12. 2018年10月20日 07:17:15 : emOs7AaPUk : c_w5mrg7O@s[1]
●辺野古埋め立て撤回 政府、効力停止申し立てへ 沖縄県に通知、17日にも手続き
2018.10.16 22:42
https://www.sankei.com/politics/news/181016/plt1810160039-n1.html
政府は16日、沖縄県が米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先である名護市辺野古の埋め立て承認を撤回したことに対し、行政不服審査法に基づく審査を請求して撤回の効力停止を申し立てる方針を固め、県側に通知した。
17日にも手続きに入る。複数の関係者が明らかにした。
防衛省は執行停止が認められ次第、辺野古埋め立てに着手する考えだ。
9月の知事選で当選した玉城デニー知事は辺野古移設に反対しており、政府との対立が深まる可能性もある。
辺野古埋め立てをめぐっては、翁長雄志前知事が平成27年に埋め立て承認の手続きに瑕疵があったとして「取り消し」を行ったが、28年に最高裁で県の敗訴が確定している。
撤回は承認後の不備を理由とした措置。
翁長氏死去後の8月末に謝花喜一郎副知事が判断し、玉城氏もこれを支持している。
●米軍基地を国内のどこに置くかという判断は国の専権事項である安全保障政策に属する。
憲法は地方自治体の長に安保政策や外交上の約束を覆す権限を与えていない。
玉城新知事は裁判になると負けると分かっているので「もっと協議を」などと言っていたが、「埋め立て承認撤回」を取り消さないので、国が行政不服審査法に基づく審査を請求して撤回の効力停止を申し立てる方針を固め沖縄県側に通知したのは当然だ。
認められれば埋め立て工事を再開できる。
また知事権限を国に移す特別措置法を制定すべきだ。
加えて翁長県政時代に約570億円減額された一括交付金などの沖縄振興予算をさらに削るべきだ。
●日本分断への道
2018年9月 月刊正論2018年11月号 仲新城誠
翁長雄志知事の死去によって2018年9月30日に前倒しされた沖縄県知事選で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する「オール沖縄」勢力は、翁長氏の後継候補に自由党衆院議員の玉城デニー氏(58)を選んだ。
翁長氏が死去の直前、玉城氏ら2人を後継者に指名したという”音声”の存在が突如明らかになったためだ。
知事選を翁長氏の弔い合戦に仕立てようとした「オール沖縄」にとっては感動的なストーリーだったかもしれないが、亡き大ボスの鶴の一声で知事候補が決まったのは、いかにも前時代的であり、とても民主的とは言い難い。
その経緯は、沖縄で20年記者をしている私もかつて見たことがない、奇妙なものだった。
◆翁長氏”後継指名”の怪
翁長氏の死後、「オール沖縄」は各政党や労働組合などで組織する「調整会議」を設置し、2018年8月中旬の時点で候補者を企業経営者の呉屋守将氏と謝花喜一郎副知事の2人に絞り込んでいた。
呉屋氏が固辞していたため、謝花氏が最有力との見方も浮上していたが、この時点で候補者として玉城氏の名前は出ていなかった。
そこへ調整会議メンバーでもある新里米吉県議会議長に、ある人物から音声が持ち込まれた。
翁長氏が死去した4日前の2018年8月4日、病室で録音した声である。
音声を提供した人物は新里氏に対し
「音声を広げないでほしい」
と要望したというが、その存在はメディアに一斉にリークされ、2018年8月19日付の県紙は
「呉屋・玉城氏を後継指名」
「翁長氏が生前録音」
(沖縄タイムス)
などと1面トップで報じた。
記者は誰も音声の内容を確認していなかったようで、翁長氏の”後継指名”は、あくまで音声を聞いたという人物からの伝聞情報でしかなかったが、これをきっかけに、事態は急転。
調整会議は人選作業をいったん白紙化し、改めて候補者を”後継指名”された呉屋氏と玉城氏に絞り込んだ。
玉城氏はここで突如として浮上したのである。
呉屋氏はそれでも一貫して出馬を固辞し、玉城氏が最終的に出馬の決断に至った。
調整会議の内部では、こうした選考経過に不信感が示され、音声の公開を要求する声も出たが、新里氏は
「話が大きくなったから公開しましょうというわけにはいかない」
と拒否。
結局、調整会議は全会一致で玉城氏の擁立を決めた。
一連の経緯を見ると、翁長氏の「遺志」が明らかになった途端、調整会議で積み上げてきたはずの人選作業が、一瞬でちゃぶ台返しされたような印象を受ける。
民主主義社会で大事なのはプロセスである。
しかし驚いたことに沖縄メディアからは、候補者選考過程に対する批判は一切なかった。
それどころか、
琉球新報は
「今回見つかった音源の衝撃は大きい」
「さらに『翁長知事の遺志を尊重すべきだ』との県内世論が沸き起こる可能性も高い」
(2018年8月19日付)
沖縄タイムスは
「与党関係者は『死去しても政局を動かす翁長知事の政治力は底抜けだ』と舌を巻く」
(2018年8月30日付)
と、白々しいほどの”提灯記事”を並べた。
もし、これが移設反対の翁長氏の後継者をめぐる選考作業でなければ、仮に故人が移設容認の知事であったなら、県紙はこれほど好意的に報じただろうか。
翁長氏の音声をめぐっては、さらに奇怪な事態が起こった。
実際に音声を聞いている新里氏が記者団に対し
「私は一言も(翁長氏の)遺言と言ったことはない」
「『指名』ということではなくて『デニーさんが出てくれないだろうか』みたいな感じの発言だった」
と証言したのだ。
翁長氏が「遺言」で後継者を「指名」したというストーリーは否定されてしまった。
単に雑談で2人の名前に言及しただけだったのかもしれず、そうなると明確な
「翁長氏の遺志」
が存在したかも怪しいことになる。
翁長氏は呉屋氏と玉城氏の名前を挙げたと報道されていたが、実際の音声では呉屋氏に言及した部分が欠落していたことも新里氏の話で判明した。
沖縄タイムスによると、翁長氏は真っ先に呉屋氏の名前を挙げたものの、この部分は録音が間に合わなかったという。
「2人を後継指名した音声があった」
という当初の報道の信憑性はさらに揺らいだ。
録音の場には謝花副知事が立ち会っていたことも分かった。
要するに調整会議が初めに絞り込んだ2人のうち、謝花氏は自分の名前のない音声の存在を知っていたのだ。
もう1人の呉屋氏は最初から受ける気がなかったから、候補者選考は暗礁に乗り上げ、玉城氏が
「翁長氏の後継指名」
というフィクションの中から
「正統な後継者」
として颯爽と表舞台に躍り出たとも考えられる。
少なくとも私には、候補者選考の不手際をお涙頂戴の美談と化し、沖縄メディアがそのお先棒を担いだという構図のように思える。
玉城氏の背後では「剛腕」と呼ばれる自由党・小沢一郎代表が采配を振るったとされる。
小沢氏は東京で玉城氏を連れて野党各党を訪問、自らも沖縄入りして支援組織を挨拶回りし、支持取り付けに奔走した。
玉城氏が知事に就任すれば、日本の安全保障を左右する沖縄で、小沢氏が「黒幕」として力を振るう可能性もある。
◆「容認」明言を迫る残酷
沖縄メディアの報道は、全体として辺野古移設反対の玉城氏寄りだったと指摘せざるを得ない。
一見客観的な報道に見せかけているが、実は玉城氏に対する”ステルス援護射撃”が目立ったというのが私の印象だ。
その最たるものは、玉城氏の対抗馬である前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)が米軍普天間飛行場問題で
「名護市辺野古移設への賛否を明確にしていない」
という批判報道である。
佐喜真氏が2018年8月14日に出馬表明した際、沖縄タイムスは
「辺野古賛否示さず」(2018年8月15日付)
と報じた。
以後、沖縄タイムスは
「全県民のトップを選ぶ知事選では、県民の意識が高い新基地問題への賛否の提示は必須だ」(2018年8月15日付)
「(佐喜真氏は)1日も早い普天間飛行場の返還と危険性除去を訴えつつ、具体的な解決策は示さず争点をぼかした」(2018年9月4日付)
「政府が名護市辺野古移設を普天間返還の条件として強行する限り、立候補者はその見解を示すべきである」(2018年9月8日付)
などと、繰り返し佐喜真氏の態度に疑念を表し続けた。
琉球新報も、知事選の最大争点は辺野古移設の是非だとした上で、佐喜真氏について
「歴代候補者としては初めて辺野古移設に対する評価を避けている」(2018年9月8日付)
「選挙戦を目前に控えた段階になっても賛否を明確にしないのは、沖縄のリーダーを目指す者の態度としては、無責任ではないのか」(2018年9月5日付社説)
などと攻撃している。
確かにはっきり移設容認を言わないのは事実かもしれない。
しかし、容認派の口をつぐませてきたのは、県紙自身ではなかったか。
宜野湾市民の危険性を除去する政策であるはずの辺野古移設が、まるで道徳的な悪であるかのような報道を繰り広げ、移設容認の政治家には
「民意に背いている」
と容赦ないバッシングを加える。
その結果、一時、沖縄の選挙区では自民党の国会議員が全滅する一方で、「オール沖縄」を名乗り、辺野古移設反対を叫んだ候補者は次々と当選した。
沖縄で要職を目指そうという政治家は誰もが委縮した。
本土の新聞には、容認する「産経」「読売」もあれば、反対する「朝日」「毎日」もあるが、沖縄には、辺野古移設を容認する論調の主要メディアが1つも存在しない。
沖縄の閉鎖的な言論空間が生んだ悲劇だが、それが、辺野古移設が争点の選挙で反対する候補者は喜んで反対を明言するのに、容認する候補者は口が裂けても「容認」と言えないという奇妙な状況を生む。
2016年の宜野湾市長選、2018年の名護市長選、そして2018年の知事選しかりである。
米軍基地を宜野湾市から名護市の辺野古へと移す基地の移設を、県紙が
「新基地建設」
と書くことも事態を悪化させる。
移設を容認する候補者は宜野湾市民の負担軽減のためを思って苦渋の決断を下したのに、
「新基地建設を容認した」
と書かれれば、まるで基地負担軽減とは関わりなく、何らかの戦争準備を支持しているように受け取られ、好戦主義者のようなイメージが流布されてしまう。
移設容認の候補者がそれを明言しないのは、沖縄メディアから身を守るための手段でもあるのだ。
しかし、県紙は残酷にもそこを突く。
「玉城氏は明快に新基地建設を主張しているが、佐喜真氏は明言を避けている」
と報じ、はっきりものを言う玉城氏、曖昧な佐喜真氏という対比を際立たせた。
県紙の選挙報道だけを見れば、確かに客観的なようではある。
しかし、県紙の基地問題全体をめぐる報道姿勢こそが、佐喜真氏に明言を避けさせているのだから、これは結局マッチポンプであいり、誰を利する報道であるかも明白だ。
私は、辺野古移設の是非が争点となる選挙である以上、容認なら容認と堂々と主張すべきだと思う。
ただ沖縄の特殊事情を考えると、戦略として口をつぐむことを一方的に断罪する気にもなれない。
「辺野古移設=悪」という雰囲気が現に沖縄社会に蔓延してしまっている以上、候補者に
「負けを覚悟で正直になれ」
とは言えない。
この点、同じ沖縄県内でも対照的なのは石垣市の選挙だろう。
2018年9月に実施された市議選では、陸上自衛隊配備の是非が最大の争点になった。
中山義隆市長は2018年7月、配備に協力することを正式に表明し、与党候補者は配備容認、野党候補者は配備反対を明確化して戦った。
なぜ、それができたかと言えば米軍と自衛隊という違いはもちろん大きい。
米軍に比べれば、自衛隊に対する沖縄県民のアレルギーは遥かに少ないからだ。
しかし最も大きな違いは、石垣市では地元メディアが配備容認、反対に二分化され、自由に意見を戦わせる雰囲気が醸成されていることだ。
私が編集長を務める八重山日報は推進、もう1紙の八重山毎日新聞は反対の社論を打ち出している。
もし2紙で配備反対の論調で一致していれば、知事選のような状況となったかは別としても、容認の候補者は窮屈な思いをしなくてはならなかっただろう。
自画自賛ではあるが、私たちのような零細メディアでも今、ここに存在すること自体に意義があると信じたい。
石垣市議選の結果、配備容認の候補者は多数派となった。
防衛省は駐屯地建設予定地として市有地の取得を目指しており、早ければ2018年12月の市議会に市有地の売却議案が提案される見通しだ。
現在の議会勢力からすると可決の可能性が濃厚で、陸自配備はいよいよ実現の局面に入ったと言える。
一方、石垣市議選と同じ日に投開票された名護市議選では、辺野古移設に反対する候補者が多数派となった。
県紙はさっそく
「政府は市民の意向を尊重し、新基地建設を断念すべきだ」(2018年9月10日付琉球新報社説)
「辺野古反対の声の根強さを示した選挙だと言うべきだろう」(2018年9月10日付沖縄タイムス社説)
と、異口同音に移設断念を要求した。
八重山日報の「沖縄本島版」が伸び悩んでいる私たちの非力も一因だが、沖縄本島の
「物言えば唇寒し」
という空気感は当分変わりそうもない。
◆翁長氏の個人崇拝ではないか
ところで、先程引用した2018年9月10日付沖縄タイムスの社説で、気になる一節があった。
「今年に入って「オール沖縄」勢力は名護、石垣、沖縄の3市長選で連敗した」
「政府対『オール沖縄』勢力という構図は知事選ではいっそうはっきりするはずだ」
「それ自体、異様なことである」
何が言いたいのかよく分からないが、沖縄の民意を体現した「オール沖縄」に対し、政府が対立候補を立てるのは「異様」であり、けしからんという批判にも読める。
「オール沖縄」なる概念が虚構でしかないことは、今や白日の下に晒されている。
まだこんなことを言い続ける姿を訝しく思う。
辺野古移設に賛成する者は民主主義の敵だと言わんばかりの態度は、それこそ全体主義的ではないか。
私からすれば、亡き翁長氏の一言で候補者が決まるというオール沖縄の体質こそ「異様」だ。
どこかの独裁国家ではないが、翁長氏を必要以上に偶像化し、個人崇拝する傾向が内部で進んでいるように感じる。
玉城氏は2018年8月29日の出馬表明で
「ウチナーンチュ(沖縄人)の誇りを持って臨んだ知事の勇気と行動が、国民の関心を呼び覚ましている」
「ユイマール(共同体)のチムググル(優しさ)で自立と共生の沖縄を目指す」
と沖縄方言を多用しながら訴えていたが、これは「沖縄民族主義」を煽った翁長氏とそっくりの手法である。
さらに玉城氏の隣の席には翁長氏の帽子を置いて故人の存在感をアピールする演出もあった。
いつの日か翁長氏を琉球民族の救国の英雄にでも祭り上げかねない勢いである。
知事選の争点は辺野古移設の是非と喧伝されたがもしや隠された真の狙いは沖縄と本土の「分断」ではなかったか。
奇しくも一方の佐喜真氏は2018年8月14日の出馬表明で
「対立から協調へ未来志向で沖縄のあるべき姿を見据えなければならない」
と訴えていた。
本稿執筆時点では知事選の結果は分からないがはっきり言えることは私たちは「分断」ではなく「協調」を求めるべきだということである。
●普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対して移設先が決まらなければ、住宅地のど真ん中にある米軍普天間飛行場の危険性を除去することはできない。
辺野古以外の移設先などなく、辺野古移設が唯一の解決策だ。
にもかかわらず、
「移設場所をどこにしてと言明、限定する必要はない」
と言った玉城新知事の本音は
「普天間近隣住民の安全は無視しよう」
ということだろう。
玉城新知事に投票した沖縄県民はこのことをどう思うのか。
選挙戦前・選挙戦最中・選挙戦後も、普天間飛行場の危険性除去について、玉城氏が具体的方法を明確にしないのは、沖縄のリーダーを目指し沖縄のリーダーになった者の態度としては、無責任ではないのか。
●2018.10.4 18:03更新
玉城デニー沖縄知事「普天間移設場所を言明する必要ない」
http://www.sankei.com/politics/news/181004/plt1810040014-n1.html
沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対して知事選に当選した玉城デニー氏は4日、県庁に初登庁後、記者会見し、普天間飛行場について
「私たちが移設場所をどこにしてと言明、限定する必要はない」
と述べた。
4日は就任式で職員に訓示する予定だったが、台風25号の影響で中止となった。
玉城氏は富川盛武副知事から事務引き継ぎを受けた後、県災害対策本部で万全の対策を取るよう指示した。
記者会見では
「辺野古新基地建設の阻止に向けて全身全霊で取り組む」
とし、日米両政府との協議を求める考えを改めて表明した。
ただ、普天間飛行場の移設先を問われ、
「米海兵隊の運用は、一義的には米側が構築していく問題だ」
「沖縄県側が軍の運用について言葉を挟むことはできない」
と述べた。