31. 2019年1月22日 13:33:23 : 43payYzJFo : afzuDswdIq8[1]
理屈ではそういう事になるのだが、悲しいかな地球生物である我々は遺伝子によって行動を操作されている。だから知能が低く自制が効かない人間ほど理論や論理よりも遺伝子から来る感情に動かされる。それでは人間の遺伝子は何を要求しているのかだが、要するに残すのは自分の遺伝子のみで十分だという事だ。そしてこれはオス優位の社会ほどそうなる。なぜならオスはメスと違って自分の遺伝子を複数のメスに種付けできるからだ。メス優位の社会だと一匹のメスが産める子供の数には限りがあるので、群れ全体で平等に扱わないと群れ自体が成り立たない。つまりみんなバラバラになり孤立化するか平等社会を築くかの二択である。オス優位社会だとボスを頂点として血縁から成る巨大家族、そして組織の力で組織に奉仕する奴隷階級を形成し帝国の原型を成せるわけである。
ここで恒星間を飛行できるような科学文明の成立条件を考えると、産業革命は避けて通れない段階である。産業革命とは何か。要するに個々の職人が己の技量で生産していた物を高度な組織化によって専門分業し組織の力によって生産力を高める方法である。これはメス優位社会では成し得ない。なぜならばみんな平等だと専門分業ができないからである。しかしここで遺伝子の操作が入ると適材適所が成り立たなくなる。なぜならば分業には楽な仕事と苦しい仕事があり、遺伝子の操作で自分と近い遺伝子を持つ個体を楽な仕事に割り振るのは生物として当然の行為である。
問題は楽な仕事ほど統率力と重い責任と高度な判断を要求されるから楽なのであり、これをおろそかにすると組織が崩壊しかねないので学歴や資格制度なるものが登場したわけだが、残念ながらこの制度には厳格に推進できるような裏付けがない。結果詐欺まがいのザル制度になる運命にある。
刻々と変化する惑星環境においては遺伝子の特徴は外見のみに反映されやすく、性格や才能は環境によって形成される方が生存戦略上有利である。某家系が優勢だった事実が過去に社会にとって有利だったからといって将来もそうである保証などない。しかしながら制度のザル化によって信頼できる人材配置ができないので社会は既存の秩序を変える事ができない。結果組織の秩序を盲目的に信じる者のみが生きのこる事となり「信じる者は救われる」というキリスト教布教者の迷言が有名である。
こうして人類社会は帝国を建設しては崩壊を繰り返し、今日に至っている。問題は産業革命以降帝国の支配者たちは間違いを犯せる空間が大幅に減りつつある。過去に政治の失敗による死亡者は最大でも数万人程度だったのだが今日では数千万人規模も珍しくはない。さらにまだ惑星から脱出する術がない段階で自らの行動により惑星環境を変えてしまうというとてつもなく危険な状態にある。今日の惑星環境は過去40億年にわたる生物活動の結果であり非常に危ういバランスの上に成り立っているのだが、富を独占している少数の者にはそれが理解できないので環境崩壊の可能性は刻々と大きくなっている。
恒星間を飛行できるような科学文明が成立するまでにはこのように「フィルター」が存在しており、宇宙で生命が生まれる条件が比較的ありふれているのを考慮すると今までにそのような文明の痕跡が発見できていないのはおかしな話である。恒星間を飛行するには膨大なエネルギーが必要であり、そのようなエネルギーを得るには大規模に恒星系の資源を使用しなければならない。そして一つの恒星間文明は数万年で銀河系全体を版図に納める事ができる。銀河系が成立してから100億年以上は経っているのに一つもそのような文明の痕跡がない。これは何を意味しているのか。
「フィルター」を通り抜けられる文明がほとんどないと考えるのが一番合理的であろう。これが事実とすれば地球人類の将来がどうなるのかは押して知るべしである。
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