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(ニュースQ3)謎の工場に思いやり予算、これってあり?
2017年7月21日05時00分 朝日新聞
調査報道を手がける米ネットメディアが4月下旬、元米国家安全保障局(NSA)契約職員スノーデン氏が入手した機密文書を根拠とし、在日米軍基地にある「アンテナ工場」建設費のほぼ全額を日本政府が出したと報じた。日本政府は「コメントを差し控える」(防衛省)として説明しない。その背景には、日本が払う「思いやり予算」による在日米軍施設整備の不透明さがある。
■アンテナ製造か
米ネットメディア「インターセプト」によると、概要はこうだ。米軍横田基地(東京都)で2004年に3千平方メートルの工場が完成し、建設費660万ドル(約7・4億円)をほぼ日本政府が拠出。これが実はNSAの工場で、イラクや韓国、中南米などで電波情報を取るアンテナを造っている――。記事では、機密文書とされるメモがアップされた。
米軍が世界各地で情報収集するためのアンテナをもし横田基地で造っているとすれば、妥当なのか。日米安保条約では、米軍が使用を許される日本の施設は「極東の平和の維持」が目的。横田基地広報に聞くと「問い合わせはNSAに」。NSAにメールを送ったが、返事は来ていない。一方、防衛省はアンテナ工場について、報道の根拠とされる文書の「詳細を承知しない」として答えない。
■これまで1200億円
在日米軍駐留経費の多くを日本側の負担で賄う思いやり予算の柱の一つには、防衛省が所管する提供施設整備(FIP)という枠組みが存在する。対象物件は毎年、在日米軍司令部の要望リストから同省地方協力局が選ぶ。同省によると、1979年度以降で計2兆3283億円、うち「工場」に1199億円が拠出されている。00〜04年度、横田基地では「工場」に40億円使ったという。「04年完成のアンテナ工場」の建設費を賄える額ではある。
ただ、防衛省は「米軍の態勢に関わる」としてFIPの「工場」を個別には明かさず、「整備や検査の施設などを在日米軍に資するか必要に応じて採択している」と説明。防衛省幹部は「アンテナで得る情報が北朝鮮のミサイルや自衛隊の海外活動に役立つ、と米側に言われたらFIPを拒めない」と話す。
■予算急激に増加
防衛省の口が重い背景には、ともに財政が厳しい日米間のせめぎ合いの末、額は減ったものの、どんぶり勘定になっているFIPの現状がある。在日米軍の施設整備には米国の予算も使われ、日本の負担範囲はあいまいだ。一時はゴルフ場やショッピングセンターにまで広がった。
「テロとの戦い」で軍事費がかさんだ米国は思いやり予算への期待が強い。日米同盟を重視する安倍政権になり、16年度から5年間は各年度206億円を下回らないと日米が合意。「中身より額が先に決まるのはおかしい」との野党の批判に、政府は「日本の安全保障環境もふまえねばならない」(麻生太郎財務相)と反論する。
FIPのうち「工場」は、13年度予算以降は平均19・1億円。民主党政権時の年平均2・4億円から急増している。防衛省の担当者は「毎年米側の要望の調査には半年かける。絞り込みが大変」と話すが、詳細が明らかにされない「工場」の割合は着実に増えている。
(藤田直央)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13047143.html?rm=150
http://www.asyura2.com/17/senkyo229/msg/457.html#c1