5. 2018年1月16日 00:34:07 : cFWNJ4OccI : 4peX6MBLUJw[1]
谷口エリカさん> 日韓合意の本質をつく報道のあまりの少なさに驚いています。
私も本当にそう思います。
今回の慰安婦合意の再検証については、韓国に猛烈に抗議する日本政府と、それを擁護し、韓国を批判するマスコミ、ここぞとばかり騒ぎまくる右派・ネトウヨの大合唱となっており、その攻撃的な論調には恐怖を感じます。もう少し冷静になれと言いたい。
そこには、慰安婦の人たち、つまり被害者の立場に立った視点がありません。自分や自分の身近な人が慰安婦の境遇に置かれたらどんな気持ちなのか、想像してみましょう。それが今の私たちに一番求められていることです。
私たちは、加害者の立場であることを忘れていはいないですか? 70年前のこととはいえ、加害者側の立場にあった私たちが、被害者の立場の国や人たちに、どうして「合意の実行を強く求める」(安倍首相)とか、「1ミリも動かない」(菅官房長官)とか、高圧的な態度に出られるのか? 政権に批判的だったメディアや批評家までもが政府の方針に「一定の理解」などと言っているのか、私にはどうしても理解できません。
声明をよく読むと、韓国政府も「再交渉を求めない」として、「自発的で誠実な謝罪」を日本に求めているだけだと分かります。もともと慰安婦問題については、日本は謝っている立場なのですから、なにを怒ることがあるのか。なんと言い訳しようと、こっちは迷惑かけた加害者で、被害者の人に「ちゃんと謝って」と言われているのですから、逆ギレせず、また謝ればいいじゃないですか。それが大人というもので、ずっと「和」を重視して生きてきた日本人には、自明のことではないですか。
慰安婦合意は、元慰安婦の人たちに相談もなく、秘密裏に進められ、合意文書もなく、口頭のみでまとめられ、その詳細な内容も明らかにされていません。合意の当事者であった朴槿恵元大統領は、合意の直後、罷免され、安倍首相はかつて、慰安婦問題を正式に謝罪した「河野談話」の見直しを強く主張していた人物です。この二人は合意の会場に姿を見せていませんし、調印式もなく、国民に向けたきちんとした声明も発表していません。
韓国側、とくに実際に被害にあわれた方々、支援者の人々にとっては、不信感がつのるのも当然でしょう。「金はやる。二度と文句いってくるな」と受け取られてても仕方ない内容です。被害者や韓国の人々を刺激してどうするのでしょう? なんのための「謝罪」と「合意」なんですか?
どんなときも、相手の立場に立って、寄り添う「やさしさ」。間違いを認め、頭を下げ、失敗を今後に活かしていく「カイゼン」精神。これこそが私たちが誇る日本人の美徳じゃないですか。
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