買わせるか、誘導するための評価です。レビューでもアフィリエイトは売るための販促であり、評価ではありません。もちろん良心的なブログもありますが、ごく少数です。

――そもそも、なぜアマゾンでの「やらせレビュー」は多いのでしょうか。

三上 「安い商品はアマゾンで購入する」という消費行動が、ますます広がっており、業者側にとってアマゾンのレビューは販売促進の生命線です。以前では新聞、雑誌、テレビに広告を打って広く宣伝していましたが、販促が重視されており、結果として「やらせレビュー」があふれる事態が起きているのです。

 “やらせレビュー汚染”が進行するほど、アマゾンの信用度は落ちることになります。ですから、アマゾンがレビューの品質を担保するくらいの抜本的な対策が肝要です。

――ありがとうございました。
(構成=長井雄一朗/ライター)


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/877.html#c192

[リバイバル3] 株で儲ける方法教えてあげる(こっそり) 新スレ 中川隆
138. 中川隆[-13654] koaQ7Jey 2018年11月20日 12:20:26 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20938]

あの世には持っていけない  11月20日 
http://ssoubakan.com/blog-entry-2919.html

日産のカルロス・ゴーン社長がやってくれましたね。

巷では上場廃止の可能性とか、有る事無い事、色々言われている様ですが、上場廃止はないでしょう。

たとえ、粉飾決算まで行っていたとしても、日産レベルの会社が上場廃止にされることはまずありません。

まあ、日産が大赤字で借金まみれとでもなるならば、その可能性もあるのでしょうが、それでも誰かの助けが入って上場廃止にはならないでしょう。

東証にはルールなんてあってないものですから、巨大企業はそう簡単に上場廃止になんてならないのです。

しかし、ゴーン社長は色々裏でやっていたようですが、あれだけの給料をもらってもっと欲しかったのかと・・・。

確かに日産を立て直した立役者ではありますが、こうやって捲れてしまうと全ては己の私利私欲のためだったと思われても仕方がないでしょうね。

まあ、仕事ですから、誰しも大なり小なりの私利私欲は当然あるとは思うのですが、やはり人間それだけではダメなのではないかと特に最近はそんな考えが強くなってきました。

結局のところ、人間には寿命があるのです。

誰もがいずれは死ぬ身であり、いくら稼いでもあの世にカネは持っていけないのです。


ならば、己の利はそこそこに、後世のために生きるのが人としての正しい道であり、私利私欲の行き過ぎた先にあるのは不幸のみだと思っているところです。

株の世界というのは楽しくもあり、恐ろしくもある世界でありますが、ここで成功するために必要なのは、やはり儲けた金をどう使うかであると思うのです。

いくら稼げばそれで満足というものはありませんし、稼いでも稼いでもなかなか使わない事が多いと思うのですが、やはりカネは使わなくては入ってこないと思うのです。

5割も儲けたら、1、2割は綺麗に使ってしまえば良いのです。

儲けたカネを全部次の投資へと回して行くから視野が狭くなり、運も無くなって行くのです。

連戦連勝なんて無理な話で、どこかで負けが出るのです。

使っておけば、その分は確実に儲けたものであり、無くならない利益なのです。

ですから、証券口座から出金せずに頑張るのも分かるのですが、最終的な目標はあったとしても、目先の目標は決めて、しっかりと使って行くと良いと個人的には思っています。

それと、気持ちよく使う事です。

もったいないとか、無駄ではないか?などと考えて使うのは良くないのです。

皆様も気持ちよく儲けて気持ちよく使って頂ければと願っているところです。

投資の世界で本当に楽しいのは1年で3日程と言われます。

後はもう、耐えて耐えて耐える日々。

まあ、実際はもっと楽しい日は多いですが、多くは耐える日であると思っています。

上昇期待が高い銘柄でも、それがいつから本格的に値上がりするのかが分からない事が多いですし、押し目買いと言っても予想以上に押してしまう事も多々あります。

そうしたつまらない日々を乗り越えた先にあるのが株の利益であるのですから、辛い日が多いのは当たり前と言えば当たり前なのです。

しかし、耐えた分だけ実りは大きいことも多いのです。

まあ、かと思えば買った瞬間から大幅に値上がりして行って、あっという間に利食い出来たりもしますけどね。

ただ、そういう例はそれ程多くはありませんので、そればかりを狙っていると、やはり失敗してしまう事が多くなります。

ですから、短期急騰期待の銘柄と、中長期大化けの期待のある銘柄をバランスよく組み合わせ、利益を得たら気持ちよく使って、更に利益を目指していく。

そんな投資をお勧めしたいと思っております。

ちなみに、中長期大化け株の仕込みは、現在もコツコツ行われております。

また、短期急騰期待銘柄は、昨日は2銘柄ほどありましたが、一つはマイナス圏での仕込みで、後場には25%以上の上昇となりました。

次の銘柄もそうなるとは言いませんが、そういう期待のある銘柄を推奨できるようにしたいと思っているところです。
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/822.html#c138

[昼休み54] 高利貸 中国が低開発国の資産を乗っ取る手口 中川隆
14. 中川隆[-13653] koaQ7Jey 2018年11月20日 13:28:26 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20938]

モルディブ、「脱中国」対中債務の圧縮とFTA見直し「着手」2018年11月20日
http://hisayoshi-katsumata-worldview.livedoor.biz/archives/13678760.html

インド洋の島国モルディブで17日、9月の大統領選で野党統一候補として勝利したモルディブ民主党(MDP)のイブラヒム・モハメド・ソリ氏が大統領に就任した。前政権が親中国派を鮮明にしてきたが、「債務漬け」で批判を浴びて親インド派大統領就任という伝統的な関係に戻った。中国がインド洋にまで手を伸ばしたのは、「一帯一路」によってインドを地政学的に孤立させる目的である。

モルディブをめぐるインドと中国の対立構図は、新大統領就任式にはっきり現れた。インドはモディ首相が出席したのに対して、中国は日本経済新聞の報道では文化旅行部トップとか。中国の掌がえしの対応が目立った。モルディブでは、中国の「負け戦」という対応だ。

『日本経済新聞』(11月19日付)は、「モルディブ新大統領就任、対中債務の圧縮めざす」と題する記事を掲載した。

(1)「2008〜12年に大統領を務めたMDP党首、モハメド・ナシード氏は今月、記者団に対し『私の知る限り、対中債務は30億ドルに上る。新政権は国の発展と同時に債務を返済していく』と語った。中国側はモルディブの対中債務を6億ドルと主張し数値に開きはあるが、新政権は中国とのインフラ整備事業の契約見直しなどに着手する方針だ」

新政権は、30億ドルに上る対中債務圧縮に臨むという。中国は、実質GDPが30億6900万ドル(2016年)のモルディブへ30億ドルも貸し付ける。正常な感覚ではない。返済不能を見込んで、担保権を執行する積もりであったのだろう。新政権は、中国と交わしたインフラ事業の見直しを始める。

『日本経済新聞 電子版』(11月20日付)は、「モルディブ、対中FTA見直し、新政権幹部が表明」と題する記事を掲載した。

(2)「インド洋の島国モルディブは2017年12月に中国と交わした自由貿易協定(FTA)を見直す方針だ。17日に就任した親インド派のイブラヒム・モハメド・ソリ大統領の参謀役で、与党モルディブ民主党(MDP)党首のモハメド・ナシード元大統領がロイター通信に『対中貿易の不均衡が非常に大きい。(対中FTAを)維持できない』などと指摘した。国連統計によると、17年の中国からモルディブへの輸出額は2億9500万ドル(約332億円)だったが、モルディブから中国への輸出額は62万ドルにすぎない」

中国は、モルディブへの輸出額は2億9500万ドル。輸入額がたったの62万ドルである。これでは、FTAが成り立つ基盤がない。中国に上手く丸め込まれて締結させられたに違いない。FTAを名乗るには、貿易のバランスが取れなければ意味はないのだ。中国は低い関税で利益を上げていたのだろう。中国の悪辣なビジネスが浮かび上がる。



http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/281.html#c14

[昼休み54] 中国人のウイグルでの民族浄化の手口 中川隆
34. 中川隆[-13652] koaQ7Jey 2018年11月20日 14:11:21 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20938]

「中華帝国は”解体”すべきか」ペマ・ギャルポ他、『正論』2018/11/18

・東トルキスタンでは、最大100万人のウイグル人が「再教育」の名目で中国当局により強制収容されている。遺された幼児たちは「幼稚園」に入れられ、中国人の名前もつけられ、民族も漢民族として登録される。両親が再教育施設から出られたとしても、自分たちの子供を見つけることもできない。「幼稚園」の子供たちは、自分が中国人であること、中国共産党へ感謝することを教え込まれる。

・内モンゴル自治区では「浄化政策」がもう進んでしまって、ここ70年で、人口約2400万のうち、モンゴル人は2割以下になってしまった。経済は中国人に握られ、伝統文化の絶滅が図られている。

・チベットでは、チベット語の学校教育が禁止され、今年になってチベット教の寺院にも共産党員が運営委員として入って監視するようになり、寺院にも習近平の写真が置かれ、共産党の旗を掲げなければならなくなった。

・中国が変わるチャンスは2度会った。最初は文化大革命の混乱。このまま続けば、中国は変わらざるをえなかったのに、米ソ冷戦下で、米国の誤算で中国を助けてしまった。次が天安門事件、若者を弾圧する中国に世界中が経済制裁している時に、日本が真っ先に助けてしまった。中国が民主化するチャンスを潰したのが日本。

【伊勢雅臣】「中国が民主化するチャンスを潰したのが日本」という言葉は重いです。二度とそういう過ちは犯してはなりません。
https://s.webry.info/sp/blog.jog-net.jp/201811/article_13.html
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/280.html#c34

[昼休み54] 中国人のチベットでの民族浄化の手口 中川隆
10. 中川隆[-13651] koaQ7Jey 2018年11月20日 14:11:44 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20938]

「中華帝国は”解体”すべきか」ペマ・ギャルポ他、『正論』2018/11/18

・東トルキスタンでは、最大100万人のウイグル人が「再教育」の名目で中国当局により強制収容されている。遺された幼児たちは「幼稚園」に入れられ、中国人の名前もつけられ、民族も漢民族として登録される。両親が再教育施設から出られたとしても、自分たちの子供を見つけることもできない。「幼稚園」の子供たちは、自分が中国人であること、中国共産党へ感謝することを教え込まれる。

・内モンゴル自治区では「浄化政策」がもう進んでしまって、ここ70年で、人口約2400万のうち、モンゴル人は2割以下になってしまった。経済は中国人に握られ、伝統文化の絶滅が図られている。

・チベットでは、チベット語の学校教育が禁止され、今年になってチベット教の寺院にも共産党員が運営委員として入って監視するようになり、寺院にも習近平の写真が置かれ、共産党の旗を掲げなければならなくなった。

・中国が変わるチャンスは2度会った。最初は文化大革命の混乱。このまま続けば、中国は変わらざるをえなかったのに、米ソ冷戦下で、米国の誤算で中国を助けてしまった。次が天安門事件、若者を弾圧する中国に世界中が経済制裁している時に、日本が真っ先に助けてしまった。中国が民主化するチャンスを潰したのが日本。

【伊勢雅臣】「中国が民主化するチャンスを潰したのが日本」という言葉は重いです。二度とそういう過ちは犯してはなりません。
https://s.webry.info/sp/blog.jog-net.jp/201811/article_13.html
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/282.html#c10

[経世済民129] ゴーン逮捕の謎(小笠原誠治の経済ニュースゼミ) 赤かぶ
2. 2018年11月20日 14:13:20 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20938]
読んでね:

『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html

http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/514.html#c2

[中国12] スイス、人体標本展を中止「法輪功学習者の可能性」倫理団体から苦情 パイプライン
4. 2018年11月20日 14:17:01 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20941]
「中華帝国は”解体”すべきか」ペマ・ギャルポ他、『正論』2018/11/18

・東トルキスタンでは、最大100万人のウイグル人が「再教育」の名目で中国当局により強制収容されている。遺された幼児たちは「幼稚園」に入れられ、中国人の名前もつけられ、民族も漢民族として登録される。両親が再教育施設から出られたとしても、自分たちの子供を見つけることもできない。「幼稚園」の子供たちは、自分が中国人であること、中国共産党へ感謝することを教え込まれる。

・内モンゴル自治区では「浄化政策」がもう進んでしまって、ここ70年で、人口約2400万のうち、モンゴル人は2割以下になってしまった。経済は中国人に握られ、伝統文化の絶滅が図られている。

・チベットでは、チベット語の学校教育が禁止され、今年になってチベット教の寺院にも共産党員が運営委員として入って監視するようになり、寺院にも習近平の写真が置かれ、共産党の旗を掲げなければならなくなった。

・中国が変わるチャンスは2度会った。最初は文化大革命の混乱。このまま続けば、中国は変わらざるをえなかったのに、米ソ冷戦下で、米国の誤算で中国を助けてしまった。次が天安門事件、若者を弾圧する中国に世界中が経済制裁している時に、日本が真っ先に助けてしまった。中国が民主化するチャンスを潰したのが日本。

【伊勢雅臣】「中国が民主化するチャンスを潰したのが日本」という言葉は重いです。二度とそういう過ちは犯してはなりません。
https://s.webry.info/sp/blog.jog-net.jp/201811/article_13.html

http://www.asyura2.com/17/china12/msg/798.html#c4

[中国12] 中国、誘拐事件で9歳女児死亡 遺体から臓器が抜き取られていた(かいけつニュース速報) 怪傑
3. 中川隆[-13653] koaQ7Jey 2018年11月20日 14:17:33 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20941]
「中華帝国は”解体”すべきか」ペマ・ギャルポ他、『正論』2018/11/18

・東トルキスタンでは、最大100万人のウイグル人が「再教育」の名目で中国当局により強制収容されている。遺された幼児たちは「幼稚園」に入れられ、中国人の名前もつけられ、民族も漢民族として登録される。両親が再教育施設から出られたとしても、自分たちの子供を見つけることもできない。「幼稚園」の子供たちは、自分が中国人であること、中国共産党へ感謝することを教え込まれる。

・内モンゴル自治区では「浄化政策」がもう進んでしまって、ここ70年で、人口約2400万のうち、モンゴル人は2割以下になってしまった。経済は中国人に握られ、伝統文化の絶滅が図られている。

・チベットでは、チベット語の学校教育が禁止され、今年になってチベット教の寺院にも共産党員が運営委員として入って監視するようになり、寺院にも習近平の写真が置かれ、共産党の旗を掲げなければならなくなった。

・中国が変わるチャンスは2度会った。最初は文化大革命の混乱。このまま続けば、中国は変わらざるをえなかったのに、米ソ冷戦下で、米国の誤算で中国を助けてしまった。次が天安門事件、若者を弾圧する中国に世界中が経済制裁している時に、日本が真っ先に助けてしまった。中国が民主化するチャンスを潰したのが日本。

【伊勢雅臣】「中国が民主化するチャンスを潰したのが日本」という言葉は重いです。二度とそういう過ちは犯してはなりません。
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http://www.asyura2.com/17/china12/msg/797.html#c3

[中国3] 衝撃 天安門事件の写真 なんと北京で公開される !!! 中国人ぼう然へ ・・・・・・・・・・2ch 木卯正一
9. 中川隆[-13652] koaQ7Jey 2018年11月20日 14:17:59 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20941]
「中華帝国は”解体”すべきか」ペマ・ギャルポ他、『正論』2018/11/18

・東トルキスタンでは、最大100万人のウイグル人が「再教育」の名目で中国当局により強制収容されている。遺された幼児たちは「幼稚園」に入れられ、中国人の名前もつけられ、民族も漢民族として登録される。両親が再教育施設から出られたとしても、自分たちの子供を見つけることもできない。「幼稚園」の子供たちは、自分が中国人であること、中国共産党へ感謝することを教え込まれる。

・内モンゴル自治区では「浄化政策」がもう進んでしまって、ここ70年で、人口約2400万のうち、モンゴル人は2割以下になってしまった。経済は中国人に握られ、伝統文化の絶滅が図られている。

・チベットでは、チベット語の学校教育が禁止され、今年になってチベット教の寺院にも共産党員が運営委員として入って監視するようになり、寺院にも習近平の写真が置かれ、共産党の旗を掲げなければならなくなった。

・中国が変わるチャンスは2度会った。最初は文化大革命の混乱。このまま続けば、中国は変わらざるをえなかったのに、米ソ冷戦下で、米国の誤算で中国を助けてしまった。次が天安門事件、若者を弾圧する中国に世界中が経済制裁している時に、日本が真っ先に助けてしまった。中国が民主化するチャンスを潰したのが日本。

【伊勢雅臣】「中国が民主化するチャンスを潰したのが日本」という言葉は重いです。二度とそういう過ちは犯してはなりません。
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http://www.asyura2.com/12/china3/msg/600.html#c9

[中国3] 中国がチベット、ウイグルで電気棒を口や肛門などに入れ拷問(ポストセブン)←やっぱりシナ畜は野蛮人 木卯正一
40. 中川隆[-13651] koaQ7Jey 2018年11月20日 14:18:30 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20941]

「中華帝国は”解体”すべきか」ペマ・ギャルポ他、『正論』2018/11/18

・東トルキスタンでは、最大100万人のウイグル人が「再教育」の名目で中国当局により強制収容されている。遺された幼児たちは「幼稚園」に入れられ、中国人の名前もつけられ、民族も漢民族として登録される。両親が再教育施設から出られたとしても、自分たちの子供を見つけることもできない。「幼稚園」の子供たちは、自分が中国人であること、中国共産党へ感謝することを教え込まれる。

・内モンゴル自治区では「浄化政策」がもう進んでしまって、ここ70年で、人口約2400万のうち、モンゴル人は2割以下になってしまった。経済は中国人に握られ、伝統文化の絶滅が図られている。

・チベットでは、チベット語の学校教育が禁止され、今年になってチベット教の寺院にも共産党員が運営委員として入って監視するようになり、寺院にも習近平の写真が置かれ、共産党の旗を掲げなければならなくなった。

・中国が変わるチャンスは2度会った。最初は文化大革命の混乱。このまま続けば、中国は変わらざるをえなかったのに、米ソ冷戦下で、米国の誤算で中国を助けてしまった。次が天安門事件、若者を弾圧する中国に世界中が経済制裁している時に、日本が真っ先に助けてしまった。中国が民主化するチャンスを潰したのが日本。

【伊勢雅臣】「中国が民主化するチャンスを潰したのが日本」という言葉は重いです。二度とそういう過ちは犯してはなりません。
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http://www.asyura2.com/12/china3/msg/136.html#c40

[アジア23] チベット尼僧に性的暴力、共産党の再教育センターで 僧侶が証言=人権団体報告(かいけつニュース速報) 怪傑
1. 中川隆[-13650] koaQ7Jey 2018年11月20日 14:19:27 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20941]
「中華帝国は”解体”すべきか」ペマ・ギャルポ他、『正論』2018/11/18

・東トルキスタンでは、最大100万人のウイグル人が「再教育」の名目で中国当局により強制収容されている。遺された幼児たちは「幼稚園」に入れられ、中国人の名前もつけられ、民族も漢民族として登録される。両親が再教育施設から出られたとしても、自分たちの子供を見つけることもできない。「幼稚園」の子供たちは、自分が中国人であること、中国共産党へ感謝することを教え込まれる。

・内モンゴル自治区では「浄化政策」がもう進んでしまって、ここ70年で、人口約2400万のうち、モンゴル人は2割以下になってしまった。経済は中国人に握られ、伝統文化の絶滅が図られている。

・チベットでは、チベット語の学校教育が禁止され、今年になってチベット教の寺院にも共産党員が運営委員として入って監視するようになり、寺院にも習近平の写真が置かれ、共産党の旗を掲げなければならなくなった。

・中国が変わるチャンスは2度会った。最初は文化大革命の混乱。このまま続けば、中国は変わらざるをえなかったのに、米ソ冷戦下で、米国の誤算で中国を助けてしまった。次が天安門事件、若者を弾圧する中国に世界中が経済制裁している時に、日本が真っ先に助けてしまった。中国が民主化するチャンスを潰したのが日本。

【伊勢雅臣】「中国が民主化するチャンスを潰したのが日本」という言葉は重いです。二度とそういう過ちは犯してはなりません。
https://s.webry.info/sp/blog.jog-net.jp/201811/article_13.html

http://www.asyura2.com/17/asia23/msg/759.html#c1

[昼休み54] 『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった 中川隆
16. 中川隆[-13664] koaQ7Jey 2018年11月20日 15:58:04 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20956]

古賀茂明「安倍政権の外国人単純労働者の受け入れ拡大は経団連のための低賃金政策だ」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181118-00000012-sasahi-pol
AERA dot. 11/19(月) 7:00配信


「人手不足だ!」という経済界の悲鳴に応えるべく、自民党政権は、これまでも日本の労働者の賃金を国際的に見て低い水準に抑える政策を一貫して採ってきた。

 少子高齢化による生産年齢人口(15歳〜64歳)の減少への対応ということもあるが、基本的には、競争力を失った日本の産業の「構造改革なき延命策」として、この政策が採られたというのが本質だ。

 どういうことか説明しよう。

 先進国になると、労働条件を向上させる方向に舵を切らなければならなくなる。その根底には、生産年齢人口の減少で労働者の立場が強くなるということもあるし、経済的に豊かになって、社会全体に余裕が生まれ、より人間的な生活を保障すべきだという国民の声が高まるのに対して、政治家や企業経営者が対応せざるを得ないということもある。

 賃金を上げ、休暇を増やし、労働時間も短くすることにより、全体としての労働条件は向上してくる。しかし、それは、企業にとっては、負担増である。その負担を生産性の向上によって吸収できれば良いのだが、そうした活力を失った産業・企業では、徐々に対応力を失い、労働条件向上の流れを何とか止めたいという欲求が高まる。大企業はもちろんだが、むしろ、企業体力の弱い中小企業では、より早い段階からこうした声が出てくる。

 こうした国内の構造的要因に加え、80年代には「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われた日本企業が、90年代以降、急速に国際競争で優位性を失うという状況が生じた。本来は、ここで、日本の大企業は、労働条件を引き上げても競争できるビジネスモデルへの転換を図らなければならなかったのだが、そうはしなかった。イギリス、ドイツ、オランダなどでは、その転換に20年以上を費やしたが、日本は最初からそれを諦めた。そして、労働コスト引き下げで競争力を維持するという、より安易な方向に逃げようとしたのである。

 95年に日本経営者団体連盟(日経連。主に労働問題を扱う大企業経営者団体の集まり。後に経団連に統合された)が出した、有名な「新時代の『日本的経営』」というレポートはこの動きを象徴するものだ。このレポートでは、正社員(正規雇用)中心の雇用から、残業代ゼロ法案でも問題とされた高度専門職的な雇用とパート・派遣などの切り捨て用雇用を併用した新たな雇用戦略を取るべきだと提唱していた。今から20年以上前に大企業の経営者たちが描いた設計図通りに日本の雇用が動いてきたということになる。

■財界への忖度で自民党政権による派遣解禁・拡大

 もちろん、日本には企業経営者の団体だけでなく、労働組合というプレイヤーもいるのだが、その声を反映した政策を掲げる政党は、万年野党で、ほとんど政権に就くことはない。一方、一貫して与党であった自民党は、企業献金と企業の選挙応援によって選挙を戦う政党なので、基本的に企業の既得権と一体となった政策を採り続けてきた。

 その一環として実施されたのが、企業の労働コスト削減を支援する労働者派遣拡大政策だ。これが、事実上、正規雇用から非正規雇用への大転換による労働コスト削減支援策となって行った。

 日本では使用者が、自分が雇っている人を他人に供給することは、不当な中間搾取を招くとして職業安定法で禁じてきた。しかし、まず86年には、労働者派遣法が施行され、派遣は原則禁止としながらも、13業務については例外的に派遣を認めることになった。次に、99年の派遣法改正では、これまで専門的な仕事に限定されていた派遣対象業務が、製造業を除き、原則自由化された。さらに、04年の改正では、製造業への派遣も解禁され、港湾運送、建設、警備などを除くほとんどの職種で派遣労働を導入することが認められた。派遣労働は例外だったのが、ほとんど自由になったのだ。大きな方向転換である。 こうして、派遣が一気に拡大する結果となった。

■賃金切り下げ支援第2弾は円安政策

 もちろん、こうした政策支援は企業にとっては、福音だった。しかし、製造業の企業は、ほとんどが、アジア諸国の追い上げに遭い、それに対して、有効な手を打てないままどんどん競争力を失って行った。基本的に経営者の能力が著しく欠如しているというのが、日本の産業の最大の問題なのである。

 こうした事態に直面した企業をさらに苦しめたのが、円高だ。民主党政権時代の11年には、1ドル80円未満という超円高が、新たなビジネスモデルの構築を怠っていた日本企業を襲った。12年末に政権に就いた安倍政権は、企業の声に応え、アベノミクスの第一の矢として異次元の金融緩和を掲げた。お金をじゃぶじゃぶにして金利を下げるというのが目的だが、その本当の目的は円安だった。円は、一気に120円まで下がった。

 これは、輸出企業から見ると二重の意味で助け舟になる。1ドル80円に比べて、1ドル120円は何を意味するか。まず、同じドル価格で輸出しても、手取りの円は1.5倍に膨らむ。1ドルで輸出したら、以前は手取り80円だったのが120円になるからだ。製造コストが70円なら、粗利は10円から50円へと5倍増だ。

 また、円安になれば、その分ドル価格を引き上げる余力が出て来る。1ドルだったものを3分の2ドル(67セント)にしても、手取りは80円と変わらない。3分の1の値引きが可能になるから、競争力は飛躍的に増す。

 これを、労働コストの面から見るとどうなるか。1ドル80円時代なら、時給800円の労働者の賃金はドル換算で10ドルだ。これが1ドル120円になれば、6.67ドルに下がる。つまり、国際的に見て、日本の労働者の賃金は3分の1カットされたことになるのである。円安とは、日本の価格がすべてドルベースで見れば大安売り状態になるのだが、当然のことながら、労働も安売りになるということを意味する。

 これは、ある意味、究極の労働高コスト切り下げ政策だとも言える。輸出大企業はこれで一息つくと同時に、円安による大増益を実現した。

 しかし、永遠に円安が進み続けるわけではない。結局、これで日本の企業の競争力が蘇ることはなかった。当たり前のことだが、企業経営者が単なるコスト競争ではない、新たなビジネスモデルへの転換を行うことができないまま、派遣規制緩和、円安などの政府によるカンフル剤を打ち続けているから、その効き目がなくなると、また元の木阿弥になるのである。

■低賃金政策第3弾が外国人単純労働者受け入れ拡大策

 そして、どうしてもやって行けないダメ企業のために繰り出されたのが、外国人労働者受け入れ拡大策だ。もちろん、これまでも、静かに外国人単純労働者を受け入れる政策を、自民党政権は続けてきた。

 今、散々叩かれている外国人技能実習制度はその代表だ。「技能実習」で国際貢献というのは、真っ赤な嘘で、実態は、低賃金単純労働者を労働生産性を上げることができない分野に供給する仕組みだ。国営の「口入屋」と言っても良い。国が搾取するわけではないが、技能実習生が、間に入ったブローカーに搾取され、労働現場でもブラックな企業に搾取されるという悲惨な例が、いくつかという話ではなく、非常に広範に見られるのは、報道などでも皆さんご存知だろう。

 単純労働者の受け入れには、もう一つの仕組みが既に存在する。それは、外国人留学生だ。08年に策定された「留学生30万人計画」。当時14万人だった日本への留学生を20年に30万人へと倍増しようという計画だ。そう言えば、聞こえがいいが、当初の理想はどこへやら。今や完全に単純労働者輸入計画になっている。

 この計画は、実は非常に「順調に」推移していて、17年で26.7万人にまで増加し、目標達成は近づいている。留学生が増えていると聞けば、勉強熱心な海外の学生の間で日本の人気が高まっているのだなと思う人が多いかもしれないが、それは全くの間違いだ。

 実は、大学生や大学院生などの高等教育機関の増加は非常に緩やかで、伸びているのは圧倒的に日本語学校生だ。過去5年では、3倍以上、増えている。彼らのかなりの部分は、コンビニやファストフードなどの飲食店でアルバイトをしている。日本で働くためにやって来ているという側面もあり、外国人労働者全体128万人のうち、学生アルバイトは23%も占めている。日本は、留学生のアルバイト規制がアメリカなどに比べて非常に緩い。これらの政策は、事実上コンビニなどの業界を支援するために、留学生を増やす政策になっているということだ。

「技能実習」も「留学」も実は、自民党政権が陰に隠れてやってきた、単純労働者導入政策である。しかし、これらを実施してもなお、日本には低賃金労働無くしてはやって行けない低生産性産業や企業が大量に存在するというのが、悲しい実態だ。

■外国人単純労働者を増やすより能力のない経営者は退場せよ

 低賃金の温存とは、低生産性の温存と言い換えても良い。

「人手不足」と言うが、今、国会に出されている「単純労働者受け入れ法案」の対象となる14分野のうち、賃金、休暇、労働時間などで、他の分野に比べて非常に良い条件を提示している分野がどれだけあるのか。もし、他よりも低い条件しか提示できないなら、そこに人が来ないのは人手不足の問題ではなくて、単に、低生産性の問題である。この状況は、自民党が採ってきた経営者のための低賃金政策の当然の帰結と言って良い。

 しかし、今回の法案は、来年の選挙に向けて、経済界を「買収」するためにはどうしても必要な法案だと、いまだに安倍政権は考えているようだ。選挙のために、できの悪い経営者の言いなりになっているのだ。

 考えてみれば、安倍政権になって、12年から17年の間に実質賃金は4%以上下がった。これから上がると言うが、来年10月の消費税増税で、また実質賃金は下がるだろう。12年の水準に戻るのは相当先になりそうだ。今の政策を続けている限り、日本の生産性は上がらない。生産性が上がらない中で実質賃金を上げるには、企業の取り分を減らして労働者の取り分を増やす(労働分配率を上げる)しかないが、それは永遠には続けられない。

 安倍政権は、今までの政策を根本から見直し、まずは、日本の企業経営者に、今よりもはるかに良い賃金、休暇、労働時間の条件を提示できる新たなビジネスモデルへの転換を強力に促す政策を始めたらどうか。

 今、日本に一番必要なのは、外国人単純労働者ではなく、高い労働条件を提示できる経営者だ。それができない経営者には退場を迫るべきだろう

http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html#c16

[昼休み54] 『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった 中川隆
17. 中川隆[-13663] koaQ7Jey 2018年11月20日 16:35:03 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20956]

財務省が消費税に拘る理由

E:消費税増税の目的は、「社会保障」や「財政再建」ではなく、「国際競争力の回復」である:付加価値税と“国際関係”
http://www.asyura2.com/12/senkyo129/msg/400.html
投稿者 あっしら 日時 2012 年 4 月 26 日 23:24:46: Mo7ApAlflbQ6s


 次にリストアップした先行投稿を先にお読みいただければ幸いです。

「A:消費税増税法案をめぐる政局:「小泉改革」を超える“日本破壊政策”が「野田改革」:小沢判決との関連」
http://www.asyura2.com/12/senkyo128/msg/903.html

「B:消費税(付加価値税)と経済成長:デフレ下での消費税増税はその破壊力を生々しく実証する“経済学的社会実験”」
http://www.asyura2.com/12/senkyo128/msg/905.html

「C:消費税増税は「社会保障の維持」とは無関係:竹中平蔵氏「社会保障のためなら高中所得者対象の所得税増税以外にない」」
http://www.asyura2.com/12/senkyo129/msg/194.html

「D:「財政再建」に寄与せず逆に足を引っ張る消費税増税の論理:フロー課税の連関性だけで見えてくる消費税増税の結末」
http://www.asyura2.com/12/senkyo129/msg/198.html

========================================================================================

■ 消費税増税政策に託す財務省官僚の願い

 ここからの残り二つが、消費税増税問題に関する当該シリーズの本論と言える部分である。

 これまで説明したように、消費税の増税は、政府やメディアから聞かされているような「社会保障」や「財政再建」に貢献するものではなく、逆に、それらを悪化させてしまう政策である。

 それなのに、なぜ、野田首相や財務省は、あれほどまでに消費税増税にこだわるのか?

 消費税増税問題を考えれば考えるほど、財務省の官僚たちが、裕福ではない国民をいじめ抜くことに喜びを見出すサディストのように思えてくるかもしれない。

 共産党的解釈を好む人なら、「決まっているじゃないか。大企業と金持ちのためだよ」とすっきり割り切った回答をするかもしれない。

 消費税増税に賛成の国会議員やその必要性を説き続ける主要メディアの記者、さらには理論的サポーターとして奮闘する学者たちのどこまでが、消費税増税の表に出ている目的をウソと知りながら、消費税増税の旗を振っているのかわからない。

 今回の消費税増税に反対している小沢一郎氏は、消費税を導入した竹下元首相の側近、自民党の要である幹事長、細川内閣で財務省とタッグを組んで実現を図った“国民福祉税構想”などの来歴から、秘匿されている目的を知りながら消費税増税に反対しているように思える。
 その理由が奇妙で許し難い判決だが、一審で無罪になった小沢氏が先頭に立ち、消費税増税政策を葬り去ることを切に期待する。
 一方、主要メディアがこぞって、「無罪と言っても濃いグレーの無罪」という説明で、“小沢悪人説”を堅持している情況におぞましさを感じる。

 ウソを承知でと確実に言えるのは、消費税増税政策の発案者であり政治家の背中を強く押している財務省の官僚たちである。言うまでもなく、彼ら自身が、ウソの目的を表看板として掲げている張本人だからだ。

 私利私欲を含め、消費税増税政策の背後に財務省官僚の悪意を嗅ぎ取ることは可能だが、今回は、日本の将来を真摯に考える善意の官僚が熟慮の結果選び取った政策が消費税増税であると受け止め、そのような選択に至ったワケを探ることにした。
 最終的には、その選択が、はたして日本の将来にとって望ましいものなるのかも検討したいと思っている。

 たとえ、財務省官僚たちの頭の中にある目的がこれから説明する内容とは違っていても、提示する目的になにがしかの妥当性や意味性があるのなら、消費税の内実がよりいっそうよく見え、70年代初頭以降、欧州諸国そして米国以外の先進諸国が競って付加価値税を導入し、徐々に税率を引き上げていったワケも見えてくると確信している。

 消費税(付加価値税)の問題を考えることは、国家の財政とはどういうものか、国家社会にとって税制はどうあるべきか、国民経済はどういう論理を通じて動くのか、国際競争力はどういったことに規定されるのかなど、様々なテーマを考えることに通じる。

 「日本企業の国際競争力を高めるために法人税減税と消費税増税が必要」と言い続けている経団連も、知られたくない事実を明らかにしたくないからであろうが、すぐに理解できる法人税の減税はともかく、消費税の増税がどういう理屈で企業の国際競争力を向上させるのか、具体的に説明しようとしない。ともあれ、経団連は、消費税増税の目的を正直に語っていると思う。


● 消費税(付加価値税)と国際競争力

 消費税増税政策に託す財務省官僚たちの直接的な狙いは、日本のグローバル企業(輸出有力企業)に、世界市場で激しい競争を演じている韓国(今後は中国やインドも)やドイツのグローバル企業たちと比較して遜色のない競争条件を与えることである。

 国家国民の現在と将来を何より考える官僚のことだから、消費税増税で実現したい最終の目的は、消費税増税で進むグローバル企業の国際競争力回復(強化)を通じて、日本経済全体が力強く復活し、国民生活も底上げされ安定を取り戻すことだと推測している。

 20年以上にわたって政府債務を急速に膨大させただけで日本経済を不況の淵から脱出させることができず、そのあいだには恥ずかしい悪行さえ報じられた財務省の官僚たちが、そんな殊勝なことを考えているはずないじゃないかとまでは思わなくとも、そんなに立派で意義深い目的で消費税を増税したいと考えているのなら、隠したりせず堂々と説明すれすればいいじゃないかとは思うだろう。

 財務省(政府)が本心を明らかにしたうえで増税を求めないワケは、経団連などが、消費税の増税がどういう論理で日本企業の国際競争力を向上させるのかをきちんと説明しないワケと共通である。

 消費税(付加価値税)増税が、かつて欧米先進国に追いつこうとしていた時代に行われていた優先貸し付け・優先外貨割り当て・輸出奨励金・円安志向外国為替政策などといった “正常範囲の国策”並みの仕組みでグローバル企業の競争条件を高めるのなら、包み隠さず説明する可能性もあった(ある)と思う。

 しかし、消費税(付加価値税)増税による国際競争力の強化は、経済的自由主義や近代民主制法治主義を基礎にする国家であるなら、とうてい容認することができない仕掛けから生み出される果実なのである。

 奇妙なたとえだが、権力を掌握した共産党が“逆累進”所得税を導入するということに匹敵するほどの倒錯的な内実を秘めているがゆえに、消費税増税のホントウの目的を国民に説明することができないのである。

 ある範囲の労働者や社会保障受給者の窮乏化は進むが、供給サイドの多くの事業者にはメリットがあるとか、メリットはなくとも打撃はないということであれば、これまで日本で実施されてきた政策を鑑み、倒錯とは言わないし、説明できないこともないと思う。

 消費税の内実や増税の目的が頑なに秘匿されているワケは、その内実や目的の手段を知ると、戦後保守政党の大票田であり続けた農家・中小商店・中小企業の事業主やその家族までが怒り心頭に発するからである。

 本人に自覚があるかどうかは知らないが、小沢一郎氏が中心になって進めた小選挙区制=二大政党制も、供給サイドや保守層を基盤にした“反消費税”政党が現れ、勢力を伸長させるような政治状況の出現を防ぐためのものと言えなくもない。
 おかげでと言うとおかしな表現だが、現在の日本で“反消費税”を標榜する政治勢力は、“弱者保護”を基幹政策とし、やや“反供給サイド”のスタンスをとる“弱小”で“オールドファッション”の共産党と社民党に限られている状況である。
 この両者が仮に統一戦線を組んだとしても、多数派の形成はおろか、勢力を伸張することさえムリだろう。たとえ、マスコミによる“妨害工作”がなくとも。

 「社会保障」や「財政再建」に貢献するどころか足を引っ張るといったレベルであれば、歴史的事実であり、少し調べたり考えたりすればわかることだから、それをもって、消費税増税のホントウの目的を隠す動機にはならない。

 しかし、乗用車や冷蔵庫を買ったとき、消費税がなければもっと安く買えるのにと思い、今回の消費税増税政策で消費税が2倍になると聞き、そうなったらいい乗用車や冷蔵庫は買えなくなると嘆いている人たちに、「消費税を増税しなければ財源が足りないと騒いでいるけど、乗用車や冷蔵庫の買い物で負担したと思っている消費税は、実のところ、国や地方自治体の金庫にはほとんど入っていない。さらに、消費税増税後も、乗用車や冷蔵庫を買うときに支払う消費税がほとんど国や自治体に入らないという状況に変化はない」と説明すると、どう思うだろう。
 と言う前に、このような事実について、どれだけの国民が知っているのだろうか?

 家族や従業員の生活の糧を得るのが精一杯で、儲けは1円もなく、納付すべき消費税は家族や従業員の生活費(給与)を切り詰めてなんとか確保してきたような中小企業の経営者や従業員に、「トヨタやパナソニックなど名だたるグローバル企業の多くが、受け取っていると言っている消費税を1円も政府に納付していない。それどころか、逆に、数千億円の還付を受けているケースもある」と説明すると、どう反応するだろう。
 この事実を知っている国民も、おそらく圧倒的少数だろうと推測する。

 消費税増税の目的として「企業の国際競争力強化」を掲げれば、このような事実を含む消費税の内実を明らかにし、それが正当で妥当である理由や根拠をきちんと説明しなければならなくなる。
 なぜなら、そのような実態や事実こそが、グローバル企業(輸出有力企業)の国際競争力を高めるパワーだからである。

 消費税の内実や消費税増税の目的を秘匿しているのは、「原発問題」で、安全性という表現ではなく危険性という表現を使ったり、発生した事故の内容をきちんと説明したり、必要な安全強化策をきちんと取り上げたり、広範囲の住民を対象にした避難訓練をしたりすると、国民の多くが原発は安全なものではないと疑い、原発の増設や稼働が困難になると忌避してきた(いる)のと同じ考え方に由来する。

 過去の戦役の英霊のために生身の300万人が命を捨てることになり、1億の国民が塗炭の苦しみを味わい、あげく6年にも及ぶ占領統治を強いられた「大東亜戦争」を持ち出すまでもなく、現在の政府や一部主要メディアは、通り一遍の福島第一原発事故の“検証”を根拠に、天井に穴を開けるドリルや電源車を配備し、福島第一でも合格しそうなストレステストに合格したことなどを根拠に“安全”と認定し、定期点検を終えた原発は順次再稼働させていくと平然と語っているくらいだから、消費税問題でウソをつくことなんぞたいしたことではないと思っているに違いない。

 そうであっても、投稿Aで書いたように、消費税増税が「デフレ不況から脱し歴史的現在にふさわしい国民生活の実現と維持に資する経済政策」と判断したら、ためらいつつも擁護するつもりである。
 義理も謂われもないのに、経団連のためにもなる投稿を始めてしまったのだから、「毒を食らわば皿まで」で仕方がない(笑)。

 近代民主国家にあるまじき仕組みでグローバル企業の国際競争力を強化するというのは、日本の消費税に限った話ではなく、付加価値税である限り、どの国のものでも同じである。
 60年代末から70年代にかけて、フランスを先頭に西欧(EC)諸国が付加価値税(VAT)を本格的に導入していった“動機”も、日本や米国との経済競争で劣勢になり、域内の国民経済が高い成長力を維持できない成熟期に入ったと自覚したことである。
 70年代初めには外国為替が固定相場制から変動相場制に移行したことで、自国通貨を意図的に安くとどめることも困難になった。
 成熟期を迎えた経済社会は、過剰労働力問題を恒常的なものとし、国家の社会福祉費用も増大させる。

 付加価値税は、そのような経済社会を前提に、政治的に切り捨てることが困難な社会福祉を「裕福ではない人の相互扶助」で担い、生産性で劣る輸出企業の支援を税制という隠れ蓑を通じて行う目的で普及していったのである。
 租税負担割合の“実質”的な上昇で中低所得者の相対的貧困が進むことや中小企業の経営基盤が弱体化していくことを厭わず、金融を含むグローバル企業の活力を維持するために付加価値税を活用しようとしたのである。

 旧大蔵省が、70年代中葉から付加価値税の導入をめざし、78年大平内閣の「一般消費税」、86年中曽根内閣の「売上税」とゴリ押し的に実現をはかったのも、西欧諸国の付加価値税導入の背後に隠れている目的を認識したからである。その当時から、財源問題や福祉目的は、目眩ましであり、ダシでしかなかったのである。
 二つの付加価値税導入政策は、主要メディアを含む国民世論の反対でことごとく頓挫し、88年竹下内閣でようやく「消費税」として陽の目を見たのである。

 前置きが長くなったが、法人税減税は、企業の国際競争力強化に直接貢献するものとは言えないが、消費税増税は、国際的な競争環境に身を置く企業の競争力を濡れ手に粟的に高める機能を有している。

 今回の消費税増税政策は、これまで日本経済を支えてきた自動車や家電の名だたるグローバル企業が軒並み悲惨な経営状況に陥るなかで急浮上してきたと推測している。
 ご存じのように、ソニーやパナソニックといった世界を代表する家電メーカーが膨大な赤字を計上し、リーマン・ショック以前は1兆円もの経常利益を計上し、生産台数世界一の座を目前にしていたトヨタ自動車までもが、09年度から11年度(予測)にかけて3期連続で経常損失を計上している。

 デジタル薄型TVの構造的な収益悪化やデジタル製品の販売戦略で後手に回っている問題はともかく、大々的な業績悪化のきっかけは、リーマン・ショック後の円安是正と世界レベルの需要後退である。しかし、東日本大震災があったとはいえ、世界経済が回復していく過程でも業績はいっこうに回復しない。

 財務省をはじめとする官僚たちは、そのような事態を目の当たりにするなかで、韓国やドイツとの比較での税制面の不利を認識し、その不利を解消すれば、弱まった国際競争力も回復できる可能性があると考えたのだろう。

 家電メーカーや自動車メーカーは、産業における重要性や連関性から、エコポイント、エコカー減税やエコカー補助金など、エコを看板にした他の業界から見れば垂涎の的になるような国策的支援も受けてきた。
 それでも軒並み惨憺たる経営状況が続いていることが、財務省を中心とした官僚たちを消費税増税と法人税減税に駆り立てたに違いない。

 名前を挙げた企業に限らず、自動車や家電などのグローバル企業は、いずれも消費税を納付しておらず、逆に、「消費税還付金」を受け取る“税負担の特権者”の地位にいる。
 もちろん、それらは、脱税といった類の話ではなく、法律に則った正規の結果である。

 日本を代表する企業トヨタ自動車を例に説明すると、税引き後に純利益をなんとか計上しているトヨタも、一つの企業として最大規模の1800億円から3000億円にも達する「消費税還付金」がなければ赤字に転落してしまう。
 経常損益ベースまで赤字で、税の還付を織り込むことでようやく黒字になるというまさに綱渡りの経営をしている。

 09年期のトヨタ自動車は、営業損益で3千280億円の損失を計上し、経常損益でも771億円の損失、税会計処理でかろうじて最終純利益261億円を計上した。
 08年期までは営業利益も純利益も1兆円を超えるという期さえあったが、リーマン・ショックの翌年09年から今期(11年度)までの3年間は、「消費税還付金」を受け取ることで、ようやく頭が水面から出るという経営状況が続いている。09年期は、「消費税還付金」の2100億円がなければ、最終損益は1800億円以上のマイナスになる。
 今期(11年度)の純利益予測は528億円だから、2000億円前後の「消費税還付金」がなければ、最終利益はやはりマイナスで終わってしまうだろう。

 政府が自国企業の国際競争力を向上させたいと願っても、お金を直接注ぎ込むような政策は「政府補助金」と見なされ、競合国の政府から相殺関税を課されるため元の木阿弥になる。
 為替レートの円安への誘導は、円高で収益悪化と輸出数量の減少に苦しむ輸出企業にとって大きな救いだが、為替レートを規定する論理を超えた水準はどのみち持続性がなく、ある国が為替介入に熱を上げれば、競合国が揃って自国通貨を安くする“平価切り下げ”競争につながる可能性があることも考えれば、世界経済をただただ混乱に陥れる“我が儘”な政策でしかない。
 また、原油などの価格上昇が及ぼす経済社会全体への影響を考えれば、円安が必ずしも望ましいとも言えない。輸出企業の国際競争力のみを考えても、国際分業構造から、短期的には有利に働いても長期的にも有利に働くわけではない。

 そう考えると残された政策は、諸外国も採用していることから後ろ指を指されることもない税制の変更ということになる。
 そうして浮かび上がったのが、消費税増税と法人税減税をセットにした今回の「税の一体改革」なのである。

 むろん、日本の行く末を案じ日夜考えている官僚のことだから、輸出企業だけの利益ではなく、輸出企業の競争力強化とそれに伴う活性化が、生産設備や原材料・部品などを供給する企業や宣伝広告を含む販売促進にかかわっている企業の活性化につながり、最終的には、幅広い国民に恩恵がもたらされるようになると考えている(と思いたい)。

 かつて私も唱えた「雁行的成長論」に近いものなのかも知れない。

(「雁行的成長論」:逆V字で飛ぶ雁の群れのなかで先頭に位置する雁が領導者であるように、収益性の高いグローバル企業が経済成長の牽引者となるべきであるという考えである。グローバル企業が国際的に稼いだお金を経済社会に還流することで総需要が増加し、経済社会全体が活性化する。それにより、グローバル企業も、国内市場からも安定的な利益を得ることができ、経営基盤をさらに強固なものにできるという考え)


 論より証拠で、日本のグローバル企業が、韓国とドイツのグローバル企業と比較して税制面でどれだけ不利な状況に置かれているのか確認してみよう。

 輸出企業の国際競争力と税制の関係を考えるうえで重要な法人税と付加価値税(消費税)の税率を比較する。企業の負担問題だから、国税や地方税といった区分は必要ないのでトータルの負担で比べる。


【日韓独の法人諸税と付加価値税(消費税):11年度ベース】

日本:法人諸税40.69%:付加価値税05%
韓国:法人諸税24.20%:付加価値税10%
独逸:法人諸税29.38%:付加価値税19%


※ 日本の法人税は、時限の復興増税分を別にすると、36.19%になっている。また、日本も租税特別措置法で政策的な税優遇を行っているが、「輸出第一主義」で走っている韓国は、輸出増大に貢献している有力企業に税優遇措置を採っており、サムスンなどの実質的な法人税は15%程度とも言われている。

※ 各国の法人諸税データは財務省データを参照
http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/corporation/084.htm


 ワケは徐々に説明していくが、国際競争力の観点で法人税と付加価値税の関係を考えると、法人向け税金の税率はなんでも低いほうがいいというものではなく、法人税の税率は低く、付加価値税(消費税)の税率は高いほうが好ましいという奇妙な結論に到達する。

 要点だけ言うと、法人税の負担は利益を上げている限り逃れられないものだが、付加価値税(消費税)は、膨大な付加価値を稼いでも、「輸出免税」制度で、負担が軽減されたり還付金を受け取ったりする可能性があるからである。

 税負担を免れることが難しい税は減税し、負担の減少や還付さえある税を増税すれば、負担が減少したり還付を受けたりする“特権”的企業は、より有利な条件で事業を展開できるようになる。
 異なる国籍の二つの企業が国際市場で競争関係にあるとして、一方の税負担は重く、一方の税負担は軽いという違いがあれば、両者のあいだに価格競争力や投資力で決定的な差が付く。

 経団連の「法人実効税率を引き下げ、消費税を引き上げるべき」という提言も、法人税と消費税(付加価値税)に関するこのような理解を前提にしたものである。

 仮に、法人税を全廃し、その分を消費税の税率アップで賄うように税制を変えると、トヨタやパナソニックなど消費税を納付(負担)していないグローバル企業は、フロー(付加価値や利益)に係わる税の負担がなくなり、固定資産税や自動車関連税など資産絡みの税金のみ負担すればいいことになる。

 不幸なことに、ここ数年の日本はそういう現実を垣間見せている。それは、トヨタ自動車やソニーに象徴されるように、消費税は、納付ゼロで還付金を受け取り、法人税は、経常損益の赤字(損失)が数期にわたっているため納付する必要がないという事態が有力企業のあいだで見られるからである。

 財務省は、岡田副首相が積極的に代弁しているが、できるだけ早い時期に消費税(付加価値税)の税率をドイツ並みの20%に近づけ、自民党が代弁しているが、法人諸税の実効税率も韓国や中国(25%)と変わらないレベルまで下げたいと考えているはずだ。

 そのような思いがあるからこそ、与党対策上の戦術という側面もあるとはいえ、10%まで増税した翌年(16年)にさらに続けて増税するという驚くべき内容まで法案に盛り込もうとしたのである。

● 消費税増税がグローバル企業の国際競争力を強化する論理

 消費税増税が、どのような論理でグローバル企業の国際競争力を強化していくのか見ていこう。

 消費税増税は、財政難で苦しむ日本を国民が広く薄く負担を増やすことで支える政策だと受け止められている。
 ところが、法人税減税はわかるとしても、消費税が増税されても、負担が増えるどころか逆に“利益”が増える事業者がいるのである。
 まるで“焼け太り”のような話であるが、それこそが、消費税増税がグローバル企業の国際競争力を強化する理屈なのである。

 消費税増税がどういう論理で国際競争力を強化していくのか、「税負担構造の変化」・「事業者のマージン(付加価値)の増減」・「外国製品の国内市場へのアクセス条件の変化」という三つの観点で説明したい。


▲ 「税負担構造の変化」:輸出有力企業の税負担度合いを低下させる消費税増税と法人税減税の“一体改革”


 消費税増税と法人税減税が一体の政策が、国家社会の税負担構造にどのような影響を与えるのかという問題である。

 日本を代表するグローバル企業をはじめとする輸出企業は、(多くが誤解しているようだが)仕入に課されるのではなく、売上と仕入の差額である付加価値に課される税である消費税をまったく負担(納付)していない。
 法人税については、決算で経常利益が黒字であれば税法に則り納税している。

 消費税増税と法人税減税の「一体改革」政策は、グローバル企業にとって、自身が負担することはない消費税が増税され、自身が負担する可能性がある法人税は減税されるというものだから、税負担をまちがいなく減少させる好ましいものと言える。

 なお、グローバル企業が消費税を負担(納付)していないという指摘に財務省などが不満を持つのなら、「消費税還付金」を受け取っている企業が、還付の前提としてあるはずの消費税を1円でけっこうだから、ちゃんと負担(納付)している証拠を提示してもらいたい。

 税の「一体改革」が事業者の税負担構造をどのように変えるのかわかりやすいように、消費税増税と法人税減税の「一体改革」を極端に推し進めたケースで考えてみる。

 ある年度のフローにかかわる税収が40兆円で、内訳は、所得税20兆円、法人税10兆円、消費税10兆円だとする。供給活動を担う事業者が負担する法人税と消費税は、合わせて20兆円である。
 事業者からの税収規模20兆円というのは変えず、法人税を廃止し、その分を消費税の増税で補う政策を実施し、法人税はゼロ、消費税は20兆円という税収構造になったとする。
 このときの事業者の税負担を考えると、「消費税還付金」を受け取っている輸出企業は、事業者向けの税をまったく負担しないで済んでいることがわかる。
 とはいえ、事業者全体が負担する税額は変わっていないのだから、特定の事業者の税負担がゼロになったことで、他の事業者が、残った税負担を消費税でずっしり受け止めていることになる。

 今回の「一体改革」は法人税をゼロにするものではないが、消費税増税と法人税減税が一体の政策は、極端な例で示したとんでもなく歪んだ税負担構造に少しずつ近づくものなのである。

 このような仕掛けが見えてくると、政府が、消費税を、けっして事業者対象の直接税とは言わず、「間接税」で最終消費者が負担する税金だとしきりに喧伝してきたワケが透けて見えるはずだ。

 国民みんなが、消費税は事業者の付加価値に課され、事業者が負担する法人税と同じ事業者対象の「直接税」であると認識すれば、消費税増税政策で推し進められようとしている税負担構造のとんでもない不公平にも気づきやすいからである。
 消費税の増税が消費者=一般国民の負担増と認識されているあいだは、保守的政党を投票行為や集票活動で支えてきた中小事業者や農民の“反乱”をなんとか抑制できるだろう。


 前半で示した【日韓独の法人諸税と付加価値税(消費税):11年度ベース】のような比較表をベースに法人課税の重さを考えると、普通の感覚では両方の税を加算したものになるだろう。
 日本の法人税は12年度から減税されているので、その値に変えた表を示し、法人諸税と付加価値税を合計した値を追加する。


【日韓独の法人諸税と付加価値税(消費税):12年度ベース】

日本:法人諸税38.69%:付加価値税05%:合計43.69%
韓国:法人諸税24.20%:付加価値税10%:合計34.20%
独逸:法人諸税29.38%:付加価値税19%:合計48.38%


 この比較表を見ると、さすが高福祉国家のドイツは法人が負担する税金も高いなあと思うかも知れない。そして、日本の法人の税負担は、韓国よりは重いが、ドイツよりは軽いと評価したくなるかもしれない。

 しかし、グローバル企業の経営者なら、日本は、ドイツよりも、さらには韓国よりも税負担が重い国と評価するだろう。
 むろん、日本国内の市場だけで事業を展開している企業の評価はまったく変わるし、ドイツも、ドイツ国内市場だけで事業を展開している企業も違った評価になる。

 グローバル企業の経営者に、他の要素は排除し、法人税制だけを基準にリストアップした三つの国のいずれに本社を置きたいかと問えば、ドイツ→韓国→日本となるだろう。
 グローバル企業にとって、法人税制の評価は、法人税と付加価値税の合計ではなく、法人税から付加価値税を差し引いた値にこそ意味があるからである。

 なぜなら、グローバル企業にとって、法人税は利益が出たときに負担しなければならないものだが、付加価値税は、非課税の「還付金(輸出戻し税)」が得られる貴重な収益源として恒常的に機能してくれるものだからである。

 試しに、法人税から付加価値税を差し引いた値を比較する。

【法人諸税から付加価値税を差し引いた値の比較】

日本:38.69%−5%=33.69%
韓国:24.20%−10%=14.20%
独逸:29.38%−19%=10.38%


 この値にどのような意味があるかは、読み進めてもらえば、徐々に明らかになっていくはずだ。

 消費税の税率が15年に10%になれば、そのときは法人税の復興特別増税もなくなっているから、法人税から付加価値税を差し引いた日本の値は26.19%になる。

 それでも、韓国やドイツの値より10ポイント以上も高いのだから、岡田副首相が消費税率18%、自民党が30%未満の法人実効税率を主張している理由が見えてくる。

 仮に、法人諸税が29%、消費税が18%になれば、値が11%となり、ドイツと較べても遜色ないレベルになる。
 むろん、税制のみが企業の競争力や利益を規定しているのではないから、税制をそのような内容にしたからといって、有力企業の競争力や収益力が強化されると決まっているわけではない。今回の税の「一体改革」をめぐる是非は、結局のところそこに集約される議論になる。

 グローバル企業が消費税を負担(納付)しないのは、「輸出免税」に伴う「消費税還付」制度があるからである。
 表現を簡潔にするため、「輸出免税」に伴う「消費税還付」制度を、「輸出戻し税」と呼ぶ。

 消費税の還付は、輸出に限定された措置ではなく、めったにないことだが、店じまい換金セールや大量の返品を受けて通期のマージン(付加価値)がマイナスであれば発生する。
 しかし、「輸出戻し税」は、不思議なことだが、通期のマージン(付加価値)がプラスでも(たとえ数兆円あっても)発生する。

 輸出を行う事業者は、本質的な違いではないが、消費税に関する外見性から三つに区分できる。

@ 国内売上で生じた付加価値に課される消費税が「輸出戻し税」で減額される事業者
A 国内売上で生じた付加価値に課される消費税が「輸出戻し税」で帳消し(ゼロ)になる事業者
B 「輸出戻し税」が国内売上で生じた付加価値に課される消費税額を超えて現金の還付金を受け取る事業者

 税の「一体改革」で自分の負担は減り第三者に税負担を押し付けるという“恩恵”は、@〜Bいずれの事業者でも享受するが、@の事業者は、消費税の負担(納付)がゼロというわけではない。
 消費税をまったく負担(納付)しないのは、AとBに該当する事業者である。

 「輸出戻し税」について簡単に説明する。
消費税率が5%のとき、輸出も行っている企業の消費税は、

消費税額=税込国内売上額×5/105−税込総仕入額×5/105

という式で算出される。(「総仕入」というのは国内分・輸出分両方のための仕入を意味する)

消費税が10%になると、税込金額から税額を求める乗率である5/105の部分が10/110に変わるだけで考え方は変わらない。

この式を付加価値税らしく表現し直すと、

消費税額=(税込国内売上−税込総仕入)×5/105

となる。
 輸出の売上がないから全体として得ている付加価値とはずれているので、ちっとも付加価値税らしくないとお叱りを受けそうだが、だからこそ、今回の説明の肝になるのである。

 「消費税還付金」はこの式の値すなわち消費税額がマイナスのときに受け取るものだから、国内税込売上が税込総仕入よりも少ない場合に、還付金が発生すると言える。

 たとえ「消費税還付金」を受け取らなくとも、国内売上のための仕入を超える部分の仕入に5/105を乗じた金額が「輸出戻し税」として発生し、国内売上で得た付加価値に課される消費税額を減少させる。

 「輸出戻し税」は、消費税擁護派の言い方をまねると、“輸出のための仕入に含まれていると認定された消費税額”ということになる。
 輸出を行う企業は、「輸出戻し税」により、金額の多寡はあるとしても、国内売上から生じた付加価値に課される消費税が必ず少なくなる。

 「(国内税込売上−税込総仕入)<0」になる(還付金の発生)条件は、輸出比率や対売上原価(仕入)率で異なる。対売上原価(仕入)率が高ければ、輸出比率が低くても「消費税還付金」を受け取ることになる。

 Bに該当する事業者にとって、「消費税還付金」は、目の前に現金で積まれる“輸出奨励金”となる。むろん、@とAの事業者も、論理的な“輸出奨励金”を受け取っていることに変わりはない。
 かつてなら外貨不足解消と経済成長のためと説明され公にされていた輸出補助政策が、今では、消費税(付加価値税)という税制で秘匿された“輸出奨励金”になっているのである。

▲ 「事業者のマージン(付加価値)の増減」:消費税税率が5%から10%の2倍になれば「輸出戻し税」もほぼ2倍


 消費税の税率がアップすると、その負担が仕入価格に上乗せされるためコストアップになるが、販売価格に自分の負担増加分として上乗せすることでチャラにできるから、事業者に損得は発生しないと説明されている。消費税増税で負担が増えるのはあくまで最終消費者とされている。

 転嫁がうまくいけば損をする事業者はいないかもしれない。
 しかし、取り上げられることはないが、消費税増税で得とする“焼け太り”の事業者はきっちり存在するのである。

 税抜販売価格9400円・税抜仕入価格7000円・マージン(付加価値:2400円)の商品販売で、消費税増税が及ぼす影響を確認してみよう。

・税率5%:税込販売価格9870円・税込仕入価格7350円

消費税額=(9870円−7350円)×5/105=120円
マージン=9870円−7350円−120円=2400円

・税率10%:税込販売価格10340円・税込仕入価格7700円

消費税額=(10340円−7700円)×10/110=240円
マージン=10340円−7700円−240円=2400円

 このように、納付すべき消費税は2倍になっているが、転嫁がうまくいく想定なので、事業者のマージンは2400円で変わりはない。

 しかし、「輸出戻し税」を受け取る事業者の場合は話が違ってくる。
輸出企業の消費税(「輸出戻し税」)算定式は、

消費税額=(税込国内売上−税込総仕入)×税率/(100+税率)

と表現できる。

 還付金を受け取る企業は、必ず「税込国内売上<税込総仕入」であるから、売上も仕入も消費税がきちんと転嫁されると想定すると、(税込国内売上−税込総仕入)のマイナス値は、消費税の税率が高くなるほど若干だが大きくなる。
 そのマイナスが大きくなった値に、大きくなった「税率/(100+税率)」(5%で4.76%→10%で9.1%)を乗ずるのだから、最終的な「輸出戻し税」も増大する。

 「輸出戻し税」算出のベース金額(税込国内売上−税込総仕入)が増えることを無視しても、「輸出戻し税」は1.91倍(9.1%/4.76%)に膨らむのである。

 例えば、税抜国内売上:400億円・税抜総仕入500億円・輸出:300億円・マージン200億円のケースで消費税の処理を終えると、

・消費税率5%:

消費税額=(420億円−525億円)×5/105=▼4.76億円
還付金=4.76億円
最終マージン=204.76億円

・消費税率10%:

消費税額=(440億円−550億円)×10/110=▼10億円
還付金=10億円
最終マージン=210億円


 消費税の増税があったのに、この輸出企業は、消費税を勘案すると、マージンが逆に増えている。この例では、2倍以上も増加している。
 消費税の税率がアップすると、転嫁の論理で増税負担がチャラになる一般事業者とは異なり、輸出事業者は「輸出戻し税」(益)が比例的に増加するのである。

 これを企業の競争力という視点で見れば、元の税率時に得ていた最終マージンで経営上の問題がないのなら、消費税増税でマージンが増えたことをもって、“価格を下げる余白”すなわち価格競争力がアップしたと言える。

 上の例で言えば、マージンが5.24億円増えているから、それを国際競争力のアップに注ぎ込むのなら、5.24億円/300億円(1.7%)の輸出価格引き下げが可能になる。

 日本国内を考えれば、デフレ不況のなかで他の事業者は、増税で増加した消費税の負担を転嫁できずに苦しんでいるのに、「消費税還付金」を受け取るような事業者は、仮に負担増を転嫁できなくても、増えた「消費税還付金」で穴埋めができることになる。


 さらに、消費税増税で「消費税還付金」という“利益”が増大するロジックは、グローバル企業をより危険な方向へと追いやる。

 「輸出戻し税」を増大させる方法の基本は、算定式を見ればわかるように、「税込総仕入」を増やすことである。
 むろん、めったやたらと増やしてもマージンが減るだけだから、「仕入」と認定されない費目を「仕入」と認定される費目に移すことを通じて実現しなければならない。

 その役割を担うのが「人に関する経費」なのである。
 法人税では、給与も派遣会社への支払いも外注費もすべて等しく経費として扱われるが、消費税では、直接雇用の人件費は控除できる「仕入」ではないのに、派遣会社に支払う“人件費”や外注費は控除できる「仕入」とみなされる。
 そのように処理される建前は、派遣会社や外注先に支払う費用には消費税の転嫁分が含まれているからということになるが、正規従業員と派遣労働者の賃金格差や雇用主の社会保険負担などを考えれば、消費税の転嫁分なぞ吹っ飛ぶことがすぐにわかる。

 他の事業者も、雇用している従業員を派遣労働者や外注に置き換えることで消費税の負担を減らすことができるが、「輸出戻し税」を受け取っている事業者は、雇用する従業員を派遣労働者や外注に置き換えることで、「消費税還付金」という“利益”を増やすことができるのである。
 消費税の税率が高くなればなるほど、ハケンや外注の費用がより多くの「消費税還付金」を生み出す。


 先ほどの「税抜国内売上:400億円・税抜総仕入500億円・輸出:300億円・マージン200億円」のケースを使って説明する。

 マージンのなかには雇用している従業員の給与総額(社会保険料込み)100億円の原資が含まれているとする。
 従業員の給与は消費税で税額控除の対象とならないので、70億円分を派遣労働者に置き換え、直接雇用は30億円分にとどめた。派遣労働者の70億円は、派遣会社の消費税転嫁分を含むものとする。

消費税率5%のとき:元の「還付金」4.76億円・元の最終マージン204.76億円

消費税額=(420億円−(525億円+70億円))×5/105=▼8.33億円
還付金=8.33億円
最終マージン=208.33億円

消費税率10%のとき:元の「還付金」10億円・元の最終マージン210億円

消費税額=(440億円−(550億円+70億円)×10/110=▼16.36億円
還付金=16.36億円
最終マージン=216.36億円

 最終マージンが、直接雇用の従業員だけで派遣労働者を利用しないときより大きく増加していることがわかるだろう。
 これに味を占めた経営者は、派遣労働者を90億円、直接雇用を10億円とした。この場合の消費税額と最終マージンは、

消費税額=(440億円−(550億円+90億円)×10/110=▼18.18億円

最終マージン=218.18億円

と、さらに“利益”が増大する。

 労働市場がタイトであれば、消費税増税後に賃金を切り下げることはなかなかできないが、ここ15年の日本や欧米諸国の雇用環境そして労働運動の実情を考えれば、賃金に強い上昇圧力があるとは考えにくい。
 何より、派遣労働者には雇用であれば負担することになる社会保険の企業負担がないことで、消費税の増税と相殺できる可能性が高い。

 派遣会社に対する90億円の支払いを消費税5%アップに合わせて94億円にすると、マージンは4億円減少し196億円になる。

消費税額=(440億円−(550億円+94億円)×10/110=▼18.54億円
還付金=18.54億円
最終マージン=214.54億円

 それでも、直接雇用100%のときの最終マージン210億円より、4.54億円、率にして2.2%も増えるのである。

 このような論理が、89年の消費税導入後、派遣労働者の割合が増加し、経団連などが派遣労働の適用業務拡大を強く求めている重要なワケである。
 ただ単に、従業員を雇用する経費より派遣労働者のほうが安上がりという理由ではないのだ。
 消費税の負担が減ることは国内専業企業も同じ条件だが、「消費税還付」を受けるグローバル企業は、“利益”の増大につながるのである。
とにかく、消費税で「仕入」と認定されない経費はできるだけ減らし、消費税で「仕入」と認定される経費に振り替えていくことで利益を増大させることができるのである。


▲ 「外国製品の国内市場へのアクセス条件の変化」:特殊な「輸入関税」としての消費税(付加価値税)

 日本では消費税は“消費税”として考えられがちなので、輸出や輸入といった国境措置がどうなっているのか、ほとんど関心をもたれていないようである。

 国境における消費税の取り扱いは、輸出は「免税」、輸入は課税である。
 輸入が課税取引ということは、輸入関税とは別に、消費税が水際で課されることを意味する。
 水際の消費税課税ベースは「輸入関税課税価格(CIF価格)+輸入関税などの税」で、その金額に消費税税率を乗じた額が消費税となり、輸入事業者から関税とは別に徴収される。

 欧州諸国のように付加価値税が20%前後という高い税率になっている国に輸出する場合は、輸入関税の負担に加えて、多額のお金を付加価値税として納付しなければならないことになる。
 たとえ輸入関税が撤廃されていても、20%前後の輸入関税が課されているのと変わらないのである。
 まだ調べていないが、このことから、域内で水平分業が進んでいる欧州諸国の付加価値税の税収に占める「輸入にかかわる付加価値税」の割合は非常に高いと推測できる。
 だからこそ、あらゆる国が20%前後という同じ水準の付加価値税になっているとも言える。付加価値税率の違いは、輸入関税税率の違いと同じく、競争上の不公平を意味するからである。

 日本のメーカーが乗用車をCIF価格100万円でドイツに輸出すると、乗用車の関税がゼロだとしても、100万円×119%→119万円の陸揚げ価格になる。
 逆に、日本のディーラーがドイツの乗用車を同じCIF価格で輸入すると、同じく輸入関税はゼロとして、100万円×105%→105万円である。

 これは、二つの乗用車が同じ品質で同じ機能だと仮定すると、付加価値税の税率の違いにより、水際段階で大きな価格差が生じることを意味する。
 消費税は最終的に消費者に転嫁されると説明されるが、だからといって、価格競争力が消えるわけではない。消費税込みの原価(コスト)が高ければ、消費税込み販売価格はさらに高くなる。
 別の言い方をすると、輸入で課される消費税は、輸入関税と同様、国内事業者を外国の事業者から保護する役割を有していることになる。

 TPP交渉参加をめぐる論議で、輸入関税の引き下げや撤廃は小売価格の引き下げにつながるので、消費者にもメリットがあるといった説明が行われた。
しかし、当時からすでに消費税増税政策が大きな話題になっていたのに、消費税の増税が輸入品の価格上昇につながることは、まったく説明されなかったし、今もされていない。
 メインストリームであれこれ発言する人は、“政治的良心”はともかく、“学問的良心”というものをまったく持ち合わせていないように思える。

 輸入と消費税の関係がわかると、経団連などが輸入関税の引き下げにつながるTPPやFTAなどの締結を急がせるワケも見えてくる。

 グローバル企業は、国内で生産した製品の輸出や国内販売だけでなく、海外で生産した自社ブランド製品を輸入し国内で販売している。
 国境措置が輸入関税なら、日本企業が海外で生産した製品にも関税が課され、それが“コスト”から消えることはない。その意味で、輸入関税だけなら、日本企業と競合する外国企業の条件に差は生じない。

 ところが、輸入関税がゼロになり、消費税のみになると、話は変わってくる。

 グローバル企業には、「輸出戻し税」さらには「消費税還付金」という“特典”が用意されているからである。
 海外生産の製品を輸入し水際で消費税が課されたとしても、「輸出戻し税」でその負担を減らしたり消し去ったりすることができる。

 グローバル企業は、国内販売か輸出かを問わず、「消費税還付金」を考慮したうえで、販売価格を設定することができる。
 一方、日本以外で生産した製品を日本で販売しようとする外国企業は、日本に生産拠点があり製品の輸出もしていれば別だが、日本の水際で課税された消費税を消すことはできない。
 水際で課された消費税もコストとしてずっとつきまとうから、それを織り込んで販売価格を設定しなければならない。

 韓国、日本それぞれのメーカーが日本以外で生産した高級薄型TVを日本に輸出したとする。輸入関税はゼロ%で、CIF価格はともに5万円とする。

 消費税が水際で課されることは共通だから、輸入業者(日本法人や本社)の引き取り価格は、消費税税率が5%であれば52500円となる。

 韓国メーカーの日本法人は、輸入販売だけなので「輸出戻し税」はない。
 韓国メーカーの日本法人でも、消費税の計算上、仕入に伴う消費税の控除はあるが、「輸出戻し税」のように、対応する“売上に伴う消費税”がないのに控除できるというものではないから、還付につながることはない。当たり前のことだが、基本的に、売上>仕入だからである。
 「輸出戻し税」は、売上に伴う消費税がないのに、その売上のための仕入から算術的に求められた消費税額を控除することで発生するものである。

 一方、輸出も行っている日本メーカーには「輸出戻し税」がある。

 製品を輸入した韓国メーカーの日本販社は、消費税を差し引いた後に30000円のマージンが確保できる価格で家電量販店に販売するものとする。

販売価格=(52500円+30000円)×1.05=86625円

消費税額=(86625円−52500円)×5/105=1625円

マージンをチェックすると、86625円−52500円−1625円=30000円

さらに、消費税は、輸入段階で自分が負担した2500円もあるので、合計で4125円である。

 日本メーカーも同じように消費税が課されるように思えるが、最終的に還付金を受け取るのだから、消費税は、輸入段階の分も含めて、少なくともゼロである。

 ということは、量販店への販売価格を80000円にしても、1台当たり30000円のマージンが確保できることを意味する。

 この取引における日韓両メーカーを較べると、同じ30000円のマージンを得るための販売価格は、日本メーカーが80000円で、韓国メーカーが86625円となる。
 日本メーカーは、6625円、率にして7.6%ほど有利な価格条件を提示できる。
 そして、家電量販店で小売りされる価格は、量販店のマージンや消費税負担分が上乗せされるので、卸価格の差以上に韓国メーカーのほうが高くなる。

 次に、消費税が10%になったときを考える。

 消費税税率が10%になると、水際の消費税もアップして5000円となる。
 「輸出戻し税」がない韓国の日本法人は、「(55000円+30000円)×1.1」と93500円の卸価格にしなければ、消費税処理後に30000円のマージンを確保できない。
 しかし、日本メーカーは、同じ価格で販売すると、93500円−50000円=
43500円のマージンを確保したことになる。違う言い方をすると、日本メーカーは、韓国メーカーよりも13500円安く販売できる。
 消費税率が5%のときは、同じCIF価格とマージンで、6625円の差だったものが、13500円と2倍に膨らむのである。


 消費税は個別取引ごとに処理されるものではなく、通期で処理されるものなので、次のようなケースを考えてみる。

 税込価格3000円で仕入れた2万個の商品を、輸出も国内販売も税込価格3000円で販売するとする。
 想定のケースは違っても、税込総仕入額6千万円・税込総売上6千万円であることは変わらない。
 そして、仕入価格と販売価格が同じなので、どのケースでも、マージン(付加価値)は発生しない。ということは、付加価値にかかる消費税はゼロになるはずである。

輸出免税取引がある消費税額は、前述したように、次の算定式で求められる。

消費税額=(税込国内売上−税込総仕入)×税率/(100+税率)

この式に、具体的な例を適用してみる。

・ケースA:2万個を半分(1万個)ずつ輸出と国内で販売

消費税税率5%:消費税額=(3千万円−6千万円)×5/105=▼142.8万円

値がマイナスだから還付金が発生する。

「輸出免税」にともなう「消費税還付」制度で、利益が出ない取引でも現金142.8万円を手に入れることができたことになる。

(還付金額:142.8万円)

消費税税率10%:消費税額=(3千万円−6千万円)×10/115=▼272.7万円
(還付金額:272.7万円)


・ケースB:2万個すべて輸出

消費税税率5%:(0円−6千万円)×5/105=▼285.7万円
(還付金額:285.7万円)

消費税税率10%:(0円−6千万円)×10/110=▼545.4万円
(還付金額:545.4万円)


ケースC:2万個すべて国内販売:税込国内売上=税込総売上

消費税税率5%:(6千万円−6千万円)×5/105=0円
(消費税もしくは還付金:0円)

消費税税率10%:(6千万円−6千万円)×10/110=0円
(消費税もしくは還付金:0円)


 これで、「輸出免税」に伴う「消費税還付」が輸出企業に利益をもたらす制度であり、その利益は、消費税の税率が高くなるほど増えることがわかったと思う。


 以上が、消費税増税がもたらす「税負担構造の変化」・「事業者のマージン(付加価値)の増減」・「外国製品の国内市場へのアクセス条件の変化」に関する説明である。

 拙い説明なのでどこまで理解を得られたのか自信はないが、日本を代表する企業が、消費税増税で有利な国際競争条件(利益)を手に入れるという話は見えたのではないかと思っている。

 経団連やグローバル企業を擁護する気はまったくないが、日本のグローバル企業が消費税増税で手に入れる有利な条件は、日本のグローバル企業との関係において、韓国やドイツのグローバル企業はすでに手に入れていることになる。

 官僚たちは、輸出企業の国際競争力を高めることこそが日本経済の成長を維持する基礎だと考えているのだろう。そのような考えを否定するつもりはない、その通りだと思う。
 しかし、消費税の増税が国際競争力を高める手段だと考えているのなら、断じて否と言う。算術で競争力を強化することなぞできない。もっと複雑に様々な要素が絡み合う論理を通じて経済は動いていくからである。消費税増税がグローバル企業に与える特典は一つの要素でしかない。
 最低でも、デフレ基調を脱しない限り、消費税増税がグローバル企業の国際競争力の強化につながることはない。日本経済全体の回復や国民生活の底上げを考えればなおのことである。

 その証左が、02年から08年にかけての「異常円安好況期」に見られたグローバル企業と日本経済の動きである。
 理論値から大きく乖離した水準での円安は、消費税増税と似た国際競争力上昇要因である。
 最高益さえ更新していった戦後最長の好況期といわれたこの時期に、日本の有力企業は、積極的な返済で債務残高を大きく減らしていっただけでなく、内部留保も100兆円ほど積み増しした。
 グローバル企業は利益を内にとどめたが、それでも、外需に支えられた派遣労働者の増員や時間外手当の増加で総需要は増大し、05年から07年にかけて、日本経済はデフレ基調から脱出できる兆しさえ窺えた。
 しかし、結局はそこまでで、08年初秋のリーマン・ショックを契機にひどいリセッションに陥った。

 デフレ基調という問題を脇に置けば、グローバル企業が、消費税増税という国策で増大した利益を、給与の引き上げや投資に回したり、景気変動のバッファとして活用したりするのなら、官僚たちが考えている目的に少しは近づく可能性もある。
 しかし、「異常円安好況期」でも給与水準や賞与を押さえ込み、そのあいだに内部留保を大きく積み増ししていながら、不況になればすぐに“派遣切り”という現実を見せつけられた後では、消費税増税政策が、回り回って広く国民の利益になるとはとうてい考えられない。

 消費税増税と法人税減税をセットで求めることで、“タダ乗り”どころか“利益拡大”を目指している経団連が、政府に歳出削減や社会保障給付の抑制を求め、国民には自助努力の訓示を垂れ、消費税の増税を国家のためと説明するのだから、怒りを超えて笑ってしまう。

 消費税では“益税問題”もよく取り沙汰される。
 「消費税納税義務免除事業者」制度や「簡易課税」制度のことだが、輸出有力企業に付与された巨大な“特典”を棚上げにして、それらを“益税”と呼び大問題のように語る人たちの知性と心性を疑う。

 次回は、「輸出戻し税」に正当性や根拠があるのかを中心に、消費税増税問題の締めくくりを行うつもりである。
http://www.asyura2.com/12/senkyo129/msg/400.html
 

▲△▽▼


消費税シリーズ番外編:「輸出戻し税」妥当説の妥当性を簡単に説明
http://www.asyura2.com/12/senkyo129/msg/466.html
投稿者 あっしら 日時 2012 年 4 月 28 日 03:16:17: Mo7ApAlflbQ6s
 

 




前回の投稿のコメント欄で、「輸出戻し税」(「輸出免税に伴う消費税還付」制度)について、お二人から「仕入で支払った(“負担した”)消費税が戻ってくるだけの話だから別に問題はない」という趣旨のコメントをいただきました。

 次回の投稿で「消費税還付」制度の正当性を問題にするつもりなので、そこで説明しようかとも思いましたが、長文になるとかえってわかりにくいのではと考え、別枠で簡単に説明させていただきます。

【コメント元の投稿】

「E:消費税増税の目的は、「社会保障」や「財政再建」ではなく、「国際競争力の回復」である:付加価値税と“国際関係”」
http://www.asyura2.com/12/senkyo129/msg/400.html

のコメント欄4.と12.です。


 まず、「輸出戻し税」が正当な制度に見えるのは、「原発の安全神話」と同じように、財務省(国税庁)が、消費税の処理方法や解説を通じてみんながそう思うように仕向けてきた成果だろうと思っています。

 順番が逆で恐縮ですが、説明の都合で、コメント欄12.への回答を先に行います。


【引用1】
「12. 2012年4月27日 15:34:49 : EppdwTIO9Y
素朴な疑問なんですが、何で利益になるのかが分かりません。
仮払消費税として、仕入先に払った消費税が戻ってくるという話ですよね?
キャッシュが入ってくるのは、嬉しい話だと思いますが。

会計上、どんな仕訳をして利益にするか、教えて下さい。 」

【回答1】

>仮払消費税として、仕入先に払った消費税が戻ってくるという話ですよね?

 答えはノーです。
 消費税還付は、1円も払っていない税金(消費税)がどういうわけか還付されてくるという希有で不思議な制度なのです。

 というのは、仮払消費税は、計算上の話で、実際に「仕入先に払った消費税」ではありません。
 というより、転嫁の事実や“払ったつもり”があることを否定しませんが、どんな事業者(最終消費者)も、仕入れ(購入)先に消費税を払うことはないのです。
 消費税は、消費税関連の法規を読めばわかるように、地方分を含め中央政府(税務署)に払うものであり、仕入れ先に払うものではありません。

 少し飛んだ話になりますが、もしも、消費税の転嫁云々をもって、仕入先に消費税を払ったと言えるのなら、仕入れ先に法人税を払ったと言うこともできます。
 所得(利益)に課される法人税の源泉は、販売を通じて得るマージン(付加価値)だからです。

 言葉遊びに聞こえるかも知れませんが、仮払消費税は、あくまでも、個別の「仕入に含まれていると認定してもらえる消費税の金額」です。
 国税庁も、「仕入にかかわる消費税」という曖昧な表現を使っているだけで、「仕入で支払った消費税」だとか「仕入で負担した消費税」といった“危ない”表現は一切使っていません。

 最終的な消費税処理で説明される「仕入にかかわる消費税」も、計算上、「仕入に含まれていると認定する消費税」です。
 「仕入先に払った消費税」という表現は、そう思わせたい国税庁がつくりあげた消費税イメージからつい出てくるものなのです。

 間接税である温泉の入湯税は、法律で温泉施設の利用者が負担すると決められ、旅館など温泉施設の営業者は、政府の代理で税金を徴収し政府に納付する義務を負っています。
 我々が支払う入湯税は、外見的には温泉施設に支払いますが、法律的には政府に支払っているのです。

 ということから、借受消費税も、「売上で受け取った消費税」ではありません。
 借受消費税は、「どう抗弁しようとも売上に含まれていると認定される消費税の金額」なのです。

 ときに使われる“預かった消費税”という表現も錯誤で、代理徴収の権限も義務もない事業者が消費税を預かることはできません。
 逆に、消費税は一切いただきませんといった商売をしていても、消費税納税免除事業者でない限り、消費税は計算式ではじき出され徴収されます。

 仮払消費税も、借受消費税も、実際の取引で消費税がどう扱われたかということとは無関係なのです。
 なお、消費税にかかわる税務会計は、税込と税抜があり、「仮払消費税」と「借受消費税」が勘定科目として必要なのは、税務処理を消費税抜きベースで行うときです。
 税込ベースで税務会計を行うときは使われません。

 現実にもある話だと思いますが、仕入れ先から「今回も、本体9千円、消費税450円でお願いします」と言われ、「売れ行き不振で困っているから、消費税分は値引きして9千円で頼むよ」と交渉したら、9千円で仕入ができたとします。

 税抜処理でこの取引を仕訳すると、

[借方]仕入8572円・仮払消費税428円
[貸方]買掛金9000円

となります。

 一方、このケースの仕入れ先は、「まあ仕方がないか。消費税は受け取らないのだから、借受消費税はゼロ」と処理しても、税務署にはまったく通用せず、最終的に428円の消費税が課されることになります。

 税務署ではない仕入先に消費税を払うことはありえないのですから、消費税の還付は、仕入先に払った消費税が戻ってくるというような話ではないのです。
 逆に、「消費税還付」制度があるがゆえに、国税庁などが、それを正当な制度と思わせるため、「仕入先に払った消費税」という意識を植え付けているのです。


>会計上、どんな仕訳をして利益にするか、教えて下さい。

 たとえ、個別の取引について仮払消費税・借受消費税という勘定科目で仕訳処理をしていても、最終的な消費税額は、「借受消費税−仮払消費税」ではなく、総売上と総仕入を基礎とした消費税の算定式により求められます。
 その値が「未払消費税」で、「借受消費税−仮払消費税」の値と差が生じたら、雑益もしくは雑損として会計的に処理されます。

 法人税の処理についてですが、納付した消費税は翌決算期に損金(公租公課)として扱われますが、還付される消費税は、還付申告時の決算期もしくは還付金を受け取る決算期を任意に選択できます。そして、消費税還付金の仕訳勘定科目は「雑収入」になります。
 計上時期を当該決算期にするか翌決算期にするかという問題は、経常損益の状況を見て有利なほうを判断するでしょう。

 法人税の還付金の仕訳は、未収還付法人税と雑収入(還付加算金がある場合とき)ですが、消費税の還付金は、さすがに、払ってもいない税金の還付を受けるのですから、益金として扱われるようです。

 消費税還付がホントウに支払った税金の“過払い”分であるのなら、還付金は、益金扱いされる雑収入ではなく、税務処理後の内部留保として扱われなければおかしいはずです。

 自分の財布から“間違って”取られたお金が戻ってきただけなのに、雑収入というのはおかしいですからね。

【引用2】

「04. 2012年4月27日 04:18:44 : VGZeXVfO42
あっしらさんは全然ダメですな。
輸出戻し税はどう考えても真っ当。
外国に品物を売るのだから日本の消費税(売上税)は掛からない。
だから払った消費税(売上税)を還付する。
これのどこが可笑しいの。
税務会計をちゃんと勉強すれば判ることでしょう。 」

【回答2】
 VGZeXVfO42さんが【回答1】を読まれてどういう感想を持たれたかわかりませんが、疑義のポイントに絞って説明します。


>払った消費税(売上税)を還付する。

【回答1】で説明したことに尽きますが、輸出事業者に還付すべき消費税は、誰にどういう法規定を根拠として支払った消費税なのか説明していただけますか?


>外国に品物を売るのだから日本の消費税(売上税)は掛からない。

 輸出は、「免税」という“課税”取引であって、消費税が課されていないわけではありません。輸出には0%の消費税が課されています。消費税が課されない取引は「非課税」です。

 消費税の後ろに(売上税)という表現が付加されていますが、それは、消費税は、付加価値税ではなく売上税という意味なのでしょうか?

 仮に消費税を売上税とお考えなら、輸出事業者に還付される消費税は、どの部分の売上に課されたものとお考えですか?

 輸出事業者の輸出にかかわる消費税は税率0%なので、輸出で売上税は発生していません。
 消費税は仕入税ではないはずですから、輸出事業者が仕入で支払った「売上税」が還付されるという奇妙な話はないと思われます。

 消費税が仕入税で、輸出は、非課税取引でそのための仕入で“納付”した消費税(仕入税)は還付するという税法の規定になっていれば、「輸出戻し税」は正当な制度と言えます。

 最後に質問させていただきます。
 住宅賃貸や福祉関連などの非課税取引は、売上で消費税が課されませんが、仕入では消費税の“負担”が生じています。免税と非課税の違いがあるとは言え、とてもよく似ています。
 「外国に品物を売る」わけでありませんが、「非課税なのだから日本の消費税(売上税)は掛からない」のです。

 VGZeXVfO42さんは、非課税取引の売上に要する仕入で“負担した”消費税が還付されないことをどのように考えますか?
http://www.asyura2.com/12/senkyo129/msg/466.html


▲△▽▼

消費税シリーズ番外編:消費税と法人税は基本的に同じ税金:消費税と法人税の転嫁について
http://www.asyura2.com/12/senkyo129/msg/504.html
投稿者 あっしら 日時 2012 年 4 月 29 日 05:13:54: Mo7ApAlflbQ6s
 

 




「消費税シリーズ番外編:「輸出戻し税」妥当説の妥当性を簡単に説明」
http://www.asyura2.com/12/senkyo129/msg/466.html

へのコメントのなかのEopofEgjcさんの質問に答えるかたちで消費税の内実を説明します。コメント欄06.の@です。

なお、06.のAと08.への回答は別のスレッドで行うつもりです。


まず、ふだん聞かされている内容やイメージではまったく別ものに思える消費税と法人税は、課税ベースの広狭と税率の高低が違うだけで、事業者の付加価値に課される「直接税」という意味で同じなのです。


【引用1】
「@法人税と消費税を同義に捉えるのはそれこそ錯誤のもとじゃないでしょうか。
だって消費税は販売価格の5%(内税なので実際は5/105)と確定されているのに対し、法人税はそうじゃないし、第一法人税は単純な販売利益に対する課税じゃありません。
法人税は一事業者の1年間トータルの収益(厳密にはちょっと違うけど)に対して課税されるものです。
ですから販売で利益があったとしても、事業者の収入全体が仕入原価や減価償却費や人件費や支払利息等々の費用(厳密には…同上)より下回っていれば(課税所得がゼロ以下なら)法人税は実質ゼロです。
と言う事は法人税額は1年間の期末を迎えなければ分かりませんし、前年の税額を売価に転嫁するにしても、今年度どれだけ販売できるか分からない事には1商品に転嫁する金額を割り出せません。
不可能です。 」

【質問@への回答】

>法人税と消費税を同義に捉えるのはそれこそ錯誤のもとじゃないでしょうか。


 法人税と消費税は、根源が事業者の付加価値(マージン)に課される税という意味で同義の税制です。

 消費税と法人税の違いは、消費税の非課税取引や免税取引という特殊な規定を別にすると、収入と費用の範囲(課税ベース)及び税率だけと言えます。

 財務省は、消費税と法人税がまったく別種の税と思わせたいがために、違うもののように説明し、違うもののように税額の算定をさせているのです。

 消費税も法人税も、売上(収入)から原価(仕入)を差し引いた粗利益(付加価値:マージン)を基礎に、税法で控除できると認定されている経費を差し引いた“最終付加価値”を課税ベースとし、その金額に税率を乗じたものが税額になります。

 違いは、収入とみなされる範囲と控除できる費用の範囲、さらに言えば、納付した税を損金として処理できかどうかという程度なのです。

法人税には益金・損金の認定が煩わしいという問題はありますが、

消費税と法人税は、共通の式

税額=(認定収入−認定費用)×税率

で表現できます。

数式ですから、“いやらしく”、法人税を消費税に似たかたちの式、

法人税額=認定収入×税率−認定費用×税率

に、変換することもできます。


>だって消費税は販売価格の5%(内税なので実際は5/105)と確定されているのに対し、
>法人税はそうじゃないし、第一法人税は単純な販売利益に対する課税じゃありません。
>法人税は一事業者の1年間トータルの収益(厳密にはちょっと違うけど)に対して課税
>されるものです。


 販売価格の5%というのは、すぐ上の(認定収入×税率)に相当する、消費税額を計算する途中過程の要素であって、消費税が販売価格の5%で確定しているわけではありません。

 消費税も、法人税と同じように、“単純な販売利益”に対する課税ではありません。
 逆に、消費税を単純な税制と言えるのなら、法人税も単純な税制と言えます。


 消費税と法人税の違いを、収入(課税ベース+)と費用(課税ベース−)の観点で整理します。


【消費税と法人税の課税ベースの違い】

[売上(収入):課税ベース+]
消費税:営業収入(非課税取引である受取利子・配当・債券や土地の譲渡益などの金融利得は除外):課税ベースが狭い

法人税:営業収入+営業外収入:金融利得などを含むあらゆる収入が対象:課税ベースが広い


[仕入(費用):課税ベース−]
消費税:全費用から給与・役員報酬・支払利子・地代・保険料・保証料・切手印紙などを除外したものが控除できる費用:課税ベースが広い

法人税:法人諸税と扱いが異なる接待交際費を除くあらゆる費用が控除可能:課税ベースが狭い


[減価償却費の扱い]
消費税:機械設備を含め購入した事業年度に一括で費用として控除:これも消費税還付の要因:課税ベースが狭い

法人税:定率もしくは定額で事業年度ごとに償却費として控除:課税ベースが広い


[納付税金の扱い]
消費税:あらゆる納付税金が費用の対象外:この意味で実質的にあらゆる納付税金に消費税が課されていることになる(二重課税):課税ベース広い

法人税:前年度の消費税は固定資産税などと同じ損金(費用)、消費税還付金は雑収入で益金(収入)。法人諸税は、最終利益から支払うものとして損金(費用)不算入。

ざっくり説明すれば、

 消費税は、「収入」も「費用」も対象範囲が狭いので、正規従業員で本業に勤しんでいる事業者にとって(但し金融業は除く)、付加価値に占める課税ベースが広い税と言える。本業以外の金融関連収入が多く、外注や派遣労働者が多い事業者にとっての消費税は、付加価値に占める課税ベースが狭いものになる。

 法人税は、「収入」も「費用」も対象範囲が広く、消費税に較べると付加価値に占める課税ベースが広いと言える。それゆえ?、税率が低い。


このような内容からも、消費税と法人税が、

税額=(認定収入−認定費用)×税率

という共通の式で表現できることがわかるはずです。

>ですから販売で利益があったとしても、事業者の収入全体が仕入原価や減価償却費や
>人件費や支払利息等々の費用(厳密には…同上)より下回っていれば(課税所得が
>ゼロ以下なら)法人税は実質ゼロです。


 ここまでの説明でおわかりかと思いますが、消費税も、輸出免税取引や非課税取引がないとしても、「事業者の収入が仕入原価や販促費等々の費用より下回っていれば(課税ベースがゼロ以下なら)消費税はゼロです。」

 消費税は、この意味でも、販売価格に5%といった税率がかけられたものではないと言えます。


>と言う事は法人税額は1年間の期末を迎えなければ分かりませんし、前年の税額を
>売価に転嫁するにしても、今年度どれだけ販売できるか分からない事には1商品に
>転嫁する金額を割り出せません。
>不可能です。

 まず、法人税がいくらになるかという計算が事前にできなければ、売上利益率などを含む事業計画の策定や決算見通しの公表もできないことになります。

 次に、消費税のほうが転嫁を計算しやすそうに思えますが、実際は、法人税の転嫁の計算に較べて簡単というわけではありません。
 なぜなら、税抜販売価格を決めるまでに、法人税の転嫁のための計算とほぼ同じ過程を必要とするからです。
 税抜き売価を決めることこそが問題の本質と言えます、

 製造原価(仕入原価)を基礎に目標販売数量を決め、それにより算出できる1個当たりの粗利益から、営業活動のために予算化された販促費・事務処理に必要な一般管理費・支払利子などの費用を固定費・変動費も考慮しながら計算して商品1個あたりに割り振られる総費用を求めます。

 法人税にしろ、消費税にしろ、税の転嫁は、商品1個に按分された総費用に乗じる粗利益率をいくらにするのかという問題になります。
「販売価格−総費用−按分された税金」が最終的に手元に残る1個当たりの利益になるからです。
 そして、1個当たりの目標最終利益が決まれば、総費用も決まっていて、税金も課税方式がわかっているのですから、税込販売価格を決めることできます。

 商品1個の総費用と販売価格が決まれば、総費用を上述の控除可否のふるいにかけることで、消費税課税ベースと法人税課税ベースの付加価値がそれぞれ決まります。
 本業ベースですから、消費税課税ベースの付加価値のほうが大きな金額になります。

 金融利得がない事業者なら、売上100億円を1個100億円の商品で達成すると考えればいいわけですから、それぞれに消費税率と法人実効税率を乗じた額を加算すれば、転嫁を織り込んだ売価が決まります。
 税を転嫁する前の消費税課税ベース付加価値が70億円、法人税課税ベース付加価値が20億円だとします。

税込販売価格=100億円+70億円×5%+20億円×40%=111.5億円


 税の転嫁に相当する金額の算定は、詰まるところ、コストや費用を計算する問題になります。

 最後に、国内課税売上で得た付加価値に課される消費税が消え去り、消費税還付金を受け取る企業は、消費税の負担がゼロなのですから、販売価格に消費税を転嫁してはいけない(する必要がない)ことになります。
http://www.asyura2.com/12/senkyo129/msg/504.html


▲△▽▼


gczbERW2nAさんへ:消費税制度の基本に関する説明:「事業者区分としての課税・非課税」「輸出免税」「還付金の性格」
http://www.asyura2.com/14/senkyo174/msg/811.html
投稿者 あっしら 日時 2014 年 11 月 21 日 04:47:55: Mo7ApAlflbQ6s
 

 


「食料品に「軽減税率」が適用されたら農家はどうなる?:150万戸農家のうち約92%は消費税非課税事業者という現実」
http://www.asyura2.com/14/senkyo174/msg/649.html
でいただいた質問への回答です。

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【引用1】
「1つ目は、基本の基本だと思いますが、たとえば農家が卸業者・仲卸業者・小売店などに消費税込みで農産物を100円で販売した場合、農家の売り上げがいくらになるのか解りません。またその際、課税or非課税選択がどのように絡んでくるのかが解りません。」


【説明2】
 消費税についてよく聞かされる説明は、「国内での消費やサービスに対してかかる税金です。消費税は、各取引段階で発生しますが、最終的には消費者がすべてを負担します。国内で事業を行っているものは、販売先(含む消費者)から消費税を預かり、それから仕入先に支払った消費税を差し引いた額を税務署に納めます」といったものだと思います。

 求められている説明とずれているかもしれませんが、消費税込みで農産物を100円で販売した場合の農家の売上については、二つの説明ができます。

 消費税税率が8%だとして、一つは総額の100円で、もう一つは税抜きの93円です。

 というのは、国税庁が消費税課税から逃れられない事業者かどうかを判断する基準として「課税売上高」(税抜きの売上高)という概念を使っているためです。
 また、事業者の会計処理で消費税は、個々の売上や仕入を記帳するときに消費税を切り離して“仮払(支払い)&仮受(預かり)”にするところが多いということもあり、多くの事業者が、売上は消費税を抜いた金額だと意識しています。

(このような処理方法や意識は、国税庁がレクチャーしている消費税の計算方法が、「売上に係わる消費税額」=“仮受消費税の総額”から「仕入に係わる消費税額」=“仮払消費税の総額”を控除する(差し引く)かたちになっていることが基礎にあります)

 消費税制度が「課税・非課税の選択」を用意しているのは、消費税の課税から逃れることができる売上高が少ない事業者であっても、課税事業者になったほうが得になることがあるからです。
 どういう事業者かというと、売上に対する仕入が大きく、「仕入に係わる消費税額」が「売上に係わる消費税額」より大きい場合です。

 もう一つの要因は、今話題になっている「軽減税率」制度の導入です。

 「軽減税率」制度は、売上にかける乗数(軽減税率)が仕入にかける乗数(標準税率)より小さくなる制度ですから、「軽減税率」の適用を受ける業界では、「仕入に係わる消費税額」が「売上に係わる消費税額」より大きくなる事業者が一気に多くなります。

(「輸出免税」も課税事業者でなければ適用されないので、数は極端に少ないはずですが、売上の少ない輸出事業者も課税事業者になります)

 このような背景があることで、売上が少ない事業者も、一律に非課税ではなく、「課税or非課税の選択」ができるようになっています。

(非課税で済む事業者が課税を選択する理由として、販売先が仕入先として非課税事業者を排除するからといった説明もされていますが、日本は、欧州諸国のようなインボイス制を導入していないので関係はありません。日本では、仕入金額を基に計算だけで控除額を算定することができます。インボイス制が持ち込まれると、非課税事業者は納品・請求書に消費税額を記入することができないことから、「仕入に係わる消費税額」を控除できなくなる相手事業者はそのような仕入先を嫌います)


 国税庁が消費税の計算方法として、(「売上に係わる消費税額」−「仕入に係わる消費税額」)を前面に出し、事業者もそれに沿って、個々の売上や仕入を記帳するとき消費税を“仮払&仮受”として処理している理由は、

● 消費税は消費者が最終的に負担するものという“雰囲気”や“イメージ”を定着させるため

 消費税は、わざわざ個々の取引を本体価格と消費税に分けるような煩雑なことをしなくても、売上総額(税込)と仕入総額(税込)を使って一発で計算するほうが面倒もなくすっきりします。
 「売上に係わる消費税額」を求めるための乗数と「仕入に係わる消費税額」を求めるための乗数が同じ値なら、(売上額−仕入額)×消費税税率/(100+消費税税率)という計算式で求めても同じ値になります。
 しかし、消費税額の算定としてすっきりしたこの計算方法を提示すると、事業者のほとんどが、「消費税は結局マージンに課税する付加価値税なんだ」と気づいてしまいます。
 マージン(荒利・付加価値)はまさに(売上額−仕入額)だからです。

 ※ 以降の説明で表記する“乗数”は、「消費税税率/(100+消費税税率)」を指すものとします。


● 「輸出免税」や「軽減税率」という国家の詐欺的行為が正当な制度に思えるようにするため


 この二つ目の理由を説明することがもう一つの問いに対する説明になるので、次に移ります。

===========================================================================================
【引用2】
「2つ目は、消費税が5%〜8%に上げられるとき、輸出企業は消費税が上がると輸出戻し税の絡みで還付金が取得できて、ぼろ儲けできるという話が話題になったと思います。「トヨタなどは3%上がっただけで、2000億円〜3000億円も還付金でぼろ儲け」なんて、ことが書いてあったのをどこかで読んだこともありますが、その説は、正しいとか間違いとかいろいろな意見を見かけて訳がわかりません。なぜ、消費税が上がると、輸出企業が還付金を受けることができるようになるのか、そのあたりの税のシステムを教えていただければ幸いです。 」


【説明】
 まず、「輸出免税」は免税ではなく特殊な課税です。消費税制度は、あやしい仕掛けがすぐには疑われないよう用語にはいたく気をつかっています。
「輸出免税」は、輸出売上に対しゼロ%の課税を行うという仕組みにするこで整合性を維持している制度です。

 国内販売と輸出の両方がある事業者の消費税は、次のような計算式で求められます。

消費税額=(国内売上ד乗数”+輸出売上×0%)−仕入ד乗数”

「輸出売上×0%」の値はゼロなので、

消費税額=国内売上ד乗数”−仕入ד乗数”=(国内売上−仕入)ד乗数”

 この式の意味は、輸出で稼いだ付加価値(マージン:荒利)には付加価値税(消費税)を課さないということです。

 還付金が発生するのは、(国内売上−仕入)<0の場合です。
 なお、消費税における仕入には、原材料費や外注費といった原価要素だけでなく、新規購入製造装置全額や派遣労働者費用そして広告宣伝費などの販売管理費も含まれています。

 説明を進める前に確認しておきたいのは、たとえ消費税としてお金を受け取る還付金が発生しないとしても、「輸出免税」制度が適用されることで、国内販売で稼いだ付加価値に対して課される消費税が大きく減額されることです。
 還付金は、「輸出免税」制度による消費税額の減額があまりに大きくマイナスにまでなったというケースで生じるものです。

 このような仕組みである「輸出免税」制度で、例えばトヨタ自動車は、消費税税率が5%のときでも、およそ3千億円の消費税還付が発生していると言われています。

 この3千億円は、トヨタ自動車が国内のディーラーに出荷したときの「売上に係わる消費税額」を帳消しにしたうえでの金額です。
 還付金を受けるくらいですから、国内販売を通じて“預かった”消費税はまったく納付していません。

 国内の消費者が自動車を購入するときに“負担した”と思っている消費税額は、1円たりとも国庫や地方政府の口座には入っていません。ディーラーは消費税を納付していますが、メーカーが受けている還付金を引くと、自動車業界全体の消費税納付額はマイナスになります。

(消費者は、事業者の消費税負担分の一部が販売価格を通じて転嫁されることはあっても、消費税を負担することはありません。消費税を負担しているという解釈は、消費者は、マージンや法人税を負担していると言うようなものです)


 ご質問にもあるように、この「輸出免税」制度に伴う還付金は、政府が仕組む不当な利得なのか、誰もが制度的に納得できる正当な還付金なのかという点で意見が分かれています。

 まず、国家が認めているというより国家自らが法律を定めそれに基づき給付しているものなので、不当な利得だとしても犯罪ではありません。
 特定の業種や特定の家族にも補助金や補償金が支払われていたりしますから、「輸出免税」制度を角が立たない表現にすれば、「輸出報償金」といったものになるのでしょう。

 「トヨタなどは3%上がっただけで、2000億円〜3000億円も還付金でぼろ儲け」という話は、表現にトゲがあるとしても正しい説明です。

 計算式をご覧いただけばわかるように、プラス要素はゼロのまま変わらないのに、マイナス要素は膨らむのですから、マイナス=還付金の値は大きくなります。

 消費税の税率が引き上げられても納付すべき消費税にとってプラスの要素である「輸出売上に係わる消費税額」はゼロのまま、その一方で、納付すべき消費税の算定にとってマイナスの要素である輸出向け製品に使われる原材料費や加工賃といった「輸出用仕入に係わる消費税額」にかける“乗数”は、増税により「5%/(100+5%)=4.76%」から「8%/(100+8%)=7.4%」へと大きくなったのですから当然です。

(財務省の官僚やまっとうな経済学者は、不当利得とは言わないし公言もしませんが、「輸出免税」制度が消費税制度を通じて特定の事業者が得る利益であることを認めています)


 「輸出免税」制度が正当な仕組みだと思っている人は、消費税額の算定方法として示されている(「売上に係わる消費税額」−「仕入に係わる消費税額」)に、惑わされているのだと思います。
 どういう錯誤かというと、「輸出では消費税が課されていないのに、輸出する製品を造るための仕入では消費税を“負担”している。そうであるなら、「仕入に係わる消費税額」を差し引く(控除する)のは当たり前だ。そして、差し引いた結果がマイナスになったら、還付金を受け取るのは当然だ」という内容です。

 「輸出免税」制度が正当なものとする判断の決定的な誤りは、「仕入に係わる消費税額」が、税務署に納付した消費税の金額ではなく、事業者自身が納付すべき消費税額を計算する式の一部を構成している項目名(説明のための便宜的で仮の名称)でしかないことを理解していないことです。
 別の言い方をすれば、消費税が、「売上−仕入」で表される付加価値に課された税であるという認識がないことです。

 消費税は、あくまでも、事業者が売上を通じて得た付加価値について所定の税率の税金を支払うものです。
 仕入段階で、仕入先事業者からその事業者が負担する消費税の一部を転嫁されたのでその分を余計に支払ったからといって、消費税を納付したことにはならないのです。

 「仕入に係わる消費税額」が消費税を納付したことを意味するのなら、農家の約92%が該当する非課税事業者は、種苗・肥料・農薬・燃料・農機具などを仕入れたときに「仕入に係わる消費税額」相当分を納付したことになるので、非課税事業者ではなく“課税事業者”になってしまいます。

 社会保険医療や住宅賃貸など特定の非課税取引も、薬剤・医療器械や建築費・修繕費といった仕入の段階で「仕入に係わる消費税額」を納付していることになり、医療や福祉は非課税!といった政府の説明は間違っていることになります。

 非課税事業者が非課税事業者たるゆえんは、「総額売上−総額仕入」であるマージン(付加価値)に対して消費税を課されていないことです。

 販売価格(単価)は、国内向け・輸出とも、「製造原価+税負担を含む諸経費+荒利」で構成されていると言えます。(小売などの場合は「仕入価格+税負担を含む諸経費+荒利」)

 輸出還付金を正当な仕組みだと主張する人のなかには、輸出では消費税をもらえないという素朴な指摘をしますが、それは、消費税制度を理解していないだけでなく、商売をも理解していない話です。

 商取引なら、「輸出免税」であっても、輸出価格を引き上げて「売上に係わる消費税額」を上回る金額を荒利にさらに上乗せすることもできれば、逆に、荒利がマイナスというコスト割れの価格で輸出しなければならないときもあります。

 買う側にしてみれば、あるものに対し支払わなければならない金額のうち、原価はどれだけ、税金負担分がどれだけ、儲けはどれだけといったことはまったく関係ない事柄です。
 買う側にとっては、価格構成要素の比率は無関係で、すべてがコストなのです。(これは、事業者の仕入を考えればよくわかることです)
 消費税制度は、価格構成要素の一つである消費税だけをことさら抽出して買う側に意識させることで、消費税の負担を転嫁しやすくしているわけです。
(論理的に言えば、利益や原価なども売値を通じて相手に転嫁されているわけですから、消費税だけをフォーカスするのはおかしな話です)

※ ここ2年ほどの動きでわかるように、円安傾向は、「輸出免税」であっても輸出価格を引き上げて「売上に係わる消費税額」相当を超える金額を荒利として加算することができる」絶好の条件を意味します。しかも、ドルなど最終購入者の通貨建てでは価格を上げないでも、日本円で手にする金額が25%とか30%とか増えます。これが、昨年そして今年と、グローバル企業が空前の利益を上げている主たる理由です。


 消費税制度は、「原価+諸経費+荒利」で構成される販売価格がベースにあって、消費税はそれに上乗せされるものといった擬制の上に成り立っているものです。

 実際のところ、そのような擬制をお話ではなく現実のものにできるのは、市場支配力に優れた一部の有力企業だけです。

 有力企業は、人件費や営業利益の原資になる荒利を確実に確保するために、原価がアップしたら販売価格を上げ、諸経費が増えたときも販売価格を上げ、消費税などの税負担が増加したらやはり販売価格にすべて転嫁するといった対応ができやすい地位にあります。
(むろん、最終的には消費者の購買力が決めることですから、いつでも思うようにできるわけではありませんが)

 その他の多くの事業者も当然、消費税税率が上がって負担が増加すれば、増えた負担分をできるだけ多く取引先に転嫁したいと思います。
 しかし、円安で原材料費や電力料金が上がったことでコストが増えたからといって、その全額を転嫁できないで苦しんでいる現状を考えればわかるように、消費税の負担増加もすべてを転嫁できるわけではありません。
 消費税の負担増加分をすべて転嫁できないということは、人件費や営業利益の元になる荒利をそれまでよりも減らしてしまうことを意味します。
 さらに、コストアップ分も転嫁できないということであれば、二重に荒利を減らすことになります。
 これが、グローバル企業以外の事業者で起きている事態で、4月以降のGDP速報値も、そのような事態が起きて当然という惨憺たる内容になっています。

 このような現実を踏まえると、消費税額の算定式で使われている「売上に係わる消費税額」や「仕入に係わる消費税額」は実態とはまったくかけ離れたたんなる計算上の観念(絵空事)で、売上そのもの(総額売上)や仕入そのもの(総額仕入)だけが現実的に意味のある数値だということがわかります。

 どういうことを言いたいかと言えば、「原価+諸経費」のコストに荒利を加算して決まる本体販売価格に消費税税率を乗じたものが「売上に係わる消費税額」になるという理路ではなく、「売上に係わる消費税額」は、転嫁ができたかどうかは無関係で、売上にとにかく“乗数”をかけることで算出されるものであるということです。

 もっとわかりやすく言えば、販売で思うように消費税を転嫁できない、極端に言えば負担が増えた分を1円も転嫁できなかったとしても、とにかく、「売上×(8%/(100+8%))」の消費税を転嫁した(預かった)とみなしてしまう凶暴な制度なのです。

 説明としては通用するかもしれない仮構の仕組みを現実のものと錯覚したうえで、消費税の様々な仕組みの正否について、「売上に係わる消費税額」−「仕入に係わる消費税額」といった算術的側面をベースに判断しようとするためおかしな判断をしたり、「軽減税率」についても、一般の事業者や多数派の国民は負担や転嫁される金額が増えるのに、言葉の印象で負担が楽になる制度と錯誤してしまうのだと思っています。
http://www.asyura2.com/14/senkyo174/msg/811.html



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01. のnJF6kGWndYさんへ:消費税の内実について
http://www.asyura2.com/13/hasan80/msg/871.html
投稿者 あっしら 日時 2013 年 7 月 11 日 00:36:07: Mo7ApAlflbQ6s
 

 



(回答先: 浮上する日本経済:来年・再来年の消費税増税が日本経済の浮沈を決する 投稿者 あっしら 日時 2013 年 7 月 10 日 17:52:41)

01. のnJF6kGWndYさん、コメントありがとうございます。


【引用】
「>消費税増税は、財政健全化とは無縁のグローバル企業支援策

ただし、これは間違い
建前上は、還付されるからと言って別に利益が増えるわけではない
単に外国人に消費税を転嫁できないという当たり前の話
仮に戻し税を適用しなければ、明らかに競争上、不利益になるから
グローバル企業は海外生産を増やし、その場合、関連産業も含めて、国内雇用や内需がダメージを受けるということを忘れてはならない」


【コメント】
 貴殿のコメントはこれまでいくつか読ませていただいていますが、消費税については、消費税推進派のゴマカシ的説明に依拠されており、内実を理解されていないように思われます。


● 「建前上は、還付されるからと言って別に利益が増えるわけではない」

 還付されるからには、その前提として納税の事実があってしかるべきですが、還付されている企業の消費税納税額はゼロです。

 消費税制度における還付は、所得税などと違い、納税もしていない事業者に還付するというとんでもない“国家詐欺”なのです。

 貴殿は、まさか、仕入先事業者に消費税分を上乗せして支払っていることをもって、“納税”していると理解されているわけではありませんよね。

 消費税の還付を受けている事業者が消費税分を上乗せして仕入先に支払っているにしても、納税しているのは仕入先事業者であって、還付を受けている事業者ではありません。
 納税というのは政府部門に税金を納めることですから、仕入先から付け回しされた酒税や消費税を負担したことをもって、それらの税金を納税したと主張することはできません。

(転嫁されたことが“納税”という論理が通用するのなら、最終消費者が消費税を“納税”していることになりますから、住宅ローンなどに関する所得税の還付額が納税額範囲になっていることは誤りになります。所得税還付額は、「所得税+消費税負担分」を制限としなければならないでしょう)

 消費税の納税額がゼロでありながら、消費税の還付を百億円単位・千億円単位で受けても利益が増えるわけではないとする貴殿の認識は倒錯したものです。

 国内販売分の付加価値に対する消費税がチャラになることも利益と言えなくもないですが、納税もしていないのに受ける消費税の還付は、間違いなく利益の増加です。

(国内販売分の消費税を不納付で済ませられる仕組みをもって、利益の増加ではなく税負担の軽減と言うことはできますが、消費税を納めている企業に較べれば利益の増加とみなすことができます)


●「単に外国人に消費税を転嫁できないという当たり前の話」

 世界単一政府による価格統制があるのなら別ですが、貿易で利益を上げられるのですから、外国人に消費税を転嫁できないということはありません。
 貿易についてはダンピング規制はあっても高く売ることを阻害する規制はない(買わない自由はある)のですから、消費税をコストの一部と考え、消費税負担分を含むトータルコストに荒利を上乗せして輸出価格を決めればいいだけの話です。

 このような消費税負担分の“コスト化”による転嫁は、国内の非課税取引で実際に行われていることです。

 消費税の転嫁が外国人に対してできないというのなら、荒利(利益)だって外国人からは得ることができないという話になります。荒利はコストのある%以内という規制があるのならともかく、荒利は競争環境次第で“取り放題”なのです。

 この問題は、法人税を誰が負担しているかという話にも通じるものです。法人税は利益から支払われるものですから、法人税は、利益を実現させた内外の購入者に転嫁されていると言うこともできます。
 法人税でさえ外国人に転嫁できるのですから、消費税だって、転嫁は可能です。


● 「仮に戻し税を適用しなければ、明らかに競争上、不利益になる」


 これまで、消費税制度及び消費税増税が国民経済総体にとってプラスになるのなら、“国家詐欺”であっても消費税制度を容認すると書き、消費税制度が日本経済にとってプラスになる説明を求めてきましたが、残念ながら誰も応えてくれません。

 89年の消費税導入は「バブル崩壊」の契機となり、97年の消費税増税は、「デフレスパイラル」の契機となったことでもわかるように、消費税は、グローバル企業にとっては利益になっても、日本経済総体にとっては利益になっていないのです。

 「仮に戻し税を適用しなければ、明らかに競争上、不利益になる」というのなら、消費税(付加価値税)ではなく、小売売上税という正真正銘の間接税に転換すればいいのです。

 「グローバル企業は海外生産を増やし、その場合、関連産業も含めて、国内雇用や内需がダメージを受けるということを忘れてはならない」というのは同意ですが、それを歪んだ消費税でなんとかしようという考えは破綻しているのです。

 現段階は、設備投資減税など課税ベースを縮小する法人税引き下げが望ましいと思っていますが、国税の法人税を引き下げることに異論はありません。(但し、配当など利益を外部に流出させる時点で、現水準に近い課税を行う)
http://www.asyura2.com/13/hasan80/msg/871.html


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共有化したい消費税についての基本認識:nJF6kGWndYさんへ
http://www.asyura2.com/13/hasan80/msg/891.html
投稿者 あっしら 日時 2013 年 7 月 12 日 04:24:39: Mo7ApAlflbQ6s
 


「浮上する日本経済:来年・再来年の消費税増税が日本経済の浮沈を決する」
http://www.asyura2.com/13/hasan80/msg/859.html

「01. のnJF6kGWndYさんへ:消費税の内実について」
http://www.asyura2.com/13/hasan80/msg/871.html

の続きです。

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nJF6kGWndYさん、レスポンスありがとうございます。

 ものごとをよく考えられていると思っているnJF6kGWndYさんでさえ、消費税の内実を理解されていないのではと思われることに少しがっくりしています。

 こうして新しいスレッドを立てたのは、消費税(増税)問題が、その税制についての共通の認識がないまま、賛成か反対かで対立している現状を憂慮しているからです。

 読まれている人のなかには、あっしらがnJF6kGWndYさんを“攻撃”するために新スレッドを立ててまで追い込んでいると受け止める人もいるかもしれませんが、nJF6kGWndYさんがそのような機会を提供してくれたという思いで利用させてもらっていることをご理解ください。

 まず、今回いただいたレスポンスは、前回の私のコメントに対するものとしては的が外れているように思われます。(末尾にnJF6kGWndYさんのレスポンス全文を引用)


 前回の私のコメントを要約すると、

1)消費税の転嫁(負担)は、“納税”ではないということ。

2)それゆえ、「輸出戻し税」を代表とする消費税還付制度は、広く事業者から集めた税金を正当性なく特定の事業者に渡す国家的詐欺行為であること。

3)消費税の建前である財政的問題を解決する間接税であるなら、詐欺的なおカネの移動が伴う消費税(付加価値税)ではなく、米国州税のような「小売売上税」を採用すべきこと。

4)付加価値税(消費税)が欧州諸国のみならず工業製品輸出国で広く採用されていることから、グローバル企業を中心とした輸出企業の国際競争力を高める“合法的手段”(補助金として後ろ指を指されないという意味)意図があることを認めるが、国民経済全体の利益になるような貢献度はないこと。

5)税制で輸出企業の国際競争力を高めたいのであれば、設備投資や研究開発などの費用認定で課税ベースを縮小したり、法人税(国税)の税率を下げたりすることで行うべきこと。


 いただいたコメントについていくつか説明をさせていただきます。


■ 消費税の転嫁(負担)は“納税”と言えるのか?


● 「消費税の課税対象者は国内最終消費者だから当然の話」

 消費税の負担は国内最終消費者という説明は成立するとしても、課税対象者は国内最終消費者ではありません。
 そのようなことは財務省も言っていません。消費税の課税対象者は、あくまでも法律で規定された課税事業者です。

 消費税の負担が国内最終消費者という説明は、企業の利益や法人税などにも通用する論理的な話ですから、税制にとって、巷間叫ばれているほどの意味はありません。
 消費税は最終消費者が負担するという説明は、法人税は最終消費者が負担するという説明と変わらないものです。ですから、最終消費者が消費税を負担しなければならないような広報は、詐欺に等しい犯罪行為だと思っています。

 貴殿の「消費税の課税対象者は国内最終消費者」というのは錯誤です。
 消費者は、消費税を負担しないと宣言し、ある取引でそれを実現しても(妄想でしかありませんが)、罪に問われることはありません。

 どういうことかと言えば、税込1万5百円の商品を買おうとしたとき、消費税分はまけろと交渉し、1万円で買ったような場合です。
 買い手は、消費税を負担しないで済んだと錯覚するかもしれませんが、売り手は、10500円の商品を10000円で売っても、その取引で荒利(付加価値)を得ることができたのなら消費税が発生します。端的に言えば、仕入値よりも高い価格で販売できれば、消費税を転嫁していようがいまいが消費税が発生します。
 そして、客が“所定”の消費税を支払わなかったことを理由に、その取引分を消費税額の計算から除外すれば脱税になります。

 1万円に値切ることで消費税から逃れたと思っている買い手も、実のところ、消費税を負担しています。なぜなら、消費税は付加価値に課されるもので、このケースでも買い手の購入によって付加価値が生まれているからです。

 その商品の税込仕入が7千円であれば、1万円−7千円=3千円が付加価値で、その5%の150円が消費税となります。
付加価値3千円は買い手が負担しており、そのなかの150円が消費税になるわけですから、消費税も、買い手が負担していることになります。
 元の1万5百円で買っていれば、1万5百円−7千円=3千5百円が付加価値で、その5%の175円が消費税となります。
販売事業者は、付加価値が5百円増え、消費税が25円増えたということになり、税金を引いたあとの手取り荒利が1万円で買ったときより475円多くなります。


(個々の取引に消費税が課されるわけではなく、付加価値より狭い年間の消費税課税ベース付加価値なので、説明のわかりやすさでこのような例にしたことをご了承ください)


 消費税は付加価値を手に入れた事業者が負担しなければならないものであるがゆえに、事業者が課税対象者になるのです。
 最終消費者は、付加価値を生み出してはいますが、付加価値を手に入れるわけではないので、課税対象にはなりません。


 貴殿が「消費税の課税対象者は国内最終消費者だから当然の話」と応えられた部分は、「輸出戻し税」が正当なものなら、一般消費者も消費税を納税していることになるのだから、医療費や住宅ローンなど所得税に関する税金の還付制度は、その個人(家計)の消費税“納税”額を加味したものでなければならないという話に対するコメントとして的外れだと思われます。

 輸出事業者が、消費税をまったく納付していないにもかかわらず、「輸出戻し税」というかたちで消費税の還付を受けられるのなら、一般消費者も、税金の還付を受けるとき、消費税“納税”分が考慮された上限にすべきという話だからです。
 輸出事業者の“納税”と最終消費者の“納税”に差があるとお思いですか?それとも差はないと思われますか?

● 「そして仕入れ税額控除は海外輸出業者に限らず、免税事業に一般的な制度だ 」

 まず、消費税における「仕入れ税額控除」は、あくまでも消費税の算出方法の一部ですから、免税事業(ゼロ%課税取引)に限らず、課税事業者の課税取引でもごく普通に行われるものです。

 「仕入れ税額控除」(「仕入に係わる消費税額」を控除)というのは、あくまでも、決算時に消費税額を計算するときに用いられる概念であり、「仕入に係わる消費税額」が“納税”や最終的な消費税額を意味するわけでありません。

 そのことは、対概念である「売上に係わる消費税額」が、売上に伴い“納税”した消費税額ではないことを考えればわかるはずです。

 計算のための区分でしかないものを、実際の“納税”と錯誤しているために、「輸出戻し税」が正当なものであるかのように思われているのです。

 計算上の概念としても、「仕入れ税額控除」は、課税取引のように、「売上に係わる消費税額」が実存するときにのみ正当性があります。

 売上と仕入が税込という前提で、消費税額の計算は、

A:「売上に係わる消費税額−仕入に関わる消費税額」

で求められます。

 しかし、消費税額を算定する途中に消費税額が出てきてしまう“わかりにくさ”を回避する計算式も成立します。

B:「(売上−仕入)×消費税率/(100+消費税率)」

消費税額を求める計算式のAとBは、見てわかるように等価です。

Bを、「売上×消費税率/(100+消費税率)−仕入×消費税率/(100+消費税率)」というかたちにしたものがAだからです。

 付加価値税である消費税は、負担したはずの消費税・受け取ったはずの消費税といったまどろっこしい概念を導入せずに、Bの算定式でズバッと求めれば済むものなのです。

 しかし、そんなことにしてしまうと困るのは「輸出戻し税」制度です。

 売上を「輸出売上」と「国内売上」に区分したとしても、(輸出売上+国内売上−仕入)に変わるだけで、「輸出戻し税」をもっともらしく思わせる「仕入れ税額控除」が入り込む隙間がありません。

Aの算定式にすることで、「(輸出売上に係わる消費税額+国内売上に係わる消費税額)−仕入に関わる消費税額」という“もっともらしい”かたちになります。

 輸出取引(「輸出戻し税」)の問題は、「仕入れ税額控除」にあるのではなく、“ゼロ%課税”で売上に係わる消費税額をゼロとすることで、輸出向けを含むすべての仕入について「仕入れ税額控除」ができるようにしていることにあります。

 わかりやすく言えば、輸出では消費税が課されていないのに、ゼロ%の課税がなされていると擬制することで、「輸出戻し税」の仕組みが正当であるかのように誤魔化しているのです。

 貴殿は「免税事業に一般的な制度」と書かれていますが、輸出取引以外の“免税事業”とはどのようなものでしょうか?
 非課税や不課税には、「仕入れ税額控除」はありません。

■ 消費税と国際競争力

●「どこの国でも付加価値の高い輸出産業を免税にするのは、その方が遥かに非効率な内需産業を優遇するより、労働生産性を高め、交易条件を高めて、国益になるからだ 」


 誤解があるようです。
 消費税の輸出免税は、課税される場合よりも国際価格競争力を高めるものではあっても、即、「労働生産性を高め、交易条件を高めて、国益になる」とは言えません。

 労働生産性は、付加価値/労働者数ですから、生産した製品の輸出価格を高くして付加価値(荒利)を増やしたほうが高くなります。消費税は付加価値として算定される要素です。
 輸出で得た付加価値にも消費税を課税するかたちにし、その分、資本増強でコストダウンを図るように誘導する方が長期的には国益にかなうかもしれませんね。

 交易条件も、輸出価格と輸入価格の比ですから、輸出価格を高くした方が高まる指標です。
 なお、この間続いている日本の交易条件悪化(労働生産性も)は、97年の消費税増税を契機に陥ったデフレ状況と円高のなかで、賃金を切り下げるかたちで円建て輸出価格を引き下げてきたことが主因です。

 何より、輸出先にとって、輸入価格に消費税や法人税などの転嫁分が含まれていようがいまいがまったく関係がない話です。それは、輸入価格の内、コストがどれだけで、利益はどれだけかといった構成がどうでもいいことと同じです。
 輸入するほうは、ずばり、需要を満たす機能・品質をトータル価格いくらで輸入できるのかが問題なのです。

 消費税の輸出免税は、まず価格面で国際競争力を劣化させないこと、そして、「輸出戻し税」で、国際価格競争力を強化させつつ利益を増加させることに意味があります。 為替レートの変動や競合企業との競争関係で、「輸出戻し税」を価格競争力に活かしたり利益増加に活かしたりするわけです。

 利益の増大は、設備投資や研究開発に回せる資金の増加を意味しますから、それをもって、労働生産性を高める効果があるとは言えるかもしれません。
 また、研究開発費が潤沢にあれば、新興国が競争力を上昇させてくる分野にとどまって乱打戦をやるのではなく新しい分野を開拓できるので、それをもって、交易条件を改善する効果があるとも言えるでしょう。


●「輸出がダメージを受けた時期の交易条件の悪化は大きなマイナスだが、それでも途上国よりはマシだったのは、それだけ日本の過去の蓄積があったから」

「輸出がダメージを受けた時期の交易条件の悪化は大きなマイナス」ということがどのようなことを指しているのかよくわかりませんが、日本は、過去の蓄積をベースに現在なお世界有数の国際競争力を維持しています。


■ グローバル企業にとっての消費税

 私の「消費税は、グローバル企業にとっては利益になっても、日本経済総体にとっては利益になっていない」という説明に、貴殿は、「正しくは、消費税増税は、グローバル企業にとってもマイナスだが、仕入れ税額控除によって、輸出に対する悪影響を0にしているということだ 」と応えています。

 そのような貴殿の説明は表面的なものと言わざるを得ません。

 「輸出免税」によって、確かに、下請けや納入企業が買い叩かれる度合いが減っている(サプライチェーンの健全な維持につながる)ことは認めますが、グローバル企業にとって、消費税制度は大きなプラスです。
 「輸出免税」がなければ、下請けや弱い納入企業は、今以上にひどい買い叩きにあうはずです。

 法人税減税をあれだけ声高に叫んでいる経団連(グローバル企業が加盟企業の中心)が、プラスでない消費税をあれだけ声高に叫び続けているとお思いなのでしょうか?

 経団連は、「法人税減税+消費税増税+輸入関税撤廃」が望ましい税制政策だと考えています。
 消費税増税は、「輸出戻し税」によって還付される金額を増大させることで利益を増加させます。法人税減税は、そうやって増えた利益をより多く手元に残すことを可能にします。輸入関税撤廃は、消費税があることで外国企業の国内市場進出は抑制できる一方、自社製品の輸入に伴う消費税負担は「輸出戻し税」で帳消しにできるからです。輸入関税は、法人税処理では費用として計上できますが、帳消しされることはありません。

■ 確認させていただきたい内容 

「消費税自体には、以前から反対だから議論しても意味はない」ということですが、どのような理由で消費税に反対なのでしょうか?

【引用】
「投機的な要因で金利上昇やインフレが発生すれば、日本経済全体にとって大きなマイナスになるから
その場合、財政支出の削減や増税が利益になることは確実だろう
ただし、そうした判断を前倒しで行うのはほぼ不可能だから、どうしてもズレが発生するのは避けられない
先走ると、過剰流動性バブル、橋下増税や日銀の速すぎる引き締めによるデフレ不況のような事態を招く」


【コメント】
 この部分については、推測はできますが、消費税と関わるどういう事態を指しているのかはよくわかりません。
 推測による説明になりますが、ご容赦いただき、誤って理解している部分はご指摘ください。

 インフレは、政府日銀が考えているようなマイルドなインフレではなく、円安と国際的投機家による資源価格引き上げが起点の悪性なものが生ずる可能性はあると思っています。
 それはスタグフレーションを意味しますから、デフレの方がまだマシだと言えます。

 金利上昇に関しては、現状で国際投機筋が日本国債を売り叩いたとしても、日銀がそれを好機として買い増しすれば済むことで、国際投機筋は、とんでもない損失を被って清算しなければならなくなります。

 日銀が膨大な金額の国債を買い入れている理由の一つは、日本の銀行や生保までが日本国債を売りたくなるような状況がやってこないとは言い切れないと考えていることです。
 投機筋の売り叩きに銀行などが反応するような経済状況というのは、資金需要も増大し、期待インフレも高まっているときですから、買い増しで対抗できないわけではなくとも、ベースマネーの噴出的増大が悪性インフレを招来してしまうことになりかねません。
 そのために、政府・日銀は、現段階から、市中にある国債の量を調整しておきたいと思っているはずです。

「財政支出の削減や増税が利益になることは確実だろう」というのも、消費税増税は安倍首相や麻生財務相も認めているように税の増収につながるものではなく、現時点で財政支出を削減することも、デフレ脱却に逆行する政策であり、金融緩和というアクセルと財政緊縮というブレーキを同時に踏むような動きで誤りです。

 貴殿は、「そうした判断を前倒しで行うのはほぼ不可能だから、どうしてもズレが発生するのは避けられない」 と書かれていますが、現状は輸入物価が及ぼす悪影響をウオッチしつつ、国民生活を困窮化させたり、事業者の収益を圧迫させたりする場合は、“バラマキ”で対応することになります。

 むろん、このまま供給力が衰退していれば、将来的には、財政支出の削減や有効な増税策を採らなければ、悪性インフレに苛まれるようになると思っています。

「先走ると、過剰流動性バブル、橋下増税や日銀の速すぎる引き締めによるデフレ不況のような事態を招く」(97年の橋本増税と理解)恐れがあることに同意します。


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【nJF6kGWndYさんの直前のコメント全文】

01. 2013年7月11日 09:20:01 : nJF6kGWndY

>還付されている企業の消費税納税額はゼロ
>転嫁されたことが“納税”という論理が通用するのなら、最終消費者が消費税を“納税”していることになりますから、住宅ローンなどに関する所得税の還付額が納税額範囲になっていることは誤り


消費税の課税対象者は国内最終消費者だから当然の話
そして仕入れ税額控除は海外輸出業者に限らず、免税事業に一般的な制度だ

>外国人に消費税を転嫁できないということはありません。

もちろん可能だ
ただし、どこの国でも付加価値の高い輸出産業を免税にするのは、その方が遥かに非効率な内需産業を優遇するより、労働生産性を高め、交易条件を高めて、国益になるからだ
輸出がダメージを受けた時期の交易条件の悪化は大きなマイナスだが、それでも途上国よりはマシだったのは、それだけ日本の過去の蓄積があったから

>消費税は、グローバル企業にとっては利益になっても、日本経済総体にとっては利益になっていないのです。
正しくは、消費税増税は、グローバル企業にとってもマイナスだが、仕入れ税額控除によって、輸出に対する悪影響を0にしているということだ
消費税自体には、以前から反対だから議論しても意味はないが
投機的な要因で金利上昇やインフレが発生すれば、日本経済全体にとって大きなマイナスになるから
その場合、財政支出の削減や増税が利益になることは確実だろう
ただし、そうした判断を前倒しで行うのはほぼ不可能だから、どうしてもズレが発生するのは避けられない
先走ると、過剰流動性バブル、橋下増税や日銀の速すぎる引き締めによるデフレ不況のような事態を招く
http://www.asyura2.com/13/hasan80/msg/891.html
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html#c17

[昼休み54] 『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった 中川隆
18. 中川隆[-13662] koaQ7Jey 2018年11月20日 16:53:21 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20956]
深刻なのは「人手不足」でなく「賃金不足」だ
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2018/10/post-6fce.html
2018年10月18日 植草一秀の『知られざる真実』

安倍内閣が人の輸入を拡大しようとしている。

国内の人の値段が高いから、安い価格の人の輸入を拡大しようとしている。

人の値段を下げること。

これが安倍内閣の目標である。

なぜ、人の値段を下げようとしているのか。

それは、大資本が要請しているからだ。

大資本の究極の要請は労働コストの圧縮だ。

安倍内閣が強行制定した「働かせ方改悪」の目的もこれだ。

「働き方改革」という言葉で偽装しているが、実態は大資本が労働者を最小の費用で使い捨てにする制度確立を目指しているだけなのだ。

安倍内閣が推進している労働規制緩和は、

1.正規から非正規へのシフト推進
2.長時間残業合法化
3.定額残業させ放題雇用の拡大
4.解雇の自由化
5.外国人労働力の導入拡大

の五つを目的とするものである。

電通の長時間残業で過労死された高橋まつりさんは安倍内閣の「働かせ方改悪」法強行制定のために、単に利用されただけだった。

過労死された方の遺族は法律強行制定を阻止するために遺影を掲げて国会本会議を傍聴したが、安倍内閣は遺族の声も無視して法律強行制定に突き進んだ。

安倍内閣は大資本の手先となって、ひたすら労働コスト削減と労働者を消耗品のように使い捨てにできる制度確立に邁進している。

安倍内閣がこの方向にひた走るのは、大資本がカネの力で安倍内閣を支配してしまっているからだ。

安倍内閣が日本の主権者国民の利益ではなく、ハゲタカ資本の利益を優先するのも、ハゲタカ資本がカネの力で安倍内閣を支配してしまっているからなのだ。

目に見える世界だけを見ても、このことは立証できる。

日本では最高裁が企業献金を合法としてしまったために、大資本が献金という「賄賂」で政治を支配してしまっている。

目に見えぬ世界では、国内大資本だけではなく、ハゲタカ資本がカネの力で安倍内閣を支配下に置いてしまっていると考えられる。

「人手不足」と言われるが、真実は違う。

真実は「賃金不足」なのだ。

過酷な労働を担う人を安価な賃金で雇おうとするから人が集まらないのだ。

「人手不足」を叫んでいる企業が求人の際に、時給を倍にしてみるがいい。

あっという間に求職者が殺到するはずだ。

「人手不足」ではなく「賃金不足」だから人が集まらないのだ。

働く人への処遇=賃金や身分の安定を拡充すれば、人手不足は解消する。

同時に、格差が縮小する。

人手不足を叫ぶ前に、億円単位の経営者の役員報酬を削減して、末端の労働者の時給を上げてみれば良い。

労働者の労働条件は改善し、所得格差も縮小する。

2012年12月の第2次安倍内閣発足以降、大企業の企業収益は史上空前の水準に達して、企業の内部留保も2017年度末には446兆円に達した。

その一方で、労働者の実質賃金は第2次安倍内閣発足後に約5%も減少した。

大資本だけが潤い、労働者の処遇は改善しないどころか、転落しているのである。

税制もひどい。

消費税が導入された1989年度と2016年度の税収構造を比較してみよう。

税収規模は1989年度が54.9兆円、2016年度が55.5兆円で、ほぼ同一である。

しかし、税収の構成比は激変した。

所得税 21.4兆円 → 17.6兆円
法人税 19.0兆円 → 10.3兆円
消費税  3.3兆円 → 17.2兆円

これが税制改悪の実態だ。

この27年間の変化は
法人税が9兆円減り、
所得税が4兆円減った一方で、
消費税だけが14兆円増えた
というものなのだ。

http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html#c18

[昼休み54] 『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった 中川隆
19. 中川隆[-13661] koaQ7Jey 2018年11月20日 17:32:52 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20956]

世界で最後に生き残るのはアメリカや中国ではなく多国籍企業だけ

ダウ・ジョーンズの100年に渡る株式市場の値動き。
数々の暴落で激しく揺れ動くチャートだが、凄まじい上昇にあるのが分かるはずだ。
https://4.bp.blogspot.com/-oN-T0gr5iHQ/VzQ_TB_m2YI/AAAAAAAA20E/kZ0WYHFYsow3CsuaH4uO86GO4uYHJf2agCLcB/s1600/img%2B-001.png
http://stockcharts.com/freecharts/historical/img/100-100.png

NYダウ工業株30種平均 超長期月足チャート 1928年11月〜
http://baseviews.com/chart/dow-ja.html


年収400万円層が知らない本当のルール。富裕層になるたった1つの方法とは=鈴木傾城
http://www.mag2.com/p/money/169957

あなたは、現在の資本主義のこの仕組みをあなたは理解しているだろうか。していないのであれば、生きるのに苦しむことになる。本質をつかまないと、踏みにじられるだけだ

資本主義ゲームのこの仕組みを理解しないと踏みにじられるだけだ

年収400万円以下=普通の人が知らないこと

日本人の平均年収は、国税庁の民間給与実態統計調査を見ると約6割が400万円以下となっている。大企業の社員や一部の公務員をのぞくと年収300万円台は珍しくないし、驚くべきことではない。

年収300万円が6割というのであれば、それが最頻値であり、それが普通であると考えるべきなのだ。これは年収だから、人々は1年間かけて必死で働いてこの金額を稼ぐ。

ところで、あまり誰も言わないことがある。

アメリカの大統領戦でドナルド・トランプが選挙を制して次期大統領に決まってから、急激な円安とアメリカ株式市場の上昇が起きたことだ。

2016年11月4日あたりは1ドル104円だったが、12月4日にもなると114円ほどに上昇していた。さらにニューヨーク株式市場はその1ヶ月で約10%も上昇していた。

米国株を所有して売りも買いもしなかった日本人の多くは、自分が保有している銘柄が何であったのかで振れ幅はあったとしても、11月だけで15%以上の資産増加があったと見るのが一般的だ。

1ヶ月に15%の上昇というのはどういう意味か。

資本主義の不条理にまず絶望しなければならない

1ヶ月で15%の資産が増えたというのは、資産が1000万円の人はたった1ヶ月で資産が150万円増えたということである。では、資産2000万円の人はどうなのか。資産は300万円増えたということになる。

売りもせず、買いもせず、ただアメリカの優良企業の株式を保有しているだけで、資産2000万円の人は1ヶ月で自分の資産が300万円膨らんだのを目にしたということである。

1年間、必死で働いて稼いだ300万円と、1ヶ月ぶらぶらしていたら棚からぼた餅で増えた300万円は、同じ300万円でもずいぶん性質が違う。

1年間も必死で労働していた人にとって、それは許しがたいことである。恐らく、深い嫉妬や自分のやっていることへの絶望や虚無感を止めることができないだろう。

せめてもの慰めは、日本で株式を買っている人は人口の2割にも満たない「少数の人間」であることだ。つまり、1ヶ月に15%の資産増加という僥倖を得た人はほとんどいない。

その2割の中でも長期投資をしている人はさらに極小でり、その保有の対象がアメリカ株であるというのは、さらにほんの少数である。

それを考えると、何もしないで棚からぼた餅で資産を増加させた人は恐らくまわりにいないし、まわりにいないから嫌らしい自慢話を聞かされることもない。

しかし、弱肉強食の資本主義の中では、労働力はもはや搾取される対象でしかなく、資産を持つ者と持たない者の呆れるほどの運命の違いが、ますます先鋭化しているのは見逃せない事実でもある。

ほんの1ヶ月で、100万円も200万円も300万円も「何もしない」で資産を膨らませた人は、本人は何も言わないが確実に存在しているのである。

この資本主義の不条理にまず絶望しなければならない。資産家はそうやって何食わぬ顔で資産を膨らませるのである。


資本主義のルールに即したシンプルかつ強力な手法とは?

すでに資産家は、この資本主義社会の中で優良企業の株式こそが富の源泉であることを知っている。

ますます資本主義は「多国籍企業中心主義」と化しているので、もはや土地成金がフォーブスの金持ちリストの上位にくることも消えた。

世界でも有数の富裕層の「すべて」は、優良企業の株式の大量保有者でもある。

最も株式を大量に保有する条件を満たしやすいのは、自分で会社を興した事業家だ。そして、その株式を譲渡された妻や子供たち、その次に事業として投資を行っている投資家と続く。

事業家もその家族も投資家も、売って買って、売って買って…を繰り返して資産を膨らませたのではなく、成長し続けている企業の株式を「じっと持ち続けた」ことで大きな酬いを得ている。

「株式を売買」しているのではない。「株式を大量に保有」していることで富裕層になっている。それが、最も資本主義に即したシンプルにして強力な手法である。

現代の資本主義で錬金術を成し遂げるには、優良企業の株式を保有するのが有効であることはもはや疑問の余地がなく、あとはどれくらい優良企業の株式を大量に保有できるかが問われているということだ。

小金持ちと富裕層と超富裕層は、その資産の中身で何が違っているわけではない。本質的な部分を見ると、違っているのはただひとつ。優良企業の株式の「保有数」のみである。

単純明快に分かりやすく言うと、単に「数の問題」だ。

10株の株主も株主には違いないが、100株の株主に比べると規模に劣る。100株の株主も株主には違いないが、1000株の株主に比べると規模が劣る。もらえる配当も、影響力も、保有数が大きければ大きいほど強い。

資本主義は数がモノを言う。つまり株式市場で資産を膨らませるには、いかに売るかではなく、いかに買うかの方が重要であることに気付かなければならない。


この本質をつかまないと踏みにじられるだけだ

持たざる者が、優良企業の株式保有数を増加させるにはどうすればいいのか。それは「優良企業が最も安い時に大量に買う」ことで成し遂げる必要がある。

実は長期投資家のほぼすべては、「安い時に大量に買う」という方法を遵守している。

資産を持つ投資家は、金があるのだから株価が高い時でも株を買っているのかと言えば、まったくそうではない。株式を買うという行為の前では、すべての人が平等に「資金が足りない」という状況下にある。

優良企業の時価総額は、例えばファイザーでは約19兆円、コカコーラでは約18兆円、ペプシは約15兆円、エクソンは約37兆円、アップルに至っては約61兆円である。

世界最大の資産家であるビル・ゲイツの資産は約10兆円であることを考えると、ビル・ゲイツでさえ株を買うのに「資金が足りない」状況下にある。

だから、成功している投資家であればあるほど、株式が大暴落している局面で、大量かつ徹底的に株式を掻き集めて保有数を増やす努力をしている。

人生のすべてを使い、ありとあらゆる方法で「株数を増やす」のが、現在の株式至上主義と化した資本主義の中で生き残る最大の方策なのである。

「暴落時に株を買う」のも、「配当を再投資する」のも、「節制して余剰資金で株を買う」のも、すべて「株数を増やす」ためである。

ということは、「人気化してバブルになった株式を買う」のも、「下落局面で株を売る」のも、「安い時に買わない」のも「高値を追う」のも、すべて誤った方法であることが分かる。

私たちが資本主義の中でしなければならないのは、「株式の保有数を増やす」というゲームである。

それ以外のゲームは、資本主義の中で資産を極大化させるのにはあまり役に立たない。むしろ、余計なことをすればするほど基本から遠ざかっていく。

現在の資本主義のこの仕組みをあなたは理解しているだろうか。していないのであれば、生きるのに苦しむことになる。本質をつかまないと、踏みにじられるだけだ。
http://www.mag2.com/p/money/169957

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米国株に賭けている投資家と、そうではない投資家の間にできた絶望的な格差=鈴木傾城 2018年9月4日
https://www.mag2.com/p/money/522833


リーマン・ショック以来、米国の多国籍企業に全力投資した人が勝ち組になっている。
現金、ゴールド、日本株に未来がない中、その戦略はこれからも有効だろうか?


勝者は米国株を拾った投資家。それはこれからも変わらないのか?

歴史的大暴落に「全力で買い向かわなかった」という後悔

リーマン・ショックが起きたのは、今からちょうど10年前の2008年9月15日だ。株式市場は総悲観になり、超優良企業もまた絶望的なまでに売り飛ばされ、「金融市場は崩壊する」と言われていた。誰も彼もが株式を売り飛ばした。

この頃、私は「現金・ゴールド・株式」という財産三等分法を頑なに守っていたので、株式市場が暴落したところで大した痛手は負わなかったが、残念ながらこの財産三等分法が暴落時の対応を誤らせた。

何が誤りだったのかというと、あくまでも私は財産三等分法を崩さなかったので、凄まじく暴落した株式を「全力で拾う」という千載一遇のチャンスを完全に逃してしまったのである。

このリーマン・ショックの混乱の中で私がやらなければならなかったのは、現金・ゴールドをすべて売り飛ばして、株式を買い漁ることだった。何しろ、66%の余力があったのだ。

にも関わらず、この余力を使わなかった。

さらに馬鹿げたことに、私は33%の株式資産のうち、半分ほどしか買いに回さなかった。つまり、私は株式市場が大暴落して人生で一度あるかないかの超巨大チャンスだった時期に、たった16%ほどの資金しか回さなかったのだ。

確かに資産の16%でも、総悲観の中で買い向かったというのは何もしなかった人よりもは優れていたかもしれないが、それにしても大きく勝負しなかったのは失敗だった。

財産三等分法を捨てて、株式にフルインベスト

私が財産三等分法を捨てて株式にフルインベスト(全力投資)するようになったのは、2012年からである。

2012年の初頭に、私は日本円で持っていた資産33%も、ゴールドで持っていた33%も、ほぼすべてを売り払って、それをドルに転換してアメリカの株式に変えた。

「日本円」には未練はなかった。なぜなら2009年から2012年までの日本の民主党政権下での政治的・社会的混乱で、もう日本は完全に終わったと絶望しきっていたからだ。

「日本企業」にも希望は見い出せなかった。なぜなら、当時の民主党政権が日本企業を苦しめている円高をまったく是正しようとしなかったからだ。まるで日本企業の破壊を後押ししているかのように見えた。

民主党を絶賛していた評論家・ジャーナリストどもも「円は50円になる」とか冷笑していた。中には「円は10円になる」と断言していた救いようのない馬鹿もいた。

極度の円高が日本を破壊しているのは誰が見ても一目瞭然なのに、日本は無為無策のままで混乱していた。当時はまだ第二次安倍政権の萌芽すらもなかった頃で、日本が好転する余地はないように見えた。

だから私は2012年には「もはや日本はこれまでだ」と考えて、資産のほぼすべてをドルに転換し、アメリカの優良多国籍企業に投じた。


ゴールドは「ただの金属」

ゴールドもすべて売り払ったのは、現代の資本主義で富の源泉となっているのはゴールドではなく多国籍企業が生み出す付加価値と利益であるということに気づいたからだ。

ゴールドなど、ただの金属である。成長もしないし、利益も生まないし、配当もない。インフレヘッジくらいはするかもしれないが、それ以上の存在にはならない。金本位制に戻ることもない。

これについては、下記の記事でも触れているので読んで欲しい。

【関連】ビットコイン元信者が嵌まる「次の罠」なぜ彼らは現実から目を背けるのか?=鈴木傾城
https://www.mag2.com/p/money/380911


このような経緯があって、私は2012年からアメリカの優良企業へのフルインベストに入ったのだが、結果から言うと私の判断は完全に正しかった。すべての人はアメリカの優良企業に「フルインベストすべきだった」のである。

では、これからはどうなのか。

アメリカの企業に投資する戦略は今後も有効か?

過去を振り返って「ああすればよかった、こうすればよかった」というのは誰でもできる。

チャートを眺めて「ここで買ってここで売ればよかった」というのは誰でも言える。過去のチャートを見て買い時と売り時を間違える人はいない。

しかし過去はあくまでも「終わった出来事」である。タイムマシーンで戻れるわけでもなければ、同じパターンを再現できるわけでもない。過去がどうだったかはほとんどの人には「もう、どうでもいい」話のはずだ。

では、未来はどうなのか。アメリカの多国籍企業に投資するというのは、これからも有効な戦略として通用するのか。


結論から言うと、これからも通用する。アメリカの多国籍企業に投資する戦略はこれからも効き続ける。

資産を日本円で持って日本の銀行に定期預金で預けるよりも、ゴールドにして裏庭に埋めて隠すよりも、日本企業に賭けるよりも、中国や新興国に賭けるよりも、割が良い。

日本は深刻極まりない少子高齢化が何らかの方法で解決できない限りは国の衰退は避けられない運命にある。社会保障費が増大していく一方であるのも気がかりだ。

ゴールドは長く持っていても増えないし、インフレヘッジ以上の価値はない。

中国は合法・非合法を問わず、あらゆる手段で国外から技術を徹底的に盗んで大国になった国であり、最近はこのような傲慢なやり方が非難されるようになっている国だ。情報統制・隠蔽・捏造に明け暮れる体質を見ても、この国が次世代のイノベーションを生み出せる国ではないのは分かる。人口が多いので国内市場を独占した企業は巨大化するが、世界をリードできるような環境にはない。

新興国はアメリカが利上げすると、すぐに資金ショートを起こして吹き飛びそうな脆弱性を持ち、ここから継続的かつ革新的なイノベーションや金融市場は生まれない。

多角的に考えてみると、結局は「アメリカの多国籍企業の優位性は揺らがない」ということに気付くはずだ。


アメリカの多国籍企業が強すぎる

現在、世界はドナルド・トランプ大統領が仕掛ける貿易戦争とFRB(連邦準備制度)による利上げによって、安定性を欠くようになっている。

ニューヨーク株式市場は2018年に入ってからやや崩れ出しているのだが、それでも高値圏に張り付いて好調を維持している。「見通しの悪い中でも健闘している」という言い方がよく当てはまる。

こうした状況は薄氷を踏みながら進んでいるのも同然なので、不意に何かの材料で暴落したとしても誰も驚かない。株式市場は上にも下にも「支え」などないので、いつでも暴落や暴騰を繰り返して蛇行しながら進む。

しかし、基本的にニューヨーク株式市場は長期視点で見ると「成長し続ける」というのは確実である。アメリカの多国籍企業は全世界のどこの国のどこの企業と比べても、圧倒的に有利な立場にいる。


ハイテク企業が全世界を支配しているのは言うまでもないが、非ハイテク産業でも負けていない。

コカコーラ、マクドナルド、フィリップモリス、エクソンモービル、スターバックス、ナイキ、ファイザー、J&J、P&G、コルゲート、3M、ボーイング、キャタピラー、ディズニー、ビザ、アメリカンエキスプレス……等々、超強力なブランド企業が市場を独占しており、莫大な利益を上げ続けている。

あなたは「どの馬」に乗るのか?

この圧倒的優位性は、グローバル社会の揺れ動きや激しく動揺する金融市場の動向の中でも、いささかも揺らがないのは自明の理だ。

状況から見ると、今後はアメリカの株式市場に賭けている投資家と、そうでない投資家の間では、圧倒的かつ絶望的な格差が広がっていくことになるはずだ。

現在の資本主義の中で生き残りたいのであれば、この意味をよく考えた方がいい。やるべきことはやらなければならない。持つべきものは持たなければならない。


http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html#c19

[昼休み54] 『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった 中川隆
20. 中川隆[-13660] koaQ7Jey 2018年11月20日 17:44:50 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20956]

日本で日本語の読み書きすらできない小学生に英語を教える理由


外国語学習について - 内田樹の研究室 2018-10-31


2018年6月12日に「文系教科研究会」というところで、私立の中学高校の英語の先生たちをお相手に英語教育についてお話した。その一部をここに掲載する。

ここで論じたのは英語だけれど、言語教育一般について適用できる議論だと思う。
ここ数日、「論理国語」と「文学国語」というカテゴライズをするという話がTLを飛び交っているけれど、それがほんとうだとしたら、それはたぶん言語というものについて一度も真剣に思量したことのない人間の脳裏に去来したアイディアだろうと思う。それはまさに「植民地における現地人への宗主国言語教育」とまったく同型的なものだからだ。

国語教育においても「植民地現地人」に求められる言語能力は同じである。

それは宗主国アメリカに仕え、アメリカに朝貢することで「代官」「買弁」としての地位を保全している日本の支配層たちが、同国人の知性の発達を阻害し、日本人を愚民化することで、属国日本をアメリカが支配しやすいようにするために作り出した仕掛けである。

以下がそのときの講演。途中からなので、話が見えにくいのはご容赦。


外国語学習について語るときに、「目標言語」と「目標文化」という言葉があります。

「目標言語」というのは、今の場合なら、例えば英語です。なぜ英語を学ぶのか。それは「目標文化」にアクセスするためです。英語の場合であれば、ふつうは英語圏の文化が「目標文化」と呼ばれます。

僕らの世代において英語の目標文化ははっきりしていました。それは端的にアメリカ文化でした。アメリカ文化にアクセスすること、それが英語学習の最も強い動機でした。僕たちの世代は、子どものときからアメリカ文化の洪水の中で育っているわけですから、当然です。FENでロックンロールを聴き、ハリウッド映画を観て、アメリカのテレビドラマを観て育ったわけですから、僕らの世代においては「英語を学ぶ」というのは端的にアメリカのことをもっと知りたいということに尽くされました。

僕も中学や高校で「英語好き」の人にたくさん会いましたけれど、多くはロックの歌詞や映画の台詞を聴き取りたい、アメリカの小説を原語で読みたい、そういう動機で英語を勉強していました。

僕もそうでした。英語の成績は中学生からずっとよかったのですが、僕の場合、一番役に立ったのはビートルズの歌詞の暗記でした。ビートルズのヒット曲の歌詞に含まれる単語とイディオムを片っ端から覚えたのですから、英語の点はいいはずです。

つまり、英語そのものというよりも、「英語の向こう側」にあるもの、英米の文化に対する素朴な憧れがあって、それに触れるために英語を勉強した。英米のポップ・カルチャーという「目標文化」があって、それにアクセスするための回路として英語という「目標言語」を学んだわけです。

その後、1960年代から僕はフランス語の勉強を始めるわけですけれども、この時もフランス語そのものに興味があったわけではありません。フランス語でコミュニケーションしたいフランス人が身近にいたわけではないし、フランス語ができると就職に有利というようなこともなかった。そういう功利的な動機がないところで学び始めたのです。フランス文化にアクセスしたかったから。

僕が高校生から大学生の頃は、人文科学・社会科学分野での新しい学術的知見はほとんどすべてがフランスから発信された時代でした。40年代、50年代のサルトル、カミュ、メルロー=ポンティから始まって、レヴィ=ストロース、バルト、フーコー、アルチュセール、ラカン、デリダ、レヴィナス・・・と文系の新しい学術的知見はほとんどフランス語で発信されたのです。

フランス語ができないとこの知的領域にアクセスできない。当時の日本でも、『パイデイア』とか『現代思想』とか『エピステーメー』とかいう雑誌が毎月のようにフランスの最新学術についての特集を組むのですけれど、「すごいものが出て来た」と言うだけで、そこで言及されている思想家や学者たちの肝心の主著がまだ翻訳されていない。フランス語ができる学者たちだけがそれにアクセスできて、その新しい知についての「概説書」や「入門書」や「論文」を独占的に書いている。とにかくフランスではすごいことになっていて、それにキャッチアップできないともう知の世界標準に追いついてゆけないという話になっていた。でも、その「すごいこと」の中身がさっぱりわからない。フランス語が読めないと話にならない。ですから、60年代―70年代の「ウッドビー・インテリゲンチャ」の少年たちは雪崩打つようにフランス語を学んだわけです。それが目標文化だったのです。 

のちに大学の教師になってから、フランス語の語学研修の付き添いで夏休みにフランスに行くことになった時、ある年、僕も学生にまじって、研修に参加したことがありました。振り分け試験で上級クラスに入れられたのですけれど、そのクラスで、ある日テレビの「お笑い番組」のビデオを見せて、これを聴き取れという課題が出ました。僕はその課題を拒否しました。悪いけど、僕はそういうことには全然興味がない。僕は学術的なものを読むためにフランス語を勉強してきたのであって、テレビのお笑い番組の早口のギャグを聴き取るために労力を使う気はないと申し上げた。その時の先生は真っ赤になって怒って、「庶民の使う言葉を理解する気がないというのなら、あなたは永遠にフランス語ができるようにならないだろう」という呪いのような言葉を投げかけたのでした。結局、その呪いの通りになってしまったのですけれど、僕にとっての「目標文化」は1940年から80年代にかけてのフランスの知的黄金時代のゴージャスな饗宴の末席に連なることであって、現代のフランスのテレビ・カルチャーになんか、何の興味もなかった。ただ、フランス語がぺらぺら話せるようになりたかったのなら、それも必要でしょうけれど、僕はフランスの哲学者の本を読みたくてフランス語を勉強し始めたわけですから、その目標を変えるわけにゆかない。フランス語という「目標言語」は同じでも、それを習得することを通じてどのような「目標文化」にたどりつこうとしているのかは人によって違う。そのことをその時に思い知りました。

ロシア語もそうです。今、大学でロシア語を第二外国語で履修する学生はほとんどいません。でも、若い方はもうご存じないと思いますけれど、1970年に僕が大学入学したとき、理系の学生の第二外国語で一番履修者が多かったのはロシア語だったのです。

「スプートニク・ショック」として知られるように、60年代まではソ連が科学技術のいくつかの分野でアメリカより先を進んでいたからです。科学の最先端の情報にアクセスするためには英語よりもロシア語が必要だった。でも、ソ連が没落して、科学技術におけるアドバンテージが失われると、ロシア語を履修する理系の学生はぱたりといなくなりました。もちろんドストエフスキーを読みたい、チェーホフを読みたいというような動機でロシア語を履修する学生の数はいつの時代もいます。目標文化が「ロシア文学」である履修者の数はいつの時代もそれほど変化しない。けれども、目標文化が「ソ連の科学の先進性」である履修者は、その目標文化が求心力を失うと、たちまち潮が引くようにいなくなる。

僕の学生時代はフランス語履修者がたくさんおりました。でも、その後、フランス語履修者は急減しました。ある時点で中国語に抜かれて、今はもう見る影もありません。

理由の一つは、日本のフランス語教員たちが学生たちの知的好奇心を掻き立てることができなかったせいなのですけれど、それ以上に本国のフランスの文化的な発信力が低下したことがあります。フランス文化そのものに日本の若者たちを「目標」として惹きつける魅力がなくなってしまった。

フランス語やロシア語の例から知れる通り、われわれが外国語を学ぶのは目標文化に近づくためなのです。目標文化にアクセスするための手段として目標言語を学ぶ。

しかし、まことに不思議なことに、今の英語教育には目標文化が存在しません。英語という目標言語だけはあるけれども、その言語を経由して、いったいどこに向かおうとしているのか。向かう先はアメリカでもイギリスでもない。カナダでもオーストラリアでもない。どこでもないのです。

何年か前に、推薦入試の入試本部で学長と並んで出願書類をチェックしていたことがありました。学長は英文科の方だったのですけれど、出願書類の束を読み終えた後に嘆息をついて、「内田さん、今日の受験者150人の中に『英文科志望理由』に『英米文学を学びたいから』と書いた人が何人いると思う?」と訊いてきました。「何人でした?」と僕が問い返すと「2人だけ」というお答えでした「後は、『英語を生かした職業に就きたいから』」だそうでした。

僕の知る限りでも、英語を学んで、カタールの航空会社に入った、香港のスーパーマーケットに就職した、シンガポールの銀行に入ったという話はよく聞きます。別にカタール文化や香港文化やシンガポール文化をぜひ知りたい、その本質に触れたいと思ってそういう仕事を選んだわけではないでしょう。彼らにとって、英語はたしかに目標言語なのですけれど、めざす目標文化はどこかの特定の文化圏のものではなく、グローバルな「社会的な格付け」なのです。高い年収と地位が得られるなら、どの外国でも暮らすし、どの外国でも働く、だから英語を勉強するという人の場合、これまでの外国語教育における目標文化に当たるものが存在しない。
これについては平田オリザさんが辛辣なことを言っています。彼に言わせると、日本の今の英語教育の目標は「ユニクロのシンガポール支店長を育てる教育」だそうです。「ユニクロのシンガポール支店長」はもちろん有用な仕事であり、しかるべき能力を要するし、それにふさわしい待遇を要求できるポストですけれど、それは一人いれば足りる。何百万単位で「シンガポール支店長」を「人形焼き」を叩き出すように作り出す必要はない。でも、現在の日本の英語教育がめざしているのはそういう定型です。

僕は大学の現場を離れて7年になりますので、今の大学生の学力を知るには情報が足りないのですけれども、それでも、文科省が「英語ができる日本人」ということを言い出してから、大学に入学してくる学生たちの英語力がどんどん低下してきたことは知っています。それも当然だと思います。英語を勉強することの目標が、同学齢集団内部での格付けのためなんですから。低く査定されて資源分配において不利になることに対する恐怖をインセンティヴにして英語学習に子どもたちを向けようとしている。そんなことが成功するはずがない。恐怖や不安を動機にして、知性が活性化するなんてことはありえないからです。

僕は中学校に入って初めて英語に触れました。それまではまったく英語を習ったことがなかった。1960年頃の小学生だと、学習塾に通っているのがクラスに二三人、あとは算盤塾くらいで、小学生から英語の勉強している子どもなんか全然いません。ですから、FENでロックンロールは聴いていましたけれど、DJのしゃべりも、曲の歌詞も、ぜんぶ「サウンド」に過ぎず、意味としては分節されていなかった。それが中学生になるといよいよ分かるようになる。入学式の前に教科書が配られます。英語の教科書を手にした時は、これからいよいよ英語を習うのだと思って本当にわくわくしました。これまで自分にとってまったく理解不能だった言語がこれから理解可能になってゆくんですから。自分が生まれてから一度も発したことのない音韻を発声し、日本語に存在しない単語を学んで、それが使えるようになる。その期待に胸が膨らんだ。

今はどうでしょう。中学校一年生が四月に、最初の英語の授業を受ける時に、胸がわくわくどきどきして、期待で胸をはじけそうになる・・・というようなことはまずないんじゃないでしょうか。ほかの教科とも同じでしょうけれど、英語を通じて獲得するものが「文化」ではないことは中学生にもわかるからです。

わかっているのは、英語の出来不出来で、自分たちは格付けされて、英語ができないと受験にも、就職にも不利である、就職しても出世できないということだけです。そういう世俗的で功利的な理由で英語学習を動機づけようとしている。でも、そんなもので子どもたちの学習意欲が高まるはずがない。

格付けを上げるために英語を勉強しろというのは、たしかにリアルではあります。リアルだけれども、全然わくわくしない。外国語の習得というのは、本来はおのれの母語的な枠組みを抜け出して、未知のもの、新しいものを習得ゆくプロセスのはずです。だからこそ、知性の高いパフォーマンスを要求する。自分の知的な枠組みを超え出てゆくわけですから、本当なら「清水の舞台から飛び降りる」ような覚悟が要る。そのためには、外国語を学ぶことへ期待とか向上心とか、明るくて、風通しのよい、胸がわくわくするような感じが絶対に必要なんですよ。恐怖や不安で、人間はおのれの知的な限界を超えて踏み出すことなんかできません。
でも、文科省の『「英語ができる日本人」の育成のための行動計画の策定について』にはこう書いてある。

「今日においては、経済、社会の様々な面でグローバル化が急速に進展し、人の流れ、物の流れのみならず、情報、資本などの国境を超えた移動が活発となり、国際的な相互依存関係が深まっています。それとともに、国際的な経済競争は激化し、メガコンペティションと呼ばれる状態が到来する中、これに対する果敢な挑戦が求められています。」

冒頭がこれです。まず「経済」の話から始まる。「経済競争」「メガコンペティション」というラットレース的な状況が設定されて、そこでの「果敢な挑戦」が求められている。英語教育についての基本政策が「金の話」と「競争の話」から始まる。始まるどころか全篇それしか書かれていない。

「このような状況の中、英語は、母語の異なる人々をつなぐ国際的共通語として最も中心的な役割を果たしており、子どもたちが21世紀を生き抜くためには、国際的共通語としての英語のコミュニケーション能力を身に付けることが不可欠です」という書いた後にこう続きます。

「現状では、日本人の多くが、英語力が十分でないために、外国人との交流において制限を受けたり、適切な評価が得られないといった事態も起きています。」
「金」と「競争」の話の次は「格付け」の話です。ここには異文化に対する好奇心も、自分たちの価値観とは異なる価値観を具えた文化に対する敬意も、何もありません。人間たちは金を求めて競争しており、その競争では英語ができることが死活的に重要で、英語学力が不足していると「制限を受けたり」「適切な評価が得られない」という脅しがなされているだけです。そんなのは日本人なら誰でもすでに知っていることです。でも、「英語ができる日本人」に求められているのは「日本人なら誰でもすでに知っていること」なのです。

外国語を学ぶことの本義は、一言で言えば、「日本人なら誰でもすでに知っていること」の外部について学ぶことです。母語的な価値観の「外部」が存在するということを知ることです。自分たちの母語では記述できない、母語にはその語彙さえ存在しない思念や感情や論理が存在すると知ることです。

でも、この文科省の作文には、外国語を学ぶのは「日本人なら誰でもすでに知っていること」の檻から逃れ出るためだという発想がみじんもない。自分たちの狭隘な、ローカルな価値観の「外側」について学ぶことは「国際的な相互依存関係」のうちで適切なふるまいをするために必須であるという見識さえ見られない。僕は外国語学習の動機づけとして、かつてこれほど貧しく、知性を欠いた文章を読んだことがありません。

たしかに、子どもたちを追い込んで、不安にさせて、処罰への恐怖を動機にして何か子どもたちが「やりたくないこと」を無理強いすることは可能でしょう。軍隊における新兵の訓練というのはそういうものでしたから。処罰されることへの恐怖をばねにすれば、自分の心身の限界を超えて、爆発的な力を発動させることは可能です。スパルタ的な部活の指導者は今でもそういうやり方を好んでいます。でも、それは「やりたくないこと」を無理強いさせるために開発された政治技術です。
ということは、この文科省の作文は子どもたちは英語を学習したがっていないという前提を採用しているということです。その上で、「いやなこと」を強制するために、「経済競争」だの「メガコンペティション」だの「適切な評価」だのという言葉で脅しをかけている。

ここには学校教育とは、一人一人の子どもたちがもっている個性的で豊かな資質が開花するのを支援するプロセスであるという発想が決定的に欠落しています。子どもたちの知性的・感性的な成熟を支援するのが学校教育でしょう。自然に個性や才能が開花してゆくことを支援する作業に、どうして恐怖や不安や脅迫が必要なんです。勉強しないと「ひどい目に遭うぞ」というようなことを教師は決して口にしてはならないと僕は思います。学ぶことは子どもたちにとって「喜び」でなければならない。学校というのは、自分の知的な限界を踏み出してゆくことは「気分のいいこと」だということを発見するための場でなければならない。

この文章を読んでわかるのは、今の日本の英語教育において、目標言語は英語だけれど、目標文化は日本だということです。今よりもっと日本的になり、日本的価値観にがんじがらめになるために英語を勉強しなさい、と。ここにはそう書いてある。目標文化が日本文化であるような学習を「外国語学習」と呼ぶことに僕は同意するわけにはゆきません。

僕自身はこれまでさまざまな外国語を学んできました。最初に漢文と英語を学び、それからフランス語、ヘブライ語、韓国語といろいろな外国語に手を出しました。新しい外国語を学ぶ前の高揚感が好きだからです。日本語にはない音韻を発音すること、日本語にはない単語を知ること、日本語とは違う統辞法や論理があることを知ること、それが外国語を学ぶ「甲斐」だと僕は思っています。習った外国語を使って、「メガコンペティションに果敢に挑戦」する気なんか、さらさらありません。

外国語を学ぶ目的は、われわれとは違うしかたで世界を分節し、われわれとは違う景色を見ている人たちに想像的に共感することです。われわれとはコスモロジーが違う、価値観、美意識が違う、死生観が違う、何もかも違うような人たちがいて、その人たちから見た世界の風景がそこにある。外国語を学ぶというのは、その世界に接近してゆくことです。 

フランス語でしか表現できない哲学的概念とか、ヘブライ語でしか表現できない宗教的概念とか、英語でしか表現できない感情とか、そういうものがあるんです。それを学ぶことを通じて、それと日本語との隔絶やずれをどうやって調整しようか努力することを通じて、人間は「母語の檻」から抜け出すことができる。

外国語を学ぶことの最大の目標はそれでしょう。母語的な現実、母語的な物の見方から離脱すること。母語的分節とは違う仕方で世界を見ること、母語とは違う言語で自分自身を語ること。それを経験することが外国語を学ぶことの「甲斐」だと思うのです。

でも、今の日本の英語教育は「母語の檻」からの離脱など眼中にない。それが「目標言語は英語だが、目標文化は日本だ」ということの意味です。外国語なんか別に学ぶ必要はないのだが、英語ができないとビジネスができないから、バカにされるから、だから英語をやるんだ、と。言っている本人はそれなりにリアリズムを語っているつもりでいるんでしょう。でも、現実にその結果として、日本の子どもたちの英語力は劇的に低下してきている。そりゃそうです。「ユニクロのシンガポール支店長」が「上がり」であるような英語教育を受けていたら、そもそもそんな仕事に何の興味もない子どもたちは英語をやる理由がない。

(中略)

今は英語教育にとりわけ中等教育では教育資源が偏ってきています。他の教科はいいから、とにかく英語をやれという圧力が強まっています。別にそれは英語の教員たちが望んだことではないのだけれど、教育資源が英語に偏っている。特に、オーラル・コミュニケーション能力の開発に偏っている。何でこんなに急激にオーラルに偏ってきたかというと、やはりこれは日本がアメリカの属国だということを抜きには説明がつかない。

「グローバル・コミュニケーション」と言っても、オーラルだけが重視されて、読む力、特に複雑なテクストを読む能力はないがしろにされている。これは植民地の言語教育の基本です。

植民地では、子どもたちに読む力、書く力などは要求されません。オーラルだけできればいい。読み書きはいい。文法も要らない。古典を読む必要もない。要するに、植民地宗主国民の命令を聴いて、それを理解できればそれで十分である、と。それ以上の言語運用能力は不要である。理由は簡単です。オーラル・コミュニケーションの場においては、ネイティヴ・スピーカーがつねに圧倒的なアドバンテージを有するからです。100%ネイティヴが勝つ。「勝つ」というのは変な言い方ですけれども、オーラル・コミュニケーションの場では、ネイティヴにはノン・ネイティヴの話を遮断し、その発言をリジェクトする権利が与えられています。ノン・ネイティヴがどれほど真剣に、情理を尽くして話していても、ネイティヴはその話の腰を折って「その単語はそんなふうには発音しない」「われわれはそういう言い方をしない」と言って、話し相手の知的劣位性を思い知らせることができる。

逆に、植民地的言語教育では、原住民の子どもたちにはテクストを読む力はできるだけ付けさせないようにする。うっかり読む力が身に着くと、植民地の賢い子どもたちは、宗主国の植民地官僚が読まないような古典を読み、彼らが理解できないような知識や教養を身に付ける「リスク」があるからです。植民地の子どもが無教養な宗主国の大人に向かってすらすらとシェークスピアを引用したりして、宗主国民の知的優越性を脅かすということは何があっても避けなければならない。だから、読む力はつねに話す力よりも劣位に置かれる。「難しい英語の本なんか読めても仕方がない。それより日常会話だ」というようなことを平然と言い放つ人がいますけれど、これは骨の髄まで「植民地人根性」がしみこんだ人間の言い草です。

「本を読む」というのはその国の文化的な本質を理解する上では最も効率的で確実な方法です。でも、植民地支配者たちは自分たちの文化的な本質を植民地原住民に理解されたくなんかない。だから、原住民には、法律文書や契約書を読む以上の読解力は求めない。

今の日本の英語教育がオーラルに偏って、英語の古典、哲学や文学や歴史の書物を読む力を全く求めなくなった理由の一つは「アメリカという宗主国」の知的アドバンテージを恒久化するためです。だから、アメリカ人は日本人が英語がぺらぺら話せるようになることは強く求めていますけれど、日本の子どもたちがアメリカの歴史を学んだり、アメリカの政治構造を理解したり、アメリカの文学に精通したりすること、それによってアメリカ人が何を考えているのか、何を欲望し、何を恐れているのかを知ることはまったく望んでいません。

(以下略)

「原住民には法律文書や契約書を読む以上の読解力は求めない」ということを英語教育について書いたら、国語教育でも同じことをしようとしているということを知らされた。

まことに情けない国に成り下がったものである。
http://blog.tatsuru.com/2018/10/31_1510.html

http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html#c20

[昼休み54] 『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった 中川隆
21. 中川隆[-13659] koaQ7Jey 2018年11月20日 17:55:24 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20956]

学校教育の目的は日本人の愚民化


三浦朱門

2000年7月、ジャーナリストの斎藤貴男に、新自由主義的な発想から「ゆとり教育」の本旨は

“100人に2〜3人でもいい、必ずいる筈”のエリートを見つけ伸ばすための「選民教育」であることを明言。

「出来ん者は出来んままで結構、エリート以外は実直な精神だけ持っていてくれればいい」

「限りなくできない非才、無才には、せめて実直な精神だけを養っておいてもらえばいいんです」

「魚屋の息子が官僚になるようなことがあれば本人にも国民にとっても不幸になる」など]。

教育課程審議会において、ゆとり教育について


「私は今まで数学が私の人生に役立ったことは無く、大多数の国民もそうだろう」

とゆとり教育を推進する当時の文部事務次官の意向に沿った 発言を行ない、以後のゆとり教育を加速させた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E6%B5%A6%E6%9C%B1%E9%96%80


2016-07-07
弱肉強食の資本主義が最後に生み出すのは階級社会の固定化


富裕層の子供と貧困層の子供は、生活環境が違う。富裕層の子供たちは心地良い環境で暮らすことができて、明日の食事の心配をすることもなく、親の資力を使って「良い学校」に通うことができる。

良い学校とは、子供たちの能力や学力を向上させてくれる思慮深い教師がいて、子供たちをバックアップする環境が教室にあって、安全で、清潔な学校である。

良い学校は、その環境を維持するためのコストがかかるので、それが学費に反映される。

だからこそ富裕層の子供しか通えない私学が存在し、そこで子供たちは生まれ持った能力をより良く向上させていくことができる。

貧困層の子供たちは親の財力からして、こうした「良い環境」の学校には入れない。そのため、近所の学費の安い学校に通うことになる。

こうした学校は多くが公立なのだが、欧米でも途上国でも同じく、公立学校というのは荒廃しやすい状況にある。

その理由は別に難しいことではない。教育にも弱肉強食の資本主義が取り入れられるようになって、教育の場は著しく荒廃していったのだ。


教育の現場に資本主義を取り入れて生まれた結果

アメリカの教育の環境が変わっていったのは1980年代以降であると言われている。

何が起きたのか。

この時代、アメリカの大統領となったロナルド・レーガンは、「新自由主義」の信奉者であり、「小さな政府」をスローガンにして政策を推し進めていた。

「小さな政府(リミテッド・ガバメント)」とは、政府の関与をどんどん小さくして、ほとんどのことは民間に任せるという政策を言う。

これによって民間ではダイナミックな競争が生まれ、その競争によって世の中が進化するのではないか、という思想がその根底にある。

レーガン大統領はこれを「レーガノミクス」と名付けて、すべての分野に当てはめていったのだが、教育もまたこの自由競争の中に放り込まれた。

その結果、公立学校では国からの補助金が削減されていくことになり、教師の賃金も下がり、学校の施設・備品も補充されることもなくなり、学校の環境はどんどん悪化していった。

給料が下がると、優秀な教師から消えていく。公立学校の予算が削減されていくのが既定路線になると、優秀な教師は最初から公立学校の教師にはなろうとしない。

教師の質が落ちると問題児も放置される。また優秀な生徒も問題児の影響を受けて学力が低下していく。そうすると、富裕層の親たちが子供をそこから引き上げて私立の学校に入れるようになる。

こうした流れが延々と続いた結果、1990年に入る頃になるとアメリカの教育の場は、荒れ果てた公立学校と、良い環境と良い教師が揃った私立学校と完全に分離するようになった。

教育の現場に資本主義を取り入れると、富裕層と貧困層の子供たちが分離する結果となったのである。


教育の格差は、子供たちのその後の人生は大きく左右することになる。


貧困層の子供たちは、スタートから出遅れていく

アメリカでは今、ケンブリッジ大学でも、マサチューセッツ工科大学でも、ハーバード大学でも、女子学生に対するレイプが多発していて問題になっている。

しかし、これは「あり得ないことが起きた」という反応ではなく、「いよいよ名門大学でも起きるようになった」という捉え方をされていることに注意すべきだ。

アメリカの最底辺の公立学校では、学校内でドラッグが蔓延し、レイプ事件が起き、時には銃撃事件も発生するほど荒れているのはよく知られている。

こうした底辺の学校の日常が「いよいよ名門大学にもやってきた」という捉え方なのだ。荒れた学校が存在し、暴力が恒常化しているのである。

貧困層の通う学校が荒れ果てて学力低下が止まらなくなるのは、別にアメリカだけの話ではない。イギリスでもフランスでもまったく事情は同じだ。

貧困層の子供たちが学力荒廃の流れに絡み取られてしまうのは、本人の資質を問う前に、劣悪な環境を問わなければならない。

教育に理解のない親兄弟、教育に適していない家屋、教育に適していない共同体、貧困による栄養不足や飢えが一度に子供たちに襲いかかってくる。

その上、教育に必要な書籍や備品も経済的な理由で揃えることができないこともある。飢えていたり、服装が粗末だったりすると、いじめに遭う確率が高まる。

そして、経済問題の悪化が知能を低下させる大きな理由になっていることも知られている。

(「お金がない」ということ自体が、知能を低下させる理由)
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20131009T0413150900.html

貧困層の子供というのは、「学ぶ」ということに対して、富裕層の子供よりも思った以上にハンディをかぶっているのだ。資本主義社会では体力ではなく知力が重要視されるので、貧困層の子供たちはスタートから出遅れる。


貧困層の子供というのは、「学ぶ」ということに対して、富裕層の子供よりも思った以上にハンディをかぶっているのだ。資本主義社会では体力ではなく知力が重要視されるので、貧困層の子供たちはスタートから出遅れる。


弱肉強食の資本主義が最後に生み出すのは階級社会

日本では1990年から明確に経済が衰弱していくようになり、じわじわと貧困層が生まれて来た。

それが社会で見えるようになっていくのは2000年に入った頃だが、本来はここで対策を打たなければならなかったのに、当時の小泉政権がしたのは真逆の政策だった。

小泉政権は貧困層を支援するのではなく、むしろ「新自由主義」という弱肉強食の資本主義を取り入れて、貧困層を思いきり見捨ててしまった。

小泉政権時代、経済財政政策を担当していた竹中平蔵という男はロナルド・レーガン大統領が行った「小さな政府(リミテッド・ガバメント)」の政策をそのまま日本に持ち込んで、教育も含めてすべてを民間の競争の渦に放り込んだ。

こうしたことから、日本でも明確に教育の劣化が起きるようになっている。この流れは止まらないと考えられている。

日本でも公立学校は荒れ、高い学費の私立学校が好環境になるという二極化になりつつあり、現職の教師もこうした現状に警鐘を鳴らしている。

やがては日本も貧困層の子供たちは学力が低いまま放置されて、永遠に資本主義の底部に押し込められることになる。

親の財力で子供の将来が決まるというのは、言うまでもなく「貧困の固定化」を生み出す。つまり、貧困層の子供は貧困層に、富裕層の子供は富裕層になる社会の誕生だ。

名門大学の学費は異様なまでに高くなり、すでに金持ちしか通えないのが現実だ。

富裕層の子供は学力がなくてもコネで名門大学に入ることができるようになり、逆に貧困層の秀才は学力があっても経済力がないので名門大学に入れない。

弱肉強食の資本主義が最後に生み出すのは、もがいてもあがいても抜けられない底知れぬ階級社会である。

世界はグローバル経済に覆われ、そのグローバル経済の正体が弱肉強食の資本主義であるのであれば、全世界が階級社会に向かっているということになる。

貧困層の子供は貧困層、セックスワーカーの母親の娘はセックスワーカーという途上国で見られた構図は、今後は先進国も含めて全世界で当たり前になるのかもしれない。


世界はグローバル経済に覆われ、そのグローバル経済の正体が弱肉強食の資本主義であるのであれば、全世界が階級社会に向かっているということになる。弱肉強食の資本主義が最後に生み出すのは、もがいてもあがいても抜けられない底知れぬ階級社会である。
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20160707T0251420900.html

「教育を与えない」が、体制にとって非常に重要な理由とは


インドではダリット(不可触民)というカーストがある。「人間ではない。それ以下だ」と呼び捨てられ、差別されている人たちだ。

(人間以下(Sub-human)と呼び捨てられて、生きている人たち)
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20120731T2334260900.html


彼らは今も安い労働でこき使われている。

女性は売春宿に売り飛ばされたり、排泄物の汲み取りや、動物の死体の処理など、人のやらない仕事を強制されていることが多い。

(人間の排泄物を両手で集めることを強いられた人たちがいる)
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20120923T0236040900.html


そんな彼らはまさにインドの隠された奴隷である。

ダリットは激しい差別を受けているのだが、その差別のひとつとして「教育を与えない」というものがある。なぜ教育を与えないのか。

教育を受けて、ものを考えられるようになると、自らの立場を「知る」ことになる。そうすると、社会がおかしいことに「気づく」。自然と「反抗心」が芽生え、現状を変えようと「立ち上がる」人間が出てくる。

そうなると奴隷状態に置かれていた人間が次々と「目が覚めて」しまって、奴隷制が維持できなくなる。だから、教育を与えない。支配者は、最終的に奴隷化する人から教育を奪い、無知なまま生きてくれたほうが都合が良い。

だから、教育を絶対に与えないのである。


教育を与えないというのは、体制にとって非常に重要

アフガニスタンやパキスタンでは、女性が教育を受けようとすると命を狙われる。学校が襲われて飲み水に毒を入れられたり、学校に通う女学生が撃たれたりする。

女性に教育を与えない。なぜなら、教育を受けることによって女性が目覚め、自分たちが抑圧されていることに気がつき、現状を変えようと立ち上がる人間が出てくるからだ。

そうすると、イスラムを「おかしい」という女性が出てくる。あるいは男尊女卑に疑問を持つ女性も出てくる。男女平等だと言い出し、女性が家長制度を脅かすかもしれない。

だから、女性には教育を与えず、考えることすらも禁じて現状が当たり前だと思わせておく。

それでも教育を受ける少女が出てきたり、教育の大切さを訴える「邪魔」な少女が出現する。そんなときは、マララ・ユスフザイのように撃たれたりする。

このような事件があると女性は萎縮し、無知であることに甘んじて声を失っていく。

私たちは部外者なので、イスラム国家の女性が奴隷化されていることは分かる。しかし、当のイスラム女性たちは、自分が奴隷化されていることに気がついていないことも多い。

子供の頃からイスラムに従順であることが当たり前になると、それが世界のすべてだから違う世界が分からないのである。部外者は分かるが、当事者は分からない。

だから「教育を与えない」というのは、体制にとって非常に重要であることが分かる。

教育は一部の人間、すなわち体制側の人間や為政者やエリートだけが受けていればいいのであって、一般大衆は「言われたことだけをロボットのように行う人間」であることが望ましい。

いちいち何かを考えて、体制側のシステムに立ち向かって反旗を翻すような人間が増えるのは望んでいない。むしろ、そんな人間が出ないようにしたいと考えている。


国民から教育を奪い取った方が都合が良くなった

イギリスの産業革命以降、先進国社会では国民に教育を与えることによって、他国よりも経済的競争力がついた。だから、為政者は他国よりも有利になるために、国民に対して教育を促進していた。

教育がつけば、より複雑な工業製品が作れるようになり、それが社会に恵みをもたらした。

そして、国が豊かになれば、為政者たちも豊かになる。だから、国民に教育を与えるにはすばらしいメリットを享受する施策であった。その流れはずっと続いて来た。

しかし、もう状況が変わった可能性がある。

グローバル化によってグローバル経済に参加する国では教育の平準化が行われて、どこの国でも労働者は一定の水準が保てるようになっている。

そのため、企業は自国の労働者に頼る必要がなくなった。そもそも先進国の高度な知識を持った人間は高賃金を要求するのでコスト削減には逆行するので使いにくい。

優秀であれば国籍を問わず経営者も雇えるようになったので、国民全員に教育を施すよりも、そういう人材を即戦力で雇った方がコストが安くなっているのだ。

労働者の質は平均化されているので、むしろ高度な教育のない安い賃金で雇える労働者の方が使いやすいと企業は考える。使い捨てできるからである。

国家も財源が不足するようになって、教育を与えるということが負担になっている。そして、国民に必要以上の教育を与えることによって、為政者に刃向かってくるデメリットのほうが大きくなっている。

誰もが高度教育を受けられるようになると、もう教育そのものが陳腐化して、強みにもメリットにもならない。だから、先進国では逆に国民から教育を奪い取った方が為政者にとっては都合が良くなりつつある。


奴隷に見えない。しかし、実は奴隷だった

下手に教育を与えると、国民はいろんなことを考えて「目覚めて」しまう。社会で自分たちの立場が為政者に抑え込まれていることに気付き始めて反抗を始める。

だから教育を与えているように見えて、教育の成果をどんどん奪っていくような社会構造ができあがる。具体的には、以下のような社会になっていく。

・学校をレジャー化させ、教育させない。
・テレビ・映画・映像に浸らせて考えさせない。
・スポーツ観戦に夢中にさせて考えさせない。
・セックス・ポルノに夢中にさせて考えさせない。
・ゲームに夢中にさせて考えさせない。
・ギャンブルを与えて夢中にさせて考えさせない。
・本を読ませず、深く考えさせない。

これによって教育を受けているように見えて実は教育をすべて打ち消し、結果的には国民は完全なる無教育の状態に戻されてしまうのである。

「考えさせない」環境をどんどん作り出して知能を劣化させ、結果的に無教育にしていく。これを「衆愚化政策」という。「パンとサーカス」を与えて関心をそちらに寄せておき、政治を転覆させないようにする手法だ。

この愚民化の風潮は止めることができるものだが、社会的にはまったく止められる兆候もなく、むしろ加速させられている。学校が衆愚政策によって学力低下を強化されている。

自然にそうなったのではない。学力低下、愚民の方向に誘導されているのである。

かつて「奴隷」と呼ばれる人間が存在していたことは誰でも知っている。途上国では、女性や貧しい人々が意図的に教育を奪われていることを私たちは知っている。

しかし、先進国に暮らす私たちも実は教育を奪われている可能性があるということには気付かない。外部から見るとその人は奴隷的な境遇だと分かるのだが、自分が当事者であると自分が奴隷だとは気付かないのだ。

「一見自由を与えられているように見える。奴隷に見えない。しかし、実は奴隷だった」

私たちは気がつかないうちに、衆愚政策で奴隷にされているのかもしれない。まさかと思うかも知れないが、嘘ではない。場合によっては、私たちはもう手遅れかもしれない。
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20160401T0037520900.html

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富裕層が仕掛けているのは、自分たちが100戦無敗になる方法


100戦無敗になるにはどうしたらいいのか。簡単だ。徹底的に弱い相手と戦うことだ。たとえば、大人は3歳児と戦ったら必ず勝つ。

大人が常に3歳児と戦い続ければ、常に勝ち続けることができる。それは勝負ではなく、リンチになるはずだ。大人はその気になれば、殴り殺すことさえ可能だろう。

だから、スポーツはこういった「大人vs子供」のような、最初から勝負が分かりきっているような組み合わせを禁止する。惨劇を避けるためだ。

それを不服として、大人が「自由に勝負させろ」と叫んでいたら、どうかしていると思われるはずだ。

しかし、それはスポーツの世界だからどうかしていると思われるだけで、実社会ではそのあり得ない競争が行われる世界なのである。

100万円の資産しかない人間が、100億円の資産を持つ企業と無理やり競争させられるのが資本主義の掟である。巨大な者が「もっと自由を」という時は、「弱者を叩きつぶす自由をくれ」という意味なのである。


落ちこぼれた人間には金すらも出したくない政府

「どんどん競争させろ。競争のルールは必要最小限にしろ。弱い者がどうなったところで知ったことではない」

これが資本主義を拡大解釈した「市場原理主義」の正体である。日本は2000年に入ってから、この弱肉強食の市場原理主義が小泉政権下で組み入れられた。

事実上の実行者は、当時、経済財政政策担当大臣と金融担当大臣を兼任していた竹中平蔵だった。

この男によって社会経験の浅い若年層は非正規労働者に追い込まれ、どんどん生活が不安定化しくことになる。

こういった格差が生まれるのは当然だと竹中平蔵は言っている。さらに、「日本はまだまだ格差が少ない社会だ」との認識も示している。

つまり、もっと激しい競争社会して、それによって弱者がもっと増えても別に構わないというスタンスである。さらにこの男は2016年に入ってからトリクルダウンも否定している。

トリクルダウンというのは「資産家や大企業を先に豊かにすると、富が国民全体にトリクルダウン(滴り落ちて)、経済が成長する」というものだ。

ケ小平の唱えた「先富論」に似ているものだが、竹中平蔵はそのトリクルダウンもないと言った。強い者はどんどん富むが、その富は弱者に回らない弱肉強食の社会を日本に取り入れたのがこの男である。

竹中平蔵は派遣会社の会長なのだが、派遣会社というのは労働者の稼ぎをピンハネする事業をしている。ピンハネして、要らなくなったら捨てる。

その結果、労働者が弱者になったとしても「それは、その人の自己責任だ」と言うのが竹中平蔵の理論なのである。

弱者など、どうでもいい。落ちこぼれた人間には金すらも出したくない。だから、この男が小泉政権下でしたのは、社会保障支出の大幅な削減だった。

その結果、高齢者も、障害者も、シングルマザーもみんな追い込まれて、生活保護受給者は大幅に増えることになった。


努力しても這い上がれない社会が来ている

弱肉強食の市場原理主義を取り入れればそうなることは、はじめから分かっていた。なぜなら、強欲な資本主義の総本山だったアメリカがそうなったからだ。

アメリカではレーガン政権がこの市場原理主義を推し進めた結果、1%の富裕層と99%の低賃金層という超格差社会を生み出して、今でもその格差の分離は広がっている。

アメリカでは、強者と弱者が明確に分離しており、その格差は極限にまで近づこうとしている。富める者はさらに富み、貧しき者はさらに貧しくなっている。

中流階級は激減し、2010年には貧困者が4620万人に達した。7人に1人は貧困層だ。さらに、予備軍まで入れると、3人に1人は生活に追われている状況になっている。

問題なのは、この格差が固定化しつつあるということだ。アメリカン・ドリームはすでに消失している。努力しても這い上がれない社会がやってきているのである。

当然だ。競争を開始する時点での条件に大きな格差がついている。スタートラインが富裕層と貧困層とではまったく違う。正当な競争になっていないのである。

貧困層は満足な給料がもらえない職業を転々とするしかなく、結局、働いても働いても豊かになれないワーキングプアが常態化してしまう。

貧困が固定化するのは、次の5つの要因がある。

(1)生活に追われ、疲れて何も考えられなくなる。
(2)低賃金で自分も子供も教育が受けられなくなる。
(3)金を含め、あらゆるものが不足してしまう。
(4)這い上がれない環境から自暴自棄になっていく。
(5)社会的影響力がなく、権利は保障されない。

いったん貧困に堕ちると、この5つの要因が同時並行で始まっていき、その中で押しつぶされてしまう。

これは、アメリカだけの問題ではなく、今や日本の底辺の問題でもある。すでに、日本の底辺もこの5つの要因にがんじがらめにされて、這い上がるのが絶望的に難しい社会になっているのである。


アメリカでは、強者と弱者が明確に分離しており、その格差は極限にまで近づこうとしている。富める者はさらに富み、貧しき者はさらに貧しくなっている。


貧困層は、相変わらず見捨てられていた

格差が固定化されるというのは、富裕層と貧困層の超えられない一線ができるということである。人々は分離し、この両者は次第に違う文化を生きることになる。

暮らす場所も、食べる物も、通う学校も、遊ぶ場所も、付き合う人も、すべて違っていく。そして、この両者は互いに相手に無関心になり、話す言葉すらも違っていくようになる。

日本もそうなる危険性が高い。格差は固定化して、堕ちてしまった人は、社会から見捨てられて生きるようになっていく。

2014年3月。私は10年ぶりにインドのコルカタに向かって、インドの貧困地区がどうなっているのかを確認しに行った。

その結果、どうだったのか。書籍『絶対貧困の光景』で書いたのだが、かつての貧困層はインドの経済発展からものの見事に取り残されていた。

コルカタは、確かに一部は経済発展していた。

ところが、貧困層はまったく経済発展の恩恵に浴していなかったのだ。彼らは社会から無視され、相変わらず社会から見捨てられていた。

10年前、貧困の中で生きていた女性たちは今もまだまったく同じ状態で放置されていた。彼女たちは路上で暮らし、路上で物乞いをし、スラムは相変わらずスラムのままだった。

先進国と変わらないマンション、ショッピングモールができていて、富裕層がベンツを乗り回しているその横で、10年前に貧困層だった人たちは、まだ路上を這い回って生きていた。

(堕ちたら、這い上がれないのだ……)

竹中平蔵が言った通り、「トリクルダウン」など、影も形もなかった。貧困層に富はこぼれ落ちていなかった。完全に置いてけぼりだ。

そういった状況は私もよく知っていたはずだった。しかし、実際にそんな現状を目の前に突きつけられた時に感じたショックは、決して小さなものではなかった。

格差が固定化され、弱者が見捨てられ、貧困層が大量に増え続ける社会がどんなに悲惨な社会なのか、日本人はもっと真剣に考えるべきだ。

日本はそんな道を辿ろうとしているのである。


スラムの子供たち。富める者は富み、貧しい者は奪われるのであれば、この少年と幼い妹には未来はない。
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20160118T0438270900.html


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2016-02-06
難民・移民が流入して大混乱しても、それが止まらない理由


移民問題・難民問題は、今やユーロ圏を揺るがす火薬庫と化してしまった。

排斥デモ、異民族敵視、憎悪、相互対立は、多民族国家を目指した国のほとんどが経験している。多民族共生というのは、口で言うほど簡単なものではない。

共生どころか、むしろ衝突となり暴力の応酬となってしまう。当然だ。ひとつの地域に、文化がまったく違って、考え方も根本からして異なる人たちが押し込まれる。

民族によっては、マナーも違えば、常識も違えば、言葉も違えば、人種も違う。

何もかも違った人間がどんどん増えていくと、受け入れる側からすると、自分たちの文化が侵略されていると捉えるのは、避けられない。こういった対立は、これから世界中で吹き荒れることになる


しかし、だからと言って、移民・難民の流入や、多民族国家の動きが頓挫するとは、絶対に考えない方がいい。

どんな問題が起きても、どんな激しい国民の抵抗が起きても、グローバル社会に参加した国家では、それが強引に行われていくことになる。

なぜなら、グローバル化していく社会の中で、国家という枠組みが邪魔になっており、今は「国家」という枠組みを取り壊そうとする動きが加速しているからである。

「自国文化を守ろう、自国の歴史を大切にしよう」という動きは、「保守」とは呼ばれず、「極右」とグローバル・メディアによってレッテル貼りをされている。

世界中のメディアは、保守を必ず「極右」として扱い、レイシストと断定する。それはグローバル化を後退させる動きなので、「絶対に許されない思想」と認定して、封印されていく。

グローバル化を阻止する動きは、絶対に許されない。

多国籍企業、金融市場、巨大メディアは、グローバル化する社会の中で支配権を拡大していく過程にある。

世界を動かしているのは国民ではなく、多国籍企業、金融市場、巨大メディアである。そして、これらの企業の各ステークホルダー(関係者)たちである。

全員が揃って陰謀に荷担しているという見方もあるが、実際のところは、陰謀論によって動いているというよりも、グローバル化した方が「より儲かる」というシンプルな原則によって突き動かされていると言った方がいい。

儲かるのなら、儲かる方向に向かって資本が殺到していく。それがあたかも何らかの指示があるように一方方向に動いているように見える。

事業家や金融資本は何者かに命令されて動いているわけではない。儲かる方向に向かって動いていたら、それはグローバル化の方向だったのである。


ロンドンの光景。もうすでにロンドンでは44%近くが非白人となっていると言われている。移民・難民の流入や、多民族国家の動きは止まらない。


儲かるから、グローバル化が推し進められるのだ

グローバル化したら、世界のすべてが多国籍企業にとって市場になる。そうなれば、単純に儲かる。だから、多国籍企業はぶれることなくグローバル化を推し進める。

グローバル化したら、賃金の安い国で物を製造することができるようになる。そうなれば、コスト削減できる。そして、競争力が付いて儲かる。

グローバル化したら、移民が大量に入ってきて、やはり低賃金で人が雇えるようになる。そうなれば、またもやコスト削減ができる。だから、移民政策や、多文化主義は推進されるのだ。シンプルだ。

貿易を行うに当たって、国をまたぐたびに関税を取られたら損をする。だから、国がなくなればいいと考えるのが多国籍企業でもある。儲けのためには、関税を取る国家という存在が邪魔なのだ。

販売を行うに当たって、各国の違いに合わせて商品をローカライズするのは無駄なコストである。言語が英語か何かで統一できれば、ローカライズする手間がなくなる。だから、国がなくなればいいと考えるのが多国籍企業である。コストのためには国家という存在が邪魔なのだ。

販売を行うに当たって、文化が違っているとやはりその国に合わせなければならないが、それも無駄なコストである。だから、移民を入れて、混ぜて、独自文化を薄めさせれば、文化に合わせる手間もなくなる。

だから、文化がなくなればいいと考えるのが多国籍企業でもある。移民・難民を大量に入れて「多文化共生」にするのは、その国の独自の文化を消すのに最良の方法だ。


パリの光景。41%が非白人の人口となっている。グローバル化したら、移民が大量に入ってきて、低賃金で人が雇えるようになる。そうなればコスト削減ができる。だから、移民政策や、多文化主義は推進される。


世の中は多極化しているのではない。逆だ

ありとあらゆるものが、国家の消滅、国家の役割縮小、国家の無力化を目指している。上記以外にも、そんな動きは次々と動いている。

通貨が違っていれば、為替の変動というものに注意を払わなければならず、それは多国籍企業にとっては手間である。国家をブロック化するか、もしくは国家を消滅させれば為替も統一するので便利だ。だから多国籍企業は、通貨の統一を邪魔する国家という概念を消し去りたい。

巨大メディアも、言語・文化がどんどん統一されていけば、情報収集も、情報提供も、世論誘導もやりやすい。だから、グローバル化に乗るのは「得する」動きだ。そのために、言語・文化の守り手である国家を消滅させたい。

インターネットもまた、「情報」という分野で世界を統一しようとする動きである。インターネット企業は、世界がグローバル化すればするほど儲かる仕組みになっている。だから、国家間の情報遮断は許しがたいことであり、やはり国家という概念を消し去りたいと思っている。

グローバル化は、それを突き詰めると、世界が「ひとつ」になるということだ。世界が「ひとつ」というのは、要するに国家も、文化も、言語も、通貨も、すべてが「ひとつ」になるという意味である。

現在、そのような社会に向かっている。世界は多極化しているのではない。完全にその逆だ。

グローバル化の動きは、「ひとつ」になる動きだ。国家のブロック化は、「ひとつ」になる動きだ。多文化主義の動きは、「ひとつ」になる動きだ。金融市場の国際化は、「ひとつ」になる動きだ。移民促進の動きは、「ひとつ」になる動きだ。

グローバル化によって、世界は統一化されようと動いている。多極化しているというのは、単に政治の力学の話であって、世の中全体の動きではない。

多極化していると見せかけて、世の中はグローバル化によって「ひとつ」になろうとしているのである。

絶対に移民政策が止まらないのは、世界が「ひとつ」になるためだ。本当に、単純な話だ。そうすれば多国籍企業、金融市場、巨大メディアは儲かるのである。そして今や、すべての国がグローバル化に向かって暴走している。
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20160206T0136500900.html


http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html#c21

[昼休み54] 『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった 中川隆
22. 中川隆[-13658] koaQ7Jey 2018年11月20日 18:23:50 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20956]

なぜ「日本文化はいずれ死ぬ」と断言することができるのか

私たちは自国を愛しており、自国の文化、自国の言語、自国の歴史を愛している。これは誰でも心に持っている気持ちであり、国を大切にする気持ちは決して消えることはない。

しかし、「自分の国を大切に思う」という気持ちは、これから次々と踏みにじられることになる。これは現代社会の大きな方向性として、知っておくべきだ。

「自分の国を大切に思う」というのは、グローバリズムに反するものだからだ。グローバリズムは、国を消失させる動きであることは、もう誰もが気付いている。

グローバル化は文化を破壊し、最終的に国を破壊する。

そうなる理由は簡単だ。文化がそれぞれの地域で違っていると、ローカライズするのにコストがかかるからだ。

文化が違っていると、文化に合わせなければならない。「合わせる」というのが多国籍企業にとってコストであり、不確定要素になる。

国家がなくなり、文化が均質化すれば、全世界で同じ物を売ることができて、全世界に支配権を得ることができる。


独自文化は破壊される方向性にあることを認識せよ

グローバル化にとって、独自文化は邪魔だ。理解できないし、ローカライズには手間がかかるし、無視すれば市場をとりこぼすことになるからだ。

だから、私たちは気が付かなければならない。

グローバル化がこれからも進むのだから、「独自文化は破壊される方向性にある」ことを。もっとはっきり言うと、こういうことになる。

「日本文化は必ず破壊される」
「日本人は日本のものではなくなる」

日本だけではなく、すべての国がそうなる。欧米ではすでに多文化主義が執拗に推進されている。

移民が続々と入り込み、人種が地域文化に馴染まないで混乱し、国内で大きな混乱が起きているにもかかわらず、それは粛々と推進されている。

ドイツでも、イギリスでも、フランスでも、オランダでも、ノルウェーでも、すべての国でまったくブレることなく多文化主義が推し進められている。

もちろん、こういった多文化主義に反対し、「独自文化を守れ」という動きは市民の間から大きな声となって湧き上がっているのは言うまでもない。

世界各国で、次々と保守政党が立ち上がって支持されている。

しかし、こういった移民排斥の運動は、世界中で「差別主義者」のレッテルを貼られる。そして、その政党は「極右団体」と称され、グローバル・メディアによって徹底的に糾弾されて、叩き潰されていく。
http://www.bllackz.com/2013/10/blog-post_20.html?utm_source=BP_recent


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日本も含め、全世界は最後に同じ文化になってしまうのか?


中国やインド、そして東南アジアの各諸国が台頭してきたのは、グローバル化が加速したからだ。

グローバル化が加速するとなぜこれらの諸国が台頭することになるのかというと、簡単に言えば「人的コストが安いから」である。

では、なぜ世界はグローバル化していくのかというと、企業間の競争があって、そこでは結果的にコスト削減を徹底的に行い、利益を上げたものが勝利を手にするからである。

コストを削減するには人件費を削減するのが一番早い。

あるいは、安い労働力を使うのが良い。

当然、どこの企業もこの2つに目をつけて、この2つは同時に行われた。具体的に言うと、以下のことが、同時に行われた。

(1)賃金の高い先進国の労働者の削減
(2)賃金の安い新興国の労働者の確保

賃金の安い国はどこだったのか。それは中国であり、インドであり、東南アジア諸国であった。


残った正社員は、リストラするか賃金削減するか

先進国の失業問題は、グローバル化によって必然的に起きたことだ。

日本人の労働者がそれに巻き込まれるのは、時間の問題だったのだ。

だから、小泉政権時代からそれは加速していったが、日本はもっと早く賃金削減が起きてもおかしくなかった。

本来であれば、バブルが崩壊して企業がコスト削減に走らなければならなかった1990年代に賃金削減が起きてもおかしくなかった。

そうならなかったのは日本には終身雇用という文化があったからで、企業が無理していたという言い方もできる。日本企業にも良心があったということだ。

結局、無理に無理が重なってどうにもならなくなったので、企業側はどんどん工場を新興国に移し、本社側の人員は派遣に切り替えた。

そして、残った正社員は、リストラするか賃金削減するかの二者択一になった。

2000年代に入ってから、この両方が平行して行われたのである。

・日本の賃金はまだ高いから、正社員はもっと削られる。
・賃金はもっと削減される。

サラリーマンをやっている人間は、もはや一部分の人間しか生き残れないことになる。グローバル化の本質を考えると、どうしてもそのような動きになってしまうからだ。

すべては賃金の安い国へと仕事が流れていく。

それが中国であり、インドであり、東南アジアだったのだ。


大量のコマーシャルを流して、その文化の中に浸透

この中で、中国とインドはよく特別化されることが多いが、それは理由がある。

最も大きな理由は「人口」だ。これらの国は安い労働力を使えると同時に、支払った賃金で潤うと、人口の多さがそのまま販売の市場につながっていく。

中国とインドはこの2国だけで人口は26億くらいで地球上の人口の40%ほどを占めているから、市場としての魅力は抜群である。

そのためには、この国に巣食う貧しい人達がもう一段階豊かになる必要もある。

それで労働コストが上がったのであれば、今度はバングラやアフリカが「世界の工場」になって、そこで作ったものを中国やインドに売るという流れになる。

多国籍企業は新興国に大量のコマーシャルを流して、どんどんその文化の中に浸透している。

まさにその動きこそがグローバル化の動きであって、これがアジアを強制的に変化させている原因だ。

アジアの文化に浸ってのんびりしたいと思っていたら、アジアの姿がどんどん変わって取り残されてしまう。


その背景には、多国籍企業の顔がちらつく。

古き良きアジアは、もはや幻想の中にしか存在しない。

どんな問題が起きても、どんな激しい国民の抵抗が起きても、グローバル社会に参加した国家では、それが強引に行われていくことになる。
なぜなら、グローバル化していく社会の中で、国家という枠組みが邪魔になっており、今は「国家」という枠組みを取り壊そうとする動きが加速しているからである。

「自国文化を守ろう、自国の歴史を大切にしよう」という動きは、「保守」とは呼ばれず、「極右」とメディアによってレッテル貼りをされている。

世界中のメディアは、ナショナリズムを必ず「極右」として扱い、差別主義者と断定する。それはグローバル化を後退させる動きなので、「絶対に許されない思想」と認定して、封印されていく。

グローバル化を阻止する動きは、絶対に許されない。

多国籍企業、金融市場、巨大メディアは、グローバル化する社会の中で支配権を拡大していく過程にある。

世界を動かしているのは国民ではなく、多国籍企業、金融市場、巨大メディアである。そして、これらの企業の各オーナーたちである。

全員が揃って陰謀に荷担しているという見方もあるが、実際のところは、グローバル化した方が「より儲かる」というシンプルな原則によって突き動かされていると言った方がいい。

儲かるのなら、儲かる方向に向かって人は殺到していく。それが雪崩のような現象を引き起こす。


儲かるから、グローバル化が推し進められるのだ

グローバル化したら、世界のすべてが多国籍企業にとって市場になる。そうなれば、単純に儲かる。だから、多国籍企業はぶれることなくグローバル化を推し進める。

グローバル化したら、賃金の安い国で物を製造することができるようになる。そうなれば、コスト削減できる。そして、競争力が付いて、単純に儲かる。だから、多国籍企業はぶれることなくグローバル化を推し進める。

グローバル化したら、移民が大量に入ってきて、やはり低賃金で優秀な人材が雇えるようになる。そうなれば、またもやコスト削減ができる。だから、移民政策や、多文化主義は推進されるのだ。

貿易を行うに当たって、国をまたぐたびに関税を取られたら損をする。だから、国がなくなればいいと考えるのが多国籍企業でもある。儲けのためには、関税を取る国家という存在が邪魔なのだ。

販売を行うに当たって、各国の違いに合わせて商品をローカライズするのは無駄なコストである。言語が英語か何かで統一できれば、ローカライズする手間がなくなる。だから、国がなくなればいいと考えるのが多国籍企業である。コストのためには国家という存在が邪魔なのである。

販売を行うに当たって、文化が違っているとやはりその国に合わせなければならないが、それも無駄なコストである。だから、移民を入れて、混ぜて、独自文化を薄めさせれば、文化に合わせる手間もなくなる。

だから、文化がなくなればいいと考えるのが多国籍企業でもある。移民は、その国の「独自の文化」を消すのに最良の方法なのだ。


世の中は多極化しているのではない。逆だ。

ありとあらゆるものが、国家の消滅、国家の役割縮小、国家の無力化を目指している。上記以外にも、そんな動きは次々と動いている。

通貨が違っていれば、為替の変動というものに注意を払わなければならず、それは多国籍企業にとっては手間である。国家をブロック化するか、もしくは国家を消滅させれば為替も統一するので便利だ。だから多国籍企業は、通貨の統一を邪魔する国家という概念を消し去りたい。

巨大メディアも、言語・文化がどんどん統一されていけば、情報収集も、情報提供も、世論誘導もやりやすい。だから、グローバル化に乗るのは「得する」動きだ。そのために、言語・文化の守り手である国家を消滅させたい。

インターネットもまた、「情報」という分野で世界を統一しようとする動きである。インターネット企業は、世界がグローバル化すればするほど儲かる仕組みになっている。だから、国家間の情報遮断は許しがたいことであり、やはり国家という概念を消し去りたいと思っている。

グローバル化は、それを突き詰めると、世界が「ひとつ」になるということだ。世界が「ひとつ」というのは、要するに国家も、文化も、言語も、通貨も、すべてが「ひとつ」になるという意味である。

現在、そのような社会に向かっている。世界は多極化しているのではない。完全にその逆だ。

・グローバル化の動きは、「ひとつ」になる動きだ。
・国家のブロック化は、「ひとつ」になる動きだ。
・多文化主義の動きは、「ひとつ」になる動きだ。
・金融市場の国際化は、「ひとつ」になる動きだ。
・移民促進の動きは、「ひとつ」になる動きだ。

グローバル化によって、逆に統一化されようと動いている。多極化しているというのは、単に政治の力学の話であって、世の中全体の動きではない。

多極化していると見せかけて、世の中はグローバル化によって「ひとつ」になろうとしているのである。

絶対に移民政策が止まらないのは、世界が「ひとつ」になるためだ。本当に、単純な話だ。そうすれば多国籍企業、金融市場、巨大メディアは儲かるのだ。

国家はどんどんブロック化していく。やがて「ひとつ」になる


そういえば、つい数年前までインドでは髪や身体を洗う時には泥を使っていたが、今では安く変える石鹸やシャンプーが浸透していっている。
これらの石鹸やシャンプーは貧しい人たちでも買えるように小分けで売られている。

メーカーはユニリーバ。イギリス企業(正確にはイギリスとオランダに経営機能を持つ多国籍企業)である。


インドに浸透していく多国籍企業ユニリーバ。男は「ユニリーバ」と聞いても知らない人も多いかも知れないが、女性はみんなこの企業を知っている。


侵略されても、それが文化侵略などとは思わない

ユニリーバはインドで確固たるブランドを築いている。これらの人たちが生活レベルを上げるたびに、ユニリーバの高級商品が彼らの手に渡っていくことになる。

グローバル化は、安い労働力と巨大な市場を求めて世界中のどこにでも浸透していくから、地元産業は衰退し、残った企業は淘汰されていく。

日本では昔、よろず屋という形態の店があったが、今ではそんな店を捜しても見つからないかもしれない。なぜならすべて淘汰されてコンビニがそれに取って変わったからだ。

フィリピンに、サリサリ・ストアという「よろず屋」「雑貨屋」形態の個人ショップが多く見かけるが、もしフィリピンの経済状況が上がっていくなら、これらのサリサリ・ストアは淘汰されて消えていくことになる。

国がグローバル化に組み込まれると、このような個人店舗から吹き飛んでいくのは定石の動きだから誰でも分かる。

すでに1985年前後からグローバル化に飲み込まれたタイでも、コンビニエンス・ストアが幅を利かすようになって個人ストアを駆逐してしまった。

コンビニで売られるものは、自国の大企業のものと、海外の多国籍企業のものに二分される。

日本でも、コカコーラやエビアンなどは普通に売っているが、これらが多国籍企業であるのは言うまでもない。

スーパーもデパートもショッピングモールも、地元のものがスケールで敗退して、莫大な資本を投下できる多国籍企業がゆっくりと確実にその地に浸透していく。

テスコ、カルフール、ウォールマートという巨大ショッピングモール店はそれぞれイギリス、フランス、アメリカの資本だが、買い物をする人間がそんなことはいちいち考えていない。

趣味が良い空間で、大量のものがあって、安く買えるのであれば、どこの国の資本でも歓迎するし、それが文化侵略などとは思わないのである。


フィリピンのサリサリ・ストア。この国もグローバル化に飲まれると、やがてこういった個人商店の店は、大資本によるコンビニやショッピングモールに駆逐されて消えていくことになる。


すべてが画一化されたようなモノクロの世界

外国資本のショッピング・モールに入っているテナントは、マクドナルドだったり、ケンタッキー・フライド・チキンだったり、あるいはスターバックスだったりする。

しかし、それらに目くじらを立てる人間もいない。これらは新興国にとって、先進国の香りがする「素晴らしい企業」であり、文化侵略どころか「憧れ」だ。

かくして、これらの多国籍企業はゆっくり、着実に、アジアに浸透していき、やがてどこの国に行っても代わり映えのしない多国籍企業の看板に埋め尽くされる。

グローバル化はアジアを激変させている。そして、文化を画一化させていく。

多様化を失っていく文化は、人間の増加によって次々と野生動物が絶滅していく姿にだぶる。

グローバル化に対応できない国は絶滅していく。グローバル化に対応した国は均質化・画一化していく。グローバル化がとことん浸透すると、賃金もやがては画一化していく。

多国籍企業は経済的な論理で激しいグローバル化を追い求めているが、その結果についてはほとんど無視されているように思える。

グローバル化の行き着く先は、すべてが画一化されたようなモノクロの世界だ。世界中、どこに行っても同じ光景、同じ商品、同じ価値観で固定化される。

多国籍企業は、その商品が全世界を覆い尽くすまで止まらないのは間違いない。この動きに歯止めはかからない。資本主義が終わるまで続く。

すでに私たちは、日本にいても、タイにいても、シンガポールにいても、コカコーラを飲み、マクドナルドを食べ、スターバックスでくつろぐことができる。

幸せだろうか?


これがどこの国か分かるだろうか。タイだ
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20131110T2225020900.html

http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html#c22

[昼休み54] 『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった 中川隆
23. 中川隆[-13657] koaQ7Jey 2018年11月20日 18:44:10 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20956]

輸出や外国人観光客の誘致をいくら頑張ってやっても日本が豊かにならない理由


経済コラムマガジン 2016/10/24(913号)落日の構造改革派

構造改革派の中にも、段々と問題は供給サイドだけでなく、需要サイドにもあるのではないかと考える者が現れるようになった(日本の供給サイドは特に大きな問題がないと筆者は見ている)。明らかに構造改革派は落日を迎えている。しかしいきなり財政支出による需要創出というわけには行かない。筆者の記憶では、最初に需要サイドに着目した構造改革派は「霞ヶ関埋蔵金」を問題にした人々である(埋蔵金を使っての需要創出をしろと主張)。


その次は外国人観光客の誘致を唱える人々である。
これは外国人観光客の買い物による需要増を狙っている。

そして最近ではTPP締結が注目されている。ところでアベノミクスの第三の矢である「成長戦略」の柱は規制緩和などによる構造改革だったはずである。ところが奇妙なことに最近になって「成長戦略」の第一はTPPという話が出るようになっている。これは TPP による輸出増が狙いである。

このように外国人観光客の誘致やTPPの目的は需要増といっても外需の増加ということになる。

たしかに構造改革よる供給サイドの強化といった現実離れした考えからは、これらはいくらか進歩していると言える。しかしこれに対して筆者達は、これ以上外需依存を高めるのではなく(外需依存はいずれ円高で苦しむことになる)、財政政策(ヘリコプター・マネーなどによる)による内需拡大政策を主張しているのである
http://www.adpweb.com/eco/eco913.html


2016年07月04日
訪日外国人2000万人も経済はマイナス 外国人観光は経済に貢献しない

外国人が何千万人来ても、それで経済成長することは絶対に無い。


http://livedoor.blogimg.jp/aps5232/imgs/a/5/a5a20193.png


外国人観光客は2016年も増え続けていて、この調子なら2000万人達成も可能だと言っています。

だが外国人がいくら増えても日本の景気は良くならず、むしろマイナス成長になっているのは何故でしょうか。


無策のツケを誰が払う?

政府は訪日外国人が1000万人を超えたとして、次は2000万人、あるいは3000万人だと言っています。

2011年の原発事故の後、増え続けた訪日客は特に安部政権が始まった2013年から、目だって増加しました。

安倍首相は「訪日外国人が増えたのは自分の手柄だ」と言っていて、それは別に構わない。


だが不思議なのは外国人が2倍に成っても日本のGDPがマイナス成長な事で、むしろ外国人が増えるほど経済が悪化している。

訪日外国人が増える事と、日本の経済成長に関係があるのかないのか、議論されませんでした。

皆当たり前のように「訪日客が増えれば経済効果がある」と言っているが、わたしはそう思いません。


訪日外国人がお金を使うのは、お金の流れを見ると輸出と同じで、例えば自動車1台輸出すると200万円のドルが得られます。

実際は原材料費などを輸入しているので1台100万円として、外国人が5人くらい訪日すると、交通費込みでそのくらい使います。

外国人がお金を使うのだから日本は儲かっている、と輸出論者は言うのだが、それは戦前から1980年頃までの話です。


その頃までは通貨は事実上固定相場制で、日本が何台自動車を輸出しても、1ドルは360円や200円で固定されていました。

ところが日本の輸出で大損をしたアメリカはぶち切れてしまい、ある日日本の大蔵大臣をNYに呼んで「今日から変動相場制にするから」と通告しました。

これが1985年のプラザ合意で、以来30年間日本はずっと円高不況で苦しんでいます。


同じ場所でクルクル回るだけのハムスター経済
引用:http://pds.exblog.jp/pds/1/201209/15/22/f0189122_15113970.jpg


日本はハムスター経済?

変動相場制では輸出すればするほど円高になるので、輸出で儲ける自体不可能で、むしろ輸出するほど損をします。

アメリカのような輸入超過国のほうが儲かるように出来ていて、その為にアメリカはルールを変更したのでした。

観光客がドサドサやってきてお金を使うのも同じ事で、彼らの買い物のせいで円高になり、余計輸出企業が苦しむだけです。


固定相場制では「輸出するほど儲かった」が、変動相場制では「輸出するほど罰を受ける」のです。

2016年に入って中国ショックやイギリスショックで円高になり、一時99円に達してまた戻っています。

評論家はイギリスのEU離脱の影響と言っていますが、何も無くたって輸出と観光客のせいで円高になるのです。


安倍首相の経済政策をみると、円安に誘導して輸出や観光客を増やしているが、輸出が増えたら必ず円高になります。

輸出とはドルを円に交換するで、観光客もドルや人民元を円に交換し、際限なく円高になります。

なんだかハムスターが車輪を回しているが、同じ場所で自分が走っているだけ、というのを連想してしまいます。


輸出や観光客でお金を集めようとして必死に働いているのだが、こんな事をいくら頑張ってもゼロ成長のままです。

観光と輸出にはもう一つ大きな問題があり、日本人が働いた成果が国外に流出し、蓄積されない事です。

日本で自動車を生産しアメリカに輸出したら、日本には何もなくなり、アメリカには自動車が1台増えます。


輸出や観光で経済成長はしない

お金という紙切れを受け取る代わりに、高度な工業製品である自動車を渡すのは、あまり有利な取り引きではありません。

アメリカは受け取った自動車を何年か有効に使いますが、日本の自動車メーカーが受け取ったお金は有効に使われているでしょうか。

大抵は中国や海外に別な工場を建てたりして、日本人には何の恩恵ももたらしはしません。


あるいは企業の内部留保になったり、株価や地価を吊り上げたり、ロクな事に使われないのが現実です。

輸出や観光で日本が受け取った外貨は、一般国民のために使われる事は、まずありません。

外国人旅行者より国内旅行者を増やした方が経済効果が大きいのに、外国人を泊めるために日本人をホテルから追い出しているのです。


この政策を続ける限り、来年も再来年も、日本はゼロ成長でしょう。

ではどうすれば経済が成長するかと言うと、今まで書いた逆、つまり輸入を増やして貿易や観光を赤字にすれば、その分円安で輸出し易くなります。

貿易黒字の日本より貿易赤字のアメリカ企業の方が、成長力があり儲かっているのはこの為です。
http://thutmose.blog.jp/archives/62830797.html

▲△▽▼

小泉景気は2001年から73カ月も続いたが、内容は円安で輸出を増やすものだったので、円高であっけなく終了しました。

むしろ強引な円安誘導で国際収支の黒字を積み重ねた結果、儲けたドルが一斉に円に換金され、空前の超円高を作り出した。


貿易や海外投資で儲ければ、儲けたドルは後で円に交換されるので円高を引き起こし、結局は儲けた金を全て吐き出す破目になります。

貿易黒字はまったく無意味とまでは言わないものの、日本が儲けるという観点からは「ほとんど無意味」なのは事実です。

同様に安倍首相が力を入れ年間2500万人に達した外国人観光客も、国際収支の黒字を増やすだけで「ほとんど無意味」です。


国際収支が積み上げられた結果、「将来円に交換される外貨」が増えていき、最も円高になって欲しくない時に、一斉に円に交換し超円高になります。

ここでも悪事を働いているのは財務省で、貿易黒字や国際収支黒字を「日本の稼ぐ力」と呼び「貿易黒字が回復した」と良い事のように言っています。

財務省は「財政」つまり国の貯金がいくらあるかを数える役所なのだが、経済については分かっておらず、無知なのに口を出します。


国際収支の黒字は将来の超円高を作り出す「悪い事」なのに、「黒字になった、勝った勝った」と喜んでいるのです。

日本のようにGDPの7割近くも個人消費が占めている国では、景気が回復したら輸入が増えて貿易黒字になるので、巨額貿易黒字は「不況」のサインでしかありません。
http://www.thutmosev.com/archives/72361513.html

▲△▽▼

日本に来る外人観光客が増えたのは日本の物価が先進国で一番安いからだった

「東京」が初のトップに!英国人にとってお得な長距離旅行先―英メディア
人民網日本語版 配信日時:2017年9月21日(木) 15時50分


英ロイヤルメール社はある調査報告で、東京がイギリス人にとってもっともリーズナブルな長距離旅行先で、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロが最も高いことが明らかになった。新華社が伝えた。

英ロイヤルメール社はある調査報告で、東京がイギリス人にとってもっともリーズナブルな長距離旅行先で、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロが最も高いことが明らかになった。新華社が伝えた。

この「長距離旅行報告」という名の年度調査はコーヒー1杯、ドリンク1本、コーラ1缶、ワイン1杯、カクテル1杯、板チョコレート1枚、ミネラルウォーター1本、日焼け止めクリーム、虫よけスプレー及びペアのコース料理の10項目のコストにより調査を行っている。

英「デイリーテレグラフ」による調査結果の報道では、東京は10項目の合計が48.9英ポンド(1英ポンドは約151円)で、旅行先30都市のうちトップだった。同調査が開始されてから10年目になるが、東京は初のトップで10項目の費用は去年より23%安くなっており、2012年と比べると60%安くなっている。

トップ10は東京に続き、南アフリカのケープタウン、ケニアのモンバサ、スリランカのコロンボ、ベトナムのハノイ、インドネシアのバリ島、コスタリカのタマリンド、米国のオーランド、マレーシアのペナン島、ドミニカのプンタカナの順となっている。

一方で最も高い旅行先はブラジルのリオ・デ・ジャネイロで10項目合計160英ポンドという結果になった。ペアのコース料理が1食につき107.85英ポンドかかり、ドリンクは1本は平均で4.07英ポンドとなっている。(提供/人民網日本語版・編集TK)

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世界各国のビックマック価格

購買力平価という考え方がある。

世界各国の物価水準は摩擦が無く貿易されれば同じ物なら同じ価格になるように為替水準は調整されるはず、という理論だ。

そして世界中で売られているマクドナルドのビックマックを基準に購買力平価を計算したものが「ビックマック指数」だ。

以下の一覧は2015年1月時点で円換算した際の価格だ(1ドル117.77円 56か国)。

1位 スイス      888円 2.4倍
2位 ノルウェー    742円 2.01倍
6位 アメリカ     564円 1.52倍
15位 オーストラリア 509円 1.38倍
18位 ドイツ      501円 1.35倍
38位 日本       370円 

※ルクセンブルクは調査対象外
(世界のビッグマック価格ランキング 世界経済のネタ帳)
http://blogos.com/article/110634/


500円くらいでも日本ではそこそこ満足できる昼ご飯を食べられますが、欧米で5ドルや5ユーロ程度でまともな昼ご飯を食べられるということはまずありません。

私は、今日夜からオーストラリアのシドニーに出張ですが、シドニーでは普通のレストランで昼ご飯を食べても2000円程度はします。まさに「Japan is cheap」です。

私は、米国のビジネススクール(ダートマス大学タック経営大学院)を30年前に卒業し、今では同校のアジア地区のアドバイザリーボードのメンバーをしています。数年前に学校側からあった説明では、授業料が1年で7万ドル近くに上昇しているというのです。2年制の大学院ですからその倍の学費がトータルでかかります。もちろんそれ以外にも生活費がかかりますから、卒業までには最低でも2000万円くらいの費用がかかります。多くの学生はローン(MBAローン)を組むなどして資金をねん出します。

しかし、無事卒業さえできれば、それはすぐに取り戻せるのです。実は、卒業生の卒業後3年目の平均サラリーは18万5千ドル(約1900万円)なのです。これは優秀な人だけの数字ではなく平均です。3年後でこのレベルですから、それ以降はもっと稼ぐ人ももちろん大勢います。中には億円単位で稼ぐ人も少なからず出てくるのです。
http://blogos.com/article/187248/


食事も旅の楽しみの1つですが、スイスでは持ち帰り用のデリでも2,000〜3,000円かかります。

レストランでの食事は、場所にもよりますが、ファミレスのような場所で約2,500円、

雰囲気のよい店舗では最低6,000円は見積もらないといけないでしょう。

さらに良いサービスを受けたときは、10%ほどのチップを支払うのがマナーですので、それも勘定にプラスしなければなりません。

スイスのビックマックセットは12スイスフラン(1,440円)。

ポテトチップスは1袋700円以上します。


物価の高い理由、それはずばり人件費が高いからです。

スイスではファーストフード店でアルバイトした場合でも、時給は2,500円ももらえます。人件費がかかる分、商品の価格が高くなってしまうのです。
http://www.spintheearth.net/travel_switzerland_price/


スイスのチューリッヒは、世界の中でも物価の高い都市として知られる。

駅でミネラルウォーターを買えば4フラン、トイレの使用料に2フラン、つまり水を飲んで用を足すだけで6フラン(約600円)もかかる計算になる。

一説には、高技能職の移民以外は受け入れないために、あえて物価を高くしているとの説もあるほどだ。

一方、スイスの最低賃金は、毎月3500フラン(約35万円)にも上る。

これほどの高賃金だから物価が高くても生活できるわけだが、一般的な経済原則に反して、高賃金にも関わらず失業率も低い。
http://media.yucasee.jp/offshore-news/posts/index/646


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マカオ転職で給料4倍! このままでは日本の賃金が危ない! 2018年10月23日
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1810/23/news046.html#utm_source=yahoo_v3&utm_medium=feed&utm_campaign=20181112-013&utm_term=zdn_mkt-bus_all&utm_content=rel1-1


 日本で働いていた料理人がマカオのレストランに転職が決まり、年収が4倍になったという話がネットで話題となっている。

 中国の都市圏における経済発展は日本の想像をはるかに超えており、日本はアジアの中でも賃金が安い国となりつつある。日本人が仕送りなどを目的にアジアに出稼ぎに行くようになる日はそう遠くないのかもしれない。

アジアと日本の賃金の差が浮き彫りに。写真はマカオの繁華街(写真提供:ゲッティイメージズ)
アジアと日本の賃金の差が浮き彫りに。写真はマカオの繁華街(写真提供:ゲッティイメージズ)

アジアの賃金は想像以上に上がっている

 Twitterで情報発信している和食の料理人が、マカオのレストランへの転職が決まったとつぶやいたところ、日本とのあまりの待遇差にネット上でちょっとした話題となった。年収が4倍になり、医療費(歯科通院含む)も会社が100%負担してくれるという。

 現地レストランでのポストは副料理長ということなので、能力が高い人物の話ではあるが、同じスキルの人物でここまで年収に差が付くというのは少々驚きである。

 2017年における日本の1人あたりGDP(国内総生産)は3万8000ドル(430万円)だったが、マカオは7万7000ドル(約870万円)と日本の2倍以上もある。1人あたりのGDPは、その国の平均賃金と考えて差し支えないので、マカオでは平均的なビジネスマンが800万円以上の年収を稼ぐことは特に不思議なことではない。

 マカオは大規模なカジノが軒を連ねており、世界でも有数の豊かな地域として知られている。一方、日本ではサービス業に従事する人の賃金が異様に低いという事情もある。今回のケースはやや特殊な部類に入るかもしれないが、アジア全域で人件費が高騰しているのは事実である。

 マカオのお隣、香港の1人当たりGDPは4万6000ドル、シンガポールの1人あたりGDPは5万7000ドルといずれも日本より多い。中国は国土が広く、内陸部には貧しい地域もあるので全体の平均値は低いが、上海や深センなど沿岸都市部におけるホワイトカラー層の収入は、マカオや香港、シンガポールに近づきつつある。

 こうした地域でちょっとしたお店で夕食を食べると、料金が1万円近くになるのはごく普通のことなので、日本が相対的に貧しくなっているのは間違いない。


日本で携帯電話の料金が高く感じるのは経済力低下が原因

 こうした傾向は大卒の初任給にも如実に表われている。17年、中国の通信機器メーカー・華為技術(ファーウェイ)の日本法人が大卒初任給として40万円以上を提示したことが大きな話題となった。同社が就職情報誌で提示した新卒の初任給は、学部卒が約40万円、修士修了で約43万円。日本企業の大卒初任給は20万円程度、比較的給料が高い企業でも25万円程度なので、ファーウェイが圧倒的に高給であることは明らかだ。

大卒の初任給が高いと話題になったファーウェイだが……
大卒の初任給が高いと話題になったファーウェイだが……

 しかしファーウェイは日本人向けに特に高い年収を提示しているわけではない。

 近年はグローバル化の進展で、企業活動の標準化が全世界レベルで進んでおり、一定水準以上の企業の場合、社員の待遇についても、地域間での格差が縮小している。欧米企業における技術系社員の初任給は50万円台というところが多いので、ファーウェイ日本法人の初任給が特別高いというわけではない。

 日本では携帯電話の料金引き下げが政治問題となっている。携帯料金が高すぎるという政府の見解は半分間違っているが、半分は当たっている。

 携帯電話は典型的な設備産業であり、どの企業も同じような設備投資を行っている。規制料金が設定されていない限り、地域によって極端に通信料金に差が出ることはなく、総務省の比較調査でも日本だけが突出して料金が高いという結果にはなっていない。

 だが日本人の所得が相対的に下がっている現状では、同じ通信料金でも生活に与えるインパクトは違ってくる。通信料金が月1万円だったとして、大卒初任給が40万円の国と20万円の国では、料金に対する印象が異なるのは当然の結果といってよいだろう。

「中抜き」のビジネス慣習を見直すだけでも効果あり

 こうした事態を根本的に打開するためには、日本がもっと経済成長するしか方法はないのだが、ビジネスの慣習を見直すだけでもそれなりの効果がある。

 日本は現在、深刻な人手不足に陥っているが、その理由は人口減少だけではない。企業が過剰に人員を抱え込んでおり、本来は1人でできる仕事を1.5人あるいは2人で行っているというケースが多いのだ。業務をスリム化すれば、人手不足の一部は解消できる。

 例えば、日本で住宅設備の取り付けや修理といった各種作業を依頼した場合、顧客が支払った料金に対して、実際に作業をしている労働者が受け取る賃金はかなり少ない。仕事を仲介する事務的な作業に過剰なホワイトカラーが従事しており、これが全体の生産性を著しく下げている。

 欧米に行くと、それほど単価が高くない仕事をしている労働者が、大きなマイホームを購入していて驚かされることがある。こうした生活が実現できているのは、日本のような「中抜き」が少なく、労働者に代金の多くが渡っているからである。

 肥大化した事務部門が中間搾取する事業構造を見直さないと、賃金は上昇しないし、人手不足はますます深刻になるばかりだ。高いスキルを持った人ほど、海外で就労するチャンスを見出す結果となってしまうだろう。日本人がアジアに出稼ぎに行く時代の到来を懸念する前に、やるべきことはたくさんあるはずだ。

http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html#c23

[昼休み54] 『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった 中川隆
24. 中川隆[-13656] koaQ7Jey 2018年11月20日 18:51:39 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20956]

2018年08月01日
貿易赤字は損 黒字は得なのか?
アメリカは赤字が増えるほど経済が拡大している


画像引用:経済社会を知りたい - Jugemhttp://img-cdn.jg.jugem.jp/c01/265151/20130210_291142.png


貿易赤字は打撃を与えていない

米トランプ大統領はアメリカの対外貿易赤字を問題視していて、減らすべきだと言っています。

ニクソン大統領あたりからずっと言っていて、ニクソンショックも貿易赤字(経常赤字)を解消するために実施しました。

貿易以外のサービスや投資など全て合計したのが経常収支ですが、ここでは分かりやすく貿易赤字とします。


ニクソンは為替相場を変動させて、円高ドル安にすれば赤字を解消できると考え。変動為替制度にしました。

この時から日本はずっと円高に苦しめられ。円高のたびに大不況に陥りました。

ところがアメリカの貿易赤字そのものは、変動為替制でも拡大し続け、相手国が中国やドイツに変わっただけでした。


それにアメリカは貿易赤字が年々拡大したのに、反比例するように経済は絶好調です。

確かにニクソンやカーターの時代は貿易赤字で苦しんでいたが、90年代以降は苦しんでいません。

貿易赤字がアメリカ経済に打撃を与えるなら、1990年から現在まで、リーマンショックを除くとずっと経済成長してきた説明はつきません。


日本は黒字で儲けていない

もしニクソンやトランプの言う通り「貿易赤字で被害を受けた」なら米経済はマイナス成長のはずです。

リーマンショックはアメリカ自身がバブル経済を破綻させたからで、貿易赤字とは関係なかった。

最大の矛盾は「貿易赤字は米経済に打撃を与えていない」という点です。


アメリカは貿易赤字で被害を受けなかったのだが、これを逆に言うと「日本は貿易黒字で儲けていない」ことになります。

その証明はバブル崩壊の1991年以降経常黒字が急増したのに、経済成長率はマイナスに転じたので証明できます。

もし経常黒字で儲けたなら、マイナス成長はありえないし、誰も説明できないでしょう。


日本企業は上から下まで輸出で利益を出していますが、彼らがどれだけ輸出しても、日本の経済成長率はマイナスでした。

輸出によって日本が代金を受け取るという、個人商店のような考え方では、輸出するほど儲かっていなくてはなりません。

現在では「輸出で儲かる」「輸入で損をする」という理論は経済学では否定されていて、両方が利益を得ることになっています。


「輸出で儲ける」はもはや幻想

輸出は競争相手がなければ確かに利益が出るが、世界に強力な輸出国がひしめいていたら、売れば売るほど損をすることもあり得ます。

最近はまさにそんな状況で、どんな輸出商品でも買いたたかれて、日本の工場労働者は低賃金長時間労働を強いられています。

競争相手の中国や韓国やベトナムに勝つには、日本の労働者の賃金を10分の1にするか、10倍働かなくてはならないのです。


これが輸出しても国が儲からなくなった原因で、逆に輸入国にとっては、外国の労働者を低賃金で雇っていることになります。

中国の労働者が時給1ドルでスマホを作ってアメリカが輸入したら、アメリカ人は時給1ドルで中国人を雇っているのと同じです。

時給1ドルで作ったスマホはアメリカで数年間使用され、活用されて国内の経済成長に貢献します。


日本は原材料を輸入して加工して高値で輸出する商売から抜け出せず、「輸入したら損をする」と考えている人が多い。

そうではなく時給100円の労働者が作ったスマホを国内で活用し、経済成長すると日本が得をするのです。

現代ではむしろ輸出国(黒字国)よりも輸入国(赤字国)のほうが貿易で利益を得ていると考えられます。


中国は輸出で大儲けして成長したという神話があるが、実際は輸出で得た外貨を元手に、国内投資して成長しました。

成長分のほとんどは国内の公共事業や不動産投資で、輸出による経済成長はわずかでした。
http://www.thutmosev.com/archives/77076603.html


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2018年02月09日
10年ぶりの大幅経常黒字が日本を亡ぼす

経常収支(国際収支)と円高円安は原因と結果、黒字が大きいほど超円高を招く
引用:http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/balance_of_payments/preliminary/bpgaiyoupg2017cy.gif


国滅んで黒字あり

2月8日に財務省が発表した国際収支状況で、経常収支は7972億円の黒字となりました。

42ヶ月連続の経常黒字で、2017年は21兆8742億円もの大幅な黒字となり、リーマンショック以前の2007年と同水準だった。

内訳は輸出が5389億円の黒字だったが黒字額は約33%減少しました。


貿易以外の所得収支は6148億円の黒字で10%減少、サービス収支は2045億円の赤字だった。

2800万人に達した外国人観光客の旅行収支は1兆7626億円の黒字で、政府が掲げる観光大国に近づいた。

こうして日本は貿易でも投資でも観光でも、黒字を積み重ねているのだが、それが良い事かは別問題です。


財務省が言っているように2007年以来10年ぶりの巨額経常黒字だが、10年前の2007年に何が起きたか日本人はすっかり忘れてしまった。

2007年の春頃にチャイナショック、続いてサブプライムローン破綻が発生し、2007年のお盆にはリーマンショックが始まっていました。

2007年7月には1ドル124円の円安だったのが、年末には110円を割り、翌2008年には100円も割り込みました。


黒字が大きいほど貧しくなる

2009年には1ドル90円を割り、2010年には一時80円割れ、そして2011年には80円も割り込み70円台に突入しました。

現在とは関係ないように見えますが、2007年までに溜め込んだ「経常黒字」とその後の円高が、原因と結果だとしたらどうでしょうか。

経常黒字あるいは貿易赤字は日本からアメリカなどに何かを渡し、代わりにアメリカから日本にお金を渡します。


20兆円の経常黒字なら20兆円分のドルが円に交換され、20兆円分円高ドル安になります。

通常企業はアメリカで儲けた金をアメリカで再投資するので、すぐには円高にならず、なるべく日本への送金を先送りにします。

だが世界経済危機が発生すると本社にお金を集める必要が生じて、あらゆる輸出企業が一斉にドルから円に交換します。


2008年や2011年の円高はこうしたパニック的な動きが一役買ったと見られ、溜め込んだ膨大な経常黒字がこのときドルから円に交換されました。

それではアベノミクスで2013年から溜め込んでいる、膨大な経常黒字は最後にどうなるか、やはりいつかはドルから円に交換されます。

円安の間は輸出などで大儲けできても、経常黒字や貿易黒字そのものが超円高を引き起こします。


これでは現在の日本の好景気も、2007年までと同じく幻想だと指摘せざるを得ません。
http://www.thutmosev.com/archives/74850367.html

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2018年02月12日
輸出や外人観光客を増やして外貨を稼いでも日本人は豊かにならない

輸出企業の収益はついにバブル越え、だが賃金はマイナス
引用: (NIKKEI STYLE) - Yahoo!ニュースhttps://amd.c.yimg.jp/amd/20180130-00010000-nikkeisty-002-1-view.jpg


儲けても給料払わない輸出企業

輸出企業の業績拡大が続き、2017年は過去最高、2018年3月決算も過去最高が続出する見通しになっています。

一方で実質賃金は2017年を通してマイナスと、企業は儲けた金を労働者に渡していないのが明らかになった。

物価上昇率も年間0.5%前後と政府目標の2%には遠く及ばず、企業と株主だけが儲かった。

ビットコインなどマネーゲームに興じる人達も恩恵を受け、株価が値上がりして発生した余剰資金が還流している。

労働者は去年より貧しくなったのに、遊んで暮らしている連中がどんどん豊かになる異常社会になっている。

上場企業の2018年3月期純利益は27%増の27兆円、2年連続で過去最高、売上合計は561兆円でこちらも過去最高だった。


設備投資や鉱工業生産も高い伸び率を記録し、企業がITやAIなど新たな設備を導入しているのが見て取れる。

「IoT」やロボットなど先端分野への投資が世界で増え、高品質な日本製品の需要が高まったのも一因になっている。

企業はこれだけ儲かったが、労働者の賃金は逆に減少しました。


輸出偏重の経済政策を見直すべき

厚生労働省の毎月勤労統計調査(速報値)では、2017年の実質賃金は0.2%減少に沈んだ。

現金給与総額(名目賃金)は0.4%伸びたが、物価上昇率が賃金上昇を上回ったためマイナスになった。

賃金調査は常用労働者を5人以上雇用する事業所で、1ヶ月以上雇用の非正規労働者も含まれている。


先ほどの企業収益は上場企業のみであり、雇用している人数としては1割程度に過ぎません。

日本の大企業労働者は1,433万人を占めているが、この中には非正規も含まれるので正社員は実質的には1000万人程度でしょう。

中小企業労働者は従業者数で3,361万人、この中にも非正規が含まれるので、日本の労働者の正社員とは3000万人か4000万人に過ぎません。


安倍首相が毎年賃金を上げるよう要請しているのは、一部上場企業の1000万人だけで、それすら去年はマイナスだった。

日本人の3分の2は無職か自営業、非正規、扶養家族なのでこの人達の収入が増えない限り、物価も実質賃金も上昇しない。

日本政府は輸出と観光客を増やして外貨を稼ぐ政策をやってきたが、この考えは1950年代のもので、半世紀以上時代遅れです。


日本はフィリピンや韓国ではないので、国内で需要を喚起して国内で消費する事でしか、経済成長や賃金上昇は起こりません。

新興国なら輸出で儲ければ経済成長して賃金が上がるが、今の日本で輸出を増やしても、円高を招いて不況になるだけです。

政府に強い影響力を持つ経団連もおかしな組織で、大半を輸出企業が占めているが、現在の日本で輸出が経済に占める割合は10%以下でしかない。


GDPの9割を占めている国内産業にはほとんど政治への影響力がなく、経団連での発言力もない。
http://www.thutmosev.com/archives/74888354.html


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悪い冗談?日本が「観光立国」を目指すのは間違っている深い理由 by 冷泉彰彦 2018.07.25
https://www.mag2.com/p/news/365943

2020年の訪日観光客数4000万人、2030年には6000万人を目指すなど、「観光立国」の実現に向け遮二無二進んでいる観のある日本ですが、「観光業が国を立てる存在として期待されるのは経済敗北主義」とするのは、アメリカ在住の作家・冷泉彰彦さん。冷泉さんは自身のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』の中でその理由を記すとともに、我が国は金融やソフトウェアと言った21世紀の最先端の産業を立て直すべきと提言しています。

大疑問、観光立国とアベノミクスの相性は大丈夫か?

最初に申し上げておきますが、私は日本の観光業が発展することはいいことだと思います。その意味で、現在は年間3000万人ペースで推移している訪日外国人を、4000万から6000万に拡大する計画についても異論はありません。

また、観光業界などが「観光立国」を宣言したり、2014年に日本観光振興協会が「観光立国推進協議会」という会合を発足させたりしている動きにも反対はしません。それぞれの業界が、自分たちが国を背負うという気持ちで、産業の拡大に努力することは正しいからです。また、個々の都道府県レベルで、知事や各市町村長などが観光業の拡大、旅行者受け入れの拡大に努力するというのも当然のことと思います。

ですが、その観光立国協議会に経団連や日本商工会議所といった、全国レベルの財界が強く関与したり、政府の高官が「日本は観光立国を目指す」とか、あるいは「観光先進国を目指す」という発言をするのは間違っていると思います。

観光業というのはまず「余暇産業」です。可処分所得が大きく、労働時間の短い、従って一人当たりGDPの高い先進国は、この観光業の消費側(カスタマー)になります。日本の場合も、高度成長の結果として好景気を謳歌していた70年代から90年代というのは、海外旅行というのは大ブームになっていました。

一方で、観光業というのは「労働集約型のサービス産業」でもあります。供給側から見ればそういうことです。その場合に、全産業の平均では旅館にしても、交通機関にしても固定的な設備投資が相当に必要ですから資本収益率は決して良い商売ではありません。また多くの現場要員を必要としますから、全平均の賃金水準も産業として、高くはありませんし、厳しい長時間労働が伴います。

ですから、他に主要産業があって健全なGDPを形成していて、そこに乗っかる形で、「プラスアルファ」の経済として、観光業が存在するのであれば、正しいのですが、観光業が「それで国を立てる」存在として期待されるというのは、これは経済敗北主義であり簡単に見過ごせるものではありません。


更に言えば、この「観光立国」というのは、アベノミクス全体のストーリーが「マズい方向に」行っているということも示しています。

アベノミクスについては、まず「通貨政策による円安誘導」で株高が現出しました。それは良いのです。2000年代までのように「円安になると輸出産業が潤う」ということよりも、「円安だと海外で稼いだ利益や、海外市場で形成された株価が膨張して見える」ということの方が大きかったわけですが、それも別に悪いことではありません。

ですが、当初の計画では、「そのように国内で株高を実現しておいて」その間に、「第三の矢」である構造改革を行って、国内の生産性を高め、産業構造を先進国型に戻していくということが(言葉は多少違いますが)想定されていたのだと思います。

ですが、この「第三の矢」つまり構造改革は、ほとんど手がついていません。その結果として、産業界では「先端部分をドンドン外に出す」ということが加速しています。トヨタがAIの研究をシリコンバレーでやっているとか、日産のデザイン部門はカリフォルニアというように、市場に合わせた生産機能ではなく、基幹の最先端部分をドンドン空洞化させているのです。

市場ということでも、収縮する国内は見捨てて海外比率が高まっています。その結果として、収益は海外で発生し、それを連結で(合算して)決算すると「史上空前の利益」になるが、その利益は国内還流しないという構造でグルグル回っているのげ日本経済の現状です。

貧困の問題も、地方衰退の問題も、非正規の問題も、全てはそこに原因があります。正しい構造改革を行って、先端産業を呼び返さなくては、日本経済は先進国経済にはならないのです。

それでも、ホワイトカラー労働は残っています。それこそ「本社機能」だけは日本に残している会社は数多くあります。ですが、そこには「生産性の低い日本語による事務仕事」が残っているだけで、こんなことをやっていては、やがて、その「日本語で事務をする本社」というのは淘汰されて行ってしまうでしょう。

その結果、日本国内のGDPを支える主要産業としては、観光ぐらいしか残らないということになります。それは、21世紀の世界で最も重要な産業である、金融とソフトウェアが壊滅的であるということと見事に裏返しになっています。

その意味で、「アベノミクス+観光立国」というのは、亡国の政策としか言いようがないのですが、それでも多くの野党が「これ以上の経済成長はいらない」などという引退世代の身勝手な寝言につき合っている中では、安倍政権以外のチョイスはないという現実もあります。これは悲劇を通り越して、喜劇としか言いようがありません。


しかも、これに加えて「人手不足だから移民を入れる」というのですから、大変です。観光業に関して言えば、現在は宿泊が中心ですが、飲食業界も移民導入の対象にする話が進んでいます。

どうしていけないのかというと、「やがて日本語の事務仕事が淘汰された」時には、猛烈な人余り現象が起きてしまうからです。国内に観光や福祉の仕事しか残っていない状況で、そうした仕事は生計費をスリム化できる外国人が抑えていたとして、日本人の雇用はどうなるのかという問題があります。

とにかく、金融とソフトウェア、あるいはバイオ、製薬など21世紀の最先端の産業を立て直して、高い教育を受けた人口がそれに見合う生産性を上げるように構造改革を進めるべきです。その上で、観光業が「おまけのGDP」として乗っかるのであれば大いに結構ですが、その改革から逃げて「観光立国」というのは、これはダメだと思います。「観光先進国」というのは悪い冗談にしか思えません



http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html#c24

[昼休み54] 『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった 中川隆
25. 中川隆[-13655] koaQ7Jey 2018年11月20日 18:57:09 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20956]

 外国人観光客が、なぜ日本に殺到するのか。
それは、良い品質やサービスが異様に安いからです。

はっきり言いますが、一部のサービスについて、日本はすでに東南アジアよりも安いのです(しかも、品質は良い)。

 日本国は、デフレにより貧国化しました。ところが、確かに「日本人の優秀性」というものは存在し、低価格の製品やサービスであっても、相対的に品質は高いのです。それはまあ、外国人観光客が、 「安く良いものが手に入る」と、日本国に殺到するわけです。


我が国は97年の橋本緊縮財政により経済がデフレ化し、「ヒトが買い叩かれる時代」が始まりました。


 経営者は設備投資をせず、資本装備率はだだ下がり。日本経済は次第に労働集約的になっていき、技術や設備ではなく「ヒトの根性」で「安く良い品質の製品・サービス」を提供するという狂気の状況に至ります。


 とはいえ、少子高齢化、生産年齢人口比率の低下を受け、すでに「優秀で真面目な日本人を安く買い叩ける」時代は終了しました。


 ところが、経営者は未だにデフレマインドのままで、「ヒトを安く買い叩く」ことのみを求め、資本主義に必須の「リスクを伴う生産性向上のための投資」に乗り出そうとしません。


 とはいえ、生産年齢人口の縮小という「巨大な圧力」は、企業経営者に否応なしに「生産性向上のための投資」を迫ります。つまりは、政府が人手不足の問題を「放置」しておけば、企業は生産性向上のための投資に乗り出さざるを得なかったはずなのです(実際には、始まっていますが)。


 それにも関わらず、安倍政権はどう動いたか。
「人手不足ならば、移民(外国人労働者)を入れよう」
 と、日本人の生産性向上ではなく、移民受入で人手不足を埋めようと図る。


 これ以上、最悪の選択は、思いつきません。


 こんな国は、普通に亡びます。むしろ、亡ばない理由を教えて欲しいです。


 何しろ、少子化で日本人が少なくなっていく反対側で、出生率が高い移民受入を拡大しようとしているわけです。半世紀後には、日本列島に住む日本人は少数派になっていることでしょう。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12410850852.html


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日本の見世物小屋化の別称「観光立国」=外国人仕様を増やす=「外国人で儲ける」業界づくり→移民受入
2018年04月30日
https://ameblo.jp/evening--primrose/entry-12372382304.html


なんだか頭にくるので本日2つ目の投稿!ムキー

日本人には不快で我慢ばかりさせる安倍首相肝いりの政策、それが「観光立国」!

日本人はとにかく「外人」に弱いので、気おくれしたり、大目に見たりと間違えた接し方をして馬鹿にされています。

文化の違う相手にマナーは通用しませんから、外国人には強力な規制、罰則が必要です。

マリカーは生活に必要な日本人のインフラである公道を、一部の人間がレジャーに使っているのです。でも外国人が喜ぶからと批判も出ませんが、その姿が卑屈なことに日本人自身が全く気付いていません。

公道カートなんて、

日本人が馬鹿にされているんですよ。

わかりますか?はこ怒る

貧困国がお金下さいとせがむから来てやった外国人様が我が物顔で迷惑行為をしていて、それを私たちが我慢させられているのです。途上国の貧困現地人並みの扱いなのです。困

対価をもらい公道を閉鎖してレースをするのではなく、私たちの生活はそのままで彼らを割り込ませて遊ばせているのです。(業者はタダで公道を商売に使っていることになります。)

公道カートの安全強化 2年後シートベルト義務化 国交省が基準改正(産経)2018/04/28

やっと規制するかと思ったら、外国人様が怪我をしないようにという改正です。

私は彼らがどうなろうと構いませんが、邪魔なので禁止にしてほしいのです。


外国人観光客 医療費未払いで入国拒否も 自民提言(毎日 2018/04/27)


未払いのまま出国した外国人の情報を医療機関から収集し、再び来日した場合には入国管理法に基づき入国を拒否することを求めた。

一方、外国人観光客が安心して医療を受けられるよう、外国語で診療を受けられる医療機関の充実や、薬局での多言語対応を進めるほか、習慣の違いに配慮した診療のための研修を行うよう要求。


外人による医療費踏み倒しも公立なら結局は税金で補填でしょう?

ビザなしで誰でも呼ぶからこういうことが起きるのです。母国では病院に行かない人も多いのです。善意は悪用されるのが常識です。外国人観光客は前払いでいいのではないでしょうか?

それと、医療機関に「習慣の違いに配慮した診療を要求」、こんなもの不要です。

金持ちがそれなりの対価を払って配慮してもらうならいいですが、私たちと同等のお金を払って特別待遇は許されることではないのです。外国人に配慮しすぎです。はこ怒る

それよりも海外旅行傷害保険加入を入国条件にする方がまともです。

(日本の健康保険は海外でも後から補填してくれます。これと同様の制度がない国から来た人は旅行医療保険を義務付けるべきです)

こちらの記事では海旅加入を入国時の条件にしている国があることを紹介しています。

日本と同等の医療を途上国で受けるには高額な費用を払います。

例えば、私は通訳もいる上等な病院へ行くと、診察代だけで60〜100ドル払います。

もし日本で3割負担なら診察だけで2千円〜3千円以上を窓口で払うことになります。

でもそんなに払いませんよね。生活保護受給者や子供ならタダですか?

日本の医療が高い水準なのに安く掛かれるのは日本人だからです。公衆衛生、予防接種、国民の生活向上のための政策でこうなっています。

これを、関係ない外国人に当てはめるのは不公平であり、まして配慮までして私たちと同額なら、日本人の税金が回ることになり、その分私たちへの待遇は確実に下がります。

外人用に設備やシステム、人員を確保させて、そのうち観光客が減れば、医療業界は「もっと外人下さい」ということになるでしょう?これで移民賛成業界がまた増えるわけです。

外国人に来てもらいたい「観光立国」のために、公道カートという迷惑行為が許され、犯罪の巣窟となるであろうアジト“民泊”を奨励に留まらず、嫌がる自治体を国が脅して無理やり全国展開、観光地は日本人を締め出し荒廃させ、民度の低い国から大量の単純労働者を入れ、それらの奏でるオーケストラ、相乗効果で不衛生や野蛮と相性の良い外国人や、私たちの税金を食い潰し私たちのサービスを低下させる外国人が常時日本に居座る国へと変貌していきます。

今政府はバラ色みたいなことしか言いませんが、経済面で移民の弊害が顕著化するのは少し後、ボディーブローのように効いてきますし回復しません。

これを短期間でやったのは安倍首相で、確かに安倍ちゃん以外に誰がいる?というくらいの破壊ぶりです。応援している人は日本が嫌いなんでしょうね、そう思うことにしました。ムキー

外人頼みしかない!という発想が一見正しく見えるのは、安倍首相が日本人を貧しくさせて、日本人が世界中から食い物にされるように仕向けたからです。はこ怒る


「低すぎる最低賃金」が日本の諸悪の根源だ 2020年の適切な最低賃金は1313円
(東洋経済 デービッド・アトキンソン : 小西美術工藝社社長 2018/03/02)
以前アトキンソン氏の観光についての記事が酷すぎるとブログに書いたことがありますが、今回の記事は納得しました。

この中で彼は、日本政府は日本人労働者をバカにしていると書いています。

日本人を徹底的に貧困化させて、穴埋めに外国人を呼び込んでいるのが安倍首相です。

安倍首相が人為的に操作しているのです。

日本人医師があんなに安い診察料であれだけ高度のサービスを提供することを考えても、労働賃金が安すぎですし、安全でおいしい食事が安すぎます。

グローバル化を進めれば、平民の日本人は間違いなく劣化したサービスや食料にしかありつけなくなります。

貧困化させた日本人の穴埋めに呼び込む観光客ですが、日本政府は弊害を隠しています。

観光客の害は先進地域でよく問題になっています。CNNがこんな記事を出しているほどです。

押し寄せる観光客、住民と切り離し ベネチアが新規制導入(CNN 2018/04/27)

私の持論au 着フル度を超えた観光を止めることこそ、環境保護、温暖化防止にも役立つはずです。

パリ協定がどうしたこうしたというより、観光縮小、多産禁止にした方がよほどエコです。


世界的に、先進国だったところが移民を受け入れる方向に行くことは自然ではなくて人為的に仕組まれています。

「生意気になってきた中産階級を没落させる仕組み」でもあることを、よく理解した方がいいと思います。
https://ameblo.jp/evening--primrose/entry-12372382304.html




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世界でバカにされる日本人 - 今すぐ知っておきたい本当のこと - (ワニブックスPLUS新書)
谷本 真由美 ワニブックス 2018-08-22
https://www.amazon.co.jp/dp/B07GDB23F7?tag=cakespoc-22

海外でなめられまくっている日本 2018年9月11日
https://cakes.mu/posts/21698


日本では「日本スゲー」というTV番組が人気ですが、海外経験豊富な元国連専門機関職員の@May_Roma(めいろま)さんは、8月24日発売の『世界でバカにされている日本人』では世界における日本の心の姿を紹介しています。

かつてはあこがれの対象だった日本は、いまでは落ちぶれた可哀想な国という印象です。そのような変化がよく分かるのが、世界各国のネットでの反応です。

特に若い人や子供の間では今やネットで得る情報は動画が中心なので、ネット動画の世界で日本がどのように扱われているかをみることで、日本のイメージを知ることが可能です。

ネット動画の世界には、日本人 を舐めきっている外国人が存在します。その代表の一つは、2018年の初頭に話題になったユーチューバーのローガンポール氏による青木ヶ原樹海の遺体動画の事件でしょう。

相次ぐ外国人の“非常識”動画 「日本はなめられている」

ローガン・ポール氏はアメリカで有名なユーチューバーで様々ないたずら動画を投稿して莫大な再生回数を稼いでいます。

子供達の間で大人気なのですが、そのいたずらがあまりにも過激で下品なので、子供が真似してしまうと困り果てている親も少なくありません。

ローガン・ポール氏にとって日本は格好のターゲットです。日本に来て撮影した動画では、ナイロンできた女物のペラペラの着物を来て都内で犯罪スレスレのイタズラを繰り返します。

生のタコや生魚を都内の走行中の車に投げつけたり、渋谷の交通量の多い道路で寝転がったり、カフェで食事中の人達の窓に向かって生魚を投げつけたり、魚を触った手で店の商品を触りまくり、築地市場に行って仕事中のフォークリフトに乗ったり、売り物を指差して大騒ぎです。市場の人にあまり図に乗るんじゃないと小言を言われるシーンもあります。

さらに、青木ケ原樹海に探検に行き、亡くなったばかりの自殺者の遺体を動画に撮って、「怖い怖い」と茶化してレポートしたのです。削除前に彼のファンである多くの子供達がその動画を見てしまったことで大炎上してしまいます。

彼の日本で撮影した動画をみると、あまり教育レベルが高くない外国人が日本に対してどんな感情を抱いているのかということがよくわかります。

ローガン・ポール氏はオハイオ出身の田舎出身で教育レベルが決して高いとは言えないごくごく一般的なアメリカ人です。そういった人たちにとって日本人だけではなく東洋人全般というのは体が小さく文句を言わないちょっと奇妙な人々です。

これはアメリカにいる東洋系の人達も同じで、東洋系でアメリカ人とはいっても、体も小さいですし、白人に比べると闘争心がありませんし、親や祖父母のしつけがあるので暴力に訴えることはしませんから、おとなしい人が多いのです。

東洋人の典型的なイメージは、運動が苦手なガリ勉です。体育会系リア充がスクールカーストの頂点というアメリカでは、ガリ勉やオタクは日本や東アジアに比べて人権などないのに等しい存在です。

そのカテゴリに入ってしまう東洋人というのは常にからかいの対象で、スクールカーストの最底辺です。

また黒人やヒスパニックと比べると数が少ないので、組織化された圧力団体も多くはありません。政治力がありませんので、差別的なことを言われたりジョークに見せかけた差別をされることも少ないことではないのです。

東洋人はそういったイメージを持たれていますから、あまり教育程度が高くないアメリカのマジョリティにとってはからかいの対象です。

ですからローガン・ポール氏達はアメリカやヨーロッパであったら絶対にしないような悪戯を日本でしまくり、亡くなった人の遺体をビデオに撮影するようなことができたのです。

日本人をからかいの対象と見ていて、さらに同じ人間とは感じていないからです。

言葉も異なり、顔つきも違う、そしてアメリカの内陸部では食べない人の多い得体の知れない海産物をたくさん食べる日本人は、とても奇妙な人々なのです。

魚というのは彼らにとって生臭く、「魚の臭がする」というのは「女性器の臭いがする」という意味です。ですから、悪戯として魚を人に投げつけるのには、侮辱の意味があるわけです。

そんなものをありがたく食べている日本人は、教室の隅で勉強ばかりしていて、わけの分からない数学やプログラミングの話をしている東洋系ガリ勉と同じ変な奴らだ、というイメージです。

もし亡くなった方の遺体がアメリカの白人であったりヨーロッパの白人であったら彼らは同じように撮影することはできなかったでしょう。

しかし大騒ぎをしても、日本はおとなしい人が多く、外国人に対して寛容ですから、お店の人や通行人が訴訟を起こすことはありませんし、胸ぐらをつかんで殴りつけることもありません。

アメリカだったら同じことをしたら銃撃されている可能性もありますし、ヨーロッパであったらその場で押さえつけられてボコボコにされる可能性が高いです。

そもそも他の先進国では治安が悪いところも多く他所者が足を踏み入れた途端に注意されることだってあるからです。

こういう反応が当たり前ですから、日本人の謙遜や旅人への寛容さは「何かされることを受け入れている」「反撃する気力がない弱い奴ら」と思われてしまうわけです。

日本にはそんな所はありませんし一般の人たちも大変おとなしく心が優しいですから、彼らはそれを知っていて好き放題やるわけです。

日本人のこういった人の良さや大人しさは、ネットの動画を通じて世界中に広がります。それを素晴らしい、美徳だと賞賛してくれる人達がいる一方で、日本人はマヌケな奴らだと悪用しようとする人達もいるということは知っておいたほうが良いでしょう。

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地下鉄落書き、樹海の遺体…相次ぐ外国人の“非常識”動画 「日本はなめられている」2018.1.30
http://www.sankei.com/smp/affairs/news/180130/afr1801300018-s1.html


落書きが見つかった東京メトロ日比谷線の車両(ツイッターから)


 東京都内の地下鉄各線で、電車の車体に塗料で落書きされる事件が相次いでいる。外国人グループの関与も疑われるというが、動画サイトには日本を訪れた人物が電車などに落書きをする様子も数多く投稿されている。なぜ日本が狙われるのか。(夕刊フジ)


 地下鉄車両の落書きは13日以降、東京メトロ千代田線や日比谷線であったほか、18日には東西線の車両でも見つかった。

 「自己承認欲求、特に仲間内で自慢したいという心理があるようだ」とみるのは、都市部の落書きに詳しい東京都市大建築学科の小林茂雄教授。

 「外国人が観光ビザ等を取得し、1週間や10日間程度滞在して落書きをして帰国するというケースが多いようだが、電車の落書きの場合、車両の保管場所や監視カメラの位置、逃走経路などを綿密に調査している。国内にも協力者がおり、情報をこまめにやりとりしているのではないか」

 壁などにメッセージ性のある絵や文字を描く「グラフィティ」は近年は芸術としての認知も高くなり、日本国内でも町おこしに生かす事例もあるが、所有者や管理者に無許可で描けば器物損壊罪と建造物損壊罪に問われてもおかしくない。

 2008年には6都府県の地下鉄の車両などに落書きを繰り返したスロバキア人とハンガリー人が大阪府警に逮捕された例もある。

 日本を狙った落書きについて小林氏は「注目を浴びるような街や都市がターゲットとなるが、ニューヨークやロンドンなどはテロ対策もあってセキュリティーが厳しい。東京は凶悪犯罪が少なくセキュリティーが甘いと考えられているのではないか」と分析する。

 ユーチューブには、外国人とみられる人物が、日本の鉄道の駅や車両基地に夜中に忍び込み、スプレーで落書き、逃走する様子を撮影した動画も数多く投稿されている。

 ITジャーナリストの三上洋氏は「『やってやったんだ』『簡単だぞ』という意味で、描く過程をネットにアップして自慢するのもグラフィティの目的の一つだ。中には自分たちのグッズを販売しているグループもあり、金もうけとみることもできる」と語る。

 昨年末には米国人ユーチューバーが、富士山麓の青木ケ原樹海で自殺したとみられる遺体の動画を投稿。「不快になった」などネット上で批判された一方で約600万回も再生された。

 前出の三上氏は「日本はきれいな国で人がやさしいというイメージだから、それをおちょくっており、多少なめられている。他の動画でも日本人をバカにしていて、差別感情ともとれるものもあった」と話す。

 日本の安全性に甘えた身勝手な行為。そんなに目立ちたいのなら、もっとヤバい独裁国家で挑戦してみてはどうか。
http://www.sankei.com/smp/affairs/news/180130/afr1801300018-s1.html



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自分を知らない、言いなり=おもてなし、搾取されてもバカにされても気づかない日本人…(+_+) 2018年09月15日
https://ameblo.jp/evening--primrose/entry-12404933569.html


以前「日本の見世物小屋化の別称「観光立国」=外国人仕様を増やす=「外国人で儲ける」業界づくり→移民受入」という記事で、『マリカーは生活に必要な日本人のインフラである公道を、一部の人間がレジャーに使っているのです。でも外国人が喜ぶからと批判も出ませんが、その姿が卑屈なことに日本人自身が全く気付いていません。』ということを書きましたが、それとも通じる記事を見ました。左下矢印

海外でなめられまくっている日本(May_Romaさま)


かつてはあこがれの対象だった日本は、いまでは落ちぶれた可哀想な国という印象です。

こういう書き出しで始まるこの記事、「日本スゲー」派の人に読んでいただきたいと思います。

ところで、こんなニュースがひっそりとありました。


9月9日午後1時55分ごろ、走行中の東京発博多行き山陽新幹線のぞみ19号(16両編成)で、果物ナイフのような刃物を持った外国人の男性観光客がいるのが見つかり、北九州市の小倉駅に停車した。通報を受け駆け付けた福岡県警小倉北署員が降車させ、任意同行した。乗客にけがはなかった。

 小倉北署によると「旅先で使うために持っていた。ナイフが汚れていたので洗いたかった」と説明している。県警は同行の女性と一緒に事情を聴き、銃刀法や軽犯罪法の違反には当たらないと判断した。
 下り2本が最大11分遅れ、計約500人に影響した。

ここでもおバカ対応で舐められる事例を作ってしまいました。ばかぁ

以前新幹線で殺傷事件が起きた後、『国交省は省令の鉄道運輸規程の改正に着手し、適切に梱包されていない刃物の列車内への持ち込み禁止を明文化する方針。利便性への影響などを考慮し、現時点で手荷物検査の導入は見送った。』という内容の報道が出ました。

欧州でイスラムテロがナイフを使っていること、鉄道でも何件も起きていることを何度も紹介していますが、日本の鉄道がナイフの持ち込みをOKしているようでは、そのうち狙われるようになります。前出のMay_Romaさまの記事内でも次のような文章があります。


日本人の謙遜や旅人への寛容さは「何かされることを受け入れている」「反撃する気力がない弱い奴ら」と思われてしまう〜

今回たいしたことが無かったとしても、厳しく対処することでナイフを持ち歩く習性の外国人を震え上がらせなくてはいけなかったのです。アジア人だから、東洋人だから馬鹿にされるというのはいつもそうとは言えず、その国の対応で決まります。

今や、日本だから馬鹿にされるという状態です。rabbit*ハァ*

インバウンドで浮かれる業界ではこんな記事がありました。


【台風21号】大阪ホステルに聞いた 災害時の外国人対応「欧米人は『台風珍しい!動画撮りたい!』と外に出たがり静止するのが大変だった…」


ヨーロッパからの訪日外国人は、台風を知らない方が多いです。


日本人は、このような大きな災害があると自粛ムードに流されがちですが、訪日外国人はそんなことはありません。

とありますが、私達がサイクロンやハリケーンを知っているのに、欧州人は知らないというのでしょうか?

日本人は同胞が大変な目に遭っているという心配の気持ちがありますが、外国人には所詮他人事、日本人が死と直面するような大災害も「愉快なエンターテイメント」なんでしょう。

<「関空」大混乱に巻き込まれた中国人留学生の手記>という記事もありました。

この方は日本語ができるので自力で何とかしたようですが、こう書いてあります。


 現在、日本は国を挙げて観光立国を目指しています。しかし台風に限らず、地震をはじめ日本は世界的にも災害の多い国です。外国人旅行者の災害への不安が広がれば、観光へのダメージは大きくなっていくでしょう。

 私のように日本語が話せるわけではない外国人旅行者は、今回のような災害が起きたら、帰国の目途を立てられず、避難すら大変だと思います。災害の多い日本だからこそ、外国人旅行者へのケアを充実させる必要性があるのではないかと、今回の体験を通して強く感じました。

仰る通り日本は自然災害大国です。人口密度も高く、気候変動もあってか、どこでも被災地、誰もが被災者のようになってきています。

このような中、遊びに来た外国人のために日本人の税金から便宜を図るために何かしろというのは無理なんです。

だから「インバウンド」とやらで儲けているらしい業界が自力でやればいいのです。

それに海外にいる日本人は皆さんその国の行政に頼り切って対処しているんでしょうか?

大使館や領事館が緊急時にメールなどで情報もくれますし、居住者ならば関係している現地の人たちが情報をくれたり助けてくれたりします。旅行者なら旅行代理店などが連絡にあたります。

中国では災害時に日本語で親切丁寧な対応をしてくれるんですか?

南国のようなのんびりしたリゾート地でもなく、年がら年中あちらこちらで自然災害が発生し、物価も安くなく、底の浅い知識で来るような外国人観光客を相手にする日本政府の「観光立国」は実は移民受け入れ政策の一環で、日本人に外人慣れを促し、外国人用の生活インフラを整備させるのが目的だと私は考えています。

外国人用インフラについてついでに言うと、あちらこちらの看板などで注意事項や禁止事項が日本語だけというのがまだ多いです。注意や禁止事項こそ全部に英訳が必要(多言語は不要です。かえって見にくくなります。母国語⇔英語の辞書は必ずありますから。)でイラストも効果的です。トラブル防止にも役立ち外国人の為にもなりますし、日本人が英語で注意するときにも役立ちます。

日本が少子化でも「ダントツ」で豊かになる道(東洋経済)という記事のなかに、コマツの坂根相談役がこう発言しています。


よく「この国の労働力は逼迫している」といわれていますが、欧米に比べて国全体として、ムダな事業や仕事に雇用をたくさん抱えています。その部分を整理することができれば、新たな労働力を生み出すことができます。

そして「日本人手不足は2020年代半ばには解消される可能性が高いからです。日本人が移民と共生する覚悟が十分にないのであれば、拙速な移民の促進はやめたほうが賢明なのではないでしょうか。」という問いかけに対して坂根氏は次のように答えています。


私も同じような心配をしています。おそらく業界内で競争力のない企業ほど外国人を安い賃金で雇いたいという願望が強いでしょう。ということは、同一労働していても外国人を日本人より安く使うといったことになり、結果的には、外国人労働者から見てこの国の魅力はなくなり、優秀な外国人労働者までもが日本に来ようとは思わなくなっていくでしょう。

むしろ本当の労働力といった意味では、国を挙げての少子化対策と高齢者や女性の労働力を活かすことをまず第一に考えるべきです。簡単に移民の受け入れに逃げてはいけないと思っています。無駄な雇用に手をつけないで移民に頼っていては、日本にせっかく変われるチャンスがきているのに、そのチャンスを逸してしまうことになります。

外国人雇用の拡充は「無能な経営者」の甘えだ 〜生産性向上のチャンスを逃す「愚策」を許すな(デービッド・アトキンソン)という記事を以前紹介しましたが、この中で彼は、日本政府は日本人労働者をバカにしていると書いています。

その日本政府は世界中で馬鹿にされているようにみえます。

日本人が馬鹿にされているのと同じ理由からです。

海外ニュース翻訳情報局さまからの次の記事はお薦めです。

元米軍海兵隊士官提言・必読】東京からの視点? 控えめな反応

プーチンからもシージンピンからもトランプからも鼻であしらわれているのに、さも世界中から重要人物扱いされているかのように安倍首相を持ち上げ、世界で起きている重要な変動を見ないふりしている日本は、ますます困ったことになっていくのではないかと思います。

国力が劣っているので我慢を強いられることもあるでしょうが、そんななか、自尊心もなくし外国人さまに媚び諂うことをおもてなしと言い、外からも内からも骨抜きにされているような感じがしてなりません。

EUでサマータイムが住民の意向で廃止されようかという時に、<「非常に良い解決策」、 IOCが東京五輪でのサマータイム導入を支持>というのも、日本人の外人崇拝を知っている森さんかJOCがIOCに言ってもらったんだろうなと思います。

それに、迷惑を被る日本人の反対を、迷惑を被らないその時だけの外国人が、それも運動会のために抑え込もうとしていること自体日本人が馬鹿にされているということなんです。

だからといって野党を応援しているわけではありません。

「第3子出産で1000万円」国民民主党・玉木代表「コドモノミクス」に注目集まる 「電子マネーで配布」「外国人は対象外」

このなかで、玉木氏は「国民の税金なので外国人にも行う政策ではない」と言っていますが、実際にそういう法律を政府が作れば外国人差別は出来ないのです。外国人も税金を払っているというでしょう?生活保護は憲法上国民が対象なのに実際は外国人がもらっています。

工作機関の朝鮮学校が「金出せ!」と裁判していますよね?

内外人平等が法整備された日本で、こんなことしか言わないような野党にも明日はありません。それとも裁判で負けて「仕方なく」外国人にも払うことが織り込み済みなんでしょうか。怒る

ダライ・ラマ氏があのスウェーデン・マルメでまともなことを言ってくれました。

「欧州は欧州人のもの」ダライ・ラマが法話で移民問題に言及

自国の再建に尽くさないで他人の財布で生きることを望むような外国人、又は受け入れてくれた国を自分好みに変えようと活動する人には耳が痛いでしょう。

移民が移民を呼び込み、受け入れてくれた国を自分の好きなように変えて、その国民にさらなる負担を強いる活動(いじめ問題と難民問題を同一視するサヘル・ローズさんなど)は、私たちの社会を軽んじているからこそできるのでしょう。

日本人は、日本人からも「いいカモ」として絞られています。

携帯の料金体系がカルテルみたいで異常な契約形態であるのは、そこに無駄に人が群がっているからで、NHKが不要なチャンネルを増やし1人で出来る番組に(芸の無い)芸人の生活救済のため多数を出演させギャラを払い、そのために国民から不必要に高額なお金を巻き上げているのもそこに無駄に人が群がっているからです。

そして、それを政治家が黙認して是正しないのは国民がその無駄を異常と思わず当然視しているからです。

余計な斡旋で5次6次受けみたいな業界を作り、労せずして丸投げで儲ける人たちもいます。

人手不足はこういう無駄な仕事を無くし、大量の余剰人員をまともな正業にシフトすることで解消できる部分もあると思います。

それをやるのが政治です。

それをしないで外国人移民を入れても上手く回らないだろうことは素人でも想像できますし、カルテルや、手数料を高額にして取れるところから最大限搾り取るようなビジネスモデル、仲介料を何段階も通って高額になるような仕組みがまかり通る日本には健全な社会が育たないと思います。このボッタクリから逃れるための「研究」サイトもありますが、そういうことに時間をかけることもまた日本全体を疲弊させますし、諦めた人は無駄な出費を強いられます。はこ怒る

日本の政治家にろくでも無い者しかいないのは、他力本願で、搾取されている自覚がなく、バカにされている自覚もない多くの日本人の代表だからではないかと思います。

外国からも同じ日本人からも騙され搾取されている、これを自覚しなければいけないのです。

日本人 大丈夫?

日本人である自分の将来が本当に心配です。
https://ameblo.jp/evening--primrose/entry-12404933569.html


http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html#c25

[昼休み54] これを聞けば中国がよく分かります _ 宮脇淳子 「真実の中国史」講義  中川隆
23. 中川隆[-13654] koaQ7Jey 2018年11月20日 20:00:11 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20956]

2016年06月19日
失踪した香港書店関係者 中国公安に拉致されたと告発

中国に拉致されていたと証言する林栄基
引用:https://contents.newspicks.com/images/news/1612867


2015年10月に中国批判を展開していた香港書店関係者5人が相次いで失踪し、7ヵ月後に4人が戻っているという事件が起きました。

このうち書店店長が香港で記者会見を開き、中国公安に拉致されて監禁されていたと証言しました。


失踪した書店店主

香港で反政府系の出版物を扱っていた書店兼出版社の関係者5人が、15年10月に相次いで失踪する事件がありました。

当初から中国公安に連行されたのではないかと噂されていましたが、5人のうち4人が香港に帰っています。

8ヶ月ぶりに香港に戻った店長の林栄基が記者会見を開き、中国に拉致されていたと告白しました。



香港ではイギリスとの返還条約によって、中国の法律は適用されず、自治権がある事になっている。

実際は守られておらず、例えば香港総督は中国共産党が推薦した人しか立候補できず、投票もできない。

2015年には香港で雨傘運動という大規模な民主化デモが起きたが、中国の特殊部隊が制圧していました。


返還条約では中国軍や中国警察、中国公安は香港では活動しない事になっていました。

公式には中国は香港に干渉していない事にしているが、書店失踪でも中国公安が香港から連れ去った疑いがありました。

店長の林栄基によると2015年10月24日に、香港から広東省深圳に入ったところを拘束されました。


列車で浙江省寧波市まで護送され、その間目隠しと手錠をされていました。

連行したのは中央専案組という共産党幹部直属の部隊で、狭い部屋に閉じ込められていました。

公安は香港から顧客リストを中国に持ち帰るのを条件に釈放し、林栄基は6月14日に香港入りしました。


o0800045313530724142
引用:http://stat.ameba.jp/user_images/20160103/17/unarigoe/9f/7e/j/o0800045313530724142.jpg

拉致と脅迫で忠誠を誓わせる手口

その後林栄基は香港の支援組織に接触し、中国には戻らず記者会見で公安の所業を告発しました。

「銅鑼湾書店」は香港島の繁華街コーズウェイベイにあり、共産党実力者のスキャンダル本を得意としていた。

中国では共産党関係者への批判は法律違反だが、香港では以前は適用されず自由に販売していた。


だが中国は香港への支配を強め、香港でも違法化の流れが進んでいます。

香港で出版された批判本は中国に密輸され、習近平や江沢民、毛沢東らを糾弾した本が密かに庶民に渡っていました。

書店の5人が失踪した後、12月30日に株主の妻に不明の夫から電話が掛かってきました。


夫は「自主的に捜査に協力しており、拘束されてはいない」などと妻に語ったが、公安に言わされているのは明らかでした。

その頃香港では書店関係者の釈放を求める市民デモが起きていて、沈静化するために電話を掛けさせたようです。

他の失踪者からも家族に電話が掛かってきて、彼らは後に香港に返されたが、一人は拘束されたままです。


中国政府や共産党は公式に説明していないが、マスコミを通じて「禁書を中国に持ち込むのは犯罪」と書店を批判しました。

失踪した李波、張志平、呂波の3人も2016年3月に香港に戻ったが、連行された状況の説明が食い違っている。

「香港から公安に連れ去られた」と言っていたのに、後になって「そんな事は言っていない」と発言を変えています。


拘束されている間に、香港から連れ去ったのを喋らないよう脅されたと推測でき、一人が戻っていないのは人質かも知れません。

3人は口を揃えて「拉致されていない」と言い、捜査をしないように香港警察に懇願までしています。

さらに「銅鑼湾書店」の閉鎖も発表され、何も無かったかのように解決しようとしています。


こういう事が中国の手口なので、住民や市民らが賛成していても、決して額面どおりには受け取れません。

家族を拉致して人質に取り、中国に忠誠を誓わせるくらいは平気でやっているからです。

記者会見した書店店主も家族や人質に危険が及べば、突然証言を翻して「自分の意思で協力していた」と言い始めるかも知れません。
http://www.thutmosev.com/archives/61948260.html
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/170.html#c23

[昼休み54] これを聞けば中国がよく分かります _ 宮脇淳子 「真実の中国史」講義  中川隆
24. 中川隆[-13653] koaQ7Jey 2018年11月20日 20:01:48 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20956]
2018年11月20日
中国で「景気悪化」ニュースが報道禁止になった

株価が暴落しているなどの報道は禁止されている

画像引用:https://portal.st-img.jp/detail/02a5d08c046dde236df1235018362356_1535075707_2.jpg


景気悪化は報道禁止

中国で最近経済ニュースへの締め付けが厳しくなり「景気が悪い」などの表現が禁止されたという。

英紙フィナンシャルタイムズによると、中国経済にマイナスの印象を与える報道をするなという指示がされている。

ここで説明すると中国のあらゆるメディアは国家資格をもつ記者が執筆していて、無資格で記事を書くと違法になる。





政府は記者を選別することが出来、指示に従わない記者は記者免許をはく奪されたり「失踪」することになる。

記者にとって政府は親会社のようなもので、意識としては公務員に近い。

さらに新聞やテレビ、ラジオ、大手ネットメディアはすべて国営か公営企業、良くて共産党傘下で民間の報道メディアは存在していない。


もし個人や私企業が中国政府の許可を得ずに出版や報道をしたら、香港の書店のような目に合う。

(失踪した香港書店関係者 中国公安に拉致されたと告発http://www.thutmosev.com/archives/61948260.html)参照

2018年になって報道規制当局は貿易戦争や経済減速などの文字の使用を禁止し、後ろ向きの報道をしないよう指示した。


当局担当者が一日に何度も編集者に電話してきて、細かい指示を出しているという。

こうした干渉はネットメディアにも及び、ネットだから自由だというのは中国では通用しない。

2017年から中国では、サイトやブログ開設には政府発行の許可証が必要になり、政府指定の検査官の承認が必須になった。

インターネットにも自由はなし

むろん政府に都合が良いサイトやブログしか許可証は発行されないので、膨大なサイトが閉鎖され今も消え続けている。

匿名ブログなど存在せず政府が執筆者を把握しているので、経済悪化のニュースを書かないよう指示を出している。

スマホのニュースアプリも同様に政府の支配下にあり、毎日政府の担当者から電話があり削除命令や指導がある。


中国ではSNSも実名登録制でネット上には表示されないが、政府はIDで個人を識別できる仕組みになっている。

中国版ツイッター(この呼び方は不適切だが)の微博(ウェイボ)では数千人の公安部隊が世論誘導のためにネットに書き込んでいるのが分かっている。

だれかが政府批判を書き込むと即座に別の誰かが否定し、最後に政府称賛になるのはこのためです。


政府批判の書き込みはAIが監視して即座に削除され、隠語などで書き込んでも公安部隊が手動で削除します。

このように中国では紙メディアでもネット媒体でもSNSでも、政府批判を書くこと自体が不可能になってきています。

外国のサイトに書き込むのも困難で、中国からツイッターなど外国の「反中国サイト」への接続ができない。


迂回手段だったVPNも中国では遮断されたので、たとえばこのブログも中国からは閲覧できません。

中国人が海外旅行好きなのは、国外に出れば自由に外国のネットが使えるからというのもあります。
http://www.thutmosev.com/archives/78193321.html
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/170.html#c24

[昼休み54] 毛沢東気取りの習近平の近況 中川隆
87. 中川隆[-13652] koaQ7Jey 2018年11月20日 20:02:13 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20956]

2018年11月20日
中国で「景気悪化」ニュースが報道禁止になった

株価が暴落しているなどの報道は禁止されている

画像引用:https://portal.st-img.jp/detail/02a5d08c046dde236df1235018362356_1535075707_2.jpg


景気悪化は報道禁止

中国で最近経済ニュースへの締め付けが厳しくなり「景気が悪い」などの表現が禁止されたという。

英紙フィナンシャルタイムズによると、中国経済にマイナスの印象を与える報道をするなという指示がされている。

ここで説明すると中国のあらゆるメディアは国家資格をもつ記者が執筆していて、無資格で記事を書くと違法になる。





政府は記者を選別することが出来、指示に従わない記者は記者免許をはく奪されたり「失踪」することになる。

記者にとって政府は親会社のようなもので、意識としては公務員に近い。

さらに新聞やテレビ、ラジオ、大手ネットメディアはすべて国営か公営企業、良くて共産党傘下で民間の報道メディアは存在していない。


もし個人や私企業が中国政府の許可を得ずに出版や報道をしたら、香港の書店のような目に合う。

(失踪した香港書店関係者 中国公安に拉致されたと告発http://www.thutmosev.com/archives/61948260.html)参照

2018年になって報道規制当局は貿易戦争や経済減速などの文字の使用を禁止し、後ろ向きの報道をしないよう指示した。


当局担当者が一日に何度も編集者に電話してきて、細かい指示を出しているという。

こうした干渉はネットメディアにも及び、ネットだから自由だというのは中国では通用しない。

2017年から中国では、サイトやブログ開設には政府発行の許可証が必要になり、政府指定の検査官の承認が必須になった。

インターネットにも自由はなし

むろん政府に都合が良いサイトやブログしか許可証は発行されないので、膨大なサイトが閉鎖され今も消え続けている。

匿名ブログなど存在せず政府が執筆者を把握しているので、経済悪化のニュースを書かないよう指示を出している。

スマホのニュースアプリも同様に政府の支配下にあり、毎日政府の担当者から電話があり削除命令や指導がある。


中国ではSNSも実名登録制でネット上には表示されないが、政府はIDで個人を識別できる仕組みになっている。

中国版ツイッター(この呼び方は不適切だが)の微博(ウェイボ)では数千人の公安部隊が世論誘導のためにネットに書き込んでいるのが分かっている。

だれかが政府批判を書き込むと即座に別の誰かが否定し、最後に政府称賛になるのはこのためです。


政府批判の書き込みはAIが監視して即座に削除され、隠語などで書き込んでも公安部隊が手動で削除します。

このように中国では紙メディアでもネット媒体でもSNSでも、政府批判を書くこと自体が不可能になってきています。

外国のサイトに書き込むのも困難で、中国からツイッターなど外国の「反中国サイト」への接続ができない。


迂回手段だったVPNも中国では遮断されたので、たとえばこのブログも中国からは閲覧できません。

中国人が海外旅行好きなのは、国外に出れば自由に外国のネットが使えるからというのもあります。
http://www.thutmosev.com/archives/78193321.html
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/277.html#c87

[お知らせ・管理20] これが阿修羅に巣食う電通工作員 中川隆
216. 中川隆[-13651] koaQ7Jey 2018年11月20日 20:05:05 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20956]
2018年11月20日
中国で「景気悪化」ニュースが報道禁止になった

株価が暴落しているなどの報道は禁止されている


画像引用:https://portal.st-img.jp/detail/02a5d08c046dde236df1235018362356_1535075707_2.jpg

景気悪化は報道禁止

中国で最近経済ニュースへの締め付けが厳しくなり「景気が悪い」などの表現が禁止されたという。

英紙フィナンシャルタイムズによると、中国経済にマイナスの印象を与える報道をするなという指示がされている。

ここで説明すると中国のあらゆるメディアは国家資格をもつ記者が執筆していて、無資格で記事を書くと違法になる。

政府は記者を選別することが出来、指示に従わない記者は記者免許をはく奪されたり「失踪」することになる。

記者にとって政府は親会社のようなもので、意識としては公務員に近い。

さらに新聞やテレビ、ラジオ、大手ネットメディアはすべて国営か公営企業、良くて共産党傘下で民間の報道メディアは存在していない。


もし個人や私企業が中国政府の許可を得ずに出版や報道をしたら、香港の書店のような目に合う。

(失踪した香港書店関係者 中国公安に拉致されたと告発http://www.thutmosev.com/archives/61948260.html)参照

2018年になって報道規制当局は貿易戦争や経済減速などの文字の使用を禁止し、後ろ向きの報道をしないよう指示した。


当局担当者が一日に何度も編集者に電話してきて、細かい指示を出しているという。

こうした干渉はネットメディアにも及び、ネットだから自由だというのは中国では通用しない。

2017年から中国では、サイトやブログ開設には政府発行の許可証が必要になり、政府指定の検査官の承認が必須になった。


インターネットにも自由はなし

むろん政府に都合が良いサイトやブログしか許可証は発行されないので、膨大なサイトが閉鎖され今も消え続けている。

匿名ブログなど存在せず政府が執筆者を把握しているので、経済悪化のニュースを書かないよう指示を出している。

スマホのニュースアプリも同様に政府の支配下にあり、毎日政府の担当者から電話があり削除命令や指導がある。


中国ではSNSも実名登録制でネット上には表示されないが、政府はIDで個人を識別できる仕組みになっている。

中国版ツイッター(この呼び方は不適切だが)の微博(ウェイボ)では数千人の公安部隊が世論誘導のためにネットに書き込んでいるのが分かっている。

だれかが政府批判を書き込むと即座に別の誰かが否定し、最後に政府称賛になるのはこのためです。


政府批判の書き込みはAIが監視して即座に削除され、隠語などで書き込んでも公安部隊が手動で削除します。

このように中国では紙メディアでもネット媒体でもSNSでも、政府批判を書くこと自体が不可能になってきています。

外国のサイトに書き込むのも困難で、中国からツイッターなど外国の「反中国サイト」への接続ができない。


迂回手段だったVPNも中国では遮断されたので、たとえばこのブログも中国からは閲覧できません。

中国人が海外旅行好きなのは、国外に出れば自由に外国のネットが使えるからというのもあります。
http://www.thutmosev.com/archives/78193321.html

http://www.asyura2.com/11/kanri20/msg/603.html#c216

[お知らせ・管理19] 中川隆さん、このような投稿はご遠慮ください。今後投稿しないことが確認できるまで投稿可能数を0にしておきます。 管理人さん
24. 中川隆[-13650] koaQ7Jey 2018年11月20日 20:34:16 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20956]

僕の投稿では、エロいものしか人気ないんだ

真面目な記事なんか誰も読まない

それが阿修羅読者の知的レベルという事


ただ、人気が出ると必ずアクセス数ランキングに出ない様にされるから探せなくなるんだ:

阿修羅掲示板のアクセス数ランキングから外された阿修羅の超人気スレ


「覚醒剤」
http://www.asyura.com/0310/dispute13/msg/126.html  

中学で一番の美少女に毎朝精液を飲ませていた旭川女子中学生校内集団レイプ事件
http://www.asyura2.com/13/lunchbreak53/msg/738.html

被差別部落出身の有名人は?・yomi.mobi(部落出身者は、大和民族の誇りを思い出し、在日・米国と手を切るべきです)
http://www.asyura2.com/11/lunchbreak45/msg/860.html


http://www.asyura2.com/10/kanri19/msg/365.html#c24

[昼休み54] 韓国は既に共産体制へ向かって驀進中 中川隆
28. 中川隆[-13649] koaQ7Jey 2018年11月20日 20:36:59 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20956]
日本とは正反対、強すぎる労組が“爆走”する韓国
社長室、市長室、大検察庁の占拠にとどまらず、21日にはゼネストも
2018.11.20(火) 玉置 直司


韓国、検察が大統領府高官らを強制捜査 朴氏退陣求め抗議集会も
韓国のデモやストはいったん火がつくと燎原の火のごとく急速に燃え広がる。写真はソウル中心部で行われた朴槿恵(パク・クネ)大統領の退陣を要求する抗議集会(2016年10月29日撮影)。(c)AFP/JUNG YEON-JE〔AFPBB News〕

 日本にはかつて「昔、陸軍、いま総評」という言い方があった。

 怖い組織はどこか。かつては軍隊だったが労働組合に変わったという今では考えられない時代だった。

 ところが韓国はいま、労組パワーがますます強大化している。もう誰にも止められない存在だ。

 2018年秋以降、韓国の労働組合、とくに強硬派で知られるナショナルセンター韓国全国民主労働組合総連盟(民主労総)の動きがますます活発になってきた。

6万人大集会
 2018年11月10日午後、ソウル中心部の光化門一帯の道路は、事実上通行止めになった。民主労総の構成員6万人以上が全国から集まり、大規模集会を開いたのだ。

 集会での発言は、過激だった。

 「政府と国会は労働者の声を代弁していない。それどころか、経営側の要求である弾力労働時間制を導入しようとしている」

 「ローソク集会で朴槿恵(前大統領、パク・クネ=1952年生)を追い出したのに、労働者の生活は改善していない」

 「財閥を清算することが、ローソクの民意だ」

 このほか、金融規制反対、年金改革糾弾、など数多くの主張を叫び続けた。

 この大規模集会の数日前、民主労総のメンバーが、仁川にある与党・共に民主党の院内代表(国会議員)の事務所に押しかけ、数日間にわたって占拠した。

盟友・与党幹部事務所、韓国GM社長室占拠
 与党は本来は、労組の見方であるはずだ。特に、この院内代表は、大宇自動車(今の韓国GM=ゼネラル・モーターズ)の溶接工出身で労働運動から政治家に転身し、与党の重鎮議員になった。

 民主労総はなぜ、こんな盟友の事務所を占拠したのか。

 最近、経営不振からGMが韓国の生産事業から撤退するという説が消えない。ここにきて、GMが研究部門を韓国法人から分離して米国本社直属の組織に転換した。

 これにより「研究部門だけ残して生産工場を閉鎖するのではないか」という危機感を労組が募らせていた。

 民主労総はすでに韓国GMの本社に乱入し、社長室を占拠して暴れる事件を起こしている。

 これだけでも、大変な話だが、それでもGMの態度が変わらないとみるや、矛先を地元選出の大物与党議員に向けた。

 「こんなに危機的状況になのに、選挙の時だけ協力を求めて、与党は肝心なときには何もしてくれないではないか!」

 これが事務所占拠の理由だ。自分たちの理由があれば、何でもする。

 民主労総は、最近、労働者に不利な案件があると、地方の雇用労働部支部を立て続けに占拠している。

 さらに非正規職の正規職転換に難色を示す自治体があると、市長室の占拠に乗り出している。

大検察庁ロビーも占拠
 11月13日には、韓国でさらにびっくりする占拠事件が起きた。

 民主労総の幹部が、大検察庁(最高検察庁)に押しかけて検事総長への面談を要求し、そのままロビーを占拠した。

 検察といえばもちろん、最高の捜査機関だ。その総本山に押しかけて占拠したのだ。

 「民主労総にコワいものはないのか」

 韓国メディアは一斉にこう報じた。

 このほかにも、慶尚南道では、「契約解除になった組合員を復職させろ」と自動車部品メーカーに要求し、これが受け入れられないと、大型トラック20台以上をこの会社の正門前の道路に並べ、部材の輸送を妨害した。

 もう「何でもあり」なのだ。

 民主労総はもともと「過激な行動」で有名だった。2016年から2017年にかけて、朴槿恵前大統領の一連のスキャンダルなどを批判して、政権打倒運動も主導した。

ローソク集会の立役者
 このとき、「ローソク集会」で最も組織的に動いたのが民主労総だった。その結果、生まれたのが今の文在寅(ムン・ジェイン=1953年生)政権だ。

 だから、民主労総には「政権交代の最大の功労者だ」という強い自負がある。

 文在寅政権内部や与党内にも労総運動出身者が少なくない。そのため、できるだけ労組の意見も聞き入れてきた。

 例えば、文在寅政権発足後、公共部門での非正規職の正規職転換が進んだ。すでに15万人以上の非正規職の正規職転換が決まった。

 週52時間労働時間制の導入も決まった。さらに最低賃金も2年連続して2ケタ引き上げた。

 こうした政府の対応を見て、民主労総も、2018年夏頃までは、行動を自制していた。蜜月期間だったと言える。

 ところが、経済は一向に良くならない。労組への批判も強まる一方だ。そこで、徐々に変化の兆しが出てくる。

 非正規職の正規職への転換は進めるが、子会社で雇用しよう。

 最低賃金の引き上げペースの速度調整が必要だ。

 週52時間労働制は維持するが、弾力労働時間制を導入して、経営側の裁量を拡大しよう。

 こうした動きは、民主労総から見れば「裏切り」だ。だから秋以降、政権との対立も起き、激しい行動にも乗り出している。

 さらに最近、決定的に関係を悪化させている事業がある。

光州自動車工場プロジェクト
 「光州自動車プロジェクト」だ。

 韓国南西部の光州に官民協力で新しい自動車工場を作ろうという計画だ。

 現代自動車も参加して2022年までに7000億ウォン(1円=10ウォン)を投資して、軽SUVを年間10万台生産する工場を建設する。これにより1万人分の雇用を創出する狙いだ。

 今の政府が最も頭を痛める雇用対策の目玉プロジェクトの1つだが、民主労総はこれに噛みついた。

 賃金が3500万ウォンで今の現代自動車の半額以下。

 「これは、組合から雇用を奪うばかりか、韓国の自動車産業全体の賃下げを意図するものだ」と強く反発している。

 民主労総は、政府や光州市だけでなく、このプロジェクトに参加しようとしている現代自動車への圧迫も強めている。

政権内部からも批判はあるが、加入者は増加
 こんな激しい対応に、野党や経営側、保守系メディアなどは厳しい批判をしている。民主労総の一部行動は不法だとして、政府の対応の甘さを指摘す声も少なくない。

 これまでは、こうした批判にこれといった反応がなかった政権内部からも最近、民主労総への批判の声が出ている。

 事務所を占拠された与党の院内代表は「反対ばかりする姿勢は責任ある態度ではない」と民主労総を批判した。

 青瓦台(大統領府)のナンバー2である秘書室長も「民主労総などはもはや社会的弱者ではない。社会的責任を果たすべきだ」と批判した。

 世論も民主労総に厳しい声が多い。現代自動車労組員の平均年収が1億ウォン近くに達していることなどから「民主労総は自分たちの利益しか考えない」との批判も根強い。

 では、民主労総離れが進んでいるのか。そうではないのだ。

 先に触れたように、最近になって非正規職の正規職転換が急速に進んでいる。

 新たに正規職になった場合も、これから正規職への転換を進めようとする場合でも、民主労総が「最も頼もしい存在」だ。

 財閥やIT企業など、これまで労組とは縁がなかった企業の間でも、「民主労総に加入すれば待遇が良くなる」という考えが浸透している。

 2016年末に73万人だった民主労総の加入者数は、2018年10月末現在で84万人に達している。2年間も経たない間に13%も増加しているのだ。

 全体の労働者から見れば、多数派とはいえないが、加入者が増えていることに民主労総執行部も自信を深めている。

 民主労総は、11月21日「弾力労働時間制」や「光州自動車プロジェクト」などに反対して、ゼネストを実施する。

 どの程度の組合が同調するかは未知数だが、経済環境が悪化する中でのゼネスト。

 「一般国民の視点からはかなり違和感がある。ただ、民主労総の力は無視できない。経済政策に苦労している今の政権にとっては、さらに頭の痛い問題」(韓国紙デスク)である。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54700

http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/278.html#c28

[リバイバル3] スマホを使っていると記憶力が無くなる 中川隆
10. 中川隆[-13648] koaQ7Jey 2018年11月21日 07:22:26 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20956]

スマホ1時間以上の利用で学習に影響 宮城県公立高調査、正答率の低下顕著に
11/20(火) 9:43配信 河北新報

 宮城県教委は19日、県内の公立高1、2年生を対象にした2018年度学力状況調査結果をまとめた。スマートフォンや携帯電話の使用時間が平日1時間以上になると、学力が低下する傾向が浮き彫りになった。県教委は「インターネットへの依存的傾向が学習や生活に影響を及ぼしている」と注意を呼び掛けている。
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 2年生だけに実施した学力調査の結果を踏まえ、平日のスマホ使用時間と各教科の平均正答率の関係を調べた。
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 「30分以上1時間未満」と答えた生徒の正答率は国語63.1%、数学55.3%、英語57.6%。「5時間以上」の生徒の正答率は国語47.3%、数学24.1%、英語35.9%にとどまった。1時間以上になると使用時間が長くなるにつれ、各教科で正答率が低下した。
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 2年生が平日に最も時間をかけるのは「ゲームやインターネット」が38.4%で最多だった。5年前と比べ13.7ポイント増で、割合は年々上昇している。
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 平日の家庭学習時間について「全く、またはほとんどしない」と答えた2年生は30.8%で最も多く、1年生は17.6%だった。同様の傾向は以前から続いており、2年生の「中だるみ現象」は改善していない。
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 2年生の学力調査で、全校共通問題の平均正答率は国語56.0%(前年度比6.4ポイント増)、数学41.7%(6.9ポイント減)、英語47.3%(3.2ポイント増)だった。数学と英語は、基礎・基本知識の定着度が上位層と下位層に二極化している現状が浮かび上がった。
.

 調査は7月、県立と仙台、石巻両市立の公立74高校の1年生1万4418人、2年生1万4499人を対象に実施した。

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/771.html#c10

[リバイバル3] 中川隆 _ 経済、ビジネス関係投稿リンク 中川隆
41. 2018年11月21日 07:38:26 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20956]
アメリカが中国を世界の工場にして、日本の競合メーカーを壊滅させた手口
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/321.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/813.html#c41
[リバイバル3] 中川隆 _ 中国関係投稿リンク 中川隆
2. 中川隆[-13647] koaQ7Jey 2018年11月21日 07:38:51 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20956]
アメリカが中国を世界の工場にして、日本の競合メーカーを壊滅させた手口
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/321.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/925.html#c2
[リバイバル3] 不可触民(ダリット)の世界 _ 釈迦が見た地獄とは何だったのか 中川隆
6. 中川隆[-13646] koaQ7Jey 2018年11月21日 07:43:19 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20956]

素手で下水管掃除し毎年数百人死亡…印NGOが事態打開の新兵器披露
2018年11月20日 23:40 発信地:ニューデリー/インド
http://www.afpbb.com/articles/-/3198492?cx_part=top_latest
  

インド・ニューデリーで行われた「世界トイレの日」の関連イベントで披露された下水管の清掃機(2018年11月19日撮影)。(c)Money SHARMA / AFP

【11月20日 AFP】国連(UN)が「世界トイレの日(World Toilet Day)」と定める19日、インド各地で下水管の清掃に素手で当たる掃除人が、年間数百人も命を落としているという悲惨な現状に終止符を打つべく、同国のNGOが新兵器を披露した。

 インド各地の都市では、主に下層カースト出身者など多数の人々が、下水管にたまった汚物を取り除くという世界で最も汚い仕事の一つに従事している。

 非営利組織スラバ・インターナショナル(Sulabh International)によると、過去3年間で1300人以上が命を落としており、その死因の大半が窒息死だという。

 作業者は防具やマスクなどを使用せず、素手で排せつ物をかき出すことが多いため、「手作業の清掃人」と呼ばれている。

 同NGOが送り出したこの装置は、下水管とタンクに高圧水を注入し、地上から操作する機械仕掛けのバケツで排せつ物を収集する。

 同NGOの創設者であるビンデシュワル・パタック(Bindeshwar Pathak)氏は、人間を下水管に押し入れるのは「卑しめる」ことであると説明。

「下水管の作業者が命を落とすという痛ましいニュースを度々耳にする」「この装置は安全に排せつ物を除去することが可能であり、手作業による清掃は徐々に不必要になるだろう」と述べ、「この装置によって下水管で亡くなる人がいなくなることを願っている」と語った。(c)AFP

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/707.html#c6

[昼休み54] 日本の官僚は悪い 中川隆
58. 中川隆[-13645] koaQ7Jey 2018年11月21日 07:49:29 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20956]
2018.11.21
増税にしろ軍事力増強にしろ、議論は全ての公的な情報を国民に公開してからだ


 日本政府の発表する公式情報が信頼できないことは明確になった。財務省や法務省だけの話ではない。そうした信頼できない情報に基づいて作成される政策も信頼に値しない。増税にしろ軍事力増強にしろ、議論は全ての情報を出させ、精査してからのことだ。

 第2次世界大戦での敗北が明確になった後、軍隊だけでなく、内務省、外務省、大蔵省などが重要文書を焼却したというが、同じことは裁判所も行っていた。

 敗戦前、特高や思想検察が行った言論弾圧の一例がでっち上げの横浜事件。言論関係者を中心に60名以上が逮捕され、30名以上が有罪判決を受けている。冤罪だと言うことは被告、警察、検察だけでなく、裁判所も知っているだろう。何しろ裁判所の職員も裁判記録を焼却しているのだ。この冤罪事件を裁判所は免訴という形で有耶無耶にしようとしている。

 前回も書いたが、民主主義は主権者である一般国民が公的な情報を知ることができるという前提で成り立っている。そうでなければ主権を行使できない。民主主義国を名乗りたいなら、情報公開を徹底する必要がある。

 しかし、官僚は情報の公開を嫌う。資金と情報の流れる先に権力は生まれるわけで、権力を握りたい官僚は情報を独占してきた。情報公開の必要性が叫ばれたとき、霞ヶ関からは文書を作成しないという声も聞こえてきた。存在する文書、あるいは作成しなければならない文書は廃棄する。廃棄しきれない文書を隠すために特定秘密保護法も制定された。

 日本の政治家や官僚の中には、文書を廃棄すればなかったことにできると考えている人もいるようだが、国外では通用しない。日本の公文書だけが証拠ではないのだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811200001/
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/103.html#c58

[リバイバル3] 中川隆 _ 住宅関係投稿リンク 中川隆
7. 2018年11月21日 08:01:14 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20956]
コストが安い暖房は? 優秀なコタツ、ファンヒーター
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/926.html

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/816.html#c7
[リバイバル3] かぐらスキー場 (かぐら・三俣・田代スキー場) 中川隆
94. 中川隆[-13644] koaQ7Jey 2018年11月21日 08:16:54 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20956]

みつまた駐車場、料金所近くへ『更衣室&トイレ棟』が新設となりました。

棟内には、男女更衣室をはじめトイレ・コインロッカーも配備となり
安心してご利用いただけます。
http://www2.princehotels.co.jp/ski/kagura/
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/779.html#c94

[リバイバル3] スキー場の選択は雪質だけで決めよう 中川隆
137. 中川隆[-13643] koaQ7Jey 2018年11月21日 08:30:23 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20956]

全国 スキー場積雪天気情報 ‐ SURF&SNOW
https://snow.gnavi.co.jp/search/list/spl_snow.php?sort=snow


11/21(WED)


フジヤマ スノーリゾート イエティ[ 静岡県 ]
積雪深(平均)80
人工雪
https://snow.gnavi.co.jp/guide/htm/r0209we.htm


ウイングヒルズ白鳥リゾート[ 岐阜県 ]
積雪深(平均 )70
人工雪
https://snow.gnavi.co.jp/guide/htm/r0199we.htm



狭山スキー場[ 埼玉県 ]
積雪深(平均) 60
人工雪
https://snow.gnavi.co.jp/guide/htm/r0778we.htm



軽井沢プリンスホテルスキー場[ 長野県 ]
積雪深(平均)50
人工雪
https://snow.gnavi.co.jp/guide/htm/r0129we.htm
http://www2.princehotels.co.jp/ski/karuizawa/


大雪山 黒岳スキー場[ 北海道 ]
積雪深(平均) 30
オープン前
https://snow.gnavi.co.jp/guide/htm/r0630we.htm
https://www.rinyu.co.jp/kurodake/

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/782.html#c137

[経世済民129] ゴーン逮捕の謎(小笠原誠治の経済ニュースゼミ) 赤かぶ
13. 中川隆[-13642] koaQ7Jey 2018年11月21日 09:56:39 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20956]
『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html

http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/514.html#c13
[昼休み54] 『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった 中川隆
26. 中川隆[-13644] koaQ7Jey 2018年11月21日 10:11:00 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20959]

御用学者の悪質な嘘


本当の意味の「将来世代の悲劇」2018-11-21


 日本の緊縮財政は、財政破綻論に基づき推進されています。


「クニノシャッキンでタイヘンダ〜。だから増税やむなし、政府はムダを削れ」
 というわけでございますが、主導しているのはもちろん財務省です。


 そして、財務省傘下の政府の組織である財政制度等審議会、吉川洋、伊藤元重、土居丈朗ら財務省御用学者、経済界(経団連、経済同友会など)、ポジショントークとして破綻論を唱える証券会社の関係者、財政破綻ビジネス(藤巻健史、浅井隆、朝倉慶など)など、様々なチャネルを通じて日本社会に浸透していきました。


 証券会社の「破綻論エコノミスト」」は使い捨てであるため、次々に登場人物が変りますが、それ以外は「財務省の共犯者」として、今後も未来永劫、死の瞬間まで破綻論を叫び続けるでしょう。


 彼らの目には、


1.日本政府の負債残高が増えても、金利は全く上昇しない。

【日本政府の長期債務残高(左軸)と長期金利(右軸)】
http://mtdata.jp/data_61.html#JBG


2.日本国債の金利は主要国最低水準

【主要国の長期金利の推移(%)】
http://mtdata.jp/data_61.html#syuyo


 という事実は目に入らないわけです。


 ちなみに、日本国債の金利が低いことは「財政破綻」があり得ないことを示していますが、別にいい話ではありません。デフレ深刻化で、民間におカネが適切な金利で貸し出されていない証なのです。

 さて、政府の負債(クニノシャッキン、ではありません)が増えているにも関わらず、金利が上昇しないことを受け、破綻論者(特にビジネスの連中)は、
「日銀の国債買取で、ハイパーインフレーションになる〜っ!!!」
 と、破綻論のすり替えを行いました。


 ところが、実際には日銀が350兆円超のマネタリーベースを発行し、国債を買い取ったにも関わらず、インフレ率はゼロのまま。
 というわけで、今度は、
「日銀当座預金に金利をつけなければならないため、日銀が債務超過で破綻する〜っ!!!」
 に、またまた破綻論のすり替えを行ったわけでございます。


とりあえず、「財政破綻」だの「ハイパーインフレーション」だのと、散々に国民を騙したことを謝罪しようよ、藤巻大先生。(今の大先生の破綻論は「日銀崩壊論」)


 もっとも、藤巻大先生は「詐欺師」というよりは「単なるバカ無知」なのですが、財政制度等審議会の連中はより悪質です。彼らは、財政破綻など起こりえないことを理解していながら、財務省への忠誠を貫くため、財政破綻論を叫び続けているのです。つまりは詐欺師です。


『財政審、平成財政のつけ回し指弾 「将来世代に悲劇」
https://this.kiji.is/437455660264834145?c=39546741839462401

 財政制度等審議会は20日、2019年度予算編成に向けた建議(意見書)を麻生太郎財務相宛てに提出した。借金を膨らませた平成30年間の財政運営を巡り、返済の形で負担先送りのつけが回る将来世代が「悲劇の主人公だ」と断じ、チェック機能を欠いた政府や国会を指弾。19年10月の消費税率10%への引き上げの確実な実施や高齢者医療、大学などの予算改革に注力するよう求めた。
 安倍政権は18年度第2次補正予算案を編成し、19年度も景気下支えの歳出を上積みする。この点も効果的な方策に絞るよう財政審はくぎを刺したが、危機感が受け止められるかは見通せない。』


 彼らがいう「予算改革」とは、要するに「予算削減」です。


 財政制度等審議会の、特に学者の連中は、日本が財政破綻しないことを知っています。それにも関わらず、財務省への忠誠を尽くすために、「将来世代に悲劇」などと、正義感面して言ってのけるのです。


 とはいえ、真の意味における「将来世代の悲劇」とは、財政の話ではありません。


 このまま緊縮財政が継続し、インフラはボロボロ、防衛力も弱体化、社会保障制度も崩壊、教育も荒廃、科学技術は「劣等国」に落ちぶれた日本国。小国化した日本国で暮らすことこそが、将来世代の悲劇なのです。


 そして、財政破綻論の影響で、我が国はこのままは普通にデフレが継続し、小国化。将来世代の悲劇は実現するでしょう。


 わたくしたちの子供たち、孫、その先の子孫に「悲劇の暮らし」を遅らせたくないならば、財政破綻論を潰さなければなりません。


 日本の財政破綻の可能性はゼロなのです。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12420506523.html


▲△▽▼


御用学者の悪質な嘘 _ 東京大学名誉教授 吉川洋、前日銀副総裁 山口広秀

2017年12月5日
元経済学会会長と元日銀副総裁による「フェイクレポート」の疑義
From 藤井聡@内閣官房参与(京都大学大学院教授)
https://38news.jp/economy/11373

「経済の大御所二人」が「社会保障不安」が不景気の重大原因と「断定」

財政制度審議会会長や日本経済学会会長を歴任した東京大学名誉教授の吉川洋氏と、前日銀副総裁の山口広秀氏が、山口氏自身が現在理事長を務める日興リサーチセンターから「低迷する消費」と題するレポートをこの度(10月30日)公表し、これが今、霞ヶ関、永田町界隈で話題になっています。

下記ロイターの記事では、このレポート公表が、「消費の低迷要因(を)、賃金の上昇不足と将来不安が2大要因と総括」するものとして報道されています。そしてその総括を踏まえ「政府に対して持続可能な社会保障制度の将来像を明示することを要望した。」と解説されています。
https://jp.reuters.com/article/slumping-consumption-report-idJPKBN1DV3TL

また、この記事では山口氏・吉川氏はこのレポートの公表にあたって開催した「記者会見」にて、

「政府は財政赤字でも経済成長さえあればなんとかなるという話ばかりだ」(山口氏)

「名目賃金が大きく上昇しない中で日銀の異次元緩和で物価が上昇すれば、ややもすると実質賃金が下落する」(吉川氏)

とアベノミクスを批判している様子も報告されています。

こうした背景から、このロイター記事は、

「消費低迷を分析、アベノミクスに警鐘」

と言う見出しが付与され、この「大御所二人」が、成長を目指してばかりのアベノミクスは間違いで、成長をさておいて持続可能な社会保障制度を「設計」すべきだ、と主張していると言う様子が描写されています。

では、この両先生が提案する「国民が安心出来る、持続可能な社会保障制度」とは何かと言えば───一般には、社会保障の持続可能な制度とは、「十分な財源が常時確保出来るほどに、国民負担が十分に高い制度」を意味すると解釈できます。それは要するに「安定財源が確保できる財政」ということであり、それは結局「十分に高い消費税率」ということになります。

もちろんこのレポートでは両氏はそこまで「明言」していませんが、この両氏の主張が、今日の日本の状況下では消費増税を強力に後押しすると同時に(山口氏の上記発言からも明確な通り)財政赤字を一時的に拡大する「大規模財政政策」を強力に否定するもの、すなわち、「緊縮財政」をサポートする効果を持ちうるものなのです。

「経済の大御所二人」の断定は正当化できない

言論の自由が保障された日本では、誰がどんなレポートを公表しても構いません。ですがこの両氏の「不安が消費を低迷させている」という主張それ自身が理性的に正当化できるものなのかどうかと言えば、それは別問題。

ついてはその点を確認すべく、新聞記事ではなく、両氏が公表したオリジナルのレポートそのものを確認することとしましょう。
http://www.nikko-research.co.jp/release/6491/

このレポートでは、結論で次のように論じています。

『弱い消費の第2原因は、 「将来不安」である。とりわけ年金・医療・介護など社会保障の将来への不安が根強い。多くの人々は、老後の生活や医療・介護にどれだけの費用がかかるのかが予想できず、世代を問わず多くの家計が予備的な動機で貯蓄を行い、消費を踏みとどまらせている。」

ご覧の様に「老後の出費が予想できず、不安だから、消費を控えている」と

「断言」

しています。

科学者にとって(講演やエッセーではなく)

「分析レポ─ト」

において、「因果関係の断定」を図るには、相当に強力な根拠が不可欠です。逆に言うなら単なる「推察」でしかないものを、「分析レポート」では科学者は絶対に「断言」できません、というか「してはいけません」。

そもそも科学者が分析レポートにおいて断言すれば、その読み手は、その主張はほぼ間違い無く真実であり、それを「否定する人」は恐らく間違いを犯しているか、デマを言っているのだろう、と「認識」させてしまう程の影響力を発揮します。

「断定」してるにも関わらず、「それはウソだろう」と思われてしまうような「科学者」は、疑惑が発覚した後に「スタップ細胞はあります!」と断定した小保方氏くらいのものです。

だから、「経済の大御所二人」が書いたレポートは今、霞ヶ関、永田町で「極めて信憑性高いもの」として認識され、持続可能な社会保障のために消費税は増税すべきで、財政赤字を拡大する財出なんてもってのほか、という空気を強化しているわけです。

・・・・では、このレポートにその「因果関係」についての明確な「根拠」は示されているのかと言えば・・・・結論から言って(「断定」しますが!)、答えは「NO」です。

なぜなら、このレポートには、「社会保障の将来不安→消費低迷」という因果関係の根拠となるデータは、一切示されていないからです。

・・・・というか、そもそも、この大御所二人自身が「社会保障の将来不安→消費低迷」と断定はできないとご自身で書いているのです。

詳しく解説しましょう。

分析途上で「推察」した事を、結論で「断言」している

このレポートではまず、「人々が将来不安を抱えている」という事を思わせるアンケートと結果と、35歳未満の世帯において消費性向が最近急激に下がっているというデータを示します。そしてこの消費性向が下がっているというデータを示した後に、両氏は次のように唐突に述べています。

「将来の可処分所得の増加が期待しにくい中、若年世帯でも年金等の社会保障制度の持続性に対する疑念は広がっており、貯蓄性向を上昇(消費性向を低下)させているとみられる。」

あくまでもこの文章は、この両氏が「年金等に疑念があるから、消費性向を低下させてるんだと思います」と言う「意見」を述べているものと解釈できます。「〜みられる」というのは、論者が勝手にそう「みている」=「思っている」と言うことを意味する言葉だからです。それは断じて、分析の結果こういう因果関係が導出できたという論理的結論を述べているものではありません。

要するに両氏は、「若年世帯で消費性向が下がっているのは、年金等に持続性に疑念が原因なのだろう」と「推察」しているに過ぎないのです。

ところが、この推察文の次の頁の結論頁では、何の説明も無しにこの「推察」が、いきなり、次のような「断言」につなげられています───「弱い消費の第2原因は、『将来不安』である」。

レポートを何度も読み返しましたが、この「因果関係の断言」に繋がりうる分析結果は、上記の「推察」以外には見当たりません(国民が不安に思っていると言うデータは示されていますが、それは到底,因果関係の根拠にはなりません)。

つまり、この両氏は、「分析プロセスで推察したに過ぎぬこと」を「結論で断言」しているのです。

さらには、このレポートの冒頭に「要旨」として掲載されている、記者などがここだけ目にする可能性が高く、政治的影響力が最も大きいと短文にもまた、下記のように「断定」的に書かれてもいます。

『経済の主役と言ってもよい消費はなぜ弱いのか。1つの理由は、賃金・所得の伸びがほとんど見られないことである。いま1つ「将来不安」の影響も大きい。とりわけ、年金・医療・介護など社会保障の将来への不安が年齢を問わず家計を委縮させている。』(「低迷する消費」P1より)

率直に申し上げまして、これは「公正な科学者の態度」からはかけ離れた態度と言わざるを得ないのではないかと、筆者には思えます。

「推察」そのものにも、相当な「無理」がある

しかも、この「両氏の推察」それ自身も、理性的に正当化しがたいものです。

そもそも両氏が推察したように「年金等についての将来不安が高くなれば、消費性向を下げる」というメカニズムがもしも今の日本で支配的なら、そういう現象は34才以下だけでなく、35才以上世帯でも生じるはずです。

というよりむしろ40代や50代の「老後」に近い世代の方が、20代や30代よりも「年金等への将来不安が高まれば、消費性向を下げる」ことすらあり得ます。ですが、40〜50代には、そういう傾向は見られません。この事実は、「年金等についての将来不安が高くなれば、消費性向を下げる」というメカニズムが働いてい「ない」可能性をすら示唆する事実だと解釈することもできるでしょう。

いずれにせよ、34才以下世帯で「だけ」消費性向が下がっていると言う事実から、「年金等への将来不安が今の日本人の消費性向を下げている」という結論を導くには、相当な無理があると考えられます。

(※ したがいまして、当方の「学者」としての感覚から言うなら、この様な無理ある推察は、比較的規準が緩いジャーナルにおいてすら「学術論文」として認められない水準のものでは無いかと思います。より詳細な議論は付録1をご参照下さい)

「若年世帯の不安」は年金等でなく「デフレ」だという可能性

百歩譲って「将来不安が日本人の消費性向を下げている」ということが真実だとしても、その不安が、両氏が言う「年金等」にまつわる「老後不安」であるとは全く言えません(筆者らが示してている、今国民が老後に不安を抱えているという複数のアンケート結果は、消費と老後不安の間の因果関係の「根拠」にはなり得ません)。

当然ながら、「デフレ不況」、およびそれに伴う「将来の所得縮小」「失業」に対する不安それ自身が不安の根源である可能性も考えられます。

といいますか、両氏の示したデータや彼らの推察から演繹される「若年層だけが不安に感じ、非若年層が不安に感じていない」という状況を説明するには、年金等よりもデフレそれ自身に対する不安の方がより説得力ある原因だと考える方が自然とも言えるしょう。そうした「可能性」は、若年層の方が一般に失業率が高く、所得が低いという事実とも整合するからです。

さらに言うなら、もしも両氏が主張するような「持続可能な税・税社会保障を作ることで不安が低迷し、消費が拡大する」という事が真実なら、彼らが主張した2014年の消費増税によって消費は拡大すべきところですが、実態は全くその逆に、消費は大きく低迷したことは、周知の事実です。

こう考えれば、その不安を払拭するために「年金等の社会保障制度を持続可能なものにする」という、両氏が次のように「断定」する対策が適当だとは、(残念ながら)正当化できない、という真実も見えて参ります。

「・・・将来不安を払拭するためにも、政府が責任ある形で、説得力のある税・社会保障のプランを明示し、それを前提に消費者が長い目で見た生活設計を組み立てることができるようにすることが大事である。単に消費者にとって耳触りのよいプランを示すことではなく、確度の高いプランを明らかにすることが重要である。」(「低迷する消費」P18より)

元経済学会会長と元日銀副総裁による「フェイクレポート」の疑義

このように、吉川・山口両氏が出したレポート「低迷する消費」は、「緊縮財政によって国民の不安を払拭することが、消費を拡大する道となる」という強烈な政治的メッセージを発する「結論」を記述してはいますが、肝心のその分析内容そのものについては、ほぼ「出鱈目」と言われても仕方がない様な稚拙な水準にあるのではないか、というのが、筆者の率直な見解です。

繰り返しますが・・・


第一に、不安が消費を下げているという彼らの主張を正当化する根拠が示されていないからであり、

第二に、仮に不安があったとしても、その不安が「持続可能な税・社会保障制度を構築すること」で払拭され(、それを通して消費が拡大す)るという彼らの主張を正当化する根拠もまた、示されていないから、です。


したがって、それはいくつかのもっともらしい図表が掲載された「分析レポート」の体裁をとっているものの、実態は、筆者らの「主観的意見を、明確な根拠も無く開陳する文書」であるとしか思えない──というのが、筆者の見立てです。

これでは客観的に冷静に判断すれば、「詭弁」の誹りを受けても致し方無いものと思われます(経済政策上の論説において「詭弁」が多用されている現実については、例えば、こちらでの議論(付録2)をご参照下さい)

しかも、その詭弁にあたっては、「経済の大御所二人の権威と、複数の図表を使ってもっともらしく見せかけている」という疑義さえ想定される状況だと思われます。

ついては、筆者は、今回の吉川氏、山口氏(ならびに、他共著者一名)による分析レポートは

「フェイクレポート」

である疑義が極めて濃厚であると、京都大学大学院教授として、そして、内閣官房参与として、学術的視点から冷静に判断いたします。

是非とも理性的な反論をお伺いしたいと思います。

もしも、東京大学名誉教授や元経済学会会長、さらには、元日銀副総裁の「誇り」にかけて、こうした「詭弁」や「フェイク」と呼ばれることそれ自身が濡れ衣に過ぎぬとお感じであるなら、是非とも下記三点のご質問に、正々堂々とお答え頂きたいと思います。

(質問1)第一に、分析本文で「〜みられる」と書かれた推察内容を、なぜ、結論において「断定」的に記述されたのかをお答え頂きたい(あわせて、仮にそれに「理由」があったとしても、政治的影力を持ちうる可能性が濃厚な結論や要旨において「推察」内容を「断定」することは道義的に問題がないと言えるのかどうかについても説明して頂きたい)。


(質問2)第二に、本レポートで記述されているデータから、如何にすれば「不安が消費を抑制している」という「因果関係」を説得力あるかたちで演繹できるのかを(本稿の指摘※を踏まえた上で)、理性ある読者ならおおよそ納得できるかたちで説明して頂きたい

(※ 「幾分若年層の世帯所得が持ち直しつつある中、34歳未満世帯だけが消費性向を縮退させている」というデータに基づいて「不安が消費を下げている」と推論することは、論理的に正当化できない、という指摘)


(質問3)第三に、本レポートで記述されているデータから、如何にすれば『持続可能な税・社会保障制度を構築すれば、(消費に影響がでる程に十分)不安が払拭される』という「因果関係」を説得力あるかたちで演繹できるのかを(本稿の指摘(※)を踏まえた上で)、理性ある読者ならおおよそ納得できるかたちで説明して頂きたい。

(※ 今国民が老後に不安を抱えているという複数のアンケート結果は消費と老後不安の間の因果関係の「根拠」にはなり得ないということ、ならびに、34歳未満世帯だけが消費性向を縮退させているという事実は、『持続可能な税・社会保障制度を構築すれば、不安が払拭される』という主張と整合するどころかむしろ矛盾しているいう指摘)

本稿が、我が国の繁栄に繋がる建設的かつ理性的な議論の契機となりますことを心から祈念しつつ、本稿を終えたいと思います。

付録1 若年世帯だけ消費性向が下がる理由についての様々な仮説

若年層だけ消費性向を下げている理由としては、若年層だけ貧困化が激しく貧困化が激しい世帯の方が消費性向を下げがちだからだ、と言う可能性も考えられます(なお、両氏が指摘する若年層の世帯所得が幾分もちなおしは、失業率や、消費性向と貧困化との関係の非線形性などを加味すれば、上記可能性を棄却するものではありません)。

あるいは、「デフレ世代のコーホート効果(世代効果)」によって、若年層の消費性向が下がってきている可能性も考えられます。実際、交通行動の時系列データから、若年層の移動数が著しく低下している「外出離れ」現象が生じていることが知られていますが、そのレポートでは、「年金等に対する不安」以外の様々な理由について様々に分析、検討されています。https://blogs.yahoo.co.jp/mimasatomo/43400924.html

この「外出離れ」現象は、若年層の消費性向低下と関連している可能性が十分考えられますが、この外出離れの原因が「年金等に対する不安」であると考える根拠は、相当に乏しいように思われます。

つまり、両氏の推察自信の正当性もさることながら、それ以外の様々な可能性も考えられる以上、因果プロセスについて断言するにはさらなる分析が不可欠なのです。にもかかわらずこのレポートにはそうした分析がほとんど全くといっていい程の水準で掲載されていません。この点から言っても、このレポートは科学的に正当化することは原理的にほとんど不可能であると言うこともできます。


付録2 詳細は、下記原稿をご参照下さい「柳川・沼尻・山田・宮川・藤井:新自由主義の詭弁性とその心理的効果に関する実証研究、土木計画学研究・講演集、CD−ROM、55, 2019」
https://38news.jp/economy/11373



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2018年7月11日
【藤井聡】吉川洋東京大学名誉教授が『詭弁』を弄して、『防災をせずに人が死ぬ事』を正当化している、という嫌疑
From 藤井聡@京都大学大学院教授
https://38news.jp/economy/12160

■■財政が大事だから、人が死んでも仕方ない、という論理

東京大学経済学部の名誉教授で、元日本経済学会会長の吉川洋氏が、中央公論の最新号で、昨今頻発する災害対策に国家として対応すべきだという議論に対して、異を唱える論考を公表した(中央公論2018年8月号、20−21頁)。

その主張の要点は、本稿最後の締めくくりの、以下の一文に現れている。

『あれもこれもと、現在国費ベースで年6兆円の公共事業費を拡大することはできない。それでは「国難」としての自然災害を機に、「亡国」の財政破綻に陥ってしまう』

つまり、吉川氏は南海トラフ地震や首都直下地震等に対して、国費ベースで6兆円拡大することがあれば、我が国は「財政破綻」に陥って、国が亡びる「亡国」の状態に我が国は立ち至るだろう、と主張しているわけである。

言うまでも無く、吉川氏は、「災害対策をしないことを正当化」しているのである。

しかし――吉川氏がこの原稿を書いた「直後」に生じた――今回の西日本の豪雨で100名以上の方々の命が奪われた事からも明白な通り、災害対策をしなければ、多くの人々が死んでいく―――だから、吉川氏は「今回の西日本豪雨への事前対策も含めた『防災』などやらなくても良い、それで人が死んでも構わない」という主張を正当化しているのである。

百歩譲って、吉川氏が言うことが一点の曇りも無く正しいのなら――吉川氏の主張に耳を傾け、「人が死ぬけれど、財政のために防災対策をしない」という政治判断はあり得るのかもしれない(国が亡びればさらにたくさんの人々の命が失われるかもしれないからだ)。

しかし誠に遺憾ながら、このたった60字余りの一文に、いくつもの「事実誤認」と「詭弁」が含まれている。つまり、吉川氏の嘘と詭弁のせいで、人がたくさん死んでいく、という構図が、ここに見て取れる―――ついては本稿では、なぜ、筆者がそのように判断したのかについて、一つ一つ解説したいと思う。

(なお、吉川氏が「財政破綻」という言葉で何を意味しているのかが不明瞭だという問題もあるのだが、そこは彼のこれまでの言説に着目し、「金利が高騰し、政府の利払い費が一気に拡大する事態」だと、ここでは想定する)。
http://www3.grips.ac.jp/~t-ito/KeizaiKyoshitsu20030319.pdf

■■「財政破綻」するリスクはそもそも低い

第一に、「財政破綻」など、我が国において起こる可能性は、現実的に存在しない。

なぜなら、日本政府の「借金」は、日銀が発効する「円」によるものだからだ。

だから、(円建ての)国債の金利が急騰し出せば、市場安定化を図る「日銀」が、いわゆる「買いオペレーション」を図り、金利安定化を図る。

もちろん、日銀がそれを「しない」という確率はもちろん「理論的」には存在するにはする。しかしそれは、旅客機のパイロットが、飛行中に「逆噴射」を急にし出す程の確率であり、現実的なものとは言えない。

ギリシャや夕張は破綻したじゃ無いかという向きもあるだろうが、日本政府と彼らとは、措かれた状況が全く違う。日本政府には「最後の貸し手」としての日銀があるが、ギリシャや夕張にはそれがなく、だから破綻してしまったのだ。実際、過去において、「自国通貨建ての借金が理由で、破綻した政府」は存在しない。

吉川氏とは一度、この点について直接討論をしたことがあるのだが、その時にも、この筆者の指摘についての明確な回答は頂けなかった。ついてはこれを機に改めて吉川氏には、是非とも、「筆者の指摘を受けてもなお、なぜ、財政破綻が生じうると主張し続けているのか」についての、その理由をご回答いただきたい。

■■「公共事業の拡大」のせいで「財政破綻」するリスクはもっと低い

第二に、吉川氏は、「公共事業費を拡大すると財政破綻する」事を前提としているが、そうなる可能性は、さらに低い。

少なくとも短期的な視点で言えば、これだけの金融緩和(年80兆円規模)を行っている状況下で、国債発行が幾分増えたからといって、財政が破綻する可能性は、現実的に「ゼロ」だ。しかし上記の言説は、それを無視するものとなっている。

それ以前にそもそも、現在の公共事業の拡大は(フローとストックの両効果を通して)デフレ圧力を弱め、景気拡大を果たし、税収が拡大するという自明の因果プロセスが存在するのだが、吉川氏は、その存在を完全に無視している。

さらに言うなら、防災対策をしっかり行わなければ、経済が破壊され、財政基盤が破壊され、それを通して、激しく財政が悪化するリスクが現実的に考えられる。つまり、防災対策は、「財政を守る」ためにも必要なのだが、吉川氏は、そのリスクもまた完全に無視している。

吉川氏には、以上に筆者が指摘した諸点をなぜ「無視」したのか、是非、その一つ一つについて明快にご回答いただきたい。

■■「公共事業の拡大」のせいで「財政破綻」するという超僅少なリスクを、巨大地震という現実手金リスクと比較すること自体が間違い

第三に、百歩譲って、「財政破綻」という事態が生じ「得る」のだとしても、それが生ずる「確率」は、南海トラフ地震や首都直下地震が生ずる「確率」に比して全く比較にならない超微小なものだ。

そもそも、巨大地震はその30年発生確率が科学的に70〜80%程度と推計されているが、
「財政破綻」確率については、この原稿にも一切書かれていないし、これまでにおいても筆者の知る限り科学的に推計されたことは一度も無い。

しかも、この吉川氏の主張は、「現状6兆円の事業を少しでも拡大しようものなら、財政破綻する」という趣旨にも読み取れる。そのような主張が正当化できぬことなど、小学生でも見破ることができるのではなかろうか(もしそれが正当化されるなら、現状の予算が、破綻するまさに直前の状況だと証明する必要があるが、そのような証明は一切なされていない)。

それにも関わらず、吉川氏は、「災害」のリスクと、「破綻」のリスク(しかも現状から少し増えただけで破綻するリスク)を、何ら根拠も示さないままにまるで「対等」であるかのように扱っているが、これは、極めて一般的な(「総数詐術」あるいは「先決問題要求の虚偽」等と言われる)「詭弁」テクニックだ。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shes/14/2/14_155/_pdf

もし吉川氏がこれは詭弁ではない、と主張されたいのなら、吉川氏はその財政破綻が生ずるリスクがどの程度なのかを、巨大地震に対して行われているのと同様の確率尺度で定量評価いただきたい。それが出来ない限りにおいて、吉川氏は「詭弁」を弄する詭弁家の誹りを免れ得ない。

■■吉川氏は、「わら人形論法」に基づく詭弁で、災害対策必要論を批難している

そして第四に、吉川氏は、まるで、巨大地震対策のために、どこかの誰かが「青天井」で、「あれもこれも」と、公共事業を拡大せよと主張しているかの様に論じているが、筆者の知る限り、これは完全な事実誤認である。

そもそも吉川氏が引用している土木学会の推計では、より「効果的」な事業を割り出すために、耐震強化や分散化のための地方投資など、具体的なプロジェクトを提議し、その効果を定量分析している。

そして、そうした「科学的、技術的な定量評価に基づく、合理的かつ効果的な投資」を強く推奨し、今日政府で言われている「証拠に基づく政策決定」(EBPM、Evidence Based Policy Making)を推奨している。決して、吉川氏が言う様な「あれもこれも、やるべきだ」などという、理不尽な主張をしているのではない(必要なら、下記HP掲載の報告書を是非、じっくりとご一読願いたい。http://committees.jsce.or.jp/chair/node/21)。

にも関わらず、さも、どこかの誰かが「あれもこれも、公共事業を拡大すべきだ」と不条理な要求をしているかの様にかき立て、それを批判している。

これは典型的な、「でっち上げ」に基づく「わら人形論法」とも言いうる詭弁だ。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shes/14/2/14_155/_pdf

東京大学の名誉教授、かつ、日本経済学会の会長も務められた社会的に極めて高い地位にある方が、このような人格的品位を疑われるような印象操作をもたらす詭弁を、しかも中央公論という公共性の高い公器において行っても良いものなのだろうか―――。

もし、吉川氏が自らの名誉を守りたいのなら、以上についての筆者の疑問を、それぞれについて適切に解説いただきたい。もしそれをされない限りにおいて、吉川氏は、「詭弁家」だということになるであろう。

だからこそ筆者は、吉川氏の誠実な対応を、心から祈念したい。

さも無ければ、本稿を読まず、「中央公論」という公器における吉川言説だけに触れる人が増え続け、適切な災害対策・財政再建がなされず、今回の災害で多くの方の命が失われたように、この不誠実な吉川言説によってますます多くの人々が殺められ続けていくことはもはや、避け難いのである。

追伸1:
普通、オオカミ少年といえば「嘘つきでダメな奴」の代名詞。だが吉川氏は自分こそが、そんなオオカミ少年なのだ、という開き直り的論考を公表している。科学者ならオオカミ少年でなく「科学的推計」を「証拠」と共に誠実に公表し続けるべきではないのか、そんなオオカミ少年に国家の重要判断を任せてもいいのか――? 本稿はそんな疑問を抱かざるを得ない、象徴的論考と言えよう。
https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/201709/201709b.html

追伸2:
「災害対策をしない」という振る舞いは、「無作為殺人」と言いうるものだ。是非、下記論考もご一読願いたい。
https://the-criterion.jp/mail-magazine/20180709/





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作為犯としての「殺人者」たち 2018-07-13
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12390446159.html


わたくしは「政策」について論評はするものの、特定人物を攻撃することは「なるべく」避けています。とはいえ、残念なことに、攻撃を避けてはならない人物というのも、確かにいるのです。


 藤井聡先生が「新」経世済民新聞で取り上げられた、吉川洋の恐るべき言説です。


【藤井聡】吉川洋東京大学名誉教授が『詭弁』を弄して、『防災をせずに人が死ぬ事』を正当化している、という嫌疑
https://38news.jp/economy/12160


 吉川洋が、中央公論2018年8月号の「時評2018 ●「国難」としての自然災害と日本経済」において、信じがたいことを書いています。


『あれもこれもと、現在国費ベースで年6兆円の公共事業費を拡大することはできない。それでは「国難」としての自然災害を機に、「亡国」の財政破綻に陥ってしまう。』


 吉川洋よ、お前の存在自体が「亡国」であり「国難」だ。


 という突っ込みを置いておいて、単なる事実を列挙します。


【日本国債所有者別内訳(総額は996兆円) 】

http://mtdata.jp/data_60.html#syosyuusya


 日本国債はすでに(18年3月末時点)日本銀行が44%を所有しています。金額にして437兆円です。


 日本国債のうち、437兆円分については、日本政府が「子会社から借りている負債」であるため、返済不要です。利払いも不要です。


 別に、返済や利払いをしても構いませんが、しなくても構いません。


 もちろん、日本国債以外が保有する国債についても、所詮は借り換えされていくものなのですが、とりあえず日本政府の負債(国債・財投債・国庫短期証券)のうち、四割以上が「返済不要」で実質的に負債ではなくなっているというのが、単なる事実です。


【日本政府の負債対GDP比率(右軸、%)と負債総額(左軸、億円)】

http://mtdata.jp/data_60.html#jissitsuhusai


 財政健全化の定義は、政府の借金を減らすことではありません。政府の負債対GDP比率を引き下げることです。


 日本銀行が保有する国債は、返済不要です。というわけで、返済が必要(名目上ですが)な政府の負債対GDP比率をグラフ化すると、上記の通りです。実質的な政府の負債対GDP比率は、劇的に下がっています。すなわち、財政が健全化しています。


 現在の日本に、財政問題などありません。財政破綻(政府の債務不履行)の可能性は、ゼロ、なのです。


 それにも関わらず、ありもしない財政問題を理由に、公共事業の拡大を否定し、国民に「死ね」と言っているのが、吉川洋なのです。


 先日、平成30年7月豪雨〜不作為の殺人者たち〜 、というエントリーをあげましたが、吉川洋は「作為犯」です。


 この種の作為犯としての「殺人者」たちが平気で野放しになっている。


 この種の連中が跋扈し、デフレが続き、景気悪化を受け、何万人が「自殺」したのか。公共事業否定により防災対策ができず、何万人が財産を失ったのか。


 日本国民は、改めて思い返す必要があります。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12390446159.html


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続 作為犯としての「殺人者」たち 2018-07-14
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12390646112.html


 さて、中央公論における吉川洋の「「国難」としての自然災害と日本経済」が悪質なのは、何と先日の土木学会の報告書「「国難」をもたらす巨大災害対策についての技術検討報告書」を、公共事業削減に利用しようとしている点です。


 何を言っているか分からないと思いますが、わたくしもj自分で何を言っているか分かりません。でも、本当にそうなのです。


 吉川の寄稿は、以下の文章で始まります。


『六月七日、土木学会はこれから30年以内に70〜80%の確率で発生すると予測されている南海トラフ地震が日本経済に与える被害総額は、20年間で最悪1410兆円(直接被害170兆円と20年間の間接被害1240兆円の合計)に達するという推計結果を公表した。同じく70%の確率で発生するとされる首都直下型地震の被害総額も、20年間に及ぶ経済被害731腸炎を合わせると、内閣府が公表している建物等への直接被害47兆円の16倍、778兆円に達するという。土木学会は、発生が想定されている二大地震と三大都市圏における巨大水害を「国難」と呼んだ。』


 この後、吉川は震災後の経済活動について、


『震災復興により経済活動が高まることも多いのである。』


 と書き、傍証として関東大震災後に日本経済は成長した、と解説します。


 さらに、阪神淡路大震災後に神戸港のコンテナ取扱個数(1980年は世界4位)が、震災から十年後の2005年に39位に、15年に59位に凋落したことを持ち出し、

『神戸港が震災により大きな被害を受けたことは疑いない。』

 と解説した後に、

『しかし、ちょうど震災をはさんで、実は日本の港すべてが目を覆うばかりにランクダウンしたのである。1980年に13位だった横浜港は、2015年には52位にまで落ちている。これは震災とは関係がない。』

 と、続けます。


 うん、確かに震災とは関係ないですが、あんたたちが推進した「緊縮財政」とは、バリバリに関係があるよ。公共投資の削減を続け、日本は港湾の整備ができなくなりました。


 当時、コンテナ船は「超大型化」していきます。ところが、日本の港は整備を怠ったため、主流の1万TEU規模のコンテナ船が入れる港が「ゼロ」という状況が長らく続きます。

 結果、日本の港湾は凋落してきました。


 自分たちが主導した緊縮財政により、日本の港湾が凋落したことを持ち出し、


『(横浜も凋落したから)震災による経済活動への影響を推計するとき、それは当然に仮定に依存するから、結果の数字は幅をもって理解する必要がある。』


 と、土木学会の報告書の信憑性を貶めようとしてくるわけです。

 もっとも、さすがに土木学会の報告書を完全無視はできなかったらしく、


『インフラ耐震工事約40兆円で南海トラフ地震の場合509兆円の被害を縮小できるという推計結果である。これほどの高い効率性をもつ公共事業は他に存在しない。』


 さらに、


『整備新幹線はじめほとんどすべての公共事業を我々はしばらくは我慢しなければならない。これが今回の試算のメッセージである。』


 はあ!!!????


 吉川洋は「頭がおかしい」のではないかと疑っていましたが、本当に頭がおかしいようです。


 吉川は、土木学会の報告書を利用し、
「インフラ耐震工事をする分、整備新幹線はできない」
 と断言し、かつそれを「今回の試算のメッセージ」と勝手に決めつけているのです。


 土木学会の会長は大石久和先生です。大石先生たちが、「インフラ整備の分、整備新幹線はあきらめよう」などといったメッセージを出すはずがありません。


 なぜ、ここまで「頭がおかしい」結論が出てくるのかといえば、昨日、ご紹介した、


『あれもこれもと、現在国費ベースで年6兆円の公共事業費を拡大することはできない。それでは「国難」としての自然災害を機に、「亡国」の財政破綻に陥ってしまう。』


 という、これまた頭がおかしい結論が初めから決まっているためです。


 お分かりでしょうが、吉川洋の緊縮推進理論は、もはや妄想、狂気の領域に達しています。そして、吉川のような狂人かつ「作為犯としての殺人者」が蔓延り、存在しない財政問題を煽り立てた結果、我が国ではデフレ深刻化で10万人以上が自殺し、何万人もの人々が自然災害で財産を失い、地震や豪雨で生命を落としているわけでございます。


 日本に財政問題など存在しない。この単なる「事実」を国民が共有し、吉川のような連中を排斥しない限り、我が国の衰退は止まらず、国民が自然災害やデフレから守られる日は訪れません。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12390646112.html


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自然災害対策と「財政問題」は、分けて考えろ
「赤字だから対策できない」には根拠がない
中野 剛志 2018/08/01
https://toyokeizai.net/articles/-/231318?page=2

南海トラフ地震対策と「財政破綻リスク」言説

本年6月、土木学会は、今後30年以内の発生確率が70〜80%とされる南海トラフ地震が日本経済に与える被害総額は、20年間で最悪1410兆円になるという推計結果を公表した。同学会は、発生が予測されている南海トラフ地震、首都直下地震、三大都市圏の巨大水害を「国難」と呼び、この「国難」に対処するために、防災のための大規模な公共インフラ投資を提言している

(参考)。
http://committees.jsce.or.jp/chair/node/21


ところが、この発表について、財務省財政制度等審議会会長の吉川洋・東京大学名誉教授は、次のように述べたのである(『中央公論』2018年8月号)。

「今回の土木学会の発表で最も注目されるのは、インフラ耐震工事約40兆円で南海トラフ地震の場合509兆円の被害を縮小できるという推計結果である。これほどの高い効率性をもつ公共事業は他に存在しない。整備新幹線はじめほとんどすべての公共事業をわれわれはしばらく我慢しなければならない。(中略)あれもこれもと、現在国費ベースで年6兆円の公共事業費を拡大することはできない。それでは『国難』としての自然災害を機に、『亡国』の財政破綻に陥ってしまう。」

要するに、日本は財政破綻のリスクがあるので、南海トラフ地震の対策をやりたければ、ほとんどすべての公共事業をあきらめろというのだ。しかし、ほとんどすべての公共事業を止めることなど現実的には不可能だから、この主張には「インフラ耐震工事費を40兆円も出せないから、南海トラフ地震の被害は甘受しろ」という含意がある。

しかし、すでに明らかにしたとおり、日本政府が債務不履行に至ることなど、あり得ない。また、デフレである間は、財政赤字の拡大は長期金利の急騰をもたらさない(参考)。

実際、デフレ下にあった過去20年、政府債務残高は増え続けたが、長期金利は世界最低水準で推移し、2016年にはマイナスすら記録した。ある推計によれば、2000年から2007年における財政赤字の1兆円の増加は、長期金利を0.15bsp〜0.25bsp(1bspは0.01%)引き上げただけだった(参考)。つまり財政赤字を100兆円増加したとしても、長期金利の上昇は0.3%にもならないのだ。

したがって、「現在国費ベースで年6兆円の公共事業費を拡大すること」はできるし、すべきである。むしろ、デフレの今こそ、金利急騰の副作用をもたらさずに公共投資を拡大できるチャンスとも言えるのだ。

政府債務の対GDP比率と財政破綻とは関係がない

それにもかかわらず、吉川氏は、長期デフレ下の日本にあって、歳出抑制の必要性を強く主張し続けてきた。

たとえば、2003年、吉川氏は、伊藤隆敏氏ほか日本を代表する経済学者らと共同で、政府部門の債務の対国内総生産(GDP)比率が140%に達していることを踏まえ、「財政はすでに危機的状況にあり、できるだけ早い機会に財政の健全化(中略)が必要である。」と警鐘を鳴らした(2003年3月19日付日本経済新聞「経済教室」)。

吉川氏らによれば、このままだと政府債務の対GDP比率が200%に達するが、「この水準は国家財政の事実上の破たんを意味すると言ってよい。たとえデフレが収束し経済成長が回復しても、その結果金利が上昇するとただちに政府の利払い負担が国税収入を上回る可能性が高いからである。」

しかし、現在の政府債務の対GDP比率は、吉川氏らが「国家財政の事実上の破たん」とした水準をすでに上回り、230%以上となっているが、長期金利はわずか0.03%に過ぎない。政府債務の対GDP比率と財政破綻とは関係がないのだ。

吉川氏らの「デフレが収束し経済成長が回復すると、ただちに政府の利払い負担が国税収入を上回る可能性が高い」という主張も、理解し難い。

第一に、経済成長が金利を上昇させる可能性はあるが、それは同時に税収の増加をももたらし、財政収支を改善するのである。

実際、2018年度当初予算は、企業業績の改善を背景に、中央政府の政策経費(地方交付税交付金等を除く)を上回る税収が見込まれている。もっと端的な例を挙げると、1990年当時、長期金利は6%を超えていたが、誰も財政破綻など懸念していなかった。それどころか、一般政府の財政収支は黒字だった。言うまでもなくバブル景気が税収の増加をもたらしていたからだ(したがって、財政黒字は、マクロ経済的には必ずしも健全とは言えないのだが)。

いずれにせよ、経済成長は財政を健全化しこそすれ、それがただちに財政危機を招くなどというのは考え難い。

第二に、そもそも、政府債務の返済は、国税収入だけで行うものではない。継続的な借換(新規国債の発行によって同額の国債償還を行うこと)によることもできる。政府債務というものは、原則として完済をする必要がない債務なのだ。それゆえ、ほとんどの先進国において、国家予算に計上する国債費は利払い費のみで、償還費を含めていない(参考)。

その利払い費は、2018年度予算では約9兆円が計上されている。これは長期金利を1.1%として算定されたものだが、市場金利は0.03%程度だから、実際の利払い費は9兆円よりもずっと小さい(参考)。

仮に長期金利が今の30倍に跳ね上がったとしても、利払い費は9兆円にも満たないのだ。その程度の利払い負担が国税収入を上回る可能性を心配することを、杞憂と言う。

第三に、それでも金利の上昇を回避したいというのであれば、中央銀行が国債を買い取ればよい。実際、日本銀行は、そうしている。いわゆる量的緩和がそれだ。

要するに、吉川氏の言う「『亡国』の財政破綻」(金利が上昇して政府の利払い負担が国税収入を上回る)のリスクは、ほとんどないのであり、しかもその極小のリスクですら、経済政策によって容易に克服できるということだ。

これに対し、「『国難』としての自然災害」の発生確率は「『亡国』の財政破綻」よりもはるかに高い。しかも金利上昇による経済損失と違って、自然災害により失われた人命は、取り返しがつかない。

そう考えると、「『国難』としての自然災害を機に、『亡国』の財政破綻に陥ってしまう」などという主張は、とうてい受け入れられるものではない。

個人や企業の借金のアナロジーで考えてはならない

それにもかかわらず、日本は財政危機であり、公共事業費を増やすことはできないという思い込みは、依然として根強い。


『富国と強兵 地政経済学序説』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

確かに、これまで述べたような「財政赤字を拡大すべきである」「政府の財政破綻はあり得ない」「政府債務は完済する必要がない」といった議論は、「借金は返さなければならない」という家計や企業の一般常識に反するものであり、感覚的には受け入れ難いであろう。

しかし、政府債務と民間債務とでは、制度的にまったく異なる。政府の借金を、個人や企業の借金のアナロジーで考えてはならないのだ。この政府債務を民間債務と同じように考える通俗観念こそが、あり得ない財政破綻への恐怖を掻き立て、国民の生命・財産を守るために必要な公共事業の実施を阻んでいるのである。

本来であれば、財政についての間違った通俗観念を修正し、世論を正しい方向へと導くのが、経済学者の役割であろう(参考)。

ところが、我が国では、影響力のある経済学者の多くが、逆に通俗観念に乗じて財政危機を煽り、防災対策に必要な公共事業費の拡大にすら反対してきたのである。そして、彼らの声に影響されて、政治家も一般国民も、財政健全化こそが優先されるべきだと信じ込んできた。

その結果、過去20年にわたって、公共投資は抑制され続けた。あの東日本大震災を経験したにもかかわらず、その後の公共投資はさして増やされなかった。最近の大阪北部地震や西日本の大規模水害を目の当たりにしてもなお、公共投資の拡大を求める声は小さい。むしろ財政健全化の必要性が声高に論じられている。これが、我が国の現実である。

このような状況の中で、根強い通俗観念に反し、権威ある経済学者たちの多数派の見解に抗して、財政赤字の拡大を訴えたところで、誰が耳を傾けようか。こうなっては、もはや「『国難』としての自然災害」を避けることは不可能ではないかという絶望感に襲われる。

だが、希望はまったくないというわけではない。自民党の若手議員でつくる「日本の未来を考える勉強会」は、今年の5月、防災対策(国土強靭化)の強化をはじめとする積極財政を求める提言書をまとめ、安倍首相に提出した(参考)。一縷の望みは、意外なことに、日本の政治の一部にあったのだ。
https://toyokeizai.net/articles/-/231318



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”人間の屑"がいるとするならば 2018-08-02

 評論家の中野剛志先生が、例の吉川洋「中央公論2018年8月号の「時評2018 「国難」としての自然災害と日本経済」」について東洋経済に寄稿されていました。


『自然災害対策と「財政問題」は、分けて考えろ 「赤字だから対策できない」には根拠がない
https://toyokeizai.net/articles/-/231318

◆想定外ではなかった豪雨災害

 気象庁によれば、「非常に激しい雨」(時間降⽔量50mm以上)は30年前よりも約1.3倍、「猛烈な雨」(時間降⽔量80mm以上)は約1.7倍に増加している。
 また、国土交通省によれば、過去10年間に約98%以上の市町村で、水害・土砂災害が発生しており、10回以上発生した市町村はおよそ6割にのぼる。

 このように、政府の関係機関は、近年、豪雨災害のリスクが高まっていることを認識していたのだ。しかし、主要河川の堤防整備は未だに不十分な状況にある。

 では、政府は、治水関連予算を増やしてきたのかと言えば、その逆である。1990年代後半以降、公共投資は大幅に削減され(参考)、治水関連予算も抑制されてきた。その理由は、言うまでもなく、財政健全化が優先されたからである。その結果、今回の豪雨災害においても、治水対策が強化されていれば守られたであろうはずの人命が失われた。国民の生命・生活が、財政健全化の犠牲となったのだ。(後略)』


 中野氏の「反・財政破綻論」の要旨は以下三つ。


『第一に、経済成長が金利を上昇させる可能性はあるが、それは同時に税収の増加をももたらし、財政収支を改善するのである。』


『第二に、そもそも、政府債務の返済は、国税収入だけで行うものではない。継続的な借換(新規国債の発行によって同額の国債償還を行うこと)によることもできる。政府債務というものは、原則として完済をする必要がない債務なのだ。それゆえ、ほとんどの先進国において、国家予算に計上する国債費は利払い費のみで、償還費を含めていない。』


『第三に、それでも金利の上昇を回避したいというのであれば、中央銀行が国債を買い取ればよい。実際、日本銀行は、そうしている。いわゆる量的緩和がそれだ。』

 そもそも、財政健全化とは「政府の借金を減らすこと」ではなく、「政府の負債対GDP比の引き下げ」になります。


 GDPが増えれば、政府の負債対GDP比率が自然に下がるのに加え、税収も増加します。理由は、税収の源泉が所得であり、所得の合計がGDPであるためです。


 経済成長で多少金利が上がったところで、税収増とGDP成長で政府の負債対GDP比率は下がるのです。これこそが、正しい財政健全化です。


 加えて、政府の負債(国債など)は基本的には借り換えされます。そもそも、政府の負債を「減らす」という発想が、政府の財政の「ど素人」という話になるのです。


 吉川洋の主張は、まさに政府の財政について「ど素人」の考え方であると断言できます。


 吉川洋が悪質なのは、本当は「政府の負債は減らす必要がない」と理解しているにも関わらず、虚偽の主張を振りまいていることです。何しろ、彼奴は2001年に経済財政諮問会議の委員になる前は、わたくしと同じことを主張していました。


 さらに、中央銀行が自国通貨建て国債を買い取れば、政府の負債は実質的に消滅します。そして、日本銀行は今でも継続的に日本国債を買い取り続けています。


 結果的に、政府の実質的な負債対GDP比率は下がっていっています。日本の財政健全化は、すでに達成されているのです。


【日本政府の負債残高(左軸、億円)とGDP比率(右軸、%)】

http://mtdata.jp/data_60.html#GDPhi


 ちなみに、吉川が中央公論の原稿を書いたのは、西日本豪雨災害の「前」でした。200人以上が亡くなった、あの豪雨災害の映像を見てすら、吉川は同じことが言えるのでしょうか。


 言わないでしょう。


「西日本豪雨災害で200名以上亡くなったが、それでも財政の方が防災よりも大事だ。国民は財政のために死を受け入れるべきだ」


 と、主張してくれるのであれば、変な意味で尊敬しますが、実際にはそんなことはありません。だからといって、


「自分の主張は間違っていた。財政には一時目を瞑っても、防災を推進するべきだ」


 と、真っ当なことを主張し始めることもないのです。


 彼は、ただ沈黙するだけです。


 防災よりも財政を優先し、実際に自然災害で国民が死んだ。その責任を引き受ける度胸もない。さらなる批判を浴びる覚悟もない。


 ただ単に、御用学者として「財政の方が防災よりも大事だ」と主張してきたにすぎません。


 自分たちの主張故に、緊縮財政が推進され、結果的に国民が死んだとしても、その事実は「無かったこと」にし、ほとぼりが冷めれば同じ主張を始める。


 あまり強い言葉を使うと、弱く見えるので嫌なのですが、もし"人間の屑"という連中が存在するとしたら、日本の緊縮財政論者、財務省やその御用学者たちこそが筆頭候補なのです。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12395008588.html



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2018年9月6日 国民の思考停止
From 小浜逸郎@評論家/国士舘大学客員教授
https://38news.jp/economy/12380

テレビは、ニュース番組以外はほとんど見な
いのですが、8月26日の「たけしのTVタッ
クル」をたまたま見ました。
大水害がテーマで、いろいろと防災対策につ
いて話し合っていました。
ハザードマップの当たる確率の高さが強調さ
れ、そのあと防災対策を何とかしなければと
いう話になりました。
そこまではいいのですが、とにかく堤防を整
備しなくてはならない、しかし国に多くの税
金が行ってしまうので、自治体には資金が不
足していると誰かが発言しました。
そこから先に議論が進みません。

これは何もTVタックルに限った話ではないの
です。
社会福祉、医療、科学技術開発、国防、どんな
社会問題を扱った番組でも(といってもニュー
ス番組やクローズアップ現代などで見る限りで
すが)、その個別問題について詳しい専門家を
連れてきて、ディテールについて紹介をしま
す。
それによって問題の根深さが強調されます。
さてどうするか。
解決のためには、こういう努力が必要だとい
った結論に導かれるのですが、そこから先は
思考停止状態に陥ります。
解決に導くための資金をだれが出すのか、そ
のために何が必要か、だれが資金提供を阻ん
でいるのかという問題に突き進まなければ、
みんなで頭を抱えていても意味はないのです。

さてこの問いの答えははっきりしています。
中央政府が、問題ごとに国民の生命、安全、
生活にかかわる度合いを判断して、優先順位
を迅速に決め、積極的に財政出動をすればい
いのです。
ところが、どの番組も、個別問題を切れ切れ
に取り上げて、その範囲内で「資金不足だね
え、困ったねえ」と財政問題に突き当たって
止まってしまいます。
話がそこまで行けばまだいいのですが、ただ
の精神論で終わる場合も多くあります。
総合的に政策を見ようとする視野がちっとも
開かれません。
目の前に梁(うつばり)がかかっています。
もちろん、かけている張本人がおり、かけら
れている張本人もいるのです。
前者は財務省、後者はマスコミ(これは前者
と共謀もしていますが)と、それをうのみに
する国民です。
先のTVタックルでは、初めから三つの大き
な誤りと無知にもとづく枠組みによって番組
が構成されていました。

第一に、まず番組の初めに、政府が2023年
に配備運用を予定しているイージス・アショ
ア(弾道ミサイルを陸上で迎撃するシステム)
に6000億円も必要だという情報をセンセーシ
ョナルに流しておいて、それと大規模な災害
に対する対策とどっちが大事か、と視聴者に
二者択一を迫ったのです。
予算規模が限られていることを前提として、
そのパイの範囲内でどちらかを選べ、という
心理操作を行っているわけです。
しかしこれは二者択一の問題ではありません。
安全保障と防災、どちらも大事で、どちらに
も大金を投じて実現させなくてはならないの
です。
すぐ後で述べますが、それはいくらでも可能
なのです。

第二に、税金が国にたくさん行っているから
地方に金が回らないという認識ですが、これ
は二重の意味で間違っています。
まず国の予算規模は100兆円ですが、税収は
わずかに40兆円です。残り60兆円は国債そ
の他で賄っています。
発言者はそんなことも知らないのでしょうか。
そしてこの予算総額の中には、当然、地方へ
の補助金も含まれます。
もし政府が事態の重大性にかんがみて、国債
発行による特別予算を組み、補助金を大幅に
増やせば、自治体に金が回らないなどという
ことはないのです。

第三に、財務省が流し続けた例の財政破綻論
のウソにみんなが騙されているという事実で
す。
以下は、「キャッシング大全」という、国の
財政とは直接関係のない、個人借金のための
サイトですが、そこにまで、両者を混同させ
るようなことが書かれています。

http://www.cashing-taizen.com/kokusai1016.html
《国が頼りにしている国債は誰が貸している
のか?
それは国民です。
なので国債=国の借金=国民の借金というこ
とになるのです。
もし国は破綻すればその借金はほぼ国民にか
かってくることになります。2015年3月の時
点で1053兆円もの大金が国の借金となり、国
民1人あたりで計算すると830万円もの借金
をかかえていることになるのです。》

やれやれ。
完全に財務省のトリックにハマっていますね。
国民が貸主なのに、なんで国債=国民の借金
ということにされてしまうのか。
でもみんなが騙されるのも無理がないかもし
れません。
なぜなら、財務省の御用学者たちが、その権
威を傘に着て「財政健全化」を説き、根拠な
き「財政破綻の危機」、それゆえの「消費増
税の必要」を煽りつづけているからです。

たとえば吉川洋東大名誉教授は、大規模災害
対策のための公共投資よりも、「財政健全化」
を重視すべきだと平然と述べて、ここ数十年
にわたる公共投資のひどい削減を正当化して
います。
吉川氏は、本年6月に土木学会が発表した、
南海トラフ地震で予想される被害総額1400
兆円のうち、40兆円の耐震化費用で500兆
円以上の被害が防げるという試算結果を悪
用し、次のように述べます。

《今回の土木学会の発表で最も注目されるの
は、インフラ耐震工事約40兆円で南海トラ
フ地震の場合509兆円の被害を縮小できると
いう推計結果である。これほどの高い効率性
をもつ公共事業は他に存在しない。整備新幹
線はじめほとんどすべての公共事業をわれわ
れはしばらく我慢しなければならない。(中
略)あれもこれもと、現在国費ベースで年6
兆円の公共事業費を拡大することはできない。
それでは『国難』としての自然災害を機に、
『亡国』の財政破綻に陥ってしまう。》(『中央
公論』8月号)

要するに、すべての公共事業費をあきらめる
か、そうでなければ南海トラフ地震対策をあ
きらめるか、どちらかにしなければ、「財政
破綻」すると言っているわけです。
こういう狂信的な輩が「学術論文」めかして、
財務省の緊縮路線に根拠を与えているのです。

さらに吉川氏は、2003年3月19日付日本経
済新聞「経済教室」で、「このままだと政府
債務の対GDP比率が200%に達するが、この
水準は国家財政の事実上の破たんを意味する
と言ってよい。たとえデフレが収束し経済成
長が回復しても、その結果金利が上昇すると
ただちに政府の利払い負担が国税収入を上回
る可能性が高いからである。」と述べています。
ところが、経済思想家の中野剛志氏が、「しか
し、現在の政府債務の対GDP比率は、吉川氏ら
が『国家財政の事実上の破たん』とした水準を
すでに上回り、230%以上となっているが、長
期金利はわずか0.03%に過ぎない。政府債務
の対GDP比率と財政破綻とは関係がないの
だ。」(「東洋経済オンライン2018年8月1日」)
と反論しています。
吉川氏の「警鐘」がまったく非現実的であっ
たことが事実によって証明されたわけです。
また、政府債務は、無利子無期限の新規国債
に次々に借り換えてゆくことによって、原則
として返済しなくてもよい特殊な「借金」な
のです。
国民が取り付け騒ぎでも起こして、返せ返せ
と押し掛けたわけでもないのに、いったい誰
に返すのですか。
それとも銀行ですか。
銀行は新規国債が発行されないために、発行
残高が不足して取引が成立せず、困っている
状態です。

政府は通貨発行権を持っていますし、日本国
債はすべて自国通貨建てです。
そうであるかぎり、財政破綻など起こりよう
がありません。
そもそも「財政破綻」の定義とは何でしょう
か。
御用学者や財務省は一度もこれを明らかにし
たことがありません。
それは、政府の負債が増えることではなく、
正確には、国として必要なのに誰もお金を貸
してくれなくなった状態を意味します。
しかしいまの日本は、国債を発行すれば、い
くらでも貸し手(直接には、主として銀行)
がいる状態です。

またたとえば、政府の子会社である日銀が市
場の国債を買い取れば、事実上、その「借金」
なるものは、買い取った分だけ減殺されるの
です。
現にここ数年日銀が行ってきた大量の量的緩
和によって、すでに日銀の国債保有高は400
兆円を超え、国債発行総額の4割に達してい
ます。
つまり「国の借金1000兆円超」というのは
デタラメなのです。

水利事業、インフラ整備、国防、災害対策
――これらは、現在、政府が果たさなくては
ならない喫緊の課題です。
税収で賄えない分は、どんどん新規国債の発
行で賄うべきです。
新規国債の発行は、これまでの負債の借り換
えによる補填以外は、そのまま政府の新たな
公共投資を意味しますから、市中へ資金が供
給され、内需の拡大に直結します。
日銀の金融緩和によって銀行の当座預金残高
がいくら膨らんでも、投資のための借り手が
大幅に現れなければ(現れていないのです
が)、デフレから脱却できません。
しかし政府の公共投資は、具体的な事業のた
めの出資ですから、確実に市場にお金が回り、
生産活動が動き出します。
それによる経済効果も、特に疲弊した地方を
潤すことになるでしょう。
やがて沈滞している消費も活性化し、30年
間伸びていなかったGDPも上昇、結果、税収
も伸びるでしょう。
こうした一石三鳥、四鳥の財政政策の発動を
阻止し、自分で自分の首を絞め、デフレ脱却
を遅らせて国民生活を窮乏に陥れているのが、
当の財務省なのです。

この程度のことは、少し勉強すればわかるこ
とです。
しかし政治家、学識者、マスコミ人のほとん
どが、この程度のことを理解していません。
残念ながらそれが日本の現状です。
自民党次期総裁選に立候補する石破茂氏も、
全然このことを理解していませんよ。
こんな人が次期総裁になったら、日本はさら
に悲惨です。
今の日本人の多くが、財務省を総本山とする
「緊縮真理教」という宗教の信者になってし
まったので、個別社会問題をあちこちでいく
ら取り上げても、根っこは、当の総本山にあ
るのだということが見えず、ある時点で必ず
思考停止してしまうのです。
マスコミで取り上げられる社会問題のほとん
どの原因は、財務省の緊縮路線にあるのだと
いうことにみんなが気付くべきです。
https://38news.jp/economy/12380


http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html#c26

[昼休み54] 『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった 中川隆
27. 中川隆[-13643] koaQ7Jey 2018年11月21日 10:33:59 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20959]

日銀が買い入れた国債は、再び売却しない限り、存在しないのと同じ
 

2015年11月28日
日銀国債買い入れで「日本破産」と喚いた連中 日銀国債は返済しなくて良い

日銀が買い入れた国債は、再び売却しない限り、存在しないのと同じ
引用:https://www.nissay.co.jp/enjoy/keizai/images/pict_60_03.gif


日銀による日本国債買い入れが急増し、いまや360兆円に達しているとされています。

この国債は返済を迫られるのか、それとも雲散霧消するのでしょうか。


安倍首相対財務官僚

2013年から2015年春にかけて日銀が国債を買い取れば「日本が崩壊する」と主張する人が大勢居ました。

それも立派な肩書きを持つ経済学者や大学教授、官僚や国会議員、著名文化人や投資家を総動員して「日本は滅びる」キャンペーンを展開していました。

日本という国では時おりこうした、国を挙げた反政府キャンペーンが展開され、最近では反安保法制がありました。

       

このように国全体、特に全マスコミや教育関係者に命令できる組織は官僚しかなく、特に財務省が政権を交代させたがっている時に起こります。

財務省は事実上全省庁の予算を握って命令できる立場に居るので、マスコミ、大学教授、言論人などあらゆる人々を利権によって動員します。

安倍首相が消費税先送りを決めてから、反安倍運動が展開されたのは偶然ではなく、そう指導した人が居たからです。


財務省は全省庁で唯一、日本の財政が悪化すればするほど権力を増し、利益を得る役所です。

日本財政が健全だった頃は、当時の大蔵省には何の権限も無く、田中角栄に子供のようにあしらわれていました。

だから財務官僚は日本の財政を悪化させて地位を高めようとし、その為の有効な手段が消費税です。


消費税を導入すれば国民は消費をしなくなるので日本のGDPが減少し、税収も減少するのが分かっています。

消費税増税で得られる僅か数兆円のために、日本のGDPを減らして数十兆円の税収を減らすことが出来ます。

税収を減らせば財政は悪化するので、財務官僚の権勢は朝廷を支配した平家一族並みに高まるでしょう。


その財務官僚に真っ向から歯向かう行為が「日銀の国債買い入れ」でした。


嘘つき学者達は沈黙した

日銀による国債買い入れは安倍首相就任後の2013年から始まり、同時に財務省による「日本が破産する」キャンペーンが始まりました。

この頃ごく一部の変人を除いて、全ての経済アナリストや評論家は、日銀による買取に反対していたと思います。

代表的な意見は「金利が急上昇して国債支払い不能になりデフォルトする」というものでした。


別な意見では「ハイパーインフレが発生してジンバブエのようになり日本は破産する」とも言っていました。

ジンバブエは超インフレで100兆ジンバブエ・ドル札を発行したので知られていて、国庫金が2万円を割り事実上破産しました。

インフレ率は5000億%に達し、トイレットペーパーを買うのにその何倍もの紙幣を持っていかなければなりませんでした。


中央銀行が国債を買い取れば信用が低下して金利が上がる、国債を買い入れてお金をばら撒くのでインフレになる。

両方とも事実ですが話が極端であり、普通は僅かに金利が上がり、僅かにインフレ率が上がる程度です。

例えばアメリカはリーマンショックの時に、日銀を遥かに上回る国債買い入れを行いましたが、少し変化した程度でした。


日本崩壊論は大嘘も良い所で、カブトムシを見て大怪獣だと叫ぶような行為でした。

そう言っていた偉い先生達は今は黙り込んでしまい、自分がそう主張した過去すら隠そうとしています。

替わって彼らが現在言っているのが「日銀が国債を買っても借金は減らない」という主張です。


財務省が発表した「日本の借金」のうち、本当の借金は半分以下に過ぎない
201505081803
引用:http://www.marketnewsline.com/news/images/201505081803.jpg


日銀が買い取った国債はどうなる?

日銀が買い入れた国債はやがて満期を迎え償還されるが、日銀が「国債乗換」をすれば政府はお金を支払う必要がありません。

「国債乗換」とは満期が来た国債を1年間の短期国債と交換する行為で、毎年繰り返すと支払わなくて済みます。

日銀保有の国債は毎年10兆円以上満期を迎えているので、その分の支払いは免除されている恰好です。


日銀の保有国債は300兆円を突破していて、まだまだ買い入れをするつもりなので、やがて400兆円にもなるでしょう。

日本国債の発行残高は約800兆円ですが、色々なカラクリがあって実際には400兆円程度しかありません。

例えば「高速道路の通行料やガソリン税で支払う」と財源が決まっている建設国債も「国債」と一まとめに計算されています。


国民が支払う借金ではないので建設国債を外国では国の借金に含めていませんが、こうした手口で財務省は日本の借金を多く見せかけています。

従って日銀が400兆円の国債を買い入れるという事は、事実上日本国債の全てを日銀が買い占めるという事なのです。

国債買い入れの先輩である米国FRBを見ると、毎年3000億ドル(40兆円)も国債を買い入れているが、FRBが倒産するという噂はありません。


FRBの総資産は2014年末でで2.5兆ドル(約300兆円)まで膨らみ、現在はもっと増えたと思います。

FRBは満期を迎えた国債を償還し、再び国債に投資していて、日銀の「国債乗換」とほぼ同じ事をしています。

FRBが得た金利収入は政府に納めているので、政府はFRB保有分は実質的に国債金利を支払っていません。


インフレによって国債の価値は少しずつ減少し、一方で金利は払わず、実質的に償還もしていないのでFRB保有分は、政府の負担になりません。

長期的には中央銀行保有分の国債はインフレによる価値の目減りでどんどん減少していくでしょう。

日銀が保有する日本国債も同じことで、インフレ率がプラスでさえあれば返済する必要が無いのです。


これに異を唱えているのが財務省による宣伝部隊で、インフレになればインフレ率を下げるために、日銀は国債を売却せざるを得ないと言っています。

これもまた小さな事を大げさに言う類で、今の日本のインフレ率はゼロなのに、10%になった時の事を心配しているのです。

日銀が国債を売却しなくてもインフレ率を下げる方法は色々とあり、すぐに国債を売却する必要などありません。


というわけで日本は800兆円だか1000兆円の借金を気にする必要は無く、年度ごとの収支だけを正常にすれば「破産」はしません。

気がかりなのは安倍首相や日本政府が、財務省の言いなりになって消費税を増税し、再びマイナス成長にする事です。
http://thutmose.blog.jp/archives/48914879.html

2016年02月15日
金融緩和で国債買取280兆円 日銀への利払いや償還はどうなった


日銀は毎年90兆円ペースで国債を買っています
引用:http://livedoor.blogimg.jp/aps5232/imgs/1/0/1058642f.jpg


日本政府が発行した国債の27%を、日銀が保有しているのが分かりました。

今年はさらに増えそうですが、日銀が保有している国債の償還や利払いはどうしているのでしょうか。


日銀が国債の27%を保有

日本銀行が保有する日本国債は、2016年1月29日で、日銀HPで2,855,022億円つまり285兆円に達しました。

国債残高は財務省HPで1029兆円と書かれているので、日本国債の27.7%を日銀が保有しています。

2012年末には89兆円、2014年末には190兆円(短期国債を除く)だったので、1年で90兆円のペースで買っているのが分かります。

今年も同じペースなら2016年末には370兆円近くになり、日本国債の35%を日銀が保有する事になります。

いったい日銀が保有した国債は将来どうなり、金利の支払いなどはどうなっているのでしょうか。

国債には満期があり、10年国債は10年後に額面の金額を支払う必要が生じます。


しかし日銀は「国債乗換」をするので政府は償還する必要がありません。

「国債乗換」は満期が来た国債を別の国債と交換することで、繰り返すことで国はお金を払わずに済みます。

日銀保有の国債は毎年10兆円以上満期を迎えているので、その分を国は支払わなくて済んでいます。


ではもし日銀が「国債乗換」をせず満期を迎えたらどうなるのか、興味深いですね。

理論上政府は日銀に額面の金額を支払わねばならないが、「必ず支払う」のではなく請求があって初めて支払います。

日銀がもし政府に請求しなかったら、財務省のHPの説明では満期から10年間請求しなければ、請求権が消滅します。


日銀国債の償還や利払いはどうなっている

日銀は政府の借金を消す為に、満期を迎えても請求せず、10年経ったら国債は消滅してしまうのです。

日銀保有国債が消滅し、政府がお金を払わなければ日銀は額面分の損失を計上する事になります。

日銀が巨額損失を被ったら、破産して日本は倒産するのでしょうか?


日銀が国債を買いまくっているのは、金融緩和をしてインフレ率を上げて、経済成長するためです。

従って充分にインフレ率が上昇し、経済成長率が上がったら、逆に保有国債を手放す「出口戦略」を取るでしょう。

すると政府は新しい国債保有者に現金を償還する必要があるが、その時は経済が好転し税収も増えているので問題なくなる。


インフレ率が上がると金利も上がるので、政府の支払いが増えるが、それはインフレ率上昇で相殺されます。

こんな風にやがて日本経済が好転すれば、問題も解決する事になっています。

ところで現在日本は政策金利がマイナスですが、日銀保有国債への金利支払いはどうなったのでしょうか。


政策金利がマイナスになっても国債金利がマイナスになった訳ではないので、国は金利を支払う必要があります。

実際政府は日銀に金利を支払っていますが、「国庫納付金」という名目で政府に戻しています。

日銀の決算日には「受け取った」事にしておいて、決算後に政府に戻すことを延々と繰り返しています。

要するに日本政府は日銀が国債を持っている限り、利払いも償還もしていないのです。
http://thutmose.blog.jp/archives/54757382.html



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【青木泰樹】広義の政府負債から眺めると
投稿日: 2016/09/10 From 青木泰樹@京都大学レジリエンス実践ユニット・特任教授

先月も報道された「国の借金、1053兆円(平成28年6月末現在)」。

もはや風物詩と化したマスコミのプロパガンダですが、財務省が3か月ごとに発表する統計(「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」)に基づいて報道されますので、ほとんどの国民は嫌でもこの嘘を年間4回聞くことになります。

刷り込みを狙っているのでしょうね(そもそも国民経済は政府と民間経済から成り立っており、民間を無視して政府だけを抜き出して「国」と決めつけるところに土台無理のある話です)。

この統計には、一般政府の債務に分類されない「償還や利払いが租税からなされない財投債」も借金として計上されており、かなり盛り込んだ数字になっています。
少しでも大きな金額に仕立てあげて、増税の地ならしのために「国は借金漬けで大変だ」という印象を政治家や一般国民に抱かせようとしている意図を、大半の皆さんは既に見抜かれていることでしょう。

本日は、「広義の政府の負債」についてお話しします。

それを突き詰めていけば、経済成長(経済の健全化)を目指す財政運営がいかに重要であるかを理解できると思います。

政府の負債(借金)と聞けば、先ず国債が思い浮かぶでしょう。

国債は政府負債の中心ですから(6月末で800兆円強あります)。

他方、一般の人にはあまり知られていませんが、ベースマネー(現金)もまた政府の負債なのです。

正確には日銀券は日銀の負債ですが、政府と日銀(中央銀行)のバランスシート(B/S)を結合した「統合政府(広義の政府)」を考えれば、日銀券は政府の負債となります(日銀のB/Sの負債側に日銀券、資産側に国債、政府のB/Sの負債側に国債、資産側に徴税権が置かれますから、両者を足し合わせるとそうなります)。

現在、ベースマネーは約400兆円です。

財務省は「国の借金」の中にベースマネーを加えておりません(加えればもっと大きな数字に見せることができるでしょうに)。

さすがに償還義務も利払いも必要ない現金残高を「国の借金」と強弁するのは躊躇(ためら)われたからでしょう。

さて「広義の政府負債=国債残高+ベースマネー(現金残高)」と定義して、この観点から金融政策および財政政策を考えます。

先ず、日銀は量的緩和(国債買取り策)によって何をしているのでしょうか。

実は「民間保有の国債」と「現金」を交換しているだけなのです。
すなわち日銀と民間銀行の間で政府の負債同士を交換しているだけなので、量的緩和によって民間保有の広義の政府負債残高は変化しません。

政府負債の増減とは全く関係のない政策なのです。

それでは、量的緩和のメリットは何でしょうか。

ひとつは、償還も利払いも必要な「負担になる政府負債(国債)」を、そうした必要のない「負担にならない政府負債(現金)」と交換することによって政府の負担を減らせることです(民間に対して利払いや償還をしなくて済みますから)。

次に、金利全般を押し下げて資金の借りやすい経済環境を整えることです。
この二つは量的緩和によって確実に実現できました。

しかし、日銀の思惑通り(教科書通り)にインフレにはなりませんでした。その理由は、私がよく持ち出す下記の定義式を見れば簡単にわかります(ここで非金融部門は個人と企業から成る実体経済を指します)。

「ベースマネー(B)=金融部門保有の現金(B1)+非金融部門保有の現金(B2)」。

「マネーストック(M)=B2+非金融部門の預金(D)」。


量的緩和は銀行保有の国債と交換にB1(日銀当座預金)を増やすだけの政策ですから、当然のことながら、直接マネーストックは増えません。

実体経済の規模を表す名目GDPに影響を及ぼすのはマネーストックですから、量的緩和だけでは景気に影響を及ぼすことができず、それゆえインフレにもならないことは自明です。

しかし既存の経済学では、民間経済を二部門に分けず一元的に考えますので、B1とB2を区別することができず、それらを一緒くたにしてしまいます(同じ鍋に入れる)。

結果的に金融部門と非金融部門(実体経済)が混在した中でベースマネーとマネーストックを考えることになりますから、ほとんどの経済学者は貨幣認識に関して間違えます。

例えば両者の関係を「貨幣乗数(M÷B)」と定義して、貨幣乗数の値が安定的(一定値で推移する)なら、「ベースマネーによるマネーストック管理は可能である」といった岩田日銀副総裁の好きそうな結論が出てくるわけです。

しかし、現実経済では貨幣乗数の値は不安定で、量的緩和をすればするほど低下を続けています。

これは当たり前のことで、多少専門的になって申し訳ないのですが、経済学の貨幣乗数の定義式に「銀行の超過準備(現金)」は入っていない(論理的に入れられない)からなのです。経済論理で理屈がつけられないのです。

そうした現実的要素を捉えるための認識手段として、私は再三再四、「民間部門を二分割し、かつ貨幣の役割を考慮して貨幣循環を考えましょう」という動態的貨幣論を唱えているわけです。

さて、量的緩和(B1の増加)によってマネーストックは自動的に増えないことが理解されたと思います。

それでは、マネーストックが増える条件は何でしょう。

それは実体経済(非金融部門)の預金(D)が増えることです。

そのためには企業や個人が銀行融資を受けて投資を行うことが必要です(投資支出が他者の所得増になり、結果的に預金が増えるのです)。

すなわち、この不確実な世の中でリスクを負って借金をする人(投資者)がいてはじめて、言い換えれば「借金」があってはじめて経済は成長するのです。

注意すべきは超過準備(B1)から融資が行われたのではなく、信用創造によって民間に新規の購買力が生まれたのですから、この場合、日銀当座預金の額は変わらないことです(無論、政府負債残高も変わらない)。

ところが先行き不透明な現況で民間の資金需要は低迷せざるを得ません。

金利が底ばいを続ける中、さらに僅かの金利低下があったとしても実物投資を刺激しないことはこれまでの経験から実証済みでしょう(投資が実質金利のみに依存するのは経済学の世界だけの話)。

しかし日銀は銀行に融資を拡大させるために、マイナス金利を導入しました。

銀行にペナルティを課して融資を促す政策ですが、民間に資金需要の無い状況では、いたずらに銀行収益を圧迫させ、リスク資産への投資を促すだけです。
投機を助長し金融を不安定化させる政策ですから、天下の愚策といえましょう(マイナス金利の深堀はさらに混迷をもたらします)。

マネーストックを増やすもう一つの手段は、非金融部門の現金(B2)を直接増やすことです。

これは民間金融機関を通さない「新規の政府負債の創出」ですから、ミルトン・フリードマンのヘリコプターマネー(元祖ヘリマネ)ですね。
以前指摘したように、昨今のヘリマネの定義はさまざまです。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2016/07/09/aoki-28/

そのとき紹介した若田部昌純早大教授のヘリマネの定義は「貨幣を増やし、増えた貨幣が恒久的に残ること」で、ヘリマネと量的緩和の違いは「増やした貨幣を将来回収するか否か」でありました。

定義は約束事にすぎませんから、人それぞれどのような定義であっても、そこから有意な論理が展開されれば問題とはなりません。

ただし若田部氏の定義は、「新規の政府負債の創出」を意味しないので、フリードマンの元祖ヘリマネとは全く別物といえます。

若田部氏の定義を現実的観点から解釈すれば、「日銀当座預金を増やし、増えた日銀当座預金が恒久的に残ること」をヘリマネと言っているのですから。

先述した通り、量的緩和によっても広義の政府負債は不変ですから、将来民間銀行から現金を回収しようとしまいと政府負債残高に変わりはありません。

ヘリマネといった奇策を用いることなく、新規の政府負債の創出を伴うことなく経済を成長させ、結果的にマネーストックを増加させる手段こそ財政出動なのです。
以前より指摘しているように、「日銀保有の国債を徐々に新規の政府債券(無利子長期国債)と交換する」という適切な出口戦略をとれば、いわゆる国債の累増に起因する問題は完全に解消します。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2016/06/11/aoki-27/

もちろん、この場合も広義の政府負債残高は変わりません。

ただし日銀が量的緩和を今後も継続すると、民間保有の国債が干上がることになります。

民間金融機関にとって国債は長期資金の運用手段として、また担保用としてある程度保有する必要がありますから、この事態は避けねばなりません。

そのためにも、また現在の日本を取り巻く様々な脅威(地震や台風といった自然災害、外国からの軍事的圧力等)に備え、かつ国土の比例的発展を促すための資金調達手段として適切な量の建設国債を発行する必要があるのです。

日銀が買い、政府が売る。

これが金融政策と財政政策のバランスをとる王道なのです。

肝心なのは、建設国債は市中消化されねばならないことです(日銀が量的緩和をしている以上、金利は上がらない)。

銀行に国債を与える必要があるからです。

市中消化によって日銀のB/Sの負債側にある日銀当座預金から、同じく負債側の「政府預金」へ現金が移動することになります。

すなわち日銀当座預金の中で超過準備として死蔵されたカネ(所得を生まない不活動貨幣)を、政府が建設国債の発行により調達し、実体経済(非金融部門)へ注入することによって所得化するカネ(活動貨幣)に転換するのです。

結果的にマネーストックは増加し、名目GDPも増加するのです。

民間主体が投資意欲のない(借金しない)状況で、政府が社会に有益な投資のための借金をすることで、経済は成長するのです。

この場合、建設国債が市中消化されているわけですから、当初からの広義の政府負債残高は変化しません。

それゆえヘリマネではないのです。

近視眼的に日銀当座預金の増加を以って、それがあたかも財貨への需要増をもたらすと捉え、ハイパーインフレの危険性を唱える主流派学者の間違った懸念も生じないでしょう。

現行の枠組みの中で真っ当な政策を実施すれば、ヘリマネを持ち出さなくとも景気浮揚は可能なのです。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/category/aoki/page/2/




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森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 日本の財政は世界一健全
掲載日時 2016年10月26日 14時00分 [政治] / 掲載号 2016年11月3日号


 財務省はこう主張している。

 「日本は1000兆円以上の借金を抱えていて、財政が破たん状態にある。高齢化社会の社会保障費を賄うためにも、消費税率を引き上げていく以外に方法はない」


 しかし、本当に日本の財政が破たん状態なら、なぜ日本の国債にマイナスの金利がつくのだろうか。財政破綻した国の国債は、信用されないから、高い金利を払わないと資金が調達できない。例えば、'09年の政権交代により財政赤字が表面化、結果、破たんしたギリシャでは、国債金利が一時、40%を超えたのだ。

 日本国債の金利が世界一低い理由は、財務省自身が発表している資料を見ると明らかになる。

 財務省が今年1月に発表した「国の財務書類」によれば、日本政府(一般会計+特別会計)が抱える負債は1171兆円と、国民がよく知っている数値となっている。ところが、日本政府が抱えている資産額が679兆円もあるため、純債務は492兆円にすぎない。財政の実態は、イメージとずいぶん異なる。GDPの2倍あると言われている借金が、実質的にはGDPと同じ程度しか存在しないからだ。

 また、今年3月に財務省が発表した「連結財務書類」をみると、事態はさらに改善する。これは、日本政府に加えて各省庁から監督を受けるとともに、財政支援を受けている特殊法人、認可法人、独立行政法人、国立大学法人などを加えたものだ。

 これによると、平成26年度末の純債務は439兆円とさらに減少する。しかも、前年度の純債務は451兆円だったから、借金は1年間で12兆円も減少しているのだ。そのため、少なくとも日本の借金が毎年増え続けているという認識は、事実と異なるのだ。
 さらに、この連結財務書類には、日本郵政や日本政策投資銀行などが含まれているが、肝心の日本銀行が含まれていない。その日本銀行が財政の一番のカギを握っている。

 これまで、日銀は金融緩和を進めるために、年間80兆円という猛烈なスピードで国債を買い続けてきた。日銀のバランスシートを見ると、平成26年度末の国債保有高は270兆円に達している。実は、この日銀が保有する国債は、政府にとって事実上返さなくてよい借金なのだ。

 実態はもう少し複雑だが、シンプルに言うと、日銀は国債を市場から購入して、日本銀行券を発行する。日本銀行券は、国債と異なって、利払いの必要がないし、元本返済の必要もない。つまり、国債を日銀が購入するということは、国債を返済不要の日銀券にすり替えるということなのだ。そこで、日本の連結純債務の439兆円から、日銀が保有する国債残高の270兆円を差し引くと、日本政府の本当の借金は169兆円ということになる。

 しかも、これは平成26年度末の話だ。平成27年度末の日銀の保有国債は349兆円に増えているから、日本の本当の借金は、90兆円にすぎない。しかも今年度も年間80兆円ペースで日銀は国債を買っているとみられるから、日本政府は、今年度末には実質無借金経営になる。

 長かった財政再建が、ようやく今年度に完了するのだ。
http://wjn.jp/article/detail/1787426/



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「ブタ積み」された不換紙幣の価値とアベノミクス
http://www.asyura2.com/13/ban6/msg/621.html

アベノミクスと貨幣数量説 埼玉学園大学教授 奥山忠信 (2014/02/03)


 2年間で貨幣量を2倍にして、2%の物価の上昇をもたらす。言うまでもなく、アベノミクスと呼ばれる経済政策の根幹をなす黒田日銀総裁の金融政策である。貨幣量の調整を経済政策の基本とする点で、マネタリズム(貨幣量の増加が物価を上げ、貨幣量の減少が物価を下げるという経済学の伝統的な学説)にもっとも忠実な政策である。

 30年前のアメリカのレーガン大統領の政策と目標は逆だが、手法は同じである。いわゆるレーガノミクスが、インフレとの戦いを目標にしたのに対して、アベノミクスはデフレからの脱却を唱えている。レーガンの新保守主義を支えたマネタリズムの巨匠フリードマンが、インフレは貨幣現象である、という名言を残したが、安倍首相は2013年2月7日、衆議院予算委員会において、デフレは貨幣現象である、とフリードマンを真似ている。

 たしかに、アベノミクスの推奨者たちは、現政策を単純な貨幣数量説ではないと主張し、インフレマインドの定着を唱えている。フリードマンは、マインドの定着は20年かかると言っている。インフレが起きてから20年という意味である。今回の政策は、インフレが起こる前にインフレマインドを定着させようとする点と、インフレマインドを短期に定着させようとする点が、新しい点と言えなくもない。

 しかし、これは「騙せたら勝ち」と言っているに等しい。危うい政策であり、メディアの「大本営発表報道」的協力を不可欠とする政策と言える。文字通り背水の陣の政策である。しかし、背水の陣の政策は、本当に有効性を持つのかどうか。

 ■19世紀への先祖返りの結果

 1980年代以降のマネタリズムの隆盛と、1990年代以降のグローバリゼーションの急展開で国家対市場の対立が叫ばれ、国家や社会による保護を前時代的なものとし、規制緩和を是とする経済思想が席巻した。そして、市場主義の下での自由競争を最も効率的なシステムとする思想が広く受け入れられるようになった。これは19世紀への先祖返りである。

 第二次世界大戦後に人類の「進歩」と思われていたケインズやマルクスの「革命」は、マネタリズムによって一掃されてしまった。いわゆるフリードマンによる経済学上の「反革命」の勝利である。

 しかし、市場主義の下での自由競争は、不運な弱者を淘汰し、格差社会は世界的な傾向となった。新興国はもとより、先進国の貧困問題が時代の新しい主要な社会問題として浮上してきた。

 わが国もまた、労働者の3分の1を非正規雇用とする社会となった。事実上の社会主義とさえ言われていた70〜80年代の日本の賃金体系がたちどころに崩壊し、先進国内でもまれにみる速さで格差社会を生み出したのである。

 ■通貨変動相場制を真に受けた唯一の国

 今、アベノミクスで株価が1.5倍になるなかで、2013年下半期(7〜12月)の実質賃金(物価変動を考慮した賃金)は、1%を超える下落が予想され、リーマン・ショック以来の下落はばとなる。年間60〜70兆円の貨幣供給は、賃金には反映していないのである。

 日本の賃金は下降線をたどり続けている。これは国際化への日本的な対応の帰結であった。その基本的な原因は、日本が変動相場制への転換を生真面目に受け止めた点にある。ニクソン・ショックとスミソニアン体制の崩壊後の1973年以降、変動相場制が導入された。

 1944年のブレトンウッズ会議によって作られた第二次世界大戦後のIMF体制は、固定相場制とアメリカ・ドルと金との兌換(1トロイオンス=35ドル)によって成立していた。ニクソン・ショック(1972年8月)による戦後体制の崩壊は、資本主義世界の崩壊を思わせるほどの衝撃であった。しかし、東西冷戦下、ベトナム戦争の泥沼化が続く中で、アメリカは金兌換による金の国外流出を見逃すことはできなかった。戦時には紙幣はただの紙に戻る。金は戦時には不可欠の貨幣となる。

 変動相場制は、金・ドル兌換停止と国家の為替市場への不介入を前提とする。国家が為替市場に介入しないということは、外貨準備が不要になることを意味する。変動相場制に伴う為替以上の混乱は、先物市場が作られることによって回避されるものとされていた。フリードマンが提唱したこの学説は、貨幣に関する市場主義であり、外貨準備不要の理想的なシステムとされていた。

 しかし、理論的な関心は持たれていても、その現実性は信じられていなかった。信じられていなかったからこそ、8月のニクソン・ショックの後の変動相場制を12月のスミソニアン合意によって固定相場制に戻したのである。その崩壊は、変動相場制の理論的な優位ではなく、固定相場制の放棄の帰結に過ぎない。

 現実の変動相場制は、為替を維持するために大量の外貨を必要とし、国家が為替介入し、国際的な協調体制をとることによってかろうじて維持されてきた。当初の理論的な想定とはあまりにも違いすぎる。為替リスクを回避すると言われていた先物市場も、アジア通貨危機(1997年)には、投機の対象として利用された。

 変動相場制を真に受けたのは日本だけと言える。ヨーロッパはさまざまな制度を作って広域経済圏の固定的な為替相場を維持しようと努めていたし、新興国はドルをはじめとする強い通貨にリンクして貿易の安定を保とうとしていた。この動向は今でも同じである。ヨーロッパの努力の結果が欧州単一通貨ユーロである。ドルが世界通貨である限り、アメリカは経常収支の制約を直接に受けることはない。おそらくは、日本が変動相場制の被害を一番被った国であろう。

 ■起きなかったトリクルダウン

 1985年プラザ合意時の1ドル250円水準から、1995年の1ドル=80円の円高まで、10年間で円は3倍になる。以後一時的に円安に振れることはあったが、円高基調は続いた。日本は、この経済環境の悪化を、国外への生産拠点の移動と賃金の切り下げによって国際的な競争力を維持し乗り切ろうとしたのである。

 正規雇用者の賃金の上昇を抑え、非正規雇用を急激に増やすことで、グローバリゼーションに対応したのである。名ばかりの労働市場の流動性である。規制緩和の行きつく先が今であり、安易な市場主義導入のつけが回っているのである。

 戯言を言わせてもらえば、もしニクション・ショック(1971年8月)がなければ、・・・金とドルとの兌換、そして固定相場が維持されていれば、日本は今でも「ジャパン・アズ・ナンバーワン」でいられたかもしれない。

 現状は、過少消費不況である。非正規雇用の急激な増大が、貧困化をもたらし、消費需要を停滞させているのである。政府が経営者団体に賃上げを迫るという異常事態は、この問題の深刻さを政府が認識していることを示している。富者を富ませれば徐々に貧者も豊かになるというトリクルダウンは起きなかったのである。

 ■「ブタ積み」されたマネーの効果

 日銀が供給した膨大なマネーはどこに消えたのか。日銀の中の金融機関の口座の中に眠っているだけである。これを隠語で「ブタ積」みという。貨幣数量説による貨幣量の増加のイメージは、しばしばヘリコプター・マネーと呼ばれる。貨幣数量説の論者であるベンバーナンキが「ヘリコプター・ベン」と呼ばれたのは、貨幣数量説による。

 本当にヘリコプターから1万円札を撒くのなら拍手喝采であろう。しかし、そうではない。量的緩和のために日銀券を刷るわけではない。日銀券はアベノミクスの計画でもほとんど増えない。金融機関の国債が日銀に移り、日銀の中にある金融機関の口座に莫大な代金が振り込まれるだけである。紙幣の印刷費もかからない。

 そこから先に貨幣が流れるかどうかは、企業と金融機関の行動次第である。実際にはなかなか流れないのである。不況マインドの中では、資金は借りたくても借りられない。貸したくてもリスクが大きすぎる。統計上の雇用が増えても、非正規雇用が増えるだけで、肝心の実質賃金が下がるとなると、何の効果もなかったことになる。「ブタ積み」の量が増えたのである。根本的な問題は、貨幣の問題ではないのである。

 しかし、日銀が国債を買って貨幣を供給するという手法は、国債の値段を上げ、金利を低くする効果は期待できる。もともとゼロ金利状態なので、その変化はわずかであり、国内の製造業がこの微々たる金利の変化で投資行動を変えることは考えにくいが、金融機関にとってはわずかな差も見逃せない。金利の低下が期待されれば、円は売られ、円安になる。この期待は為替を円安に誘導する。輸出産業にとっては、これは有利に働くはずである。

 言うまでもないが、円安による輸入価格の上昇は、デフレからの脱出ではあっても、不況の脱出の指標ではない。物価が上がっても喜ぶべきことではない。むしろ実質賃金の低下の要因となる。また、財政投資によるGDPの増大は、経済成長ではあるが、ケインズの手法であり、マネタリズムの批判してきた政策である。貨幣量増大の成果に数えるべきではない。

 また、国債を日銀が買うことによって、日銀以外の機関の投資行動が、国債から株にシフトすることは十分に考えられるので、株式市場は活性化する。あるいは活性化することが期待される。現状は外資中心の株の売り買いだと言われているが、この思い込みによって株価は上昇する。ただし、株価の上昇と実体経済の成長とは直接の関係はない。株価は株価、架空の評価である。株でもうけた人が、もうけた分を株に投資しないで消費に回すという仮定で成り立つ話であり、多くの期待は出来ない。

 株や不動産は、生産を刺激するものではないので、いくら上昇しても、実体経済に結びつく保証はない。貨幣を増加すれば、為替が下がり、株価が上がる効果は期待できるが、景気が回復して物価が上がる保証は特にないのである。

 ■貨幣数量説の本来の意味とは?

 なぜそのような幻想が生じたのか。それは貨幣数量説の出自と理論にある。貨幣数量説の起源は不確かである。貨幣が増えれば物価が上がるという考えは、日常経験に馴染みやすい。とは言え、この学説は、コロンブスのアメリカ発見以来の金銀のヨーロッパへの流入、これに伴う16世紀のいわゆる価格革命と呼ばれる時期に普及している。当時のヨーロッパの貨幣は金と銀である。その増加と物価の上昇が軌を一にしたのである。

 これが学問的な関心の対象となった。貨幣数量説の創設者には、ジョン・ロック、モンテスキュー、デイビッド・ヒュームという世界史を飾る知性が名を連ねている。この学説は、ヒュームにおいて完成するが、有名な公式は20世に入ってから、アーヴィング・フイッシャーによって作られる。MV=PT(M:貨幣量、V:貨幣の一定期間での使用回数あるいは流通速度、P:価格、T:取引量)、である。千円札が5枚、1週間に各3回使われたとすると、1万5千円。アイスクリームが1個100円で1週間に150個売れたとすると、1万5千円。購入総額(MV)と販売総額(PT)は常に等しいので、この公式は常に成り立つ。Vが慣習的に一定でTにも大きな変化が一般にはないと仮定すると、MとPは、比例定数1の正比例関係になる。つまり、一方が2倍になれば他方も2倍になるのである。MV=PTが「自明」であるとすれば、この正比例関係も「自明」になる。

 フリードマンによれば、貨幣量と物価の比例関係を言うだけでは貨幣数量説ではない。貨幣量の増加が原因で、価格の上昇は結果であると言うことが重要である。Mが原因で、Pが結果であるということは、この等式からは本来導くことはできない。価格が上がれば貨幣量も増えるという必要流通手段量説も成り立つ。この考えは貨幣数量説に対する批判の系譜として伝統的に受け継がれている。アダム・スミスやカール・マルクスなどがそれであり、現在の貨幣供給に関する内生論もこの系譜にある。

 とは言え、貨幣数量説にとっては、貨幣の供給が外生的に決まる、とすることで政策手段としての意味を持つ。しかし、この学説には当初から根本的な疑問が付きまとっていた。貨幣量が増えれば本当に需要量は増えるのか(ジェームズ・ステュアート)、貨幣が増えても使われなければどうなるのか、という疑問である。使われなかった貨幣は物価に影響しないのだから、等式から外して、貨幣数量説を成立させる(J.S.ミル)見解も登場する。

 単純化すれば、一定期間に100円のアイスクリームが1個売れ、100円玉が一個使用された、というだけの等式である。自明ではあるがそれ以上の意味は持たない。今でも、使われた貨幣だけを取れば、貨幣数量説はいつでも成立する。問題なのは供給されたが、使われなかった貨幣の存在である。今の日銀の目標は、貨幣量を2倍(基準年の200%)にして、物価を2%上げることにあるが、それ自体が、本来の貨幣数量説とは程遠い。

 ■国際的通貨システムの根本的な見直しを

 ニクソン・ショック以降、アメリカ・ドルは一国の不換紙幣のままで世界貨幣として信認されてきた。ロバート・マンデルによれば、シニョレッジ(貨幣発行益)がアメリカ一国によって独占されている状態であり、道義的にいつまで続くかわからない状態にある。各国通貨もまた不換紙幣である。通貨発行の歯止めは失われつつある。

 それとともに、バブルとその崩壊が景気循環を主導するようになっている。アメリカはリーマン・ショックの後で、4カ月で通貨を3倍にして、証券市場崩壊の危機を乗り切っている。しかし、増えた貨幣を回収することは極めて困難である。量的緩和を縮小したり、場合によっては止めたりすることはあっても、通貨量を元に戻すことはありえるのだろうか。市中に流された大量の貨幣は、次のバブルの源泉となる。その分だけバブルとその崩壊の規模が大きくなる可能性が高い。

 しかし、それだけではない。不換紙幣は固有の価値を持たない。貨幣数量説が唱えるように、貨幣量によって比例的に貨幣価値が管理されているわけではない。貨幣価値は人々の社会的な幻想によって維持されているにすぎない。貨幣価値に対する信認の崩壊は、インフレのレベルを超えて市場の崩壊である。

 格差社会の現実に立ち向かい、現代の国際通貨システムを根本的に考え直す時期に来ていると言える。
http://judiciary.asahi.com/fukabori/2014013100001.html  




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借金まみれ扱いの日本の国家財政は「世界一健全」と森永卓郎氏
週刊ポスト2017年1月13・20日号

「日本は1000兆円も借金があるから増税しなければいけない」

「ギリシャのように破綻する可能性がある」

──新聞・テレビで何度も繰り返されてきた“警告”だ。

だが、日本という国家の財務状況は「借金の額」だけを見ても判断できないはずだ。

 投資家や銀行が企業の経営状態が健全かをチェックする際には、必ず「バランスシート」を見る。傘下に多くの子会社を抱える大企業の財務体質をはかる場合、子会社を含めた連結決算の財務諸表を見なければ本当の姿はわからない。

 国の財政も同じだ。主要国は政府の財務諸表を作成する際、政府単独とは別に、政府と中央銀行の財務諸表を合算した「統合政府」のバランスシートを作成している。しかし、日本(財務省)はそれを作成していない。

経済アナリストの森永卓郎氏が語る。

「信じ難いかもしれませんが、政府と日銀を含めた連結バランスシートを考えると、いまや日本の国家財政は世界一健全なんです」

 アベノミクスの開始以来、日銀は大幅な金融緩和で国債を大量に買い続け、2016年10月には日銀の国債保有残高は400兆円を超えた。

 日銀はお札を刷って、国債を買っている。つまり、日銀のバランスシートには、保有する400兆円の国債が「資産」に計上され、「負債」には市中銀行が日銀に預けている当座預金と日銀券(お札)の発行額が計上される。

 森永氏の解説を簡単に説明すると、

政府と日銀のバランスシートを合算(連結)して考えると、政府が発行した900兆円近い国債のうち400兆円は「統合政府」自ら保有しているから相殺され、実質的な国債発行額は500兆円に減る。

 かわりに日銀券と銀行の当座預金の400兆円が「負債」に計上されるが、いくらでも自由に発行できる日銀券は返済の必要がなく、銀行が当座預金の引き出しを求めた場合も日銀はお札を刷って払うことができる。

いずれも事実上、返済する必要がない負債だ。


 日銀が国債を買い入れたことで、国(統合政府)のバランスシート上、資産の裏付けがない借金である純債務は491兆円から91兆円に大幅に減ったのである。

 当然ながら、そのリスクも指摘されている。

本来、中央銀行に国債を大量に買わせるとインフレ、国債暴落、通貨安という副作用が起きて、国民生活に大ダメージを与えるとされてきた。

ところが、日本には“特殊な状況”が生まれているというのだ。


「現在の日本経済は日銀が物価を上げたくても上がらない、国債はゼロ金利だから多少金利がついた方がいい、為替ももう一段の円安が望ましい。

副作用が起きても全部プラスに働く。
こんな国は日本だけで、世界でも日本だけが使える魔法なのです」(森永氏)


 国の資産を管理する財務省理財局の資金企画室長などを歴任した嘉悦大学教授の高橋洋一氏もこういう。

「私が初めて国のバランスシートをつくった当時と一番違っているのはそこです。

日銀の国債大量買い入れによって統合政府のバランスシートでみると日本の借金は大きく減り、財政再建は終わったと考えていい。

 20年前、私が米国プリンストン大学に留学中にバーナンキ教授(前FRB議長)が、

『中央銀行が量的緩和してもインフレにならなければ財政再建ができるね』

といったことがある。それがまさに20年後の日本で現実になった」


 一方で、財務省は“まだ日本は借金大国で増税が必要だ”としきりに繰り返している。

しかし、いまこの国に必要なのは、増税ではなく、経済成長でもっと国の税収を豊かにし、将来の年金問題を解決することだろう。

 たしかに専門家の中には、たとえ今インフレが起きていなくても中央銀行の国債大量買い入れがいきなりハイパーインフレを引き起こすリスクがあると指摘する声も多い。手放しで現状に安心はできないだろう。

 ただ、国が借金をする裏付けに徴税力という“資産”が使えるのは、国民が経済成長を支え、納税の義務を果たしているからだ。

増税はその経済成長に冷や水を浴びせる。

「借金が多いから増税」という財務省のロジックが乱暴であることも、国のバランスシートから浮かび上がってくる。





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スティグリッツ教授の「日本国債無効化論」 2017-03-16

日本では重大な報道が相次いでいますが、本日はこれ。

『スティグリッツ教授:政府・日銀保有国債の無効化主張−諮問会議
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-14/OMSL6D6JIJUO01

●政府債務が「瞬時に減少」、「不安和らぐ」と−スティグリッツ氏
●債務の永久債や長期債への組み換えも提言−金利上昇リスク移転可能

 ノーベル経済学賞受賞者のスティグリッツ米コロンビア大学教授は14日夕、経済財政諮問会議に出席し、政府・日銀が保有する国債を無効にすることを提言した。

 会議に提出された資料によると、スティグリッツ教授は、政府・日銀が保有する国債を無効化することで、政府の債務は「瞬時に減少」し、「不安はいくらか和らぐ」と主張。また、債務を永久債や長期債に組み換えることで、「政府が直面する金利上昇リスクを移転」できるとしている。永久債の発行は「政府支出に必要な追加的歳入を調達し、経済を刺激する低コストの方法」だとした。

 日本の政府債務については、金利の大幅な上昇で「政府は問題に直面するかもしれない」と懸念を表明。しかし「政府債務を低下させるために消費税を上げることは逆効果」であり、代替案として企業の設備投資を促す炭素税の導入を挙げた。

 スティグリッツ氏は記者団に対し、金融政策では強い経済を取り戻すのに必要な刺激を与えるのは難しい、と説明。財政政策によって、さまざまな分野の構造改革を進めるべきだと述べた。

 スティグリッツ氏は昨年3月、政府が開いた国際金融経済分析会合の初会合に出席し、17年4月に予定していた消費増税について、世界経済が低迷する中での実施は間違っているとして安倍晋三首相に再考を促した。安倍首相は6月、消費増税の再延期を正式に表明した。』

 日本銀行は、日本政府の子会社です。そのため、日本銀行が保有する国債については、連結決算で相殺されるため、返済の必要も、利払いの必要もありません。これは価値観云々とは関係ない、単なる統計的な真実です。


 償還期限が来たところで、借り換え「させれば」済む話です。何しろ、日本銀行は日本政府の子会社です。(別に、日銀保有ではない国債にしても、償還期限が来ると借り換えされるのですが、本日はその話はしません)


 すなわち、日本政府が保有する国債は、「シャッキ〜ンッ!」とやらではないのです。単なる、貨幣です。と言いますか、そもそも中央銀行の国債買取は「国債の貨幣化(マネタイゼーション)」と呼びます(財政ファイナンスとやらではありません)。今、この瞬間も、日本政府は国債の貨幣化を猛烈な勢いで推進しているのです(量的緩和による)。


 というわけで、わたくし共は、
「日本に財政問題(国の借金で破綻する!)など、存在しない」
 と主張し、青木泰樹先生の「長期の無利子国債(ゼロクーポン債)」といった提言を拡散してきたわけです。


 すでにして、日銀保有の国債は「実質的に負債ではない」わけですが、これを名目的にも単なる貨幣にしてしまうのが、長期無利子国債です。日本政府が長期無利子国債を発行し、日本銀行の保有する国債と交換してしまえば、名実ともに「クニノシャッキ〜ン」は消滅します。


 文字通り「消える」のです。


 などと、わたくし共が主張を続けても、一向に受け入れられないのですが、ノーベル経済学者のジョセフ・スティグリッツ教授が言ってくれれば、別でしょう?


「政府・日銀が保有する国債を無効化することで、政府の債務は「瞬時に減少する」


 上記のスティグリッツ教授の言葉が、真実なのです。 


 ちなみに、政府が保有する国債とは、恐らく社会保障基金(国民年金や厚生年金など)が保有する国債のことなのでしょうか。バランスシート上、日本政府の一部である社会保障基金も国債を保有しているため、「政府が政府に金を借りている」状況になってます。 


 もちろん、財務省は日銀保有分も、社会保障基金保有分も「政府の負債」に積み上げ、
「クニノシャッキンデハタンスル〜ッ!!!」
 プロパガンダに活用しています。日本政府は、自分が自分に借りている負債分までもを「借金」に積み増しされ、破綻する、破綻すると騒がれているのです。


 ちなみに、上記のスティグリッツ教授の発言は、今のところブルームバーグ紙にしか載っていませんでした。こうして、日本国民は情報を統制され、間違った道を歩まされることになるというわけです。


 日本に財政問題など存在しないにも関わらず、財務省の「国の借金プロパガンダ」により我が国は亡国路線を邁進しています。


 スティグリッツ教授の経済財政諮問会議による発言が、少しでも政府をまともな方向に動かしてくれることを願うばかりです。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12256819916.html




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2017年10月23日
日本の財政収支は改善していた

リーマンショックでGDP比9%台に悪化した単年度赤字は3%台になった
引用:ブルームバーグhttps://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iFwAlpjvFtG8/v2/750x-1.png


日本の財政赤字が改善傾向

衆議院選挙も終わったが、今回の選挙では「財政赤字」や「財政均衡」が争点になりませんでした。

過去の選挙では日本の借金をどう返すか、大増税しかないという議論が必ず起きていました。

どうして財政議論が沈静化したかというと、この数年で日本の財政赤字は縮小し、改善されつつあるからです。

         
「日本の借金は世界最大!(嘘です)」と騒いでいた財務省のデータを引用すると、2016年財政収支はGDP比4.9%の赤字でした。

2017年度の歳入約63兆円で歳出97.4兆円、単年度の財政赤字は35.3兆円でした。(財政関係基礎データ 平成29年4月より)

歳出のうち「真水」つまり執行する予算は73.9兆円で、国債費が約23.5兆円でした。


歳入が63兆円で歳出が73.9兆円なので赤字額は11.9兆円で、残りは国債償還費用でした。

この国債を日銀が大量に購入していて、9月時点で約400兆円、日本政府が発行している国債残高は865兆円でした。

国債のうち584兆円だけが国が払う債務で、274兆円は建設国債なので高速料金やガソリン税から利用者が払っています。


584兆円のうち短期債務は予算のやりくりで数ヶ月間借りては返済するもので、長期債務はおそらく500兆円くらいでしょう。

政府が返す500兆円のうち400兆円を既に日銀が保有していて、もうすぐ100%に達してしまいます。

現在日銀は国から国債償還を受けると同じ金額の国債を購入しているので、実質的に国は償還していません。


毎度おなじみ財務省の「国の借金」実は政府が返すのは赤い部分の584兆円だけで、そのうち400兆円を日銀が保有しているので、賞味184兆円しかない。
004B
引用:http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/004.gif


財政赤字問題は解消に向かう

では日銀が国債を100%近く保有してしまい、これ以上買えなくなったらどうするか、というのが「金融緩和出口論」です。

そのまま持ってれば良いんじゃないかという意見、いや債券市場の健全性を損なうから全部売却しろという終了論があります。

今まで買い集めた国債を日銀が売り飛ばしたら、どう考えても大混乱になるが、財務省などはそう主張している。


別な考え方としては政府は「永久国債」や50年債、100年債をゼロ金利で発行して、事実上凍結してしまうというのがあります。

イギリスとかは100年以上前の借金をそのようにして「冷凍保存」しているそうです。

日本のGDPがこのままプラスで推移すれば税収は自然に増えるので、数年後には国債を除く単年度赤字はもっと少なく成るでしょう。


すると事実上、財政議論は単年度で黒字化することから、今まで日銀が買い取った国債をどう処理するかという問題に変わります。

日銀を倒産させて第二日銀を立ち上げても良いが、それはあんまりなので、やはり低金利の長期債で「塩漬け」か「冷凍」が妥当でしょう。

米経済メディアのブルームバーグは今週、「日本の財政収支は大幅に改善した」という記事を掲載しました。


それによると2011年ごろに日本の単年度赤字はGDP比9%に達していたが、現在は3%か4%で推移しています。

日本の政府債務そのものも、この2・3年は増えていないとしています。

データの計算方法は書いていないが、GDPのプラスや日銀の国債買い取りで借金の増加は止まりつつある。
http://www.thutmosev.com/archives/73227958.html





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天才・高橋洋一の国会「財政危機は大ウソ。天下り先を売らないのが、その証拠」「消費税増税はアンフェアだ!」2018年予算委員会公聴会 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=kiG1ceqfPCs

2018年2月24日 土曜日

◆天才・高橋洋一の国会「財政危機は大ウソ。天下り先を売らないのが、その証拠」「消費税増税はアンフェアだ!」2018年予算委員会公聴会

◆国会公聴会で話した「アベノミクス擁護」の理由 2月22日 高橋洋一

 政府はすべての人に職があることを目指すべきだ。職があれば、社会の安定にもつながる。

 職があることは、就業者数で見てもいいし、失業率でもいい。

 例えば、失業率が低くなれば、自殺率は顕著に下がるし、犯罪率も下がる。社会問題のいくつかは、失業率を低下させることで、ある程度解決する。

 さらに、若者にとって職があることは重要だ。例えば、大学の新卒者の就職率は1年前の失業率に連動する。

 一流大学の就職率は常にいいが、筆者が教える大学では雇用事情の影響をもろに受ける。5、6年前には就職率は良くなかったが、今では全員が就職できるまで上昇している。

 この5年間、学生の学力が目立って上昇したわけではない。ただ、アベノミクスに異次元金融緩和があっただけだ。

 学生は就職が自分たちの“実力”のせいでないことをリアルに感じている。就職は学生の一大関心事なので、だから安倍政権の人気が高いのだ。

 マクロ経済政策が雇用政策であることは、欧米では常識だ。

 そして、このことは「左派政党」がいち早く主張した。ところが、日本では、保守の安倍政権が初めて主張して、結果を出している。一部の野党が、いまの金融緩和策を否定しているのは、世界から見れば雇用の確保を無視しているわけで、海外では理解不可能なのではないか。

 マクロ政策で雇用確保に熱心でない一部の野党が、労働法制の議論で細かい話をしているのは、かなり奇異に見える。
(中略)


しばしば、日本は財政状況が悪いという声を聞くが、筆者にはかなり疑問だ。

 経済学では、政府と中央銀行を会計的に合算した「統合政府」という考え方がある。もちろん、行動として中央銀行は、政策手段の独立性があるが、あくまで法的には政府の「子会社」なので、会計的には「連結」するというわけだ。

 この場合、財政の健全化を考える着目点は、統合政府BS(バランスシート)のネット債務ということになる。図6は、財務省ホームページにある連結政府BSに日銀BSを合算し、「統合政府BS」として、私が作成したものだ(図表6)。

 統合政府BSの資産は1350兆円。統合政府BSの負債は、国債1350兆円、日銀発行の銀行券450兆円になる。

 ここで、銀行券は、統合政府にとって利子を支払う必要もないし、償還負担なしなので、実質的に債務でないと考えていい。

 また国債1350兆円に見合う形で、資産には、政府の資産と日銀保有国債がある。

 これらが意味しているのは、統合政府BSのネット債務はほぼゼロという状況だ。

 このBSを見て、財政危機だと言う人はいないと思う。

もっとも、資産で売れないものがあるなどという批判があり得る。しかし、資産の大半は金融資産だ。天下りに関係するが、役人の天下り先の特殊法人などへの出資金、貸付金が極めて多いのだ。

 売れないというのは、天下り先の政府子会社を処分しては困るという、官僚の泣き言でもある。もし、政府が本当に大変になれば、関係子会社を売却、民営化する。このことは、民間会社でも同じだ。

 例えば、財政危機に陥ったギリシャでは政府資産の売却が大々的に行われた。道路などの資産は売れないというが、それは少額であり、数字的に大きなモノは、天下り先への資金提供資産だ。

 海外から見れば、日本政府はたっぷりと金融資産を持っているのに売却しないのだから、財政破綻のはずはないと喝破されている。

 もちろん、海外の投資家は、政府の債務1000兆円だけで判断しない。バランスシートの右側だけの議論はしない。あくまで、バランスシートの左右を見ての判断だ。

 この「統合政府」の考え方からすれば、アベノミクスによる量的緩和で、財政再建がほぼできてしまったといえる。

 かつて、私のプリンストン大での先生である前FRB議長のバーナンキが言うっていた。

「量的緩和すれば、デフレから脱却できるだろう。そうでなくても、財政再建はできる」

 まさにそのとおりになった。

 実際に、財政再建ができたということを、統合政府BSに即して、具体的に示そう。

 資産が900兆円あるが、これは既に述べたように大半は金融資産である。その利回りなどの収益は、ほぼ国債金利と同じ水準であり、これが統合政府には税外収入になる。

 また、日銀保有国債450兆円は、統合政府にとっては財政負担はない。この分は、日銀に対して国が利払いをするが、日銀納付金として、統合政府には税外収入で返ってくるからちゃらだ。

 つまり、負債の1350兆円の利払い負担は、資産側の税外収入で賄われる。この意味で、財政再建がほぼできたといってもいい。(後略)





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森永卓郎氏 「日本経済にとっては安倍総裁の再選が望ましい」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180525-00000001-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 5/25(金) 7:00配信
 
 安倍氏が総裁選に勝利すれば消費増税再凍結もあるか?


 2018年9月の自民党総裁選で誰が勝者となるのか。安倍晋三総裁の対抗馬として誰が立候補するかもまだ明白にはなっていない状況だが、経済アナリストの森永卓郎氏は、安倍氏と岸田文雄政調会長の一騎打ちになる可能性が高いと予想している。総裁選の日本経済への影響について、森永氏が解説する。

 * * *
 自民党総裁選が私の予想通りの構図になったとしても、安倍氏と岸田氏のどちらが勝つかは、正直なところ現状でははっきり見えない。ただし、はっきり予想できることはある。こと日本経済にとっては、安倍氏の勝利が望ましいということだ。

 岸田氏が勝って岸田政権が誕生すれば、消費税の8%から10%への引き上げが2019年10月から予定通りに行なわれるはずだ。その結果は、火を見るより明らかだ。前回の消費税率引き上げ後と同様に、日本の景気が大きく失速することは間違いない。

 一方、安倍氏が勝てば、少なくとも消費税が上がることはないと考えられる。安倍氏はおそらく、自民党総裁選前に再び消費税の凍結、あるいは引き下げを表明すると、私は見ている。なぜなら、内閣支持率の急落という逆境から一発逆転勝利を狙う最後の切り札は、それしかないと思われるからだ。

 日本経済にとって最良のシナリオは、安倍氏が消費税率の引き下げを宣言して勝利することだ。その結果、たとえば消費税が5%に引き下げられれば、日本の株価も一気に上がるはずだ。

 消費税を5%に引き下げても、通貨発行益を財源として利用すれば、財源的には何の問題もないはずだ。日銀は量的金融緩和で国債を大量に買い増し続けているが、日銀が保有する国債は、元利の返済が実質不要だ。日銀が国債を買い入れるということは、国債を日銀が供給するお金にすり替えることを意味する。日銀券は元本返済も利払いも不要なので、日銀保有の国債は借金にカウントする必要がなくなる。それが通貨発行益と呼ばれるものだ。

 2017年度ベースの日銀の国債買い入れ額は、約31兆円に上った。ということは、通貨発行益が2017年度ベースで約31兆円出たということだ。一方、2017年度のプライマリーバランスの赤字額は約19兆円なので、2017年度の日本の財政は実質的に約12兆円の黒字だったのだ。それに対して、消費税を5%に引き下げるために必要な財源は約8兆円なので、問題なく可能なのである。

 もし安倍氏が総裁選に勝って消費税率が8%に据え置かれた場合でも、岸田氏が勝って消費税率が10%になった場合を比べれば、日経平均株価は5000〜6000円の差が出ておかしくないと見る。一般の個人投資家にとっても、安倍氏の勝利が望ましいといえるのである。

 ちなみに2108年1〜3月期の実質GDPは、2年3か月ぶりのマイナス成長となっている。「リーマン・ショック並みの経済危機がくれば、消費税凍結を考える」と総選挙で発言した安倍総理が、消費税の凍結あるいは引き下げを断行する環境は整ってきている。


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2018年09月13日
経済好調のアメリカはなぜ焦っているのか
アメリカが公表しているのは連邦の直接債務だけ


引用:http://www.sankei.com/images/news/171004/prm1710040002-p1.jpg


絶好調なアメリカの悩み

アメリカは2010年のリーマンショック明けから9年連続の好景気で、来年も景気拡大が予想されている。

にも拘わらずトランプ大統領は取るに足らない貿易赤字を問題視し、中国や欧州に解消を迫っている。

この動きはいずれ日本にも波及し、輸入拡大と輸出削減を迫ってくるでしょう。

アメリカ経済は絶好調で株価は毎年過去最高を更新し、消費も企業業績もすべて拡大しています。

貿易赤字も好調だから増えてるので、米国の消費が活発過ぎて国内生産だけでは需要を満たせないのです。

反対に日本は貿易黒字ですが、これは国内消費が弱いから外国から輸入しなくても良いというだけです。


つまり貿易赤字こそ繁栄の象徴であり、貿易黒字の国は国内消費が弱いのを示しています。

じゃあなんでトランプは怒っているかというと、経済に弱いのもあるが拡大し続ける債務懸念があります。

経済全て絶好調のアメリカの悩みは増え続ける債務で、公的債務は推定で5500兆円に達していると言われています。


日本の借金は「たった」1000兆円ですがアメリカはその5倍で、GDPの差が3倍あるのを考慮しても多すぎる。

悪いことにアメリカは自国の公的債務を国民に公開しておらず、アメリカ人は「アメリカに借金はない」と信じています。

だから平気な顔で「日本は世界最悪の借金を抱えている」などと他国を批判したりしています。


アメリカの債務爆弾とは

アメリカは家計債務と企業債務、金融債務も膨張していて、その原因は最近の経済好調そのもに求められる。

「資産=債務」というのが経済原則なので、株価が上がって米国の資産が増えれば、同じ金額の負債も増えています。

ここで問題になるのは米国の公的債務がGDPの3倍以上になるなど、稼ぐ金より債務額が遥かに多いことです。


よく日本は「年収500万円の人が1000万円の借金をしている」とたとえられます。

その比率ではアメリカは「年収1500万の人が5500万円の借金をしている」という事になり、どっちもどっちです。

いつか起きるのではないかと言われているのがアメリカの債務危機で、世界的な経済危機を予測する人もいる。


アメリカ政府が公表している公的債務は「連邦債務」だけで日本で言えば中央の借金のみで、地方や特殊法人、公的企業や団体分を除外してある。

いつどんな形で噴き出すのかは分からないが、増え続ける借金を永遠に隠し続けることはできない。

同じことは中国についても、欧州についても当てはまる。


世界各国は経済成長率を遥かに超えるペースで借金を増やし、しかも日本以外は公表していない。

いつどんな形で各国の債務が明らかになるかは分からないが、人々が真相を知ったら混乱するでしょう。
http://www.thutmosev.com/archives/77493099.html


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IMFが公表した日本の財政「衝撃レポート」の中身を分析する それでも消費増税は必要ですか(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/804.html

2018.10.15 橋 洋一 経済学者 嘉悦大学教授 現代ビジネス


やっぱり日本のメディアは報じないが…

消費税増税の外堀がさらに埋められた。安倍総理は、15日の臨時閣議で、来年10月に予定している消費税率10%への引き上げに備えた対策を早急に講じるよう指示する。この臨時閣議は、首相が16日から訪欧するために開催されるもので、西日本豪雨や北海道地震の災害復旧費などを盛り込んだ平成30年度補正予算案が決定される。

消費増税の足音が近づいてきているが、前回の本コラム(「消費増税で国民に負担を強いる前に、政府がいますぐにやるべきこと こんな順番では納得できない」 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57879)では、消費増税前に、政府保有株の売却などやるべきことがあると指摘した。

今回は、その続きの一つとして、IMF(国際通貨基金)が公表した重要なレポートを紹介しよう。先週も指摘したように、IMFは財務省出向職員が仕切っている側面もあり、単なる財務省の代弁としか言いようのないレポートもあるのだが、財務省の出向職員があまり手を出せないスタッフペーパーのなかには、いいものもあるのだ。

今回紹介するものはその類いである。それは、今月の公表された「IMF Fiscal Monitor, October 2018 Managing Public Wealth」(https://www.imf.org/en/Publications/FM/Issues/2018/10/04/fiscal-monitor-october-2018)である。

これは、各国の財政状況について、負債だけではなく資産にも注目して分析したものだ。このレポート、海外メディアの注目度は高い(たとえば https://jp.reuters.com/article/imf-g20-breakingviews-idJPKCN1ML0NF)が、日本のメディアではさっぱり取り上げられない。だからこそ、紹介する価値があるというものだ。

筆者が大蔵省時代に、政府のバランスシート作りに取り組んだ経緯は、前回のコラムでも少し触れたが、レポートを見る前に、その当時の世界の情勢も加えておこう。

筆者がバランスシートづくりに取り組んだのは、1990年代中頃であるが、その当時、アメリカなどでさえ、政府のバランスシート作りにはまったく手がついていなかった。その意味で、筆者はこの分野での先駆けであったことを自負している。

そこで、筆者がその考え方(企業と同じように、政府もバランスシートによって財政を評価するべきだということ)を諸外国の財政当局の担当者に話すと、興味津々であった。そのおかげで、アメリカなどのアングロサクソン系国家から、「そのバランスシート作りについて、日本のやり方を教えてほしい」という要望があり、かなりの数、海外出張に行った記憶がある。

さて、それを前提にIMFのレポートに話を戻そう。上記のIMF報告書の33ページのAnnex Table 1.2.3には、各国データの「availability」がある。要は、各国がこの「バランスシート」の考え方を導入した年代が分かるわけだ。

日本は他先進国とともに、一番早い2000− となっている。ここの記述はやや不正確であり、日本は1995− が正しいと思う。筆者の記憶では、日本が1995年ごろにバランスシートをつくり、他先進国はその後2年くらいでできあがったはずだ。

これには、ちょっとした理由がある。日本の政府バランスシートは1990年代中頃に作られ、世界最先端を行っていたのだが、その公表は封印されたのだ。

大蔵省はそれまで、バランスシートではなくその右側だけの負債だけを都合よく利用して財政危機を訴えてきたので、包括的なバランスシートが出来てしまうと、それまでの説明に矛盾が生じてしまうからだろう。大蔵省だからというわけではないだろうが、このバランスシートは「お蔵入り」と言われたことは覚えている。

その後、2000年代になって小泉政権が誕生すると、財務省内からも「そろそろ政府のバランスシートを公表したほうがいい」と言う声が上がり、そこに例の「埋蔵金論争」などもあったことから、結局バランスシートを公表するようになった。

それからは、財務省のホームページにはバランスシートが公表されている(https://www.mof.go.jp/budget/report/public_finance_fact_sheet/index.htm)が、これについては財務省がマスコミにまともなレクチャーをしないから、ほとんど知られていない。債務の大きさだけを強調し、財政再建が必要だと主張するためだ。財務省も財務省だが、財務省からレクを受けないと記事が書けないマスコミも情けない。

いずれにしても、2000年代から各国でバランスシート作りが盛んになり、データも蓄積されてきたところなので、IMFでも各国のバランスシートについて分析できるようになったのだろう。

グラフをみれば一目瞭然

さて、当該のIMFレポートでは、主に一般政府(General Government)と公的部門(Public Sector)のバランスシートが分析されている。

一般政府とは中央政府(国)と地方政府を併せた概念である。一方の公的部門とは、中央銀行を含む公的機関を含めたものだ。

筆者は、これまで統合政府という概念でバランスシートを論じることが多かった。例えば、2015年12月28日「『日本の借金1000兆円』」はやっぱりウソでした〜それどころか…財政再建は実質完了してしまう!」(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/47156)などである。

この場合、筆者が考慮するのは中央政府と中央銀行だけにしているが、ネット資産(資産マイナス負債)に着目する限り、これはIMFレポートの「公的部門」とほぼ同じである。というのは、地方政府と中央銀行を除く「公的機関のネット資産」はほとんどゼロであるからだ。

中央銀行も、形式的にはネット資産はほぼゼロであるが、中央銀行の負債は実質的にはないので、実質的なネット資産が大きくなるので、統合政府ではそれをカウントしているわけだ。そこで、統合政府のバランスシートをみれば、ネット負債はほぼゼロ……つまりネット資産もゼロとなっている。

これらを踏まえた上で、IMFレポートを見てみよう。

2ページの図1.1では、比較可能な国の「公的部門バランスシート」でのネット資産対GDP比がでている。


それによれば、日本の公的部門のネット資産対GDP比はほぼゼロである。これは、筆者の主張と整合的だ。まあ、こんな話は誰が計算しても同じである。

ここから出てくる話は、「巨額な借金で利払いが大変になる」というが、それに見合う「巨額な資産」を持っていれば、その金利収入で借金の利払いは大変ではなくなる、という事実だ。このため、日銀の保有する国債への利払いは、本来であればそのまま国庫収入になるが、それを減少させる日銀の当座預金への付利を問題にしているわけだ(詳しくは先週の本コラムを見てほしい)。

ギリシャ、イタリアと比べても…

続いてIMFレポートでは、一般政府バランスシートでのネット資産対GDP比も分析している。7ページの図1.4である。


ここでも、日本は若干のマイナスであるが、ギリシャ、イタリアと比べるとそれほど悪くない。

IMFレポートでは、どのような財政運営をすると、ネット資産がどのように変化するか、という分析を行っている。例えば、単に赤字国債を発行するだけだと、ネット資産は減少するが、投資に回せばネット資産は減少しない。その投資が生きれば、ネット資産は増加する……といった具合だ。

この観点から論をさらに進めれば、先週の本コラムに書いたような「研究開発国債」という考え方は容認できるだろう。もっとも、今の財務省の経済音痴では、そのような新手は望むべくもないだろうが。

このほかにも、ネット資産は財政状況をみるのに使える。理論的には、ネット資産が限りなく減少すると(数学的な表現では、マイナス無限大に発散)財政破綻、ということになる。IMFレポートではそこまで書いていないが、35ページのAnnex Table 1.3.1.において、長期金利と一般政府でのネット資産との状況について、回帰分析を行っている。

その含意は、「ネット資産が少なくなると、長期金利が上昇する傾向がある」となっており、理論面でのネット資産と財政破綻の関係と整合的であることが示されている。

そこで、一般政府でのネット資産対GDP比とその国の信用度を表すCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)レートの関係の相関を調べてみた。


これをみるとかなりの相関があることが分かる。筆者はCDSのデータから、その国の破綻確率を計算し、例えば、日本は今後5年以内に破綻する確率は1%未満であるといっている。この話は、日本のネット資産がほぼゼロであることと整合的になっている。

こうした話は、本コラムでこれまでにも書いている。昨年来日したスティグリッツ教授が、経済財政諮問会議の場でも「日本の財政負債は大半が無効化されている(から財政破綻にはならない)」といっている。

そのとき、日本の増税学者は「スティグリッツが間違っている」と強気だった。これに対し、筆者はもしそうなら、スティグリッツに手紙を書き謝罪文をもらうべきだといった。いまだに、スティグリッツから謝罪文がきたという話は聞いていない。

すり替え、が始まった

財政破綻を訴え増税を主張する人たちは、それでもやはり消費増税を強行するのだろうか。IMFレポートをみれば、財政破綻というロジックが使えなくなったことは歴然なのに……。と思っていたら、増税派は「財政破綻を回避するために」という論法ではなく、「将来の年金など社会保障のために増税すべき」と、新しい言い方に変え始めている。これには失笑するほかない。

筆者は、社会保障の将来推計の専門家である。社会保障の将来像などを推計するのはそれほど難しくない。かつては、「財政問題のストック分析:将来世代の負担の観点から」(https://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/04030014.html)という論文も書いている。

今更「社会保障が重要」などという暢気なコメントを出すような人より、ずっと前からこの問題については考えている。

何より、社会保障財源として消費税を使うというのは、税理論や社会保険論から間違っている。大蔵省時代には、「消費税を社会保障目的税にしている国はない」と言い切っていたではないか。

そんなデタラメに、まだ財務省がしがみついているのかと思うと、心の底から残念で仕方ない。

社会保障財源なら、歳入庁を創設し、社会保険料徴収漏れをしっかりとカバーし、マイナンバーによる所得税補足の強化、マイナンバーによる金融所得の総合課税化(または高率分離課税)といった手段を採ることが、理論的にも実践的にも筋である。

それらを行わずに、社会保障の財源のために消費増税を、というのは邪道である。さらに、景気への悪影響も考えると、いまの時期に消費増税を行うというのは尋常ではない。

少々難解かもしれないが、ぜひともIMFレポートなどを読んで、「消費増税の是非についての認識を深めてほしい。




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2018年10月22日
IMFが「日本政府に借金はなかった」と密かに訂正


日本の借金は1000兆円だが資産も1000兆円なので返さなくて良いということ


画像引用:https://blog-imgs-118.fc2.com/n/o/n/nonkinonki007/2017122219315723e.jpg

日本に借金はなかった

IMFは長年「日本の公的債務は200%以上で世界最悪」と言ってきたが、最近急に「日本政府に借金はない」と言い出しました。

180度の転換に憶測が飛び交っているが、IMFは何を言っているのでしょうか。

10月10日にIMFは主要31カ国の財政モニター報告書を発表し、負債とともに資産も計上している。


従来のIMF報告書は負債を書くだけだったので、「日本の借金は世界一」と連呼していました。

この幼稚さは以前から指摘されていて、日本政府には負債を上回る資産があるのに、負債だけを見るのはおかしいと言われていました。

また日本政府が発行する国債のほとんどを日本人が保有していて、そのほとんどを日本銀行が保有しています。


日銀は日本政府の政府機関なので、要するに日本の借金のほとんどは日本政府から借りていることになる。

自分で自分に借用書を書いて、自分に金利を払って自分で受け取るようなことをしています。

これが「日銀の独立性」で、日本政府から独立した組織として会計するので、こんなおかしな事になっている。


IMFによると31カ国の資産合計額は101兆ドル(約1京1000兆円)で債務合計は94%と驚くほど健全だった。

主要国全体では資産が債務の2倍以上あり、IMFが長年警告していた「危険性」はどこにも存在しなかった。

日本については負債がGDPの283%に達しているが、負債の半分以上は日銀や日本政府が「貸している」。


日本よりドイツの「借金」が多かった

さらに日本政府が所有する資産を差し引きすると、日本の純資産=正味の借金はゼロだった。

反対に今までIMFが健全財政を褒めたたえていたドイツは純資産がマイナスなので正味の借金が存在した。

反論もあり日本政府の資産(たとえば皇居や基地などの土地)は売却できないし貸すこともできない。


IMFが今頃各国の本当の純資産を発表したのは、国の本当の負債と資産を各国が公表していなかったからでした。

公的債務の完全な資料を公開していたのは日本だけだったので、日本の債務が世界一という作り話が創作された。

実際には金額でもGDP比でも中国とアメリカの方が、日本より公的債務が多かったのだが、少なく公表していました。


さすがにこの「作り話」のウソ臭さに世界の人々も気づいていて、ちゃんと計算するべきだという批判が強まった。

遅まきながらIMFは各国の本当の資産と負債を計算しなおし、従来の説を事実上訂正するに至った。

IMFに「日本の借金は世界一」と報告していたのは日本の財務省で、財政を悪く見せかけることで消費増税を推進しようとした。


だがそのトリックは否定されたわけで、来年10月の消費増税は土壇場で中止するのではないかと憶測を呼んでいる。
http://www.thutmosev.com/archives/77911536.html


http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html#c27

[昼休み54] 『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった 中川隆
28. 中川隆[-13642] koaQ7Jey 2018年11月21日 10:35:04 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20959]

【経済討論】財務省主導の経済でいいのか?日本[桜H30-4-14] - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=s8y0fk90-OQ

◆経済討論:財務省主導の経済でいいのか?日本

パネリスト:
 安藤裕(衆議院議員)
 高橋洋一(嘉悦大学教授・「政策工房」会長)
 田村秀男(産経新聞特別記者・編集委員兼論説委員)
 藤井聡(京都大学大学院教授・内閣官房参与)
 松田学(東京大学大学院客員教授・元衆議院議員)
 三橋貴明(経世論研究所所長)
 渡邉哲也(経済評論家)
司会:水島総

http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html#c28

[昼休み54] 『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった 中川隆
29. 中川隆[-13641] koaQ7Jey 2018年11月21日 11:07:44 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20959]

現在の ドル-円 は異常な超円安、日本政府は輸出企業を助ける為に円を下げ過ぎた


日本円はいくらなんでも安過ぎる 1 (1ドル=50円 程度が適正価格)


日本は賃金が安過ぎて外国人労働者すら回避する国と化す! 2018-01-31

『いずれ誰も来ない国に(外国人材と拓く)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26271910Z20C18A1MM8000/

 人口減で日本の働き手が減る構図が続く限り、年々増える外国人労働者は存在感を高める。国際的な人材獲得競争を見据えてどのように受け入れていくべきか。共生の輪を紡ぐ方策を探る。

 中国・上海市内には多くのフィリピン人女性が家政婦として働く。マリア・トマスさん(仮名、38)は「子供たちと離れるのはつらいが、家族を支えなくてはいけない」。

月収は約8千元(約14万円)。

日本で働いた経験があるが「日本よりも2割多い。中国の方が条件がずっと良い」。(後略)』

 すでに、デフレで貧困化した日本国は、アジアの労働者たちにとって「魅力的ではない国」に落ちぶれつつあるのです。何たる朗報!


 フィリピン人メイドにとって、桃源郷はすでに日本ではなく中国です。

中国本土で働くフィリピン人家政婦は、すでに約20万人。
外国人メイド斡旋業の男性は、 「ビザなど規制が緩和されれば殺到するだろう」と、語っています。


 JETROの調査によると、製造業の一般公職の月給は、インドネシア(ジャカルタ)が十年前の二倍。ベトナム(ハノイ)も三割上昇。


 もはや、単位労働コストで見ると、「東南アジアより、日本の地方(山陰など)に工場を建設した方が安いのでは?」と、思える状況になっているのです。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12348830889.html
 

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日本円はいくらなんでも安過ぎる 2 (1ドル=50円 程度が適正価格)

日本人エンジニアの給料が上がらない理由 ファーウェイ本社の初任給83万円
http://president.jp/articles/-/24409

2018.2.19  ビジネス・ブレークスルー大学学長 大前 研一 PRESIDENT 2018年3月5日号


中国ハイテク企業のエンジニアで年俸1000万円以下はいない

2017年の採用市場では、中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)が日本で大卒エンジニアを「初任給40万円」で募集して話題を集めた。厚生労働省の調査によれば日本の大卒初任給の平均は約20万円(17年)。日本企業の場合、エンジニアであろうと事務職であろうと初任給は基本的には変わらない。日本企業の平均初任給の約2倍で募集をかけた「ファーウェイショック」に「優秀な人材が流れてしまうのではないか」と戦々恐々の日本企業に対して、ファーウェイ・ジャパンの広報は「優秀な人材を採るためのグローバルスタンダード」だとすまし顔だ。

  
ファーウェイ日本法人の新卒初任給は学部卒約40万円、修士修了約43万円。(AFLO=写真)

ファーウェイはスマホやルーターなどの通信端末、通信機器メーカーであり、スマホの販売台数、シェアはアップル、サムソンに次ぐ世界第3位。創業者が赤軍にいた、という理由で中国共産党との関係が深い、との嫌疑からアメリカ市場からは実質的に閉め出されているが、欧州や東南アジアではICTソリューション事業も積極的に展開している。中国深セン市にあるファーウェイ本社を20年以上前に訪れたことがある。全社員の8割がエンジニアで、会社の横にアメリカ風の庭付き一戸建てをたくさんつくって将来有望なエンジニアの社宅にして厚遇していたのが印象的だった。中国から世界化する企業が出てくるとすれば第1号はファーウェイだろうと思ったが、その通りになった。

現在、ファーウェイは世界170カ国以上に進出していて、従業員数は18万人以上。今でも半分近くがエンジニアだ。ファーウェイ本社のエンジニアの初任給がいくらかといえば、日本円で月額約83万円。日本で募集した初任給の倍である。要するに今やエンジニアの人件費は中国よりも日本のほうが圧倒的に格安で、ファーウェイはバーゲン価格で募集をかけたわけだ。中国人の半分の給料を「高給」と思って飛びつく日本の技術者。それに衝撃を受けながらも指をくわえて見守るしかない日本のメーカー。落ちぶれたものである。

エンジニアの給料が高いのはファーウェイに限らない。中国のハイテク企業のエンジニアで年俸1000万円を下回る人はまずいないだろう。この20年間で何が起きたかといえば、ICTのエンジニアが圧倒的に不足して、エンジニアの給与水準だけが世界共通になった。つまりエンジニアが安い国がなくなってしまったのだ。

インドの優秀なエンジニアの初任給は年間1500万円

一昔前はインドのエンジニアを使えば安いというイメージがあったが、今やインドの優秀なエンジニアの初任給は大体年間1500万円。最高峰のインド工科大学(IIT)の優秀な学生は15万ドル(1700万円)でグーグルやフェイスブックなどのグローバル企業に引き抜かれる。当然、アメリカのシリコンバレーやサンフランシスコのベイエリアも、エンジニアの初任給が平均15万〜16万ドルになっている。中堅エンジニアなら25万〜30万ドルで引き抜かれる。複数のエンジニアを束ねてプロジェクトマネジメントができるエンジニアなら50万ドル(5400万円)は下らない。

顧客と直接交渉してシステムのスペックを決めて、自分でエンジニアのチームをつくって、見積もりを出して、4億円、5億円レベルのプロジェクトを回せるエンジニアなら1億円オーバーの年俸でオーダーがくる。AI(人工知能)やディープラーニング(深層学習。人間の思考を模したコンピュータによる機械学習)の研究所長クラスなら10億円の値札が付いても不思議ではない。それが世界標準なのだ。

▼アマゾンは平均給与10万ドル、5万人を雇用

17年9月、アマゾンのジェフ・ベゾスCEOが「第二の故郷を見つける」と第2本社の設立計画を発表した。世界最大のネット通販企業の本社はシアトルの街中にあって、いくら新しい事務所スペースや居住用マンションを供給してもほぼアマゾンの社員で埋まってしまう状況が続いてきた。それでも成長を続けるアマゾンにシアトルが悲鳴を上げて「出て行ってくれ」ということになったのだが、ベゾスが発表した計画内容はいわば「アマゾンショック」といえるほど衝撃的だった。

第2本社で採用するのはマネジメント層とエンジニアを中心に最大5万人。平均給与は年10万ドル(約1100万円)超というのだ。北米全土から候補地を募ったら、カナダ、メキシコを含む実に238の都市と地域が名乗りを上げた。平均給与10万ドル超で5万人の雇用があったら街の繁栄は約束されたようなもの。全米を巻き込んで熾烈な誘致合戦が繰り広げられてきたが、先般、アマゾンは20都市に絞り込んだと発表している。

平均給与10万ドル超の会社なんてアメリカ中を探してもほかにない。第2本社で雇用する5万人の7割方はエンジニアだから、そういう数字なのである。アマゾンは各都市の立地提案の内容をさらに精査して、18年中に最終決定するという。カナダのトロントも候補地に残っているが、国内で雇用をつくらないとトランプ大統領に攻撃されかねない。とはいえアメリカ国内でも5万人の雇用に衣食住を供給できるキャパがあるのは、ニューヨークか没落ITシティのボストンくらいのものだろう。

英語が達者なフィリピン人の下で働くしかなくなる

このような世界的なエンジニアの「価格高騰」からまったく隔絶されているのが日本。エンジニアも含めて日本人の給料はこの20年間、まったく上がっていない。日本のエンジニアの給料が上がらないのはなぜか。理由の1つは日本独自の雇用慣習にある。日本の企業が学卒を採るときは事務職もエンジニアも大量一括採用して、同じ給料でスタートするわけだ。世界のエンジニアは何ができるかで名札と値札が決まる。「ビッグデータの解析でこんなことができる」とか「こういうゲームのこの部分をつくった」とか「この橋の構造設計をした」とか、どの領域で何ができるのかで名札が付き、マーケットでの値札が決まってくるのだ。

しかし大量一括採用された日本のエンジニアは、会社の人事評価制度の中で遇されてきた。それらの人事給与制度は日本的な平等主義で社員全体の給与を抑える仕組みになっていても、エンジニアの能力や成果に対して正当な報酬を支払うシステムにはなっていない。東芝でフラッシュメモリを発明した舛岡富士雄氏への報奨金はわずか数万円だったという。舛岡氏は発明者が受け取るべき対価として10億円の支払いを求める訴訟を起こして、8700万円で和解している。

国内に安住するエンジニアにも問題がある。日本の企業に就職して、下働きから始まってコーディング(プログラムを書くこと)経験ばかり延々積み上げた結果、40代になってもマネジメントができないエンジニアが多い。それでは給料は上がらないし、コーディングをやる人材なんてフィリピン辺りにごまんといるから、そのうち取って代わられる。エンジニアとして稼ぎたいなら海外に雄飛するべきなのだが、世界で活躍するには語学がパーフェクトでなければならない。

ところが文科省の“偉大な”功績で日本人の多くは語学が圧倒的に苦手だ。どれだけ技術に長けていても語学ができないエンジニアは使われる側に回るしかない。英語で顧客と交渉してスペックを決めたり、英語で仲間を集めて指示したり、プロジェクトマネジメントができるエンジニアは使う側に回れるから稼げる。だからインド人のエンジニアは強い。日本人の場合、英語ができるといってもマネジメントできるレベルではない。フィリピン人のほうがよほど英語は達者だから、そのうち彼らの下で働くしかなくなる。それが日本のエンジニアの現実だ。

近々、ファーウェイは中国勢で初めて日本に最新スマホの生産工場を新設するそうだが、今後も給与レベルを引き上げて、ぜひとも日本の採用市場を引っかき回してもらいたいものだ。日本のエンジニアの給料、日本人の給与体系がどれだけグローバルスタンダードとかけ離れているか、思い知らせてほしい。

18年度の税制改正で年収850万円以上は所得控除額が195万円で打ち切られることになり、年収850万円超のサラリーマンは実質的に増税されることが決まった。年収850万円ということは月額70万円くらい。社会保険や何やと取られて手元には40万円ちょっとしか残らない。それで家のローンを払ったり、子供の教育費を払ったりしたらカツカツという世帯はいくらでもある。生活レベルから見れば、税金を引っぺがされても仕方がないような富裕層ではない。

世界ではエンジニアの初任給が10万ドルになっている時代に、年収850万円超を「稼いでいる」と野蛮に線引きして、取れるところから取ろうとする根性が実にさもしい。近代国家として恥ずかしくないのかといいたい。



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日本円はいくらなんでも安過ぎる 3 (1ドル=50円 程度が適正価格)

なぜ日本のビッグマックはタイより安いのか
2/18(日) 6:00配信 東洋経済オンライン


今や日本のビッグマックの価格はタイや韓国、パキスタンよりも安い。なぜこんなことになっているのか(撮影:今井康一)


 2月13日に日本マクドナルドホールディングスの2017年12月期の通期決算が発表されました。売上高は2536億円と前期比11.9%増、本業の儲けを示す営業利益は189億円となんと同2.7倍。当期純利益は過去最高の240億円となりました。また2018年は店舗数も実に10年ぶりに純増となる計画で、サラ・カサノバ社長の下で2015年から始まった「リカバリープラン」の成果が現れた決算となりました。


 売り上げ拡大の要因を見てみると、”平日ランチタイム向けのワンコインメニュー”に消費者の好感が集まったことが大きいようです。たとえば、ビッグマック+ドリンクが400円で提供されています。この価格、皆さんは割高だと思いますか、それとも割安だと思いますか?  今回はマクドナルドの人気メニューであるビッグマックや、それを基につくられた指標である「ビッグマック指数」に注目して、日本経済全体の現状を掘り下げてみたいと思います。ビッグマックを通して、意外な一面がわかると思います。
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■「ビッグマック指数」って何? 

 さて、改めてビッグマック指数とは何でしょうか。これは1986年に英国の雑誌『エコノミスト』によって「貨幣の”的確”な価値基準」を測るために発明されました。その名のとおり、各国のビッグマックの価格を比較することによって、適正な為替レートを算出しようとしている指数です。

 この指数は、「購買力平価」という理論に基づいています。まず、この「購買力平価」の考え方を、簡単に説明しましょう。
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 外国為替相場(為替レート)は、「自国の通貨と、外国の通貨の購買力の比率によって決定される」という考え方があり、これを購買力平価説といいます。

 では、さまざまな国の通貨の「購買力」は、どのように比較して判断するのが良さそうでしょうか?  ここで、1つのものさしであるビッグマック指数が登場します。

 ビッグマックは世界中でほぼ統一された品質で提供されています。この価格は、原材料費、人件費、店舗の設備投資など、さまざまな要因を基にして決定されるもので、各国の総合的な購買力を比較するにはとても都合が良いのです。自由な経済活動が行われている世界では、同じ商品であればどこでも同じ値段であるという「一物一価」の考え方も前提になっています。


具体的に指数を計算してみましょう。たとえば、日本でビッグマックが380円で売っていて、アメリカでは4ドルで売っていたとします。計算はとても簡単です。

 このように計算します。380円 ÷ 4ドル = 95円/ドル となりますから、ビッグマック指数は「1ドル=95円」ということになります。

 もしこのとき、市場でのレートが1ドル=110円(直近は105円〜106円前後と、少し円高ですが)だとすれば、「ビッグマック指数でみると円は95円でいいのに実際は110円だから、約14%過小評価されている」と判断することができます。
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■実際、世界のビッグマック価格はどうなっている? 

 ここで、実際のデータを見てみましょう。

 これは、2017年のデータを基にした、円ベースでのビッグマックの価格比較です。

 やはり1ドル=110円で計算しています。

 なんと、日本のビッグマックは、韓国の435円やタイの400円よりも安いのですね。

 アメリカでは5.3ドルで販売されていますから、380円 ÷ 5.3ドル ≒ 72円/ドルがビッグマック指数となります。72円/ドルということは、市場レートが1ドル=110円とすると、約35%も円の価値が低く見られているということになります。皆さんはこの結果をどう思われますか? 
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 もう1つ、考えてみます。先ほど、日本のビッグマックがタイよりも安いと言いましたが、以下は日本円に対するタイのビッグマック指数を表したものです。簡単にいえば、折れ線グラフの値が赤線のゼロを上回っていれば、タイのビッグマック価格が日本のビッグマック価格よりも高いことを意味します。タイが日本のビッグマック指数を上回ったのは、2015年頃ということがわかります。

 なぜこういう結果になるのでしょうか。タイは、経済成長や人口増加に伴い、消費者物価指数が年々上昇している一方で、日本の消費者物価指数は近年大きな変動はありません。そのため、この観点からすると一見納得のいくデータかもしれません。


しかし、です。タイの物価が上昇しているといっても、街の屋台でご飯を食べたりすればわかるように、物価は基本的には日本よりも低いはずです。にもかかわらず、ビッグマック指数に関しては、日本よりも上振れるのはなぜでしょうか? 

 こうして見ると、タイにおけるマクドナルドの商品は、屋台や現地の飲食店と比較しても、明らかに割高だということがわかります。一方で、マクドナルドのタイ法人は、2020年に向けて投資を拡大し、売り上げ倍増を目指すと宣言しています。
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 今後、タイの経済成長に伴い最低賃金や物価が上昇していく中で、タイのマクドナルド価格がさほど変わらないなら、割高感も緩和されていくという見通しがあるということが読み取れます。

 それにしても、ビッグマック指数を見ると、日本の価格は、今やタイだけでなくスリランカ(427円)やパキスタン(403円)と比べても、安いのです。一方で今日本では、ビッグマックの価格が380円なのに、業績は絶好調です。重要な指標である既存店の売上高は、この1月で26カ月連続の増加、客単価も上昇中です。
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 なぜビッグマックは他国と比べて安いのに、日本のマクドナルドは好調なのでしょうか。会社側は、好調の理由の1つに、昨年11月に発売した米国のバーガーの味わいを打ち出した「アメリカンデラックスシリーズ」が売れていることを挙げています。同バーガーの価格は490円と同社の中では単価が高く、昨年11月の客単価は前年同月比7.1%増と2017年で最も伸び率が高くなりました。

■ビッグマックを10円値上げしたらどうなるか
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独立系大手資産運用会社スパークス・グループCEOの阿部修平氏は、こうした日本と他国とのビッグマック指数の差」に注目しています。「ビッグマック指数だけ見ていると日本はまだデフレにあるように見えるが、そうではないと思う。日本マクドナルドは、基幹商品であるビッグマックの価格を上げずに、新商品やセットメニューの価格を上げることで、巧妙にデフレからの大転換時代を乗り切ろうとしている」。

 阿部氏はこうも分析します。「日本マクドナルドでは、年間延べ13億回の販売が行われる(レジが売り上げを計上する回数)という。ということは、同社の巧妙な戦略がこれからも成功し続け、満を持してビッグマックを10円値上げしたらどうなるか?  みんながビッグマックを買うわけでないが、それだけで少なくとも100億円近い増収が可能だ。脱デフレ時代の潜在的な成長力は大きいはず」。


最後に、米国の例を見てみましょう。先ほどのグラフで見ると、米国のビッグマック価格は600円と、単品で比べた場合、日本の380円の1.5倍以上の価格となります。しかし、スパークスの米サンフランシスコにある駐在員事務所の調べでは、ビッグマック価格は、シリコンバレーではUSD4.99(1ドル110円換算で約550円)、観光客も多いサンフランシスコではUSD5.59(同約615円)と、地域により価格差があります。
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 このように、世界で最もマーケティング研究が進んでいる米国では、もはやビッグマック価格も状況に応じた、綿密な価格設定がなされる商品になってきているのかもしれません。

 身近に購買力平価を推定することができる指数として重宝されているビッグマック指数ですが、価格設定には各国のマクドナルドの戦略があります。特に、デフレからインフレ基調への大転換を迎えている日本では、他国との比較で見るとわかるように価格バランスが崩れ、信憑性が疑われる現象が起きています。日本のデフレ脱却という大きな枠組みの転換は、ビッグマック指数が窓際に追いやられるほどの時代が到来したことを意味しているのです。

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「牛丼は1杯1000円だって全然おかしくない」
鈴木 雅光 : JOYnt代表 2017年07月13日


日本はあらゆるものの価格が安すぎる。牛丼は世界標準なら1000円だっておかしくない。
今後、もし価格が上がるとしたら、どんなことが待っているのか(撮影:今井康一)


牛丼は国際標準なら1000円だっておかしくない


「ヤマトの値上げは象徴的な出来事。日本の価格はこれから上がるしかない」、

スパークス・グループの阿部修平社長はそう断言する


実際、日本はあらゆるモノやサービスの値段が、異常値といってもいいほど安い。たとえばホテルの宿泊費。日本で1泊6万円のグレードと同じホテルにフランスで泊まろうとしたら、16万円はかかる。

あるいは日本のランチ。牛丼の値段が350円程度で、これを米ドルに換算すると3ドルちょっとになるが、十分においしく、空腹も満たされる。もし、米国でランチを食べようとしたら、10ドル以下はほとんどありえない。

日本には大勢の外国人観光客が来るが、彼らがいちばん驚くのは何か、ご存じだろうか。コンビニエンスストアで売られているサンドイッチの値段だ。海外には、日本のような品質の高い味で、あれだけ安い価格で売られているサンドイッチは存在しないのだ。

つまり、日本においてはさまざまなモノの値段に、歪みが生じているのである。すべては、1990年代から長期にわたって続いたデフレの恩恵ともいうべきものだが、歪んだ価格形成は、必ず修正される。牛丼の値段がグローバル水準にまで値上がりすれば、おそらく1000円くらいにはなるだろう。このように歪んだ価格形成が修正される過程で、日本はデフレから完全に脱し、いよいよインフレの時代へと突入する。仮に円高に進めば一見インフレに見えないかもしれないが、モノやサービスの価値がおカネの価値に比べて上昇する時代に突入したのは間違いない。


ひるがえって、日本の株式市場に目を向けると、株価はまさに異常値というべき割安水準に放置されたままだ。日本株のPBR(株価純資産倍率)は、1倍を少し上回る程度。他の主要国を見ると、米国が3.2倍程度、ドイツとイギリスが1.9倍前後で、全世界の平均値は2.2倍程度だ。PBR1倍とは、言い換えればビジネス価値がゼロということだ。





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日本円はいくらなんでも安過ぎる 4 (1ドル=50円 程度が適正価格)

日本に来る外人観光客が増えたのは日本の物価が先進国で一番安いからだった

「東京」が初のトップに!英国人にとってお得な長距離旅行先―英メディア
人民網日本語版 配信日時:2017年9月21日(木) 15時50分


英ロイヤルメール社はある調査報告で、東京がイギリス人にとってもっともリーズナブルな長距離旅行先で、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロが最も高いことが明らかになった。新華社が伝えた。

英ロイヤルメール社はある調査報告で、東京がイギリス人にとってもっともリーズナブルな長距離旅行先で、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロが最も高いことが明らかになった。新華社が伝えた。

この「長距離旅行報告」という名の年度調査はコーヒー1杯、ドリンク1本、コーラ1缶、ワイン1杯、カクテル1杯、板チョコレート1枚、ミネラルウォーター1本、日焼け止めクリーム、虫よけスプレー及びペアのコース料理の10項目のコストにより調査を行っている。

英「デイリーテレグラフ」による調査結果の報道では、東京は10項目の合計が48.9英ポンド(1英ポンドは約151円)で、旅行先30都市のうちトップだった。同調査が開始されてから10年目になるが、東京は初のトップで10項目の費用は去年より23%安くなっており、2012年と比べると60%安くなっている。

トップ10は東京に続き、南アフリカのケープタウン、ケニアのモンバサ、スリランカのコロンボ、ベトナムのハノイ、インドネシアのバリ島、コスタリカのタマリンド、米国のオーランド、マレーシアのペナン島、ドミニカのプンタカナの順となっている。

一方で最も高い旅行先はブラジルのリオ・デ・ジャネイロで10項目合計160英ポンドという結果になった。ペアのコース料理が1食につき107.85英ポンドかかり、ドリンクは1本は平均で4.07英ポンドとなっている。(提供/人民網日本語版・編集TK)

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世界各国のビックマック価格

購買力平価という考え方がある。

世界各国の物価水準は摩擦が無く貿易されれば同じ物なら同じ価格になるように為替水準は調整されるはず、という理論だ。

そして世界中で売られているマクドナルドのビックマックを基準に購買力平価を計算したものが「ビックマック指数」だ。

以下の一覧は2015年1月時点で円換算した際の価格だ(1ドル117.77円 56か国)。

1位 スイス      888円 2.4倍
2位 ノルウェー    742円 2.01倍
6位 アメリカ     564円 1.52倍
15位 オーストラリア 509円 1.38倍
18位 ドイツ      501円 1.35倍
38位 日本       370円 

※ルクセンブルクは調査対象外
(世界のビッグマック価格ランキング 世界経済のネタ帳)
http://blogos.com/article/110634/


500円くらいでも日本ではそこそこ満足できる昼ご飯を食べられますが、欧米で5ドルや5ユーロ程度でまともな昼ご飯を食べられるということはまずありません。

私は、今日夜からオーストラリアのシドニーに出張ですが、シドニーでは普通のレストランで昼ご飯を食べても2000円程度はします。まさに「Japan is cheap」です。

私は、米国のビジネススクール(ダートマス大学タック経営大学院)を30年前に卒業し、今では同校のアジア地区のアドバイザリーボードのメンバーをしています。数年前に学校側からあった説明では、授業料が1年で7万ドル近くに上昇しているというのです。2年制の大学院ですからその倍の学費がトータルでかかります。もちろんそれ以外にも生活費がかかりますから、卒業までには最低でも2000万円くらいの費用がかかります。多くの学生はローン(MBAローン)を組むなどして資金をねん出します。

しかし、無事卒業さえできれば、それはすぐに取り戻せるのです。実は、卒業生の卒業後3年目の平均サラリーは18万5千ドル(約1900万円)なのです。これは優秀な人だけの数字ではなく平均です。3年後でこのレベルですから、それ以降はもっと稼ぐ人ももちろん大勢います。中には億円単位で稼ぐ人も少なからず出てくるのです。
http://blogos.com/article/187248/


食事も旅の楽しみの1つですが、スイスでは持ち帰り用のデリでも2,000〜3,000円かかります。

レストランでの食事は、場所にもよりますが、ファミレスのような場所で約2,500円、

雰囲気のよい店舗では最低6,000円は見積もらないといけないでしょう。

さらに良いサービスを受けたときは、10%ほどのチップを支払うのがマナーですので、それも勘定にプラスしなければなりません。

スイスのビックマックセットは12スイスフラン(1,440円)。

ポテトチップスは1袋700円以上します。


物価の高い理由、それはずばり人件費が高いからです。

スイスではファーストフード店でアルバイトした場合でも、時給は2,500円ももらえます。人件費がかかる分、商品の価格が高くなってしまうのです。
http://www.spintheearth.net/travel_switzerland_price/


スイスのチューリッヒは、世界の中でも物価の高い都市として知られる。

駅でミネラルウォーターを買えば4フラン、トイレの使用料に2フラン、つまり水を飲んで用を足すだけで6フラン(約600円)もかかる計算になる。

一説には、高技能職の移民以外は受け入れないために、あえて物価を高くしているとの説もあるほどだ。

一方、スイスの最低賃金は、毎月3500フラン(約35万円)にも上る。

これほどの高賃金だから物価が高くても生活できるわけだが、一般的な経済原則に反して、高賃金にも関わらず失業率も低い。
http://media.yucasee.jp/offshore-news/posts/index/646


2017年10月20日
観光立国神話の間違い 外人観光客誘致は日本を貧しくしている

「貿易黒字が回復」「貿易赤字が悪化」のように言うのは間違い
引用:http://www.asahicom.jp/articles/images/AS20161024001223_comm.jpg


「輸出は良いこと」と言う間違い

日本には「輸出は良いこと」で「輸入は悪いことだ」という考え方が、徳川300年の因習のように染み付いています。

しかもこう信じている総本山が自民党幹部だったり、経産省や財務官僚、東大教授、経団連トップだったりします。

無学な人間ががどう喚いても総本山は自分が正しいと思っていて、改める気配すらありません。


安倍首相のアベノミクスも良く言われるように大企業偏重で、もっと言えば輸出企業偏重でした。

それを象徴するように大新聞やテレビは日本の貿易黒字が増えると「稼ぐ力が戻った」と大喜びしました。

財務省や経産省や自民党も「貿易黒字が”回復した”」とガンが直ったように喜んでいました。


アベノミクスでは貿易黒字を増やすために観光客誘致に力を入れ、2016年に2000万人を達成し、2017年は2500万人以上が確実になっています。

外国人が金を使うのは自動車を輸出するのと同じで、日本が儲かる=良い事だと皆思っています。

政府は輸出や観光客を増やすために円安に誘導し、現在は1ドル112円程度で推移しています。


ところが為替レートは日米の物価上昇率によって、同じ数字でも実効為替レートはどんどん変動しています。

たとえば日本の物価上昇率が20年間ゼロ、同じ期間アメリカは2%だったとすると、同じ為替レートでも実質的に、毎年2%円安になっています。

現在の1ドル112円は1995年時点の、130円か140円に相当する「超円安」になっています。


仮に今後1ドル80円になっても、1995年時点の1ドル100円以上でしかない筈で、円安の恩恵を受けて貿易黒字になったのが良く分かります。


輸出と観光偏重が日本を貧しくする

では貿易黒字で儲かったからこのまま続ければ良いのではないか、とも思えるがそうは行きません。

日本の貿易黒字で喜ぶのは日本人だけで、貿易相手はみんな不愉快になり怒り出します。

中国の貿易黒字が増えたとき、日米では中国人への反感が高まりましたが、80年代には欧米で「ジャパンバッシング」がありました。


日本がこのまま輸出を増やして貿易黒字を増やすと、間違いなくジャパンバッシングは復活するでしょう。

さらに貿易黒字だけが拡大し続けると、儲かった外貨の一部は日本円に交換されるので、円高圧力がどんどん高まります。

80年代に貿易黒字を溜め込んだ日本は、1995年の超円高で全て吐き出す破目になりました。


超円高や阪神大震災の傷も癒えて、小泉政権で再び貿易黒字を溜め込んだが、2011年の超円高でまた吐き出しました。

言っては悪いが「大食い選手権」で食えるだけ食って、トイレで吐いている大食い芸人と同じです。

これらで分かるのは輸出で儲けてから吐き出すには10年以上の時間差が有った事で、恐らく安部首相も引退する2030年までに次の超円高が起きます。


もっと前にも「高度成長期」に溜め込んだ貿易黒字を1985年プラザ合意の超円高で吐き出しています。

1971年にはニクソンショックによって1ドル360円の固定レートが廃止され、変動相場制に移行しています。

これら全ては、日本が貿易黒字で儲けすぎたのに欧米諸国が反発し、為替レートを上げる事で調整した結果でした。


10年か20年ごとに同じ事を繰り返しているわけで、偉い人達もいい加減に学習して欲しいです。


輸出するには同額の輸入が必要

ではどうすれば良いのかというと、実は非常に簡単な話で、輸出と同じ金額の輸入をすれば良いだけです。

自動車を100万台輸出しようが1000万台輸出しようが、同額の輸入をすれば為替相場は円高に動きません。

”偉い人達”は輸出を喜んで輸入を毛嫌いしていますが、その原因になっているのは恐らく、財務省の勘違いです。


財務省はGDPの計算方法で「輸出はプラス」「輸入はマイナス」にしていて、間違いではないが非常に誤解を与えています。

「輸出はプラス」に異論はないが「輸入はマイナス」の部分は、まるで輸入するほど日本のGDPが下がっているような印象を与えています。

毎回同じ例を挙げるが、例えばアメリカから100グラム50円で牛肉を輸入したとします。


スーパーで売るときには100gあたり150円とか300円になり、3倍から5倍もの値段で販売されています。

さらに牛肉は牛丼になったり、しゃぶしゃぶ、ステーキなどになり国内で付加価値がついて販売されています。

日本が輸入する大半は原料なので、輸入した価格の何倍もの価値が国内でつけられ「輸入によってGDPが増えている」のです。


アイフォンのような完成品でさえ、輸入したものを販売しサービスし課金されることで、やはり何倍もの付加価値が国内で生まれます。

輸出がGDPに貢献しているのと同様に、輸入もGDPに貢献していて、国内で付加価値が生まれているので分かり難いのです。

日本政府が輸出を増やしたいのなら、同額の輸入を増やすべきだが「輸出だけ増やせ」と言うから必ず失敗するのです。


今回の「安倍景気」も輸出だけに偏重するのなら、小泉景気と同じく、10年後に無残な失敗に終わるでしょう。
http://www.thutmosev.com/archives/73197193.html


2017年12月28日
外国人観光客3,000万人へ バブルの行き着く先


膨大な経常黒字を観光収支の黒字がさらに拡大させている。
こんな事をすれば将来の超円高を招く
引用:https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/r/recomme_jp/20170824/20170824170841.png


外国人が増えると嬉しいか?

2017年は訪日外国人数が2,800万人に達したと推測され、年間で4兆円のインパウンド消費が見込まれている。

政府はさらに外国人観光客を倍増させるつもりで、2018年は3,200人の訪日、5兆円近い消費を予想しています。

ところで外国人が日本に来て消費するのは経済的に、日本から外国に輸出するのと同じ経常黒字になります。


物を輸出するのと、外国人が日本で消費するのは、お金の流れとしては同じ「外国から日本へ」です。

その経常収支は10月に過去最大2.1兆円の黒字を記録し、通年でも過去最高に近い数字が出ると予想されます。

経常黒字が大きくなると、「やった!日本が儲かった」と喜ぶ人が居ますが、これは「儲かる、損をする」とは関係ない数字です。


経常収支が黒字なのはお金が日本に流れた一方で、日本の労働力が外国の為に消費されたのを意味します。

トヨタが300万円の自動車をアメリカに輸出すると、日本はお金を受け取り、アメリカは日本の労働力を自動車1台分受け取ります。

受け取った300万円分のドルを有効に使えれば良いが、日本の労働者を300万円で買ったアメリカ人の方が、得をしているかも知れません。


90年代から2000年代に日本は空前の経常黒字を積み重ねたが、貧しくなるばかりで経済は縮小を続けました。

これを振り返っただけで「経常黒字(貿易黒字)=日本の儲け」は完全に間違っているのがわかります。

「輸出=儲かる」「経常黒字(貿易黒字)=日本の儲け」という間違った考えのせいで、日本は自国の労働力を外国のために使ってしまいました。

外国人観光客が増えるのも同じであり、日本人の労働力を中国人や韓国人のために使い、日本はお金という紙くずを受け取っています。


円高の戦犯は小泉元首相

要するに日本人が中国に出稼ぎメイドをしているのと同じであり、日本が儲かっているとかでは有りません。

中国人相手に接待している労働力を、日本のために使ったほうがずっと良いのだが、政府の上の人はそう思っていません。

外国人が増えたといって喜んでいると、80年代に自動車や家電輸出で儲けたときと同じく、最後は悲惨なバブル崩壊で終わります。


なぜなら国の経常黒字が増えると、変動相場制によってその国の通貨を上昇させる圧力が生じ、耐え切れなくなった時に超円高になるからです。

最近では2007年から2011年にかけて円高が進み、1ドル70円台になったが、その原因は2007年までの輸出攻勢にありました。

小泉首相は日本経済を再生するため円安に誘導し、その時は輸出が拡大して経常黒字が増えて、日本はかなり儲けました。


当然の結果としてこのような経常黒字は円高圧力を生じさせ、2007年の1ドル124円を天井として、2011年に80円を割るまで下がり続けました。

2011年の超円高を引き起こしたのは、2000年代前半に円安誘導した小泉首相や竹中財務大臣、福井日銀総裁らでした。

そして現在、小泉時代と同じように安倍首相と黒田日銀総裁は円安に誘導し経常黒字を増やし、「日本は勝った!日本は儲けた」と言っています。


彼らのせいで再び超円高になるのは、2020年代以降と予想されるので、小泉元首相と同じように責任を認めないでしょう。
http://www.thutmosev.com/archives/74237738.html


滅茶苦茶な金融緩和で超円安にして株価と不動産価格だけバブルにしても日本は豊かにならない


小泉景気は2001年から73カ月も続いたが、内容は円安で輸出を増やすものだったので、円高であっけなく終了しました。

むしろ強引な円安誘導で国際収支の黒字を積み重ねた結果、儲けたドルが一斉に円に換金され、空前の超円高を作り出した。


貿易や海外投資で儲ければ、儲けたドルは後で円に交換されるので円高を引き起こし、結局は儲けた金を全て吐き出す破目になります。

貿易黒字はまったく無意味とまでは言わないものの、日本が儲けるという観点からは「ほとんど無意味」なのは事実です。

同様に安倍首相が力を入れ年間2500万人に達した外国人観光客も、国際収支の黒字を増やすだけで「ほとんど無意味」です。


国際収支が積み上げられた結果、「将来円に交換される外貨」が増えていき、最も円高になって欲しくない時に、一斉に円に交換し超円高になります。

ここでも悪事を働いているのは財務省で、貿易黒字や国際収支黒字を「日本の稼ぐ力」と呼び「貿易黒字が回復した」と良い事のように言っています。

財務省は「財政」つまり国の貯金がいくらあるかを数える役所なのだが、経済については分かっておらず、無知なのに口を出します。


国際収支の黒字は将来の超円高を作り出す「悪い事」なのに、「黒字になった、勝った勝った」と喜んでいるのです。

日本のようにGDPの7割近くも個人消費が占めている国では、景気が回復したら輸入が増えて貿易黒字になるので、巨額貿易黒字は「不況」のサインでしかありません。
http://www.thutmosev.com/archives/72361513.html


輸出や外国人観光客の誘致をいくら頑張ってやっても日本が豊かにならない理由


経済コラムマガジン 2016/10/24(913号)落日の構造改革派

構造改革派の中にも、段々と問題は供給サイドだけでなく、需要サイドにもあるのではないかと考える者が現れるようになった(日本の供給サイドは特に大きな問題がないと筆者は見ている)。明らかに構造改革派は落日を迎えている。しかしいきなり財政支出による需要創出というわけには行かない。筆者の記憶では、最初に需要サイドに着目した構造改革派は「霞ヶ関埋蔵金」を問題にした人々である(埋蔵金を使っての需要創出をしろと主張)。


その次は外国人観光客の誘致を唱える人々である。
これは外国人観光客の買い物による需要増を狙っている。

そして最近ではTPP締結が注目されている。ところでアベノミクスの第三の矢である「成長戦略」の柱は規制緩和などによる構造改革だったはずである。ところが奇妙なことに最近になって「成長戦略」の第一はTPPという話が出るようになっている。これは TPP による輸出増が狙いである。

このように外国人観光客の誘致やTPPの目的は需要増といっても外需の増加ということになる。

たしかに構造改革よる供給サイドの強化といった現実離れした考えからは、これらはいくらか進歩していると言える。しかしこれに対して筆者達は、これ以上外需依存を高めるのではなく(外需依存はいずれ円高で苦しむことになる)、財政政策(ヘリコプター・マネーなどによる)による内需拡大政策を主張しているのである
http://www.adpweb.com/eco/eco913.html


2016年07月04日
訪日外国人2000万人も経済はマイナス 外国人観光は経済に貢献しない

外国人が何千万人来ても、それで経済成長することは絶対に無い。


http://livedoor.blogimg.jp/aps5232/imgs/a/5/a5a20193.png


外国人観光客は2016年も増え続けていて、この調子なら2000万人達成も可能だと言っています。

だが外国人がいくら増えても日本の景気は良くならず、むしろマイナス成長になっているのは何故でしょうか。


無策のツケを誰が払う?

政府は訪日外国人が1000万人を超えたとして、次は2000万人、あるいは3000万人だと言っています。

2011年の原発事故の後、増え続けた訪日客は特に安部政権が始まった2013年から、目だって増加しました。

安倍首相は「訪日外国人が増えたのは自分の手柄だ」と言っていて、それは別に構わない。


だが不思議なのは外国人が2倍に成っても日本のGDPがマイナス成長な事で、むしろ外国人が増えるほど経済が悪化している。

訪日外国人が増える事と、日本の経済成長に関係があるのかないのか、議論されませんでした。

皆当たり前のように「訪日客が増えれば経済効果がある」と言っているが、わたしはそう思いません。


訪日外国人がお金を使うのは、お金の流れを見ると輸出と同じで、例えば自動車1台輸出すると200万円のドルが得られます。

実際は原材料費などを輸入しているので1台100万円として、外国人が5人くらい訪日すると、交通費込みでそのくらい使います。

外国人がお金を使うのだから日本は儲かっている、と輸出論者は言うのだが、それは戦前から1980年頃までの話です。


その頃までは通貨は事実上固定相場制で、日本が何台自動車を輸出しても、1ドルは360円や200円で固定されていました。

ところが日本の輸出で大損をしたアメリカはぶち切れてしまい、ある日日本の大蔵大臣をNYに呼んで「今日から変動相場制にするから」と通告しました。

これが1985年のプラザ合意で、以来30年間日本はずっと円高不況で苦しんでいます。


同じ場所でクルクル回るだけのハムスター経済
引用:http://pds.exblog.jp/pds/1/201209/15/22/f0189122_15113970.jpg


日本はハムスター経済?

変動相場制では輸出すればするほど円高になるので、輸出で儲ける自体不可能で、むしろ輸出するほど損をします。

アメリカのような輸入超過国のほうが儲かるように出来ていて、その為にアメリカはルールを変更したのでした。

観光客がドサドサやってきてお金を使うのも同じ事で、彼らの買い物のせいで円高になり、余計輸出企業が苦しむだけです。


固定相場制では「輸出するほど儲かった」が、変動相場制では「輸出するほど罰を受ける」のです。

2016年に入って中国ショックやイギリスショックで円高になり、一時99円に達してまた戻っています。

評論家はイギリスのEU離脱の影響と言っていますが、何も無くたって輸出と観光客のせいで円高になるのです。


安倍首相の経済政策をみると、円安に誘導して輸出や観光客を増やしているが、輸出が増えたら必ず円高になります。

輸出とはドルを円に交換するで、観光客もドルや人民元を円に交換し、際限なく円高になります。

なんだかハムスターが車輪を回しているが、同じ場所で自分が走っているだけ、というのを連想してしまいます。


輸出や観光客でお金を集めようとして必死に働いているのだが、こんな事をいくら頑張ってもゼロ成長のままです。

観光と輸出にはもう一つ大きな問題があり、日本人が働いた成果が国外に流出し、蓄積されない事です。

日本で自動車を生産しアメリカに輸出したら、日本には何もなくなり、アメリカには自動車が1台増えます。


輸出や観光で経済成長はしない

お金という紙切れを受け取る代わりに、高度な工業製品である自動車を渡すのは、あまり有利な取り引きではありません。

アメリカは受け取った自動車を何年か有効に使いますが、日本の自動車メーカーが受け取ったお金は有効に使われているでしょうか。

大抵は中国や海外に別な工場を建てたりして、日本人には何の恩恵ももたらしはしません。


あるいは企業の内部留保になったり、株価や地価を吊り上げたり、ロクな事に使われないのが現実です。

輸出や観光で日本が受け取った外貨は、一般国民のために使われる事は、まずありません。

外国人旅行者より国内旅行者を増やした方が経済効果が大きいのに、外国人を泊めるために日本人をホテルから追い出しているのです。


この政策を続ける限り、来年も再来年も、日本はゼロ成長でしょう。

ではどうすれば経済が成長するかと言うと、今まで書いた逆、つまり輸入を増やして貿易や観光を赤字にすれば、その分円安で輸出し易くなります。

貿易黒字の日本より貿易赤字のアメリカ企業の方が、成長力があり儲かっているのはこの為です。
http://thutmose.blog.jp/archives/62830797.html


2017年8月3日【小浜逸郎】日本人よ、外国人観光客誘致などに浮かれるな
https://38news.jp/economy/10870

2020年東京五輪を控え、外国人観光客をもっともっと迎えようではないかという機運が高まっています。
実際、ここのところ訪日外国人数はうなぎ上りに増えています。
2014年と2016年とを比較すると、わずか2年間で、1340万人から2400万人、倍率にして1.8倍という目覚ましさです。
http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/since2003_tourists.pdf

また先ごろ、2016年の「旅行収支」が1.3兆円の黒字を記録したことがマスコミによって報じられ、一般国民を喜ばせています。
なかには、日本はこれから観光立国を目指すべきだなどという、いささかおっちょこちょいなことを言いだす人も出てくる始末です。

たしかに、多くの外国人が(移民としてでなく)観光のために日本を訪れ、
「おもてなし文化」のような日本のよいところを知ってもらうのは悪いことではありません。

また、外国人がたくさんお金を落として行けば、観光資源の豊富な地域は儲かるでしょうし、新たに外国人誘致のための観光開発に力を入れることで、経済波及効果が望めるかもしれません。

しかし、です。

こういう議論が、果たしてどれだけこれからの日本経済全体や日本文化全体に資するものかどうかは、もっと慎重に考えてみなくてはなりません。

まず、訪日外国人といっても、すべてが観光目的で日本に来るわけではありません。
観光目的は、全体の約6割にとどまります。残りはビジネスその他なのです。
http://bit.ly/2hkBlYK

ビジネスでは、利にさとい中国商人などが、巧みに利益をかっさらっていかないとも限りません。

次に、外国人の内訳ですが、韓国、中国、台湾、香港の4地域で、全体の73%を占めます。

欧米加豪の合計はわずか14%にすぎません。
しかも、2014年当時、前者は、67%、後者は18%でした。
http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/since2003_tourists.pdf

つまり、増えているのは、東アジアからの訪問者であって、ヨーロッパや英米圏から日本を訪問する人たちの割合は、むしろ減っているのです(絶対数は増えていますが)。

数字を大きく押し上げているのは、近隣諸国だということがこれでわかります。

私たちは、外国人と聞くと、何となく西洋人を思い浮かべてしまう習慣から抜けきっていないのではないでしょうか。
そうして、そういうお客さんがたくさん来てくれることはウェルカムだ、とどこかで感じていないでしょうか。

そこには、近代以降の西洋コンプレックスが微妙に左右していると思いますが、それはともかくとしても、韓国や中国がいまの日本にとって、たいへん不安定で剣呑な関係にあるということを忘れないほうがいいと思います。

筆者は別に、この両国の国民一人一人に対して嫌悪感情や差別感情を抱いているわけではありません。
それは、筆者の勤務する大学での留学生に対する対応の仕方を見ていただければわかると思います。

しかし、実際に長野オリンピックの際に来日した中国人は、ああいう乱暴な振る舞いに及んだわけですし、最近は少しおとなしくなったものの、訪日中国人観光客のマナーの悪さは有名です。

さらに中共独裁政権には、国防動員法という法律があって、国外に滞在している中国人はすべて有事の際に政権の命令に従わなくてはならないことになっています。

違反すれば厳罰でしょうから、彼らは「便衣兵」としてゲリラ戦を展開する可能性が大きい。

また慰安婦問題に限らず、韓国の反日感情は尋常ではなく、サッカー大会やフィギュアスケート大会などにおけるヒステリックな反応、仏像の窃盗、靖国神社の放火、落書きなど、数々の狼藉ぶりは私たちの記憶に新しいところです。

日本なら確実に犯罪行為とみなされることも、本国ではとがめられるどころか、「もっとやれ」と言わんばかりの調子です。

こういう人たちが「訪日外国人」としてうなぎ上りに増えているからといって、外国人観光客が増えることはいいことだなどと単純に言えるでしょうか。

訪日外国人が増えることを素直に喜べない理由のもう一つ。

じゃんじゃん高級ホテルの建設でも進むなら話は別ですが、実際には、
サービスの悪い民泊の増加による料金低下競争が起きています。老舗旅館などが経営難で閉鎖されていきます。

デフレ不況期にこういうことが起きると、移民による賃金低下競争と同じで、日本の経済全体に悪影響を及ぼすのです。

さらに、次の点が重要です。

「旅行収支」が1.3兆円の黒字と聞くと、それだけで日本経済の復活に貢献するかのように思ってしまいます。

観光のにぎわいというのは目立ちますし、外国からたくさんの人がやってきて日本の土地を踏んでくれることは、日本が国際的に認知されて何となく繁栄につながるかのようなお祭り気分に国民を誘います。

しかし、「旅行収支」とは何でしょうか。

要するに、旅行によって外国人が日本に落とすお金(収入)と、日本人が外国に落とすお金(支出)との単なるバランスを示す数字です。

日本人にお金がなくて海外旅行にあまり行かなくなれば、それだけで黒字幅は増えます。

知っておくべきなのは、旅行収支は、GDPに算入されないという事実です。

旅行収支は経常収支のうちのサービス収支の一種ですが、経常収支でGDPに算入されるのは、純輸出(輸出額−輸入額)だけです。

GDPは、次の恒等式によって算出されます。

Y(GDP)=C(消費)+I(投資)+G(政府支出)+NX(純輸出)

ここで、言うまでもなく、消費や投資や政府支出とは、国内における日本国民による支出(=他の「日本国民」にとっての所得)を指しています。

つまり、外国人がいくら日本にお金を落としても、それだけでは、GDPの増加にはつながらないのです。 必ずしも内需(国内生産)が増えるわけではありませんからね。

一方で国内需要にもとづく財やサービスの生産が大きく落ち込んでいれば(いるのですが)、何にもなりません。

ところで、旅行収支1.3兆円の黒字というマスコミの報道ですが、これって、GDPのわずか0.26%にすぎませんよね。

GDPに算入されないうえに、この程度の黒字幅をもって、何か日本の経済が好転しているかのような幻想を振りまくマスコミの罪はたいへん重い。
こうした報道は、政府が本来やるべきことをやらない口実として利用され、不作為の事実を隠蔽する効果を生むだけなのです。

日本は、「観光立国」などという、できもしない浮かれ騒ぎにうつつを抜かすのではなく、 一刻も早くPB黒字化目標を破棄し、政府債務の対GDP比という正しい「財政健全化」概念を採用すべきです。

そのうえで、分母であるGDPを拡大させるために、政府支出を惜しまず、大胆な公共投資に打って出るのでなくてはなりません。

____

筆者は前回、「日本人よ、外国人観光客誘致などに浮かれるな」と題して、2016年の「旅行収支」が1.3兆円の黒字を記録したことなどにそんなに大げさに騒ぐなという趣旨の一文を寄せました。
https://38news.jp/economy/10870
ところが、その矢先、日経新聞が見事にこの大騒ぎをやってくれたのです(8月13日付)
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO19940990S7A810C1EA3000/?n_cid=NMAIL003

訪日消費、主役は欧州客 「爆買い」より体験

訪日外国人の消費が新しいステージに入ってきた。

これまで日本でお金を使う外国人といえば中国人が中心だったが、
英国など欧州勢も1人あたりの消費額を伸ばし、存在感を高め始めた。

地方での訪日消費も息長く続き、いずれ地方経済のけん引役は
公共投資から観光消費にかわるとの期待も出ている。(中略)

観光庁によると、4〜6月期の1人あたり旅行消費額は、
首位の英国が25万円、2位のイタリアが23万円。
近年トップだった中国は22万円で3位。
フランスやスペインも20万〜21万円台で肉薄する。

消費の主役はいまや欧州勢だ。

1〜6月期の訪日客消費額は2兆456億円で過去最高。

みずほ総合研究所は下期もこの勢いを保つなら、
年間の付加価値誘発額は4兆円になると試算。

名目国内総生産(GDP)で0.8%の上昇が期待できる。(以下略)

突っ込みどころ満載ですが、三つにまとめておきます。

1.一人当たり消費額が、中国人より英国客のほうが少しばかり多くなっても、絶対人数では中国人が20倍以上。そのことは記事の後略部に書かれているのに、それに対するネガティブな評価は一切書かれていません。

しかも、筆者が前記事で述べたように、観光客は、「外国人訪問客」の6割どまりで、残りはビジネスその他なのです。

日経記事は、「1人あたり旅行消費額は、首位の英国が25万円、2位のイタリアが23万円。近年トップだった中国は22万円で3位」と、グラフまで掲げて麗麗しく書いていますが、英国とイタリアの訪日人数の合計は、中国一国のわずか6%にすぎません。これでどうして「主役は欧州客」なのでしょうか。印象操作もほどほどにしてほしい。
http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/since2003_tourists.pdf

2.訪日外国人が増えても、GDPにカウントされるのは「旅行収支」なので、そのぶん日本人の海外渡航での出費が増えれば、GDPは増えません。

記事中に、「年間の付加価値誘発額は4兆円になると試算。名目国内総生産(GDP)で0.8%の上昇が期待できる。」とありますが、この数字は、たとえ予測通りとしても、日本人が海外で消費する金額が差し引かれていないので、明確に誤りです。

海外取引額としてGDPにカウントされるのは「純輸出」、つまり輸出額−輸入額ですが、旅行収支もこの中に含まれます。
結局、0.8%という見込み数字は、「輸出分」だけを計算しているのです。

3.ちなみに「旅行収支」のGDP寄与額1.3兆円は、2016年で、わずか0.26%です。
これで、「いずれ地方経済のけん引役は公共投資から観光消費にかわるとの期待も出ている」とは、お臍が茶を沸かします。

地方財政は、わずかな例外を除いて、いまどこも逼迫しています。
ことに、度重なる災害が起きた地域では、対策費捻出に血のにじむ思いをしています。

中央政府は財務省の「緊縮真理教」のために、ろくな財政出動も行わず、公共投資を減らし続けています。

地方交付金をケチってきたために、老朽化した橋やトンネルを修繕できずに潰してしまうところも出ています。

橋やトンネルを潰すということは、そこを通過する道を丸ごとなくしてしまうということでもありますよね。

災害大国日本のインフラ整備は、こんな情けないありさまなのです。

これでは、百歩譲って「観光大国」なる目標を景気回復の選択肢の一つとして認めるとしても、そのために不可欠な基盤整備や観光資源の維持・開発もままならないでしょう。

そういう現実をきちんと指摘して、政府に喫緊の課題として突きつけるのがマスコミの役割であるはずなのに、なんと日経は、「政府は20年に訪日客消費を現状2倍の8兆円の目標を掲げる。」などと、もともと何の根拠もない謳い文句を嬉々として掲げ、政府の宣伝係を自ら買って出ているわけです。

日経のこの記事には、悪政のお先棒担ぎをやっているさまがありありと出ています。いまの日本のマスコミの劣化状態を象徴していると言ってよいでしょう。恥を知れと言いたい。

一番の問題は、「経済専門紙」を標榜する日本経済新聞のようなマスコミが、日本はすでにデフレから脱却したという、このような超楽観記事を載せることで、国民がそう思い込んでしまうことです。
https://38news.jp/economy/10950  


安倍首相は間違った政策を実施して、せっかくの経済成長を潰そうとしています。

第一の危機は2019年に迫る消費増税で、実施したら再びマイナス成長とデフレに戻るが、安倍首相は増税すると発言しています。

今までの消費税創設と増税でマイナス成長にならなかった事は一度もなく、税収が増えたことも在りませんでした。


第二の危機は安倍政権の輸出偏重で、今まで輸出を増やそうとしたり、外国人観光客を誘致してきました。

その結果、輸出はマイナスで観光客も成長に寄与していないという結果が出ているわけで、今回外需はマイナスでした。

日本経済の8割が内需で外需は15%程度なのに、一生懸命外需を増やして内需は消費増税で潰してきました。


まるで逆噴射しながら離陸しようとする飛行機のようで、これでは日本経済の高度が上がる筈が在りませんでした。

内需を増やすには消費支出、個人消費、設備投資、公共事業を増やすことで、まず政府が支出を増やす必要があります。

今までの25年間、政府は支出を減らしてきたたために、個人消費と設備投資が減少し、GDPが減り税収も減らしました。


安倍首相が同じ間違いを繰り返すようなら、日本経済も同じようにマイナス成長になり、財政も悪化します。
http://www.thutmosev.com/archives/72298540.html


2017年09月15日
観光ブームの欧州で「嫌観光客」旅行者襲撃も


トレビの泉はもっと観光客を増やすために、池の周りに通路を増設した
引用:https://st2.depositphotos.com/1184024/11890/i/950/depositphotos_118901056-stock-photo-tourists-at-trevi-fountain-in.jpg


増えすぎた観光客に住民が悲鳴

最近30年間ほど世界では外国観光客が急増し、各国は観光客誘致に力を入れてきました。

冷戦期には世界で5億人以下だったのだが、1995年には5.3億人、2005年に8.1億人、2015年には11.8億人に増加しました。

特に世界的な人気観光地に旅行者が集中し、イタリアやスペインは外国人旅行者が急増しました。


だがおかしな事にこれら外国人旅行者が急増した国の多くは、最近経済苦境に陥っている国と一致しています。

外国人旅行者が増えると外国人からお金を受け取り、自国民がサービスを提供するので、やっている事はフィリピンのメイドと同じです。

フィリピン人は国が破綻しているため、外国に出稼ぎメイドをして仕送りしているが、それで国が豊かになる事はありません。


貴重な労働力を外国人のために使い、自国では何も生産していないので、外国人観光や派遣メイドで経済成長はしないのです。

外国人向けサービスで外貨を得て利点があるのは、失業率が高い国で失業率を下げる場合で、既に十分に失業率が低い場合はマイナスしかありません。

多くの人にこんな理屈は無関係だが、なんとなく「外国人旅行者が増えても暮らしは良くならない」「むしろどんどん悪化している」のは気づいています。


イタリアやスペインでは増えすぎた外国人観光客への嫌悪感が高まっていて、外国人を襲撃する過激グループも存在します。

両国の住民は増えすぎた観光客に苦情を訴えているが、政府は努力しないで外貨を稼げる観光を奨励している。

ローマの「トレビの泉」は後ろを向いてコインを投げると願いが叶うらしいが、コインを投げる前に数時間並ばなくてはならない。


観光客制限は人種差別?

ディズニーランドと同じでただのアトラクションであり、金を使わせるための遊戯施設になっている。

エッフェル塔もピラミッドもベネツィアもドイツの古城も全部こうした有様で、イナゴがキャベツ畑を食い荒らす様子に似ている。

日本でも奈良公園や大阪城など外国で有名な観光地では、歩いているのは7割が中国人と韓国人で、残りはアジア人や欧米人で、日本人は2割も居ません。


昔は存在した神秘的な雰囲気は根こそぎなくなってしまい、奈良公園は「中国人が鹿と記念写真を撮る場所」になりました。

鹿達も多すぎる観光客にスレてしまい、人を襲って(荷物を引っ張るだけだが)食べ物を奪うようになり、目つきの悪い鹿が増えた。

地元住民の5倍、10倍もの外国人が小さな町に押しかけたら、もう住める環境ではなくなるでしょう。


イタリア北西部の小さな漁村チンクエ・テッレは5つの村を合計して人口5000人だが、去年250万人の外国人観光客が押し寄せた。

住民の生活は完全に破壊され、静かな公園や散歩する道、買い物する店は全て観光客で溢れている。

住民は怒り狂っているが、行政や政府、観光産業の人間は「人権」などを持ち出してもっと観光客を誘致している。


観光業の人間が言っている「人権」とは「外国人を差別するのは難民を差別するのと同じで、お前は人種差別主義者だ」という事です。

多すぎる観光客に不満を訴えると住民は「ネオナチ」「差別主義者」とレッテルを貼られて攻撃されています。

日本政府は外国人観光客2000万人を達成したと鼻高々ですが、あっという間にイタリア、スペインと同じ状況になるでしょう。


もうひとつ住民を窮地に陥れているのが「世界遺産」で、その土地に住んでいる住民にとっては呪いでしかありません。

世界遺産になったとたん、自分の土地なのに自分のものではなくなり「人類共有の財産」になるからです。

人口千人の村に政府は毎年100万人の観光客を押し込んで「政府の政策の輝かしい成果だ」などと言っています。


日本でも中国人や韓国人に文句を言ったり入店禁止にすると「人種差別主義者」のレッテルを貼られ、テレビや新聞で叩かれます。

そして今の政策を続けると、日本もすぐにイタリアやスペインになるのです。
http://www.thutmosev.com/archives/72596845.html


ここにも忍び寄る中国資本! 知らぬ間に中国人オーナーに入れ替わり 老舗旅館やホテルが“草刈り場”に
9/30(土) 8:48配信 産経新聞


https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170930-00000508-san-soci.view-000
旅館・ホテルの倒産件数と負債総額(写真:産経新聞)


 訪日外国人観光客(インバウンド)に沸く国内で、地方の旅館やホテルの経営者が様変わりしつつある。将来が見通せないなどとして、日本人オーナーが手放した施設を外国資本が購入するケースが相次いでいるのだ。中でも、高額取引を持ちかける中国人の手に渡ることが多いとされ、経営形態を大きく変化させる施設も出現している。(社会部 三宅陽子)

 「後継者がいない中では売りに出すほかない…」

 岡山県内で旅館を営む男性(70)は今、施設の売却を考えている。旅館は古きよき風情が漂う隠れ家的宿として知られており、こだわり抜いた食事の評価も高く、リピーターが来訪客の30%を占めるという。

 だが、部屋の回転率は60〜70%にとどまり、土曜日以外はガラガラの状況だ。こうした中、共に働いてきた妻が体の不調を訴えるようになったこともあり「そろそろ引退したいと考えている」と男性。思うように利益が上がらない中では改装など思い切った改革には踏み切れない。子供たちもすでにそれぞれの道を歩きはじめている。

 男性は今年、夫婦二人三脚で守り抜いてきた旅館を6500万円で売り出すことに決めた。

   × × ×

 現在、地方旅館の多くはオーナーの高齢化に加え、施設の老朽化やこれまでの過剰債務などから“廃業の危機”にさらされている。

 厚生労働省の「衛生行政報告例」によると、国内にある旅館は約4万軒(平成27年度)。だが、その数は減少傾向が続いており、18〜27年度だけを見ても、1万軒以上が姿を消した。

 帝国データバンクの調べでは、27年の旅館・ホテル経営業者の倒産件数は前年比8・9%増の86件となり、東日本大震災が発生した23年以来4年ぶりに増加。「業歴30年以上」の倒産が半数以上を占め、多くが設備の老朽化や改修に伴う借入負担などを理由に、経営を悪化させていた。

 こうした中、激増しているといわれるのが、外国資本による国内旅館・ホテルの買収だ。特に衰退が進む地方は、“草刈り場”に近い状態に置かれつつあるとされる。

 ホテル・旅館の経営コンサルタントで「ホテル旅館経営研究所」の辻右資(ゆうじ)所長(58)のもとには、東京五輪・パラリンピック開催が決まって以降、「旅館を買いたい」という外国人からの相談が殺到している。

 毎日30〜40件はあるという問い合わせの約9割は中国人で、「契約件数は毎年30〜40件に上っている」と辻氏。「彼らは日本人客が減って経営に行き詰まる地方の旅館でも、中国から観光客をどんどん連れてくることで十分稼げると踏んでいる」と語る。

   × × ×

 大阪府内にある温泉ホテルを中国人に売却した不動産会社経営の男性(54)は、そのビジネス手法に驚かされた1人だ。

 売却前のホテルは客足が遠のき、借金が膨れあがっている状況だった。これまでの慣例を見直して無駄な経費を削減するなど努力も続けたが、男性は将来への展望を描けず売却を決意。立地が訪日客に人気の「ゴールデンルート」にあったことなども助けとなり、中国人が約1億5千万円で購入した。

 だがその直後、ホテルは“様変わり”したという。

 連日、中国人ツアーを乗せた大型観光バスが到着するように。宿泊料金は1泊3千円(朝食付き)ほどに値下げされたが、8畳間に4〜5人を泊まらせるなど“詰め込み”が目立ったという。

 当時ホテルで働いていた関係者からは客室の稼働率が大きく向上したと聞いたが、「日本人客には敬遠されるようになったようだ」と男性は語る。

 関係者によると、中国人が購入旅館を自ら経営するケースでは、これまで当たり前だったサービスに変化が生じることもある。客室稼働率を上げるため、宿泊料金の大幅な値下げに踏み切ろうとするからだ。

 コストカットの対象にされやすいのは食事。日本の温泉旅館では夕食は懐石料理というスタイルが多いが「『夜は外食で』となり、1泊2食付きから1泊朝食付きとなる」(関係者)。

 ただ、従来のサービスがそぎ落とされた温泉旅館は「寝泊まりするだけのシティホテルのよう…」との声も聞こえてくる。

   × × ×

 一方、これまでゴールデンルート内にあった中国人の投資意欲は、エリア外にも広がりつつある。

 前述の辻氏は「日本を訪れる中で、ゴールデンルート以外の観光地にも素晴らしいところが多いと気づくようだ。今は全国の老舗旅館やホテルに関心が向かっており、最近は箱根や草津が人気だ」と説明。相談にやってくる中国人はこれを手始めに投資先を増やしていこうとしていることが多く「東京五輪・パラリンピック以降もこの投資熱は続くだろう」と辻氏はみる。

 最近では、訪日した際に知り合いなどを呼び寄せたいという個人が「ゲストルーム的」な感覚で老舗旅館を買い取るケースもある。実質的経営はこれまで通り日本人に任せるスタイルを取ることもあり、こうした場合は高級感や伝統的サービスは維持され、客層は国内外の富裕層となるようだ。

 ひいきにしていた旅館・ホテルのオーナーが、知らぬ間に中国人オーナーに入れ替わっていた…なんていうことも増えるかもしれない。

_______


2018年1月22日【三橋貴明】外国人に媚びない観光サービス
現在の日本における観光サービスは、
何というか「外国人に媚びまくる」形で
発展していっています。

いつの間にか、鉄道の電光掲示板に
簡体字やらハングルやらの文字が。

英語なら百歩譲って分かりますが、
なぜ特定のアジアの方々に向けた
掲示板のせいで、日本国民が
迷惑をこうむらなければならないのでしょう。

一事が万事、この調子。

そもそも、世界で最も外国人観光客が
訪れるフランスのパリには、
英語の表記すらありません。

パリのホテルで、

「英語のマップをくれ」

とフロントマンに言ったところ、
冷たく「ない」と言われました。

フランスの観光サービスは、
外国人に対して全く媚びていない。

それにも関わらず、
世界一なのでございますよ。

日本が本格的に「観光大国」を
目指すならば、あの煩わしい
簡体字とハングルを外すべきでしょう。

日本国民が、日本中の観光地を訪れ、
結果、日本の観光サービスが隆盛を極め、
質が高いサービスを目指して
外国人が「苦労しながら」やってくる。

これならば、分かります。

とはいえ、現実の日本の観光サービスは、
外国人観光客「様」に媚びるのが基本です。

良質のサービスを「安く」供給することで
リピーターを増やすという、まさしく
デフレ国の国民に相応しい落ちぶれた
スタイルで「観光立国」を目指しています。

挙句の果てに、民泊を拡大。

兵庫県養父市の特区では、白タクを解禁。

東北新幹線を走る「E5系」などの車両で、
今年の夏から順次、乗客がWi─Fi(無線LAN)の
サービスを利用できるようにすると発表。

理由は「中国人観光客様」の
利用需要が高まっているためです。

外国人「様」にひたすら媚び、
観光サービス業が外国人に懸命に
頭を下げ続けたところで、年間の
訪日外国人の旅行消費額は4・4兆円。

高々、4.4兆円。

それに対し、日本の個人消費
(民間最終消費支出)は
300兆円規模になります。

国民が一年間にわずか2%、
消費を増やすだけで、訪日客の
消費以上の経済効果になるのです。

それにも関わらず、政府は
緊縮財政で国民の消費を押さえつけ、
観光関連の規制を次々に緩和していく。

結果、日本国民は東南アジアで
トゥクトゥクを漕ぐがごとく、その日の
生計を立てるまでに落ちぶれるわけです。

大本の緊縮財政路線、財政均衡主義を
打ち破らない限り、我が国は観光サービスを
先頭に発展途上国化していくと思います。
https://38news.jp/economy/11544


植民地のインドは商品を輸出しても、その見返りの代金は
ポンドでイギリスに蓄積され、デフレになり、不景気になった
2006年2月9日 アメリカの謎を解く 橋本裕の文学・人生日記帳

ブッシュ大統領が1月31日の一般教書演説で、「私は8800億ドルを減税し、国民に返却した。今後も減税を恒久化し、09年に財政赤字を半減する」と述べた。

 一方で、アメリカの経常赤字は05年が7900億ドル(93兆6940億円)、財政赤字も06年度は4230億ドル(約50兆2千億円)で過去最大、債務残高はすでに8兆ドル(約950兆円)を越えている。

 日本では、税制赤字を解消するために、増税をしなければならないと考えられているが、アメリカは逆である。減税をして国内消費を活性化し、景気をよくして税収をあげようとする。さらにアメリカの場合は戦争によって軍需景気を作りだしているわけだ。

 いずれにせよ、アメリカは消費大国。国も国民も借金をして消費を楽しんでいる。このアメリカの消費を助けているのが日本をはじめとするアジア諸国だ。とくに日本の貢献が大きい。日本は政府と民間が何百億ドルというアメリカ国債を買っている。

 先日、朝日新聞夕刊「経済気象台」に「米国のもう一つの謎」という文章が載った。経常収支の赤字が拡大しているにもかかわらず、ドル高が持続している謎について、それは借金国のアメリカが負債について支払う金利が「異常」に低いからだと書いている。これに反して、アメリカの対外資産は巨大な利益を手にしている。

 アメリカは莫大な借金をし、そしてその中から、わずかな一部を他国に貸している。そして不思議なことに、巨大な借金のための利払いよりも、わずかな海外資産の方が多くの利益を生み出しているというのだ。

 どうしてこんなマジックが可能なのか。それは日本がこの逆をしているからである。なぜ日本がこの分の悪い役回りを続けるのか、実はこれこそが本当の謎だということになる。

驚くべきことに、小さな対外資産から受け取る利子と配当が、大きな対外負債に支払う利子と配当を今日まで上回り続けている。家計にたとえると、収入を上回る買い物をして毎月赤字が続き、借金が膨らんでいる。ところが、多額の借金に支払う金利がゼロに近ければ、わずかばかり保有する預金などから受け取る利子の方が大きいという状態なのだ。これでは赤字をいくら出しても、借金さえできれば、後は何の憂いもなく買い物ができる


このうまい話に手放しで悪のりして、米国は経済収支赤字を続け、負債の増加に加速度がついている。この構図が最近話題になり、債権国が浮き足だっている。日本にその気配がないことが「謎」の源である


 実はアメリカのこの「うまい話」は、19世紀に繁栄した大英帝国をまねているだけだ。大英帝国の場合は、その繁栄の謎をとく鍵はインドをはじめとする植民地が持っていた。たとえば当時イギリスの植民地であったインドは、香辛料などの原材料を輸出してイギリスを相手に多額の黒字を計上していた。ところが黒字はルピーではなく、ポンドを使って決済され、そのままイギリスの銀行に預けられていた。

 だからイギリスはいくら植民地を相手に赤字を出しても平気だった。イギリスの銀行に預けられたポンドを、イギリス国内で使えばいいからだ。インドは名目上は債権が増え、お金持ちになったが、そのお金をイギリスの銀行から自由に引き出し、自分の国では使えなかった。お金の使い道は預金者ではなく、イギリスの銀行が決めていたからだ。そしてもちろん、イギリスの銀行は国内の人々に貸し出した。

 イギリス国民は植民地から輸入した品物で生活をたのしみ、しかもしはらったポンドもイギリスの銀行に吸収され、イギリスのために使われるわけだ。こうしてイギリスはどんどん発展した。

 一方植民地はどうなったか。たとえばインドは商品を輸出しても、その見返りの代金はポンドでイギリスに蓄積されるだけだから、国内にお金がまわらなくなる。どんどんデフレになり、不景気になった。

 仕事がきつくなり、給料が下がり、ますます必死で働いて輸出する。ところが黒字分の代金は、ポンドのまま名義上の所有としてやはりイギリス国内で使われる。こうしていくら黒字を出してもインドは豊かになれなかった。そして、赤字を出し続けたイギリスは、これを尻目に繁栄を謳歌できた。

 このイギリスとインドの関係は、そっくり現在のアメリカと日本の関係だと言ってもよい。経済同友会元副代表幹事の三國陽夫さんは、「黒字亡国」(文春新書)にこう書いている。


輸出拡大によっていくら日本が黒字を蓄積しても、それはアメリカ国内にあるアメリカの銀行にドルで預け入れ、アメリカ国内に貸し置かれる。日本からの預金は、アメリカにしてみれば資金調達である。貸し出しなどに自由に使うことができる。

 日本は稼いだ黒字にふさわしい恩恵に与らないどころか、輸出関連産業を除いて国内消費は慢性的な停滞に喘いでいる。停滞の原因であるデフレはなかなか出口が見えない。

 日本の黒字がドルとして流入したアメリカはどうなのか。ドルはアメリカの銀行から金融市場を経由して広く行き渡り、アメリカ経済の拡大のために投下されている。日本の黒字は結局、アメリカが垂れ流す赤字の穴埋めをし、しかもアメリカの景気の底上げに貢献しているのである。・・・

 輸出で稼いだ黒字を日本がドルでアメリカに預け、日本の利益ではなく、アメリカの利益に貢献している限り、円高圧力もデフレ圧力も弱まることなく、政府・日銀がいくら財政支出や金融緩和というデフレ解消策を講じても、一向に持続性ある効果は現れないのである


 幸い、最近この貿易構造がかわりつつある。日本の貿易相手国が中国をはじめとするアジアやヨーロッパにシフトしたことで、日本の対米黒字の割合が相対的に低下したからだ。こうして日本がデフレから解放されるチャンスがここから拡大した。

 しかし、問題はすでに厖大なドル建て資産をアメリカに持っていることだ。日本人の汗の結晶であるドル建て資産が、今後ドル安で何百兆と失われる可能性がある。こうした形で、アメリカは最終的に日本の資産を合法的に手に入れようとする。

「今後も減税を恒久化し、09年に財政赤字を半減する」というブッシュの一般教書の宣言は、これからも日本をはじめ、世界から資金を調達するという意思表示と読むべきなのだろう。
http://www.asyura2.com/0601/hasan45/msg/253.html




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日本円はいくらなんでも安過ぎる 5 (1ドル=50円 程度が適正価格)

2018年01月31日
都心で高級マンションブーム 海外勢購入で価格上昇


10億円の物件がある「パークコート赤坂檜町ザ タワー」(中央)
引用:プレマンhttps://i2.wp.com/premiermansion.com/wp-content/uploads/2016/07/park-court-arasaka-hinokicho-the-tower1.jpg?fit=640%2C423&ssl=1&w=640


都心の高級マンションブーム

不動産価格は供給過剰で下落するという予想があり、実際アパートは供給過剰が目立っている。

しかし都心の一等地には次々に高級マンションが建てられ、億ションならぬ『10億ション』が完売している。

欧米では1区画が100億円を超える『100億ション』もあるので、日本は割安でまだまだ上がるという予想もあります。


特に大手7社、住友・三井・大京・三菱・野村・東京建物・東急の寡占化が進んでいて、シェアは5割近くに達しています。

大手寡占が進む背景としては、地価高騰のために用地獲得が難しくなり、参入障壁が高くなったからだと指摘されている。

都心ではマンションだけでなく不足する高級ホテルや総合商業ビルの建設が相次ぎ、小規模業者は参加しにくくなっている。


2008年のリーマンショックで総合不動産業者は390社から122社まで減少し、競争が少なくなり小数の大手が価格を決めている。

2017年の都心マンション平均価格は前年比7.6%上昇し5908万円になり、1億円以上の物件は52%増の1928戸も売れました。

実際には1億円以上の物件の多くは賃貸されているので、個人などが購入した戸数はもっと少ない。


1戸10億円以上の三井不動産の「パークコート赤坂檜町ザ タワー」(2016年)が完売し、森ビルも虎ノ門ヒルズで10億円以上の物件を予定しています。

富裕層は1億円程度の物件ではあきたらず、もっと高級な物件を求める傾向がある。

1億円の物件は賃貸価格月100万円程度、10億円の物件だと賃貸料月1000万円にもなるが、作れば売れるという。


海外勢が都心不動産に投資

米ゴールドマンサックスは世界最大の投資会社ですが、森ビルの「虎ノ門ヒルズ」を300億円で購入すると報道されています。

既に完成しているのオフィス棟部分の約2.5フロア分で、スターアジアグループから購入する。

海外投資家の日本不動産投資は2017年に1兆1000億円で前年の3倍、過去20年で最高となった。


都心の不動産価格は円安もあって、マンハッタンやロンドンなどより大幅に安く、バーゲンセールのように見えるという。

また日本は海外より低金利のため、借入金を含めた不動産取得コストが低く、トータルで良い利回りが期待できる。

ノルウェー政府年金基金は2017年12月に、1325億円で都心の商業ビル5棟を一括購入していました。


シンガポール政府投資公社(GIC)も2017年12月、新宿マインズタワーを625億円で取得いていました。

こうした商業ビルでは供給過剰感もあり、今後は沈静化すると見る専門家も居る。

2017年の不動産取引の24%を海外勢が占め、株価と同様に海外投資家が値段を吊り上げている状況が読み取れる。


こうした海外主導の相場は為替レートに左右されやすく、円高になると一気に売りに出され下落する可能性もあります。
http://www.thutmosev.com/archives/74727695.html





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日本円はいくらなんでも安過ぎる 6 (1ドル=50円 程度が適正価格)

2018年02月25日
ドル円相場はいくらが適正か 100円から70円まで

同じ為替レートでも日本のデフレでどんどん円安になっていく
このため日米の物価上昇率分だけ、円高になる
引用:https://moneyzine.jp/static/images/article/212170/01.png


購買力平価では1ドル105円以下

2018年に入って為替市場はドル安円高方向にふれていて、どこまで円高になるかが議論になっています。

この手の議論には正解がないのできりがなく、結果を見てみないと分からない。

将来ドル円がいくらになるか予想するためには、まず「いくらなら適正なのか」を知る必要があります。


大きく分けて為替の適正相場を知る方法は3つほどあり、一つは購買力平価から算出する方法です。

2つ目は日銀が公表している実質実効レートから判断する方法、3つ目はビッグマック価格から判断するビッグマック指数です。

まず購買力平価は各国の物価の違いを調整して、A国とB国の物価が同じになる為替レートを算出する方法です。


例えば日本の物価がアメリカより2割高いなら、ドル円レートを2割円高にすれば「正しいレート」になります。

細かい計算は省略して結論だけを書くと、1ドル95円から110円、その中でも100円から105円程度が適正になります。

2月後半は1ドル107円前後で推移しているので、購買力平価ではもう少し円高になれば適性になります。


実質実効レートでは90円台

実質実効レート(実効為替レート)も日本と外国の物価上昇率の違いを調整して、客観的な数値にしたものです。

日本はデフレで物価下落、アメリカはインフレで物価上昇なので、同じ1ドル100円でも日本の物価はどんどん安くなっていきます。

すると同じ為替レートでは日本では100円で買えるものがアメリカでは110円になってしまい、この分は為替が円高になることで物価が調整されます。


これも計算を省略して結論だけを書くと、現在の1ドル120円は1970年代の1ドル280円に等しい「超円安」になっていました。

日銀は実質実効為替レートは90前後で安定すると見ていて、現在は75前後なので1割か2割は円高になる余地がある。

すると実質実効レートから見たドル円の適正レートは、1ドル90円台という事になる。


ずいぶん円高のように思えるが、日米の物価上昇率の影響で、現在の90円台は20年前の1ドル110円台でしかない。

最後にビッグマック指数だが、これはビッグマック価格を基準に、各国の価格が同じになる為替レートを算出する方法です。

現在日本のビッグマックは390円でアメリカでは5ドルなので、ずばり1ドル78円が適正レートになる。


因みにリーマンショック前のビッグマック指数では1ドル90円台が適正だったが、最終的に1ドル70円台まで下落していました。
http://www.thutmosev.com/archives/75059779.html




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日本円はいくらなんでも安過ぎる 7 (1ドル=50円 程度が適正価格)

ドル-円は絶対に「黒田シーリング」124円台後半〜125円より円安にはならない


実質実効為替レートについて 2014年1月17日
http://www.central-tanshifx.com/market/market-view/sf-20140117-01.html


2013年のマーケットのキーワードとなっていた【アベノミクス相場】も、ここにきて最大の踊り場局面を迎えており、安部政権発足以来進行していた円安・株高がもたつきはじめてきました。

国策とも言われている【円安・株高】が滞ってしまえば、今まで相場の主役であった円が脇役に押し戻され、マーケットは次の主役探しに走ることも十分に考えられます。

今週に入り、ルー米財務長官は

「日本の長期的経済成長は(内需拡大により成されるべきであり)、為替水準の恩恵に過度に依存すべきではないし、それは不公平である。」

という主旨の発言をしました。15年以上に及ぶデフレから脱却し、世界経済の牽引役として重宝されてきた日本ですが、さすがにここにきて「為替依存症」が目に付いてきたのかもしれません。


果たして、現在の円安は行き過ぎなのか?

過去の円相場と比較して、アメリカなどの諸外国の逆鱗に触れる水準まで来てしまっているのか?

それについて、実効レートを通して考えてみたいと思います。


通貨の実力は実効レートで測る

日本では『実効レート』という物差しでマーケットを見る参加者が、今でも非常に少なく残念に思っています。

私自身も、最初にFXのディーラー・アシスタントとして東京でスタートした時には、この言葉を知らずに仕事をし、何の不都合も生じませんでした。

その後、1989年にFXの本場:ロンドンで仕事をはじめてからというもの、事あるごとに『実効レート』という単語を耳にし、「なんだろう?」と疑問を持ち始めたのです。特に英国中央銀行(BOE)は政策金利決定の判断材料として、実効レートを参考にしていると知ってから、必死で勉強しました。

日本で実効レートを知らずに仕事が出来る理由のひとつとして、日本の中央銀行である日銀が、他の主要国の中央銀行とは違い、レート自体を発表していないことが挙げられると思います。

英国・欧州・米国それぞれの中央銀行は、毎日自国通貨の実効レートを公表していますが、日銀は国際決済銀行(BIS Bank for International Settlements)が毎月一度発表している世界各国別の実効レートをそのまま使用しているに留まっています。


日本銀行 「実効為替レート(名目・実質)」の解説
http://www.boj.or.jp/statistics/outline/exp/exrate02.htm/

日本銀行 円の実効為替レート 月足
http://www.stat-search.boj.or.jp/


日銀はBISのデータをそのまま使用しているため、円実効レートは1ヶ月遅れで月に一度だけ発表されます。


これは1980年から2013年11月末までの円実効レート、月足チャートです。

これを見て、私はハッとしました。というのは、最近の円相場を語る時、ドル円のレベルだけを見て「まだまだここからの円安余地はある」と感じておりましたが、実効レートを見た途端、【究極の円安レベル】に達しているのが、わかったからです。

この円実効レートのチャートは、日本が変動相場制に移行した1973年から数年後の1980年から現在に至るまで、30年以上に渡り全ての数字が載っています。


リーマン・ショックが起きた2008年9月の円実効レートは、85.89。

そして最新の2013年11月のデータを見ると、実効レート: 77.61/東京市場ドル・円 スポット17時時点/月中平均: 100円04銭

と書いてありました。

その後、ドル円は105円をうかがう展開となりましたので、実効レートのレベルは当然11月の77.61よりも低い=円安色の強い数字になっていると想像されます。


過去に80を下回ったのは、いつなのか?と調べてみると、

一番最近では円キャリートレード全盛期の2007年(120円台)となっており、

それより以前では1980年代までさかのぼることになり、その当時のドル円は200〜250円台となっていました。


アベノミクス効果で、「3桁のドル円」に目が慣れてしまったせいか、なんとも思わなくなっていましたが、こうして実効レートで『本当の円の実力』を検証してみると、変動相場制以降、3番目か4番目に円実効レートが低い(=円安)『異常事態』とも言えるようです。


ここではじめて【為替相場をターゲットとしない内需拡大による持続的成長】を要請してきたルー米財務長官の言葉がやっと理解出来た気がします。

アメリカ財務省が年に2回提出する為替政策報告書は、例年5月頃と10〜11月頃の発表となっています。さすがに日本を名指しで非難しないとは思いますが、為替市場に従事する人間としては、「アメリカ政府の堪忍袋の緒が切れた」のかどうかを占う上でも、為替動向とアメリカ側からの発言内容やタイミングをきちんと把握すべきでしょう。
http://www.central-tanshifx.com/market/market-view/sf-20140117-01.html


止まらない円の価値下落… 2016/05/02
1ドル106円でも「超円安」のワケ 実質実効為替レートで読み解く円相場
https://zuuonline.com/archives/105338


4月29日のNY外国為替市場の円相場は、約1年半ぶりの水準となる1ドル106円28銭をつけた。これを聞いたら驚かれるかもしれないが、それでもなお、現在は「超円安圏」にあるのだ。

どういうことなのか、詳しく見ていこう。


続く「超円安」水準

「黒田シーリング」、それは、昨年初夏に市場参加者らにより設定された、ドル円為替での124円台後半〜125円に覆いかぶさり一段の円安進行を阻止せんとした「天井」のことである。

黒田日銀総裁は、衆議院予算委員会で

「実質実効為替レートがここまで来ているということは、ここからさらに円安に振れるということは、普通に考えればありそうにない」

と発言、ある種の「口先介入」とも捉えられ、上記シーリングの根拠となっていた。

中国ショックや原油価格崩落等に端を発した世界同時株安を経たドル円相場は現在110円をも大きく割り込み、振り返ってみると、確かにその天井は重要な節目となった。

わざわざ強調して用いられた「実質実効為替レート」なる表現。

当時、円の実質実効為替レートは、変動相場制移行以降では、なんと「史上最安値(円安)」に達してしていた。

具体的に過去を振り返る前に、実質実効為替レートについて簡単に解説しておこう。


円がドルに対して上昇していても、ユーロに対しては下落しているような時、すぐには円高なのか円安なのか分からない。そこで円の複数の通貨に対する総合的な為替レートとして貿易相手国との貿易取引量で加重平均して算出する値が実効為替レート。

さらにその数値にインフレ等の物価調整を施した後のものが実質実効為替レートである。

つまり、「一国の通貨の対外競争力を総合的に捉えるための単一の指標」と言い換えられよう。


止まらない円の価値下落

下図は、

「ドル円直物為替レート(赤線。 以下、ドル円)と、

円の実質実効為替レート(青線。単位:2010年=100。 以下、R)」

の1971年以降の推移であり、それに歴史上の重要なトピックスを補記したものである。


@1973年2月:変動相場制移行当時のドル円は300円程度。
Rは71.93と、基準値である100対比、約28%の円安水準。

A1985年9月:G5が協調してドル高是正を取り決めたプラザ合意当時のドル円は240円程度。
Rは84.47。

B1995年4月:史上初めて80円割れを示現したドル円。
Rは149.87へと価値急騰。

C1998年8月:日本金融危機・アジア通貨危機等を背景にドル円は145円へと急反発。
Rは95.73へと減価した。

D2008年9月:リーマンショック勃発直前のドル円は107円。
Rは85.84。

E2011年10月:ドル円は史上最安値75円32銭まで暴落。
Rは105.66。

F2015年6月:「黒田シーリング」設定。ドル円は125円手前。
Rは67.80。


水準比較で分析してみると・・・、

BとE時点ではドル円は70円台までの急落をみたが、 Rは149.87vs105.66と、期間も長く深い円高局面となった2011年の方が、逆に円の価値上昇がマイルドであった。

@とF時点の Rは70前後であるが、ドル円は300円vs125円と約58%円高水準となっている。

これは逆の見方をすれば、円の対外競争力としての価値は、1ドル300円当時以上に減価してしまっていることを意味するわけで、黒田総裁はじめ金融当局者らがかなり危機的意識を持ってマーケットを注視していたことも頷ける。


なお、1973年〜1995年までのドル円と Rは共に右肩下がり、つまり円高方向のトレンドを形成している。

ところが、1995年を境にドル円は概ね横ばいである一方で、Rは右肩上がりの軌跡を描き、両者は大きく乖離した状態で現在に至っている。

日本がデフレ状態にあったことなど様々な要因を挙げることができようが、筆者はIT革命によるグローバリゼーション加速の恩恵にあずかった新興国台頭の影響が最も大きかったとみている。

日本が貿易取引量を拡大させるのと時期を同じくして、新興諸国は輸出財において国際競争力をつけ、また資源・原材料価格の継続的な上昇を追い風にした。結果、著しい経済成長を遂げ、それが更に次の投資を呼び込むという好循環に繋がったことでそれらの通貨価値は上昇して行った。


交易条件は芳しくない状態

実質実効為替レートは、一国の通貨の対外競争力を総合的に捉えるための単一の指標であると述べた。それは即ち、国外の財やサービスを購買する力に他ならず、国力の現れのひとつでもある。今、その力が「歴史的にも最弱の領域」に達しているのだ。

また同時に、その様な状況下、日本の貿易収支は2011年06月あたりから頻繁に貿易赤字を記録しており、それはもはや円安をテコに輸出を大きく伸ばすことができないほどに、グローバル型製造販売体制として産業構造が変容してしまっていることをも意味している。


望まれる円の価値安定

現在、円の実質実効為替レートは、75前後となっている。

過去に照らせば、第2次オイルショック後期(1982年)と同程度の超円安水準だ。

円の実質実効為替レートの下落が、交易条件の好転に結び付かない構造となっているのであれば、円安がもたらすメリットをディスカウントして捉える必要があるだろうし、底値圏から反発局面にある原油価格に一段の上昇がみられた場合、交易条件の更なる悪化は免れない。

トリクル・ダウン(富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が滴り落ちるという経済理論)が不十分であれば、家計部門は一層痛むことにもなろう。

筆者はそれらをも踏まえ、円の価値を更に「人為的に」減価させ経済成長のテコとして用いるとの戦術を好ましく思わない立場だ。

更に言えば実質実効為替レートを80〜100に安定的に収まるような金融・為替政策を採って行くべきとの見解に立っている。
https://zuuonline.com/archives/105338





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株価が急騰の一方、為替が膠着している理由
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171020-00193867-shikiho-bus_all
会社四季報オンライン 2017/10/20(金) 18:01配信

 前回は米国長期金利の動きから見た為替レートの短期的な動向を検討したので、今回は長期的な観点から見直してみよう。

 一国の通貨の価値は、長期的には物価動向に沿った形で決まる(短期的には必ずしもそうはならないが)。物価上昇率が低い国の通貨は高くなり、物価上昇率が高い国の通貨は安くなるということだ。

 また、ある通貨が高いのか安いのかを考えるときに、特定の相手通貨ではなくて、貿易額などに応じて様々な相手通貨との関係を見たほうが望ましい場合がある。

 こうした点を踏まえて、通貨の割高さや割安さを長期的に判断するのに適した指標と考えられるのが実質実効為替レートだ。「実効為替レート」とは、貿易相手国通貨との為替レートを貿易額による加重ウェートで平均したもの。「実質」は物価上昇率を調整していることを示す。

 長期的な為替レートの変動要因である物価上昇率を調整した後のレートなので、短期的要因によって一定のレンジ内を上がったり下がったりはするものの、基本的にはそこから大きく外れることはない。そのため、実質実効為替レートを見れば、そのままその通貨の長期的な割高さ・割安さが分かるということになるのである。

■ 現在の円は歴史的な割安水準で推移

 円が変動相場制へ移行した1973年2月以降の円実質実効為替レートの推移を見ると、つい最近までのレンジは概ね70台半ば〜140台くらいである(通常の為替レートと異なり、数字が大きいほど円高、小さいほど円安となる)。

 ところが近年では、2015年に70を割り込み、今年8月末時点でも75.9とかなりの低水準で推移している。時系列で見てみると、デフレ懸念の増大と金融緩和の遅れから急激な円高が進んだ1995年以降、ほぼ一貫して円の実質価値は低下し続けている。つまり、物価変動や特定の通貨の影響を除いた実力ベースで円は売られ続け、現在では変動相場制への移行以後で最も割安な水準にあるといえるのだ。

 円の実質実効為替レートの長期下落傾向が何を意味しているのかは、なかなか答えるのが難しい問題である。もしかすると、貿易上の非価格競争力が落ちてきていることの証かもしれない。もしくは悪化を辿る財政リスクに対するプレミアムが発生しているのかもしれない。ただ、明らかなことは、単に名目的な為替レートで見る以上に、実質的には大幅な円安が進んでいるということである。

 そう考えると、この水準から大幅に円が売られることは、(1)日本の物価水準が大きく上がる、もしくは(2)本格的な“日本売り”が起きる、ということでもなければ考えにくい。だが、現時点ではいずれのシナリオも現実的ではないだろう。2015年半ばにはドル円で一時125円台までの円安が進んだが、インフレ期待は当時から低下してきており、現時点でそのような大幅な円安を見込むことは難しいと考えられる。むしろ、現在総じて堅調な世界経済(とくに米国経済)に陰りが生じるようなことがあれば、大きく円高に振れる余地が生まれる。

 前回見たように、短期的要因である実質長期金利からは、やや力不足ではあるものの円安方向への力がかかっている。そして、今回見た物価上昇率を考慮した長期的観点では、すぐにどうこうというものではないが、潜在的な円高圧力が大きく残っている。このように長短期の要因で相反する構図が、現在の為替相場の膠着を招いているのである。

 ここまで為替相場が現在のもみ合いを脱するかを、短期、長期の視点から検討してきたが、そうなるにはまだもう少しの時間と、何か新しい要因が必要となりそうである。





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1990年代から円の実効レートは下がり続け、実質的な円安が進行している(グレー帯は景気後退期)
http://livedoor.blogimg.jp/aps5232/imgs/7/c/7cab7693.jpg
株価と並ぶもう一つの投資要素である為替(ドル円レート)についても、1ドル100円を大幅に上回り、2015年には125円をつけました。

2000年代の小泉景気の時、2002年の円最安値が135円、2005年に101円の円高なり、2007年に124円をつけました。

小泉景気の最中ですら、ドル円は大きく乱高下していたのが分かります。


現在の1ドル110円は2000年ごろの1ドル140円に匹敵する円安
引用:FP資料館
http://fp-user.com/wp-content/uploads/2017/01/4322195cbcb6251dd4447fd287a5c868.jpg


為替レートの錯覚

2008年にリーマンショックで100円を割り、2009年に90円を割り、2011年に80円を割り込んで9月に1ドル76円をつけました。

ちなみに明治時代は1ドル=1円だったので、まだまだ円高が進行する余裕は100倍くらいあります。

1950年代に1ドル360円だったのが、時間の経過と共に円高になっていて、今後も乱高下しながら円高が進行するでしょう。


すると2015年の1ドル125円はいかにも円安が進みすぎていて、円安だけが一方的に続いた例は最近50年くらいは在りませんでした。

現在の1ドル110円以上はかなりの円安で、日銀によると1ドル100円以下が適正になっています。

日銀が公表しているデータに「実効為替レート」があり、円の価値が現在どの水準か知る事ができます。


現在の実効為替レートは76で、1ドル80円だった2010年が100、小泉景気の2000年代には100を上回っていました。

つまり1ドル110円台は2000年代の1ドル130円よりも円安で、1ドル90円くらいで適正になります。

こうなる理由は日本のデフレと米国のインフレで、米国が日本より物価が上がると、基準点が移動します。


アメリカの物価が10%上がると、同じ1ドル100円のレートなら、10%円安になったのと同じになります。

だから現在の1ドル110円は、昔の130円や150円に匹敵するような円安で、これ以上円安になる可能性が低いのです。

株と為替の両方が高すぎる水準なので、今は投資をするには不向きで、銀行預金にでもしておいた方が良いです。


もし株価が下落して円高が進んだら、土地の値段などあらゆる相場も、連動して下落するでしょう。
http://thutmose.blog.jp/archives/69063967.html.





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日本円が超円安になった理由
「アベノミクス」の正体
日本食潰す金融投機資本に貢ぐ 2013年5月17日付


安倍政府が発足して以後、「アベノミクス」と呼ばれる異次元の金融緩和や公共投資を中心とする政策が台頭し、急激な円安と株高の局面があらわれている。

昨年11月に民主党・野田政府が解散を表明した時点で8600円台だった日経平均株価は、半年たった今年5月中旬には1万5000円台まで急騰し、為替相場は1j=79円台だったものが102円台まで円安になるなど、世界的に見ても例がないほど大きな変動が起こっている。

海外投資家が時価総額のうち七割を占めている株式市場が熱狂し、さらに円安でトヨタをはじめとした輸出企業が過去最高益を上げるなど、金融緩和と為替マジックで金融資本や一部大企業がバブルに浸っている。

ところが一方で、燃油や穀物を中心に日本国内では生活必需品の価格が急騰し始めるなど、国民生活に深刻な影響が広がっている。「アベノミクス」でいったいなにが起きているのか、どうなっていくのかが重大な関心を集めている。


 
 バブルに群がる海外投資家

 この間、日経平均株価はリーマン・ショック以前と同レベルの価格まで急騰してきた。それほど好景気なわけでもなく、むしろ怒濤の首切りや製造業の海外移転を経て失業や貧困が全国的な範囲で広がり、生活実感としては悪化しているにもかかわらず、「日本株、年初から45%の上昇率」「1万5000円台回復」が叫ばれている。今後はさらに1万6000円台、1万7000円台まで上昇するとエコノミストたちが煽っている。

 しかし株式市場もよく見てみると、東証一部の約6割にあたる1000近くの銘柄が値下がりしている。株価が急騰している4割のなかでは円安効果の恩恵を受けた自動車産業や、ソニー、パナソニック、三菱電機といった企業が年初から倍近い株価をつけている。逆に株価が急落している企業としては不動産関係や、国内小売りのヤマダ電機、イオン、東芝などの企業群だ。

 東証の株式時価総額は昨年10月末には261兆円まで落ち込んでいたのが、今年4月末の段階では411兆円にまで膨れあがっている。わずか半年で150兆円がなだれ込んでいる。この半年の推移を見てみると、11月に14兆円増加し、12月には26兆円増加、1月に29兆円、2月に13兆円、3月に23兆円、4月には46兆円とすさまじい勢いで資金が流入しているのがわかる。

 このなかで投機の中心的なプレイヤーとして振る舞っているのが海外のヘッジファンドや投資家といわれ、時価総額の大半は国内資金ではなくこうした海外資金であることが明らかになっている。

サブプライム危機で行き場を失った膨大な余剰資金がヨーロッパを食い物にし、ギリシャ、スペインなど南欧諸国の国家破綻でボロもうけした後しばらくは中国や新興諸国のバブルに巣くっていたが、それも一段落ついて今度は「アベノミクス」バブルに大集結していることを反映している。


 世界3大投資家の一人であるジョージ・ソロスがわずか3カ月で970億円を稼いで

「黒田はガッツがある」

「緩やかに死に向かっていた日本市場の目が覚めた」

などと褒めちぎり、

「しかし円が雪崩のように下落する恐れがある」

などと発言する状況ができている。こうした抜け目ない守銭奴は、日本経済が低迷しているといわれた時期に底値で株式を買い取るなど仕込みを終え、現在のように素人が「株がもうかる」と思い始めるような段階には見切りをつけて売り抜けている。

カモにされるのはいつも決まって素人で、証券会社にそそのかされた年寄りや、中流世帯が巻き込まれて泣きを見ている。


 加熱する米国債の購入 日銀の金融緩和で


 国債市場は株式市場よりも規模が大きく、世界的には株式市場の3倍にもなるとされている。この間の円安で輸出企業は潤ったといわれているものの、円安そのものが国債暴落で、1j=80円の段階で例えば1万円の日本国債の価値がドルベースで換算すると125jだったのが、いまや1j=100円超えなので、その価値は100jと大幅に下落することになった。

 こんな日本国債を持っているよりは、ドル建ての米国債を購入した方が儲かるという判断が働いて、日銀が金融緩和すればするほど米国債買いが加熱して、海の向こうに資金が流れ出していくことになっている。

円建ての日本国債を売り払って円を調達し、その円を売り払ってドルを買って米国債を購入するのが流れになり、あるいは国債を売り払った資金で株式市場に投機する動きとなった。


 安倍政府、日銀による異次元の金融緩和は、米国債購入という形で吸い上げられ、あるいは国際金融資本の博打の源泉として食い物にされる仕組みになっている。

リーマン・ショック後に、米国ではFRBが気狂いじみた量的緩和を実行し、銀行群の損失処理にあたり、ヨーロッパではECBが負けず劣らずの量的緩和をやり、市場に資金を供給してきた。そうしたマネーに寄生し、バブルを渡り歩いてきたのがヘッジファンドで、熱狂した後に売り浴びせることは、過去に日本市場でも経験済みだ。


 円安でも拠点を戻さず 海外移転の大企業

 日本国内ではこの数年、大企業が円高を理由に海外移転を繰り返してきた。ところが円安になったからといって日本に拠点を戻すわけでもなく、多国籍企業のようになって出ていく。内部留保を散散貯め上げたうえで、そうした過剰な資本は国民生活の水準を引き上げるためには用いられず、より利潤の得られる後進諸国への資本輸出や進出へと向けられている。ベトナム、ミャンマーといった進出先のインフラ整備までODAで日本政府に肩代わりさせるのだから、国民の面倒は見ずにもっぱら寄生するだけの存在というほかない。

 その株式を保有しているのが米国をはじめとした海外の超富裕層や、錬金術に長けた金融資本で、人為的な円安、株高政策にせよ、TPPにせよ、日本の富を米国富裕層の個人資産に移し替えてくれる「アベノミクス」だからこそ大歓迎している。

 グローバリゼーションのもとで、かつてなく世界を股に掛けた投機が横行し、産業集約が進んでいる。金が溢れて投資先に困るほど、生産は社会化して富は増大している。ところがその金は一%にも満たない超富裕層が握りしめて離さないことから、九九%がますます貧困に追いやられ、モノが売れずに経済活動は停滞。金融が破綻すれば損失を国家に転嫁するというデタラメがまかり通っている。

 ヘッジファンドが食い荒らしている日本市場の姿と、その資金をせっせと提供している「アベノミクス」の存在が暴露されている。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/enyasukabudakanokagedekyuurakusurukokusai.html


安倍「官製相場」の正体。国民生活が疲弊し対米従属は加速する=吉田繁治 2016年10月20日
http://www.mag2.com/p/money/24781


2012年12月に発足した安倍内閣はアベノミクスを標榜し、株価上昇をその支持基盤としてきました。あれから約4年、いよいよ「株価政権」の総括検証をすべき時期が来ています。(『ビジネス知識源プレミアム』吉田繁治)

※本記事は有料メルマガ『ビジネス知識源プレミアム』2016年10月19日号を一部抜粋・再構成したものです。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した内容(約5,000文字)もすぐ読めます。

なぜ株価は景気を反映しなくなったのか?官製相場の欺瞞を斬る

安倍首相の「スタートダッシュ」

消費税10%法案を通した野田民主党の自滅により、自民党は2012年12月、3年4ヶ月ぶりに政権に復帰しました。首相自ら「アベノミクス」と呼ぶところの、安倍政権の経済・金融政策の始まりです。

安倍首相は前回の失敗から、「スタートダッシュが肝心」と決めていました。自公政権が確実になった12年10月に明らかになったのは、
◾脱デフレの大きなマネー増発策
◾10年で200兆円の国土強靱化の公共投資

でした。日銀法を改正し、独立権を奪ってでも、マネーを増発させるという強いものだったのです。

【関連】株も不動産も奪われる! 預金封鎖よりも怖い「財産税」の傾向と対策=東条雅彦

国土強靱化は、財政赤字を200兆円分拡大して危険だ、という財務省の反対で消えました。東日本大震災の復興予算として、別途、28兆円の政府支出が必要だったからです。

マネー増発を推進するミッションを持ち、黒田総裁・岩田副総裁体制になった日銀は、異次元緩和(量的・質的金融緩和)を開始します。

量的緩和は、金融機関がもつ国債を買ってマネーを増発する政策です。質的緩和は、日銀が日経平均(株式ETF=上場投信)とREIT(不動産投信)を買いあげて、価格を上げるものです。

日銀による株買い(ETFの購入枠は6兆円/年)、これは普通、中央銀行が禁じられていることです。

恐慌の研究家である前FRB議長のバーナンキは、「日銀がケチッャプを買えば物価上がる」と言っています。あるいはヘリコプターでお金をばらまけばいいとか、ニコリともしないで異常なことを言う。

日銀が増刷した円で店頭商品を買えば、需要の超過になり物価は上がります。車を100万台(3兆円)、住宅を100万戸(30兆円)買ってもいいが、さすがにそれはできない。そこで株を買う。

日銀の株買いは迂回(うかい)して行われた

金融機関は、国債をはじめとする債券と貸付金で預貯金や基金を運用しているので、余分な現金は持ちません。

量的・質的緩和を政策にした日銀が、郵貯、年金基金(GPIF)、かんぽがもつ国債を買う。政府系金融と基金(GPIF)はそこで得た円で、日米の株とドル国債を買う。ワンクッションおいていますが、日銀が直接に日米の株を買い、米国債を買うことと同じです。

日銀は直接買うETF(年6兆円の枠)以外に、迂回路をとり数十兆円の株買いを行ったと言えます。方法はごまかしめいて姑息ですが、マネーの流れとしては露骨です。

日銀は量的・質的緩和として、円を下げ、株を上げ、インフレに誘導する「可能な手段の全部」をとってきたのです。

株価上昇は、株主の資産(東証一部時価総額511兆円 ※16年10月18日時点)を増やします。同時に企業の増資コストを下げます。資産が増えた株主は、資産効果で消費を幾分か増やします(しずくのようにわずかなのでトリクルダウンという)。百貨店で、100万円級の機械式時計が売れたのが、この資産効果です。

株価は理論的には、企業の将来の税引き後の予想純益を、期待金利(リスク率を含む株式益回り:6.6% ※16年10月18日時点)で割ったものと等価です。これが表現するのは、株価は企業の予想純益の結果ということです。

しかし多くの人々には、「株価が上がった→景気がよくなったからだ」と理解されます。下がっていた血圧が輸血で上がったから健康に戻った、と思うような本末転倒ですが、投資家と上場企業は歓迎します。支持率が上がるので、政府与党も喜ぶ。

株価が下落し、支持率も低くなった前回の反省を踏まえた安倍首相は、スタートダッシュで円安の誘導、株価の上昇に躍起になりました。円安の誘導は、輸出を増やし、株価を上げるためでした。

マネーの流れ

ヘッジファンドは保有しているドル国債を日本に売り、得た円で、出遅れていた日本株を買う。そして実は、総資金量が420兆円と日銀よりも巨大な政府系金融(現在名ゆうちょ銀行、かんぽ保険、GPIF:総資金量420兆円)は、日銀に国債を売って得た円で、米国債も買っています。

公的年金の残高139兆円(15年12月)を運用しているGPIFの、15年12月のポートフォリオ(分散投資)は、「円国債38%、国内株23%、外国債券(主は米国債)14%、外国株23%」です。

※日銀がGPIFの国債を買いあげる→GPIFは得た現金で国内株、米国債、米国株を買う→GPIFに米国債を売ったヘッジファンドはそのマネーで日本株を買う

マネー運用には遅滞が許されないので、この迂回路取引がコンピュータの中で、一瞬で起こります。

安倍政権の初年度だった2013年には、外国人(ヘッジファンド)からの15.1兆円もの巨大買い越しがありました。

外国人の売買は、東証一部の年間売買額460兆円のうち320兆円(約70%:16年7月水準)です。国内勢(金融機関と個人投資家)は、1990年のバブル崩壊後の損失の累積で資産を減らしたため売買がとても少ない。国内勢の売買は140兆円です。

他方、多くがオフショア(タックスヘイブン:租税回避地)からであるヘッジファンドの売買が320兆円です。東証はこのヘッジファンドの支配下です。

ヘッジファンドの日本株買いと、円先物売りのマネーの多くは、GPIFにおけるような迂回路をとって日銀が買い続けている、政府系金融の国債の現金化から来ています。

安倍政権前から始まっていた「官製相場」

政治相場(あるいは官製相場)は、14年10月末に発表された「日銀の追加緩和」と「GPIFの運用方針の変更」から始まったように言う人が多い。

しかし、マネーの流れを比較貸借対照表で調べると、安倍政権が始まる前の12年の10月から秘密裏に開始されています。最初は、円安介入のための30兆円の政府系金融マネーでした。

※総資金量420兆円の政府系金融3機関が、日銀に国債を売ったマネーで、米国債を30兆円買った→米国債を売ったヘッジファンドが日本株買い/円の先物売りを行った

安倍政権が確実になる前、12年9月の日経平均の予想PER(加重平均)は、1ドル80円台の円高の中で12倍付近と低かった。米国ダウのPERは15倍と3倍高かった。

上場企業(東証一部2000社)においては、輸出製造業の株価シェアが大きい。円安/ドル高になると、利益が数倍に増えます。このため、円安で日本の株価は上がり、円高で下がる基本性格があります。

通貨の低下は、普通、国力(政治力)と経済力の低下を示します。しかし日本では、ドルでは同じでも円での輸出価格が上がる。このため、上場企業の利益が増える予想がたち、株が買われます。
(注)予想PERは、株価の時価総額を次期予想純益で割った株価/収益倍率であり、株価の高さ、低さを判断するための指標です

PERが15倍なら将来15年分の、未実現の企業純益を株価が含んでいます。16年10月の日経平均の加重平均のPERは、14.3倍付近です。単純平均のPERでは18倍と高い。日経平均は、ユニクロ(ファーストリテイリング)の34倍のような高PER銘柄を含むからです。

2016年10月現在、日経平均は1万7000円付近です。米国ナスダックの予想PER(単純平均)は現在21.9倍で、バブル価格の水準です。他国をあげると、インド18.2倍、英国17倍、米国ダウ16.8倍、上海総合14.4倍、ドイツ13.3倍、ロシア6.8倍です。


円安誘導という名の「米国債買い」を実行

安倍政権誕生の2ヶ月前、1ドル77円(12年9月)だった円は、その2ヶ月前から下がりはじめ、10月に80円、11月に83円、12月には87年円と13%の円安になっています。続く13年1月に92円、2月には93円と下がり、6月には岩盤に見えていた100円も超えたのです。
(注)円安のピークは、15年6月の125.8円です。16年2月のマイナス金利以降は、逆に円高になり16年10月は104円付近です

円安は、世界の外為市場(円の売買が日量120兆円:2016年)での「円売り/ドル買い」が「円買い/ドル売り」を超過することで起きます。なぜ50%(1ドル120円)もの円安になったのか?

ここで、財務省の外貨準備($1.26兆:126兆円:16年10月)は、目立つので使われなかった。かわりに、ゆうちょ銀行、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、かんぽに、推計30兆円の「円売り/ドル買い」を行わせたのです。

前述のように、日銀がゆうちょ、年金基金、かんぽがもつ国債を買い、政府系3機関は、そこで得た円で、円安誘導を目的にしたドル債買いを実行するわけです。

さて、米国政府は、為替介入を行う国を「為替操作国」と強く非難します。しかし、円売り/ドル買いで得たドルで米国債を買うと途端に沈黙します。この理由は何でしょうか?


アメリカ政府の債務は2000兆円

米政府の総債務(自治体と社会保障の債務を含む)は、日本国債の2倍の$20.0兆(2000兆円:16年)に膨らんでいます。米国債も$15兆(1500兆円:同年)に増えています。

財政赤字は毎年、$7000億付近(16年度は$7130億)です。17年には、公的医療費($2.8兆:280兆円:12年)の増加で、赤字は$1兆を超えるでしょう。

米国の人口ピラミッドは、日本の10年遅れです。医療費では診療単価が約2.5倍高く、総額で$2.8兆(280兆円:12年)です。3.2億人の国民の、健康な人を入れた1人あたり年間医療費は$9000(90万円)です。

日本の医療費は、40兆円で1人あたり31万円/年。米国は1人あたりで3倍も多い。米国の医療費は信じられない高さです。盲腸の手術や流産で200万円とか…日本は世界的には医療費は安い。

米国政府は、この高すぎる医療費のため、日本の10年遅れで高齢者が増えるとつぶれます(ほぼ確定でしょう)。

米国は、新規国債のうち50%は、経常収支が黒字の中国と日本に売らねばならない。米国内では50%分しか買い手がない。米国は、海外からマネーを借りる構造を続けています。円でドル国債を買うことは、マネーの流れとしては米国への貸し付けです。

経常収支の赤字国は、感覚では逆ですが、資本収支では黒字になります。資本収支の黒字とは、マネーが流入することであり、現象形は、海外の金融機関が米国債、株、社債、MBS(住宅ローン担保証券)を買って、ドル預金をすることです。

わが国の民間では、国内の運用先がない三菱UFJグループ(総資産281兆円:16年6月)が、米国運用を増やしています。米国経済は、海外資金が大挙して引き揚げるとひとたまりもない。このため、米国はユーロや円より約2ポイントは高い金利を続けねばならない。


米国が利上げしなければならない本当の理由

米国が14年10月に、3回行った量的緩和(QE:$4兆:400兆円)を停止し、2015年12月にFRBが0.25%利上げした本当の理由は、金利が低いままだとドル債が売られ、海外から来たマネーが逃げる恐れがあったからです。逃げはじめてからの利上げでは、間に合わない。

米政府とFRBが、日本に金融緩和を強く勧めるのも、米国債と株を買ってもらうためです。異次元緩和にも米国への資金環流という条件がついていました。リフレ派は亡国のエコノミストに思えます

リーマン危機のあと、400兆円のドルを増発した3度のQE(08年〜2014年)でマスクされていた米国の「大きな対外不均衡」は、今も世界経済における根底の問題であり続けています。

米国の対外総債務は、$20兆(2000兆円)、対外資産を引いた純負債は$8.8兆(880兆円)と巨大です(15年末)。

一方で日本は、官民で948兆円の対外資産をもち、対外債務は609兆円です。339兆円の純資産があります(15年末:財務省)。経常収支が黒字になり、バブル経済で世界ナンバーワンと言われた1980年代以来、企業と金融機関が営々と貯めてきたものが、対外純資産になっています。

関連して言うと、中国は、公式には$2.1兆(210兆円:14年)の対外純債権国とされています。しかし、15年と16年に民間で起こった「元売り/ドル買い」に対抗して、政府が行った「元買い/ドル売り」により、今は、純債務国に転落していると推計できます。

2015年12月で$3.3(330兆円)とされている外貨準備では、銀行の持ち分と政府の持ち分が二重に計上されています。中国の4大銀行は、全部が国有です。選挙と議会制度がない共産党国家・中国の経済統計には、かつてのソ連と同じ問題があります。


ヘッジファンドによる円売り・日本株買いのカラクリ

アベノミクスとは、インフレを目標にした、

1.日銀の国債買いによる通貨増発
2.ドル買い/円売りによる円安誘導
3.政府系金融とGPIFによる日本株買いと米国債買い


です。

2%のインフレを目標にしたのは、年金・医療費・介護費(社会保障費)が年率3%(3兆円)で増え続け、それが国債の増発に繋がって、債務比率(政府総債務1277兆円/名目GDP505兆円=253%)が拡大することを防ぐためです。

分母の名目GDPが年率で3%以上増え続けないと、債務比率が大きくなり、近い将来の財政破綻が確定するからです(名目GDPの下限目標=実質GDP1%+インフレ率2%)。

仮にインフレになっても、企業所得と税収が増える中で世帯の所得が増えない場合、国民の生活は苦しくなっていきます。年金支給額が固定されている年金生活者3100万人(15年:厚労省)と、円安では企業所得が減る多くの中小企業の雇用者4100万人(06年:経産省)、合計で7200万人は、インフレで実質所得が減ります。

しかし、それらは構わない。政府にとっては、差し迫る財政破綻の防止がはるかに大切だとされたのです。


円安と株価上昇には有効だった量的・質的緩和

需要が増えることによる物価上昇に効果がなかった量的・質的緩和は、12年末から15年までの円安と株価上昇には有効でした。13年と14年の物価上昇は、円安での輸入価格上昇が主因です。世帯消費と企業の設備投資は増えていません。

東証では、年間420兆円の売買額の70%が、オフショアからのヘッジファンドによるものです。国内の個人投資家と金融機関は、90年からのバブル崩壊、00年のIT株崩壊、08年9月からのリーマン危機で3回の大きな損失を被ったことから、売買額が30%に減っています。

個人投資家700万人の多くは、上がるときは損失を回復するため売り越す、下がるときは難平(なんぴん)買いで買い越すという行動を取ります。


2012年末以降の日本株式市場の売買構造

このため、わが国の株価を決めているのは、70%のシェアになったヘッジファンドの売買です。


1.ヘッジファンドが買い越せば上がり、売り越せば下がる

2.下がっては、政府と投資家が困る

3.ヘッジファンドが売り超になると、3つの政府系金融(総資金量420兆円)と日銀(同459兆円:16年10月)が買いをいれる

という単純な基本構造が、2012年末から2016年10月まで続いているのです。

しかし2016年は、政府系金融と日銀の買いに対する株価上昇の反応が鈍い。この理由は、

1.アベノミクスによる株価上昇が政治相場(または官製相場)であることを皆が知った

2.このため二番目に大きな売買シェアを持つ個人投資家(700万人)が、政府系金融に追随した買いを入れなくなった

ことにあります。


米国の後追い。2015年から日本でも自社株買いが増加している

1日平均売買額が2.9兆円(15年平均)だったものが、2.3兆円(16年7月)に減った現在の東証一部で、大きく増えているのは自社株買いの4.3兆円です(16年1月〜9月)。

これは、事業法人の買い超に含まれます。年間では5.7兆円の買い超になるでしょう(13年1.5兆円、14年2兆円、15年3兆円)。

自社株買いは、市場で流通する株式数を減らします。会社利益は同じでも、1株あたり利益は上がったようになり、株価も上がります。タコが自分の足を食べることに似たこの自社株買いは、上場大手企業が留保利益で将来投資をせず銀行預金として貯まった、現金100兆円で行われています。

自社株買いでも、買いが増えれば株価は上がるので「株価上昇という形の株主配当」とされています。経営者が株主サービスとして行うのです。問題は、自社株買いは、いつまでも続けることはできないことです。

米国の2012年以来の自社株買いは、とても大きい。16年の第一四半期で$1820億(18.2兆円)です。年間では73兆円という巨額です。米国では、日本よりはるかに個人株主の要求度が高い。株価が1年も下がり続ければ、資産を失った株主により、株主総会で経営者が追放されます。

このため、経営者は米国FRBの量的緩和と、わが国と同じ将来投資の少なさから滞留したキャッシュフローで、年間73兆円もの自社株買いで事実上の減資をしているのです。

時価総額で世界一のアップル($6091億=60兆円:16年9月)は、社債を発行しゼロ金利マネーを得て、それで巨額の自社株買いを行っています。米国のダウやナスダックの大手企業の株価は、大きな自社株買いで20%から30%は高値になっているでしょう。

本稿執筆時点のダウは1万8161ドル、ナスダックは5243ポイントで史上最高値圏です。過去10年の純益を元にしたシラーP/Eレシオ(26.6倍:16年10月)が示すように、数十%のバブル性があると見ることができます。株価維持のために膨らみすぎた自社株買いの減少があれば、下がります。

自社株買いは、政府主導の官製相場と同じく、3年も5年もと続けることはできません。事実、2016年は米国の自社株買いはピークアウトして、今後は減少する傾向も見えます。

米国の自社株買いの傾向に注目してください。これが減ると、米国株は下がります。米国株が下がると、日本と欧州にも即日に波及します


株価が景気を反映しなくなった理由

ポートフォリオ投資とHFT(超高頻度売買)を組み合わせた売買シェアが、60%まで増えています。10年代の国際金融は、ネットワークで、リアルタイムに連結されているからです。

世界中の国債や株の売りも買いも、コンピュータ画面で一瞬です。株と債券の金融市場は、インターネットで変容しています。売買を叫ぶ「場立ち」があった「のどかな市場」ではない。

それでなくても、わが国の日経平均は米国ダウの子供です。米国株を売買しているヘッジファンドがポートフォリオ(分散投資)で、日本株をたとえば12%と一定割合にしているからです。米国株が下がると、ポートフォリオの中の米国株が減少します。かわりに、12%枠と決めている日本株の構成比が上昇します。これでは日本株の下落リスクが大きくなる。

株価罫線を分析するトレンド理論(傾向理論)とは違う、ランダムウォークの理論では、向こう3ヶ月で10%上がる確率があるときは、10%下がる確率も同じです。このため、ポートフォリオでのリスクが、コンピュータが自動計算する数値で大きくなる。

従って、米国株が下がると日本株を売って減額調整するプログラムが組み込まれています。ヘッジファンドのほとんどの売買で行われているHFT(超高頻度売買)がこれです。人間は関与せず、現物・先物・オプションの売買を組み合わせ、瞬時に売買が行われます。

ファンドマネジャーの関与は、ポートフォリオの割合(パラメータ)を変えるときです。以上の売買構造が増えたため、日米の株価の動きは同時化します。日米だけではない。

世界の株式市場(時価総額6000兆円:世界のGDPの1倍)が、ほとんど瞬間連動して動きます。基礎的な経済指標によるファンダメンタル理論(端的に言えば、景気がよくなると株価が上がる)は、ほとんど関係がなくなっているのです。
http://www.mag2.com/p/money/24781







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アダム・スミス2世の経済解説  2015-05-10
アベノミクスがもたらした株価上昇による100兆円の損失
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アベノミクスの評価は、現時点においてもさまざまである。その中で多くの人たちが認める功績は、株価を上昇させたことであろう。アベノミクスの否定論者でも、アベノミクスは株価を上昇させたこと以外にメリットは存在しないという評価を下す人は多い。

株価を引き上げたことは功績であるにしても、現在の株価は上がりすぎであり、バブルであるとの批判は存在する。

今回は、アベノミクスが株価上昇により巨額の損失を日本経済に与え、最近ではその累計額が100兆円にまで到達したという事実を説明する。

最後に、このような巨額の損失が発生した原因として、最近、株価の需給コメントのシリーズで書いているものと同じ内容を記すことにする。

繰り返すが、アベノミクスの否定論者でも、株価を上昇させたことだけは功績として認める人が多い。一方、私は、株価上昇のプラス面、マイナス面の両方を今までに何度も書いてきた。今回はプラスの面には触れず、マイナスの面だけに触れることにする。唯一の正しい見方ではないが、一つの有力な観点から見た場合、大変大きなマイナスにもなりうる、ということを書くことにする。

そもそも、利益、損失、純資産の増加、純資産の減少というものは、会計基準によって変わるものである。民間企業でも、日本会計基準、国際会計基準、米国会計基準によって利益や純資産は異なる。利益、純資産というものは、万人の意見が利益、純資産であると一致するものは当然存在する。しかし、利益か利益でないか、純資産の増加か増加でないか、専門家の間で意見が分かれるものも当然存在する。そのため、会計基準によって利益や純資産は異なってしまう。

正確性が他の会計基準より明らかに低い会計基準は、過去には使われていた。しかし、そのような会計基準は修正され、現在では使われていない。現在使われている複数の会計基準の利益、純資産の中で、どの基準が一番正しいかは、専門家の間でも一致してはいない。そもそも会計基準というものは、国や時代が異なれば、「正しい」内容が異なっても当然なのかもしれない。

より難しいのは、民間企業以外の利益、あるいは純資産である。日本という国レベルで、純資産が毎年どれだけ増加、または減少しているかについての会計基準は、事実上、一つしか存在しない。現在、日本で使われている日本の純資産に相当するものは、国民経済計算ベースでの国富(=正味資産)である。この会計基準は、いろいろと問題点が指摘されることが多い。しかし、現在、国ベースでどれだけ資産を増やした、あるいは減らしたかを認識できる統計は、国民経済計算ベースの国富しか存在しない。問題点があることは頭に入れながらも、事実上、一つしか存在しない日本の国富を表すグラフを下記に示す。


国富
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国富の大半は非金融資産である。それ以外は、金融資産の一部である対外純資産だけである。国富の大半をしめる非金融資産が減少傾向を示している最大の原因は、地価の下落である。対外純資産は増加傾向にある。

国富には、対外純資産以外の金融資産が存在しない。これは、金融資産が存在すれば、必ずそれに等しい金融負債が存在していると国民経済計算では考えるからだ。この場合、株価が上昇しても、株価の時価総額の増加額に等しい金融負債が増加していると考えるのである。この考え方に基づけば、アベノミクスの結果株価が上昇しても、プラスは発生しない。株価の時価総額と同金額の金融負債が同時に増加すると考えるからだ。株式保有金額の増加額のうち海外投資家による日本株保有分については、海外投資家の資産増加と、国内部門の負債の同金額の増加が発生すると考える。これを日本から見れば、国内の負債の増加分と同金額の国内資産が増えているのではなく、同金額の対外負債の増加だけが発生していると見える。対外負債の増加であるから、対外純資産の減少、すなわち国富の減少を意味する。日本の株価が上昇すればするほど、資産は増えず、対外負債だけは増加し、対外純資産と国富は減少する。

国民経済計算は年1回公表され、最新のものは2013年度版である。非金融資産については国民経済計算が唯一の統計である。しかし、対外純資産を含む金融資産については、国民経済計算に準じるものとして、日銀の資金循環統計が存在する。これは年4回公表、最新のものは2014年版である。両者の会計基準は、主体や項目などの分類の定義に違いがあり、一致しない数字も多いが、理論的には同種のものと考えてよい。そのため、前回と同様に、国民経済計算ではなく資金循環統計の数字を使って、株価上昇による損益を計算する。なお、国民経済計算の株式は未上場株をも含めたすべての株式が対象であり、上場株だけの数字を求めることはできない。ここで使う数字は、資金循環統計における上場株だけの数字である。

2014年末における投資部門別の株式保有金額(上場株だけが対象)を表すグラフを下記に示す。


投資部門別保有金額
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2014年末における最大の大株主は海外投資家であり、その金額は165兆円、全体の31%を占めていた。

次に、アベノミクス相場の開始以降、上記の株式保有金額がどれだけ増加したかを表すグラフを下記に示す。


投資部門別保有金額の増加額
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アベノミクス相場の開始日は、野田前総理が衆議院解散を明言した2012年11月14日である。しかし、その日からの統計は存在しないので、代わりに2012年9月末を基準にした。保有金額にだいたいは比例しており、海外投資家による株式保有金額の増加額が95兆円と一番大きい。

次に、アベノミクス相場開始以降の投資部門別の売買状況を表すグラフを下記に示す。

投資部門別売買
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このグラフの起点も、2012年9月末にした。見てわかるとおり、買いの大半は海外投資家である。2014年から公的資金が買い始めたので、信託銀行が少し買い越しになっている。最大の売り越し主体は家計、すなわち個人である。

次に上記の2つの表で示される金額の差を表す投資部門別の調整額というグラフを下記に示す。

調整額
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調整額の定義は、資産の変動金額と売買金額の差である。具体的には、調整額の大部分は株価の値上がり益であり、かなり広い意味ではあるが統計上の不突合が一部に含まれている。最大の大株主である海外投資家が一番大きな株価の値上がり益を獲得している。

最初に示した国富の中の対外純資産は、フローベースでは「経常収支+資本移転等収支」の累積金額になる。一方、ストックベースではそれ以外のさまざまな資産価格の変動の影響を受ける。さまざまな資産価格の変動の中で最も寄与度が高いのは、為替レートと株価の変動分である。

日銀の資金循環統計ベースの対外純資産は、2012年9月末の277兆円から、2014年12月末の376兆円まで98兆円の増加となっている。このうち、海外投資家の日本株投資残高は、先のグラフで示したとおり95兆円、うち買越金額は20兆円、調整額、すなわち株価の値上がり益は75兆円である。海外投資家は日本の株価上昇により、75兆円前後の値上がり益を獲得した。このため、日本の株価が2012年9月と2014年末が同じであったと仮定するならば、対外純資産は376兆円より75兆円多い451兆円になっていたはずである。株価が上昇したがために、75兆円もの対外純資産と国富が減少したことを意味する。

しかし、アベノミクス開始以降の対外純資産は、株価上昇によるマイナス効果以上に円安によるプラス効果の方が大きかった。フローベースの「経常収支+資本移転等収支」の金額は小さかった。そのため、主として円安の結果として対外純資産は増加し、株価上昇によるマイナス効果は見えにくかった。

株価上昇によって海外投資家が獲得した75兆円の調整額は、2014年末の金額である。2015年に入ってからも、日本の株価は上昇している。ここで海外投資家の保有株式金額はTOPIXと同じ動きをすると仮定する。今年に入って、海外投資家は現物株を買い越しているが、残高との比率では大きな数字にならないので、ここではゼロと仮定する。この仮定に基づいて、2014年末からの海外投資家の日次の調整額累計を表すグラフを下記に示す。


海外投資家の調整額
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調整額の起点である2012年9月末の株価は、2012年11月14日の株価より少し高い。従って、基準点が2012年11月14日のグラグが作成可能であったと仮定したならば、その金額は上記のグラフの金額を少し上回ることになる。それ以外の調整額についての仮定も、実際の調整額より少なく算出される仮定になっている。ただし、統計上の不突合は上下のどちらにも存在する。それでも、より正確なデータが存在すれば、上記のグラフの少し上を進んでいる可能性が高い。

少しばかりの仮定をおいて算出される累積調整額は、2015年4月22日に100兆円に到達した。この金額は、アベノミクス相場開始以降、日本の株価上昇によって失われた国富の金額にほぼ等しい。アベノミクスによる株価上昇が原因で失われた国富は、4月22日についに100兆円に到達してしまったのである。4月22日は実に悲しむべき日である。しかし、4月22日という日は、2000年4月14日以降、日経平均株価の終値が2万円台で引けた記念すべき日でもある。株価が上がってめでたし、めでたしの日でもあった。私が悲しむべきと考える日と、みんながお祝いをしている日が、同じ日になってしまった。


アベノミクス相場の開始以降の株価上昇による(上場株だけから発生した)国富の損失100兆円という数字は、多少の誤差があるとしても、ほぼ正しい金額である。

ただ問題点は、国民経済計算という会計基準、その会計基準に基づいて算出された国富の金額が、正確な富の変動を本当に表しているかどうかという点である。会計基準を少し変えれば、100兆円の損失が大きく変わる可能性はありうる。会計基準に絶対的に正しいという基準は存在しない。

国民経済計算という基準、中でも、ストック統計の会計基準についてはいろいろな批判が存在する。しかし、日本という国レベルで、純資産、あるいは国富が毎年どれだけ変動しているかを知るための会計基準は、事実上、一つしか存在しない。その唯一の基準とも言うべき国民経済計算という基準を使えば、アベノミクスによる株価上昇で失われた国富の累計額が、4月22日に100兆円前後に到達したという事実を動かすことはできない。

株価上昇はアベノミクスの最大のメリットというのは正しくない。国民経済計算という有力な会計基準を使った場合、アベノミクスは、株価上昇の結果として日本の国富を100兆円も失わせた。アベノミクスがもたらした株価上昇の結果は、大変大きな利益ではなく、100兆円という巨額の国富の損失であったという観点が存在することは重要であり、この事実を忘れてはならない。

最後に、最近、株式需給コメントのシリーズに書いているものと同じ内容、すなわち100兆円の巨額の損失が発生してしまった原因とその対策を記すことにする。
 

政府・日銀の犯罪的な政策について

日本企業の株というものは、日本国民にとっての大変貴重な財産である。それに対して政府・日銀が過去にとってきた政策は、1989年12月29日の高値38,915円から2009年3月10日の安値7,054円まで、19年強の期間、最大で82%も日経平均株価を下落させたことである。

そして、国内投資家に、株価はもう上がらないという非常に強い予想、期待、確信と、株価が戻れば売らなければならないという非常に強固な信念を抱かせてしまった。そして、1991年以降、結果として取引所という流通市場だけで92兆円、発行市場も含めた国際収支ベースでは114兆円もの日本の現物株を国内投資家が海外投資家に安値で売り渡すことになってしまった。

これは犯罪的とも言えるレベルの政策である。アベノミクス相場が始まってからも、国内投資家は取引所という流通市場だけで20兆円の現物株を海外投資家に売り渡しており、犯罪的な政策は是正されていない。


ここまで来てしまった以上、完全に手遅れであり、経済をデフレ不況に戻すことなくこの問題を解決する方法はもはや存在しない。できること、可能なことは、損失のさらなる拡大をくい止めることだけである。そのためには、国内投資家が株を買い越すようになるまで金融緩和の強化を続けるしかない。

2013年4月の異次元緩和は、あまりにも遅すぎであり、金額も少なすぎた。実施の翌週に、国内投資家が過去最高の金額の現物株を海外投資家に売り渡すという非常に大きなマイナス効果が現実のものになってしまった。2014年10月の第2弾の翌週も、国内投資家が海外投資家に現物先物合計で過去最高の金額を売り渡すという巨額のマイナス効果しかもたらさなかった。

現在も効果がマイナスという状態が続いている。金融緩和を大幅に強化すれば、巨額の残高が存在する国債という運用先を失った国内投資家は、高値でも株を買わざるをえなくなる。この場合、国内投資家に、安く海外投資家へと売り渡した株をバブルに匹敵する高値で買い戻すように誘導することになる。実にバカバカしいことだ。しかし、これ以上海外投資家に株を売り渡せば、株価上昇と並行して増える損失がさらに拡大する。過去の政策があまりにも犯罪的すぎたので仕方がない。

株価が2万円前後にまで戻っても、国内投資家がまだ海外投資家に大量に株を売り渡し続けているという現状は異常である。過去における政府・日銀による犯罪的な政策を容認し、現在の異常な状態を異常と思わない人が多すぎることは、大問題である。
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アダム・スミス2世の経済解説 2017年6月第3週 株 コメント


日銀の量的質的金融緩和策には効果がある。第2週の2万円を少し下回ったところでは個人を中心に買い越しを維持していた。しかし、2万円台を抜けて上昇すると個人と投信の現先合計で週間5000億円以上の売り越しになってしまう。

これは、金融緩和に効果はあるが、不足しているから起こる現象である。

アベノミクスが始まってから、株高によって100兆円前後というとてつもない国富の損失が発生している。しかし、その損失はほとんど認識すらされていない。

ここでテーパリングではなく思い切った金融緩和の強化を実施すれば、国内投資家が上値でも買い越しになる可能性が高まる。

海外投資家に安く売った株を高値で買い戻す。実に馬鹿馬鹿しい買いである。

しかし、株価上昇による損失拡大とデフレ不況の両方を避けるためには、国内投資家は今からでも買うしか方法がないのである。
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2018年03月06日
日本の物価が安すぎる リーマン前と酷似し危険な状況

日本の物価がアメリカより安くなる分、毎年円高にならないとおかしい
無理に円安にしたら、後でまとめて円高になる
引用:アメリカ出張よもやま話 45 日米 消費者物価指数推移の違いhttp://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/9/30ecbe8294906dce483423d0bb7a1c094e553291.84.2.9.2.jpeg


日本の物価は主要国最低

日本の物価水準が主要国の中で並外れて低く、もはや先進国とはいえない水準になっています。

この状態はリーマンショック前の2007年と同じで、欧州のどの国も日本1.5倍以上という状況でした。

その後円高によって安すぎる日本の物価は調整されたが、2012年以降の『超円安』によってまた物価の乖離が起きている。

こうなった原因は日本と主要国の物価上昇率の差で、日本はアベノミクス以降でも年0.5%程度のインフレ率に留まっている。

欧米は年2%以上である事が多いので、ここではわかりやすく主要国インフレ率は2.5%、日本より2%高いと仮定しておきます。

すると毎年日本は主要国に比べて、年2%デフレが進行しているのと同じ状態で、アメリカやドイツから見て日本の物価は年2%下がります。


それでいて日本政府と日銀は円安誘導しているので、ついに日本と主要国の食品等の値段は1.5倍差になりました。

2000年年代中ごろにスイスではビッグマックが4,52$(500円)で、その他の欧米は400円くらい、日本では300円くらいでした。

2007年のドル円は1ドル120円台だったので、3割円高の1ドル90円前後で日本の物価は正しくなる計算です。


ビッグマックだけではなく、当時欧州では賃金が日本の2倍とか、水のボトルが500円とか、電車の初乗りが1000円など、欧米の物価は目を見張るほど高かった。

それを見て日本人は「日本はもうだめだ。”超円安”になって衰退するだろう」という特集を経済誌やテレビでやっていました。

それでどうなったかというと、承知のごとく1ドル70円台まで円高が進み、日本の安すぎた物価は強制的に高くなりました。


1ドル80円台が適正か

その後アベノミクスと黒田バズーカによって円安誘導し、また1ドル120円台の”超円安”にした結果、日本と主要国の物価が乖離してしまった。

現在アメリカや欧州のビッグマック価格は5ドル以上、日本は4ドル以下なので2割以上は円が安すぎる。

1ドル110円で物価が2割違ったのだから、適正な為替レートは1ドル80円台という事になります。


欧州でも物価が高いとされるパリでは、ランチは10ユーロ以上、コーヒーは2ユーロ、カフェオレは4ユーロもする。

缶コーヒーやコンビニコーヒーは無いようで、ミネラルウォーターも含めてドリンク類は高い。

パリのビッグマックは4.30ユーロなのでやはり500円以上、スタバのトールラテも500円以上なので日本より3割は高い。


労働者の賃金では欧州は最低賃金12ドル以上なのに対して日本は7ドルど問題外、これを為替で調整するには1ドル60円にならないといけない。

1ドル70円にいつかは成ると思いますが、それが1年後か20年後かは分かりません。

ただリーマンショック時には2007年に1ドル120円台だったのが、毎年10円下がって2011年に1ドル70円台になりました。


1985年のプラザ合意では1ドル260円だったのが、2年かけて1ドル120円になっています。

いずれの場合も日本の物価水準が並外れて安すぎ、為替レートによって強制的に調整されたと見る事ができます。

日米欧の正しい物価や賃金が同じ水準だとしたら、いつか必ず為替市場による調整が起きます。
http://www.thutmosev.com/archives/75195715.html




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日本の管理職給料は「中国よりずっと下」 大卒初任給”40万円”は普通の水準
http://president.jp/articles/-/24813
2018.3.31  ジャーナリスト 溝上 憲文 PRESIDENT Online

アジア各国の給料相場がぐんぐん上がっている。最新の調査によれば、中国やシンガポールなどの管理職の給料は、日本企業の管理職よりはるかに高い。専門家は「この10年の間に日系企業の給与は低いというのが労働市場に定着してしまっている。給与で日系企業が優位性を持っている国はどこにもない」という――。

給与上昇、中国・インド毎年10% タイ・マレーシア毎年5%

2018年の春闘の賃上げ率は2.17%だった(3月22日、連合集計)。昨年同時期よりも若干のプラスとはいえ2%程度のアップにとどまっている。日本の給与は依然伸び悩んでいる。

        

一方、アジア各国の給与が日本をじりじりと追い上げている。それどころが一部の職種では日本の給与を上回るケースも発生している。

それを象徴するのが中国の通信機器大手の華為技術日本(ファーウェイ・ジャパン)だ。

昨夏、同社が日本の大卒初任給で「40万円」という求人情報を出し、大きな話題になった。同社は毎年10人前後を採用しているが、2015年以降、初任給を徐々に上げ、18年卒の理工系の大卒エンジニアを「40万1000円」、修士修了者を「43万円」に引き上げた。

中国企業の台頭は今に始まったことではないが、業績や規模の拡大に伴い、中国の現地企業の給与は毎年平均10%程度上昇している。

中国だけではない。マレーシア、タイは毎年5%程度の給与の上昇が続いており、成長著しいインドネシアやインドも毎年10%も上がっている。この状態が続けば日本の給与を上回るのはそう遠くないだろう。

▼「日本の給与がアジアで断然高い」は昔の話

そう聞いても、「日本の給与のほうがアジアの中では断然高い」と思っている人もいるのではないか。しかし、すでに現実はそうではない。

アジアの日系企業の「課長」の給与が現地企業に負けている、というデータがある。人材紹介業大手のJACリクルートメントがアジア各国の中途採用時の給与水準を調査した「The Salary Analysis in Asia 2018」(※)という公表資料がある。

※シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシア、香港・中国、韓国、インドの給与水準を資本(日系、現地系、その他欧米系などの企業)、業界、職種ごとに区分して調査。調査期間:2017年7〜9月

この調査は各国の「日系企業」「欧米系外資」「大手現地企業」を比較したものだが、たとえば「経理課長」の年収を指標に日系企業と現地企業を比較してみよう。

まず、中国だ。中国における日系企業の経理課長の年収は下限が92万円、上限が254万円。それに対して現地企業は下限が203万円、上限が338万円であり、日系企業を上回っている。ちなみに、部長級は日系企業254万〜593万円、現地企業は338万〜678万円でこちらも日系企業のはるか上だ(金額はいずれも2月27日の為替レートで試算・以下同)。なお、中国の現地企業は「欧米系外資」と同水準という。

「給与で日系企業が優位性を持つ国はどこにもない」

マレーシアでは、日系企業の「経理課長」は260万〜370万円に対し、現地企業は256万〜356万円とほぼ拮抗している。

ところがインドネシアになると日系企業は125万〜196万円だが、現地企業は203万〜384万円、部長は日系企業が204万〜266万円、現地企業が360万〜563万円。完全に水を空けられている。

調査を担当したJACリクルートメントの黒澤敏浩フェローは「給与で日系企業が優位性を持っている国はどこにもない」と指摘する。

「日系企業は早い時期からアジアに進出していますが、その後に欧米系外資が進出し、日系より高い給与で人材を引き抜かれるケースが増えた。その後、現地企業の業績拡大に伴い給与水準が上がり、日系企業から現地企業に人が流れるケースも増えており、給与を上げないと人材を確保できない状況になりつつあります」

▼「金融業の営業職の給与」日本は中国に惨敗

      

人材確保の厳しさは巨大市場の中国で特に顕著だ。

「欧米系外資よりも給与水準が高い現地企業も少なくありません。中国人の人気が一番高いのは現地の元国営企業、次に欧米系外資、最後が日系企業の順になっています。残念なことにこの10年の間に日系企業の給与は低いというのが労働市場に定着してしまっている。近年、欧米企業は中国に積極的に投資しており、日系企業の人材確保はますます難しくなっているのが実情です」(JACの黒澤氏)

今度は「金融業の営業職」の給料を比較してみよう。

中国の金融業界の営業職の場合、日系企業の課長級の年収は390万〜796万円。それに対して現地企業は474万〜948万円であり、日系企業を上回る。

営業職の部長級は日系企業1051万〜2118万円、現地企業は1271万〜2542万円。日系企業も決して低いわけではないが、それを上回る年収を得ている。

次に、1人当たりの名目GDPが日本の1.4倍と経済的には先進国に入るシンガポールになると、格差はもっと大きくなる。日系企業の課長が488万〜813万円であるのに対し、現地企業は853万〜2438万円。

部長になると日系企業が650万〜1219万円、現地企業は1544万〜2844万円になる。日本企業の上限年収よりも現地企業の下限年収が上回っている。

シンガポールの給与水準は幅が大きいが、月額30万〜60万円が最も多い層といわれる。2017年度の国立大学卒の理系の初任給は約33万円を超える求人もあり、文系も約25万円と日本の新卒初任給よりも高い。これでは現地の人が日本企業に入りたくないと思うのは当然かもしれない。

日本の大企業の課長・部長給与は「中国よりずっと下」

では、日本国内の企業に勤める管理職の年収はいくらなのか。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」(2017年)から試算した課長級の年収(男女計、学歴計)は約853万円、部長級は1051万円だ。ともに前年より下がっている。

従業員1000人以上の大企業でも課長級989万円、部長級1232万円となっている。前述した中国とシンガポールの「金融系の営業職」の管理職はすでに日本の大企業の課長、部長級を上回る企業が当たり前のように存在しているのだ。

「今現在でもアジア各国の上位層の年収が日本を抜いているところも多いです。特に中国の上位層は日本以上の高い年収をもらっています。いずれミドル層についても日本を追い越すのは間違いありません。市場規模自体が中国は日本より大きく、管理職が高い給与をとるのは自然の流れです。日本の平均的給与は10年後にはアジアのトップクラスから2〜3位に転落する可能性は十分にあります」(JACの黒澤氏)

▼日本で爆買いするのは「富裕層」ではなく普通の会社員

       

日本の正社員の平均給与は487万円(2016年、国税庁調査)。アジアに誇れる“給与先進国”とは言えなくなりつつある。

近年、日本に来る中国などアジアの観光客が増加の一途をたどっている。その背景にはアジアの給与の上昇に伴う可処分所得の増加が関係している。観光で来日するのは一部の「富裕層」ではなく、ごく普通の会社員なのだ。

かつて日本人の多くが、タイ、マレーシアなどの観光地に大挙して出かけて彼我の所得格差の違いを享受した。その逆の現象がすでに始まっているのだ。




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最先端技術の中国人研究開発者の賃金、日本の水準を上回る―中国メディア
http://www.recordchina.co.jp/b591234-s10-c20.html
2018年4月13日(金) 0時10分

中国のある情報技術企業が日本に研究所を設置し、新入社員の初任給が40万円と高額であると話題になっている。瞭望東方周刊が伝えた。(文:陳言。報道関係者、日本問題専門家)

日本メディアは同企業が日本で何を研究しているのかには注目しておらず、「月給40万円」という点に注目していた。現在、日本の大手企業の初任給は22万円程度で、中小企業なら20万円以下というのが一般的だ。つまり、40万円というのは一般的な初任給の約2倍で、多くの日本人が目を丸くしている。

筆者のある日本人の友人は50歳近くで、中規模の情報技術企業で管理職に就いている。その友人は、「40万円というのは相当多い」と感じている。彼は20年前に会社の中国支社で働いたことがあるが、当時中国と日本の賃金差が大きかったことは記憶に新しいという。

彼は、「当時、中国の一般社員の給与はとても安く、日本との差は大きかった。今、中国企業が日本の新入社員に、日本の平均的な水準をはるかに上回る40万円の給料を払うことができるということは、中国の情報技術企業が近年、飛躍的に実力をつけているほか、中国国内の賃金水準が大幅に向上しているということだろう」と話した。

また、人工知能、ハイエンド通信、バイオ医薬品などの分野では、日本企業は中国人研究開発者を雇おうと思えば、日本の人材よりお金がかかると感じ始めている。

中国にある日系研究開発企業の数社に取材したところ、中国では人工知能の研究開発が盛んで、関連人材が引っ張りだことなっており、月給40万円でも必要な人材を見つけるのは困難だという。ある研究所の所長は、「中国の研究開発人員の賃金は、東京よりかなり高くなっている」と話した。

発展段階で、米国でかなりのお金を出して、研究開発人材を雇ってきたという日本の企業も多かった。しかし、中国人研究開発者の賃金が日本人より高いというのは、これまでに聞いたことがない状況だった。

別の通信研究開発企業の日本研究所の所長は、「第5世代移動通信システム(5G)に携わる研究開発者は、中国人の方が日本人より賃金が高くなる」と話した。

「当社の5G研究開発の中心地は米国と中国。米国と比べると、中国の研究開発人員の数が多く、市場も大きい。そのため、ここ数年は中国に多くのプロジェクトを置き、中国を中心に5Gの研究開発を進めるという形ができつつある。賃金や待遇も自然と同じ方向に傾いていく」という。

視点を変えると、日本企業が中国人研究開発者に高い給料を払う根本的な原因は、将来の中国市場に大きな期待を抱いているからだ。

一方、中国と日本を比べて賃金水準が逆転しているのは、今のところ主に情報技術や人工知能、ハイエンド通信、製薬業などの研究開発分野に限られている。一般従業員の賃金水準を見ると、やはり日本の方がかなり高い。しかし、中国のハイエンド研究開発人材の賃金水準が向上しているということは、さらに多くのイノベーションの成果が生まれ、「メイド・イン・チャイナ」、「中国のイノベーション」を推進し、良い循環が形成されると期待できるだろう。近い将来、さらに多くの分野で中国の賃金水準が日本を超える可能性もある。

最先端技術の分野で「報酬の魅力」がなくなると、「日本製」にどのような影響が出るのかという点も注目に値する。(提供/人民網日本語版・編集/KN)





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2018年4月16日
焦点:日米首脳会談に警戒感、米為替報告書「名目も円安」と指摘
[東京 16日 ロイター] - 米財務省が13日に発表した為替報告書では、日本を引き続き監視対象国に指定し、大きな貿易不均衡が日米間に存在することに懸念を示した。実質実効レートだけでなく名目レートでの「円安」も指摘。為替介入も事実上封じ込めた。


こうした米国の厳しい姿勢は、17―18日の日米首脳会談で先鋭化する可能性があるとして、市場では警戒感が広がる。

<強い日本への風当たり>

今回の為替報告書で、為替操作国に認定された国はなかったが、中国、日本、韓国、ドイツ、スイスを引き続き監視対象国としたほか、2017年に国内総生産(GDP)の2.2%相当の外貨を購入したとして、インドを新たに対象国に加えた。

物価変動を除いた円の実質実効レートは、2017年から今年2月までに2.4%下落し、過去20年の平均値と比べ25%近くも円安であるとした。実質実効レートに関する類似の文言は前回、前々回の報告書にもあったが、今回目を引いたのは名目レートに関する記述だ。

報告書では、名目レートでみた円相場が「過去10年と比較すると、2013年上期から歴史的な平均値に比べて割安である」と今回初めて指摘した。

日銀が、量的・質的金融緩和政策(QQE)を導入したのは2013年の4月。今回の為替報告書では、日銀の金融政策については、現状を簡単に説明するに留めた。しかし、日銀の金融政策が円安誘導の嫌疑をかけられる可能性もある。

トランプ氏は2017年1月31日、「中国が現在行っていること、日本がこれまで何年も行ってきたことを見れば、彼らがマネーマーケットや通貨安を手玉にとっているのを、われわれは座して眺めているだけだった」と述べている。

<日米首脳会談、為替に言及あるか>

日本と米国は17―18日に米フロリダ州で首脳会談を開く予定だが、為替報告書で確認された米国の姿勢からは楽観はできない。

米側は、日本に防衛費のさらなる積み増しと自由貿易協定(2国間FTA)を要求してくる可能性があり、そこでは、農産物の自由化とともに、為替条項が入る可能性がある。先の米韓FTAの見直しでは、付属文書に為替条項が入り、韓国の為替介入を許さないとの意思表示をした。

「米国による関税引き上げが自由貿易の妨げになると国内外の批判にさらされ、中国がその自由貿易の旗振り役を買って出ているという構図の下、国内産業重視のトランプ政権の姿勢が疑問視され始めた。(為替報告書は)通商政策ではなく為替政策に重点を置くための布石と見ることもできる」と三井住友銀行・チーフストラテジストの宇野大介氏は語る。

「そのリトマス紙として、日本の通商姿勢を執ように批判しているトランプ氏が、今週の日米首脳会談で貿易不均衡是正のため、内需主導の成長を求めてくると同時に、円安抑止も求めてくるかが注目される」と同氏はいう。

トランプ大統領は12日に「日本は長年にわたって通商で我々に大きな打撃を与えている」とツイートした。3月22日には「(日本が)米国をうまく利用する時代は終わった」とホワイトハウスで述べ、2月13日には、同盟国である韓国と日本に対し「貿易面では同盟国ではない」と突き放した。

「低支持率が続き、苦戦を余儀なくされているトランプ大統領は、周辺国に敵をつくり、彼らに強くあたって成果を演出したい面がある」とグローバル・エコノミストの斎藤満氏は言う。

これまでは、安倍・トランプの良好な関係から、米国が日本に無理な注文を付けないとの期待があったが、米朝首脳会談の設定後は「日米関係にすき間風が吹き、日本が(米国と)親しい同盟国の地位を失いつつある」と同氏はみている。

<米側は不均衡是正と構造改革求める>

米国は2016年4月、主要な貿易相手国の為替政策の評価について新たな枠組みを導入した。

同枠組みの下では1)対米黒字が200億ドル以上である。2)経常収支黒字がGDP比で3%を超えている。3)過去12カ月で継続的な外貨購入を行い、合計額がGDP比で2%を超えている──の3つの要件を満たした場合には「為替操作国」に認定され、厳しい対応を迫られる。

このうち2つに抵触すると「監視対象国」としてリストアップされる。

米財務省は「巨大かつ自由な為替市場においては、介入は非常に限定的な状況で、かつ適切な事前の協議を持って実行されるべきもの」との見解を前2回と同様に日本に対して表明し、為替介入を事実上封じ込めた。

そのうえで、日本は安定的な成長があるうちに構造改革を進め、公的債務と貿易不均衡を削減すべきとし、報告書では日本の2017年の経常黒字が国内総生産(GDP)の4%に達し「対米貿易黒字も690億ドルと引き続き大きい」と不満を表している。





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2018年04月24日
日本は原油高、円高に強くなったは本当か

原油高でもあまり打撃を受けていないが、1バレル100ドル超ではこうはいかないだろう
引用:http://www.oab.co.jp/images/news/180419134803805.jpg


日本は原油高を克服したか

WTI原油価格は2016年に30ドルを割り込んだが、現在は70ドルを超えようとしている。

対して日本株は2016年に1万6000円だったのが、現在は2万2千円とかなり上昇している。

最近の期間でみても、2017年6月に原油45ドル、日経2万円だったが、原油は値上がりしたのに日経は上昇している。

これをもって「日本は原油高を克服した」と評価する人もいて、数字の上ではそのように見えます。

70年代のオイルショック時に日本は輸出大国を標榜していて、原油価格上昇は日本製品のコスト増加を招き打撃を受けた。

だが現在の日本の輸出依存度は10%未満であり、経済は輸出に依存していない。


今の日本経済を支えているのは投資と内需で、原油値下がりはオイルマネーの減少によって悪影響をもたらす。

サウジなどアラブ国は原油価格が低迷すると打撃を受け、日本や外国への投資を控えるので、日本には悪影響がある。

だが原発の大半が停止しているので、再び史上最高値の100ドル越えになると、多額の負担を強いられる。


日本は円高を克服したか

日本が以前より原油高の影響を受け難くなったのは事実でしたが、もう一つの円高については議論が分かれるでしょう。

安倍政権発足前は1どる80円だったのが120円以上になり、最近は105円前後に定着しています。

105円を割っても日本株はそれほど下落しなかったので、一見すると円高も克服したように見えます。


だがこれは「円」という通貨がデフレの影響で外国通貨より強くなり、基準点が移動したのでそう見えているだけです。

アメリカは日本より平均2%は物価上昇率が高いので、10年経つと1ドルの価値は円に対して2割以上も安くなります。

分かり難いですが10年前にコーラが1ドル=100円だったとすると、10年後には同じコーラがアメリカで1ドル10セント、日本ではデフレで90円になっています。


日米の物価そのものが大きく変動したので、同じ1ドル100円と言っても、実は昔の1ドル120円程度でしかないのです。

安倍政権で1ドル120円だったときは、90年代の1ドル140円台に相当する超円安で、現在も実は「円高」ではないのです。

これを実質実効レートとか実効レートと言い、円高ではないので日本株は打撃を受けていないだけです。
http://www.thutmosev.com/archives/75872453.html





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日本経済の将来を占ううえで最も重要なのが、人材だ。そこでも日本はアジア諸国に大きく遅れている。
 世界の大学ランキングというものがあるが、実は、日本の大学は、東大でも世界46位と大きく順位を下げている(Times Higher Education2018)」。

 世界ではどうしてもアメリカやイギリスの大学が上位に入るので、アジアだけのランキングで見るとどうなるか。当然東大が1位だと思う人が多いかもしれないが、実は、毎年順位を落としてついに8位まで下がってしまった。1位シンガポール国立大学、2位清華大学(中国)、3位北京大学(中国)、4位香港大学、5位香港科技大学、5位南洋理工大学(シンガポール)、7位香港中文大学で9位と10位は韓国の大学である。上位21校中(20位が2校あるので21校)のうち、日本は東大と京大(11位)の2校だけ。中国は7校、韓国と香港が5校、シンガポール2校だった。

 将来のことを考えると、子供や孫の進学では、東大や京大よりも中国やシンガポールや香港の大学を勧めた方が良いということになるのだが、実は、日本人には、これらの大学に進学するのは極めて難しい。語学の壁があるということもあるが、それ以上に入試のレベルが、中国などの大学の方が日本よりもはるかに難しいからだ。

 中国の受験競争の激しさは有名だが、その厳しさに負けて、日本の高校に留学して日本の一流大学を目指す動きがここにきて急速に強まっている。先日もNHKのニュースで放送していたが、宮崎県の私立高校が中国で留学生獲得の営業をかけたら多くの優秀な中国の学生が応募してきた。今や学生の過半が中国人で、日本の大学に全員が合格している。留学生に聞くと、中国で良い大学に入るのは難しいから諦めて、日本の大学を目指すことにしたという。彼らにとっては、日本語で受けるとしても、まだ中国よりは易しいというのである。それほど、日本と中国の若者の学力に差がついているということになる。

 この傾向は、経営大学院(MBA)については、より顕著だ。フィナンシャルタイムズが発表した世界のMBAランキング2018では、ベスト100のうち大半はアメリカの大学院だが、アメリカ以外では、英国の14校に次いで2番目に多くランクインしたのが、中国の7校だった。1位スタンフォード(米)、2位INSEAD(仏)、3位ペンシルバニア大ウォートン校などの常連に交じり、何と中国の中欧国際工商学院が8位とベスト10入りをして世界を驚かせている。その下に続く9位がMIT(マサチューセッツ工科大)、10位カリフォルニア大バークレー校と聞けば、そのすごさがよくわかる。5、6、7位がハーバード、シカゴ、コロンビアだが、今の勢いだと、10年以内にトップの座を占める可能性もあると言われるほどだ。ちなみに、この大学院の卒業生の卒業直後3年の平均年収は、16万2858ドル。1ドル110円で計算すると1791万円だ。日本のMBAを卒業してもほとんど箔付け程度にしかならないのと比べると雲泥の差と言って良いだろう。

 この中国の大躍進に対して、日本のMBAがベスト100にいくつ入っているのだろうかと思って、ランキングを上から順にスクロールしてみると、ついに一番下の100位まで行っても発見することはできなかった。つまり、100位以内にゼロである。中国の7校に比べて、何とも寂しい話だ。

 これらの情報は秘密でも何でもない。新聞などでも報じられている。ただし、記者に何の問題意識もないので、これが何を意味するのかが理解できず、極めて小さな扱いでごく一部の情報を載せるだけである。

 一方、優秀な若者は徐々にこうした事実に気づき始め、東大よりも海外の有名大学を目指す動きが広がっている。しかし、それは、残念ながら、まだごく一部である。

 それを象徴する話を聞いた。元民主党女性議員の令嬢が、上智大学を卒業後、香港の大学院に進学した。それをその元議員が友達に話したら、「上智まで出たのに、なんでまた、香港なんかに出したの?」という反応ばかりが返ってくるというのだ。その元議員の令嬢は、メールでこう連絡して来たという。

「ママ、中国は日本をドンドン追い越してるのに、日本人は、気づいてない。それって、相当ヤバくない?ここで勉強したことをちゃんと生かせる仕事がないから、日本に帰っても仕方ないね。アメリカかシンガポールで仕事を探すわ。給料もずっと高いから」

 もう一人、カリフォルニア大バークレー校でMBAを取って、アメリカで今年起業したある日本人の若者の話を聞いた。

「日本に帰る理由を考えたけど、一つもなかった。強いて挙げれば、そこそこおいしいご飯がタダ同然で食べられることかな。ランチの定食が10ドル(1100円)なんて信じられないよね。アメリカだと、その何倍もするからね。でも、アメリカの大都市なら、お金さえ出せば、おいしい店はたくさんあるし、日本の何倍も稼げるから、結局、安いご飯は大した魅力にはならないな」

 そして、こう付け加えた。

「日本人留学生は、ほとんどが政府や企業のひも付きで、日本に帰る前提で勉強している。留学は箔付けというレベルだから、米国で独立して活躍できる人材は少ないね。中国人ならたくさんいるよ」

 日本の未来を支えるはずの若者のレベルが国際比較でこんなに低下しているとしたら、日本経済の将来は本当に危機的状況にあると言って良いだろう。
http://www.asyura2.com/18/senkyo243/msg/796.html#cbtm




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定年退職したのに年収1500万円!? 中国の自動車メーカーに転職した日本人に聞いた驚きの現状
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180514-00010000-autoconen-bus_all
オートックワン 5/14(月) 6:33配信

中国の自動車メーカーは、デザインも安全性能も10年前とは大違い

世界最大の自動車市場中国は、1年間に4輪車が約2888万台も売れる市場である。伸びは鈍化したとはいえ、9年連続世界一の台数であり、日本の約5.6倍といったところ。台数もスゴイが、最近の中国車の進化も目覚ましい。デザインも安全性能も10年前とは全く違ってきている。乗用車はまだ日本での販売はないにしても、世界シェアトップのBYD社製EVバスは京都や沖縄で活躍中だ(おなじみ2階建ての赤いロンドンバスもBYD製EV)

日本人技術者もひと役買った!? 最新中国車を画像で見る

そしてその凄まじい変化と進化を支えているのが、海外から集められた優秀な技術者たちである。

中国の自動車メーカーでは、日本人技術者が大人気!

中国の自動車メーカーは、とくに、日本やドイツ、イタリアをはじめとするヨーロッパやアメリカで積極的に、リクルート活動を行っている。中でも人気は日本人技術者で、現在もネットの求人広告には中国自動車メーカーが超高待遇で技術者を迎えることを伝えている。

長城汽車のように、首都圏に作られたR&D施設で多くの日本人技術者を集めている中国自動車メーカーもすでに存在する。

高待遇で転職、再就職した日本人技術者たちは、どんな風に働いているのだろうか? 中国の自動車メーカーで働く日本人技術者達に話を聞いた。

40台後半で日本の自動車部品メーカーから転職したKさん

「中国の自動車メーカーA社に転職したきっかけは、日本のネット求人誌に募集が出ていたからです。条件はすごくよかったですね。当時の私の年収が800万円位で、A社の条件は15年以上の経験で1200万円(手取り)で、外国人技術者専用のマンションも用意してくれました。そのマンションには私の他に日本人技術者が数名、あと、ドイツやアメリカ、イタリアなど様々な国の技術者が住んでいますよ。

私は中国語ができなかったのですが、専用の通訳も用意してくれました。英語はTOEIC800点位で日常会話には困らない程度でしたが、英語を仕事で使うシーンはあまりないですね。他国の技術者と話すとき位です。転職して7年経ちますが、自分の能力が正当に評価されて十分な報酬も得られてとても満足しています。」

日本の自動車メーカーを定年退職後に再就職したSさん

「すでに中国の自動車メーカーに再就職した先輩からの紹介で私も同じ会社に行きました。子どもたちは自立していましたので、家内と二人で第二の人生を中国でスタートしました。60歳で定年退職しても、まだこんなに私の経験や能力を高く買ってくれる会社があるのだということに驚きましたね。900万円だった年収は1500万円になりました。

今働いている会社には日本人技術者が100名以上在籍しています。もちろん日本だけではなく、世界中から様々な分野の技術者が来ていて、職場はエネルギーに満ち溢れています。中国市場だけではなく、グローバル企業としてどんどん世界に出ていく車を開発しているので、それぞれの市場に合わせて世界各国の技術者が集まってきていても不思議ではないですね。技術の流出とか、秘密を聞き出すとか(笑)もうそんなレベルではないんです。中国車メーカーが日本にR&Dセンターを作って、日本人技術者と共に研究開発を行うケースも増えていますね。」

中国の会社、HUAWEIは大卒初任給が40万円!

自動車メーカーではないが、昨年は世界有数のICTソリューション・プロバイダー華為技術(HUAWEI)日本株式会社の新卒募集内容がスゴイと話題になった。

HUAWEIは中国の会社で、大卒初任給が40万円と日本企業のおよそ2倍。年収は入社1年目からいきなり550〜560万円超となるそう。同社は中国でも研究開発費や人材への投資を惜しまない企業として有名だが、初任給40万円は世界的に見ればそれほど高い水準ではないそうだ。

シリコンバレーで成長を続けるような企業では、このレベルがエンジニアのスタンダードだという声もある。

ものつくり日本の基幹産業である自動車産業だが、花形であるはずのエンジニアへの報酬が今のままの待遇では、優秀な人材の海外流出をくい止めることは難しいかもしれない。




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2018年05月15日
NY州で家賃高騰、マンハッタンではワンルームが月40万円

マンハッタンでこの程度の1Rが月30万円以上する
http://usimg.sulekhalive.com/cdn/rentals/images/rentals_2018-01-13-05-01-36-538_9410808.jpg


NYの家賃相場

ニューヨークの賃貸住宅家賃が上昇し、働いても家賃を払えないのでルームシェアやハウスシェアする人が増えている。

といってもマンハッタンの中心地のことではなく、電車や車で1時間もかかる郊外でのことです。

ニューヨークの家賃相場は毎年5%以上は上昇し、10年前の2倍になったところも少なくない。

郊外の築数十年エレベーターなし、ワンルームマンションの家賃が最低月20万円以上になっている。

日本とは築年数の基準が違い、アメリカでは戦前のマンションでも手入れされているが、それでも高すぎる。

マンハッタンの人気地区ではワンルームで家賃40万円、2部屋なら郊外でも30万円以上に値上がりしている。


こんな具合なので働いてかなりの収入があっても家賃を払えず、年収500万円の「ホームレス」すら存在する。

もしマンハッタンの内側に家族でまともや部屋に住もうと思ったら、家賃だけで年500万円以上も支払うはめになる。

アメリカのテレビドラマに出てくるようなおしゃれな物件は、今やNYでは富裕層しか住めなくなった。


そこでニューヨーカーがやっているのはシェアルームやシェアハウスで、複数人で一つの物件を共有する。

ドラマでは楽しそうだが、実際には好きでやっているのではなく、一人では本当に家賃を払えないのでそうしている。

複数の部屋がある物件を借りて、一人が一部屋ずつ使用するのが基本スタイルだが、それでも決して安くない。


年収1000万円のNY貧困世帯

ニューヨーク郊外でも3ベッドルームで家賃30万円はするので、ルームシェアでも一人10万円になる。

そこで最近は一つの部屋をさらにカーテンなどで間仕切りし、何部屋かに分けてルームシェアしている人が多い。

1部屋10万円としても、1部屋をさらに分割すれば、一人当たり5万円にするのも可能です。


マンハッタンから40分以上かかるクイーンズやブルックリン地区でも、やはりワンルームで月20万円以上はします。

アメリカは1部屋の面積が広いので、半分にシェアしても「四畳半」ほどの広さがあり、月8万円程度の家賃が多い。

住居費とともにアメリカ人を悩ませているのが医療費の高さで、入院などをきっかけに家賃が払えなくなり、ホームレスになる人が多い。


ニューヨーク州の世帯年収(一人当たりではない)は4人世帯で1000万円、共働きがほとんどなので個人平均では500万円程度になります。

年収1000万円でも家賃だけで400万円から500万円、医療保険に年100万円以上支払い、子供の教育費もかかります。

当然食べなくてはいけないし服も買うしアメリカでは自動車も必要なので、年収1000万円世帯ではマンハッタンには住めなくなっています。


NY市の調査では年収4万ドル以下の世帯では年収の50%近くの家賃を支払っている。
http://www.thutmosev.com/archives/76155353.html



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格差の超簡単な解決策は最低賃金引き上げだ
「適正水準は1300円」とアトキンソン氏
デービッド・アトキンソン : 小西美術工藝社社長 2018年05月16日
https://toyokeizai.net/articles/-/220689


働いても働いても楽にならない「ワーキングプア」は、なぜ生まれるのでしょうか

日本でもようやく、「生産性」の大切さが認識され始めてきた。

「生産性向上」についてさまざまな議論が展開されているが、

『新・観光立国論』(山本七平賞)
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%87%E3%83%BC%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%88%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3-%E6%96%B0%E3%83%BB%E8%A6%B3%E5%85%89%E7%AB%8B%E5%9B%BD%E8%AB%96-%E3%83%87%E3%83%BC%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%89-%E3%82%A2%E3%83%88%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3/dp/4492502750


で日本の観光政策に多大な影響を与えたデービッド・アトキンソン氏は、その多くが根本的に間違っているという。

34年間の集大成として「日本経済改革の本丸=生産性」に切り込んだ新刊

『新・生産性立国論』
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4492396403/toyokeizaia-22


を上梓したアトキンソン氏に、真の生産性革命に必要な改革を解説してもらう。

低所得層の増加こそが「格差」の本当の問題

「格差社会」が問題視され始めてから、もう長い時間が経ちました。最近ではこの言葉を聞く機会も減ってきましたが、統計を見る限り、状況が劇的に改善しているわけではありません。日本では格差がなくなったのではなく、格差が「当たり前」になってしまったということでしょうか。


『新・生産性立国論』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

とはいえ、私は日本の「格差社会」は人為的につくられたものであり、解決するのはそう難しくないと考えています。今回は本連載でも取り上げた「最低賃金」というテーマに戻って、格差社会と最低賃金の関係について考察を加えていきたいと思います。

さて、改めて言うまでもなく、格差社会とは収入の多い上位層と少ない下位層の差が著しく開いてしまった社会のことを意味しています。

格差がどれくらい開いているかを測るために使われる代表的な指標に、「ジニ係数」があります。この係数が高ければ高いほど格差が開いていることを指します。

CIAの直近のデータによれば、日本のジニ係数は37.9。先進国の中で3番目に高いのです。確かに、日本のワーキングプア比率は米国とほぼ同水準です。つまり日本はすでに、米国と同じような格差社会になってしまっているのです。

なぜ格差がこれほど開いてしまったのでしょうか。格差社会の原因を探求する際、特に米国を見るときは、収入上位の層の存在がその原因であるかのように語られるケースが多くみられます。つまり、一部の富裕層に富が集中してしまうのが、格差社会の原因であるという理屈です。

しかし改めて分析してみると、格差の指標との相関が最も強いのは、収入の上限ではなく下限、つまり最低賃金であることがわかります。日本は高給取りが非常に少ない国であるにもかかわらず、ジニ係数が高い格差社会となっていることを考えると、感覚的にも納得できる結果です。

ということは、格差社会は最低賃金と深い関係があると言ってもよいでしょう。

最低賃金は「平均」と比べてどれだけか

先進国の場合、「1人・1時間当たりGDPに対する最低賃金の割合」と格差を表す指標「ジニ係数」の間に、84.4%もの相関が認められます。先進国以外の国も含めた25カ国でみても、69.0%とかなり高い相関がみられます。

https://toyokeizai.net/articles/-/220689?page=2


「『低すぎる最低賃金』が日本の諸悪の根源だ」の記事の中でも指摘しましたが、「1人・労働時間1時間当たりGDP」に対する最低賃金を見ると、日本の数値は約27.7%。これは、中国や米国とほぼ同じで、極めて低い水準です。

一方、1人・1時間当たりGDPが日本に近いドイツ、フランス、英国などの欧州の先進国の場合、最低賃金は「1人・労働時間1時間当たりGDPの約50%」と、高い水準に設定されています。これら欧州各国では、ジニ係数が低く抑えられている、すなわち社会の中での収入格差が小さい点で、日本とは対照的です。


https://toyokeizai.net/articles/-/220689?page=3


1人・1時間当たりGDPに対して、最低賃金を50%と設定すれば、格差の幅は小さくなる。27%と設定すれば、収入の格差は広がる。当たり前といえば当たり前です。つまり、格差社会の行方は最低賃金をどう設定するかにかかっていることになります。日本の格差社会の主因は、最低賃金が異常に安く設定されており、最低賃金しかもらっていない層が増えていることにあるのです。

反対派は「年収170万円」で生活してみよ

最低賃金が低く抑えられていることが大きく影響し、日本国民の収入は世界標準に照らし合わせると、極めて低い水準になってしまっています。

国連が計算している購買力調整済み労働者年収を見ると、日本人の平均は3万9113ドル。欧州の約90%、米国の約65%しかありません。日本の技術力や高い教育水準を考慮すると、今の状態は誰がどう考えても理解できない、おかしな低水準です。

https://toyokeizai.net/articles/-/220689?page=3


日本が中国や米国のような格差社会になってしまっているのは、極めて低い最低賃金と深いかかわりがあるのは間違いありません。つまり、格差社会を解消したいと考えるのであれば、最低賃金を引き上げるのが最も有効なのです。

現在、日本の最低賃金(加重平均)は854円です。この水準の給料の人は、年間2000時間、まじめに働いても、年収はたったの170万円にしかなりません。しかも、この少ない年収から、社会保障費や税金を支払わなくてはいけないのです。

欧州と同じように1人・1時間当たりGDPの約半分と設定するなら、2020年までに日本の最低賃金を1300円にする必要があります。現時点で計算しても、1200円です。理論値まで最低賃金を引き上げていけば、年収は70万円増え、240万円となります。

「『低すぎる最低賃金』が日本の諸悪の根源だ」の記事は大変たくさんの人に読んでいただき、250を超えるコメントをいただきました。多くのコメントが私の主張に賛意を表明するものでしたが、中には最低賃金の引き上げに反対のコメントもあってビックリさせられました。

最低賃金の引き上げに反対の人には、額面170万円の年収で、実際に生活してみてほしいと思います。それと同時に、日本の技術力の高さや国民の勤勉性に誇りを持っているのに、同じ日本人にたった時給1200円すら払いたがらない理由を教えていただきたいです。

今、最低賃金、もしくはそれに近い水準の給与をもらっている日本人は、技術力もなければ勤勉でもないというのでしょうか。この層はそれなりのボリュームがあり、理屈上は日本人全体の平均値に大きく影響しますので、日本人全体も勤勉でもなければ、技術力もないという結論を受け入れなければならなくなります。彼らの年収を170万円のまま据え置くべきだという主張をどう正当化するか、非常に興味があります。

倒産を理由にした反対は「甘え」だ

以前も紹介しましたが、英国では1999年から20年かけて、最低賃金を当初の2.1倍に引き上げました。この政策が導入される前、エコノミストや企業経営者から大反対の声が上がりました。やれ「倒産が増える」「失業者が増える」と、それはそれは大騒ぎになったものです。

しかし、彼らの心配は杞憂に終わりました。失業率の大幅上昇などの予想された悪影響はいっさい確認されなかったのです。

その理由は、低所得者の場合、所得が少ないので欲しいものや本来必要なものも買わずに我慢しながら生活しており、収入が増えるとその大部分を消費に回すので、経済にプラスの効果が表れやすいためだと言われています。

同じ現象は日本でも起こることが予想できます。今、年収170万円で生活している人は、いろいろな面で非常に切り詰めた生活を強いられています。最低賃金を引き上げ、彼らがもう70万円手にできるようになれば、これまで我慢していたものを買うようになり、消費が活発化することでしょう。

先に紹介した英国の例と同様に、日本でも最低賃金の引き上げには、中小企業の経営者から反対の声があがることでしょう。しかし、私に言わせれば、年収170万円の労働者をこきつかえないとやっていけないような会社には、そもそも存続する意味がありません。

こういう会社に貴重な労働力を浪費させるのは、これから急速に生産年齢人口が減少する日本にとってはマイナスでしかありません。もっと高い年収の払える、生産性の高い会社に移ってもらうべきなのです。

「おカネじゃない」という妄想

日本では「サービス料を払ってもらえない」「お客に価格転嫁ができない」などを理由に、 最低賃金の引き上げができないという経営者の声を聞くことがあります。また、「日本人はおカネばかりを目的に働いているわけではない」「だから賃金を上げる必要はない」とうそぶく経営者までいます。私に言わせれば、まったくのナ・ン・セ・ン・スです。

最低賃金には理論値があり、しかるべき水準であるべきなのです。しかし、日本では政府が(理論値の存在を知ってか知らずか)、理論値をまったく無視し、理論値を大幅に下回る最低賃金を設定しています。その結果として、国民が理論的にもらうべき水準の給料がもらえていないのです。

「デフレによって価格が下がって、何が悪い」「見返りを求めないおもてなしこそ日本独特な文化で、すばらしい」などと言う人がいます。これはただの妄想です。

実際には、国はインフラの整備・維持、年金・医療費などの社保障の負担を負わなくてはいけません。見返りを求めない、最低賃金が低い、価格転嫁できないなどの理由で国民の所得が増えなければ、払うべき税金を納められない状態が続くだけです。その結果、国の借金としてその分が蓄積されていきます。

「日本には、おカネ以外に見えない価値がある」「日本型資本主義だから」と非現実的なことを言う人がいまだにいます。しかし、他の先進国並みにインフラや社会保障制度が整備されている日本では、これらの「見えない価値」はただ単に、国の借金という「見える形」で積み増されていくだけです。非現実的な「日本型資本主義」のコストは、国の借金という形できちんと勘定されています。日本人の甘え・妄想・非現実性が、国債という形でそのまま積み上がっているのです。

経済合理性を否定する「論者」が多いこの国では、この事実が理解されていないのです。





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「低すぎる最低賃金」が日本の諸悪の根源だ
2020年の適切な最低賃金は1313円
デービッド・アトキンソン : 小西美術工藝社社長
https://toyokeizai.net/articles/-/210482

日本でもようやく、「生産性」の大切さが認識され始めてきた。

「生産性向上」についてさまざまな議論が展開されているが、『新・観光立国論』(山本七平賞)で日本の観光政策に多大な影響を与えたデービッド・アトキンソン氏は、その多くが根本的に間違っているという。

34年間の集大成として「日本経済改革の本丸=生産性」に切り込んだ新刊『新・生産性立国論』を上梓したアトキンソン氏に、真の生産性革命に必要な改革を解説してもらう。

日本の最低賃金は「韓国以下」


『新・生産性立国論』(書影をクリックするとアマゾンのページにジャンプします)

前回の「大胆提言!日本企業は『今の半分』に減るべき」では、人口が激減する日本でこれから生産性を上げるためには、減っていく生産年齢人口に合わせて企業の数を減らす必要があり、政府による企業統合促進政策が求められることを指摘しました。

読者から多くのご指摘をいただきましたが、やはり人口減少の規模に驚かれた方が多かったようです。また、企業数を減少させないと人口に占める社長・役員の比率が上がるだけで、経済合理性に悪影響を与えることは、ご理解いただけたかと思います。

生産性の定義に疑問を持たれる意見も散見されましたが、国際標準である「1人あたりGDPを購買力調整したもの」であると強調しておきます(この点については、回を改めてご説明します)。

さて、生産性の向上のためには、企業数の削減と深いかかわりのある、大変重要な政策がもうひとつあります。それが「最低賃金の引き上げ」です。

世界的に見て、日本の最低賃金はあまりにも低すぎます。実際どのレベルなのかご存じない方も多いと思いますので、まずはデータを確認しましょう。

直近の各国の購買力調整済み最低賃金を見ると、日本の最低賃金は、日本と同じように生産性が低いスペインとほとんど変わらず、それ以外の欧州各国を大幅に下回る水準です。

https://toyokeizai.net/articles/-/210482?page=2


さらに衝撃的なことに、日本の最低賃金は、なんと韓国よりも低いのです(2018年1月より)。この最低賃金の低さがデフレの一因であり、格差社会の最大の原因でもありますし、イノベーションがなかなか起きない最大の要因でもあります。

最低賃金と生産性には強い相関がある

生産性向上の重要性を論じるにあたってなぜ最低賃金か、と不思議に思うかもしれませんが、実際、最低賃金とその国の生産性の間の相関係数は84.4%と非常に高く、最低賃金が高い国ほど生産性が高いことが、世界中のさまざまな研究機関から発表されています。日本は、この関係を真剣に検討する必要があります。

https://toyokeizai.net/articles/-/210482?page=2


しかし、最低賃金と生産性はただ高い、低いという議論をする価値があるとは思えません。私が強調したいのは、人材の質と最低賃金と生産性の関係です。

先進国の場合、労働者の質と生産性の間に82.3%という極めて強い相関関係があります。スペインやイタリアなど、生産性の低い国を分析すると、やはり人材のレベルが低いことが低い生産性の主因であることがわかります。先ほど説明したとおり、最低賃金と生産性にも強い相関があるので、当然、労働者の質と最低賃金の間には強い相関があってしかるべきです。

日本人労働者の質は世界第4位で、大手先進国の中ではトップです。であるにもかかわらず、日本の最低賃金は大手先進国の中の最低水準です。先進国だけで分析すると、労働者の質と最低賃金の間には85.9%もの相関係数が認められますが、日本だけが大きくずれているのです。

https://toyokeizai.net/articles/-/210482?page=3


政府は、この事実をどうとらえているのでしょうか。本当は日本の人材など、大したことがないとでも思っているのでしょうか。高く評価されているのは、「何かの間違い」とでも思っているのでしょうか。日本人の人材の質は、第32位の韓国よりも低いと思っているのでしょうか。さもなければ、最低賃金が韓国より低く設定されている理由がわかりません。

アベノミクスを成功させるためには生産性改革が不可欠であり、それにはまず企業を動かすことが大前提になります。そのための手段として最も確実で、生産性の向上に最適なのが「最低賃金の引き上げ」です。このことは諸外国ですでに確認されています。

「失業率上昇」は杞憂だ

日本で最低賃金の引き上げを提案すると、「企業が倒産する」「失業者が増える」と反対を唱える人が、エコノミストを中心に現われることでしょう。海外でもそうでした。その意見は、確かに需給だけを考えれば、経済学の教科書的には理屈上正当化できるかもしれません。


3月12日、丸善丸の内本店にて『新・生産性立国論』の刊行を記念した講演会を開催します。詳しくはこちら(撮影:今井康一)

しかし、実際のデータをみれば根拠がないのは明らかです。たとえば英国では、1998年に新しい最低賃金の法律が可決され、1999年から実施。その後、19年間かけて、最低賃金は約2.1倍に引き上げられてきました。

英国が最低賃金の導入を決めた1998年、当時の労働党政権の法案に対し、保守党は企業への悪影響とそれに伴う失業率の大幅な上昇を懸念して、猛反対しました。

その後、実際には失業率の大幅上昇などの予想された悪影響は確認できず、逆に経済に対してよい影響を与えたと評価されるに至り、2005年、保守党は意見を翻して賛成に回りました。今では、最低賃金の引き上げが失業につながるという説を強調する学者は減りました。当然の結果です。

それでも、あきらめないエコノミストもいるでしょう。中には、短期的に失業率が上昇しなくても、長期的な悪影響を懸念する人もいます。最低賃金を引き上げると、経営者は長期的にITなどの活用を増やし、人を雇わなくなるという、興味深い主張です。

しかし、日本ではこれから人口が減り、それを上回るペースで若い人が減るので、仮に諸外国で長期的に悪影響が出る可能性があったとしても、日本ではそんな心配をする必要はないのです。

逆に、このエコノミストの「経営者は長期的にITなどの活用を増やし、人を雇わなくなる」という主張は、今の日本は最低賃金があるべき水準より低いため、「IT投資よりも人を安くこき使ったほうが得」だという指摘です。つまり、最低賃金を引き上げることによって、経営者にイノベーションを強制できるのです。

日本政府は日本人労働者をバカにしている

さきほど説明したように、最低賃金と生産性の間には強い相関関係があります。

最低賃金と生産性の相関がここまで強いということは、諸外国は最低賃金を「感覚的に」設定しているわけではなく、何らかの「計算式」が存在していることが推察されます。明示されてはいませんが、この相関からして実質的なコンセンサスのようなものがあることになります。

実際計算してみると、1人あたりGDPが日本に近いドイツやフランス、英国の場合、最低賃金は「1人・労働時間1時間あたりGDP」の約50%に相当します。一方の日本はというと、なんとわずか27.7%という、ありえないくらい低い水準に抑えられているのです。

欧州の50%に比べて、たったの27.7%だからこそ、日本のワーキングプアは欧州に比べて多く、格差が生まれています。最低賃金の引き上げは、格差社会是正の役割も果たします。

今挙げたドイツ、フランス、英国は社会保障制度が充実しているという点で、日本と共通しています。社会保障制度を維持するために最低賃金を高くして、稼ぐ力を高めさせて、税収を維持する仕組みとなっています。

人口が増えない中で社会保障制度を維持するためには、生産性を向上させるしかありません。日本はこれができていないことによって、国の借金が増え、社会保障制度も維持できなくなっています。この悪循環を打破するには、最低賃金の向上が必要不可欠です。

さきほども確認したとおり、日本の労働者の質はこれら欧州の国よりも高く評価されています。にもかかわらず、最低賃金が低く抑えられている理由とはいったい何なのでしょうか。日本の最低賃金を欧州並みに引き上げたとして、何の問題があるのでしょうか。欧州でもできることが、なぜ日本人にはできないのでしょうか。

最低賃金をこのように低く抑えこんでいる日本政府の態度は、まるで「日本人労働者が本当は技術がなく、勤勉でもなく、手先も器用ではない」と言っているのと同じように私には映りますが、そのように解釈していいのでしょうか。違うというなら、完全なる矛盾です。

政府は企業を優遇しすぎて、国民をいじめているのです。バカにしていると言っても過言ではありません。

実は、アメリカの最低賃金も日本と同様に、1人・労働時間1時間あたりGDPの28%とかなり低い水準に抑えられています。これを根拠に、日本の最低賃金の水準は妥当だと思われる方もいるかもしれません。

しかし、日本はアメリカを基準に考えるべきではありません。アメリカはそもそも社会保障制度が充実しておらず、格差を必ずしも悪としない文化があります。かつ、人口も増加しています。一方、日本は欧州と同じように社会保障制度が充実しているうえ、人口が減少しているので、基礎条件はアメリカより欧州に近いと言えます。

さらに国連は、先進国の最低賃金の絶対額が収斂していると分析しています。アメリカは1人あたりGDPが欧州よりかなり高い水準なので、最低賃金が収斂していれば、1人あたりGDPに対する比率が低くなっても当然です。一方、1人あたりGDPが低い日本には、この理屈は通用しません。

最低賃金の「相場」が1人・労働時間1時間あたりGDPの50%だと仮定すると、経済成長率と予想人口から、日本の「あるべき最低賃金」を大まかに計算することができます。

詳しい計算は省略しますが、2020年まで毎年1.5%ずつGDPが成長すると仮定すると、2020年の適切な最低賃金は1313円になります。2017年度の全国の加重平均は848円ですから、あと3年で少なくとも465円上げる必要があるのです。

企業の「保身のための反対」に耳を傾けてはいけない

最低賃金の引き上げには、中小企業を中心に猛反対の声が上がることでしょう。やれ、「いまでもギリギリだ!」「倒産しろというのか!」と大騒ぎになるかもしれませんし、実際、海外では似たような事態になった国もありました。

しかし、実際はさきほどの英国のように、経済への悪影響が顕著に現れたことはほとんどなかったのが現実です。

政府のスタンスとして重要なのは、どんなに反対の声が上がったとしても一切聞き入れないことです。仮に、最低賃金を引き上げたことで、苦しくなる企業が一時的に増えたとしても、日本人の労働者の質にふさわしい給与が払えない以上、それこそ前回提言したように、企業を統合して、無駄を省いて、規模の経済を追求して、払えるようにすればいいのです。

そもそも前回の記事でも指摘したように、日本の企業数は将来的に多すぎる状況になるので、減らす必要があるのです。最低賃金の引き上げくらいで成り立たなくなってしまう競争力のない会社には、技術者や一般労働者を守るために統合してもらったほうがよいのです。そもそも企業統合によって困る人は、経営者や役員だけです。現場の労働者ではありません。

日本は先進国の中で第2位の経済規模を誇る大国で、社会保障制度も充実しています。その国で、先進国最低水準の賃金の労働力が使えなければやっていけないような生産性の低い企業には、そもそも存在価値はありません。今後人口が減る中で、そのような企業を守る余裕はありません。日本はもう、そんな贅沢はできないのです。

そうでなくても、日本ではこれから人口が減って、人手が足りなくなるので、このような存在価値のない企業には退場してもらうべきです。このような生産性の低い企業がなくなれば、世界第4位の質を誇る労働力を、奴隷のような低賃金の仕事から解放し、より生産性の高い、所得の高い仕事に移動させることができます。これこそ、日本が再生へ向けて歩むべき道筋です。

次回は、低すぎる最低賃金が可能にしている「高品質・低価格」という奴隷制度を取り上げます。






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中国人が日本の不動産を買いまくる2つの理由(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/474.html
https://diamond.jp/articles/-/172221

2018.6.13 東方新報 ダイヤモンド・オンライン


中国人は、和歌山県白浜町の不動産まで買っている(写真提供:KRGホーム) ©東方新報


中国人が日本の不動産を大量に購入、今や日本は米国、オーストラリア、カナダに続き人気の国だ。その理由は、大きく言って二つある。1995年に日本で創刊された中国語と日本語、2カ国語の新聞『東方新報』の取材班が取材した記事をご紹介しよう。

東京に留学する子どものために
2億円のマンションを購入

 超低金利や円安により、中国の投資家たちが日本の不動産に投資するケースが増えている。今や日本は、米国、オーストラリア、カナダに続き、中国人が海外で不動産を購入する際の人気の国だ。

 その結果、中国人は日本における不動産購入者の一大勢力になりつつある。西池袋にある不動産代理業者、フューチャーリーディングの柳田文華取締役は、「ちょうど2ヵ月前に、都内の高級マンションを2億円で購入したお客様も中国の方でした。民間企業を経営する社長で、東京に留学するご子息のために購入されたのだとか」と話す。

北京の家を1つ売れば
東京でビルが1棟買える

 温泉地の宿泊施設や商業ビルを、旅館や民宿にする目的で探す客も多く、予算は平均6億〜7億円だという。一方で、2000万円以下の小型物件を購入する客も徐々に増えている。購入者は、中国の管理職階級が多いという。


「有一居」の康楽CEO ©東方新報

「北京の家を1つ売れば、東京でビルが1棟買える」というのは、最近、中国ではやっているフレーズだ。柳田取締役は、「日本で不動産を購入する中国人には、貿易関係の仕事をされている方も多いですが、子どもの将来のために日本で起業、もしくは定住される方もいらっしゃいます」と語る。

 北京市の繁華街、王府井のオフィスビルの中に「有一居」という会社がある。中国のバイヤーに向けて、日本での不動産購入を専門的に取り扱う「ワンステップサービス」を提供している会社だ。

 創立者の康楽CEOは、世界のさまざまな場所を回ったが、日本が一番好きだという。「日本の文化は中国と通じる部分がありながら、独特な魅力を放っている」。多い時で1年間に十数回日本に来ているという康CEOだが、宿泊場所を探すのに少々手間取るといい、「特に桜の季節は、手頃なホテルが見つからなかった。この問題は毎回私を悩ませていたため、自分のための宿を長期的に借りるか、もしくは購入しようと思い当たった。東京の不動産は思ったほど高くなかったためだ」。

 康CEOは2015年に新宿の40平方メートルの物件を200万元(約3500万円)で購入。自分だけの宿泊場所を手に入れ、時折、友人を泊めるようになったという。

 中国人投資家たちにとって日本の不動産の“敷居”は比較的低く、「有一居」で取引された最安値はたったの70万元(約1200万円)。東京の不動産は平均で1軒260万元(約4500万円)と、中国の投資家たちにとっては十分魅力的なのだ。

日本の不動産が選ばれる
最大の理由は資産保全

 日本の不動産を購入しても在留ビザがもらえるわけではないのに、中国の投資家や在日中国人は依然として日本の不動産を買いたがる。外国人が日本で不動産を購入するメリットについて、不動産開発業者、KRGホームの小林一郎社長は、「中国国内の投資者にとって最大の魅力は資産保全だ」と話す。


「有一居」が北京で行った日本不動産相談会 ©東方新報

 KRGホームは、主に和歌山県白浜町の不動産開発を行っており、中国人の購入者も少なくないという。小林社長は、「変動の激しい中国の不動産市場と比べ、日本市場はやや理性的すぎるくらいだ。成熟し安定した市場は、成長こそあまりないが少なくとも安全だ」と分析する。

「中国の一部の投資家たちは、利益を追求しているわけではなく、資産が減らなければそれでいいという考えもあり、日本の不動産は資産保全に最適だとされている」と小林社長。また、日本で暮らす中国人にとって、不動産を購入するのは必須だと言う。資産保全のメリットのほかに、治安もいいし便利な上、社会福利なども完備されているため人気なのだという。

 人口減少のあおりを受けたり、経済成長が長い間、緩やかになったりしていることもあって、小さな街や観光地の宿泊施設が経営難に陥るケースが増えており、不動産購入を検討している中国人投資家の格好の対象となっている。

 小林社長は、「岐阜県の下呂温泉は有名な温泉郷の一つだが、有名な老舗旅館が経営難で破産してしまった。その後中国人が購入し、マンションに建て替えて売り出し、利益を得ている。日本人であれば、旅館をマンションに建て替えようとは思いつかないだろう。中国人は頭がよくて商売がうまい」と話した。

日本に移住するために
事前に住まいの準備

 中国で有名な不動産会社のホームページ上で「200万元(約3500万円)で日本のマンションが2部屋買える。頭金は10%から」という広告が載ったことがあった。価格に関しては、中国の北京、上海、広州、深センなどより安いのは事実だ。日本の不動産への投資は「敷居の低い投資」として浸透しつつある。

 ベテランの投資コンサルタントでもある、スマイルコーポレーション海外投資部の陳斯翰部長は、どうして中国人がはるばる日本まできて不動産を購入するのかという疑問に対し、「お客様の言葉を借りれば、北京の不動産は高すぎるため、新たな投資先への需要が伸びているから。同時に、人民元の価値が下がるリスクに備えるためでもある」と答えた。

 陳部長は、日本の不動産を購入する目的は大きく分けて2種類あるとし、ほとんどは純粋な投資目的だが、もう一つは自分が日本に移住するための、事前の準備のためだという。また、そういった人たちは、投資家と違って管理職階級の場合が多いという。

 現在、日本の不動産に投資する顧客の大部分は、賃貸に出しやすい小型マンションに集中しているという。150万〜200万元(約2600万〜3500万円)の物件を購入する顧客が80%を占めており、賃貸による1年間の収益率は5〜6%に上るという。

不動産市場価格を高騰させる
「犯人が中国人」は一種の感情論

 富士通総研の金堅敏主席研究員は、中国人投資家が日本の不動産に惹かれる理由を以下の6点だと分析する。

(1)世界の主な不動産市場と比べて日本の不動産価格は比較的安く、収益率もいい。
(2)日銀の金融緩和政策による円安で、日本の不動産価格はさらに競争力をつけた。
(3)日本の製品は質が高いことで有名だが、日本の不動産の質も同じように高い。
(4)日本には、外資による不動産購入に関する制限はなく、仲介企業を通じれば簡易的な企業を設立し、投資者を長期滞在させることも可能。
(5)2020年の東京五輪の影響で相場が上がる可能性がある。
(6)日本の文化や生活習慣は中国と似ており、距離も近いため行き来しやすい。


 富士通総研の金堅敏主席研究員 ©東方新報

 とはいえ金主席研究員は、「日本の不動産市場全体における中国人投資者はごくわずか。中国人の投資が日本の不動産市場の価格を高騰させているという一部の評価は、データ統計に基づかない感情論だと言わざるを得ない」と指摘した。

 東京五輪の後、日本の不動産の相場が下落するのではという見方に対し金主席研究員は、「日本の不動産市場全体から見ると、中国のような“過熱”によるバブル現象は起こらないだろう。多少の価格変動は避けられないが、大きく下落するような状況にはならない。中国人投資家も、目的は長期滞在や宿泊施設の経営であるため、五輪の後も大幅な変化は起こらないだろう」と分析している。

(東方新報取材班)

※『東方新報』は、1995年に日本で創刊された中国語と日本語2ヵ国語の新聞です。




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2018年07月24日
日本の最低賃金 低すぎるのは円安の影響も
実効レート(青線)はどんどん円安になり、名目より2割か3割円安になっている

すると日本の賃金も外国より何割か安くなる


引用:https://moneyzine.jp/static/images/article/212170/01.png


日本の賃金が低すぎる原因は

働き方改革の一環として、日本の最低賃金を上げるべき、あるいは上げるべきでは無いという議論が起きています。

日本の最低賃金は800円程度で先進国最低、OECDによると12か国中11位で、最下位は意外にもアメリカだった。

日本は7.4ドル、アメリカは7.2ドル、1位のフランスは11.2ドルで、2位のオーストラリアは11.1ドルでした。

アジアでは2ドル以下の国が多いが、韓国は例外的に8350ウォン(約835円)に引き上げた。

その韓国では政府が最低賃金を引き上げて、労働時間を減らした結果、企業は労働者を雇わなくなり失業者が増えて収入が減少した。

アメリカでは以前、ファーストフードの労働者が賃金引き上げを求めてデモやストを行っていました。


マクドナルドなど企業側の反応は、バイトを雇うのをやめて、自動注文レジに置き換えるというものでした。

果たして最低賃金を上げると、失業者が増えて総収入は低下するのか、それとも最低賃金が増えた分収入が増えるのでしょうか。

日本の労働の多くは労働集約的とされていて、効率や生産性の悪さを、大勢が長時間働くことで補っています。


日本の生産性は先進国最低で、同じ時間働いても欧米より低い価値しか生産できないでいる。

これには最低賃金の低さも影響していて、安い賃金で労働者を長時間働かせることが可能だから、企業は生産性に投資しない。

新しい機械や技術に投資すれば、少ない人数の短時間労働で同じ生産ができるのに、あえてそうしていない。


円が安すぎるから日本の賃金が低い

最低賃金を上げれば企業は生産性に投資せざるを得なくなり、日本の生産性は上がるでしょう。

現在日本は空前の人手不足なので、今最低賃金を上げても失業率は増えず、生産性向上の効果が期待できる。

韓国の失敗は、韓国は現在不況の真っただ中であり、失業率が高いのに最低賃金だけ上昇させました。


ただでさえ人手は余っていたので、企業は労働者を雇わなくなり、より一層失業率は上昇しました。

ところで日本の労働者の賃金は、先進国の中でぶっちぎりに安いのですが、この結果何が起きるか予想してみます。

実は2007年の世界経済危機の前も同じ状況で、日本の物価や賃金は例えばイギリスや北欧の半分と言われていました。


日本の物価が不釣り合いに安かったのだが、超円高が起きて是正され、日米欧の物価や賃金は同じ程度になりました。

だが経済危機が収まると、再び同じように日本の物価や賃金だけが安くなりました。

これはおそらく日本経済や生産性のせいではなく、円が不当に安い円安の影響だと考えられます。


1ドル110円前後の為替水準は、90年代の1ドル140円以上に相当する円安で、このせいで日本の物価と賃金がが安いのです。

不当に安すぎるものは為替変動で是正され、リーマンショック時のように日米欧が再び同じ物価水準になると考えます。
http://www.thutmosev.com/archives/76960628.html




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2018年08月19日
世界一住みやすい都市 大阪が日本首位の理由

大阪の一部の店では果物、パン、卵などが激安

画像引用:http://www26.tok2.com/home/lunchboy/DSC013381.jpg

大阪は日本一住みやすい?

英誌エコノミストによる「世界の住みやすい都市ランキング」でウィーンが1位、メルボルンが2位に選ばれました。

注目は3位でなんと日本の大阪、日本から他には7位の東京が10位以内に入りました。

日本国内の一般的な「住みやすさ」調査では富山とか福岡とか山梨など地方都市が選ばれることが多い。

日本の調査では子育てのしやすさとか持ち家率の高さなどが重視されるが、外国の基準は違うようです。

エコノミストは政治的安定性、社会的安定性、犯罪、教育、健康医療制度の利用しやすさなどを重視していると説明している。

逆に住みにくい都市は1位シリアのダマスカス、2位バングラデシュのダッカ、3位ナイジェリアのラゴスと続いた。


住みにくさで見ると治安がかなり重視されているようだが、大阪は日本の中では治安が良い方ではない。

エコノミストの住みやすさランキングでは、今年だけでなくずっと大阪が上位で、たとえば2011年は大阪が12位で日本では最上位だった。

大阪が日本最上位の理由は「住居費の安さ」「物価の低さ」と都市の利便性を併せ持っている点です。


大阪には家賃2万円台のアパートやマンションがゴロゴロしていて、「スーパー玉出」に象徴されるように物価が安い。

それでいて日本有数の巨大都市で交通の便が良く、教育や就職の機会に恵まれている。

医療環境も整っていて、国際性もあり頻繁に世界的なイベントが開催されている。


大阪は世界一物価が安い?

こういった点が大阪の良いところとして目に留まり、毎回高ポイントを稼ぎ出している。

2017年3月のブルームバーグで「大阪は世界で最も物価が安い都市」と紹介されたことがありました。

「大阪は5分、ベネズエラなら9時間−朝食代稼ぐのに必要な労働時間」によると大阪では5分働けば朝食代を稼げると書かれている。


朝食はミルク1杯と卵1個、トースト2枚、果物1個で、「スーパー玉出」なら80円で買えるでしょう。

時給1000円なら5分で83円なので、バイトや派遣でも5分で朝食を買える。

そして住居費は抑えようと思えば3万円まで圧縮でき、関西では労働賃金が高い。


確かに大阪はある意味で暮らしやすく、あまりお金がなくてもある程度の生活ができる。

マーサーの「2018年世界生活環境調査(Quality of Living Survey) ‐ 都市ランキング」では順位はまったく違っている。

東京 (50位)、神戸 (50位)、横浜 (55位)、大阪 (59位)、名古屋 (64位)が上位で、アジアの中ではこれでもかなり上のランクになっている。
http://www.thutmosev.com/archives/77244717.html

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2018年10月04日
「円安だから外貨投資を」と勧める投資専門家に注意


今は円安なのでこの先は円高になると容易に推測できます


画像引用:為替・ドル円相場の超長期チャート | 金プラチナ相場情報 Let's GOLDhttps://lets-gold.net/chart_gallery/chart_usdjpy_long_term.php

外貨建て運用を勧める人に要注意

定期的にメディアで取り上げられる投資ネタに「外貨運用」があるが、これを言い出す人物には警戒したほうが良い。

というのは現在は歴史的に見て日本円はかなり円安で、将来もっと円安になる可能性は低い。

円安、円高、円安、円高というサイクルが存在するのは長期チャートを見れば誰でも理解できる。


2018年の現在は2011年の超円高からリバウンドし、かなりの円安水準となっている。

10月現在は1ドル113円だが、日本のデフレとアメリカのインフレで、90年代の130円や140円にも相当している。

ある期間にアメリカで10%インフレ、日本で5%デフレが進行したら日米の価格差は15%も拡大します。


良くたとえに挙げられるのはビッグマックで、日米で400円=4ドルだったのが日本はデフレで380円、アメリカはインフレで4.4ドルになります。

すると同じ1ドル100円の為替レートでも、日本では400円でビッグマックが買えるのに、アメリカでは4ドルで買えなくなります。

このように為替レートが同じでも日米インフレ差によって、年数パーセント実効レートが円安になっています。


だから現在の1ドル113円は20年前の1ドル140円にも相当し、長期的にこれ以上円安になる可能性は少ない。

もうひとつ円安が望めない理由として日本の膨大な経常黒字があり、2017年度は21兆円も黒字でした。

経常黒字は外国から日本にお金が流れることなので、毎年21兆円がドルから円に交換されます。


円高の時に外貨投資をするべき

実際には外国で稼いだ金は外国で運用されるのですが、リーマンショックのような経済危機があれば一斉にドルから円に交換され超円高になります。

どのくらい円高になるかというと1995年の円高では1ドル79円、2011年の円高では1ドル75円になりました。

円高のたびに円の水準が切り下げられているので、次の超円高では1ドル60円台になると考えます。


こんな状況で外貨投資を他人に勧めるのは「お金を捨てましょう」と言っているのと同じで警戒しなくてはなりません。

外貨資産を長期保有したら円高によって自動的に目減りするので、金利ゼロでも日本の銀行に預金したほうがましです。

では外貨運用はすべてダメかというと、超円高のときに外貨を買うとものすごく儲かります。


例えば2011年に1ドル75円でドルを買っていたら、その後1ドル120円に上昇したので数年で1.5倍になったはずです。

さらNY株式市場は同じ期間に3倍にもなったので、ダウ平均などを買っていたら4.5倍になっていました。

さらにそれに10倍のレバレッジを掛けていたら45倍になったはずで、円高の時に外貨投資をすれば一財産築けるかも知れません。
http://www.thutmosev.com/archives/77730602.html

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外国人観光客が、なぜ日本に殺到するのか。
それは、良い品質やサービスが異様に安いからです。
はっきり言いますが、一部のサービスについて、日本はすでに東南アジアよりも安いのです(しかも、品質は良い)。


 日本国は、デフレにより貧国化しました。ところが、確かに「日本人の優秀性」というものは存在し、低価格の製品やサービスであっても、相対的に品質は高いのです。それはまあ、外国人観光客が、 「安く良いものが手に入る」と、日本国に殺到するわけです。


我が国は97年の橋本緊縮財政により経済がデフレ化し、「ヒトが買い叩かれる時代」が始まりました。


 経営者は設備投資をせず、資本装備率はだだ下がり。日本経済は次第に労働集約的になっていき、技術や設備ではなく「ヒトの根性」で「安く良い品質の製品・サービス」を提供するという狂気の状況に至ります。


 とはいえ、少子高齢化、生産年齢人口比率の低下を受け、すでに「優秀で真面目な日本人を安く買い叩ける」時代は終了しました。


 ところが、経営者は未だにデフレマインドのままで、「ヒトを安く買い叩く」ことのみを求め、資本主義に必須の「リスクを伴う生産性向上のための投資」に乗り出そうとしません。


 とはいえ、生産年齢人口の縮小という「巨大な圧力」は、企業経営者に否応なしに「生産性向上のための投資」を迫ります。つまりは、政府が人手不足の問題を「放置」しておけば、企業は生産性向上のための投資に乗り出さざるを得なかったはずなのです(実際には、始まっていますが)。


 それにも関わらず、安倍政権はどう動いたか。
「人手不足ならば、移民(外国人労働者)を入れよう」
 と、日本人の生産性向上ではなく、移民受入で人手不足を埋めようと図る。


 これ以上、最悪の選択は、思いつきません。


 こんな国は、普通に亡びます。むしろ、亡ばない理由を教えて欲しいです。


 何しろ、少子化で日本人が少なくなっていく反対側で、出生率が高い移民受入を拡大しようとしているわけです。半世紀後には、日本列島に住む日本人は少数派になっていることでしょう。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12410850852.html




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マカオ転職で給料4倍! このままでは日本の賃金が危ない! 2018年10月23日
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1810/23/news046.html#utm_source=yahoo_v3&utm_medium=feed&utm_campaign=20181112-013&utm_term=zdn_mkt-bus_all&utm_content=rel1-1


 日本で働いていた料理人がマカオのレストランに転職が決まり、年収が4倍になったという話がネットで話題となっている。

 中国の都市圏における経済発展は日本の想像をはるかに超えており、日本はアジアの中でも賃金が安い国となりつつある。日本人が仕送りなどを目的にアジアに出稼ぎに行くようになる日はそう遠くないのかもしれない。


アジアと日本の賃金の差が浮き彫りに。写真はマカオの繁華街(写真提供:ゲッティイメージズ)


アジアの賃金は想像以上に上がっている

 Twitterで情報発信している和食の料理人が、マカオのレストランへの転職が決まったとつぶやいたところ、日本とのあまりの待遇差にネット上でちょっとした話題となった。年収が4倍になり、医療費(歯科通院含む)も会社が100%負担してくれるという。

 現地レストランでのポストは副料理長ということなので、能力が高い人物の話ではあるが、同じスキルの人物でここまで年収に差が付くというのは少々驚きである。

 2017年における日本の1人あたりGDP(国内総生産)は3万8000ドル(430万円)だったが、マカオは7万7000ドル(約870万円)と日本の2倍以上もある。1人あたりのGDPは、その国の平均賃金と考えて差し支えないので、マカオでは平均的なビジネスマンが800万円以上の年収を稼ぐことは特に不思議なことではない。

 マカオは大規模なカジノが軒を連ねており、世界でも有数の豊かな地域として知られている。一方、日本ではサービス業に従事する人の賃金が異様に低いという事情もある。今回のケースはやや特殊な部類に入るかもしれないが、アジア全域で人件費が高騰しているのは事実である。

 マカオのお隣、香港の1人当たりGDPは4万6000ドル、シンガポールの1人あたりGDPは5万7000ドルといずれも日本より多い。中国は国土が広く、内陸部には貧しい地域もあるので全体の平均値は低いが、上海や深センなど沿岸都市部におけるホワイトカラー層の収入は、マカオや香港、シンガポールに近づきつつある。

 こうした地域でちょっとしたお店で夕食を食べると、料金が1万円近くになるのはごく普通のことなので、日本が相対的に貧しくなっているのは間違いない。


日本で携帯電話の料金が高く感じるのは経済力低下が原因

 こうした傾向は大卒の初任給にも如実に表われている。17年、中国の通信機器メーカー・華為技術(ファーウェイ)の日本法人が大卒初任給として40万円以上を提示したことが大きな話題となった。同社が就職情報誌で提示した新卒の初任給は、学部卒が約40万円、修士修了で約43万円。日本企業の大卒初任給は20万円程度、比較的給料が高い企業でも25万円程度なので、ファーウェイが圧倒的に高給であることは明らかだ。

大卒の初任給が高いと話題になったファーウェイだが……
大卒の初任給が高いと話題になったファーウェイだが……

 しかしファーウェイは日本人向けに特に高い年収を提示しているわけではない。

 近年はグローバル化の進展で、企業活動の標準化が全世界レベルで進んでおり、一定水準以上の企業の場合、社員の待遇についても、地域間での格差が縮小している。欧米企業における技術系社員の初任給は50万円台というところが多いので、ファーウェイ日本法人の初任給が特別高いというわけではない。

 日本では携帯電話の料金引き下げが政治問題となっている。携帯料金が高すぎるという政府の見解は半分間違っているが、半分は当たっている。

 携帯電話は典型的な設備産業であり、どの企業も同じような設備投資を行っている。規制料金が設定されていない限り、地域によって極端に通信料金に差が出ることはなく、総務省の比較調査でも日本だけが突出して料金が高いという結果にはなっていない。

 だが日本人の所得が相対的に下がっている現状では、同じ通信料金でも生活に与えるインパクトは違ってくる。通信料金が月1万円だったとして、大卒初任給が40万円の国と20万円の国では、料金に対する印象が異なるのは当然の結果といってよいだろう。

「中抜き」のビジネス慣習を見直すだけでも効果あり

 こうした事態を根本的に打開するためには、日本がもっと経済成長するしか方法はないのだが、ビジネスの慣習を見直すだけでもそれなりの効果がある。

 日本は現在、深刻な人手不足に陥っているが、その理由は人口減少だけではない。企業が過剰に人員を抱え込んでおり、本来は1人でできる仕事を1.5人あるいは2人で行っているというケースが多いのだ。業務をスリム化すれば、人手不足の一部は解消できる。

 例えば、日本で住宅設備の取り付けや修理といった各種作業を依頼した場合、顧客が支払った料金に対して、実際に作業をしている労働者が受け取る賃金はかなり少ない。仕事を仲介する事務的な作業に過剰なホワイトカラーが従事しており、これが全体の生産性を著しく下げている。

 欧米に行くと、それほど単価が高くない仕事をしている労働者が、大きなマイホームを購入していて驚かされることがある。こうした生活が実現できているのは、日本のような「中抜き」が少なく、労働者に代金の多くが渡っているからである。

 肥大化した事務部門が中間搾取する事業構造を見直さないと、賃金は上昇しないし、人手不足はますます深刻になるばかりだ。高いスキルを持った人ほど、海外で就労するチャンスを見出す結果となってしまうだろう。日本人がアジアに出稼ぎに行く時代の到来を懸念する前に、やるべきことはたくさんあるはずだ。


http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html#c29

[昼休み54] 『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった 中川隆
30. 中川隆[-13640] koaQ7Jey 2018年11月21日 11:08:56 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20959]

【経済討論】財務省主導の経済でいいのか?日本[桜H30-4-14] - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=s8y0fk90-OQ


◆経済討論:財務省主導の経済でいいのか?日本

パネリスト:
 安藤裕(衆議院議員)
 高橋洋一(嘉悦大学教授・「政策工房」会長)
 田村秀男(産経新聞特別記者・編集委員兼論説委員)
 藤井聡(京都大学大学院教授・内閣官房参与)
 松田学(東京大学大学院客員教授・元衆議院議員)
 三橋貴明(経世論研究所所長)
 渡邉哲也(経済評論家)
司会:水島総

http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html#c30

[昼休み54] 『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった 中川隆
31. 中川隆[-13639] koaQ7Jey 2018年11月21日 11:13:07 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20959]

「日本は生産性が低い」という日本政府と財界の嘘に騙されるな

日本の労働生産性
http://blog.livedoor.jp/columnistseiji/archives/51736003.html


共同通信の記事です。
 日本生産性本部は20日、2016年の労働生産性の国際比較を発表した。一人の労働者が一定の労働時間でどれだけのモノやサービスを生み出すかを算出。日本の1時間当たりの生産性は46.0ドル(約4700円)で、経済協力開発機構(OECD)加盟の35カ国の中で20位、先進7カ国(G7)で最下位だった。

 生産性本部によると、G7での日本の最下位はデータが取得可能な1970年以降続いている。欧米より非効率な働き方が改めて示され、安倍政権が看板政策として掲げる「生産性革命」の浸透が急務になりそうだ。

 担当者は「飲食や宿泊などのサービス業の生産性が低い」と分析している。

 飲食業や旅館やホテルの生産性が低いように言っていますが…

 この記事を読むと、そうしたサービス産業に従事している人の仕事の仕方が非常に非効率のようなイメージを与えるのですが、それは本当なのでしょうか?

 例えば、運送業で働く人々の働きぶりを国際的に比較して、日本の労働者は仕事がスローすぎるの
でしょうか?

 ヤマト運輸や佐川急便で働いている人の見て、そんな感想を抱きますか?

 本当に怒られますよ、と言いたい!

 違うのですよ。

 労働生産性なんていうから、生産性が低い、イコール仕事に仕方がのろいと思い込みがちなのですが、そうではなく、彼らの給料、或いは稼ぎが少ないだけの話なのです。

 労働生産性の算出式の分子が、物理的な仕事の量や質であるのならば、労働生産性が低いこと、イコール能率が悪いとなる訳ですが、分子は金額で表示される付加価値の合計額なのです。

 従って、幾ら立派な仕事をしても、それに与えられる報酬が安ければ労働生産性が上がる筈はないのです。

 それに、日本の社会って、基本的に副業が認められないではないですか?

 だから、幾ら能率的に仕事をこなすことができ、従って、より短い時間でそれまでと同じ収入を確保できるようになっても、他の仕事をすることができない、と。

 だから、仕事を能率的にこなそうというインセンティブが働きにくいのです。

 組織のなかで自分だけ早く仕事を終わらせると、さらに仕事を押し付けられるだけ。しかし、給料は以前と同じ。

 その辺りのことを安倍総理は分かっているのか、と。

 分っていて、生産性革命なんて言っているのか、と。

 それに、労働生産性の数値を国際比較する際、どうして先進国の数字だけ持ってくるのか、と。

 もっと言えば、何故中国の労働生産性について言及しないのか、と。

 中国の労働生産性は、日本と比べて著しく低い!

 何故か?

 単に賃金が相対的に低いからなのです。

 では、中国の労働者は、怠け者が多いのか?

 そんなことはありません。

 もう少し深みのある議論ができるようにならないと、経済の活性化などできる筈がありません。


_______

「日本のホワイトカラーは生産性が低い」という都市伝説に騙されるな=児島康孝


「日本は生産性が低い、もっと合理化を」という論調をよく見かけますが、この国際比較は意味がありません。生産性の国際比較を得意気に言う人はほとんどがデタラメです。

「生産性」の拙い議論こそ日本のデフレとブラック労働の元凶である

「日本人はもっと働き方を合理化せよ」という論調の問題点

今日、「日本のホワイトカラーは生産性が低い」と著名な評論家が書いているのを見かけました。要するに、働き方をもっと合理化せよという話です。これは、日本人の国際的な「自虐感覚」につけこんでいますね。

欧米では、サービス残業はしないし、さっさと辞めてしまうので、ブラック企業も存在しにくいです。日本人みたいに、きっちり働いていないです。会社では、ボスが見ていないと仕事をしていなかったり、給湯室の備品がすぐになくなっていたり…そういう状況です。


一方、日本のホワイトカラーの質は高く、会社の仕事はきっちりとこなしています。おそらく全体的には、世界の先進国でトップクラスでしょう。サービス残業までしていますから、「身を切って」会社の生産性の向上(=経費の削減)に貢献しているわけです。

つまり合理化は、全体的には、日本のホワイトカラーが最も進んでいるでしょう。

本当の問題は「逃げ場がない」こと

この問題の背景は…。日本では、低所得者への給付が欧米先進国のようになっていないので、ホワイトカラーの逃げ場がないということです。

ですから解決方法は、欧米のように低所得者への幅広い給付を行って、失業をサポートする。それによって、ホワイトカラーが仕事先を選べる余裕を生じさせるということです。すると、「生産性が高い」仕事を選べるようになります。

また欧米のように、観光客がたくさんやってくるよう、国や経済団体が取り組むことです。すると、今とまったく同じ仕事をしていても、売り上げが多くなったり、サービス残業しないでそのまま報酬をもらえたり、となります。

要するに、この「ホワイトカラーの生産性」論議は、ホワイトカラー個人個人に責任を転嫁するだけの、タチの悪い話であるわけです。それが、「国際水準」の自虐傾向のある日本で、それらしく話されているわけです。またまた、「欧米が優れていて、日本は劣っている」というゴマカシですね。

無意味な「生産性」の国際比較

「生産性」の国際比較は、意味がありません。NYでは、レストランで高い料金をとることができるし、賃貸相場も高いです。それで、日米のレストランの生産性とか、賃貸の収益性とかを比べても、違う場所なので意味がないです。

一方で、NYの地下鉄のシートはプラスチックでカチカチで、日本のように快適なふかふかシートではありません。街には、日本のように綺麗なトイレも少なく、有名百貨店でもトイレに行列。百貨店といっても、日本のように大都市ごとに勇壮に多くの百貨店が軒を並べるという状況にはありません。そして、夜に安心して出歩けるのは限られたエリア…。

また、この「生産性」データが意味のあるものかどうかは、欧米のホワイトカラーとして「投資銀行」などを含めているのかどうかによりますね。どういう算出方法かは知りませんが、莫大な利益で高額報酬の彼らを含めるかどうかで、全く結果が違ってきます。

おそらく欧米の数字が高いというのは、少数のホワイトカラーが思いっきり平均の数字を引き上げているのではないかとも思います。要するに、平均の算出の問題であったりするのでしょう。

また、不況の国では「生産性」が低くなり、好況の国では「生産性」が高くなります。同じことやって、売れるか、売れないかです。

このように、日本の国内向けに「国際水準」をもっともらしく持ち出すのは、「真の国際水準」を知らない日本人につけこみ、だますような話です。

そもそも「生産性」という用語がおかしい

「生産性」ということよりも、「報酬率」という方が用語としてしっくりきます。日本はデフレで景気が悪いので、同じ・同等のサービスでも「値段が安くなる」ということです。

ですから、「生産性が低い」といっても、しっかり働いていないとか、そういうことではありません。企業努力が足りないとか、そういうこともありません。欧米の方が、同じことであっても高い値段がついて、高い収入が得られるということです。

経済の温度差、収入の容易さ。この比較なわけです。だから、バブル経済が日本で起きて価格が上がれば、同じことをやっていても「生産性は高い」となります。

これは、全くおかしな議論です。アメリカのホテルが1泊3万円で、2万円の利益ならば…。日本のホテルが1泊1万5000円では、従業員がブラック労働どころか5000円をホテルに献上しないと、2万円の利益にならないですね。ですから、この話(生産性の国際比較)は、意味がないのです。

逆に、アメリカでは安くて日本では高いものは、生産性が高くなりますね。同じガソリンを売って、アメリカで5000円、日本で1万円なら、日本の方が生産性は高い!となってしまいます


「生産性」論議を突き詰めてもデフレ・スパイラルに陥るだけ

この「生産性」論議をしていると、デフレ・スパイラルに陥ります。欧米と同じ(同等)のことをしても収入が得られなければ、さらに賃金を下げて収益をふやすということになります。ブラック化がどんどん進みますね。「生産性」が低いから、同じ賃金で2倍働け!とか、こうなります。

そうではなくて、欧米では、もっと楽に収入が得られているということです。日本はデフレでサービス価格が低いので、もっと景気を良くして、欧米並みの収入が得られる経済にしないといけないということです。個別の話よりも、経済政策とか、日銀の政策なわけです。

「生産性が低い」というのは、報酬がもらえていないということ

これに関連するのが、キュレーションサイトの問題です。日本では、生活に追われたり仕事がない方が、1文字0.5円などで記事をつくります。1記事あたり、200円とか300円とか。欧米では、同じ仕事でももっと報酬があります。すると、1文字0.5円で働く日本の方が、生産性が低くなります。ハードワークで低賃金労働の方が、生産性が低くなるわけです。

繰り返しになりますが、やはり「生産性」という用語がおかしいですね。「生産性」よりも、「報酬率」とか「マネタイズ度」という感じです。つまり、「生産性が低い」というのは、デフレ傾向で、収入(売上)がもらえていないという意味です。景気が良くなって報酬が上がれば、同じ仕事であっても「生産性」は高くなります。収入(売上)のもらいやすさとか、収入の難易度ということです。

ですから、「生産性が低い」というのは、報酬がもらえていないという意味です。生産性の国際比較を、得意げに言う人がいれば、ほとんどデタラメです。日本の場合、「生産性が低い」というのは、経済の「温度」が低いとか、カネまわりが良くないということを意味します。
http://www.mag2.com/p/money/30662  

2017年03月21日
日本マクドナルドにみる日本の労働生産性問題


労働者の給与を下げる経営者は企業の価値も下げる
引用:http://www.1101.com/okane/harada/images/title.jpg


日本マクドナルドの労働生産性

日本企業の生産性は先進国で最も低く、購買力平価(物価の違いを修正した値)では新興国にも遅れを取っている。

中でも生産性が低いのが飲食・外食産業で、その中でもとりわけ生産性が低かったのが、日本マクドナルドでした。

日本マクドナルドは原田社長の下で名ばかり店長、正社員リストラや非正規化、サービス残業増加を推し進めて一時は成功しました。


だが計算すると例え業績が向上しても、これらの政策で生産率は下がっていた筈で、その後業績不振になり売却を決めています。

現在は米本社の売却価格と日本側の希望価格が折り合わないので、業績を回復してから売却する事にしています。

原田氏は2004年から日本マクドナルドCEOになり、翌年には赤字だった業績を黒字にしたが、危機は水面下で進行していた。


業績が向上する一方で生産性は悪化し続けて、2008年以降は客離れが起き、2011年から2015年まで赤字を出しました。

2015年には347億円の赤字を計上して、米本社はついに日本マクドナルド売却を決めたと言われている。

2016年も事実上は赤字だったが、閉店と資産売却などで僅かながら黒字化に成功しています。


問題は2004年から2007年に首切りやサービス残業でコスト削減して利益を出した手法にあり、生産性を大きく低下させ企業価値を奪った。

ここで生産性(労働生産性)という言葉を再確認すると、「価値を産み出すのに必要な労働力」の事で、労働者1人が1時間の労働で生み出す付加価値であらわされます。

国の労働生産性は就業1時間当たり国内総生産であり「国内総生産」の合計は「所得」の合計に等しいので時給に置き換えても成立します。


優れた経営者が会社を破壊する

労働者全員の平均時給が高い企業ほど労働生産性が高く、平均時給が低い企業ほど生産性も低くなる、結果としてこうなります。

日本の労働生産性が先進国最低であるという事は、日本の労働者の平均時給が先進国最低であるのを意味しています。

ここで2004年にマックの原田社長がやった事を振り返ると、「リストラ、非正規化、サービス残業、名ばかり店長、給与引き下げ」などでした。


何とも素晴らしいというか酷いというか、会社の業績は向上するが労働生産性を下げてしまう要素ばかりで、当時は日本中の会社が同じ事をしていました。

キヤノン、セブンイレブン、ユニクロ、ワタミ、すき家などマックと同じように労働者の時給を下げて業績を上げていて、いくつかの会社ははその後、経営が行き詰りました。

サービス残業とは給料を払わず無給で労働させることですが、資本主義理論ではありえない、最も生産性を悪化させてしまう行為です。


戦時中に日米とも労働者(や兵士)を限界までサービス労働させましたが、勝つためにはやむを得ないとは言え、それを続けたら経済は破綻してしまいます。

サービス労働をさせればさせるほど労働者は貧しくなり、国民は貧困になり、会社も国も貧困になっていきます。

最初の量産自動車T型フォードを作ったフォードは、労働者が自動車を買えるように、日給を2ドルから5ドルに倍増させました。


フォードの労働者は増えた給料でT型フォードを買ったので、フォードは大企業に成長し、この量産化の仕組みがアメリカを超大国にしました。

サービス残業はこれと真逆をやっているわけで、マックの従業員は働いても自分が作るハンバーガーすら買えなくなります。

ところがMBA(経営学修士)資格をひけらかすような優秀な経営者ほど真逆をやりたがり、無給で労働者を働かせては業績を自慢しているのです。


生産性が極限まで悪化した世界はどうなる

いくら働いてもハンバーガーすら買えなくなるハンバーガー屋に未来なんかある訳がないが、多くの経営トップはこれに気づかない。

原田氏が進めた労働生産性悪化は数年後に副作用が現われ、次々に不祥事を起こして収拾がつかなくなっていった。

異物混入事件、期限切れ鶏肉事件、メニュー表廃止による客離れ、ファミリーセットや低価格メニュー廃止による客離れ、高価格メニューの不発など問題は途切れることなく起きた。


ある時マクドナルドは思いついたように灰皿を廃止したり、コンセントを設置したり、女子高生追い出しを指示したりした。

女子高生は大勢で集まってジュース一杯で長時間話し込むので、売上げを下げていると原田氏が指摘し、女子高生向けの100円メニューも廃止した。

主婦も低価格品しか注文しないのでファミリーセットを廃止して追い出し、そして誰も居なくなった店内で、無給で働かされる店長やバイトだけが残った。


生産性が極限まで悪化した結果、日本マクドナルドは従業員を最低賃金以下で働かせたのに、過去最大の赤字を計上し続けた。

ところがこんな企業の経営者ほど、「従業員の給与を下げたのに、なんで赤字なんだろう。もっと給与を下げよう」などと考えるのです。

この理論を推し進めると、労働者全員を無給で無制限に労働させる共産主義にたどり着き、労働者は良い仕事をしても見返りが無いので、義務をこなすだけになります。
http://www.thutmosev.com/archives/70064351.html

2017年09月21日
働き方改革で日本の生産性がさらに悪化する


多くの業種で現在より長時間残業が合法になり、日本の生産性はもっと悪化する
引用:http://www.asahicom.jp/articles/images/AS20170329000405_comm.jpg


安倍首相は同じ手で2度騙す

日本政府は「働き方改革」というものを進めていて、日本人の働き方を改善すると言っています。

日本人の働き方と言えばワXミに象徴されるように、「死ぬまで働け、働けるだけで感謝しろ」というものでした。

経済が悪化し失業率上昇とともに労働環境は悪化し、2000年代には残業代を払わずに無制限で残業をさせるのが当たり前に成りました。


2015年ごろから景気回復が顕著になり(というよりそれまでは酷すぎて、今は当たり前程度になった)、こうした無制限残業は減少した。

求人件数が増えたために、労働者はサービス残業を毎日10時間要求するような会社で、働かずに辞めるようになりました。

働き方改革はこれをさらに改善する事なのかと思いきや、再び元通りにサービス残業を復活させようという試みです。


長時間無償残業を引き起こしたのは1990年代に政府が言い出した「成果主義」で導入するまでは素晴らしい事のように言っていました。

労働時間を束縛されるのではなく、自分の仕事を早く終えれば早く帰宅できると言っていたが、実際は逆だった。

成果つまりノルマを際限なく増やされて、時間給ではなく成果給だと言って、残業代を出さなくなりました。


安倍首相の働き方改革で、またこの「成果主義」が復活し、「脱時間給制度」と言い換えています。

宣伝文句も90年代と同じで、「仕事を終わったら早く帰れるようになる」と言っています。

他にも正規と非正規の格差をなくし、非正規の労働条件を改善するとしている。


改革したらGDPが縮小

働き方改革では『高度プロフェッショナル制度』が導入され、年収約1000万円の人は労働基準法の例外扱いになります。

いままでは年収に関係なく労働者の残業は月45時間以内(罰則がなく守られていないが)1日8時間、週40時間などの制限がなくなります。

6時間ごとに45分、8時間ごとに1時間の休憩義務もなくなり、なんと6日間一睡もさせずに労働させても合法になります。


年一ヶ月は残業100時間まで可、月平均45時間までだった平均残業時間は80時間まで可、年間残業時間は720時間まで可となっています。

対象になるのは平均年収の3倍以上、年収1075万円以上専門性の高い職業の人とされています。

大多数の人には関係がないので、どうでも良いんじゃないかとも思えますが、日本経済への悪影響が懸念されています。


先日大和総研は働き方改革の試算をした結果、日本のGDPが8.5兆円減少すると発表しました。

なぜ働き方改革でGDPが減るのかについてはGDPとは国民総所得なので、全国民の年収を合計したものがGDPになります。(正確には少し違う)

企業は残業代の支出を8.5兆円減らすので、そのまんまGDPも8.5兆円減るのです。


思い出して欲しいのは90年代から2000年代のデフレで、労働者の給料が減り続けた間、日本のGDPも減り続けました。

日本政府はトヨタやユニクロやワタミの人件費を圧縮し優遇したが、労働者の給料を減らせば減らすほど、日本のGDPも減るのです。

「国滅んでトヨタあり」という状況になり、トヨタは世界一のメーカーになったが、日本の労働者はドレイ同然になった。


日本の生産性が悪いという事が言われてきましたが、生産性とは『労働者が生み出す価値÷労働時間』なので、労働時間を増やして給料を払わなければ、生産性は悪化します。

働き方改革をした結果、日本の生産性は先進国最低からさらに悪化し、世界最低になると予想されます。

対象は最初は高収入の専門職ですが、すぐに一般労働者や非正規労働者にも拡大されるでしょう。
http://www.thutmosev.com/archives/72700447.html


過剰サービスの負担はどこにいく?: 2017/01/15 From 三橋貴明

さて、現在、運送業界のトラックドライバーが、極端な人手不足になりつつあります。

人手不足の解消のためには、もちろん生産性向上「も」必要なのですが、それ以前に、運送業界の場合は「荷主の我儘」というものがあるのです。

荷主が多品種少量の製品を、短時間納期で納品することを求める(無茶!という話)ため、ドライバーの待機時間が極端に長くなってしまうのです。

だからと言って、荷主サイドが追加料金を払うことは(それほど)ありません。

運送会社の経営者の多くは未だ「デフレ脳」であり、 荷主の無茶な要求を受けないと、仕事を失うのではないかと怯え、負担が現場のドライバーに向かうのです。

もっとも、荷主サイドは荷主サイドで、 大手流通、大手小売共に過当な「サービス
競争」を強いられています。デフレで競争が激化する中、強引に過剰サービスを提供しようとするため、負担が上流サイドを遡り、ドライバーの極端に長い待機時間、生産性の低下という問題を引き起こすわけでございます。

昨年末に、

「「アマゾン多過ぎ」ヤマトドライバーから悲鳴続出、「利便性」が生んだ過酷な実態」

という記事が報じられていましたが、こちらも問題の根っこが同じです。

消費者への過剰サービスが、現場のドライバーの負担の上で成り立っているならば、そんなものは長続きしないでしょうし、長続きさせるべきではありません。

断っておきますが、三橋はサービスの質の向上を否定しているわけではありません。

単に、

「高いサービスに対しては、消費者が高い価格を支払うべき」

と言いたいだけです。

生産者一人当たりが提供するサービスの「質の向上」も、数字には出にくいのですが、「生産量の拡大」に違いはありません。

当然ながら、生産性向上の投資により、サービスの質が向上したならば、買い手は支出を増やすべきで、イコール生産者の所得(実質賃金)上昇となるわけです。

ところが、現在の日本では「生産者の根性」で質を強引に向上させ、さらには十分な支出が行われないという状況が続いています。

まさしくデフレという話ですが、デフレ脱却のためには、我々が「高いサービスには、高い価格を支払う」という当たり前の感覚を取り戻す必要があると思うのです。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/


残業するほど生産性が下がるしくみ 日本企業と日本軍


アメリカの労働者は余力十分で、真珠湾空襲で鎮座した戦艦を短期間で修理した。
日本は大戦前から限界まで働いていて、戦時中に生産力を増やせなかった。


残業とはなにか

日本企業の残業の多さが社会問題になっていて、きっかけは有名企業の新入社員への過酷な労働環境が明るみに出たことだった。

残業が多いことは労働者の健康問題と捉えられる場合が多いが、企業の生産性低下の原因にもなっている。

一般的には残業が多い=会社に貢献しているとなり、残業をすればするほど役に立っていると捕らえられている。

だが日本企業の生産性は先進国で最下位であり、一部の新興国より劣っている。

生産性とは一言で定義すると、1時間当たりに生み出した価値であり、分かりやすく言うと「時給」にもっとも近い。

近年ブラック企業と名指しされた日本企業の多くは一日10時間以上労働で休日なし、残業手当を支払っていなかった。


一日8時間、週40時間の給料しか払わずに一日12時間、週80時間働かせると賃金半分の労働者を2人雇ったのと同じになる。

企業は大儲けで日本企業の「生産性」は世界一になりそうだが、そうはならず逆に世界最低になってしまいました。

まず8時間の給料しか払わず12時間拘束すると、労働者は毎日4時間、週20時間から40時間も「ムダに生きている」状態になってしまう。


会社に拘束されていた20時間で牛丼屋のバイトでもやれば、週に2万円のバイト料が貰えたのにゼロになってしまった。

また拘束された時間に趣味を楽しんだり消費活動をすれば日本のGDPに貢献したが、この会社は日本経済にも悪影響を与えた。

労働者は消費者でもあるので、サービス残業は確実に日本人の収入を下げてしまい、実質賃金低下の原因を作った。


残業が多い組織は危機に弱い

「サービス残業」は日本経済に打撃を与える経済犯罪だが、政府は『残業はいいことだ』と考えて取り締まりませんでした。

その結果が先進国最低の生産性で、働いても働いても給料が減り生活が苦しくなるというデフレ経済の原因も作った。

サービスでない残業も生産性を低下させ、同じ価値を生み出すのに長時間かけている企業ほど「悪い企業」なのです。


例えば残業一切なしで利益を出す会社と、社長が「しぬまで働け!」と怒鳴っている残業週20時間の企業があるとします。

もうちょっと経済環境が悪くなったときに、ノー残業企業は残業代を払って社員に少し残ってもらえば、危機を乗り切ることができます。

一方過酷な残業企業ではもう仕事量を増やすことは出来ず、新たに人を雇うと人件費がかかるし、給料を下げてもっと残業させるしかありません。


危機の時にまっさきに倒産するのは残業が多い企業で、まったく残業をしない企業は余力が大きい事になります。

新しい事業を始めたり事業拡張するときも同じで、余力が大きい企業が成長し、社員全員が限界まで働いている企業に将来性はありません。

日本全体がサービス残業を進めた結果、国中が成長余地のない「限界企業」のようになりました。


日本軍と残業

実は日本がこのような状況になったのはこれが初めてではなく、第二次対戦中がこのような状況でした。

国民全体が「欲しがりません勝つまでは」といって限界まで労働していて、最初のうちそれで「怠け者」の米英より優位に立つ事ができました。

だが大戦初期に「怠け者」米英人は日独にコテンパンにやっつけられて目を覚まし、渋々なのか進んでか、不眠不休で軍需物資を生産し物量で圧倒しました。


戦争前から国民全員が限界まで働いていた日本は、生産量を増やせず、戦争が長引くほどジリ貧になっていった。

アメリカ人は余暇にバカンスを楽しむ時間を減らして工場で働き、生産量を大きく増やす余力があった。

人口が違うとか資源量が違うという以外にも、日米には生産性の違いという格差が大戦前に存在していました。


この教訓は何かというと最初から過酷な労働をしていた日本には余力がなく、怠けていた米英人は余力たっぷりだったという事です。

必死になって限界まで働くのもたまには必要ですが、いつもそうだったらいずれその企業は倒産します。

生産性が低い企業=残業が多い企業は、危機に弱く成長力も低いからです。
http://thutmose.blog.jp/archives/68869494.html


日本のサービス業の生産性はそんなに低いか? コラム 大和総研グループ 岡野 進 2017年1月20日


日本のサービス業については、生産性が米国の半分程度というような推計結果が取り上げられることが多い。そんなに日本のサービス業の生産性は低いのだろうか。こうした計量的な分析それ自体はデータに基づいたもので正当であると思うが、うまく質を考慮したものにはなっていないようだ。筆者が米国に住んでいた経験からすると、米国のサービス業の生産性が日本の倍もあるというのは、実感からかなりかけはなれている。

例えば、米国で家の壁に電気コンセントの取り付けを依頼すると、まっすぐに取り付けてくれることはめったにない。ニューヨークでアパートを4軒移ったが、どのアパートのコンセントもみんな斜めだったし、修理を依頼した時もそうだった。こういうことは日本では考えにくいだろう。米国人にこの話をすると、ほとんどの人がキョトンとして、安全に使えるのなら問題ないと言う。

タクシーに乗ると室内に清掃の跡が感じられない。地下鉄の駅には冷暖房がないし、トイレもキオスクもない。高級レストランは別にして、ふだんの外食での接客にはあまり客への気遣いを感じられない。

多くの対個人サービスでは、文化の違いでサービスの質の標準がまったく変わってくる。求められる効用の質的な違いだ。どちらが良い悪いではないし、質の高低も一概には言えないが、日本における標準的な質のサービスのほうが、提供コストが高くなりがちなのではなかろうか。そのために日本のサービス業の生産性が低いというような数値が推計されてしまうように思われる。そうした事情を度外視して生産性が低いから高めなければいけない、というと改善の方向を見誤ってしまうかもしれない。見た目の数量的な生産性だけを高めようとしてもうまくいかないのではないだろうか。消費者のニーズがどこにあるかに合わせてサービスの在り方を改善することが肝要だろう。

もっとも、ICTの活用に関しては、米国に比べて日本のほうがまだ遅れている部分が多い印象を持たざるを得ない。インターネットを利用した食品の宅配とかレストランなどの予約サービスなどは、米国に比べると日本での導入は10年程度遅れていた。日本独自のアイデアにも期待したいが、他国での活用事例は貪欲に取り入れていくべきだろう。
http://www.dir.co.jp/library/column/20170120_011605.html


2017年4月4日 「デフレ」こそ「労働生産性」低下の元凶。生産性向上のためにも「PB制約」撤廃を!
From 藤井聡@内閣官房参与(京都大学大学院教授)
https://38news.jp/economy/10297


今、財界や政府の経済政策似ついての議論でキーワードになっているのが、

「労働生産性」。

これは要するに、その働きで、どれだけのアウトプットを生み出したか、という効率性を意味するものです。

誰でも、部下を持ったことのある人ならば経験があると思いますが、いわゆる「有能で無い部下」は、指示をして1週間まってもほとんど何のアウトプットも持ってこないけど、「有能な部下」なら、指示をすれば翌日には、素晴らしいアウトプットを持ってくる――という事はよくありますが、こういう時、「アイツは生産性が低いけど、コイツは生産性が高いなぁ」などと言ったりするわけです。

そして今、巷では「労働生産性」を上げるべきだ! という言説があちこちで言われるようになっています。

そんな議論の中で、よく紹介されているのが、次のグラフ。

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1019329341501342&set=a.236228089811475.38834.100002728571669&type=3

これは、今、日米の「業種別、労働生産性の比較」のグラフです。

ご覧の様に、一部の業種(機会と化学)を除いて全て、日本の「労働生産性」はアメリカよりもずっと低い、というのが現状です。例えば、アメリカと比較すれば「飲食や宿泊」の労働生産性は三分の一、電気機械は五分の一、そして農林水産業に至っては二十分の一という水準です。

こうしたデータを引用しつつ、多くの論者(例えば、今月号(4月豪)のウェッジの記事http://wedge.ismedia.jp/articles/-/9140 等)は、

「だから、日本も生産性を上げる『改革』をやるべし!」

という議論に進みます。例えばその特集では、次のような論調が展開されます。

「リンガーハットや鳥貴族や『変なホテル』など、優秀な企業は皆、
その『改革』をやって、生産性向上に成功している!
年功序列などの日本のワルイ体質を改善すべきだ!」

(この『ウェッジ』だけでなく、政府内外で、同様の議論が展開されています。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017033101123&g=eco
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hatarakikata/dai10/siryou1.pdf

・・・・が待ってください。

「労働生産性」という「言葉のイメージ」に騙されないで、まず、上記の日米比較のグラフにおける「労働生産性」の定義とは何か、から考えて頂きたいと思います。

そもそも、このグラフも含めて、数字で労働生産性が表現される時、それは、

「就労1時間あたりのGDP」

と定義されています。

(例えば、先日開催された官邸の経済財政諮問会議でも、民間議員ペーパーも、政府準備ペーパーも、いずれも労働生産性は、この考え方で定義されています。
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2017/0330/shiryo_02-2.pdf
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2017/0330/shiryo_01.pdf )

ですから、労働生産性は、労働者や企業の質にも依存しているかもしれませんが、GDPの水準にも依存しているのです。

したがって、企業が努力しようがしなかろうが、労働者が有能であろうがなかろうが、労働生産性はGDPが上がれば上がり、GDPが下がれば下がるのです!

(※ これは、部下の労働生産性を比べる時に、部下Aと部下Bのそれぞれが営業しているマーケットの違いを考慮せずに、単に一月間の営業成績だけに基づいて、「労働生産性」を比較するようなものです。仮に部下Aの方がたくさん儲けているとしても、それは単に部下Aが担当しているマーケットの方が、簡単に儲けられる楽なマーケットだという事を意味しているに過ぎない、ということもあるのです)

だから、GDPが20年間も伸び悩んでいるデフレの国「日本」と、全くデフレに直面していないインフレの国「アメリカ」を比べれば、インフレのアメリカの方が高くなるのは当たり前です。

したがって「労働生産性」向上のためには、「改革」云々以前に、「デフレを終わらせGDPを上げる」マクロな対策が必要なのです!

もちろん、労働生産性を上げるためには、「企業努力や労働者の努力」も意味はありますが、そうした「ミクロな視点」だけでなく「マクロな視点」を忘れてはいけないのです。

そもそも、このグラフからも明らかなように、日本の「労働生産性」は、「GDP」の水準によってほとんど決まっているのが実状です。

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1015763461857930&set=a.236228089811475.38834.100002728571669&type=3&theater

労働生産性は、GDPが伸びている頃は順調に伸びていたものの、デフレになってGDPが横ばいになって以降、労働生産性も横ばいになっています。

実際、労働生産性とGDPの「相関係数」は、実に「0.96」という、超絶に高い水準にあります。

これはつまり、両者はほぼ完全に連動して推移している、という事を意味しています。控えめに言っても、「労働生産性はGDPの水準で90%以上説明できる」という次第です。

逆に言うなら、労働生産性の向上において、企業努力や労働者の余地の努力が入り込むは、ごく一部しかない、という次第です。

繰り返しますが、労働生産性は、「就労1時間当たりのGDP」なのですから、こうなるのも当たり前なのです。

にも拘わらず、日本の労働生産性の低さの「全て」を、企業や労働者、はては日本の文化や風習のせいにしてしまえば、マクロ経済対策を怠り、日本の労働生産性が一向に向上しない、という最悪の事態が生ずることとなります。

・・・というよりもむしろ、そうやって「過剰な改革」をやり過ぎて、かえって「真の労働生産性」を引き下げてしまうことともなりかねません。

そうした悲劇をもうこれ以上起こさないためにも、我々は今、

「生産性を上げるためにこそ、デフレ脱却を!」

という一点をしっかりと認識する必要があるのです。

この一点さえ認識できるのなら、労働生産性を上げたいのなら、

1)何よりもまず「デフレ脱却」を阻んでいる「プライマリーバランス制約」を廃止し、
2)デフレ完全脱却までの2、3カ年、軌道的な財政政策を展開すること、

こそが必要不可欠だという「大局」がいとも容易く見えてくるはずです。
https://38news.jp/politics/10232

そしてその大局観さえあるのなら、「デフレ脱却をサポートする構造政策」(例えば、ダンピング規制や過剰サービス規制、低賃金労働者の日本流入規制、賃上げ企業優遇策、等)を展開していくことが必要だ、という道筋がくっきりと見えてくるはずです。
https://38news.jp/economy/08023

わが国の「働き方改革」(ミクロ政策)や「デフレ脱却のための財政金融政策」(マクロ政策)が、こうした正しい大局観に基づいて進められんことを、心から祈念したいと思います。

PS 「労働生産性」を上げるためにも是非、下記をご一読ください。
https://goo.gl/Jcqhm0


https://38news.jp/economy/10297

トランプ大統領が証明している「日本の生産性」議論のバカらしさ=児島康孝 2017年5月28日

トランプ大統領がサウジアラビアに1100億ドルの武器を売却したと報道されています。このことは、日本の「生産性」論議が筋違いであることを示しています。


日本人が信じる「もっと働けば日本の生産性が上がる」の大ウソ

米、サウジに12兆円分の武器を売却

CNNによると、トランプ大統領は20日、サウジアラビアに1100億ドル(約12兆円)分の武器を売却する契約に署名しました。


武器売却は、それが良いか悪いかは別としまして、「生産性」が極めて高い経済活動です。

日本の艦船に同乗してひょいと見上げると、装備にはハネウエル「Honeywell」と書かれていたりします。ハネウエルはアメリカの電子機器会社で、武器も生産しており、2000年から2010年頃の株価は50ドルぐらいでした。しかし、今日(5/23執筆時点)ふと株価を見ると、131ドルにもなっています。


HONEYWELL INTERNATIONAL INC HON 月足(SBI証券提供)


アメリカの武器売却は「生産性」が高く、それだけ儲かるわけです。

無意味な日米の生産性比較

ですから、こういう分野を無視して、日米の比較で「生産性が高い」「生産性が低い」という話をしても、全く意味がありません。

今回のトランプ大統領のサウジ武器売却でも、金額は12兆円。1回の訪問で12兆円のビジネスを成立させるのですから、「生産性」が高いのはあたり前です。

ということは、「日本人がもっと働けば生産性が上がる」とかそういう話ではなく、「何をやって儲けているか」という方がはるかに影響が大きいのです。

同様に、産油国の「生産性」が極めて高いのも、オイルを掘って売るわけですから、当然といえます。

一生懸命に仕事をするのは大切なことで、それで見い出されて、「シンデレラ・ストーリー」の呼び水になることもあります。しかし、それだけでどうにかなるという種類の話ではありません。

トランプ大統領が12兆円の武器を売却したり、オイルをどんどん輸出して儲ける産油国をみれば、日本の「生産性」論議は筋違いであることがわかるでしょう。
http://www.mag2.com/p/money/234108  


▲△▽▼

トランプ大統領が証明している「日本の生産性」議論のバカらしさ=児島康孝 2017年5月28日
トランプ大統領がサウジアラビアに1100億ドルの武器を売却したと報道されています。このことは、日本の「生産性」論議が筋違いであることを示しています。


日本人が信じる「もっと働けば日本の生産性が上がる」の大ウソ

米、サウジに12兆円分の武器を売却

CNNによると、トランプ大統領は20日、サウジアラビアに1100億ドル(約12兆円)分の武器を売却する契約に署名しました。


武器売却は、それが良いか悪いかは別としまして、「生産性」が極めて高い経済活動です。

日本の艦船に同乗してひょいと見上げると、装備にはハネウエル「Honeywell」と書かれていたりします。ハネウエルはアメリカの電子機器会社で、武器も生産しており、2000年から2010年頃の株価は50ドルぐらいでした。しかし、今日(5/23執筆時点)ふと株価を見ると、131ドルにもなっています。


HONEYWELL INTERNATIONAL INC HON 月足(SBI証券提供)


アメリカの武器売却は「生産性」が高く、それだけ儲かるわけです。

無意味な日米の生産性比較

ですから、こういう分野を無視して、日米の比較で「生産性が高い」「生産性が低い」という話をしても、全く意味がありません。

今回のトランプ大統領のサウジ武器売却でも、金額は12兆円。1回の訪問で12兆円のビジネスを成立させるのですから、「生産性」が高いのはあたり前です。

ということは、「日本人がもっと働けば生産性が上がる」とかそういう話ではなく、「何をやって儲けているか」という方がはるかに影響が大きいのです。

同様に、産油国の「生産性」が極めて高いのも、オイルを掘って売るわけですから、当然といえます。

一生懸命に仕事をするのは大切なことで、それで見い出されて、「シンデレラ・ストーリー」の呼び水になることもあります。しかし、それだけでどうにかなるという種類の話ではありません。

トランプ大統領が12兆円の武器を売却したり、オイルをどんどん輸出して儲ける産油国をみれば、日本の「生産性」論議は筋違いであることがわかるでしょう。
http://www.mag2.com/p/money/234108

▲△▽▼


2017年09月21日
働き方改革で日本の生産性がさらに悪化する


多くの業種で現在より長時間残業が合法になり、日本の生産性はもっと悪化する
引用:http://www.asahicom.jp/articles/images/AS20170329000405_comm.jpg


安倍首相は同じ手で2度騙す

日本政府は「働き方改革」というものを進めていて、日本人の働き方を改善すると言っています。

日本人の働き方と言えばワXミに象徴されるように、「死ぬまで働け、働けるだけで感謝しろ」というものでした。

経済が悪化し失業率上昇とともに労働環境は悪化し、2000年代には残業代を払わずに無制限で残業をさせるのが当たり前に成りました。


2015年ごろから景気回復が顕著になり(というよりそれまでは酷すぎて、今は当たり前程度になった)、こうした無制限残業は減少した。

求人件数が増えたために、労働者はサービス残業を毎日10時間要求するような会社で、働かずに辞めるようになりました。

働き方改革はこれをさらに改善する事なのかと思いきや、再び元通りにサービス残業を復活させようという試みです。


長時間無償残業を引き起こしたのは1990年代に政府が言い出した「成果主義」で導入するまでは素晴らしい事のように言っていました。

労働時間を束縛されるのではなく、自分の仕事を早く終えれば早く帰宅できると言っていたが、実際は逆だった。

成果つまりノルマを際限なく増やされて、時間給ではなく成果給だと言って、残業代を出さなくなりました。


安倍首相の働き方改革で、またこの「成果主義」が復活し、「脱時間給制度」と言い換えています。

宣伝文句も90年代と同じで、「仕事を終わったら早く帰れるようになる」と言っています。

他にも正規と非正規の格差をなくし、非正規の労働条件を改善するとしている。


改革したらGDPが縮小

働き方改革では『高度プロフェッショナル制度』が導入され、年収約1000万円の人は労働基準法の例外扱いになります。

いままでは年収に関係なく労働者の残業は月45時間以内(罰則がなく守られていないが)1日8時間、週40時間などの制限がなくなります。

6時間ごとに45分、8時間ごとに1時間の休憩義務もなくなり、なんと6日間一睡もさせずに労働させても合法になります。


年一ヶ月は残業100時間まで可、月平均45時間までだった平均残業時間は80時間まで可、年間残業時間は720時間まで可となっています。

対象になるのは平均年収の3倍以上、年収1075万円以上専門性の高い職業の人とされています。

大多数の人には関係がないので、どうでも良いんじゃないかとも思えますが、日本経済への悪影響が懸念されています。


先日大和総研は働き方改革の試算をした結果、日本のGDPが8.5兆円減少すると発表しました。

なぜ働き方改革でGDPが減るのかについてはGDPとは国民総所得なので、全国民の年収を合計したものがGDPになります。(正確には少し違う)

企業は残業代の支出を8.5兆円減らすので、そのまんまGDPも8.5兆円減るのです。


思い出して欲しいのは90年代から2000年代のデフレで、労働者の給料が減り続けた間、日本のGDPも減り続けました。

日本政府はトヨタやユニクロやワタミの人件費を圧縮し優遇したが、労働者の給料を減らせば減らすほど、日本のGDPも減るのです。

「国滅んでトヨタあり」という状況になり、トヨタは世界一のメーカーになったが、日本の労働者はドレイ同然になった。


日本の生産性が悪いという事が言われてきましたが、生産性とは『労働者が生み出す価値÷労働時間』なので、労働時間を増やして給料を払わなければ、生産性は悪化します。

働き方改革をした結果、日本の生産性は先進国最低からさらに悪化し、世界最低になると予想されます。

対象は最初は高収入の専門職ですが、すぐに一般労働者や非正規労働者にも拡大されるでしょう。
http://www.thutmosev.com/archives/72700447.html

▲△▽▼


日本の労働生産性
http://blog.livedoor.jp/columnistseiji/archives/51736003.html

共同通信の記事です。


 日本生産性本部は20日、2016年の労働生産性の国際比較を発表した。一人の労働者が一定の労働時間でどれだけのモノやサービスを生み出すかを算出。日本の1時間当たりの生産性は46.0ドル(約4700円)で、経済協力開発機構(OECD)加盟の35カ国の中で20位、先進7カ国(G7)で最下位だった。

 生産性本部によると、G7での日本の最下位はデータが取得可能な1970年以降続いている。欧米より非効率な働き方が改めて示され、安倍政権が看板政策として掲げる「生産性革命」の浸透が急務になりそうだ。

 担当者は「飲食や宿泊などのサービス業の生産性が低い」と分析している。


 飲食業や旅館やホテルの生産性が低いように言っていますが…

 この記事を読むと、そうしたサービス産業に従事している人の仕事の仕方が非常に非効率のようなイメージを与えるのですが、それは本当なのでしょうか?

 例えば、運送業で働く人々の働きぶりを国際的に比較して、日本の労働者は仕事がスローすぎるの
でしょうか?

 ヤマト運輸や佐川急便で働いている人の見て、そんな感想を抱きますか?

 本当に怒られますよ、と言いたい!

 違うのですよ。

 労働生産性なんていうから、生産性が低い、イコール仕事に仕方がのろいと思い込みがちなのですが、そうではなく、彼らの給料、或いは稼ぎが少ないだけの話なのです。

 労働生産性の算出式の分子が、物理的な仕事の量や質であるのならば、労働生産性が低いこと、イコール能率が悪いとなる訳ですが、分子は金額で表示される付加価値の合計額なのです。

 従って、幾ら立派な仕事をしても、それに与えられる報酬が安ければ労働生産性が上がる筈はないのです。

 それに、日本の社会って、基本的に副業が認められないではないですか?

 だから、幾ら能率的に仕事をこなすことができ、従って、より短い時間でそれまでと同じ収入を確保できるようになっても、他の仕事をすることができない、と。

 だから、仕事を能率的にこなそうというインセンティブが働きにくいのです。

 組織のなかで自分だけ早く仕事を終わらせると、さらに仕事を押し付けられるだけ。しかし、給料は以前と同じ。

 その辺りのことを安倍総理は分かっているのか、と。

 分っていて、生産性革命なんて言っているのか、と。

 それに、労働生産性の数値を国際比較する際、どうして先進国の数字だけ持ってくるのか、と。

 もっと言えば、何故中国の労働生産性について言及しないのか、と。

 中国の労働生産性は、日本と比べて著しく低い!

 何故か?

 単に賃金が相対的に低いからなのです。

 では、中国の労働者は、怠け者が多いのか?

 そんなことはありません。

 もう少し深みのある議論ができるようにならないと、経済の活性化などできる筈がありません。

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日本の労働生産性が低く見えるのは、いいモノを安く売っているからだ
http://diamond.jp/articles/-/168782
2018.4.27 塚崎公義:久留米大学商学部教授 ダイヤモンド・オンライン

 日本生産性本部が、「国際比較をすると、日本の労働生産性は低い」という報告書を発表した。しかし、ヘッドラインだけを見て悲観的になる必要はなさそうだ。

「生産性」とは
労働力あたりの生産量

 それではまず、「労働生産性」とは何かを簡単に見ていくことにする。

 労働生産性とは、労働者が1時間働いて、どれだけモノ(財およびサービス、以下同様)を作れるのかを測った値のこと。1日当たりで比べる場合もあるが、1時間当たりで比べる方が、計算に手間はかかるがはるかに正しいものになる。

 実際には、1時間でパンを5個、自動車を1000分の1台、と数えて合計するわけにいかないので、労働生産性の国際比較などを行う場合には、名目GDPを労働時間で割って求める場合が多い。

 名目GDPは、日本経済が1年間にどれだけの付加価値を生み出したのかを測る統計。だから、労働生産性とは「日本の労働者が1時間に付加価値を何円分生み出したのか」を測るものだと言うことになる。

 こうして円建てで求められた金額を、ドルに換算して米国などと比較し、「日本の労働生産性が低い」という報告書が出されているわけである。

いいモノを安く売ると
労働生産性が下がる?

 日本企業は、いいモノ やサービスを安く売っている。デフレが長引き、値下げ競争が続いた結果ともいわれるが、それ以前から日本企業は“過当競争体質”だったという指摘もある。ともかく、いいモノを安く売ると、統計上は労働生産性が下がってしまう。

 まず、同じモノを安く売る場合を考えてみよう。日本と米国の労働者が、それぞれ1時間に1人の客の理髪をするとしよう。理髪料金が米国で40ドル、日本で2000円だとして、1ドル100円で日本円に換算すると、米国の労働生産性は4000円、日本のそれは2000円となる。本来、同じ労働なので労働生産性は同じはずなのだが、米国の方が2倍高いと計測されてしまうのだ。

 次に、日本の理髪は心を込めて行っているので、米国の理髪より2倍の品質であるとする。「2倍の品質」を付加価値に置き換えるのは容易ではないが、例えば「仮に日本の理髪が米国で行われていたら、米国人は80ドル払うだろう」ということだとしよう。

 だとすると、日本の理髪1回は、米国の理髪2回と等価ということになるから、「米国の労働生産性の2倍」であるはずなのに、計算すると「米国の労働生産性の2分の1」ということになってしまうのである。

 このように考えると、冒頭の報告書で「日本の労働生産性が低い」と指摘されても、ガッカリすることはなさそうだ。

 実際、海外で生活をした経験がある読者には納得していただけるだろうが、日本のモノの品質は素晴らしい。理髪が丁寧なだけではない。時間通りに電車が来る、宅配便が時間指定できる、深夜でもコンビニやファミレスが開いているなどを考えると、筆者は到底、海外で生活したいとは思わない。

 宅配便の時間指定や、過剰な包装などは、消費者がそれを求めているのか、勝手に過当競争を繰り広げているのか、疑問に思わないこともないが…。

いいモノを
高く売らないのは問題か

 上記に対しては、「いいモノは高く売るべきで、いいモノを安く売っていることが日本企業の問題なのだ」という批判も頂戴する。しかし、ミクロとマクロを混同しないように気を付けたい。

 今、日本の理髪店が「いいモノは高く売ります」と宣言して、理髪の値段を4倍に値上げしたとしよう。日本のGDPは4倍になり、分母である日本人の労働時間は変わらないから、日本人の労働生産性は4倍になる。そして、「理髪料収入が4倍になったから、社員の給料も4倍にする」と言えば、社員も喜ぶだろう。

 しかし、誰かが幸せになるだろうか。給料が4倍になっても、すべてのモノの値段が4倍になれば、日本人の生活水準は変わらない。当然である。上記の計算式で計算された結果は4倍になるが、日本人労働者が1時間で作り出す理髪サービスの量が増えていないからだ。

労働力不足の時だから
値上げが望ましい選択肢となる

 実は筆者も、いいモノは高く売るべきだと思っているが、それは最近の日本経済 が労働力不足になったからだ。いいモノを高く売っても、もはや失業を心配する必要はない。それ以前は、いいモノを高く売ると失業が心配だと考えていたから、黙っていたのだ。

 筆者がいいモノは高く売るべきだ、という時に考えているのは、「すべてのモノの値段が4倍になるわけではない」ということだ。一つには、省力化投資のための機械の値段が不変であれば、企業は労働者を減らして省力化投資を行うだろう。それにより、日本経済の真の意味での労働生産性は改善する。失業者があふれている時に労働生産性が改善することを望ましいと考えるか否かは議論のあるところだが、労働力不足の時代においては、議論なく望ましいことだといえる。

 もう一つは、海外からの輸入品である。日本製品の価格が4倍になり、日本人の給料が4倍になっても、輸入品の価格は変わらないから、割高になった国産品の代わりに輸入品を買う消費者が出てくる。それが、日本の中で相対的に生産性の低い製品であるならば、その製品の生産を打ち切って、生産性の高い製品の製造に 労働力をシフトする契機となろう。それも、労働力不足の時代においては望ましいことだ。

実際に日本の労働生産性が
低い面も認めるが…

 とはいえ、少し強弁しすぎた面もある。実際に、日本の労働生産性が低い面もあるからだ。それは当然のことだ。各国の人口増加率がおおむね等しい中で、バブル崩壊後の長期低迷期には、日本の経済成長率が諸外国よりも圧倒的に低かったのだから。

 しかし、それについても、今後は急激に追いついていくと期待している。長期低迷期には、大量の失業者がいたので、企業は省力化投資のインセンティブを持たなかった。皿洗いは、安い時給で雇ったアルバイトにやってもらえばよかったからだ。しかし、今後は容易にはアルバイトが雇えない時代が来るだろうから、自動食器洗い機を購入する企業が増え、日本の労働生産性が急激に上昇していくと期待している。

 経済学者の中には、「日本は労働生産性の向上スピードが遅いから、経済成長率が低かったのだ」という人も多いが、そうではない。日本は需要が伸びないから経済成長率が低く、その結果として失業者が多く、企業が労働生産性を伸ばすインセンティブを持たなかったのだ。

為替レートを購買力平価に
替えても問題は残る

 実は、冒頭の報告書は、各国の名目GDPを比較する際に、実際の為替レートではなく、「購買力平価」を用いている。これは、「米国での1万ドルの生活を日本でするなら100万円必要だから、1ドルの購買力平価は100円だ」といった計算をして求めた結果だ。

 そうなると、米国人は1回理髪サービスを受けて40ドル払い、日本で同じ生活をするためには2000円必要なので、購買力平価は50円となる。なので、昨今の為替レートである1ドル100円で換算した場合よりは「妥当な結果」に近いものが出るはずだという考えからだ。

 もっとも、品質の格差まで調整したものとは思えないので、問題の半分は残ってしまう。「米国人の労働生産性の2倍であるはずなのに、計算すると米国人の労働生産性の2分の1になる」と前述したが、ここでは米国人の労働生産性の2倍のはずなのに計算結果は1倍になってしまう、となってしまうのだ。

 実はもう一つ問題がある。米国で1万ドルの生活というのは、大きなステーキは食べるがすしと天ぷらは食べない生活である。そうなると、米国で10ドルのステーキが日本で5000円であるとして、購買力平価は500円となってしまう。これを理髪業に当てはめてしまうと、「米国人の理髪店が1人を理髪して40ドル稼ぐ間に、日本人は10人に心を込めて丁寧に理髪して2万円を売り上げて、初めて労働生産性が等しいと認めよう」ということになってしまうのである。

 国際比較は難しいのだ

http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html#c31

[昼休み54] 『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった 中川隆
32. 中川隆[-13638] koaQ7Jey 2018年11月21日 11:13:48 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20959]

【経済討論】財務省主導の経済でいいのか?日本[桜H30-4-14] - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=s8y0fk90-OQ

◆経済討論:財務省主導の経済でいいのか?日本

パネリスト:
 安藤裕(衆議院議員)
 高橋洋一(嘉悦大学教授・「政策工房」会長)
 田村秀男(産経新聞特別記者・編集委員兼論説委員)
 藤井聡(京都大学大学院教授・内閣官房参与)
 松田学(東京大学大学院客員教授・元衆議院議員)
 三橋貴明(経世論研究所所長)
 渡邉哲也(経済評論家)
司会:水島総

http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html#c32

[中国6] 日本の天皇は中国人か、それとも朝鮮人か?―中国メディア 赤かぶ
38. 中川隆[-13637] koaQ7Jey 2018年11月21日 11:36:43 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20959]

高天原故地碑

高天原故地碑(たかまがはらこちひ)は、大韓民国慶尚北道高霊郡の加耶大学校内にある石碑。日本神話の天津神が住む高天原は、ここであると記されている。


慶尚北道 高霊郡 地図
https://map.konest.com/daddr/4783034032

高天原は実在の地域を反映しているとする説は古くから存在し、第二次大戦後は主としてアマチュア研究家によって朝鮮半島説も唱えられることがあった。当初その比定地とされたのは、戦前から一部の研究家によってスサノオが立ち寄ったという新羅のソシモリの候補とされた、『冬のソナタ』のロケ地として知られる江原道春川市であって、慶尚北道高霊郡ではなかった。

春川に代わって名乗りをあげたのが高霊郡であった。加耶大学校の李慶煕総長がこの説の主唱者で、1999年6月28日に「高天原故地」と記された石碑が建立された。


李慶煕の主張


この節に雑多な内容が羅列されています。事項を箇条書きで列挙しただけの節は、本文として組み入れるか、または整理・除去する必要があります。(2010年10月)


李慶煕総長の主張によると

高皇産霊尊は、高と霊の字が含まれるので、高霊郡で誕生した[1]。

東国與地勝覧に書かれている伽耶の天神夷毗訶の次男伊珍阿豉(イジンアシ)はイザナミと発音が似ている。そのため、伊珍阿豉はイザナミである。

任那の任は現代の韓国語で「主人」「母」を意味する。そのため、任那は『主人の国』や『母なる国』を意味する。

高千穂の添山(そおりやま)は韓国の首都ソウルと発音が似ている。そのため、添山はソウルを指す。


と、いうことだそうである。

これらの主張は、2001年に訪韓した筑波大学の馬渕和夫名誉教授らの賛同を得ている。このとき、馬渕教授は李総長の主催する学会で「朝鮮民族が日本を征服し大和王朝を建てた」と発表している[2]。


脚注
1.^ 以下、特に論評はしない。
2.^ 『韓国 堕落の2000年史―日本に大差をつけられた理由』 加耶大学校客員教授 崔基鎬 著
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E5%A4%A9%E5%8E%9F%E6%95%85%E5%9C%B0%E7%A2%91
http://www.asyura2.com/15/china6/msg/675.html#c38

[近代史02] 弥生人の起源 _ 自称専門家の嘘に騙されない為に これ位は知っておこう 中川隆
140. 中川隆[-13636] koaQ7Jey 2018年11月21日 11:37:42 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20959]

高天原故地碑

高天原故地碑(たかまがはらこちひ)は、大韓民国慶尚北道高霊郡の加耶大学校内にある石碑。日本神話の天津神が住む高天原は、ここであると記されている。


慶尚北道 高霊郡 地図
https://map.konest.com/daddr/4783034032


高天原は実在の地域を反映しているとする説は古くから存在し、第二次大戦後は主としてアマチュア研究家によって朝鮮半島説も唱えられることがあった。当初その比定地とされたのは、戦前から一部の研究家によってスサノオが立ち寄ったという新羅のソシモリの候補とされた、『冬のソナタ』のロケ地として知られる江原道春川市であって、慶尚北道高霊郡ではなかった。


春川に代わって名乗りをあげたのが高霊郡であった。加耶大学校の李慶煕総長がこの説の主唱者で、1999年6月28日に「高天原故地」と記された石碑が建立された。


李慶煕の主張


この節に雑多な内容が羅列されています。事項を箇条書きで列挙しただけの節は、本文として組み入れるか、または整理・除去する必要があります。(2010年10月)


李慶煕総長の主張によると

高皇産霊尊は、高と霊の字が含まれるので、高霊郡で誕生した[1]。

東国與地勝覧に書かれている伽耶の天神夷毗訶の次男伊珍阿豉(イジンアシ)はイザナミと発音が似ている。そのため、伊珍阿豉はイザナミである。

任那の任は現代の韓国語で「主人」「母」を意味する。そのため、任那は『主人の国』や『母なる国』を意味する。

高千穂の添山(そおりやま)は韓国の首都ソウルと発音が似ている。そのため、添山はソウルを指す。


と、いうことだそうである。

これらの主張は、2001年に訪韓した筑波大学の馬渕和夫名誉教授らの賛同を得ている。このとき、馬渕教授は李総長の主催する学会で「朝鮮民族が日本を征服し大和王朝を建てた」と発表している[2]。


脚注
1.^ 以下、特に論評はしない。
2.^ 『韓国 堕落の2000年史―日本に大差をつけられた理由』 加耶大学校客員教授 崔基鎬 著
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E5%A4%A9%E5%8E%9F%E6%95%85%E5%9C%B0%E7%A2%91

http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/547.html#c140

[昼休み54] 『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった 中川隆
33. 中川隆[-13638] koaQ7Jey 2018年11月21日 12:30:20 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20962]

日本の経済の専門家は頭がおかしい

経済コラムマガジン 2017/12/11(966号)
日本の経済の専門家はおかしい


日本の経済論壇の「闇」は深い

筆者は、

16/3/28(第885号)「終わっている日本の経済学者」
http://www.adpweb.com/eco/eco885.html


などで日本の経済学者やエコノミスト、そして日経新聞の論説委員等を批判してきた。これらの日本の経済の専門家が言っていることが「おかしい」と思うからである。また筆者は何となくこの原因を分っているつもりである。

日本経済の低成長の原因は慢性的な需要不足と先週号で説明した。しかし日経新聞の論説委員を始め日本の経済の専門家は、どうしても原因を需要不足とは認めないのである。そこで彼等は、低成長の原因を人手不足や低い生産性など供給サイドの話で誤魔化している。


だから人手不足を示すデータをやたら強調したがる。また間抜けなエコノミストの中には「日本は完全雇用状態」と言って譲らない者までいる。しかし先週号で述べたように、本当に日本が人手不足ならもっと賃金が上昇しているはずである。

それどころか全てのメガバンクが大きなリストラ計画を発表している。大手銀行の事実上の定年は52〜53才という話は昔聞いたことがる。ところがそれが最近では、どうやら50才程度までに早まっているという記事を日経新聞が掲載している。日経新聞にはこのような矛盾した話が満載である。そこで今週はこのような矛盾した話を二つ取上げる。


日本の経済成長率は、内閣府から国内総生産(GDP)の情報として定期的に公表されている。日経新聞などのメディアは、この数字の推移に基づき経済成長の様子を解説している。内閣府が公表するのは「消費、投資(設備・住宅)、政府消費、公共投資、輸出・輸入」と需要の項目毎の数字とそれらの合計である。日本経済成長率はこれらの需要項目の数字を積上げて算出されている。

日経新聞などメディアのこれに対する分析と解説は、例えば「天候不順で消費が落込んだ」「半導体の需要が好調なので設備投資が増えた」「予算消化が進まず公共投資が減った」「円安と中国の景気持直しで輸出が増えた」といった具合である。注目されるのは全てこれらは需要サイドの話ということである。まさに先週号で述べたように「需要で日本の経済成長は決まる」のである。日本の生産性が上下したことが原因で経済成長率が変動したといった話は一切出ない。これは当たり前の話であり、需要が増えれば当然のこととして工場や商業施設の稼働率が上がり生産性が上がるのである。


ところが日本の経済の専門家は、日経新聞などで日本経済の成長に関しては「生産性の向上が必須」「生産力の増大が必要」と供給サイドのことしか言わない。したがって彼等は「設備投資を喚起する政策が必要」「家庭の主婦も職場に狩出すような政策が必要」といった主張を繰返す。つまり日本の経済成長を決めるのは全て供給サイドという話になっている。

ところが同じ日経新聞の紙上では、前述の通り日本の経済成長を全て需要サイドだけで分析・解説して見せるのである。明らかに日経新聞や日本の経済の専門家の経済成長に関する論調は矛盾している。筆者は、もっと辛辣に「日経新聞と経済の専門家は頭がおかしくなっている」と言う他はないと思っている。

不思議なことに、日本の経済論壇では誰もこのような矛盾を指摘しないし問題にもしない。しかし「おかしい」と指摘する経済学者やエコノミストがいることを筆者は知っている。ところがこのような声をほとんどの日本のメディアは取上げない。まことに日本の経済論壇の「闇」は深いと言える(日本のメディアもおかしい)。


算出方法がおかしいデフレギャップ

もう一つの「日経新聞と経済の専門家は頭がおかしくなっている」ことを示す事例は、日本のデフレギャップの認識である。これに関しては日本の潜在成長率も関係する。筆者は

06/2/27(第426号)「潜在GDPとGDPギャップ」
http://www.adpweb.com/eco/eco426.html

06/3/6(第427号)「GDPギャップのインチキ推計法」
http://www.adpweb.com/eco/eco427.html


で、これらの算出方法がおかしいと指摘して来た。しかし今日でもこのインチキな算出方法が続いているのである。

日本のデフレギャップを政府はわずか1〜2%と公表して来た。それどころか直近ではデフレギャップがなくなり、逆にインフレギャップが生じたと驚くようなことを言っている。ところが誰もこれを「おかしい」とは指摘しない。


デフレギャップを文字通りに解釈すれば、供給力が需要を上回る場合の両者の差額ということになる。たしかに理論上では、これがゼロになることは有りうることである。しかしこれがマイナスになり、逆にインフレギャップが発生したのだからただごとではない。

これも文字通りに解釈すれば、日本全体で需要が生産力を上回ったことになる(一部の特定の企業に限るなら有り得る現象である)。これはちょっと有り得ないことであり、少なくとも日本の景気が超過熱状態ということを意味し、当然、物価は高騰しているはずである。ところが日本経済は低迷し、物価は一向に上がっていない。日銀なんて、物価上昇率の達成目標年度を毎年延期しているほどである。


結論を言えば、筆者が何回も指摘してきたようにデフレギャップや潜在成長率の算出方法がおかしいのである(実際のデフレギャップはずっと大きい)。しかし関係者がこれは「おかしい」と気付いているのか不明である。また「おかしい」と気付いていたとしても修正する気があるのか、これも不明なのである。

それにしてもこの怪しいデフレギャップを基づき経済政策が実施されることが問題である。構造改革派と見られるある経済閣僚は、日本のデフレギャップや潜在成長率が著しく小さく算出されていることを知らないと思われる。この大臣は「日本の経済成長率を上げるには潜在成長率を大きくする他はない」と言っているようだ。

日本のデフレギャップや潜在成長率を著しく小さく算出している裏には、日本経済の問題点を需要サイドから供給サイドにスリ変える意図が見える。これには財政再建派も悪乗りしている。もし需要サイドの問題、つまり需要不足が認められると財政支出による需要創出という話が避けられなくなると財政再建派は思っている。


デフレギャップや潜在成長率の算出方法や認識の違いには、理論経済学上の対立の影響も垣間見られる。先週号で、古典派(新古典派)経済学に基づく構造改革派と財政再建派、そして財政による需要創出の有効性を唱えるケインズ主義の積極財政派という分類を行った。デフレギャップや潜在成長率を異常に小さく算出している経済学者やエコノミストは、古典派(新古典派)経済学の信奉者と見て良い。

そもそも古典派(新古典派)経済学ではデフレギャップという概念は存在しない。古典派(新古典派)経済学の理論的な根幹をなす「セイの法則」では、作った物は全て売れることになっている。したがってパラメーターが動き価格メカニズムが機能すれば、失業者や生産設備の遊休は発生しないことになっている。

古典派(新古典派)経済学の世界では、自然失業率以上の失業は労働者の技能が劣るからであり、需要拡大策ではなく職を得るための教育訓練が必要と説く。また遊休状態の生産設備は、既に陳腐化していて使い物にならないから廃棄すべきと考える。たしかに「セイの法則」からは、このような結論が導き出される。
http://www.adpweb.com/eco/


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2017年12月9日濫用される経済論理
From青木泰樹@京都大学レジリエンス実践ユニット・特任教授


「金融政策だけでなく、財政出動との両輪で景気を刺激すべきだ。日銀が保有する国債のうち、約50兆円を無利子の永久国債に転換する。償還の必要をなくすわけだ。政府はこれを受け、防災対策などに10年間で100兆円のインフラ投資をする」。

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20171126&ng=DGKKZO23912410V21C17A1EA5000

この真っ当な提言は、三橋さんも取り上げていましたが、元日銀審議委員で景気循環学会の中原伸之会長が、日経新聞紙上で黒田日銀の評価を求められた際に発したものです。

https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12331985979.html

以前、「日本の財政破綻は考えられない」と堂々と主張するコラムニストが日経新聞に登場したことを紹介しましたが、遂に経済学界の重鎮の中にも正論を述べる人が出てきたことに驚きました。

リーマン・ショック前であれば信じられないことです。

「ケインズは死んだ」と考える経済学者が大勢を占める中、おそらく、そんなことを言ったら袋叩きにあったでしょう。

やはり時代は変わりつつあります。

いまだ少数にすぎませんが、経済通念の色眼鏡を外して現実を直視する人たちが各方面から現れてきたことは喜ばしい限りです。

衆院選後、2019年10月の消費税率2%引き上げを既定路線とする財務省による緊縮財政の攻勢に対し、それに立ち向かう政治勢力が存在しないという閉そく状況が続きますが、そんな中で一筋の光を見た気分です。

三橋新聞をはじめとする多くの経世済民思想の普及に努めるブログの論者たちの活動が、徐々にではありますが、世間に影響を及ぼしつつあることに疑いはありません。

僅かでも可能性が残されているのなら、決して日本の将来を諦めてはならないでしょう。

私自身も言論活動の一環として、国民・国家を無視した主流派経済学に依拠する学者の政策提言に対し批判を続けてまいりました。

2004年に発刊した『動態経済分析への道』においては独自の貨幣理論に基づき、国債問題の誤解、PB赤字を問題視する無意味さ、インフレ・ターゲット論の欠陥、構造改革論の誤謬等について論じました。

その中で財政問題に関しては、「期首における巨額と言われる国債残高およびプライマリー赤字の問題は、現行の日本経済の規模からして許容範囲内であって危機に瀕している状態ではない。危機に瀕しているものがあるとすれば、政府の債務を個人の債務と同一視させ、景気動向を顧慮することなくいたずらに危機感を煽りたてる思想それ自体であろう(前掲書p.145)」と結論づけました。

http://amzn.asia/95CFNmC

それ以降の著作において、細部の論理を彫琢し、かつ新たな論点を導入してまいりましたが、大筋のヴィジョンは以前と全く変わりません。

こと経済学に関して言えば、「経済理論を現実に直接適用することはできない。もしそうした論理の濫用が行われれば国民経済は大打撃を被る」という見方です。

当たり前のことですね。現実は理論の前提を満たしていないのですから。

そこで何とか現実に適用できるように「理論の側」で工夫を施さねばなりません。

理論と現実を橋渡しする論理の構築、いわばワンクッション必要なのです。

そのため私は既存の主流派理論とは別の枠組みが必要だと考え経済社会学研究を続けて参りましたが、大半の主流派学者はその必要はないと考えているようです。

私は「理論で説明できない現実が間違っているのではなく、現実を説明できない理論が間違っている」と考えますが、彼らの考え方は正反対です。

理論が常に正しいと考えてしまうのです。その結果、彼らは必ず現実を見誤るのです。

今回は、そのような例を三つ紹介しましょう。

「日本が財政破綻しないのは人々が無知だからだ。もしも人々が経済学の教え通りに合理的に行動するならば、日本は財政破綻するはずだ。人々がそれに気付く前に増税と歳出削減で財政再建を目指せ」と唱える著名な財政学者など、その典型例でしょう(下記参照)。

http://amzn.asia/52I7reO

現実が間違っているから、人々が非合理に行動するから、今のところ財政破綻しないと言っているのです。

合理的経済人なら、政府の債務を「自分の将来の債務」と考えて行動するものだと。

「政府の財布」と「自分の財布」を同一視するのだと。

そう合理的に考えれば、巨額な政府債務を抱えている状況で、これ以上の債務増加を容認できるのか。できるわけがない。

合理的経済人なら新規国債の発行に反対するのが当然だろう、と続くわけです。

もちろん本当のところは、政府の債務は「民間の資産」であり、将来世代の負担にもならないことは以前のコラムで指摘した通りです。
https://38news.jp/economy/11393




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>>1 の続き

誰にもわかるように、政府の懐具合を自分の懐具合と同一視する人など現実社会には存在しません。

おそらく当の財政学者でさえ、政府の債務は自分の債務と同じであると考えて消費活動をしているわけではないでしょう。

にもかかわらず経済論理に偏重し、現実の経済人と合理的経済人の区別がつかなくなっているのです。

次の例は、

「消費の伸び悩みの原因は将来不安にある。年金・保険、福祉といった社会保障制度が財政難で今後維持できるかどうか懸念されている。そのため人々は将来に備えて貯蓄を増やし消費を抑えている。将来不安を取り除くためには財政再建が急がれる。増税と歳出削減をためらってはならない。財政再建に注力すれば消費は上向く」

という論説です。新聞でよく目にするでしょう。

実は、これは「非ケインズ効果」に基づいた話です。

財政出動や減税をすると所得が増えて消費も増加するというのがケインズ効果ですが、逆に歳出削減や増税によって財政再建を目指すと、民間人は「将来の負担が減る」と考え「現在の消費を増やす」という理屈が非ケインズ効果です。

前の財政学者の例と比べると、現実の経済人の想定が逆ですね。

今度は人々が将来を予測して現在の消費行動を決めている、すなわち合理的に行動しているから消費が伸びないと言っているのです。

いわゆる「フォワード・ルッキングな期待形成」をする人間を想定しています。

非ケインズ効果は財務省が増税を正当化する論理として一時期よく言及していましたが、日本での実証結果が思わしくなかったために下火になりました。

最近は社会保障不安に結び付けた形で御用学者に発言させているようです。

もちろん、日本で非ケインズ効果が存在しないことは現実的観点から明らかです。

二点指摘しておきましょう。

2016年9月の日銀による金融政策の総括的検証(日銀総括)において、日本人の大半は過去の経験と現在の状況から将来を予想する傾向があることが実証されたと以前お話ししました。


ほとんどの日本人は、いわゆる「適合的な期待形成」をしているのです。

将来予測から現在の行動を決定しているのではありません。

不確実性の存在する世界では、それが現実的かつ妥当な行動なのです。

なぜなら、完全情報を有する合理的経済人のように将来を正確に見通すことはできないからです。

現在の懐具合を見て消費額を決めるのですから、増税によって可処分所得が減れば消費も減るのが現実なのです。まさにケインズ効果が作用していると言えます。

もしも非ケインズ効果が作用しているのなら、2014年の消費税増税以降、消費が増加しGDPも増加しなければならないはずですが、消費の低迷がいまだに続いているのが現実です。

非ケインズ効果は経験的事実と明らかに矛盾しているのです。

より長い視野で捉えても同様です。

非ケインズ効果が作用しているなら、ここ20年間の財政再建を目指す緊縮財政路線によって将来不安は一掃され、日本経済は力強く成長したはずです。少なくとも消費が増えていなければならない。

ところが現実はどうであったでしょう。

言うまでもなく、現実は先進諸国の中で唯一、長期停滞に陥った国となったのです。

三つ目の例は、リカードの比較優位説(比較生産費説)に関する誤解です。

これは自由貿易の利益を明らかにした論理であり、ほとんどの学者が同意する基本的な考え方であると思われています。

しかし、比較優位説は、「限定された状況下での分業の利益を示す論理」にすぎません。

問題は、限定された状況下でしか成立しないにもかかわらず、一般的に成立すると誤解している人があまりに多いことです。特にマスコミ人や政治家に。

「国際分業の利益は比較優位説より明白であるから、TPPをはじめとする自由貿易の推進は国益にかなう」といった日経新聞の論説やコラムを見る度に辟易します。全くわかっていない。

確かに、比較優位説はミクロレベルで分業の利益を考える場合、かなり説得力を持つ理屈です。

よく使われる例として、教授と秘書が「論文を書く仕事(A)」と「タイプを打つ仕事(B)」の役割分担を考えているとしましょう。

教授はAもBも秘書より優れているのですが、一度に二つの仕事をこなせません。二兎は追えない。

このとき重視されるのが機会費用の概念です。それは「獲得利益と逸失利益を比較して利益の大きい方を選択しましょう」という考え方です。

この例ではAの仕事をするとBからの利益が失われますから、それが機会費用になります(逆は逆です)。

教授にとって「Aの利益>Bの利益」であれば、Aを選択しBを他者に任せるのが有利です。

この場合、秘書にとって「Aの利益<Bの利益」であるという制約条件が満たされれば、教授と秘書の双方に分業の利益が生じるという話です。

ただし一般に知られていないは、教授の下で秘書が研究を重ねて成長し、秘書にとっても「Aの利益>Bの利益」となったら分業は成り立たないことです。

秘書が成長せずに、何時までたっても「Aの利益<Bの利益」でなければ、比較優位説は成り立たないのです。

翻って、マクロレベルではどうでしょう。

比較優位説に基づく国際分業の利益は、2国2財モデルにおいて、各国が次の条件を満たす場合にのみ発生します。

労働だけが唯一の生産要素であること、完全競争により労働コスト(賃金)が同一であること。さらに各国は経済発展しない、技術進歩もしないことが必要となります。

現実経済がこれらの諸条件を満たさないことは明らかでしょう。

比較優位説を「経済学の大原則」と位置づけ、自由貿易の利益を吹聴する人たちがいますが、それは学問的に滑稽(こっけい)なことなのです。

三つの例から明らかなように、経済論理の教えは金科玉条のように奉るものではなく、現実分析への一里塚にすぎないのです。

「理論が成立するためには、その前提条件が満たされる必要がある」という当たり前のことが周知される時代に早くなってほしいものです。




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2017年12月11日【三橋貴明】存在しない問題

現在の日本は、需要で満ち溢れています。

厳密には「潜在」需要ですが。

橋の維持管理に限っても、今後五十年で
27兆円もの「需要」があるのです。

ただし、誰もおカネを出さなければ需要は
「潜在需要」のままで終わります。

人々が飢えている。

食料や水に対する需要はある。

とはいえ、誰も食料や水のために
おカネを出さなければ、潜在需要は
「潜在」のままに過ぎません。

もちろん、国民に十分な「所得」がない場合は、
需要に対する支出はできません。

日本国には、たった一つだけ、
「所得」を無視して支出することが可能な存在があります。

すなわち、政府です。

政府は子会社の日本銀行に日銀当座預金、
現金紙幣といったおカネを発行させることができます。

あるいは、政府自ら政府支出や
政府硬貨を発行しても構いません。

日本政府が「一兆円玉」を30枚発行し、
日本銀行に持っていく。

日本銀行は、一兆円玉x30(=30兆円)の
資産を取得した代償に、政府に
日銀当座預金(政府預金)30兆円を支払う。

政府は、30兆円の政府預金を担保に、
橋の維持管理を発注し、代金を政府小切手で支払う。

上記のプロセスにおいて、
政府に「負債」は増えません。

問題になるのは「インフレ率」のみですが、
現在の日本はデフレです。

政府が30兆円の国債を発行する、
あるいは政府紙幣、政府硬貨を発行することで、
橋の維持管理という需要を満たそうとしたとして、
何が問題あるのか。

何にも問題がない。これが真実です。

無論、一気に30兆円もの橋の
維持管理を政府が発注すると、
さすがに入札不調が相次ぐことになるでしょう。

毎年5000億円を、五十年間
発注し続ければいいだけの話です。

毎年5000億円の需要が、今後、
五十年も継続するとなると、土木・建設会社は
絶好の「ビジネスチャンス」ということで、
設備投資、人材投資を継続していくことになります。

さらに、橋の補修を目的にした技術投資も、
一気に進むでしょう。

橋補修の生産性は向上し、
働く人々の実質賃金も上昇します。

日本はただ単に、インフラの補修という
最低限の支出を政府がするだけで、
デフレ脱却と生産性向上、技術革新、実質賃金上昇の
全てを実現することができるのです。

政府が老朽化したインフラを補修するという、
最低限の支出をするだけで、他の先進国を
上回る経済成長を実現することが可能。

何と、楽な状況なのでしょう!

それにも関わらず、日本政府は、

「国の借金で破綻する!」
「日本は財政破綻する!」

といった「存在しない問題」に足を採られ、
最低限、必要な支出すらできず、
世界経済の落ちこぼれと化していっているのです。

何と、情けないことか・・・。

このままでは、我々は日本国のインフラ整備のために
汗を流し、努力を重ねた先人に顔向けができないまま、
この世を去ることになります。
https://38news.jp/economy/11399



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経済コラムマガジン 2017/12/18(967号)

経済論議混迷の根源はNAIRU


卑怯な言い訳を行う経済学者とエコノミスト

デフレギャップの推計には、

06/3/6(第427号)「GDPギャップのインチキ推計法」
http://www.adpweb.com/eco/eco427.html


で取上げた「可変NAIRUアプローチ」という方法がある。NAIRU(Non-Accelerating Inflation Rate of Unemplayment)とはインフレ非加速的失業率のことである。これを自然失業率、つまり長期的にインフレ率に関係なく一定水準で存在する失業者の割合と同じという見方がある。

例えば失業率が5%であっても、自然失業率が3%であれば、実際の失業率は両者の差である2%と見る。もしこの2%の失業が解消すれば、実質的に失業者はいなくなり完全雇用ということになる。またこの状態(自然失業率の3%)でさらに追加の求人があれば、賃金率は上昇しインフレになるという認識である。


日本のデフレギャップの推計はこのインフレ非加速的失業率(自然失業率と言って良い)を念頭に行われている。また潜在成長率の推計はこのデフレギャップを元に算出される。失業率がインフレ非加速的失業率まで下がればデフレギャップはゼロになると解釈される。

デフレギャップがゼロになった状態で追加的に需要が増えても、賃金が上昇するので名目GDPが増えても実質GDPは増えないという考え方がある。つまり財政政策による需要創出は物価が上昇するだけなので無駄と見なす。したがってデフレギャップがゼロに近付けば、これ以上の経済成長のためには生産性を上げるしかないと主張する。

またデフレギャップや潜在成長率は内閣府や日銀など政府の機関で算出されているので、これらは公式の経済数字として扱われる。つまりこれらの数字は日本の経済政策に深く関わっていると言える。また多くの経済学者やエコノミストも同様の手法でデフレギャップを捉えている。日経新聞などには、これらの数字を絶対的なものと見なす論説ばかりが目立つ。


特に考えが固い経済学者は、デフレギャップがゼロの状態で少しでも需要が増えると、物価が止めどなく上昇するという。

04/11/1(第365号)「妄言・虚言の正体」
http://www.adpweb.com/eco/eco365.html

で紹介したA教授はその典型であろう。A教授は「1兆円も財政支出を増やすと日本でハイパーインフレが起る」「私のシミュレーションプログラムでは、物価がどんどん上昇し計算不能に陥る」と言って引下がらない。どうもデフレギャップがゼロの状態が「閾(しきい)値」になっているようだ(まさにルーカス方程式)。またA教授が内閣府でも働く官庁エコノミトでもあることから、内閣府の現状認識が垣間見られる。

しかし驚くことに公表されるデフレギャップがゼロに近付き、それどころかマイナスとなった(逆にインフレギャップが発生)。ところが賃金が上がらず物価も一向に上昇しないのである。これが日本経済の現実の姿である。おそらくこれらの間抜けな面々にとっては信じられないことである。

そこでこれらの経済学者やエコノミストは、極めて卑怯な言い訳を行う。例えば「同じ可変NAIRUアプローチを使っても、研究者によってデフレギャップや潜在成長率の推定値に多少幅がある」「デフレギャップがゼロになると物価が上がりやすくなるだけ(必ず上がるとは言っていない)」と言った具合である。彼等は自分達の考え(経済理論)が根本的に間違っていることは絶対に認めない。そのうち本誌でも取り上げるが、認めると「まずい」のであろう。


NAIRUが潜在成長率を決めている

まずデフレギャップを失業率、つまり労働サイドだけに偏重して算定することがおかしい。供給力を規定する生産関数は、労働・資本・生産性の三要素ということになっている。しかしこれらの経済学者やエコノミストは労働と生産性をことさら重視するが、資本、つまり生産設備についてはほとんど触れない。

これについては

02/12/2(第276号)「日本のデフレギャップの怪」
http://www.adpweb.com/eco/eco276.html

で取上げた。生産関数に関し、経済企画庁時代の80年代及び90年代の労働への分配率は0.54から0.58であり、資本への分配率は、0.42から0.46であった(同じ年の両者を合計すると1.00になる)。ところが2001年度の「経済財政白書」では、資本のウエートがいきなり0.33に引下げられ、労働への分配率が0.67と大幅に引上げられている。これは伸びの低い労働(就業者数は、1970年から2000年では1.2倍にしか増えていない)への分配率を大きくしデフレギャップを小さく算定するためのトリックと故丹羽春喜大阪学院大学名誉教授は推察していた。おそらく資本軽視(労働重視)の流れは、最近もっと酷くなっていると筆者は認識している。実際のところ

06/3/6(第427号)「GDPギャップのインチキ推計法」
http://www.adpweb.com/eco/eco427.html


で述べたように、日本の設備稼働率は低く経済産業省の調査統計部経済解析室のIIPの稼働率指数担当者に直接聞いた話では72〜74%で推移していた。


また

02/7/15(第260号)「セイニアリッジ政策への反対意見」
http://www.adpweb.com/eco/eco260.html


で取上げたように、この話を裏付ける大手製造業に対するアンケート結果が日経新聞の02年7月8日の一面トップに掲載された。需要が増えた場合の増産方法を問うものであった。回答は複数回答であり、なんと驚くことに、断トツで第一位の回答は76%の「既存設備の活用、稼働率の引上げ」であった。おそらくこの余剰生産力は今日でも保持されていると筆者は思っている(原発が止まっても遊休状態の火力発電所を動かしたように、ある程度の余剰生産力を持っている)。

つまり日本の生産力は5〜10%程度の需要増に即座に対応できると思われる。しかも需要増による物価の上昇はほとんど考えられないのである。つまり今日のデフレギャップや潜在成長率の認識と議論は全く現実離れしている。


06/2/27(第426号)「潜在GDPとGDPギャップ」
http://www.adpweb.com/eco/eco426.html


で述べたように政府系エコノミストはGDPの過去の実際値の平均値や、景気動向指数を使って「潜在成長率」を算出している。つまりこれでは、大きく経済が落込こみ、かつその状態が長く続いた場合、落込んだ状態が普通、あるいは正常と見なすことになる。当然、デフレギャップはものすごく小さく算出される。特に日本経済はバブル崩壊、橋本政権の逆噴射財政政策、リーマンショックなどによる急激な落込みを経験している。

しかもその正常時とやらの失業率をNAIRU(インフレ非加速的失業率)と見なしている可能性がある。特に最近の労働偏重のデフレギャップの算出方法を考えると、極端な話、このNAIRU(インフレ非加速的失業率)だけでほとんど潜在成長率も決まることになる。


これらの一連の話に表立って「異」を唱えていたのは、筆者が知る限り故丹羽教授だけであった。唯一の例外は数年前に日経新聞の大機小機欄に掲載された「不況は潜在成長率を下げる」という「カトー」氏のコラムである。

17/11/13(第962号)「これからの重大な政治課題」
http://www.adpweb.com/eco/eco962.html


で述べたように、虚言・妄言が溢れる日経新聞にあって、「カトー」氏は「唯一まともで良識のある執筆者」と筆者は評価している。

まず「カトー」氏は、内閣府、日銀の両方とも、潜在成長率のNAIRUを使った推計値は信頼性が低いと指摘している。次に不況によって潜在成長率が下がっていることが考えられると言う。潜在成長率の低下は需要不足によるところが大きいと述べ、拡張的なマクロ政策が必要と説く。さらに「履歴効果」にも言及している(これについては来週号)。最後に「カトー」氏は消費増税などはもってのほかと締めている。
http://www.adpweb.com/eco/

[32初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数、規定違反多数により全部処理



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経済コラムマガジン 2017/12/25(968号)

狙いは需要創出政策の阻止


勝手に意味をスリ変え

ここ数週に渡りデフレギャップや潜在成長率などを取上げてきたが、これに関する議論が混乱していることを説明した。混乱の原因は、同じ経済用語でも使う者によってその意味が異なるからと筆者は考える。特に主流派と言われる経済学者やエコノミストが問題である。この違いをはっきりさせないまま彼等は勝手に議論を展開する。

そもそも彼等は経済論議を深めようといった意思を全く持っていない。もし議論を深めるつもりなら、最初に使う経済用語の意味や定義をはっきりさせる必要がある。しかし始めから議論なんかするつもりがないので、主流派の経済学者やエコノミストはこの重要なプロセスを省略し、一方的に片寄った持論を押付ける。日経新聞などはこの手のプロパガンダまがいの論説で溢れている。これら対し「おかしい」という意見を日本のメディアはまず取上げない。唯一の例外は、日経新聞では「カトー」氏のコラムぐらいである。


彼等と筆者達ではデフレギャップや潜在成長率の認識が異なる。筆者達は実際の供給力の天井と現実の名目GDPの差がデフレギャップと捉え、そのデフレギャップを元に算出した最大可能な成長率が潜在成長率と認識している。日本の供給力の天井は、主流派の経済学者やエコノミストが想定しているよりずっと高いというのが筆者達の主張である。

デフレギャップが1〜2%とか、ましてやデフレギャップがマイナスになる事態(つまりインフレギャップの発生)なんて絶対に考えられない。おそらく彼等は、日本ではなくインフレが常態化している中南米やアフリカなどの経済を想定した経済モデルでも使っているのであろう(あるいは「セイの法則」がある程度通用した19世紀の経済を想定)。


ところが今日、デフレギャップが極小(彼等のばかげたデフレギャップの算出方法で)となったにもかかわらず、一向に物価が上昇しない現実に直面している。先週号で述べたように、困惑した主流派の経済学者やエコノミストはデフレギャップのゼロの意味を「必ず物価が上がる」ではなく「上がりやすい状況になる」と卑怯にも勝手にスリ変えている。その程度の話なら、何故、彼等がこれまでデフレギャップや潜在成長率をことさら取上げて来たのか意味がない。

筆者は、政府機関は人心を惑わせるこれらの数字の算定を即刻止めるべきと言いたい(少なくともこれらのデタラメな経済数字の公表はするな)。もっとも主流派の経済学者やエコノミストの意図は見え透いている。人々(政治家を含め)が需要不足に関心が向かないないよう、供給サイドがパンク状態ということを強調したいのであろう。要するに財政出動による需要創出政策を阻止することが真の狙いと見られる。


先週号で説明したように、日本のデフレギャップや潜在成長率は、NAIRU(インフレ非加速的失業率)を意識して算出されている。この詐欺的な算出方法に同調する日経新聞は、日本中の人手不足の現場を必死になって捜し回って記事にしている。人手不足だからこれ以上の需要創出政策は不要と言いたいのであろう。

しかし人手不足の職場は、不正規雇用が中心で低賃金のところばかりである。例えば時給1,000円のアルバイトが足らないといった類の話になる。このような職場には、外国人の労働者が目立つのですぐ分る。しかし日経新聞を始め、日本のメディアは「時給1,000円」の意味を考えない。年間2,000時間も働いても(日本の正規雇用労働者の年間労働時間の平均はもっと少ない)、たった2百万円の収入にしかならない仕事である。一時的、あるいは片手間で働くのなら別だが、外国人を除けばそのような職場に人が集るわけがない。

もう一つの人手不足の現場は、昔から人々が敬遠する3Kの職場である。特に団塊の世代が引退しているので人手不足が顕在化している。ところがまだ有効求人倍率を見て、日本は完全雇用と言っている間抜けなエコノミストがいる。しかし求人の中にどれだけ多くの「ブラック職場」が含まれているか彼等は関知しないようだ。


履歴効果に負けないために

観念論者が唱えるNAIRU(インフレ非加速的失業率)や自然失業率を使ったデフレギャップや潜在成長率の算定方法が、「おかしい」という声はとうとう米国でも起っている。失業率が完全雇用に近いと言われるレベルまで下がっているのに、米国でも一向に物価は上昇しないし賃金の上昇も鈍い。特にこれを気にしているのが米FRBである。

16/8/22(第904号)「芥川賞受賞作「コンビニ人間」」
http://www.adpweb.com/eco/eco904.html


で述べたように、求人が増えているといっても「雇用の質」が問題とイエレンFRB議長は適確な指摘をしている。米FRBが金融政策の転換に慎重なのも、このような米国の雇用情勢が影響している。移民が多く新興国並の需要がまだ期待できる米国でも、自然失業率というものに対する疑問が呈されているのである。米国より経済が成熟し高齢化が進む日本で、NAIRU(インフレ非加速的失業率)を意識した議論がまかり通っていることの方が異常である。


そして日本経済が長く不調を続けることによって、本当の経済力を失うことを心配する声がある。先週号で紹介した「不況は潜在成長率を下げる」という「カトー」氏のコラムである。ここで言う潜在成長率は、NAIRU(インフレ非加速的失業率)に基づいて算出されるインチキ潜在成長率ではなく、本当の意味での日本の潜在的な成長力と筆者は理解している。ケインズが言っていた資本主義経済における経営者のアニマルスピリットみたいなものと考えて良い。

たしかにここ30年間を見ても、経済が上向くと「次は財政再建だ」という声が必ず上がり、緊縮財政に転換し日本経済の成長を阻止する動きが起った。例えば異次元の金融緩和と大型補正予算で13年度は日本経済が上向いたが、14年度の消費増税と補正予算の大幅削減で日本経済は沈んだ。このようなことを続けていては、経営者のアニマルスピリットが萎えるのは当たり前である。

また「カトー」氏は同コラムでサマーズ元財務長官の「履歴効果」を引合いに出している。「履歴効果」とは「不況が長引くと物的資本や人的資源への投資が減少し、不況の影響が履歴のように潜在成長率に残っていく」というものである。そして「カトー」氏は「履歴効果のことを考えると、潜在成長率の低下は需要不足によるところが大きい」と指摘している。したがってこの対策には拡張的なマクロ政策が必要と「カトー」氏は結論付けている。


サマーズ元財務長官は

14/6/30(第803号)「サマーズとトマ・ピケティ」
http://www.adpweb.com/eco/eco803.html

14/7/28(第807号)「三教授のサマーズ論の解説」
http://www.adpweb.com/eco/eco807.html

で紹介したように、「米国経済の長期停滞論」を展開している。サマーズ氏は、米国のデフレギャップが10%以上あると主張している。つまりNAIRU(インフレ非加速的失業率)や自然失業率を使ったデフレギャップの算出方法を完全否定しているのだ。したがってこれでは賃金が上がるはずがないとサマーズ氏は指摘している。

米国のデフレギャップが10%なら、生産設備の稼働率が米国より常に10%程度低く推移していた日本のデフレギャップは15〜20%程度と見て良いと筆者は思っている。またサマーズ氏は、「履歴効果」に負けないためには需要創出のマクロ政策が必要と説いている。ただし需要創出は財政政策を中心にすべきと主張し、金融緩和政策に偏重することをサマーズ氏は警戒している。

これは金融緩和政策への偏重によるバブル生成とバブル崩壊を危惧するからである。またサマーズ元財務長官は、米国だけでなく日本の経済政策にも同様のことが言えると指摘している(金融政策偏重に警鐘)。この意見に筆者は賛成である。しかし日本の来年度の予算編成を見ても、とても十分な財政政策が組込まれているとは思われない。筆者は新規国債発行による大胆な財政政策を主張してきた。しかし残念ながら、日本ではこれからも金融政策に偏重した政策が続くのである。
http://www.adpweb.com/eco/


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2017年12月25日
日本企業の格付け世界最強になっていた 資本移動で日経2倍もあり得る


日本企業の多くが無借金で米国より格付けが高く、成長余地が大きい
引用:https://www.nikkei.com/content/pic/20170613/96959999889DE3E5E7EAE5EAE2E2E3E0E2E4E0E2E3E5968693E2E2E2-DSKKZO1758781012062017DTA000-PB1-2.jpg


日本企業いつの間にか世界最強になっていた

2017年は日本企業の不祥事が相次いで、「日本企業がだめな理由」みたいな事が語られていた。

だがその裏で実は日本企業の体力は強化され、欧米企業より潜在力が高まり将来有望になっていました。

日経新聞によると日本企業の格付けはA以上が75%に達し、約40%のアメリカよりもかなり高い。


債務の少なさや潜在成長力などが評価され、デフレ不況の頃とは様変わりした。

2016年度末時点では上場企業約3,600社のうち、2,000社以上が実質無借金経営をしていました。

実質無借金とは手元資金から、借入金や社債などの有利子負債を引いた金額がプラスになる企業で、財務体質の健全さを示している。


一方でこのような無借金企業は、借金をしないために得られる筈の成長を達成していない可能性がある。

無借金を重視するあまり、借金をして投資すれば成長できるのに、その機会を逃しているかも知れない。

日本企業は2017年に過去最高益を挙げているが、それずら本来持っている成長力より、低すぎる可能性がある。


バブル崩壊から最近までの日本では、株式投資は危険だとして定期預金などゼロ金利投資にお金が流れていた。

確かに日本株は1991年から2011年まで20年間下げ続けたが、株式市場から資金が引き揚げられたので、企業は十分な投資を得られなかった。

日本の株式市場は水が枯れた井戸のようになり、企業は債務を恐れ、労働者の首切りを行って無借金経営を目指した。


資本の逆流は起きるか

過半数の日本企業は事業で挙げた自己資金のみで営業していて、外部からの投資を活用できていない。

もしバブル期の日本や現在のアメリカのように、十分な投資資金が企業に流れたら、大きく成長する可能性がある。

東証が「枯れた井戸」から湧き水を噴出し、企業が十分な資金を得たら、日本株は3万円や4万円にもなるかも知れない。


銀行は預金で集めた金の運用先がなく、数百兆円もの金が活用されずに余っているとも言われている。

企業も内部留保を有効に活用しておらず、新規事業に投資せず、慎重な経営をしている。

アメリカでは資産の7割が企業に投資されて現金は2割だが、日本はちょうど逆で、現金や預金が7割を占め活用されていない。


もし7割の現金預金が株式市場などを通じて企業に投資され有効に活用されて利益を上げたら、日本の株価は簡単に2倍になります。

これが日本で今後予想されている資本の逆流で、活用されずに余っているお金を利用すれば、バブル全盛期以上の成長も可能です。

裏返していえば現在の日本は国民が保有する資産の7割は活用されておらず、日本は本来の国力の3割しか使っていない。
http://www.thutmosev.com/archives/74208872.html


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Posted on 2015年1月31日 09:55
三橋貴明の「列島丸わかり」報告書 ーデフレを呼ぶ指標〜狂った羅針盤〜を導入した男とは…ー

 小泉政権期、竹中平蔵経済財政政策担当大臣(当時)の下で、いくつかの「指標」の変更が実施された。

 1つ目は、前回の「プライマリーバランス(以下、PB)黒字化」を財政目標として設定したことだ。短期でPBを改善させようとすると、政府はデフレ対策とは逆の、増税や政府支出の削減といった「デフレ化政策」しか取れなくなってしまうのだ。

 2つ目はデフレの主因たるデフレギャップ(需要不足)を計算する潜在GDPが「最大概念」から「平均概念」に変えられたこと。

 デフレギャップは「潜在GDP─名目GDP(現実の需要)」で計算される。それまでの潜在GDPは、失業率が「完全雇用」状態で、国内の全ての設備がフル稼働した際に生産可能なGDPとされていた。すなわち「最大概念の潜在GDP」だったのだ。国内の全てのリソースが稼働した時点のGDPと、現実の名目GDPの「差」が、デフレギャップだったのである。

 ところが、竹中氏の下、「潜在GDP」の定義は「過去の長期トレンドで生産可能なGDP」に変更されてしまった。つまりは「平均概念の潜在GDP」で「過去の失業率の平均」時点のGDPになる。現実には「労働者の余剰」「設備の過剰」が発生している。にもかかわらず、「平均」である以上、余剰人員・過剰設備時点のGDPが「潜在GDP」という定義になってしまう。

 わかりやすく言えば、デフレギャップが現実よりも「小さく見える」ように、再定義されてしまったのだ。

 決定的なのが「マクロ経済モデル」の変更だ。我が国の財政出動や消費税などの「経済財政効果」を測るマクロ経済モデルが、発展途上国型に変えられてしまった。信じられないかもしれないが、現在の日本はIMFなどが使う「途上国をインフレから脱却させる」ためのマクロ経済モデルを使用しているのである。これは何を意味するのか?

 途上国が財政危機に陥りIMF管理下に置かれると、増税と政府支出削減を中心とする「緊縮財政」の実施を強要される。

 97年の橋本政権では増税と緊縮財政がセットで行われた。その結果は01年自民党総裁選での橋本氏の言葉で明らかである。

「私が内閣総理大臣の職にありました時、財政再建のタイミングを早まったことが原因となって経済低迷をもたらしたことは、心からおわびをいたします」

 途上国型経済モデルでは、財政出動がGDP成長に与える「好影響」や、消費税増税による「悪影響」が、ともに小さくなってしまう。「デフレ」に苦しむ我が国の経済・財政の羅針盤が、途上国型モデルに変更され、常に増税と緊縮財政を指し示し続けているのだ。

 14年3月4日。自由民主党の西田昌司参議院議員が、国会でマクロ経済モデルは誰がいつ変更したのかを質問した。内閣府の担当官は「01年11月に変更された。内閣は小泉内閣」であり、その時の担当大臣は「竹中大臣」と回答した。

 PB目標、平均概念の潜在GDP、そしてマクロ経済モデルの変更──我が国の政府はデフレを深刻化させる「狂った羅針盤」を今も使い続けている。

 狂った羅針盤の全ては、竹中平蔵氏が大臣だった時期に導入されたということだ。不思議な話である。
http://www.asagei.com/excerpt/31692




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Posted on 2015年1月24日 09:55
三橋貴明の「列島丸わかり」報告書 ー経済をマイナス成長に叩き込んだ主犯は「竹中平蔵」だー

 前回、自民党の「悪魔の公約」ということで、「外国移民政策」について解説した。今回取り上げる「悪魔の公約」は、外国移民受け入れを上回るダメージを日本国に与える可能性がある。

 それは、基礎的財政収支(プライマリーバランス・以下PB)目標である。

 PBとは、国債の元利払いを除いた政府の歳入と歳出のバランスのことである。短期(単年度)でPBを改善しようとすると、政府は「増税」「政府支出削減」という緊縮財政に走らざるをえない。

 自民党の公約では、「財政再建」の項目に、以下のように書かれている。

「2020年(平成32年)度における、国・地方の基礎的財政収支の黒字化目標の達成に向けた具体的な計画を来年の夏までに策定します」

 第三次安倍政権は、早くもPB目標を決定している。14年度から15年度にかけ、PBを「各年度」4兆円程度改善。15年度には国・地方を合わせたPBの赤字を対GDP比で10年度の▲6.6%から▲3.3%に半減。そして、20年度には、国・地方のPBを黒字化するというものだ。

 そもそも、長期的な経済成長の「結果」であるPBを目標にする時点で奇妙な話だ。そのうえ、日本政府はPB目標を「単年度主義」で達成しようとする。これが最悪なのだ。

 政府が短期でPBの改善を図ると、デフレの我が国では間違いなく景気が失速する。14年4月の消費税増税も、もちろん「単年度のPB改善」を目的に実施され、実際に国民経済をマイナス成長に叩き込んだ。

 失速の結果、名目GDP(国民が稼ぐ所得の合計)が成長しなくなる。国民は税金を所得から支払うため、税収は名目GDPが原資となる。名目GDPが縮小すると、税収も減少し、歳入減でPBはかえって「悪化」することになる。

 逆に、政府が「名目GDPの成長」「デフレ脱却」のみを目標に据え、財政出動の拡大という正しいデフレ対策を実施すると、名目GDPが成長し、税収も勝手に増える。結果的に、歳入増によりPBは改善に向かうのである。

 政府の経済政策の方向を「真逆」に向けているPB目標だが、02年の小泉政権下、「ある人物」の判断で導入された。その人物こそ当時、経済財政政策担当大臣だった竹中平蔵氏だ。

 それ以降、我が国は正しいデフレ対策を実施できなくなってしまい、デフレが長期化した。

 さらに、竹中氏が担当大臣だった時期に、デフレギャップ(需要不足)を計算する潜在GDPが「最大概念」から「平均概念」に変えられてしまった。結果、我が国は統計上のデフレギャップが小さく「見える」ようになり、デフレ対策が困難になってしまった。日本のデフレ長期化をもたらした「狂った羅針盤(奇妙な指標)」は、なぜかことごとく竹中氏が大臣だった時代に導入されたのである。

 なぜなのだろうか?

 そういえば、前回取り上げた「外国移民」が実際に日本で増えていき、さらに各種の労働規制の緩和が推進されれば、国内の労働者の競争が激化し、実質賃金が下がり貧困化する。一方、人材派遣会社は大いに儲けることになるだろう。

 竹中平蔵氏は、現在、人材派遣大手「パソナ・グループ」の取締役会長である。
http://www.asagei.com/excerpt/31397

Posted on 2015年2月7日 09:55
三橋貴明の「列島丸わかり」報告書 ーデフレを深刻化した「構造改革」でビジネスを増やした人がいたー


 小泉政権期に竹中平蔵氏の号令のもと「構造改革」がスローガン化した。しかし、その結果を正確に説明できる人はほとんどいないだろう。竹中氏が今でも大手を振って永田町を歩いていることがその証拠である。

 例をあげればキリがないのだが、橋本政権期の緊縮財政、小泉政権期の構造改革により、我が国は97年以前とは「異なる国」に変貌を遂げてしまったのだ。そのプロセスを説明しよう。

 デフレーションが深刻化すると、日本に限らず「構造改革」という声が力を持つ。デフレ期には国民所得の総計である名目GDPが伸びず、税収が減る。結果的に、政府の財政は必ず悪化する。そこで「構造改革」の主たちはこう叫んだ。

「国の借金で破綻する!」

 こうして、増税や政府支出削減といった緊縮財政がセットで推進された。結果、デフレの真因であるデフレギャップ(=需要不足)は悪化し、デフレ深刻化を招くことになったのだ。

 財政悪化とデフレ深刻化が交互に発生し、国民経済が縮小していく状況で、

「日本経済が成長しないのは、構造に問題がある。構造改革だ」

 という主張が説得力を帯びるようになった。

 そもそも構造改革とは民営化、規制緩和など、いずれも「供給能力を引き上げる」政策だ。供給能力が需要に対し過剰になり、デフレギャップが発生しているにもかかわらず、「需要削減策(緊縮財政)」と「供給能力拡大策(構造改革)」という、間違った政策が二重に実施されることになったのだ。当然デフレはさらに深刻化していった。

 緊縮財政と構造改革で国民経済が痛めつけられる反対側で「新たなビジネス」が生まれた。代表的なキーワードは「雇用規制改革」「公的サービスへの民間資本導入」「外資への開放」。

 例えば、橋本政権以降の「構造改革」により、日本では非正規雇用が増えていった。特に小泉政権下で「製造業」の派遣雇用を認めた影響は大きかった。

 デフレとは利益を出しにくい環境であるため、企業には「いつでも契約を解除できる」派遣社員を雇用したいという需要が存在した。そうした企業の需要に応える形で、労働規制が緩和され、賃金を「中抜き」する派遣会社のビジネスは拡大していった。

 政府の財政悪化が続く中、公的サービスに「民間資本の導入を!」という声も高まっていった。PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)やコンセッション方式などにより、本来「公」が担わなければならない分野にまで民間企業が参入していった。信じられないことだが、日本ではすでに一部の「刑務所」の運営までもが、民間企業の「ビジネス」になっている。山口県の「美称」、兵庫県の「播磨」など、いくつかの刑務所がPFI方式で運用されているのだ。

 政府の医療サービスへの負担が重くなると、即座に「混合診療の解禁」という話も出てくる。混合診療解禁で自由診療が増えれば、国民の医療費負担は確実に増える。その分、自由診療の「ビジネス」に資本を投じた企業や投資家は儲かる。

 竹中氏は、現在、人材派遣大手であるパソナ・グループの取締役会長であることは以前書いたとおりだ。構造改革の裏で「ビジネス」を拡大した人々が、間違いなくいるのである。
http://www.asagei.com/excerpt/32010


 地方局の討論番組に出演した竹中平蔵氏(63)。民間議員を隠れみのにした特定企業への利益誘導を追及されるや、カメラの存在も忘れて激怒したのだった!

 5月10日、テレビ愛知「激論コロシアム」で、経済評論家の三橋貴明氏(44)が竹中氏をこう追及した。

「なぜ諮問会議などで民間議員という名の民間の経営者が、自分の会社の利益になるような提案をするのか!」

 現在、竹中氏は安倍政権の「産業競争力会議」の民間メンバーである一方で、人材派遣会社「パソナグループ」の取締役会長でもある。

 三橋氏は、竹中氏がその会議で「解雇自由化」などを提言し、人材派遣会社が儲かるように誘導していることを繰り返し指摘した。急所を突かれた竹中氏は、突然、顔を紅潮させて、こう声を荒らげたのだった。

「根拠のない言いがかりだ。失礼だ! 無礼だ!」

 竹中氏が逆ギレした瞬間、スタジオには緊迫した空気が流れ、“放送事故状態”になったという。

 その三橋氏が放送中の様子を話す。

「あのあと、コマーシャルに入ったのですが、竹中さんは1回席を立ちかけたのです。帰るのかなと思ったら帰らずに、そのまま出演し続けましたけどね。パフォーマンスで、あんな怒り方しないですよ。激高してしまったから自分でもヤバいと思ったんじゃないですかね。サラッと流せばよかったのに」

 この一幕は、動画サイトなどを通じて世間に知られることになった。竹中氏は、

「私はそれ(労働規制緩和)に対して何も参加していない。派遣法についても何も言っていない」

 と反論したが、そこには「ウソ」があることも露呈したのだ。

「彼の理論というのは、参加する会議でいくら発言しても、決定の場にいなかったら利益相反にならないだろうというものです。そんなわけねぇだろ! と思いますね。何であなただけ特権的に入って意見を述べているのですか? 何で一般人は意見を述べられないのですか? という話になりますから、彼の主張は通らないと思います。議事録を読めば明らかなのですが、竹中さんは、何度も労働規制緩和などの発言をしていますよ」(前出・三橋氏)

 その後、話題は「外国人メイド」へと移り、三橋氏と竹中氏は2度目のバトルを繰り広げる。竹中氏の主張は、外国人のメイドを雇って家事をやらせれば、女性が外に出て働くことができるというものだった。しかし、労働者が増えれば、一人当たりの賃金は当然下がることになる。そうした三橋氏の指摘に竹中氏は、

「政治家が実質賃金を切り下げるような政策をやるわけないでしょ」

 などと、ごまかし続けたのだ。前出・三橋氏が語る。

「あの人『外国人メイド』が好きなんですかね? 実質賃金が下がるっていう事実は、彼にとって言いたくないことなんですよ。もう1つ問題があって、パソナは『家ゴト コンシェルジュ』という家事代行サービスをやっています。外国人メイドを紹介するサービスをパソナは絶対に作り込んでくるわけで、これは明らかな利益相反でしょ? あまりにも露骨なんですよ」

 竹中氏といえば小泉純一郎氏が総理大臣だった時に、「既得権益」という言葉を使って官僚を攻撃していた人物だ。しかし、竹中氏こそ最強の「既得権益」になっていると、三橋氏は解説する。

「竹中さんは『維新の会』のブレーンをやっていましたよね。最近では公務員業務も派遣労働者になっていて、大阪市の公務員派遣労働者の多くをパソナが落札しているんです。一昨年の11月くらいで、竹中さんが維新にいた時です。彼は『これは市場競争でパソナが勝ったんだ』と言うかもしれないけど、やはり通らないでしょう」

 竹中氏が所属している産業競争力会議は、安倍政権下でも優先順位の低い会議だった。ところが現在では、最上位にある「経済財政諮問会議」と合同で会議を開くなど、いつのまにか順位を押し上げてしまった。

 知らぬ間に発言力を強めた竹中氏だが、いったい何をもくろんでいるのか。

「話はシンプルで、誰かの儲けのためにやっているわけですよ。公務員は公務員法で規制される、政治家は選挙で落とせる。でも民間議員の竹中さんを落とすことはできません。政治家は個人献金を年間最大150万円しか受け取れません。しかし、彼はコンサル料などの名目でいくらもらっても違反になりません。そんなに、政治に関わりたいなら国会議員になるべきでしょ。民間議員としてやるのは汚い」(前出・三橋氏)

 まだまだ“放送事故状態”は続いているのであった。
http://www.asagei.com/excerpt/23983



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三橋貴明 東京都の下水道運営権売却について 2018-01-04
 
 グローバリズムのトリニティとは、「規制緩和」「自由貿易」「緊縮財政」の三パッケージになります。

 規制緩和の中でも、レントシーカーたちにとって最も「美味しい」市場は、公的分野になります。


 ノーベル経済学者ジョセフ・E・スティグリッツの言葉を引用します。


「アメリカの政治制度は上層の人々に過剰な力を与えてしまっており、彼らはその力で所得再配分の範囲を限定しただけでなく、ゲームのルールを自分たちに都合よく作りあげ、公共セクターから大きな”贈り物”をしぼり取ったからだ。経済学者はこのような活動を”レント・シーキング”を呼ぶ」


 米国の経済と社会は、グローバリズムという「鵺」により、レント・シーカーの王国と化していきました。


 公共セクターを規制緩和、民営化し、民間の「ビジネス」と化すために必要なものは何でしょうか。答えは、緊縮財政とデフレーションです。


 デフレにより、政府の財政が悪化する。すると、緊縮財政。


「今までは官が提供していたサービスだが、緊縮財政の一環として民間に委ねる」
 というレトリックが力を持ち、アメリカや日本の公共セクターは「民営化」され、そこに新規参入したレントシーカーが儲けるという構図です。


 例えば、地方財政の悪化を受け、「行政窓口」の民営化が実行に移されました。結果的に、パソナをはじめとする派遣会社が、行政窓口の仕事を「受注」し、多いに儲けています。


 パソナの取締役会長である竹中平蔵氏が、政府の諮問会議の「民間議員(と称する民間人)」として、民間企業のビジネスを生み出す規制緩和政策を推進しているのはご存知の通り。


 これが、経済が好調で、地方財政も潤沢であれば、行政窓口は普通に公務員でいいわけです。


「それでは儲からない」
 というわけで、財政悪化を大義名分に緊縮財政。緊縮財政の一環としてとして、政府の公共サービス、公的セクターを民営化するというスキームになっているのです。


 もはや、緊縮財政&公共サービスの民営化は一種の「信仰」と化してしまい、今や財政が好調の都道府県までもが、公共サービスの民営化を言い出す有様になってしまいました。


『民間への下水道運営権売却、東京都が検討
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25108280W7A221C1L83000/

 東京都は下水道施設の運営権の民間事業者への売却(コンセッション)を検討する。人口減少などをにらみ、包括的な民間委託も含め、経営効率の改善策を探る。災害対応などの課題を点検したうえで、3〜4年後をめどに新しい運営手法に移行する。

 下水道のコンセッションは26日の都政改革本部(本部長・小池百合子知事)の会議で検討課題として報告した。今後、老朽化した施設の更新などで事業費が膨らむ一方、人口減少で収入は落ち込む見通し。施設の維持管理など個別業務の委託にとどまらず、幅広く民間のノウハウを取り入れて経営基盤を安定させたい考えだ。

 下水道は公共インフラとして確実に維持する必要があるため、下水道法の規定で完全民営化はできない。このため都はコンセッションや包括委託などの形式を想定。2018〜19年に民間事業者の意向調査などを進め、20〜21年ごろから本格的な検討、試行に入る。

 下水道分野のコンセッションは浜松市が先行して取り組んでいる。小池知事は都内でも予想される人口減に言及して「コンセッションを真剣に考えてほしい」と話した。』


 記事にもありますが、浜松市は下水道の一部をコンセッション方式で民営化しており、浜松ウォーターシンフォニーが受注しました。


 浜松ウォーターシンフォニーは、フランスのヴェオリア社、JFEエンジ、オリックス、東急建設・須山建設グループが設立した特別目的会社です。


 何と、浜松の下水道コンセッションの時点で、「外国資本」が入っているわけです。つまりは「カネの移動の自由」という意味の自由貿易ですね。


 浜松の事例を見ると、緊縮財政、規制緩和(コンセッション)、自由貿易の三つが、シンフォニーを奏でていることが分かります。いやあ、見事なものです。


 それにしても、日本で最も財政的に豊かな東京都まで、コンセッションを進めるとは、藤井先生がFBに書かれていた通り、

『民営化をすることが「カッコイイ」というとんでもない勘違いをして、人々に何の役にも立たない(しかし、民営化で受注した大企業だけが儲かる)改革や民営化を進めようとしています。』

 という話なのでしょう。


 「改革」「民営化」「規制緩和」の多くが、実は日本国民の豊かさには結びつかず、外資系を含めた特定企業の利益拡大にしかならないという現実を多くの国民が理解しない限り、我が国の公共サービスは売られ続け、スティグリッツの言う「贈り物」をレントシーカーたちに搾り取られ続けることになるでしょう。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12341669390.html


三橋貴明 水道・下水道の民営化と再公営化 2018-01-05

 昨日の続きですが、今年は日本政府による公共サービスの売却(事実上の)という「売国」、一部企業、投資家に対するレントの提供が一気に進みそうな状況です。


『公共インフラの民間売却容易に 自治体の負担軽く
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25291440T00C18A1MM8000/

 政府は地方自治体が運営する公共インフラの民間への売却を促すためPFI(民間資金を活用した社会資本整備)法を改正する。上下水道や公共施設の運営権を売却する際、地方議会の議決を不要にし、国から借りたお金を前倒しで返すことも認める。公共インフラの老朽化が進む中、民間の資金を使った低コストの運営に転換し、公共料金の引き下げも視野に入れる。(後略)』


 政府は昨年、PFI推進の行動計画を改定し、インフラ売却などの合計額を22年度までの十年間で21兆円とする目標を掲げました。


 つまりは、21兆円の「国民の資産」が売り払われ、外資系企業を含む特定企業や投資家の「利益の源泉」と化すわけでございます。


 改めて、スティグリッツ教授の言葉を掲載します。


「アメリカの政治制度は上層の人々に過剰な力を与えてしまっており、彼らはその力で所得再配分の範囲を限定しただけでなく、ゲームのルールを自分たちに都合よく作りあげ、公共セクターから大きな”贈り物”をしぼり取ったからだ。経済学者はこのような活動を”レント・シーキング”を呼ぶ」


 アメリカでは、すでに相当に進んでしまったレント・シーキングの大波が、今、日本国に押し寄せているというわけです。


 ゲームのルール(政府の規制)を自分たちに都合が良いように作り、公共セクターから贈り物を搾り取る。


 そのためには、政府の諮問会議(規制改革推進会議など)に経営者(例:竹中平蔵氏など)が「民間議員」として乗り込み、国民の代表である国会議員の頭越しに政策を推進する。


 種子法もそうでしたが、「国民の安全や豊かさ」を追求するためには、コストがかかるのです。そこに「利益」という発想を持ち込んではなりません。
 


 日本の種子が素晴らしい(素晴らしかった、と過去形になりそうですが)、具体的には「有料で多種多様な種子」が安価に農家に提供されていたのは、国民の税金で支えていたためです。


 あるいは、日本の水道や下水道サービスの品質が素晴らしいのは、「利益」ではなく「国民の生活」を求めて、コストが費やされてきたためなのでございます。


 そこに「利益」を追求する民間事業者を参入させる。


 いかなる屁理屈をこねようとも、「利益」を追求する限り、公共サービスの品質は下がるか、もしくはサービス料金が上がらざるを得ないでしょう。


 というか、その種の事例は世界に満ち溢れており、世界的な趨勢は、水道・下水道サービスの「再公営化」なのでございます。特に、アメリカ、フランス、ドイツなどの先進国において、再公営化が進んでいます。


 パリやベルリンといった大都市の水道も、民営化されていたのが再公営化されました。


 再公営化の理由は様々ですが、とりあえず水道・下水道民営化の「謳い文句」の嘘が明らかになったことが決定的でした。


 具体的には、


● 民営化により管理運営が劣悪になった
● 投資の不足
● 事業コストや水道料金をめぐる対立
● 水道料金の高騰
● 民間事業者に対する監督が困難
● 財務の透明性欠如
● 人員削減
● 劣悪なサービス品質


 などになります、


 失敗が明らかになっているにも関わらず、日本政府は民営化を推し進めようとしている。


 結局、安倍政権が「日本国民」のためではなく、一部のレント・シーカーたちのための政権であることが、種子法廃止や水道・下水道民営化の動きを見ていると分かります。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12341929267.html


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財務省が日本を滅ぼす 三橋貴明 (著)
https://www.amazon.co.jp/%E8%B2%A1%E5%8B%99%E7%9C%81%E3%81%8C%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%82%92%E6%BB%85%E3%81%BC%E3%81%99-%E4%B8%89%E6%A9%8B%E8%B2%B4%E6%98%8E-ebook/dp/B076LDY8G8/ref=asap_bc?ie=UTF8

「財務省の大嘘」をすべて暴く!

「財政破綻するから消費増税やむなし」というロジックに騙されるな。

気鋭のエコノミストが最新データを徹底分析。日本に財政破綻など起こりえないこれだけの理由。

「国の借金は1000兆円を超える。日本人1人あたり800万円以上の借金を背負っている計算になる。子や孫の世代にツケを残さないためにも消費増税は不可欠だ」――新聞やテレビでもさんざん流されるから、このようなロジックを耳にしたことはあるだろう。でも、全部デタラメだ。そもそも、バランスシートの負債の部だけを取りあげて1000兆円の借金とは会計上でも間違っている。 

政府資産は672兆円もあるし、そもそも負債の部にある「公債」「短期証券」のうち500兆円は政府の子会社である日本銀行の持ち分だ。連結決算すればチャラだし、そもそも現在、日銀の黒田東彦総裁は財務官時代に日本の格付けをボツアナ以下にした海外格付け会社に「日米などの先進国の自国通貨立て国債のデフォルトは考えられない」と抗議していたくらいだ。

 それなのに、国内に向けては「財政破綻論」をまき散らす。黒幕は財務省だ。国際機関(財務省OBの天下り先)を使って「増税せよ」と外圧をかけてくる。そして、緊縮財政を実行して、日本国を小国化させようとする。国益よりも省益が大事なのだ。このままでは「亡国」に至ること必至だ。

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2017年12月15日
【三橋貴明】安倍晋三内閣総理大臣との会食


さて、ご存知の方が多いでしょうが、総理と会食し、
小学館「財務省が日本を滅ぼす 」を進呈。

本書の内容について、多いに議論をさせて頂きました。

まずは、2010年の参議院選挙の際に、
応援演説をして頂いたことについてお礼申し上げ
(今まで機会がなかったので)、
その上で和やかに「シビアな話」をさせて頂きました。

内容について、全て書く気はありませんが、
重要なポイントだけ申し上げると、

(1)
「財務省が日本を滅ぼす」を書いた三橋との会食を持ちかけたのは
両端の方々ですが、「クローズではなく、オープンで」と決めたのは
官邸であること(オープンなので、総理動静にも載りました)

(2)
何をやるにしても、全てPB黒字化目標が「壁」となり、
何もできない。という現実を、総理は認識していること。

(3)
だからと言って、
「総理はPB黒字化目標が問題であることは
分かっているんだ。ああ、ならば大丈夫だ」
などと思ってはいけないこと、の三つになります。

特に重要なのは(3)で、総理が真実、
PB黒字化目標が問題であることを理解していたとしても、
だからと言って現行の緊縮路線が転換されるわけではありません。

財務省主権国家「日本」をなめてはいけません。

現在の日本を財政拡大に転換させるのは、
たとえわたくしが総理大臣の座にいたとしても無理です。

なぜならば、「政治家」「世論」「空気」が
緊縮歓迎になってしまっているためです。

そのように、財務省のプロパガンダが展開され、
多いに成功を収めているのです。

この空気を変えるためには、
やはり「言論」を動かさなければなりません。

特に、緊縮路線を進み続ける安倍政権を、
「正論」に基づき批判しなければならないのです。

といいますか、安倍総理の支持者の方々こそ
(わたくしは違います)、むしろ積極的に
安倍政権の緊縮路線を攻撃する必要があるのです。

何しろ、政治は「結果」が全てです。

そして、安倍政権の「結果」は、緊縮路線なのです。

「安倍総理は、財政拡大が必要だと分かっている!!」
などと、総理を褒め讃えたところで、
結果的に緊縮路線が継続するならば、我が国は「亡国」です。

『所得税改革、21年以降も 労働市場変化に対応
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24546420S7A211C1MM8000/

2018年度与党税制改正大綱の原案が12日、明らかになった。
所得税改革では年収850万円超の
会社員を増税することを盛り込んだ。

多様化する働き方に対応するため、誰もが使える
基礎控除を増やし会社員向けの給与所得控除を減らす。

20年1月から実施する。

大綱では21年以降も基礎控除の充実をはかり、
労働市場の構造変化に対応する方針を明記した。

与党は14日に大綱を正式決定する。(後略)』

総選挙の際には「しょとくぜいかいかく」の「しょ」の字も
出てこなかったわけですが、選挙が終わった途端に
当たり前のように「所得税改革」が推進され、増税が決まる。

所得税増税に加えて、出国税(観光促進税)、
たばこ増税と、次から次へと増税路線。

これが、安倍政権の「結果」です。

何しろ、プライマリーバランス黒字化という
「毒針」を抜くことができていませんので、
高齢化により社会保障支出が増加する以上、
19年の消費税増税、さらには所得税等の増税、
診療報酬・介護報酬の削減、公共投資削減、
防衛費や科学技術予算、教育予算、
食料関係費等の抑制は「既定路線」です。

例えば、昨夜は「農業問題」でも議論し、少なくとも、

「日本のコメ等を輸出し、食料生産能力を維持するには、
輸出補助金(アメリカのように)つけなければならない」

という点は一致を見たのですが、結論は、

「でも、PB黒字化目標があるから、できない」

なのでございます。

すなわち、勝負は「PB目標破棄」に絞られます。

最低でも、18年6月の閣議決定の際に
PB目標を破棄できなければ、話になりません。
(それが実現したとしても、予算に反映されるのは19年度から・・・)

PB黒字化目標という「毒針」を抜くためには、
世論や政治家の空気をそちらの方に動かさなければ、
誰が総理大臣であっても「不可能」なのが現実の日本なのです。

日本には救世主はいません。

「財務省が日本を滅ぼす」の三橋が総理と会食した程度で、
政策が良き方向に向かうはずがないのです。。

(ついでに、会食したからといって、
「三橋が安倍に懐柔された」などという話にもなりません。
何で税金で一回ご飯を食べさせてもらったくらいで、
そうなるのですか。政治は、あるいは政治家は結果が全てです)

それでも、「財務省が日本を滅ぼす 」の三橋が
総理と会食し、「PB黒字化目標が問題」という点について
合意を見たことは、もしかしたら政治的な
影響があるかも知れないわけです。
(というわけで、ツイッターの背景写真はしばらくあのままにしておきます)

それにしても、ここまでやっている以上、
近い将来、わたくしに何らかの「スキャンダル」が出るか、
痴漢冤罪で捕まるか、弊社に国税が来るのは
避けられないでしょう。

わたくしは政治家ではないため、
スキャンダルは大したダメージにならず、
痴漢冤罪を避けるために電車移動もしないため、
やはり「国税」という攻撃が最も可能性が高いと思います。

それでも、やりますし、続けます。

わたくしたちの子孫が、中国の属国民として
生きるという悪夢の未来を避けるために、
現代を生きる日本国民として責任を果たすために。
https://38news.jp/politics/11413


2017年12月17日
【三橋貴明】安倍晋三内閣総理大臣と会食しました

【近況】

2017年12月12日、
首相公邸で総理と会食しました。

しかも、官邸側の要望で
「オープンな会食」となりました。
(そのため、首相動向にも載りました)

なぜ、官邸あるいは総理は
三橋を会食に招いたのでしょう。

総理が断定されたわけではないですが、
要するにこういうことのようです。

まずは、総理が財務省の
「プライマリーバランス黒字化目標」や
緊縮財政を問題視している(これは確実です)。

ところが、自民党の国会議員たちが、
総理は「PB黒字化路線を堅持しようとしている」と、
妙な誤解をしている
(西田昌司参議院議員まで勘違いをしていました)。

PB目標や緊縮財政について、
自民党の議員たちから「問題だ」
との声を上げさせたい。

というわけで、政治的なメッセージとして
「財務省が日本を滅ぼす」の著者である
三橋を招き、同書籍と共に写真に写った。

さて、総理がPB黒字化目標を
問題として認識しているとして、
「ああ、良かった」となるでしょうか。なりません。

そうではなく、

「PB目標が問題だと分かっているならば、なぜ破棄しないんだ!
総理も閣僚も、自民党の国会議員も、さっさと動け!」

と、怒りの声をぶつけることが正解になります。

総理がPB目標の害悪について
理解していたとしても、
結果が出なければ意味がありません。

いみじくも総理が仰ったように、
政治とは「結果」なのです。

分かっているなら、さっさと結果を出せ!

と、以前にも増して批判を展開する
必要があるという話でございます。

◆人手不足解消合宿 〜人手不足は利益拡大の絶好のチャンスだ!〜
http://www.38news.jp/sp/mituhashisemi/2018_02.php#top

◆ソーシャルレンディング最大手maneoの瀧本憲治氏との大人気コンテンツ「ムダな公共事業はあるのか?資本主義の黄金時代1」がリリースになりました。
https://youtu.be/paaPD-d1zF4

◆11月30日 徳間書店から「2018年 戦争へ向かう世界 日本経済のラストチャンス」が刊行になりました。
http://amzn.to/2A4LgKi

◆10月31日。小学館から「財務省が日本を滅ぼす」を刊行しました。
http://amzn.to/2giPiXA

◆週刊アサヒ芸能 連載 列島報告書 第145「「経済学」を乗り換えて後、デフレ脱却の時は来るのか!?」
http://www.asagei.com/

◆週刊実話 連載「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」 第251回「橋が通行止めになっていく国」
なお、週刊実話の連載は、以下で(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
http://wjn.jp/article/category/4/


◆メルマガ 週刊三橋貴明 Vol447 グローバル株主資本主義の害悪
http://www.mag2.com/m/P0007991.html

グローバル株主資本主義が、なぜ「滅びの道」なのか解説しています。

2017年12月24日
【三橋貴明】三橋経済塾第七期開講!


【近況】
2017年12月20日の日本経済新聞

「もっと吹かさないと 迫真(2) 」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24816830Z11C17A2EA1000/

を読むと、先日の西田先生、藤井先生、三橋と
安倍晋三内閣総理大臣との会食について、
「政治利用」が始まっていることが分かります。

官邸側は、会食を

「総理から自民党の国会議員に対する、
財政拡大を求めるメッセージ」

として利用。

それに対し、財務省は「手下」の
日本経済新聞を用い、

「安倍政権や自民党が『我田引水』的に
公共事業や農業予算を増やしている」

という印象操作を図り、緊縮財政路線の
堅持を狙っています。

また、リニア新幹線の発注に際し、
大手ゼネコンが「不正な受注調整」を行い、
公正取引委員会が入った事件について、

「リニア談合!」

といった報道がされている件についても、
裏に「財務省」の影が見え隠れします。

リニアの件は、独占禁止法の
「不当な取引制限」に該当する可能性がありますが、
「入札談合」ではありません。

不当な取引制限には二種類あり、
入札談合に加えて「カルテル」があるのです。

カルテルとは、事業者や業界団体の構成事業者が
相互に連絡を取り合い、各事業者が自主的に
決めるべき商品の価格や販売、生産数量などを
共同で取り決める行為になります。

つまりはマスコミは今回の件について
「不正な受注調整」と表現するべきなのですが、
なぜか「リニア入札談合」と報じられている点に、
違和感を覚えるわけです。

「また、談合か・・・・」

と、談合という(大変遺憾なことに)
ネガティブな印象の言葉を連呼することで、
今後の公共投資拡大を妨害している
ように思えてなりません。

「また、談合が蔓延るから、公共投資はダメだ。
実際、リニアの件も、談合が問題になったじゃないか」

というレトリックでございますね。

リニアの「不正な受注調整」の件を見ても、
日本のマスコミが「正しく報道していない」ことが分かります。

何しろ、大手新聞やテレビは
財務省の記者クラブ「財政研究会」の
コントロール下にあります。

国民はマスコミ情報に騙され、
財務省の思うがままに緊縮財政路線を
「善」と思い込んでしまう。

マスコミや財務省の偽情報に
踊らされないためには、正しい知識、知見を身に着け、
情報を「正確に読み取る」しかありません。

具体的には、定義し、細分化し、相対化するのです。

この手の技術は「訓練」「経験」
なしでは身に付きません。


◆週刊アサヒ芸能 連載 列島報告書 第146回(最終回)「美しい数学モデルを描きたい経済学者のバカバカしい欲求」
http://www.asagei.com/


◆週刊実話 連載「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」 第252回「プライマリーバランスという毒針」

なお、週刊実話の連載は、以下で(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
http://wjn.jp/article/category/4/


◆メルマガ 週刊三橋貴明 Vol448 フリードリッヒ・リスト
http://www.mag2.com/m/P0007991.html

今週は人類の歴史を変えることになった「国民経済」学者フリードリッヒ・リストについて取り上げました。


12月22日(金)  チャンネル桜「Front Japan 桜」に出演しました。

【Front Japan 桜】独禁法が日本を滅ぼす / 世界潮流〜ナショナリズムVSグローバリズム[桜H29/12/22]
https://youtu.be/Ge5vdnhPdT0
http://www.nicovideo.jp/watch/1513922384

◆チャンネルAJER
『毒針〜プライマリーバランス黒字化@』三橋貴明 AJER2017.12.19
https://youtu.be/hIKxO1TZJAc

https://38news.jp/economy/11446



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経済コラムマガジン 2018/1/22(970号)

再びノストラダムスの大予言


反省のない予言者達

夕刊フジ系列のZAKZAKで、高橋洋一氏(元内閣参事官)が「日本の財政破綻は避けることができず、その日は近い」という予言めいた話の顛末を取上げていた。この予言は日本の有力な経済学者や財政学者が発したものである。これらの学者は東大金融教育研究センターに集い「「財政破綻後の日本経済の姿」に関する研究会」なるものものを立ち上げ、日本の財政破綻を警告した(この研究会の活動期間は12年6月から14年10月まで)。彼等は近いうちに日本の財政破綻は必至であり、これによって日本はメチャクチャになると予言していた。

この研究会に集った学者は錚々たるメンバーであり、この予言は経済学界に限らず政治家や官僚、そしてマスコミにも大きな影響を与えたと思われる。この「大予言」の目的は、研究会が発足した時期(12年6月)を見ても分るように、民主党の野田政権が強力に押進めていた「税と社会保障の一体改革」(消費税率の10%への引上げ)を援護射撃することと筆者は見ている。


人々に行動を起こさせるため、大袈裟な言動や嘘に近い表現が使われることはよくある。これによって不安な心理に落とし込み思考を停止させ、相手を自分達の意のままに操ろうとする。要するにこれは詐欺商法である。

1973年11月に発行された「ノストラダムスの大予言」(五島勉著)という本が大ベストセラーとなった。「1999年の7月に恐怖の大王が降臨し人類は滅亡する」という予言を紹介したものである。本の内容が人々の不安心理を大いに刺激したことが、ベストセラーとなった理由と見られる。ちょうど本書が発行される前月に第四次中東戦争が起り、これが第一次オイルショックの引き金となった。物価が高騰し世の中が騒然とする中で本書は発行された。発行されたタイミングが絶妙であり、この本は250万部と爆発的に売れた(シリーズ全部で500万部以上)。「ノストラダムスの大予言」はマスコミでも頻繁に取上げられ一大ブームになった。


高橋洋一氏は「「財政破綻後の日本経済の姿」に関する研究会」の提言は、この「ノストラダムスの大予言」と構図が全く一緒と指摘している。たしかに人々を不安に落としめるという点で両者は全く同じである。一方はこれによって本を売ることが狙いであり、他方は消費増税のムードを盛上げることが目的と考えられる。

また人々を不安に落としめる根拠がいい加減という点でも両者は共通している。1555年に発行されたフランスの医師で占星術者のノストラダムスの「予言集」を元に、五島勉氏が脚色して書いたのが「ノストラダムスの大予言」である。もっともこの本の基本はエンターテイメントであり、根拠としての科学性をうんぬんするものではなかった。


しかし研究会の「財政破綻の話」は事情が大きく異なるであろう。いやしくも有力な経済学者や財政学者が集って予言を行ったのである。当然、彼等の「予言」には大きな責任が伴うはずである。これによって日本の財政に不安を感じた人々や政治家が少なからずいたとしたなら大問題である。またこの「予言」が消費増税止むなしというムードを作ったのなら、筆者は見逃すことはできない。

「ノストラダムスの大予言」の大騒動は、当たり前であるが1999年7月の人類滅亡がなかったことで完全に終結した。しかし長い間、人々に不安を抱かせたという点で罪は重い。ただ著者である五島勉氏が、本を売るために大袈裟な表現を使ったことを認め、反省しているという話を高橋氏は紹介している。ところが一方の財政破綻を予言した学者達からは全く反省の弁が発せられないと、高橋氏は厳しく批判している。筆者も高橋洋一氏に全く同感である。


日本の財政は本当に厳しいのか

実は本誌でも12年前に同じ主旨で

05/4/11(第385号)「ノストラダムスの大予言」
http://www.adpweb.com/eco/eco385.html

を取上げたことがある。この時には、財政再建派だけでなく構造改革派も批難の対象にした。とにかく人々の不安をいたずらに煽って、自分達の論理を押し通そうという手法に筆者は強い反感を覚える。

「ノストラダムスの大予言」の大ヒットの影響もあってか、荒唐無稽の話を持出し人々を不安に落とし込めるという話や商法がその後流行った。ただし「ノストラダムスの大予言」の場合には、1999年7月という期限付きだったから救いがあった。ところが「財政破綻」の方は、はっきりと期限が明示されているわけではなく、もっと悪質と言える。ちなみに「ノストラダムスの大予言」が話題になったのは、世界の中で唯一日本だけである。


筆者が12年前に「ノストラダムスの大予言」を取上げたのは、昔、これに影響され高校進学を断念したある若者から話を聞いたことがあったからである。この人物は、中学生の時に「ノストラダムスの大予言」が流行り自分もこれを完全に信じたという。どうせ世の中が終わるのならこれ以上勉強を続けることは無意味と高校に進学しなかったと言っていた。他にもサリン事件を起こした宗教団体のメンバーがこの終末論に影響を受けていたと筆者は見ている。このように「ノストラダムスの大予言」に人生を狂わされた者が現実にいたのである。

この若者の判断は極端で例外的と決め付けることは簡単である。しかしどのように荒唐無稽な話であっても、少なからず影響を受ける者がいることを無視するわけには行かない。ましてや日本の有力な経済学者や財政学者がこぞって「ノストラダムスの大予言」に匹敵するような大嘘をついたのである。


日本の財政は悪いとずっと言われ続けてきた。もちろん背景には、「ノストラダムスの大予言」めいたこのような「財政破綻伝説」があったと筆者は見ている。一番の問題はかなりの日本人がこの「大予言」に洗脳されていることである。一般の国民だけでなく、多くの政治家や官僚もこれに騙されている。

文芸春秋1月号に経産省の若手官僚の対談が掲載されていた。対談のテーマは「不安な個人、立ちすくむ国家」というウェブで公開され話題になったレポートについてである。このレポートは、経産省の若手官僚が一年という時間をかけ高齢化社会などいくつかの問題を分析し、ある程度の対応策を示したものである。

しかし筆者が一番気になったのは、出席した官僚の一人の「将来展望が暗く、財政的にも厳しいのに・・」というセリフである。明らかにこの官僚は「財政破綻伝説」にマインドコントロールされていると筆者は見る。おそらくほとんどの官僚は同様と思われる。若手の官僚が日本社会を分析することは結構なことであるが、その前に日本の財政が本当に厳しいのか問い直すことの方がずっと大事と筆者は言いたい。もし日本の財政に問題がないことを知れば、対応策はどれだけでも考えられるはずである。


前述の通り、程度に差があっても人々は日本の財政に問題があると昔から洗脳されてきた。しかし2013年に日銀の異次元の金融緩和が開始されたことによって、日本の財政問題は完全に解決した。この理由は本誌でこれまでも説明してきたのでここでは省略する。

このことに気付いた予言者である経済学者や財政学者は焦っていると思われる(中にはまだ気付いていないアホ学者もいるかもしれないが)。これによって彼等の「大予言」が窮地に立たされることになったのだ。だから彼等は「財政を混乱させる財政ファイナンスは即刻止めろ」「早く金融緩和の出口戦略を」と騒いでいる。
http://www.adpweb.com/eco/


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経済コラムマガジン 2018/1/29(971号)
日本の経済論壇の病根


御用学者に希望者が殺到

先週号で日本の財政破綻を警告する「財政破綻後の日本経済の姿」に関する研究会」なるものものの活動期間が12年6月から14年10月までという話をした。研究会が発足した頃、日本の経済論壇と日経新聞を始めとした日本のメディアは「消費増税推進キャンペーン」の一色であった。筆者はこの動きを胡散臭く異様に感じた。

研究会が立ち上がった当初(12年の6月)から、これに対する批判を筆者は行った。事が重大なので

12/7/2(第714号)「増税騒動の感想」
http://www.adpweb.com/eco/eco714.html

をスタートに

12/8/6(第719号)「御用学者の話」
http://www.adpweb.com/eco/eco719.html

まで実に6週に渡り連続して消費増税を取上げた。


特に

12/7/23(第717号)「吉川洋東大教授の文章」
http://www.adpweb.com/eco/eco717.html

で述べたように、この時の「消費増税推進キャンペーン」はそれまでとは異質であった。それまでは増税を主張するのは、経済学者の中でももっぱら財政学者であった。ところがこの時のキャンペーンは、吉川洋東大教授など理論経済学者が前面に出てきたのである。したがって経済学者総動員での「消費増税推進キャンペーン」ということになった。

まず世間では財政学者=御用学者という認識がある。この認識はほぼ正しいと言える。したがって元々怪しい存在である財政学者が前面に出るのではなく、理論経済学者が積極的に増税のための論陣を張ったと筆者は思った。


日本の経済学者のほとんどは、

08/10/6(第544号)「マンキュー教授の分類」
http://www.adpweb.com/eco/eco544.html

で取上げたように、反ケインズのニュークラシカルの構造改革派である。またケインジアンであっても時流に乗って構造改革派に転向した学者もいた。彼等は、新自由主義者であり「構造改革なくして経済成長はない」といった虚言・妄言を発していた。おそらく彼等はこの構造改革派の路線に行き詰っていたのであろう。

今度は構造改革派の経済学者が、こぞって財政再建派に雪崩れ込んで来たという図式になった。昔の経済学者は、御用学者と呼ばれることを「恥」と思う気概があった。ところが今日、「御用学者」に希望者が殺到している。ただし今日の「御用学者」は、現政権(官邸)に協力するのではなく、財務省にゴマをすることに徹している。したがって財政支出の削減と増税を彼等は主張する。


本来の新自由主義者なら、小さな政府を指向することから、財政支出の削減と減税を主張すべきである。ところが今回は減税ではなく増税を主張し始めたのである。「御用学者」として認められるなら何でもするのが彼等の流儀と見られる。

彼等は、消費増税が実施され一時的に経済が低迷しても、すぐにV字回復するとこぞって主張していた。しかしこれが彼等の命取りとなった。14年に消費増税が実施されると、それまで順調に回復していた日本経済は急激に落込んだ。その後、補正予算を組んだり追加の金融緩和が実施されたが、日本経済は低迷したままである。


これで日本の経済学者への信頼は地に落ちた。この結果、官邸は一部の日本の経済学者と米国の経済学者のアドバイスしか受入れなくなった。もっともこれは日本の経済学者の自業自得といったものである。これについては

16/3/28(第885号)「終わっている日本の経済学者」
http://www.adpweb.com/eco/eco885.html

でも取上げた。

近年の日本の経済政策は、「構造改革なくして経済成長はない」という構造改革派の虚言・妄言と財政再建派の「財政破綻伝説」に翻弄されてきた。先週号で述べたように、官僚もこれら二つの「大予言」にどっぷりと漬かり完全に洗脳されている。とにかく日本の経済成長率は、ずっと主要国の中にあって一番低い(IMFの予想で18年が1.2%)。これから脱却するには、まず二つの「大予言」のばかばかしさに気付く必要がある。


ペンネーム「風都」のコラム

日経新聞1月13日の大機小機に「経済政策論争の流儀」と奇妙なコラムが載った。海外のノーベル経済賞受賞者が来日し「消費税増税を急がずとも日本の財政に問題がない」と発言しているが、日本の経済学者は公式に反論すべきという声が起っているという。ところが増税を推進してきたはずの日本の経済学者は、これに対し声を全く上げないのである。

これについてコラムの執筆者であるペンネーム「風都」氏は、ノーベル経済賞受賞者の意見が学術論文ではないので反論しないだけと、彼等を完全に擁護する話をこのコラムで書いている。また学術論文になっていないものは、真面目な発言かどうか分らないとまで言っている。最後に「風都」氏は大学以外の機関(民間シンクタンクなど)が、政策論争での意見表明を評価し、経済学者の業績評価する仕組が必要と結んでいる。全体を通し、筆者にとっては本当に意味不明なコラムである。


筆者は、単純に「御用学者」化した日本の経済学者の言っていたことが、完全に間違っていたことが明らかになったからと考える。間違っていたから彼等は反論できないだけと解釈している。前掲の

08/10/6(第544号)「マンキュー教授の分類」
http://www.adpweb.com/eco/eco544.html

で説明したように、本来、彼等は「象牙の塔」にこもって研究しているべき経済学者である。つまり元々彼等は現実の経済政策について口を出してはいけないのである。実際のところ、今日の日本には、現実の経済について適切なコメントができるほどの経済学者はほとんど皆無と筆者は見ている。

ところで「風都」氏は「プロの経済学者の政策論争への関わり方は近年問題が多い」と言う妙な発言からこのコラムを始めている。このプロの経済学者と言うのは経済学博士号を取得し大学等で研究している者を指すという。もちろん筆者などはプロの経済学者から一番遠い存在である。どうも「風都」氏は、筆者などが経済や経済学者について「つべこべ」発言するなと言いたいのであろう。

たしかに筆者は、日本の経済学者について酷い発言を行ってきた。日本の大学の経済学部なんて「失業対策事業」と言い切ったこともある。しかし今もこの見方は変っていない。だから「風都」氏のこの奇妙なコラムを読んで、日本の経済学者の不甲斐なさを取上げようと思ったのである。


ところで筆者にもお世話になった経済学者はいる。例えば丹羽春喜大阪学院大学教授や宍戸駿太郎筑波大学名誉教授である。ご両人から筆者達は本当に良い薫陶を受けた。しかし残念ながら二人とも昨年の暮に故人となられた。ちなみにご両人から今日の日本の経済学界(内閣府を含め)が異常という話をずっと聞いていた。

もう一人お世話になったのが先日急に亡くなられた西部邁さんである。西部さんは保守派の論客として知られていたが、スタートは経済学者であった。

17/3/13(第930号)「アメリカの分断を考える」
http://www.adpweb.com/eco/eco930.html

で述べたようにカリフォルニア大学バークレー校やケンブリッジ大(ジョーン・ロビンソン教授の元へ)に留学している。

ちょうどジョーン・ロビンソン教授が「異端の経済学(宇沢弘文訳)」を書いている頃であった(筆者はご本人に直接確認した)。しかしケインズ経済学を否定するシカゴ学派の台頭などによって、西部さんは日本の経済学界に居場所がなくなったと思われたのであろう(たしかに大学での助教授選任の問題があったと言われているが)。したがって経済学に絶望を感じ保守派の論客に転身したと筆者は理解している。ただ筆者は日本の財政に問題がないことについて、お茶の水の「山の上ホテル」のロビーで西部流の説明を受けたことがある。このようにまともな経済論客が次々と亡くなっている。

ペンネーム「風都」氏のコラムを読んで、日本の経済学界はもうダメと感じる。来週はこれについて述べる。
http://www.adpweb.com/eco/




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「いわゆるリフレ派」の終わり 2018-02-03


 日本銀行の岩田規久男副総裁が、五年間の「いわゆるリフレ派の社会実験」の結果、物価目標2%が未達に終わりそうなことについて、

「金融政策は一生懸命やったが、他の政策が逆風では、はねのけることができない」

 と、敗北を認めました。(ちなみに、日本銀行が精一杯やったことは否定しません。マイナス金利政策は余計ですが)


『岩田・日銀副総裁  目標未達「消費増税主因」 政策の限界認める
https://mainichi.jp/articles/20180201/ddm/008/020/108000c

 3月19日に5年の任期満了を迎える日銀の岩田規久男副総裁は31日、大分市内での記者会見で

「金融政策は一生懸命やったが、他の政策が逆風では、はねのけることができない」

と述べ、2014年の消費税増税が2%の物価上昇目標未達の主因だったと強調した。大胆な金融緩和を主張する「リフレ派」の代表格として、就任前に

「物価目標達成は日銀に全責任がある」

と強調した岩田氏だが、金融政策の限界を自ら認めた形となった。』


 というわけで、マネタリーベースとコアコアCPIのグラフを最新版にアップデート。


【日本のマネタリーベース(左軸)とインフレ率(右軸)】

http://mtdata.jp/data_58.html#18JanMBCPI


 2013年3月と比較し、すでに日本銀行は340兆円(!)もマネタリーベースを増やしたにもかかわらず、インフレ率はコアコアCPIで対前年比+0.1%、コアCPIで+0.9%。


 皆さんはすでに忘れているかもしれませんが、岩田教授らは2013年時点で「二年で2%のインフレ目標を達成する」ことをコミットメントし、量的緩和を始めたのです。


 厳密には、岩田教授の理論は、

「2年で2%のインフレ率をコミットし、量的緩和を継続すれば、期待インフレ率が上昇し、実質金利が下がり、消費や投資が増えて(=モノやサービスの購入が増えて)インフレ目標が達成される」

 という、どこの風が吹けば、どこの桶屋が儲かるんだ、と皮肉を言いたくなる「理論」でした(散々皮肉を言いましたが)。


 例えば、

「なぜ、量的緩和とインフレ目標で、期待インフレ率が上がるのか?」

「実質金利が下がったとして、なぜ投資が増えるのか? 実質金利を見て投資判断する経営者など、この世に一人でもいるのか?」

「そもそも、政府が緊縮財政で「モノやサービスを買わない、買わせない」政策を推進している状況で、金融政策のみでインフレにできるのか? 日本銀行の当座預金が積みあがるだけではないのか(そうなりました)?」

 などなど、様々な疑問が出てきたが故に、批判を展開していたわけですが、当初は、

「ならば、1000兆円のおカネを発行したとしても、インフレにならないというのか? 馬鹿か、君は?」

 的な批判を散々に受けました。


 とはいえ、1000兆円の現金紙幣を発行したところで、それを河原で燃やしてしまえば、インフレにはならんでしょ。モノやサービスが買われない以上、当たり前です。


 ちなみに、岩田教授は、

『巨額の国債買い入れを続けても物価が2%に到達していない点について「マネタリーベース(資金供給量)を増やすだけで物価が上がるとは書いた、言った覚えはない」

と説明。(ロイター 2018年1月31日)』

 と、発言。 


 あ、あんた・・・。わたくしの目の前で、

「マネタリーベースを増やせば、インフレになる」

と明言したでしょうが。あまりにも吃驚したので、色々なところで言及させて頂きました。


 まあ、岩田教授の言いたいことは、

「マネタリーベースを増やしたとしても、政府が緊縮財政を推進するなら、インフレにはならない」

 という話なのでしょうが、ならば14年か15年の時点で、

「マネタリーベースを増やしたところで、政府が消費税増税など緊縮をやっている以上、インフレになどできるか、バカ!」

 と、啖呵を切って日銀副総裁を辞任すれば、整合性は採れたのですが。


 晩節を汚しましたね、岩田教授。


 あえて書きますが、今更過ぎます。おかげで、日本は五年間の時間を無駄にしました。


 いずれにせよ、「いわゆるリフレ派」は死にました。


 今後、出てくる政策は、「金融政策+財政拡大」という真っ当なものになるでしょうか。現実をシビアに見る限り、「金融引き締め(出口戦略)+緊縮財政」という、日本を小国化する政策が怒涛の如く推進される可能性が極めて濃厚であるため、「いわゆるリフレ派」の死は、決して日本のためにならないと思うのですよ。いや、皮肉ではなく。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12349680749.html



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経済コラムマガジン 2018/2/5(972号)
日本政府の貸借対照表


債務超過額は548兆円

先々週号でノストラダムスの大予言に匹敵する大嘘である「財政破綻後の日本経済の姿」に関する研究会」の「財政破綻伝説」を取上げた。この手の嘘話の根拠によく使われるのが、

17/11/27(第964号)「続・「今から嘘をつくぞ」の決まり文句」
http://www.adpweb.com/eco/eco964.html

で紹介した「国の債務(借金)は1,000兆円を超えている」というセリフである。これに対し筆者達は、国の借金を1,000兆円を超えている総債務額ではなく、まず国の金融資産を差引いたところの純債務額で見るべきと主張してきた。

ところがこのタイミングで、先月30日に財務省が日本政府の16年度末時点の貸借対照表を公表した。これに関する囲み記事が翌31日の日経新聞に掲載されている。記事のタイトルは「国の債務超過 最大の548兆円」というものである。債務超過額は前年度比で28.1兆円増えたという。原因は膨張する社会保障などの費用を税収でまかなえず、国債を増発したためという。


まず債務超過の548兆円という金額が注目される。日経新聞には簡単に548兆円と書かれているが、国民は国の借金が1,000兆円を超えているとずっと聞かされてきたのである。国の借金はGDPの2倍を超え、財政は他の国に比べ突出して悪いと信じ込まされてきた。だから「財政破綻伝説」が国民に深刻に受止められた。

ところが財務省が今回公表した債務超過額は548兆円といきなり借金が半減した印象を与える。この債務超過額は、国の総債務額から金融資産だけでなく、その他の資産(株式・不動産などの国有資産など)も差引いたものである。つまり国の借金を総債務額から金融資産を差引いた純債務額に止まらず、そこからさらにその他の資産の金額を差引いている。また548兆円ということはほぼGDPと同額となる。


日経新聞を始め日本のメディアは、「日本の借金は1,000兆円を超え最悪でいつ財政が破綻が起っても不思議はない」といった「財政破綻伝説」を積極的に拡散してきた張本人である。特に日経新聞は「とうとう国の借金が1,000兆円を超え最悪」「財政再建は待ったなし」といったセリフを含む記事を毎日のように掲載している。これが「真っ赤な嘘」に近い印象操作だったことをこの囲み記事は示している。

ただこれまで「財政破綻伝説」をリードしてきた日経新聞だけに、この囲み記事は12行3段ととても小さく目立たないものになっている。これに関する解説もない。またこの極めて重要なはずのこの財務省公表の数字を取上げたテレビ番組を今のところ筆者は見かけていない。これは日本のマスコミが財政に関する知識が極めて乏しいか、あるいはこの数字の意味を理解していても真相(日本の財政に問題はないという事実)は隠しておくべきと判断したからと筆者は思っている。


もう一つの注目点は、この数字(債務超過額が548兆円)が一般会計と特別会計を連結して算出されていることである。総債務額から差引くべき国の金融資産で大きいのは財投と外貨準備である。双方とも特別会計で処理され、両方の合計は約300兆円程度である。財投(財投債と財投機関債)は一旦一般会計で借入れた(借入先は主に郵貯・簡保や公的年金積立金など)形にし、これを財政投融資特別会計に貸付けている。この財投資金は政府金融機関(国際協力銀行など)や独立行政法人(昔の公団など)に貸付けられている。

たしかに日本国の債務は大きいが、諸外国に比べ差引くべき資産額も極めて大きいことが注意点である。度重なる為替介入により日本の外貨準備高は突出して大きく、また財投という制度はそもそも諸外国にはない。ところが日本の財政危機を語るインチキ財政学者達は、外貨準備を形成するための借金や財投のための債務だけをカウントし、一方でこれらの資産としての存在を無視してきたのである。それにしてもこれらに関する会計処理が複雑なため、実態が分かりにくくなっているのは事実である。


問題がない日本の財政

たしかに日本の財政の実態を見るには、債務だけでなく資産も考慮すべきという声は昔からあった。ところがこれに対し「財政破綻伝説」を広めようとする悪意のある財政学者の中には、財投の運用先は収益の上がらないところばかりと言う者がいた。つまりこの学者によれば財投は不良債権の山ということになる。

もしそれが本当なら国家の一大事である。今日の日本の国会で本当につまらないことばかりが議論されていが、是非とも日本の本当の財投の実態をもっと議論すべきと筆者は思う。反対に筆者は

03/10/27(第319号)「動態的会計による企業価値算定」
http://www.adpweb.com/eco/eco319.html

で述べたように、高速道路各社などは今日の低金利によって大儲けしていると見ている。


債務超過額が548兆円という話になっているのなら、もう一歩進んで日銀の400兆円の資産(国債やETF)の買入額をさらにこれから差引くという話が浮上すると筆者は考える。日銀の資産買入れは通貨発行を前提に実施されている。日銀が通貨発行すれば通貨発行益が生まれる。つまり事実上既に400兆円の発行益が生じ、さらに国と日銀の会計を連結決算すれば国に通貨発行益が発生していることになる(統合政府という考え方に基づき)。したがって国の実質的な債務超過額は148兆円(548−400=148)まで減る。

ところがこの日銀の国債買入にもいちゃもんを付ける者がいる。たしかにこれによって国の債務が実質的に減少しても、その分日銀の債務が増えると指摘する(要するに日銀による国の債務の肩代わり)。たしかに日銀の通貨発行は債務として負債勘定に計上される。しかし日銀の発行する通貨には利息は付かないし返済期限もない。つまり通貨(発行)は債務性のない債務であり、やはりこれは債務ではなく利益と認識すべきものである。


さらに財政の健全性を見る一つの基準として、公的年金の積立額(公務員共済を含めると180兆円)を国の債務から差引くという考え方がある。OECDの基準である。これを日本の財政に適用すれば、国の債務超過額はマイナス32兆円となり(148−180=▲32)、なんと債務超過から逆に32兆円の資産超過となる。

このように見てくると分るように、日本の財政は特に問題がない。日本の財政を問題にする人々は、大きな勘違いをしているか、あるいは嘘を付いているとしか考えられない。また国債増発や日銀の国債買入れが進んでも、彼等が危惧していたような物価上昇は起っていない。むしろ経済活動の低調さの方が大問題と筆者は認識している。したがって日本はもっと大胆に国債を発行し、財政支出を拡大すべきと筆者は言いたい。


日本は財政学者=御用学者だけが問題ではない。政治家の中にもいまだに「財政破綻伝説」にどっぷり漬かっている(洗脳されている)者がいる。このような政治家が自民党の中にもいるのだから問題なのである。例えば岸田政調会長は、予算委員会で「財政出動が将来への不安を増大させかねない」と安倍総理を牽制している。

自民党には「財政再建に関する特命委員会(岸田会長)」なるものがあり、PB(プライマリーバランス)黒字化の目標期限を検討するという。筆者はから見れば全く意味がないのがこの特命委員会である。自民党がこのようなものに影響される政治判断をすれば、とんでもないことになると筆者は見ている。一番危惧されるのが19年10月の消費増税である。もし消費増税を決めれば、次の参議員選で自民党は大敗する可能性が出てくる。これによって衆参のネジレ現象がまたもや起れば最悪である。


野党は日本の財政に問題がないことに何となく気付き始め、先の総選挙では、消費増税を凍結、あるいは廃止という公約を打出した。それどころかある野党議員が予算委員会でむしろ財政支出増大を促す話を出している。ところが自民党の中に、反安倍のスタンスを示すために財政再建派としての動きを活発にしている者がいるのである。

世界の潮流は、トランプ政権の大型減税やインフラ投資に見られるように財政出動である。貿易収支黒字、経常収支黒字の日本が、消費増税などによる緊縮財政に向かうなんて考えられないことである。
http://www.adpweb.com/eco/



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危機扇動者たちの不協和(後編) 2018-03-10

 日本の「財政破綻論」は、もはや「歴史」と呼んでも構わないほど、長々と続いています。


 一般的な始まりは、1995年11月国会の竹村正義大蔵大臣(当時)による「財政破綻宣言」だと思われていますが、例えば、代表的(というか歴史的)な財政破綻論者である森木享氏は、1983年の時点で、「財政崩壊−せまりくる昭和60年の複合危機」を出版しています。同書の冒頭だけ引用してみますね。


「昭和六十年まであと二年。この年を境としてわれわれ人類は、破局か、局面打開かの最初の岐路に立たされる。日本においては、財政崩壊寸前となり複合危機と複合円安がおとずれる。(中略)

 第二の理由は、ますます増え続ける国債発行残高だ。五十八年度予算については、各種の特別会計の積立金を崩すことによって税外収入をふやし、国債の発行を表面的に減らそうとした。しかし、これは財政内容の悪化をもたらす。その意味で二六・五%(五十八年度)という国債依存度は一時しのぎのまやかしの数字で、財政の実態が悪化していることを隠すための粉飾予算に過ぎない。歳入欠陥五十兆円は隠れ国債であり、「国債百五十兆円」の到来も近い。まさに財政羅針儀の再構築にせまられている。(P1)」


 ちなみに、森木氏は2007年に「ある財政史家の告白「日本は破産する」」、「日本はすでに死んでいる−希望社会をもたらす国家破産宣言」、2009年「日米同時破産」、2010年に長谷川慶太郎氏との対談本「無策!あと一年で国債は紙クズになる」、2014年に「2013年 日本国破産から再生のシナリオ」と、一生懸命に「財政破綻本」を出し続けています。


 07年の書籍のタイトルにもなっている「ある財政史家」とは、ご自身のことかと思われます。


 この方、2012年にとある政治家のパーティで、わたくしに名刺を突き出し(本当に突き出した)、
「三橋さん、日本は来年(2013年)、財政破綻するからね!」
 と怒鳴ってきたことがあります。2013年から五年が経過しようとしていますが、長期金利は0.05%。破綻の気配すらありません。


 ちなみに、森木氏はわたくしの前で、
「私は30年前から日本の財政破綻を予言していた!」
 と、意味不明な自慢をされたこともあります。30年も予想が当たらない「財政史家」とやらに、何の価値があるのか分かりませんが、日本にはこの手の意味不明な「財政破綻論者」たちがゴロゴロと蠢いているのです。


 二十一世紀に入って以降は、経済学者(吉川洋、伊藤隆俊、伊藤元重、土居丈朗など)たちまでも真面目な顔で政府の財政破綻を煽り、しかも政府の要職についていきます。彼らが、

「○○大学経済学部教授」
「政府の諮問機関○○会の民間議員」

 といった肩書で、新聞にそれっぽい論説記事を書き、テレビに登場し、財政「危機」について解説する。


 新聞は新聞で、財務省の「テンプレ」を用い、以下のような記事を書く。


『いつまで財政刺激策に頼り続けるのか
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO2789673009032018EA1000/

 先進国では最速で少子・高齢化が進み社会保障費用が増大する日本。国・地方の長期債務残高は1000兆円を超え国内総生産(GDP)比も187%に達する。財政健全化は待ったなしだ。

 安倍晋三政権は2014年4月に消費税率を5%から8%に引き上げた後、10%への引き上げを二度先送りし19年10月とした。国と地方の基礎的財政収支(PB)を20年度に黒字化する財政健全化目標は達成断念に追い込まれた。(後略)』


 ちなみに、日経の記事の結論は、

「消費税増税時に、企業が一斉に増税分を価格に転嫁し、値上げするのがいけない」

「19年10月以降に消費者が買いたくなるような新商品を開発すればいい」

「財政出動の効果は一時的なので、規制改革で民間主導の投資機会を広げる改革が求められる」

 と、奇想天外(最後の結論はいつも通りですが)なものになっています。


 増税分を価格に転嫁するなということは、その分、企業が「損」を飲み込めという話です。企業が損を強制されると、確実に支出を減らし、デフレ促進です。


 もちろん、価格に転嫁した場合、国民は実質賃金が減るため、やはりデフレ促進です。


 デフレが深刻化する中、「消費者が買いたくなるような新商品を開発すればいい」と日経は書いているわけですが、まずはお前がやってみろ!と、心の底から突っ込みたくなります。


 さて、実は財政破綻論者の「懸念」を解決する方法はあるのです。日本経済をデフレから脱却させ、名目GDPが堅調に成長していけば、政府の負債対GDP比率は下がります。


 日本銀行が量的緩和を継続すれば、金利の急騰とやらも起きません。無論、やがてはインフレ率が健全な範囲を超えて上昇していくかも知れません。その場合は、政府が緊縮財政に転じ、日銀は金融引き締めをやれば済む話です。


 結局のところ、日本のデフレ脱却=財政の健全化を最も望んでいないのは、これまで「財政破綻! 財政破綻!」と煽り続けた財務省の官僚、飼い犬の政治家、学者、評論家、エコノミストら財政破綻論者たちなのでしょう。


 過去に自分たちが煽ってきた「財政破綻」という危機は、実は存在しない。


 政府の負債対GDP比率を引き下げたいならば、財政拡大でデフレ脱却し、名目GDPを成長させればいい。


 アベノミクス五年間の量的緩和は、中央銀行が国債を買い取り、日本円を発行したとしても「ハイパーインフレーション」とやらにはならないことを証明した。


 財政破綻論者たちにとって、この世は不協和で満ち溢れているのです。自分たちが間違っていたのを認めるか、それともファンタジーの世界で財政破綻を叫び続けるのか。


 結局、彼らは事実から目をそらし、ファンタジーな破綻路を叫ぶことを続けています。問題は、彼ら(何しろ、数が多い)の言論に影響を受け、国民の多くが財政破綻論を信じ、緊縮財政が正当化されてしまうことです。


 変な話ですが、彼らの不協和が解消されるためには、日本政府が財政破綻しなければなりません。ところが、日本の財政破綻の可能性はゼロです。


 日本が財政破綻しない限り、破綻論者の不協和は継続し、しつこく財政破綻論が広められ、国民が緊縮財政を支持し、デフレから脱却できず、財政健全化(政府の負債対GDP比率低下)には到達できません。


 なかなか、厄介な状況になっていることが分かるでしょう。


 財政破綻論者の言論を「事実」に基づき否定していかない限り、この「厄介な状況」の解決はないのです。ご支援、ご協力をお願いいたします。日本が財政破綻する可能性はゼロなのです。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12359046680.html




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中国に負けて始まった日本のデフレ説。安い中国製品対抗で日本に賃金格差か=吉田繁治 2018年5月27日
http://www.mag2.com/p/money/460705


なぜ日本は、賃金が上がらず平均では下がって、デフレになってしまったのでしょうか?これは1990年代からの、輸出製造業での「中国の台頭」が関係しています。


世界的にも異常。日本のパートと正社員の時給格差は「約2倍」

日本にデフレをもたらした「中国の台頭」

わが国の正社員数は、24年前の1994年が最高で、3809万人でした(この年度の非正規は971万人:現在の48%)。そして、2017年の正社員は3424万人です。1994年以降は、正社員数は増えずむしろ減って、パートを主とした非正規労働によって労働補充が行われてきたのです。

なぜ日本は、賃金が上がらず平均では下がって、デフレになってしまったのでしょうか。

これは、1990年代からの、輸出製造業での中国の台頭と関係しています。自由貿易をする二国では、労働の賃金は、時間をかけて平準化に向かうからです。

2000年頃の中国の平均賃金は日本の1/30でした。

現在、世界1の工業都市シンセンのフルタイム労働の最低賃金は、2130元(3万6200円/月)、パートの最低時給は19.5元(331円/時間)です。正社員で日本の約1/7、パートでは1/3にまで上がっています(2017年)。年率では、10%から20%の上昇率でした。

1990年代中期から、大手企業の経営者や上級マネジャークラスは別にして、日本人の平均賃金が上がらなくなった原因は、労働が作った商品に、工業化したアジアと中国人以上の付加価値のあるものが減ってきたからです。家電産業などがその典型です。

商品輸入は、労働の「移民受け入れ」と同じこと

正社員を増やせず、時間給がほぼ1/2のパートの増加に頼ったのも、1/3の低価格の中国製品の輸出が原因です。

商品は、労働で作られます。労働が結実し、付加価値を作ったものものが商品です。商品を輸入することは、コンテナに封じ込めた労働(労賃)を輸入することと、経済的には同じです。

移民ではなくても、商品輸入は、労働の移民と同じです。

中国製品に「性能/価格=商品価値」で対抗するには、商品の価格の中の、労賃の部分(人件費の構成比)を下げるしか方法がなかった。

賃金(=世帯所得)が上がらないと、世帯の商品購買は増えません。パート構成比の増加で、世帯の平均所得は下がった。商品購買力が減ったのです。このため、生産力が超過し、1990年代からは円高だったので輸入は増え、商品価格が下がるデフレ経済になって行ったのです(※筆者注:1985年のプラザ合意の前まで、1ドル240円だったことをご存知でしょうか)。

間違いを認めないまま「物価目標を諦めた」日銀

日本のデフレ現象は、政府・日銀が言った「マネー量の増加率」の低下のためではなく、円高・元安もからんだ中国からの商品輸入の増加と、商品需要数の増加のなさによるものでした。

2000年代の日本では、「インフレもデフレも貨幣現象」というマネタリストの大家・フリードマンの学説は、あてはまらなかったのです(※筆者注:経済学は、国と年代でファンダメンタルズの条件が異なるので科学にはなり得ず、思想的なイデオロギーに終わるものです。このため、思想のようにいろんな説がありえます)。

日銀が、マネー量を400兆円も増やした異次元緩和が、わが国の2010年代では、インフレをもたらすことはなかったのです。黒田日銀は、頼った理論の間違いとは言わず、2018年4月に「静かに」2%のインフレ目標をやめています。

日銀を含む財務省は、従来から、決して自分たちが犯した間違いを認めない省庁です。敗戦の直後には、全省庁が行政文書を燃やしています。戦争犯罪を逃れるためです。

米国が仕掛けた異常な「人民元高」

1994年は、シンボリックな時期でした。1元30円を15円の元安(1/2)にすることを米国(ゴールドマンサックス)が誘導し、中国が世界一の輸出大国に向かう最初の年だったからです。

中国輸入の、SPA型(製造直売)のユニクロとニトリの急成長は、元が1/2に下がり、中国製品の輸出価格が1/2になった1994年に始まっています(※筆者注:1990年は620億ドル(6.6兆円)に過ぎなかった中国の、現在の輸出額は、34倍の2.1兆ドル(225兆円:2016年)です)。

人民元の過去のレート知られていませんが、経済の解放前の1980年には、1元=150円でした。1986年でも50円、1990年は30円だったのです。
※参考:http://ecodb.net/exchange/cny_jpy.html

それから28年後、現在のレート(1元=17.2円)からすれば、経済のレベルが低かったにもかかわらず、信じられない元高だったのです。

米国がロスチャイルド家の銀行を通じて人民元の切り下げを誘導した理由は、米国の製造業の進出のためです。米国企業が中国で作って、世界に輸出するためです。一例は、iPadからiPhoneが主力になったアップルです。ほとんどが中国生産です。

世界を席巻する中国製品

中国の輸出額は225兆円です。商品数量で言えば、700兆円分くらいあります。世界に中国製品があふれる理由です。

年間51兆円(年商8.2兆円のイオンの6.2倍)の商品を売るウォルマートの、食品を除く商品(衣料、住関連、家電・電子製品)のほとんどが、中国製です。シャープを買収し、1.5年で黒字に転換させた家電・電子の鴻海(ホンファイ)など、台湾の製造業も工場は中国です。

米国は、国としては貿易赤字が7962億ドル(85兆円:2017年+8.1%)の輸入大国ですが、中国・アジアに委託または専用工場がある製造業(工場をもたないファブレス・メーカー)では、企業内輸出が大きくなっています。

曖昧に作られた「働き方改革法案」

同一労働・同一賃金の法制化を目指している「働き方改革法案」がいう、「非合理な格差」にあたるものが何か。法には具体的な記述がなく、曖昧です。そこで厚労省は、ガイドライン(法案の解釈方法)を出しています。

法の解釈を裁判官ではなく(意図的に曖昧に法を作る)省庁が示す理由は、わが国の法のほとんどは、米国のような国会議員の提案ではなく政府が作るからです。

省庁は普通のことと考えていますが、官僚支配と言われるゆえんが、ここにも表れています。

なお、官僚とくに財務省の高級官僚の意識では、われわれは律令制の中国の科挙(官吏の採用試験)のように、天皇の行政官(行政が天皇から代理権を受けて支配する律令国家)というものです。

このため選挙で選ばれる国会と政治家を、低く見ています。天皇が授与する勲章制に、これが現れています。制度が変わっても、伝統的な意識は、法の細部に現れるのです。

「非合理な格差」とは?

ガイドラインでは、以下のように述べています(原文のママ)。

【時間給が違っても問題なしとされるケース】


定期的に職務内容や勤務地変更がある無期雇用フルタイム労働者の総合職であるXは、管理職となるためのキャリアコースの一環として、新卒採用後の数年間、店舗等において、職務内容と配置に変更のないパートタイム労働者であるYのアドバイスを受けながら、Yと同様の定型的な仕事に従事している。B社はXに対し、キャリアコースの一環として従事させている定型的な業務における職業経験・能力に応じることなく、Yに比べ高額の基本給を支給している。

出展:同一労働同一賃金ガイドライン案

分かりやすくしましょう。

「幹部職候補の総合職(配置転換があるという意味)として採用された正社員が、管理職になる目的のキャリアコースの一環として、パートと同じ定型的な作業に従事した場合は、作業能力にかかわりなく、パートの時間給より高くてもいい」ということです。

例外を決めるのは「官僚」

労働と賃金には、固有の専門的な解釈が必要なものがあります。労務管理士という資格がある理由です。

時間給には、3か月サイクル以上の定期的な賞与を含みます。どれくらいの格差が許容されるのか、もっとも肝心なところは、いつものように不明です。

曖昧にしておく目的は、裁判官ではなく、官僚が関与することを増やすためです。これが官僚の権益の拡張です。

合理的かどうか、官僚の裁量で決めるのでしょう。現状の多くの会社のように、2倍の差でもいいのか、格差30%までなのか。肝心なところです。大店法でも同じでした。肝心な売り場面積の規定が、法では曖昧です。

日本の賃金は「成果に関係なく決まる」ことが多い

「定型的な作業」とは、会社が仕事の方法(手順)を決めているものです。「非定型な作業」は、作業者本人が創意と工夫をした作業方法です。

「作業能力」には曖昧な内容を含みますが、わが国の賃金の基本(賃金テーブル)は、職務の結果によってではなく、職務への能力で決められています。このため、多くの会社で、賃金は成果(作業結果と利益)には無関係です。

【米国の現場ワーカー】

米国の現場ワーカーには、2種の賃金があります。働いた時間で決める時間給(タイムワーカー)、処理した商品数で決める成果給(ピースワーカー)。流通業の物流センターやドライバーの多くが、ピースワーカーです。

百貨店などのセールス(販売員)は、「売上×5%」くらいの歩合給です。IBMでも40歳以上は、成果給という歩合給です。管理職は、年棒制が多い。ただし支払いは2週ごとです。

【わが国の正社員の賃金】

長期的には、高い成果を上げる人は、人事部(または上司)から職務能力が高いとみなされ、同じ入社歴でも賃金の上昇率が高いことが多い。官僚では、年齢と昇進が、報酬と関係しています。多くは経験年数です。

日本にある「パートと正社員」の曖昧な壁

1日に8時間働くフルタイム雇用を、わが国では「正社員」と呼んでいます。

フルタイム雇用の全員が、管理職候補として、キャリアの階段を登るわけではない。しかし正社員とパートには、明文化されていない曖昧な境界があります。正社員が管理職になるケースが多いからです。ただし、パートも管理職にはなり得るでしょう。

欧州と米国では、現場の賃金の基本は「時間給」です。雇用のとき、期限を定めない長期雇用ならフルタイム雇用とパートタイムに、明瞭な時間給の格差はない。

ただし短期雇用の場合は、時間給は低くなることが多い。フルタイム、パートタイム、短期雇用という違いです。

【時間給の格差】

わが国のような、正社員(フルタイム)とパートという働く時間の違いからくる時間給格差がないことが、原則です。ここで言う原則は、例外があるという意味。会社が属人的に決めている労働と賃金では、デジタルな関係が曖昧になります。

パートタイムの賃金(時間給)が、フルタイム雇用者に対してどの程度かという点では、国際的に違いがあります(OECDの統計:2005年)。

国:フルタイムとの時間給格差
—————————-
日本:48%
英国:65%
ドイツ:74%
スペイン:76%
フランス:81%
ベルギー:82%
オランダ:92%
フィンランド:92%
イタリア:93%
スイス:96%

先進国の中で日本がもっとも低く、時間換算給でフルタイムの48%です。英国が比較的低く65%、移民が多いドイツ74%です。スペインが76%で中間的です。フランス・ベルギー・オランダ・フィンランド・イタリア・スイスでは、格差が小さい。

オランダ以降の4か国は90%以上ですから、フルタイムとパートの時間給の格差は「ほとんどない」と言えるでしょう。






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経済コラムマガジン 2018/6/11(989号)


デフレギャップの分析


デフレギャップを誤魔化す人々

2週前から「永久債を日銀が買って100兆円の基金を作る」という一見無茶な政策を提言している。しかし日本経済の現状を考えると、これこそが一番合理的な政策と筆者は確信している。今のままでは永遠に日本経済はジリ貧路線を歩むことになる。

この政策は「シニョリッジ(ヘリコプター・マネー)」と呼ばれるものである。伝統的な経済学ではこれを異端とか劇薬と見なす。しかし日本経済の現状では、このような劇薬的な政策が必要と筆者は考える。

これも日本の経済が先進各国の中で一番成熟しているからである。米国は多くの移民を抱えるなど新興国的な要素を持つ。また欧州はEUの拡大によって、新たな投資機会と需要を得た。このように欧米には、日本に比べ多少の救いがある。しかしいずれこれらの効果も限界が来て、そのうち米国や欧州も日本を追掛けるように低成長の世界に入るものと筆者は見ている。


先週号でデフレギャップの話をしたが、「シニョリッジ」政策においてはこれが一番重要なポイントとなる。筆者は、2002年から一年ほど丹羽経済塾(丹羽春喜大阪学院大学名誉教授を中心にした勉強会)に参加し、シニョリッジについて学んだ。しかし丹羽教授の講議の半分はこのデフレギャップに関するものであった。

デフレギャップは供給と需要の差である。ところが日本政府(内閣府)が公表しているデフレギャップや潜在成長率の数字は、デタラメであり異常に小さい。丹羽教授はこれに毎回怒っていた。これについては

06/3/6(第427号)「GDPギャップのインチキ推計法」
http://www.adpweb.com/eco/eco427.html

15/11/30(第870号)「堂々と新規の国債発行を」
http://www.adpweb.com/eco/eco870.html

などで説明した。


デフレギャップを小さく算出するのは「だから経済成長のためには構造改革しかない」といった間違った結論に人々を誘導するのが狙いと思われる。これは需要サイド重視のケインズ経済学を目の仇にする新古典派経済学者(ニュークラシカル派)の仕業と丹羽教授は指摘していた。丹羽教授は多くの日本の経済学者が信奉しているシカゴ学派のルーカス教授をいつもヤリ玉に上げていた。これについては

02/12/9(第277号)「ルーカスの子供達」
http://www.adpweb.com/eco/eco277.html

で取上げた。

ルーカス教授の供給曲線(ルーカス方程式と呼ぶべきもの)と言うものがが曲者で、どの生産段階でも設備の稼働率は100%と言うことになっている(つまりデフレギャップはゼロ)。これは明らかに「作った物は必ず売れる」といった古典派経済学の基本理念である「セイ法則」に通じる。

04/11/1(第365号)「妄言・虚言の正体」
http://www.adpweb.com/eco/eco365.html

で取上げたA教授もこのルーカス方程式に基づく経済理論を唱えていた。問題は、このA教授のような学者が内閣府に出向しいい加減なデフレギャップを算出していることである。


一方の丹羽教授は日本の供給力を「オークンの法則」に基づき算出していた(オークンの法則については説明を省略)。丹羽教授の計算では、日本のデフレギャップは数百兆円にもなる。ただ参加者の筆者達はこの数字に正直ピンとこなかった。しかし筆者達は日本のデフレギャップが巨額だということは認識していた。

このようにデフレギャップを正確に計測することは難しく、仮にそれが正しく算出できても多くの人々がその数字に納得するとは限らない。むしろシニョリッジ政策に伴って物価が上昇した場合の「制御」を考えた方が「生産的」と筆者は考える。インフレターゲットを政策に組込むのもその一つである。例えば物価上昇が3%に達したら、シニョリッジ政策を中断するとか金融を引締めを行うといった決まりを設けるといった方法が考えられる。


日本の需要不足(貯蓄過多)の要因

前段で述べたように、筆者は供給サイドからデフレギャップを議論することは「空中戦」に陥ると考える。むしろ需要サイドから、また資金の流れから分析した方が分りやすいと考える。日本のデフレは慢性的な需要不足、つまり貯蓄の過多が主な原因と筆者は見る。

またこの日本のデフレは

03/6/30(第303号)「経済の循環(その2)」
http://www.adpweb.com/eco/eco303.html

で説明したように、経済循環において「漏出(ろうしゅつ)」が「注入(ちゅうにゅう)」を上回っていることが常態化していることを示す。古典派・新古典派の経済理論では、このような場合には金利がパラメートとして動き(この場合には低下)貯蓄過多は解消されることになっている。ところが今日の日本においては、金利がゼロ(実質金利はマイナス)になっても貯蓄過多は解消されない。それほど日本のデフレは深刻と見るべきである。結論を申すと、したがって日本にはシニョリッジ政策しかない。


本誌はこれまでこの日本の需要不足(貯蓄過多)の要因を幾度となく取上げてきた。これらを列記すると「バブル崩壊に伴う需要不足」「消費人口の減少による需要不足」「将来不安に備えた消費のセーブ」「所得格差拡大による消費性向の低下」ということになる。これらを一つずつ検討する。ただ最後の「所得格差拡大による消費性向の低下」はサマーズ元米財務長官等が唱える説であり、日本より米国の方が関係が深いと思われるのでここではこれ以上の言及を省略する(消費性向の小さい高額所得者の所得割合が増えることによって、全体の消費性向が低下)。


まず「バブル崩壊に伴う需要不足」を取上げる。バブル経済においては資産価格が高騰し、このバブルが崩壊すると資産価格は反動で大きく下落する。人々が注目するのは、資産を高値で買い損害を被った側である。このバブル崩壊で傷付いた人々は、当然、消費や投資を控えるため全体では需要不足が起る。

筆者が注目するのは、一方の資産を高値で売り抜けた人々の消費・投資行動である。もしバブルで大きな利益を得た人々が、この利益を全て使ってしまえば需要不足は解消する。ところが資産を売って得られた代金の大部分は銀行で眠ったままになる。したがってバブル崩壊は経済循環において「漏出」が「注入」を上回る現象を引き起す。つまりバブル経済の生成と崩壊が起ることによって、世の中の余剰資金は大きくなると筆者は分析する。

特に地価の高い日本では、バブルの崩壊がなくとも土地の売買が起る度に貯蓄過多が起ると筆者は考える。この様子は

04/10/11(第362号)「日本経済のデフレ体質の分析(その2)」
http://www.adpweb.com/eco/eco362.html

で取上げた。ちなみに家計部門は70年から93年までの24年間で140兆円もの土地を売越している。この代金の一部は今日でも貯蓄として眠っている可能性がある。


「消費人口の減少による需要不足」は、小子高齢化が進む日本にとって深刻な問題である。

13/4/8(第751号)「久しぶりの「朝まで生テレビ」」
http://www.adpweb.com/eco/eco751.html

で述べたように、総務省統計局のホームページによれば、消費金額は30才台、40才台でピークを打ち、50才台、60才台で極端に落ちる。したがって30〜50才の消費人口が減り続ける日本では、消費が伸びるはずがない。

「将来不安に備えた消費のセーブ」の深刻さも、今後、注目されるであろう。将来の公的年金支給の不安が囁かれ、30〜50才の消費世代の人々さえ消費を抑える傾向が見られる。また公的年金を補うため、個人年金に入る人々もいる。これは将来のために今日の消費を減らす行為である。明らかににこれも経済循環における「漏出」が「注入」を上回る現象を引き起す。

国も将来不安に備え、公的年金の保険料の引上げを行い、また消費税増税分の大部分(8割)を財政再建に回している。これらも経済循環における「漏出」の増加である。つまり日本政府自らがデフレを助長しているのである。これでは多少所得が多少増えても、日本経済が低迷から脱却することは無理である。

とにかく安倍総理の周りには本当の経済が分っている者が少ないのである(そのうち取上げるが経済スタッフは入れ替えるべき)。いまだに「成長戦略で経済成長」と間抜けなことを言っている。1〜3月がマイナス成長になるのも納得である。金融緩和だけに頼る今日の政策の転換が必要であり、今のうちに大量に国債を発行し財政政策を大胆に行うべきである。金利は上昇しないし、物価もさほど上がらない。
http://www.adpweb.com/eco/




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異次元緩和でも日本にインフレが起こらない極めてシンプルな事情
アナログな企業と人生こそデフレの勝者
大原 浩
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/56970

金融緩和は終わらない
日本銀行の黒田総裁によって2013年4月から導入されたいわゆる「異次元」金融緩和政策。まさに「異次元」の金融緩和政策が続いているが、いまだにささやかな2%の物価上昇でさえ実現できていない。

しかも、7月31日の金融政策決定会合で「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」を決めている。つまり、これからもさらに金融緩和を続けなければならないため、長期金利の変動をある程度認めて緩和の副作用に配慮するということである。

このような日銀(黒田氏)の政策は経済学で一般的な「資金を大量に供給すれば物価が上昇する」という理論に基づいている。しかし本当にその理論は(いつも)正しいのか?

極端に単純化して、この世の中に100本の缶ビールと1万円しか存在しないとする。その世界で、超金融緩和を行い通貨供給量を倍増して2万円にしたとする。これはとてつもない金融緩和で、マネーの価値は半分(物価は100%上昇する)になるというのがこの理論の示すところだが、大事なものが欠けている。

缶ビールの供給は増えないという前提だが、実際には缶ビールの価格が上昇すれば当然生産も増える。通貨供給を2倍にしても、商品の供給が2倍になれば(理論的には)物価は上昇しない。それが現実の経済である。

さらに言えば、50メートルプールから水をあふれさせるには、相当量の水を供給しなければならないが、プールへの水の供給を止めるには水道の蛇口を締めるだけでよい。

金利において、「高騰させるのは簡単だが低下させるのは難しい」ということを説明するのにこの「水道理論」が良く使われる。

いくら大量の資金供給を行っても、その供給によって増えた資金の保有者はいつでも自由に使える(使わなくても良い)ので、なかなか政策当局の思い通りの効果が出ない。

ところが、資金の供給を止めると、資金の調達(借り手)側は不渡りなどを出すわけにはいかないから、背に腹を替えることができず、かなりの高金利でも涙を飲んで借りるので、あっという間に金利が高騰するのだ。

この蛇口を止める現象は年末・年始、期末・期初の資金繁忙期には(ミクロ的に)頻繁に起こり、年率で数百%というとてつもない金利になることもある。


だから日本でインフレは起きない

さて、ハイパー・インフレの恐怖はよく語られるが、典型的な第1次世界大戦後のオーストリアとドイツのハイパー・インフレは大戦で欧州の生産設備が破壊された後に起こっている。

また逆に、1929年から始まった「大恐慌」は、結局、39〜45年の世界大戦によって世界の生産設備が大打撃を受けたことによって解決した。

しかし、1945年以降70年以上にわたって世界規模の戦争は起こっていない。もちろんそれは喜ばしいことだが、経済面でみれば毎年生産設備が積み上がって、かなりの供給過剰構造になっているのである。

また、ベネズエラの現在の天文学的インフレの主要な原因は、石油産業などの不振で外貨不足に陥り、食料を中心とした必需品等が輸入困難になった点にある。国内では十分な供給ができないから「輸入という蛇口」が締められたら価格が高騰するのは必然である。

逆に言えば、円という「強い通貨」で、世界中から供給過剰の商品を自由に輸入できる日本において、インフレが起こらない理由も簡単に理解できる。

さらに、1989年のベルリンの壁崩壊、91年のソ連邦崩壊によって主要共産主義国家は鉄のカーテンを開けて世界市場に商品を供給することになった。

1978年からケ小平によって始められた「改革開放」も、ソ連崩壊直後で南巡講話が行われた92年から加速。竹のカーテンを開いた。

そして、世界市場への供給が急増し、いわゆるアジア・南米・アフリカなどの新興国の多くも供給側となった。日本のバブル崩壊がちょうどこの時期に重なったのは不幸である。

生産性の向上はデフレ要因

さらに忘れてならないのは生産性の向上である。

経営学者のピーター・F・ドラッカーによれば、テイラーの「科学的分析」が生産に取り入れられて以降、工業製品の生産性は50倍以上になっている。つまり50分の1の人手で足りることになる。

農業における生産性の向上も著しい。多くの国で戦前は国民の大部分が農民で、日本でも1960年においても農家世帯員数は3441万人であった。だが、いまや米国では農業従事者は全就業人口のわずか1・7%(2005年)であるが、全国民の胃袋を満たすだけではなく大量の輸出さえしている。

現在(2017年)の日本の農家人口は約470万人で、就業人口6720万人の約0・7%。現在の食料自給率が約65%(生産額ベース)であるから、理屈で言えば就業者の1%ほどの農民で日本国民全部の食料需要を賄えるのである。

20〜30年前には「ハ―ドディスク」が50MBのパソコンが30万円ほどしたが、今や50MBは数千円のUSBのレベルである。また1本1万円ほどした映画のDVDは、月額1000円ほどで見放題である。

また、世界中のあらゆる人件費の安い地域に、コールセンター、工場、BPOセンターなどが次々と進出するので、日本をはじめとする先進国の賃金はいくら景気が良くなっても上昇しない。


供給過剰を解消すれば何とかなるが

このような供給過剰の世界で、いくら資金を供給しても物価が上昇しないのはある意味当然かもしれない。

パウエルFRB議長が金利引き上げを2019年で打ち止めにする意向を表明した後、さらにトランプ大統領が「金利引き上げは望ましく無い」と述べたが、このような供給過剰社会で金利の引き上げは困難であり、それは欧州においても同様である。

デフレ経済のきっかけは、1990年の日本のバブル崩壊であったかもしれないが、今や世界中がデフレ体質になっており、日本もその「グローバルデフレ経済」から抜け出すことはできないのだ。

先に述べたように、世界大戦級の大規模な戦争が供給過剰を解消してきたが、1945年以来、「過剰在庫」が世界中に積み上がっている。これを悲惨な戦争以外の手段で解消できるかどうかが世界に与えられた課題である。

最近「米中貿易戦争」が騒がれている。トランプ大統領がどの程度世界経済の仕組みを「理論的」に理解しているのかは明らかではないが、政治経験を全く持たないが倒産を4回も経験した稀有なビジネス界出身の指導者は、世界中のどのようなリーダーよりも経済の本質を「直感的」に理解しているように思える。

優秀なブレインのサポートがあったにせよ、「供給過剰の総本山である中国」に「貿易戦争」を仕掛ける最終判断を行ったのはトランプ氏である。

もっとも、このような「荒技」で国内への「供給過剰」を抑え込めるのは、「嫌なら中国全土を焼野原にして過剰供給をストップするぞ!」という脅しをかけることができる米国だけの特権である。

世界的に広がるデフレを根本的に食い止めるには、「過剰供給元への焦土作戦」しかないが、我々がそのようなことを論じても仕方が無い。トランプ氏が手元のボタンを押すかどうかにかかっていることになるが、現実的ではあるまい。

デジタルは供給過剰の総本山

供給過剰というのは、世界一の投資家ウォーレン・E・バフェットが良く使う「コモディティ」という言葉に集約される。要するに何の競争優位も持たない、「安い価格」以外の取り柄が無い、商品・サービスである。

ハーバード大学教授で「ポーター賞」で有名なマイケル・ポーターもコモディティ化を嫌い、「競争優位」を極めて重要視する。

コモディティ化は、何も繊維製品や100円ショップに並ぶ商品だけに限るわけでは無い。例えば、半導体は数十年前、時代の最先端を走る花形商品であったが、今や価格競争の波に飲み込まれている。

しかも、薄い利幅をカバーしようと、大量生産のための巨額投資を行い、その結果、大量に生産された製品によってさらに価格が下がるという「究極の悪循環」に陥っている。

実は筆者は、今もてはやされているIT・ネットビジネスもそれほど遠くない将来にコモディティ化するとみている。


デジタルというと、いかにも先端技術で「差別化」されているイメージを持たれがちだが実は全くその逆である。

デジタルは、誰がプログラミングしても正確にプログラムされたとおりに動くから、自動車や工作機械などのような製造ノウハウを必要としないのである。

例えば自動車のエンジンの製造というのは、現場の製造工程において、かなりアナログな技術が必要なため、中国・韓国どころか欧米の企業であっても、日本勢の製造技術には永遠に追いつけないとさえ言われる。

世界各国が電気自動車の普及に懸命なのも、アナログなガソリンエンジンでは日本勢に絶対勝てないから、デジタルな電気自動車で勝負しようと必死だからである。

それに対して、コンピューターソフトは、インドでも中国でも基本的技能を備えた技術者を雇えば簡単にプログラミングできる。また、デジタルコピーにコストはほとんどいらない。

今は普及の初期段階であるから儲かっているIT・ネット企業も、普及期が終わればとてつもない価格競争に巻き込まれるはずである。何しろ製造・サービス原価がほとんどゼロなのだから、血みどろの価格競争は間違いない。例えば5年くらい先を見据えた新卒の就職先や投資対象としてIT・ネット企業は決してお勧めできない。

それに対して、例えば工作機械やそれをつなぐIoT(につなげるセンサー)などはかなり有望である。工作機械やセンサーを粗悪品では無くまともに製造できるのは日本やドイツなどごく限られた先進国だけであり、そのアナログノウハウは新興国には簡単に真似ができない。

また、石油プラントやインフラなどの公共工事プロジェクトにおいても欧米などの先進国の長年にわたって培われたアナログノウハウが重要である。例えば石油や石炭などの天然資源採掘オペレーター、プロジェクトの運営者は、いまだに先進国がほぼ独占している。

このようなノウハウは実際に運営しないと取得できないが、その運営するチャンスを得るには既にノウハウを持っていなければならないというとてつもなく高いハードルが存在するからである。

夢を忘れられない日本

バブル崩壊前とそれ以降とではこれまで述べたように世界・日本経済の構造が変わってしまったのに、政府、産業界の中で、そのことに気がついている人々はほとんどいない。

いまだに大量生産・輸出型のビジネスを志向していて、そのうちにバブル前のような時代がやってくるという妄想を抱いている。バフェットやポーターがかなり昔から指摘している「競争優位」を構築することなどに見向きもしない。

いくら政策的に支援をしたり補助金をつぎ込んでビジネスを拡大してもそれが「コモディティ・ビジネス」であれば、「過剰供給」という悪魔を勢いづかせ、結果として国家や産業を疲弊させるだけである。現在問題なのはビジネスの「量」ではなく「質」なのである。

個人レベルでも同様である。低賃金国で代替可能なコンピュータプログラミングや、AIで簡単に処理できる会計士、弁護士など士業も含めた事務作業(デジタル業務)の将来は明るくない。

しかし、人手不足によるタブレットや配膳ロボットの導入などでデジタル化が進んでいる飲食業では、デジタル化できない「顧客満足」や「おもてなし」を担当するマネージャーの重要性が増し賃金が上昇するかも知れない。

あるいは、フレンチの三ツ星シェフがノーベル賞受賞者と同等に(?)尊敬されるように、クールジャパンを代表する名店のすし職人が世界的名声を得る時代がやってくるかもしれない。

要するに、デジタル化、コモディティ化できない「究極のアナログな存在である人間」と「アナログな機械」を相手にするビジネスこそが、デフレ経済の中での勝者となれるのである。


少子化だからこそ発展できる

なお最後に付け加えると、現在、少子化が騒がれているが少なくともこれは「供給過剰・デフレ経済」においてはプラス要因である。例えば、欧州各国の失業率はおおむね10%弱から2ケタ台であるが、若年失業者はその約2倍である(例えば一般失業率10%に対して若年失業率20%になるという意味である)。

スペインは15歳から24歳の若年失業率がおおよそ50%弱、つまり2人に1人が失業、イタリアで30%強、フランスで20%強である。

現状の日本は賃金がなかなか上がらないとはいえ、少子化が進む若者も含めてほぼ完全雇用状態なのであるから、自分の将来を託す企業の選択におおいて、目先の好景気だけでIT関連を選ぶというような愚を犯すべきでは無い。

また、少子化は「供給過剰・デフレ経済」にとって、供給を自然に減らす天の恵みである。したがって「移民・外国人労働者」の大量受け入れでその恩恵を超消しにするような愚は行うべきでは無い。

例えば、日本の高度成長時代にも極端な人手不足が起こり、中卒は「金の卵」などと呼ばれたが、日本は欧米のように手軽でコストの安い移民(当時はそのように見えた)に頼らず、自動化・ロボット化で乗り切った。

逆にそのことによって、自動化・ロボット化が進化し、日本がその分野で世界をリードするきっかけとなったのである。

日本の企業経営者たちは「人手不足」だと騒ぐ前に、それを解決するべき知恵を絞るべきである。例えば「変なホテル」は素晴らしい工夫の一つである。

それに対して、手軽で安い移民を深く考えずに受け入れた欧米は、今となっては「供給過剰」の移民たちの高いつけを払わされている(ただし、国家を繁栄に導く「高度人材」についてはこの限りでは無いが)。我々は彼らと同じ後悔をしてはいけない。


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2018年8月22日
「ポピュリズム肯定論」がデフレ脱却を導く
From 藤井聡@内閣官房参与(京都大学大学院教授)
そもそも「ポピュリズム」と言えば、日本では
「大衆迎合主義」などと呼ばれ、
何やら「悪しきもの」と見なされています。

ですが、そんな「ポピュリズムを否定する雰囲気」こそが、
今の日本を閉塞させている―――というのが、
本特集の基本認識です。

例えば、今、
我が国で何よりも大切な経済問題は「デフレ脱却」。

「デフレ脱却」さえできれば、
国民の所得は上がり、格差は是正され、
国民の暮らしは「豊か」なものとなります。

しかし、「デフレ脱却」のために必要な
「大型財政政策」も
「過剰なグローバリズムの緩和」も、
双方共に全く出来ていないのが現状です。

それもこれも、
日本官僚や知識人、学者といったインテリ達が皆、
緊縮やグローバリズムを主張し続けているから、
に違いありません。

つまり今の日本は、
インテリ達が間違った政策を主張し、
その方向で政治が動き、
デフレがいつまでも続き、
庶民が苦しめられている―――
という構図にあるわけです。

ところが、今、
アメリカやイギリスでは、
もった異なる議論が展開されはじめています。

イギリスが「EU離脱」を決定し
アメリカが大統領選挙で「トランプ」を勝利させたのです。

EUもクリントンも、
旧来型のインテリ達が推し進めようとする
「グローバリズム」や「緊縮」の象徴だったのですが、
その流れに対して、「国民」が、
「NO」を突きつけたわけです。

これこそまさに「ポピュリズム」。

その結果、
アメリカでもイギリスでも、
庶民を苦しめ続けた政治が、
着実に変わり始めているのです。

ところが・・・

我が国日本では、
こうした英米のポピュリズムを批判する声が絶えません。

「EUから脱退するなんて、
イギリス人はなんて愚かなんだ」

「トランプを選ぶなんて、
アメリカ人はホントに非知性的で、不条理だ」

という意見が、日本においては支配的です。

しかし、そんな日本のインテリ達は、
完全に間違っています。

なぜなら、
グローバリズムや緊縮財政等の
机上の空論を振り回すインテリ達よりも、
「庶民の不満」を代弁するトランプやEU離脱派の方が、
英米の国益にとってずっとずっと「マシ」だからです。

つまり、「インテリ達が間違っている場合」には、
インテリ「以外」の人々の意見を重視する
ポピュリズムこそが、
正しい政治を導くのです!

だからこそ、我が国においても、今、
敢えてポピュリズムを「肯定」する議論が、
強く求められている――という次第です。

「表現者クライテリオン」では
そんな基本的な認識に基づいて、
「財務省」をはじめとした高級官僚達や経済学者、
メディア関係者や一流財界人など、
日本国内でデカイ顔をして、
他者を小馬鹿にしながらエラソーに自説を開陳し続けている
いわゆる「インテリ」達が、如何に、
現実を無視した「間違った主張」を繰り返し続け、
日本を破滅に導き続けているのか―――
一方で、「庶民からの反逆」とも言いうるポピュリズムが、
如何に日本で求められているのか―――
といった論点を、様々な角度から論じました。

デフレから脱却できず、
疲弊し続ける我が国日本において、
こうした「ポピュリズム肯定論」は、
閉塞した現状を打開する、
効果的な「一撃」となるに違いありません。
https://38news.jp/america/12309


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IMFが公表した日本の財政「衝撃レポート」の中身を分析する それでも消費増税は必要ですか(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/804.html

2018.10.15 橋 洋一 経済学者 嘉悦大学教授 現代ビジネス


やっぱり日本のメディアは報じないが…

消費税増税の外堀がさらに埋められた。安倍総理は、15日の臨時閣議で、来年10月に予定している消費税率10%への引き上げに備えた対策を早急に講じるよう指示する。この臨時閣議は、首相が16日から訪欧するために開催されるもので、西日本豪雨や北海道地震の災害復旧費などを盛り込んだ平成30年度補正予算案が決定される。

消費増税の足音が近づいてきているが、前回の本コラム(「消費増税で国民に負担を強いる前に、政府がいますぐにやるべきこと こんな順番では納得できない」 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57879)では、消費増税前に、政府保有株の売却などやるべきことがあると指摘した。

今回は、その続きの一つとして、IMF(国際通貨基金)が公表した重要なレポートを紹介しよう。先週も指摘したように、IMFは財務省出向職員が仕切っている側面もあり、単なる財務省の代弁としか言いようのないレポートもあるのだが、財務省の出向職員があまり手を出せないスタッフペーパーのなかには、いいものもあるのだ。

今回紹介するものはその類いである。それは、今月の公表された「IMF Fiscal Monitor, October 2018 Managing Public Wealth」(https://www.imf.org/en/Publications/FM/Issues/2018/10/04/fiscal-monitor-october-2018)である。

これは、各国の財政状況について、負債だけではなく資産にも注目して分析したものだ。このレポート、海外メディアの注目度は高い(たとえば https://jp.reuters.com/article/imf-g20-breakingviews-idJPKCN1ML0NF)が、日本のメディアではさっぱり取り上げられない。だからこそ、紹介する価値があるというものだ。

筆者が大蔵省時代に、政府のバランスシート作りに取り組んだ経緯は、前回のコラムでも少し触れたが、レポートを見る前に、その当時の世界の情勢も加えておこう。

筆者がバランスシートづくりに取り組んだのは、1990年代中頃であるが、その当時、アメリカなどでさえ、政府のバランスシート作りにはまったく手がついていなかった。その意味で、筆者はこの分野での先駆けであったことを自負している。

そこで、筆者がその考え方(企業と同じように、政府もバランスシートによって財政を評価するべきだということ)を諸外国の財政当局の担当者に話すと、興味津々であった。そのおかげで、アメリカなどのアングロサクソン系国家から、「そのバランスシート作りについて、日本のやり方を教えてほしい」という要望があり、かなりの数、海外出張に行った記憶がある。

さて、それを前提にIMFのレポートに話を戻そう。上記のIMF報告書の33ページのAnnex Table 1.2.3には、各国データの「availability」がある。要は、各国がこの「バランスシート」の考え方を導入した年代が分かるわけだ。

日本は他先進国とともに、一番早い2000− となっている。ここの記述はやや不正確であり、日本は1995− が正しいと思う。筆者の記憶では、日本が1995年ごろにバランスシートをつくり、他先進国はその後2年くらいでできあがったはずだ。

これには、ちょっとした理由がある。日本の政府バランスシートは1990年代中頃に作られ、世界最先端を行っていたのだが、その公表は封印されたのだ。

大蔵省はそれまで、バランスシートではなくその右側だけの負債だけを都合よく利用して財政危機を訴えてきたので、包括的なバランスシートが出来てしまうと、それまでの説明に矛盾が生じてしまうからだろう。大蔵省だからというわけではないだろうが、このバランスシートは「お蔵入り」と言われたことは覚えている。

その後、2000年代になって小泉政権が誕生すると、財務省内からも「そろそろ政府のバランスシートを公表したほうがいい」と言う声が上がり、そこに例の「埋蔵金論争」などもあったことから、結局バランスシートを公表するようになった。

それからは、財務省のホームページにはバランスシートが公表されている(https://www.mof.go.jp/budget/report/public_finance_fact_sheet/index.htm)が、これについては財務省がマスコミにまともなレクチャーをしないから、ほとんど知られていない。債務の大きさだけを強調し、財政再建が必要だと主張するためだ。財務省も財務省だが、財務省からレクを受けないと記事が書けないマスコミも情けない。

いずれにしても、2000年代から各国でバランスシート作りが盛んになり、データも蓄積されてきたところなので、IMFでも各国のバランスシートについて分析できるようになったのだろう。

グラフをみれば一目瞭然

さて、当該のIMFレポートでは、主に一般政府(General Government)と公的部門(Public Sector)のバランスシートが分析されている。

一般政府とは中央政府(国)と地方政府を併せた概念である。一方の公的部門とは、中央銀行を含む公的機関を含めたものだ。

筆者は、これまで統合政府という概念でバランスシートを論じることが多かった。例えば、2015年12月28日「『日本の借金1000兆円』」はやっぱりウソでした〜それどころか…財政再建は実質完了してしまう!」(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/47156)などである。

この場合、筆者が考慮するのは中央政府と中央銀行だけにしているが、ネット資産(資産マイナス負債)に着目する限り、これはIMFレポートの「公的部門」とほぼ同じである。というのは、地方政府と中央銀行を除く「公的機関のネット資産」はほとんどゼロであるからだ。

中央銀行も、形式的にはネット資産はほぼゼロであるが、中央銀行の負債は実質的にはないので、実質的なネット資産が大きくなるので、統合政府ではそれをカウントしているわけだ。そこで、統合政府のバランスシートをみれば、ネット負債はほぼゼロ……つまりネット資産もゼロとなっている。

これらを踏まえた上で、IMFレポートを見てみよう。

2ページの図1.1では、比較可能な国の「公的部門バランスシート」でのネット資産対GDP比がでている。


それによれば、日本の公的部門のネット資産対GDP比はほぼゼロである。これは、筆者の主張と整合的だ。まあ、こんな話は誰が計算しても同じである。

ここから出てくる話は、「巨額な借金で利払いが大変になる」というが、それに見合う「巨額な資産」を持っていれば、その金利収入で借金の利払いは大変ではなくなる、という事実だ。このため、日銀の保有する国債への利払いは、本来であればそのまま国庫収入になるが、それを減少させる日銀の当座預金への付利を問題にしているわけだ(詳しくは先週の本コラムを見てほしい)。

ギリシャ、イタリアと比べても…

続いてIMFレポートでは、一般政府バランスシートでのネット資産対GDP比も分析している。7ページの図1.4である。


ここでも、日本は若干のマイナスであるが、ギリシャ、イタリアと比べるとそれほど悪くない。

IMFレポートでは、どのような財政運営をすると、ネット資産がどのように変化するか、という分析を行っている。例えば、単に赤字国債を発行するだけだと、ネット資産は減少するが、投資に回せばネット資産は減少しない。その投資が生きれば、ネット資産は増加する……といった具合だ。

この観点から論をさらに進めれば、先週の本コラムに書いたような「研究開発国債」という考え方は容認できるだろう。もっとも、今の財務省の経済音痴では、そのような新手は望むべくもないだろうが。

このほかにも、ネット資産は財政状況をみるのに使える。理論的には、ネット資産が限りなく減少すると(数学的な表現では、マイナス無限大に発散)財政破綻、ということになる。IMFレポートではそこまで書いていないが、35ページのAnnex Table 1.3.1.において、長期金利と一般政府でのネット資産との状況について、回帰分析を行っている。

その含意は、「ネット資産が少なくなると、長期金利が上昇する傾向がある」となっており、理論面でのネット資産と財政破綻の関係と整合的であることが示されている。

そこで、一般政府でのネット資産対GDP比とその国の信用度を表すCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)レートの関係の相関を調べてみた。


これをみるとかなりの相関があることが分かる。筆者はCDSのデータから、その国の破綻確率を計算し、例えば、日本は今後5年以内に破綻する確率は1%未満であるといっている。この話は、日本のネット資産がほぼゼロであることと整合的になっている。

こうした話は、本コラムでこれまでにも書いている。昨年来日したスティグリッツ教授が、経済財政諮問会議の場でも「日本の財政負債は大半が無効化されている(から財政破綻にはならない)」といっている。

そのとき、日本の増税学者は「スティグリッツが間違っている」と強気だった。これに対し、筆者はもしそうなら、スティグリッツに手紙を書き謝罪文をもらうべきだといった。いまだに、スティグリッツから謝罪文がきたという話は聞いていない。

すり替え、が始まった

財政破綻を訴え増税を主張する人たちは、それでもやはり消費増税を強行するのだろうか。IMFレポートをみれば、財政破綻というロジックが使えなくなったことは歴然なのに……。と思っていたら、増税派は「財政破綻を回避するために」という論法ではなく、「将来の年金など社会保障のために増税すべき」と、新しい言い方に変え始めている。これには失笑するほかない。

筆者は、社会保障の将来推計の専門家である。社会保障の将来像などを推計するのはそれほど難しくない。かつては、「財政問題のストック分析:将来世代の負担の観点から」(https://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/04030014.html)という論文も書いている。

今更「社会保障が重要」などという暢気なコメントを出すような人より、ずっと前からこの問題については考えている。

何より、社会保障財源として消費税を使うというのは、税理論や社会保険論から間違っている。大蔵省時代には、「消費税を社会保障目的税にしている国はない」と言い切っていたではないか。

そんなデタラメに、まだ財務省がしがみついているのかと思うと、心の底から残念で仕方ない。

社会保障財源なら、歳入庁を創設し、社会保険料徴収漏れをしっかりとカバーし、マイナンバーによる所得税補足の強化、マイナンバーによる金融所得の総合課税化(または高率分離課税)といった手段を採ることが、理論的にも実践的にも筋である。

それらを行わずに、社会保障の財源のために消費増税を、というのは邪道である。さらに、景気への悪影響も考えると、いまの時期に消費増税を行うというのは尋常ではない。

少々難解かもしれないが、ぜひともIMFレポートなどを読んで、「消費増税の是非についての認識を深めてほしい。




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ガキっぽい情熱を克服できない経済学の実態
ノーベル学者もピケティも嘆く内輪ウケ体質
中野 剛志 : 2018/10/19
https://toyokeizai.net/articles/-/243257

ノーベル経済学賞を受賞したポール・ローマー(写真:REUTERS/Mike Segar)

2018年、ポール・ローマーは、経済学への理論的貢献を認められて、ノーベル経済学賞を受賞した。

ところが、皮肉なことに、そのローマーは、2016年の講演の中で、マクロ経済学は、過去30年以上にわたって進歩するどころか、むしろ退歩したと断じ、経済学に対する辛辣な批判を展開していたのである(参考)。

しかし、このように経済学のあり方を批判する大物経済学者は、ローマーだけではない。

2008年にノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマンもまた、その受賞の翌年、過去30年間のマクロ経済学の大部分は、「良くて華々しく役に立たなく、悪くて全く有害」と言い放っていた(参考)。

同様に、2011年、元米財務長官で大統領首席経済顧問やハーバード大学学長を歴任したローレンス・サマーズは、主流派経済学の理論モデルに基づく論文は、政策担当者にとっては本質的に無益であったと告白している(参考)。

本物の女王に権威を失墜させられた「社会科学の女王」

経済学批判の歴史は長い。もっとも、これまでの経済学批判は、もっぱら政治学、社会学あるいは歴史学など経済学以外の分野からか、マルクス主義、歴史学派、制度学派あるいはポスト・ケインジアンといった、主流派から外れた異端派経済学から発せられてきた。

しかし、過去10年、主流派経済学者たちの中からの「内部告発」が相次ぐようになったのである。その理由は、明らかに2008年の世界金融危機(リーマン・ショック)の勃発にある。

有名な話であるが、リーマン・ショックの勃発から間もない2008年11月、イギリスのエリザベス女王は、経済学の世界的権威たちに「なぜだれも危機が来ることをわからなかったのでしょうか」と尋ね、彼らを絶句させたという。「社会科学の女王」を自認する経済学の権威が、本物の女王によって失墜させられた瞬間であった。


エリザベス女王のご下問に応えるなら、次のようになる。

そもそも、主流派経済学の理論は、「完全情報を有する合理的な個人が完全競争市場において最適化行動を行う」という非現実的な仮定を置いた「一般均衡理論」をベースとしている。

1980年代以降、この一般均衡理論を基礎としたマクロ経済理論を構築する試み(「マクロ経済学のミクロ的基礎づけ」)が流行し、いわゆるRBCモデル(実物的景気循環モデル)が構築された。さらにRBCモデルは、DSGEモデル(動学的確率的一般均衡モデル)へと発展し、1990年代以降のマクロ経済学界を席巻するに至った。

しかし、この「ミクロ的基礎づけ」とは、非現実的な仮定に基づく論理操作であったため、DSGEモデルなる理論モデルは、結局のところ、実際の経済から著しくかけ離れたものとなった。ローマーが、過去30年間で経済学が退歩したと述べた際に念頭にあったのも、この「マクロ経済学のミクロ的基礎づけ」の非現実性である。

リーマン・ショックを経ても改善は見られず

この「マクロ経済学のミクロ的基礎づけ」の問題点には枚挙にいとまがないが、特に重大な欠陥は、その根底にある一般均衡理論が「貨幣」の存在を想定していないということであった。

経済学とは貨幣に関する理論だと思い込んでいる人々は、主流派経済学の理論モデルに貨幣が組み込まれていないと聞いて、耳を疑うであろう。しかし、これは、一般均衡理論の中心的な理論家の一人であるフランク・H・ハーンですら認めている事実なのである。


エリザベス女王が経済学者に疑問をぶつけてから10年経っても、経済学のあり方は改善されていないようだ(写真:Reuters/Paul Childs)

エリザベス女王は知らなかったであろうが、主流派経済学者たちは、貨幣の概念を欠いた経済理論に依拠していたのだから、金融危機を想定できるはずもなかったのだ。

もっと言えば、そのような経済理論が経済政策に影響を及ぼしていたことこそが、金融危機を引き起こしたとすら言える。それを指して、クルーグマンやサマーズは「有害無益」と言ったのである。

確かに、極端に非現実的な経済理論に基づき、事実を軽視する経済学者たちの提言など、「有害無益」以外の何物でもない。

しかし、2016年に、ローマーが経済学を激しく糾弾する講演を行ったことからもわかるように、リーマン・ショックが起きたにもかかわらず、経済学のあり方には、それほど大きな改善がみられないようである。

非現実的な理論が及ぼす有害無益は、金融に限られない。

例えば、我が国では、現在、消費税率の10%への増税がなされようとしており、多くの経済学者がそれを支持している。しかし、この増税が安倍政権の目指すデフレ脱却を頓挫させ、景気の悪化を招くことは、明らかである。

というのも、消費税が5%へと引き上げられた1997年から日本はデフレ不況へと陥り、2014年の8%への消費増税もまた、デフレの悪化や消費の縮小などの悪影響を及ぼしたという事実があるからだ。


https://toyokeizai.net/articles/-/243257?page=3


ところが、8%への消費増税の是非が検討されていた2013年当時、多くの経済学者たちは増税を支持していたのである。その一人である伊藤隆敏氏は、消費税を引き上げても「デフレ脱却に失敗することはない」とまで断言していた(参考)。しかし、現実は、先ほど指摘したとおりである。

ちなみに、伊藤氏は2003年、吉川洋氏など日本を代表する経済学者らと共同で、政府部門の債務の対国内総生産(GDP)比率が200%に達した場合、「この水準は国家財政の事実上の破たんを意味すると言ってよい」と警鐘を鳴らしていた(2003年3月19日付、日本経済新聞「経済教室」)。

しかし、現在の政府債務の対GDP比率は230%を超え、伊藤氏らの言う「国家財政の事実上の破たん」の水準をすでに超えている。もし事実上の財政破綻であるならば、日本国債の買い手などいなくなるから、長期金利は急騰するはずだ。

ところが、実際の長期金利はわずか0.03%程度にすぎない。伊藤氏らが依拠する経済理論は、この現実をまったく説明できていないのである。

経済学者に見られる7つの特徴

これだけ事実によって理論が反証されているかかわらず、経済学者たちは、財政健全化論に固執し、消費増税や歳出抑制を主張し続け、財政政策に影響を与え続けている。その結果、防災関連予算ですら削減され、多くの国民の生命や財産が失われるという事態すら招いている

(参考:自然災害対策と「財政問題」は、分けて考えろ)。
https://toyokeizai.net/articles/-/231318


ここまで来ると、経済学が、国民の生命を危うくしていると言っても過言ではあるまい。しかし、なぜ経済学者たちは、ここまで現実から目を背け、非現実的な理論に固執し続けているのであろうか。

ローマーによれば、経済学者たちには、次の7つの特徴が当てはまると述べている。


@途方もない自信

A異常に一枚岩の共同体

B宗教団体か政党のような、同じグループとの一体感

C他分野の専門家から隔絶された強烈な内輪意識

D他のグループの専門家の思想、意見、業績に対する無視と無関心

E証拠を楽観的に解釈し、結果に対する大仰あるいは不完全な言明を信じ、理論が間違っているかもしれないという可能性を無視する傾向

F研究プログラムに伴うはずのリスクの程度に対する評価の欠如


ローマーが批判した経済学者の閉鎖的な内輪意識については、トマ・ピケティもまた、ベストセラーとなった『21世紀の資本』の中で、こう指摘している。

率直に言わせてもらうと、経済学という学問分野は、まだ数学だの、純粋理論的でしばしばきわめてイデオロギー偏向を伴った臆測だのに対するガキっぽい情熱を克服できておらず、そのために歴史研究や他の社会科学との共同作業が犠牲になっている。経済学者たちはあまりにしばしば、自分たちの内輪でしか興味を持たれないような、どうでもいい数学問題にばかり没頭している。この数学への偏執狂ぶりは、科学っぽく見せるにはお手軽な方法だが、それをいいことに、私たちの住む世界が投げかけるはるかに複雑な問題には答えずにすませているのだ。
トマ・ピケティ『21世紀の資本』(2014年、みすず書房)P34〜35

ピケティの言う「数学への偏執狂」とは、DSGEモデルのような「ミクロ的基礎づけ」の理論への固執のことであろう。そして、「ミクロ的基礎づけ」の理論を共有していることが、経済学者たちの強固な内輪意識の源となっているのである。

問題は経済学者の閉鎖性

その一例を示しておこう。

土居丈朗・慶應義塾大学教授は、2016年の米国経済学会において、財政出動の是非を巡る経済学者たちの論争を聴いた際の感想を、こう述べている(ちなみに土居氏は、伊藤氏同様、熱心な財政健全化論者である)。

この議論を拝聴して、意見の相違は残ったままだったが、建設的で示唆深い議論にすがすがしさを感じた。パネリストは皆、大学院で教育を受けて経済学の博士号を持つ共通の学問的裏付けがあり、ミクロ経済学やマクロ経済学という演繹法的な基礎理論に基づく点で共通している。演繹法的な立論であるため、まったく同じ理論に基づいていても、現状認識や前提条件が異なれば、結論が異なりうるという議論の大原則がある。
日米で違いすぎる「反緊縮財政」を巡る議論(東洋経済オンライン、2016年1月11日配信)

土居氏は、米国経済学会における論争に「すがすがしさを感じた」理由として、パネリストたちが皆「経済学の博士号」を持っており、その議論が「演繹的な基礎理論」に基づいているからだとしている。その「演繹的な基礎理論」とは、「マクロ経済学のミクロ的基礎づけ」のある理論のことである。


筆者の著書『富国と強兵 地政経済学序説』
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4492444386/toyokeizaia-22


では、ローマーの批判を取り上げている

要するに、この米国経済学会の論争とは、「経済学の博士号」を持ち、「マクロ経済学のミクロ的基礎づけ」を共有することで一枚岩となった、閉鎖的な経済学者の仲間内での論争だということだ。

土居氏がその論争に「すがすがしさを感じた」のは、土居氏自身が、この非現実的な理論を共有する閉鎖的な経済学共同体の一員だからにほかならない。しかし、その経済学者の閉鎖性を、ローマーは問題視しているのだ。

ローマーは、講演の聴衆に対して、こう問いかけている。「あなたは、医療科学よりも、ワクチン反対派やホメオパシー派の友人を重視するような医者に、自分のお子さんの治療を任せられますか?」と。

ローマーの批判は辛辣を極めている。だが、彼の知的誠実さは、確かにノーベル経済学賞に値するだろう。


▲△▽▼

【討論】表現者クライテリオンスペシャル「消費増税は安倍退陣と日本滅亡への道」[桜H30-10-20] - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=5XrfugyhtXw


2018/10/20 に公開


◆表現者クライテリオンスペシャル「消費増税は安倍退陣と日本滅亡への道」

パネリスト:
 浅田統一郎(中央大学教授)
 安藤裕(内閣府大臣政務官兼復興大臣政務官・衆議院議員)
 川端祐一郎(京都大学大学院助教)
 菊池英博(日本金融財政研究所所長)
 高橋洋一(嘉悦大学教授・「政策工房」会長)
 藤井聡(京都大学大学院教授・内閣官房参与)
 三橋貴明(経世論研究所所長)
司会:水島総


http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html#c33

[昼休み54] 『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった 中川隆
34. 中川隆[-13637] koaQ7Jey 2018年11月21日 12:31:22 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20962]

【経済討論】財務省主導の経済でいいのか?日本[桜H30-4-14] - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=s8y0fk90-OQ


◆経済討論:財務省主導の経済でいいのか?日本

パネリスト:
 安藤裕(衆議院議員)
 高橋洋一(嘉悦大学教授・「政策工房」会長)
 田村秀男(産経新聞特別記者・編集委員兼論説委員)
 藤井聡(京都大学大学院教授・内閣官房参与)
 松田学(東京大学大学院客員教授・元衆議院議員)
 三橋貴明(経世論研究所所長)
 渡邉哲也(経済評論家)
司会:水島総

http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html#c34

[リバイバル3] 株で損した理由教えてあげる 新スレ 中川隆
120. 中川隆[-13636] koaQ7Jey 2018年11月21日 13:39:37 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20962]
中間選挙開票後の米国株価の下落は、負債のレバレッジ経済が崩壊する兆候か
吉田繁治 2018年11月19日
https://www.cool-knowledge.com/%e4%b8%ad%e9%96%93%e9%81%b8%e6%8c%99%e9%96%8b%e7%a5%a8%e5%be%8c%e3%81%ae%e7%b1%b3%e5%9b%bd%e6%a0%aa%e4%be%a1%e3%81%ae%e4%b8%8b%e8%90%bd%e3%81%af%e3%80%81%e8%b2%a0%e5%82%b5%e3%81%ae%e3%83%ac%e3%83%90/


有料版の、プロローグから8ページくらいを
抜粋して送ります。テーマは、中間選挙後では異例である株価下落
が、米国の過剰流動性相場つまり株価バブルを終わらせる兆候にな
るのかどうかの、検討です。

中間選挙開票後の米国株は下落の方向に向かっています。日本株は、
ヘッジファンドによる売買が70%を占めるので(構造的要因)、米
国株の上昇のときは上がり、下落のときは同時に下がるというコ
ピー相場の中にあります(個別株ではなく、市場の株価指数)。

【米国株の上昇と下落の、5つの要因】
米国株のバブル的な上昇は、株買いの増加を促した、以下の3つの
要因からきていました。「過剰流動性相場」として、まとめること
ができる現象です。

(1)10年で15兆ドル(165兆円)のトランプ減税の開始、

(2)海外での企業利益を米国に還流させた場合35%の税がかかっ
ていましたが、2018年の利益についてはリバトリ法(愛国法)によ
って0%にしたこと。過年度の利益についても、8%から15.5%に減
税しています。これが、海外のドルの米国への大還流をもたらし、
株買いになっています。

(3)2017年は50兆円、18年は70兆円の自社株買い。


他方で、米国株の下落をもたらす要因は、以下の2つです。

(1)米国FRBの、18年8月の利上げ(0.25%)と、2019年の3回の利
上げの予告。期待金利の上昇は、レポ金融の縮小を通じて、米国内
の流動性を減少させます。

(2)中国輸入(50兆円)の50%対する2018年は10%、19年は25%
の課税と、課税品目の全輸入への拡大予想。この関税は、中国と米
国の2019年からのGDPを低下させます。

本稿で検討するのは、以上5つの要因が、今後、どう働くかという
ことです。

【HFT】
ヘッジファンドは、瞬間売買をするHFT(1/1000秒単位の売買)を
使っているので、「米国株→日本株」の波及は時間差をおかず起こ
ります。確率では50:50の上昇と下落を繰り返して、その日の、株
価の罫線の傾向を作っています。

テクニカルと言われる罫線アナリストの予想は、はずれることが多
い。主因は、世界の株式の売買の60%くらいがHFTのプログラム取
引になったからです。個人投資家が価格の罫線から判断して、ゆっ
くり売買する相場は、1980年代までのものになりました。

実は、ヘッジファンドのファンドマネジャーは売買を判断していま
せん。代わりに、「クオンツ」と呼ばれるプログラム取引により、
自動売買が発動されています。株価の結果である罫線のグラフから
判断しているのは、HFTのシステムをもたない個人投資家です。正
解か間違いかは不明な、個人投資家の判断の根拠が、経済紙に書か
れるものです。

【ロジックはほぼ共通だが・・・】
プログラムのロジックは、(他に真似されるため)公開しないので、
クオンツを作った人以外には、分からない。しかしロジックの中身
は「横並び」であることが多い。同じタイミングに売り、同じ時に
買う。このため上げも下げも増幅される傾向が強くなっています。

【中間選挙後の株価】
2年ごとの定期的な中間選挙のあとは、11月から12月の年末であり、
過去は開票結果にかかわらず、米国株は上げていました。

わが国の、時期が定まらない国政選挙の前にも、与党の関与により、
株価が上がることが多かったことと似ています。与党は、株価を上
げることで、政権への支持を増やす狙いをもつからです。「政治サ
イクル」と言われます。

【11月8日までの急騰】
NYダウは、10月29日には2万4429ドルであり、10月16日からは5.4%
下げていました。10月30日からは上げに転じ、開票直前の11月8日
には、2万6129ドルにまで8.9%上げていました。

8日間で+8.9%は、急騰です。「中間選挙後は、株価は上がる」と
いう「アノマリーな買い」を期待し、買いが増えたからです。

(注)アノマリーとは、経済合理的な根拠がない売買を言います。
たとえば「太陽の黒点が大きくなったから株価は上がる」といった
原因と結果の関係がわかっていない理由付けの売買です。ランダム
に結果が出る「ルーレットの賭け」と同じ売買方法です。

【11月8日以降下落】
その後の、11月12日(月)までの4日間、NYダウは2万5387ドルへと
2.8%下げています。3%程度上がる方向の中の下げですから、「4
日間で2.8%+3%=5.8%」の急落と見なければならない。

DUKASCOPYのリアルタイムチャートで見ると、11月14日現在は、2万
5339ドルを中心に上下100ドルくらいの幅で変動しています。S&
P500とナスダックの指数も同じ傾向です。
https://nikkei225jp.com/nasdaq/

【特にアップル株が下げている】
世界史上最大の、1兆ドル超え(110兆円超え)の時価総額だったア
ップルは、10月2日の229ドルで、ピークをうったように見えます。
世界のスマホの売上が、3億5000万台へと前年同期比で6%も減って
いたからです(18年7月〜9月)。(注)スマホで最大手のアップル
は、下落している販売台数の公表を控えています。
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/chart/AAPL

「リーマン危機のあとの過剰流動性」の中で、もっとも大きく上げ
ていたアップル株は、11月12日には194ドルへと15%下げています。
1か月で、株主の資産から16.5兆円が蒸発しました。アップル株の
先物やオプションを売買していた投資家は、追い証を迫られていま
す。

下がった株を、成り行き価格で損をして売って、現金に換えねばな
らない。少なからず破産者も出ているでしょう。多くの人はレバレ
ッジで売買しているからです。穏やかな10倍でも、15%の下げは、
証拠金の150%の損になります。

【2017年と18年は、自社株買いが、株価を上げてきた】
アップルは、社債の発行で現金を得て、その現金で「自社株買い」
をしてきた代表です。2018年の、米国市場の大手銘柄の自社株買い
は、合計で70兆円という巨額になっています。これが、2018年の米
国株が上昇するときの原因です。

前年の自社株買いは50兆円/年でした。当時も「大きすぎる自社株
買い」と言われ、「2018年はさすがに減るだろう」と見られていま
したが、逆でした。70兆円へ増加を見て、来年度の2019年には、自
社株買いが100兆円に増えるとしている投資家もいます。

(注)日本の会社の自社株買いは、2016年3兆円、17年2兆円、18年
が2.5兆円と、米国の1/30です。

【日本株は、日銀の株ETFの買い】
日本株は、日銀による株ETFの買い(月間平均5000億円:年間6兆
円)で、底支えがされてきました。午前中の前場で1%くらい日経
平均が下げると、12:00ころから、日銀の覆面買い(数百億円)が
入って下げが止まり、日銀の買いを当てにした投資家の買いによっ
て上げる日も多かった。

株ETFは、先物と違って、限月までに反対売買をして清算がするこ
とがない。現物株のように保有し続けることができるので、株価を
上げやすい。

(注)日銀が60%を買っている株ETFは、証券会社が、個別株をグ
ループ化して作った指数です(=デリバティブ)。ETFが上がると、
低い現物株を売って高くなったETFを売って利ザヤを得る、自動化
された「裁定取引」が瞬間にはいるので(これが証券会社の自己売
買になる)、ETFと現物株の価格は、時間差をおかず一致していま
す。

【テーマ】
米国中間選挙後の、株価の下落は、近い将来に対して何を意味して
いるか・・・本稿はこれをテーマにします。「2019年は、米国株場
バブル崩壊から金融危機、つまり10年目のリーマン危機」になるだ
ろうと見ている人も、出始めたからです。

【世界のGDPの伸びを低下させるトランプ関税】
日・米・中そして世界の、2019年のGDPの伸びを、1ポイント(IMF
予想)から2ポイント(当方の予想)は低下させるトランプ関税と
いう新しい要素が加わっています。これが中間選挙の後の、アップ
ルを筆頭にした米国株を下げている主因でしょう。

【企業利益の減少になる】
輸出の減少つまりGDP伸びの低下は、企業の売上収益(粗利益)の
減少です。伸びてきた売上収益が10%減れば企業の利益の黒字はな
くなります。リーマン危機のあとに起こった、企業への波及がこれ
でした。企業利益が半分に減れば、PER(株価/次期予想純益)は2
倍になって、株価には50%下落調整の売り圧力が加わります。

【リーマン危機】
リーマン危機のときは、日米の株価時価総額(株主資産)が50%に
減少しました。このように、GDPの期待成長率の低下は、株価を大
きく下げます。経済の中で、現在のようにマネー量が増えている過
剰流動性相場では、GDPの期待成長率の2ポイント(%)の下げが、
株価を半分か、それ以下に暴落させ、恐慌めいた経済になっていく
のです。

【対策としてのFRBのQE】
リーマン危機のあとの、米国の銀行資産での信用収縮は、世界の実
体経済を恐慌に陥れる規模でした。FRBは3度のQE(長的緩和で約4
兆ドル(440兆円)を信用創造してマネーを増発し、恐慌になる事
態を押しとどめたのです。

FRBの信用創造、つまりマネーの増刷の副作用として、株価と不動
産が値上がりしました。株価は2018年までに3.3倍に上がり、不動
産はリーマン危機前の高値を超えています。

【FRBには、次の金融危機への、対策の手段がない】
今度は、不動産からではなく、株価の下落が先導するリーマン危機
の再来になっても、FRBは08年のリーマン危機のような4兆ドル
(440兆円)のQE(量的緩和)という手段は取ることができません。
FRBの通貨発行量を示すバランスシートは、$4.1兆(451兆円)と
膨らんだまま来ているからです。

FRBは、出口政策とは言っても、危機対応で4.1兆ドルに増やしたマ
ネー量(「現金+銀行の当座預金」のベースマネー)を、減らして
はいません。満期が来た国債と、償還と配当があったMBS分の買い
を続けているからです。
https://www.federalreserve.gov/releases/h41/current/

イエレン前FRB議長は、「再びの金融危機のときの対策がとれるよ
うに出口政策を進める」といっていました。しかし、FRBが買った
国債を売って量的緩和マネーを減らす出口政策は、金利を高騰させ、
米国債の価格を大きく下げるためとることができていません。

実行できているのは、短期金利であるFF金利の、1回0.25%の上げ
だけです(合計8回)。これは「出口政策の15%程度」にしかなら
ないでしょう。

【短期金利上昇にもかかわらず、10年債の長期金利が上がっていな
い理由】
米国債は、金利が0%付近の円国債を日銀に、1年に40兆円売った日
本の銀行が、「海外投資」として買い増し、米国の長期金利の上昇
は抑えられています。

日本からの米国債の買いがなければ、3.15%の長期金利(10年債の
金利:11月12日)は、4%以上に上がっているはずです(短期金利
2.25%:長期金利4%)。
https://jp.investing.com/rates-bonds/u.s.-10-year-bond-yield

FRBは、通貨を増発する量的緩和は、停止しました。しかしゼロ金
利を敷く日銀のマネーが、FRBの下請け機関になって、民間銀行経
由で、金利のつく米国債を買うことにより、量的緩和の役割を果た
しています。

「国債のゼロ金利を敷く日銀が、銀行のもつ国債を買って現金を供
給→銀行は、国債を売って、増えた現金で金利のつくドル国債を買
って、米国債をもつ米国の金融機関に現金を供給」。

これは、FRBが国債を買って、米国の金融機関に現金を供給してい
ることと同じ量的緩和に該当します。米国は日米の金利差を利用し
て、量的緩和を継続しているのです。金融的な波及とは、こうした
マネーの流れになります。
https://www.cool-knowledge.com/%e4%b8%ad%e9%96%93%e9%81%b8%e6%8c%99%e9%96%8b%e7%a5%a8%e5%be%8c%e3%81%ae%e7%b1%b3%e5%9b%bd%e6%a0%aa%e4%be%a1%e3%81%ae%e4%b8%8b%e8%90%bd%e3%81%af%e3%80%81%e8%b2%a0%e5%82%b5%e3%81%ae%e3%83%ac%e3%83%90/


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/823.html#c120

[リバイバル3] 水道料金「月額2万円」時代へ? 値上げと地域格差拡大の背景 中川隆
10. 中川隆[-13635] koaQ7Jey 2018年11月21日 14:06:41 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20962]

資本主義の中で「自由」という言葉が美しいと思っていたら騙されるだけ
https://blackasia.net/?p=10179

ドナルド・トランプ大統領は野放図な自由主義を制し、保護貿易を訴えて選挙に勝ち上がった人物だが、これに対して多国籍企業からマスコミまでが一斉に「ヒト・モノ・カネが自由に行き来する世界を壊すな」とトランプ大統領を攻撃した。

「自由を守れ」「世界の自由を阻害するな」

「自由」という言葉は、とても美しい言葉だ。「不自由であるのがいいのか、自由であるのがいいのか?」と問われて「不自由の方がいい」と答える人は、ほとんどいない。誰もが自由を愛する。

しかし、何でもかんでも自由にするのは正しいのだろうか。

多くの国では、実は自国の産業を守るためにいくつかの保護政策を取っている。守りたい産業を保護するために外国製品には高い関税をかける。

あるいは守りたい産業を国営化して、その重要な産業がつぶれないようにしている。インフラや農業は、多くの国で保護対象になる。なぜか。ここが潰れれば、一気に国民生活に影響が出るからだ。

根幹部分を持っていかれると、場合によっては国が回らなくなってしまうのだ。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

目次 閉じる 1. 国民の多くは「安ければ何でも良い」
2. 裏側の弊害やダメージの方は絶対に語られることはない
3. 大事な部分を乗っ取られて国がめちゃくちゃになる

国民の多くは「安ければ何でも良い」

実は、この政府が保護する分野というのは、そこが乗っ取られたら国民生活が急激に困窮していく部分なのである。

たとえば、電気・ガス・水道を考えてほしい。この部分を外国企業に乗っ取られて、外国企業が儲かるためにどんどん値段を釣り上げたらどうなるのか。電気・ガス・水道が二倍、三倍になっていったら生活できなくなる層もいるはずだ。

だから政府はこの部分を保護して、国民が困窮しないようにしている。

そうであれば、外国企業がある国を乗っ取るには、この部分を掌握すればいいということになる。まず政治家を買収して、保護貿易を止めさせる法律を策定させて、重要なインフラをすべて民営化して、それを乗っ取ればいいのだ。

政治力と資金力のある外国企業は、場合によっては圧倒的な競争力でその分野を乗っ取ることが可能になる。

この乗っ取り方法で、乗っ取りたい側が常に訴えるのが「自由」という甘美な言葉なのである。たとえば、このような言い方をする。

「自由競争は重要です。競争によって企業同士が切磋琢磨して新しいサービス、安い商品が手に入るようになります」

自由競争によって、安い商品が怒濤のように入ってくるのは間違いではない。国民は常に安い商品を求めている。国民が欲しいのは自国製品ではなく、安い製品なのである。

新自由主義、構造改革、民営化によって、安い製品やサービスが入ってきたとき、それを提供しているのは外国企業の製品であるということを多くの国民は気付いている。

しかし、国民の少なからずは「安ければ何でも良い」ので、安い製品を買うことに躊躇はない。

その結果、安い外国企業の製品が市場を独占し、自国の産業は潰れていく。

ブラックアジアでは有料会員を募集しています。よりディープな世界へお越し下さい。

裏側の弊害やダメージの方は絶対に語られることはない

この自由競争の物語は続きがある。国をすべて乗っ取るには、ここからが本番だ。

外国企業はある国に自由競争を取り入れさせると、そこで自分たちが市場を独占したと悟られないように、弱体化した地場産業を買収して、その地場産業のブランドを残しつつ市場独占を進めていく。

国民は自国製品を買っているつもりでいるのだが、実はもう外国企業の手に落ちているので、自国のものではなくなってしまっている。

ブランドが残されると、それが外国企業であることに多くの国民が気付かないのである。それで、自由競争が行われていると勘違いするのだが、その裏では産業の乗っ取りと独占が粛々と行われているということになる。

市場を乗っ取り、市場を独占することが可能になると、その市場からは永遠に利益を吸い上げることが可能になる。

企業にとっては「利益」こそが生きる養分であり、利益を第一に動く。最も安定的かつ永続的な利益は、独占から生まれる。国を丸ごと乗っ取れば、その国から永続的に利益が吸い上げられる。

だから「自由」という言葉を表に出して、「乗っ取り=独占」という裏の意図を見えなくするのである。

(1)自由競争によって、世の中は発展していく。
(2)自由競争によって、どんどん良い物が生まれる。

このような神話は、資本主義社会に生きる私たちの誰もが脳に刻み込まれ、それが正しいものであると信じ込まされている。しかし、物事には表があれば裏もある。この裏側の弊害やダメージの方は絶対に語られることはない。

都合が悪いからだ。

1999年のカンボジアの売春地帯では何があったのか。実話を元に組み立てた小説、電子書籍『スワイパー1999』はこちらから

大事な部分を乗っ取られて国がめちゃくちゃになる

忘れてはならないことがある。競争は美しいというのは、「条件が同じ」であった場合の場合である。資本や組織力に圧倒的な差があった場合の競争は、強者が弱者を踏みつぶす残酷ショーと化する。

時価総額が1兆円の企業と10億円の企業とでは、その差は1000倍にもなる。社員10万人の企業と社員100人の企業とでも、その差は1000倍になる。

普通、これほどの差があった場合、同じ土俵では競争は成立しない。スポーツの世界で言うと、大人と赤ん坊が格闘技で戦うようなものである。それをするのが「自由」競争である。

競争の対象が洗剤やヒゲ剃り用のカミソリであれば、別に独占されたところで何と言うこともないと言えるかもしれない。

しかし、銀行や農業や医療や水道や電気と言ったインフラを外国企業に独占されると、「それが資本主義だ」と鷹揚に構えていられなくなっていく。

外国企業が国民の生命に関わるインフラ部分を掌握し、値段を吊り上げることによって国民の生活を危機に陥れることが可能になるからだ。

外国企業が水道事業を掌握し、ある日「水道料金を2倍にする」と言われても、国民は水道を拒絶することはできない。水が出ない家で人は暮らせない。

電気を外国企業に掌握され、ある日、電気料金を2倍にすると言われても、国民は「では、明日から電気は要らない」と言うことはできない。もちろん、ガスも同様だ。

アメリカは医療制度すらも民営化したことによって、「より良い治療を行って欲しければ、もっと金を出せ」という弱肉強食の世界になっていった。その結果、自分が病気になったり家族が病気になったりして「破産」する国民が増えた。

自分の痛みは我慢できても、自分の家族の痛みは何としてでも治して上げたい。金よりも家族の健康の方が重要なのだから、家族には選択の余地などない。

こういった国民の福祉や行政に関する部分には自由な競争を取り入れたらいけないというのが普通の考え方である。

しかし、「自由」という言葉に騙されると、大事な部分を乗っ取られて国がめちゃくちゃになってしまうこともあるのだ。美しい言葉には棘(とげ)がある。美しい物事には裏がある。私たちはそれを忘れてはならないはずだ。(written by 鈴木傾城)

もし、電気・ガス・水道のすべてが二倍に三倍に上がっていったら、国民生活はめちゃくちゃになるはずだ。「自由競争は重要です。競争によって企業同士が切磋琢磨して新しいサービス、安い商品が手に入るようになります」と言われて、インフラを乗っ取られると、そうなっても不思議ではない。

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/908.html#c10

[リバイバル3] マルクスはやはり正しかった _ もうすぐ共産革命の嵐が吹き荒れる時代がやって来る 中川隆
214. 中川隆[-13634] koaQ7Jey 2018年11月21日 14:07:14 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20962]

資本主義の中で「自由」という言葉が美しいと思っていたら騙されるだけ
https://blackasia.net/?p=10179

ドナルド・トランプ大統領は野放図な自由主義を制し、保護貿易を訴えて選挙に勝ち上がった人物だが、これに対して多国籍企業からマスコミまでが一斉に「ヒト・モノ・カネが自由に行き来する世界を壊すな」とトランプ大統領を攻撃した。

「自由を守れ」「世界の自由を阻害するな」

「自由」という言葉は、とても美しい言葉だ。「不自由であるのがいいのか、自由であるのがいいのか?」と問われて「不自由の方がいい」と答える人は、ほとんどいない。誰もが自由を愛する。

しかし、何でもかんでも自由にするのは正しいのだろうか。

多くの国では、実は自国の産業を守るためにいくつかの保護政策を取っている。守りたい産業を保護するために外国製品には高い関税をかける。

あるいは守りたい産業を国営化して、その重要な産業がつぶれないようにしている。インフラや農業は、多くの国で保護対象になる。なぜか。ここが潰れれば、一気に国民生活に影響が出るからだ。

根幹部分を持っていかれると、場合によっては国が回らなくなってしまうのだ。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

目次 閉じる 1. 国民の多くは「安ければ何でも良い」
2. 裏側の弊害やダメージの方は絶対に語られることはない
3. 大事な部分を乗っ取られて国がめちゃくちゃになる

国民の多くは「安ければ何でも良い」

実は、この政府が保護する分野というのは、そこが乗っ取られたら国民生活が急激に困窮していく部分なのである。

たとえば、電気・ガス・水道を考えてほしい。この部分を外国企業に乗っ取られて、外国企業が儲かるためにどんどん値段を釣り上げたらどうなるのか。電気・ガス・水道が二倍、三倍になっていったら生活できなくなる層もいるはずだ。

だから政府はこの部分を保護して、国民が困窮しないようにしている。

そうであれば、外国企業がある国を乗っ取るには、この部分を掌握すればいいということになる。まず政治家を買収して、保護貿易を止めさせる法律を策定させて、重要なインフラをすべて民営化して、それを乗っ取ればいいのだ。

政治力と資金力のある外国企業は、場合によっては圧倒的な競争力でその分野を乗っ取ることが可能になる。

この乗っ取り方法で、乗っ取りたい側が常に訴えるのが「自由」という甘美な言葉なのである。たとえば、このような言い方をする。

「自由競争は重要です。競争によって企業同士が切磋琢磨して新しいサービス、安い商品が手に入るようになります」

自由競争によって、安い商品が怒濤のように入ってくるのは間違いではない。国民は常に安い商品を求めている。国民が欲しいのは自国製品ではなく、安い製品なのである。

新自由主義、構造改革、民営化によって、安い製品やサービスが入ってきたとき、それを提供しているのは外国企業の製品であるということを多くの国民は気付いている。

しかし、国民の少なからずは「安ければ何でも良い」ので、安い製品を買うことに躊躇はない。

その結果、安い外国企業の製品が市場を独占し、自国の産業は潰れていく。

ブラックアジアでは有料会員を募集しています。よりディープな世界へお越し下さい。

裏側の弊害やダメージの方は絶対に語られることはない

この自由競争の物語は続きがある。国をすべて乗っ取るには、ここからが本番だ。

外国企業はある国に自由競争を取り入れさせると、そこで自分たちが市場を独占したと悟られないように、弱体化した地場産業を買収して、その地場産業のブランドを残しつつ市場独占を進めていく。

国民は自国製品を買っているつもりでいるのだが、実はもう外国企業の手に落ちているので、自国のものではなくなってしまっている。

ブランドが残されると、それが外国企業であることに多くの国民が気付かないのである。それで、自由競争が行われていると勘違いするのだが、その裏では産業の乗っ取りと独占が粛々と行われているということになる。

市場を乗っ取り、市場を独占することが可能になると、その市場からは永遠に利益を吸い上げることが可能になる。

企業にとっては「利益」こそが生きる養分であり、利益を第一に動く。最も安定的かつ永続的な利益は、独占から生まれる。国を丸ごと乗っ取れば、その国から永続的に利益が吸い上げられる。

だから「自由」という言葉を表に出して、「乗っ取り=独占」という裏の意図を見えなくするのである。

(1)自由競争によって、世の中は発展していく。
(2)自由競争によって、どんどん良い物が生まれる。

このような神話は、資本主義社会に生きる私たちの誰もが脳に刻み込まれ、それが正しいものであると信じ込まされている。しかし、物事には表があれば裏もある。この裏側の弊害やダメージの方は絶対に語られることはない。

都合が悪いからだ。

1999年のカンボジアの売春地帯では何があったのか。実話を元に組み立てた小説、電子書籍『スワイパー1999』はこちらから

大事な部分を乗っ取られて国がめちゃくちゃになる

忘れてはならないことがある。競争は美しいというのは、「条件が同じ」であった場合の場合である。資本や組織力に圧倒的な差があった場合の競争は、強者が弱者を踏みつぶす残酷ショーと化する。

時価総額が1兆円の企業と10億円の企業とでは、その差は1000倍にもなる。社員10万人の企業と社員100人の企業とでも、その差は1000倍になる。

普通、これほどの差があった場合、同じ土俵では競争は成立しない。スポーツの世界で言うと、大人と赤ん坊が格闘技で戦うようなものである。それをするのが「自由」競争である。

競争の対象が洗剤やヒゲ剃り用のカミソリであれば、別に独占されたところで何と言うこともないと言えるかもしれない。

しかし、銀行や農業や医療や水道や電気と言ったインフラを外国企業に独占されると、「それが資本主義だ」と鷹揚に構えていられなくなっていく。

外国企業が国民の生命に関わるインフラ部分を掌握し、値段を吊り上げることによって国民の生活を危機に陥れることが可能になるからだ。

外国企業が水道事業を掌握し、ある日「水道料金を2倍にする」と言われても、国民は水道を拒絶することはできない。水が出ない家で人は暮らせない。

電気を外国企業に掌握され、ある日、電気料金を2倍にすると言われても、国民は「では、明日から電気は要らない」と言うことはできない。もちろん、ガスも同様だ。

アメリカは医療制度すらも民営化したことによって、「より良い治療を行って欲しければ、もっと金を出せ」という弱肉強食の世界になっていった。その結果、自分が病気になったり家族が病気になったりして「破産」する国民が増えた。

自分の痛みは我慢できても、自分の家族の痛みは何としてでも治して上げたい。金よりも家族の健康の方が重要なのだから、家族には選択の余地などない。

こういった国民の福祉や行政に関する部分には自由な競争を取り入れたらいけないというのが普通の考え方である。

しかし、「自由」という言葉に騙されると、大事な部分を乗っ取られて国がめちゃくちゃになってしまうこともあるのだ。美しい言葉には棘(とげ)がある。美しい物事には裏がある。私たちはそれを忘れてはならないはずだ。(written by 鈴木傾城)

もし、電気・ガス・水道のすべてが二倍に三倍に上がっていったら、国民生活はめちゃくちゃになるはずだ。「自由競争は重要です。競争によって企業同士が切磋琢磨して新しいサービス、安い商品が手に入るようになります」と言われて、インフラを乗っ取られると、そうなっても不思議ではない。

http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/704.html#c214

[文化2] 池田信夫の逝かれっぷり 中川隆
58. 中川隆[-13633] koaQ7Jey 2018年11月21日 14:07:55 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20962]

資本主義の中で「自由」という言葉が美しいと思っていたら騙されるだけ
https://blackasia.net/?p=10179

ドナルド・トランプ大統領は野放図な自由主義を制し、保護貿易を訴えて選挙に勝ち上がった人物だが、これに対して多国籍企業からマスコミまでが一斉に「ヒト・モノ・カネが自由に行き来する世界を壊すな」とトランプ大統領を攻撃した。

「自由を守れ」「世界の自由を阻害するな」

「自由」という言葉は、とても美しい言葉だ。「不自由であるのがいいのか、自由であるのがいいのか?」と問われて「不自由の方がいい」と答える人は、ほとんどいない。誰もが自由を愛する。

しかし、何でもかんでも自由にするのは正しいのだろうか。

多くの国では、実は自国の産業を守るためにいくつかの保護政策を取っている。守りたい産業を保護するために外国製品には高い関税をかける。

あるいは守りたい産業を国営化して、その重要な産業がつぶれないようにしている。インフラや農業は、多くの国で保護対象になる。なぜか。ここが潰れれば、一気に国民生活に影響が出るからだ。

根幹部分を持っていかれると、場合によっては国が回らなくなってしまうのだ。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

目次 閉じる 1. 国民の多くは「安ければ何でも良い」
2. 裏側の弊害やダメージの方は絶対に語られることはない
3. 大事な部分を乗っ取られて国がめちゃくちゃになる

国民の多くは「安ければ何でも良い」

実は、この政府が保護する分野というのは、そこが乗っ取られたら国民生活が急激に困窮していく部分なのである。

たとえば、電気・ガス・水道を考えてほしい。この部分を外国企業に乗っ取られて、外国企業が儲かるためにどんどん値段を釣り上げたらどうなるのか。電気・ガス・水道が二倍、三倍になっていったら生活できなくなる層もいるはずだ。

だから政府はこの部分を保護して、国民が困窮しないようにしている。

そうであれば、外国企業がある国を乗っ取るには、この部分を掌握すればいいということになる。まず政治家を買収して、保護貿易を止めさせる法律を策定させて、重要なインフラをすべて民営化して、それを乗っ取ればいいのだ。

政治力と資金力のある外国企業は、場合によっては圧倒的な競争力でその分野を乗っ取ることが可能になる。

この乗っ取り方法で、乗っ取りたい側が常に訴えるのが「自由」という甘美な言葉なのである。たとえば、このような言い方をする。

「自由競争は重要です。競争によって企業同士が切磋琢磨して新しいサービス、安い商品が手に入るようになります」

自由競争によって、安い商品が怒濤のように入ってくるのは間違いではない。国民は常に安い商品を求めている。国民が欲しいのは自国製品ではなく、安い製品なのである。

新自由主義、構造改革、民営化によって、安い製品やサービスが入ってきたとき、それを提供しているのは外国企業の製品であるということを多くの国民は気付いている。

しかし、国民の少なからずは「安ければ何でも良い」ので、安い製品を買うことに躊躇はない。

その結果、安い外国企業の製品が市場を独占し、自国の産業は潰れていく。

ブラックアジアでは有料会員を募集しています。よりディープな世界へお越し下さい。

裏側の弊害やダメージの方は絶対に語られることはない

この自由競争の物語は続きがある。国をすべて乗っ取るには、ここからが本番だ。

外国企業はある国に自由競争を取り入れさせると、そこで自分たちが市場を独占したと悟られないように、弱体化した地場産業を買収して、その地場産業のブランドを残しつつ市場独占を進めていく。

国民は自国製品を買っているつもりでいるのだが、実はもう外国企業の手に落ちているので、自国のものではなくなってしまっている。

ブランドが残されると、それが外国企業であることに多くの国民が気付かないのである。それで、自由競争が行われていると勘違いするのだが、その裏では産業の乗っ取りと独占が粛々と行われているということになる。

市場を乗っ取り、市場を独占することが可能になると、その市場からは永遠に利益を吸い上げることが可能になる。

企業にとっては「利益」こそが生きる養分であり、利益を第一に動く。最も安定的かつ永続的な利益は、独占から生まれる。国を丸ごと乗っ取れば、その国から永続的に利益が吸い上げられる。

だから「自由」という言葉を表に出して、「乗っ取り=独占」という裏の意図を見えなくするのである。

(1)自由競争によって、世の中は発展していく。
(2)自由競争によって、どんどん良い物が生まれる。

このような神話は、資本主義社会に生きる私たちの誰もが脳に刻み込まれ、それが正しいものであると信じ込まされている。しかし、物事には表があれば裏もある。この裏側の弊害やダメージの方は絶対に語られることはない。

都合が悪いからだ。

1999年のカンボジアの売春地帯では何があったのか。実話を元に組み立てた小説、電子書籍『スワイパー1999』はこちらから

大事な部分を乗っ取られて国がめちゃくちゃになる

忘れてはならないことがある。競争は美しいというのは、「条件が同じ」であった場合の場合である。資本や組織力に圧倒的な差があった場合の競争は、強者が弱者を踏みつぶす残酷ショーと化する。

時価総額が1兆円の企業と10億円の企業とでは、その差は1000倍にもなる。社員10万人の企業と社員100人の企業とでも、その差は1000倍になる。

普通、これほどの差があった場合、同じ土俵では競争は成立しない。スポーツの世界で言うと、大人と赤ん坊が格闘技で戦うようなものである。それをするのが「自由」競争である。

競争の対象が洗剤やヒゲ剃り用のカミソリであれば、別に独占されたところで何と言うこともないと言えるかもしれない。

しかし、銀行や農業や医療や水道や電気と言ったインフラを外国企業に独占されると、「それが資本主義だ」と鷹揚に構えていられなくなっていく。

外国企業が国民の生命に関わるインフラ部分を掌握し、値段を吊り上げることによって国民の生活を危機に陥れることが可能になるからだ。

外国企業が水道事業を掌握し、ある日「水道料金を2倍にする」と言われても、国民は水道を拒絶することはできない。水が出ない家で人は暮らせない。

電気を外国企業に掌握され、ある日、電気料金を2倍にすると言われても、国民は「では、明日から電気は要らない」と言うことはできない。もちろん、ガスも同様だ。

アメリカは医療制度すらも民営化したことによって、「より良い治療を行って欲しければ、もっと金を出せ」という弱肉強食の世界になっていった。その結果、自分が病気になったり家族が病気になったりして「破産」する国民が増えた。

自分の痛みは我慢できても、自分の家族の痛みは何としてでも治して上げたい。金よりも家族の健康の方が重要なのだから、家族には選択の余地などない。

こういった国民の福祉や行政に関する部分には自由な競争を取り入れたらいけないというのが普通の考え方である。

しかし、「自由」という言葉に騙されると、大事な部分を乗っ取られて国がめちゃくちゃになってしまうこともあるのだ。美しい言葉には棘(とげ)がある。美しい物事には裏がある。私たちはそれを忘れてはならないはずだ。(written by 鈴木傾城)

もし、電気・ガス・水道のすべてが二倍に三倍に上がっていったら、国民生活はめちゃくちゃになるはずだ。「自由競争は重要です。競争によって企業同士が切磋琢磨して新しいサービス、安い商品が手に入るようになります」と言われて、インフラを乗っ取られると、そうなっても不思議ではない。

http://www.asyura2.com/09/bun2/msg/543.html#c58

[経世済民129] フランス政府による日産乗っ取り計画(小笠原誠治の経済ニュースゼミ) 赤かぶ
1. 中川隆[-13632] koaQ7Jey 2018年11月21日 14:08:42 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20962]
『小笠原誠治の経済ニュースゼミ』の小笠原誠治氏は完全なアホだった
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/319.html

http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/538.html#c1
[国際24] 中国当局、イスラムの戒律を守るウイグル族に「投降」を促す(ニューズウィーク) 赤かぶ
1. 中川隆[-13634] koaQ7Jey 2018年11月21日 14:56:06 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20965]

中国人移民を入れると日本人は絶滅する

1. 沖縄や北海道で中国系住民が過半数になったら独立宣言して中国小日本省になる
2. 中国軍が自国民保護という名目で沖縄や北海道を占領
3. 日本人浄化にとりかかる
4. 日本政府は遺憾の意を表するが、これは中国の内政問題だとして相手にされない

_____


・東トルキスタンでは、最大100万人のウイグル人が「再教育」の名目で中国当局により強制収容されている。遺された幼児たちは「幼稚園」に入れられ、中国人の名前もつけられ、民族も漢民族として登録される。両親が再教育施設から出られたとしても、自分たちの子供を見つけることもできない。「幼稚園」の子供たちは、自分が中国人であること、中国共産党へ感謝することを教え込まれる。

・内モンゴル自治区では「浄化政策」がもう進んでしまって、ここ70年で、人口約2400万のうち、モンゴル人は2割以下になってしまった。経済は中国人に握られ、伝統文化の絶滅が図られている。

・チベットでは、チベット語の学校教育が禁止され、今年になってチベット教の寺院にも共産党員が運営委員として入って監視するようになり、寺院にも習近平の写真が置かれ、共産党の旗を掲げなければならなくなった。

・中国が変わるチャンスは2度会った。最初は文化大革命の混乱。このまま続けば、中国は変わらざるをえなかったのに、米ソ冷戦下で、米国の誤算で中国を助けてしまった。次が天安門事件、若者を弾圧する中国に世界中が経済制裁している時に、日本が真っ先に助けてしまった。中国が民主化するチャンスを潰したのが日本。

【伊勢雅臣】「中国が民主化するチャンスを潰したのが日本」という言葉は重いです。二度とそういう過ちは犯してはなりません。
https://s.webry.info/sp/blog.jog-net.jp/201811/article_13.html


ウイグルへの弾圧は何度か書いてきましたが、いま中国が行っているのは民族浄化で、ただ浄化するのではなく、ウイグル人を殺して臓器売買のドル箱としているのです。


【閲覧注意】中国政府によるウイグル人虐殺 2016-05-29
https://ameblo.jp/2013kanyon17/entry-12165204118.html


皆さんは『東トルキスタン共和国』をご存じですか?


現在は「中国ウイグル自治区」と呼ばれています!!


ウイグル族と、さも少数民族のように言われていますが、元々、れっきとした国家でした。


では、なんでそうなってしまったのか?


詳細を明らかにします。


https://ameblo.jp/2013kanyon17/image-12165204118-13658407155.html


1946年、東トルキスタン共和国は、

政府要人閣僚たちがシナ共産党との会議のために北京に向かう途中、搭乗した飛行機が中共軍に撃墜され、政府がなくなった混乱に乗じで侵略を開始したシナ共産党軍により、

滅ぼされた。


シナ共産党軍は、侵略し併合した東トルキスタン共和国を、 「新疆ウイグル自治区」と、さもシナの一地域のごとくの名前に変えさせた。


侵略当初、シナ共産党軍は、識者や高い教育を受けたもの、そのほか指導的立場にあった人間たちを次々と 「反乱分子もしくはその疑いがある」 として拘束。 100万人以上が、司法手続きを経ずに拷問にかけられ虐殺された。


豊富な石油や天然ガスなどの天然資源が発見された後は、資源の簒奪(さんだつ)をすべく、漢民族支配を実現し、ウイグル人の存在自体を消し去るため、各国のマスコミは一切入れず、学校ではウイグルの言葉を話すことは厳しく禁止され、漢民族を1,500万人も入植させ ( 現在、ウイグル人はおよそ900万人まで激減 ) 同化政策を強化。

ウイグル人は漢民族により暴力 (武装警察や軍事力) を背景に仕事を取り上げられ、成人男性で就職できる割合は、わずか5%。

15歳から22歳までの女性は強制的に中国国内に移住させられ、中国人ですら嫌う低賃金の重労働を課されながら、夜は強姦される若い女性が後を絶たず、「民族浄化」「漢民族化」を推し進める中国共産党政権のもと漢民族の男と強制的に結婚させられ、純粋なウイグル人は絶滅の危機を迎えている。


https://ameblo.jp/2013kanyon17/image-12165204118-13658407195.html


※ 漢民族は、一人っ子政策で男子ばかりが出産され(女児は堕胎)男女比率が大きくゆがみ結婚が出来なくなってしまったため、若いウイグル女性を強制移住させることは、一石二鳥。 (おまけに、大変に美人が多い) 

※日本人とは思考回路が見事に異なる漢民族にとって、ほかの民族の女性を強姦したり虐殺することに罪の意識は無い。

 白人国家が有色人種国家を軍事力を背景に侵略し植民地にした時、当たり前のように強姦し大虐殺を繰り広げていた意識とまったく同じ思考回路である 。

結婚相手と職を失ったウイグル人の男たちは、子孫を残すことができないだけでなく、次々とあらぬ罪で連行され、投獄され、拷問を受け、殺害され、民族根絶やしの犠牲となっている。

ウイグルの女性たちには、ウイグルの男性との間に授かった赤ちゃんの、「 計画生育 」の名目で、少なく見積もって850万件もの強制中絶が行われた。 (ウイグルの人口は、950万人!)

それだけでなく、重武装の軍隊および武装した司法・警察権を持つ漢民族による、一切の武器を持たないウイグル人に対しての徹底した弾圧、放火、リンチ、拷問、強姦、輪姦、そして幼い子供に対してまでの大量虐殺が、今もなお続いているのです。


 この漢民族と結婚させ漢民族化させる手法は、今に始まったことではなく3,000年以上の昔から漢民族が取ってきた漢民族の拡領土大手法で、かつては時間をかけゆっくりと浸透させ漢民族に同化させてきたものが、共産党が国家を支配するようになって以降、急速な領土拡大政策をとるようになり、軍事力 (暴力) を背景とする、他民族を根絶やしにする残虐な同化政策を、性急に推し進めるようになった。


今、狙われているのは、沖縄である。


中國武装警察による「恐怖の人間狩り」

いわれの無い罪でその場で殺されたり、連行されたら二度と生きて帰って来ることはない。


少女でも、その場で処刑する


「10代前半の女の子が、『 私は無実です! 私の言うことを聞いて! 』 と叫んだんです。 それでも構わず、(中国当局は) この子を処刑したんですよ、公衆の面前で! 多くの人々がこの光景を見ていました。 それでも、国際社会は沈黙したままだった…… 」

こう一気に言うと、ほんの少しの間、ラビア総裁の言葉が途切れた。


マスコミが一切報道しない真実 が、ここにある。


ウイグル自治区(旧東トルキスタン共和国)では、幼子までが強姦され無差別に虐殺されている

( ※ この幼子も強姦されてから殺されたのだろう。 ズボンが破かれ、陰部が露出している)

この写真は、60年 ・ 70年安保の度重なる失敗で活動の場を失った ヤマトンチュウ左翼 と シナ の 甘言によって 「親シナ ・ 反米」 に洗脳されつつある 【沖縄県民】 の未来を見ているようである。


沖縄では、シナ共産党により主要な土地が買い進められ、地元のマスコミはシナを礼賛し反日論調を騙(かた)り、学校では子供たちに「反日」教育を行いシナ親派を増やし、漢民族の企業誘致を進めた結果、シナの実効支配が進行しつつある。


原爆実験でまき散らかされた高濃度放射能


シナ武装警察による虐殺だけでなく、かつてシルクロードの交易で栄えた楼蘭では、昭和39年から平成8年まで、近くに人々が生活しているにもかかわらず、地上での核実験を 「事前通告なし」 で46回も繰り返し、広島型原爆の1250発分を爆発させ、最低でも即死20万人以上、被害者130万人以上の被害 (約半数の60万人が死亡したと推計されている) が報告され、今も数百万を超えるウイグルの人々は、まき散らされた放射能汚染に悩まされ、甲状腺異常は当たり前すぎて言うに及ばず奇形の子が次々と生まれ、ガンや白血病が多発し、何の医療手当もされず、放射能汚染の被害に苦しんでいるのです。


この広大な原爆実験エリアから発生した 放射能汚染は 「福島第1原発の数百万倍に達した」 (※ 環境に放出された放射能の総量は実に4,000万エクサベクレル ) にもかかわらず、朝日新聞やNHKはその事実を隠ぺい、日本の原発反対だけを叫び、だんまりを決め込んだ。

日本のすべてのマスコミも 「左へ倣(なら)った」。

日本の弱腰を見て、調子に乗ったシナ政府は、福島原発事故の際、「日本は、放射能汚染を世界にばらまいた」と公言した。


どの口が、そのような発言をしたのか、一度見てみたい。


※ 原爆実験の最中、昭和53年、西遊記のロケでウイグルの砂漠に入った女優の夏目雅子さんは、昭和60年、急性骨髄性白血病で逝去した。 27歳の若さであった。※

夏目雅子さんは、昭和53年・54年と、2年続けてウイグルでロケをした。
その後、病気が続いた、昭和56年には、甲状腺が腫れるバセドー病になり、…
甲状腺を手術した。バセドー病なので、瞼が腫れ目が大きくなってた。
次に掛かった病気は、昭和57年くらいに腎盂炎になり、次が、子宮内膜症。
そして、昭和60年2ったのでしょうか月に白血病で倒れ、同年9月に亡くなりました。


高い放射能がある、ウイグルに、なぜ、ロケに行った?


NHKは、シルクロードに取材に行きながら、核実験をしている事実を隠蔽(いんぺい)し、日本国民に知らしめなかった罪は、誠に大きい。 大罪である!
夏目雅子さんも、NHKが告知しなかった、被害者である。


それだけでなく、

NHKの番組を見た多くの日本人が、核実験真っ最中のシルクロード(ウイグル)へ旅行に出かけ被ばくした。

日本のNHKは楼蘭周辺での 「大規模な核実験」 を知りながら、1980年代に大型企画番組シルクロードの現地取材を行い放送を続け、さらにビデオの販売を続けました。 そのため、番組に誘導された日本人、推定27万人が、まだ核爆発が繰り返されていた期間に、現地を観光しています。

当時、実際に現地で核爆発を目撃した青年もいます。 

中国西域の観光から帰国した後に「白血病」、「肺がん」、「悪性リンパ腫」を発症したという方や、そのご家族から情報が寄せられています。

( 高田 純 札幌医科大学教授のコメントより )


ホルマリンで保存されているウイグル・セミパラチンスク州 ( ※ 核実験場のある州) で発生した奇形児


ウイグル人の悲劇


子供でも平気で虐殺


この後、このウイグル男性は頭部を撃たれて死んだ。


漢民族の男たちは何度も強姦した後に、

時間をたっぷりかけてなぶり殺す。

そして、下半身を露出させたまま放置

※ あまりの惨たらしさに、マスキングが掛けられている。


確認すべき、インターネット情報

Stop Chinese Torture

http://www.youtube.com/watch?v=3fIAzl4-Jq8


ウイグルの男たちは連行され、生き地獄の拷問を受けたのち、虐殺される

残った女たちが、命を懸けた、まさに必死の抗議活動を行っている

彼女たちに、命の保証は無い

「甘い言葉」につられてつい心を許し

軍事力をもって

シナに侵略された民族は、皆こうなるのである。


「僕たちは、平和憲法を持っています!」


「憲法9条って、スゴイんだぞぉ!」


では、何の役にも立たないことに、

そろそろ日本人も気づくべきである


「 日本の 人権活動家 たちは、ウイグル の惨状を知っていても、何も言わない… 」


日本のマスメディアも一切、報道しない


忠告しておこう

「 沖縄に入り込んでいる内地の 『 親シナ 』 左翼 の活動家たち、そして
地元新聞社に踊らされ、迷走を始めた 『琉球民族』 も、他人ごとでは無い 」


世間に知られたくない真実をバラされると共産党による監視と嫌がらせが起きる!!


日本共産党→×

中国共産党日本支部→〇


大丈夫か俺!?


でも、負けない


日本ウイグル協会 に援助の手を!

http://uyghur-j.org/japan/about/%E6%94%AF%E6%8F%B4%E8%80%85%E3%81%AE%E7%9A%86%E6%A7%98%E3%81%B8/


https://ameblo.jp/2013kanyon17/entry-12165204118.html


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習独裁下の中国で「臓器狩り」の証拠をウイグル自治区で発見 2018-10-08
https://ameblo.jp/2013kanyon17/entry-12410440345.html


習近平独裁下の中国で、ウイグル・チベットなどの少数民族や、キリスト教徒らへの弾圧が苛烈さを増している。そんな中、新疆ウイグル自治区にある空港に、謎の通行標識が出現した。

 昨秋、シルクロードの要衝として知られる中国最西端の都市、ウイグル自治区カシュガルの空港に出現した通行標識がある。

「特殊旅客、人体器官運輸通道」

簡体字とアラビア文字でそう書いてある。
「特殊旅客」が外交官や共産党幹部、国賓待遇の外国要人などを指すのは勿論だが、「人体器官」とは一体何か?


 これは即ち、人間の臓器のことである要は、「ここは大至急運び出さなければならない切りたての移植用臓器が通る通路だから一般人は並ぶな!」と言っているのだ。

引用ここまで…続きは本文をご覧ください↓↓↓
https://www.zakzak.co.jp/soc/amp/181006/soc1810060009-a.html?__twitter_impression=true


国連人権委員そっ閉じ・・・

なんたって国連人権委員会の理事国は中国だもの


臓器移植待ちの患者の待ち時間


↑中国の富裕層は臓器移植が必要と診断されると即日にドナーが現れる不思議
てか、不思議ではない。生体データが合った人が即日処刑されて献体となるのだ!


まさかの人肉を真空パックで売ってる店もあった
流石に画像は貼れんわ(汗)
閲覧注意↓
https://m.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/image.php?qid=12157371062

中国こええええええええ!!
なんせ文化大革命で自国民を2千万人は殺した連中だからな
常識で考えては理解できない
日本には無い歴史があるのが、特亜3国


日本にも人体の不思議展が来て多くの日本人が見物した
生きたまま血管に薬品を入れないと作れない毛細血管の標本とかがあった
本物の人体だと言われ気持ち悪がった女性も多かった 又、触ってもいいですよとか
規制が緩かった 随分死者に対する尊敬の念が無いなあと思った
中国の人肉食の歴史を知れば納得


中国共産党による生体臓器狩りビジネスは18年くらい前からやっている
最初のターゲットは、法輪功学習者や政治犯の死刑囚が多かった。ここ最近は中国共産党が気に食わない人物は、すべてが臓器狩りの対象になっている
それでもう一つ大問題なのが、NHKはいまだに報道していないことだ


左翼は日本が中国に占領されれば平和になると思っているが、日本が中国に占領されると日本人が民族浄化の下に殺されて食べられたり、人体標本にされるということだよ


中国「臓器狩り」の証拠を弾圧下のウイグル自治区で発見
https://t.co/PmZmyKymSI

摘出した心臓、肺臓、肝臓、腎臓などの臓器を国内外の富裕層らに移し替える移植手術は年間数万から十数万件にも上り、現在1兆円規模の莫大な収益を産み出す一大産業。臓器収奪は「処刑」すなわち国家権力による「殺人」

中国「臓器狩り」の証拠を弾圧下のウイグル自治区で発見
https://t.co/gFbhHYMWb1
「特殊旅客、人体器官運輸通道」
中国当局により開始された12歳から65歳までの全住民を対象に血液を採集し、血液型やDNAデータを調べる他、指紋、眼の虹彩などの生体データを収集
臓器収奪は、ほぼイコールで「処刑」


中共人権弾圧・臓器移植に関心を持ってる人権活動者のレポート「中国では器官移植が10万件、臓器は殆ど法輪功の良心犯とウイグル人!1980年代警察が平気でウイグル人を銃殺、臓器を取る。現在は、外科医者が直接に臓器摘出、被害者は救急車で搬送される時まだ痛くて叫んでる」
酷すぎ、正に悪魔だ。 https://t.co/0Yr6xX5TUr


2016年、中国では2000件の死刑!公開死刑判決の見学にSNSで招待状を拡散(スプートニク) 中国における死刑制度は「真っ黒」であり、政治犯を臓器狩り目的で死刑にしている事実もあります。共産党国家では公開&大量処刑が普通。中国や北朝鮮は「悪質な見せしめ国家」と言えるでしょう。 https://t.co/9wUkSUvGGe


中国共産党は当初、民族浄化の下で殺戮を繰り返していたが、近年は家畜同様に扱い始めた。家畜と違うのは食用ではないこと…臓器売買の為である。
臓器を取られた肉体は人体標本に加工されるのである。


中国で人間として扱われるのは共産党員と富裕層だけかも知れない…漢民族であっても下級人民は詐取の対象でしかないのだ

トランプ大統領は経済戦争から本当の戦争をとるやも知れない…非人道的な行為を今まで国連も見て見ぬ振りをしていたがトランプ大統領は真正面から非難し制裁を加える構えだ
https://ameblo.jp/2013kanyon17/entry-12410440345.html


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「麻酔掛けずに直接摘出」 中国の臓器奪取、凄惨な実態が明らかに  


李荘弁護士の書き込み。中国の臓器奪取の実態をさらした(スクリーンショット)

【大紀元日本10月24日】重慶市元トップの薄煕来氏の暴力団一掃運動に立ち向かったことで1年半の懲役刑に服した北京の弁護士・李荘氏がこのほど、ミニブログ(微博)で、中国の臓器奪取の実態をさらした。

「ある著名な病院の著名な心臓外科の著名な医師らが僕ににこやかに教えたんだ。『重要患者に臓器移植を行う場合、臓器の鮮度を保つために、われわれは麻酔を掛けずに直接摘出するのだ』。僕は、死刑囚に対しても人道的でなければと忠告した」

この書き込みに多くの注目が集まった。ユーザー「虎甲胡威」は、「死刑執行の前に、死刑囚から臓器を摘出し死亡させることは、もはや人道のうんぬんではなく、計画殺人だ」と指摘。また、「中国で臓器売買のピークが法輪功を弾圧した時期だ。アメリカが証拠を持っているようだ」「李弁護士はもっと情報を提供すべきだ」などとさらなる真相の解明を望む声が飛び交った。

中国の臓器移植問題について、米国務省は5月24日に発表した2011年度人権状況報告書の中国関連部分で、メディアや人権団体から法輪功学習者の臓器が奪取され売買された報告が絶えないことに初めて言及した。また、9月12日に米議会で中国の臓器狩りについて公聴会が行われ、中国の囚人から生体臓器奪取の状況が証言された。

さらに、中国国内では9月、これまで最大規模の不法臓器売買事件の訴訟が始まっている。解放軍病院が仲介者を通じて闇の臓器売買を行ったことが明らかになり、死刑囚の臓器提供意思書、親族臓器提供意思書など、すべて偽造されていたことも浮き彫りになった。

闇から少しずつ、その凄惨な実態が浮かび上がっている中国の臓器狩り問題。2006年にすでにこの問題に注目し、調査報告書『戦慄の臓器狩り』を発表した著者の一人、カナダ元外務省アジア太平洋外務担当大臣のデービッド・キルガー氏は10月25日から27日の日程で来日し、会見やシンポジウムを開く予定だ。(翻訳編集・余靜、張凛音)
http://www.epochtimes.jp/jp/2012/10/html/d68771.html


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生きた法輪功学習者の臓器狩り、中国の警察から新たな証言 2009年12月15日
https://www.epochtimes.jp/jp/2009/12/html/d72072.html

中国の監禁施設で生きた法輪功学習者を対象に臓器摘出・売買をしているという2006年に告発された事件に関して、最近、目撃者の新たな証言が、国際的な人権擁護組織である「法輪功迫害追跡調査国際組織」(WOIPFG、米国本部)から発表された。

 証言は、同組織の調査員が中国遼寧省の元警察(匿名)を取材して得たもの。遼寧省公安庁に勤めていた2002年に、瀋陽市軍部病院で一人の女性法輪功学習者から生きたままで臓器を摘出したのを目撃したという内容である。証人の同意に基づき、同組織は最近、30分ほどの取材録音の一部を公開した。

証言によると、2002年、証人は遼寧省警察に務めており、法輪功学習者を捕まえ、拷問するなどの特別行為に関わっていた。ある30代の女性法輪功学習者は、一週間ほど凄まじい拷問を受け、そして無理やり食べ物を注ぎ入まれたりして、体が傷だらけになっていたという。

 同年4月9日、遼寧省警察庁のある部門から2人の軍医が派遣された。1人は中国解放軍瀋陽軍区総医院の軍医で、もう1人は解放軍第二軍医大学を卒業した軍医だった。警察庁はこの法輪功学習者をある場所(※1)に移し、二人は、この学習者が意識を完全に保っている状態で、麻酔を一切かけずに、彼女の心臓、腎臓などの臓器を摘出した。

 証人は当時、銃を手にして警備に当たっていたため、臓器狩りの全過程を目撃したという。

 証人の証言によると、彼が遼寧省錦州市警察局に勤めていた際、錦州市警察局長の王立軍は法輪功学習者を「殺し尽くさなければならない」と命令したという。証人はかつて何度も、法輪功学習者の拉致、凄まじい拷問に関わっていたと認めた。

 遼寧省は、法輪功学習者に対する迫害が最も深刻な地区の一つであり、法輪功情報サイト・明慧ネットが明らかにした情報だけでも、迫害を受けて死亡した法輪功学習者は406名に上っている。王立軍は現在、重慶市警察局長を務めており、当時遼寧省省長で、現在重慶市党書記の薄煕来の下で、マフィア組織取り締まりという名目で、法輪功学習者への迫害を強めている。(※2) 

 カナダの国際人権派弁護士デビッド・マタス氏とカナダ外務省前アジア大平洋州局長デビッド・キルガー氏は、法輪功学習者が「臓器狩り」の対象になっているとの告発を受け、2006年から独立調査を行い、調査報告書を発表している。同報告書によると、中国国内における2001年から2005年までの臓器移植件数のうち、4万1千5百件の臓器の出所が不明としている。2000年以降、中国では臓器移植件数が急激に伸びているが、これは法輪功学習者への弾圧が始まった時期とほぼ一致しているという。同報告書は、監禁された法輪功学習者たちの証言から、彼らが臓器売買の犠牲になっていることを主張している。

 法輪功とは、佛家と道家の思想を根底に併せ持つ先史文化に根ざした気功で、「真・善・忍」という宇宙の特性に基づいて心性を修め、人間の身体を健康にするとともに根本から改善、向上させる修煉を行う功法であるといわれている。1992年より中国で公開され、その教えによる内面の向上や病気治療に顕著な効果があり、口伝えに急速に広まったことで、中国をはじめ全世界で1億人以上に学習者が増え、現在も増え続けている。日本では2004年、日本法輪大法学会が東京都においてNPO法人格を取得している。

 法輪功の人気と、その修煉者の数が激増していることに中国共産党が恐れ、1999年7月22日に中国共産党が法輪功およびその学習者に対して弾圧を始めた。2009年12月現在で中国共産党の迫害により死亡した人数が、正式的に確認され、裏付けが取れたものだけでも3336人いるという。

(※1) 臓器摘出を行った場所について、最初の証言では、証人は自分の身元が明らかになることを避けるために、言及しなかった。2回目の証言で、瀋陽軍区医院15階にある手術室内であったと明言した。実地調査の結果、瀋陽軍区総医院ビルの15階から17階が外科であることが判明した。

(※2)北京大学法学院刑法研究所の研究員、国際法医顔面鑑定協会の副主席を兼任しており、発表した論文も法医顔面鑑定分野のものである。しかし、該当する学歴がなかった。中国側が公開している王立軍の履歴には法医の経歴は全くなく、中国初の『麻酔後の臓器移植についての試験研究』など、臓器移植と関係を持った記述がある。

以下は今回発表された証言の取材録音の一部分

証人:手術ナイフで、彼女の胸のところを切り開いたらすぐ、血が噴き出してしまい、血が噴き出したのであって…

調査員:男性でしたか、それとも女性でしたか。

証人:女性、女性でした。

調査員:若い女性ですか。

証人:30代だったでしょう。


調査員:胸が切り開かれた時にも、彼女はなお「法輪大法は素晴らしい」と叫んでいたのですか。

証人:叫んでいました。

調査員:彼女は当時どのように叫んでいたのですか。

証人:当時、彼女は、1週間ほど尋問と凄まじい拷問を受けていたので、体には数え切れないほどの傷がありました。しかも電気ショックを受けていて、意識朦朧となっていました。物を食べるのを断ったため、私たちは強引に牛乳を彼女の胃に注ぎ入れました。非常につらい体験でした。彼女の鼻を摘まんで注入しました。こうして生命を維持させていました。1週間経って、彼女の体重は約7キロ減りました。当時、あのようなことが発生するなど、予想もしませんでした。

 それで、遼寧省警察庁のどの部署からかは分かりませんが、いずれにしても特殊な極秘部門から2人の軍医が派遣されてきました。1人は、解放軍瀋陽陸軍総医院の軍医で、もう1人は解放軍第二軍医大学を卒業した軍医でした。具体的には、1人がやや年配で、もう1人は若者でした。彼女をある場所、すなわち精神病院の手術室に入れ、それからあることを一通りやりました。麻酔など一切使わずに、手術ナイフで胸のところを切り開いていく。彼らの手はまったく震えることはありませんでした。わたしなら、きっと震えてたまらなかったでしょうが。わたしは武装警察を務め、銃を持って実弾で演習したこともあるし、多くの死体を見たこともありましたが、私なら震えるはずです。しかし、軍医の彼らを見て、私は本当に驚きました。彼らの手はちっとも震えず、マスクをしたままで胸のところを切り開いて行きました。当時、私たちはみな銃を手にして、傍で警備を担っていました。切り開かれた瞬間、彼女は突如凄まじい声で叫びました。「法輪大法は素晴らしい!!!」と。

調査員:胸が切り開かれた時に、彼女が「法輪大法は素晴らしい」と叫んだのですか。

証人:突然凄まじい声で、「法輪大法は素晴らしい」と叫びました。彼女は大体、次のようなことを言いました。あなた達はわたし1人を殺すことができても、信仰のためにあなた達の迫害を受けている何億の人々をみな殺すことができますか?、と。この言葉を聞いて、その軍医は一瞬、躊躇し、目を私と私の上司の方にちらりと向けました。私の上司が頷いたので、彼は続けて血管を…まずは心臓、それから腎臓を摘出し出しました。心臓の血管を切断した際に、彼女は痙攣しはじめました。非常に恐かったです。うまくいかないと思いますが、彼女の声をちょっと真似てみます。それは引き裂かれたようもので、アー、アーと口をずっと大きく開いて、目も大きく見開いていました。まあ、私はこのような光景を語りたくありませんが…

 …

証人:当時、彼女は教員でした。先生、中学校の先生でした。彼女の息子は約12歳でした。彼女の旦那さんは、権力のない人で一般の労働者のようです。それまで、彼女が受けてきた侮辱のほうが、より酷かったと思います。

 われわれ警察の中に変態者は少なくありません。彼女を、カンシや内視鏡などの器具でやっていました。彼らは一体どこからこのような器具を持ってきたのかは分かりませんが、いずれにして、やったことは全部目撃しました。悔しいことに、彼女に対する猥褻な行為を写真に撮ることができませんでした。彼女は美人の方なので、乱暴されることなどが、実に多かったのです…

調査員:この事は、あなたが勤務していた警察局で目撃したのですか。

証人:いや、当時は警察局内ではなく、私たちはある教育センターでやりました。それはあるホテルの裏にあり、10数の部屋を賃貸して使っていました。つまり、一軒の別荘の上の方でやったのです。

調査員:そこは、闇の監獄というようなところでしたね。

証人:まあ、そんなものでした。

調査員:そこに監禁されたのは、法輪功学習者だけでしたか。

証人:そうです。

調査員:つまり、判決を言い渡されない前からそこに入れられたというわけですね。

証人:いずれにしても、われわれは随時に場所を移動することができました。

 …

調査員:事件発生の具体的な時間を教えていただけますか。

証人:2002年4月9日でした。

調査員:4月9日でしたね。

証人:そうです。4月9日午後5時から摘出しはじめ、3時間かかりました。

 その後、1ヶ月ほど続きました。

調査員:「1ヶ月ほど続いた」というのは?

証人:続けて(他の学習者に対して)1ヶ月ほど拷問などを行っていました。

 …

調査員:法輪功学習者たちへの拷問は、一度だけやったのですか、それとも数回やったのですか。

証人:多くやりました。当時、王立軍、現在重慶市公安庁長は、「殺し尽くさなければならない」と厳令を下しましたから。


(翻訳編集・小林)
https://www.epochtimes.jp/jp/2009/12/html/d72072.html


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詳細は


中国人のウイグルでの民族浄化の手口
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/280.html

中国企業が欧米や日本の最先端技術を手に入れる手口
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/283.html

高利貸 中国が低開発国の資産を乗っ取る手口
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/281.html

中国は世界史上最悪の階級社会
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/269.html

日本は近い将来、中国小日本省になる
http://www.asyura2.com/13/lunchbreak53/msg/888.html


因みに、僕が最近 阿修羅掲示板で中国関連スレにすべてウイグルでの民族浄化の話をコメントしていたら、
中国関連のスレが滅多に投稿されなくなった。

つまり、阿修羅で中国関連のスレを投稿していたのは殆どが中国の工作員だった訳だ。

阿修羅掲示板の全投稿の 7割以上を投稿している自称 赤かぶ 氏も中国の工作員グループだろうね。
阿修羅掲示板で反安倍とか護憲とか反原発の投稿をしているのも殆どが中国の工作員だね。
だから、阿修羅では僕みたいな反中の人間が嫌われて迫害・投稿妨害されるんだ。

IQ が低いアホは 平和、友愛、多民族共生とかいう言葉に弱いから、すぐに中国の工作員に騙されて洗脳されてしまう

http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/585.html#c1

[昼休み54] 中国人のウイグルでの民族浄化の手口 中川隆
35. 中川隆[-13633] koaQ7Jey 2018年11月21日 14:57:37 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20965]

中国当局、イスラムの戒律を守るウイグル族に「投降」を促す
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/11/post-11319.php
2018年11月20日(火)16時05分 ジェイソン・レモン ニューズウィーク


出頭すれば処罰を逃れられるかもしれない、と当局は言うが Nir Elias-REUTERS


<自らイスラム教徒である「罪」を認めれば寛大な措置も検討する――ウイグル族に対する人権侵害が国際的に問題視されるなか当局が新たな策に>

中国西部・新彊ウイグル自治区の哈密(ハミ)市当局は少数民族ウイグル族をはじめとする国内のイスラム教徒に対して、「結婚式での飲酒や喫煙、ダンスを禁止行為と考えている者は当局に出頭せよ」と命じた。

シンガポールの放送局チャンネルニュースアジア(CNA)が11月20日に報じたところによれば、同市の自治政府はソーシャルメディアの公式アカウントに警告を投稿。保守的なイスラム教の教えに沿って行動している者や過激派組織と関わりがある者は、30日以内に地元の司法当局に自首せよと命じた。自ら出頭すれば寛大な措置を受けられる可能性があり、場合によっては処罰を逃れられる可能性もあるとしている。

中東の衛星テレビ局アルジャジーラによれば、公式アカウントには次のような警告が投稿された。「テロ犯罪に関与している者および『三悪勢力(民族分裂主義、宗教過激主義、テロリズム)』に毒されている全ての者は30日以内に司法機関に自首し、自らの罪を告白するよう勧める」

■「ハラール」商品まで取り締まり

自治政府は飲酒や喫煙を禁止行為と見なす者のほかに、周囲の者にコーランに従うよう促す者や、他人がテレビを観るのも禁じる者、政府系の住宅を拒否する者や政府の身元識別(ID)システムを妨害する者にも懸念を持っていると報じられている。

新彊ウイグル自治区には大部分がイスラム教徒である少数民族のウイグル族1100〜1500万人が暮らしていると推定されており、複数の人権団体や人権活動家たちは以前から、中国政府によるウイグル族弾圧に懸念の声を上げてきた。

8月には国連の人種差別撤廃委員会が、同自治区が100万人あまりのウイグル族を「再教育施設」と称される収容所に強制収容していることを明らかにした。収容された者たちは自らの宗教的・民族的アイデンティティーの否定を強制され、中国の法律や政策を暗唱するよう求められる。指示に従わない者は食事をさせて貰えない、長時間立たされる、独房に監禁されるなどの罰を受けるという。

中国は2017年、新彊ウイグル自治区でイスラム教の保守的な服装や髭を禁止。さらに赤ん坊に「イスラム」「コーラン」「サダム」や「メッカ」など宗教色の濃い名前をつけることも禁止し、違反した家族は教育をはじめとする政府のサービスを受けられない可能性があるとした。10月からは一部の地域で、イスラムの戒律に従ってつくられた「ハラール」食品の取り締まりも開始されている。

「新彊ウイグル自治区における中国政府の人権侵害は、ここ数十年で最大の規模に及んでいる」と、人権擁護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチのソフィー・リチャードソン中国部長は9月の声明で指摘した。「同自治区での弾圧は、国連や各国が人権侵害をやめさせるために中国に制裁を科すのかどうかを判断する重要な判断材料となる」

中国による宗教弾圧には国際社会で非難の声が高まっており、アナリストや活動家は、習近平国家主席が宗教の自由を抑圧することによって自らの権力を強化していると主張している。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは中国に関する2018年版の報告書の中で「中国政府は国民の宗教活動を、公認する5つの宗教の公認宗教施設においてのみに制限している」と指摘。「当局が宗教団体の人事や発行物、財務管理や神学校の開設について支配権を握り続けている」と説明した。

またアルジャジーラによれば、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルの東アジア担当ディレクター、ニコラス・ベケリンは9月、国が主導する形でのウイグル族の弾圧を阻止すべきだと次のように語った。

「中国政府が、同国北西部に暮らす少数民族に対するこの悪しき活動を続けるのを許してはならない。この大規模な弾圧により、何十万もの家族が引き裂かれている。この悪夢について、世界各国の政府は中国当局の責任を追及しなければならない」

(翻訳:森美歩)

http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/280.html#c35

[国際24] トランプ大統領、ヒラリー氏と前FBI長官の訴追要求か 米紙報道(AFP) 赤かぶ
1. 中川隆[-13635] koaQ7Jey 2018年11月21日 19:12:30 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20968]
ヒラリー・クリントンの正体

2016.08.20
ハッキングされたメールからヒラリーがソロスの助言に従っていることが判明、侵略やTPPに執着か

電子メールのハッキングが続いている。今回は投機家で体制転覆に多額の資金を提供してきたジョージ・ソロスだ。彼がターゲット国の体制を転覆させるために使っているオープン・ソサエティ基金もハッキングされたという。そうした電子メールの中には、ソロスがヒラリー・クリントンに対してアルバニア情勢に対する対処の仕方をアドバイスするものがある。そのメールが書かれたのは2011年1月24日で、国務長官だったクリントンはソロスのアドバイスに従って動いたようだ。

 ヒラリー・クリントンは夫が大統領だった1990年代、マデリーン・オルブライト(国連大使から国務長官)やビクトリア・ヌランド(国務副長官の首席補佐官)と連携して政権をユーゴスラビアに対する先制攻撃へと導いているが、その背後にソロスがいたということだろう。国務長官に就任したオルブライトが主導する形で1999年3月にNATO軍は偽情報で環境作りをしながらユーゴスラビアを先制攻撃、ひとつの国を破壊した。

 2003年11月にはジョージア(グルジア)で「バラ革命」、04年から05年にかけてはウクライナで「オレンジ革命」があり、新自由主義体制になった。当然、一部のグループが不正な手段で国民の財産を奪って莫大な富を築き、その後ろ盾になっていた西側の巨大資本も利益や利権を手にした。こうした「革命」でもソロスはスポンサーとしての役割を果たしていた。

 言うまでもなく両国の庶民は貧困化、そうした状況への怒りからソロスたち西側の富豪や巨大資本にとって好ましくない方向へ動いた。そこで仕掛けられたのがキエフのクーデター。2014年2月22日、ネオ・ナチ(ステファン・バンデラ派)を主力とするグループがビクトル・ヤヌコビッチ大統領を暴力的に排除している。そのクーデターを現場で指揮していたのがヌランド国務次官補だった。クリントンは2013年2月に国務長官を辞めているが、ヌランドは彼女の同志だ。

 クリントンが長官に就任したのはバラク・オバマが大統領に就任した2009年1月のことだが、その年の6月にホンジュラスで実行されたクーデターでクリントンは黒幕的な役割を果たしたと言われている。約100名の兵士が大統領官邸を襲い、マヌエル・セラヤ大統領を拉致され、コスタ・リカへ連れ去られている。

 現地のアメリカ大使館は国務省に対し、クーデターは軍、最高裁、そして国会が仕組んだ陰謀であり、違法で憲法にも違反していると報告している。つまり、クーデター政権には正当性がないと明言した。このクーデター政権は翌2010年、最初の半年だけで約3000名を殺害したとも報告されている。そのクーデターの背後にクリントン長官がいたということだ。

 2011年にアメリカはサウジアラビアなどペルシャ湾岸産油国やイスラエルと新たな侵略戦争を始める。2月からはリビア、3月からはシリアだ。2011年10月にリビアのムアンマル・アル・カダフィ体制は崩壊、その時にカダフィが惨殺されている。その事実をCBSのインタビュー中に知らされたヒラリー・クリントンは「来た、見た、死んだ」と口にして喜んでいる。

 カダフィ体制が倒された直後、ベンガジでは裁判所の建物にアル・カイダの旗が掲げられ、その映像がYouTubeにアップロードされた。その事実をイギリスのデイリー・メイル紙でさえ、伝えている。リビアを侵略した軍隊は空がNATO軍、地上はアル・カイダ系のLIFGだった。

 リビアを破壊した後、侵略軍はリビア軍の倉庫から武器/兵器を持ち出してトルコへ運んでいる。勿論、戦闘員も同じように移動した。

 調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュによると、輸送の拠点になったのはベンガジにあるCIAの施設。輸送にはマークを消したNATOの輸送機が使われたとも伝えられている。運び出された武器/兵器の中に化学兵器も含まれ、これをシリアで使い、政府軍に責任をなすりつけてNATO軍が直接、シリアへ軍事介入する口実にしようとしたと言われている。

 そうした武器や戦闘員の輸送をアメリカ国務省は黙認した。2009年1月から13年2月まで国務長官を務めたヒラリー・クリントンもこの工作を知っていたはず。しかも、クリントンの部下にあたるクリストファー・スティーブンス大使は2012年9月10日、CIAの武器輸送担当者と会談、その翌日には武器を輸送する海運会社の人間と会っている。勿論、武器はトルコ経由でシリアの侵略軍へ渡される手はずになっていた。

 その9月11日にベンガジのアメリカ領事館が襲撃されてスティーブンス大使が殺されている。議会が首相を指名する前日だ。その2カ月後にCIA長官を辞めたデイビッド・ペトレイアスはヒラリーと緊密な関係にあることで知られ、このルートからもシリアでの工作を知らされていたはずだ。

 クリントンは戦争犯罪人と言われても仕方のないようなことをしてきたわけだが、欧米の支配層はクリントンを支持してきた。ソロスも支援者のひとり。この支配層は軍事的に世界制覇を進めるだけでなく、巨大資本が国や国際機関を支配する仕組みを作り上げようとしている。それがTPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、そしてTiSA(新サービス貿易協定)の3点セットだ。

 世界的に見ると、その実態を多くの人が知るようになり、抵抗が強まっている。アメリカ大統領選では共和党の候補者であるドナルド・トランプや民主党の候補者選びに参加していたバーニー・サンダースもこうした協定に反対している。本ブログでは繰り返し書いてきたが、これらはファシズム化を目指すものだ。

 そうした中、クリントンは若干の手直しをするだけで協定を実現しようと目論んできたのだが、サンダース支持者の民主党幹部やクリントンに対する反発が強く、自分も反対だと言わざるをえなくなっている。

 しかし、クリントンは弁護士である。契約や法律に違反することなく約束を破る方法を考えることを商売にしている人物だ。先送りと言うことはありえるだろうが、ファシズム化という方針をアメリカの支配層が放棄するとは思えない。ソロスもクリントンに何らかの悪知恵を授けているのだろう。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201608200000/  

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2016年08月30日
クリントン「嘘つき夫婦」の評判 公私混同と虚言癖

夫婦は人を騙す事と、うまい言い訳で破綻を回避する事に関して天才的だった。
http://livedoor.blogimg.jp/aps5232/imgs/d/5/d5b30669.jpg

クリントン財団による政府私物化

大統領選に出馬しているヒラリークリントンは、共和党のトランプに5%ほどリードしているがメール問題を抱えている。

公務に自分用メールアドレスを使用していたという、どうでも良い疑惑なのだが、実はどうでも良くなかった。

ヒラリーは私用メールを使うことで秘密の情報を交換し、政府や国務省を私物化し、私服を肥やしていた。


メール問題は公的メールと私用メールの混同という倫理の問題ではなく、もっとドロドロした背景があるのが分かってきました。

ビルクリントン大統領とヒラリー夫妻はクリントン財団という慈善団体を運営し、慈善活動を行っている。

ところがアメリカの慈善財団は営利事業なのに非課税なので、金持ちはみんな財団を作って脱税しています。


ビルゲイツとかバフェットとか、古くはフォードとかカーネギーとか、みんな脱税と資産保護のための財団です。

慈善財団は集めた金を寄付しているわけではなく、集めた金で営利事業を行い、利益の一部を寄付しています。

仮に「トヨタ財団」は10兆円を売り上げても、1000億円くらい寄付すれば非課税になる、というような仕組みです。


実際には製造業の慈善財団なんか認められないが、投資事業は非課税なのです。

クリントン財団も慈善事業の仮面をかぶった脱税組織で、夫妻の金づるで政治資金源でした。

娘のチェルシーが財団の責任者をしていて、事実上「大統領ビジネス」で稼いだ金を蓄財するシステムになっている。


公務で私服を肥やしたクリントン夫妻

ビルクリントンが最初に大統領になったころ、無一文に近かったが、今は富裕層の仲間入りをしました。

ビルが大統領を辞めた頃や、ヒラリーが国務長官だった頃も、この財団にせっせと稼いだ金を集めていた。

てっとり早くいうとヒラリー夫妻は「アメリカと関係を持ちたければ財団に寄付しなさい」という態度を取ってきた。


舛添東京都知事は公私混同でクビになったが、彼でさえ「東京都と交渉したければ妻の会社に寄付しなさい」とは言わなかったでしょう。

それをやったのがヒラリークリントンで、国務長官の地位を悪用して、アメリカ外交と自分の財団への寄付を交換条件にしていた。

この秘密のやり取りのためには公的メールではまずかったので、私的メールアドレスを利用していた。


クリントン財団への寄付はクリントンへの政治資金提供だったが、人助けでやっているように装っていた。

クリントン国務長官はクリントン財団の重鎮であるブルーメンソール氏を利用し、財団にとって有利な情報をメールで交換した。

クリントン財団は外国から(恐らく中国からも)寄付と言う賄賂を受け取って、国務長官(外務大臣)として便宜を図った。


これはもはや日本では「スパイ」「売国奴」と呼ばれるレベルで、逮捕されていない事がおかしい。

ヒラリーはブルーメンソール氏を国務省の役職につけて自分の近くに置きたいと考えたが、不審に思ったオバマに拒否された。

ヒラリーとブルーメンソールは何万件もメールをやり取りしていたが、彼の役割りはクリントン財団に利益をもたらす事で、アメリカに利益をもたらす事では無かった。


天才嘘つき夫婦

こうした事が公開されたメールによって国民にも知られていき、「嘘つき夫婦」のレッテルを貼られる事になった。

民主党の嘘つき夫婦に対抗するのは共和党のトランプ氏で、本来なら政敵のスキャンダルで楽勝なのだが、余計な暴言でリードされている。

クリントン夫妻は嘘をつくのが天才的にうまく、もはや超能力者かと思えるほど、良い言い訳をする。


大抵の嘘つきは一つの嘘を隠すためにいくつもの嘘をつくと、辻褄が合わなくなって崩壊するが、彼らは違う。

例えばビルクリントンの後に共和党のJブッシュが大統領になったが、大半の時期を不人気で過ごした。

9.11を防げなかったとか、イラクが核を持っていると言ったのになかったとか、リーマンショックを起こした事で批判されていた。


だがこれらのどれも原因を作ったのは、前の大統領のクリントンで、Jブッシュは後始末をさせられたのだった。

9.11は移民規制緩和が原因だったし、イラクや北朝鮮を野放しにしたのもクリントン、リーマンショックはクリントンのバブル経済が原因だった。

Jブッシュは言い訳が下手で、すぐ怒って下手な事を言い、嘘はすぐにばれていた。


きっとクリントン夫妻が大統領だったら、9.11やリーマンショックでも、自分には責任が無いかのように、うまく言い逃れたでしょう。

2012年9月11日にリビア東部のベンガジで米領事館がテロリストに襲撃され職員3人が犠牲になった。

大統領はオバマで国務長官はヒラリーで、前もって襲撃の危険性を察知して警告していたが、彼らは重視しなかった。


事件後にヒラリーは襲撃がテロリストではなく、「頭のおかしい怒った群衆」に突発的に襲われたのだとでっち上げた。

その後ヒラリーの嘘はばれて大統領選で落伍しそうになるが、次々に上手い言い訳を連発して窮地を脱した。

この天才嘘つき夫婦が再び大統領になり、ホワイトハウスを支配したとき、世界はどうなるのだろうか。
http://thutmose.blog.jp/archives/65419625.html



2. 中川隆[3799] koaQ7Jey 2016年8月31日 07:45:42: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4185]

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暴かれた中国とヒラリーの黒い関係。夫も「中国の金」で大統領に 2016.07.15
http://www.mag2.com/p/news/211764


共和党のトランプ氏と民主党のヒラリー氏の一騎打ちになると見られるアメリカ大統領選。トランプ氏の暴言ばかりに注目が集まりますが、もしもヒラリー氏が当選したら…。無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で著者の北野幸伯さんが、国際政治に詳しい評論家の伊藤貫氏の著書を引用しつつ、ヒラリー氏と中国のとんでもない関係を暴いています。

ヒラリーと中国の、黒い関係…

「世界最大のリアリティーショー」といえば、「アメリカ大統領選」。共和党候補は、トランプさんで決まり。民主党候補は、ヒラリーさんで決まり。

さて、ヒラリーさん。最近、最大の障害をクリアしました。


「クリントン氏、訴追相当せず」 FBI長官が会見

朝日新聞デジタル 7月6日(水)1時54分配信

米大統領選で民主党の候補者指名を確実にしたクリントン前国務長官(68)の私用メール問題で、米連邦捜査局(FBI)のコミー長官は5日に会見し、「捜査の結果、訴追には相当しないと判断した」と発表した。

メールには機密情報が含まれており、「非常に不用心だった」としつつも、過去の機密情報をめぐる事件と比較し、「常識的な検察官ならば訴追しない」と述べた。

これは、何でしょうか?

09〜13年、ヒラリーさんは国務長官だった。その時、公務に私用メールアドレスを使っていた。これは、「国の機密情報を無料であげます」というのと同じ。それで問題視され、FBIが捜査していた。しかし、FBIは、「問題は多いけど、このまま大統領選つづけていいです」と許可した。これで一応、ヒラリーさんは法的問題をクリアしました。ところが…。

われわれ日本人が絶対知っておいた方がいいこと。ヒラリーさん、実をいうと、中国とかなり深く、黒い関係があるらしいのです。


クリントン夫妻と中国の、深く、長い癒着

ネタ元は、アメリカ在住政治アナリスト、日本を代表するリアリスト・伊藤貫先生の『中国の「核」が世界を制す』。

kitano0713

この本は、世界情勢の真実を知りたい方必読です。伊藤先生によると、クリントン夫妻は、それこそ「大昔」から中国に取り込まれていました。


クリントン夫妻とリッポ財閥の腐敗した癒着関係は、少なくとも1983年から始まっている。
(p261)

ええ!? いまから、33年も前から!!??

「リッポ・グループ」って何でしょう?


中国共産党と人民解放軍は、クリントン夫妻に対して多額の贈賄をするパイプとして、インドネシア・香港・中国に拠点を持つリッポ・グループ(力宝集団)を使用した。

リッポ・グループはインドネシアの華僑財閥・リアディ家が所有する企業集団であり、銀行業・不動産業・流通業・観光業等を経営している。
(p260)

さて、リッポグループとクリントン夫妻の「黒い関係」はどんな風に始まったのでしょうか?


ヒラリー夫人が上級パートナーを務めるアーカンソーの法律事務所は、この時期から、リッポグループの「顧問」として高額の報酬を得ている。FBIは、「クリントン夫妻と人民解放軍スパイ機関との協力関係が始まったのは、たぶんこの頃だろう」と推定している。
(p261)

ええ!!!??? FBIが知っているのに、ヒラリーさんは、なぜその後も順当に出世しつづけていったのですか???

そして、ヒラリーさんの夫ビル・クリントンさんは1992年、「中国の金」を使って、大統領選に勝利します。


クリントン夫妻は1992年の大統領選に出馬したとき、リアディから少なくとも(後に判明しただけでも)125万ドルの賄賂(違法な政治資金)を受け取っている。

1996年の大統領選挙では、リアディ(リッポ・グループ)からクリントン夫妻へ、はるかに巨額な賄賂が動いた。
(p261)

実をいうとこれ、「バレて」しまったのです。クリントン夫妻は、どんな反応をしたのか?


1997年にこの事実が明るみに出たとき、クリントン夫妻は、「われわれはカネを受け取ったかもしれないが、何も憶えていない。誰がカネを出したのか、われわれは何も知らない」と言い張って、逃げてしまった。
(p261)

そんなんでいいんですか??? 舛添さんも、アメリカに生まれれば逃げ切ることができたのでしょうか?


動けなかったFBI

さて、上にも書きましたが、クリントン夫妻はそんなに悪いことをして、なぜ捕まらなかったのでしょうか?


1992〜96年のFBIとNSAの盗聴活動により、中国政府の首脳部が米国政界に対して大規模な贈賄工作を実行していることは明らかであったが、国務省・ペンタゴン・司法省・CIAは、この大規模な贈賄工作を止めることはできなかった。たぶんこれらの組織は、政治的な理由から動けなかったのだろう。
(p278)

「政治的な理由から動けなかった…」(涙)

アメリカ在住・伊藤先生は、もっとディーテールを話してくださっています。


米民主党の政治家たちが中国から収賄しているというニュースがアメリカのマスコミに載るようになったのは、1996年後半である。

(中略)

この大規模な贈賄工作が、中国政府のスパイ組織による深刻な外交問題であるという解説記事が米マスコミに載るようになったのは、1997年の春以降のことである。
(p279)

これを受けて、FBIは捜査を開始しました。しかし…。


しかしFBIと連邦政府検察官による贈賄事件の捜査は、数か月しか続かなかった。1997年初頭、ホワイトハウスの命令を受けた司法省が、この件に関する捜査を打ち切る決定を下したからである。
(p279)

しかも、「露骨な妨害行動」があったのだそうです。


この事件の捜査を続行するために独立検察官を任命することを主張したキャリア検察官、チャールス・ラベラは、即刻、解雇された。他の検察官たちはラベラが即座にクビになったのを見て、「この事件には、深入りしないほうがよい」と理解した。
(p279)


日本の教訓

ここまで読まれて、「ホンマかいな?」と思われた方も多いことでしょう。皆さんがそう感じる主な理由は、「メルマガという媒体では、出せる情報量に限りがあるから」です。

今回の話に関心を持たれた方は、是非『中国の「核」が世界を制す』をご一読ください。卒倒物の事実が、山ほど登場します。

さて、私たち日本人は、今回の話から何を学ぶべきなのでしょうか?

そう、「ヒラリーさんは、中国と黒い関係にある」。彼女が大統領になったら、対中、対日政策はどうなるのでしょうか?

確かにアメリカは、2015年3月の「AIIB事件」直後、「中国を最大の敵」と定めましたそして、「ウクライナ問題」「シリア内戦」「イラン核問題」を「アッ」という間に解決した。ロシアとも和解しはじめました。そして、中国との対立は、意図的に激化させている。ですから、ヒラリーさんが大統領になっても、その路線でいくかもしれません。あるいは、彼女は中国に弱みを握られていて、柔軟路線に転じるかもしれません。

私が大変しばしば、「日本は、中国を挑発するな!」「日本の中国批判は、アメリカ追随でよい。アメリカが批判したことを、そのままオウムのように繰り返せ!」と書いているのは、こういう事情もあるのです。つまり、日本が先走って中国を挑発しすぎると、アメリカ国内の親中勢力が力を増し、「梯子を外される」かもしれない。要するに、アメリカなしの日中戦争が起こる可能性が高まる。

日本は常に、「『アメリカ』中心の対中包囲網」「対中バランシング同盟」結成を目指すべきなのです。調子に乗って、「日本が反中包囲網形成を主導する」などと宣言してはいけません。梯子を外され、尖閣、沖縄は中国領になってしまいます。





3. 中川隆[3803] koaQ7Jey 2016年8月31日 11:15:34: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4189]

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2016.08.30
ヒラリーが親しいリン・フォレスター・ド・ロスチャイルドが結婚する直前にビル政権が好戦的に


自分自身の電子メールを大量に消去したヒラリー・クリントンだが、消したはずのメールがWikiLeaksなどによって公表されている。そうしたメールによって判明した事実のひとつは、彼女の頻繁に連絡している人物のひとりがリン・フォレスター・ド・ロスチャイルドだということだ。

 この女性は1998年に開かれたビルダーバーグ・グループの会合で知り合った23歳年上のエベリン・ド・ロスチャイルドと知り合い、ふたりは2000年にロンドンで結婚している。ふたりを結びつけた人物はヘンリー・キッシンジャー。このタイミングは興味深い。

 本ブログでは何度か書いているが、戦争に消極的だったビル・クリントン大統領を戦争へと導いたのはヒラリー。彼女は親しくしている好戦派のマデリーン・オルブライト(国連大使から国務長官)やビクトリア・ヌランド(国務副長官の首席補佐官)を夫の政権へ引き込んでいた。ヒラリーは上院議員になって間もない頃、イラクへの軍事侵攻にも賛成していた。

 オルブライトは1997年1月から国務長官を務め、99年3月のNATO軍によるユーゴスラビアへの先制攻撃につながっている。言うまでもなく、ヌランドは選挙で選ばれたウクライナの政権をネオ・ナチのクーデターで破壊した人物だ。以前にも書いたが、オルブライトはズビグネフ・ブレジンスキーの弟子。

 1997年当時、クリントン夫妻はスキャンダル攻勢で経済的にも厳しい状況だったと言われている。その攻勢で黒幕的な役割を果たしていたのがメロン財閥のリチャード・メロン・スケイフ。情報機関やネオコンと近い人物だ。ネオコンのニュート・ギングリッチ下院議長(当時)の後ろ盾だったシカゴの富豪、ピーター・スミスもビル・クリントン攻撃に資金を提供していた。現在、クリントン夫妻は大金持ちである。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201608300000/



4. 中川隆[3810] koaQ7Jey 2016年8月31日 17:22:35: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4196]

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アメリカ国民は、彼らを支配している悪を打倒できるだろうか?
Paul Craig Roberts 2016年8月29日
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/post-1d0c.html


7つの国における膨大な死者と、大規模な破壊は、ポール・ウォルフォウィッツと、彼が政府高官だった時代についたウソが原因だ。ウォルフォウィッツは、ヒラリー・クリントン支持を表明した。皆様は、これを聞いて、安心されただろうか?

ウォルフォウィッツが、ドナルド・トランプ支持を表明していれば、本当に驚きだったろう。すると、一体なぜこれがニュースになるのだろう?

トランプは、アメリカ政府がロシアに対して始めた紛争に未来はないと思うと語り、トランプは、NATOが存在を継続している意味を疑問視している。こうした平和的な姿勢によって、ウォルフォウィッツによれば、トランプは“国家安全保障上のリスク”とされている。ウォルフォウィッツが言っているのは、平和を望む候補者は、アメリカの世界覇権という、ウォルフォウィッツの原則に対する脅威だということだ。ウォルフォウィッツとネオコンの狂った頭の中では、アメリカは、世界を支配しない限り、安全ではないのだ。

ヒラリーは戦争屋で、もし彼女が大統領になれば、彼女の傲慢さと、無能さの組み合わせが、第三次世界大戦をもたらす可能性が高いので、おそらく究極的な最後の大統領だろう。2015年7月3日、ヒラリーはこう宣言した。“もし私が大統領なら、我々はイランを攻撃するということを、イランには知ってもらいたい. . . . 我々はイランを完全に消し去ることができる。
http://www.globalresearch.ca/hillary-clinton-if-im-president-we-will-attack-iran/5460484?print=1

狂ったヒラリーは、これだけでなく、ロシア大統領を“新ヒトラー”と呼ばわるに至っている。ロシアも消し去ることができると、彼女が考えていることに疑問の余地はない。

ロシアに対するプロパガンダを強化し、アメリカ政府のヨーロッパ傀儡諸国に、経済制裁を課し、ロシア国境に軍事基地を作るよう強いて、核保有国を挑発し、危険な緊張を高めるために、ウクライナでのアメリカ・クーデターを監督するよう、オニスト・ネオコンのビクトリア・ヌーランドを、国務省に入れたのは、ほかならぬヒラリーだ。

これは、ウォルフォウィッツの狙いと完全に一致する。ウォルフォウィッツが、ヒラリーの国防長官になる可能性は高く、二人がまとまれば、第三次世界大戦だ。

ソ連が崩壊した際、当時のペンタゴン高官ウォルフォウィッツが、ウォルフォウィッツ・ドクトリンをものした。ドクトリンには、アメリカ外交政策の主要目的は、アメリカの一方的な行動を制限する他国の勃興を阻止することだとある。これは、ロシアと中国を意味するが、ヒラリーとウォルフォウィッツの組み合わせは、世界中の人々をおびえさせるはずだ。核兵器が、ヒラリーやウォルフォウィッツのような、狂った連中の手中に入るという見込みは、想像できるかぎり、最も不安を抱かせるものだ。

堕落したオバマからは許された国家安全保障ルール違反や、クリントン夫妻の1億2000万ドルの個人資産と、二人の財団の16億ドルを生み出した私的金融取り引きに関する大量の証拠を前にしても、ヒラリーが大統領に選ばれるかどうかが、問題なのだ。クリントン夫妻が、公的な地位を個人的栄達のために利用したことは全く明らかだ。これがアメリカ国民が望んでいるものだろうか? 世界が核戦争に引き込まれると、益々豊かになる二人を?

電子投票装置があるので、この疑問は、アメリカ国民が何を望んでいるかによってではなく、投票結果報告の出し方を、電子投票装置がどのようにプログラムされているかによって決定される。電子投票装置が出現するまでは、勝者がだれかを示す、常に信頼のおける指標だった出口調査が、電子投票装置が生み出す勝者とは違う勝者を示した選挙が、既に、アメリカでは起きている。投票装置がどのようにプログラムされているかの秘密は、“著作権のあるソフト”ということで保護されている。電子投票装置では、投票用紙は残らず、票の再集計は不可能だ。

二大政党の支配層いずれも、トランプには猛烈に反対している中、投票装置がどのようにプログラムされると皆様は思われるだろう? 実際、マスコミが、トランプに大反対なので、疑問は、出口調査が行われるのか否か、もし行われるのであれば、ウソ報道がされるのかということになる。

共和党有権者ではなく、共和党工作員連中は、トランプが、共和党投票を損なったと主張して、全員激怒している。共和党有権者たちが、他の候補者ではなく、トランプを選んでいるのに、そんなことがあり得ようか? 共和党工作員連中は、有権者ではなく、彼らが共和党候補者を選ぶべきだと言っているのではないか?

もしそうであれば、連中も民主党と変わらない。数年前、民主党支配層が、有権者に選ばれたわけではない“特別代議員”なるものを編み出した。党支配層が、有権者による大統領候補選択を覆す力を得られるだけの十分な人数の“特別代議員”が作られたのだ。国民の党だとされる民主党が、最初に国民から選択を奪い取ったのは、驚くべきことだ。多くの情報が、実際には、バーニー・サンダースが、民主党大統領候補者指名に勝利していたが、不正投票と、“特別代議員”によって覆されたことを示している。

これがアメリカにおける政治なのだ。全くの腐敗。クリス・ヘッジズが正しいのかも知れない。革命無くして何事も変わらない。

売女マスコミが、トランプを悪魔化しているのは、トランプが、彼の富にもかかわらず、1パーセントを構成する一握りの支配者によって、連中の狙いにとっての脅威と見なされている証拠だ。マスコミを所有し、支配しているのは、トランプではなく、一握りの支配者だ。だから売女マスコミによるトランプの悪魔化は、彼こそ選ばれるべき候補者だという完璧な証拠だ。我々を迫害している一握りの支配者連中が、トランプを憎悪しているのだから、迫害されているアメリカ国民はトランプを支持すべきなのだ。

売女マスコミによるトランプの悪魔化は、共和党予備選挙では機能しなかった。大統領選挙では機能するのだろうか? 投票結果は、トランプによってではなく、売女マスコミによって報じられるので、我々にはわからない。

悪魔化が機能しなければ、選挙で、電子投票装置により、トランプを落とす外なく、その結果、ずっと前に起きていて不思議でなかった、アメリカ国民の急進化をもたらすだろう。おそらく、そういう展開になると予想されていることが、郵便局や社会保障部門まで含む全政府機関が、武器と弾薬を入手し、チェイニーの企業、ハリバートンが、アメリカ国内での収容所建設で、385,000,000ドルの契約を受注した理由なのだ。

我々を支配している連中は、世界大戦無しに、支配をあきらめるつもりはない。アメリカ合州国の悪が、国民から権力を奪い取っており、悪はそれを返すつもりはない。

Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/08/29/can-americans-overthrow-the-evil-that-rules-them-paul-craig-roberts/




5. 中川隆[3815] koaQ7Jey 2016年8月31日 20:46:22: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4201]

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トランプ 対 ヒラリー: 最終弁論
Paul Craig Roberts 2016年8月25日
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/post-9a55.html


今年11月のアメリカ大統領選挙で、アメリカ国民の大多数が、救いようのないほど愚かなのかどうかが分かる。もし有権者がヒラリーを選べば、アメリカ国民は救い難いほど愚かであることを我々は知ることになる。

トランプについて我々は良く知らず、事実ではなく、反トランプ・プロパガンダが支配している。

だが我々はヒラリーに関しては多くの事実を知っている。彼女が機密種別分けの法律に違反したこと、民主党政権が、それについて何をするのも拒否したことを我々は知っている。民主党は、法律を実行するよりも、ホワイト・ハウスの支配を優先して、アメリカにおける法の支配が横たわっている柩に、とどめの釘を打ち込もうとしている。

彼らの言動、そして物質的成功から、クリントン夫妻が、ウオール街、巨大銀行、軍安保複合体、イスラエル、アグリビジネスや、採取業界の代理人であることを我々は知っている。二人の膨大な個人的財産、約1億2000万ドルと、夫妻財団の16億ドルの大半が、政治的便宜を計らう見返りに、海外から得たものであることが、クリントン夫妻は、アメリカを支配している、実際、オーストラリアから、日本、北アメリカや、ヨーロッバや、東欧、そしてロシア国境に到るアメリカ帝国を支配しているひと握りの集団の代理人なのだという疑いようのない事実を証明している。

ヒラリーが、夫のビル同様、ウソつきなのを我々は知っている。

ヒラリーが、戦争屋なのを我々は知っている。

ヒラリーが、これまでの大統領候補によるものの中で、最も無責任な発言で、ロシア大統領は、“新たなヒトラー”だと宣言して、核大国間の緊張を、冷戦時代の緊張よりも高いものにしたことを我々は知っている。

ヒラリーがネオコンと手を組んでおり、アメリカの世界覇権というネオコン・イデオロギーに対する彼女の思い込み ロシアと中国との戦争をもたらす結果になる可能性が高いことを我々は知っている。

我々が、トランプについて知っていることと言えば、巨大な政治力持ったひと握りの支配集団、アメリカの雇用を外国に送り出した連中、アメリカを、なかなか同化しない移民だらけにした連中、公教育を破壊した連中、ウオール街や“大き過ぎて潰せない銀行”を救った連中、アメリカの自宅所有者や、固定した収入で暮らす退職者を犠牲にした連中、社会保障もメディケアも、民営化するのを狙っている連中、市民を殺害する警官や、容赦ないプライバシー侵害や、世界最多の刑務所収容者を生み出し、アメリカ国民に対する行政権力を強化する為、アメリカ憲法を破壊した連中が、トランプに猛烈に反対しているということだけだ。この反対が、トランプこそ、我々が大統領執務室にいて欲しいと思う人物であることを語っている。

全ては茶番で、トランプは、ヒラリーを選出するための役を演じていると主張する人々もいる。アメリカ政治は、実に腐敗しているので、どんなこともあり得る。だが、支配層エリートと連中の傀儡は、自分たちの支配に対する、トランプの挑戦を本気で懸念しているように見えるし、連中は、トランプ反対で団結している。連中は大金を使って、“進歩派”ウェブサイトを買収し、印刷媒体とTVに金を出して、反トランプ・プロパガンダをインターネットに進出させ、インターネットの売女マスコミと、印刷媒体、TVと、NPRの売女残業させて、トランプを悪魔化し、ヒラリーを選ばせようとしている。

アメリカの権力構造丸ごと、ヒラリー支持だ。既存政治勢力の民主党も共和党も、ネオリベラルと、ネオコン双方のイデオロギーも、ヒラリー支持だ。

ヒラリーへの投票が自らの無力化への賛成投票であることを悟るのに、アメリカ国民は、これ以上どれだけ証拠が必要なのだろう?

どうやら、アメリカ人は、その無頓着さの虜になったままのようだ。ニュース報道によれば、有権者の大多数は、ヒラリーに投票した結果がどうなるのか、いまだに分かっていない。世論調査はヒラリーが大差でリードしていると報じている。こうした報道は本当の世論調査なのだろうか、それともトランプ支持者を落胆させるための売女マスコミによる、もう一つのウソなのだろうか? もう負けているのだから、投票に行っても無駄だよと。

トランプに対するプロパガンダ攻撃は実に激しかったが、共和党予備選挙では成功しなかった。マスコミによるトランプ非難にもかかわらず、他の共和党候補者連中を、彼は易々と一掃した。

現在のマスコミによるトランプの悪魔化も失敗する可能性がある。実際、あまりにあからさまなので、彼が選ばれそうなくらいだ。

もっぱら必要なのは、十分な人数のアメリカ国民を無頓着さから目覚めさせ、トランプに激しく反対している連中は、自分自身の生活、自分自身の生活水準や、自身の自由に対する敵であると認識させることだ。

もしアメリカ国民がこの理解に至れなければ、彼らに未来はなく、地球にとっても、未来はない。

ひと握りの支配集団は、彼がロシアとの戦争を否定し、NATOの目的に疑問を投じ、アメリカ人の雇用の海外移転に反対し、アメリカ合州国を、まとまりの欠けた多文化組織へと変えつつある野放しの移民に反対しているがゆえに、トランプを憎悪しているのだ。巨大な政治力持ったひと握りの支配集団は、アメリカ合州国をバベルの塔に変えようとしている。まとまりのない多様性の中では、ひと握りの支配集団の力が指数関数的に増大する。

言い換えれば、トランプは、アメリカのため、アメリカ人のためを思っているのだ。

ひと握りの支配集団と、連中のたいこもちが、トランプを憎悪するのはこれが理由だ。

ヒラリーに投票する大間抜けなアメリカ人は、戦争と自分自身の貧困化に投票しているのだ。

トランプに投票しても、同じ結果になる可能性もある。しかしトランプの場合は、それが確実かどうかは分からない。ヒラリーの場合、我々はまず確実にそうと分かっている。

もちろん、アメリカ人の投票だけが問題ではない可能性もある。電子投票装置をプログラムする連中が、投票結果を決定し、二大既存政治政党の支配層は、全面的に、トランプに反対なので、そのようにプログラムされた装置がヒラリーを選ぶ可能性はある。わが国の選挙の実績から、我々はそれを知っている。アメリカは、既に、出口調査でわかる勝利候補者が、投票用紙の証拠を残さず、票を確認する方法がない電子投票装置によって選ばれた候補者と異なる選挙を経験している。

もしヒラリーが大統領執務室入りすれば、一期目の任期終了前に、核戦争になる可能性がある。ヒラリーへの投票は、核戦争への投票だ。

来る選挙を、現実的な目で見れば、売女マスコミ丸ごとと、アメリカ支配体制は、有権者によって、政府に対する支配を失うリスクより、核戦争のリスクを好んでいると結論する以外の道はないことがわかる。

アメリカ人が、責任を負わない権力の勃興を許してしまった事実から、我々が知るべきなのは、国民による職務怠慢のかどで、アメリカ合州国民が有罪だということだ。アメリカ人は、責任を負う政府を必要とする民主主義を維持しそこねたのだ。アメリカ政府は、自ら、アメリカ憲法にも、アメリカ法にも、国際法にも、有権者にも、説明責任を負わないことを証明している。

もし、アメリカ国民の職務怠慢の結果が、核戦争なのであれば、アメリカ国民は、地球の死にも責任があることになる。これだけ重い責任を背負えば、アメリカ国民とて、疑う余地のない戦争候補者を拒否し、彼の発言に責任を取らせるべく、トランプに賭けてみても良いではないかと思いたくなる。

Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/08/25/trump-vs-hillary-a-summation-paul-craig-roberts/

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6. 中川隆[3850] koaQ7Jey 2016年9月02日 11:11:57: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4236]

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2016年09月02日
アメリカの闇 政治を金で買う超富裕層


大統領を当選させるには政党全体で1500億円は集める必要がある。
勝負を決めるのは大企業や大資産家の献金


金で政治や外交を販売する国

アメリカ大統領選で政治と金のスキャンダルが次々に暴露されている。

企業や投資家が選挙に投資して、政治を買っているが問題はそれが違法ではなく、合法な点です。

仮に安倍晋三氏や岡田克也氏が有名企業や資産家から、多額の献金を受けて、彼らに優遇税制を作ったら日本では犯罪です。

だがアメリカではあからさまに政治献金し、見返りにその人を無税にしても、完全に合法なのです。

むし違法だったらばれたら取り締まるので問題は小さいのだが、分かっているのに誰も止められない。

調査によると過去の大統領選の政治献金の多くを、少数の資産家と企業が拠出していたそうです。


全米で上から100人の金持ちと企業を並べていけば、その人たちに間違いないでしょう。

アメリカでは有権者やスポンサーが多くの献金をしていますが、そんなのは選挙に影響しないのだった。

最近10年ほどの選挙では民主党が圧勝を続けたが、資金集めでも圧勝していました。


オバマ大統領が2回目の大統領選で使った選挙資金は6億ドル(600億円)とされていて、この多くは例の少数の資産家と企業が出しました。

例えばビルゲイツの資産はもうすぐ10兆円を超えますが、4年に一度たった数億円を寄付するだけで、あらゆる税金が免除されるのです。

オバマもヒラリーも、どんな手段を使ってでも自分のスポンサー達の資産を守るでしょう。


政治献金すれば税金免除

有名な投資家JソロスやWバフェットは民主党を支持し、ゲイツとジョブズ家も民主党を支持していました。

こうした金持ちが支持するという事は、多額の献金をするという意味でもあります。

スタバ創業者、マードック氏、フェイスブック創業者などが「公式に」民主党に寄付しています。


表向きの寄付金額は数百万円から数億円なのだが、全てを明らかにしていないのは、日本の政治献金と同じでしょう。

例えばクリントン夫妻は15年間で150億円の講演料を受け取り、年間50時間ほど講演した事になっている。

仮にヒラリーやビルが「最近の天気の話」をしたとしても、実際には講演料ではなく政治献金なのだから、誰も文句を言わなかったでしょう。


クリントン夫妻は元大統領と現国務長官の地位を利用して、アメリカの外交を外国に販売していた。

例えばロシアの原子力企業が米政府の認可を必要としたとき、クリントン財団に2.5億円寄付したら認可された。

日本の政治家は政治パーティーを主催してパーティー券を販売しますが、アメリカでも同じ事をしています。


1枚数百万円のチケットを販売し、支援者に買ってもらって事実上の政治献金を受けています。

オバマが2回目の大統領選で6億ドル集めたと書きましたが、民主党全体では15億ドルくらい集めました。

アメリカの法律では一人が50万円くらいしか寄付出来ないし、企業献金は禁止されているが、抜け道が用意されている。


献金団体に寄付して、献金団体が民主党や共和党に寄付すれば、無制限でいくらでも献金が可能です。

献金者の名前は公表されるが、「AさんがBさんに依頼して、Cさんの名前で献金」などのテクニックで、いくらでも誤魔化せる。

大統領選だけでなく、州議会選挙から市会議員選挙まで、アメリカは全てこうであり、献金を集めなければ当選出来ない。


という事は当選した政治家は多額の献金者に借りができるので、何かの形でお返ししなければならない。

そのお返しとは資産家の納税額を低く抑えることで、大抵の資産家は税金を払っていません。

アメリカの長者番付の上位100人くらいは、まったく納税していないか、ほとんど納税していないかのどちらかです。
http://thutmose.blog.jp/archives/65502675.html




7. 中川隆[3990] koaQ7Jey 2016年9月12日 18:26:18: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4383]

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2016年09月12日
トランプがヒラリーを再逆転 米大統領選支持率


アラブ系米軍人への失言などで一時はヒラリーに10%離されていたトランプが、再び復活してきた。

2016年9月には両者とも40%台半ばで拮抗し、トランプリードという調査結果もあった。

そこにヒラリーが肺炎に感染したという報が入り、トランプはさらに有利になるかも知れない。


注目すべきは、ヒラリーが最もリードした8月下旬でも、支持率が50%未満だった事で、トランプは36%程度だった。

8月25日現在はCNN調査でトランプ45%、ヒラリー43%だが、その後ヒラリーが肺炎になった。

トランプの支持率が勝手に上下しただけで、トランプから離れた人はヒラリーを支持しなかった。


そしてトランプから離反した人は、時間が経って騒動が治まると、またトランプ支持に戻った。

5月にトランプは自分の訴訟を担当する判事を「メキシコ人」と呼び、8月にはアラブ移民の米軍人遺族を「ヒラリーの回し者」と表現した。

民主党の大物議員やスポンサーが相次いでヒラリー支持を表明し、大手メディアは「トランプは脱落した」と報道した。


米メディアはすべてヒラリーを支持していて、その理由はTVスポンサーがヒラリーを支持しているからです。

企業と富裕層はアメリカの不平等なシステム存続を望んでおり、トランプの言う改革で自分が貧乏になると考えている。

だがメディアがヒラリーを支持すればするほど、ヒラリーの不人気が高まっていった。


自滅したヒラリー夫婦

ヒラリーとビルの大統領一家は「クリントン財団」という慈善財団を運営しているが、これが夫婦のための集金団体だった。

アメリカの金持ちが皆やっている事として、慈善財団に資産を寄付すれば非課税になり、税金を払わずに済む。

ここまでは常識内だったが、夫婦は外国政府や外国人に、財団に寄付をさせて「アメリカ外交」を販売していた。


例えばアフリカの独裁国家でも、クリントン財団に寄付すれば、アメリカ政府と有利に交渉できたとされている。

特にヒラリーが国務長官時代に酷く、財団の秘書を国務省の職員に採用しようとして、オバマに断られている。

そこでヒラリーは政府に秘密で財団と連絡を取るため、独自サーバーと独自メールアドレスを用意して重要機密を財団に漏らした。


これがヒラリーの不正メール事件で、ただのモラルの問題ではなく、国家スパイ疑惑だった。

例えば安倍首相の妻の昭江さんが「安倍財団」を作って中国や韓国から募金を受付、お金を貰って尖閣や慰安婦を「販売していた」というような事でした。

ヒラリー支持を表明していた人たちも、もはや夫婦を庇いきれなくなり、ネットを通じて国民の知るところとなった。


9月に入るとヒラリーの支持が下がり始め、クリントンやヒラリー支持勢力と戦うトランプが、人々には英雄に見えてきた。

またトランプは黒人やヒスパニックやアラブ人への態度を(少し)修正し後悔の念を述べたりした。

おとなしくなったトランプに国民は好感を持ち、36%だった支持率は45%に上昇した。


アメリカ国民は「有権者」ではない

そしてヒラリーは肺炎になったのだが、今までの経緯からはヒラリーの支持率が下がっても、離れた人はトランプを支持しないでしょう。

民主党から別の候補者を立てようと言い始めるかも知れないし、病気と戦うヒラリーは逆に人気を得るかもしれない。

トランプとヒラリーの大統領選は、まだ決着はつかないでしょう。


なおアメリカでは日本と違い「国民」と「有権者」はまったく違う概念で、国民に選挙権はない。

大統領選に投票するのは州の選挙人で、選挙人は誰に投票するか事前に表明している。

選挙人を選ぶ選挙への投票権は申請しないともらえないが、申請者は国民の半分くらいしかいない。


申請すれば誰でも投票権が得られるかというと、身分証を提示した上で審査を受ける。

問題がなければ投票できるが、税金を滞納したり犯罪歴があったり、先祖が不法移民だったり、拒否されるケースが多い。

白人富裕層ではほとんどが投票できるが、ヒスパニックや黒人の貧困層は、逆に多くの人が投票出来ない。


収入が低い人ほど選挙権が与えられる割合が低いので、アメリカの政治が貧困者を切り捨てる理由になっている。

またヒスパニック全体で投票権を持っているのは50%台に過ぎないともいわれている。

またアメリカでは投票の申請があっても、正当な理由があれば州などが「投票を拒否できる権利」がある。
http://thutmose.blog.jp/archives/65793464.html



8. 中川隆[3991] koaQ7Jey 2016年9月12日 18:57:12: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4384]

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ドナルド・トランプは暴言に次ぐ暴言で共和党の議員ですらもその言動に反発している。ドナルド・トランプは扇動家であって政治家としての資質はないとも言われている。本来はキワモノだったのである。
しかし、アメリカ人の支持票が雪崩を打ってヒラリー・クリントンに向かっていたのかと言えば、そうでもなかった。

意外にヒラリー・クリントンも同じくらい嫌われていて、健康問題が急浮上する前から支持率は拮抗していた。ヒラリーも問題のある候補だったのである。

ヒラリー・クリントンが有権者に嫌われている理由は1つではない。

クリントン財団に大金を支払わなければ有力者とは会わないとか、勝手にメールサーバを開設して要人とのやりとりを隠蔽したとか、莫大な講演料で金を集めたとか、立場が富裕層側だとか、ロッキード・マーティン等の軍需産業から多額の資金をもらっている戦争屋だとか、嫌われる理由は枚挙に暇がない。

ヒラリー・クリントンはカダフィ大佐が殺された時、「来た、見た、死んだ」と喜んでいた。

他人の惨殺死を無邪気に喜ぶことができるのがヒラリー・クリントンの気質であり、戦争屋と言われる所以でもある。(カダフィ大佐、撃つなと懇願するものの頭部を撃たれて死亡)

こうしたこともあって、ヒラリー・クリントンは「腹黒い政治家」というイメージが付きまとっており、それがずっと払拭できないでいた。

ドナルド・トランプも信頼されていないが、ヒラリー・クリントンもまた同じくらい信頼されていない。そのため、どちらが大統領になったとしても、アメリカの政治は遅かれ早かれ致命的な問題を抱えるのは必至である。

アメリカの政治が混乱すると、間違いなく全世界がその混乱に巻き込まれていく。世界は大混乱する。そしてその大混乱は、対立や衝突を招くことになる。

これによって本来は起きなくてもよいはずの戦争が起きるような状況になっても、誰も驚かないはずだ。世界は一段と危機的になっていく。

健康問題に揺れるヒラリー・クリントン。ヒラリーは他にも「腹黒い政治家」というイメージが付きまとっており、それがずっと払拭できない。前途多難だ。
http://www.bllackz.com/?m=c&c=20160912T1605510900



9. 中川隆[4058] koaQ7Jey 2016年9月18日 08:19:12: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4459]

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クリントン候補、財団に中国人の巨額寄付で疑惑浮上…中国権力闘争が米大統領選に飛び火
2016.09.17 文=相馬勝/ジャーナリスト Business Journal


 米民主党大統領候補のヒラリー・クリントン氏がニューヨークで行われた9月11日の米同時多発テロの追悼式典を途中退席し、肺炎であることがわかるなど、健康問題が取り沙汰されている。

 その折りも折り、クリントン夫妻らが運営する慈善団体「クリントン財団」に200万ドル(約2億円)もの多額寄付を行った中国人実業家が、贈賄を使って中国の国会議員に当たる全国人民代表大会(全人代)委員の地位を得ていたことがわかり、委員の資格を取り消されるという事件が発生。この実業家はこれまでもクリントン氏とのグレーな関係を噂されてきただけに今後、米大統領選に絡む選挙資金流用疑惑が再燃する可能性が出てきた。

 この中国人実業家は、中国東北部の遼寧省丹東市に本社を置くゼネコンを主体とする遼寧日林実業グループの王文良会長。同グループは日林建設や丹東港の開発を手掛ける丹東港集団、さらに米国などとの穀物輸入や食用油の製造販売、このほか造船会社などを有するコングロマリット企業グループ。2013年には中国企業トップ500に選出され、営業利益は246億元(約4000億円)だった。

 王氏は1954年7月、丹東市の生まれで現在62歳。遼寧大学で経済学の修士課程修了。丹東市政府に就職するが、90年代初めに当時の起業ブームを受けて離職し、米国に渡ったとみられるものの、その後の経歴は知られていない。

■賄賂疑惑

 米政府が運営する報道機関「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」によると、王氏が頭角を現したのが04年の丹東港再開発プロジェクトの入札。港湾の再開発のため、本来ならば17億元もの土地を8分の1以下の2億元を支払っただけで、その権利を掌中にしたとされる。これは王氏が当時の丹東市長だった陳鉄新氏に賄賂を贈って、入札に成功したとの情報が出ている。

 さらに、王氏は陳氏の紹介で当時の遼寧省トップの聞世震・同省党委書記と密接な関係を築き、現在のグループを形成したといわれている。

 王氏は遼寧省でも名士となり、13年1月には同省代表の全人代委員に選出されたのだが、全人代常務委は9月13日、遼寧省の代表102人のうち45人が金銭やそのほかの賄賂を使っていたとして、その資格を無効にする決定を行ったと発表。そのなかに、王氏も含まれていた。これによって、これまで囁かれていた王氏の賄賂疑惑は一転して事実であることが明らかになったことになる。

■中国内の権力闘争が影響

 この背景には、汚職や腐敗の摘発を強める習近平指導部の意向があるのは確実だ。一説によると、最高指導部人事が大幅に入れ替わる、来年秋の第19回中国共産党大会を1年後に控えて、党内の権力闘争が激化し、習近平主席のライバルで、遼寧省のトップを務めたことがある李克強首相の追い落としのために同省選出の全人代委員の不正が明らかにされたとの見方も出ている。

 これは、習近平主席の腹心とされる天津市の黄興国・党委書記代理が10日、突然解任されたことで、習氏が逆襲に出たともいわれている。遼寧省の全人代委員の大量資格取り消しが党中央の権力闘争に絡んでいるとすれば、資格を取り消された委員の不正追及が今後、本格化し、逮捕者が出ることも予想される。

「45人の元委員のなかでも、王の不正の額はとびぬけて大きいとみられるだけに、王の逮捕は時間の問題だろう」と北京の外交筋は指摘する。

■中国の権力闘争が米大統領選に波及か

 ここで急浮上してきたのが、中国の火花が米国に飛び火する可能性だ。なぜならば、王氏は中国内ばかりでなく、米国での事業拡大のために、米国内の要所要所にカネをばらまいていた形跡がある。

 その端的な例が、王氏が米国の事業の拠点としているバージニア州のテリー・マコーリフ氏への献金だ。米CNNによると、米司法省と米連邦捜査局(FBI)が合同で今年5月、3年前の13年の米バージニア州知事選で、王氏が経営する米国内の企業からマコーリフ知事の陣営に12万ドル(約1200万円)もの選挙資金が提供されたとの疑いで捜査を開始したという。

 知事は08年の大統領選でヒラリー・クリントン氏の選対責任者を務めており、クリントン財団の幹部だったことから、クリントン夫妻にとって「もっとも近い友人」とされる。

 このため、王氏が経営する中国企業が、マコーリフ知事の紹介を受けて、クリントン財団に200万ドルを寄付していたこともCNNの報道によって判明している。米国の法律では、大統領選や知事選などの立候補者が外国人から選挙資金の提供を受けることは禁じられており、マコーリフ知事の逮捕も視野に入ってきたとの報道もある。

 さらに、いったんクリントン財団に入った寄付金が、ヒラリー・クリントン氏の大統領選の資金に流用されたとの可能性も一概には否定できない。このため、今回の王氏の選挙資金提供疑惑は徐々に米国内でも関心が高まっていた。このようななかで、王氏の全人代委員の資格が取り消されたことから、米メディアも今後の王氏の動向を注視している。

 中国の権力闘争が米大統領選に波及するという前代未聞の事態が現実化するのか、それとも線香花火のようにしぼんでしまうのか。月並みな表現ながら、事態は予断を許さない。
http://biz-journal.jp/2016/09/post_16683.html



10. 中川隆[4121] koaQ7Jey 2016年9月22日 12:48:47: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4528]

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ウォール街の誤算。「ヒラリー退場」による超円高・株暴落は起こるか?=吉田繁治 2016年9月22日


ウォール街から多額の支援

夫のビル・クリントン元大統領は、FRBのグリーンスパンとともに、ウォール街寄りの政策を実行していました。国民の預金を預かる銀行(商業銀行)と、株式投資をする証券会社の兼務を禁じていたグラス・スティーガル法を廃止したのは、クリントン政権です。

グラス・スティーガル法は、1929年から1933年の大恐慌のとき、「銀行と証券会社が恐慌の原因になった株価バブルを発生させた」として、1932年に制定されました。

廃止されたのは、ウォール街の意向を受けていたクリントン大統領時代の1999年です。1999年は、IT株バブルの時期でした。1996年に1000ポイントだったナスダックの株価は、1998年には1500、1999年には2000を超え、崩壊直前の2000年3月には5048(頂点)を記録していたのです。

当時、私が東京フォーラムで物流のロジスティクスソフトについて広告的な講演をしているときに、本家本元のIT株崩落のニュースが入り続けていたのでよく覚えています。

2001年の9.11後には、ITのベンチャーが多いナスダックの指数は、1000にまで下がりました。(注)現在のナスダックの株価指数は、5155です(16年9月13日)。2003年3月のバブル株価を超えています。

5大投資銀行の誕生

グラス・スティーガル法の廃止は、米国に5大投資銀行を誕生させました。代表は、1.モルガン・スタンレー、2.ゴールドマン・サックス、3.メリル・リンチ、4.ベア・スターンズ、5.リーマン・ブラザーズです。
(注)これに対し預金を預かる商業銀行は、大手ではシティバンク、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、ウェルズファーゴ、ワコビアなどです

投資銀行は、債券を担保にする「レポ金融」で資金を調達し、それを、債券、株、そしてもっとも大きな残高であるデリバティブへの投機的投資に振り向けています。貸し付けではなく、借入金の投資で利益を出すビジネスモデルです。
(注)レポ金融:買い戻し条件つきで債券を売り(担保に差し入れるのと同じ)、公定歩合に近い低金利(ほぼ0%金利)で商業銀行から短期資金を調達する。その買った債券をまた担保にして資金を借りて債券を買うことを繰り返して、イールドの数倍の利ザヤを得る。10倍くらいのレバレッジにはなる

レポ金融では、借入にレバレッジがかかるので、0.25%の金利変動が、10倍の場合で2.5%の変化になります。「わずかな金利変動(FRBの利上げや利下げ)」が、債券、株、デリバティブの投機的投資の額を左右します。

バブルを生み出した投資銀行

サブプライム・ローン危機をもたらしたのも、住宅ローン担保証券(MBS)を作って買っていた投資銀行です。金融の利益から所得格差を助長したのも投資銀行でした。

元FRB議長のグリーンスパンは、「バブルは崩壊しなければ、バブルとは分からない」と言って、退任後には責任逃れの本を書いています。米国の住宅ローンバブルを作ったのは、レポ金融を知っていて利下げを行い続けたグリーンスパンでした。

レポ金融では、公定歩合で下がった金利で資金調達ができます。レポ金融で調達した短期資金で、金利の高いMBSが飛ぶように売れた。このため住宅ローン資金が大量供給されたのです。ローン資金の供給は、住宅購入を増やします。米国では、住宅購入の希望者は日本よりはるかに多い。

レポ金融が多い米国では、0.25%の利上げが投資銀行にとって2.5%の利上げになるため、投機的投資が減ります。

ほぼゼロ金利の資金を借りて、比較的に利回りの高い債券やデリバティブに投資する「キャリー・トレード」の解消も起こる。FRBの利上げが、わずか0.25%でも大きな問題になるのは、このためです。

ウォール街から選挙資金を得ているクリントン財団

妻のクリントン氏も、元大統領の夫同様、ウォ−ル街から選挙資金を得ています。寄付金を集めているのは、クリントン財団です。

2014年には、大統領選挙のためとして、10カ月で205億円を集めています。日本の政治資金団体にあたるものですが、スケールが違います。日本の自民党全体に匹敵します。米国の政治は、献金者のロビー活動で動く面が大きい。日本とは違った意味の金権政治です。

財務省が主導している日本の金融政策は「国債のため」ですが、米国の金融政策は「株価のため」です。このため、株価は、金融政策で大きく変動します。

金融緩和の持続を担うクリントン氏

クリントン氏は、バブル株価の維持のために、金融緩和を続けると見られています。FRBの金融政策は「独立している」と言いますが、それは実態ではない。大統領はFRB議長の任免権をもち、そのため金融政策を誘導できるのです。

イエレンFRB議長の罷免を主張するトランプ氏

一方、共和党のトランプ氏は、「イエレンFRB議長は極めて政治的であり、オバマ大統領が株価維持を望んでいるから低金利を続けている。恥を知るべきだ」とFRBを非難し、自分が大統領になればイエレン議長を罷免するとまで述べています。

「お金は実質的にタダで、今の市場はニセモノだ。新しい人が大統領になり、利上げをしたらどうなるか、株価がどうなるか見ているがいい」とし、「低金利は(預金の金利がゼロだから)預金者をもっとも苦しめる」と主張しています。

献金が得られないためか、反ウォール街の姿勢です。国民の反ウォール街感情に訴えるための発言でもあります。

ただトランプ氏は、扇動家の共通点として、論理的には支離滅裂なところがあります。別の場では「最良なのは金利が低いことだ。政府が(不足している)インフラ投資ができるから」とも言っているのです。
http://www.mag2.com/p/money/23106/2

市場はまだ、「クリントン大統領」を想定して動いています。
トランプ大統領となれば、英国のユーロ離脱の国民投票よりも大きなショックが起こるでしょう。

「トランプ大統領」誕生なら市場はどう動くか?


(1)円は90円台前半にまで上昇し、ドルは下がる可能性があります。トランプ氏は、現在のドル高が米国産業にとっての問題と発言しているからです。

(2)世界の株式市場は「トランプショック」で急落する可能性があります。利上げと金融引き締めを仄めかしているからです。


もっとも、トランプ政権になった場合、実際にドル安政策が取られ、利上げと金融引き締めが行われるかどうかは不明です。一般論で言えば、米国の利上げはドル高要因であり、利下げがドル安要因だからです。

また、ドル安政策や利上げが本当に実行されたとして、その株価への影響は、あとで反発する短期的なショックで終わるか?それともリーマン危機のような全面崩壊の引き金になるのか?その点は、当方も読めません。引き続き情報収集します。


リーマン危機以降、世界の株価と不動産価格は、中国のように当局が強く関与する「政治的」な相場になっています。

日本では、日銀や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、郵貯・かんぽによる、直接的な株買いがありあます。これらが「政治的」と言う所以です。
http://www.mag2.com/p/money/23106/3

なぜヒラリー・クリントン候補は米国民から嫌われているのか?

トランプ氏は、強権的な政治を行っているロシアのプーチンを「トランプ的な大統領」であると称えています。日本に関しては、円安とTPPへの反対を言い、駐留している米軍を引き揚げる(または応分の軍事費の負担を求める)という。


クリントン氏(夫人)は、以前から「日本嫌い」です。そのぶん親中国でもある。

たった10カ月で205億円も集めるクリントン財団へは中国企業からの政治献金が多く、日本からは少ないからかもしれません。

夫のビル・クリントンも親中国でした。次いで献金が多いのはアラブです。


しかし、初の女性大統領を狙うクリントン夫人には「国民的な人気」がない。

理由は3つです。


(1)20年以上前のクリントン大統領時代から続き、夫人には新鮮さがない。
政治には、わが国における過去の遷都のような新鮮さが必要です

(2)公的なメールのやりとりを私的なメールアドレスで行っていた。
これについてウソの証言をしていたことが、後で暴露された

(3)投票を本音で行う米国の保守層には、女性大統領を忌避する向きも多い


クリントン、トランプいずれも日本とっては歓迎できる候補ではありません。
その点、オバマ大統領はリベラルでした。米国大統領の任期終える前に、広島に来たくらいです。

(注)現代のリベラル(自由主義)は多義的ですが、元は、欧州の貴族主義と社会主義(官僚主義)に対し、市民による自由な統治を重んじるものでした。

欧州は貴族主義ですが、日本の明治以降の伝統は財務省が代表するところの官僚主義です


新大統領に対し、安倍首相はどう対応するか?

安倍首相は新大統領に対しても、参勤交代のように「幕府」である米国を訪問し、恭順の意を示すでしょうか。

現職のオバマ大統領に対しては、2012年10月から数十兆円の「円売り・ドル買い」で、$1=80円の円高を120円付近にまで下げたのです。

資金残高129兆円(16年3月)の年金基金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立法人)は、事実上わが国のSWS(国家ファンド)です。ノルウェーの$5775億(57兆円)の2.2倍の規模で、1位の米国社会保障年金信託基金に次ぐものです。

2014年10月には、運用の基本ポートフォリオ(分散投資)で、国内株式と外国株式の構成比を、ともに25%へと倍増しています。

外国債券も15%に増やしたのです。外国証券と言っても、90%は米国のものでしょう。

GPIF は株式で約15兆円、米国債で10兆円の買いを行っているのです。
両方で、25兆円のドル買い、つまり米国への資金供与です。


2012年10月に、民主党の自滅から安倍政権が確実になって以降、50兆円くらいのジャパンマネーが米国に行っています。

(注)ドル買の超過分、日本の資金を米国に与えることと等しい

政府の円安誘導の方法は、政府が動かせる資金での、市場に買い主体を公開しないドル買いです。

$1=80円から120円(2016年2月まで)の円安の時期までに、50兆円の円安誘導が行われています。
http://www.mag2.com/p/money/23106/4


トランプ氏に従うなら、日本は「ドル売り・円買い」をすることになる

トランプ氏は、円が不当に(政治的に)安すぎるため、日本は対米黒字を不当に稼いでいるという。

(注)2016年の対米貿易黒字は、1カ月で5000億円から6000億円、年間では6兆円から7兆円です

トランプ氏が言うように、円がドルに対して安すぎることが原因で米国が貿易赤字になるのなら、円高策のために、日本政府は「ドル売り・円買い」をしなければならない。

実際にそうすれば、ドル安(=円高)にはなりますが、同時にドルの金利も急騰し、元々金利感応度が高い米国経済は、すぐ不況化します。

インフレ含みの米国経済には、日本経済とは違い、利下げも利上げも即効性があります。トランプ氏の「強い米国」には、基礎的なところで論理矛盾があるのです。


米国の経常収支赤字は年54兆円規模

米国の経常収支は、年$5400億(54兆円)の赤字を続けています。

リーマン危機前の$8000億(2006年)に比べれば、2009年から半減しましたが、2016年から再び増加傾向です。


米国の赤字は、経常収支の黒字(資金流入になる)が大きい中国と日本が、合計で1年に$5400億(54兆円)規模のドル買いをすべきことを示します。

その中でトランプ氏が言うように、ドル安誘導の「ドル売り・円買い」が実際にできるのか?疑問です。
http://www.mag2.com/p/money/23106/5





11. 中川隆[4146] koaQ7Jey 2016年9月23日 23:49:50: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4554]

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クリントン家暴露本のベストセラーに見る、米大統領選混迷の要因
HARBOR BUSINESS Online 9月23日

 風雲急を告げる、アメリカ大統領選。9.11の追悼式典を途中退席したヒラリー・クリントン候補の重病説が、まことしやかにささやかれているのだ。前のめりになり、自力では車に乗りこめない様子をとらえた動画は衝撃的だった。

 その後、肺炎を患っており、当日は暑さによる脱水症状で体調を崩したと発表された。そして、14日には「引き続き健康であり、問題なく大統領を務められる」とする医師による診断書が公表された。

 もちろん、最大の関心事はクリントン議員が“本当に”健康なのかどうかだ。だが、それ以上に悩ましいのは、彼女が支持者以外の有権者から信頼を得られていないという状況なのだろう。なぜ、放言や妄言を繰り返すだけの対立候補を圧倒できないのか。

 当初は楽勝ムードだったはずだ。イギリスのフィナンシャルタイムズ紙も昨年12月の時点では、「じきにトランプ旋風もおさまり、結局はヒラリー・クリントンが大統領になるだろう」と予測し、本当の危機はフランスのルペンだとする記事を配信していた。“最後には常識を発揮するのがアメリカ人”というわけだ。(参照:「Financial Times」)


◆ヒラリーに辟易する米有権者

 だが、現状を見ると、その常識が行き先を決めかねているように思われる。最大の原因は、クリントン氏に対する不信感にあるのではないか。アメリカの有権者たちの間では、“クリントン氏に騙され続けてきた”との思いが根強く残っているようなのだ。

 12日にはテレグラフ紙が「The worst condition Hillary Clinton suffers from isn’t pneumonia, it’s dishonesty」(ヒラリーを苦しめているのは肺炎ではなく、彼女自身の不誠実さに他ならない)との辛辣な記事を配信した。つまり、今回病名の公表に至るまでの経緯と、私用のアカウントで公務に関するメールを送っていた疑惑や、モニカ・ルインスキー事件への対応は、本質的に変わらないというのだ。

 演説中に咳き込むシーンが流れると、最初はアレルギーだと火消しに走る。だが、次に追悼式典を退席する段になると、突如として肺炎であることを認めだす。これは今に始まったことでなく、自らに問題がふりかかると、常にその場しのぎのウソで疑義を振り払ってきた光景が繰り返されてきた。

 そのため、記者の囲み取材を受けないどころか、随行取材さえ許さない異常な事態が生まれる。第三者にディテールを抑えられては、次にウソをつくときのプロット作りに支障をきたすということだろうか。いずれにせよ、アメリカの有権者は夫のビル・クリントンが大統領となったときから、こうしたヒラリーのやり方に辟易しているのだろう。


◆クリントン家暴露本がベストセラーに

 そうした空気がよく分かるのが、ある一冊の本がベストセラーとなった現象だ。

 『CRISIS OF CHARACTER』(著 GARY J. BYRNE)は、シークレットサービスとしてクリントン家に仕えた著者による暴露本。となれば、いかにもメディアは飛びつきそうなものだが、不思議なことにほとんどスルー。書評の類はなく、あったとしても、いかにこの本がインチキであるかを論じる記事。

 たとえばニューヨークタイムズは、当時の著者の階級では、一挙手一投足を確認できるほどクリントン家に近づけなかったはずだとする反論記事を掲載した。内容についても、すでに聞き飽きたゴシップの焼き直しで、しかも大半はビル・クリントンとモニカ・ルインスキーの情事にあてられており、論評に値しない本だという評価なのだ。(参照:「The NewYork Times」)

 確かに指摘の通り、著者とクリントン家の直接のやり取りはほとんどなく、ホワイトハウス内で起きた事件に対する職員同士の会話や、一般の読者には不要なトリビアで埋め尽くされている。その点では、言葉は悪いが“クソ本”と言われても仕方ないだろう。

 それでも、興味深い記述もある。たとえば、夫婦喧嘩でビルに花瓶を投げつけたとか、職員を聖書の角で殴りつけたとかは、いかにも絵が浮かんでくる。客がいるときといないときとでは、職員に対する態度が全く異なり、「とっとと失せろ」とののしられたこともあるという。「使用人を家具と同じに思っている」とは著者の弁だ。

 だがそうしたゴシップ的な興味以上に注目すべきは、ヒラリーの性格とそれによって生じる不都合を分析している箇所だ。


◆ヒラリーに辟易する米有権者

スキャンダル隠しに奔走し、実際の敵だけでなく、彼らが勝手に作り上げた敵までを潰すのに必死になるあまり、本来の目的であるはずの国の統治が後回しになる。

ヒラリーにおいては、あらゆることがビジネスとして処理されていた。社交嫌いゆえ、そのリーダーシップのスタイルは、純粋に恐怖と嫌悪感をもとに形作られていた。

 こうした背景から、説明を二転三転させてまで“クリントンブランド”を守り通そうとするヒラリーに対して積もり積もった不信感。選挙戦が混迷の度合いを深める理由は、ここにあると言えそうだ。

 15日、対立候補のドナルド・トランプはテレビ番組に出演し、身体を張ってカツラ疑惑を払しょくしてみせるパフォーマンスに打って出た。

 この男も負けず劣らずの大ぼら吹きだろう。だが、そのウソを用いて自らを正直な人間であるかのように見せる術は心得ているようだ。ボストングローブ紙は、「ウソつき同士の戦いとなれば、トランプに勝機あり」と8月の時点で予想している。(参照:「BostonGlobe」

 どちらが勝つにせよ、ウソつきに核のボタンを委ねるしかない選挙であるならば、民主主義の敗北として記憶されることになるのかもしれない。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160923-00109719-hbolz-int



12. 中川隆[4202] koaQ7Jey 2016年9月26日 13:34:55: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4609]

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クリントン財団


クリントン財団は、夫のビルクリントン元大統領と妻のヒラリーの集金団体だったのが分かっている。

財団を実質的に運営しているのは娘のチェルシー・クリントンで、このタイプの財団はアメリカの富裕層が脱税に利用している。

慈善団体は非課税なので、そこに資金を集めれば納税額を限りなくゼロに近づける事が出来る。


全資産を慈善団体に寄付して子供に役員としての権利を相続させると、非課税で何兆円でも相続可能です。

クリントン財団で問題になっているのは外国からの寄付の多さで、中には中国全人代議員からの寄付も含まれていた。

またヒラリーが国務長官(外務大臣)時代には、財団に寄付をした国に、許認可や外交政策で便宜をはかっていました。


ヒラリーはFIFAワールドカップ招致委員会名誉委員長だったが、立候補国から献金を受けていた事も分かっています。

核開発に関わっているロシア企業や、アフリカの軍事国家などからも献金を受けていました。

これらはヒラリーが国務長官だった時代に行われ、アメリカ外交を「金で販売していた」疑惑がもたれています。


ヒラリーは国務省にクリントン財団の職員を入省させようとしたがオバマに拒否されて、「裏メール」で連絡を取っていました。

これがメール疑惑で、単にメールアドレスの問題ではなく、裏金作りのために不正献金を受ける、専用メールサーバーまで作っていた。
http://thutmose.blog.jp/archives/66130199.html



13. 中川隆[4221] koaQ7Jey 2016年9月28日 08:13:20: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4629]

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戦争に消極的だったビル・クリントン政権を戦争へと導いたのがヒラリー・クリントンの人脈だということは本ブログですでに指摘した。
その転換点は1997年1月。国務長官がウォーレン・クリストファーからマデリン・オルブライトに交代した時だ。

オルブライトは大学時代にズビグネフ・ブレジンスキーから教えを受けた人物で、ヒラリーと親しい。オルブライトがユーゴスラビアへの先制攻撃を先導した。

 ビル・クリントン政権には国務副長官の首席補佐官として、好戦的なネオコン/シオニストのビクトリア・ヌランドもいた。なぜ彼女がこの政権に入っているのかいぶかる人もいたが、その謎を解く鍵もヒラリー。ヌランドとヒラリーは親しい間柄だ。

 つまり、ヒラリーは筋金入りの好戦派で、ネオコンだけでなく、戦争ビジネスや巨大金融資本を後ろ盾にしている。共和党の大統領候補であるドナルド・トランプが立派な人物だとは言わないが、危険度ではヒラリーが高い。

 アメリカの好戦派はNATOをロシアとの国境へ近づけて挑発、ウクライナでは選挙で民主的に選ばれた政権を倒すためにネオ・ナチの暴力を使い、リビアやシリアではアル・カイダ系武装集団など「テロリスト」を利用している。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201609280000/



14. 中川隆[4223] koaQ7Jey 2016年9月28日 12:19:29: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4631]

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2016年9月27日
ここにきて、ヒラリー陣営にとって致命的な情報がリークされました。
フランスのセメント会社「ラファージュ」が、ISISに資金援助を行っていたという決定的な情報は、ウィキリークスのジュリアン・アサンジによってタイムリーにもたらされました。

ラファージュは、クリントン財団のスポンサーであり、ヒラリーはラファージュの取締役会に入っていることが分かったのです。

つまり、ヒラリーは、ISISに破壊の限りを尽くさせ、復興景気を演出することによって、このセメント会社への利益誘導を図ろうとしたのです。

それだけでなく、クリントン財団は、9.11の首謀者の一つと目されているサウジアラビアとも密接な関係を築いています。

米国製の最新鋭の武器の最大の輸出先は、あいかわらずサウジアラビアです。このサウジアラビアから、米国製の武器が、いわゆるアルカイダ系イスラム過激派に流れてきたのです。

9.11の真相?

ドナルド・トランプが、「9.11の真相を暴露するぞ」「クリントンとサウジの並々ならぬ関係をぶちまけるぞ」と、ブッシュやクリントン夫婦、オバマを恫喝していますが、その意味は、ベンガジ事件から連綿と続いているネオコンの戦争屋ネットワークと、その背後で暗躍している、カザール・ユダヤ(似非ユダヤ)と言われる国際金融マフィアが、いかにして、ヒラリーのような政治家の衣を来た凶悪犯罪者を操りながら米国を破壊してきたかを有権者に暴露する、と言っているのです。

トランプは、やがて、ヒラリーの発作が止まらなくなることを知っていたのです。

ヒラリーが、脳血管にできた血栓のために長期入院した2012年からのことです。それ以前に、ヒラリーは演説中に咳き込んで、聴衆の面前でトローチをコップの水で流し込む場面が何度となく報道のテレビカメラに映し出されているのです。

なぜ、ヒラリーやオバマの背後に控えている世界支配層は、こうした事態に至ることを重々知りながら、あえてヒラリーを推したのでしょうか。特に、ヒラリーの選挙活動資金を援助していることを隠さないジョージ・ソロスなどは……


ヒラリーの発作的で瞬間的な不随意運動の繰り返しを見てください。もはや、彼女は、自分で自分の所作が制御できなくなっています。

この反応を見た専門家たちは「ミオクローヌス(Myoclonus)」を強く疑っています。あるいは、モハメド・アリが生涯苦しめられたパーキンソン病であるという専門筋もいます。

この動画は、クリントン夫妻の上方で何かしらのサプライズが起こったのでしょう。ヒラリーに続いてビル・クリントンも、ゆっくりと視線を上に向けています。

ヒラリーの奇矯さが目立つのは、まさにこのようなケースです。

こうした誰も驚かない程度のささやかな刺激にも過敏に反応し、それが制御できない不随意的な身体的反応となった表れてしまう場面が多すぎるということなのです。

私には、そうした専門家の見立てなどはるかに及ばない重篤な事態が想像できるのです。

彼女は、確実に「狂人」となった……投薬によって……。

主治医によって投与されている劇薬の副作用もあるでしょう。しかし、彼女がつながっているイエズス会のバチカンを今でも信じているクリスチャンにさえ、「彼女にはエクソシストが必要だ」と言わしめるほどの奇怪な行動の数々。

核の暗号コードを絶対に教えてならないのは、トランプではなく、むしろヒラリーのほうであることは誰の目にも明らかです。


さて、バイデンとオバマは、本当にヒラリーを大統領にしたいと考えているのでしょうか?

まったく違います。オバマがヒラリーを擁護してきたのは、前述したようにベンガジ事件の真相を闇に葬るため、知りすぎたヒラリーが口を開かないように陰でサポートする必要があったからなのです。

しかし、オバマがFBI長官にジェイムズ・コーミーを任命したことによって、それは完全に封印されたといってもいいでしょう。

これから自制が効かなくなったヒラリーが何を言おうが、米国のメディアが「精神異常者のたわごと」と片づけてしまえば、誰もヒラリーの舌禍を取り上げようとしないでしょう。

「彼ら」は、これで完全にヒラリーをコントロールすることができるのです。
http://www.mag2.com/p/money/23420



15. 中川隆[4389] koaQ7Jey 2016年10月09日 08:02:36: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4799]

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『株式新聞』10月11日付・10月9日
ヒラリー陣営は複数の爆弾を抱えている。夫婦で運営するクリントン財団が外国人から献金を受けていたことや私用メール問題、健康不安説などである。


  ●暴露予告

 その中でも特に気になる情報がある。内部告発サイト「ウィキリークス」の創始者、アサンジ氏がヒラリー氏の選挙運動に関する重大情報を近く公開すると表明したことだ。
 このニュースが流れたのは8月下旬のことで、すでに一カ月半近くたっても公表されていない。しかし、ウィキリークスは今年7月、民主党のサーバーにハッキングして民主党全国委員会のワッサーマンシュルツ委員長を辞任に追い込んだ実績がある。
 彼女が自分の立場を利用し、ヒラリー氏の対立候補だったサンダース上院議員が不利になるようなさまざまな工作をしていたことを裏付けるメールを暴露したのだ。この実績から、おそらく11月8日の大統領選までに公開されるであろうヒラリー氏のネガティブ情報も、かなりの破壊力があると推測される。
 公開されるタイミングと内容によってはヒラリー氏の致命傷になるリスクがある。(中略)

  ●中国共産党幹部の解任

 一部で報じられているように、クリントン財団は中国全人代委員で先月、贈賄の疑いで解任された王文良氏から200万ドルの寄付金を受け取っている。米国では外国人から選挙資金の提供を受けてはいけないという法律があり、ヒラリー氏は法律に違反している可能性があるという。しかも、王氏とクリントン夫妻を結び付けたのが、2008年の大統領予備選でヒラリー氏の選対責任者を務め、クリントン財団の幹部でもあったバージニア州のテリー・マコーリフ知事だという。すでにマコーリフ知事は王氏が米国内で経営する企業から選挙資金を受け取った疑いで、今年5月からFBI(連邦捜査局)の捜査対象になっているとされる。(中略)
http://www.asyura2.com/16/hasan114/msg/197.html



16. 中川隆[4395] koaQ7Jey 2016年10月10日 10:35:54: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4805]

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2016.10.10
クリントンが金融資本と親密な関係にあることを示す文書公表で、サンダース支持者の離反加速も

 ヒラリ・クリントンがウォール街と緊密な関係にあることは有名な話だと思うが、その事実が具体的に現れると怒りを呼び起こすようだ。民主党は「全てロシアが悪い」という宣伝で乗り切るつもりのようだが、バーニー・サンダースを支持していた人々は離反する可能性が高まった。

 7月12日にサンダースがクリントン支持を表明した際、最低時給15ドルの実現、社会保障制度の拡充、死刑制度の廃止、炭素税の導入、マリファナの合法化、大規模な刑事裁判改革、包括的な移民制度改革、アメリカ先住民の人権擁護などのほか、大きすぎて潰せないという銀行の解体、21世紀版のグラス・スティーガル法(銀行業務と証券業務の分離)を成立させることなどで合意したというが、そうした「約束」を守るような人間ではないことが再確認されたと言える。TPPについての発言も信用はできないだろう。

 ドナルド・トランプと自分しか選択肢はないという前提で、クリントン陣営はトランプの過去を必死に暴き、相対的優位に立とうとしている。クリントンは金融資本のほか、戦争ビジネス、ネオコン/シオニスト、ムスリム同胞団など支える柱は多いのだが、その中に庶民は含まれていない。

 万一の場合はロシアがハッキングして選挙結果を操作したというようなキャンペーンを始めそうだが、そうした主張をする人びとはハッキングできることを知っているのだろう。現在、アメリカで使われている投票システムは操作できると指摘されてきたが、実際にアメリカの支配層が操作している可能性もある。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201610090000/






17. 中川隆[4406] koaQ7Jey 2016年10月11日 18:58:22: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4816]

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もしトランプが男性に性的関心があったら、それについて何を言おうと差別的だとされていたろうに
2016年10月9日 Paul Craig Roberts


売女マスコミは、ヒラリーを大統領執務室に送り込むため、宣伝屋としてできるあらゆることを行っている。

有権者が直面している主要な問題は、次期政権が、我々をロシアとの軍事紛争に、またそのつながりで、中国との軍事紛争も導くかどうかであって、トランプの女性に対する性的関心ではない。紛争は熱核戦争となる可能性がある。トランプはロシアとの紛争に賛成ではないため、 寡頭制支配者に照準を定められているのだ。

副次的な問題は、トランプはヒラリーと違い、寡頭制支配者に飼われているわけではないことだ。もしトランプが、この違いを反映した政権を構築することができれば、平和や、アメリカ政府が、1パーセントへの奉仕から、99パーセントへの奉仕へと目を向ける希望が生まれよう。

スティーブン・レンドマンによるゲスト・コラム

アメリカにおける一党独裁

スティーブン・レンドマン

アメリカにおける民主主義は、共和国発足の時点から茶番めいていた。現在、金に支配された二大政党支配が物事を仕切っている。

もしヒラリー支持者が、よた者マスコミに支援されて、思い通りにすれば、大統領選挙戦で、二つの右派の一方を根絶する方向へと事態は向かっている。

彼らはトランプに、選挙活動を放棄し、候補をおりるよう要求しており、事実上、ヒラリーを、オバマ後継者にして、11月の選挙を、これまでにない茶番にしようとしている。

トランプは共和党指導部の支持を失っていると、主張する与太者マスコミの日曜日の見出しは、まるで大統領候補死亡記事だ。ヒラリーは支配体制のお気に入りだ。彼は部外者であり、彼が何を言おうが、しようが、アメリカを動かしている闇の勢力は、大統領立候補を妨害する。

11月の結果は、あらかじめ決まっているのだろうか? 我々は時代を先取りして、次期大統領は、ヒラリーだと宣言すべきだろうか? 後二回残っている大統領候補討論は(原文通り)中止すべきだろうか? もし、ヒラリーが既に勝利しているのであれば、必要ないだろう。

選挙戦丸ごと、そもそもの始めから無意味な茶番だったのだろうか? ヒラリーは、始まる前から民主党全国委員会が選んだ指名大統領候補者で、一時は名声を得たサンダースは、引き換えに得た特別な恩恵が何であれ、彼女の支持を表明した後は、アメリカの既存支配体制同様、彼も腐敗していることを示す、破廉恥なヒラリー傀儡に過ぎない。

ラルフ・ネーダーさえ、彼のことを“最高裏切り者”と呼んで、トランプを攻撃し、破廉恥にも、アメリカ史上最も無慈悲なほど危険な大統領候補ヒラリーを支持している。

彼は不面目にも、彼女の脅威を無視し、どのように、誰によって統治されたいのかについての発言権が有権者にはない、余りに堕落し過ぎて直しようの無いアメリカの嘆かわしい政治過程について説明し損ねている。

誰が頂点にいようと、ひたすら金持ち、権力と特権のための統治が、アメリカ政治の全てだ。連中全員薄汚い同類なのだ。共和党も、民主党同様、あらゆる問題で、それが一番肝心なのだ。

ネーダーは分かっているはずだ。彼はなぜ怒りをトランプだけにぶつけ、1990年以来の、彼女の悲惨な公職実績にもかかわらず、ヒラリーの言い分を認め、説明しようとしないのだろう。

彼女がいかなる公職につくのも不適格だと見なすには、それだけで十分ではないか? 彼女を国家元首にして、その指を、喜んで押すだろう核ミサイルの発射ボタンに置かせるなど、到底考えられない。

日曜版ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ウオール・ストリート・ジャーナル・オンラインや、親ヒラリー派の新聞は喧嘩腰で、事実上、トランプに身を引くよう要求しているが、これはアメリカ大統領選挙では前代未聞で、卑しむべき低さに到達した。

最新の騒ぎは、ビデオで公表された彼の卑猥な発言を巡るものだ。女癖の悪さは、普通なら政治問題にならない。そんなことをすれば、議員の半数は辞職を強いられ、過去の大統領たちの記録を、性的無分別さのかどで有罪に訂正させられかねない。

土曜日、ウオール・ストリート・ジャーナルのインタビューを受けて、トランプはこう言った“(彼が)辞める可能性はゼロだ。私は決して絶対にあきらめない”、ヒラリーは“酷く欠点のある候補者”だと強調している。

彼女は、戦争犯罪、不正利得と偽証のかどで有罪だ。彼女は国民大衆の利益ではなく、もっぱら金持ちの利益を支持している。彼女は、中流階級の価値観を軽蔑しており、アメリカの経済的、社会的に最も恵まれない人々のことなど考えていない。

最も気がかりなのは、彼女が大統領となった場合、通常の法手続きを踏まずに始められる核戦争の脅威あるいは可能性だ。

これ以上、何が重要だろう? トランプの女癖の悪さや、彼の他のいかがわしいあらゆることか、それとも人類を、ありうる絶滅から救うことだろうか? 11月の選択は容易だ。

スティーブン・レンドマンはシカゴ在住。彼にはlendmanstephen@sbcglobal.netで連絡できる。

安全保障理事会戦争

スティーブン・レンドマン

アメリカ、イギリス、フランスや連中の重罪のお仲間、安全保障理事会パートナーたちはシリアにおいて、平和ではなく、戦争を望んでいる。世界列強の中で、ロシアと中国だけが、責任ある紛争解決を支持している。

10月8日、いずれも成立の可能性がない、相争う決議が提案された。アメリカが支援するヌスラ戦線テロリストに、戦火で荒廃した都市での停戦を実現すべく、東アレッポから脱出する安全な通行を認めるというロシアによる草案に対して、アメリカ、イギリスとフランスが拒否権を行使した。

フランスが提案したものは、アレッポ内や周辺のヌスラ戦線や他のテロリストに、アメリカ率いる“連合軍”戦闘機で支援される飛行禁止空域の保護を与えようとして、ロシアとシリアの戦闘機のみが、彼らが掌握している領土の上空飛行を禁じられるという、戦争エスカレーションのための見え透いた策略だ。

ロシア外務省声明は、フランスの(嘆かわしい)決議草案のことを、使えるあらゆる手段を講じて、テロの脅威と戦う義務がある国連加盟国という立場にもかかわらず“(シリアとロシアに)アレッポ上空での飛行を禁じ、ヌスラ戦線テロリストや、彼らと合体している戦士を援護しようという、あからさまな企み”と歯に衣を着せずに呼んだ。

“ (イギリスと フランスとともに)シリア問題解決に関するロシア-アメリカ合意の実施を拒否した直後にワシントンが支持した決議は、事態の実際の状態を極端に歪曲し、政治色の強い、均衡を欠いた、一方的な性格のものだった。”

“シリア・アラブ共和国における緊張のエスカレーションのあらゆる責任は、見境ないやり方で、シリア当局のみに負わされた。”

“対決を支持する連中によって、シリア危機解決の取り組みが傷つけられたことを極めて遺憾に思うが、長く続くシリア紛争の政治的解決追求を、ロシアは断固順守する。”

“既に合意された協定の責任ある実施と、外部からのいかなる介入も無しに、全ての政治、民族、宗教集団の対話を通して、シリアが彼らの国の将来を決定することを可能にするような更なる措置のに協力して、建設的共同作業をする用意がある。”

ロシアのたゆみない誠実な取り組みが失敗したのは、アメリカ政府と、ならず者同盟諸国が、平和ではなく、戦争を、シリア主権の独立を維持するのではなく、破壊を、民主的支配に置き換わる、アメリカ率いる欧米傀儡による統治を望んでいるためだ。

シリア国連特命全権公使バシャール・アル-ジャファリは、ロシアの責任ある解決策決議阻止について、単刀直入に説明した。“これに反対する人々には、シリア国内の解決を実現するために、テロと戦う政治的な意思皆無ことの百回目の確認だ。”

現在の安全保障理事会理事長であるロシア国連特命全権公使ヴィタリー・チュルキンは、土曜日の会議を、どちらも採択されないことを承知の上で、二つの相争う決議が提案された“(安全保障理事会の)歴史で最も奇怪なものの一つ”と呼んだ。

アメリカ、イギリスとフランスは、連中の帝国主義権益を政治争点にするために、土曜日の会議を利用した。アレッポを、アメリカが支援するテロリストの惨劇から解放するというシリア/ロシアの重要な取り組みに反対し、ペンタゴン率いる“連合軍”戦闘機に支援されて、大量虐殺と破壊を自由に継続できるよう、連中を保護しようとして。

事態は不可避的に東/西対決に向かうように見え、益々、オバマが、来年、ヒラリー用の下地を作っているように思えてくる。二大核大国間の戦争となる可能性があるのだ。

支配を求めるアメリカの欲望が、あらゆる場所の、あらゆる人々を脅かしている。シリアにおける極めて危険な一触即発の状況は、人類の運命がどうなるか分からない爆発的核戦争を誘発しかねない。

帝国の狂気は我々全員を殺害するかも知れないのに、無知で素っ気ない国民は、あり得るあらゆる脅威の中で最大のものを全く意に介さずにいる。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/post-8944.html



18. 中川隆[4427] koaQ7Jey 2016年10月12日 17:11:40: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4837]

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戦争ではなく、セックスをしよう
Paul Craig Roberts 2016年10月11日

ビル・クリントンのセックス・スキャンダルの際、ヒラリーは連中を“過去に性的関係があったと偽証する女性の続出”と呼んでいたのだが、民主党や、進歩派の言説は、政治の要素から、人の性生活は除外していた。今や、実際のセックスもない更衣室での青臭い性的雑談に過ぎないものが、突然に政治的不適格の決定要因と化したのだ。

11年前のドナルド・トランプとビリー・ブッシュ更衣室会話録音の出所は一体どこだろう? 一体誰が、一体何のために、これを録音して、11年間保存していたのだろう? 一体なぜ、それがトランプとヒラリーの第二回目討論前日に公表されたのだろう? 録音は、プライバシー侵害違反なのだろうか?

ビル・クリントンとのセックスをモニカ・ルインスキーが告白したのを録音した女性は一体どうなったのか?
彼女は盗聴か、何か似たような罪で起訴されたのではなかったか?

二人のアメリカ大統領の親戚であるビリー・ブッシュが、トランプとの私的会話ゆえに、彼のTV番組への出演を止められたのは一体なぜだろう?


男性の性的雑談は、男同士釣りの自慢話同様、話半分で聞くべきなのだ。

大統領or候補者ビル・クリントン自身も、おおやけに性的雑談をしていた。

記憶が正しければ、肉体労働者に対する演説で、ビルは、自分の軽トラックのベッドは人工芝で覆ってあるが“何のためかわかりますね”と言った。

報道によれば、クリントンのホワイト・ハウスには、ビルの性的関心を引こうとしている多数の女性研修生がいた。

ヒラリーが断固反対するまで、肌をあらわにした若い女性たちが、下着をつけずに仕事に来ていた。

シークレット・サービスは、服装規定順守を検査するようち言われていたのではと疑いたくなる。


堅物を装う1パーセントは、共和党候補からトランプを排除したがっている。
民主主義において、選挙前に、一体どうして、人々が選んだ大統領候補を排除するのか堅物連中は語らない。

当時“オーラル・オフィス”と呼ばれた大統領執務室を、セックスに使ったにもかかわらず、誰もクリントンを大統領の座から排除しようとはしなかった。

下院の共和党は、セックスを理由にではなく、そのことでウソをついたかどでクリントンを排除しようとしたが、上院はそれに付き合おうとはしなかった。

上院議員は、皆性的関係についてウソをついていたので、ウソは害にならないと考えたのだ。


トランプの性的雑談が大問題にされていることで私が気がかりなのは、ネオコンが、アメリカ政府がシリアで、シリアとロシアの軍を攻撃するよう推進しており、ワシントンの首席宣伝屋、ネオコンのカール・ガーシュマンが、ロシア政権を転覆すべく“意思を結集しよう”とおおやけに呼びかけている危険な状況に我々が直面していることだ。現在、二つの核大国間の緊張が史上最高に達しているのに、この危険な状況は、アメリカ大統領選挙の要素ではないのだ! 私が一体なぜ、アメリカ人のことをのんきだと呼ぶのか不思議に思う連中さえいる。


1パーセントが90%を所有しているアメリカのマスコミは、アメリカ国民 - 99パーセントに対して、オーナーとぐるになっている。

トランプが、二回目の大統領候補者“討論”時に、言った通り、ABCのマーサ・ラディッツと、CNNのアンダーソン・クーパーは、彼に反対して、ヒラリーに協力していた。“結構、三対一だ”とトランプは言った。

99パーセントの人々は、反トランプ・ヒステリー現象は、人々を経済的束縛と戦争に閉じ込めておくことを狙って、売女マスコミがあおっているということを理解しているだろうか?
https://www.rt.com/usa/362298-media-endorsing-hillary-clinton/

トランプとビリー・ブッシュとの更衣室での雑談を巡るヒステリー現象は、政治的目的で、画策されていることを我々全員が知っている。

しかし、この馬鹿馬鹿しさをお考え願いたい。魅力的な異性に対する、トランプの性的関心の私的発言が、売女マスコミによって、“女性に関する極端にみだらな発言”だとされているのだ。
http://www.chicagotribune.com/entertainment/ct-billy-bush-today-show-20161009-story.html


異性間性交渉を犯罪行為にするとは一体何事だろう?

ファミニストは、女性は性的対象とみなされることを望んでいないと言うが、一部の女性の挑発的な服装から判断すると、多くの女性は意見が異なる。女性向け衣装市場の目利きであるはずの服飾デザイナーも、違う意見だ。最近のパリ・ファッション・ショーで(10月1日)ヴィヴィアン・ウエストウッドは、女性器を描いたドレスを発表した。
https://sputniknews.com/photo/201610071046086772-pictures-week-october-07/

ヴィヴィアン・ウエストウッドは女性イギリス人ファッション・デザイナーだ。彼女はイギリスのデザイナー・オブ・ザ・イヤーに二度選ばれた。“ファッションに対する貢献”に対し、イギリス女王は、デイム・コマンダー大英帝国勲章(DBE)という貴族敬称を与えた。

彼女の受章を祝うバッキンガム宮殿での式典で、ウエストウッドは、パンティーは着けずに現れ、宮殿の中庭で、スカートを振り回した。カメラマンたちが撮影し、ヴィヴィアンの言葉では“ 結果は、私が期待した以上に刺激的だった。”

2012年、学者、歴史家やジャーナリストの審査員により、ヴィヴィアンは、イギリスに大きな影響を与え、時代に特徴をもたらした新エリザベス女王時代人の一人に選ばれた。

18世紀のイギリスは、もし歴史学者たちが正しければ、若い女性たちは、魅力を発揮できるよう、身体にぴったり貼り付く濡れたドレスで夜の社交の場に現れた。その結果、彼女たちの中には肺炎で亡くなった人々もいた。異性の関心を引くために、彼女たちは、自発的にそうしていたのだ。

報道によれば、男性と女性用に、本物より優れている、ロボットの性交渉相手が製造されているという。別の報道によれば、若い日本人男性たちは、ガールフレンドではなく、セックス・アプリを持って、休暇に出かけるという。男性の同性愛、女性の同性愛や、性転換者の性行為に対する社会的認知が進むにつれ、異性間性交渉の方が、性的マイノリティーと見なされるようになりつつあるようだ。もしトランプが、男性や性転換者への性的関心を示していたら、それに触れるのは差別的とされていたろう。異性に対する性的衝動だけが、政治標的なのだ。

女性がハイヒールを履き、かろうじて性器を覆うスカートで、ノーブラの乳房を露出して現れ、それに注目する男性はみだらだといわれる状況に至ったのだ。

女性は本当にこういうものを望んでいるのだろうか?

トランプが女性に性的関心があるため、選挙で、ヒラリーが本当に勝つのだろうか?
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/post-83b4.html



19. 中川隆[4441] koaQ7Jey 2016年10月13日 09:20:35: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4851]

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暴露されたトランプ氏の激エロお下劣トーク。米で囁かれる「流出の影にブッシュ一族」説
HARBOR BUSINESS Online 10月13日

 米大統領選は共和党候補ドナルド・トランプ氏と民主党候補ヒラリー・クリントン氏による討論会たけなわ。米国では討論会前後にあらゆるメディアが支持率調査を発表し、大いに盛り上がっている。

 そんな中、10月9日にミズーリ州セントルイスで行われた第2回討論会で槍玉に挙がったのが、トランプ氏の過激エロトーク暴露ビデオだ。

 そのビデオは11年前に米ネットワークテレビ局の芸能番組「アクセス・ハリウッド」で収録された。司会のビリー・ブッシュ氏が、当時はまだ政界とはかかわりがなく「富豪タレント」として活躍していたトランプ氏にインタビューしているものだ。

 その中で語っているトランプ氏の発言が今、大きく物議をかもしている。その内容は簡単にいえば、過激なエロトーク。「女は、有名人には何でもやらしてくれるんだよ」「人妻を強引に押し倒してキスしてファックしようとしたけど、失敗しちゃったんだよね」といった、エロおやじが言いそうなお下劣な会話の数々だ。

 しかしこれを共和党の大統領候補が言ってしまったということで、非難の集中砲火。常に強気のトランプ氏が謝罪に追い込まれ「あれはただのロッカールームトークだった」と言い訳をしてさらに批判を浴びるなど、大きな騒動になっている。

◆流出の背後にブッシュ一族!?

 このエロトークビデオを最初に入手し「トランプ氏の問題発言」として報じたのは、ワシントン・ポスト紙だった。首都ワシントンで発行されている一般紙であるため政治面が充実しており、スポーツ面などでも深く掘り下げた良記事も多く、エリート層に読まれる新聞でゴシップとは無縁というイメージだったため、このようなエロネタをスクープするのは意外だった。(参照「ワシントン・ポスト」)

 そこで今世間に流れているのが、このビデオを流出させたのはブッシュ一族ではないかという憶測だ。

 ブッシュ一族は、ジョージ・ブッシュ氏(いわゆるパパブッシュ)が89年から93年に第41代大統領、息子のジョージ・W・ブッシュ氏が第43代大統領を務め、その弟ジェブ・ブッシュ氏はフロリダ州知事で今回の大統領選でトランプ氏と候補争いをした存在、ジェブ・ブッシュ氏の息子ジョージ・P・ブッシュ氏も2年前にテキサス州公有地管理局長官に選出されて政界入りし、まさに政治一家だ。もちろん一族全員が政治に携わっているというわけではなく別の世界で活躍して有名な人物もおり、それが何を隠そうトランプ氏のエロトークのインタビュアーだったビリー・ブッシュ氏で、この人物はパパブッシュ氏の甥に当たるのだ。

◆ブッシュ家のトランプ嫌いは筋金入り

 ブッシュ一族がトランプ氏を毛嫌いしているのは有名で、7月に行われた共和党の全国大会で党公認候補を決定する際には、パパブッシュも含めブッシュ一族全員が欠席するという異例の行動をとっていた。

 ジェブ・ブッシュ氏は共和党の大統領有力候補とされていたが予備選でトランプ氏に大敗するという屈辱も味わっている。ブッシュ一族が、トランプ氏の大統領当選を断固阻止するために仕掛けたのではないかというわけだ。

 ただし、エロトークのインタビュアーだったビリー・ブッシュ氏は現在、4大ネットワークの1つであるNBCの人気モーニングワイドショー「トゥデイ」のキャスターを務めているが、このビデオ流出後に謝罪し、番組から謹慎処分を受けることとなった。もしブッシュ一族が流出させたのならビリー・ブッシュ氏に被害が及ばないようビデオを編集していただろうという指摘も出ている。いずれにせよ、かなり影響力の大きい勢力から流出したのは間違いないだろうといわれている。

◆トランプの命運やいかに?

 女性支持者の間では、このエロトークビデオ騒動が「嫌トランプ」に拍車をかけている。

 討論会期間中は米国のあらゆるメディアで支持率調査が頻繁に発表されるが、例えば政治専門ニュースメディアのPOLITICOが10月上旬に発表した支持率調査によると、トランプ氏の「大卒の白人女性の支持率」は27%と、クリントン氏の57%を大きく下回っている。

 大卒の白人女性層というのは大統領選で大きなカギを握る一大勢力の層といわれており、歴史的に見てもこの層は共和党を支持する傾向が強かったのだが、共和党の候補者であるトランプ氏にだけは投票したくないという考えらしい。

 しかしこんなスキャンダルが出ても依然として大卒ではない男女の層と、大卒白人男性からの支持率は高いそうなので、トランプ氏にもまだ巻き返しのチャンスはあるのかもしれない。次の討論会は10月19日、ネバダ州パラダイス(ラスベガス)で行われるが、クリントン氏とともに今度はどんなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。





20. 中川隆[4480] koaQ7Jey 2016年10月16日 16:38:57: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4891]

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トランプを打ち負かすべく、クリントンのために使われているロシア・カード
Finian CUNNINGHAM 2016年10月15日
Strategic Culture Foundation
今週、アメリカのニュース放送局CNNは“大統領選挙に影響を与えるべく”ロシア政府の工作員連中が活動しているという主張を“裏付ける新たな証拠”を“アメリカ当局者”が見つけたと報じた。サブリミナル冷戦脅し戦術で、報道は、モスクワの赤の広場における軍事パレード映像で始まっている。

ところか奇妙にも、オバマ政権やシークレット・サービスや、クリントン選挙運動が主張してきたロシア人コンピューター・ハッカーというこれまでの主張同様、ロシアに対する匿名のアメリカ当局筋による最新の主張にも何の証拠も提示されていない。

この延々と続く裏付けのない言辞の最新版として、ロシア人ハッカーが、クリントン選挙運動に悪影響を及ぼす電子メールを公表するルートとして、ウイキリークス内部告発サイトを利用していると、アメリカ当局者は断言している。

今週、インタビューで、CNNのクリスチャン・アマンポールに、ロシア外務大臣セルゲイ・ラブロフは、ロシア政府の工作員たちが、来月の大統領選挙に影響を与えるために、アメリカのシステムに不法に侵入しているという主張は“ばかげている”と語った。

モスクワは、公式“否定”などして、この主張に箔をつけるつもりはないとラブロフ外務大臣は述べた。外務大臣は、ロシアが、アメリカ司法省に、捜査の基盤となるものを提供するよう要求して約一年になるが、ロシアがハッキングしたというアメリカ政府の主張を裏付けるいかなる証拠も提示されていないとも発言した。

核心は、アメリカ政府が、事実と無関係に、反ロシア言辞を好きなように、しつこく言い続けられるようにするのが狙いであることを強く示唆している。もし事実が何らかの形で議論の中に入り込めば、実体がないアメリカの反ロシア言辞は駄目になる。

これは、クリスチャン・アマンポールが、自分の番組の自己宣伝広告で、自分はしていると吹聴しているように真実を探し求めるのでなく、政府主張の拡声器役でしかないアメリカ・マスコミがいかに機能不全であるかを示している。

オーストラリア人ジャーナリストのジュリアン・アサンジが運営するウイキリークスが、民主党全国委員会とヒラリー・クリントン選挙運動からハッキングした数千通の電子メールを公表したが、これは実に影響力が強く、アメリカ国民の利益にとって非常に大きな意味を持っている。ウイキリークスは、ロシア・ハッカーと共謀しているという主張を否定しており、アサンジは、情報源は民主党全国委員会内部だとさえ示唆している。

一体なぜアメリカ・マスコミは、ウイキリークスの電子メールが警告しているクリントン・スキャンダル深く掘り下げないのかと疑問を呈した共和党大統領候補ドナルド・トランプには一理ある。クリントンが、第一次オバマ政権で、国務長官だった際に、大企業や、外国からの寄付を貰って、政府政策に影響を与えていたとされる - いわゆる“参加するなら支払え”商法問題の類。あるいは、クリントンが湾岸アラブ石油王国諸国経由でロンダリングして、リビアやシリアの過激聖戦戦士を資金と武器で支援していたことなど。

こうした問題は、もしアメリカ・マスコミが、トランプの女性への性的いやがらせとされるものに関する話題にさくのと同じ位に、適切な注意を払うなり、注目するなりしていれば、彼女を不適格とする大スキャンダルになる可能性があるのだ。

クリントンの選挙運動からハッキングされた最近の一群の電子メールから明らかになった重大な話題の一つは、彼女の選挙運動幹部たちが、彼女への有権者による“信頼の欠如”を懸念していることだ。クリントン側による、対トランプ大規模攻撃宣伝や、共和党のライバルに対する、マスコミのあらゆる否定的報道にもかかわらず、マスコミによる世論調査では、まだ決めていない有権者のクリントン不支持率は、頑固に約50パーセントあたりに留まっている。マスコミはほとんど無視してはいるものの、クリントンを巡るスキャンダルの雰囲気は、11月8日に、有権者の多くを彼女への投票から遠ざけるに十分だ。

ウイキリークス電子メールは、彼女が有権者と結びつきそこねていることに、クリントン選挙運動幹部が当惑していることも示している。続いているアメリカ経済停滞の核心である銀行のための彼女のウオール街ロビー活動が、彼女と、多数の肉体労働者やその家族の間の障壁なのだ。多くの人々が、腐敗したアメリカ支配層と見なしているものに対する国民の怒りが、トランプ支持をもたらし、一方、普通のアメリカ人を擁護するという彼女の最近の発言にもかかわらず、クリントンは問題の一部と見なされている。

どちらの大統領候補者も、大多数のアメリカ人を熱中させてはおらず、今回の選挙は、投票者数が、半数もの有権者が投票しようとしなかった前回の大統領選挙を、更に下回る空前の記録となる懸念がある。評論家たちは、投票者数が少なければ、トランプが勝利する可能性が高まると考えている。

この文脈でみると、ロシア人ハッカーと、アメリカ選挙に対するロシアの干渉という主張の狙いが良く理解できる。

かつての冷戦時代同様、アメリカ支配層は、彼らの階級的、地政学的権益に従順でないと見なした連中を誰でも貶めるため“ロシア・カード”を使っているのだ。クリントンは、ずっと前から、国内経済政策の分野であれ、世界中に、アメリカ覇権を広げる上であれ、アメリカ支配階級の権益に最も役立つ、好ましい候補者として選ばれている。

ロシアに関しては、ヨーロッパでのNATO軍拡張への熱烈な支持から、シリアとウクライナにおいてロシアに対抗するより軍国主義的な対応に至るまで、クリントンは、モスクワに対する喧嘩腰を露骨なほど表に出している。対照的に、トランプはNATOとロシアの関係を疑問視している。実際、ワシントンとモスクワのより協力的な関係を主張している。

そこで、クリントンは、アメリカ・パワー・エリートにとってお気に入りの候補者だ。この、あらかじめ決められたアメリカ大統領選挙の結果 - アメリカ民主主義も、もはやこれまで! - 証拠 大企業とペンタゴンによる熱烈な支持表明、彼女のスキャンダルを無視し、有権者の目の前で執拗にトランプを中傷しようとしているマスコミによる大規模キャンペーン。

彼はウソで捏造だと否定している、トランプを悩ませている性的スキャンダルに加えて、もう一つの明らかに不自然な言辞は“同志トランプ”だ。億万長者の実業界の大物が、アメリカ・マスコミでは“プーチンの手先”あるいは“クレムリンのカモ”として広く非難されている。またしても、この主張を裏付ける証拠は全く提示されていない。こうしたものは、トランプが、ウラジーミル・プーチンを称賛して述べた何らかの何気ない発言、NATOに対する明らかな無関心や、彼の側近の一人が、過去、ウクライナの親ロシア派ヤヌーコヴィッチ政権と金融取り引きをしていたとされている(2014年2月のCIAが支援したウクライナでのクーデター以前に)ことに基づいているように見える。

トランプがロシアの“第五列”だという主張は、明らかに、ばかげたものではないにせよ、本質的に、いかなる信憑性にも欠けている。アメリカ支配層が、ロシア人ハッカーという話題を煽ろうとしている理由はこれだ。ロシア政府のハッカーがアメリカの組織に侵入し、大統領選挙に干渉しようとしているという主張に、もしオバマ政権も加わって発言すれば、主張の迫力は更に増す可能性が高く、それにより、トランプには、一層否定的に跳ね返る。

今週、CIA長官ジョン・ブレナンも、プーチンのロシアが、来る大統領選挙を左右することを企んでいると主張して、大合唱に加わった。

有権者が、一種の愛国的義務からトランプを見捨て、クリントン支持に回るようにする必死の努力で、ホワイト・ハウス、マスコミと、国家の安全保障機関による報復として、ロシア・カードが利用されつつあるのだ。クリントンに対する全般的な無関心が彼女の支援者たちの間で大きな懸念となっており、彼女の選挙を危うくするかもしれないと恐れていることを想起されたい。

大統領選挙日が迫るに連れ、トランプを巡って、マスコミがあおりたてている性的スキャンダルに加えて、ロシアがアメリカの政治プロセスに不法侵入しているという主張のエスカレーションも我々は見せられていることが重大だ。

進行中の操作のおまけとして、アメリカの20州が投票装置に対する何らかの電子的妨害を受けたというニュース報道があった。すると、まるでタイミングを見計らったように、CIAのジョン・ブレナンがすぐさま、アメリカの全ての選挙装置は外部からの干渉に対して“安全”だと有権者に請け合った。またしても、ここでの推論は、卑劣なロシア人が古き良きアメリカ民主主義を攻撃しているというものだ。この愛国的義務という雰囲気は、ロシアとロシアの“手先”説に固執し、有権者を大挙して繰り出させることを狙っている。

ブレナンが投票装置は“安全だ”と強調せざるを得ない理由はこれだ。もしロシア・ハッカー恐怖物語を余り強烈に演じすぎれば、有権者は、どの道無駄と考えて、投票所を完全に避けかねない。クリントン支援者は投票者数の少なさを望んではいない。連中は、クリントンを支持する愛国的、対外強硬主義感情を持った投票者の数を増やしたがっている。ロシア人ハッカーを、アメリカの政治プロセスを改ざんしていると非難しながらも、同時に、国民に、投票は安全だと請け合うというブレナンの矛盾は、これで説明がつく。

皮肉ではないだろうか? 世界中で実に多くの国々に干渉し、覆してきたCIAが、今や、そのあらゆる邪悪な能力を、アメリカ人有権者に対して使っているのだ。

「ベッドの下にもアカ」と冷戦ヒステリーの昔同様、ロシア・カードが活用されつつある。

アメリカ支配層が、自国民を支配するため、無謀なまでに冷戦復活と、“敵ロシア”再建に必死になっている事実は、i現在、アメリカには実際には、ほとんど民主主義が存在していないかということの途方もない証拠だ。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/post-f5eb.html





21. 中川隆[4532] koaQ7Jey 2016年10月20日 09:33:14: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4943]

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ゴールドマン・サックスでの秘密講演で、なぜ金持ちが支配すべきかを語るクリントン
トム・カーター 2016年10月17日

ゴールドマン・サックスCEOのロイド・ブランクファインも参加していた2013年10月24日講演の質問コーナーで、聴衆が現民主党大統領候補ヒラリー・クリントンに、こういう質問をした。“マイク・ブルームバーグには、300億ドルの資産があるので、選挙出馬もできます。仕事をしている人より、就職の必要がない人々に関係が深くなるような大きな変化が、ワシントンで、必要でしょうか?”

クリントンの答えは意味深いものだった。“これは本当に興味深い質問です”と彼女は言った。“より多くの成功した実業家に、立候補して欲しいと私は思っています。300億ドル持っている必要はありませんが、そうした人々にはある程度の自由があると思うので、本当にそうあって欲しいのです。ある元上院議員の印象的な言葉があります。ぶれるかもしれないが、決して買収はされない。そして、こうした経験を持った人々がいるのは重要なことだと思います。”

クリントンの答えは「金持ちが支配するべきだ」という支配層の原理のあからさまな擁護だ。非常に裕福なおかげで、金持ちには政治活動を続けるための自由時間がある。更に、彼らは既に非常に金持ちなので、賄賂には免疫があるはずだと想像される。最後に、彼らには事業や融資からのあらゆる利益を割り当て、社会各層が恩恵を受けられる社会制度を統括するのに必要な“事業経験”がある。18世紀、あるいは19世紀のあらゆる支配階級の人々は、こういう考え方を認め、支持していた。

クリントンは、ロバート・ガスコイン=セシル、第3代ソールズベリー侯爵(1830年-1903年)の貴族の傲慢さを、より露骨な形で繰り返しているに過ぎない。彼の考え方を、歴史家のバーバラ・タックマンは、こう要約している。

彼は政治的平等を信じていなかった。彼は言った。群衆がおり、“天性の”指導者がいる。“常に「富」と、一部の国では「生まれ」、そしてあらゆる国で、「知的能力」と「文化能力」が、健全な感覚で、社会が、そういう政府を引き受けることを期待するよう、そういう人物を運命づけるのだ”。これらの人々にそのための自由時間と財産があり、“大望を目指す戦いは、浅ましい強欲という害毒によって汚されない… 彼らは言葉本来の最良の意味で、国の貴族階級だ… 重要なのは、国の支配者は彼らの中から選ばれるべきことで”階級として、彼らは“彼らが持っている適者が得られるあらゆる権利という政治的優位”を持ち続けるべきだ。

彼女の富ゆえに、アメリカを支配する資格があるというクリントンの主張は、彼自身の何十億ドルが、彼が“特定利益集団”の影響を受けずに済む理由だと宣伝しているドナルド・トランプも再三繰り返している主張だ

クリントンが講演で言及した“元上院議員”は、どうやら、1987年から、2005年まで議員をつとめたルイジアナ州選出の民主党員ジョン・ブローのようだ。これまで議員をつとめた中で最も保守的な民主党員の一人と見なされている、このクリントンのお手本氏は、スクワイア・パットン・ボッグス社での実入りの良いロビー業に転身した。彼の名は、ワシントンの腐敗した“天下り制度”と同義語だ

土曜日、ウイキリークスが、ゴールドマン・サックスが主催した集まりで、高額謝礼が払われた、2013年6月4日と10月24日と10月29日付け、三件のクリントン講演書き起こしを公表した。この三つ全てが、彼女自身の富について話させ、悦に入らせるため、彼女を雇っている金融界の悪人連中を前にしての、こびへつらいのごたまぜだ。

ウオール街秘密講演の一つの中で、クリントンは、彼女には“公的な立場”と“非公式な立場”があると率直に認めている。非公式な立場とは“舞台裏での話し合い”で表明されるものであり、“公的な立場”とは、彼女がそれ以外の国民に語るウソだ。

そもそもクリントンが悪名高い投資銀行で講演したという事実が、アメリカ大企業、金融・政治支配層が、腐敗と犯罪にまみれている度合いを強調している。2011年4月、上院常設調査小委員会は“ウオール街と金融危機: 金融崩壊の解剖”と題する報告書を発行した。この報告書は、2008年金融危機と、その後の景気後退は、政府監督官庁と信用格付け機関が共犯者になっている、住宅ローン融資会社や、ゴールドマン・サックスのような銀行の詐欺的行為や違法行為の産物であることを、徹底的に実証している

639ページの報告書の40パーセント、つまり約240ページがゴールドマン・サックスの詐欺的で不正なやりくちを扱っている。報告書は、アメリカ最大の投資銀行が、何十億ドルもの、サブプライム不動産担保証券を投資家に販売したことを示す文書、電子メール、社内文書や他の証拠を提示している。投資が駄目になると確信しながらも、そうしたもの価値を請け合っていた。ゴールドマンは、何十億ドルも儲けて、CEOのブランクファインや他の経営幹部連中は金融制度の崩壊を促進しながら、ボーナスで何百万ドルも懐に入れていたのだ。

ミシガン州上院議員カール・レヴィン上院小委員会委員長が、調査“強欲、利益相反や悪行に満ちた金融のヘビ穴”をいかにして暴露したかを見事に説明している。

“小委員会が召喚した文書中の文言を用いて”“報告書は、金融会社がいかに意図的に客や投資家をだましたか、信用格付け機関が、いかにしてハイリスクの証券にAAA格付けをしたのか、監督官庁が、周囲のあらゆる危険で不健全なやり口を抑制せず、いかに無為無策だったかを暴露した。はびこる利益相反は、このあさましい物語のあらゆる章いたる所に流れているテーマだ”と、レヴィンは述べた。

2013年、クリントンが、ゴールドマン・サックスCEOブランクファインと親しく付き合っていた頃、ゴールドマンや他のウオール街の銀行による悪行の捜査は継続しており、彼女は投獄されているべき人物と付き合っていたことになる。2011年、レヴィンは、司法省に、彼の詐欺的で、不正な行為のかどで、ブランクファインを刑事訴訟するよう勧め、上院小委員会は、金融崩壊における彼の銀行の役割に関する2010年の証言で、彼が偽証したと非難した。それにもかかわらず、告訴はおこなわれず、2013年、クリントンは、ブランクファインの会社から、講演一回につき、225,000ドルを上回る金額を受け取っていた。

ヒラリーとビル・クリントンは、ビル・クリントンがホワイト・ハウスを去って以来、講演料で、総計1億5300万ドルをかき集めた。この膨大な金額が、講演そのものに対して支払われたなどと信じるのは、うぶな連中だけだ。長期間にわたり、アメリカの金融支配層に対して行った奉仕に対する支払いだ。

クリントンのウオール街講演は広く読まれるに値する。彼女の講演録は、アメリカ支配階級の全くの身勝手さを直接学べる貴重な教材だ。オバマ政権は、公には2010年のドッド・フランク法改革は、2008年の崩壊が“決して再び起きない”ようにする“厳格な規制”だと主張しているが、クリントンは、非公式には、ゴールドマンの聴衆に、心配するには及ばない、こうした上辺だけの改革は、人々が、職や住まいや、長年の貯蓄を失う中、政府は“手をこまねいて、何もせずにいる”わけではないふりをするために、“政治的な理由”で成立させたのだと語っていた。

ブランクファインが、クリントンに、万一自分が大統領に出馬すると決めた場合、どのように選挙運動を行えばよいかと卑劣にも質問した際、クリントンは身勝手な冗談で答えた。“ゴールドマン・サックスを辞めて、どこかで貧困者用の無料食堂を始めるべきでしょう” クリントンの答えに聴衆は喜んだ。

これらの講演が公開されたことに対する、いわゆる“社会主義者”バーニー・サンダースの対応は、彼の大統領候補選挙活動の全く詐欺的な性格を暴露している。民主党予備選挙中、“億万長者階級”に反対する“政治革命”提唱者のふりをしていたサンダースは、今や破廉恥にも、クリントン選挙運動の余興として機能し、彼の(今やずっと小規模な)聴衆に、彼が反対すると主張していた“億万長者階級”お気に入りの候補者に投票するよう忠告して脅しつけている。

民主党指名獲得活動中、サンダースは再三、クリントンに、彼女のウオール街講演書き起こしを公表するよう要求していたが、彼女はそれを拒否していた。講演で、彼女が銀行家にへつらっていることを明らかになるだろうと主張した。今や書き起こしは国民に漏洩され、彼の非難を完全に裏付けている。彼が沈黙しているのは、彼の政治的裏切りと不誠実さの深さを実証になるだけだ。

一方、ウイキリークスが公開した、クリントンの選挙運動本部長ジョン・ポデスタか送受信した電子メールは、ヒラリー・クリントンが、自らを“平凡なアメリカ”中小企業、未組織労働者、マイノリティや女性の擁護者として描き出そうとしている途方もない身勝手さを暴露している。アメリカ社会の下層90パーセントに恩恵を与えた、いかなる大衆運動にも、いかなる政策にも全く無縁なので、クリントンは、彼女のブランドを有権者に売り込むために、空虚なデマや、少数派集団を代弁するアイデンティティ政治を駆使する“地域社会の指導者”組合幹部、学者、有名人や、マスコミ“代理人”のネットワークに頼っている。

実にずる賢い電子メールの一通で、クリントン側近の一人は、“こうした大金持ち連中相手に、彼女は、二年間、非公開で一体何を言ってきたのかと、万一尋ねられた場合に、まさに人々に示せる何かを用意しておく目的で”2015年のドイツ銀行での講演に、反ウオール街の“気のきいた文句”発言を追加することを議論していた。

“経済的公正や、金融業界がいかに道に迷っているかについて、彼女に長い気のきいた文句を書いた”と側近は書いている。“多分、とこかの時点でこれを記者に見せて、この話を記事にさせる価値があるだろう。これで都合が良いのは、彼女はウオール街に近過ぎで、銀行家連中から余りに多額な金を貰っていると人々が言った際、彼女が、権力者に対して、真実を語ることを恐れなかった証拠を、我々が示せることだ。”

別の電子メールでは、ポデスタは、クリントンは“平凡なアメリカ人”という言葉を嫌っているが、ポデスタが、彼女に、ともかくこの単語を使うよう強く促したことを率直に書いている。“彼女が平凡なアメリカ人を嫌い始めているのは知っているが、「あなた方や平凡なアメリカ人には擁護者が必要なので、私は大統領に出馬することにした」と彼女が始めて発言する際に、一度使う必要があると私は思う”とポデスタは書いている。

クリントン選挙運動の傍若無人さは果てしがない。彼女のスタッフは実際、トランプの方が、より伝統的な共和党候補者より、クリントンが選挙で勝てる可能性が高いと考え、ドナルド・トランプが共和党指名を確保するのを支援すべく動いた。マスコミは“彼を真面目に受け止める”よう勧め、共和党予備選挙候補者の中で“彼が最有力候補の立場を固められる”ようにするため、トランプだけを批判対象にするようクリントンは促された。

ウイキリークスが入手した50,000通の電子メールのうち、約11,000通が公開された。この暴露に対するクリントン選挙運動の反応は、プーチン政権に対するオバマ政権の軍事的威嚇キャンペーンに足並みを揃えたロシア非難だ。フォックス・ニューズの先週のインタビューで、ポデスタは、電子メールは本物ではないと示唆しながら、同時に(しかも矛盾して)電子メールは、選挙で、ドナルド・トランプを勝たせようとしている“ロシア人”が入手したと主張している。

金曜日、ポデスタは、制服を着た大勢の料理人が、ヒラリー・ビクトリー・ファンドのための豪華な私的夕食会の準備をする写真を載せ、ウイキリークス編集者ジュリアン・アサンジをからかった。“ロブスター・リゾットの方がエクアドル大使館の食事より素晴らしい断言する”と、アサンジが2012年6月に亡命を求めて以来、ロンドンのエクアドル大使館で、事実上の囚人状態にある事実に触れて、ポデスタは、ツイッターの写真への説明で書いた。アサンジは即座に切り返した。“そう、分かった。エリートは、連中が虐待している農民より、美味いものを食べている。”
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/post-07ef.html



22. 中川隆[4539] koaQ7Jey 2016年10月21日 11:26:10: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4950]

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更衣室の下ネタ話とロシアに対立しているヒラリー 2016年10月19日
Paul Craig Roberts
ロシアの実に有能な外務省広報官、マリア・ザハロワ、アメリカ大統領選挙戦は、アメリカ人にはあるまじき“ある種の世界的不面目にすぎない”と述べた。彼女は確かに正鵠を得ている。
https://www.rt.com/news/363245-us-election-shame-zakharova/


ヒトラリーの犯罪実績は、巨大な力を持ったひと握りの集団の候補者をホワイト・ハウスに送りこむべく、オバマ政権によって抑圧しなければならなかった。そこで、今我々は核戦争ロシアと中国との瀬戸際にあるのに、アメリカ国民にとっての重要問題は、ビリー・ブッシュと話したトランプの性的に魅力がある女性に関する下品な発言というわけだ。

私は本気で言っている。女性に関する男性の話など、釣りや狩りの自慢話のようなものだ。こういうものは話半分に聞くべきだ。それは別として、一体なぜ、女性に関する下品な話が、核戦争と地球上の生命の終わりを意味するかも知れないロシアとの軍事紛争よりも重要なのだろう?

トランプは、ロシアとの紛争には全く意味がなく、ソ連崩壊から四半世紀後、NATOには何の意義も認めないと発言している。

トランプの女性に関する下品な話は、ヒトラリーが“新ヒトラー”と呼んでいるロシアのウラジーミル・プーチン大統領に関するヒトラリーの挑発的な言説よりも酷いだろうか? アメリカや西ヨーロッパの全てをわずか数分で、地表から消し去ることができる国の大統領に、いわれのない侮辱を投げ掛けるなど、一体どういう大ばかものだろう?

少数の女性が身体をまさぐられる状況と、核戦争で蒸発する状況と、皆様どちらをお選びになるだろう? 正しい答えが分からないなら、生きるには余りに愚かということだ。

アメリカ人女性は、トランプの下品な話に反発して、本当にヒラリーに投票するつもりなのだろうか? もしそうなら、彼女たちはこの女性に投票したのは間違いだったのを思い知ることになるだろうが、この過ちを歴史書に記録する人は誰も生き残っていない。

ヒトラリーは、売女マスコミ、つまり、生活のためにウソをつく、アメリカの印刷媒体と、TVメディアを構成する無節操な連中の支援を得て、アメリカ大統領選挙で、ヒトラリーと、彼女のネオコンお仲間が世界を直面させている危険な状況と無関係な問題に焦点をあわせさせることに成功している。

キラリー-ヒラリーにとっての、ロシア問題は、ロシア政府が、ドナルド・トランプと組んで、彼女の電子メールに不正侵入し、それをウイキリークスに渡したという根拠のないでっち上げの主張だ。このばかげた主張の狙いは、有権者の注意を、電子メールの、のっぴきならない内容から逸らすことだ。

本当に問題なのは、ワシントンにいる阿呆どもが、ロシア政府に、ロシアが先制核攻撃の対象になりつつあることを確信させたことだ。国家が、このことを確信すれば、特にロシアのように強力な核大国で、もう一つの核大国、中国とも戦略的同盟を結んでいるようにみえる結んでいる国家が、座視して待つだけでいる可能性はまずない。


狂った殺人女ヒトラリーへの投票は地球上の生命終焉への投票だ。

トランプの女遊びについては、きわめて知性的で、五か国語を話す、明らかに、世界でも最も美しく優雅な女性であるトランプ夫人を見たことがある男性は誰も信じるまい。これほどの女性を妻にしている男性は、他の女性など不要だ。トランプにとって、彼の妻以上のものを望むなど全く無理。彼には最高の妻がいるのだ。

Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、

The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.

が購入可能。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/post-c00b.html



23. 中川隆[4553] koaQ7Jey 2016年10月22日 12:31:50: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4964]

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ヒラリーの戦争犯罪 Paul Craig Roberts 2016年10月20日

2016年10月20日の今日は、アメリカのオバマ大統領と、ヒラリー・クリントン国務長官が組織し、解き放った勢力によるムアマル・カダフィ虐殺五周年だ。 CBS“ニュース”での大喜びで笑いながらの殺人女の振る舞いを思い出して頂きたい。“来た、見た、彼は死んだ。”
https://www.youtube.com/watch?v=Fgcd1ghag5Y


ムアマル・カダフィは、世界で最も進歩的な指導者だった。カダフィは、リビアの石油の富を、リビア国民のために使っていた。彼は、宮殿ではなく、立派なテントではあるが、テントで暮らしており、アメリカ政府の中東同盟国である、サウジアラビアや、産油首長国支配者一族につきもののヨーロッパ高級車や他のあらゆる身の回り品のコレクションを持っていなかった。

リビアでは、教育、医療と、電力は無料だった。ガソリンは事実上無料で、一リットル、14セントで売られていた。子どもを産んだ女性は、現金の助成金を貰い、カップルが結婚すると現金の助成金が貰えた。リビアの国営銀行は、無利子で融資し、農民には無償で開業資金を供与した。http://www.globalresearch.ca/libya-ten-things-about-gaddafi-they-dont-want-you-to-know/5414289 連中が、人々に知って欲しくないカダフィに関する10のことがら(英文)

カダフィがアメリカ政府から自立していたことが彼の没落をもたらしたのだ。若い頃のカダフィの目標は、アラブを、欧米の略奪に抵抗できる一つの圏に組織することだった。いらだった彼は、汎アフリカ主義に向かい、アメリカのアフリカ軍に参加するのを拒否した。彼は、アフリカ人をアメリカの金融覇権から解放するはずの、金本位のアフリカ通貨を導入したがっていた。

カダフィは、中国のエネルギー企業に、リビアのエネルギー資源を開発させており。、地中海でのロシアの存在で、既に腹を立てているアメリカ政府は、今や中国の存在にまで直面することになったのだ。アメリカ政府は、カダフィは、まずい連中と付き合っているので、退陣させるべきだと結論を出した。

アメリカ政府は、傭兵を編成し、連中を、シリアでと同様“反政府派”と名付け、リビア政府にけしかけた。カダフィ軍が勝っていることが明らかになると、アメリカ政府は、うぶでだまされやすいロシアと中国の政府を騙し、国連で、NATOによって、リビア領空に飛行禁止空域を設定することを認めさせた。飛行禁止空域の建前の目的は、やってもいなかった、カダフィによる民間人攻撃を防ぐためということだった。本当の理由は、主権国家のリビア空軍が、地上の軍隊を支援するため、自分の領空を使えなくするためだった。Onceだまされやすいロシアと中国が、安全保障理事会の議決で拒否権を行使そこねると、アメリカとNATO自身が決議に違反して、カダフィの軍隊を攻撃するために欧米の空軍力を用いて、紛争を、CIAが組織した傭兵に有利にした。カダフィは捕らわれ、残虐に殺害された。かつて繁栄し、成功していた社会だったリビアが、それ以来、混乱状態にあるが、それは、オバマ政権が望んでいたものだ。

サダム・フセインについて語られ、現在、シリアとロシアについて語られているウソと同様に、カダフィとリビアについては、あらゆるウソが語られた。イギリス議会報告は、欧米の人々は、リビア破壊に対する支持を得るためのウソを各国政府から吹き込まれ、リビアは、カダフィが欧米の覇権にとっての障害と見なされていたがゆえに破壊されたと、明白に結論付けている。
http://www.globalresearch.ca/libya-war-was-based-on-lies-bogus-intelligence-nato-supported-and-armed-the-rebels-british-parliamentary-report/5547356?utm_campaign=magnet&utm_source=article_page&utm_medium=related_articles

彼女の監督下で準備されたこの戦争犯罪のかどで、ニュルンベルク裁判時の法律において、彼女が有罪であることについて、殺人女に質問した売女マスコミは皆無だ。殺人女を支配している巨大な政治力を持ったひと握りの集団と、連中の手先の売女マスコミは、この戦犯を次期アメリカ大統領にするつもりなのだ。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/post-5564.html



24. 中川隆[4774] koaQ7Jey 2016年11月01日 07:58:49: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5189]

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2016年10月31日
FBIがヒラリー、メール問題の調査再開 最後の一撃か


残り10日での新たな疑惑は最後のトドメになるかも知れない
引用:http://i.huffpost.com/gen/4786724/images/o-HILLARY-TRUMP-facebook.jpg


ヒラリーの捜査再開

2016年11月8日に予定されている米大統領選挙に立候補しているヒラリークリントンを、再びメール疑惑でFBIが捜査開始しました。

今までFBIは捜査を既に終了し、起訴しない方針だと伝えられていたので、大統領選直前の発表は驚きをもって受け取られている。

FBIは別な事件の捜査中にヒラリーの新たなメールが見つかったので、捜査を再開すると説明している。


          


2016年10月にアンソニー・ウィーナー元下院議員が、未成年に不適切なメールを送信した容疑で、ノートパソコンを押収しました。

PCにはメール65万通が残されていて、不適切な画像やメールとともに、ヒラリーから送られたメールも残されていました。

ヒラリーからのメールは全体の一部だが数千通はあり、司法省とFBIの会合でクリントン氏の捜査に関連していると認められました。


2016年7月にFBIはヒラリーのメール問題への捜査を終了すると宣言していて、危機を乗り切ったと見られていました。

司法省はFBIに対し、大統領選挙に影響を与えるような行動を禁止する規定に違反するとして、捜査再開に警告したがFBIは聞き入れなかった。

ヒラリーのメール問題について、ヒラリーが長官を勤めていた国務省ははっきりと隠蔽する姿勢を示し、FBIに圧力を掛けていたようです。


またオバマ大統領のホワイトハウスや民主党陣営も、大統領選への影響を重視して、FBIに捜査を止めるよう圧力を掛けた。

FBI内部ではこうした圧力に屈しているとの反発がくすぶり、不満を持つ者と上層部の深刻な対立が起きていました。

結局FBIは捜査再開を決めて10月28日に発表したのだが、民主党のハリー・リード上院院内総務は連邦法に違反していると言っている。


ヒラリーへの最後のトドメになるか

リード議員は米大統領選の10日前まで迫った捜査再開表明は、政府関係者が選挙に影響を与える行為を禁止した法律に違反する疑いがあると発言している。

捜査再開は明らかに大統領選に影響を与えていて、15%は開いていたヒラリーとトランプの支持率は1%から3%差まで縮んだ。

米大統領選ではテレビ討論が重要とされているが、トランプは1回目・2回目ともに良い所を見せれずに支持率を落としてしまった。


選挙戦中に過去の女性への侮辱発言の動画が流出し、3回目討論会の前にはヒラリーに15%もの差を付けられた。

だが3回目の討論会でトランプは思い切って暴言とわめき散らすスタイルを復活させ、少し支持率は回復したがが既に勝敗は決したと考えられていた。

FBIの発表前には支持率で5%から10%の差が付いていて、賭け屋は95%の確率でヒラリーが当選すると言っていました。


それが発表2日後に両者の支持率は3%以内の差で並び、トランプがこれ以上「ばかな失点」を繰り返さず、ヒラリーが妙策を打てなければ、逆転する可能性がでてきた。

ヒラリーのメール問題の本質はビルクリントン大統領時代にさかのぼり、クリントン財団が不正献金や不正蓄財をしていたいう疑惑でした。

夫婦は独裁国家や人権侵害を行っている国家、対立していたロシアや中国企業からも献金を受けていて、外交上の便宜を図っていたと言われている。


ヒラリーの国務長官時代にはクリントン財団に献金することで、外国人がホワイトハウスや国務省に口利きをしてもらっていた。

アメリカ外交をクリントン財団への献金と引き換えに販売していた訳で、この行為は一般的にスパイ活動とも言います。

疑惑とともにヒラリーの公私混同ぶりや金に汚いことや、虚言癖があること、人間的に問題があることなどが明るみに出ていました。


大統領候補のスキャンダルは最初に出てきたものは時間に余裕があるので挽回できるが、選挙直前に出てきたものは致命傷になると言われている。

FBIの一撃はヒラリーに最後のトドメをさすかも知れません。
http://thutmose.blog.jp/archives/66976291.html



25. 中川隆[4794] koaQ7Jey 2016年11月03日 11:11:24: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5208]

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アメリカ国民は、彼らを支配しているオリガーキーを打ち破れるだろうか?
Paul Craig Roberts 2016年10月31日

ヒラリーと、売女マスコミが、FBI長官コミーによるヒラリー電子メール事件捜査再開で、プーチンを責めていないのに驚いている。だが、連中はヒラリーにとって、次善の策を講じた。連中は、ヒラリーではなく、コミーを問題にしたのだ。

アメリカ上院議員ハリー・レイドと売女マスコミによれば、ヒラリーの犯罪について、心配する必要はないのだ。結局、彼女は、男性政治家連中が長年やってきたのと同様、不正手段で私腹を肥やす女性政治家に過ぎない。女嫌い連中は、一体なぜ、ヒラリーについて語っているのだろう? コミーの犯罪とされるものこそ重要だ。この女嫌いの共和党員は、彼が終了したと言った捜査を再会したと、議会にいったことで、ハッチ法に違反した。実に奇妙なハッチ法解釈だ。選挙中に、大統領候補は無罪だというのはかまわないのだが、候補者が捜査されていると言うのはまずいのだ。

腐敗した司法長官の命令で、ヒラリーは無罪だと宣言し、それにより、ヒラリーの国家安全保障手順違反に対する、連邦による無罪宣言という威光を、選挙世論調査で、彼女の順位を押し上げるのに利用した際に、コミーはハッチ法に違反したのだ。

実際、世論調査でのヒラリー順位は、世論調査会社が、世論調査で、ヒラリー支持者を過大評価していることに基づいている。世論調査の質問で、その支持者を過大評価すれば、最有力候補にするなど簡単なことだ。もし、二人の候補者の演説会に集まる聴衆を見さえすれば、アメリカ国民が、ロシアと中国との戦争に反対しているドナルド・トランプの方を好んでいるのは。選挙は、一番重要な問題で決まる。

ヒラリーが、彼らの完全な下僕である、アメリカを支配しているオリガーキーは、これを心配しているのだ。連中は、トランプに一体何をするつもりだろう? 彼の運命は、ジョン・F・ケネディや、ロバート・ケネディや、マーチン・ルーサー・キングやジョージ・ウォーレスと同じになるのだろうか? 時間がたてば分かる。それとも、オリガーキーがドミニク・ストロス-カーンを排除したのと同じ形で、最後の瞬間に、ホテル・メイドが登場するのだろうか?

アメリカと欧米のフェミニスト、進歩派や左翼の残滓全員が、ストロス-カーンをはめた、この見え見えのでっち上げにひっかかった。ストロス-カーンがフランス大統領になるのを阻止され、IMF理事長を辞任した後、ニューヨーク当局は、ストロス-カーンに対する全ての告訴を取り下げざるを得なかった。だが、アメリカ政府は、その傀儡サルコジを、フランス大統領に据えることに成功した。

これが、アメリカのオリガーキーが、自分たちの権益のためにならない可能性があると疑った人々を破壊する手口だ。堕落した利己的なオリガーキー連中は、政府、マスコミ、シンクタンク、ほぼ全ての主要大学、そして、もちろん、売女マスコミを通して、アメリカ人の心を完全に自分たちのものに。
今オリガーキーは、ヒラリーを、アメリカ大統領として救い出すのに苦労しているが、オリガーキーが、またしても無頓着なアメリカ人をだませるかどうか見ようではないか。

待ちながら、もう一つの重大問題を考えてみよう。クリントン犯罪集団は、二十世紀末期に、ごく少数の超巨大企業が、アメリカ・マスコミを、わずか数社にまとめるのを可能にした。このオリガーキー権力の途方もない強化は、アメリカ反トラスト法や、分散した独立マスコミというアメリカの伝統にもかかわらず実現された。

だが実際、1パーセントにとって、連邦法は一体どのような意味があるのだろう。全く意味はない。彼らは連邦法を適用されずに済むのだ。ヒラリーは犯罪で、選挙で敗れるかもしれないが、投獄されることはあるまい。

アメリカ・マスコミの90%支配には満足せず、オリガーキーは、更なる集中と支配を望んでいる。全く堕落したアメリカ政府のおかげで、連中はそれを実現しつつあるように見える。
連邦取引委員会FTCは、アメリカ反トラスト法を施行するすることになっている。ところが、堕落した連邦政府機関は、事業権益の独占集中を認めて、当たり前のように、アメリカ反トラスト法に違反している。

連邦政府が連邦法を施行しそこねているおかげで、現在“大きすぎて潰せない銀行”や、規制されないインターネット独占や、分散した独立メディアの骨抜きがおきている。

かつては、反トラストとして知られている経済学の分野があった。独占権力に対する公的支配を専門とする博士論文提出資格者が、学位論文を書いたものだった。私が若かった頃のアメリカにあったような、この経済学の分野は、もはや存在していないのではあるまいかと私は思う。

下記記事で、ラフル・マンチャンダが、“アメリカ憲法と、第一修正を骨抜きにする、巨大な権力、資金、富、脅し、陰謀と支配”強化のために、もう一つの途方もなく巨大なマスコミを生み出すべく、またしても、もう一つの巨大マスコミ・コングロマリットが、別の巨大マスコミ・コングロマリットに飲み込まれ、買収されようとしていることを説明している
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-4a08.html



26. 中川隆[4836] koaQ7Jey 2016年11月06日 09:27:59: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5250]

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一枚の写真から分かる悪魔の手先ヒラリーの本性 自身は脳血栓で自滅 溺愛のリビア米大使も報復で死亡 アベノミクスにも陰り 
http://www.asyura2.com/13/warb11/msg/167.html


上の写真は、アメリカ軍の兵隊と一緒にピースサインを出す、最高の笑顔を浮かべたヒラリーという印象である。
しかし、事実を知るヒラリーの本性が分かる。


実は、写真は、カダフィが惨殺される2日前の2011年10月18日に撮影された。
彼女の周りの男たちは、アメリカ軍の兵隊はひとりもいない。マフィアのような男たちは、リビア人やアラブ人ではない。彼らは、アフガニスタン人であり、アメリカの特殊部隊に雇われている傭兵(マーシナリー)である。この男たちが首にかけている認識カードは、背後の米軍輸送機に乗れる資格証である。


当日ヒラリーは、カダフィー暗殺部隊最高司令官として着任した。まるでマッカサーのように、思いのままに、防諜作戦を遂行し、その成果如何で次期大統領の椅子が約束されていることを確信しての満願の笑顔だったのだ。


しかし、ヒラリーと一緒に映っている彼らは、カダフィを殺した後、処分された。
彼らは、故郷のアフガニスタンに凱旋(がいせん)しようとして、首都カブールの空港に着陸しようとしたとき、タリバーンの反政府ゲリラ(笑)のロケット弾で撃墜され、全員、死亡。アメリカによる実行犯たちのáÄ口封じ”である。


その“巨大なワル女”のヒラリー・クリントンが、ついに脳血栓(のうけっせん)で倒れた。
失神してゲロを吐いて倒れて(始めはウイルス性腹痛と発表。安倍晋三も近いかな?)、緊急入院後に、脳血栓が見つかった。それは、日本では総選挙の当日の12月16日(アメリカでは15日)のことだった。 これでヒラリーはおしまいだ。 彼女が、次の米大統領になる可能性は突然、消えたのだった。


その前に、ヒラリー(の脳)を死ぬほど苦しめる大事件が、リビアで起きていた。


事件はアメリカ政界を揺さぶる巨大な事件になる可能性があった。その後、10月22日の第3回のオバマと、ロムニー共和党候補者のディベートの確か、前日に、ヒラリーが、 “ I am responsible for Libya .” 「私にリビアで起きた事件について(大きな)責任がある」 記者会見で発言した。


このことで、リビア米大使館襲撃(された)事件の責任が、オバマにはない、ということになって、外交問題を巡る共和党系国民からの、オバマへの激しい非難を、オバマは回避することができた。出来た、ということにアメリカ国内の国論として決まったのである。


(転載貼り付け始め)


●「駐リビア米大使死亡か 領事館襲撃事件」
2012年9月12日 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120912/mds12091219240002-n1.htm

ロイター通信などは9月12日、リビア当局者の話として、同国北東部ベンガジの米領事館が11日に群衆に襲撃された事件で、米国のクリストファー・ スティーブンズ駐リビア大使を含む計4人が死亡したと伝えた。

米国務省は襲撃で職員1人が死亡したとしているが、詳細は明らかにしていない。中東の衛星テレビ、アルジャジーラによると、大使は出張でベンガ ジを訪れていたという。ほかの3人も大使館職員としている。

群衆はロケット砲も使用、領事館は放火され、略奪もあったという。リビアでは、昨年8月にカダフィ政権が崩壊したが、内戦時に大量に出回った武 器の回収が進まず、貧弱な治安体制が浮き彫りとなった。(共同通信)

(転載貼り付け終わり)


一体、どういう大事件がこの時、起きていたのか。今に至るも、日本国民は、指導者層を含めて、この「9月11日、リビア米領事館襲撃、そして、米大使以下4人の死亡」という事件の真実と大きな波紋のことを誰も知らない。この私でさえ、11月に入ってからようよくその全体像を知った。


それは、ヒラリーが、その前年の2011年10月20日に、リビアの最高指導者のカダフィを、ヒラリーが送り込んだ殺し屋部隊に惨殺させたからである。 その報復、仕返し、復讐の事件が、だから、その翌年の9月11日に、リビア第二都市であるベンガジ(首都トリポリに次ぐ)で起きたからだ。


相手を殺してやる、というほどの、復讐の気持ちほど、恐ろしいものはない。自分の身はどうなってもいいから、自分の体に爆弾を巻きつけて、敵の陣地にまで、自殺攻撃(スーサイダル・ボミング)を仕掛けるほどの 深い憎しみ、憎悪、怨念こそは、 私たち人間(人類)を突き動かす本当の、時代の変化のモーメンタム(動因)である。決心して人を殺しにゆくほどの深い憎しみを双方が持つことが日常的にならなければ戦争にはならない。


ここに、殺されて、その死体を地面に引き釣り回される、リビア駐在米大使であった、アメリカの国務省キャリア外交官で、人殺し部隊の司令官であった クリストファー・スティーブンスの 画像写真を貼り付ける。 謀略国家 アメリカ の手先を今もやり続ける者たちは、人にあまりにもひどいことをしたら、自分もこういう目に遭うのだ、という戒めの為にまざまざと見つめるがいい。


↑ 駐リビア米大使クリストファー・ スティーブンス の死体。民衆にひきづり回されている。

この アメリカの人殺し部隊の司令官であった クリス・スティーブンスに哀悼の気持ちなど抱かない。リビアや中東の人々にあまりにも残虐なことばかりしてきた人間の末路だと、自業自得なのだ。


今でも、虐殺されて血だらけで横たわっているカダフィの死体の写真を、自分の家の通路の壁に飾って、時々、拝んでいる人間だ。リビア国民はカダフィ政権が、無理やり、フランス・ユーロファイターの爆撃隊とアメリカのグローバル・ホーク(無人偵察殺人機。プレデター)と 「アルカイーダ」や反政府勢力と称するイスラエルとアメリカの特殊軍が育てた人殺し専門のならず者たちによって計画的に打ち倒されたことを知っている。


1994年のソマリアのモガデシオで起きた米海兵隊のブラック・ホーク撃墜と、ソマリア民衆による米兵士の死体引き釣り回し(裸にして縄にかけて地面をひきづる)の事件とは少し違うのだ。なぜなら襲撃されて殺されて死体を引き釣り回されたのは、今回は軍人ではないアメリカのキャリア外交官で大使(アンバサダー)だったからだ。大使はその国家を対外的に代表する。


大使というのは、元々は王様(国王)のお友達のような人間で、白い手袋を脱いで相手国に投げつけたら、それは宣戦布告を意味する。日本でも大使は今は認証官(にんしょうかん)というが、昔は、天皇の勅任官(ちょくにんかん)である。


そして、このクリストファー・スティーブンス J. Christopher Stevens は、ヒラリー国務長官の信頼の厚い、直属の家来だった。スティーブンスは、自分たちのカダフィ殺しの一周年記念のパーティをベンガジの米領事館で開こうと有頂天になって準備していたのだ。


そして、ヒラリーが大統領になるだろうから、その時は、自分もホワイトハウスの別室をもらって、ネオコン派としての凶暴な世界軍事制圧計画のプランナー、戦略家になれる、と本当に信じ込んでいたようだ。


このクリストファー・スティーブンスの横にいて、「日本食い尽くし極悪人」のアーミテージとそっくりのタコ入道の男が、情報管理担当官のショーン・スミスSean Smithである。死んだあとのふたりは、米海軍の特殊部隊のアザラシ部隊 Seals の隊員だった者たちだ。自分たちが人殺し、暗殺部隊だから、自分たちも同じように殺されたのだ。


このことが、ヒラリーにとっての痛恨の事態となった。 この 死体ひきづり回しの画像がネット上に公開された9月11日から、アメリカ政界は大騒ぎになった。そして、それが今も「リビア米領事館襲撃(された)事件の責任問題」として、日本の新聞記事にもチラチラ、前後の真実の説明もなく 書かれているのである。 


以下は、このアメリカ大使殺しのことを記したものある。


(転載貼り付け始め)


ここでひとつ重要な事件が起きた。 オバマが11 月4日の大統領選挙で再選される、その2週間前の対論(ディベート)で、オバマが共和党のロムニーの追撃をかわして逃げきったとされるシーンがあった。


日本人にはほんの瞬間のことだったのでよくわからなかった。外交問題を巡る議論の最中でのことだ。アメリカ政治分析の専門家であるこの私にも、この瞬間の重要性がはっきりと理解できるのにその後1ヵ月かかった。どうやらアメリカ国民の間で、大統領選挙戦の最中のこの9月、10 月にひとつの大きな山場があったのだ。


それはアメリカの金融・経済や雇用や景気回復の話ではなかった。
問題は、リビアのベンガジ(首都トリポリに次ぐ都市)で、2012年9月11日に起きていてた駐リビア・アメリカ大使が殺された事件である。この時に殺されたアメリカ国務省の外交官は駐リビア大使だったクリス・スティーブンスである。・・・・


2012年9月11日に、リビアのベンガジで、アメリカ領事のクリス・スティーブンスが、リビアの民衆に殺され、遺体が引きずり回された。この事件は、前年2011年2月からの「アラブの春」で、カダフィ大佐が、アメリカ主導の「仕組まれた民主化運動」によって、悲惨な殺され方をしたことへの、リビア民衆の報復であった。
スティーブンスは、エリート外交官である。アメリカ領事館が民衆に襲撃されて殺されて、なんとその死体は路上で引きずり回されたのである。そのときの写真がインターネット上に流れてしまった。これでアメリカ国民の多くの顔がひきつったのである。
 何故なら、リビアで米外交官が殺されたのは、一年前の2011年10 月20 日にリビア中部の町で殺された指導者カダフィの惨殺に対する報復、復讐劇だったからだ。


多くのアメリカ国民がこのことをすぐに悟った。「ヒラリーに忠実なテロ対策特殊部隊を指揮している外交官を、リビア人のカダフィ派の残党たちが、命がけで襲撃して殺したのだ。このクリス・スティーブンスはカダフィ惨殺の現地の責任者だ」と。
アメリカ国内の新聞記事には、どこにもあからさまにこの真実は書かれていない。しかしアメリカ国民ならこのことが空気 でわかる。だから、この直後からこの事件の責任問題が議会で騒がれた。


前述したスーザン・ライス(米国連大使)が早々と、「リビアの米領事館襲撃は、突発的な民衆の暴動によるものだ」とウソの発表をしてしまった。これで更に大騒ぎとなり、議会で、スーザン・ライスとヒラリー・クリントン国務長官を非難する声が大きくなった。
だから12 月中旬の今の今でもまだ、「次の国務長官はスーザン・ライスにする」とオバマ大統領が言っている。しかしオバマがいくら言っても、議会の共和党(筆頭 ジョン・マケイン議員)が「ウソつきの就任を認めない」と強固に反対している。


だからこの事件についてヒラリーが、ついに「私に責任がある。私は国務長官を辞める」と10月21日に 発言した。これで、オバマ自身に事件の責任が及ぶことがなくなった。これで、オバマはロムニーとの大統領戦のディベイト論戦で、この苦境から逃げきったのだ。
ヒラリーにしてみれば、「アラブの春」という凶悪で「安上がり」のテロ攻撃路線( アメリカとアラブ過激派の、一体どっちがテロリストなのか分からない)で、正規の米軍を使わないで、中小国の政権転覆をやってきたことへのしっぺ返しが起きたのだ。人にひどいことをした者は必ず自分もひどい目に合うのだ。

(転載貼り付け終わり)


以上の経緯である。3年前から、オバマの次は、オバマが病気で倒れて次は、狂暴なヒラリーが大統領になる、と予測(予言)してきた。しかし、ゲロを吐いて脳震盪を起こして先に倒れたのはヒラリーの方であった。これで“ワル女“(中国人は皆、ヒラリーが嫌いである。中国に戦争を、アメリカの属国群を使って仕掛けてくるからだ)は終わった。 だから、あとはオバマが倒れて、副大統領のバイデン(CFR派)が後をやる、ということだ。


その時、凶暴なネオコン派が誰を副大統領に送り込むか、である。 それでも、 アメリカの 軍人たちと 教員たち、公務員たちすべての給料を払う原資ががないので、日本の安倍晋三に、「50兆円分の 米国債を買います。それで日本を更に円安と 株高にしてください」 この2月はじめの訪米で言わせるのだ。


それでも この秋から、スペインで再び金融危機が起きる。ユーロは暴落する(今は、1ユーロ=114円まで上がった。今のうちに、ユーロ建てのファンドなどは解約するように) 。 ヨーロッパの国家債務危機が再発して、それはアメリカの財政危機と連動する。その時に、日本国債の暴落の危機が、この秋から生まれる。


この年末12月23日に放映されたNHKの 「日本国債がやがて暴落する」(利回り1%から3・8%への金利暴騰を、米ヘッジファンドどもが仕組んでいる、とする。投資家のジム・ロジャーズを最期の場面で利用していた) の 日本国民を恐怖に陥(おとしい)れ、脅迫している番組は、あれは日本財務省が仕組んで、NHKに作らせた“やらせ番組“である。
 
このことを私たちは鋭い警戒心と共に見抜かなければならない。あの番組に出てきた 幸田真音(こうだまいん)という性悪女(しょうわるおんな)は、日本の国税庁のキャリア上がりの謀略評論家である。私たち日本国民を脅して、財務省に屈服させようとするのだ。
 
軍産複合体企業の取り巻きたちは、こんな瀕死のヒラリーを、2016年の大統領選に担ぎ出そうと躍起だ。日本でのボケ老人「石原」をヨイショする輩と似ている気がする。
●Rested-looking Hillary Clinton dodges 2016 talk and says she just wants to relax at first paid speech since leaving office




27. 中川隆[4839] koaQ7Jey 2016年11月06日 11:05:39: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5253]

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ヒラリー・クリントンとは誰か
  ーーアメリカ大統領選挙を目前にして
 国際教育総合文化研究所 寺 島 隆 吉  2016年11月2日付

 
 アメリカの選挙情勢は11月8日の投票日を目前にしながら混沌としています。
 というのは、オバマ大統領や民主党幹部・特権階級だけでなく金融街や大手メディアからも圧倒的な支援を得ながらも、世論調査ではヒラリー・クリントン氏とドナルド・トランプ氏の支持率は拮抗しているからです。

 トランプ氏は共和党幹部からもアメリカの財界・支配層からも支持や援助を得ていないにもかかわらず、そして大手メディアから袋叩きにあいながらも、拮抗状態なのです。
 たとえば、民主党のヒラリー女史は、10月19日に行われた最後のテレビ討論に出演しましたが、直後におこなわれたCNNテレビおよび世論調査機関ORCの調べでは、クリントン女史が勝ったと答えた回答者は52%、反対にトランプ氏が上まわったと答えたのは39%に留まっていました。

 ところがワシントン・タイムズ紙は、最後のテレビ討論に関する緊急調査で、同討論会で共和党の大統領候補ドナルド・トランプ氏がライバルのヒラリー・クリントン氏に圧勝したと報じているのです。

 同紙はサイト上で討論後に「最後の討論会、勝ったのはどっち?」という質問をおこなったのですが、討論の終了直後、トランプ氏には77%または1万8290票だったのに反し、ヒラリー女史には4100票または17%しか集まりませんでした。

 その後しばらく経つと状況はさらに変わり、10月20日の日本時間14時35分にはトランプ氏3万2000票(74%)クリントン氏9000票(21%)となりました。

 ワシントン・タイムズは米国で最も著名かつ保守的な編集方針で知られていますから、新聞社のバイアスがかかっているのかも知れませんが、それにしても、トランプ氏は圧倒的な支持を得ているのです。

 さらに、米国大統領選挙まであと16日という時点(10月23日)でのロサンゼルス・タイムズの世論調査では「トランプ支持44・4%、ヒラリーン支持44・1%」という結果でした。

 ご覧のとおり、共和党トランプ氏と民主党ヒラリー女史の支持率は、ほぼ拮抗しているのです。

     *

 さらに、もうひとつ面白い情報があります。「Sputnik日本」(10月28日)は、イギリス高級紙インデペンデントからの情報として次のような記事を載せているのです。

 ニューヨーク大学のヘルムト・ノーポース教授は、自分の作った米大統領選結果予測モデルによると勝利するのは共和党のドナルド・トランプ候補であることを明らかにした。インデペンデント紙が報じている。

 ノーポース教授の開発した選挙結果予測モデルは1992年から今までの米大統領選挙の予測を2000年の一度を除いて全て当てている。モデルは2000年は民主党の勝利を予測したが、実際はフロリダ州の浮遊票を集め、共和党のジョージ・ブッシュ氏が当選した。

 さて今回だが、このモデルの予測ではプライマリーでより見事な演説を行なった候補者が勝利する。ノースポース氏の見解では、プライマリー(予備選)で勝利を収めたのはトランプ氏で、このことから選挙で勝利する確率は高い。

     *

 トランプ氏は共和党幹部からもアメリカの財界・支配層からも支持や援助を得ていません。にもかかわらず、そして大手メディアから袋叩きにあいながらも、なぜこのように選挙で勝利する確率が高くなっているのでしょうか。

 それはヒラリー女史とトランプ氏の論争が進めば進むほど、ヒラリー女史の本性が民衆に分かり始めてきたことです。

 すでに民主党内の予備選でさえ、社会主義者を自称するバーニー・サンダース氏に追い上げられて、一時はサンダース氏が勝利するかも知れないと言われていたことすらあったのですが民主党幹部の裏工作、大手メディアの加勢で何とか乗り切ることができました。この間の事情を櫻井ジャーナル(2016年6月17日)は次のように書いています。

 ところで、民主党幹部たちが昨年5月26日の時点でヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆する電子メールが公表されている。本ブログでは何度か取り上げたように、昨年6月11日から14日にかけてオーストリアで開かれたビルダーバーグ・グループの会合にヒラリーの旧友であるジム・メッシナが参加、欧米の支配層は彼女を大統領にする方向で動き出したと言われていたわけで、この電子メールの内容は驚きでない。

 この内定を揺るがしたのがサンダース。急速に人気を集め、支持率はヒラリーと拮抗するまでになった。ただ、そうした動きが現れる前に選挙人登録は終わっていたため、支持率が投票に反映されたとは言い難い。例えば、4月に投票があったニューヨーク州の場合は昨年10月9日までに民主党と共和党のどちらを支持しているかを登録しておかないと予備選で投票できず、投票できなかった人が少なくない。

     *

 このニューヨーク州の事態については長周新聞2016年5月4日で、私は「続・世界に恥ずべきアメリカの選挙制度」と題して既に拙論を載せてあったのですが、サンダース氏の進出を阻止する動きがもっと露骨になったのはカリフォルニア州の予備選でした。

 それを櫻井ジャーナルは上記に続けて次のように書いています。

 支持政党を登録していなくても投票できるカリフォルニアで予備選が行われる直前の世論調査ではサンダースがクリントンをリード、幹部たちを慌てさせたようだ。民主党支持者ではサンダースが57%、クリントンが40%、無所属の人ではそれぞれ68%と26%だとされている。

 そうした状況の中、予備選の前夜にAP通信は「クリントン勝利」を宣告した。「スーパー代議員(上位代議員、あるいは特別代議員と訳されている)」の投票予測でクリントンが圧倒し、勝利は確定しているというのだ。この「報道」がカリフォルニアにおける予備選でサンダースへの投票を減らしたことは間違いないだろう。

 カリフォルニア州の場合、本ブログではすでに紹介したように、投票妨害とも言えそうなことが行われていたという。政党の登録をしなかった人びとはサンダースを支持する人が多く、民主党の登録をしている人はヒラリー支持者が多いが、登録しているかしていないかで投票用紙が違う。

 投票所によっては投票用紙を受け取ろうとすると、政党無登録の人には予備選に投票できない用紙を自動的に渡す投票所があったという。投票するためには民主党支持変更用紙を要求しなければならない。予備選に投票するにはどうすべきかと尋ねられた係員は、政党無登録の人には民主党用の用紙は渡せないと答え、民主党支持変更用紙のことには触れないよう指示されていたケースもあったようだ。


     *

 こうした動きのなかで、突如、サンダース氏は選挙戦から降りると宣言し、勢いを増しつつあった支持者の運動や願いを裏切り、あろうことか「ヒラリー女史こそ大統領としてベストの候補者だ」という演説までもするようになりました。

 ではサンダース氏が今まで言ってきたこと、「ヒラリー女史はウォール街と一心同体であり富裕層の代弁者だ」という言はどこへ行ったのかと、支持者たちはやりきれない思いをしたに違いありません。

 ヒラリー女史および民主党幹部とサンダース氏の間に、裏でどんな取引があったのか分かりませんが、とにかくヒラリー女史はこうして無事に予備選をくぐり抜け、本選に挑むことができるようになりました。

 しかし相手は共和党のなかでさえ評判の悪いトランプ氏ですから、ヒラリー女史は本選では楽勝となり、「アメリカ史で初めての女性大統領」という栄冠を難なく手にすることができると思われていました。

 ところがウィキリークスがヒラリー女史や民主党幹部の裏舞台を暴露し始めた頃から雲行きが怪しくなってきました。

 元共和党政権の経済政策担当の財務次官補のポール・グレイグ・ロバーツは自分のブログ(2016年10月5日)で、それを次のように書いています。

 「…。彼女は、ウォール街・巨大銀行・軍産複合体の巨大な政治力を有するひと握りの連中、および外国利益の集団によって買収されている。その証拠は、クリントンの1億2000万ドルという個人資産と、2人の財団の16億万ドルだ。ゴールドマン・サックスは、講演で語られた智恵に対して、ヒラリーの3回の20分講演に、67万5000ドルを払ったわけではあるまい。…」

*Washington Leads The World To War
「世界を戦争へ導くワシントン」

     *

 上記で登場するゴールドマン・サックスは、2008年の世界金融危機の震源地のひとつとなった世界最大級の投資銀行です。そのように世界経済を破壊した機関で講演すること自体が問題ですが、その謝礼も私たち凡人の想像を絶する金額です。

 かつて私が大学教授として60〜90分の講演をしても、その謝礼は3〜5万円でしたから(ときには全く無料のものもあります)。ところがヒラリー女史は、そこで20分の講演を3回しただけで、67万5000ドル(約7000万円)の謝礼です。つまり、1回20分で約2300万円もの大金がもらえるのですから、いかに破格の謝礼であるかがよくわかるはずです。

 だからこそ、世界金融危機につながった住宅ローン担保証券の不正販売を巡る事件は、ゴールドマン・サックスから誰一人として刑務所に送られたものはなく、2016年1月に制裁金等33億ドルと借り手救済金18億ドルの和解金で決着してしまったのでしょう。世界最大級の投資銀行としては、おそらく、全くの端金(はしたがね)だったに違いありません。

 かつて民主党の支持基盤のひとつは労働組合だったのに、夫のビル・クリントンが大統領だったときにNAFTA(米国、カナダ・メキシコ3カ国による域内貿易自由化取り決め)によって、大企業がメキシコなどの国外へと移転して、労働者の多くは仕事を失いました。その結果、多くの労働組合が縮小・解体され、民主党は新しい財政基盤を必要とするようになりました。

 民主党が、労働者や一般民衆ではなく、財界や金融街に頼らざるを得なくなった物質的基盤は、このようなところにあります。自ら墓穴を掘ったと言うべきかも知れません。

 NAFTAを通じてビル・クリントンが追求した新自由主義政策は、貧富の格差を広げましたから、勤労者や貧困者から見れば、民主党というのは共和党と何も変わらない政党になったわけです。(日本の民進党と自民党も、全く同じ流れです。)

     *

 このような貧困化しつつあるアメリカ民衆の不満を代弁したかたちで登場したのが、民主党ではバーニー・サンダース氏であり、共和党ではドナルド・トランプ氏でした。しかし先述のとおり、サンダース氏は支持者を裏切るかたちで選挙戦から身を引きました。しかしトランプ氏の場合、共和党の幹部・特権階級からの妨害をものともせず進撃しつつあります。

 そして、かつては黒人票は民主党のものと思われていたのに、トランプ氏は着実に黒人票をも獲得しつつあるようです。とくに貧困層の黒人は、ヒラリー女史に見切りをつけ、トランプ氏に流れているようです。最近それを象徴する事件がありました。

 映画産業で有名なハリウッドの大通りには、有名スターの名前が入った星形メダルが埋め込まれた街路「ウォーク・オブ・フェイム」があるのですが、そのひとつにトランプ氏の名前が刻み込まれています。

 ところがヒラリー女史の支持者が、この刻み込まれたトランプ氏の名前をツルハシで破壊する事件が起きました。それにたいして今度は、この刻み込まれたトランプ氏の名前を守ろうとして座り込む女性が現れました。

 しかし、ここにもうひとつの事件が起きます。この座り込んでいた一人の黒人女性(しかもホームレスの老いた黒人女性だった)にたいして、なんとヒラリー女史支持者たちが罵詈雑言を浴びせかけ、彼女の衣類などが入っていたカートを彼女もろとも引っくり返して足蹴にする事件が起きたのです。そのうえ、なぜトランプを支持するかを書いた彼女のビラやポスターをずたずたに引き裂くようすがユーチューブに載せられたのでした。

 RT(2016年10月29日)の記事によれば、そのポスターのひとつには「オバマはクリントン一家に恩義を感じて我々黒人どもをバスの下に投げ込んでいる」といった文句が書かれていたそうです。

*Violent crowd attacks, insults homeless woman guarding Trump's Hollywood star
「暴力的群衆が、ハリウッド大通りに刻まれたトランプ氏の名前を守る女性を、襲ったり辱めたりした」

     *

 ロサンゼルス・タイムズは、今やカリフォルニア州立大学[全部で二三校から成るが全体でひとつの大学機構]の学生の、10人に1人がホームレスだと報じ(2016年6月20日)驚かされましたが、このような事態を生み出した民主党の特権階級にたいする怒りが、ホームレスの老いた黒人女性を上記のような行動に駆り立てたのではないでしょうか。

 「アメリカ史上、初の黒人大統領」と持てはやされる人物を頭(かしら)にいだく民主党政権が貧富の差を拡大させ、黒人どころか白人のホームレスまでもアメリカ全土に広がりつつあるのですから、実に皮肉と言えば皮肉です。

     *

 このような事態を考えると、社会主義者を自称するサンダース氏が選挙戦から落馬した現在、共和党から出馬したトランプ氏がアメリカ民衆の怒りを一身に背負うことになってきたことは、ある意味で当然のこととも言えます。

 これを裏書きするような象徴的な爆弾が、映画監督マイケル・ムーアによって投げつけられました。ムーアと言えば、映画『華氏九一一』やアメリカ医療を鋭く告発した映画『シッコ』などで有名ですが、そのムーア監督が、今度はトランプ氏を題材とした映画『トランプ・ランド』をつくりました。その映画上演会のため訪れたオハイオで彼は次のようなスピーチをして聴衆を驚かせました。

 「トランプ氏に投票する人たちは、必ずしもそんなに彼が好きなわけではありませんし、必ずしも彼の意見に同意しているというわけでもありません。彼らは必ずしも人種差別主義者ではありませんし、白人の肉体労働者でもありません。じっさい彼らはかなり礼儀正しい人たちです」

 「ドナルド・トランプ氏はデトロイト経済同友会にやって来て、フォード社の経営陣の前に立ってこう言ったのです。『あなた方がデトロイトでやろうと計画しているように、これらの工場を閉鎖してメキシコで建て直すつもりなら、そしてそこで生産した車をアメリカに送り返すなら、私はそれらの車に三五パーセントの関税率をつけるつもりだ。そうすれば誰もそれらを買わないだろう』」

 「それは、驚くべきことでした。政治家の誰も、共和党員であれ民主党員であれ、これまでに誰もそんなことを、これらの経営陣に言ったものはいません。それは、ミシガン州、オハイオ州、ペンシルバニア州、ウィスコンシン州の民衆の耳には実に心地よい調べだったでしょう。 Brexit の諸州、つまりアメリカから脱出しようとする大企業の存在する州では、民衆は同じ思いで聴くでしょう」

 「トランプ氏の言っていることが本気かどうかは、ここではあまり関係がありません。なぜなら、それは傷ついている人々が聴きたいと思っていたことだからです。だからこそ、あらゆる打ちのめされて役立たずになり忘れさられた一般労働者、いわゆる中流階級の一部を成す人々のすべてが、トランプ氏を好きになるのです」

 「トランプ氏は、そのような人たちの待ち望んでいた人間火焔瓶・人間手榴弾なのです。彼らは、自分たちから生活を盗み奪った組織や機構に、それを投げ込むことができるからです」

 「そして11月8日は選挙の投票日です。民衆・勤労者は仕事を失い、銀行によって家を差し押さえされ、次にやってきたのが離婚。今や妻と子供は去って自分のところにはいない。そして車も回収・没収。彼らは何年ものあいだ本当の休暇をとったことがない。くそにもならないオバマケア(医療保険改革法)ブロンズプランは、お先真っ暗。この保険では解熱剤すら手に入らない。要するに彼らは持てるもの全てを失ったのです。民衆の手に残されたものがひとつだけあります。それをもつには一セントのお金すら必要ありません。それは合州国憲法によって所有が保証されているからです。それが投票権です」
 
*Michael Moore just gave the most convincing speech for Trump
「マイケル・ムーアが、今までのなかで最も説得力のある演説をトランプ氏のためにおこなった」

     *

 ムーア監督のスピーチは、まだ続いているのですが長くなるので、翻訳はここで止めます。

 ただスピーチの最後が、「トランプが選ばれれば、人類史に記録された最大の『くたばれ、この野郎』になること間違いなしです。勤労大衆にはさぞかし気持ちのよいことでしょう」で結ばれていることだけを紹介しておきます。

 今までサンダースを支援していたムーア監督が、ことここに至って、このようなスピーチをせざるを得なくなった悔しさがにじみ出ているようなスピーチではありませんか。

 ゼネラルモーターズの生産拠点の一つであったミシガン州フリントで生まれたムーア監督が、故郷フリントの自動車工場が閉鎖され失業者が増大したことを題材にしたドキュメンタリーの名作『ロジャー&ミー』をつくっているだけに、この無念さはひとしおだったことでしょう。

     *

 さて、このようなトランプ氏の動きに対してヒラリー女史はどのように対応したでしょうか。

 最初は財界寄りの政策でしたがサンダースの打ち出す政策が民主党の若者や貧困層の支持を得て自分が劣勢になりそうなのに気づいて、TPPなど民衆の生活を破壊する政策に反対を表明するように変わってきました。

 しかし最近のウィキリークスが暴露したところによると、「政治家は表の顔と裏の顔があるのは当然だ」とする意見を彼女は身内のものに漏らしています。さらに予備選では「左寄りの政策を掲げても本選では右に戻せばよい」とも語っています。

 もっと恐ろしいことには、RT(2016年10月29日)の記事によれば、彼女は『Jewish Press』というユダヤ人のための週刊紙のインタビューで、「パレスチナの選挙に裏工作をしてファタハを勝たせるべきだった、そうすればハマスの一派が勝利することはなかった」とすら述べています。

*Clinton bemoans US not rigging 2006 Palestinian election in newly-released tape
「クリントンは、新しく公開されたテープ録音のなかで、2006年のパレスチナにおける選挙で不正操作しなかったことを、嘆いている」

     *

 このようにヒラリー女史は、他国の選挙に干渉して傀儡(かいらい)政権をつくることを何ら悪いことだと思っていないのです。

 2014年のウクライナ政変では、彼女の盟友であるヌーランド国務次官補が、米国ウクライナ大使と一緒になって反政府デモに加わり、デモ参加者にお菓子を配って歩いている光景が堂々とテレビ画面に登場していますが、これほど露骨な内政干渉はないでしょう。

 (ロシアの外務省高官や在米大使館員が、ニューヨークその他のデモや集会、座り込みテントに参加して、差し入れなどすれば、アメリカがどんな態度をとるか。想像してみればすぐ分かることです。)

 ところがトランプ氏との論争になると、ヒラリー女史は、政策をめぐる論争はほとんどやめてしまい、「トランプ氏はプーチンの操り人形だ」とか「ウィキリークスによるヒラリー関係のメール暴露は、プーチンがアメリカのコンピュータに侵入してウィキリークスに渡したものだ」といった主張を繰りかえすだけになってしまいました。政策論争ではトランプ氏と争っても勝ち目がないということを自ら認めたに等しいでしょう。

 それどころか、自分が国務長官として公的なメールサーバーを使うべきだったのに、私的サーバーを使って外部から侵入しやすくなったことにたいする反省もありませんし、その漏れた国家的重要機密情報が、リビアのアメリカ大使館に勤務する大使その他の職員をイスラム原理主義者による死に至らしめる結果になったかも知れないのに、そのことにたいする反省もありません。

 もっと奇妙なのは、このように私的サーバーを使って最高機密情報を漏らした当人は、FBIから訴追されることもなく堂々と選挙に出馬できているという事態です。イラクにおける米軍の悪事を暴いたマニング上等兵が牢獄につながれ元情報機関職員だったスノーデンが亡命に追い込まれたのとは、天と地の違いです。「悪いやつほどよく眠る」の典型例と言うべきかも知れません。

     *

 ここまでは、ドナルド・トランプ氏と比較しながら、アメリカの国内政策を中心にして「ヒラリー・クリントンとは誰か」を論じてきたのですが、以下では外交政策をとりあげてヒラリー女史の問題点を探ってみたいと思います。

 しかし、これを論じていると長大なものになる予感がするので、今回は幹の部分だけを紹介して詳しくは次回に譲りたいと思います。

 それはともかく、ヒラリー女史とトランプ氏の外交政策における最大の違いは、ロシアとどう対峙するかという問題です。いまアメリカはシリアにおける内戦をどう解決するかという点で、ロシアと鋭く対立しているからです。

 いまヒラリー女史がシリア情勢で強く主張しているのは「リビア内戦時と同じようにシリアにおいても飛行禁止区域をもうけるべきだ」ということです。その理由としてあげられているのが、「ロシア軍とシリア政府軍がシリア第二の大都市アレッポを無差別に爆撃し一般市民からたくさんの犠牲者が出ているから」という口実です。

 これにたいしてトランプ氏は次のように主張しています。

 「アメリカは他国に内政干渉したり政権転覆に手を出すべきではない。国内には問題が山積していて他国に手を出す余裕などないはずだ」

 「今はロシアと手をつないで、『アルカイダ』『イスラム国』といったテロリスト=イスラム原理主義者集団をシリアから追い出すべきだ」

 これに関してロシアもシリア政府も、「リビア内戦時と同じようにシリアにおいても飛行禁止区域をもうけるべきだという主張は、シリアをリビアと同じような混乱に陥れ、シリアを破壊・解体して、さらに死傷者と難民を激増させるだけだ。休戦地帯をもうけろと言う主張は、テロと戦うという名目でアサド政権をつぶそうとする隠れ蓑にすぎない」と反論しています。

 この飛行禁止区域の設定については、ロシアもシリア政府も次のように主張し、アメリカの要求をきっぱりと退ける姿勢を示しています。

 「アレッポの東部地区を占拠して一般市民を『人間の盾』としながら休戦協定を無視してアレッポの西部地区の一般市民を無差別に攻撃しているのは、むしろ反政府勢力のほうだ。しかも彼らはアメリカの主張する『穏健派』どころか、『アルカイダ』『イスラム国』の一派であり、シリアには『穏健派』など存在しない」

     *

 ですから、このまま緊張状態が続けば、アメリカ軍とロシア軍との直接的な戦闘になり、いつ世界大戦になるか、いつ核戦争になるか分からない情勢です。トランプ氏は「『アルカイダ』『イスラム国』といった過激なイスラム原理集団をつくり出したのは、アメリカなのだから、そのような政策から手を引くべきだ」と言っているのですから、今までの感覚でアメリカを見ていたひとたちは頭が混乱するかも知れません。

 というのは、従来の図式からすれば、民主党=リベラル=ハト派であり、共和党=保守派=タカ派なのに、ヒラリー女史の方がトランプ氏よりはるかに好戦的だからです。それに反してトランプ氏は、ロイター通信(2016年10月25日)によれば、「ヒラリー氏が大統領になれば第三次世界大戦になりかねない」と主張しています。

 これはトランプ氏の単なる選挙戦術のようにもみえますが、同じ警告はあちこちから聞こえてきます。

 すでに前半で紹介したように、元共和党政権の経済政策担当の財務次官補だったポール・グレイグ・ロバーツは自分のブログ(2016年10月5日)で、下記のような「戦争に導くワシントン」という記事を書いています。

*Washington Leads The World To War
「世界を戦争へと導くワシントン」

 またイギリスの保守的高級紙と言われるインデペンデント紙(2016年10月25日)も次のような論文を載せています。

*Could Hillary Clinton start a world war? Sure as hell she could? and here's how
「ヒラリー・クリントンは世界大戦を始める可能性があるか、確かにそうだ。それはこうして始まる」

 どちらかというと今まではトランプに批判的だったインデペンデント紙がこのような論説を載せるようになったこと自体が、現在の情勢がいかに緊迫しているかをしめすものではないでしょうか。

     *

 もっと驚いたことには、調べてみると既に四月の時点で、クリントン氏の自叙伝の著者ディアナ・ジョンストン氏は、イタリアのイオ・ジョルナーレ紙のインタビューで、「クリントン氏の大統領選の勝利は、第三次世界大戦の勃発も含め予想外の結果をもたらす可能性がある」と語っているのです。

 RTの記事(2016年4月29日)によると、ジョンストン氏は次のように語っています。

 クリントン氏がまだ国務長官に在任していた頃、押しの強い外交政策を掲げていた。クリントン氏はアメリカのイラク侵攻及びリビアでの戦争参加を支持し、そして現在はシリアのバッシャール・アサド大統領に反対する姿勢を支持している。これに加え、クリントン氏は反ロシア的見解に固執している。世界は不安を呼び起こすような選挙公約を掲げるクリントン氏の「積極的な活動」に対して用心するべきだ。クリントン氏は外交の代わりに軍事力を用い、あらゆる事件が第三次世界大戦を引き起こしかねないほどにNATOを強化するつもりである。

     *

 このように、今まさに世界はアメリカ大統領選挙を前にして「伸るか反るか」の曲がり角に来ているのです。にもかかわらず、アメリカや日本の、リベラルを自称する知識人も大手メディアも、「アメリカ史上、初の女性大統領」という殺し文句に惑わされて、現在の深刻な事態が見えなくなっているように思われます。

 しかし現在の事態の深刻さを理解してもらうためには、ヒラリー女史が国務長官だったときだけでなく、それ以前に外交政策で彼女が何を主張し、どのような行動をとってきたかを、もっと詳しく説明する必要があります。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/hirarikurinntontohadareka.html



28. 中川隆[4843] koaQ7Jey 2016年11月06日 12:40:19: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5257]

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オリガーキーは、大統領選挙で、まだ不正ができるだろうか?
Paul Craig Roberts 2016年11月4、

選挙は、トランプが負けるように仕組まれていた。サンプル中のヒラリー支持者を過大評価して、ゆがめた世論の目的はそれだった。ヒラリーが先行しているという聞き取り世論調査結果から数週間後には、国民は、選挙不正という主張を割り引きして聞くだろう。電子投票のおかげで、選挙投票の結果を改竄するのが容易になっており、不正選挙専門家による、いかにして不正が行われかという説明を私は掲載した。

彼らには、トランプを支配できるか確信がなく、ヒラリーは彼らの手先なので、オリガーキーが、ドナルド・トランプをホワイト・ハウスの主にしたくないと思っているのは明らかだ。

FBIによる、ヒラリーと関連スキャンダル捜査再開によって、彼女の周辺至る所で爆発がおきており、不正選挙は一層リスキーとなっただけでなく、オリガーキー自身の利益にならない可能性が高まっている。

イメージと金は、オリガーキー権力の一環だ。もしアメリカ人が、現在、重罪で捜査されている人物を大統領に選べば、アメリカのイメージは大打撃を受ける。

しかも、ヒラリー大統領は、何年も捜査対象になるだろう。これだけ脚光を浴びてしまっていては、彼女はオリガーキーの利益のために働くことはできまい。彼らにとって、彼女は無価値で、実際、ヒラリーと、オリガーキーとの様々なつながりを明るみに出す捜査は、オリガーキに打撃を与えかねない。

言い換えれば、オリガーキーにとって、ヒラリーは財産から負債に代わってしまったのだ。

ヒラリーが大統領になれば、我が国は混乱に陥りかねない。彼女が就任宣誓をして大統領になり次第、ヒラリーは、コミーFBI長官を首にして、捜査を終わらせると考えるほど、オリガーキーは阿呆ではあるまいと私は思う。それを試みた最後の大統領は、リチャード・ニクソンだったが、それで彼が一体どうなったのかをお考え願いたい。

しかも、下院も上院いずれの共和党も、それを見過ごすまい。米議会下院監視・政府改革委員会委員長ジェイソン・チェィフェッツは、ヒラリーは既に“狙われ放題状態だ。始まる前なのに、既に二年分の材料が揃っている。”と断言した。ポール・ライアン下院議長は、捜査をしているうちに、証拠が出てくるだろうと言った。

もし読者がオリガーキーだったなら、自分たちの手先に、このような捜査を受けて欲しいと思うだろうか? もし読者がヒラリーだったなら、このような圧力を受けたいと思うだろうか?

もしFBIが大統領の起訴を勧告したら一体何が起きるだろう? もし司法長官が、起訴するのを拒否すれば、無頓着なアメリカ人でさえ隠蔽を見抜くだろう。アメリカ人は、政府に対するあらゆる信頼感をなくすだろう。混乱が支配的となるだろう。混乱は革命的なものになりかねず、それは、オリガーキーにとって、良いことではない。

しかも、もし報道が信頼に値するとすれば、みだらなスキャンダルが出番を待ちかまえているように見える。例えば、5月のフォックス・ニューズはこう報じていた。

“元大統領ビル・クリントンは、これまで報じられていた以上に、公認されている性犯罪者の悪名高いジェット機を遙かに頻繁に利用しており、飛行記録には、元大統領が“ロリータ・エクスプレス”に、少なくとも26回搭乗しているとあり、FoxNews.comが入手した記録によれば、少なくとも五回の飛行では、シークレット・サービス要員さえ振り切っていた。

“クリントンは、ジェフリー・エプスタインのボーイング727に、11回搭乗したことが報じられているが、飛行記録で、数はこの二倍以上で、2001年から、2003年までの旅行には、エプスタインや、乗客名簿で“タチアーナ”を含むイニシャルや名で記載されているお仲間の乗客と一緒の世界中の長期視察旅行が含まれていることが分かる。派手なジェット機に、ナボコフ風のあだ名がつけられたのは、乗客が、若い女性たちと、グループ・セックスをするベッドが装備されていると報じられているためだ。”

フォックス・ニューズは、エプスタインは、“未成年者に売春するようそそのかし、斡旋したかどで、服役したことがあると報じている。バージン諸島のリトル・セント・ジェームズと呼ばれるエプスタインの29万平方メートルの‘乱交パーティー島’で、友人たちに奉仕させるべく、12歳の幼い女性を斡旋した手配師チームを持っているとされている。” http://www.foxnews.com/us/2016/05/13/flight-logs-show-bill-clinton-flew-on-sex-offenders-jet-much-more-than-previously-known.html
私には、信憑性がわからないインターネット・サイトの中には、ヒラリーを、こうした飛行に結びつけているものがある。http://truepundit.com/breaking-bombshell-nypd-blows-whistle-on-new-hillary-emails-money-laundering-sex-crimes-with-children-child-exploitation-pay-to-play-perjury/

あらゆることから逃げおおせるのに慣れているビルとヒラリーだとは言え、この種の振る舞いは無謀に見える。それでも、もし読者が、再開されたヒラリー電子メール捜査と、クリントン財団に対するものなどの更なるFBI捜査を既に心配していて、ウィーナー元アメリカ下院議員のコンピューターにあった650,000通の電子メールから、一体何が出現するか、ニューヨーク市警による小児性愛者捜査がどうなるかを懸念しているオリガーキーであれば、ヒラリーを大統領執務室に据えるのは、良い判断には思えない。

現時点では、オリガーキーは、無頓着なアメリカ人が、重大犯罪で捜査されている人物をアメリカ大統領に選んで、アメリカの評判を破壊するのを認めるのではなく、トランプを負けさせるかわりに、トランプを勝たせるような不正選挙するのを選ぶのではあるまいかと私は考えている。

犯罪人がトップに立てば“例外的な国”であることが、新たな意味を持つことになる。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-d693.html



29. 中川隆[4846] koaQ7Jey 2016年11月06日 18:28:38: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5260]

▲△▽▼

【河添恵子】討論会でトランプさえも突っ込まないヒラリーのヤバイ裏側!
2016年10月21日【報道二郎・保守論NEWS】 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=CtmzBgj2Lh4


30. 中川隆[4850] koaQ7Jey 2016年11月07日 08:19:54: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5269]

▲△▽▼

なぜウォール街の金融産業はヒラリー・クリントンを見限ったのか?=高島康司
2016年11月6日
http://www.mag2.com/p/money/26043

FBIによる私用メール問題再捜査の背景として、メディア王・マードックの背後に控えるウォールストリートの金融産業が、ヒラリー・クリントンを最終的に見限った可能性が指摘されている。(『未来を見る!ヤスの備忘録連動メルマガ』高島康司)

※本記事は、未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 2016年11月4日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

ヒラリー・クリントン政権はどうせ短命、ならばトランプに乗り換えだ!

FBIコミー長官への「2つ圧力」

なぜコミーFBI長官は、クリントンとトランプが大接戦を繰り広げている大統領選挙の1週間前になって、あえて私用メール問題の捜査に踏み切ったのだろうか?

今年の夏にコミー長官は、クリントンの私用メールサーバから違法性のあるメールが出てくる可能性は低いので捜査をしない決定をした。これは急に捜査の開始を宣言したいまの状況とは対照的だ。コミー長官になんらかの圧力があったのかもしれない。

そのように思って調べると、やはり圧力があったことを示す情報が多数出てきた。

カナダのオタワ大学のミシェル・チョソドウスキー教授が中心となって運営しているシンクタンクに、『グローバル・リサーチ』がある。ここのサイトには、内外の分析者や調査ジャーナリストの書いた興味深い記事が多数掲載されている。

今回このサイトには、コミー長官にかけられた圧力と、捜査に踏み切らざるを得なかった動機をうかがい知ることのできる記事が多数掲載されていた。

1つ目の圧力。FBI内部からの反発

それらの記事を読むと、コミー長官には徹底した捜査を要求する2つの大きな圧力がかかっていたことが分かる。

ひとつは、FBI内部からの圧力だ。クリントンの私用メールサーバには、クリントンの違法行為を証明できるメールが多数あったにもかかわらず、コミー長官は大統領選挙への影響をおもんばかって本格的な捜査はしないことを決定をした。

長官のこの決定には、FBIの内部から強い批判があり、優秀な捜査官が何人も辞表を提出して、この決定に強く抗議した。コミー長官はFBIの組織の統合性を維持するためには、内部のこうした抗議に応える必要があった。

そのため、クリントンの側近、フーマ・アベディンのパソコンから見つかったメールは、徹底して捜査する意志を示さざるを得なかった。

もう1つの圧力。トランプ・マードック連合

しかし、コミー長官にかかった圧力はこれだけではない。きちんと証明されているわけではないが、大きな勢力からなんらかの圧力がかかっている可能性を示唆する記事が『グローバル・リサーチ』にはいくつも出ている。

まず今回のコミー長官の捜査開始の報道にもっとも熱心なメディアは、ケーブルテレビのFOXニュースと大手経済紙のウォール・ストリート・ジャーナルだ。このメディアのどちらも、メディア王、ルーパート・マードックの所有である。

ルーパート・マードックは大変に熱心なトランプ支持者で、トランプとも個人的に親しい間柄だ。

今年の春、トランプとマードックは数回会談したことが分かっている。その後、トランプの義理の息子のジャード・クシュナーを通してマードックとの電話会談が持たれ、いわばトランプ・マードック連合が形成された可能性が高いと見られている。

さらに10月には、トランプとマードックとの間で2度会談が行われ、今後の方針が検討されたようだ。マードックはつねづね「共和党がトランプの元に結集しないのはおかしい」と述べていた。


FBI内部の献金疑惑がダメ押し

もちろんこれだけでは、マードックが所有するウォール・ストリート・ジャーナルやFOXニュースがトランプに有利な情報を流す説明にはなるものの、独立性の強い政府機関であるFBIにまで圧力がかかるとは考えにくい。圧力があったのかどうか、はっきりとは証明できない。

しかし、ウォール・ストリート・ジャーナルはコミーFBI長官がクリントンのメール問題の本格的な調査に乗り出さざるを得なくさせている事件を詳しく報じている。それは、クリントン陣営によるFBIへの献金疑惑である。

クリントンに近い民主党のテリー・マックオーリフ テネシー州知事は、ヒラリー・クリントンからの献金として67万5000ドルを渡された。そのうち20万ドル強がFBI高官の妻であるジル・マカビー博士に渡った。マカビーは、2015年のバージニア州上院議員選挙に出馬しており、これは選挙戦への献金だったとされている。

一方、ジル・マカビー博士の夫のFBI高官は、この献金の直後にFBI副長官に昇進し、クリントンの私用メールサーバ問題の担当となった。そして、これを捜査しない決定をした。

10月24日、ウォール・ストリート・ジャーナルはこれを詳しく報じる長い調査記事を掲載し、クリントン陣営とFBIとの間に金銭のやり取りがあった事実を詳しく報じた。この記事が掲載された直後の10月28日、コミー長官はクリントンのメールを捜査するとの通知を議会に送った。

もし、FBIの汚職が明らかになってしまったのに、FBIがクリントンのメールの捜査を開始しないと、FBIが前代未聞の献金スキャンダルの対象となり、徹底的に非難されることになる。コミー長官はこれを回避するために、クリントンのメールの捜査を行う判断をしたと見られる。

ヒラリー・クリントンを見限ったウォールストリート

それだけではない。FBIの捜査の決定の背景には、マードックの背後にひかえているウォールストリートの金融産業が、クリントンを最終的に見限った可能性が指摘されている。

その理由は、クリントンの私用サーバやフーマ・アベディンの共用パソコンにあるメールには、違法性が明らかなものがすでに見つかっており、たとえ選挙に勝利して大統領になったとしても、法的に訴追されることは免れないと判断したためだとも見られている。

このままではクリントンは、1974年にウォーターゲート事件で弾劾されて辞任したニクソン大統領と同じ命運をたどる可能性が高い。

1972年の大統領選挙でニクソンは地滑り的に勝利したが、翌73年にはウォーターゲート事件で、ニクソン陣営が民主党全国委員会本部を盗聴していた事実が明らかとなり、74年にニクソンは辞任を余儀なくされた。

クリントンのメールには、このウォーターゲート事件の衝撃に匹敵するメールが多数含まれていると見られている。クリントン政権が成立すると同時に訴追の嵐となり、クリントンは1年も経たないで辞任に追い込まれるかもしれない。

ウォールストリートは、このような不安定なクリントンを見限り、トランプへと乗り換えたのではないかというのだ。このような事情も、FBIが捜査に踏み切るための追い風になったことは間違いない。


メールの中身

それでは、クリントンの命取りとなりかねないメールとはどのような内容なのだろうか?中身が気になる。

まだ捜査対象となっているメールは公開されていないので、具体的には分からないものの、ウィキリークスから連続的にリークされているクリントン陣営の選挙対策部長、ジョン・ポデスタのメールを見ると、捜査対象となっているメールがどれほどやばいのか、ある程度想像がつくようだ。

司法妨害罪

クリントンが訴追される可能性のあるケースのひとつは、司法妨害であると見られている。FOXニュースによれば、クリントンの側近、フーマ・アベディンの共用パソコンのなかにある65万件のメールのうち、捜査対象になるのは1万件程度だという。これがクリントンのメールだ。

これらのメールが国務長官としての公務に関連したものであり、なおかつこれらのメールのいくつかが意図的に削除されていることが証明されたのなら、「司法妨害罪」が成立する。

「司法妨害罪」とは、捜査対象になってる証拠品を、捜査から逃れるために意図的に破壊する行為のことを指す。過去に削除したメールがあった場合、いまではデータ回復ソフトで簡単に元の状態に戻すことが可能だ。メールのデータを100%完全に消すためには、ハードディスクを壊してしまう以外に方法はない。ハードディスクを残しておくと、削除されたメールは簡単に回復できる。

もしクリントンが、証拠隠滅のために公務に関連するメールを削除していたことが判明すれば、「司法妨害罪」が成立する可能性が出てくる。

アメリカは厳罰の国である。「司法妨害罪」では、20年の懲役刑も課すこともできる。ウォーターゲート事件のときニクソン大統領には、「司法妨害罪」が適用されたケースがある。

クリントン財団の資金洗浄

それだけではない。もっと大きな違法行為が行われていた可能性がある。

それはヒラリーが夫のビルとともに運営している慈善団体、クリントン財団の疑惑である。この財団は集めた金額の10%程度しか実際の慈善事業には寄付されていないことが分かっている。

クリントン財団に寄付された資金は、カナダにあるトンネル会社に一度集められて資金の出所を不明にされた後、クリントン夫妻がかかわるあらゆるビジネスに使われた可能性がある。

クリントン財団への大口献金者はサウジアラビアとカタールであったことが、クリントンの私用サーバからFBIが取得したメールで判明した。サウジアラビアからは25億ドル、カタールからは1億ドルから5億ドルの献金があった。

こうしたトンネル会社を使った資金洗浄(マネーロンダリング)は、マフィアのような犯罪組織が使う手口なので、「RICO法」を適用して処罰することが可能になる。

「RICO法」とは「重い処罰と罰金条項を制定することで組織犯罪を根絶することを意図する法律」という非常に長い名前の法律で、起訴されて有罪が確定するなら、重い懲役刑が課せられることもある。


国家反逆罪

しかし、もっとも大きな疑惑は国家反逆罪である。ウィキリークスがリークしたクリントンの選挙対策部長、ジョン・ポデスタのメールから、すでに2014年にクリントンはサウジアラビアとカタールがイスラム原理主義組織の「IS」に資金を提供している事実を知っていたことが明らかになっている。

アメリカは「IS」の結成当初から関与しているが、一応表向きには「IS」はアメリカの敵である。クリントン財団が「IS」を支援しているカタールとサウジアラビアから多額の資金の提供を受けていたことは、利敵行為として国家反逆罪の適用対象になる可能性が高い。

さらに悪いことに、FBIによる私用メールサーバの捜査が始まることを知ったクリントンは、プラットリバーネットワーク社とダットー社という2つのIT企業の専門家に依頼し、30日よりも古いメール、3万件を削除したことがすでに分かっている。

これをクリントンはFBIの捜査の開始を知ってから行ったので、これは先に説明した「司法妨害罪」の適用対象となりかねない

クリントン政権成立と同時に叩きつぶされる

調査ジャーナリストたちの記事で明らかになっているこうした疑惑は、氷山のほんの一角だろう。FBIの本格的な調査が始まると、それこそ想像を越えた規模の疑惑が表面化するに違いない。

とすれば、クリントンが大統領になったとしても、出てくる疑惑の嵐のなかで叩きつぶされることは目に見えている。ウォールストリートがクリントンを見限ったとしても納得がいく。

以前の記事で詳しく述べたが、クリントンには深刻な健康問題がある。突発的なテンカン発作と意識混どく、そして歩行困難を主な症状とする「皮質化血管性認知症」である疑いがある。これは、クリントンの政権担当能力に疑問を突き付ける。

たさでさえそうした状況なのに、これに国家反逆罪や司法妨害罪などの深刻な罪状で起訴される可能性が十分にあるのだ。たとえ大統領選挙には勝っても、とてもではないがまともな政権運営などできる状況ではない。

ではトランプは勝つのか?

クリントンのこうした状況が追い風になり、トランプが急速に追い上げている。支持率では僅差ながら逆転しつつある。しかし、獲得した選挙人の数ではまだまだクリントンが上回っている。

周知のように米大統領選挙は、各州に割り当てられた総勢538名の選挙人のうち、過半数の270名を獲得した候補が勝者となる。現在、それは次のようになっている。主要メディアもよく引用するサイト『RealClear Politics』の最新データだ。

◾クリントン:226
◾トランプ:180
◾残り:132

クリントンの優勢はまだ続いている。トランプが勝つためには、選挙のたびに支持政党が異なる接戦州をすべて押さえ、さらに民主党の強い州のいくつかを取らなければならない。
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31. 中川隆[4850] koaQ7Jey 2016年11月07日 13:21:22: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5269]

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ヒラリーとビル・クリントン: アメリカ政治の“ボニーとクライド”
Wayne MADSEN 2016年11月3日


Strategic Culture Foundation

情報が、ハッキングされた電子メールやコンピューター・ファイル、あるいは情報公開法要求で得られたもの、いずれによるにせよ、ヒラリーとビル・クリントンと二人の取り巻き連中の政治・事業活動に関する暴露は、違う時代、1930年大恐慌時に次々と犯罪を重ねた、もう一つのたちの悪いカップル、銀行強盗のならず者ボニーとクライドを思い起こさせる。

ヒラリー・クリントンが、個人電子メール・サーバーと、お仲間・追従者の電子メール連鎖を利用して、大いに儲かる“帳簿外の”外交政策を運営していたことはさておき“汚職”という単語を金切り声で叫んでいるのは、彼女と夫共同のクリントン財団と、テネオ・キャピタルの事業だ。サーバーは、シカゴの犯罪ボス、アル・カポネが羨んだであろう、クリントンが現代のボニーとクライドとして、連中自身の違法行為で儲ける“参加するなら金を支払え ペイ・トゥー・プレイ”事業を運営する為の仕組みだったにすぎない。

ヘッジ・ファンド事業と元中央情報局(CIA)職員を大量に雇った“民間諜報”サービスを運営しているテネオは、クリントンの“女友達”で側近のフーマ・アベディンが国務省に雇用されて働いていたと同時期につとめていた会社だ。アベディンの元夫で、不祥事を起こした元ニューヨーク民主党下院議員アンソニー・ウィーナーのラップトップ・コンピューターで見つかった650,000電子メールを、連邦捜査局FBIが捜査しているのは、ことわざの氷山の一角だ。FBI職員が、ラップトップの中で発見されたアベディンの電子メールを熟読し、側近たちが破壊しなかったか、あるいは決して説明されなかった、クリントンの電子メールを調べてはいるが、本当の話は、クリントン財団とテネオに対するFBI捜査なのだ。

5つのFB出張所が、財団の違法行為による儲けと、テネオの外国とのつながりを捜査している。この出張所は、ニューヨーク、ロサンゼルス、ワシントンD.C.、アーカンサス州リトル・ロックと、マイアミだ。リトル・ロックは、クリントン財団の本拠地で、ニューヨークは、テネオの本拠地だ。マイアミ出張所を、クリントン捜査に加えたのは重要だ。テネオ諜報サービスが有する多数の海外事務所の一つは、コロンビアのボゴタにある。秘密主義のコロンビアの未公開投資ファンド“フォンド・アクセソ”は、メキシコ人の超億万長者カルロス・スリムと、カナダ人の採掘業の大物フランク・ジウストラに資金を提供されて、クリントン財団のボゴタ事務所で運用されている。クリントン財団に流れ込む資金を追跡すれば、コロンビアや、他の近隣諸国での違法な麻薬密売による儲けがあるかも知れない。ボゴタでのクリントン財団の活動“フォンド・アクセソ”は、皮肉にも“アクセス・ファンド”を意味し、テネオは、コロンビアの首都のチコ・ビジネス・パークに注力しているように見える。それゆえ、クリントン財団の資金調達捜査で、スリムとジウストラからの大口寄付に関するマイアミ出張所の関与は大いに意味がある。

テネオは、クリントンのホワイト・ハウス弁護士事務所で働き、後にクリントン財団と、クリントン・グローバル・イニシアチブで、クリントンの首席補佐をしているビル・クリントンの長年の友人ダグ・バンドと共同設立された。バンドの兄弟は元大統領の海外旅行に同行するビル・クリントンの医師だ。ダグ・バンドは、2008年、就任するバラク・オバマ政権に、ヒラリー・クリントンを国務長官に任命するようロビー活動をした人物だ。

クリントンの国務長官在任中は、国務省、クリントン財団とグローバル・イニシアティブとテネオの垣根はほとんど無い状態だった。アベディンは、2012年11月以降、大統領選挙を始めるべく、国務長官を辞任した際、クリントンの“移行チーム”リーダーをつとめた。その時以来、クリントン、アベディン、ダグ・バンド、クリントン選対本部長ジョン・ポデスタや他の連中は 1)個人サーバー中のファイルを、必ず消し去るか、秘密にするべき情報を取り除くため。2) 公式に、彼らと、クリントン財団とテネオとの全てのつながりを断ち切るため。更に、3) 公には、アメリカ外交政策トップとしてのクリントン任期中の全てが問題なく、合法だという形を描き出すため、電子メール騒ぎに加わっていた。不幸にして、2009年クリントンが国務長官就任宣誓し、2013年に、大統領選挙戦を開始して以来の電子メールが公表され、クリントン・チーム丸ごと暴露されてしまったのだ。

電子メールによって描き出された光景は、現代のギャングが、公職とされるものから、できる限りのあらゆるものを搾り取って儲けている姿だ。

FBIのニューヨーク出張所も、クリントンの他のお仲間とテネオの取り引きを捜査している可能性が高い。クリントン支持者、元ニュージャージー州民主党知事ジョン・コーザインによる重大な詐欺のかどで告訴される中、コーザインのMFグローバル・インベストメント社が崩壊しつつあった際に助言したのは、テネオだった。クリントンは、オバマ大統領と、彼女の個人サーバー経由で通信しており、オバマが偽名を使っていたことも知られている。クリントンのサーバーの存在を、マスコミ報道で初めて知ったと言った際、オバマは、アメリカ人にウソをついたのだ。オバマが、ウィーナーのラップトップ中の更なるやりとり発見に基づくクリントン電子メール捜査再開で、ジェームズ・コミーFBI長官を非難するのを拒否したのも、全く不思議ではない。“彼らが知っていたこと、そして、いつそれを知ったか”に関するウソ・スキャンダルの深みにはまった大統領は、リチャード・ニクソン政権を潰し、ロナルド・レーガンと、ビル・クリントンもすんでのところで大統領の座を失うところだった. オバマが、今やクリントンに対する津波のように高まりつつあるFBIの多数の刑事事件に干渉しないのは賢明だ。

多くのクリントン スキャンダルは、アメリカ法に違反して、アメリカ製や、外国製の兵器を、リビアとシリア国内の聖戦反政府派に対して違法に輸出したことにもからんでいる。クリントンとアベディンが、両国内の聖戦反乱を監督していた間、アメリカは、両方の内戦戦域に向けた国連武器禁輸を課することになっていた。2016年10月5日の、国務省が承認した、アリゾナ州のトゥリ・ディフェンス・グループと、そのオーナー、マーク・トゥリが、アメリカ法に違反して、無登録の兵器をリビア反政府派に輸出し、その一部が、ベンガジのCIA支局によって、シリアの反政府派に送られたことに対する全ての告訴を取り下げるという司法省による突然の決定は、ロレッタ・リンチ司法長官が、トゥリ事件を11月8日の選挙前に、消したがっていたことを示唆している。

トゥリと彼の会社に対する連邦裁判は、11月8日に開始予定だった。トゥリの起訴は、アリゾナ州都フェニックスの合衆国地方裁判所で行われた。フェニックスのスカイハーバー国際空港は、2016年6月27日、ビル・クリントンとリンチ司法長官とのf緊急の極めていかがわしい滑走路上での打ち合わせの現場だ。トゥリは、リビアへ、更にそこからシリアへの秘密の兵器輸出は、クリントンによって個人的に承認され、CIAの許可も得ていたと主張している。クリントンが、聖戦テロリストに対する違法な兵器輸出を承認したという何か新たな電子メールや他の証拠があれば、FBIは、ヒラリーとビル・クリントンと、リンチにも捜査を広げることが必要になっていたろう。ヒラリーは、リビアとシリアの好戦的な連中への兵器輸出を承認して、連邦法に違反している可能性がある。夫クリントンは、司法長官に話して、司法妨害をした可能性がある。また、リンチは、アメリカ最高位の法執行官としての彼女の地位を、犯罪的陰謀を助長し、司法妨害をするのに悪用して、就任宣誓に違反している可能性がある。

クリントン・スキャンダルは、多くの点で、ウォーターゲートというよりも、イラン-コントラ事件に良く似ている。ウォーターゲートでは、ニクソンと、彼の取り巻きによる隠蔽は、多くの点で、大本の犯罪より悪質だった。イラン-コントラでは、事件全体の上で、当時の副大統領ジョージ・H. W. ブッシュが果たした犯罪的役割を含め、兵器と麻薬密輸犯罪は、隠蔽と同等だった。アメリカ兵器をテロリストに輸出し、サウジアラビアや、モロッコやカタールの怪しい政権による外国からの資金寄付を受け入れているクリントンの“E-メール・ゲート”は、ヒラリー・クリントンと夫の取り巻き連中による隠蔽同様、全て、酷いものなのは明らかだ。

もし、こうした多くの問題を、FBIと、ワシントン、ニューヨーク、リトルロック、ロサンゼルス、マイアミ、そしておそらくフェニックスの捜査官が、今調べているのであれば、FBI長官には、議会と有権者に知らせるあらゆる権利と、憲法上の責任がある。そして、コミーFBI長官には、彼と職員が連中に、現在、クリントンと彼女の支持者が要求している証拠、一体どういう情報を持っているのかをクリントンと彼女の徒党に内通しないあらゆる権利がある。彼女が11月8日に大統領に選ばれるようなことになれば、この証拠はアメリカ大統領の座からクリントンを追い出す弾劾の材料になるかも知れない。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-5353.html



32. 中川隆[4858] koaQ7Jey 2016年11月07日 19:05:16: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5278]

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ヒラリーは逃げ切ったのか? コーミーFBI長官“名演技”の裏で加速する疑惑
2016年11月7日
http://www.mag2.com/p/money/26132

コーミーFBI長官の名演技が終了し、私用メール問題の捜査は打ち切りに。もうヒラリー大統領で決まりでしょうが、そんな中でもクリントン帝国には新たな疑惑が浮上しています。(『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』)

クリントン新政権は、次々に噴出する疑惑を払拭できるのか?

FBI、ヒラリー候補を訴追せず

コーミーFBI長官の「名演技」は無事終了し、私用メール問題の捜査は打ち切りのようです(訴追せず)。オバマ大統領の指示、CIAからの圧力など、それはそれはいろいろあったはず。これで無事、ヒラリー大統領の誕生となるでしょう。

しかし、そのような中でも、クリントン帝国の各種雑多な腐敗は浮上しています。ウィキリークス(WikiLeaks)のおかげで、闇の世界が見えるのです。

ヒラリーの娘チェルシー・クリントンの結婚式費用は、エイズ撲滅のための献金や、ハイチ大地震復興献金等の名目で集金した、クリントン財団の資金から支出されていたとの暴露メールです。

ウィキリークスによる暴露メールのポイント

メールの発信者はダグ・バンド(Doug Band)氏、ビル・クリントン大統領の一番の側近です。彼がいなければ、クリントン帝国は存在しえなかったでしょう。彼は資金集めのプロですが、ヒラリーの娘との暗闘で追い出されたようです。

メールの受信者はお馴染みのジョン・ポデスタ(John Podesta)元大統領首席補佐官、現在はヒラリーの選対本部長です。


From:doug@presidentclinton.com ※ダグ・バンド氏
To: john.podesta@gmail.com ※ジョン・ポデスタ氏
CC: terry@tdmca.com, cheryl.mills@gmail.com
Date: 2012-01-04 21:45
Subject: Re:

チェルシーが調べているのは、財団の資金のキャンペーン(?)の流れ。
チェルシーの結婚式に財団の基金が使われたこと。
これまでの彼女の何十年もの間の生活資金に、財団の基金が使われたこと。
両親からもらった金にかかった税金の支払いに財団の基金が使われたこと。
あなたからチェルシーに言って、調査をしたり外部の人間に喋るのを止めさせてほしい。

—– Original Message —–
From: John Podesta [mailto:john.podesta@gmail.com] ※ジョン・ポデスタ氏
Sent: Wednesday, January 04, 2012 05:00 PM
To: Doug Band ※ダグ・バンド氏
Cc: terry@tdmca.com ; cheryl.mills@gmail.com
Subject: Re:

もっと詳しく教えて欲しい。

On Wed, Jan 4, 2012 at 4:43 PM, Doug Band wrote: ※ダグ・バンド氏

> ビル・クリントンの親友が電話してきて、チェルシーがブッシュ大統領の娘に、財団の資金の内部調査を始めたと言ったそうだ。

> それでブッシュの娘が誰かにそれを伝えて、そこから共和党の“(民主党?)諜報員”に話した。

> 最近、チェルシーは第一側近のBari Lurieと内部事情を外部の人間にいろいろ喋っているようで、それはまずい。


娘チェルシー、財団の金でヘッジファンド立ち上げ

ヒラリーの娘チェルシーは、クリントン財団の資金の流れ、特に金庫番であるダグ・バンド氏の動きを調査していたようです。娘チェルシーは、生物学的父ビル・クリントンの右腕で金庫番のダグ・バンド氏と暗闘し、彼を追い出します。

チェルシーはこれで財団資金の利用方法を理解したようです。その後、彼女はその資金で、ゴールドマン・サックス出身の夫マーク・メビンスキー(Marc Mezvinsky)のヘッジファンドを立ち上げたという話です(ただしこれはいまだ噂レベルで、確たる証拠待ちです)。

そのヘッジファンドの名前は「Eaglevale Hellenic Opportunity Fund」、ギリシャ崩壊を投資チャンスと捉えての賭博ファンドであり、もちろん寄付をした人々には無断です。そして当然のごとく、このギリシャ経済崩壊ファンドは9割ほどの損失を出して解散し、大失敗したようです(※2016年5月12日の報道)

ジョン・ポデスタ選対本部長の主張

さて、話題の中心のジョン・ポデスタ(ヒラリー選対本部長)はNBC TVに登場し、「FBI長官は間違いをしただけで辞任する必要はないが、FBI内部からの情報漏洩は許されるべきでなく、そいつらを黙らせるべきだ」と語っています。2016/11/06 に公開の最新動画です。

どうもこの選対本部長は、FBI長官よりも偉そうな感じです。ということで、ヒラリー大統領誕生となるのではないでしょうか?

私は今回の選挙を「怪物vs.大魔女」と表現しましたが、ある米国民の若い女性がテレビで「2人の悪魔から選べと言われてもねぇ」と語っていたのが印象的でした。




33. 中川隆[4862] koaQ7Jey 2016年11月08日 07:44:51: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5284]

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アメリカが2011年にリビアを攻撃した際、リビアは143トンの金を保有していたと言われている。WikiLeaksが公表したシドニー・ブルメンソールからヒラリー・クリントンに宛てた電子メールによると、アメリカがリビアを攻撃した理由は、その金143トンと石油利権だったことを暗示している。
 伝えられるところによると、バラク・オバマ大統領にリビア攻撃を強く迫ったのは3人の女性、つまり国務長官だったヒラリー・クリントン、そしてサマンサ・パワーとスーザン・ライスだ。クリントンはカダフィが惨殺されたことを知らされ、「来た、見た、死んだ」と口にして喜んでいる。

 アメリカがAFRICOMを創設する前年、2006年3/4月号のフォーリン・アフェアーズ誌の2006年3/4月号は、キール・リーバーとダリル・プレスの論文を掲載した。その中でふたりはロシアと中国の長距離核兵器をアメリカの先制第1撃で破壊できると主張している。この雑誌は外交問題評議会が発行、アメリカ支配層の意思を何らかの形で反映していると言える。

 また、2007年3月5日付けのニューヨーカー誌に掲載されたシーモア・ハーシュの記事によると、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの3カ国が秘密工作を開始、そのターゲットはシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラだとしている。

 ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官によると、1991年に国防次官を務めていたポール・ウォルフォウィッツはイラク、シリア、イランを殲滅すると語り、2001年9月11日に世界貿易センターと国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されて10日後には統合参謀本部でイラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランを先制攻撃する計画ができていると聞いている。この計画を作成したのはドナルド/ラムズフェルド国防長官の周辺だ。

 イラクはアメリカ軍主導の連合軍による先制攻撃で破壊、シリア、イラン、レバノンに取りかかっていたということだろうが、同じ頃、アメリカはエチオピア軍にソマリアを侵略させている。2011年にはリビアとシリアを傭兵(アル・カイダ系武装集団)に侵略させている。

 スーダンでは内戦が1983年から2005年まで続き、11年に南部が独立している。この戦乱は石油が原因だった。1974年にアメリカの巨大石油会社シェブロンがスーダンで油田を発見したのだ。1990年代の終盤になるとスーダンでは自国の石油企業が成長してアメリカの石油企業は利権を失っていき、中国やインドなど新たな国々が影響力を強めていった。

 南部ではSPLM(スーダン人民解放軍)が反政府活動を開始するが、SPLMを率いていたジョン・ガラングはアメリカのジョージア州にあるフォート・ベニングで訓練を受けた人物。結局、南部は独立に成功した。国境の周辺に油田があるのは必然だ。

 スーダン西部にあるダルフールでも資源をめぐる戦闘が2003年から激化した。当初、欧米の国々は南スーダンの石油利権に集中、ダルフールの殺戮を無視していたが、ネオコンはダルフールへ積極的に介入した。その資源に目をつけた隣国チャドの政府が反スーダン政府のJEM(正義と平等運動)へ武器を供給したことも戦闘を激化させる一因。チャドの背後にはイスラエルが存在していると生前、リビアのムアンマル・アル・カダフィは主張していた。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201611070000/



34. 中川隆[4879] koaQ7Jey 2016年11月09日 07:11:08: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5301]

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2016.11.09
誰が次期大統領になっても米国の破綻は避けられないが、ヒラリーは軍事力で解決しようとする

 次期大統領が誰に決まろうと、アメリカという国が破綻しつつある事実に向き合わなければならない。有力メディアを使って「景気回復」の幻影を広めても現実が人びとを目覚めさせる。まだ目覚めつつある段階だが、それでも支配層の代理人、ヒラリー・クリントンを拒否する人が増えている。巨大資本に全てを捧げ、ロシアと核戦争するのは御免だということだ。

 ネオコン/シオニスト、巨大金融機関、戦争ビジネスなどに支えられたクリントンが支配層の内部で次期大統領に内定したのは遅くとも昨年5月から6月にかけての時期だと見られている。民主党の幹部たちは5月26日の時点でヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆する電子メールが存在、7月22日にWikiLeaksが明らかにした電子メールでも民主党の幹部へサンダースが同党の大統領候補になることを妨害するよう求めるものがあった。(例えばココ)また、6月11日から14日にかけてオーストリアでビルダーバーグ・グループの会合が開かれているのだが、そこにヒラリー・クリントンの旧友、ジム・メッシナが参加していたのだ。

 ビルダーバーグ・グループは欧米支配層の利害調整機関と位置づけられ、その第1回総会は1954年にオランダのビルダーバーグ・ホテルで開かれている。その上部機関と見られている組織がACUE(ヨーロッパ連合に関するアメリカ委員会)。ヨーロッパの統合が目的だった。勿論、統合されたヨーロッパを支配するのは米英の支配層だ。

 ウォール街の弁護士でアメリカの情報機関を動かしていたウィリアム・ドノバンやアレン・ダレス、あるいはドイツが降伏した直後、米英両軍と降伏したドイツ軍でソ連を奇襲攻撃しようとしたイギリスの大物政治家ウィンストン・チャーチルが委員として名を連ねていた。(Lobster, Winter 2009/10)

 ポーランド生まれでイギリスの対外情報機関MI6のエージェントになったユセフ・レッティンゲル、あるいはフランスの首相を務めたロベール・シューマン、ベルギーの首相を務めたポールヘンリー・スパークなどを中心とするヨーロッパ統一運動が存在していたのだが、その活動資金の半分以上はACUEから出ていた。ACUEの資金源はロックフェラー財団やフォード財団。レッティンゲルはビルダーバーグ・グループをオランダ女王の夫であるベルンハルト殿下と一緒に創設した人物である。

 レッティンゲルは第2次世界大戦の前からヨーロッパをイエズス会の指導の下で統一しようと活動、大戦中はロンドンへ亡命していたポーランドのウラジスラフ・シコルスキー将軍の側近だった。シコルスキーはコミュニズムが嫌いで、英国政府の支援の下、亡命政府を名乗っていた。当時、ポーランド軍の大多数の将校が忠誠を誓っていた人物がこのシコルスキーで、ナチスよりもコミュニストを敵視していた。(Christopher Simpson, “The Splendid Blond Beast”, Common Courage Press, 1995)

 ヒラリー・クリントンの好戦的で残虐な性格が広く知られるようになった映像がある。CBSのインタビュー中、リビアのムアンマル・アル・カダフィが殺されたと知らされると「来た、見た、死んだ」と口にして喜んでいるのだ。カダフィ惨殺は彼女の予定表に書き込まれていたのだろう。

 ヒラリーの夫、ビル・クリントンがアメリカ大統領に就任したのは1993年のこと。すでに有力メディアがスキャンダル攻勢を始めていたが、その背後ではリチャード・メロン・スケイフという富豪が資金を出していた「アーカンソー・プロジェクト」が存在していた。この富豪はネオコンや情報機関と関係が深く、1993年から97年までに240万ドルをその反クリントン・キャンペーンに提供していた。

 1993年9月には米英の有力者がボスニアへの軍事介入を求める公開書簡をウォール・ストリート・ジャーナル紙に掲載している。そこに署名した人物にはマーガレット・サッチャー元英首相、アメリカからはジョージ・シュルツ元国務長官、フランク・カールッチ元国防長官、ズビグネフ・ブレジンスキー元国家安全保障問題担当大統領補佐官、ポール・ニッツェ、ジョージ・ソロス、ジーン・カークパトリック、アルバート・ウールステッター、ポール・ウォルフォウィッツ、リチャード・パールたちが含まれていた。(Wall Street Journal, September 2, 1993)

 大統領に就任した当初、クリントンは戦争に消極的だったが、有力メディアは違った。例えば、1992年8月にボスニアで16歳の女性が3名のセルビア兵にレイプされたとニューズデーのロイ・ガットマンは伝えている。後に別のジャーナリスト、アレクサンドラ・スティグルマイアーやマーティン・レットマイアーらがガットマンの記事が正しくないことを確認しているが、メディアが好んだのはガットマンのような記事。

 その当時、ガットマンはドイツのボン支局長。バルカンに常駐しているわけではない。そのガットマンが頼っていた情報源のひとりがヤドランカ・シゲリなのだが、この人物はクロアチアの与党HDZ(クロアチア民主団)の副党首を務めていた。しかもクロアチアの亡命者が創設したプロパガンダ組織CIC(クロアチア情報センター)のザグレブ事務所の責任者でもあった。

 このCICがレイプ情報の発信源。CICはIGfM(国際人権協会)と緊密な関係にあり、1996年には「人権擁護団体」のHRWがシゲリを主役にしたドキュメント映画を発表、レイプ報道で脚光を浴びたガットマンはピューリッツァー賞を贈られた。この当時から「人権」は侵略、殺戮、破壊の口実に使われている。「大東亜共栄圏」の建設を口実にして東アジアを侵略した日本と同じことをしている。なお、ICRC(赤十字国際委員会)の認識によると、戦争で全ての勢力が『不適切な行為』を行ったが、セルビア人による組織的なレイプが行われた証拠はないという。(Diana Johnstone, "Fools' Crusade," Monthly Review Press, 2002)

 人権を守るために軍事介入するべきだという雰囲気を作ろうとしたのだろうが、ビル・クリントン政権は動きが鈍かった。そうした流れが変わったのは1997年1月にマデリーン・オルブライトが国務長官に就任してから。この女性はズビグネフ・ブレジンスキーの教え子で、ヒラリーと親しい。国務長官の交代はヒラリーが求めたと言われている。

 1998年初頭には新たな女性スキャンダルが浮上する。インターンとしてホワイトハウスで働いていたモニカ・ルウィンスキーとの関係だ。その年の秋になるとオルブライトがセルビア空爆への支持を表明、セルビアのスロボダン・ミロシェビッチ大統領は空爆を避けるため、コソボからの撤退を10月に発表する。

 しかし、これで平和は訪れなかった。決して親セルビアとは言えないヘンリー・キッシンジャーでさえ1998年10月から99年2月までの期間における停戦違反の80%はアメリカを後ろ盾とするKLA(コソボ解放軍、UCKとも表記)だとしている(David N. Gibbs, “First Do No Harm”, Vanderbilt University Press, 2009)が、そうした事実を無視してアメリカはNATOに空爆させる。1993年3月のことだ。

 ビル・クリントン政権にはヒラリー人脈に属す人物がオルブライトのほかにもいた。ネオコンのビクトリア・ヌランド(国務副長官の首席補佐官)だ。後にウクライナでネオ・ナチを使ってクーデターを行っている。ヒラリーの側近中の側近と言われているフーマ・アベディンがヒラリーと結びついたのもこの時期。1996年、ジョージ・ワシントン大学の学生だった時にインターンとしてホワイトハウスに入っている。このアベディンからムスリム同胞団、ワッハーブ派/サラフ主義者、アル・カイダ人脈などにつながる。

 支配システムの中でヒラリー・クリントンは重要な歯車だと言えるだろうが、支配層にとって危険な存在だとも言える。とりあえず司法省/FBIは沈黙させたが、情報機関や軍の内部にもヒラリーを「裏切り者」だと考えている人は存在する。「友好国」のサウジアラビアは財政赤字で不安定化、トルコはクーデター未遂でロシアに接近する姿勢を見せている。ドルが基軸通貨の地位から陥落しつつあるという大問題も表面化してくるだろう。

 日本の支配層が頼ってきたアメリカのボスは危機的な状況の中にいる。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201611090000/



35. 中川隆[4881] koaQ7Jey 2016年11月09日 15:49:28: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5303]

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2016年11月7日 米大統領選とは何か 増田俊男

私は「時事直言」(10月21日)で「アメリカの大統領は時代を決める者が決める」と述べ、オバマ大統領が何故選ばれたかについても説明した。

「小冊子」(Vol.83)で「誰がアメリカのオーナーなのか」を合衆国憲法に基づいて行政責任を負う政府と、通貨の自由裁量権を持ち、政府に貸し付け、金利、雇用、物価を調整して経済と市場をコントロールするFRB(連邦準備理事会)との主従関係を明確に説明することで、誰が何のためにアメリカを動かしているかを解説した。

「小冊子」(Vol.83)の「はじめに」を読めばアメリカのオーナーはFRBのオーナーであることが分かる。

さて今回の米大統領選であるが、クリントンとトランプの争いは川面の笹舟の戦いで、勝ち負けは水底のうねりがどちらを沈めるかで決まる。

The Deep Stateとはアメリカ議会、ペンタゴン(国防総省)、CIA(中央情報局)、軍需産業の総合体のことでアメリカを動かす主流のこと。

2008年から今日までアメリカ支配してきたのはユダヤ資本左派で、今や金融も財政も行き詰まったので今後はユダヤ資本右派による支配が望ましい。

しかし左派はまだ右派に譲りたくないので右派と争っているのである。

クリントンは左派、トランプは右派の代理人で、大統領選はイスラエル左派と右派の代理戦争である。

三回のCNNの討論会(ディべート)を見てもわかる通り司会者はトランプが有利になると遮ったり、妨害したりクリントンを有利に誘導してきた。

トランプがディベートもメディア報道も八百長だと言うのは無理もない話だ。
The Deep Stateは一貫してクリントンを支持してきた。

ところが終盤になってメディア王マドックがトランプ支持を表明、傘下のFOX-TVやニューヨークタイムズが、クリントン財団がFBI長官の奥さんに(間接的:テネシー州知事を通して)20万ドル渡した事実や同財団とサウジアラビアとカタールとの金銭のやり取りがIS支援のためであったことなど暴露、このままだとニクソン大統領のウォーターゲート事件どころではなくなりそうである。

CIAやペンタゴンのインサイダーのMr. Jim Rickardsは、「クリントンがアメリカ人の命を金で売ったようなスキャンダルがある」と言っていたが、やがて明るみになるだろう。

Jim曰く、The Deep Stateはトランプに鞍替えしたと言う。

クリントンはたとえ今回の大統領選で勝利しても、各州の選挙人が投票する12月20日までに国家反逆罪容疑、モンサント(農薬等ケミカル会社)の遺伝子組替に関する情報隠蔽事件関与など殺人ほう助罪疑惑など追及されるとクリントンが勝った州の選挙人の多くがトランプに投票することになり2017年1月20日の米大統領の椅子はトランプになる可能性もある。

「小冊子」(Vol.83)を読めば何故12月にNY市場が暴落しなくてはならないのかよくわかるはずだが、クリントンに対する致命的なスキャンダルとNY暴落でクリントンが勝った州はことごとく負けの州になるだろう。

奇跡は創るもの!
http://www.chokugen.com/opinion/backnumber/h28/jiji161107_1117.html



36. 中川隆[4884] koaQ7Jey 2016年11月09日 18:05:11: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5306]

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アサンジ: クリントンは、ゴールドマン・サックスとサウジアラビアの歯車
(ジョン・ピルガー独占ビデオと書き起こし)
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-f018.html


公開日時: 2016年11月5日 05:59


オーストラリア人ジャーナリストでドキュメンタリー制作者ジョン・ピルガー(左)とウィキリークス創設者で編集長のジュリアン・アサンジ、 ロイター / ダートマス・フィルムズ

ダートマス・フィルムズによるジョン・ピルガー・スペシャルで、内部告発者ジュリアン・アサンジが、これまでで最も刺激的なインタビューの一つを行い、そこで、ウィキリークスが今年公表した何万通ものクリントン電子メールから一体何が引き出せるか、彼が要約した。

もうひとりの移住オーストラリ人ジョン・ピルガーが、アサンジがアメリカへの引き渡しをおそれ、2012年以来、閉じこもっているエクアドル大使館で25分のインタビューを行った。先月、アサンジは、彼のウェブサイトの仕事によるアメリカ大統領選挙への“干渉”のかどで、インターネット接続を絶たれた。

‘クリントンがFBIを弱く見せたために、FBIは怒っている’

ジョン・ピルガー: アメリカ大統領選挙運動の終盤での、ヒラリー・クリントンを相手取った事件で、FBIが介入しているのは一体どのような意味があるのでしょう?

ジュリアン・アサンジ: FBIの歴史を見ると、事実上、アメリカ政治警察です。FBIは、機密情報を愛人に話したことを巡って、前のCIA長官 [デービッド・ペトレイアス大将]を首にして、これを見せつけました。手が出せない人は、ほぼ皆無なのです。FBIは常に、誰も我々には抵抗できないということを実証しようとしています。しかしヒラリー・クリントンは、FBIの捜査に、実にこれ見よがしに抵抗して、FBIが弱く見えてしまうので、FBI内部では怒っています。国務長官在任中の約33,000通のクリントン電子メールを我々は公表しました。これは、60,000通以上の電子メールからのもので、クリントン自身が持っていたもののおよそ半分 - 30,000通で、我々は約半分を公開しました。

そして、我々が公表してきたポデスタ電子メールがあります。[ジョン]ポデスタはヒラリー・クリントンの予備選の選対本部長なので、こうした全ての電子メールを一貫した特徴があります。連中が「会いたいなら、金を払え」と呼んでいる、金と引き換えに、国家や個人や企業にアクセスを与える取り引きが非常に多く行われています。[これらの電子メールは]は、FBIに対する圧力が増大する環境をもたらしている、国務長官在任中のヒラリー・クリントン電子メールの隠蔽とからんでいます。

‘ロシア政府は、クリントン漏洩の情報源ではない’

JP: クリントン選挙運動は、ロシアが、こうしたことすべての黒幕で、ロシアが選挙運動を操作していて、ウィキリークスと、その 電子メールの情報源だと言っています。

JA: クリントン陣営は、そうした類の新マッカーシー風のヒステリーを描き出すことができます。何でもロシアが悪いのです。ヒラリー・クリントンは何度も、17のアメリカ諜報機関が、ロシアが我々の発表の情報源だと判定したと偽って述べています。それはウソです。ロシア政府は情報源ではないと言えます。

更に読む: アサンジ: ウィキリークスは、クリントン電子メールをロシア政府からもらっていない(JOHN PILGER EXCLUSIVE)

ウィキリークスは、十年間、情報を公表してきました。十年間に、我々は一千万の文書、数千の個別文書、数千の様々な情報源を公開していますが、決して間違っていません。

‘サウジアラビア & カタールが、ISISと、クリントンに資金提供’

JP: 金の入手と、ヒラリー・クリントン自身が、これで、どれだけ恩恵をうけたのか、また彼女が政治的に恩恵を受けたのか証拠を示している電子メールは、実に驚くべきものです。カタール代表が、百万ドルの小切手を渡して、ビル・クリントンとの5分間会見の機会を与えられたことを言っているのですが。

更に読む
アサンジ: クリントンと、ISISは、同じ金蔓から資金を提供されている。トランプは勝利するのを許されない(JOHN PILGER EXCLUSIVE)

JA: そして、モロッコから1200万ドル …

JP: モロッコからは、1200万ドルですね。

AJ: ヒラリー・クリントンがパーティに参加するために。

JP: アメリカ合州国の外交政策ということでは、ヒラリー・クリントンと、中東における聖戦主義、ISIL創設との直接のつながりを示している、電子メールの暴露が圧倒的ですね。ISIL聖戦士と戦っているはずの連中と、実際には聖戦戦士を作り出した連中とのつながりを実証する電子メールについてお話しいただけますか。

JA: 彼女が国務省から退任して間もない、2014年始めのヒラリー・クリントンから選対本部長ジョン・ポデスタ宛ての電子メールで、ISILは、サウジアラビアとカタール政府が設立したと言っているものがあります。現在、これは全てのメールの中で最も重要な電子メールです、おそらく、サウジアラビアとカタールの金が、クリントン財団全体にばらまかれているので。アメリカ政府さえもが、一部のサウジアラビア人が、ISIL、あるいはISISを支援してきたことに同意しています。しかし、言い訳は常に、それは、何であれ連中の好きなことをするために、オイル・マネーの分け前を使っているならず者の王子連中にすぎず、実際には政府は同意していないというものです。

ところが、その電子メールは、そうではなく、ISISに資金提供してきたのは、サウジアラビアとカタール政府だと言っているのです。

JP: サウジアラビア、カタール、モロッコ、バーレン、特に、サウジアラビアとカタール、ヒラリー・クリントンが国務長官在任中、クリントン財団に、この金を渡していて、国務省は、特にサウジアラビアへの膨大な兵器輸出を承認しているのです。

JA: ヒラリー・クリントンの下で、800億ドル以上の世界最大の武器取り引きが、サウジアラビアとの間で行われました。実際、彼女の国務長官任期中に、ドル価値での、アメリカ合州国からの武器輸出総計は倍増しました。

JP: もちろんその結果、ISIlあるいはISISと呼ばれる悪名高いテロ集団が、大半はクリントン財団に金を渡しているのと全く同じ連中からの金で作り出されているのです。

JA: はい。

JP:それは驚くべきことです。

‘クリントンは、その野望ゆえに、彼女は生きながらにして食べられるような苦しみを味わっている’

JA: 私は実際、彼女はその野望ゆえに、生きながらにして食べられるような苦しみを味わっている人に見えるので、ヒラリー・クリントンを人間として、非常に気の毒に思います。文字通りl病気になるほど苦しんでいるのです。自分の野望の結果[反応]として気絶するのです。彼女は、人々のネットワークと、特定国とのつながりネットワーク代表なのです。問題は、ヒラリー・クリントンが、この広範なネットワーク中で、どのような位置を占めているのかです。彼女は中央の歯車なのです。巨大銀行ゴールドマン・サックスや、ウオール街の主要企業、諜報機関や国務省の連中やサウジアラビアに至るまで、実に多くのギアが動いているのです。

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ホワイト・ハウス ウィキリークス 電子メールは、シティグループが、オバマ政権の内閣組閣上での主要な役割を演じたことを示している。

彼女は、こうした様々な全ての歯車を相互に結びつけている中心歯車なのです。彼女は全ての中心的代表で、‘全ての’というのは、事実上、現在アメリカ合州国で権力を握っている連中です。我々が、支配体制、DCコンセンサスと呼んでいるものです。我々が公表した、より重要なポデスタ電子メールの一通は、オバマの閣僚がいかにして形成されたか、オバマ閣僚の半数が、いかに、基本的にシティバンクの代表者によって指名されているかを示しています。これは驚くべきことです。

JP: シティバンクはリストを提供しなかったのですか?

JA: 提供しました。

JP: … それが、結局、オバマ閣僚の大半になったと?

JA: そうです。

JP: すると、ウオール街がアメリカ大統領の閣僚を決定しているのですか?

JA: もし当時のオバマ選挙運動を詳しく追ってゆくと、金融権益に非常に近いことがわかります。

JA: サウジアラビアを理解することなしに、ヒラリー・クリントンの外交政策を正しく理解することは出来ないと思います。サウジアラビアとのつながりは、実に密接です。

‘リビアはヒラリー・クリントンの戦争’

JP:彼女は一体なぜ、リビアの破壊にこれほど熱心だったのですか? 電子メールで一体何がわかるか- そこで何が起きたのか、少しお話し願えますか? というのは、リビアは、今のシリアにおける余りに多くの破壊行為の大変な源なのですから。ISILや聖戦主義など。あれは、ほとんどヒラリー・クリントンの侵略でした。電子メールで、あれについて何がわかりますか?

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‘全く違った種類の戦争’: ベンガジ委員会漏洩に対するクリントン・チーム#PodestaEmails

JA: リビア、誰の戦争というよりも、ヒラリー・クリントンの戦争でした。バラク・オバマは当初、反対しました。一体誰がこれを主張したでしょう? ヒラリー・クリントンです。彼女の電子メールに証拠として残っています。彼女はお気に入りの代理人、シドニー・ブルーメンソールをこれに当てました。我々が公表した33000通のヒラリー・クリントン電子メールの中には、リビアに関する1700通以上の電子メールがあります。リビアに安価な石油があったからではないのです。カダフィ排除と、リビア国家の打倒 -- 大統領本選挙への準備に利用したいものだと、彼女は感じていたのです。

2011年末に、ヒラリー・クリントンのために作成された「リビアのチクタク」と呼ばれる内部文書があり、それは、リビア国内で約40,000人の死者をもたらし、聖戦士が入り込み、ISISが入り込み、ヨーロッパの難民・移民危機を招いたリビア国家の破壊で、彼女がいかに中心人物であるかという時系列的説明になっています。

人々はリビアからだけ逃げているわけではなく、人々はシリアからも、武器流入の結果、不安定化した他のアフリカの国々からも逃れていますが、リビア国家自身、もはや地中海を経由する人々の動きを制御できません。リビアは地中海に面していて、事実上、アフリカという瓶のコルクだったのです。そこであらゆる問題、経済問題やアフリカでの内戦で -- それまでは、リビアが地中海を警備していたので、そうした問題から逃れる人々が、ヨーロッパに最後に辿り着くことはありませんでした。2011年始めに、カダフィがはっきりと発言していました。:‘リビア国家を爆撃し、破壊しようとして自分たちは一体何をやっているとこのヨーロッパ人連中は考えているのだろう? アフリカから移民と聖戦士がヨーロッパに殺到するようになるぞ。そしてまさにその通りのことが起きています。

‘トランプは勝利することを許されないだろう’

JP: ‘ウィキリークスは一体何をやっているのだ? 彼らはトランプをホワイト・ハウスに送り込もうとしているのだろうか?’と文句を言う人々もいますね。

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アサンジ、コミー & クリントン: アサンジ・トワイライト・ゾーン(E354)

JA: トランプは勝利することを許されないだろうというのが私の答えです。私がそう言う理由ですか? ありとあらゆる支配体制を、彼から離していますから。トランプを支持している支配体制はありません。あるいは、もし彼らを体制派と呼べるなら、福音主義派を例外として。しかし銀行、諜報機関、兵器会社... 巨大な外国の金 … 全てヒラリー・クリントン支持で団結しています。マスコミも、マスコミのオーナーも、そして、ジャーナリスト連中さえも。

JP: ウィキリークスは、ロシアと組んでいるという非難があります。‘ウィキリークスは、一体なぜ、ロシアに関する電子メールを調べて、公表しないのだ?’という人々もいます。

JA: 我々はロシアに関連する約800,000の様々な種類の文書を公表しています。その大半は、ロシアに批判的です。ロシアに関する我々が公表したものを元に非常に多くの本が出版されていますが、その大半は批判的です。我々の[ロシア]文書は、かなり多くの裁判でも利用されています。ロシア国内のある種の政治的迫害とされるものから逃れていると主張する人々の難民裁判で、彼らは我々の文書を裏付けに利用しています。

JP: アメリカ大統領選挙をどのようにご覧になっていますか? クリントンと、トランプ、どちらがお好みでしょう?

JA: ドナルド・トランプ[について話しましょう]。 アメリカ人の心、ヨーロッパ人の心の一体何を、彼は代表しているのでしょう? 彼は[ヒラリー・クリントンがそう呼んだ]‘惨めで、救済しがたい’アメリカの下層白人を代表しているのです。体制側、あるいは教育のある国際的な洗練された視点からすれば、こうした人々は教養の低い白人のようなもので、誰も連中とは付き合えません。彼は実にはっきりと -- 彼の言葉と行動で、彼の集会に参加する人々のタイプ -- 中流ではない、上流中流の教育のある階級ではない人々を代表しているので、何らかの形で、彼らと関連しているように見られるのは社会的恐怖で、ヒラリー・クリントンに対するあらゆる批判を含めて、何らかの形でトランプを支援していると非難される下層階級という立場を皆恐れているのです。中流階級が、いかにしてその経済的、社会的な力を得ているかを見れば、とてもつじつまが合っています。

‘アメリカは、私の難民状態を利用して、ウィキリークスを締めつけようとしている’

JP: ロンドンのこの大使館を避難所[政治亡命]として与えている小国エクアドルについて話したいと思います。今、エクアドルは我々がこのインタビューをしている大使館のインターネットを遮断しています。彼らがアメリカ選挙運動に干渉しているように見えることを懸念しているという実に明白な理由からです。なぜ彼らがそういう行動をしているのか、そして、あなたに対するエクアドルの支持をご自分ではどうお考えかお話しいただけますか?

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ヒラリー支持の国務省が‘アサンジのインターネット遮断の黒幕’- ウィキリークス活動家、RTに語る

JA: 四年前にさかのぼりましょう。アメリカ引き渡し問題があるので、この大使館で、エクアドルに亡命申請をしましたが、結果は、一カ月後、私の亡命申請が認められたのです。大使館はそれ以来、警官に包囲されています。極めて高額の警察活動で、イギリス政府は、1260万ポンド以上支出しているのを認めています。彼らはこれを一年前に認めました。今は私服警官がいて、様々なロボット監視カメラが設置されています -- ですから、ここロンドンのど真ん中で、人口1600万人の国エクアドルと、イギリスと、それを支持しているアメリカとの間で、極めて深刻な対立が続いています。ですから、エクアドルが行った申請受理は、勇敢で高潔な行動です。今、アメリカ大統領選挙[運動]が行われていますが、エクアドルの選挙は来年2月で、我々が公開している本当の情報の結果、ホワイト・ハウスは、政治的な論議の高まりを感じているわけです。

ウィキリークスは、エクアドルの管轄、この大使館、つまりエクアドル領から公開しているわけではありません。我々は、フランスで公開しています。我々はドイツで、オランダで、多数の他の国々で公開しています。私の難民状態を利用して、ウィキリークスを締め付けようとしています。これは、これは本当に耐えがたいことです。[つまり][連中は]出版社に嫌がらせをしようとしているのです。[彼らは]アメリカ人や、他の人々にとって、選挙に関して非常に重要なことについて、本当の情報を出版するのを防ごうとしているのです。

JP: もしこの大使館から出たら一体何がおきるでしょう。

JA: 即座にイギリス警察に逮捕され、即座にアメリカ合州国か、スウェーデンかのどちらかに引き渡されるでしょう。スウェーデンでは私は起訴されていません。私は既に[ストックホルム主任検事のEva・Finneによって]無罪になっています。我々は、スウェーデンで一体何が起きるか、良く分からなかったのですが、そこで、スウェーデン政府が、私をアメリカ合州国に引き渡しをしないと言うのを拒否していることがわかり、彼らが、少なくとも2000年以降、アメリカが要求した100パーセントの人々を引き渡してきたことを知りました。ですから、過去15年間、アメリカが、スウェーデンから引き渡しを受けようとした全ての人々が引き渡されているのに、彼らは[そういうことにはならないと]保証するのを拒否しているのです。

JP: ここで、あなたが一体どうやって孤独に対処しているのかと良く尋ねられます。

JA: 人間最善の属性の一つは、人は適応できるということです。人間最悪の属性の一つは、人は適応できるということです。人は適応して、虐待に耐え始めます。彼らは虐待に自ら関与していることに順応します。人は逆境に順応し、逆境が続くのです。ですから、私の状況は、率直に言って、私は施設に収容されたようなものです -- ここ[大使館] が世界なのです .. これが事実上、[私にとって]世界なのです。

JP: 日光のない世界ということがありますね?

JA: 日光のない世界ですが、私は実に長く日光を見ていません。日光を忘れました。

JP: はい。

JA: そうなのです。人は順応するのです。一つ本当にいらだつのは、私の幼い子供たちのことです -- 彼らも順応します。あの子たちは、父親がいないことに順応しています。これは大変な、あの子たちが要求もしていない、実に大変な適応です。

JP: お子さんが心配ですか?

JA: はい。子供たちが心配です。あの子たちの母親も心配です。

‘私は無罪なのに、恣意的に拘留状態なのです’

JP: ‘もう止めて、ドアの外に歩き出て、スウェーデンに引き渡されればいいではないか?’という人々もいます。

JA: 国連[国連の恣意的拘束に関する作業部会]がこの全体の状況を調べました。正式な、当事者主義訴訟で、彼らは18ヶ月費やしました。[ですからこれは]私と国連 対スウェーデンとイギリスの問題なのです。誰が正しいのでしょう? 国連は、私が違法に恣意的拘束にされており、自由を奪われていると結論を出しました。それが、イギリスとスウェーデンの法の中で、起きていること、[各国は]結論に従わねばなりません。これは違法な虐待です。国連が正式に要求しているのです。‘ここで一体何が起きているのか? これに対するあなたがたの法的説明は一体何か? [アサンジ]は、あなた方は彼の亡命を認めるべきだ’ [それで、こうしているのです]

スウェーデンは正式に国連にこう返答しています。‘いや、我々は[国連の裁定を認める]つもりはない。それで、彼らが送還する権利を有効にしているのです。

この状況に関する言説が、欧米支配体制の言辞に合わないので、マスコミで全く公表されないのは、全く驚くべきことだと思います。そうです。欧米には、政治囚がいるのです。それが現実です。私だけではありません。他にも多数の人々がいるのです。欧米には政治囚がいるのです。もちろん、政治的理由で、投獄なり拘束されている人々を政治囚と呼ぶべきだということを受け入れる国はありません。中国では、そうした人々を政治囚とは呼びません。アゼルバイジャンでは、そうした人々を政治囚とは呼びません。アメリカ合州国、イギリスでもスウェーデンでも、そうした人々を政治囚とは呼びません。このような自己認識であるというのは、全く耐えがたいことです。

JA: 事件、スウェーデン事件がありますが、私はスウェーデンでは犯罪で起訴されてはいないのです。私は既に疑いが晴れていて、ストックホルム検事] 無罪であることが判明しています。女性本人が警察がでっちあげたと言っています。国連が正式に、全てが違法だと言っています。エクアドル国も捜査し、私は亡命を認められるべきだと認めたのです。それが事実ですが、言説は一体どうなっているでしょう?

JP: ええ、違いますね。

JA: 言辞は偽りです。いつも私が犯罪で起訴されている振りをしています。既に疑念は晴れていることには決して触れません。女性本人が警察のでっち上げたと言っていることには決して触れないのです。

[言辞]は、国連が正式に、あらゆることが違法であると認めている[という真実]を避けようとしています。エクアドルが、正式な手順で正式な評価を行い、私がアメリカ合州国による迫害にさらされていることを認めたことは絶対に触れません。




37. 中川隆[4893] koaQ7Jey 2016年11月10日 13:46:22: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5315]

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ヒラリー電子メール、ディナール金貨と、アラブの春
F. William Engdahl New Eastern Outlook 2016年3月17日

何万ページもの元アメリカ国務長官ヒラリー・クリントンの秘密電子メールの中に埋もれていたもので、今やアメリカ政府によって公表されているものの中に、クリントンと、彼女の内密の顧問シド・ブルーメンソールとの間の衝撃的な電子メールのやりとりがある。カダフィと、2011年、リビア支配者を打倒するためにアメリカが画策した介入に関するものだ。金と、世界準備通貨としてのアメリカ・ドルの未来にとって、可能性として、実存的脅威となりかねないものに関している。アフリカと、アラブ産油国向けの、カダフィの当時の金本位制ディナール計画に関するものだ。

2011年、リビアのカダフィを打倒するため、アメリカが画策した戦争の際頃、当時の国務長官ヒラリー・クリントンが使用していた違法な個人サーバーから最近機密解除された電子メールの二つの段落が、皮肉にも“保護する責任”と名付けられた、オバマ政権による対カダフィ戦争の背後にあったものの、しっかり隠された秘密の狙いを暴露している。

優柔不断で軟弱な大統領であるバラク・オバマは、リビア戦争のための大統領権限全てを、ヒラリー・クリントン国務長官に任せていた。早くから、秘密のムスリム同胞団を利用した、アラブにおける“政権転覆”支持者であるクリントンは、リビア戦争を正当化するため“保護する責任”(R2P)なる新たな奇怪な原則を援用し、彼女はそれを、素早く、NATOが率いる戦争に転換した。ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティー財団ネットワークが推進したばかげた考え方であるR2P原則の下、クリントンは何の確認可能な証拠もなしに、カダフィは、ベンガジ地域の無辜のリビア民間人を爆撃していると主張した。

オバマ政権の幹部筋の発言を引用した、当時のニューヨーク・タイムズ報道によれば、ヒラリー・クリントンは、当時、国家安全保障会議の首席補佐官で、現在、オバマの国連大使であるサマンサ・パワーと、当時、オバマの国連大使で、現在、国家安全保障顧問のスーザン・ライスに支援されていた。この三人組が、オバマを、リビアのカダフィに対する軍事行動に追いやったのだ。パワーズと、ライスを従えたクリントンは、実に強力で、クリントンは、ロバート・ゲーツ国防長官、オバマの国家安全保障顧問トム・ドニロン、オバマの対テロ作戦のトップで、現在のCIA長官ジョン・ブレナンらの主張を、まんまと、覆すことに成功していた。

クリントン国務長官は、後に“アラブの春”と呼ばれるようになった、イラク占領後、2003年に、ブッシュ政権によって明らかにされた大中東プロジェクトの一環として、アラブ中東の至る所で、アメリカが資金提供した政権転覆の波を解き放つ陰謀にもどっぷり浸かっていた。2011年、アメリカ政府が、フリーダム・ハウスや全米民主主義基金などの“人権”NGOを、いつも通り、億万長者の投機家ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティー財団や、アメリカ国務省やCIA工作員と共謀して利用する、アメリカによる“アラブの春”の最初の標的となった三国は、ベン・アリのチュニジア、ムバラクのエジプトと、カダフィのリビアだった。

アメリカ政府による、2011年“アラブの春”による特定中東国家の不安定化の時期と標的が、公表されたばかりの機密解除されたクリントンから、私的なリビア“顧問”で友人のシド・ブルーメンソール宛の電子メールとの関係で、今や新たな意味が浮かび上がっている。ブルーメンソールは 当時のビル・クリントン大統領を、モニカ・ルインスキーや他の性的スキャンダル問題で、弾劾されることから守った一流弁護士だ。

カダフィのディナール金貨

一体なぜアメリカ政府が、ムバラクのように亡命だけで済ませず、カダフィを個人的に破壊し、殺害しなければならないと決めたのかは、多くの人々にとって謎のままだ。カダフィが、アメリカが資金提供しているアルカイダ“民主的反政府”テロリストによって、残虐に殺害されたと知らされると、クリントンは、CBSニュースで、ユリウス・シーザーの有名な言葉を、むかつくような、ふざけた言い換えをし“来た、見た、彼は死んだ”と言い放った。彼女は心から気味悪い笑いをしながら、この言葉を言ったのだ。

リビアにおける、いや、それを言うなら、アフリカとアラブ世界におけるムアマル・カダフィの業績については、欧米ではほとんど知られていない。今、国務長官として、オバマ政権の対カダフィ戦争を指揮していた時期のヒラリー・クリントン電子メールの新たな部分が公表されて、戦争の背景に、劇的な新たな光が当てられることになった。

カダフィを抹殺し、リビアの国家としての全てのインフラを破壊するというのは、ヒラリー・クリントンの個人的判断ではなかった。判断は、アメリカ金融オリガーキーの極めて高位の集団が下したものであることは今や明らかだ。彼女はこうしたオリガーキーの命令を実行する、ワシントンの政治道具の単なる一人に過ぎない。介入は、石油貿易で、ドルに置き換わる金本位制のアフリカ・アラブ通貨を創設するというカダフィの良く練られた計画をつぶすのが目的だったのだ。1971年に、アメリカ・ドルが、ドルの金兌換を放棄して以来、ドルは劇的に価値を失った。アラブとアフリカのOPEC加盟産油諸国は、1970年以来、アメリカ政府によって、アメリカ・ドルでのみ支払うよう命じられているドルのインフレが、2001年までには、2000%以上にまで跳ね上がり、石油販売で得た購買力の消滅に長いこと反対してきた。

新たに機密解除されたクリントンの電子メール中の、2011年4月2日付けのシド・ブルーメンソールから、ヒラリー・クリントン国務長官宛のメールで、ブルーメンソールは、カダフィを排除すべき理由をあかしている。不明の“高位の情報筋”の話を引用するという口実で、ブルーメンソールは、クリントンにこう書いていた。“この情報筋が入手した機微情報によれば、カダフィ政府は143トンの金と、同様な量の銀を保有している… この金は、現在の反乱以前に蓄えられたもので、リビアのディナール金貨に基づく汎アフリカ通貨創設のために使用する予定だった。この計画はフランス語圏アフリカ諸国に、フランス・フラン(CFA)に対する代替を提供するべく設計されていた” このフランス関連の部分も、カダフィ・ディナール金貨の氷山の一角にすぎない。

ディナール金貨、そして更に

今世紀の最初の十年間、サウジアラビア、カタールなどを含むアラブ湾岸OPEC諸国は、ノルウェーの石油ファンドの成功を元に、膨大な石油やガス販売による収入のかなりの部分を本格的に国家のソブリン・フアンドに向けはじめた。

アメリカの対テロ戦争、イラクとアフガニスタンでの戦争や、2001年9月以降のアメリカによる中東政策全体への不満の高まりから、大半のOPEC加盟アラブ産油諸国は、1971年8月15日に、アメリカ政府が投げ捨てた金兌換のドルの代わりに、石油価格天井知らずに上がり、ヘンリー・キッシンジャーが好んで“オイル-ダラー”と呼んだものを作り出した1970年代以来、習慣になっている、手癖が悪いニューヨークとロンドンの銀行家に任せるのではなく、石油収入の益々多くを、国が管理するファンドに振り向けるようになっている。現在のスンナ派-シーア派戦争、あるいは文明の衝突は、実際は、2003年以降の、地域における“分割して、統治せよ”というアメリカによる操作の結果だ。

2008年、益々多くのアフリカとアラブの産油諸国が国家の石油とガス収入を、国が管理するファンドに向けていることが、ウオール街とシティー・オブ・ロンドンにとって大きな懸念となった。何兆ドルもの莫大な流動性を、彼らがもはや支配できなくなる可能性があるのだ。

今にして思えば、アラブの春のタイミングは、膨大なアラブ中東の石油の流れだけではないものを支配しようとする、アメリカ政府とウオール街の取り組みと緊密に繋がっていたことが益々見えてくる。新たな主権国家資産ファンドに集積された、彼らの何兆ドルものお金を支配することも、お同じ位重要な狙いだったのだ。

ところが、最新の2011年4月2日のクリントン-ブルーメンソール電子メールで、今や確認された通り、ウオール街とシティー・オブ・ロンドンの“お金の神様”に対し、アフリカとアラブ産油国世界から、質的に新たな脅威が出現しつつあったのだ。リビアのカダフィ、チュニジアのベン・アリと、エジプトのムバラクは、アメリカ・ドルから独立した金に裏付けられたイスラム通貨を立ち上げようとしていた。私は、2012年始めに、スイス金融・地政学会議で、このプロジェクトに関する豊富な知識をもったアルジェリア人から、この計画の話を初めて聞いた。文書は当時ほとんどなく、この話は私の記憶の中で棚上げになっていた。今や、アメリカ政府によるアラブの春の凶暴性と、リビアの場合の切迫感を総体的に把握できる、遥かに興味深い構図が現れたのだ。

‘アフリカ合州国’

2009年、当時、アフリカ連合議長だったカダフィは、経済的に窮乏したアフリカ大陸に“ディナール金貨”を採用するよう提案した。

イギリスとフランスの支援を得て、NATOによるカダフィ政権破壊の法的隠れ蓑を与えてくれる国連安全保障理事会決議を得ようというアメリカの決断に先立つ数ヶ月間、ムアマル・カダフィは、アフリカの産油諸国とアラブのOPEC加盟諸国が、世界市場において、彼らの石油販売に使用するはずの、金に裏付けられたディナール創設を組織していた。

ウオール街とシティ・オブ・ロンドンが、2007年-2008年金融危機で、ひどく厄介な状態にあった時に、もしもそういうことが起きていれば、ドルの準備通貨としての役割に対する影響は、深刻というだけでは済まされなかったはずだ。アメリカ金融覇権とドル体制にとって、弔いの鐘となっていたはずだ。膨大な未探査の金や鉱物資源を誇る世界で最も豊かな大陸の一つアフリカは、何世紀にもわたり、意図的に、低開発のまま留め置かれたり、発展を阻止するための戦争にさらされたりしてきた。国際通貨基金と世界銀行は、ここ数十年、アフリカの本当の発展を抑圧するための、アメリカ政府の道具だ。

カダフィは、アフリカ連合のアフリカ産油諸国や、イスラム教諸国に、ディナール金貨を主要通貨と為替手段とする同盟に参加するよう呼びかけていた。各国は、石油や他の資源を、アメリカや他の国々に、ディナール金貨でのみ販売することになるのだ。2009年、アフリカ連合の理事長だったカダフィは、アフリカ連合加盟諸国の会議で、リビア・ディナールと、ディルハム銀貨を、アフリカの石油を世界が購入できる唯一の通貨として使用するというカダフィ提案をした。

彼らの石油に対する、アラブOPEC諸国の主権国家資産ファンドと共に、他のアフリカ産油諸国、特にアンゴラとナイジェリアは、2011年のNATOによるリビア爆撃の当時、自分自身の国有石油の主権国家資産ファンドを作る方向で動いていた。カダフィのディナール金貨という考え方と結びついた、こうした主権国家資産ファンドは、イギリス・ポンド、フランス・フラン、ユーロ、あるいはアメリカ・ドルであれ、植民地的な通貨支配からの独立というアフリカの長年の夢を、現実のものにしていたはずなのだ。

彼が暗殺された当時、アフリカ連合の議長として、カダフィは、共通の金貨を持った、主権あるアフリカの諸国の連合、アフリカ合州国計画を推進していた。2004年、53カ国が参加する汎アフリカ議会は、2023年までに単一の金貨を持ったアフリカ経済共同体計画を立てていた。

アフリカの産油諸国は、オイル-ダラーを破棄し、彼らの石油とガスに対する、金による支払いを要求することを計画していた。参加国としては、エジプト、スーダン、南スーダン、赤道ギニア、コンゴ、コンゴ民主共和国、チュニジア、ガボン、南アフリカ、ウガンダ、チャド、スリナム、カメルーン、モーリタニア、モロッコ、ザンビア、ソマリア、ガーナ、エチオピア、ケニヤ、タンザニア、モザンビーク、コートジボワール、更に、新たな大規模石油埋蔵を発見したばかりのイエメンがあった。アフリカのOPEC加盟諸国、四カ国-アルジェリア、アンゴラ、ナイジェリア、巨大産油国で膨大な天然ガス埋蔵量を誇るアフリカ最大の天然ガス生産国と、最大の埋蔵量を持つリビアも-新たなディナール金貨制度に参加する予定だった。

カダフィに対する戦争で、アメリカ政府から前衛役を振り付けられていたフランスのニコラ・サルコジ大統領が、リビアは世界の金融の安全に対する“脅威”とまで呼んだのも何ら不思議ではない。

ヒラリーの‘反政府派’中央銀行を創設

カダフィを破壊するためのヒラリー・クリントンの戦争の最も奇妙な特徴の一つは、石油豊富なリビア東部のベンガジでアメリカが支援した“反政府派”、戦闘のさなか、彼らがカダフィ政権を打倒できるどうかはっきりするずっと前に、“亡命中の”欧米式中央銀行を設立したと宣言した事実だ。

反乱が始まってわずか数週の内に、反乱指導部は、カダフィの国営通貨庁を置き換える中央銀行を設立したと宣言した。反政府派委員会は、捕獲した石油を売るための彼ら自身の石油会社の創設に加え、“ベンガジ中央銀行を、リビア通貨政策を行う資格を有する通貨当局として認め、リビア中央銀行総裁を任命し、ベンガジに暫定本部を設置する”と発表した。

戦闘の結果が明らかになる前に、金に裏付けされたディナールを発行していたカダフィの主権ある国立銀行におきかわる欧米風中央銀行創設という奇妙な決定について発言して、ロバート・ウェンツェルは、経済政策ジャーナル誌で“民衆蜂起から、わずか数週間で作られた中央銀行など聞いたことがない。これは単なる寄せ集めの反政府派連中が走り回っているだけでなく、かなり高度な影響力が働いていることを示唆している”と言っている

今やクリントン-ブルーメンソール電子メールのおかげで、こうした“かなり高度な影響力”は、ウオール街と、シティー・オブ・ロンドンとつながっていたことが明らかになった。2011年3月に、アメリカ政府によって、反政府派を率いるべく送り込まれた人物ハリファ・ヒフテルは、カダフィの主要な軍司令官をつとめていたリビアを去った後、それまで20年間の人生を、CIA本部からほど遠からぬバージニア州の郊外で暮らしていた。

もしカダフィが、エジプトやチュニジアや他のアラブのOPECと、アフリカ連合加盟諸国とともに- ドルではなく、金による石油販売の導入を推進することが許されていれば、世界準備通貨としてのアメリカ・ドルの未来にとってのリスクは、明らかに金融上の津波に匹敵していただろう。

新たな黄金のシルク・ロード

ドルから自立したアラブ・アフリカ金本位制度というカダフィの夢は、不幸にして彼の死と共に消えた。ヒラリー・クリントンの身勝手な“保護する責任”論によるリビア破壊の後、現在あるのは、部族戦争、経済的混乱、アルカイダやダーイシュやISISテロリストによって引き裂かれた修羅場だ。カダフィの100%国有の国家通貨庁が持っていた通貨主権と、それによるディナール金貨発行はなくなり、ドルに結びつけられた“自立した”中央銀行に置き換えられた。

こうした挫折にもかかわらず、今や同様な金に裏付けされた通貨制度を構築すべくまとまっている国家の全く新たな集団は実に注目に値する。それぞれ世界第三位と、第一位の産金国であるロシアと 中国が率いる集団だ。

この集団は中国の一帯一路・新シルク・ロード・ユーラシア・インフラストラクチャー大プロジェクト建設と結びついている。これには、世界の金取引の中心として、シティー・オブ・ロンドンと、ニューヨークに置き換わるための中国による極めて確固たる措置である中国の160億ドルのゴールド開発基金も関わっている。出現しつつあくユーラシア金本位制度は、今やアメリカ金融覇権に対する、全く新たな質の挑戦になっている。このユーラシアの挑戦、その成功あるいは失敗が、我々の文明が生き残り、全く異なる条件のもとで繁栄できるようにするのか、あるいは破綻したドル体制と共に沈むのかを決定する可能性が高い。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-cc58.html



38. 中川隆[4897] koaQ7Jey 2016年11月10日 23:54:03: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5319]

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2016年11月10日
ヒラリー・クリントンは逮捕されるのか?
http://goldbook.ashita-sanuki.jp/e973941.html


藤原直哉 ‏@naoyafujiwara · 13時間13時間前
さっそくトランプはヒラリーに対して特別検察官を任命しそうだ

「ヒラリーがリビアのカダフィ大佐暗殺で稼いだ100億円」

ヒラリー自身は個人的に100億円を超えるカネを集めていた事実、そして日本のメディア(新聞、テレビ)ではほとんどスルーされているが、リビアの「ベンガジ事件」が、ヒラリーに悪霊のように付きまとっている。

リビアの「ベンガジ事件」

ベンガジ事件とは、リビアのカダフィ大佐は2011年に、事実上、暗殺された。
カダフィの最期は砂漠をのた打ち回って、民衆にどつかれ、殴られ、無残に叩きのめされて、そして最期は拳銃で頭を撃たれて死んだ。まるで野良犬のような死に方だった。その後、2012年にリビアの米国大使スティーブンスが、イスラム系組織に襲撃され殺害された。その遺体は路上を引きずり回された挙句、犬に食われた。

ところが不思議なことにヒラリーは大使救援の為の米軍特殊部隊の派遣をストップし、近くにいたCIAの警護部隊をスタンバイのまま救援に投入せずに、米国大使を見殺しにした。果たしてその理由とは?その理由は謎とされ、米国公聴会でヒラリーは厳しく査問されたが、ヒラリーは例の牛乳瓶の底のような眼鏡をかけて、何とか凌ぎきったと思われた。しかし問題は続く、ヒラリーが「国務長官としての公務に私用サーバーを使った秘密のメール事件」がスノーデンによって暴露されたのだ。

「スノーデン氏の暴露」

スノーデンは元CIA職員だが、米国とヒラリーの不正を暴露して、ロシアに亡命申請を行なった。そしてWikileaksへ米国の秘密情報を流した。

さて、国務長官として国際外交を差配していたヒラリーは、禁止されている私用パソコンを使って公務メールをやっていたのは何故か。そして何万件もの公務メールが消去されたのは何故か。その秘密のベールをめくり上げると、ヒラリーはリビアのカダフィを暗殺する指令をスティーブンス大使と現地CIAに出していた。また、カダフィ暗殺後に残された2兆円にも上る携帯用のスティンガーミサイルなどの軍事装備品、銃器弾薬、そして金塊をシリア反政府軍に渡す秘密協定をヌスラ戦線や自由シリア軍、あるいはトルコと結んだ。

しかし、それらの軍事装備と金塊は結果的にイスラム国へと渡ったとされるのだが。
(武田じゅうめい氏のブログより引用)(感謝!)
http://blog.goo.ne.jp/takejj_1953


つまり、ヒラリー・クリントンはリビアの武器でイスラム国を作った時のメールが暴露された?


「つまり・・・ヒラリー・クリントンを支持していたD・ロックフェラー氏が途中から、トランプ氏を支持するようになったのは、リビアの「ベンガジ事件」が捜査されると聞いたからではないですか?ヒラリーがイスラム国に売った武器と金塊で100億円稼いだのですかね?(笑)」
http://goldbook.ashita-sanuki.jp/e973941.html



39. 中川隆[4898] koaQ7Jey 2016年11月11日 08:43:45: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5320]

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2016.11.11
トランプ勝利後、カラー革命を仕掛けたり偽旗作戦で社会不安を煽る動きに警戒すべきとの声も


 アメリカの大統領選挙はドナルド・トランプが勝利した。すでにアメリカ支配層の相当部分がヒラリー・クリントンを見限った可能性が高いが、どこかの国でジョージ・ソロスたちが仕掛けた「カラー革命」的な展開になる可能性もある。

 この選挙結果を受け、民主党の候補者がバーニー・サンダースだったならトランプに勝てたのではないかとする人もいるが、サンダースが候補者だったら、支配層はトランプを選んだように思える。

 さまざまな工作で民主党の幹部たちはヒラリーを勝たせようとしたことがハッキングされた電子メールでも明らかにされたが、最終的に民主党の候補者を決めたのは通信社のAPだった。予備選の前夜、APが「クリントン勝利」を宣告したのである。「スーパー代議員(上位代議員、あるいは特別代議員と訳されている)」の投票予測でクリントンが圧倒し、勝利は確定していると宣伝、そうした雰囲気になってしまった。

 メディアに引導を渡されたサンダースは7月12日、ヒラリー・クリントンを次期大統領にすることを支援すると表明した。民主党の目標として、最低時給15ドルの実現、社会保障制度の拡充、死刑制度の廃止、炭素税の導入、マリファナの合法化、大規模な刑事裁判改革、包括的な移民制度改革、アメリカ先住民の人権擁護などのほか、大きすぎて潰せないという銀行の解体、21世紀版のグラス・スティーガル法(銀行業務と証券業務の分離)を成立させることなどで合意したというが、こうしたことをクリントンが考えていないことも電子メールが示している。

 今回の選挙では、金融資本、戦争ビジネス、ネオコン/シオニスト、アル・カイダ系武装集団を操ってきたサウジアラビアなどに支えられ、ムスリム同胞団やアル・カイダ系武装集団にもつながる、つまり支配層に担がれたヒラリー・クリントンが破れた。これ自体大きな出来事だが、サンダースのような「リベラル派」のインチキさも露見してしまい、アメリカの「自由と民主主義の国」という幻影は消えかかっている。

 アメリカの大統領戦で勝利したドナルド・トランプはふたつの重要な政策を表明していた。TPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)に反対していることがひとつ。クリントンは日本の自民党と同じで、少し手を加えてTPP、TTIP、TiSAの3点セットを成立させた可能性が高い。もうひとつはロシアとの関係修復。クリントンはロシアと核戦争する政策を主張、今回の大統領選挙でも全てロシアが悪いと叫んでいた。

 選挙後、2013年2月から15年2月にかけて国防長官を務めたチャック・ヘイゲルはロシアとの関係を修復すべきだと主張しているが、同じ考え方の人は支配層にもいる。バラク・オバマ大統領も引きずられていたネオコンの戦術は脅して屈服させるというもの。中国やロシアに通用しないにもかかわらず、ネオコンはこの方針を変えようとしていなかった。マーク・ミリー陸軍参謀総長のように、ロシアをかつて経験したことがないほど激しく叩きのめしてやる、つまり先制核攻撃で破壊すると公言する軍人もいる。それだけに、ヒラリーが大統領になった場合は人類存亡の危機を迎えるところだった。

 9月22日にアシュトン・カーター国防長官とアメリカ上院の軍事委員会に出席したジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長は、シリアにもリビアと同じように飛行禁止空域を設けるべきだとする議員の意見に対し、ロシアやシリアと戦争になると発言している。議員とは違い、戦争が何を意味しているのか理解しての発言だ。

 昨年9月25日まで統合参謀本部議長を務めたマーチン・デンプシー大将はアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を危険視、ロシアと協調すべきだと考えていたが、後任のダンフォードはロシアを公然と敵視していた。そのダンフォードでさえ、ネオコンにはついて行けなくなったと言えるだろう。

 軍の情報機関DIAの局長だった2012年当時、アメリカ政府の政策がダーイッシュ的な武装集団の勢力を拡大させると警告していたマイケル・フリン中将はトランプに外交政策などのアドバイスをしていると伝えられている。

 トランプの周辺にはそれなりの人材が存在しているわけだが、ヒラリーを担いでいた人脈がこのまま静かになるとは思えない。かつてほどの力がないだけに、過激な行動に出る可能性があるだろう。

 これまでの手口を考えると、有力メディアを使って宣伝、労働組合を使って揺さぶり、アル・カイダ系武装集団やGLADIOのような秘密部隊を使って社会不安を煽り、ノースウッズ作戦や9/11のような偽旗作戦を実行してロシアや中国を悪魔化、あるいは朝鮮を利用して戦乱を拡大するというようなことも考えられる。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201611110000/



40. 中川隆[4899] koaQ7Jey 2016年11月11日 13:15:00: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5321]

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ドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領選挙に勝利した理由2016年11月9日


2016年のアメリカ大統領選挙でのドナルド・トランプ氏の当選が決まった。恐らくは日本のメディアの偏向報道によりヒラリー・クリントン氏優勢の報道ばかり耳にしていた日本の人々には驚きをもって迎えられる結果かもしれないが、投票日以前にもトランプ氏優勢の世論調査は少なくなかったことはここで伝えてきている通りである。ヒラリー・クリントン氏を支持するメディアが報じていなかっただけである。

•トランプ氏支持率優勢の報道で騒ぐ日本国民のおめでたさ
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/4573


しかしトランプ氏がこれほどの支持を集めた理由についてはここでも断片的にしか説明していなかった。そこで、この記事ではドナルド・トランプ氏が有権者に選ばれた理由について包括的に説明してゆきたい。


民主党の候補者選び

先ず第一に言えるのは、トランプ氏が勝利したのは、対立候補となった民主党の候補者がヒラリー・クリントン氏だったからである。

そもそもヒラリー・クリントン氏は政治家とメディアと大企業の支持によって民主党の大統領選候補となった政治家である。民主党支持の有権者の多くは貧困層に味方するバーニー・サンダース氏を選んでいた。しかしサンダース氏は有権者における人気にもかかわらず、民主党候補を選ぶ予備選でクリントン氏に敗退した。これは民主党の候補者選定システムのためである。

サンダース氏は一般の民主党支持者の支持率においてはヒラリー・クリントン氏を大きく引き離したが、民主党の政治家の票を獲得出来ず、その結果有権者における不人気にもかかわらずクリントン氏が民主党の候補として選ばれることとなった。一方でトランプ氏が出馬した共和党では純粋に一般有権者の支持によって候補者が決まる。民主党は元々が政治家と癒着した大企業を利するシステムなのである。

こうした結果は民主党支持者に大きな禍根を残した。そして政治家や大企業によって歪曲された民主党の党内政治を印象付ける結果となった。トランプ氏が選挙戦を通して非難していたのはそういう腐敗した政治システムそのものだったのだから、サンダース氏の支持者の一部がトランプ氏に流れたのは想像に難くない。

クリントン氏の薄い人望

原因はヒラリー・クリントン氏自身にもある。クリントン氏が権力以外の何にも興味がないことはアメリカ国民なら誰もが知っている。

例えば、クリントン氏は大企業の利益となるTPPに賛成していた。TPPは未だに内容が明らかになっていないが、食品などに使われる農薬などに対する規制緩和が含まれていると推測され、一般市民の健康を犠牲にして大企業を利する条約として悪名高いが、ヒラリー・クリントン氏にはそのようなことは関係がなかた。

しかしトランプ氏やサンダース氏などがTPPに反対してアメリカ国民の支持を得ると、途端にクリントン氏はTPP反対に回った。彼女に政策など存在しなかった。存在するのは大統領になれるかどうかという打算と、どのような政策を打ち出せば企業が政治献金をしてくれるかということだけである。

一方でトランプ氏は政治献金をほとんど受け付けず、主に自腹による選挙活動を行った。選挙資金ではクリントン氏に大いに見劣りし、広告合戦では不利な面もあったが、それがトランプ氏の反政治腐敗のイメージを植え付ける結果となった。トランプ氏の選挙戦は主にTwitterとFacebook、そして各地での集会によって行われた。

日本ではトランプ氏こそが大統領になりたいだけだとか、売名行為だとかいう非常に浅い理解による馬鹿げた評が一部見受けられたが、そのような子供じみた理由で私財の多くを投げ打ち、暗殺されるリスクを顧みずに大統領選挙に出馬する人間はいない。常識的に考えれば分かるだろう。それが良いものであれ悪いものであれ、トランプ氏には目的があったのである。クリントン氏にはそれが無かった。

マスコミのヒラリー贔屓

そのような「何もない」ヒラリー・クリントン氏を無理矢理持ち上げようとしたのがメディアである。例えばこれまでの世論調査では、クリントン氏優勢となっているものが恣意的に選ばれて報道されていた。トランプ氏優勢のものが一度だけ報道されたとき、それに驚いていた日本人の反応に苦言を呈したのは少し前のことである。

•トランプ氏支持率優勢の報道で騒ぐ日本国民のおめでたさ

マスコミはこぞってヒラリー・クリントン氏を常識的な選択とし、トランプ氏の支持者は頭の悪いレイシストだとして扱った。ヒラリー・クリントン氏も自らそういう発言をした。非常に残念ながら日本でのイメージも大多数の人にとってはそういうものだろう。

しかしそれはアメリカ国民の思いとは完全に乖離している。ヒラリー・クリントン氏に反対するアメリカの有権者には断固たる理由があった。そしてマスコミに心無い非難をされ、馬鹿に馬鹿と言われたトランプ氏の支持者たちは、自分たちの票で大統領選挙を覆そうと強く決心した。そして元々はクリントン氏の支持者であっても、このようなメディアの偏向報道を見て何かがおかしいと思った有権者もあったことだろう。

高まる反グローバリズムの気運

そして最後に挙げられるのはやはり反グローバリズムである。上に書いたTPPなどは格好の標的となった。大企業は国民を農薬漬けにすることで金を儲けようとしている。反移民もトランプ氏の大きな支持基盤の一つである。大企業は安い労働力が欲しいためだけに移民政策を推進する政治家を支持し、メディアはそれを援護射撃するために可哀想な移民の子供の写真を載せるのである。

一部の指摘によればそうした写真の一部はでっち上げられたものだと言う。しかし自分の頭で考えない一部の有権者にはそのようなことは関係がない。その結果、現地の女性が性的暴行を受け、多くの人々がテロで殺されたとしても政治家や大企業、メディアの知ったことではないということである。ヨーロッパでは大惨事となっている。

•ヨーロッパ移民問題: 止まらない大量殺人と性的暴行、今度はミュンヘンでイラン人が銃乱射
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/3909


このような馬鹿げた事態にもかかわらず、メディアによればグローバリズムは常識的、理性的選択であり、彼らはそれに反する政治的主張は反理性主義であるとまで言い放った。しかし彼らの選択によって現地住民はおろか騙された移民でさえも不幸な目にあっている。文化も言語も異なる国にいきなり移り住んで生計を立てることが簡単であるはずがない。繰り返すが、彼らの多くは難民ではなく、自国でも十分暮らせたであろう出稼ぎの移民なのである。

•ヨーロッパには移民受け入れ能力はない: イタリアで邂逅した少女の話とドイツの欺瞞
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/1757


ヒラリー・クリントン氏の支持者はトランプ氏を嘘つきだと繰り返し主張したが、嘘に塗れていたのはクリントン氏の裏で団結したグローバリズムという利権である。このような偽善に反旗を翻さないまともな人間があるだろうか? イギリス人は少なくともそれを知っていたのである。

•国民投票でEU離脱を選んだイギリス人の凄まじい精神力
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/3594


ヨーロッパでは既に惨劇が起きたが、アメリカはそれを未然に防いだ形となる。アメリカの有権者の方が日本人よりもよほどまともである。

今や先進国でグローバリズムを喜々として推進している国は日本だけとなった。TPPも移民政策も日本だけが乗り気である。

•安倍首相がシリア難民150人受け入れを発表、日本の治安と文化は終焉へ
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/3324


グローバリズムの闇についてはここでは語り尽くせないほどのことがある。興味のある読者は他の記事も読んでみてもらいたい。大富豪のジョージ・ソロス氏も、OECDも、日本で言えば財務省も、すべては同じ穴の狢なのである。彼らの終わりの日が来たということである。日本人も立ち上がるべきではないか。
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/4615





41. 中川隆[4900] koaQ7Jey 2016年11月11日 13:48:27: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5322]

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トランプ氏支持率優勢の報道で騒ぐ日本国民のおめでたさ2016年11月2日


2016年アメリカ大統領選挙の最新世論調査でドナルド・トランプ氏の支持率がヒラリー・クリントン氏の支持率を上回ったとの報道が話題になっている。投資家として支持率の世論調査はほぼ毎日目を通していた人間からすれば、世の中が何を騒いでいるのか皆目意味が分からない。何故ならば、トランプ氏が支持率でクリントン氏を上回っていたことなど、これまで何度もあったからである。

大統領選挙の支持率世論調査

先ず、そもそも支持率の世論調査というものは、様々な調査会社が各自集計したものであり、これが毎日およそ5から10ほど発表されている。例えば、RealClearPolitics(原文英語)に載っている世論調査で、11月2日のものを順に並べてみよう。以下は順に、調査会社の名前、優勢の候補者、支持率の差の順に並んでいる。Tieは引き分けである。
•IBD – Tie
•LA Times – Trump +6
•ABC – Tie
•Rasmussen – Tie

執筆時点でまだ米国時間2日であるから、調査がまだ増えることはご了承願いたいが、確かにトランプ氏が優勢の世論調査が存在する。しかしそれは最近だけのことだっただろうか? 1週間遡って10月26日のものは以下のようになる。
•FOX News – Clinton +3
•Reuters – Clinton +4
•USA Today – Clinton +9
•Associated Press – Clinton +14
•LA Times – Trump +1
•IBD – Clinton +1
•ABC News – Clinton +9
•Rasmussen Reports – Clinton +1
•Associated Press – Clinton +13

確かに時間を遡るとクリントン氏優勢の色が濃くなるが、トランプ氏が優勢の世論調査がないわけではない。それ以前にもトランプ氏優勢の日はあり、例えば10月21日のものなどは、数は少ないがトランプ氏優勢の世論調査ばかりである。
•IBD – Trump +1
•Rasmussen Reports – Trump +2
•LA Times – Trump +1

報じられなかった世論調査

だがこうした世論調査の結果はメディアによって伝えられただろうか? 一切伝えられていないのである。10月22日にトランプ氏はTwitterでこう述べている。


わたしが支持率でトップになった最新の3つの世論調査についてメディアは報道することを拒否している。無数の聴衆が見ているぞ、結果を楽しみにしていろ!

世論調査を毎日見ている人間には彼の主張が出鱈目ではないことが分かる。メディアはこれまで明らかにクリントン氏優勢の世論調査ばかりを選んで報じてきた。

トランプ氏のメディア嫌いは筋金入りであり、そしてそれも当然だろう。メディアと大企業がこぞってクリントン氏を当選させようとしていること自体が、クリントン氏が大統領になれば誰が得をするのかということを物語っている。そして今回の報道で初めてトランプ氏が優勢になったと思った人々が居るとすれば、そういう人々はメディアの思惑にあまりに簡単に嵌っているのである。人々を操作することの何と容易なことだろう。

日本人の多くはまだ、クリントン氏が大した問題のない候補者で、トランプ氏のみが出鱈目なのだと思っていることだろう。そういう人々はイギリスのEU離脱さえも衆愚政治の結果だと思っていたことだろう。衆愚政治とはあなたがたのことである。

•国民投票でEU離脱を選んだイギリス人の凄まじい精神力
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/3594


自分の頭で考えない人々があまりに多過ぎる。非常に残念なことである。
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/4573



42. 中川隆[4938] koaQ7Jey 2016年11月14日 19:05:47: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5361]

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 1991年12月にソ連が消滅した段階でネオコン/シオニストはアメリカが唯一の超大国になったと認識、服わぬ国々は脅し、それでも屈服しなければ軍事的に破壊してしまうという戦略を立てた。ソ連消滅の直前、ポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)は5年から10年でイラク、シリア、イランを殲滅すると口にしたという。これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官の話だ。
 2001年9月11日以降、アメリカではネオコンが主導権を奪い、ウォルフォウィッツたちが描いた世界制覇プランを推進していく。クラーク元司令官によると9/11の10日後、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺では攻撃予定国リストが作成されていた。そこにはイラク、シリア、イランのほか、レバノン、リビア、ソマリア、スーダンが載っていたという。

 ところが、21世紀に入るとロシアでウラジミル・プーチンを中心とするグループがロシアを再独立させ、ネオコンが描く世界制覇プランの前提条件が崩れてしまう。それでもプランを推し進めようとした結果、ロシアや中国を核戦争で脅すという事態になる。そうした動きの最前線にいたのがヒラリー・クリントンだ。

 その一方、軍や情報機関の内部でもロシアとの核戦争は避けるべきだと考える人びとがいる。マーティン・デンプシー元統合参謀本部議長やマイケル・フリン元DIA局長はその典型例。クリントンの電子メールをリークした人物は電子情報機関NSAの内部にいると推測する人もいた。こうした人びとの存在はクリントンが大統領選で敗れた一因だろう。

 しかし、クリントンを担いでいた勢力のネットワークは強力。すでにジョージ・ソロスはカラー(パープルらしい)革命を始めている。そうした人びとはロシアとの関係修復にも抵抗、場合によってはシリアへの本格的な軍事介入を強行するかもしれない。「アメリカの関東軍」であるNATOは懸念材料だ。

 アメリカでは「トランプ暗殺」の噂も流れているが、実際に殺さなくても何らかの形で排除し、ペンス副大統領を昇格させるということは想定できる。これはアメリカ支配層の常套手段だ。そこで、ペンスが注目されている。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201611140001/



43. 中川隆[5001] koaQ7Jey 2016年11月17日 13:12:51: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5428]

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>>27 の続き

ヒラリー・クリントン・とは誰か 下 ーーアメリカ大統領選挙を目前にして
国際教育総合文化研究所 寺 島 隆 吉   2016年11月4日付


 
 私は前回の論考「ヒラリー・クリントンとは誰か」(11月2日号)を次のように結びました。

 「このように、今まさに世界はアメリカ大統領選挙を前にして『伸るか反るか』の曲がり角に来ているのです。にもかかわらず、アメリカや日本の、リベラルを自称する知識人も大手メディアも、『アメリカ史上、初の女性大統領』という殺し文句に惑わされて、現在の深刻な事態が見えなくなっているように思われます。

 しかし現在の事態の深刻さを理解してもらうためには、ヒラリー女史が国務長官だったときだけでなく、それ以前に外交政策で彼女が何を主張し、どのような行動をとってきたかを、もっと詳しく説明する必要があります。とはいえ、すでに長くなりすぎていますので、これについては、次回の論考に譲りたいと思います。」

 そこで今回は、ヒラリー・クリントンなる人物が、アメリカの国務長官として何をしてきたかを、まず調べてみることにします。

    *

 さて「国務長官」というと、まるでアメリカの国内行政における最高責任者のように聞こえてきますが、実は日本の「外務大臣」にあたる外交政策の責任者です。
 アメリカの「防衛省」は、今は「防衛総省」(別名ペンタゴン)と言っていますが、かつては「戦争省」と言っていました。

 日本では「陸軍省」と誤訳(意図的?)されていますが、第2次大戦が終わる前までの正式名称は、「United States Department of War」すなわち「アメリカ戦争省」でした。

 まるで外国にたいして侵略戦争をし続けてきたアメリカの歴史を象徴するような名称ですが、アメリカにとって軍事力による外交=戦争は、内政よりも重要な「国務」であったからこそ、「外務省」を「国務省」(United States Department of State)と名付けたのかも知れません。

 アメリカ軍人として伝説的な英雄スメドレー・バトラー将軍は、退職したあと自分が軍人として果たしてきた役割を振り返って『戦争はペテンだ』という著書を著し、そのなかで、右のような事情を、次のように述べています。

 「私は、大企業、ウォール街、銀行、お偉方の用心棒として時を過ごした。
要するに私は資本主義に奉仕する恐喝者でありギャングの一員だった」

「私はウォール街の利益のために中米の六つの共和国の略奪を手伝った。恐喝の記録は長い」

「ギャングの親玉アル・カポネがやれたのは、せいぜい三つの地区のボロ儲けの口を操っただけのことだ。私なんか3大陸を操ったんだ」
(『肉声でつづる民衆のアメリカ史』上巻442頁)


 このスメドレー将軍のことばは、アメリカ外交の本質を赤裸々に暴露しているのではないでしょうか。

    *

 それはともかく、ブッシュ氏が大統領になったとき、「9・11事件」を口実にアフガニスタンを爆撃し、それをイラクへの侵略戦争に拡大したのですが、それでもアメリカによる戦争は中東の小さな範囲にとどまっていました。ところがオバマ大統領とヒラリー国務長官のもとで、戦火は一気に地中海沿岸の北アフリカ(リビアの内戦)や東ヨーロッパ近辺(ウクライナやシリアの内戦)にまで拡大しました。

 それどころか、今まではブッシュ大統領が表立って手出しをしなかった中南米にまで手を出してクーデター工作をおこなうようになりました。このような戦争やクーデターの拡大に深く関わってきたのが、ヒラリー国務長官でした。

 いま深刻な人道危機をもたらしているシリアの内戦について、ヒラリー女史が「リビアと同じような飛行禁止区域をもうけるべき」だと強く主張していることは前回の拙稿で紹介したとおりです。

 アサド政権の要請でロシアが本格的にイスラム原理主義集団の掃討作戦に乗りだし、彼らの拠点を空爆し始めてからは、ダーイッシュ(今まではISISとかイスラム国と呼ばれていた)などのイスラム原理主義集団諸派は、負け戦です。

 サウジを中心とする湾岸諸国が資金と人員を供給し、アメリカやNATO諸国が(さらにイスラエルも)裏で、武器や特殊部隊を派遣して軍事訓練をしてきたにもかかわらず、この状態なのです。

 アメリカの基本戦略は、あくまでアサド政権の転覆です。そのためにはロシア軍の空爆をやめさせる必要があります。ロシア軍の空爆はアサド政権の正式な要請によるものですから、国際法に則った行為ですが、イスラエルやNATO諸国(トルコも含む)のシリア領内における空爆は領空侵犯になりますから、どうしてもリビアの時と同じような「飛行禁止区域」の設定が必要になります。

 これを強く主張しているのが、先述のとおり、ヒラリー女史です。

 しかし、ロシアは安全保障理事国ですから今のままでは国連の許可を得ることができません。残された道は、偽の人道危機をつくりだして、「ロシア軍やアサド軍は民間人を無差別に殺傷している」とか、「彼らは化学兵器を使っている」とかの口実で、世論を喚起して彼らを押さえ込む以外にありません。

 他方、ロシアの主張は次のとおりです。

 「リビアでは『独裁者カダフィが自国の民衆を無差別に爆撃して大量の死傷者を出している。だから飛行禁止区域を』という口実で、カダフィはイスラム原理主義集団と戦う手段を奪われてしまった。その結果、何が生まれたか。国土の荒廃と大量の難民だった。同じことをシリアでも繰りかえすつもりか」
    *
 シリアになだれ込んでいるイスラム原理主義集団は、サウジを中心とした湾岸諸国からだけでなく、ロシアのチェチェンや中国の新疆ウイグル地区といったイスラム教徒が多い地域からも流入してきています。彼らはロシアや中国を不安定化させる勢力としてCIAが以前から訓練してきた勢力だと言われています。

 ですから、シリアが内戦で崩壊した場合、そこで勝利したイスラム原理主義集団は、次の攻撃目標として、ロシアや中国に還流し、ロシアや中国を不安定化させることに最大の精力を注ぎ込むことになるでしょう。

 今やEUとアメリカに対抗する勢力として経済的にも軍事的にも対抗する大国になりつつある動きを、アメリカとしては何としても阻止しなければなりません。

 BRICsという興隆しつつある経済共同体の中心がロシアと中国だから、これはなおさら、アメリカにとっては放置できない事態です。

 だからこそ、ロシアと中国を不安定化させることが必要なのです。

 かつて中東一円からイスラム原理主義集団(ビンラディンもその中の一人でした)をかき集めてソ連をアフガニスタンに引きずり込み不安定化し崩壊させた方法を、シリアでもやろうというわけでしょう。

    *

 しかし、これはロシアや中国にとっても座視できない重大事です。

 ロシアと違って、中国は表立ってシリアに味方しては来ませんでしたが、最近、中国も、アサド政権を支えるために、裏で大きく動きはじめていると言われるのも、このような情勢から見ると当然のこととも言えます。

 ですから、ヒラリー女史が「シリアに飛行禁止区域を!」と大声で叫び、「ロシアやシリアが言うことをきかないのであれば軍事力の行使もいとわない」と主張することは、世界大戦になることを意味します。

 この戦いは、NATO諸国やサウジなどの湾岸諸国と一緒になって、アメリカが、ロシア=シリア=イラン=中国といった勢力と、軍事力で戦うことになるからです。

 前回の論考で述べたことですが、イギリスの高級紙インデペンデントだけでなく、ヒラリー女史の自叙伝を書いたディアナ・ジョンストンなどが、イタリアの新聞インタビューで

「クリントン氏の大統領選の勝利は、第3次世界大戦の勃発も含め予想外の結果をもたらす可能性がある」

と語っているのも、このような背景をふまえてのことだと、私は理解しています。

    *

 ここで、もうひとつ考えておかねばならないことは、ロシアの軍事力はシリアにおける原理主義集団との戦いで明らかになったように、通常兵器ではアメリカ軍をはるかに凌駕しているということです。

 ですから、アメリカ軍がロシア軍や中国軍と戦って本気で勝つつもりならば、残されている手段は核兵器による先制攻撃しかありません。

 しかも集団的自衛権でアメリカに縛られることになった日本も、否応なしに、この核戦争に巻き込まれるかも知れません。

 しかし、いったん核戦争が起きれば、生き残れる国はほとんどないでしょう。今は、それほど深刻な事態なのです。

    *

 話が少し横道にそれたので、クリントン女史に話を戻します。

 ロシアはヒラリーの主張する「飛行禁止区域の設定」について、「シリアをリビアのように破壊して、再び大量の死傷者を出し、EU全土を更なる難民であふれさせようとするのか」と怒っているわけですが、このリビア内戦にヒラリーは、どのようにかかわっていたのでしょうか。

 2016年10月20日は、リビアの元首だったカダフィ大佐が、アルカイダの一派に惨殺されて5周年になる日でした。

 カダフィが殺されたとき、ヒラリー女史は国務長官として、NATO軍のリビア攻撃を指揮・監督する立場にいたのですが、カダフィ惨殺の報が届いたときCBSのインタビューの中で

「来た・見た・死んだ」"We came, We saw, He died"

と、身振り手振りをまじえて、嬉しげに言っています。

 この言葉は、共和制ローマの将軍カエサル(日本ではシーザーとして知られている)が言ったとされることば「来た・見た・勝った」をもじったものですが、その嬉しげに語っている映像がユーチューブに流れ、ヒラリー女史の冷酷さ・好戦性を浮き彫りにするものとなりました。

    *

 では、リビアとはどのような国で、カダフィとはどのような人物だったのでしょうか。

 元財務省高官(財務次官補)で、かつウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者だったポール・グレイグ・ロバーツ氏は、このカダフィ惨殺五周年の日に、自分のブログで、それを次のように書いています。

 「ムアマル・カダフィは、世界で最も進歩的な指導者だった。カダフィはリビアの石油の富をリビア国民のために使っていた。

 彼は宮殿ではなく、立派なテントではあるが、テントで暮らしており、アメリカ政府の中東同盟国であるサウジアラビアや産油首長国支配者一族につきものの、ヨーロッパ高級車や他のあらゆる身の回り品のコレクションを持っていなかった。

 リビアでは、教育・医療・電力は無料だった。ガソリンは事実上無料で、1リットル14セントで売られていた。子どもを産んだ女性は現金の助成金を貰い、カップルが結婚すると現金の助成金が貰えた。リビアの国営銀行は無利子で融資し、農民には無償で開業資金を供与した。」


*Hillary's War Crime
「ヒラリーの戦争犯罪」

    *

 ロバーツ氏はこれらの事実を、グローバル・リサーチという独立メディアに載せられた「リビア:知られては困る、カダフィに関する10の事実」という小論に依拠しながら書いているのですが、日本では全く紹介されていない事実ばかりです。

 このロバーツ氏が依拠した小論には、カダフィが計画していた世界最大の灌漑施設の地図も載せられていて、驚かされました。カダフィの言う「緑の革命」は単なる夢想ではなかったのです。

 しかし日本で紹介されているカダフィ像は、アメリカ政府から流れてきた情報にもとづいた「自分の国民を冷酷に支配する独裁者」という悪魔化されたものばかりでした。


*Global Research
"Libya: Ten Things About Gaddafi They Don't Want You to Know"
「リビア:知られては困るカダフィ10の事実」

    *

 では、上記のような理想国家をつくろうとしていたカダフィ政権を、なぜアメリカとNATOは倒そうとしたのでしょうか。それをロバーツ氏は、先の引用に続けて次のように書いています。

 「カダフィがアメリカ政府から自立していたことが彼の没落をもたらしたのだ。若い頃のカダフィの目標は、アラブを欧米の略奪に抵抗できる一つの連合に組織することだった。

 それが思うように進展しないことにいらだった彼は、汎アフリカ主義に向かい、アメリカのアフリカ軍に参加するのを拒否した。また彼は、ドルではなく金をもとにしたアフリカ統一通貨を導入ようとした。そうすればアフリカをアメリカの金融覇権から解放できるからだ。

 カダフィは、中国のエネルギー企業にリビアのエネルギー資源を開発させた。以前から地中海におけるロシアの存在に腹を立てていたアメリカ政府は、今や中国の存在にも向き合わねばならなくなった。だからアメリカ政府は結論を出した。カダフィは悪い連中と付き合っているので退陣させるべきだと。」

    *

 私は今まで、アメリカとNATO軍によるカダフィの追放は、リビアの石油が目当てだとばかり思ってきたのですが、実はもっと深い理由があったのです。「ドルによる世界支配」を維持し、「中国のアフリカ進出」を阻止することが、カダフィ追放の真の理由だったのです。

 では、何を口実に、どのような手段で、カダフィを追放するか。それがアメリカにとって次の問題になります。米軍が直接、アフリカに乗りだしてリビアを破壊するのでは、世界の世論はもちろんのこと、アフガン戦争やイラク戦争に嫌悪感が強くなっているアメリカの世論も賛成しないでしょう。ではどうするか。それをロバーツ氏は先のブログで次のように説明しています。

 「アメリカ政府はイスラム原理主義者を使って傭兵を編成し、シリアと同様、連中を『反政府派』と名付け、リビア政府にけしかけた。

 カダフィ軍が勝っていることが明らかになると、アメリカ政府は、初心(うぶ)で騙(だま)されやすいロシアと中国の政府を罠(わな)にかけ、国連でリビア領空に飛行禁止空域を設定することを認めさせた。それを実行するのはNATO軍だ。

 飛行禁止空域の口実は、カダフィによる民間人攻撃を防ぐためということだった。しかしそれは嘘だった。本当の理由は、主権国家のリビアが自分の領空を使えないようにして、傭兵と戦っている地上軍をリビア空軍が支援できないようにするためだった。

 ロシアと中国がこれに騙されて、安全保障理事会の議決で拒否権を行使しそこねると、今度はアメリカとNATO自身が、決議に違反してNATOの空軍力を用いてカダフィ軍を攻撃した。こうして戦局はCIAが組織した傭兵に有利になった。

 カダフィは捕らわれ惨殺された。それ以来、かつて繁栄し成功していた国家リビアは混乱・混沌の極みだ。それは、オバマ政権が望んでいたものだ。」

    *

 ところが今やイギリスでは議会による調査報告書が、「カダフィが欧米の覇権にとっての障害と見なされていたがゆえにリビアは破壊された」と明白に結論づけているのです。だからこそ、ロバーツ氏は上記のブログを次のように締めくくっているのでしょう。

 「注目すべきなのは、ニュルンベルク裁判をもとにした国際法では、彼女が有罪であることは明らかなのに、この戦争犯罪について、この「殺人婆」(killer bitch)に質問したマスコミは皆無だということだ。

 なぜなら、この戦争はヒラリーが国務長官の職に就いているときに、彼女の監督下で準備されたものだからだ。

 もうひとつ注目すべきなのは、この「殺人婆」を所有している巨大な政治力を持ったひと握りの集団オリガーキーと、連中の手先である「売女マスコミ」 (presstitute=press+prostitute)は、この戦犯を次期アメリカ大統領にするつもりだということだ。

 この「殺人婆」や「売女マスコミ」という言葉づかいのなかに、元アメリカ財務省高官だったロバーツ氏の憤りが伝わってくるような気がします。

 ヒラリー女史にたいする怒りもさることながら、ロバーツ氏の大きな怒りは、トランプ叩きに終始しているアメリカの大手マスコミにも向けられているのです。

 それにしても、実名で公けにしているブログなのに、よくぞここまで大胆に言い切れるものだと、その勇気に感心・感動しました。日本の元政府高官に、このようなひとはいるのでしょうか。私は寡聞にして知りません。

    *

 以上で「シリアに飛行禁止区域を!」と主張するヒラリー女史の冷酷さ・好戦性が少しは分かっていただけたかと思いますが、これだけでは、リビア空爆の残酷さや戦犯性が今少し伝わりにくいように思いますので、そのようすを物理化学者・藤永茂氏のブログ「私の闇の奥」から引用して紹介したいと思います。

 このブログの日付は「2011年8月31日」となっています。カダフィが惨殺されたのは10月20日ですから、そのことを念頭において読んでいただければと思います。

 「いま、リビアについての我々の関心は(好奇心は)、カダフィが何処でどのようにして捕まり、どのように処分されるかに釘付けにされているようですが、我々の本当の関心は、今回のリビア内戦でNATOが何をしたか、何をしているかに集中されるべきだと私は考えます。

カダフィの政府軍による大虐殺からリビア国民を守るという名目の下に開始されたNATOによるリビア空爆は、想像を絶する物凄さで行なわれました。8月23日のNATOの公式発表によると、過去5ヶ月間にNATO空軍機の出撃回数は2万回を超えました。1日あたり130回の物凄さです。

 対地攻撃を行なった戦闘爆撃機が1機に複数の爆弾や誘導ミサイルを搭載しているとすると、正確激烈な破壊力を持った数万の爆弾やミサイルがリビアの人々の上に降り注いだことになります。

 リビアの人口約650万人、人口的には福岡県と佐賀県を合わせた位の小国です。ミサイルの標的が戦車であれ、輸送車両、船舶であれ、カダフィの住宅であれ、放送局、大学であれ、無人ではない場合が普通でしょうから、多数の人間が殺傷されたに違いありません。8月上旬に、NATO空爆による死者2万という報道がちらりと流れたことがありましたが、あり得ない数字ではありません。

 しかも、NATOの反政府軍支援は空爆に限られたわけではありません。大型ヘリコプターなどによる兵器、弾薬、物資の補給も行なわれ、地上でも多数のNATOやCIAの要員が間接的に参戦した模様です。しかし、こうしたNATOの活動の具体的報道は殆ど完全な管制下にあります。

 これだけの規模の軍事暴力が、国際法的には全く合法性のないままで(UNの決議内容をはるかに超えて)、人口数百万の小独立国に襲いかかったのです。まことに言語道断の恐るべき前例が確立されました。カダフィと息子たちの今後の命運など、この暴虐行為の歴史的意義に較べれば、3面記事の値打ちしかありません。」

    *

 これを読んでいただければ、ロバーツ氏が先に、「注目すべきなのは、ニュルンベルク裁判をもとにした国際法では彼女が有罪であることは明らかなのに、この戦争犯罪について殺人婆(killer bitch)に質問したマスコミは皆無だということだ」と言っていたことの意味が、改めてよく理解できるのではないでしょうか。

 そして、満面に笑みを浮かべて「来た・見た・死んだ」と言ったヒラリー女史にたいして、ロバーツ氏が悪罵を投げつけたくなった理由も。

    *

 それにしても、藤永氏は1926年生まれですから、2016年11月の現在で、氏は90歳前後のはずです。

 九州大学やカナダのアルバータ大学で教鞭を執っていた一流の物理化学者でありながら、老体にむち打ちつつ、NHKや朝日新聞などの大手メディアが目をつむって通り過ぎている事実を掘り起こし、上記ブログを通じてそれを私たちに伝える仕事を続けておられます。

 唯々(ただただ)、頭が下がります。

    *

 ところでリビアの事態は、単にカダフィの惨殺に終わったわけではありませんでした。

 前述のとおり、この戦争は全土を瓦礫に変え、「リビアの民主化」どころか大量の死者と難民をうみだしただけでした。そしてリビアはいまだに混沌の極致にあります。

 そのうえ今度は、このような惨劇をシリアに輸出しようとしているのがヒラリー女史なのです。

 それは単に彼女が「シリアにも飛行禁止区域を!」と叫んでいるからだけではありません。リビアで使ったイスラム原理主義集団を、実際にシリアに輸出しようとしてきたのが、ヒラリー女史を外交政策の責任者とするアメリカだったからです。

 この間の事情を櫻井ジャーナル(2016年8月20日)は次のように伝えています。

 「カダフィ体制が倒された直後、リビアのベンガジでは裁判所の建物にアル・カイダの旗が掲げられ、その映像がユーチューブにアップロードされた。その事実をイギリスのデイリー・メイル紙でさえ、伝えている。リビアを侵略した軍隊は空がNATO軍、地上はアル・カイダ系のLIFG(リビア・イスラム戦闘団)だった。

 リビアを破壊した後、侵略軍はリビア軍の倉庫から武器/兵器を持ち出してトルコへ運んでいる。勿論、戦闘員も同じように移動した。調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュによると、輸送の拠点になったのはベンガジにあるCIAの施設。輸送にはマークを消したNATOの輸送機が使われたとも伝えられている。

 運び出された武器/兵器の中に化学兵器も含まれ、これをシリアで使い、政府軍に責任をなすりつけてNATO軍が直接、シリアへ軍事介入する口実にしようとしたと言われている。」

    *

 これを読むと、リビアから傭兵集団が兵器もろともトルコを経由してシリアに輸送されていることが分かります。しかも輸送の拠点になったのはベンガジにあるCIAの施設で、輸送にはマークを消したNATOの輸送機が使われたというのですから、二重の驚きです。というよりも二重の犯罪と言うべきかも知れません。それはともかく、櫻井ジャーナルの説明は次のように続いています。

 「そうした武器や戦闘員の輸送をアメリカ国務省は黙認した。2009年1月から13年2月まで国務長官を務めたヒラリー・クリントンもこの工作を知っていたはず。

 しかも、クリントンの部下にあたるクリストファー・スティーブンス大使は2012年9月10日、CIAの武器輸送担当者と会談、その翌日には武器を輸送する海運会社の人間と会っている。勿論、武器はトルコ経由でシリアの侵略軍へ渡される手はずになっていた。

 その9月11日にベンガジのアメリカ領事館が襲撃されてスティーブンス大使が殺されている。リビア議会が首相を指名する前日だ。その2カ月後にCIA長官を辞めたデイビッド・ペトレイアスはヒラリーと緊密な関係にあることで知られ、このルートからもシリアでの工作を知らされていたはずだ。」

    *

 これを読むと、アメリカ大使館や領事館はCIAの拠点になっていることがよく分かります。日本のアメリカ大使館や領事館も同じ機能を果たしているのでしょうか。

 しかし、ここでもっと重大なのは、その領事館が襲撃されてスティーブンス大使が殺されていることです。ヒラリー国務長官が公的なメールサーバーを使わずハッカー攻撃に弱い私的メールを使ったことが、大使殺害につながったかもしれないのです。

 あるいは、うがった見方をすればこのような極秘事項を手配した人物だけに、それを外部に知られては困るから、密かにテロリスト=傭兵集団に頼んで大使を消してもらったのでしょうか。

 櫻井ジャーナルはこれについては何も述べていないのですが、この私の仮説が正しければ、これほど身の毛のよだつ話はないでしょう。櫻井氏は、これに続けて次のように述べているだけです。

 「クリントンは戦争犯罪人と言われても仕方のないようなことをしてきたわけだが、欧米の支配層はクリントンを支持してきた。投機家で体制転覆に多額の資金を提供してきたジョージ・ソロスも支援者のひとり。

 この支配層は軍事的に世界制覇を進めるだけでなく、巨大資本が国や国際機関を支配する仕組みを作り上げようとしている。それがTPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、そしてTiSA(新サービス貿易協定)の3点セットだ。」

    *

 ヒラリー女史の好戦性、あるいはヒラリー女史が大統領になると、なぜ第3次世界大戦になる危険性があるかは、以上の説明で、かなり分かっていただけたのではないかと思います。

 しかし彼女の好戦的履歴は、このリビア爆撃にとどまるものではありません。

 とはいえ本稿もすでにかなり長くなってきていますので、以下ではその略歴だけを紹介して、この論考を閉じたいと思います。以下の引用は先の櫻井ジャーナル(同日付け)からのものです。

 「ウィキリークスによる電子メールのハッキング情報が続いている。今回は投機家で体制転覆に多額の資金を提供してきたジョージ・ソロスだ。

 彼がターゲット国の体制を転覆させるために使っているオープン・ソサエティ基金もハッキングされたという。そうした電子メールの中には、ソロスがヒラリー・クリントンに対してユーゴスラビア=アルバニア情勢に対する対処の仕方をアドバイスするものがある。そのメールが書かれたのは2011年1月24日で、国務長官だったクリントンはソロスのアドバイスに従って動いたようだ。

 ヒラリー・クリントンは夫が大統領だった1990年代、マデリーン・オルブライト(国連大使から国務長官)やビクトリア・ヌランド(国務副長官の首席補佐官)と連携して政権をユーゴスラビアに対する先制攻撃へと導いているが、その背後にソロスがいたということだろう。国務長官に就任したオルブライトが主導する形で1999年3月にNATO軍は偽情報で環境作りをしながらユーゴスラビアを先制攻撃、ひとつの国を破壊した。」

    *

 上記に登場するマデリーン・オルブライトとビクトリア・ヌランドという二人の女性は好戦的人物として有名ですが、この2人を、戦争にあまり乗り気ではなかった夫のビル・クリントンに紹介し強引に新しい国務長官や国務副長官の首席補佐官に据え付けたのも、ファーストレディだったヒラリー女史だったと言われています。

 ですから、彼女のタカ派ぶりは、ここでみごとに発揮されていると言えます。

 櫻井ジャーナルの叙述は、さらに次のように続いています。

 「2003年11月にはジョージア(グルジア)で「バラ革命」、04年から05年にかけてはウクライナで「オレンジ革命」があり、新自由主義体制になった。

当然、一部のグループが不正な手段で国民の財産を奪って莫大な富を築き、その後ろ盾になっていた西側の巨大資本も利益や利権を手にした。こうした「革命」でもソロスはスポンサーとしての役割を果たしていた。

 言うまでもなく両国の庶民は貧困化、そうした状況への怒りからソロスたち西側の富豪や巨大資本にとって好ましくない方向へ動いた。そこで仕掛けられたのがウクライナ首都キエフのクーデター。

2014年2月22日、ネオ・ナチ(ステファン・バンデラ派)を主力とするグループがビクトル・ヤヌコビッチ大統領を暴力的に排除している。そのクーデターを現場で指揮していたのがヌランド国務次官補だった。クリントンは2013年2月に国務長官を辞めているが、ヌランドは彼女の同志だ。」

    *

 私は「バラ革命」や「オレンジ革命」のニュースを聞いたとき、旧ソ連圏の東ヨーロッパで、新しい民衆運動が起きているものと信じていました。

 しかし今から考えると、実に巧妙に仕組まれた「偽の民衆革命」だったのです。これは一種のクーデターでした。

 しかも、このクーデターは東欧だけにとどまりませんでした。ヒラリー国務長官のもとで、クーデターは中米にまで飛び火していました。あの悪名高いブッシュ大統領ですら、やらなかったことです。以下の櫻井氏による説明は次のようになっています。

 「クリントンが長官に就任したのはバラク・オバマが大統領に就任した2009年1月のことだが、その年の6月にホンジュラスで実行されたクーデターでクリントンは黒幕的な役割を果たしたと言われている。約100名の兵士が大統領官邸を襲い、マヌエル・セラヤ大統領を拉致し、コスタ・リカへ連れ去っている。

 現地のアメリカ大使館は国務省に対し、クーデターは軍、最高裁、そして国会が仕組んだ陰謀であり、違法で憲法にも違反していると報告している。つまり、クーデター政権には正当性がないと明言した。

 このクーデター政権は翌2010年、最初の半年だけで約3000名を殺害したとも報告されている。そのクーデターの背後にクリントン長官がいたということだ。」

    *

 以上で櫻井ジャーナルからの引用を終えます。まだまだヒラリー女史の好戦性・冷酷さを示す事例に事欠かないのですが、長くなりすぎていますので、ひとまずここで筆をおきます。今のアメリカ情勢を理解する一助にしていただければ幸いです。

 ただ一つだけ付け加えておきたいことがあります。それはアメリカの民衆が、知れば知るほどヒラリー女史に嫌気がさしているのに、他方の大手メディアがトランプ叩きに終始しているという事実です。

 これでは、アメリカ民衆は「どちらがワルとして我慢できるか」という選択肢しか残されていないことになります。これはアメリカ史上、最悪の大統領選挙と言えるでしょう。

 ただ私たち日本人に一つだけメリットがあるとすれば、今までアメリカは理想の国、民主主義のモデル国だと思われていたのに、それは虚像に過ぎなかったことが、この選挙戦を通じて見えてきたことではないでしょうか。
http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/hirarikurintontohadarekage.html



44. 中川隆[5081] koaQ7Jey 2016年11月23日 08:57:51: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5513]

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クリントン氏を「傷つけたくない」 トランプ氏、訴追の構え撤回
2016年11月23日 07:07 発信地:ワシントンD.C./米国

米大統領選を争ったドナルド・トランプ氏(左)とヒラリー・クリントン氏

【11月23日 AFP】(更新)米国の次期大統領に選出されたドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は22日、自身が当選すれば民主党の対立候補だったヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官の訴追を目指すとしていた発言について、実行すれば「国を大きく分断することになるだろう」と述べ、撤回する意向を示した。

 トランプ氏は選挙運動中、自身が大統選で勝利を収めればクリントン氏を刑務所行きにすると発言し、驚きと非難の声を浴びた。

 トランプ氏はクリントン氏が国務長官時代の公務に私用電子メールサーバーを使用していた問題と、一家が運営するクリントン財団(Clinton Foundation)の「見返り献金」疑惑を選挙戦の軸となるテーマとして掲げ、クリントン氏の「犯罪」を糾弾。熱狂した支持者らによる「彼女を収監しろ!」というシュプレヒコールを生んでいた。

 クリントン氏の追加捜査を求めないとのトランプ氏の決断は、ニュース局MSNBCが他社に先駆けて報道。その後、トランプ氏側近のケリーアン・コンウェー(Kellyanne Conway)氏が同局のインタビューに対し事実と認めた。

 またトランプ氏本人も22日、ニューヨーク・タイムズ(New York Times)紙のインタビューに応じた際、「私はクリントン家を傷つけたくない」などと述べ、前言撤回とみられる姿勢を示した。

 トランプ氏の決断は、熱烈な支持者らから公約違反と受け止められたり、職権乱用との批判を生んだりする可能性がある。(c)AFP




45. 中川隆[5390] koaQ7Jey 2016年12月11日 09:07:57: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5826]

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2016.12.11
トランプがビジネス関係を解消したサウジアラビアはクリントン周辺と深く結びついている可能性
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201612110000/

 ドナルド・トランプ次期大統領は選挙後、サウジアラビアでのビジネスに幕を引いたようだ。サウジアラビアは「スンニ派テロリスト」、つまりアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を支援している主要国のひとつであり、当然のことだろう。

 トランプが大統領に就任した後、安全保障担当補佐官に就任すると見られているマイケル・フリン元DIA局長はそうした武装集団の危険性を訴えてバラク・オバマ大統領から解任されたと言われているだけに、この問題には神経質になっているはずだ。トランプ政権ではサウジアラビアが国際問題の焦点になるかもしれない。

 サウジアラビアと「スンニ派テロリスト」との関係はオバマ政権も知っていた。2009年12月30日にアメリカの国務省が出した通信文には、サウジアラビアの資金提供者が全世界に展開する「スンニ派テロリスト」への最も重要な資金源を構成していると書かれている。当時の国務長官はヒラリー・クリントンであり、当然、この事実を彼女も知っていたはずだ。

 その2年前、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュはニューヨーカー誌にアメリカ、サウジアラビア、イスラエルの秘密工作について書いている。シリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラをターゲットにした秘密工作を始めたというのだ。その手先はサラフ主義者(ワッハーブ派)やムスリム同胞団。こうした情報の少なくとも一部を国務省は認めていたことになる。

 2014年8月にクリントンが選挙キャンペーンの責任者だったジョン・ポデスタへ送った電子メールにはサウジアラビアとカタールについて、ダーイッシュや他のスンニ派過激派に対する資金や物資を秘密裏に供給していると書いている。

 今年6月にはヨルダンの通信社ペトロ・ニュースはサウジアラビアの副皇太子で国防相でもあるモハンマド・ビン・サルマンの話として、民主党の有力候補が受け取った寄付金の20%はサウジアラビアからのものだと伝えた。その直後、通信社のサイトがハッキングされ、嘘の記事が掲載されたという訂正文が掲載されたのだが、この訂正が正しいかどうかも不明だ。このビン・サルマンはサウジアラビア王家の中で武装集団と最も強く結びついている人物だと言われ、トルコのクーデター未遂にも関係したとする情報もある。

 タイムズ・オブ・イスラエル紙によると、クリントンの高額寄付者の上位5位まで、トランプは上位2位までがユダヤ系。両者ともイスラエル・ロビー団体のAIPACで演説、イスラエル支持を表明している。

 こうしてみるとユダヤ系の富豪はクリントン側に寄っているように見えるが、11月13日に放送された番組の中でロシア外務省の広報担当者、マリア・ザハロバは興味深い話を口にしている。9月にニューヨークで会ったユダヤ系の人物から、自分たちはクリントンに寄付しているが、その倍をトランプに提供していることを明らかにしたというのだ。

 もし、ユダヤ系の資金がトランプへ多く流れたとするなら、その穴埋めをサウジアラビアに求めたとしても不思議ではなく、ヨルダンでの報道は無視できない。そのサウジアラビアが「スンニ派テロリスト」のスポンサーだということをクリントンは熟知しているわけで、この問題を掘り下げていくと困る人はクリントンだけに留まらないだろう。

 トランプは2001年9月11日の攻撃について関心を持っているようで、これもサウジアラビアと結びつけて語る人がいる。もし、トランプを支配層がコントロールできなくなった場合、アメリカに激震が走ることは間違いない。フリン中将の存在は不気味だろう。



46. 中川隆[5457] koaQ7Jey 2016年12月14日 15:41:00: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5893]

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上院議員に出馬して以来、ヒラリー・クリントンはロッキード・マーチンから多額の寄付を受け、「ロッキード・マーチンの上院議員」とも呼ばれていた。
リチャード・チェイニー元副大統領の妻リンは1994年から2001年まで同社の重役。ヒラリーとリンは戦争ビジネスでつながっている。

言うまでもなく、リチャード・チェイニーは1995年から2000年までハリーバートンのCEO兼会長。戦争で大儲けしている会社だ。

 ソ連消滅後、アメリカの軍需産業は能力よりカネ儲けを優先、その象徴がロッキード・マーチンのF-35だ。

この戦闘機は現在のアメリカを象徴する存在だと言えるかもしれない。プログラム・コストは1兆5000億ドル以上になりそうだが、「空飛ぶダンプカー」と呼ばれる代物。2015年の初めにカリフォルニア州のエドワード空軍基地でF-35A(通常離着陸型)は燃料タンクを装着したF-16Dと模擬空中戦を行い、完敗してしまったと言われている。間違いなく要撃には不向き。この高額欠陥戦闘機を日本も5機注文、さらに42機を購入する計画だという。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201612140000/



47. 中川隆[5573] koaQ7Jey 2016年12月20日 22:27:08: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[6010]

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2016.12.20
トルコで露大使が射殺される前、米大統領、元CIA長官、元CIA副長官はロシアに対する報復を口に

トルコ駐在のロシア大使、アンドレイ・カルロフが12月19日にアンカラで射殺された。美術展覧会でスピーチした後、非番の警察官に撃たれたと伝えられている。ロシア軍の支援を受けたシリア政府軍がアレッポを奪還したことに対する報復であるかのようなことを銃撃犯は口にしていたようだ。

 シリアでの戦闘はリビアと同様、外国勢力に送り込まれた武装集団によって2011年春に始められた。戦闘員の主体はサウジアラビアなどペルシャ湾岸産油国に雇われたサラフ主義者/ワッハーブ派やムスリム同胞団で、アメリカなどが戦闘員を訓練し、携帯型の防空システムMANPADや対戦車ミサイルTOWを含む武器や兵器を供給してきた。「反体制派」や「内戦」といった用語を使うことは間違い、あるいは嘘だ。

 こうした侵略作戦は昨年9月末にロシア軍がシリア政府の要請で空爆を始めてから崩れていく。途中、アメリカ政府は停戦を持ちかけて時間を稼ぎ、体勢を立て直そうとしたものの、思惑通りには進んでいない。そして要衝アレッポが政府軍に奪還された。

 アル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を利用してシリアやリビアを軍事的に破壊しようとした勢力はアメリカ大統領選で民主党のヒラリー・クリントンを担いでいた。2009年1月から13年2月まで国務長官を務めたクリントンは中東/北アフリカにおける軍事侵略に深く関係、11年10月20日にリビアのムアンマル・アル・カダフィが惨殺された事実をCBSのインタビュー中に知らされた際、彼女は「来た、見た、死んだ」と口にして喜んでいる。

 リビア攻撃では重要な事実、アメリカ/NATOがアル・カイダ系武装集団LIFGと連携していることが広く知られるようになる。LIFGの幹部がそうした事実を認めただけではなく、体制転覆後、反カダフィ勢力の拠点だったベンガジでは裁判所の建物にアル・カイダの旗が掲げられ、その映像がYouTubeにアップロードされ、イギリスのデイリー・メイル紙も伝えたのだ。

 そのリビアから戦闘員と武器/兵器がシリアへ移動したことは早い段階から指摘され、マークを消したNATOの輸送機が武器をリビアからトルコの基地まで運んだとも伝えられていた。おそらく、クリントンはシリアのバシャール・アル・アサドも血祭りに上げようとしたのだろう。

 後に調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュは戦闘員や武器/兵器を運ぶ拠点がベンガジにあるCIAの拠点で、アメリカ国務省はそうした活動を黙認していたことを明らかにした。ベンガジにあるアメリカ領事館もそうした活動の舞台だったが、2012年9月11日に襲撃され、クリストファー・スティーブンス大使も殺される。

 ハーシュによると、領事館が襲撃される前日、大使は武器輸送の責任者だったCIAの人間と会談、襲撃の当日には武器を輸送する海運会社の人間と会っていた。ということは、スティーブンスの上司にあたるクリントン長官も承知していた可能性が高い。2012年11月にCIA長官を辞めたデイビッド・ペトレイアスはヒラリー・クリントンと緊密な関係にある人物で、このルートからもシリアでの工作を知らされていたはずだ。

 ペトレイアスは12月16日、ロシアに対する「報復」について語っている。ロシアが民主党の電子メールなどをハッキングしていないことは彼も承知しているはずであり、実際に「報復」するなら別の出来事に対するものだ。

 それはともかく、「彼らに対してわれわれができ、彼らがわかり、われわれが行ったことを彼らが98%理解するが、名誉のために応じなければならないほど明白ではないようなことはないだろうか?」とペトレイアスは口にしたという。同じ日にバラク・オバマ大統領は、ロシアに対する「懲罰と抑止」としてロシアへ明確のメッセージを送ることを誓ったともいう。

 要するに、自分たちが世界の支配者になるという野望の実現を妨害するロシアに対して報復したいということなのだろうが、それだけ彼らが追い詰められているとも言える。

 ヒラリー・クリントンを支援するため、2013年8月にCIA副長官を辞めた(12年11月から13年3月まで長官代理)マイク・モレルは今年8月8日、ロシア人はイラン人に代償を払わせるべきだと語った。司会者のチャーリー・ローズからロシア人とイラン人を殺すという意味かと問われ、その通りだと答えている。わからないように殺すというのだ。

 ヒラリー・クリントンの周辺は公然とロシア人を殺すべきだと語っている。それがいかに深刻なことなのか、西側の政府や有力メディアは考えていないようだ。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201612200000/



48. 中川隆[5900] koaQ7Jey 2017年1月06日 13:02:27: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[6342]

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2017.01.06
アッサンジが電子メールの情報源は露政府でないと発言、西側メディアは情報源の情報源だと修正

WikiLeaksのジュリアン・アッサンジはFoxニューズの番組で、彼らが2016年に公表したDNC(民主党全国委員会)やヒラリー・クリントンの選挙キャンペーンに関する電子メールはロシア政府から提供されたものでないと語った。

 それまでアメリカの政府や有力メディアはロシア政府がハッキングで入手した電子メールをWikiLeaksへ渡したと宣伝、ロシア外交官35名とその家族、合計96名をバラク・オバマ政権は国外追放している。

 通常、こうしたことをすると相手国も同じように外交官を追放するのだが、ウラジミル・プーチン露大統領は無視した。任期を終える直前のオバマ大統領が「置き土産」としてロシアとアメリカとの関係を悪化させようとしていることが明白なため、挑発に乗らなかったのだ。

 これまでもWikiLeaks側はロシア政府が情報源だとする主張を否定してきた(例えばココ)が、それでもアメリカ政府や西側の有力メディアは根拠、証拠を示すことなく同じ主張を繰り返してきた。ところが今回は違い、間に第三者が入ったと修正してきた。ロシア政府はWikiLeaksの「情報源の情報源」だというわけだ。嘘をつき始めると際限がなくなる。

 オバマ政権のロシア政府を攻撃している間にハッキングされた電子メールの中身について語られなくなったが、「改竄された」ことを示す根拠や証拠は示されていないわけで、その問題は片付いていない。

 昨年7月5日にジェームズ・コミーFBI長官が発表した声明の中で、ヒラリー・クリントンは機密情報の取り扱いに関する法規に批判した可能性があり、そうした情報を軽率に扱っていたことを認めているのだが、その上で司法省に対して彼女の不起訴を勧告している。

 FBIが彼女を起訴しないと決めた一因として、証拠となる万2000件近い電子メールが削除されていたことが挙げられている。その中には記録として残すことが義務づけられているメールも含まれていたが、大きな問題とはとらえられていない。サウス・カロライナ州選出の下院議員トレイ・ゴウディによると、クリントンは削除のためにブリーチビットというソフトウェアを利用しているようだ。

 このソフトウェアを使うと削除した文書を回復させられないだけでなく、削除した痕跡を消すこともできるというが、FBIがその気になれば入手できる。NSAの内部告発者であるウィリアム・ビニーも指摘しているように、NSAは地球規模で全ての電子メールを記録している。ヒラリーが何をしたかに関係なく、FBI長官は彼女を起訴する意思がなかったということだ。

 投機家で体制転覆の仕掛け人としても知られているジョージ・ソロスの電子メールも外部に漏れている。その中でソロスは国務長官時代のヒラリー・クリントンに対してアルバニア情勢に対する対処の仕方をアドバイス、それに沿ってヒラリーは行動した。

 ソロスはロスチャイルドとの関係が深いが、ヒラリーが頻繁にメールを遣り取りしていた相手のひとりがリン・フォレスター・ド・ロスチャイルドだ。この女性は1998年に開かれたビルダーバーグ・グループの会合で知り合ったエベリン・ド・ロスチャイルドと2000年に結婚している。ふたりを結びつけた人物はヘンリー・キッシンジャーだ。

 ハッキングされた電子メールの中には、2012年9月11日にベンガジのアメリカ領事館が襲撃された出来事も含まれている。その襲撃でクリストファー・スティーブンス大使が殺されたが、ベンガジを含む襲撃に資金を出したのはサウジアラビアのスンニ派(ワッハーブ派)だということを示す証拠をフランスとリビアの情報機関が持っているとしている。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701040000/



49. 中川隆[5919] koaQ7Jey 2017年1月07日 12:31:16: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[6361]

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2017.01.06
トランプ陣営からネオコンのウールジー元CIA長官が追放され、ネオコンとの対立が激化する可能性

ドナルド・トランプの周辺からネオコン色が薄くなりつつある。これまで上級顧問としてネオコンのジェームズ・ウールジー元CIA長官が参加していたのだが、トランプのチームから追い出されたのだ。

 ウールジーがCIA長官だったのはビル・クリントン時代の1993年2月から95年1月までだが、退任後にはネオコン系シンクタンクPNACのメンバーになる。PNACは1997年にロバート・ケーガンとウィリアム・クリストルによって創設されたが、ケーガンが結婚したビクトリア・ヌランドはウクライナのクーデターを指揮したひとりで、ヒラリー・クリントンと親しいことで知られている。

 このヒラリーと親しいマデリーン・オルブライトが1997年1月から国務長官を務めているが、それと同時に政権は好戦的になり、1999年3月にNATOはユーゴスラビアを先制攻撃している。同年5月には中国大使館が破壊されたが、これは意図的な攻撃だった可能性がきわめて高い。

 1998年1月にPNACは中東に危機が迫っているとしたうえで、イラクが大量破壊兵器を実際に使用するか脅迫の道具に使う可能性を排除するべきだと主張、サダム・フセインの排除を求める手紙をクリントン大統領に出している。その手紙にウールジーも署名していた。また、ウールジーはウクライナのクーデターやシリアへの侵略で積極的に動いて来たネオコンのジョン・マケイン上院議員とも近い関係にある。

 こうした背景を持つ人物を上級顧問として抱えていたことからトランプもネオコンの強い影響下にあると見る人もいたが、閣僚人事を見ても、次期政権はネオコンと一線を画そうとしているように見える。

 トランプを攻撃するため、ヒラリー・クリントンやバラク・オバマ大統領の周辺はトランプをロシア政府の傀儡だと宣伝している。そうした宣伝の一環としてヒラリーや民主党にとって都合の悪い電子メールをハッキングしたのはロシア政府だと言い続けているのだが、その根拠や証拠は示されていない。

 前回も指摘したように、2016年にWikiLeaksが公表したDNC(民主党全国委員会)やヒラリー・クリントンの選挙キャンペーンに関する電子メールはロシア政府から提供されたものでないとジュリアン・アッサンジが語ると、間に第三者が挟まっている、つまりロシア政府はWikiLeaksの情報源の情報源だと言い出すなど足下がおぼつかない。

 ジェームズ・クラッパー国家情報長官はクリントンやオバマ側に立ち、「証拠」を示すようなことを言っているが、本当に持っているなら、遥か前に提示しているだろう。ここにきてワシントン・ポスト紙では、ロシア政府の高官がトランプの勝利を祝う会話を傍受したと報じているが、これが事実だったとしても意味はない。ヒラリーはロシアを露骨に敵視、核戦争の可能性を高める政策を推進するとしていた。ロシアとの関係修復を口にしていたトランプの勝利をロシア側が喜ぶのは当然で、もし逆なら大きな問題になる。

 これまでにも指摘されてきたが、アメリカの情報機関NSAは通信を地球規模で傍受、記録、分析している。つまり、ヒラリー・クリントンの電子メールも全て持っているはず。ロシアがハッキングすれば、その証拠を提示できるだろう。

 こうした通信傍受は1970年代に衛星通信が広がるにともなって盛んになった。イギリスのジャーナリスト、ダンカン・キャンベルなどはその頃からアメリカやイギリスの情報機関による情報支配を暴いている。エドワード・スノーデンが明らかにしたことは、その延長線上にある最新事情だ。

 1970年代の終盤には不特定多数の対象を追跡し、情報を収集、分析できるシステムも開発されている。そうした中で特に注目されていたのがINSLAW社のPROMIS。このシステムには日本の法務省も注目、1979年と80年に法務総合研究所の『研究部資料』に概説資料と研究報告の翻訳を掲載している。

 INSLAW社と接触していたのは後の名古屋高検検事長、敷田稔。その当時、駐米日本大使館に一等書記官として勤務していたのが原田明夫だ。言うまでもなく、原田は後に法務省刑事局長として「組織的犯罪対策法(盗聴法)」の法制化を進め、事務次官を経て検事総長に就任した人物。1980年代どころか90年代を過ぎても日本のマスコミ、「市民活動家」、「リベラル派」、「革新勢力」はこうした監視システムから目を背け、取り上げることを拒否していた。スノーデンの内部告発でこうした問題を始めて知ったわけでない人は日本にも少なくないはずだ。

 ともかく、通信傍受を含むさまざまな手段で情報を収集して分析するだけでなく、コンピュータ・ウィルスを感染させて攻撃するということをアメリカはイギリスやイスラエルと手を組んで行ってきた。また、第2次世界大戦後、アメリカ政府が他国の選挙への介入した最初のケースは1948年のイタリアにおける総選挙。この時の工作資金は戦争中にドイツ軍が略奪した「ナチ・ゴールド」だったと言われている。こうしたことは広く知られているわけで、ロシア政府がプロパガンダを行った、ハッキングした、選挙に介入したとアメリカ政府が騒ぐのは滑稽だ。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701060001/




50. 中川隆[5988] koaQ7Jey 2017年1月10日 10:15:13: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[6431]

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2017.01.10
来日し、安倍首相らと会ってカネの使い方を話し合った投機家のソロスが置かれた厳しい状況

ジョージ・ソロスがアデアー・ターナー元CBI(英国産業連盟)会長を伴って来日、1月6日に安倍晋三首相と30分ほど「アベノミクス」について話し合ったと報道されている。その席には元朝日新聞主筆の舟橋洋一もいたようだ。さらに麻生太郎財務相や黒田東彦日銀総裁とソロスの一行は会ったという。日本からカネを巻き上げるための話し合いと言えるだろう。

 長年、ソロスはソ連/ロシアを不安定化させて浸食、あるいは侵略して富を奪おうとしてきたが、ウラジミル・プーチンによって押し返されている。しかも昨年の大統領選挙ではソロスがコントロールしていたヒラリー・クリントンが敗北、ロシアとの関係修復を主張していたドナルド・トランプが勝利してしまった。

 クリントンとソロスとの関係を示す電子メールが昨年8月、インターネット上に公開されている。ハッキングされたもので、その中にはソロスが国務長官時代のクリントンにアルバニア情勢の対処法をアドバイスしている2011年1月24日付けのメールもある。実際、クリントンはその通りに動いたようだ。

 その頃、アメリカではソロスが親イスラエル派を弱体化させようとしているとする報道もあったが、イスラエル系富豪がトランプへ資金を大量に提供していた可能性がある。例えば、選挙後の昨年11月13日に放送された番組の中でロシア外務省の広報担当者、マリア・ザハロバは、アメリカの大統領選挙でトランプが勝利した理由をユダヤ人の資金だと語っている。9月にニューヨークで会ったユダヤ系の人物から、自分たちはヒラリー・クリントンに寄付しているが、その倍をトランプに提供していることを明らかにしたというのだ。トランプに対する最大の寄付者はカジノを経営、日本でもカジノを経営しようとしているシェルドン・アデルソンだ。

 しかし、ソロスもユダヤ系であり、人脈はユダヤ系のロスチャイルド系のネットワークに続き、イギリスのN M ロスチャイルド・アンド・サンやフランスのエドモンド・ド・ロスチャイルド・グループとつながっている。ユダヤ系富豪の内部で対立が生じていたのかもしれない。

 選挙後もソロスはトランプを攻撃しようとしている。例えば、昨年11月13日から3日間の予定で彼は息子のジョナサン・ソロス、あるいはトム・ステイアーを含む富豪たちと一緒にトランプ対策を練る秘密会談をワシントンのマンダリン・オリエンタル・ホテルで開いている。やはり13日にベルギーのブリュッセルではイギリスとフランスを除くEUの外務大臣がトランプに関して話し合っている。

 こうした会議以上に興味深いのはロシアで新自由主義者、つまりアメリカ巨大資本の傀儡グループに属すと見られているアレクセイ・ウルカエフ経済開発相が逮捕された事実だろう。現在でもロシア支配層の内部には西側資本の傀儡勢力が小さからぬ影響力を維持している。ウルカエフはそのひとりだが、この逮捕によって彼の仲間は背筋が寒くなるのを感じたことだろう。ロシアでソロスの手先は締め上げられつつある。

 ソロスはウクライナでネオ・ナチを使ってクーデターを成功させたグループのひとりだが、そのウクライナは破綻状態。トランプが大統領に就任した場合、さらに状況は厳しくなるかもしれない。そうした中、「アメリカの関東軍」とも言えるNATOはエイブラムズM1A1戦車87輌を含む戦闘車両を1月6日にドイツへ陸揚げした。戦闘ヘリのブラック・ホーク50機、CH-47チヌークを10機、アパッチ・ヘリコプターを24機などと共にドイツ、ブルガリア、エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランド、ルーマニアへ配備するようだ。武力でロシアを挑発しているのだろうが、トランプが大統領に就任する前、何らかの行動に出る可能性も否定できない。

 そうした状況下でソロスは日本へ乗り込んできた。平和的なビジネスの話をすることが目的ではないだろう。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701100000/





51. 中川隆[6204] koaQ7Jey 2017年1月21日 11:35:48: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[6655]

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2017.01.21
トランプの大統領就任式が行われている時、街頭で反トランプの抗議活動を実行したのは誰か

ドナルド・トランプがアメリカ大統領に就任した。その最中、街中では反トランプの抗議活動が展開され、暴力的な光景も見られた。投機家のジョージ・ソロスやその影響下にあるヒラリー・クリントンたちは「パープル革命」を仕掛けると見られていたので、驚きではない。昨年11月に実施された大統領を選ぶ投票でトランプの勝利が決まった直後、ヒラリーは夫のビルと紫をあしらった衣装で集会に登場している。

 いわゆる「カラー革命」をアメリカ支配層は体制を自分たちにとって都合良く作り替える(レジーム・チェンジ)ために使ってきた。そのスポンサーと言われているのがソロスにほかならない。

 2004年から05年にかけてのオレンジ革命でウクライナの政権乗取りに成功した西側支配層は、2013年11月から14年2月にかけてもクーデターを実行している。この時はネオ・ナチ(ステファン・バンデラ派)が前面に出て来た。

 勿論、このクーデターは憲法の規定を無視したもので、新政権に合法性はない。国民の支持を受けていたならまだしも、排除されたビクトル・ヤヌコビッチ大統領の支持基盤である東部や南部では反発が強まり、ウクライナから離脱する意思を示した。ところが、西側では政府や有力メディアだけでなく、リベラル派や革新勢力を名乗っている人びとも民意を否定した違憲の政権を支持している。

 このクーデターはウクライナで事前に警告されていた。2013年11月、オレグ・ツァロフ議員が議会で同国を内戦状態にするプロジェクトについて演説しているのだ。それによると、プロジェクトの中心はジェオフリー・パイアット米大使で、計画は11月14日と15日に話し合われ、NGOがその手先として動くことになっていたという。議員が演説した翌日にユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)で抗議活動は始まる。クーデターの際、デモを演出するのはアメリカ支配層の常套手段である。

 イランでナショナリストのムハマド・モサデク政権を倒した1953年のクーデターの場合、アメリカとイギリスのクーデター計画を知った国民が抗議デモを始めるとアメリカ大使だったロイ・ヘンダーソンが抗議して止めさせ(William Blum, "The CIA," Zed Books, 1986)、その一方でツデー党員(コミュニスト)を装ったデモを開始、モサデクの勝利はコミュニストの勝利を意味すると宣伝し始める。その2日後にはCIAが手配した反モサデクのデモが始まり、その日の午後にモサデクの自宅が国王派の将校が指揮する戦車部隊に包囲され、モサデクは内戦を避けたことからクーデターは成功裏に終わった。

 1973年9月11日にオーグスト・ピノチェトが率いる部隊のクーデターで合法政権が倒されたチリの場合、その前年9月にアメリカ政府は労働組合にストライキを実行させて経済混乱や社会不安の深刻化を図った。労働組合は革新勢力だと思われがちだが、CIAは組合に浸食、組合幹部の中にはCIAのネットワークが作られていることが少なくない。このクーデターから2年後、CIAはオーストラリアの労働党政権を崩壊させたが、この時も労働組合を使って政権を揺さぶっている。1990年代からCIAはNGOを盛んに使うようになるが、NGOがCIAとつながる組織だということではなく、CIAがNGOを利用するようになったということだ。

 アメリカ支配層は労働組合やNGOだけでなく、メディアを自分たちの道具として使ってきた。CIAと有力メディアとの関係がいかに強いかは本ブログで何度も書いてきた通りである。そうした傾向は巨大資本によるメディア支配が強まった1980年代からひどくなっている。

 有力メディアが支配層に取って都合の良い幻影を見せているだけだということは多くの人が気づいているだろうが、気づかぬふりをしている人は少なくない。映画『マトリックス」的に言うなら、痛みを伴う真実を知ることのできる「赤いピル」ではなく、支配層が提供する幻影の中に浸ることができる「青いピル」を選ぶ人が多いということだが、ここにきて世界的に「赤いピル」を選ぶ人が増えてきたことも確かだ。そうした傾向が日本では弱いが、それでもそうした方向へ動いていくだろう。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701210000/



52. 中川隆[6245] koaQ7Jey 2017年1月22日 17:41:16: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[6696]

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2017.01.22
米が唯一の超大国でない事実を認めず露と核戦争も辞さない姿勢をみせるヒラリーが敗北した必然

ドナルド・トランプ米大統領はTPP(環太平洋連携協定)から撤退すると表明した。以前から主張していたことなので驚きではない。「自由貿易」を旗印に推進されてきたTPPはTTIP(環大西洋貿易投資協定)やTiSA(新サービス貿易協定)とセットになった協定で、多くの人が指摘しているようにアメリカを拠点とする巨大資本が世界を支配するための仕組みにすぎない。つまりフランクリン・ルーズベルト第32代米大統領が定義したファシズムに基づく体制を作り上げるための協定である。

 TPPを推進使用としてきた西側の有力メディアは選挙期間中からトランプがロシアとの関係改善を目指していることに憎悪を剝き出しにしていた。ウラジミル・プーチンの下でロシアは曲がりなりにも再独立に成功したが、その前のボリス・エリツィン時代は西側巨大資本の植民地と化していた。その巨大資本の手先としてロシア国民の富を略奪、自らも巨万の富を手にした人びとが「オリガルヒ」だ。全世界をエリツィン時代のロシアと同じようにすることがTPP、TTIP、TiSAの目的だ。

 昨年の大統領選挙でトランプやバーニー・サンダースを支持した人々の相当部分はそうした支配層の目論見を理解していた、あるいは感じていたのだろう。民主党内の怪しげなルールもあってサンダースは途中で離脱、残されたトランプが勝利した。敗北したのは巨大資本の代理人、ヒラリー・クリントンだ。

 ヒラリーは巨大軍需企業ロッキード・マーチンと緊密な関係にあり、上院議員の時代にはその代理人と言われていた。夫のビル・クリントンが大統領だった1990年代、その政権にはヒラリーと親しい関係にある好戦派が引き入れられていた。ズビグネフ・ブレジンスキーの教え子だったマデリーン・オルブライト(1993年から97年まで国連大使、97年から国務長官)やネオコンのビクトリア・ヌランド(国務副長官の首席補佐官)だ。

 現在、ヒラリーの側近中の側近と言われるフーマ・アベディンがヒラリーと結びついたのもこの時期。1996年にジョージ・ワシントン大学の学生だったアベディンはインターンとしてホワイトハウスに入っている。サウジアラビアでヒューマは育ったが、彼女の母親であるサレハはムスリム同胞団の女性部門を指導する立場にあり、父親のシードとアル・カイダとの関係を指摘する人もいる。また夫のアンソニー・ウィーナー元下院議員はネオコンだ。

 こうしたヒラリーが次期大統領に内定したのは遅くとも2015年6月だと見られている。その月の11日から14日にかけてオーストリアでビルダーバーグ・グループの会合が開かれているのだが、そこにヒラリー・クリントンの旧友、ジム・メッシナが招待されていたのだ。

 ビルダーバーグ・グループは欧米支配層の利害調整機関と位置づけられ、ACUE(ヨーロッパ連合に関するアメリカ委員会)の下部機関と見なされている。ACUEの目的はヨーロッパの統合で、資金源はロックフェラー財団やフォード財団だった。こうした中から非民主的な組織であるEUも生まれた。

 ヒラリーを次期大統領にするという流れに変化が見られたのは昨年2月10日のことだった。ヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問してウラジミル・プーチン露大統領と会談し、22日にはシリアで停戦の合意が成立したのだ。停戦はアメリカが配下の武装集団の体勢を立て直すときに使われる常套手段だが、キッシンジャーがモスクワへ行ったことは無視できない。

 デイビッド・ロックフェラーと親しいズビグネフ・ブレジンスキーもアメリカが地球規模の帝国ではなくなったと認めているのが現状だ。1992年2月に国防総省で作成されたDPG草稿(ウォルフォウィッツ・ドクトリン)の前提は91年12月のソ連消滅でアメリカが「唯一の超大国」になったということだが、21世紀に入ってプーチンがロシアを再独立させて状況は変化、ロシアや中国との核戦争も辞さないというネオコンの姿勢は正気でないと考える人が支配層の内部でも増えたのだろう。

 昨年11月13日に放送された番組の中でロシア外務省の広報担当者、マリア・ザハロバはアメリカの大統領選挙でドナルド・トランプが勝利した理由をユダヤ人の資金だと語っている。9月にニューヨークで会ったユダヤ系の人物から、自分たちはヒラリー・クリントンに寄付しているが、その倍をトランプに提供していることを明らかにしたとしているのだ。ヒラリー離れはユダヤ系富豪の中にも広がっていたと言えるだろう。

 こうした流れを考えれば、トランプの背後にキッシンジャーの影が見えるのは当然のことである。ネオコンの妄想ではなく、現実に基づいて戦略を立て直そうというアメリカ支配層の意思がトランプ政権の誕生を実現したとも言えるだろう。勿論、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有する」などとトランプたちは考えていないだろう。それでもヒラリーを大統領に就任させなかった意味は小さくない。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701220001/



53. 中川隆[6508] koaQ7Jey 2017年1月31日 16:51:16: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[6962]

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2017.01.31
背後で石油産業が見え隠れしているトランプ大統領が金融資本と戦争産業のヒラリーと戦う(上)

ドナルド・トランプ米大統領は速攻を仕掛けているようだ。バラク・オバマ第44代大統領の「チェンジ」が口先だけだったのとは違って速いペースで「チェンジ」を実行、ヒラリー・クリントンを担いでいたネオコンなどの勢力は慌てているだろう。

 ヒラリーの周辺にはマデリン・オルブライト(ズビグネフ・ブレジンスキーの弟子)、ビクトリア・ヌランド(ネオコンで、ロバート・ケイガンの妻)、フーマ・アベディン(サウジアラビアで育ち、母親はムスリム同胞団の幹部。元夫のアンソニー・ウェイナーはネオコン)がいる。オバマ政権で国家安全保障担当補佐官を務めたスーザン・ライスの母親はオルブライトの友人で、スーザン自身、オルブライトから学んでいる。ヒラリーは上院議員時代、巨大軍需企業ロッキード・マーチンの代理人とも呼ばれるほど戦争ビジネスと近い関係にあることでも有名だ。

 外部に漏れ出たヒラリーの電子メールを見ると、リン・フォレスター・ド・ロスチャイルド(エベリン・ド・ロスチャイルドの妻)と頻繁に連絡を取り合っていることがわかる。国務長官時代にジョージ・ソロスの指示に従って政策を決めていたことも明らかにされた。

 このソロスはナイル・トーベを介してジェイコブ・ロスチャイルドにつながり、そのジェイコブも所属する金融機関N・M・ロスチャイルドにリチャード・カッツを通じてつながる。このN・M・ロスチャイルドにはエベリン・ド・ロスチャイルドもいる。またジョージ・カールワイツによってソロスはエドモンド・ド・ロスチャイルド・グループとつながっている。

 こうした背景を持つヒラリーは遅くとも2015年6月の段階でオバマの次の大統領に内定していたと言われている。この年の5月26日の時点で民主党の幹部がヒラリー・クリントンを候補者にすると決めたことを示唆する電子メールが存在しているほか、6月11日から14日かけてオーストリアで開かれたビルダーバーグ・グループの会合にヒラリーの旧友であるジム・メッシナが参加しているからだ。

 その流れが変化したと言われたのは昨年2月。ヘンリー・キッシンジャーが2月10日にロシアを訪問、ウラジミル・プーチン露大統領と会談し、22日にはシリアで停戦の合意が成立した。そこで、アメリカ支配層の一部がロシアと協調する道を選んだ可能性があると考えられたのである。

 キッシンジャーはネルソン・ロックフェラーと親しいことで知られているが、デイビッド・ロックフェラーと親しいズビグネフ・ブレジンスキーもアメリカが地球規模の帝国ではなくなったと認めるようになる。アメリカを唯一の超大国と位置づけ、潜在的なライバルを単独で先制攻撃するとした1992年2月のDPG(通称ウォルフォウィッツ・ドクトリン)を軌道修正しようとしているように見える。

 このドクトリンは名前の通り、ポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)が中心になって作成され、その後もネオコンの基本戦略になってきた。このウォルフォウィッツが1991年の段階で、シリア、イラン、イラクを5年から10年で殲滅すると口にしたという。欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)の最高司令官だったウェズリー・クラークがそのように話している。

 クラークによると、2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アーリントンにある国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されたてから10日後、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺では攻撃予定国のリストが作成され、イラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランが載っていたという。

 2003年3月にジョージ・W・ブッシュ大統領は国防総省内の反対意見を押し切り、約1年遅れでイラクを先制攻撃、サダム・フセイン体制を倒した。その後も軍事作戦は続き、破壊と殺戮は今でも続いている。

 そして2007年、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュはニューヨーカー誌で、アメリカ(ネオコン)、イスラエル、サウジアラビアは手を組み、シリアやイランをターゲットにした秘密工作を開始、ヒズボラが拠点にしているレバノンを攻撃すると書いた。イランにもアメリカの特殊部隊JSOCが潜入して活動中だとしている。

 そうした秘密工作は「スンニ派過激派」つまりアル・カイダ系武装集団の勢力拡大につながるとハーシュは指摘するが、サウジアラビアなどは「スンニ派過激派」をイランよりましだとしている。少なくともその後にネオコンも同じ考え方をするようになった。

 ネオコンは1980年代からイラクのフセイン体制を倒すべきだと主張していたが、それはヨルダン、イラク、トルコの親イスラエル国帯を築いてイランとシリアを分断、両国を倒す、あるいは弱体化するためだった。ジョージ・H・W・ブッシュなど石油資本に近いグループはフセイン体制をペルシャ湾岸の産油国を守る防波堤と位置づけていたので、ロナルド・レーガン大統領の時代にはネオコンと対立している。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701310000/


2017.01.31
背後で石油産業が見え隠れしているトランプ大統領が金融資本と戦争産業のヒラリーと戦う(下)


1970年代の終盤から80年代にかけてアメリカは「スンニ派過激派」をアフガニスタンに集め、戦闘集団を編成してソ連軍と戦わせていた。ソ連軍をアフガニスタンへ誘い込んで武装集団と戦わせるというブレジンスキーの戦略で始まった戦争だ。資金を出し、戦闘員を送り込んだのがサウジアラビア、アメリカは対戦車ミサイルTOWや携帯型地対空ミサイルのスティンガーを含む武器を供給し、戦闘員を訓練した。イスラエルやパキスタンも工作に協力している。1997年から2001年までイギリスの外相を務めたロビン・クックが明らかにしたように、そうしたCIAの訓練を受けた戦闘員のコンピュータ・ファイルがアル・カイダだ。アラビア語でアル・カイダとは「ベース」を意味し、「データベース」の訳として使われる。

 2003年にイラクを先制攻撃で破壊したアメリカ軍だが、その数年後には行き詰まり、1980年代に成功した戦略を使おうとしたのがハーシュの指摘した秘密工作だろう。そして2011年春にリビアやシリアは戦乱に巻き込まれる。「民主派に対する独裁者の弾圧」で始まったわけでないことは明確になっている。本ブログでも繰り返し書いてきたが、リビアではNATOがアル・カイダ系武装集団LIFGと連携、そこから戦闘員や武器をCIAがシリアへ運んだことも発覚している。

 この連携に危機感を持ったロシアはシリアに対するNATOの軍事介入を阻止する。それでもアメリカ、イギリス、フランス、トルコ、サウジアラビア、カタール、イスラエルといった国々は戦闘員を送り込み、武器/弾薬を供給してバシャール・アル・アサド体制の打倒を目指す。特殊部隊も送り込んだ。

 しかし、アメリカ国内にもアル・カイダ系武装集団を使うことを懸念する人はいた。そのひとりがトランプ大統領が国家安全保障担当補佐官に選んだマイケル・フリン。アメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)は2012年8月にシリア情勢に関する文書を作成、オバマ政権へ提出しているが、その中でシリアにおける反乱の主力をサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてAQI(アル・カイダ系武装集団)だと指摘、西側、湾岸諸国、そしてトルコからの支援を受けているともしている。DIAはアメリカ政府が方針を変えなければシリア東部にサラフ主義の支配地が作られると予測していたが、これはダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実になった。

 アル・カイダ系武装集団、あるいはダーイッシュを危険な存在と考えるか、アサド体制を倒す手先と考えるかでフリンとオバマ周辺は対立、2014年8月7日にフリンはDIA長官を辞めることになる。

 退役後、この文書についてアル・ジャジーラの番組で質問されたフリン中将は自分たちの任務は提出される情報の正確さをできるだけ高めることにあるとした上で、そうした情報に基づいて政策を決定するのはオバマ大統領が行うことだと答えている。つまり、オバマ政権の決定がダーイッシュの勢力を拡大させたというわけだ。これは正しい。その流れを強化しようとしたのがヒラリーであり、それを支援してきたのが西側の有力メディアである。

 軍隊の内部にはフリンと同じ考えの人物が存在、そのひとりがマーチン・デンプシー大将。2011年10月から統合参謀本部議長を務めていたが、ハーシュによると、デンプシーを含むグループはオバマ政権の政策を懸念、2013年秋からダーイッシュやアル・カイダ系武装集団に関する情報をホワイトハウスの許可を得ず、シリア政府へ伝え始めたという。

 2013年2月から国防長官を務めたチャック・ヘーゲルも武力によるアサド政権転覆には消極的な姿勢を見せていたのだが、15年2月に好戦派のアシュトン・カーターと交代させられ、9月25日にはデンプシーも辞めさせらる。後任はロシアをアメリカにとって最大の脅威だと発言していたジョセフ・ダンフォードだ。

 デンプシーが退任した3日後、9月28日に国連の一般討論演説でプーチン露大統領は西側の姿勢を批判する。北アフリカ/中東やウクライナを戦乱で破壊、死体の山を築くようなことをした人びと、つまりネオコンをはじめとする西側指導者やサウジアラビアなどペルシャ湾岸産油国、トルコ、イスラエルといった国々の政府に対し、プーチンは「自分がしでかしたことを理解しているのか?」という強い言葉を浴びせた。

 そして9月30日にロシア軍はシリアでアル・カイダ系武装集団やダーイッシュに対する空爆を開始する。ウォルフォウィッツが1991年にイラク、シリア、イランを殲滅すると口にしたとき、アメリカが軍事行動に出てもソ連は出てこられないと言っていた。アメリカが単独で先制攻撃してもロシアは文句を言えないという認識だったのだが、この空爆でネオコンはショックを受ける。ロシアの空爆は本島にアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュを攻撃するもので、戦況は一変した。世界を軍事力で制圧するというネオコンの戦略はロシアとの核戦争に発展してしまう。

 それでもウォルフォウィッツ・ドクトリンを推進しようというのがヒラリーであり、当然、支配層の内部にもそれを懸念する人が増えただろう。そして2016年2月のキッシンジャーによるロシア訪問だ。

 キッシンジャーは石油産業と関係が深い。1973年に石油価格が大幅に上昇、石油危機と呼ばれる事態になった。その直接的な原因は第4次中東戦争だが、この戦争を演出したのはキッシンジャーだと言われている。エジプトのアンワール・サダト大統領をアラブ世界の英雄に仕立て上げ、同時にイスラエルへ和平交渉に応じるようプレッシャーをかけようとしたというのだ。

 サウジアラビアのファイサル国王の腹心で、その当時に石油鉱物資源相を務めたシェイク・ヤマニによると、1973年5月にスウェーデンで開かれた秘密会議でアメリカとイギリスの代表が400%の原油値上げを要求、オイル・ショックにつながったとしている。その秘密会議がビルダーバーグ・グループの会合だったことは確認されている。値上げはキッシンジャーから提案されたのだという。

 トランプ大統領は国務長官として巨大石油会社エクソンモービルの会長兼CEOだったレックス・ティラーソンを選んだ。ロシアのプーチン大統領と友好的な関係にあることが注目されているが、その前に石油産業の人間だということを忘れてはならない。現在、窮地に陥っているサウジアラビアだが、何らかの形で救済しようとするだろう。

 それに対し、ヒラリーを担いでいたのは金融資本に近い人びと。歴史的にCIAはウォール街と近い。例えば、CIAの前進であるOSSの長官はウォール街の弁護士だったウィリアム・ドノバン、破壊工作を指揮、CIAのドンになるアレン・ダレスもウォール街の弁護士であり、極秘の破壊工作機関OPCを指揮したフランク・ウィズナーもウォール街の弁護士だ。ダレスの側近でCIA長官になるリチャード・ヘルムズの母方の祖父、ゲイツ・マクガラーは国際的な銀行家。CIA人脈が実行した報道統制プロジェクトのモッキンバードにはワシントン・ポスト紙の社主だったフィリップ・グラハムの義理の父にあたるユージン・メーヤーは世界銀行の初代総裁だ。ヒラリーは金融資本にも近く、必然的にCIAと結びつき、有力メディアも仲間だ。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701310001/




54. 中川隆[6528] koaQ7Jey 2017年2月02日 17:08:47: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[6983]

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2017.02.02
ネオコンなどロシアと核戦争も辞さずという勢力に同調してリベラル派もトランプ大統領を攻撃

ドナルド・トランプ米大統領に対する攻撃は大統領選の延長線上にあり、攻撃の主体はヒラリー・クリントンを担いでいた勢力、つまりネオコン、戦争ビジネス、巨大金融資本を含む好戦派にほかならない。反トランプ陣営に加わっている有力メディアはそうした勢力の宣伝部門であり、「リベラル派」もそうした勢力と関係が深く、少なくとも一部は資金などの支援を受けている。トランプを批判する「リベラル派」にネオコンが同調しているのではなく、ネオコンなどに「リベラル派」が従っているのだ。

 本ブログですでに指摘してきたことだが、ヒラリーの周辺にいる好戦的な人物にはマデリン・オルブライト(ズビグネフ・ブレジンスキーの弟子)、ビクトリア・ヌランド(ネオコンで、ロバート・ケイガンの妻)、フーマ・アベディン(サウジアラビアで育ち、母親はムスリム同胞団の幹部。元夫のアンソニー・ウェイナーはネオコン)がいる。

 また、オバマ政権で国家安全保障担当補佐官を務めたスーザン・ライスの母親はオルブライトの友人で、スーザン自身、オルブライトから学んでいる。ヒラリーは上院議員時代に巨大軍需企業ロッキード・マーチンの代理人とも呼ばれるほど戦争ビジネスと近い関係にあることでも有名だ。

 ヒラリーの好戦的な性格を印象づけた映像がある。2011年10月20日にリビアのムアンマル・アル・カダフィが惨殺された際、その事実をCBSのインタビュー中に知らされた彼女は「来た、見た、死んだ」と口にし、喜んでいる。

 リビアの場合、バラク・オバマ政権は国連を無視する形で制空権を握り、NATOに空爆させて地上の手下、アル・カイダ系のLIFGを中心とする武装集団を支援してカダフィ体制を倒したわけだが、シリアではつまずく。武器/兵器や戦闘員をシリアへ移動させたのだが、ロシアがアメリカに制空権を握らせず、バシャール・アル・アサド体制を倒すことができない。

 本ブログでも繰り返し書いたように、西側の政府や有力メディアはアメリカ/NATOの直接的な軍事介入を正当化するために偽情報を流したが、いずれも短期間に嘘が発覚していまった。結局、戦闘員の増派や武器/兵器の供給でアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を強化して戦うしかなくなった。

 その結果、シリア政府軍は劣勢になるのだが、それでもアメリカの好戦派は不満だったようで、例えば2015年3月11日になるとロバート・スケールズ退役少将がロシア人を殺せと発言している。

 スケールズ少将の願いは、その年の11月24日に叶う。トルコ軍のF-16戦闘機がロシア軍のSu-24爆撃機を待ち伏せ攻撃で撃墜したのだ。11月24日から25日にかけてポール・セルバ米統合参謀本部副議長がトルコのアンカラを訪問、トルコ軍幹部と会談したこととの関連が疑われた。後に、WikiLeaksが紹介したように、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がロシア軍機の撃墜を決めたのは10月10日だとする情報があるのだが、エルドアンが独断でロシア軍機撃墜を決められないだろう。つまり、少なくともアメリカ政府は承諾していた可能性が高い。

 2016年2月にヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問した頃からアメリカでは大統領選挙の流れが変わったと見られている。そうした焦りもあるのか、ヒラリー・クリントンの支援者であるマイク・モレル元CIA副長官は2016年8月8日、ロシア人はイラン人に代償を払わせるべきだと語っている。司会者のチャーリー・ローズからロシア人とイラン人を殺すという意味かと問われ、その通りだと答えている。わからないように殺すというのだ。8月22日には国防総省の広報官、ピーター・クックは自分たちが中心になっている連合軍を守るために必要ならシリアやロシアの戦闘機を撃墜すると語っている。

 ヒラリーの背後には金融資本も存在している。例えば、漏洩したヒラリーの電子メールを見ると、リン・フォレスター・ド・ロスチャイルド(エベリン・ド・ロスチャイルドの妻)と頻繁に連絡を取り合っていることがわかる。国務長官時代に投機家のジョージ・ソロスの指示に従って政策を決めていたことも明らかにされた。

 このソロスはナイル・トーベを介してジェイコブ・ロスチャイルドにつながり、そのジェイコブも所属する金融機関N・M・ロスチャイルドにリチャード・カッツを通じてつながる。このN・M・ロスチャイルドにはエベリン・ド・ロスチャイルドもいる。またジョージ・カールワイツによってソロスはエドモンド・ド・ロスチャイルド・グループとつながっている。

 ヒラリーを取り巻くこうした勢力がトランプを攻撃、「リベラル派」が同調、あるいは従っているのだ。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201702020000/



55. 中川隆[6548] koaQ7Jey 2017年2月04日 10:21:18: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7004]

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1992年にネオコンが作成した世界制覇プラン、「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」
ソ連が消滅した直後、アメリカが唯一の超大国になったという前提でネオコンが描いたものですが、21世紀に入ってロシアが再独立したことから破綻しています。

それにもかかわらずネオコンはドクトリンを推進しようとしているため、世界は核戦争に近づいてきました。

アメリカに従属していた国々やアメリカの支配層にもそうしたネオコンの暴走を懸念する人が増えているようで、一昨年半ば段階ではオバマ後の大統領に内定していたと見られるネオコンの候補、ヒラリー・クリントンが大統領になれなかった一因もその辺にあるでしょう。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201702040000/



56. 中川隆[6866] koaQ7Jey 2017年2月26日 09:44:14: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7328]

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2017.02.26
まだ戦い続けようとメッセージを発表したヒラリーの違法な資金集めに関する証言映像が外へ出た

パープル革命を宣言しているヒラリー・クリントンは民主党員に対し、まだ戦い続けようと訴えるメッセージをインターネット上に流した。昨年の大統領選で敗北が決まった後にジョージ・ソロスやジョン・ソロスをはじめとする人びとがドナルド・トランプ政権を倒すための方策を話し合うため、マンダリン・オリエンタル・ホテルで秘密会議を開いたと伝えられている。

 本ブログでも書いてきたが、彼女はソロス親子のほか、リン・フォレスター・ド・ロスチャイルドのような富豪とも親しく、ロッキード・マーチンのような戦争ビジネスなど後ろ盾に持っている。ロシア人を殺すと公言しているマイク・モレル元CIA副長官のような支援者もいる。

 それに対し、ここにきてクリントン夫妻の違法な資金集めについて中国系アメリカ人のジョニー・チュンが記録した映像が表に出て話題になっている。この映像は身の危険を感じたチュンが「保険」のために撮影、信頼できる友人に預け、何かがあったら公表することにしていたようだ。それが外にも漏れた、あるいは誰かが漏らした。現在、チュン本人は中国で隠れていると推測されている。

 昨年の大統領選でクリントン陣営が集めた資金の20%はサウジアラビアからのものだとする報道は取り消されたが、新たの問題が浮上したと言えるだろうもっとも、アメリカの政治家がイスラエル周辺から多額の資金が流れ込んでいることは有名で、そうした中で中国やサウジアラビアが問題になるは奇妙な話ではある。

 イスラエルの情報機関モサドはアメリカのCIAやイギリスのMI6と緊密な関係にあり、各国要人のスキャンダルを握っているとも言われている。アメリカの政治家がイスラエルにひれ伏している理由はカネだけでなく、脅しもあるというわけだ。いわば飴と鞭。

 昨年、政界のピダゲート(小児性愛事件)が問題になったが、これは以前から噂されていた。バチカンやハリウッドでこうしたことが行われていると語られてきたが、それは氷山の一角にすぎないというのだ。そうした行為をモサド、CIA、MI6といった情報機関は記録し、脅しに使っているとも推測されている。これを「ピザゲート」と表現することは事態の深刻さを誤魔化すことにつながるだろう。これは本格的に調査すべき問題だ。

 いずれにしろ、まだ支配層の内部で争いは続いているようだ。1980年代もそうだったが、支配層の内部対立はスキャンダルを露見させることが多い。現在、トランプ大統領は圧倒されているようだが、何が出てくるかはわからない。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201702250000/



57. 中川隆[6917] koaQ7Jey 2017年3月02日 19:04:12: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7379]

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「ファーストレディ」なんか要らない 安倍昭恵氏とヒラリー

淀殿は秀吉没後に秀吉自身のように振る舞い、何度も西軍を裏切って徳川に通じ、ついに無敵だった豊臣を崩壊させた。
引用:http://senjp.com/wp-content/uploads/2014/05/530x320xyodo.jpeg.pagespeed.ic.UB-zylr1S-.jpg


ファーストレディは廃止したほうが良い

ファーストレディという制度上は存在しない権力について、以前から強い疑問を抱いていました。

法的にはどこにも存在しないにも関わらず、事実上大統領に匹敵する権力を持っている。

ファーストレディの活躍が報じられるのはほとんど悪い事をした時で、歴史的に見てもそうです。

         

選挙などで選ばれたのは大統領や首相なのに、夫の権力を笠に着るタイプの人ほど、表に出て称賛されたがる。

その最悪の例は最近ではヒラリークリントンで、夫が大統領に就任した直後から、クリントン財団を創設して金儲けを始めました。

ヒラリーは自分が大統領であるかのように振る舞ったので、大統領と親しくなるにはまずヒラリーと親しくしなければならなかった。


ヒラリーはこれまた当然のように「クリントン財団への寄付」を要求したので、大統領と会うには財団への寄付が必須になった。

外国人に対してもこの要求は適用されたので、世界の国々は民間人を通じてクリントン財団への寄付を行い、財団は肥え太った。

驚く事にヒラリーは自分が国務長官(外務大臣)に就任してからもこれを続け、アフリカの独裁者や中国人スパイ、ロシアの実業家など敵対国家から金を受け取っていた。


ヒラリーが日本人なら逮捕されるか袋叩きにされる所だが、大らかなアメリカではその程度の事は見逃され、もう少しで大統領になれる寸前まで行った。

もちろん如何わしい手段で財団に集めた金が、ヒラリーの選挙資金に活用されました。

ファーストレディの活躍はこんなもので、男でも女でも親族の権力を振りかざすのに、碌な人間はいません。


ファーストレディの悪行

日本のヒラリーともいえるのが安倍首相の妻の安倍昭恵氏で、学校用地の不正取得や許認可で「口利き」をした疑いも出てきている。

昭恵氏はヒラリー同様「自分が称賛されたがるファーストレディ」で、やはり安倍首相に接近するには昭恵氏を攻略しなくてはならない。

こうなると安倍首相に近づいて利益を得ようとする人は、皆昭恵氏に近づいて褒め称え、利用しようとします。


昭恵氏は森永製菓創業者の森永太一郎の曽孫(孫の子ども)に当たる資産家のお嬢様で、安倍首相は彼女と結婚することで資金的なバックアップを得た。

鎌倉幕府を起こした源頼朝は北条正子と結婚することで、北条氏の資金と兵力を使う事ができたのに似ている。

安倍首相にとって昭恵氏は政治活動の資金源になる重要人物で、なおさら彼女は自分を「重要人物」と見なすようになっている。


安倍首相は2015年に「すべての女性が輝く社会」という変なスローガンを国民に押し付けたが、昭恵氏の要望があったと言っている。

その後女性の雇用促進政策や、大臣に女性を多く登用したり、公務員や企業に女性の出世を義務化するよう迫っている。

これらの政策や人事を立案し、強要したのは昭恵氏だった疑いが強く、ヒラリーが妻の地位を乱用して、社会保険制度を強引に進めたのに似ている。


問題は首相の妻でも将軍の娘でも、あるいは夫でも息子でも、「法的に存在しない権力」を行使する人間が居てはならないという事です。

あれほど権勢を誇った豊臣政権は、秀吉の側室の淀殿が権力を掌握した為に滅んでしまいました。

まず秀吉の息子の母親という地位を利用して権力を掌握し、関が原合戦のとき、淀殿は「西軍が負けた時のために」西軍を妨害し徳川方に事実上味方した。


次に2度に渡る大坂の陣でも西軍を裏切って徳川と取引し、堀を埋めさせるなどして負ける原因を作った。

淀殿は公式には権力を持たないので失敗しても責任は取らず、息子や夫を利用して権力だけを振るっていた。

ヒラリーと昭恵氏も権力だけは振るっておいて、問題になると引っ込んでしまい表に出てこなくなります。


楊貴妃と西太后

中国は武家政権ではなく貴族と官僚制度だったので日本より古くから腐敗が進み、こうした例も日本より多く、かつ深刻です。

豊臣が滅んだのは淀殿から権力を奪う人材が居なかったからで、すぐに徳川に滅ぼされてしまいました。

中国の3大女帝として良く華流ドラマに登場する呂雉は漢の皇帝・劉邦の妻で、皇帝の母になり独裁者として国を破壊しました。


西太后は清の皇帝・咸豊帝の妻でやはり皇帝の母として権力を握り、清国を弱体化させて日清戦争敗戦や中国を西洋の植民地化する原因を作った。

則天武后(武則天)はやはり唐の皇帝・太宗の側室だったが、太宗が没すると息子の高宗の妻になり、高宗没後は自分が皇帝になった。

唐は則天武后以後も200年ほど続いたが、楊貴妃という怪物を生み出し、中国の伝統文化になっていきます。


もうひとり中国は楊貴妃というファーストレディを生み出していて、唐の皇帝・玄宗の息子の妻から、父の玄宗の側室になった。

楊貴妃はたいそうな美人で玄宗は常に傍に置いたので、家来達は楊貴妃を皇帝のように扱い、増長させていきました。

楊一族は「平家に非ずんば人にあらず」と自賛した全盛期の平家のように振る舞ったが、楊一族は内乱で滅ぼされた。


唐の国も楊貴妃以降衰退に向かい、大陸では王朝が変わっても同じ失敗を繰り返してきた。

原因はどれも「皇帝の妻や側室」という法的に存在しない権力に、皇帝と同じ権力を持たせてしまった事にある。

ファーストレディの問題は、その人自身は選挙で選ばれたわけでも、法的根拠があるわけでもないのに、周囲がチヤホヤする事で権力を握ってしまう点です。
http://thutmose.blog.jp/archives/69678507.html



58. 中川隆[6966] koaQ7Jey 2017年3月05日 10:41:10: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7429]

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2017.03.05
アル・カイダ系武装集団の資金源になっているサウジの国王がアジア大陸東岸を歴訪する不気味
サウジアラビアのサルマン・ビン・アブドゥルアジズ・アル・サウド国王が2月下旬からアジア大陸東岸の国々を歴訪している。マレーシア、インドネシア、ブルネイ、日本、中国、モルディブの6カ国だ。

 このサウジアラビアはサラフ主義者/ワッハーブ派やムスリム同胞団と関係が深く、そうした勢力が主力になっているのがリビアやシリアを侵略しているアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)。そこにチェチェンや新疆ウイグル自治区などからの戦闘員が加わっている。

 こうした武装集団の資金源がサウジアラビアをはじめとするペルシャ湾岸産油国だが、モルディブも資金を提供していると言われている。インドネシアは世界で最も多いイスラム教徒を抱えている国であり、新疆ウイグル自治区は中国。

 当初、侵略は成功するかに見えたのだが、2015年9月末にロシア軍がシリアで空爆を始めてから戦況が一変、アル・カイダ系武装集団やダーイッシュは劣勢になっている。イラクに親イスラエル/サウジアラビアの傀儡国家を作ることに失敗した後、シリア東部からイラク西部にかけての地域をダーイッシュが支配していたが、これはバラク・オバマ政権が望むところだった。

 これはアメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)が2012年8月に作成した報告書が指摘していた。東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフ主義者の支配国が作られる可能性があり、それこそがシーア派拡大(イラクやイラン)の戦略的なカギを握っているシリアの体制を孤立化させると分析、それは反対勢力を支援している国々(アメリカ、イギリス、フランス、トルコ、サウジアラビア、カタール、イスラエルなど)が望んでいることだとしている。

 2009年12月30日にアメリカ国務省が出した電子メールには、サウジアラビアの寄付者が全世界のスンニ系テロリスト集団に対する最も重要な資金供給源だと書かれ、2014年8月19日にヒラリー・クリントンが出したものには、秘密裏に資金や物資をその地域にいるISIL(ダーイシュ)や他のスンニ系過激派へ供給しているカタールやサウジアラビアという表現がある。アル・カイダ系武装集団やダーイッシュのスポンサーはサウジアラビアなどペルシャ湾岸産油国だとヒラリーは認識していたということだ。

 シリアより1カ月早く、2011年2月に政権転覆を目的とした軍事侵略が始まったリビアではNATOの航空兵力とアル・カイダ系武装集団LIFGを主力とする地上軍の連携でムアンマル・アル・カダフィ体制は2011年10月に倒された。

 リビアでの目的を達成した戦闘員は武器/兵器と一緒にトルコ経由でシリアへ入るが、その拠点になったのはベンガジにあったCIAの施設。そうした工作をアメリカの国務省は黙認していた。その際、マークを消したNATOの輸送機が武器をリビアからトルコの基地まで運んだとも伝えられている。

 ベンガジにはアメリカの領事館があるのだが、そこが2012年9月11日に襲撃され、クリストファー・スティーブンス大使も殺された。領事館が襲撃される前日、大使は武器輸送の責任者だったCIAの人間と会談、襲撃の当日には武器を輸送する海運会社の人間と会っていた。

 この時、リビアの武器庫から兵器が持ち出されてシリアの反政府軍、つまりアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュへ渡された。その武器庫には化学兵器も保管されていたわけで、化学兵器もシリアへ持ち込まれた可能性は高い。その輸送をCIA、そしてヒラリー・クリントン国務長官(当時)が承認していたと考えても良いだろう。

 何度も書いてきたことだが、2013年3月にシリアでは化学兵器が使われたと言われている。まず政府が反政府(侵略)軍の化学兵器使用を発表、それに対して反政府軍も政府軍が実行した主張する。

 これについてイスラエルのハーレツ紙は攻撃されたのがシリア政府軍の検問所であり、死亡したのはシリア軍の兵士だということから反政府軍が使ったと推測、国連独立調査委員会メンバーのカーラ・デル・ポンテも反政府軍が化学兵器を使用した疑いは濃厚だと発言した。

 その5カ月後、つまり2013年8月にダマスカスの近くで化学兵器が使われ、西側の政府や有力メディアはシリア政府が実行したと叫びはじめ、シリアに対する軍事侵攻を正当化しようと宣伝をはじめるが、この宣伝が嘘だということはさまざまな形で指摘されていることは本ブログで書いてきた。(今回は割愛する。)

 トルコの国会議員エレン・エルデムらは捜査記録などに基づき、トルコ政府の責任を追及している。化学兵器の材料になる物質はトルコからシリアへ運び込まれ、そこでダーイッシュが調合して使ったというのだ。この事実を公表した後、エルデム議員らは起訴の脅しをかけられている。

 中東、北アフリカ、チェチェン、新疆ウイグル自治区などで活動している武装集団の背後にはサウジアラビアがいて、化学兵器の使用にも関係している。さまざまなタグがつけられているが、こうした集団はアメリカなど西側支配層が侵略のために雇っている傭兵集団だ。

 侵略戦争が泥沼化しているだけでなく、原油価格の低迷で財政赤字が深刻化しているサウジアラビアは東南アジアや東アジアへ「転進」するつもりかもしれない。サウジアラビア国王のアジア歴訪は不吉だ。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201703050000/




59. 中川隆[7542] koaQ7Jey 2017年4月05日 18:00:45: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8027]

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2017.04.05
トランプ陣営に他する不適切な通信傍受を指示したのはオバマ政権のライス補佐官だったとの報道

大統領選からドナルド・トランプが大統領に就任するまでの間、トランプやその側近たちの通信が傍受され、その一覧表も作成されていたことが確認された伝えられている。情報機関に傍受を指示していたのはバラク・オバマ大統領の国家安全保障問題担当補佐官だったスーザン・ライスだとされ、ランド・ポール上院議員はライスに宣誓証言を求めている。オバマ前大統領が彼女に命令したのかどうかを確認する必要があるということのようだ。ライス本人は全面的に否定している。

通信をめぐる騒動は2013年3月、ヒラリー・クリントンと親しいシドニー・ブルメンソールのメール・アカウントがハッキングされ、4通のメールがロシア系メディアのロシア・トゥデーにリークされたころから始まる。

2012年9月12日付け、同年10月6日付け、同年12月10日付けだが、2013年2月16日付けの4通。ヒラリーは2009年1月21日から13年2月1日まで国務長官を務めていたので、最後の1通は「私人」になってから。

しかし、その4通目に重要な情報が含まれていた。2012年9月11日にベンガジの領事館が襲撃されてクリストファー・スティーブンス大使を含むアメリカ人4名が殺された事件についての情報が含まれていた。フランスの情報機関からの情報として、その襲撃に必要な資金を提供したのはサウジアラビアの富豪だとメールには書かれているのだ。なお、襲撃したのはサラフ主義者/ワッハーブ派の武装集団、アンサール・アル・シャリアだと言われている。

その後、ヒラリーは公務の通信に個人用の電子メールを使っていたことが発覚、機密情報の取り扱いに関する法規に批判した可能性があり、また、そうした情報をきわめて軽率に扱っていたことをFBIも認めたのだが、それでもジェームズ・コミーFBI長官は昨年7月5日、不起訴の勧告をしたと発表している。

その電子メールをヒラリーは消去していたので中身を確認できないことをFBIは理由しにしていたが、NSAの内部告発者であるウィリアム・ビニーも指摘しているように、NSAは全ての電子メールを記録しているので消去されてもFBIがその気になればメールも入手できる。しかも、消したはずのメールがWikiLeaksなどによって公表され、ヒラリーは頻繁にリン・フォレスター・ド・ロスチャイルドと連絡を取り合っていることも判明した。

本来なら大きな問題になる事実が明らかになったのだが、それをオバマ政権、民主党、有力メディアなどは「ロシアのハッキング」、さらに「ロシアの選挙戦介入」という話を作り上げ、証拠を示すこともなく叫び続けてきた。問題をすり替え、トランプ攻撃の使ってきたわけだが、そうした「幻術」が崩れ始めた可能性がある。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704040000/



60. 中川隆[7666] koaQ7Jey 2017年4月11日 18:05:47: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8154]

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2017.04.11
反シリア政府の武装集団に穏健派はいないとDIAが報告したその月にオバマ大統領は化学兵器話
シリアのイドリブで毒ガスが4月4日に漏れたと言われている。アメリカ政府は証拠を示すことなく、調査もせず、シリア政府軍が化学兵器を使ったと叫びながら7日にはホムスにあるシリア軍の航空基地をトマホーク巡航ミサイルを攻撃した。59発のミサイルが2隻の駆逐艦、ポーターとロスから発射され、ロシア側の主張によると、23発が目標に到達したという。

2013年にもアメリカ政府はシリア軍による化学兵器の使用を口実にして直接的な軍事介入を目論んでいる。アメリカ/NATOとアル・カイダ系武装集団の連携で体制を転覆させるというシナリオで、9月3日には地中海からシリアへ向かって2発のミサイルが発射されている。そのミサイルは途中で海中へ落下、後にイスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だったと主張したが、実際に攻撃を始めたとも見られている。事前に通告はなく、発射実験だとする主張に説得力がないからだ。ジャミングなど何らかの手段で落とされたと推測する人もいる。

今回、アメリカ軍は59発のミサイルをほぼ一斉に発射している。ロシアの説明が正しいならば、その半数以上が目標に到達できなかったわけだ。2013年の反省から、シリア側の防空システムをかいくぐるため、60発近いミサイルを一気に発射した可能性がある。

かつてシリア軍も化学兵器を保有していたが、2013年に廃棄したことは国連の査察官も認めていること。それ以降、シリアで化学兵器を保有しているのはアメリカ/NATO、サウジアラビア/ペルシャ湾岸産油国、イスラエル、トルコなどが支援してきたアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)。

アル・カイダ系武装集団やダーイッシュの戦闘員の主体はワッハーブ派/サラフ主義者やムスリム同胞団だが、シリア政府軍と戦っている相手はこうした集団だとする報告書をマイケル・フリンが局長だった時代のDIAはホワイトハウスへ報告している。2012年8月のことだ。

2013年12月に公表された調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュの記事によると、反シリア政府軍(国外から侵入した戦闘集団)はサリンの製造能力を持ち、実際に使った可能性があるとしている。

それだけでなく、2011年10月にリビアでムアンマル・アル・カダフィ体制が倒された後、戦闘員だけでなく武器/兵器がトルコ経由でシリアへ運び込まれたとハーシュは報告している。その工作の拠点がベンガジにあったCIAの施設で、クリストファー・スティーブンス大使も工作に参加していた。2012年9月11日にベンガジのアメリカ領事館が襲撃され、大使も殺されているが、その前日にスティーブンスは武器輸送の責任者だったCIAの人間と会談、襲撃の当日には武器を輸送する海運会社の人間と会っていたという。その当時、CIA長官だったのがデイビッド・ペトレイアスであり、国務長官はヒラリー・クリントンだ。

ペトレイアスもクリントンも化学兵器が反シリア政府軍の手に渡ったことを知っていたはずで、オバマも自分たちが支援している戦闘集団がアル・カイダ系武装集団やダーイッシュだということを2012年8月に知らされていた。そのオバマは2012年8月20日、シリアに対する直接的な軍事介入のレッド・ラインは生物化学兵器の使用だと発言している。その年の12月5日にクリントンは、自暴自棄になったシリアのバシャール・アル・アサド大統領が化学兵器を使う可能性があると主張している。

そして2013年1月29日、イギリスのデイリー・メール紙は興味深い記事を掲載している。シリアで化学兵器を攻撃に使い、その責任を政府軍になすりつけ、国際的な軍事行動に拍車をかける作戦はホワイトハウスは承認したというのだ。これはイギリスを拠点とするブリタム防衛なる会社のデイビッド・グールディング部長から同社を創設したフィリップ・ダウティへ宛てた電子メールの中に書かれていたという。そして同年3月と8月に西側の政府やメディアはシリアで化学兵器が使用されたと宣伝、その嘘が暴露されたわけだ。この辺の事情は本ブログでも採算書いてきたので、今回は割愛する。

それから4年、アメリカは同じことを繰り返したように見える。ただ、修正した点はあるようだ。シリア政府軍側で使わず、ロシア側に衛星写真を撮られてしまうので自分たちのミサイルは使わっていない。

それでもアメリカ側の主張に説得力はない。この問題に少しでも興味のある人なら、アメリカ側の説明を信じないだろう。それでも強行した。そうした行動に駆り立てた一員はリビア情勢にあるかもしれない。

イラクを先制攻撃する口実に大量破壊兵器(核兵器)という作り話が使われたが、今回は化学兵器だ。そうした演出をするのは、自分たち(アメリカ、イギリス、フランス、トルコ、サウジアラビア、カタール、イスラエルなど)が編成、訓練し、武器や資金を提供してきたアル・カイダ系武装集団やダーイッシュでは体制を転覆させられないからだ。イラクは勿論だが、ウクライナと同様、リビアもシリアもアメリカなどの侵略であり、これを「内戦」と表現すること自体が犯罪的である。

2017年4月5日、リベラル派の権威、あるいはスターとして知られているノーム・チョムスキーのインタビューをデモクラシー・ナウは流したが、その中で彼はアサド体制は道徳的に不健全だとしたうえで、彼らは恐ろしいことを行い、ロシアが手を貸していると主張した。カタールやサウジアラビアが「聖戦グループ」を支援していることには触れたが、アメリカやイスラエルなどとの関係は語らない。つまり戦争の本質から目をそらしていた

チョムスキーが振らなかった侵略の黒幕はシリアをリビアと同じような状態にしようとしている。そのリビアはカダフィ体制が破壊されてから破綻国家になり、ダーイッシュが跋扈している。

そうした中、リビアのカリファ・ハフター司令官はロシアを訪問、ダーイッシュと戦うための支援を要請、今年の3月にはロシア軍の特殊部隊がエジプトのリビアに近い地域に派遣されたと伝えられた。カダフィ体制の破壊に成功したと思っていたリビアでロシアが影響力を強める可能性が出てきたのだ。強引であろうと、ロシアの動きを止めなければならないとアメリカの支配層が考えたとしても不思議ではない。アメリカの支配層は追い詰められているとも言える。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704100001/






61. 中川隆[7667] koaQ7Jey 2017年4月11日 18:07:46: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8155]

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2017.04.11
ネオコンに都合良く加工された情報でトランプ大統領を操るマクマスター国家安全保障担当補佐官
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704110000/

ドナルド・トランプ大統領はCIAの分析部門が提供した情報を無視してシリアに対する直接的な軍事介入を始めた。そのトランプに偽情報を提供しているのが国家安全保障担当補佐官のH. R. マクマスターのようである。バラク・オバマ政権の政策はワッハーブ派/サラフ主義者やムスリム同胞団、つまりアル・カイダ系武装集団を育て、シリア東部をその支配地にすると警告していたマイケル・フリンの後任だ。

マクマスターはデビッド・ペトレイアスの子分として有名で、このコンビはシリアへ15万人規模のアメリカ軍を侵攻させようと目論んでいると言われている。当然、ロシア軍と全面衝突になり、核戦争になる可能性は小さくない。そうしたビジョンを実現するため、彼らにとって都合良く加工された情報をマクマスターはトランプに提供しているようだ。フリンの解任は人類の運命を左右する大きな出来事だったと言えるかもしれない。


ペトレイアスは中央軍司令官、ISAF司令官兼アフガニスタン駐留アメリカ軍司令官、そしてCIA長官に就任した軍人でリチャード・チェイニー元副大統領やヒラリー・クリントン元国務長官に近い。つまりネオコン。現在でもNSC(国家安全保障会議)に大きな影響力を持っているという。

そのペトレイアスはエル・サルバドルの「汚い戦争」から大きな影響を受けている。1986年に同国を訪問、そこで特殊部隊のジェームズ・スティールと出会うのだが、この人物はアメリカ支配層にとって都合の悪い人物を殺していた「死の部隊」の黒幕だった。


スティールはネオコンのポール・ウォルフォウィッツともつながりがあり、2003年にアメリカがイラクを先制攻撃、サダム・フセイン体制を倒した後からイラクへ渡っている。チェイニーと近いドナルド・ラムズフェルド国防長官(当時)が彼を派遣、ジョン・ネグロポンテ駐イラク大使(同)の下で特殊警察コマンドの訓練をするようになる。ネグロポンテは1981年から85年にかけてホンジュラス駐在の大使を務めているが、この国は中央アメリカでCIAが行っていた秘密工作の拠点だった。アメリカはエル・サルバドルとイラクで同じことを行っている。両者で違うのはイメージ戦略にすぎない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704110000/




62. 中川隆[7940] koaQ7Jey 2017年4月23日 20:54:06: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[8431]

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World | 2016年 05月 6日 14:40 JST
トランプ氏支持、主な理由は「クリントン氏勝利の阻止」=世論調査


 5月5日、ロイター/イプソス世論調査結果では、11月の米大統領選挙で米有権者の約半数は、トランプ・クリントン両候補者をそれぞれ支持する主な理由が対立候補の勝利を阻止するためであることが分かった。写真はフロリダ州で3月撮影(2016年 ロイター/Scott Audette/Javier Galeano)


 5月5日、ロイター/イプソス世論調査結果では、11月の米大統領選挙で米有権者の約半数は、トランプ・クリントン両候補者をそれぞれ支持する主な理由が対立候補の勝利を阻止するためであることが分かった。写真はフロリダ州で3月撮影(2016年 ロイター/Scott Audette/Javier Galeano)

[ニューヨーク 5日 ロイター] - ロイター/イプソスが5日公表した世論調査結果によると、11月の米大統領選挙をめぐり、民主党のヒラリー・クリントン氏、もしくは共和党のドナルド・トランプ氏のどちらかを支持している米有権者のうち、約半数は支持する主な理由として対立候補の勝利を阻止するためと答えた。

調査では11月の本選に向けてトランプ氏もしくはクリントン氏を支持する主な理由について質問。これに対し、トランプ氏支持者の約47%はクリントン氏に勝利してほしくないためと回答した。また、43%はトランプ氏の政治的スタンスに好感を抱いているためとしたほか、6%は個人的に同氏を気に入っているためと答えた。

同様にクリントン氏の支持者も、約46%がトランプ氏に大統領になってほしくないためと回答。40%はクリントン氏の政治的スタンスに賛同しているためとしたほか、11%は個人的に同氏を気に入っているためと答えた。

バージニア大学のセンター・フォー・ポリティクスのディレクター、ラリー・サバト氏は世論調査結果について、有権者が対立政党をますます恐れるようになっており、米国におけるイデオロギー対立が進んでいることを示していると指摘。前国務長官のクリントン氏と不動産王のトランプ氏が本選で争うことが見込まれる中、こうした感情は一層悪化していると述べた。

調査は4月29日─5月5日に実施され、トランプ氏に投票する意向を示した469人、クリントン氏に投票する意向を示した599人が調査対象に含まれている。




63. 中川隆[-7804] koaQ7Jey 2017年5月05日 10:14:55: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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2017.05.05
トランプ大統領の義理の息子が設立した会社にソロスやゴールドマン・サックスが多額の融資
ドナルド・トランプの娘、イバンカの存在感が強まっているが、その結婚相手である大統領の顧問を務めているジャレド・クシュナーが話題になっている。ジャレドは弟のジョシュアと2015年にカドリという会社を設立したが、その際に10億ドルの融資を受けていた。その中に投機家のジョージ・ソロスや投資銀行のゴールドマン・サックスが含まれ、ソロスは約2億5900万ドルを出しているという。昨年の大統領選挙でソロスはヒラリー・クリントンを支援、そのクリントンの敗北が決まってからはトランプの排除を目的とした「パープル革命」を仕掛けていた。

1990年代、夫のビル・クリントンが大統領だった時代にヒラリーと親しいマデリーン・オルブライトやビクトリア・ヌランドを政権内へ引き入れている。この政権は1997年にオルブライトが国務長官に就任してから一気に戦争へ進み始め、ユーゴスラビアを先制攻撃して解体することになった。

バラク・オバマ政権でヒラリーは国務長官になり、シリアやリビアへの侵略を推進、2010年10月にリビアのムアンマル・アル・カダフィが惨殺されたと報告を受けた彼女は「来た、見た、死んだ」と口にし、喜んでいる。同じ頃、リビアのベンガジでは裁判所の建物にアル・カイダの旗が掲げられた。その様子はYouTubeにアップロードされ、イギリスのデイリー・メール紙も伝えている。

カダフィ体制を倒した後、CIAは戦闘員と武器/兵器をトルコ経由でシリアへ運んだ。リビアを破壊したのはNATOの航空兵力とアル・カイダ系のLIFGであり、運ばれた戦闘員はアル・カイダ系の傭兵だ。武器/兵器の輸送はベンガジにあったCIAの施設が使われたが、アメリカ領事館も拠点のひとつ。

その領事館が2012年9月11日に襲撃され、クリストファー・スティーブンス大使を含むアメリカ人が殺された。領事館が襲撃される前日、大使は武器輸送の責任者だったCIAの人間と会談、襲撃当日には武器を輸送する海運会社の人間と会っている。つまり大使も戦闘員や武器/兵器の輸送に関わっていたわけで、国務長官も知っていた可能性が高い。また工作の主体だったCIAの長官はヒラリーと親しいデイビッド・ペトレイアスだった。

当時、バラク・オバマ政権はシリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すため、「穏健派」を支援していたが、この主張を揺るがす報告書が襲撃の前月、アメリカ軍の情報機関DIAからホワイトハウスに提出されている。シリアの反政府軍はサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてAQI(イラクのアル・カイダ)だと指摘、オバマ政権の政策が継続されるとシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフ主義者の支配国が作られる可能性があると警告している。この警告はダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実になった。

この報告書が提出された2012年8月、オバマ大統領はシリアに対する直接的な軍事介入のレッド・ラインを生物化学兵器の使用だと宣言した。12月には、自暴自棄になったアサド大統領が化学兵器を使う可能性があるとヒラリーが発言した。化学兵器の使用、アメリカによると直接的な軍事介入という道筋が示された。

ところが、2013年1月にイギリスのデイリー・メール紙はオバマ政権の計画に水を差す記事を掲載した。シリアで化学兵器を使い、その責任をアサド政権になすりつけ、国際的な軍事行動を実現するという作戦をオバマ政権が許可したという内容だ。

そして3月と8月にシリアでは化学兵器の使用が問題になり、アメリカなどシリアを侵略していた国々はシリア政府軍が使ったと証拠も根拠も示さずに宣伝するが、現地調査したカトリック系聖職者の報告、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュ、トルコの国会議員、マサチューセッツ工科大学の教授などから西側の政府や有力メディアの宣伝とは逆の主張が具体的、あるいは科学的に示された。

化学兵器の使用はシリアに対するアメリカ/NATOの直接的な軍事介入を正当化するための偽旗作戦だった可能性が高いということだが、その偽旗作戦で重要な役割を果たしていたのがヒラリー。そのヒラリーを操ってきたひとりがソロス。トランプ政権に影響力を持つクシュナーへそのソロスから資金が流れていたということだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201705040000/



64. 中川隆[-7618] koaQ7Jey 2017年5月17日 23:29:37: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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2017.05.17
昨年7月に射殺された民主党全国委員会のスタッフはWikiLeaksと接触していたと家族の私立探偵

民主党全国委員会(DNC)でコンピュータを担当していたスタッフのセス・リッチが背中を2度撃たれて殺されたのは昨年7月10日のこと。発見されたときには息があり、病院で死亡したという。警察は強盗にあったと発表した。

しかし、リッチのガールフレンドによると、顔、手、膝に擦り傷があって争った形跡はあるのだが、金目のものは盗まれていない。警察の発表に納得できなかったリッチの両親は元殺人課刑事の私立探偵リッチ・ウィーラーを雇って調査を始めたのだが、その結果、セスがWikiLeaksと連絡を取り合っていたことを確認、しかも警察の内部で捜査打ち切りが指示されていたとする話が出て来た。

事件の翌月、WikiLeaksのジュリアン・アッサンジはリッチについてDNCの電子メールを提供した人物だと示唆、射殺事件に関する情報提供者に2万ドルを提供するとツイッターに書き込んでいる。

リッチが殺される5日前、ジェームズ・コミーFBI長官はヒラリー・クリントンが国務長官だった時代の電子メールに関する声明を発表している。その中で彼女は機密情報の取り扱いに関する法規に批判した可能性があり、またそうした情報をきわめて軽率に扱っていたことを認めているのだが、その上で司法省に対して彼女の不起訴を勧告していた。

法律に従って電子メールを送ると公務ということで記録に残され、情報公開の対象になるため、クリントンは指摘にサーバーを用意して電子メールを遣り取りしていたと言われている。

そうした電子メール3万2000件近くをクリントンは削除、その削除された電子メールを持っていないこともクリントンを起訴しない理由だとされている。サウス・カロライナ州選出の下院議員トレイ・ゴウディによると、クリントンは削除のためにブリーチビットというソフトウェアを利用しているが、これを使うと削除した文書を回復させられないだけでなく、削除した痕跡を消すこともできるという。

しかし、NSAの不正を内部告発したウィリアム・ビニーも指摘しているように、アメリカの電子情報機関NSAは全ての電子メールを記録しているので、FBIがその気になれば入手できる。FBI長官はクリントンを法律から守ったのだ。

2015年5月26日の時点で民主党幹部たちはヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆する電子メールが露見、16年7月22日にはWikiLeaksがハッキングされたDNCの電子メールを公表する。その中には、民主党の幹部へサンダースが同党の大統領候補になることを妨害するよう求めるものも含まれていた。(例えばココ)

また、投機家で体制転覆の仕掛け人としても知られているジョージ・ソロスの電子メールも外部に漏れ、その中でソロスが国務長官時代のヒラリー・クリントンに対してアルバニア情勢に対する対処の仕方をアドバイスしていることも発覚した。そのメールが書かれたのは2011年1月24日で、国務長官だったクリントンはソロスのアドバイスに従って動いている。

そのほか、2012年9月11日にベンガジのアメリカ領事館が襲撃され、そこでクリストファー・スティーブンス大使が殺された事件に関するものも含まれている。ベンガジを含む襲撃に資金を出したのはサウジアラビアのスンニ派(ワッハーブ派)だということを示す証拠をフランスとリビアの情報機関が持っているというのだ。

クリントンに関連した電子メールが外部に漏れ、その提供者だったと見られているリッチが射殺されたわけだが、ほかにも疑惑の死が指摘されている。例えば、クリントンやDNCに関する証言をする前日、6月22日に心臓発作で急死した元国連総会議長のジョン・アシュ。この人物は中国人実業家から130万ドル(約1億6000万円)の賄賂を受け取った疑いで昨年、逮捕されている。

6月23日にはクリントン夫妻の資金に関する疑惑を記事にした編集者のマイク・フリンが死亡、そして7月10日にセス・リッチが殺され、8月1日にはクリントン夫妻に関する本を書いたビクター・ソーンが自宅近くの山で銃撃による傷が原因で死亡、8月4日にはクリントンとDNCの不正を追及していたサンダース支持者の弁護士のショーン・ルーカスが自宅で死体になって発見されている。

また、ヒラリー・クリントンの側近のひとり、ボブ・ベッケルは2010年にWikiLeaksのアッサンジ殺害をフォックス・ニュースの番組で口にしている。彼を反逆者だとしたうえで、死刑を望めないので、法律を無視して撃ち殺すしかないと語っている。その翌年にベッケルはフォックス・ニュースに雇われ、現在はCNNのコメンテーターだ。

ハッキングが明らかになって以来、西側の有力メディアは電子メールの中身を問題にせず、盗み出したのはロシアだと宣伝してきたが、ウィリアム・ビニーはNSAから漏れているのではないかと推測している。

1963年11月22日のジョン・F・ケネディ大統領暗殺以降、戦争に反対していた有名人が殺されたり変死したりしているほか、1980年代には憲法の機能を停止させる目的でCOGプロジェクトが始まり、2001年9月11日に始動、その一方でアメリカによる世界制覇を実現しようというウォルフォウィッツ・ドクトリンが1992年2月に作成されている。こうしたことから、アメリカでは長期にわたるクーデターが進行中だと考える人がいる。

ヘンリー・キッシンジャー、サイラス・バンス、ジェームズ・ベイカーが国務長官だったときに副次官補を務めたスティーブ・パチェニクはWikiLeaksについて、クーデターを阻止しようとしている情報機関内のグループが作り上げたのではないかと推測している。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201705140001/



65. 中川隆[-7143] koaQ7Jey 2017年7月17日 11:27:06: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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米トランプとロシアの疑惑の関係、存在しなかった可能性…CIAによる捏造工作との見方
http://biz-journal.jp/2017/07/post_19808.html
2017.07.17 文=筈井利人/経済ジャーナリスト Business Journal
クリントン一家と金

 似たような話はほかにもある。今年2月、マイケル・フリン大統領補佐官(当時)が昨年12月に民間人の立場でロシアの駐米大使と対ロ制裁をめぐって協議したことが違法だと指摘され、辞任。翌月、フリン氏が2015年にロシアの政府系メディア「RT」などから講演料として計約5万6000ドル以上の支払いを受けていたとして、民主党議員が問題にした。

 しかしジャーナリストのロバート・パリー氏によれば、ヒラリー氏の夫であるビル・クリントン元大統領はモスクワで行った講演の対価として、ロシア政府系の投資銀行から50万ドルを受け取ったという。フリン氏の受け取った金額の10倍近い。

 さらにクリントン一家が主宰するクリントン財団は、何年にもわたりサウジアラビアから数百万ドルを受け取っている。サウジアラビアは中東と北アメリカの聖戦主義者を支持し、9.11テロ実行犯の大部分を生み出し、米国の外交政策に大きな影響力を及ぼしている。米国民にとってはフリン氏がロシアからわずかな金額を受け取ったことよりも、はるかに大きな問題のはずである。




66. 中川隆[-7132] koaQ7Jey 2017年7月19日 06:12:08: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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クリントン漏洩メールを追跡の米国男性が自殺
米国 2017年07月14日 18:26

ヒラリー・クリントン元国務長官が自身の個人メールボックスから削除した3万3千通のメールの行方を個人的に追っていた共和党員のピーター・スミス氏(81)がミネソタ州のホテルで自殺した。シカゴ・トリビューン紙が報じた。

それによれば、スミス氏は5月14日、ロチェスターホテルの一室で死体で発見されていた。

シカゴトリビューン紙によればスミス氏は死亡する前日、自分のブログに2つのポストを発表している。1つのポストではスミス氏は、米特務機関が2016年の米大統領選挙へロシアが介入したと帰結づけたことに対して論争している。2つめのポストではスミス氏は、ロシアの「介入」のテーマは外交政策に注意が切り替えられ次第、直ちに立ち消えとなるもので、その時期は近いうちに到来するはずと予言している。

5月初め、スミス氏はウォールストリートジャーナル紙からのインタビューに、クリントン氏のメールのやり取りの一部とされる資料が自分のもとにハッカーから送られてきたものの、その信ぴょう性に確信が持てなかったため、ウィキリークスに書簡を転送するよう助言したと語っていた。

スミス氏の発言ではクリントン氏の書簡を有しているというハッカー集団は5つあり、そのうち2つはロシアの組織らしいとされているものの、ロシアの加担を具体的に証拠づけるものは何も公表されていない。シカゴトリビューン紙はスミス氏は5月14日に死亡と報じる一方で、死因については言及していない。




67. 中川隆[-7126] koaQ7Jey 2017年7月26日 14:29:38: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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胡錦濤体制が終了して習近平体制となった2012年11月の中国共産党大会の2〜3年前から、江沢民派の周永康(常務委員)、薄熙来(重慶市党委書記)、共青団の令計画(党中央弁公庁主任=日本の官房長官に相当する要職)の3名がクーデターで習近平を降ろし、薄熙来をトップに据えようと画策していました。もちろん江沢民の了解のもとですが、胡錦濤には知らされていなかったはずです。
 実際には習近平に勘付かれて失敗に終わり、周永康、薄熙来、令計画はすべて捕えられて無期懲役となりました。ところがこのクーデターが習近平に勘付かれる直接のきっかけとなったのが、2012年2月に重慶市副市長兼公安局長だった王立軍が成都の米国総領事館に亡命を求めて駆け込んだ事件でした。

 王立軍はもともと薄熙来の腹心でしたが、薄熙来の不正蓄財や夫人の殺人事件などを知る立場となり逆に命を狙われていたからとされています。この時、王立軍は薄熙来や夫人の関連だけでなく重慶市や中国共産党の機密をごっそりと持ち出しており、米国にとっても「宝の山が向こうから飛び込んできた」はずです。

 ところが奇怪なことに米国務省は王立軍の亡命を認めず中国当局に引き渡したため、そこから薄熙来の不正が露呈していきました。それではその時点で「宝の山をわざわざ追い返した」米国の国務長官は誰だったでしょう?

 そう、ヒラリー・クリントンです。さらにヒラリーはわざわざ(中国政府が簡単に盗み見ることができるように)私用メールを使っていました。本誌がヒラリーは筋金入りの親中であると強調する数多くある証拠の1つで、私用メール事件の本当の目的です。
http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-2054.html



68. 中川隆[-6944] koaQ7Jey 2017年8月04日 10:52:32: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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2017.08.04
FBIや警察の報告では民主党のメールは同党スタッフがリーク、露は無関係だと有名ジャーナリスト
調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュが民主党全国委員会(DNC)から漏れた電子メールについて電話で語った音声がインターネット上で公開されている。彼はワシントンDC警察やFBIの報告書を見たとしたうえで、電子メールをWikiLeaksへ渡したのはDNCのコンピュータ担当スタッフだったセス・リッチだとしている。また、その漏洩した電子メールはロシア政府がハッキングしたとする偽情報を流し、ロシアとアメリカとの関係悪化を目論んだのはCIA長官だったジョン・ブレナンだとも語っている。


同じ趣旨のことはリッチの両親が雇った元殺人課刑事の私立探偵リッチ・ウィーラーも主張していた。この探偵はセスがWikiLeaksと連絡を取り合い、DNC幹部の間で2015年1月から16年5月までの期間に遣り取りされた4万4053通の電子メールと1万7761通の添付ファイルがセスからWikiLeaksへ渡されているとしていた。

WikiLeaks以外のルートでも電子メールは漏れているが、そうした中には、2015年5月26日の時点で民主党幹部たちがヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆している電子メールの存在している。

その年の6月11日から14日かけてオーストリアで開かれたビルダーバーグ・グループの会合にヒラリーの旧友であるジム・メッシナが参加していたことから欧米支配層はバラク・オバマの次はヒラリーを大統領すると決めたと推測されていたが、その推測と符合する。

電子メールの扱いに関し、国務長官だったヒラリー・クリントンは機密情報の取り扱いに関する法規に批判した可能性があり、またそうした情報をきわめて軽率に扱っていたことをFBIのジェームズ・コミー長官は認めている。それにもかかわらず、FBIは彼女を不起訴にしたわけだ。

サウジアラビアやカタールはともにダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)やほかのスンニ系過激派(アル・カイダ系武装集団)を資金や物資の秘密援助をしてきたが、この事実をヒラリーが2014年8月の時点で知っていたことを示すメールもある。ヒラリーの件にメスを入れると、リビアやシリアへの軍事侵攻、あるいはホンジュラスのクーデターに関連した情報が噴出してくる可能性がある。

WikiLeaksがクリントンに関した電子メールを公開した後、セス・リッチは2016年7月10日、背中を2度撃たれて死亡している。この殺人事件の捜査を担当したのがワシントンDC警察だが、ウィーラーによると、捜査は途中で打ち切られている。その当時のワシントンDC警察長、キャシー・ラニエーは8月16日、9月で辞職してナショナル・フットボール・リーグの保安責任者に就任すると発表、実際に転職している。

ウィーラーがそうした話を記者にした直後、セス・リッチの遺族からウィーラーや話を伝えたFOXニュースへ抗議があり、ウォーラーは発言を撤回する。遺族のスポークスパーソンに就任したブラッド・バウマンの発表だが、この危機コンサルタントが所属するPR会社のパストラム・グループは民主党も顧客だ。

事件の翌月、WikiLeaksのジュリアン・アッサンジはリッチについてDNCの電子メールを提供した人物だと示唆、射殺事件に関する情報提供者に2万ドルを提供するとツイッターに書き込んでいる。今回、WikiLeaksはハーシュの発言をツイッターで紹介、事実上、電子メールをWikiLeaksへ渡したのはセス・リッチだと認めている。

1991年12月にはソ連が消滅するとネオコンたちはアメリカが「唯一の超大国」になったと思い込み、目前に「パクスアメリカーナ」の時代があると認識、自立した「雑魚」を潰しにかかる。その基本プランが1992年2月に国防総省で作成されたDPGの草案、いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリン。そのドクトリンに基づき、アメリカはイラク、シリア、イランを殲滅しようとしてきた。

そのドクトリンに基づき、サラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とする傭兵集団、つまりアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を使って中東/北アフリカを侵略、ネオ・ナチを使ってウクライナでクーデターを実施してきたアメリカの好戦派だが、いずれも成功とは言い難い。ロシアや中国を武力で脅して屈服させるという目論見も失敗だ。そんなことでロシアや中国が屈服するはずがないのだが。それを好戦派は理解していなかったのだろう。

そして現在、好戦派はロシアを「悪魔化」して描くプロパガンダを展開、かつての封じ込め政策を真似しようとしているが、それによってEUは苦境に陥り、アメリカ離れの動きを見せている。中国とも経済戦争を始めると言われているが、そうしたことはアメリカにとって自殺行為だ。生産活動を弱体化させ、基軸通貨のドルを発行する特権だけで生き延びているのがアメリカ。

発行したドルを回収するためにペトロダラーの仕組みを作り、吸収するために投機の規制を大幅に緩和させているが、これもドルが基軸通貨として認められているので機能してきただけ。ドルが基軸通貨の地位から陥落すれば、アメリカの支配システムは崩壊する。

新封じ込め政策を実施する口実として「ロシアゲート事件」をでっち上げたわけだが、それによってロシアや中国との核戦争が勃発する危険性が高まった。それでも彼らは軍事力を使ってロシアや中国を屈服させ、世界制覇を実現しようともがいている。その計画を実現できなかった場合、自分たちの支配システムは崩壊、これまでの悪事の責任をとらされる可能性がある。それだけは避けたいだろう。電子メールの話も封印しなければならない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201708040000/




69. 中川隆[-6497] koaQ7Jey 2017年9月06日 10:40:23: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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2017.09.06
トランプ大統領の政策を支えるはずだった人びとがホワイトハウスから排除され、本人は軟禁の噂

アメリカで​ドナルド・トランプ大統領が軟禁状態になっているという噂​が流れている。これが事実かどうかは不明だが、2015年の段階でヒラリー・クリントンの大統領就任を内定していた勢力がトランプの周辺を固めたことは間違いないだろう。

トランプに信頼され、ロシアとの関係改善を主張していたマイケル・フリン国家安全保障補佐官は2月に政府から追い出され、8月には朝鮮半島の核問題で「軍事的な解決はない。忘れろ」と発言したステファン・バノンも首席戦略官を辞めさせられた。フリンが辞めさせられた時点でトランプは死に体になっていたが、バノンがいなくなったことで政権は完全に乗っ取られたと見る人もいる。

2016年の大統領選でクリントンを勝たせることを支配層が決めたと言われた理由のひとつは、15年6月11日から14日かけてオーストリアで開かれた​ビルダーバーグ・グループの会合​にヒラリーの旧友であるジム・メッシナが参加していたこと。​2015年5月26日の時点​で民主党幹部たちがヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆している電子メールも存在している。

ビルダーバーグ・グループは欧米支配層の利害調整機関とも言われているが、その歴史をたどると、1922年に作られたPEU(汎ヨーロッパ連合)までさかのぼることができるだろう。ウィンストン・チャーチルやオットー・フォン・ハプスブルクなどが中心的な存在だった。

第2次世界大戦後、アメリカはヨーロッパを支配する目的でACUE(ヨーロッパ連合に関するアメリカ委員会)を設置するが、その中核にはチャーチル、OSS長官だったウィリアム・ドノバン、ドノバンと同じウォール街の弁護士でCIAを動かすことになるアレン・ダレス、あるいはポーランド出身のヨセフ・レティンガーがいる。ビルダーバーグ・グループはACUEの関連組織。EUもこの流れの中で生まれた。

WikiLeaks以外のルートでも電子メールは漏れているが、そうした中には、2015年5月26日の時点で民主党幹部たちがヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆している電子メールの存在している。

こうした勢力の描く道筋が大統領選では壊れ、トランプが大統領に就任する。国家安全保障補佐官に就任したフリンは元DIA(国防情報局)局長で、局長時代の2012年にDIAは​反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団​であり、バラク・オバマ政権が宣伝していた「穏健派」は存在しないとする報告書をホワイトハウスへ提出している。その中で東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告されている。実際、その警告通りになった。フリンも言っているように、オバマ大統領の政策がダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の勢力を拡大させたのだ。

そのダーイッシュは2015年9月30日にシリア政府の要請でロシア軍が介入してから劣勢になり、崩壊状態。つまり、アル・カイダ系武装勢力やダーイッシュ(タグの違いだけで中身は大差がない)をシリアの体制を転覆させるために送り込んだアメリカ、イスラエル、サウジアラビアなどにとっても深刻な事態。破壊と殺戮の舞台をアフガニスタンや東/東南アジアへ移動させようとしている。リビアへ逃げ込んだ戦闘員も少なくないと言われている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201709050001/



70. 中川隆[-6063] koaQ7Jey 2017年11月04日 20:07:54: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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クリントン陣営、民主党全国委を乗っ取り大統領予備選で有利に 暴露本
2017年11月4日 14:45 発信地:ワシントンD.C./米国

【11月4日 AFP】米民主党全国委員会(DNC)の元暫定委員長が、2016年米大統領選の同党の予備選挙は立候補していたヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)元国務長官に有利に働くように仕組まれていたと暴露し、民主党に激震が走っている。党の立て直しに取り組んでいる民主党だが、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領から不正を非難される事態を招いた。

 大統領選が重大な局面を迎えていた数か月間にDNC暫定委員長を務めたドナ・ブラジル(Donna Brazile)氏は、米政治サイト「ポリティコ(Politico)」が2日に公開した書籍の抜粋の中で、前任のDNC委員長デビー・ワッサーマン・シュルツ(Debbie Wasserman Schultz)氏が党の戦略と人事について「ブルックリン(Brooklyn)にあったクリントン陣営本部のやりたいように」させていたと暴露した。

 ブラジル氏は、クリントン陣営は実質的にDNCの日常業務を乗っ取り、事実上、対立候補だったバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員に不利になるようにしていたと明らかにした。また、DNCとクリントン氏の陣営の間で民主党の負債を解消するための合意が交わされ、その代わりにクリントン氏は党の財務と戦略、そして集められた資金の管理を任せられたと述べ、「これは犯罪というわけではないが、私が見る限り、党の道徳的な完全さは損ねられた」と指摘した。

 今回の暴露で米政界は激震に襲われ、サンダース氏の支持者からは不正を訴える声やDNCの刷新を要求する声が上がっている。

 3日の時点で、クリントン氏とサンダース氏のいずれもブラジル氏の暴露に対するコメントは発表していない。トランプ大統領は3日、記者団に対し、クリントン氏が「DMCを買収し、選挙をバーニーから盗み取った」ことがブラジル氏の書籍で明らかになったと語った。(c)AFP/Michael Mathes






71. 中川隆[-6062] koaQ7Jey 2017年11月04日 20:10:28: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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ロシア疑惑で渦中の調査報告書、クリントン陣営が資金提供 米紙
2017年10月25日 15:50 発信地:ワシントンD.C./米国
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【10月25日 AFP】昨年の米大統領選中、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏陣営と民主党全国委員会(DNC)が、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏陣営とロシアの関係を調べるため調査会社に資金提供していたことが分かった。米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)が24日、報じた。

 同紙によると、昨年4月にクリントン陣営とDNCに協力していた弁護士のマーク・エリアス(Marc Elias)氏が、首都ワシントン(Washington D.C.)を拠点とする調査会社フュージョンGPS(Fusion GPS)にトランプ陣営とロシアの関係を調査するよう依頼。調査への支払いは、同年11月の大統領選投票日の直前まで続いていたという。

 また同社はこれ以前にも、党の候補指名を決める予備選中に共和党の別の候補者からトランプ氏に関する調査の資金提供を受けていた。調査を依頼した人物は明らかにされていない。

 クリントン陣営らが資金提供したとされる調査は35ページにわたり、英対外情報部「MI6」の元諜報(ちょうほう)員クリストファー・スティール(Christopher Steele)氏がまとめた。この調査報告書は、大統領選へのロシア介入疑惑に対する議会の調査で中心的な役割を果たしている。

 調査報告書には確証が得られていないものを含むトランプ氏の政治、資金、そして性的な内容についての疑惑が含まれており、同氏はこの報告書について「偽ニュース」だと主張している。

 トランプ氏は21日、ツイッター(Twitter)に司法省と米連邦捜査局(FBI)は「誰が資金を提供したのか直ちに公表すべきだ」と投稿。その2日前にも「誰が資金を払ったのか、ロシアか、FBIか、民主党か(もしくはこれらすべてか)?」と疑問を呈していた。(c)AFP




72. 中川隆[-6008] koaQ7Jey 2017年11月07日 14:12:29: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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2017.11.07
民主党全国委員会の委員長だった人物が、ヒラリーを優遇することで党幹部が合意していたと主張
ICIJ(国際調査ジャーナリスト協会)が「パナマ・ペーバーズ」に続き、「パラダイス・ペーパーズ」を公表した。いずれもオフショア市場/タックスヘイブンに関する文書。DNC(民主党全国委員会)の委員長だったドンナ・ブラジルが昨年の大統領選について書いた本の出版と同じタイミングでの公表だ。

WikiLeaks以外のルートでも電子メールは漏れているが、そうした中には、​2015年5月26日の時点で民主党幹部たちがヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆している電子メールの存在​している。

​2015年の6月11日から14日かけてオーストリアで開かれたビルダーバーグ・グループの会合​にヒラリーの旧友であるジム・メッシナが参加していたことから欧米支配層はバラク・オバマの次はヒラリーを大統領すると決めたと推測されていたが、その推測と符合する。

ブラジルによると、​彼女はWikiLeaksが公表した電子メールの内容を確認するために文書類を調査、DNC、ヒラリー勝利基金、アメリカのためのヒラリーという3者の間で結ばれた資金募集に関する合意を示す書類を発見した​という。その書類にはヒラリーが民主党のファイナンス、戦略、そして全ての調達資金を管理することが定められていた。しかも、その合意が証明されたのは彼女が指名を受ける1年程前の2015年8月だった。バーニー・サンダースやその支持者が怒って当然、いや怒らなければならないことだ。

調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュによると、彼はワシントンDC警察やFBIの報告書を見たとしたうえで、​電子メールをWikiLeaksへ渡したのはDNCのコンピュータ担当スタッフだったセス・リッチ​だとしている。また、その漏洩した電子メールはロシア政府がハッキングしたとする偽情報を流し、ロシアとアメリカとの関係悪化を目論んだのはCIA長官だったジョン・ブレナンだとも語っている。かつて情報機関で働いていた人々もハッキングでなく内部で盗み出されたと分析している。

同じ趣旨のことはリッチの両親が雇った元殺人課刑事の私立探偵リッチ・ウィーラーも主張していた。この探偵はセスがWikiLeaksと連絡を取り合い、DNC幹部の間で2015年1月から16年5月までの期間に遣り取りされた4万4053通の電子メールと1万7761通の添付ファイルがセスからWikiLeaksへ渡されているとしていた。

WikiLeaksがクリントンに関した電子メールを公開した後、2016年7月10日にリッチは背中を2度撃たれて殺された。この殺人事件の捜査を担当したのがワシントンDC警察だが、ウィーラーによると、捜査は途中で打ち切られている。その当時のワシントンDC警察長、キャシー・ラニエーは8月16日、9月で辞職してナショナル・フットボール・リーグの保安責任者に就任すると発表、実際に転職した。

この殺人事件の真相は明らかになっていないが、ブラジルは自分自身も殺されるのではないかと恐れ、オフィスのブラインドを閉めて外から狙撃されないように気をつけ、自宅には監視カメラを設置したとしている。

ところで、オフショア市場が世界経済にとって大きな問題であることは間違いない。多国籍企業はタックス・ヘイブンに設立したペーパーカンパニーを回することで税金を回避させているのだが、貿易や資金の半分以上は場所を書類上、通過しているという。

タックス・ヘイブンにはいくつかの種類があり、最も古いグループはスイス、ルクセンブルグ、オランダ、オーストリア、ベルギー、モナコなど。第1次世界大戦以降、増えたようだ。

1970年代になるとロンドンの金融街(シティ)を中心とするネットワークが整備されてカネの流れは変わる。そのネットワークはかつての大英帝国をつなぐもので、ジャージー島、ガーンジー島、マン島、ケイマン諸島、バミューダ、英領バージン諸島、タークス・アンド・カイコス諸島、ジブラルタル、バハマ、香港、シンガポール、ドバイ、アイルランドなどが含まれている。

ここにきてアメリカが租税避難の主導権を握ったようだ。ブルームバーグによると、ロスチャイルド家の金融持株会社である​ロスチャイルド社のアンドリュー・ペニーが2015年9月、サンフランシスコ湾を望むある法律事務所で税金を避ける手段について講演​、その中で税金を払いたくない富豪に対して財産をアメリカへ移すよう、顧客へアドバイスするべきだと語ったという。アメリカこそが最善のタックス・ヘイブンだというわけである。ペニーはアメリカのネバダ、ワイオミング、サウスダコタなどへ銀行口座を移動させるべきだと主張、ロスチャイルドはネバダのレノへ移しているという。

常識的に考えれば、タックス・ヘイブンの文書には多国籍企業や世界の富豪が名を連ねていなければならないのだが、ICIJの文書ではそうしたことがない。そうしたICIJのスポンサーには投機家ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティ基金、ロックフェラー兄弟基金、ロックフェラー・ファミリー基金、カーネギー社、フォード基金などが含まれている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201711070000/



73. 中川隆[-5819] koaQ7Jey 2017年12月02日 18:15:35: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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2017.12.02
NSAの盗聴内容とFBIへ話した内容の不一致を理由にオバマ政権の政策を批判したフリンを起訴へ

ドナルド・トランプ大統領の安全保障補佐官だったマイケル・フリン中将が「偽証」したとする声明を特別検察官のロバート・ミュラーが発表した。ロシアのセルゲイ・キスリャク駐米大使との会話についてFBIに間違った情報を伝えたということが理由。フリンとキスリャクとの会話は電子情報機関のNSAが盗聴、記録し、その内容とフリンの話を照らし合わせた結果だという。つまり、会話の内容は問題にされていない。アメリカの支配層(トランプ大統領ではない)はターゲットを潰すため、NSAが盗聴した会話の内容を本人が正確に語らなかったという「犯罪」を使ったわけだ。

フリンの通話に限らず、NSAは全ての通信を傍受し、記録している。つまり、NSAで通信傍受システムを開発した人物を含む専門家が指摘しているように、トランプやその周辺の人々がロシア側と不適切な遣り取りをしていたならNSAが証拠を握っているはず。新たな捜査は必要ない。ミュラーを特別検察官に据えたという事実が「ロシアゲート」のインチキを示している。

民主党本部のサーバーをハッキングして入手したと思われる電子メールと添付ファイルをWikiLeaksは2016年7月22日に公表、その中にはバーニー・サンダースが同党の大統領候補になることを妨害するよう民主党の幹部に求めるものが含まれている。民主党幹部たちが昨年5月26日の時点でヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆している電子メールの存在も知られている。

WikiLeaksによる電子メールの公開を民主党や有力メディアは「ロシアの陰謀」だと主張し、その内容に人々が目を向けないように大々的なキャンペーンを張っている。この主張が事実なら、その証拠をNSAは握っているはずで、FBIもすぐそれを手に入れることができる。そうした証拠が提示されていないのは、証拠がないからだろう。少なからぬ情報関係者は内部から漏れていると指摘している。

ところで、民主党がクリントンを候補者に選ぶ方向で動いていたことはDNC(民主党全国委員会)の委員長だったドンナ・ブラジルも認めている。彼女はWikiLeaksが公表した電子メールの内容を確認するために文書類を調査、DNC、ヒラリー勝利基金、アメリカのためのヒラリーという3者の間で結ばれた資金募集に関する合意を示す書類を発見したという。その書類にはヒラリーが民主党のファイナンス、戦略、そして全ての調達資金を管理することが定められていた。しかも、その合意が証明されたのは彼女が指名を受ける1年程前の2015年8月だ。

ヒラリーは投機家のジョージ・ソロスと緊密な関係にあり、その人脈はサウジアラビアのムハンマド・ビン・ナイェフにつながる。この人物は2015年4月に皇太子となったが、ヒラリーがアメリカ大統領に選ばれなかったこともあり、今年(17年)6月にそのポストから引きずり下ろされる。後任はムハンマド・ビン・サルマンだ。ビン・サルマンはイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフに近い。ソロスとネタニヤフとの関係は悪いと伝えられている。

今回、ミュラーが起訴したフリンは2012年7月24日から14年8月7日にかけてDIA(国防情報局)の局長を務めた人物。その間、2012年8月にDIAはシリア情勢に関する報告書をバラク・オバマ政権へ提出し、その中で反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIだと指摘している。バラク・オバマ政権が主張するところの「穏健派」は事実上、存在しないというわけだ。

また、オバマ政権が「穏健派」に対する支援を止めなければ、シリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告していた。それはダーイッシュという形で現実のものになった。

このダーイッシュは2014年1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にはイラクのファルージャやモスルを制圧している。その際にトヨタ製の真新しい小型トラック「ハイラックス」を連ねてパレード、その後継を撮影した写真が世界規模で流れ、多くの人に知られるようになる。

このとき、アメリカの軍や情報機関はスパイ衛星、偵察機、通信傍受、エージェントなどから情報を得ていたはずだが、反応しなかった。つまり、ダーイッシュの軍事侵攻を容認していた。パレードしている車列などは格好の攻撃目標だったはずだ。こうしたオバマ政権の姿勢にフリンは反発、政権の内部で対立が生じたようだ。そして8月にフリンは追い出される。退役後、フリン中将はアル・ジャジーラの番組に出演、ダーイッシュの勢力が拡大したのはオバマ政権が決めた政策によると語っているが、これは事実だ。

「ロシアゲート」では1799年に制定されたローガン法が重要な役割を果たした。民間人が外交へ介入することを禁じた法律だが、問題にされた時期、トランプが次期大統領になることは決まっていた。形式的には民間人だが、事実上、大統領としての準備を始めねばならないときの出来事。司法長官代理だったサリー・イェーツはフリンを「偽証トラップ」で引っかけるため、この法律を使ったようだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201712020001/



74. 中川隆[-5792] koaQ7Jey 2017年12月06日 18:11:00: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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2017.12.06
ヒラリーの電子メール問題を曖昧にし、トランプをロシア疑惑で攻撃していたFBI幹部捜査官の疑惑

FBIの幹部捜査官の疑惑が話題になっている。昨年はヒラリー・クリントンの電子メール問題の捜査を指揮、今年に入ってからロバート・ムラー特別検察官の元でロシア政府による大統領選挙への介入疑惑を調べ、8月にムラーのチームから離れた​ピーター・ストルゾク​がその捜査官だ。恋愛関係にある同僚に対し、反トランプのメッセージを送っていたことが判明したことが理由だと言われている。

この人物の問題は公正な立場で捜査していなかったといるだけでなく、クリントンが公務の通信に個人用の電子メールを使い、しかも3万2000件近い電子メールを削除した件も問題視されている。ジェームズ・コミーFBI長官(当時)は彼女が機密情報の取り扱いに関する法規に違反した可能性を指摘、情報を「きわめて軽率(Extremely Careless)」に扱っていたとしていた。

この「きわめて軽率」は元々「非常に怠慢(Grossly Negligent)」だと表現されていたのだが、それをストルゾクが書き換えていたことが判明している。罰金、あるいは10年以下の懲役が科せられる行為について後者の表現は使われるようで、クリントンが刑務所行きになることを防ぐために書き換えた疑いが濃厚だ。

なお、コミーはFBI長官だった今年5月3日に宣誓の上で捜査を打ち切るように圧力を受けたことはないと証言しているが、その発言から5日後に彼は解任された。

民主党本部のサーバーをハッキングして入手したと思われる1万9252件の電子メールと8034件の添付ファイルをWikiLeaksは2016年7月22日に公表しているが、有力メディアはその中身を無視、ロシア政府によるハッキングだという宣伝を続けてきた。もし本当にロシア政府がハッキングしたならNSAが証拠を握っているはずで、新たな捜査は必要ない。捜査を演出するのは証拠がないからだ。NSAで通信傍受の仕組みを設計した人物を含め、内部で入手されたと断定する専門家は少なくない。電子メールをWikiLeaksへ渡した人物ではないかと言われているのがDNC(民主党全国委員会)のスタッフだったセス・リッチ。2016年7月10日に殺されている。

この殺人事件の捜査を担当したのはワシントンDC警察だが、リッチの両親が雇った元殺人課刑事の私立探偵リッチ・ウィーラーによると、捜査は途中で打ち切られている。その当時のワシントンDC警察長、キャシー・ラニエーは8月16日、9月で辞職してナショナル・フットボール・リーグの保安責任者に就任すると発表、実際に転職した。

ウィーラーがそうした話を記者にした直後、セス・リッチの遺族からウィーラーや話を伝えたFOXニュースへ抗議があり、ウォーラーは発言を撤回する。パストラム・グループの危機コンサルタント、ブラッド・バウマンが遺族のスポークスパーソンとして発表した。

WikiLeaksが公表したメールの中には、バーニー・サンダースが同党の大統領候補になることを妨害するよう民主党の幹部に求めるものがあり、サンダースの支持者を怒らせている。民主党幹部たちが2015年5月26日の時点でヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆している電子メールの存在も知られている。

民主党がクリントンを候補者に選ぶ方向で動いていたことは​DNCの委員長だったドンナ・ブラジル​も認めている。彼女はWikiLeaksが公表した電子メールの内容を確認するために文書類を調査、DNC、ヒラリー勝利基金、アメリカのためのヒラリーという3者の間で結ばれた資金募集に関する合意を示す書類を発見したという。その書類にはヒラリーが民主党のファイナンス、戦略、そして全ての調達資金を管理することが定められていた。しかも、その合意は彼女が指名を受ける1年程前の2015年8月だ。

トランプのロシアゲートは根拠がなく、作り話の可能性が高いのだが、ここにきて新たなロシアゲートが浮上している。2013年にロシアのロスアトムが子会社を介して買収したウラニウム・ワンの問題だ。買収が承認された2010年当時の大統領はバラク・オバマ。ヒラリー・クリントンは承認を担当した国務長官で、FBI長官はロバート・ムラー。このとき、ロシア側からクリントンの基金へ寄付としてカネが渡った。証拠が示されることなく有力メディアが宣伝を展開しているトランプのケースとは違い、クリントンの件は根拠が示されている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201712060000/



75. 中川隆[-5751] koaQ7Jey 2017年12月18日 18:10:02: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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2017.12.18
米国で権力バランスに変化が起こっているのか、攻守逆転で露ゲートはFBIゲートになりつつある

アメリカの民主党が主張、有力メディアが広めてきた「ロシアゲート」は「FBIゲート」になりつつある。権力バランスに変化が起こっているようだ。ドナルド・トランプに対する敵視する立場から政治的に動いているFBI幹部の存在が明確になり、トランプの国家安全保障補佐官への就任が予定されていたマイケル・フリン元DIA局長に対して仕掛けられた罠を問題にする人もいる。

昨年(2016年)はヒラリー・クリントンの電子メール問題の捜査を指揮、今年に入ってからロバート・ムラー特別検察官の下でロシア政府による大統領選挙への介入疑惑を調べ、8月にムラーのチームから離れたピーター・ストルゾクは同僚に対して反トランプのメッセージを送っていたことが判明している。この人物に対し、昨年8月6日に「反乱」を促していたのがFBIのリサ・ペイジ。

この人物の問題は公正な立場で捜査していなかったといるだけでなく、クリントンが公務の通信に個人用の電子メールを使い、しかも3万2000件近い電子メールを削除した件も問題視されている。ジェームズ・コミーFBI長官(当時)は彼女が機密情報の取り扱いに関する法規に違反した可能性を指摘、情報を「きわめて軽率(Extremely Careless)」に扱っていたとしていた。

この「きわめて軽率」は元々「非常に怠慢(Grossly Negligent)」だと表現されていたのだが、それをストルゾクが書き換えていたことが判明している。罰金、あるいは10年以下の懲役が科せられる行為について後者の表現は使われるようで、クリントンが刑務所行きになることを防ぐために書き換えた疑いが濃厚だ。

ところで、トランプに対する攻撃は2016年から展開されているが、ロシアゲート事件の幕開けと言われているのは下院情報委員会におけるアダム・シッフ議員の声明。今年3月のことだ。2016年のアメリカ大統領選挙にロシアが介入した主張している。イギリスの対外情報機関MI6の「元」オフィサー、クリストファー・スティールの報告書に基づく主張だった。MI6時代、スティールはアレキサンダー・リトビネンコのケース・オフィサーだったとも言われている。当時、リトビネンコはMI6のために働いていた。

ちなみに、リトビネンコはソ連/ロシアの情報機関、KGB/FSBに所属していた人物。ボリス・エリツィン時代の終焉に伴い、2000年にイギリスへ渡っていた。彼を雇うことになるオリガルヒのボリス・ベレゾフスキーも2000年からロシアへ戻らず、2003年にはイギリスが政治亡命を認めた。リトビネンコは2006年11月に放射性物質のポロニウム210で毒殺されたとされている。

2016年1月20日付けテレグラフ紙によると、リトビネンコは死ぬ直前、ウラジミル・プーチンがウクライナの犯罪組織のボス、セミオン・モギレビッチと「良好な関係」で、このボスは「アル・カイダ」に武器を売っていたと主張している。

アル・カイダ系武装集団をシリアやリビアへの侵略にアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの3国同盟が使ってきたことは本ブログでも繰り返し、指摘してきた。この武装集団の多くはサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団。シリア政府の要請を受け、ロシア政府は2015年9月30日にシリアへ軍事介入し、こうした武装勢力を本当に攻撃、戦況は一変した。

ロシアより1年早くアメリカは勝手にシリアで軍事作戦を開始しているが、実際にはシリアのインフラを破壊し、住民を殺害するだけだったと言われている。そこで、アル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)はシリアで勢力を拡大していた。

2015年11月24日にトルコ軍のF-16戦闘機がロシア軍のSu-24を待ち伏せ攻撃で撃墜しているが、これはロシア軍による攻撃にブレーキをかけるためだった可能性が高い。ただ、ロシア軍機の撃墜をトルコ政府だけの判断で実行できるとは考え難く、撃墜の当日から翌日にかけてポール・セルバ米統合参謀本部副議長がトルコのアンカラを訪問してこともあり、アメリカ政府が許可していたと見る人は少なくない。

ロシア軍の空爆でアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュが押されはじめ、アメリカ軍に対する視線は厳しくなる。そうした中、テレグラフ紙はロシアとアル・カイダを結びつける記事を掲載したわけだ。

ところで、MI6を離れたスティールはオービス・ビジネス・インテリジェンスなる会社を経営、この会社を雇ったのがフュージョン。この会社は情報戦を仕掛ける傭兵的な存在で、ウォール・ストリート・ジャーナル紙の記者や編集者だった3名によって設立された。

フュージョンを創設したひとりであるグレン・シンプソンによると、同社は2016年秋にネリー・オーなる人物にトランプの調査と分析を依頼している。2010年当時にCIAのオープン・ソース・ワークスで働き、その夫であるブルース・オーは司法省の幹部。この夫とシンプソンは2016年11月に会っている。その直後にブルースが司法省のポストを失いと、フュージョンはスティールと結びついた。

このフュージョンへトランプに関する調査を依頼、102万ドルを民主党の法律事務所であるパーキンス・コイが支払った。言うまでもなく、この法律事務所はヒラリー・クリントンと民主党のために働いていている。

アンドリュー・マッカビFBI副長官も注目されているひとり。妻のジル・マッカビは2015年3月にバージニア州上院議員選挙への出馬を表明、67万5000ドル以上をクリントンと親しいテリー・マコーリフなどから受け取っていた。

問題はその時の夫の立場。2015年当時、アンドリューはFBIのワシントンDC担当で、クリントンの電子メール捜査を指揮する立場にあったのだ。本来ならこの件を担当してはならなかった。

FBI関連で問題になっている人物がもうひとり存在する。特別検察官のロバート・ムラーだ。2001年9月4日から13年9月4日にかけてFBI長官を務めているが、長官就任から1週間後にニューヨークの世界貿易センターの3棟とバージニア州アーリントンにある国防総省の本部庁舎が攻撃されている。この事件の真相を上手に隠蔽したと陰口をたたかれているのだ。

9/11の直後、事前にFBIは攻撃に関する情報を入手していたと内部告発したFBIの翻訳官だったシベル・エドモンズはフェトフッラー・ギュレンについても事実を公表しようとした。

トルコでは1980年にCIAを後ろ盾とするクーデターがあり、軍事体制になった。この権力奪取を実行したのはトルコにおけるNATOの秘密部隊、カウンター・ゲリラ。このときにギュレンはクーデター派として台頭している。

それ以降、ギュレンはCIAの手先として活動、アメリカに「スリーパー」のネットワークを構築していた。ギュレンを守る中心人物は「元」CIA幹部のグラハム・フラー。その事実をエドモンズは明らかにしたのだが、そうしたことを口にするなと命じたのがFBI長官だったムラーにほかならない。

今でもCIAの保護下にあるギュレンは2016年7月15日のトルコにおけるクーデター未遂でも中心的な役割を果たしたとトルコ政府から批判されている。この武装蜂起はレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がロシアへ接近する姿勢を見せた直後に引き起こされた。

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最終更新日 2017.12.18 13:04:19


2017.12.17

ジョージアの元大統領でオデッサ州知事も務めたサーカシビリがウクライナへ密入国した後、逮捕


カテゴリ:カテゴリ未分類

2014年2月22日にビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除したクーデターの後、ウクライナは破綻国家と化している。そのウクライナでジョージアの元大統領、ミハイル・サーカシビリが混乱に拍車をかけるような行動を展開している。

サーカシビリは2013年にジョージアを離れ、その直後に指名手配されたが、15年5月29日にペトロ・ポロシェンコ大統領からウクライナの市民権を与えられ、5月30日にオデッサ州の知事に任命され、12月4日にジョージアの国籍を失っている。

オデッサでは2014年5月2日に反クーデター派の住民がネオ・ナチのグループに虐殺されている。ネオ・ナチの後ろ盾はアメリカ/NATO。西側と連携したオリガルヒが資金を提供していた。

虐殺はその日の午前8時、「サッカー・ファン」を乗せた列車が到着したところから始まる。赤いテープを腕に巻いた一団がその「ファン」を広場へ誘導するのだが、そこではネオ・ナチのクーデターに対する抗議活動が行われていた。誘導した集団はUNA-UNSOだと言われている。

不穏な空気が漂う中、広場にいた反クーデター派の住民は労働組合会館の中へ誘導される。危険なので避難するようにと言われたようだが、実際は殺戮の現場を隠すことが目的だったと推測する人もいた。

外から建物の中へ火炎瓶が投げ込まれて火事になり、焼き殺された人は少なくない。建物へ向かって銃撃があり、内部でも殺戮が繰り広げられた。48名が殺され、約200名が負傷したと伝えられているが、これは確認された数字で、住民の証言によると、多くの人びとが地下室で惨殺され、犠牲者の数は120名から130名だろいう。虐殺の詳しい調査は現時点でも実施されていない。

虐殺の前、アメリカ政府の高官がキエフを訪れていた。まず4月12日にジョン・ブレナンCIA長官がキエフを極秘訪問、4月22日にはジョー・バイデン米副大統領もキエフを訪問し、それにタイミングを合わせるようにしてオデッサでの工作が話し合われている。

この会議に出席したのは大統領代行、内相代行、SBU(治安機関)長官代行、ネオ・ナチの中心的な存在だったアンドレイ・パルビー国家安全保障国防会議議長代行、そしてオブザーバーとしてドニエプロペトロフスクの知事になるイゴール・コロモイスキーだ。

コロモイスキーはウクライナのほか、イスラエルとキプロスの国籍を持ち、スイスをビジネスの基盤にしている。会議の10日後にオデッサで虐殺があったのだが、その数日前、パルビーは数十着の防弾チョッキをオデッサのネオ・ナチの下へ運んでいる。

ところで、ウクライナをクーデターは2013年11月、キエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)で始まった。当初はカーニバル的な抗議活動で、混乱をEUは話し合いで解決しようとする。

そうした方針に怒ったのがアメリカのジェオフリー・パイアット大使やビクトリア・ヌランド国務次官補。このふたりが電話で話し合う音声が2014年2月4日にインターネット上にアップロードされている。

パイアットとヌランドは電話で次期政権の人事について話し合っていたのだが、その中でヌランドが強く推していた人物がアルセニー・ヤツェニュク。実際、クーデター後、首相に就任している。その会話の中でヌランド国務次官補はEUが話し合いで解決しようとしていることに怒り、EUに対して「くそくらえ(F*ck the EU)」と口にした。

その音声が公開された頃からキエフでは暴力が激しくなるが、その中心はネオ・ナチ。2月18日頃から棍棒、ナイフ、チェーンなどを手にしながら、石や火炎瓶を投げ、ピストルやライフルで銃撃を始めた。ネオ・ナチは広場へ2500丁以上の銃を持ち込んでいたとも言われている。

その当時、広場をコントロールしていたのはネオ・ナチの幹部として知られているアンドレイ・パルビー。この人物はソ連が消滅した1991年にオレフ・チャフニボクと「ウクライナ社会ナショナル党(後のスボボダ)」というネオ・ナチ系の政党を創設、クーデター後には国家安全保障国防会議(国防省や軍を統括する)の議長に就任、2014年8月までその職にあった。

ヤヌコビッチを暴力的に排除する切っ掛けになったのは広場における狙撃。治安部隊の隊員も抗議活動の参加者もターゲットになり、少なからぬ犠牲者が出た。

西側の政府やメディアはヤヌコビッチ政権側が狙撃していると宣伝したが、2月25日にキエフ入りしたエストニアのウルマス・パエト外相は事実が逆だと報告している。反大統領派で医師団のリーダー格だったオルガ・ボルゴメツなどから聞き取り調査をした結果だという。その結果を26日にEUの外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)だったキャサリン・アシュトンへ電話で、狙撃手は反ヤヌコビッチ派の中にいると報告した。

「全ての証拠が示していることは、スナイパーに殺された人びと、つまり警官や街に出ていた人たち双方、そうした人びとを同じスナイパーが殺している。同じ筆跡、同じ銃弾。実際に何が起こったかを新連合(暫定政権)が調査したがらないほど、本当に当惑させるものだ。スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチでなく、新連合の誰かだというきわめて強い理解がある。」としている。

パエトはクーデター派が狙撃したとアシュトンへ知らせているのだが、この報告は無視された。先月、この報告を裏付けるドキュメントがイタリアで放送されている。(その1、その2)その中で自分たちが狙撃したする3人のジョージア人が登場、警官隊と抗議活動参加者、双方を手当たり次第に撃つよう命じられたとしている。

この3人は狙撃者の一部で、治安部隊のメンバーとしてジョージアから送り込まれたいう。また、彼らによると、キエフのクーデターはジョージアで実行された「バラ革命」と同じシナリオだった。狙撃の指揮者はアンドレイ・パルビーだとも語っているが、この人物が指揮していたことはクーデター直後から指摘されていた。ジョージアの狙撃者はウクライナ行きを命じたのはサーカシビリだとしているが、この人物は2013年11月17日に大統領を辞めているので、その前の決定だということになるだろう。

2016年11月にサーカシビリはオデッサ州知事を辞任、今年7月にウクライナ国籍を剥奪された。一旦出国したが、今年9月10日にバスを使ってポーランドからウクライナへ入った。12月5日に逮捕されたが、この時はサーカシビリ支持者が奪還に成功、8日に再び逮捕された。保釈されたのは11日のことだ。

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最終更新日 2017.12.17 19:27:33


2017.12.16

サウジから連れ出されたレバノン首相は新たなシリア侵略を仕掛ける役割を負わされている可能性


カテゴリ:カテゴリ未分類

サウジアラビアで大規模な粛清が始まった今年(2017年)11月4日、レバノンのサード・ハリリ首相が辞任を表明する録画映像をサウジアラビアのテレビが流したが、その表明は後に取り消された。粛清が始まった頃、ハリリとビジネスで緊密な関係にあったアブドゥル・アジズ・ビン・ファハド王子の死亡説も流れたが、サウジアラビア情報省はすぐに否定している。

軟禁状態だとされたハリリをサウジアラビアから連れ出したのはフランスの​エマニュエル・マクロン大統領​。招待という形でハリリはフランスを訪問した。家族同伴と伝えられているが、ふたりの子どもはサウジアラビアに残っている。人質だと言う人もいる。

マクロンは2006年から09年まで社会党に所属、その間、08年にロスチャイルド系投資銀行へ入り、200万ユーロという報酬を得ていたといわれている人物。つまり、ロスチャイルドの使用人。粛清を主導したと見られているモハメド・ビン・サルマン皇太子とも親しいと言われている。

今年9月にビン・サルマン皇太子はイスラエルを秘密裏に訪問していることから、今回の粛清はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ政権と連携してのことだった可能性がある。また、粛清の直前、ドナルド・トランプの義理の息子にあたるユダヤ系のジャレッド・クシュナーがサウジアラビアを秘密裏に訪れていることも注目されている。

ところで、サード・ハリリの父親、ラフィク・ハリリは2005年2月に殺されている。この殺害事件を扱うために「レバノン特別法廷(STL)」が設置され、ヒズボラに所属するという4名が起訴されている。

この事件では早い段階から「シリア黒幕説」が流された。2005年10月に国連国際独立委員会のデトレフ・メーリス調査官は「シリアやレバノンの情報機関が殺害計画を知らなかったとは想像できない」と主張、「シリア犯行説」に基づく報告書を安保理に提出しているのだが、証拠は示されていない。メーリスはアメリカやイスラエルの「情報機関が殺害計画を知らなかったとは想像できない」とは考えなかったようだ。

メーリスの報告書では犯人像が明確にされていないうえ、暗殺に使われた三菱自動車製の白いバンは2004年に相模原で盗まれたのだが、そこからベイルートまで運ばれた経緯が調べられていないなど「欠陥」が当初から指摘されていた。

また、アーマド・アブアダスなる人物が「自爆攻撃を実行する」と宣言する様子を撮影したビデオがアルジャジーラで放送されたが、このビデオをメーリスは無視。また、ズヒル・イブン・モハメド・サイド・サディクなる人物は、アブアダスが途中で自爆攻撃を拒否したため、シリア当局に殺されたとしているのだが、​ドイツのシュピーゲル誌​は、サイド・サディクが有罪判決を受けた詐欺師だと指摘する。

しかも、この人物を連れてきたのがシリアのバシャール・アル・アサド政権に反対しているリファート・アル・アサド。サディクの兄弟によると、メーリスの報告書が出る前年の夏、サイドは電話で自分が「大金持ちになる」と話していたようだ。

もうひとりの重要証人、フッサム・タヘル・フッサムはシリア関与に関する証言を取り消している。レバノン当局の人間に誘拐され、拷問を受けたというのだ。その上で、シリア関与の証言をすれば130万ドルを提供すると持ちかけられたと話している。

メーリスの報告書が出された後、シリアやレバノンの軍幹部が容疑者扱いされるようになり、レバノン軍将官ら4人の身柄が拘束されたのだが、シュピーゲルの報道後、報告書の信頼度は大きく低下、シリアやレバノンを不安定化させたい勢力の意向に沿って作成されたと疑う人が増えた。2005年12月になるとメーリスは辞任せざるをえない状況に追い込まれ、翌月に辞めている。後に特別法廷は証拠不十分だとして4人の釈放を命じ、その代わりにヒズボラのメンバーが起訴されたわけである。

STLは2007年、国連の1757号決議に基づいて設置されたのだが、国連の下部機関というわけではなく、サウジアラビア、アメリカ、フランス、イギリス、レバノンが年間85億円程度だという運営資金を出していた。

この法廷が設置される前年、2006年7月から8月にかけてイスラエルはレバノンに軍事侵攻、ヒズボラと戦っている。その際、イスラエル海軍のコルベット艦がヒズボラの対艦ミサイルで損傷を受けたるなど予想外に苦戦した。イスラエルが単独で攻め込むことは難しい状況になったのだ。

一方でハリリ・グループは「未来運動」なる活動を開始、武装部隊(テロ部隊)を編成した。その部隊を財政的に支援してきたのがデイビッド・ウェルチ米国務省次官補を黒幕とする「ウェルチ・クラブ」なるプロジェクトだと言われている。

​WikiLeaksが公表した外交文書​によると、ロンドンを拠点とする反アサド派を2000年代の半ばからアメリカ政府は資金面などで支援、亡命シリア人のネットワークの「正義発展運動」も生み出した。

2007年3月5日付けのニューヨーカー誌に掲載された調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュのレポートによると、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟が​シリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラをターゲットにした秘密工作​を開始している。

また、1991年に国防次官だったポール・ウォルフォウィッツがイラク、シリア、イランを殲滅すると語ったことは、2007年にウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官が明らかにしている。(​3月​、​10月​)

2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンにある国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されてから数週間後、ジョージ・W・ブッシュ政権はイラク、イラン、シリア、リビア、レバノン、ソマリア、スーダンを攻撃する計画をたてていたともクラークは語っている。

シリアの体制転覆は遅くとも1991年の段階でネオコンのスケジュールに入っていた。そうした状況の中、ラフィク・ハリリは暗殺された。アメリカはその責任をシリア政府になすりつけてアサド体制を倒そうとしたが、まだ倒されていない。

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最終更新日 2017.12.16 00:00:08


2017.12.15

トランプが米議会の決議に沿ってエルサレムをイスラエルの首都だとし、イスラム団結の切っ掛けに


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ドナルド・トランプ大統領は12月6日の演説でエルサレムをイスラエルの首都だと認めた。それ以来、イスラム世界ではアメリカに対する批判が高まり、シスラム教徒が団結する雰囲気も出てきた。

しかし、この演説でパレスチナ人の状況が悪化したわけではない。これまでイスラエルはガザを繰り返し軍事侵攻、ヨルダン川西岸は入植で浸食されて収容所化が進んできた。そうしたパレスチナを世界の人々が思い出しただけのことだ。

本ブログでもすでに書いたことだが、アメリカには「1995年エルサレム大使館法」という法律がある。エルサレムをイスラエルの首都だと承認すべきで、1999年5月31日までにエルサレムにアメリカ大使館を設置すべきだという内容だ。

今年(2017年)6月5日に上院はその法律を再確認する決議を賛成90、棄権10で採択している。その流れの中でドナルド・トランプ大統領はエルサレムをイスラエルの首都だと認める演説をしたのである。トランプは議会を尊重したとも言えるのだ。アメリカがパレスチナ問題の仲介者になることは不可能だということでもある。

今回の演説までパレスチナは世界から見捨てられていたのだ。ヤセル・アラファトの死後、PLOはスポンサーのサウジアラビアの言いなりになるが、そのサウジアラビアはイスラエルと緊密な関係を築いている。そのPLOのライバルと見なされているハマス(イスラム抵抗運動)を育て上げたのもイスラエルだ。

アラファトが率いるPLOの影響力を低下させるため、イスラエルはムスリム同胞団の一員としてパレスチナで活動していたアーマド・ヤシンに目をつける。彼はガザにおける同胞団の責任者に選ばれ、シン・ベト(イスラエルの治安機関)の監視下、イスラム・センターを創設する。1976年にはイスラム協会を設立、このイスラム協会の軍事部門として1987年に登場してくるのがハマスだ。

アラファトはノルウェーのオスロでイスラエルのイツハク・ラビン政権と秘密裏に交渉、1993年9月に両者はアメリカのワシントンDCで「暫定自治原則宣言」(オスロ合意)に署名している。その後、クリントンはスキャンダル攻勢でホワイトハウスにおける影響力が低下、1995年11月にはラビンが暗殺される。

この暗殺から5年後、イスラエルの軍事強硬派、リクードのアリエル・シャロン党首が数百名の警察官を従えてエルサレムの神殿の丘を訪問、和平の雰囲気は吹き飛んでしまい、2004年にアラファトが死亡た。

その間、2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンにある国防総省の本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されている。ジョージ・W・ブッシュ政権は詳しい調査をする前に「アル・カイダ」が実行したと断定、アメリカをはじめ西側世界では反イスラム感情が広がっていった。

トランプは中東におけるアメリカの存在をアピールすることも狙ったと見る人もいる。バラク・オバマ政権はシリアのバシャール・アル・アサド大統領を排除すると宣言、イスラエルやサウジアラビアなどと手を組み、サラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とする傭兵を送り込んだ。

アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟が使った傭兵にはアル・ヌスラ(アル・カイダ系)やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)といったいくつかのタグが付けられていたが、所詮はタグに過ぎない。

ところが、この侵略戦争はロシアに阻止される。クルドへの切り替えも思惑通りには進まなかった。戦争が長引くにつれて侵略勢力は結束が緩み、すでにトルコやカタールは離脱してロシア、イラン、シリアのグループに接近している。2003年にアメリカ主導軍から先制攻撃を受けてサダム・フセイン体制を倒されたイラクもこのグループと手を組んでいる。アメリカの中東における影響力は急速に低下し、ロシアの存在感が強まった。トランプは世界の目をアメリカへ向けさせようとしたと考える人もいる。

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最終更新日 2017.12.15 10:13:44


2017.12.14

日米韓の好戦派が軍事的な緊張を高めようとし、ロシアと米国の国務長官は外交的な解決を目指す


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アメリカ、日本、韓国の3カ国が朝鮮半島周辺で合同軍事演習を始めた12月11日、ロシア軍のワレリー・ゲラシモフ参謀総長は米日韓の軍事演習を軍事的な緊張を高めるものだと批判した。その翌日、12日にアメリカのレックス・ティラーソン国防長官は朝鮮と前提条件なしに対話する用意があると発言、その翌日にはロシアの軍事使節が朝鮮を訪れている。朝鮮が「火星15」と名づけられたICBMの発射実験を実施した11月29日にはロシアの議員団が朝鮮を訪問、また11月20日から6日間にわたって日本経済団体連合会、日本商工会議所、日中経済協会で構成される経済代表団約250名が中国を訪れていた。軍事的な緊張を高めようとする勢力と緩和させようとする勢力の対立が鮮明になっている。

東アジアでの経済発展を目指し、鉄道網やパイプラインの建設を計画している中国やロシアは軍事的な緊張を緩和させようとしているが、それを妨害しているのがアメリカ、日本、韓国の好戦派、そして朝鮮。本ブログでは何度か指摘しているが、朝鮮はアメリカや日本の好戦派にとって都合の良いタイミングで爆破やミサイル発射の実験を実施してきた。

アメリカの好戦派は朝鮮を利用して東アジアの軍事的な緊張を高めてきたが、そのターゲットは朝鮮でなく中国だろう。歴史的にアメリカ支配層は中国の制圧と略奪を目論んできたのだ。アングロ・サクソンというとらえ方をすれば、その歴史は19世紀までさかのぼることができる。

フランクリン・ルーズベルト大統領が急死してホワイトハウスがウォール街に奪還された後、アメリカは国民党を支援したが、その国民党と戦っていた解放軍が1949年1月に北京へ無血入城、5月には上海を支配下におき、10月には中華人民共和国が成立した。上海を拠点にしていたアメリカの極秘破壊工作機関OPCは日本へ移動、厚木基地を中心に活動することになる。

朝鮮戦争勃発の4カ月後、1950年10月にOPCはCIAへ吸収されて秘密工作部門の中核になり、中国南部へ侵攻する計画を立た。そこでラオスにいた国民党軍を再編成し、1951年4月にCIAの軍事顧問団は2000名の国民党軍を率いて中国へ軍事侵攻、片馬を占領した。そこで反撃にあい、追い出されている。1952年8月にも国民党軍は中国へ侵攻して約100キロメートルほど進んだが、やはり中国側の反撃で撃退されてしまった。

1953年にドワイト・アイゼンハワーが大統領に就任、国務長官はジョン・フォスター・ダレスになった。その年の7月に朝鮮戦争が休戦になるが、翌年の1月にダレス国務長官は国家安全保障会議でベトナムにおけるゲリラ戦の準備を提案している。それを受け、CIAはSMM(サイゴン軍事派遣団)を編成した。この段階でベトナムへの軍事介入が見通されている。ベトナムから軍隊を撤退させる決断をしていたジョン・F・ケネディ大統領が1963年11月に暗殺され、副大統領から昇格したリンドン・ジョンソンは本格的な軍事介入を始めた。

アメリカ人の中には「神の軍隊」であるアメリカ軍がベトナム戦争で苦戦していることに不満を抱く人が少なくなかったが、そうした時期に勃発したのが1967年6月の第3次中東戦争。この戦いで圧勝したイスラエルを新たな「神の軍隊」として崇める人もいたようである。

その後、デタント(緊張緩和)を目指したリチャード・ニクソンはウォーターゲート事件で1974年8月に失脚、副大統領からジェラルド・フォードが昇格して誕生した新政権ではポール・ニッツェやアルバート・ウールステッターがデタント派の粛清をしている。

ちなみに、ニッツェはナチスとの関係が疑われた元銀行家で、元トロツキストのウールステッターは核の専門家として国防総省系のシンクタンクRANDで働いていたことがある。シカゴ大学で教えた学生の中には後にネオコンの中心的グループに入るポール・ウォルフォウィッツも含まれていた。

粛清の中で最も重要な意味を持っていたと考えられているのは国防長官とCIA長官の交代。1975年11月に国防長官はジェームズ・シュレシンジャーからドナルド・ラムズフェルドへ、また76年1月にCIA長官はウィリアム・コルビーからジョージ・H・W・ブッシュへ交代している。

また、ネオコンの台頭も目立つ。例えば、ラムズフェルドはNATO大使から1974年9月に大統領主席補佐官へ、そして国防長官になったが、空いた首席補佐官のポストに収まったのがリチャード・チェイニーだ。

当時、CIA長官になったブッシュは「情報の素人」だとされたが、実際はエール大学でCIAにリクルートされた可能性が高く、ジョン・F・ケネディ大統領が暗殺された当時、ブッシュがCIAの幹部だったことはFBIの文書で確認されている。

ブッシュが長官になったCIAではソ連脅威論を宣伝するチームBが始動する。CIAの分析部門は事実を重視するため、チームBで好戦派に継ごうが良い偽情報を流すことになった。社会不安を高め、軍事力増強や治安体制の強化へつなげようとしたのである。

そのチームBを率いたハーバード大学のリチャード・パイプス教授はヘンリー・ジャクソンの事務所で顧問を務めていた人物。その事務所は後にネオコンと呼ばれる人々が育成のために送り込まれていた。また、Bチームのメンバーにはポール・ニッツェやポール・ウォルフォウィッツも含まれていた。

1991年12月にソ連が消滅した直後、92年2月に世界制覇プラン、いわゆるウォルフォウィッツ/ドクトリンを作成した中心人物がウォルフォウィッツ。そのプランに基づいて1995年2月にジョセフ・ナイ国防次官補が「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」を作成、公表している。それ以降、日本はアメリカの戦争マシーンに組み込まれていく。

そうした流れに逆らう鳩山由紀夫が2009年9月に内閣総理大臣となると、マスコミや検察から激しい攻撃を受けて潰されてしまい、10年6月に首相は鳩山から菅直人へ交代した。その年の9月に海上保安庁は「日中漁業協定」を無視して尖閣諸島の付近で操業中だった中国の漁船を取り締まり、田中角栄と周恩来が「棚上げ」で合意していた尖閣諸島の領有権問題に火がつけられた。

その結果、軍事的な緊張が高まり、経済面にも悪い影響が出ているのだが、それにも限界がある。今年、日本が大規模な経済代表団を中国へ派遣した理由のひとつはその辺にあるのだろう。アメリカの好戦派に従属して日本を破壊するのか、そうした事態を回避するために方針を転換するのか、日本の支配層は選択を迫られている。

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最終更新日 2017.12.14 11:49:07


2017.12.13

中国とロシアが軍事的にも強く結びつく中、米国が日本と韓国を従えて軍事演習を実施した背景


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アメリカ、日本、韓国は12月11日から合同軍事演習を実施した。アメリカから参加した2隻のイージス駆逐艦、「ステセム」と「ディケーター」を中心に、日本のイージス駆逐艦「ちょうかい」、韓国のイージス駆逐艦が参加している。東シナ海ではアメリカのB-B爆撃機やF-35戦闘機、F-18戦闘機、また日本から4機のF-15戦闘機が飛行したという。

この演習は朝鮮を想定しているとされているが、実際の相手は中国とロシアのはずである。アメリカと緊密な関係にあるイギリスでは1945年5月にドイツが降伏した直後にソ連を奇襲攻撃する計画を立て、アメリカは1949年に中華人民共和国が建国されてから中国への軍事侵攻を目論んできた。今もその延長線上にある。

イギリスの奇襲計画はウィンストン・チャーチル英首相がJPS(合同作戦本部)に命じて作成させたもので、「アンシンカブル作戦」と名づけられた。それによると、1945年7月1日に米英軍数十師団とドイツの10師団が「第3次世界大戦」を始める想定になっていたが、参謀本部に拒否されて実行されていない。日本が降伏する前にソ連を攻撃した場合、日本とソ連が手を組む可能性があると懸念する人もいたようだ。

この計画が流れた後、7月26日にチャーチルは退陣するのだが、日本が降伏して第2次世界大戦が終わった翌年、1946年の3月に彼はアメリカのミズーリ州で「バルト海のステッティンからアドリア海のトリエステに至まで鉄のカーテンが大陸を横切って降ろされている」と演説して「冷戦」の開幕を宣言している。

それだけでなく、1947年にチャーチルはスタイルス・ブリッジス米上院議員と会い、ソ連を核攻撃するようハリー・トルーマン大統領を説得して欲しいと頼んでいたと報道されている。チャーチルは執拗にソ連の破壊を目論んでいた。ドイツ軍の主力がソ連に攻め込んでいたとき、西側が手薄になっていたにもかかわらずチャーチルはドイツを攻撃させていない。

フランクリン・ルーズベルトが1945年4月に急死した後、副大統領から昇格したハリー・トルーマン大統領は1947年3月、世界的な規模でコミュニストを封じ込める政策、いわゆるトルーマン・ドクトリンを打ち出した。

ジョージ・ケナンがXという署名でソ連封じ込め政策に関する論文を発表したことも有名な話だが、これらは1904年にハルフォード・マッキンダーというイギリスの学者が発表した理論と合致する。イギリスは一貫してロシア制圧を目論んできた。

マッキンダーは世界を3つに分けて考えている。第1がヨーロッパ、アジア、アフリカの世界島、第2がイギリスや日本のような沖合諸島、そして第3が南北アメリカやオーストラリアのような遠方諸島だ。世界島の中心がハートランドで、具体的にはロシアを指し、そのロシアを支配するものが世界を支配するとしていた。そのロシアを締め上げるため、西ヨーロッパ、パレスチナ、サウジアラビア、インド、東南アジア諸国、朝鮮半島をつなぐ内部三日月帯を、その外側に外部三日月地帯をマッキンダーは想定している。日本は内部三日月帯の東端にあり、侵略の重要拠点であるのみならず、傭兵の調達地と認識されていた。

第2次世界大戦後、アメリカでは外交官や軍人の好戦的な勢力がソ連の打倒を目指す。例えば、トルーマン・ドクトリンが発表された2年後、アメリカの統合参謀本部はソ連の70都市へ133発の原爆を落とすという内容の研究報告を作成、1954年にアメリカのSAC(戦略空軍総司令部)はソ連を攻撃するための作戦を作り上げた。SACの作戦は600から750発の核爆弾をソ連に投下、約6000万人を殺すという内容で、この年の終わりにはヨーロッパへ核兵器を配備している。300発の核爆弾をソ連の100都市で使うという「ドロップショット作戦」が作成されたのは1957年初頭だ。

こうした動きの中、沖縄では1953年に布令109号「土地収用令」が公布/施行され、アメリカ軍は暴力的な土地接収を進める。1955年には本島面積の約13%が軍用地になったという。沖縄の軍事基地化はアメリカの世界戦略と結びついていると言えるだろう。

こうした軍事基地化が推進されていた当時、1955年から57年にかけて琉球民政長官を務めていたのがライマン・レムニッツァー。第2次世界大戦でイギリス軍のハロルド・アレグザンダー元帥に取り入り、アレン・ダレスを紹介されている。ダレスとレムニッツァーは大戦の終盤、ナチスの高官を保護する「サンライズ作戦」をルーズベルト大統領に無断で実施している。

レムニッツァーは琉球民政長官の後、ドワイト・アイゼンハワー政権時代の1960年から統合参謀本部議長に就任するが、次のケネディ大統領とは衝突、議長の再任が拒否されている。衝突の主な原因はソ連に対する先制核攻撃をめぐるものだった。

本ブログでは何度も書いてきたが、テキサス大学のジェームズ・ガルブレイス教授によると、レムニッツァーやカーティス・ルメイを含む好戦派は1963年の終わりにソ連を奇襲攻撃する予定だったという。その頃になればアメリカはICBMを配備でき、しかもソ連は配備が間に合わないと見ていたのだ。そのために偽旗作戦のノースウッズも作成されたのだが、1963年6月にケネディ大統領はアメリカン大学の学位授与式(卒業式)でソ連との平和共存を訴える。そして11月22日にテキサス州ダラスで暗殺された。その翌年、日本政府はルメイに対し、勲一等旭日大綬章を授与している。

これも繰り返し書いてきたが、「核の傘」とはアメリカの先制核攻撃の拠点になることを意味する。1991年12月にソ連が消滅した直後、ネオコンをはじめとする好戦派が作成した国防総省のDPG草稿、いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンはソ連がアメリカの属国になったという前提で立てられた世界制覇プラン。21世紀に入るとロシアがウラジミル・プーチンの元で再独立に成功、国力を回復させたのだが、それでもアメリカ支配層の内部にはボリス・エリツィン時代のイメージが残っていたようで、例えば、キール・リーバーとダリル・プレスはフォーリン・アフェアーズ誌の2006年3/4月号に掲載された論文の中でロシアと中国の長距離核兵器をアメリカの先制第1撃で破壊できるようになると主張している。

その論文が出た2年後の2008年にアメリカ支配層の幻想を打ち破る出来事があった。その年の7月10日にアメリカのコンドリーサ・ライス国務長官はジョージア(グルジア)を訪問、8月7日にミヘイル・サーカシビリ大統領は分離独立派に対して対話を訴えてから8時間後の深夜に南オセチアを奇襲攻撃したのだ。

ジョージアは2001年以降、イスラエルの軍事会社から無人飛行機、暗視装置、対航空機装置、砲弾、ロケット、電子システムなどを含む武器/兵器の提供を受け、軍事訓練も受けていた。2008年1月から4月にかけてはアメリカの傭兵会社MPRIとアメリカン・システムズが元特殊部隊員を派遣している。つまり、アメリカやイスラエルは周到に準備した上でジョージアに南オセチアを奇襲攻撃させたのだ。圧勝する予定だったのだろうが、ロシア軍に粉砕されてしまった。この時点でアメリカ軍やイスラエル軍はロシア軍に通常戦で勝てないことが明らかになったと言える。その後、力の差が開いたことはシリアでの戦闘が示唆している。

それでもアメリカ支配層の一部はロシアと中国を制圧しようとしている。アメリカ経済は半世紀近く前に破綻、その後は資金のコロガシ、投機市場の肥大化で誤魔化してきたのだが、その仕組みが揺らいでいることが大きい。ドルが基軸通貨の地位から陥落しそうだなのだ。投機市場が縮小しはじめたなら大変な勢いで西側支配層の富は消えていく。ロシアと中国が健在である限り、そうした展開になってしまうだろう。来年、アングロ・シオニストの支配者たちはギャンブルに出る可能性がある。

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最終更新日 2017.12.13 18:40:51


2017.12.12

シリア侵略を継続するために米軍はシリア占領を続けようとしているが、露大統領は軍に帰還命令


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ロシアのウラジミル・プーチン大統領が12月11日に突如シリアのラタキアにあるフメイミム空軍基地を訪問、シリアのバシャール・アル・アサド大統領と会談した。その際、シリアに派遣されたロシア軍の主力を帰還させるよう国防相と参謀総長に命じたことを明らかにしている。ただ、フメイミム空軍基地とロシア海軍が使っているタルトゥース基地はこれまで通りだという。

軍に帰還を命じたのはダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の殲滅に成功したからだとしているが、アル・カイダ系武装勢力と同じように、この戦闘部隊をアメリカ、イスラエル、サウジアラビアを中心とする侵略同盟は手先として使ってきた。

その同盟からトルコやカタールは離脱したが、中核の3カ国はシリア侵略を諦めていない。アメリカ軍はそうした武装集団の逃亡を助けてきた。幹部をヘリコプターで救出したと伝えられている。「新ダーイッシュ」を編成する準備はできているだろう。

アメリカ主導軍がイラクを先制攻撃した2年後、イギリスのロビン・クック元外相はガーディアン紙に寄稿した文章の中で、​アル・カイダはCIAから軍事訓練を受けた「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイル​、つまり傭兵の登録リストだと指摘した。1970年代の終盤にズビグネフ・ブレジンスキーが計画した秘密工作で戦闘集団が編成されて以来、そうした仕組みは維持されている。ちなみにアル・カイダはアラビア語でベースを意味し、データベースの訳語としても使われている。

アメリカ軍はロシア軍より1年前、2014年9月23日からシリア政府の承認を得ないまま軍事介入、トルコ政府によると、シリア北部に13基地をすでに建設済み。駐留している将兵は7000名に達するとする情報もある。

この軍事介入の口実としてアメリカ軍もダーイッシュ殲滅を掲げていた。ダーイッシュは2014年1月にイラクのファルージャでイスラム首長国の「建国」を宣言、6月にファルージャを制圧した。その際、トヨタ製の真新しい小型トラックのハイラックスを連ねたパレードを行い、その様子を撮影した写真が配信されたことも有名になった。8月にはジェームズ・フォーリーの首をダーイッシュが切ったとする映像が公開されている。

しかし、本当にダーイッシュをアメリカ政府が危険だと考えていたなら、ファルージャ制圧を黙認したはずはない。ハイラックスの車列は格好のターゲットだったはずだ。こうした行動をアメリカの軍や情報機関はスパイ衛星、偵察機、通信傍受、人から情報を把握していたはずだからだ。

アメリカは2014年9月、ダーイッシュの出現を口実にして連合軍を組織、アサド体制の打倒を目指す。連合軍に参加したのはサウジアラビア、カタール、バーレーン、アラブ首長国連合のペルシャ湾岸産油国、ヨルダン、トルコ、さらにイギリス、オーストラリア、オランダ、デンマーク、ベルギー、フランス、ドイツなどだ。

この連合軍は​2014年9月23日に攻撃を始める​が、その様子を取材したCNNのアーワ・デイモンは翌朝、最初の攻撃で破壊されたビルはその15から20日前から蛻の殻だったと伝えている。その後、アル・ヌスラ(アル・カイダ系)やダーイッシュはシリアで勢力を拡大していくが、その理由は連合軍が本気で攻撃していなかったからにほかならない。その後、アル・カイダ系武装集団やダーイッシュは支配地を拡大、アメリカ主導軍はインフラを破壊、住民の犠牲が増えていく。

このようにダーイッシュが売り出される2年前、​2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIAは反シリア政府軍について、その主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団だと指摘​、バラク・オバマ政権が宣伝していた「穏健派」は存在しないとする報告書をホワイトハウスへ提出している。しかも、その中で東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告されていた。つまり、ダーイッシュの出現を見通していたのだ。当然、バラク・オバマ大統領もわかっていただろう。

そうした経緯があったこともあり、2014年にダーイッシュが登場するとオバマ政権の内部で激しい対立が起こり、その年の8月にマイケル・フリンDIA局長は解任されている。ファルージャやモスルをダーイッシュに支配させることはオバマ政権の主流派が望んでいたことだと言えるだろう。その翌月、マーティン・デンプシー統合参謀本部議長(当時)はアラブの主要同盟国がダーイッシュに資金を提供していると議会で証言している。

退役から1年後の2015年8月にフリン元DIA局長はアル・ジャジーラの番組へ出演、ダーイッシュの出現が見通されていたにもかかわらず阻止できなかった理由を問われ、自分たちの任務は提出される情報の正確さをできるだけ高めることにあると答えている。その情報に基づいて政策を決定するのは大統領の仕事だということであり、​ダーイッシュの勢力が拡大したのはオバマ政権が決めた政策による​というわけだ。

ロシア軍主力の撤退はシリアへ居座ろうとしているアメリカ軍への圧力という側面もあるだろうが、一旦占領した場所からアメリカ軍は引き揚げようとしない。実際、シリアでもそうした発言をしている。11月にはロシア軍を挑発して軍事的な緊張を高めようとしていたが、緊張が高まる前にロシア政府は主力の帰還を命じてしまった。

このままアメリカ軍が居座ろうとすれば自分たちが単なる侵略軍に過ぎないことを明らかにすることになる。それでも日本などはアメリカを侵略者だとは認めようとしないかもしれないが、世界の目は違う。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201712110000/



76. 中川隆[-5744] koaQ7Jey 2018年1月06日 18:56:34: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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FBIと連邦検察、クリントン財団を捜査 汚職疑惑で
1/6(土) 10:49配信 CNN.co.jp
FBIがクリントン財団に関連する汚職容疑で捜査を進めていることがわかった


(CNN) クリントン元米大統領や夫人のヒラリー元国務長官が運営する慈善団体「クリントン財団」をめぐり、連邦捜査局(FBI)や連邦検察が汚職疑惑の捜査を加速させていることが6日までに分かった。この問題について報告を受けた米当局者が明らかにした。

ヒラリー氏の国務長官在任中に献金への見返りとして、不適切な形での便宜供与や同氏への特別なアクセスが約束されていなかったか調べを進めている。また、非課税ファンドの不適切な利用がなかったかも捜査している。

同当局者によれば、捜査はアーカンソー州にあるFBI支局が主導、同州の連邦検察事務所が監督している。

FBIによる初期捜査は2016年の大統領前に行われていたが、当時は証拠不十分と判断していた。ただ、司法省はFBIに捜査の継続を認め、新たな証拠が見つかればしてさらに追及を強める方針だった。

今回の捜査のきっかけとなった新証拠の有無やその内容は不明。

司法省は進行中の捜査の有無について確認も否定もしないとの方針を理由に、CNNのコメント要請に応じなかった。アーカンソー州の連邦検察事務所もコメントしなかった。

クリントン財団の代理人は一連の疑惑の内容に関し、証拠が示されていないと主張。「クリントン財団はこれまで何度も政治的な思惑に基づく疑惑にさらされてきたが、そのたびにこうした疑惑が誤りであることが証明されている」などと述べた。

司法省が沈黙を続ける一方、トランプ大統領は引き続きヒラリー氏の捜査を要求している。共和党内では一部の議員がトランプ氏を後押しする一方、トランプ氏が司法省の捜査の独立に関する慣例を守っていないと懸念する声も上がってきた。

当時アラバマ上院議員だったセッションズ司法長官は選挙期間中、ヒラリー氏が国務長官としての高い地位を利用して外国政府から財団への献金などを「ゆすり取っていた」と主張。ヒラリー氏の広報担当者は汚職疑惑を否定していた。





77. 中川隆[-5746] koaQ7Jey 2018年1月06日 19:00:05: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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新聞や放送といった既存の巨大メディアがプロパガンダ機関化していると指摘され始めてから久しい。本ブログではしつこく書いているが、アメリカでは第2次世界大戦が終わった直後から情報を統制する目的のプロジェクト、モッキンバード(今回はこれについての説明を割愛する)が実行された。
西側の「公式情報」を流す役割を負っているのは西側の有力メディア。アメリカでは遠距離通信法が1996年に制定され、巨大資本によるメディア支配が進んだ。

この当時に大統領を務めていたビル・クリントンはイギリスへの留学経験がある。ジョン・F・ケネディ大統領の顧問だったリチャード・グッドウィンによると、

クリントンはイギリスへ留学してした頃にCIAから雇われ、留学生仲間を監視していた経歴の持ち主である。
(Robin Ramsay, “Politics & Paranoia”, Picnic, 2008)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801050000/



78. 中川隆[-5684] koaQ7Jey 2018年1月10日 12:44:04: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

▲△▽▼

2018.01.10
アメリカ支配層の内紛(その1)

アメリカの好戦派が1992年2月、ソ連が消滅した直後に打ち出した世界制覇プランは同国を含む西側の支配層を束ね、ロシアや中国にも大きな影響力を及ぼしていた。そのプランに基づいてユーゴスラビアなど旧ソ連圏を解体して支配、イラク、シリア、リビアなどの国々を侵略し、破壊と殺戮を繰り広げたわけだが、シリアでバシャール・アル・アサド政権を倒して傀儡体制を築くという目論見に失敗、戦争が長引くにつれて離反する国が増えたうえ、アメリカの支配層内で対立が深刻化したと言えるだろう。

2016年のアメリカ大統領選挙でヒラリー・クリントンを勝たせることが内定したとする噂が流れたのは2015年6月のことだった。この月の11日から14日かけてオーストリアで開かれた​ビルダーバーグ・グループの会合​にジム・メッシナというヒラリー・クリントンの旧友が出席していたからだ。

ビルダーバーグ・グループはオランダの王子だったベルンハルトとポーランド人のユセフ・レッティンゲルによって創設された団体。レッティンゲルの案にベルンハルトが共鳴したようだ。レッティンゲルはウラジスラフ・シコルスキー将軍の側近だった人物で、第2次世界大戦の前からヨーロッパをイエズス会の指導の下で統一しようと活動していた。

1939年9月にドイツ軍がポーランドへ軍事侵攻した当時、ポーランド軍将兵の多くはシコルスキー将軍に忠誠を誓っていた。そのシコルスキーはイギリスの援助を受け、ロンドンで亡命政府を作っている。(Christopher Simpson, “The Splendid Blond Beast”, Common Courage Press, 1995)

レッティンゲルとベルンハルトが結びついたのは1952年のこと。ふたりの活動はドワイト・アイゼンハワーがアメリカ大統領になってから軌道に乗る。1950年から53年にかけてCIA長官を務めたウォルター・ベデル・スミスはベルンハルトの友人だった。

スミスを介してふたりは心理戦の専門家であり、フォーチュン誌やLIFE誌の発行人でジョン・F・ケネディ大統領暗殺を撮影したフィルムを隠したことでも知られているC・D・ジャクソンと知り合い、ジャクソンの紹介でジョン・S・コールマンという人物と知り合う。コールマンは後にビルダーバーグ・グループのアメリカにおける責任者になった。そのほかアメリカ側の中心メンバーはCFR(外交問題評議会)と重なり、ジョン・フォスター・ダレスやヘンリー・キッシンジャーも含まれる。

ビルダーバーグ・グループには上部組織が存在した。ヨーロッパの統合を目指し、アレン・ダレスなどアメリカのエリートがウィンストン・チャーチルの協力を受けて設立したACUE(ヨーロッパ連合に関するアメリカ委員会)。このACUEで委員長を務めたウィリアム・ドノバンは戦時情報機関OSSの長官で、アレン・ダレスの友人。ふたりはウォール街の弁護士だ。

次期アメリカ大統領はヒラリー・クリントンだという流れに変化が現れたのは2016年2月10日のことだった。ヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問してウラジミル・プーチン露大統領と会談、22日にはシリアで停戦の合意が成立したのだ。

そして2016年にWikiLeaksはヒラリー・クリントンらの電子メールを公表するのだが、その中にはバーニー・サンダースが同党の大統領候補になることを妨害するよう民主党の幹部に求めるものがあり、サンダースの支持者を怒らせることになった。民主党幹部たちが2015年5月26日の時点でヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆する電子メールもある。

​民主党がクリントンを候補者に選ぶ方向で動いていた​ことはDNCの委員長だったドンナ・ブラジルも認めている。彼女はWikiLeaksが公表した電子メールの内容を確認するために文書類を調査、DNC、ヒラリー勝利基金、アメリカのためのヒラリーという3者の間で結ばれた資金募集に関する合意を示す書類を発見したという。その書類にはヒラリーが民主党のファイナンス、戦略、そして全ての調達資金を管理することが定められていた。その合意は彼女が指名を受ける1年程前の2015年8月になされた。

この問題ではクリントンによる電子メールの扱い方や削除が問題になった。彼女は公務の通信に個人用の電子メールを使い、3万2000件近い電子メールを削除していたのだ。ジェームズ・コミーFBI長官(当時)は彼女が機密情報の取り扱いに関する法規に違反した可能性を指摘、情報を「きわめて軽率(Extremely Careless)」に扱っていたとしていた。

この「きわめて軽率」は元々「非常に怠慢(Grossly Negligent)」だと表現されていたのだが、それをFBIのピーター・ストルゾクが書き換えていた。後者の表現は、罰金、あるいは10年以下の懲役が科せられる行為について使われるという。クリントンが刑務所行きになることを防ぐために書き換えた疑いがもたれている。

削除されたメールを含め、NSAは遣り取りされた全ての電子メールを記録しているはずで、​FBIがその気になれば入手できる​とNSAの不正を内部告発したウィリアム・ビニーは指摘する。ロシア政府がハッキングしたという主張が事実なら、その証拠をNSAは握っていることも確実だ。それを出せないと言うことは、証拠がない、つまりハッキング話が嘘だと言うことを示している。

調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュが民主党全国委員会(DNC)から漏れた電子メールについて電話で語った音声がインターネット上で公開されている。彼はワシントンDC警察やFBIの報告書を見たとしたうえで、​電子メールをWikiLeaksへ渡したのはDNCのコンピュータ担当スタッフだったセス・リッチ​だとしている。また、その漏洩した電子メールはロシア政府がハッキングしたとする偽情報を流し、ロシアとアメリカとの関係悪化を目論んだのはCIA長官だったジョン・ブレナンだとも語っている。

同じ趣旨のことはリッチの両親が雇った元殺人課刑事の私立探偵リッチ・ウィーラーも主張していた。この探偵はセスがWikiLeaksと連絡を取り合い、DNC幹部の間で2015年1月から16年5月までの期間に遣り取りされた4万4053通の電子メールと1万7761通の添付ファイルがセスからWikiLeaksへ渡されているとしていた。

WikiLeaksのジュリアン・アッサンジは​リッチについてDNCの電子メールを提供した人物だと示唆​、射殺事件に関する情報提供者に2万ドルを提供するとツイッターに書き込んでいる。また、WikiLeaksは​ハーシュの発言をツイッターで紹介​した。

ダナ・ローラバッカー下院議員によると、​昨年8月に同議員はロンドンのエクアドル大使館でWikiLeaksのジュリアン・アッサンジと会談、リークされた電子メールの情報源がロシアでないことを示す決定的な情報を提供する容易があると聞かされる​。アッサンジ逮捕を諦めることが条件だったようだ。

この情報をローラバッカー議員はジョン・ケリー大統領首席補佐官に伝えたのだが、この情報はトランプ大統領へは知らされなかった。「ロシアゲート」の幻影を維持しようとしている人間はトランプ政権の内部にもいる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801100000/

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79. 中川隆[-5674] koaQ7Jey 2018年1月11日 02:05:13: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

▲△▽▼

アメリカ支配層の内紛(その2)
支配層の間では2015年5月頃、次期大統領をヒラリー・クリントンにすることが内定していた可能性が高いのだが、16年に入ると状況に変化が生じる。2月にヘンリー・キッシンジャーのロシア訪問は象徴的な出来事だったが、民主党の内部でも流れが変化していた。バーニー・サンダースを支持する声が高まり、有力メディアからの逆風に遭遇する。

クリントンとサンダースは国内問題で対立していた。クリントンはジョージ・ソロスやリン・フォレスター・ド・ロスチャイルドのような富豪を後ろ盾とし、ロッキード・マーチンという戦争ビジネスの代理人とも言われ、巨大金融資本とも結びついているのに対し、サンダースは金融改革を打ち出し、社会的な弱者を救済する政策を掲げていた。

国際問題では軍事力の行使に消極的で、ロシアとの関係を悪化させる政策にも反対。ドナルド・トランプもロシアとの関係修復を訴えていたが、イスラエルとの関係ではトランプやクリントンと違い、一線を画す姿勢を見せていた。民主党と共和党の大統領候補のうちで、イスラエル・ロビーであるAIPACからの招待を断ったのはサンダースだけだ。ただ、そのサンダースでも昨年(2017年)6月にアメリカ上院で行われたエルサレムをイスラエルの首都と認めてアメリカ大使館をそこへ建設するべきだとする採決で賛成している。

そのサンダースを民主党の幹部や有力メディアは攻撃することになった。WikiLeaksが明らかにした電子メールでもそうしたDNC(民主党全国委員会)の幹部によるサンダース潰しの動きがわかる。

結局、民主党の候補者選びでサンダースを離脱させることにDNCは成功するが、その前にトランプが立ち塞がり、大方の予想を翻してトランプが勝利する。WikiLeaksなどによって明らかにされたクリントンの電子メールでDNCの不公正な動きを知ったサンダース支持者が離れたことも無視できない。

明らかにされた電子メールがクリントン陣営にダメージを与えたことは間違いない。その内容がダメージの原因だが、DNCや有力メディアは内容を問題にせず、ロシア政府がハッキングしてWikiLeaksに流したと叫び始め、ロシアゲートなる幻影を流し始めた。冷戦時代の洗脳が今でも効力があるようで、西側にはロシア嫌いが多く、この幻影に飛びついた人は少なくない。

しかし、本ブログでは何度も書いているように、その主張が事実なら証拠をNSAは握っているはずで、FBIもすぐそれを手に入れることができる。そうした証拠が提示されていないのは、証拠がないからだとしか考えられない。少なからぬ情報関係者は技術的な分析から、電子メールは内部から漏れていると指摘している。

ロシアゲートに国家機関が介入する切っ掛けは、アダム・シッフ下院議員が昨年(2017年)3月に下院情報委員会で行ったアメリカ大統領選挙にロシアが介入したという発言。同議員の主張はクリストファー・スティールという元イギリス情報機関員の報告書に基づいているのだが、FBIのチームはシッフ発言の5カ月前、2016年10月にスティールと会うためにヨーロッパへ出向いたとされている。

スティールはイギリスの対外情報機関MI6のオフィサーだった人物で、MI6のために働いていたアレキサンダー・リトビネンコのケース・オフィサーだったとも言われている。情報機関を離れてからはオービス・ビジネス・インテリジェンスという民間情報会社を経営している。このスティールが作成した報告書は伝聞情報や噂話をつまみ食いした代物で、信頼度は低い。

フリンに対し、ロシア政府の高官と接触するように支持したのはトランプの義理の息子、ジャレッド・クシュナーだと伝えられている。この人物はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフサウジアラビアのモハメド・ビン・サルマン皇太子と親しい。

フリンがロシア政府高官と接触した目的は、2016年12月23日に予定されていたイスラエルのヨルダン川西岸などへの違法入植を非難する国連安全保障理事会の決議について話し合うことにあったという。なお、この決議は賛成13カ国、棄権1カ国で採択されている。勿論、棄権したのはアメリカ。

この報道が正しいなら、イスラエルを支援するというクシュナーの政策に基づいてロシア政府の高官と接触したことになる。つまり、ロシアゲートではなくイスラエルゲートだ。ただ、イスラエルを支持するという政策は民主党を含め、アメリカ議会の圧倒的多数が支持している。

​「ミフスド教授」は「プーチンの姪」とパパドプロスの会談をアレンジしてくれた​だとする記事をニューヨーク・タイムズ紙が12月30日に載せた。大統領選挙でトランプの政治顧問を務めていたパパドプロスは2016年5月、ロンドンのバーでオーストラリアの外交官に対し、モスクワはヒラリー・クリントンのキャンペーンにダメージを与える目的で盗み出されたと思われる数千件の電子メールを持っていると聞いたと話したとしている。それを知ったFBIが7月に捜査を始めたというわけだ。

パパドプロスによると、彼にその話をした「ミフスド教授」は「プーチンの姪」とパパドプロスの会談をアレンジしてくれたというのだが、第2次世界大戦の最中、子どもだったプーチンの兄弟はレニングラードで死亡しているため、姪はいない。この「教授」はかなり如何わしいということだ。

ちなみに、プーチンの兄弟が死んだ当時のレニングラードはドイツ軍とフィンランド軍に攻撃されていた。29カ月間包囲され、約70万人が餓死したという。プーチンが戦争回避に努める理由のひとつはこの体験にあるとも言われている。

パパドプロスがFBIに協力しはじめたのは昨年(2017年)10月の前半で、そのひとつの結果としてFBIのチームがスティールとあったという筋書きだ。その直前、トランプのキャンペーンで幹部だったポール・マナフォートがビジネス仲間と一緒にマネー・ロンダリングなどの容疑で起訴されていた。

勿論、この起訴で「ロシアゲート」の捜査が進展したなどということはない。この容疑はロシア疑惑と無関係だが、パパドプロスとFBIとの取り引きに関係していると考える人はいる。

FBIの上層部には反トランプ派がいた。司法長官代理を務めたサリー・イェーツもそのひとりで、トランプ大統領の中東旅行禁止に反対している。そのイェーツの発言を電子メールで賞賛していたアンドリュー・ワイツマンはムラー特別検察官の側近だ。

トランプは安全保障分野をマイケル・フリン中将を据えた。DIAはフリンが局長を務めていた2012年8月、​反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQI(アル・ヌスラの実態は同じだとしている)​で、バラク・オバマ政権が「穏健派」に対する軍事支援を継続したなら、東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告している。

いうまでもなく、サラフィ主義者の支配国はダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実になった。退役後、アル・ジャジーラの番組に出演したフリンはこの報告について質問され、​ダーイッシュの勢力が拡大したのはオバマ政権が決めた政策による​と明言しているが、その通りだ。

バラク・オバマ政権はリビアやシリアを侵略、ウクライナでクーデターを実行するために偽情報を流し、サラフィ主義者やイスラム同胞団を中心とするスンニ派武装勢力、あるいはネオ・ナチを傭兵として使い、他国を侵略、破壊と殺戮をもたらしたが、その実態をフリンは熟知している。

そのフリンをイェーツは事情聴取した。その段階でマイケル・フリン中将とセルゲイ・キスリャク駐米露大使との会話をNSAが盗聴した記録をFBIは持っていた。後にFBIはフリンを偽証したと主張、フリンもそれを認めるが、中身は問題にされていない。記録と証言との間に違いがあるというだけのことだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801110000/

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80. 中川隆[-5673] koaQ7Jey 2018年1月11日 02:51:03: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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ビル・クリントンはイギリスへの留学経験がある。ジョン・F・ケネディ大統領の顧問だったリチャード・グッドウィンによると、
クリントンはイギリスへ留学してした頃にCIAから雇われ、留学生仲間を監視していた経歴の持ち主である。
(Robin Ramsay, “Politics & Paranoia”, Picnic, 2008)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801050000/


セシル・ローズ(Cecil Rhodes)は帝国主義者の代表格で、「ローズ奨学金」の創設者としても有名である。

Bill Clinton 2Robert Reich 2Strobe Talbot 1George Stephanopoulos 2
(左: ビル・クリントン / ロバート・ライシュ / ストローブ・タルボット / 右: ジョージ・ステファノポロス)

  ちなみに、「ローズ奨学金」を得て英国に留学した有名人は結構いて、ビル・クリントン大統領がまず挙げられよう。

彼と同期の1968年組には、後に労働長官となったロバート・ライシュ(Robert Reich)教授や、ロシアの専門家で国務次官となったストローブ・タルボット(Strobe Talbot)がいる。

クリントンの選挙スタッフになったジョージ・ステファノポロス(George Stehanopolos)もローズ奨学金をもらっていた。

意外なんだけど、MSNBCで番組ホストを務める極左分子のレイチェル・マドー(Rachel Maddow)も奨学生であった。

その他、国連大使になったスーザン・ライス(Susan Rice)、大統領選に名乗りを上げた陸軍大将のウェスリー・クラーク(Wesley Clark)、ハーバード大学教授で日本でも人気者になったマイケル・サンデル(Michael Sandel)、日本通で『アトランティック』誌の編集長になったジェイムズ・ファローズ(James Fallows)などもローズ奨学金を得て留学している。

Susan Rice 1James Fallows 2Rachel Maddow 2Michael Sandel 1
(左: スーザン・ライス / ジェイムズ・ファローズ / レイチェル・マドー / 右: マイケル・サンデル)
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68694002.html

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81. 中川隆[-5825] koaQ7Jey 2018年1月12日 10:30:18: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

▲△▽▼

2018.01.12
アメリカ支配層の内紛(その3)
2015年の段階ではヒラリー・クリントンが次期大統領(2017年〜21年)に内定したと言われていたが、16年の2月にはその流れに変化が見られた。そうした中、クリントン関連の電子メールが明らかにされ、その中にはリビアやシリアに対する侵略工作や民主党幹部の不公正な動きなどに関する情報が含まれていた。

この問題ではクリントンが機密情報の取り扱いに関する法規に違反した疑いも浮上する。彼女は公務の通信に個人用の電子メールを使い、しかも3万2000件近い電子メールを削除していたのだ。これについて、FBI長官だったジェームズ・コミーは彼女が情報を「きわめて軽率(Extremely Careless)」に扱っていたとしていた。

しかし、当初の表現は「きわめて軽率」でなく、「非常に怠慢(Grossly Negligent)」だった。それをFBIのピーター・ストルゾクが書き換えていたのだ。後者は罰金、あるいは10年以下の懲役が科せられる行為について使われる表現で、クリントンが刑務所行きになることを防ぐために書き換えた疑いがもたれている。このストルゾクは恋愛関係にある同僚に対し、反トランプのメッセージを送っていたとも報道されている。

また司法長官代理を務めたサリー・イェーツはトランプ大統領の中東旅行禁止に反対、そのイェーツの発言を電子メールで賞賛していたアンドリュー・ワイツマンはムラー特別検察官の側近。ストルゾクも昨年8月までロバート・ムラー特別検察官の元でロシア政府による大統領選挙への介入疑惑を調べていた。本ブログでは何度か指摘しているが、ロシア政府がアメリカの有力メディアや民主党が言うように大統領選挙に介入したなら、NSAが証拠を握っているはずで、特別検察官を任命する意味はない。

アンドリュー・マッカビFBI副長官もヒラリー・クリントンとの関係が注目されているひとり。妻のジル・マッカビは2015年3月にバージニア州上院議員選挙への出馬を表明、67万5000ドル以上をクリントンと親しいテリー・マコーリフなどから受け取っていたのだが、その時、アンドリューはFBIのワシントンDC担当。つまりクリントンの電子メール捜査を指揮する立場にあったのだ。

特別検察官のロバート・ムラーも問題視されている。2001年9月4日から13年9月4日にかけてFBI長官を務めている人物だが、長官就任から1週間後にニューヨークの世界貿易センターの3棟とバージニア州アーリントンにある国防総省の本部庁舎が攻撃(9/11)されている。この事件の真相を上手に隠蔽したと陰口をたたかれているのだ。

9/11の直後、事前にFBIは攻撃に関する情報を入手していたと内部告発したFBIの翻訳官だったシベル・エドモンズはフェトフッラー・ギュレンについても事実を公表しようとした。このギュレンもアメリカ支配層の内紛で重要な意味を持っている。

2016年6月下旬にレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はロシアのウラジミル・プーチン大統領に対し、15年11月24日のトルコ軍機によるロシア軍機の撃墜を謝罪してロシアへ接近した。トルコでエルドアン政権の打倒を目的とした武装蜂起が引き起こされるのは2016年7月15日のことだ。これは政府側の反撃で失敗に終わるが、その直前にロシアからクーデター計画に関する情報がトルコ政府へ伝えられたとも言われている。

このクーデター計画の背後にはアメリカでCIAに保護されているフェトフッラー・ギュレンがいて、アメリカ中央軍のジョセフ・ボーテル司令官やジョン・キャンベルISAF司令官が関係しているとトルコ政府は主張している。

ギュレンのグループが登場してくるのは1980年。この年にトルコではCIAを後ろ盾とするクーデターがあり、軍事体制へ移行した。この権力奪取はNATOの秘密部隊、カウンター・ゲリラが実行したが、ギュレンもクーデター派に加わっていた。

それ以降、ギュレンはCIAの手先として活動、アメリカに「スリーパー」のネットワークを構築してきたと言われている。ギュレンとそのグループを守る中心人物は元CIA幹部のグラハム・フラー。この人物の娘が結婚した相手の甥ふたりは2013年のボストン・マラソンにおける爆破事件で容疑者とされ、兄は射殺された。弟は重傷を負い、外で証言できない状態だ。1980年代にフラーはズビグネフ・ブレジンスキーの作戦に基づき、アフガニスタンでスンニ派武装勢力を動かしていた。

その事実をFBIの翻訳官だったシベル・エドモンズが公表しようとしたところ、FBI長官だったロバート・ムラーが発言を禁止、エドモンズは解雇されてしまう。エドモンズは、9月11日の攻撃を事前にFBIは知っていたと内部告発したことでも知られている。

エドモンズによると、ギュレンがマネーロンダリングを行い、テロ関連の活動をしていることをFBIは20年ほど前から知っていたが、黙認してきた。ギュレンは資金が潤沢で、アメリカに140以上の学校網を作り上げている。

アメリカ支配層との関係が悪化したエルドアンはギュレンに関する情報を入手しようと考え、アメリカの会社に調査を依頼している。その会社を経営していたのがマイケル・T・フリン中将と息子のマイケル・G・フリン。中将はバラク・オバマ政権がアル・カイダ系武装勢力を操り、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を生み育てたことを熟知しているが、それだけでなくアメリカにおけるCIAの「テロリスト網構築」にも足を踏み入れようとしていた。

9/11の調査を妨害して真相を隠蔽したと言われるムラー特別検察官はギュレンの問題も封印しようとしてきた。トランプ大統領の義理の息子であるジャレッド・クシュナー、その父親であるチャールズ・クシュナーの親子はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相やサウジアラビアのモハンマド・ビン・サルマン皇太子と緊密な関係にある。トランプと激しく対立してきたヒラリー・クリントンの後ろ盾には投機家のジョージ・ソロスやサウジアラビアのムハンマド・ビン・ナーイフ前皇太子、バンダル・ビン・スルタン(アメリカ駐在大使や総合情報庁長官を歴任)、さらに巨大金融資本や戦争ビジネスが含まれている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801120000/

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82. 中川隆[-5809] koaQ7Jey 2018年1月13日 10:10:55: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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2018.01.13
アメリカ支配層の内紛(その4)

1970年代の終盤、ジミー・カーター大統領の国家安全保障補佐官だったズビグネフ・ブレジンスキーがアフガニスタンを不安定化するための戦闘集団を編成、秘密工作を始めて以来、アメリカはイスラエルやサウジアラビアと戦略的な同盟関係にある。

CIAと密接な関係にあると言われているブレジンスキーはデイビッド・ロックフェラーと親しく、このふたりに目をかけられて大統領になったのがカーター。つまり、カーター政権では大統領より国家安全保障補佐官の方が格上だった。

ちなみに、デイビッドの兄であるネルソン・ロックフェラーと親しいことで知られているのがヘンリー・キッシンジャー。ネルソンはCIAの秘密活動を統括する工作調整会議の議長を経験した人物で、またキッシンジャーは破壊(テロ)工作を目的とする秘密機関OPCに所属していたことがある。つまりキッシンジャーとブレジンスキーは背景が似ている。

キッシンジャーは1943年2月にアメリカ陸軍へ入り、その翌年には第84歩兵師団の訓練施設があったルイジアナ州キャンプ・クレイボーンへ配属、そこで知り合ったフリッツ・クレーマーに見いだされて出世街道を歩き始める。

クレーマーの紹介で第82歩兵師団の司令官を務めていたアレキサンダー・ボーリング中将の通訳兼ドライバーとなったキッシンジャーは後にアメリカ陸軍の情報分隊(後の対敵諜報部/CIC)へ配属され、第2次世界大戦にはOSSで破壊工作を指揮していたアレン・ダレスに目をつけられる。

大戦中、西ヨーロッパでドイツと戦っていたレジスタンスはコミュニストの影響力が強く、それに対抗する目的で米英はゲリラ戦を目的としてジェドバラなる戦闘集団を編成、その人脈は戦争が終わってからOPCの中核メンバーになる。その創設を控えた1947年秋からキッシンジャーは新組織のためにハーバード大学で外国人学生を秘密裏にリクルート、本人もOPCの仕事をするようになったのだ。

1950年にキッシンジャーはアレン・ダレスの作戦調査室でコンサルタントとして働くようになるが、その一方で1951年から71年にかけて「ハーバード国際セミナー」の責任者を務めている。1953年に中曽根康弘が参加したセミナーだ。

セミナーに参加する3年前、中曽根はスイスで開かれたMRA(道徳再武装運動)の世界大会へ出席しているが、この団体はアメリカの「疑似宗教団体」で、CIAと結びついていると言われている。MRAと結びついてから中曽根は出世していく。日本人としては岸信介や三井高維もMRAに参加していた。(グレン・デイビス、ジョン・G・ロバーツ著、森山尚美訳『軍隊なき占領』新潮社、1996年)

アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟が誕生する上で重要な出来事が1975年3月にサウジアラビアで引き起こされている。アメリカ支配層とは一線を画していたファイサル国王が執務室で甥のファイサル・ビン・ムサイドに射殺されたのだ。

ジャーナリストのアラン・ハートによると、クウェートのアブドル・ムタレブ・カジミ石油相の随行員として現場にいたビン・ムサイドはアメリカで活動していたモサド(イスラエルの情報機関)のエージェントに操られていたという。ギャンブルで負けて借金を抱えていたビン・ムサイドに魅力的な女性を近づけ、借金を清算した上で麻薬漬けにし、ベッドを伴にしたりして操り人形にしてしまったというのだ。(Alan Hart, “Zionism Volume Three,” World Focus Publishing, 2005)

ファイサル国王が殺される7カ月前、アメリカではリチャード・ニクソン大統領がウォーターゲート事件で辞任している。ニクソンには赤狩り、闇資金、あるいはベトナム戦争の和平遅延工作など良くない話がついて回るが、その一方でデタント(緊張緩和)を目指し、中国を訪問して友好関係を結ぼうと試み、そしてイスラエル軍が占領地から撤退することを求めた国連安保理の242号決議に基づいていパレスチナ問題を解決しようとしていた大統領でもある。

この決議ではパレスチナ人の権利が正当に認められていないとする意見があるが、占領地を手放すことを認めないイスラエルからみるとニクソンは許しがたい存在だった。ニクソンはバーノン・ウォルタースCIA副長官にPLOと交渉させたが、イスラエルに対しては和平に応じて占領地から撤退するように求めている。1974年6月のことだ。交渉の仲介役はファイサル国王だった。

8月に入るとニクソンはイスラエルから長期にわたる軍事支援を求められたが、これを断り、包括的和平に応じるまでイスラエルへの全ての武器供与を中止するつもりだと同月6日、キッシンジャーに話している。ニクソンが大統領を辞任すると演説したのはその2日後のことだ。(ウォーターゲート事件とCIAとの関係は本ブログでも何度か触れたことがあり、今回は割愛する。)

ファイサルの後を継いだハリド国王は政治に熱心とは言えず、健康上の問題もあり、その時代から親米派で有名なファハド・ビン・アブドル・アジズが第一副首相として統治している。1982年から2005年までファハドは国王としてサウジアラビアに君臨した。

1983年から2005年まで駐米大使を務めたバンダル・ビン・スルタンはブッシュ家と親しいことで知られ、バンダル・ブッシュと呼ばれるほどだ。2005年から15年までは国家安全保障会議の事務局長を務め、12年から14年までは総合情報庁(サウジアラビアの情報機関)の長官だった。

調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュは2007年3月5日付けニューヨーカー誌で、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアがシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラに対する秘密工作を開始した書いている。

ハーシュによると、工作の中心にはリチャード・チェイニー米副大統領、ネオコン/シオニストのエリオット・エイブラムズ国家安全保障問題担当次席補佐官、ザルメイ・ハリルザド、そしてバンダル・ビン・スルタンだという。サラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)を中心とする戦闘員を使ってターゲット国を侵略する工作で、2011年春に顕在化した。(侵略について今回は立ち入らない。)

金融資本/CIAと密接な関係にあるブッシュ家と親しいバンダル・ビン・スルタンだが、昨年(2017年)11月4日から始まったサウジアラビアの大粛清では拘束されたと伝えられている。粛清したのは国王の息子であるモハンマド・ビン・サルマン皇太子だが、独力で実行したわけではない。

この皇太子は昨年9月にイスラエルを極秘訪問、10月25日から28日にかけてはドナルド・トランプ大統領の義理の息子にあたるジャレッド・クシュナーがサウジアラビアを極秘訪問したと伝えられている。

クシュナー親子はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフに近く、ネタニヤフと緊密な関係にある富豪のシェルドン・アデルソンは大統領選挙でドナルド・トランプ陣営に対する最大のスポンサーだった。その関係からトランプ大統領はビン・サルマンとにつながる。ネタニヤフ首相の父親はウラジミール・ジャボチンスキーの秘書を務めていた人物だ。

それに対し、前皇太子のムハンマド・ビン・ナーイフはヒラリー・クリントンに近い。当初の予想ではクリントンが大統領になると見られていたことからビン・ナーイフが皇太子になったが、実際はトランプだったので交代になったと見る人もいる。

モハンマド・ビン・サルマン皇太子の人脈もムハンマド・ビン・ナーイフ前皇太子の人脈も破壊と殺戮によって自分たちのプランを実現しようとしてきた。似たもの同士とも言えるが、最終目標が違うように見える。前者は大イスラエルを実現すること、後者はロシア(ハートランド)を制圧して世界制覇を実現することが目標なのではないだろうか?
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801130000/


[12初期非表示理由]:管理人:混乱したコメント多数により全部処理


83. 中川隆[-5864] koaQ7Jey 2018年1月14日 09:57:20: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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2018.01.14
アメリカ支配層の内紛(その5:米支配層が食い物にしてきたハイチ)

​ドナルド・トランプ大統領がDACA(the Deferred Action for Childhood Arrivals)の会議でハイチ、エルサルバドル、アフリカ諸国を愚弄したと報道​されている。アメリカでは子ども時代に不法入国した外国人の強制国外退去を延期、就労許可を与えているのだが、トランプは大統領に就任した直後、この措置を撤廃すると表明、それに対して議会は修正を加えた上で存続しようとしていた。この問題を話し合った席でトランプの問題発言が飛び出したというのだが、大統領はこの発言を否定している。

大統領はハイチからの不法移民を特に問題だとしている。この国では2010年に大きな地震があり、アメリカ政府は約1万人の軍隊を派遣した。その際に多くの人がアメリカへ不法入国、それに対して6万人近くへ強制退去させない処置をとってきた。トランプ大統領はその措置を止めるとしている。

地震が起こった当時、アメリカの国務長官はヒラリー・クリントン。つまり災害対策の政府における責任者はクリントンで、USAID(形式上、国務省の管轄下にあるが、実際はCIAの資金を流すルート)の資金を監督する立場にあった。国連特使には夫のビル・クリントンが就任している。ビルはクリントン-ブッシュ基金やクリントン財団の理事長で、ハイチ再建暫定委員会の共同委員長でもあった。

ハイチには限らないのだが、クリントン財団は「慈善事業」を名目にして多額の寄付を集めている。ハイチの場合、60億ドルから140億ドルを財団は集めたと見られているが、その内容は明らかにされていない。私腹を肥やしている疑いが濃厚なのだ。しかも、国際規模でチャリティーを行うために必要な正規の手続きを踏んでいないという。法律的に問題を抱えているわけだ。2016年の大統領選挙でヒラリー・クリントンが勝てば、バラク・オバマが大統領の間に恩赦を与える手はずになっていたが、トランプが勝ったため、シナリオに狂いが生じたようだ。

ハイチには金鉱脈があって潜在的に豊かな国なのだが、今は貧しい国と見なされているいる。資源の開発が進まず、失業率は70%を超すという。ヒラリーの弟、トニー・ローダムは金の利権に食い込んでいるようだが、大多数の庶民はその恩恵に浴していない。今後の見通しも暗い。そうした状況を作り出した責任の大半はフランスとアメリカにある。

1492年にクリストファー・コロンブスが西インド諸島にやって来た当時にはモンゴロイド系の人々が住んでいたハイチだが、その後スペインが植民地化、1697年にはフランス領になる。そのフランスはアフリカで多くの人を拉致し、奴隷として連れてきた。

そのフランスで1789年に革命があり、92年には王権が停止されて共和制が宣言されている。こうした動きはハイチにも波及し、トーサン・ルーベルテュールが率いる奴隷が蜂起した。

それに対し、アメリカの初代国務長官で第3代大統領でもあるトーマス・ジェファーソンは奴隷の蜂起がアメリカへ波及することを恐れ、「ブリュメール18日」(1799年11月9日)のクーデターで実権を握ったナポレオン・ボナパルトと手を組んで独立を妨害した。ナポレオンはハイチに軍事介入し、奸計を使ってルーベルテュールを拘束、ヨーロッパに連行したのだ。ルーベルテュールはそこで獄死している。

その後、独立運動はジャン・ジャック・デサリーヌが引き継ぎ、1804年に独立を宣言したが、その際に逆襲を恐れてヨーロッパ系の支配者たちを殺害、1806年にはデサリーヌ自身が暗殺された。なお、アメリカがハイチを承認したのは1862年、エイブラハム・リンカーン政権のときである。

ウィリアム・マッキンリー大統領が暗殺された後、副大統領から昇格して大統領となったシオドア・ルーズベルトは海兵隊を1915年にハイチへ軍事侵攻させて占領、この状態はニューディール派のフランクリン・ルーズベルトが大統領に就任する1934年まで続いた。

1957年にフランソワ・デュバリエが実権を握ると、彼は秘密警察を使った恐怖政治でハイチを支配、71年からは息子のジャン・クロード・デュバリエが独裁者として君臨した。このデュバリエ体制は1986年まで続いている。この体制をアメリカ支配層は容認している。

アメリカ支配層を震撼させる事態が生じたのは1990年のこと。解放の神学を唱え、アメリカによる軍事独裁体制を使ったラテン・アメリカ支配に反対するジャン・ベルトランド・アリスティド神父が大統領選挙で当選したのである。その翌年には軍事クーデターが試みられているが、その背後では、アメリカの情報機関が介在していたとも言われている。ちなみに、このときのアメリカ大統領はジョージ・H・W・ブッシュ。

1993年に大統領となったビル・クリントンは翌年、ハイチに軍隊を入れる動きを見せ、そこでハイチの軍部は政権を放棄した。ところが、2000年の大統領選でアリスティド神父が復活、再びクーデターが実行されてアリスティド政権は倒された。このときのアメリカ大統領はジョージ・W・ブッシュ、つまりH・Wの息子だ。

ヒラリー・クリントンは投機家のジョージ・ソロスやリン・フォレスター・ド・ロスチャイルドのような富豪のほか、ロッキード・マーチンの代理人とも言われるほど戦争ビジネスに近く、ウォール街やコンピュータ産業とも結びついているが、そうした勢力の思惑だけでなく、クリントンの個人的な事情からトランプを大統領の座から引きずり下ろさなければならない事情があると言えるだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801140000/

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84. 中川隆[-5846] koaQ7Jey 2018年1月15日 11:00:10: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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2018.01.15
アメリカ支配層の内紛(その6:ウラニウム・ワン)

ビル・クリントン元大統領とヒラリー・クリントン元国務長官の夫妻がクリントン財団を利用して不正蓄財している疑惑があることは前回のブログで書いたとおり。この財団が設立された1997年にはクリントン政権の国務長官が戦争に消極的だったクリストファー・ウォーレンから好戦的なマデリーン・オルブライトに交代している。この人事を大統領に働きかけたのはヒラリー・クリントンだという。この政権ではネオコンのビクトリア・ヌランドが国務副長官首席補佐官を務めているが、この人物を政権に引き込んだのもヒラリーだったと言われている。この当時、クリントン夫妻は夫ビルのスキャンダルに対する弁護費用が嵩み、破産寸前だと噂されていたが、その後、そうした話はでなくなった。

1998年の秋にオルブライトはユーゴスラビア空爆を支持すると表明、その年の10月にビル・クリントン大統領はリチャード・ホルブルックをセルビアに派遣し、コソボから軍隊を引き揚げなければセルビアを空爆するとスロボダン・ミロシェビッチ大統領を脅し挙げた。屈辱的な和平の条件だが、ミロシェビッチは受け入れ、10月の終わりに撤退計画を発表している。

この合意を崩しにかかったのおが西側の好戦派を後ろ盾とするKLA(コソボ解放軍。UCKとも表記)。1996年2月にコソボ北部へ逃れていたセルビア人難民を襲撃することから活動を始めた武装勢力だ。決して親セルビアとは言えないヘンリー・キッシンジャーでさえ、1998年10月から99年2月までの期間で、停戦違反の80%はKLAによるものだと語っている。(David N. Gibbs, “First Do No Harm”, Vanderbilt University Press, 2009)

他国を侵略したわけでもないユーゴスラビアを空爆するため、アメリカは作り話を流している。その一例は、ウィリアム・ウォーカーなる人物が1999年1月に始めた虐殺話。コソボにあるユーゴスラビアの警察署で45名が殺されたというものだ。

しかし、実際は警察側とKLAとの戦闘だった。その様子はAPのテレビ・クルーが撮影していただけでなく、現場にはウォーカーのスタッフもいた。つまり間違いで偽情報を流したわけではない。

これだけ図々しく嘘をつけるウォーカーはエル・サルバドル駐在大使だった当時、つまり1989年にアメリカの手先である軍事政権が行ったカトリックの司祭6名とハウスキーパーやその娘が殺害された際、その調査を妨害している。

殺害の様子を目撃した隣人のルチア・バレッラ・デ・セルナをカトリック教会側は安全のために国外へ脱出させる。この脱出にはフランス外務省が協力していたが、そうした動きを察知したウォーカーたちは目撃者に接触し、証言内容を変えなければエルサルバドルに送り返すと脅したと伝えられている。

詳細は割愛するが、ユーゴスラビアを先制攻撃して体制を倒して傀儡政権を樹立させる目的でアメリカは大々的なプロパガンダを展開した。その手先として有力メディアだけでなく広告会社が使われている。

クリントン政権の終盤、1999年にはトルコからアメリカへフェトフッラー・ギュレンが逃げ込んでいる。1980年にトルコではCIAを後ろ盾とする軍事クーデターがあったが、この武装蜂起にギュレンも参加していた。この権力奪取はNATOの秘密部隊、カウンター・ゲリラが実行したもので、CIAの破壊工作部門が黒幕だ。それ以降、ギュレンはCIAの手先として活動、アメリカにスリーパーのネットワークを構築してきたと言われている。

ギュレンとそのグループを守る中心人物は元CIA幹部のグラハム・フラー。この人物の娘が結婚した相手の甥ふたりは2013年のボストン・マラソンにおける爆破事件で容疑者とされている。1980年代にフラーはズビグネフ・ブレジンスキーの作戦に基づき、アフガニスタンでスンニ派武装勢力を動かしていた。こうした背景があるため、CIAがギュレンを守っても不思議ではないが、FBIもギュレンの暗部に触れることを許さない。

ところで、クリントン財団が注目される切っ掛けになったのが2010年1月12日にハイチで起こった巨大地震。10万人とも32万人とも言われる人が死亡したと言われ、相当数の人がアメリカへ流れ込んでいる。その一方、財団には支援金が集まったのだが、その処理が不透明で、どの程度がハイチの人々へ渡されたか不明。そこで財団に疑惑の目が向けられたわけだ。

クリントン夫妻には、ウラニウムと金を採掘しているカナダの会社、ウラニウム・ワンの買収に関わる疑惑も存在する。2013年にロシアの会社ロサトムが子会社のARMZを通じてウラニウム・ワンを13億ドルで買収したのだが、この買収でキックバックなど不正な資金の遣り取りが疑われ、上院司法委員会でも調査が進んでいるのだ。キックバックの一部はクリントン財団へ流れているとも伝えられている。ビル・クリントンはモスクワにおける講演で50万ドルを受け取った。ロサトムに買収された当時のウラニウム・ワン会長のイラン・テルファーからは財団へ235万ドルが寄付されている。

この件では、会計の透明性と外国政府の賄賂に関する法律であるFCPA(外国不正行為法)の違反が指摘されている。この取り引きに疑惑はないと有力メディアは主張しているが、バラク・オバマ大統領が買収を許可する前の段階でFBIはキックバックなど不正行為の証拠をつかんでいると伝えられている。ロシアの核関連産業へ潜り込んでいるFBIのスパイからそうした情報を得ていたというのだ。ところが、情報源に対し、ロレッタ・リンチ司法長官(2015年4月から17年1月まで)は口外を禁止する。次の司法長官、ジェフ・セッションズもウラニウム・ワンと買収など違法行為とは無関係だと主張していたが、これは崩れてきている。

1980年代もそうだったが、支配層の内部で対立が激しくなると暴露合戦が始まり、通常は封印されている違法行為が明るみに出たりする。今、アメリカではそうした展開になっているようだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801150000/

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85. 中川隆[-5887] koaQ7Jey 2018年1月16日 18:25:00: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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2018.01.16
アメリカ支配層の内紛(その7:私的な情報機関)

ドナルド・トランプ大統領は自国の情報機関や治安機関を信用していないようで、​私的な情報機関を設置​しようとしていると伝えられている。本ブログでも書いたように、その中心は1997年に傭兵会社のブラックウォーター(2009年にXE、11年にアカデミへ名称変更)を創設したエリック・プリンスだという。

この人物は海軍の特殊部隊SEAL出身で、熱心なキリスト教原理主義者。今は未公開株を取り引きするフロンティア・リソース・グループを経営、軍事的サービスを提供するフロンティア・サービス・グループの会長を務めている。プリンスの姉、ベッツィ・デボスはトランプ政権で教育長官を務め、夫のディック・デボスは「アムウェイ」の創設者。また副大統領のマイク・ペンスは親友のひとりだという。

大統領選でロシアとの関係修復を訴えていたトランプは支配層の好戦派、つまり1992年2月にポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)を中心に作成された国防総省のDPG草案(通称、ウォルフォウィッツ・ドクトリン)に賛同している勢力から激しく攻撃された。これは1991年12月にソ連が消滅、アメリカが唯一の超大国になったと認識して作られた世界制覇プランだ。

冷戦の終結で世界が平和になると考えた人は冷戦の本質を見間違っていたと言えるだろう。ライバルだったソ連が消えたことにより、西側、特に米英の支配層は民主主義者を装う必要がなくなり、侵略戦争を公然とはじめた。それが西側支配層の正体だったのだ。実際、アメリカが1950年代からソ連や中国に対する先制核攻撃を計画していたことも明確になっている。​好戦派が攻撃のチャンスだと考えていたのは1963年の後半​だが、この計画を潰そうとしたジョン・F・ケネディ大統領は1963年11月に暗殺された。(この辺の詳しい話は本ブログで何度か書いているので、今回は割愛する)

ウォルフォウィッツ・ドクトリンに従い、1995年2月にジョセフ・ナイ国防次官補は「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」を作成、日本をアメリカの戦争マシーンへ組み込む作業が本格化した。この報告書が発表されるより前の細川護熙政権、あるいは2009年から10年にかけての鳩山由紀夫政権はプランすると考えられたようで、潰されている。冷戦後における日本の政治、経済、軍事、安全保障をこのドクトリン抜きに考えることはできない。これに触れない議論は意味がないとも言える。

好戦派が担いでいた候補者がヒラリー・クリントン。上院議員時代にはロッキード・マーチンの代理人と呼ばれるほど戦争ビジネスに近く、国務長官時代に投機家のジョージ・ソロスの指示に従って政策を決めていたほか、リン・フォレスター・ド・ロスチャイルド(エベリン・ド・ロスチャイルドの妻)と頻繁に連絡を取り合っていることも漏洩した電子メールで判明している。つまり巨大金融資本ともつながっているのだ。

クリントンを公然と支援していたCIAの幹部だった人物もいる。マイク・モレルがその人だ。2011年7月から9月、また12年11月から13年3月までCIA長官代理を務めている。なお、2010年5月から13年4月まで副長官。CIAから離れたのはクリントンを支援するためだった。

2011年春、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟を中心とする勢力はリビアとシリアに対する侵略を始める。その主体はサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団で編成された傭兵部隊、つまりアル・カイダ系武装勢力だ。

リビアでは2011年10月にムアンマル・アル・カダフィ体制が倒されたが、そのときにアル・カイダ系武装勢力とNATO軍との連携が明確になった。リビアから戦闘員や兵器がシリアへ運ばれたことも露見している。

そこでバラク・オバマ政権は「穏健派」を支援すると主張するのだが、それを否定したのがマイケル・フリン中将が局長を務めていたDIA。この情報機関は​2012年8月にシリア情勢に関する文書を作成​、オバマ政権へ提出しているが、その中でシリアにおける反乱の主力をサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてAQI(アル・カイダ系武装集団)だと指摘している。こうした武装勢力が西側、湾岸諸国、そしてトルコから支援を受けていることも明らかにしている。つまり、オバマ大統領が言うところの穏健派は過激派だということ。DIAはアメリカ政府が方針を変えなければシリア東部にサラフ主義の支配地が作られると予測していたが、これは2014年にダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実になった。トランプは当初、このフリンを国家安全保障補佐官に選んだわけだ。

クリントンの暗部を暴く電子メールがWikiLeaksなどが公表すると、ロシア政府にハッキングされたというキャンペーンが民主党や有力メディアによって始められる。それにCIAやFBIが協力しているが、そうしたハッキングがあったわけではない。

NSAの通信傍受システムを設計する一方、情報機関の不正を内部告発した​ウィリアム・ビニー​も指摘しているように、NSAは全ての電子メールを記録している。削除されたメールを含め、FBIが要請すればNSAは電子メールを渡すことが可能だ。ロシア政府がハッキングしたという主張が事実なら、その証拠をNSAは握っているということで、それを出せないと言うことは証拠がない、つまりハッキング話が嘘だと言うことを意味する。

ダナ・ローラバッカー下院議員によると、昨年8月に同議員はロンドンのエクアドル大使館でWikiLeaksのジュリアン・アッサンジと会談、リークされた電子メールの情報源がロシアでないことを示す決定的な情報を提供する容易があると聞かされた。

​この情報をローラバッカー議員はジョン・ケリー大統領首席補佐官に伝えたのだが、この情報はトランプ大統領へは知らされていない​。「ロシアゲート」の幻影を維持しようとしている人間はトランプ政権の内部にもいる。

2017年4月6日、アメリカ海軍の駆逐艦、ポーターとロスから巡航ミサイル(トマホーク)59機がシリアのシャイラット空軍基地に向けて発射され、少なくとも数機は目標へ到達したという。その2日前、4月4日に政府軍が化学兵器を使用、その報復だということだったが、その主張には根拠がない。そもそもシリア政府軍は化学兵器を2013年に廃棄、現在、そうした兵器を保有しているのはアメリカが支援してきた反シリア政府軍だ。その後、その主張を否定する調査結果も出ている。

ジャーナリストの​ロバート・パリー​によると、4月6日の早朝にマイク・ポンペオCIA長官はドナルド・トランプ大統領に対し、シリア政府側は化学兵器を使用していないと説明している。空爆の前、アメリカ側へ通告があり、アメリカ軍もCIAも状況を詳しく知っていた。

6月25日にはジャーナリストの​シーモア・ハーシュ​も同じ内容の記事をドイツのメディアに書いている。ハーシュによると、4月4日に聖戦主義者の幹部が会議を開くという情報をつかんだロシアとシリアは攻撃計画を立て、その内容をアメリカ側へ伝えている。CIAにも直接、ロシアから攻撃に関する情報が伝えられていた。その情報が何者かによって現地のアル・カイダ系武装集団へ伝えられたと推測する人もいる。

現在のホワイトハウスは、大統領がCIAやFBIを信用できないと考えても仕方のない状況にある。現在、特別検察官を務めているロバート・ムラーは好戦派の暗部を隠蔽してきた人物。ジョン・ブレナン前CIA長官とジェームズ・クラッパー元国家情報長官は昨年7月21日にアスペン治安フォーラムでCNNのウルフ・ブリッツァーと対談、もしトランプ政権がムラーを解任したなら官僚は大統領の命令を無視するべきだとしていた。


歴史的に見て、イギリスやアメリカの情報機関、つまりMI6やCIAが金融機関と関係が深いことは本ブログでの何度か書いた。クリントンにはそうした勢力が付いていたのだが、トランプの背後ではイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の人脈(モサドも含む)が動き始めている。そしてエリック・プリンス。しかも、デビッド・ペトレイアス元CIA長官の弟子と言われるH. R. マクマスターがトランプ政権で国家安全保障補佐官を務めている。シリアやリビアに対する侵略が始まった当時のCIA長官がペトレイアスであり、国務長官がクリントン。権力抗争が収まる気配は感じられない。

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最終更新日 2018.01.16 15:41:48


2018.01.15

戦争で金儲けしようと考える企業は多そうだが、それを可能にする仕組みを守ることも戦争の目的


カテゴリ:カテゴリ未分類

兵器産業や傭兵会社にとって戦争はビジネスチャンスにほかならず、そうした企業に融資したり投資している金融機関にとっても同じことが言えるだろう。国の機関では軍、情報機関、治安機関の権益が拡大する。アメリカが戦争を続ける理由をここに求める人がいても不思議ではない。

しかし、戦場になった国では破壊と殺戮が繰り広げられて悲惨なことになる。軍需産業が「死の商人」と呼ばれるのはそのためだ。それに対し、そうした企業を儲けさせる、つまり戦費を負担する庶民は困窮、国は疲弊して衰退する。

アメリカが戦争を続けられるのは、世界が不換紙幣であるドルを基軸通貨として受け入れてきたからだ。アメリカ支配層は必要なだけドルを発行できる。が、勿論、発行されたドルを放置しておけばハイパーインフレになってしまう。

本ブログでは何度も書いてきたが、アメリカ経済は1970年頃までに破綻している。そこで1971年にリチャード・ニクソン大統領はドルと金の交換を停止すると発表した。ドルを兌換紙幣から不換紙幣に切り替えたわけだ。1973年から世界の主要国は変動相場制へ移行する。

そうした状況でドルの貨幣価値を維持するための仕組みが考えられている。そのひとつがペトロダラー。つまり産油国に対して石油取引の決済をドルで行うように求め、世界がドルを集める環境を作った。集まったドルはアメリカの財務省証券を買ったり、1970年代にロンドンのシティを中心に整備されたオフショア市場へ沈めたり、金融規制の大幅な緩和で準備された投機市場へ流れ込んでいく。投機市場はバブルになり、相場は暴騰、評価益で巨大資本や富豪たちの資産は飛躍的に膨らむ。その資産力は支配力につながった。

日本にもペトロダラーと同じ仕組みが存在しているように見える。企業がアメリカで売った商品の代価として受け取ったドルを日本はアメリカへ還流させなければならないが、企業は利益を確保したい。そこで日本政府は庶民のカネでドルを買い、アメリカへ還流させてきた。もし日本政府が保有するアメリカの財務省証券を売却したなら、その責任者は社会的な地位、資産、収入を失うことになるだろう。いや、そうなる前に処分されるに違いない。

この仕組みは世界がドルを基軸通貨として認め、投機市場へ資金が流入し続けることが前提になっている。ドルが基軸通貨の地位から陥落、相場が天井を打つと加速度的にアメリカの支配体制は崩壊していく。

アメリカの傀儡である安倍晋三首相は黒田東彦日銀総裁と組んで「量的・質的金融緩和」を実施してきたが、それによって流れ出た資金も投機市場へ向かう。そうした道筋ができあがっているわけで、安倍や黒田もその程度のことは認識しているだろう。投機市場の縮小を防ぐため、ETF(上場投資信託)やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も利用されている。こうした政策で彼らが日本経済を回復させようとしているわけではない。アメリカの支配システムを支えようとしているのだ。

資金の流れ以上に深刻な問題がドルの立場。すでにロシアや中国を中心としてドル決済を放棄する動きが広がっているのだ。つまり、ドルが基軸通貨の地位から陥落しそうになっている。中国が創設したAIIB(アジアインフラ投資銀行)やNDB(新開発銀行)、あるいは推進中のプロジェクト「一帯一路(シルク・ロード経済ベルトと21世紀海のシルク・ロード)」は不気味だろう。

アメリカやイギリスは遅くとも20世紀の初頭から世界制覇、つまり世界帝国の建設を目指すプロジェクトが存在する。ユーラシア大陸の沿岸を支配し、その三日月帯でロシアを締め上げ、最終的には制圧しようとしている。その三日月帯の東端部に中国、朝鮮半島、そして日本がある。ジョージ・ケナンにしろ、ズビグネフ・ブレジンスキーにしろ、そのベースにはこの戦略があった。

アメリカが戦争をカネ儲けのために使っていることは事実だろうが、それは短期的な目的にすぎない。米英支配層には中期的、そして長期的なプランがある。その中長期的なプランを支えている仕組みが今、揺らいでいるのだ。その原因である中国やロシアを制圧、あるいは破壊しない限り、米英中心の支配システムは崩壊するだろう。世界規模で軍事的な緊張が高まり、ロシアとの関係改善を訴えたドナルド・トランプが有力メディアから激しく攻撃された理由はそこにある。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801160000/

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86. 中川隆[-5866] koaQ7Jey 2018年1月20日 10:31:24: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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2018.01.19
クリントンを勝たせるため、FBIがFISAを悪用してトランプ周辺の情報を集め、利用していた可能性

ヒラリー・クリントンを担いでいた勢力が​FISA(外国情報監視法)を不正に利用していたとする4ページの覚書​がアメリカの支配層を揺さぶることになるかもしれない。その覚書を見た議員の中にはウォーターゲート事件以上の権力乱用だとし、文書の秘密指定を解除して速やかに公開すべきだとする人もいる。

本ブログでは繰り返し書いてきたが、2016年の大統領選挙でドナルド・トランプを勝たせるためにロシア政府が介入したとする「ロシアゲート」は事実に基づかず、作り話の可能性がきわめて高い。トランプを敵視するFBI幹部が政治的に動き、国家安全保障補佐官への就任が予定されていたマイケル・フリン元DIA局長に対して罠を仕掛けたことなどが明らかになっている。

2016年から民主党や有力メディアはトランプとロシアとの関係を宣伝していたが、当局が表立って動き始めたのは昨年(2017年)3月に下院情報委員会でアダム・シッフ議員が大統領選挙にロシアが介入したとする声明を発表してから。その声明の根拠はイギリスの対外情報機関MI6のオフィサーだったクリストファー・スティールの報告書だった。この報告書の信頼度がきわめて低いことはすでに判明している。そのスティールと会うため、FBIのチームはシッフ発言の5カ月前にヨーロッパへ出向いたともされている。

ロシアという「外国勢力」を巻き込むことでトランプは「外国勢力のエージェント」だという容疑が生じ、監視や捜索の対象になった。そうした手段で情報を収集するためにはFISC(外国情報裁判所)の許可が必要だが、ここはフリーパスに近い。そこで、FBIやCIAはトランプ陣営の情報を自由に入手できるようになり、その情報をクリントンを勝たせるために使ったようだ。

すでにFBIはスキャンダルまみれになっているが、今回の覚書で情報機関や治安機関はさらに厳しい状況に追い詰められる可能性がある。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801190001/





87. 中川隆[-5871] koaQ7Jey 2018年1月23日 10:24:38: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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1992年2月にネオコンの中心グループに所属するポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)を中心として国防総省のDPG草案が作成される。ソ連消滅でアメリカが唯一の超大国になったと認識、アメリカに屈服しきっていない国々を制圧して世界制覇を実現するというプランを作成した。これがいわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンである。
ソ連を消滅させ、ロシアを属国化したアメリカの支配層が中国に目を向けるのは必然。そこで東アジア重視を打ち出し、潜在的なライバルが実際のライバルへ成長することを防ぐために潰そうとする。

そうした潜在的なライバルが出現する可能性がある地域としてヨーロッパ、東アジア、中東、南西アジア、旧ソ連圏が挙げられ、ラテン・アメリカ、オセアニア、サハラ以南のアフリカにもアメリカの利権があるとしている。目的を達成するため、アメリカは単独行動を辞さない、つまり国連を軽視するとも宣言している。


1990年代に入ると有力メディアは戦争熱を煽るが、93年に大統領となったビル・クリントンは戦争を始めない。メディアがターゲットにした国はユーゴスラビアだ。

その扇動に乗らないクリントン大統領はスキャンダル攻勢で苦しめられ、第2期目には戦争へと舵を切る。

その象徴的な出来事が1997年の国務長官交代だった。戦争に消極的なクリストファー・ウォーレンから好戦的なマデリーン・オルブライトへ交代したのだ。オルブライトはヒラリー・クリントンと親しく、ズビグネフ・ブレジンスキーの教え子。オルブライトの教え子の中にはスーザン・ライスも含まれている。なお、コンドリーザ・ライスはオルブライトの父親の教え子だ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801230000/




88. 中川隆[-5850] koaQ7Jey 2018年1月24日 14:37:40: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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2018.01.24
ロシアゲートが作り話だということをFBI幹部が認めている電子メールを米下院司法委員会が入手

2016年のアメリカ大統領選にロシア政府が介入したと同国の民主党や有力メディアは主張してきた。いわゆるロシアゲートだ。その疑惑を調査するとして司法省はロバート・ムラー元FBI長官を特別検察官に任命した。2017年5月17日のことである。

しかし、そうした疑惑が事実ならその証拠を電子情報機関のNSAが持っているはずで、特別検察官を任命するまでもない。FBIはNSAにそのデータを提出するように求めれば良いだけのこと。それができないということはこの疑惑がインチだということを示している。

ムラーのチームに所属していた​ピーター・ストルゾクは同僚のリサ・ペイジと電子メールの遣り取りをしているが、その中でストルゾクは自分自身がドナルド・トランプを嫌っていることを明らかにしている​。2016年8月6日にペイジは「反乱」を促していた。

このふたりがやりとりしていた電子メールのうち、2016年12月14日から17年5月17日までの期間のものが行方不明になっていた。勿論、行方不明になったというストルゾクとペイジの電子メールもNSAはそのコピーを保有している。

ここにきて話題になっているのは​2017年5月19日付けの通信文​。ストルゾクはペイジに対し、ふたりには勝ち目がないと書いている。つまりロシアゲートは作り話だということを認めている。そこで、ストルゾクはムラーのチームに入ることを嫌がっていた。

ストルゾクはヒラリー・クリントンの電子メールに関する捜査も担当していた。2016年7月にWikiLeaksは民主党全国委員会(DNC)を中心に遣り取りされていた電子メールを公表する。その中にはバーニー・サンダースが同党の大統領候補になることを妨害するよう民主党の幹部に求めるものがあり、サンダースの支持者を怒らせることになった。民主党幹部たちが2015年5月26日の時点でヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆する電子メールもある。

民主党の候補者選びが公正でなかったことを示すもので大きな問題なのだが、民主党や有力メディアは「ロシアがハッキングした」という宣伝を始める。これは嘘だが、​その嘘を流し、ロシアとアメリカとの関係悪化を目論んだのはCIA長官だったジョン・ブレナン​だと調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュは語っている。ワシントンDC警察やFBIの報告書を見たとした上で、電子メールをWikiLeaksへ渡したのはDNCのコンピュータ担当スタッフだったセス・リッチだともいう。

WikiLeaksの流した電子メールは外部からのハッキングでなく内部で入手されたと語る専門家がいる。そのひとりがNSAの不正を内部告発したウィリアム・ビニー。NSA史上、最高の分析官のひとりと言われている人物だ。

​民主党がクリントンを候補者に選ぶ方向で動いていたことはDNCの委員長だったドンナ・ブラジルも認めている​。彼女はWikiLeaksが公表した電子メールの内容を確認するために文書類を調査、DNC、ヒラリー勝利基金、アメリカのためのヒラリーという3者の間で結ばれた資金募集に関する合意を示す書類を発見したという。その書類にはヒラリーが民主党のファイナンス、戦略、そして全ての調達資金を管理することが定められていた。その合意は彼女が指名を受ける1年程前の2015年8月になされた。

この問題ではクリントンによる電子メールの扱い方や削除が問題になった。彼女は公務の通信に個人用の電子メールを使い、3万2000件近い電子メールを削除していたのだ。ジェームズ・コミーFBI長官(当時)は彼女が機密情報の取り扱いに関する法規に違反した可能性を指摘、情報を「きわめて軽率(Extremely Careless)」に扱っていたとしていた。

この「きわめて軽率」は元々「非常に怠慢(Grossly Negligent)」だと表現されていたのだが、それをFBIのピーター・ストルゾクが書き換えていた。後者の表現は、罰金、あるいは10年以下の懲役が科せられる行為について使われるという。クリントンが刑務所行きになることを防ぐために書き換えた疑いがもたれている。

​ヒラリー・クリントンの電子メールに関するFBIの捜査を司法省の監察局は2017年1月から調査​、その過程でストルゾクとペイジとの間で交わされた数千件の通信を発見する。2015年8月15日から16年12月1日のもので、そのうち375件が下院司法委員会へ渡された。

行方不明のものは含まれていないが、NSAはコピーを保有している。NSAも支配システムの一部であり、そのシステムを動かしている権力者の意向に沿って活動する。つまり、権力者のプランにとって邪魔な存在を監視、そうした人々を脅す材料を集めることが主な任務であり、権力者にとって都合の悪い情報は隠す。そうしたシステムから情報が漏れてくるのは権力抗争が起こっているときだ。今、アメリカでは支配層の内部で抗争が起こっている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801240002/



89. 中川隆[-5823] koaQ7Jey 2018年1月26日 09:03:06: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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2018.01.25
トランプを大統領の座から引きずり下ろそうとしていた司法省とFBIが一転して窮地に(その1)
FBIの幹部だったピーター・ストルゾクが親しい友人のリサ・ペイジへ出した電子メールが司法省とFBIを揺るがしている。1月23日には上院国土安全保障委員会のロン・ジョンソン委員長が司法省とFBIの幹部が大統領選で当選したドナルド・トランプを引きずり下ろすための秘密会議を開いていたとテレビ番組の中で語っている。

NSA史上最高の分析官のひとりと言われ、NSAの不正を内部告発したことでも知られているウィリアム・ビニーも指摘しているが、司法省やFBIが有力メディアとタッグを組んで進めてきた「ロシアゲート」が事実ならNSAから通信の傍受記録を取り寄せるだけで決着が付く。特別検察官を任命する必要はないということだ。特別検察官を任命したということはロシアゲートがインチキであることを示しているとも言える。いずれにしろ、ロシアゲートが作り話だということは最初から明白だった。

トランプ陣営への攻撃で最初のターゲットは国家安全保障補佐官に内定していたマイケル・フリン中将。この人物は2012年7月から14年8月まで軍の情報機関であるDIA(国防情報局)の局長を務めていた。その間、2012年8月にDIAは「穏健派支援」を進めるバラク・オバマ大統領に対し、​反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団であり、そうした支援を続ければ東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があると警告​している。

その警告は2014年に現実となった。この年の1月にダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)はイラクのファルージャでイスラム首長国の「建国」を宣言、6月にファルージャを制圧したのだ。

その際、トヨタ製の真新しい小型トラックのハイラックスを連ねたパレードを行い、その様子を撮影した写真が配信されたことも有名になったが、そうした行動をアメリカの軍や情報機関はスパイ衛星、偵察機、通信傍受、人から情報を把握していたはず。ハイラックスの車列は格好のターゲットだが、アメリカ側は何もしていない。8月にはジェームズ・フォーリーの首をダーイッシュが切ったとする映像が公開され、ダーイッシュの凶暴さが伝えられた。

その凶暴な武装集団を殲滅するという口実でアメリカは突如、動き始める。配下の国々を引き連れ、2014年9月23日にシリアを攻撃しはじめたのだが、その様子を取材したCNNのアーワ・デイモンは翌朝、​最初の攻撃で破壊されたビルはその15から20日前から蛻の殻​だったと伝えている。ダーイッシュはアメリカがシリアへ軍事侵攻する口実に使われたということだろう。

その後、アル・ヌスラ(アル・カイダ系)やダーイッシュはシリアで勢力を拡大していくが、その理由は連合軍が本気で攻撃していなかったからにほかならない。その後、アル・カイダ系武装集団やダーイッシュは支配地を拡大、アメリカ主導軍はインフラを破壊、住民の犠牲が増えていく。つまり、DIAの警告通りになった。こうした展開の中、2014年8月にフリンDIA局長は解任される。

退役から1年後の2015年8月、フリン中将はアル・ジャジーラの番組へ出演、ダーイッシュの出現が見通されていたにもかかわらず阻止できなかった理由を問われる。それに対し、自分たちの任務は提出される情報の正確さをできるだけ高めることにあり、その情報に基づいて政策を決定するのは大統領の仕事だと答えた。​ダーイッシュの勢力が拡大したのはオバマ政権が決めた政策による​というわけだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801250001/

2018.01.25
トランプを大統領の座から引きずり下ろそうとしていた司法省とFBIが一転して窮地に(その2)

アメリカとダーイッシュとの関係を指摘した人物はマイケル・フリン中将以外にもいる。例えば、空軍の​トーマス・マッキナニー​中将は2014年9月、アメリカがダーイッシュを作る手助けしたとテレビで語った。また​マーティン・デンプシー​統合参謀本部議長(当時)はアラブの主要同盟国がダーイッシュに資金を提供していると議会で発言、10月には​ジョー・バイデン​米副大統領がハーバーバード大学で中東におけるアメリカの主要な同盟国がダーイッシュの背後にいると語っている。2015年には​ウェズリー・クラーク​元欧州連合軍最高司令官もアメリカの友好国と同盟国がダーイッシュを作り上げたと述べた。

ダーイッシュはアル・カイダ系武装集団から派生したのだが、その​アル・カイダとはロビン・クック元英外相が指摘したように、CIAから軍事訓練を受けた「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイル​。こうした訓練は1970年代の終盤にジミー・カーター政権の大統領補佐官だったズビグネフ・ブレジンスキーが考えた戦略に基づいて始められた。

CIAをはじめとするアメリカの好戦派とアル・カイダ系武装集団/ダーイッシュの関係をフリンは熟知、しかも背後にはDIAが存在している。こうした人物が国家安全保障補佐官に就任することは侵略戦争を推進している勢力にとって余りにもリスクが大きい。そうしたことから最初にフリンがターゲットになったのだろう。

こうした攻撃を続けてきた反トランプ陣営は現在、逆襲されている。タイミング的には、トランプ大統領が12月6日にエルサレムをイスラエルの首都だと認め、アメリカ大使館をそのエルサレムに建設する方針を示してからだ。

この決定を撤回するべきだとする決議案が国連総会で12月21日に賛成128カ国、反対9カ国、棄権35カ国で採択されているが、アメリカの状況は全く違う。この国には「1995年エルサレム大使館法」という法律があり、エルサレムをイスラエルの首都だと承認し、99年5月31日までにエルサレムにアメリカ大使館を設置すべきだとしている。

しかも、昨年(2017年)6月5日に上院はその法律を再確認する決議を賛成90、棄権10で採択している。アメリカとはそういう国であり、パレスチナ問題を公正な立場で仲裁することなど不可能な立場にある。エルサレムをめぐる問題の責任をトランプ個人に負わせるのは正しくない。

イスラエルのロビー団体であるAIPACがアメリカで大きな影響力を持っていることは広く知られている。有力メディアに大統領候補として取り上げられていたトランプ、ヒラリー・クリントン、バーニー・サンダースのうち、トランプとクリントンはAIPACの会合でイスラエルを支持している。サンダースはこの団体の招待を断ったが、エルサレムをイスラエルの首都だと承認し、アメリカ大使館を設置すべきだとする法律を再確認する決議には賛成している。

一般にユダヤ系富豪からの寄付はクリントンが多かったと言われているが、トランプも多い。タイムズ・オブ・イスラエル紙によると、​クリントンの高額寄付者の上位5位まではユダヤ系、トランプの場合は上位2位までがユダヤ系​で、トランプもイスラエルの影響を受けていると言える。

クリントンの上位5位までの寄付者は、ドナルド・サスマン(2080万ドル)、JBとマリー・カトリン・プリッツカー(1500万ドル)、ハイムとチェリル・サバン(1250万ドル)、ジョージ・ソロス(1180万ドル)、そしてS・ダニエル・エイブラハム(960万ドル)で、いずれもユダヤ系。そのほかフィルムメーカーのスティーブン・スピルバーグ、ファッション・デザイナーのラルフ・ローレン、Facebookのダスティン・モスコビッツなども高額寄付者だ。それに対し、トランプに対する最大の寄付者はカジノ経営者のシェルドン・アデルソン。第2位はロシア系ユダヤ移民の息子であるバーナード・マーカスである。

アデルソンは日本でカジノを経営させろと要求している人物だが、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と親しいことでも知られている。ネタニヤフの友人のひとり、チャールズ・クシュナーはトランプとビジネス上のつながりがあり、その息子であるジャレド・クシュナーの結婚相手はトランプの娘イワンカであり、サウジアラビアのモハマド・ビン・サルマン皇太子とも親しい。勿論、この人脈はエルサレムをイスラエルの首都とすることに賛成だ。

ネタニヤフの父であるベンシオンはウラジミル・ジャボチンスキーの秘書だった人物。ジャボチンスキーは大イスラエルを主張する修正シオニストの祖であり、ハガナ(後のイスラエル軍)を創設した人物でもある。この一派は軍だけでなく情報機関とも関係が深いのだが、イスラエルの電子情報機関8200部隊はアメリカの情報機関とも深く関係、NSAが集めた情報も入手できると言われている。ストルゾクからペイジへの電子メールだけでなく、ヒラリー・クリントンの通信も把握しているだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801250002/


2018.01.26
トランプを大統領の座から引きずり下ろそうとしていた司法省とFBIが一転して窮地に(その3)

ドナルド・トランプもヒラリー・クリントンも親イスラエル派であることに変わりはないが、背景の色合いは違う。トランプがウラジミル・ジャボチンスキーからベンヤミン・ネタニヤフ首相につながる流れであるのに対し、クリントンにはジョージ・ソロスやリン・フォレスター・ド・ロスチャイルドのように著名な富豪がついている。上院議員時代からクリントンはロッキード・マーチンのような戦争ビジネスの代弁者としても知られ、大統領選ではマイク・モレル元CIA副長官も公然と支援していた。

モレルは2016年8月8日、テレビのインタビューでロシア人とイラン人に代償を払わせるべきだと語り、司会者からロシア人とイラン人を殺すと言うことかと問われるとその通りだと答えている。その後、同年11月にアメリカの領事館で副領事の死体が発見され、12月にはアンカラでトルコ駐在大使が射殺され、ロシア外務省ラテン・アメリカ局の幹部がモスクワの自宅でやはり射殺されている。翌年1月になるとギリシャでロシア領事が死亡し、インド駐在大使が心臓発作で死亡した。2月には国連大使が急死、心臓発作だと言われている。外交官ではないが、2015年11月にはロシアの放送局RTを創設した人物がワシントンDCで死亡、16年12月にはKGB/FSBの元幹部の死体が自家用車内で発見された。また、2016年9月にはウラジミル・プーチンの公用車がモスクワで暴走車に激突され、大統領専属の運転手が死亡している。

モレルが言うところの代償とは、アメリカの中東支配戦略をロシアが崩壊させ、そのロシアにイランが協力したことに対する償いを意味している。本ブログでは何度も指摘していることだが、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟を中心とする勢力はリビアやシリアの自立した体制を倒すため、サラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心にした傭兵部隊を送り込んだ。

これは1970年代の終盤、ジミー・カーター政権で大統領補佐官を務めたズビグネフ・ブレジンスキーの戦術を踏襲したもの。ブレジンスキーはイスラム武装勢力を編成し、ソ連をアフガニスタンへ誘い込んで戦わせるという計画を立て、そうした秘密工作をカーター大統領は1979年7月に承認している。

その2カ月後、アメリカに留学、コロンビア大学などで学んだ経験のあるハフィズラ・アミンがモハメド・タラキ首相を暗殺して実権を握るが、クーデターの直前にアミンが首都のカブールでCIAの工作員と会っていたとする説も流れている。

アミンが最初にコロンビア大学へ入ったのは1957年。一旦アフガニスタンへ戻った後、1962年には博士号を取得するため、同大学の大学院で学び始めている。ブレジンスキーがコロンビア大学で教鞭を執り始めたのは1959年のことだ。

ブレジンスキーの思惑通り、ソ連の機甲部隊がアフガニスタンへ軍事侵攻したのは1979年12月のこと。アミンは暗殺され、バブラク・カルマルが新たな大統領になる。

1979年7月上旬にエルサレムで「国際テロリズム」に関する会議が開かれている。参加したのはアメリカとイスラエルで情報機関に関係していた人々。イスラエル側からは軍の情報機関で長官を務めた4名を含む多くの軍や情報機関の関係者、アメリカからの参加者にはジョージ・H・W・ブッシュ元CIA長官(後の大統領)やレイ・クライン元CIA副長官が含まれていた。会議の参加者は「テロの黒幕」はソ連だと主張、そこから反ソ連キャンペーンが始まる。

本ブログでは繰り返し書いてきたが、この当時、アフガニスタンでCIAはイスラエルやサウジアラビアのほか、パキスタンなどの協力を受けて傭兵部隊を組織している。CIAの訓練を受けた戦闘員の登録リストがアル・カイダ。アメリカやイスラエルはソ連を「テロの黒幕」だと宣伝する一方、テロリストを養成していたわけだ。

なお、エルサレムでの会議を主催した「ヨナタン研究所」はベンシオン・ネタニヤフによって創設されたシンクタンク。名称のヨナタンはベンシオンの息子、ベンヤミンの兄にあたるヨナタン・ネタニヤフに由来する。ヨナタンは1976年にウガンダのエンテベを襲撃したイスラエルの部隊を率いていた人物で、そのときに死亡している。

ヒラリー・クリントンを支える人脈にはブッシュ一族もつながっているが、その一族のひとりであるジョージ・H・W・ブッシュがネタニヤフと関係の深いシンクタンクが主催した会議に参加していた。両グループは1980年代にイラクのサダム・フセインをめぐって対立するような時もあるが、手を組む時もあるわけだ。同床異夢とも言えるだろう。

トランプは逆襲に転じる過程で政策を変更している。エルサレムをイスラエルの首都だと認めたのは周辺の人脈を見れば必然であり、これはアメリカ政界の総意でもある。大統領選の際にはロシアとの関係修復を訴えていたが、それは影を潜め、ウォルフォウィッツ・ドクトリンに基づく世界制覇プランに従っているように見える。アメリカの巨大資本との関係を改善しようとすれば、TPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)の復活もありえるだろう。

ドルが基軸通貨の地位から陥落すればアメリカ中心の支配システムは崩壊、その後の世界は多極化するか巨大資本が国家を支配するシステムになるかだと見られている。後者はファシズムと言い換えることもできるが、そのためにはTPP、TTIP、TiSAを成立させ、ISDS条項によって巨大企業のカネ儲けを阻むような法律や規制を政府や議会が作れないようなシステムを築く必要がある。そうなれば健康、労働、環境など人びとの健康や生活を守ることは困難。すべて巨大資本の「御慈悲」にすがるしかない。

多極化を推進しているのはロシアや中国を中心とする勢力で、巨大資本はロシアや中国を屈服させるか破壊するしかない。これはクリントン陣営の政策でもあり、だからこそトランプのロシアとの関係修復を激しく攻撃したのだ。その点でトランプは妥協した可能性がある。(了)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801260000/





90. 中川隆[-5801] koaQ7Jey 2018年1月27日 00:46:48: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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2018.01.26
破滅への道から抜け出せないアメリカとその巻き添えになる世界の悲劇(その1:投票操作)
アメリカでは2000年の大統領選挙で投票操作が指摘されている。例えば、勝利者を最終的に決めたフロリダ州での投票では怪しげなブラック・リストの存在や正体不明の「選挙監視員」による投票妨害があった。有権者に関する怪しげなブラックリストが作られ、正体不明の「選挙監視員」が徘徊、投票を妨害する行為があった。旧式の機械やバタフライ型投票用紙で投票が正確にカウントされていない可能性が指摘され、出口調査と公式発表との差も疑惑を呼んだ。ジョージ・W・ブッシュ候補の当選を確定させたのは、12月に連邦最高裁が出した判決によってである。

2016年の大統領選挙でも事前に投票マシーンへの信頼度が揺らいでいた。2000年の選挙でブッシュを担いでいた勢力の中心にはネオコンがいたが、今回の占拠で彼らはヒラリー・クリントンの周辺に集まっていた。2015年6月の段階でクリントンを勝たせることが内定したとする噂が流れたが、その理由は​同月の11日から14日かけてオーストリアで開かれたビルダーバーグ・グループの会合​にジム・メッシナというヒラリー・クリントンの旧友が出席していたからだ。ビルダーバーグ・グループについて本ブログでは何度か説明しているので今回は触れないが、欧米支配層が築いているネットワークを構成する機関のひとつだとは指摘しておく。

こうしたことから、大統領選の前からクリントンを当選させるために投票数が操作されるのではないかと噂された。投票のコンピュータ化が進んだことから操作は2000年より簡単になっていたことは事実で、DESI(ダイボルド・エレクション・システムズ/現在の社名はプレミア・エレクション・ソリューションズ)の機械が実際の投票数と違う数字を集計結果として表示することを大学などの研究者が指摘されている。ハート・インターシビックという会社とミット・ロムニー家との関係も明らかにされた。(例えば、​ココ​、ココ、ココ、ココ)

2016年にはWikiLeaksがヒラリー・クリントンらの電子メールを公表、その中にはバーニー・サンダースが同党の大統領候補になることを妨害するよう民主党の幹部に求めるものがあり、サンダースの支持者を怒らせることになった。民主党幹部たちが2015年5月26日の時点でヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆する電子メールもある。

民主党がクリントンを候補者に選ぶ方向で動いていたことはDNCの委員長だったドンナ・ブラジルも認めている。彼女はWikiLeaksが公表した電子メールの内容を確認するために文書類を調査、DNC、ヒラリー勝利基金、アメリカのためのヒラリーという3者の間で結ばれた資金募集に関する合意を示す書類を発見したという。その書類にはヒラリーが民主党のファイナンス、戦略、そして全ての調達資金を管理することが定められていた。その合意は彼女が指名を受ける1年程前の2015年8月になされた。

こうしたクリントンを当選させる流れに変化が生じていることを暗示するような出来事があり、話題になっている。2016年2月10日にヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問し、ウラジミル・プーチン露大統領と会談して22日にはシリアで停戦の合意が成立したのだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801260001/


2018.01.27
破滅への道から抜け出せないアメリカとその巻き添えになる世界の悲劇(その2:シリア侵略)


2011年3月からアメリカ、イスラエル、サウジアラビアぼ三国同盟を中心とする勢力がシリアへの侵略戦争を始めたことは本ブログで何度も指摘してきた。2003年3月のイラク、2011年2月のリビアに続く侵略で、サラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とする傭兵部隊がその先陣を切った。そうした傭兵の登録リストがアル・カイダだということも本ブログでは繰り返し書いてきた。

当初、アメリカを中心とする西側の政府や有力メディアは「独裁者による民主化運動の弾圧」という構図で宣伝したが、宣伝の裏側が明らかになって説得力をなくす。2012年には住民虐殺が伝えられ、西側はシリア政府の責任を押しつけるが、実際はサラフィ主義者など外国人傭兵だということが判明する。現地を調査した東方カトリックのフランス人司教もその事実をローマ教皇庁の通信社を通じて報告している。

「​もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。​」とその司教は書いている。

これは現在でも通用する話。​2012年8月にはアメリカ軍の情報機関DIAがシリアで政府軍と戦っている戦闘集団について、その中心はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQI(DIAはアル・ヌスラと実態は同じだとしている)だと指摘​した。バラク・オバマ大統領が言う「穏健派」は事実上、存在しないということだ。オバマ政権が進める政策は東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国を作ることになるとも警告していた。この当時のDIA局長がマイケル・フリン中将だ。

その警告は2014年にダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の台頭という形で現実になる。1月にファルージャで彼らは「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にはモスルを制圧している。その際にトヨタ製の真新しい小型トラックのハイラックスを連ねた「パレード」を行い、その様子を撮影した写真が配信されたことも有名になったが、パレードを含め、ダーイッシュの行動をアメリカの軍や情報機関はスパイ衛星、偵察機、通信傍受、人から情報を把握していたはず。ところが静観していた。

その間、オバマ政権の中でフリンはダーイッシュ派を使っているグループと対立、2014年8月にDIA局長を辞めさせられている。退役後、この問題を​アル・ジャジーラの番組で問われたフリン中将は、ダーイッシュの勢力が拡大したのはオバマ政権が決めた政策によると語っている​。

売り出されたダーイッシュは人質の首を切り落とすパフォーマンスをするなど残虐さを前面に出し、そのダーイッシュと戦うと称してシリア政府の承諾を得ないまま空爆を始める。その空爆のターゲットがダーイッシュやアル・カイダ系武装集団出なかったことも本ブログでは書いてきた。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801270000/





91. 中川隆[-5759] koaQ7Jey 2018年1月31日 09:43:48: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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2018.01.31
マッケイブFBI副長官の辞任はFISAメモを読んだレイFBI長官の意向だという情報が流れている

アンドリュー・マッケイブFBI副長官が辞任したと報道されている。この人物は2015年7月、FBIワシントン支局の支局長だったときにヒラリー・クリントンの電子メールに関する捜査を担当、2016年2月からFBI副長官を務めている。2017年5月から8月までは長官代理だった。ジャーナリストのサラ・カーターによると、クリストファー・レイFBI長官は4ページのFISA(外国情報監視法)メモを読んでショックを受け、マッケイブに辞任を求めたという。マッケイブは司法省監察局の調査対象になっているとも伝えられている。

クリントンの電子メールに関する捜査を始める4カ月前、アンドリュー・マッケイブの妻であるジル・マッケイブはバージニア州上院議員選挙への出馬を表明、選挙資金として67万5000ドルをバージニア州のテリー・マコーリフ知事から受け取っている。同知事は1996年にビル・クリントン再選委員会の委員長、2001年から5年まではDNC(民主党全国委員会)の委員長を務めている。こうした関係がある以上、マッケイブはクリントンの電子メールに関する捜査の責任者として不適切だと言える。

ところで、FISAメモの存在を広めたのはロン・ジョンソン上院議員。国土安全保障政府活動委員会の委員長を務め、FBI幹部のピーター・ストルゾクが同僚のリサ・ペイジへ送った電子メールの文章を読み、その内容にあきれたとしている。ロシア政府が2016年のアメリカ大統領選挙に介入したという話は根拠がないことを認めているのだという。

このメモが公表されれば、ドナルド・トランプ大統領に対する民主党や有力メディアは大きなダメージを受ける。ロシアゲート騒動が収まるだけでなく、FBIの幹部は権力の乱用で責任を追及されることになる可能性が高い。が、今のところ共和党は公表する動きを見せていない。民主党のサーバーをロシアがハッキングしたという嘘を同党や有力メディアは広めてきたが、​こうした嘘でロシアとアメリカとの関係悪化を目論んだのはCIA長官だったジョン・ブレナン​だと調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュは語っている。

WikiLeaksの流した電子メールは外部からのハッキングでなく内部で入手されたと語る専門家がいる。そのひとりがNSA史上最高の分析官のひとりと言われている内部告発者のウィリアム・ビニーだ。

民主党がクリントンを候補者に選ぶ方向で動いていたことは​DNCの委員長だったドンナ・ブラジル​も認めている。彼女はWikiLeaksが公表した電子メールの内容を確認するために文書類を調査、DNC、ヒラリー勝利基金、アメリカのためのヒラリーという3者の間で結ばれた資金募集に関する合意を示す書類を発見したという。

FISAメモの中身が伝えられている通りなら、責任を問われるのはマッケイブやのストルゾクに留まらず、CIAへも飛び火するだろう。アメリカ支配層を支える重要な柱である治安機関や情報機関を揺るがすことになる。議員に対する脅しもあるだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801310000/



92. 中川隆[-5733] koaQ7Jey 2018年2月02日 16:56:42: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

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アメリカでは大統領選の前年、2015年の6月にはヒラリー・クリントンが次期大統領だとする噂が流れましたが、実際にはドナルド・トランプが選ばれています。それに対し、民主党やアメリカの有力メディアはロシアのウラジミル・プーチン大統領がトランプを勝たせるために大統領選挙へ介入したと根拠なしに主張、2017年3月には下院情報委員会でアダム・シッフ議員がこの問題に関する声明を発表、5月にはロバート・ムラー元FBI長官が特別検察官に任命されてトランプを追い詰める動きが本格化します。
ところが、ここにきてムラー、司法省、FBIの不正行為を指摘する情報が流れはじめました。2015年7月にFBIがクリントンの電子メールに関する捜査を始めた際、その責任者になったのはFBIワシントン支局のアンディ・マッケイブ支局長でしたが、この人物がクリントンと関係の深いバージニア州知事とつながっていることが明らかにされます。

この知事は1996年にビル・クリントン再選委員会の委員長を務め、2001年から05年にかけては民主党全国委員会の委員長、そして08年にはヒラリー・クリントンの選挙キャンペーンにも参加しているのですが、この人物からアンディの妻、ジルへ州上院議員選挙のための資金67万5000ドルが渡っていたのです。

2017年1月に司法長官代理を務めたサリー・イェーツはトランプの政策に反対、その発言をムラーの側近として知られるアンドリュー・ワイツマンは電子メールで賞賛していました。トランプ大統領が国家安全保障補佐官に選んだマイケル・フリン中将を罠にかけ、不正な行為をしていないにもかかわらず、形式的な偽証をさせています。

シッフ下院議員の声明はクリストファー・スティールという元MI6(イギリスの対外情報機関)オフィサーが作成した報告書に基づいていますが、その情報の信頼度が低いことはスティールも認めています。そのスティールを雇ったのはフュージョンGPSという会社で、この会社を雇ったのはクリントンの選挙キャンペーンと民主党全国委員会の顧問弁護士を務めるマーク・エリアスでした。

スティールの前にフュージョンは同じ仕事をネリー・オーに依頼しています。この人物はCIAの仕事をした経験があるうえ、その夫は司法省幹部のブルース・オーでした。2016年の大統領選挙が終わって間もなく、ブルースはスティールやフュージョンのグレン・シンプソンと会っていますが、投票前の10月にFBIのチームがスティールと会うため、ヨーロッパへ出向いたとされています。

ここにきて注目されているのは、デビン・ニューネス下院情報委員会委員長のスタッフが作成した4ページの調査結果に関するメモ。政治的な目的、あるいは怪しげな情報に基づいてFISA(外国情報監視法)の令状を取っている可能性があると指摘しているようです。

遅くとも2015年6月にクリントンは次期大統領に選ばれたと見られていますが、実際はトランプが勝ちました。途中で流れが変化したのです。ビルダーバーグ・グループと深い関係にあるヘンリー・キッシンジャーが2016年2月10日にロシアを訪問、ウラジミル・プーチン露大統領と会談したのを見て流れの変化を感じた人は少なくありませんでした。

2015年にバラク・オバマ大統領は戦争へ向かって舵を切った可能性があります。シリアの反政府軍に穏健派はいないとした上、ダーイッシュ的な勢力の出現を警告していたフリンはダーイッシュが売り出された2014年の8月にDIA局長を解任されていますが、2015年2月に国防長官がチャック・ヘイゲルからアシュトン・カーター、統合参謀本部議長がマーティン・デンプシーからジョセフ・ダンフォードへ交代になっています。シリアとの戦争に消極的なふたりが好戦派のふたりに替わったのです。

デンプシーが退任した3日後、プーチン露大統領は国連で演説しています。演説、暴力、貧困、そして社会的惨事を招き、人権を気にかけず、うぬぼれや自分は特別で何をしても許されるという信念に基づく政策が推進されていると批判したのですが、その言葉が向けられた相手はアメリカでした。その2日後、ロシア軍はシリア政府の要請に基づいてアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュに対する空爆を開始、カスピ海の艦船から26基の巡航ミサイルを発射、約1500キロメートル離れた場所にあるターゲットに2.5メートル以内の誤差で全て命中させています。アメリカに対し、戦争を始めるとどうなるかを示したと言えるでしょう。

この時期を考えると、このロシア軍による攻撃がアメリカ支配層の内部に影響を及ぼし、クリントンを次期大統領にするという流れを変えた可能性があります。この見方が正しいならば、ロシアはアメリカの大統領選挙に介入したと言えるでしょうが、これは中東における破壊と殺戮を広げないことが目的です。だからこそ、戦乱を広げたいと考えていた人たちは怒りました。

アメリカ支配層の内部抗争と国際情勢は密接に結びついています。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201802020000/



93. 中川隆[-10487] koaQ7Jey 2018年4月19日 09:58:46: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-11248]

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クリントン夫妻の友人47人が不可解な死を遂げていた! 自殺から飛行機事故、銃撃まで…!2016.06.08
http://tocana.jp/i/2016/06/post_9975_entry.html


 夫は第42代米国大統領ビル・クリントンで、自身も米国初の女性大統領を狙うヒラリー・クリントン。昨今、彼女の名前をメディアで見聞きしない日はない。しかしビルとヒラリーの周囲には、どす黒い疑惑が渦巻いていた――!?

 クリントン夫妻の周りに「不自然な死」が多いことをご存じだろうか? 実は最近になって、複数の海外メディアがこの疑惑を報じていて、その数何と47人。「クリントン夫妻の友人たちは、変な死に方をする癖をお持ちのようだ」と皮肉られている。その中でも特に有名な10人を紹介したい。


■ジェームス・マクドゥガル:1998年/心臓発作

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「Before it's News」の記事より

 マクドゥガルはアーカンソー時代、クリントン夫妻の不動産ビジネスのパートナーであった。しかしこのビジネスには不正があり、後に社名を取って「ホワイトウォーター疑惑」と呼ばれるようになった。マクドゥガルはこの不正を訴追され、3年半の懲役刑を受けて服役中に持病の心臓発作を起こした。彼が発作を起こした時、除細動器が刑務所に常設されていたが使用されず、時間のかかる遠方の福祉病院に運ばれた。彼はクリントン夫妻を訴追しようとしたスター検察官側の最重要証人として裁判に出廷予定であったが、彼の死により訴追は困難となった。


■メアリー・マホニー:1997年/射殺

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「Before it's News」の記事より

 マホニー(当時25歳)はホワイトハウスの元インターン。彼女はビル・クリントンを罷免しようとするスター検察官の証人として、ホワイトハウスで受けた性的嫌がらせを証言する予定であった。

 マホニーは当時スターバックスで副店長として働いていたが、閉店直後に同僚2人と共に「処刑スタイル」で何者かに銃で殺害された。店には4000ドル(約44万円)もの現金が残され、何ひとつ盗まれていなかった。出入り口の鍵はきちんとしまっており、無理やり押し入った形跡もなかった。銃には消音装置が付けられていたらしく、人通りの多い場所にもかかわらず音や叫び声を聞いた者もいなかった。

■ヴィンス・フォスター:1993年/ピストル自殺

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「Before it's News」の記事より

 フォスターはアーカンソー州出身でビル・クリントンの幼なじみ。弁護士として勤務したローズ法律事務所でヒラリーと同僚になり、ビルの大統領就任に際して次席法律顧問に招かれた。ヒラリーのさまざまな疑惑処理に関わっていたフォスターは議会で追及され、ヒラリーに不利な証言を行う予定であったが、1993年7月公園でピストル自殺を遂げた。

 彼は奇妙なメモ、「ホワイトウォーターは“ウジ(worms)”の詰まった缶であり、絶対に開けてはならない」と書き残した。またメディアは、目撃者が現場でピストルを見ていないこと、フォスターの受信記録など関連資料が全て消されていたこと、ヒラリーがフォスターのオフィスにある文書類を廃棄するよう命じたことを疑惑として報じている。検視官も退官後、「自殺と考えるには疑問点が多かった」と語っている。


■ロン・ブラウン:1996年/飛行機事故

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「Before it's News」の記事より

 ブラウンはクリントン大統領の下で商務長官を務めていた。彼が空軍機でクロアチアに向かう最中、飛行機が航路を誤り山に衝突し死亡した。当時ブラウンは、クリントン大統領と共に巨大コングロマリットのエンロン社との不正取引を疑われていた。事故前にブラウンは「検察と取引することを決心した」と話しており、またCIAが反対する政策を推し進めることによって、CIAとも敵対していた。彼はクリントン政権にとって影の部分を「知り過ぎた男」であった。

 ブラウンの遺体は綿密に調べられたが、病理医は銃弾による傷に似た穴が頭蓋骨にあったと報告している。また調査によれば事故前に、飛行機のナビゲーション機器が空港から盗まれており、パイロットが偽の機器を使い意図的にコースオフして事故を起こしたという推測を呼び起こした。そして事故の3日後、ナビゲーション機器の取り扱い責任者が空港で頭を撃ち死亡した。これは「自殺」として処理され、事故調査官は彼への訊問の機会を永久に失った。


■ビクター・レイザー・U:1992年/飛行機事故

 ビクター・レイザー・Uとその22歳の息子、モンゴメリー・レイザーはビル・クリントンの資金調達組織の中心メンバーであったが、アラスカで自家用機が墜落し死亡した。


■ポール・タリー:1992年/病死

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「Before it's News」の記事より

 米民主党全国委員会会長、かつビル・クリントンの優れた戦略ディレクターであったタリーは、アーカンソー州のホテルで死体となり発見された。彼の死因は、48歳という若さにもかかわらず心臓発作であった。


■エド・ウィリー:1993年/ピストル自殺

 ウィリーもビル・クリントンの資金調達組織のメンバーであったが、バージニアの森で頭を撃ち死亡した。警察はこれを自殺と発表。しかしウィリーの妻であるキャスリーンはインタビューで、クリントン夫妻が夫の死に関係していると思うかと聞かれ、「明らかな疑いを持っています」と答えている。

 ウィリーは大統領選挙戦の最中、現金の詰まったブリーフケースを持ち歩いており、それは「不正な」金だった疑いが濃い。さらにウィリーは左利きなのに、検視報告書では右手を使い引き金を引いたことになっていた。これは前述のフォスターの「自殺」時にも見られた奇妙な現象である。


■ジェリー・パークス:1993年/射殺

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「Before it's News」の記事より

 パークスはビル・クリントンのセキュリティ・チームの責任者であった。パークスはヴィンス・フォスターが「自殺」したニュースを聞いた時に、真っ青になって「私も死んだ人間だ」とつぶやき、その後彼は何かに怯え銃を常に携帯していた。そしてビル・クリントンと彼の周りの人々は「家の大掃除中」で、リストの次は自分だと話していたという。

 93年、彼はリトルロックの交差点を運転中に銃撃を受けた。彼を射撃した2人組は非常に落ち着いた様子で彼を射殺し、闇に消えた。彼の息子は父親がビル・クリントンに関する書類を集めており、その情報を公にすると脅していたと話した。そしてその書類は彼の死後、家から忽然と消えていた。


■ジェイムス・バンチ:不明年/ピストル自殺

 バンチはヴィンス・フォスターと全く同じ状況でピストルを使い自殺した。彼はテキサス州とアーカンソー州の売春組織を訪れた影響力のある人々の名前を書いた「ブラック ブック」を持っており、その中にはビル・クリントンの名前があったと噂された。その「ブラック ブック」は数人が現物を見たにもかかわらず、彼の死後紛失した。彼の死は何故か数年間は公表されなかった。


■ジョン・ウィルソン:1993年/首つり自殺

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「Before it's News」の記事より

 ワシントン評議会元メンバーのウィルソンは、1993年に自宅で首つり自殺をした。ウィルソンは、いわゆる「ホワイトウォーター疑惑」と呼ばれるクリントン夫妻と自殺したマクドゥガルの不動産取引に関して、情報を持っていると主張していたという。ウィルソンはワシントンで20年の経験を持つベテラン政治家で、彼の自殺は人々に衝撃を与えた。


 この他にもクリントンの4人のボディガードをはじめ、多くの人間が1993年から数年間に「自殺」、「飛行機事故」、「自動車事故」、「銃撃(犯人不詳)」によって死亡している。特にホワイトウォーター疑惑に関しては、少なくとも3人が「自殺」している。これらの人々の死は、偶然にしてはあまりにもタイミングがよく、また人数が多すぎる。真相解明がなされる日は、果たして来るのだろうか。
(文=三橋ココ)

参考:「Before it's News」、「Snopes.com」、「The Patriot Post」ほか




94. 中川隆[-13793] koaQ7Jey 2018年8月03日 10:39:37: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-17518]

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2018.08.03 米露首脳会談
 この会談に何らかの成果を期待することはできないと開催前に言われていました。実際、何らかの重要な合意に達することはなかったのですが、プーチン露大統領はショッキングなことを口にしました。2016年のアメリカ大統領選挙で、ロシアで指名手配になっている人物から4億ドルの献金がヒラリー・クリントン陣営へあったと明言したのです。


 その直後、タス通信は4億ドルでなく40万ドルだったと「訂正」しました。勿論、プーチンが言い間違えた可能性はありますが、百戦錬磨の政治家がこれほど重要な数字を間違える確率は小さいのではないでしょうか?


 その献金を出した人物としてウィリアム・ブラウダーという人物の名前が挙がっています。シカゴでアメリカ人として生まれ、ボリス・エリツィン時代にロシアで巨万の富を築いた人物で、一種のオリガルヒです。


 エリツィン時代のロシアでは腐敗したクレムリンの住人と組んだ一部の人々が国民の資産を略奪して巨万の富を築いています。勿論、その背後にいた西側の富豪たちも大儲けしました。ソ連消滅からエリツィン時代まで腐敗の中心にいたのがCIAとKGBの大物たちだったとも言われています。


 ソ連が消滅する直前、ゴスバンク(旧ソ連の国立中央銀行)に保管されている金塊2000トンから3000トンが400トンに減っていると発表されましたが、これはそうした米露の腐敗勢力が盗んだ可能性が高く、その勢力の中にブラウダーも含まれていたと考えられています。


 ブラウダーも金塊の処分に加担しただけでなく、個人的に脱税していたと見られています。そのブラウダーの会計責任者でマネーロンダリングを行っていた疑いが濃厚な人物がセルゲイ・マグニツキー。心臓が悪く、ロシア当局の取調を受けている最中に死亡しました。それを根拠にアメリカでは反ロシア法(マグニツキー法)を成立させたのですが、もしマグニツキーがマネーロンダリングの実態を証言したなら、アメリカだけでなくロシアも大騒動になり、ロシアの「第五列」が壊滅する可能性もあったでしょう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201808030000/




95. 中川隆[-13360] koaQ7Jey 2018年10月14日 10:19:15: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19189] 報告
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2018.10.14
アメリカの軍事基地化するギリシャはイスラエルの天然ガス利権の真ん中に
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201810140000/

 ギリシャのアレクシス・チプラス政権は自国をアメリカの軍事的な属国にしようとしている。すでにアメリカやイスラエルとEMA(東地中海同盟)を結び、今年(2018年)春からギリシャのラリサ空軍基地はアメリカ軍のUAV(無人機)、MQ-9リーパー(死に神。プレデターBとも呼ばれる)の拠点として運用されているが、カルパトス島にアメリカ軍とギリシャ軍の基地を建設、アメリカ軍のF22戦闘機の拠点にしようと計画しているという。この島はエーゲ海のデデカネス諸島に属し、ロードス島とクレタ島の中間にある。


 軍事的なつながりだけでなく、チプラス政権はギリシャの東北部、トルコとの国境に近いアレクサンドルポリをイスラエルから天然ガスを運ぶためのハブ基地にしようと目論んでいるようだ。


 イスラエルの沖で天然ガス田に関する調査が始まったのは2001年。その8年後には地中海の東側、リビア、エジプト、パレスチナ(ガザ)、イスラエル、レバノン、シリア、トルコ、ギリシャを含む地域に天然ガス田が発見された。


 この調査に関わった会社のひとつがノーブル・エナジーで、ビル・クリントン元米大統領は同社のロビイストだった。2016年の大統領選挙でこの会社はヒラリー・クリントンに多額の寄付をしていたとされている。


 ノーブル・エナジーは2010年、イスラエル北部で推定埋蔵量約4500億立方メートルの大規模ガス田を発見したと発表したが、USGS(アメリカ地質調査所)の推定によると、エジプトからギリシャにかけての海域には9兆8000億立方メートルの天然ガスと34億バーレルの原油が眠っている。


 ヒラリー・クリントンをジョージ・ソロスが操っていることは2016年に漏れた電子メールで明らかになったが、そのソロスはロスチャイルド金融資本と結びついている。イギリスのロスチャイルドを率いているジェイコブ・ロスチャイルドが戦略顧問として名を連ねている会社、ジェニー社は、イスラエルが不法占拠しているシリア領のゴラン高原で石油開発を目論んでいることも知られている。


 こうしたことを念頭において、ギリシャの出来事を振り返ってみよう。第2次世界大戦や軍事クーデターで破壊されたギリシャだが、地獄への門を通ったのは2001年。通貨をドラクマからユーロへ切り替えたのだ。


 こうしたことはギリシャの財政状況から本来はできないことだったが、その道へ誘い込んだのが。ゴールドマン・サックス。財政状況の悪さを隠す手法をギリシャ政府に教え、債務を膨らませたのだ。CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)などを使い、国民に事態を隠しながら借金を急増させ、投機集団からカネを受け取る代償として公共部門の収入を差し出すということが行われていたという。借金漬けにした後、「格付け会社」がギリシャ国債の格付けを引き下げて混乱は始まった。ヤミ金の手口にほかならない。


 そうした操作が続けられていたであろう2002年から05年にかけてゴールドマン・サックスの副会長を務めていたマリオ・ドラギは06年にイタリア銀行総裁、そして11年にはECB(欧州中央銀行)総裁に就任する。ECBが欧州委員会やIMFと組織する「トロイカ」がギリシャへの「支援』内容を決めてきた。


 その「支援」とは危機の尻拭いを庶民に押しつけ、債権者、つまり欧米の巨大金融資本を助けるというもの。緊縮財政だ。


 ギリシャに対するESM(欧州安定メカニズム)の第3次金融支援が終了し、8年間におよぶ支援を脱却したのだと報道されたが、予定通り進んでも債務の返済にはあと半世紀は必要だとされている。


 「支援」の過程で経済は4分の1に縮小、若者や専門技術を持つ人びとを中心に約40万人のギリシャ人が国外へ移住、メンテナンスを放棄したことからインフラを含む700億ユーロ相当の資産が失われた。ギリシャ危機が終わったのではなく、ギリシャという国が終わったのだと言う人は少なくない。


 西側支配層が目論んでいることを理解していたギリシャ人は「支援」を拒否、2015年1月に行われた総選挙では反緊縮を公約に掲げたシリザ(急進左翼進歩連合)に勝たせ、7月の国民投票では61%以上がトロイカの要求を拒否した。トロイカの要求に従うと年金や賃金がさらに減額され、社会保障の水準も低下し続け、失業者を増やして問題を深刻化させると考えたからだ。


 選挙で勝ったシリザはアレクシス・チプラス政権を成立させるが、それに対してアメリカのバラク・オバマ政権は2015年3月にビクトリア・ヌランド国務次官補を派遣する。この人物はチプラス首相に対し、NATOの結束を乱したり、ドイツやトロイカに対して債務不履行を宣言するなと警告、さらにクーデターや暗殺を示唆したとも言われている。イギリスのサンデー・タイムズ紙は7月5日、軍も加わったネメシス(復讐の女神)という暗号名の秘密作戦が用意されていると伝えていた。


 ギリシャ政府にはもうひとつの選択肢があった。ロシアのサンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラムでチプラス首相はロシアのウラジミル・プーチン大統領と会談、天然ガス輸送用のパイプライン、トルコ・ストリームの建設に絡んで50億ドルを前払いすると提案されているのだ。


 結局、チプラス政権はギリシャ国民を裏切り、欧米支配層の利益へ奉仕することになった。ギリシャは現在、イスラエルが支配しようとしている天然ガス利権の真ん中にいる。その利権が庶民のために使われることはないだろう。



96. 中川隆[-13351] koaQ7Jey 2018年10月27日 05:38:15: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19567] 報告
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サウジもトルコもアメリカも支配層の手は血まみれ(その2)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201810260000/
2018.10.26 櫻井ジャーナル
 ヒラリー・クリントンは上院議員時代から軍需産業のロッキード・マーチンと近く、巨大金融資本ともつながっている。

投機家のジョージ・ソロスから指示を受けていることは外部へ漏れた電子メールで判明している。

ソロスは金融帝国とも言うべきロスチャイルドと関係が深い。


 ロビン・クック元英外相が2005年7月8日付けガーディアン紙で書いたように、​アル・カイダとはCIAに雇われ、訓練を受けた数千人におよぶムジャヒディンのコンピュータ・ファイル​。アラビア語でアル・カイダはデータベースの意味でも使われる。この仕組みは1970年代の終盤、ジミー・カーター政権の国家安全補佐官だったズビグネフ・ブレジンスキーによって作り上げられた。アフガニスタンへソ連軍を誘い込み、戦わせることが目的だった。2014年に入ると西側はダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)を売り出すが、この武装グループも構図は基本的に同じだ。

 アメリカなどがシリアへ送り込んだ武装勢力はシリア国内に基盤はなく、主要な兵站線はトルコから伸びていた。そうした物資輸送の証拠をつかんだセレナ・シムをトルコの情報機関MITは恫喝、その直後の「自動車事故」だった。この武器を含む物資の輸送を指揮していたのはそのMITである。

 シムが証拠をつかむ前、2014年1月にトルコのウブラフム・アイドゥン憲兵少将、ハムザ・ジェレポグル憲兵中将、ブルハネトゥン・ジュハングログル憲兵大佐が摘発している。この情報がシムへも流れていたはずだが、シムが死亡した翌月に摘発の責任者が逮捕されてしまう。この摘発をトルコのジュムフリイェト紙は2015年5月に報道、同紙の編集者が同年11月26日に逮捕され、ジャン・ドゥンダル編集長とアンカラ支局長のエルデム・ギュルは「国家機密」を漏らしたという理由で懲役5年以上の判決が言い渡されている。

 ところで、ジャマル・カショーギを殺害する相談をアメリカの情報機関は傍受していたとも伝えられている。つまりカショーギが危険な状態にあることを事前に知っていたが、それを本人に伝えていなかった可能性が高い。

 しかし、アメリカの情報機関がカショーギを敵視していたとは言えないだろう。この人物は若い頃からサウジアラビアやアメリカの情報機関、つまりGIP(総合情報庁)やCIA(中央情報局)のエージェントとして活動してきたのだ。また、ムスリム同胞団のメンバーとして知られている。

 ジャマル・カショーギの伯父、アドナン・カショーギはロッキード事件でも登場したサウジアラビアの富豪。アドナンもGIPやCIAと緊密な関係にあった。アドナンの父親はサウジアラビア国王だったイブン・サウドの主治医で、甥にあたるドディ・ファイードはウェールズ公妃ダイアナの恋人として有名だ。ファイードとダイアナは1997年8月31日に自動車事故で死亡した。ファイードとジャマルは従兄弟ということになる。

 モハンマド・ビン・サルマンが皇太子になったのは2017年6月。その前の皇太子はホマメド・ビン・ナイェフだった。この交代には2016年のアメリカ大統領選挙が影響したと言われている。つまり、ビン・ナイェフはヒラリー・クリントンの当選を前提にして皇太子となったのだが、実際はドナルド・トランプになり、トランプに近いビン・サルマンへ入れ替えられたというわけだ。

 ヒラリー・クリントンは上院議員時代から軍需産業のロッキード・マーチンと近く、巨大金融資本ともつながっている。投機家のジョージ・ソロスから指示を受けていることは外部へ漏れた電子メールで判明している。ソロスは金融帝国とも言うべきロスチャイルドと関係が深い。一方、トランプに対する最大のスポンサーはカジノ経営者のシェルドン・アデルソン。このアデルソンはイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と緊密な関係にある。クリントン/ビン・ナイェフとトランプ/ビン・サルマンはいずれもシオニスト人脈に属しているが、派閥は違うということだ。

 経済政策の面ではビン・サルマンとネオコンに大差はない。ビン・サルマンは副皇太子時代から経済面では新自由主義に毒され、コンサルタント会社マッキンゼーの提案に基づいて「ビジョン2030」を作成ていた。私有化を推進し、弱者を切り捨て、また石油産業への依存を弱めて国をヘッジファンド化しようとしていたのだ。(



97. 中川隆[-13374] koaQ7Jey 2018年11月01日 16:00:46: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19756] 報告
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2018.11.01
サウジアラビアで現国王の弟がイギリスから帰国、皇太子を交代させるとの噂


 サウジアラビア国王の弟、​アーマド・ビン・アブドルアジズがイギリスから帰国​した。モハンマド・ビン・サルマン皇太子を公然と批判している人物で、帰国前に他の王族と会談し、アメリカやイギリスの情報機関から安全を保証されたと伝えられている。


 昨年(2017年)6月から皇太子を務めているビン・サルマンはドナルド・トランプ米大統領やイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と近い人物。前皇太子のムハンマド・ビン・ナーイフはヒラリー・クリントンと近かった。この皇太子交代はアメリカの政治状況が反映されていると言える。


 ヒラリーは上院議員時代からロッキード・マーティンなど軍需産業、あるいは巨大金融資本を後ろだとし、投機家のジョージ・ソロスから政策面で指示を受けていたことが漏洩した電子メールで判明している。このソロスはロスチャイルド金融資本と結びついている人物で、ロシア/ソ連制圧の切り込み隊長的な存在だ。ビン・ナーイフの後ろ盾もヒラリーと基本的に同じで、CIAとも関係が深いと言われている。


 そのビン・ナーイフをビン・サルマンは軟禁していたと言われているが、その後、昨年11月にビン・サルマン皇太子は大規模な粛清を実施、王族、閣僚や元閣僚、軍人などサルマン皇太子のライバルやその支持者と目される人々が拘束された。その前、サウジアラビア国内で戦闘があったと言われ、クーデターが噂されていた。ビン・ナーイフの拘束はCIAを怒らせたとも言われている。


 そうした中、昨年10月に皇太子の父親でもあるサルマン国王はロシアを訪問、防空システムS-400の購入で合意したという。これはアメリカ支配層を怒らせることになった。アメリカの軍需産業がTHAADを買わせようとしていたということだけでなく、サルマン国王/ビン・サルマン皇太子がアメリカ離れしようとしているように見えることも原因だろう。


 バラク・オバマ政権が仕掛けたシリアのバシャール・アル・アサド政権を倒す工作が失敗、すでにトルコやカタールは侵略グループから離脱していたが、サウジアラビアがアメリカ離れを始めるとドルを基軸とするアメリカの支配システムが大きく揺らぐ。トランプ政権は中国に経済戦争を仕掛けているが、カタールは天然ガスを中国へ人民元で売る動きを見せ、その中国はアメリカがやはり経済戦争を仕掛けているイランからエネルギー資源を輸入し続けようとしている。アメリカ支配層は攻撃しているつもりで自分の足下を崩し始めたと言えるだろう。


 第2次世界大戦後、アメリカはヨーロッパを支配する仕組みとしてNATOを作り上げた。それを理解していたフランスのシャルル・ド・ゴールは1966年にフランス軍はNATOの軍事機構から離脱、翌年にはSHAPE(欧州連合軍最高司令部)をパリから追い出した。NATO加盟国には「テロ」を目的とする秘密部隊が存在することは本ブログでも繰り返し書いてきた。そのネットワークを背後から操っているのがアメリカとイギリスの情報機関。このネットワークはジョン・F・ケネディ大統領暗殺やド・ゴール暗殺未遂に関係したと疑われている。


 昨年5月にトランプ大統領はサウジアラビアやイスラエルを訪れたが、その目的のひとつはNATOをモデルにした組織を中東で作る準備をすることにあったとも言われている。中東を支配する新たな仕組みの構築だ。


 ジョージ・W・ブッシュ政権によるイラクへの先制攻撃、バラク・オバマ政権によるジハード傭兵を使ったリビアやシリアの体制転覆工作、そしてトランプ政権による中東版NATO案。中東のエネルギー資源を支配することが大きな目的なのだろうが、その結果、中東の権力バランスは崩れ、アメリカの支配システムが揺らいでいる。ビン・サルマンを排除してもこの状況は基本的に変化しないだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811010000/


98. 中川隆[-13565] koaQ7Jey 2018年11月10日 11:03:47: b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-20428] 報告
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​2018.11.09
中間選挙後に激しくなりそうな米国の権力抗争で事実は重視されない(その1)

 アメリカでは民主党や有力メディアがドナルド・トランプを失脚させようと必死で、今回の中間選挙でも争点はトランプだった。反トランプ勢力が目的達成のために叫び続けているのは「ロシアゲート」。2016年のアメリカ大統領選挙にロシア政府が介入したという主張だが、そうした疑惑の存在を裏付ける事実は示されてこなかった。「我々を信じろ」というばかりだ。


 本ブログでは繰り返し書いてきたが、2016年2月まで、この大統領選挙でヒラリー・クリントンが当選することは確実視されていた。2015年6月にオーストリアで開かれた​ビルダーバーグ・グループの会合​にジム・メッシナというヒラリー・クリントンの旧友が出席していたからだ。


 欧米エリート層の利害調整機関と見られているビルダーバーグ・グループの生みの親と言われているユセフ・レッティンゲルはヨーロッパをイエズス会の指導の下で統一しようと考え、第2次世界大戦の前から活動していた人物。イギリスの対外情報機関MI6のエージェントでもあり、大戦中はロンドンへ亡命していたポーランドのブワディスラフ・シコルスキー将軍の側近を務めた。


 シコルスキーはコミュニストを敵視、イギリス政府の支援を受けて亡命政府を名乗っていた。レッティンゲルは1952年、オランダ王室のベルンハルトへ接近する。このベルンハルトが所有、オランダのアルンヘム近くにあるビルダーバーグ・ホテルで、ある集団が1954年5月に第1回目の会議を開き、コミュニズムやソ連に関する問題などを討議した。その開催場所の名称からこの集まりはビルダーバーグ・グループと呼ばれるようになる。グループの初代会長はこのホテルのオーナーであるベルンハルト王子で、1976年にロッキード事件で辞任するまでその座にあった。


 レッティンゲルはヨーロッパ統一運動を指導していたひとり。その運動へはACUE(ヨーロッパ連合に関するアメリカ委員会)から資金が流れていた。ACUEはアレン・ダレスをはじめとするアメリカのエリートがイギリスのウィンストン・チャーチルからの協力を受け、1948年に設立された組織。ウォール街の弁護士でOSSの長官を務めたウィリアム・ドノバンが会長に就任している。副委員長は戦中から戦後にかけて、OSSとCIAで破壊工作を指揮したアレン・ダレスだ。このACUEへはアメリカの富豪たちから資金が提供されていた。


 ビルダーバーグ・グループ、あるいはその背後に存在する富豪層は現在でも支配的な立場にあり、そのグループに親友が招かれたヒラリー・クリントンは次期アメリカ大統領に内定したと考えられたのだ。しかも、彼女はズビグネフ・ブレジンスキーの教え子であるマデリーン・オルブライトやネオコンのビクトリア・ヌランドと親しいと言われている。ヒラリーとビルの政治的な立場を同じだと考えるべきではないだろう。


 ところが、2016年2月10日にヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問してウラジミル・プーチン大統領と会談、22日にシリアで停戦の合意が成立する。キッシンジャーはアメリカの破壊工作機関OPC(後にCIAの秘密工作部門の中枢になる)に所属したことがあり、ビルダーバーグ・グループで中心的な役割をはたしてきたひとり。ネルソン・ロックフェラーと親しかったことでも知られている。ビルダーバーグ・グループのアメリカ側の中心メンバーはロックフェラー色の濃いCFR(外交問題評議会)と結びついている。


 支配層の内部でヒラリー・クリントン離れが起こった一因は、おそらく、2014年のウクライナにおけるクーデターだろう。ネオコン人脈がネオ・ナチを使い、合法政権を倒したのだが、戦略的に重要なクリミアの制圧に失敗してロシアへ追いやることになり、ウクライナ東部のドンバスでは戦闘が続いている。それ以上に大きかったのは、こうしたアメリカ側の手口を見たことで中国がロシアへ急接近、この2カ国が戦略的な同盟関係に入ってしまったことだ。キッシンジャーは米中の関係回復を演出した当時も中国とソ連/ロシアを対立させようとしてきた。


 ウクライナのクーデターはロスチャイルド資本の存在を浮かび上がらせることになった。イスラエルの介入も指摘されている。この勢力とキッシンジャーの後ろ盾と対立が始まった可能性もある。そうした利害の衝突を調整する役割を担ってきたのがビルダーバーグ・グループだとも言われているが、その調整はまだうまくいっていないようだ。(つづく)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811080000/

2018.11.09
中間選挙後に激しくなりそうな米国の権力抗争で事実は重視されない(その2)


 本ブログでは繰り返し説明してきたように、「ロシアゲート」に根拠はない。アメリカの電子情報機関NSAで最高の分析官のひとりと言われ、NSAの不正を内部告発したことでも知られているウィリアム・ビニーも指摘しているが、「ロシアゲート」が事実ならNSAから通信の傍受記録を取り寄せるだけで決着が付く。特別検察官を任命する必要はないということだ。特別検察官を任命したということはロシアゲートがインチキであることを示しているとも言える。この作り話はトランプを攻撃するだけでなく、2016年に発覚したヒラリー・クリントン陣営のスキャンダルを隠蔽するためにも使われている。


 バラク・オバマ政権はジハード傭兵を使ってシリアやリビアを侵略、政権を転覆させて傀儡体制を築こうとした。リビアの政権転覆は成功したが、シリアはロシア政府が阻止する。アメリカ支配層はロシアの再属国化を目論んでいることもあり、ロシアとの関係を悪化させていった。


 ネオコンをはじめとするアメリカ支配層の基本戦術は「脅して屈服させる」だが、ロシアも中国も屈しない。そこで脅しをエスカレートさせるのだが、その先には全面核戦争が待ち受けている。そうした道をヒラリー・クリントンも歩もうとしていた。それに反対、ロシアとの関係修復を訴えたのがトランプだ。


 現在、アメリカでロバート・マラー特別検察官がロシアゲート疑惑を調べている。このマラーは2001年9月4日から13年9月4日かけてFBI長官を務めた。ニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンにある国防総省の本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されたのはFBI長官就任の1週間後。この攻撃では詳しい調査が行われていないが、この事件の真相を隠蔽したとマラーは批判されている。


 特別検察官の任命への道を切り開く動きは2017年3月から始まる。アメリカ下院情報委員会でアダム・シッフ議員がロシア政府による選挙介入を主張する声明を出したのが始まりだ。その根拠になったのは「元MI6」のクリストファー・スティールが作成した報告書なのだが、根拠薄弱だということはスティール自身も認めている。


 スティールに調査を依頼したのはフュージョンなる会社で、そのフュージョンを雇ったマーク・エリアス弁護士はヒラリー・クリントン陣営や民主党全国委員会の法律顧問を務めていた。


 ​フュージョンを創設したひとりであるグレン・シンプソンによると​、同社は2016年秋にネリー・オーなる人物にドナルド・トランプの調査と分析を依頼している。その夫であるブルース・オーは司法省の幹部で、このオーとシンプソンは2016年11月に会っている。その直後にブルースは司法省のポストを失い、フュージョンはスティールに調査を依頼することになる。


 こうした根拠のない話でターゲットを有罪にする手段がアメリカでは整備されている。司法取引だ。誰かを無関係の事件、場合によってはでっち上げで逮捕し、目的を達成するために偽証を強いるのだ。つまり、無実でも有罪にすることは難しくない。それがアメリカにおける「法の支配」だ。(つづく)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811090000/


2018.11.10
中間選挙後に激しくなりそうな米国の権力抗争で事実は重視されない(その3)


 支配層のうち反トランプ派は有力メディアを支配しているが、そのひとつがCNN。このテレビ局のジム・アコスタは11月8日開かれた記者会見でトランプ大統領と言い合いになった。その際、記者からスタッフの女性がマイクを取ろうとしたのだが、記者はその手を払いのけようとした。​映像​を見る限り反射的だが、それを巡って新たな対立が始まったようだ。


 世界貿易センターとペンタゴンが攻撃される直前、CNNの支配層への従属度は格段に高まる。1999年にアメリカ陸軍の第4心理作戦群の隊員が2週間ほどCNNの本部で活動していているのだ。アメリカ軍の広報官トーマス・コリンズ少佐によると、派遣された軍人はCNNの社員と同じように働き、ニュースにも携わったという。(Trouw, 21 February 2000)


 その前年、1998年にも重要な出来事があった。アメリカ軍のMACV・SOG(ベトナム軍事援助司令部・調査偵察グループ)が1970年にインドシナで逃亡兵をサリンで殺害したとCNNは報じたのだ。その作戦名はテイルウィンド(追い風)。


 ベトナム戦争では指揮系統が違うふたつの戦闘集団が存在していた。正規軍とCIA/特殊部隊だ。後者はアメリカの侵略に抵抗する動きを潰すため、住民皆殺し作戦のフェニックス・プログラムを実行している。共同体を破壊しようとしたとも考えられている。


 この作戦を指揮したひとり、ウィリアム・コルビーはCIA長官時代にフランク・チャーチ上院議員が委員長を務める「情報活動に関する政府による作戦を調査する特別委員会」の公聴会で「1968年8月から1971年5月までの間にフェニックス・プログラムで2万0587名のベトナム人が殺され、そのほかに2万8978名が投獄された」と証言した。ウィリアム・カリー中尉に率いられた部隊が1968年3月にソンミ村(ミ・ライ)の住民を虐殺した事件もその作戦の一環だったとみられている。

 この虐殺が広く知られるようになったのは1969年11月になってから。事件に関するシーモア・ハーシュの記事が報道されたのだが、アメリカ軍に従軍していた記者やカメラマンは虐殺の直後からその事実を知っていたにもかかわらず報道されていない。「正規のルート」では情報が流れなかった。


 1970年7月から74年7月まで統合参謀本部の議長を務めたトーマス・ムーラー提督もこうした秘密工作を知りうる立場にあったひとり。CNNのサリン報道で最も重要な証人はこのムーラー提督だ。同提督の部下がサリンが使用される事実を確認したという。


 この報道をしたCNNは軍人組織だけでなくライバルの有力メディアからも激しく攻撃された。CNNの経営陣は、報道内容のチェックを弁護士のフロイド・エイブラムズに依頼し、1カ月にも満たない短期間で報告書を作成させている。報告書の結論は報道内容を否定するものだったのだが、引用に不正確な部分があり、慎重に調べたとは到底言えない代物だ。


 例えば、エイブラムズは報告書の中でムーラー提督を認知症の老人であるかのように表現しているのだが、報告書が作成された当時でもゴルフ場で普通にブレーし、別の事件で記者会見に登場するほどの健康体だった。番組を担当したプロデューサーのエイプリル・オリバーによると、放送では示されなかった重要な情報をCNNは隠しているという。(筆者に対するApril Oliverの回答)。


 結局、番組を担当したふたりのプロデューサー、ジャック・スミスとエイプリル・オリバーは報道を事実だ主張し続けたため、解雇されてしまう。担当プロデューサーが事実だと強い姿勢で臨んでいた以上、徹底した調査をするべきだったのだが、CNNは不自然な形で幕引きを図った。


 ジョージ・W・ブッシュ政権は2003年3月、統合参謀本部内の反対意見を押し切るかたちでイラクを先制攻撃したが、その際に使われた口実が大量破壊兵器。この話は嘘だったのだが、その嘘の中でイギリスのトニー・ブレア政権はイラクが45分で大量破壊兵器を使用できると主張している。


 開戦の2カ月後、BBCのアンドリュー・ギリガンはラジオ番組で「45分話」を主張する「9月文書」は粉飾されていると語り、さらにサンデー・オン・メール紙でアラステアー・キャンベル首席補佐官が情報機関の反対を押し切ってこの話を挿入したとも主張している。ギリガンの情報源だったイギリス国防省の生物兵器担当者、デイビッド・ケリーは7月15日に外務特別委員会へ呼び出された2日後に変死する。ケリーは政府の嘘に憤っていた。その後、2004年10月に「45分話」が嘘だということを外務大臣のジャック・ストローは認めた。


 ギリガンの報道にブレア政権は怒り、BBCの執行役員会会長と会長が辞任に追い込まれた。ギリガンもBBCを追い出される。この後、この放送局はプロパガンダ色が強まり、リビアやシリアへの軍事侵略を始めてからは偽情報を流し続けている。


 第2次世界大戦の直後に始まったモッキンバードは報道を統制することが目的だったが、それでも間隙を縫って事実を報道することは可能だった。1970年代の後半から報道統制は強化され、巨大資本によるメディア支配も進んだ。そして9/11の前後から米英の報道統制は質的に変化、今では有力メディアの伝える話から事実を見つけ出すことが難しいほどだ。その有力メディアを無批判に信じることも犯罪的だと言えるだろう。(了)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811090001/


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