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[政治・選挙・NHK233] 自由・小沢氏「今の政治への批判、きちんと票に現れる」 「みんな心の中ではおかしいと感じている」  赤かぶ
26. 2017年10月12日 20:30:45 : GiBW2jn6U2 : D2yC4S66SI0[1]

◆◆ 衆院選 安倍政権への審判 民意こそ、政治を動かす ◆◆

 近年まれにみる混沌(こんとん)とした幕開けである。

 衆院選が公示され、22日の投開票に向けた論戦が始まった。

 発端は、安倍首相による唐突な臨時国会冒頭解散だった。

 選挙準備が整わない野党の隙をつくとともに、森友学園・加計学園問題の追及の場を消し去る。憲法53条に基づく野党の臨時国会召集要求を無視した「自己都合解散」である。

 だが解散は、思わぬ野党再編の引き金をひいた。民進党の崩壊と、小池百合子・東京都知事率いる希望の党の誕生だ。

 ■ 「1強政治」こそ争点

 選挙戦の構図を不鮮明にしているのは、その小池氏の分かりにくい態度である。

 「安倍1強政治にNO」と言いながら、選挙後の首相指名投票への対応は「選挙結果を見て考える」。9条を含む憲法改正や安全保障政策をめぐる主張は安倍政権とほぼ重なる。

 固まったかに見えた「自民・公明」「希望・維新」「立憲民主・共産・社民」の3極構図は今やあやふやだ。

 むしろ政策面では、安保関連法を違憲だと批判し、首相が進める改憲阻止を掲げる「立憲民主・共産など」と「自民・希望など」の対立軸が見えてきた。

 野党なのか与党なのか。自民党に次ぐ規模である希望の党の姿勢があいまいでは、政権選択選挙になりようがない。戸惑う有権者も多いだろう。

 だからこそ、確認したい。

 この衆院選の最大の争点は、約5年の「安倍1強政治」への審判である。そして、それをさらに4年続けるかどうかだと。

 この5年、安倍政権が見せつけたものは何か。

 経済を前面に立てて選挙を戦い、選挙後は「安倍カラー」の政策を押し通す政治手法だ。

 景気と雇用の安定を背景に選挙に大勝する一方で、圧倒的な数の力で特定秘密保護法、安保法、「共謀罪」法など国論を二分する法律を次々と成立させてきた。

■ 一票が生む緊張感

 ことし前半の通常国会では、数の力を振り回す政権の体質がむき出しになった。

 加計学園に絡む「総理のご意向」文書、財務省と森友学園の交渉記録……。国会で存在を追及されても「記憶がない」「記録がない」で押し切る。政権にとって不都合な証言者には容赦なく人格攻撃を加える。

 国会最終盤には「共謀罪」法案の委員会審議を打ち切って採決を強行する挙に出た。1強のおごりの極みである。

 行政府とその長である首相を監視し、問題があればただす。国会の機能がないがしろにされている。三権分立が危機に瀕(ひん)しているとも言える。

 そんな1強政治を前にして、一票をどう行使すべきか。考え込む人も多いかもしれない。

 自分の一票があってもなくても政治は変わらない。政党の離合集散にはうんざりだ。だから選挙には行かない――。

 しかしそれは、政治の現状をよしとする白紙委任に等しい。

 7月の東京都議選最終盤の一場面を思い起こしたい。

 「こんな人たちに負けるわけにはいかない」。東京・秋葉原でわき上がる「辞めろ」コールに、首相は声を強めたが、自民党は歴史的敗北を喫した。

 選挙後、首相は「謙虚に、丁寧に、国民の負託にこたえる」と述べたが、その低姿勢は長くは続かなかった。内閣改造をへて内閣支持率が上向いたと見るや、国会審議を一切せずに冒頭解散に踏み切った。

 それでも、都議選で示された民意が政治に一定の緊張感をもたらしたのは間違いない。

■ 無関心が政権支える

 1強政治は、どれほどの「民意」に支えられているのか。

 首相は政権に復帰した2012年の衆院選をはじめ、国政選挙に4連勝中だ。

 最近の国政選挙は低投票率が続く。前回14年の衆院選の投票率は戦後最低の52・66%で、自民党の小選挙区での得票率は48・1%だ。つまり、有権者の4分の1程度の支持でしかない。

 そして衆院選小選挙区の自民党の得票総数は、05年の「郵政選挙」以降、減り続けている。有権者の選挙への関心の低さが1強を支えている。

 一票は、確かに一票に過ぎない。だがその一票が積み重なって民意ができる。そこに政治を変える可能性が生まれる。

 政治家は一票の重みを熟知している。だから民意の動向に神経をとがらせる。

 日本は今、岐路に立つ。

 少子高齢化への対応は。米国や近隣国とどう向き合うか。原発政策は……。各党が何を語るかに耳を澄まし、語らない本音にも目をこらしたい。

 納得できる選択肢がないという人もいるだろう。それでも緊張感ある政治を取り戻す力は、有権者の一票にこそある。

 自分のためだけではない。投票は、子どもたちや将来の世代への責任でもある。




(2017年10月11日 朝日新聞社説)
 
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[政治・選挙・NHK233] 自由・小沢氏「今の政治への批判、きちんと票に現れる」 「みんな心の中ではおかしいと感じている」  赤かぶ
28. 2017年10月12日 20:34:17 : GiBW2jn6U2 : D2yC4S66SI0[2]
 
◆◆ 衆院選 安倍首相 説明になっていない ◆◆
 
 安倍政権の5年が問われる衆院選である。
 
 安全保障関連法やアベノミクス、原発政策など大事な政策論議の前にまず、指摘しておかねばならないことがある。
 
 森友学園・加計学園をめぐる首相の説明責任のあり方だ。
 
 首相やその妻に近い人が優遇されたのではないか。行政は公平・公正に運営されているか。
 
 一連の問題は、政権の姿勢を問う重要な争点である。
 
 党首討論やインタビューで「森友・加計隠し解散だ」と批判されるたびに、首相はほぼ同じ言い回しで切り返す。
 
 首相の友人が理事長の加計学園の獣医学部新設問題では「一番大切なのは私が指示したかどうか」「国会審議のなかで私から指示や依頼を受けたと言った方は1人もいない」という。
 
 首相自身の指示がなければ問題ないと言いたいのだろう。
 
 だが、それでは説明になっていない。
 
 首相に近い人物が指示したり、官僚が忖度(そんたく)したりした可能性を否定できないからだ。
 
 実際に、「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」と記された文書が文部科学省に残っている。
 
 首相は、愛媛県の加戸守行・前知事が国会で「ゆがめられた行政が正されたというのが正しい」と述べたことも強調する。
 
 しかし加戸氏の発言は、長年にわたって要望してきた学部設置が認められたことを評価したものだ。選定過程の正当性を語ったものではない。
 
 そもそも加戸氏は2年前の国家戦略特区の申請時には知事を引退していた。省庁間の調整作業や特区をめぐる議論の内実を知る立場にない。
 
 森友学園に関しては、妻昭恵氏と親交があった籠池泰典・前理事長とは面識がないことと、「籠池さんは詐欺罪で刑事被告人になった」ことを指摘する。
 
 そのうえで、昭恵氏の説明責任については「私が何回も説明してきた」と言うばかり。
 
 昭恵氏にからむ疑問に対して、首相から説得力ある答えはない。
 
 昭恵氏はなぜ学園の小学校の名誉校長に就いたのか。8億円以上値引きされた国有地払い下げに関与したのか。昭恵氏が渡したとされる「100万円の寄付」の真相は――。
 
 事実関係の解明にはやはり、昭恵氏自身が語るべきだ。
 
 首相が国民に繰り返し約束した「丁寧な説明」はまだない。首相はどのように説明責任を果たすのか。それは、選挙戦の大きな争点である。
 
 
 
 
(2017年10月12日 朝日新聞社説)
 
http://www.asyura2.com/17/senkyo233/msg/799.html#c28
[政治・選挙・NHK233] 自由・小沢氏「今の政治への批判、きちんと票に現れる」 「みんな心の中ではおかしいと感じている」  赤かぶ
30. 2017年10月12日 20:48:13 : GiBW2jn6U2 : D2yC4S66SI0[3]
 
◆◆ 日本の岐路 衆院選がスタート 「よりまし」を問う12日 ◆◆
 
 日本の大きな岐路となる衆院選が公示された。投開票は22日。それに向けた選挙戦が始まった。

 「与党の自民・公明」か。「希望の党・日本維新の会」か。「共産・立憲民主・社民」か−−。

 選挙直前になって二つの新党が誕生し混迷してきた選挙の構図は、主にこの3グループの選択となった。

 安倍晋三首相が唐突に衆院解散に踏み切ったことから、各党とも準備不足は否めない。首相の足元の自民党の公約も急ごしらえだ。

 衆院の小選挙区は、二つの主要な政党が1議席を争う形を想定して導入された制度である。3極に分かれたことで、有権者の選択が複雑になったのは確かだろう。

 自民党を除く各党は過半数(233議席)を取れる十分な候補者を擁立しておらず、「政権選択」の条件が十分そろっているかも疑問だ。

■ 最大の争点「安倍政治」
 だが改めて指摘しておきたい。

 今回は安倍政権の約5年の実績をどう評価するのか、そして安倍政権が4年後の2021年秋まで続くことを是とするのか、しないのかが焦点だ。

 「安倍1強」状態が続く中、安全保障法制や「共謀罪」法はじめ、与党が数の力で強引に法律を成立させる国会運営が繰り返されてきた。

 加計学園や森友学園問題に見るように、行政のゆがみも見えてきている。内閣支持率の急落につながった両問題に対する安倍首相の説明は今も説得力を欠いている。アベノミクスに関しても評価はさまざまだ。

 北朝鮮情勢を「国難」と訴え解散した手法も含め、最大の争点は「安倍政治」そのものの是非である。

 安倍首相は自民と公明の与党で過半数を確保すれば政権を維持すると明言している。半数を1議席でも上回れば「政権は国民に信任された」と言うのだろう。

 しかし、そうだろうか。加計問題などを棚上げし、首相自身の保身を狙ったような衆院選だ。過半数を取っても大幅に議席を減らせば自民党内で責任を問う声は強まり、来秋の自民党総裁選で安倍首相(総裁)が3選されるのは難しくなるはずだ。

 つまり首相交代につながる可能性がある選挙だということだ。

 一方、希望の党は大きな焦点だった小池百合子代表(東京都知事)の出馬は見送られた。総選挙後の首相指名選挙で誰に投票するかは、結果を見てから考えるという。

 安倍政権を倒すという目標は明確だが、仮に安倍首相が退陣した場合には、自民党との連携も否定していないように見える。

 こうしたあいまいさは政権を担うとアピールしている政党として、有権者に対して無責任だ。

■ 希望はあいまいさ排せ
 小池氏は「安倍1強の政治をただすために有権者に選択肢を示す」と言う。そうであるなら、党として選挙後の対応をどう考えているのか、もっと具体的に示すべきだろう。

 そんな中、個別の政策では各党の違いが見えてきた。

 大きなテーマが憲法改正だ。自民党が引き続き勝利すれば、改憲論議は憲法9条の1項と2項を維持し、「自衛隊を明記した条文を追加する」という首相が提起した案を中心に進む可能性が高くなるだろう。

 希望の党は改憲自体には積極的だが、首相の自衛隊明記案には否定的だ。立憲民主党は今の安保法制を前提とした9条改正に反対している。

 消費税に関して自民党は再来年秋に予定通り10%に税率を引き上げるものの、増税分の一部を教育無償化などに充てると言う。対する希望の党と維新は消費増税の凍結を主張。立憲民主党も増税に否定的だ。

 原発政策は、希望の党が「30年までに原発ゼロ」と公約に掲げたことで争点に浮上してきた。立憲民主党と共産、社民両党も「原発ゼロ」で一致している。これが国民的議論につながっていくことを期待したい。

 沖縄県の米軍普天間飛行場の移設計画の是非も全国的に議論したい。

 暴言や不祥事が続き、議員の質の劣化が問題になっている。候補者本人を見極めるのも重要だ。

 今後、各党幹部や候補者が一方的に演説する場面が増えるだろう。何を強調するかだけでなく、何を語りたがらないかにも注目したい。

 「安倍1強」の継続か、自公政権の下での首相交代か、野党の政権奪取か。難しい選択だが、どんな政治状況になるのが、よりましなのか。私たち有権者は考えていきたい。
 
 
 
 
(2017年10月11日 毎日新聞社説)

http://www.asyura2.com/17/senkyo233/msg/799.html#c30

[政治・選挙・NHK233] 自由・小沢氏「今の政治への批判、きちんと票に現れる」 「みんな心の中ではおかしいと感じている」  赤かぶ
31. 2017年10月12日 20:49:49 : GiBW2jn6U2 : D2yC4S66SI0[4]

◆◆ 日本の岐路 衆院選の憲法論議 民主主義を強める方向で ◆◆

 衆院選では憲法改正が争点になっている。各党が憲法問題への立場を明確にし、具体的な改正項目を提示したからだ。

 衆院解散で改憲論議に慎重だった民進党が分裂し、多くが「改憲支持」を公認条件とする希望の党に流れ込んだ。

 その結果、改憲を志向する政党の分布は解散前から大きく変わった。選挙結果次第では、選挙前よりも改憲論議が活発化する可能性はある。

 しかし、同じ改憲勢力でも、論点は多岐にわたり、その優先順位は各党によって異なる。

 なぜその改憲が必要か。各党は国民に丁寧な説明をすべきだ。

■ にじむ国家主義的発想
 自民党は公約で自衛隊の明記、教育無償化、緊急事態対応、参院の合区解消の4項目を具体的な改憲対象に挙げた。

 安倍晋三首相のカラーが強く出ているのが自衛隊明記の憲法9条改正や、大災害時などの行政対応や議員任期延長を定める緊急事態条項だ。

 小池百合子東京都知事が代表を務める希望は、憲法9条を含めた改憲を求めつつ、自民党との違いを出すために「知る権利」や情報公開、地方自治を重視している。

 公明党は現状に照らして不足がある場合は条項を追加する「加憲」を提起したが、「多くの国民は自衛隊の活動を支持し、憲法違反の存在とは考えていない」と、「安倍改憲」には慎重な姿勢だ。

 自民と希望はともに教育無償化を掲げるが、教育負担の軽減を重点公約に位置付ける公明党は改憲による実現とは一線を画している。

 とりわけ首相がこだわりを持つのは憲法9条への自衛隊の明記だ。

 現行憲法は占領期に米国から押しつけられたというのが首相の持論であり、その改憲志向には国家主義的な発想がつきまとう。

 首相は9条1項の戦争放棄、2項の戦力不保持と交戦権否認を残したまま、「自衛隊」を追記する考えを示している。

 憲法学者の中に残る自衛隊違憲論を拭いたいと首相は言う。

 しかし、共産、立憲民主、社民の3党は「憲法違反の安全保障法制を追認する改憲には反対だ」とそろって批判する。

 憲法に書き込まれることで自衛隊の活動が拡大し、2項を無効化させるという疑念もある。

 憲法は、主権者である国民が国家権力を制御する最も基本的なルールである。

 そうであれば、憲法改正論議は、国家権力を増大させるのではなく、むしろ民主主義を強化する方向性を持つべきだ。国民の多くが議論に参加できることにもつながる。

 衆参両院の役割分担や、中央と地方の関係を整理し直す統治機構改革はその一つだろう。

■ 情報公開のあり方も
 希望は公約に「1院制」の導入を明記した。参院は単に衆院の結果を追認するだけの存在ではないか、という指摘は少なくない。

 他方、衆院の暴走を抑えるための安定装置として参院は必要だという考えもある。

 「1票の格差」是正のために導入された参院の「合区」には投票率低下などの弊害も指摘される。これは、将来の参院の役割や地方制度と切り離して論じることはできない。

 地方自治も論点だ。地方自治体の組織と運営について憲法は「地方自治の本旨」に基づくとあるだけで、個別法に委ねている。地域格差や沖縄の米軍基地問題は地方自治のあり方を議論する契機になる。

 国民の知る権利も大事なテーマだ。南スーダン国連平和維持活動(PKO)での日報隠蔽(いんぺい)問題、学校法人「森友学園」「加計学園」での公文書のずさんな扱いから得た教訓は、情報公開の重要性だ。

 改憲や護憲そのものを目的化するのではなく、時代に即して現行憲法を問い直す議論はあっていい。

 ただし、憲法改正は政党からの押しつけや、政党間の数合わせだけで実現するわけではない。憲法改正がすべてに優先し、喫緊の問題を後回しにするようなら、本末転倒だ。

 少子高齢化など社会が抱える課題は多い。憲法改正を含めた政策全体の優先順位をつけるのも、今回の衆院選で問われているのではないか。

 首相は選挙演説で北朝鮮の脅威を強調している。目先の危機を利用して情緒的に9条改正を実現しようとする手法は慎むべきだ。



(2017年10月12日 毎日新聞社説)
 
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