6. 2017年1月02日 19:26:27 : AGct6Lujuc : 119GH3PfF3s[1]
>>05
佐藤優はイスラエルに行ってソ連情報を取ってたエキスパート。
何故ならイスラエルには旧東欧ソ連から移住したユダヤ人が多い。
旧ソ連時代、そう簡単にソ連に渡って情報を取ることはできなかったので、イスラエルに目を付けたわけだ。
自然、イスラエルから見たアラブ中東という見方になるし、イスラエルにとって真に脅威になるイランには厳しい見方をしている。
これは佐藤と懇意の鈴木宗男も同じで、鈴木はアラブ中東情勢では完全にイスラエル寄りの情勢観を持っている。
佐藤優に関してはこんな感じ。
俺は>>01コメをした者だが、イスラエルがアサド政権のほうがいいと思っているとの指摘には?を感じるね。
第一にゴラン高原を差し挟んで、イスラエルとシリアがにらみ合いシリアがゴラン高原を奪い取ってしまえばイスラエルは二時間でダマスカスを落とすというものだが、ゴラン高原については国連決議497でイスラエルの占領は無効でありシリアに返すことがアメリカも手を上げて全会一致で成されており、仮にシリア側が力で返してもらおうと武力に及んでそれにイスラエルが呼応し紛争になった場合、占領しているイスラエルの非が全面的に課題に上がることは避けられない。
もちろん軍事的優位はイスラエルにあることは言うまでもないが、軍事力が優位だからといって権益が守れるかというと必ずしもそうはならない。
なによりイスラエルの後ろ盾になっているのは今も昔もアメリカだが、オバマになってイスラエルとの関係はうまくいっておらず、後任のトランプはイスラエル寄りだともいわれ関係修復の兆しが期待されるが、おそらくアメリカお得意の介入主義は控えるだろうからそうそう期待はできまい。
となるとロシアだが、確かにイスラエルはロシアへの接近を強めておりロシアとイスラエルの貿易も年々増えるなど経済的にも軍事的にもつながりを持つし、ネタニヤフもプーチン詣でにモスクワに飛んでいる。
プーチンは経済は経済、軍事は軍事で区別する人だから、国益になるならシリア問題で同床異夢だったエルドアンのトルコともつきあうが、国益という観点からみるならばシリアを差し置いてイスラエルのためにアメリカの代わりを務めることはしない。
またシリアが安定していたほうがイスラエルにとっても好ましいのはそのとおりだが、であるならなぜアラブの春で反政府勢力の兵站や諜報に協力してシリアの力を削ぐことに熱心なのか?
シリアでアサドの求心力が無くなれば、隣国レバノンも必ずぐちゃぐちゃになり止め役のアサド政権がないので当然その影響はイスラエルにまで及んでいく。
乱れるレバノンを抑え込めるのは国際社会がどう非難しようが、かつてひとつであったシリアでしかないことはわかりきっている。
仮にイスラエルがシリアの混乱を半永久化することで、シリアの影響をレバノンから取り払い混乱を呼び込み、シリアに代わりイスラエル自身の力で抑えて支配に置くとの目論見であるのなら、それはまったくかなわない無謀な夢だとしか言いようがないし、テロはイスラム教徒の居る地域全般でイスラエルやイスラエルと利害を共通する国々に及ぶだろう。
そんなことをまさかイスラエルが考えるだろうか?
イスラエルを以って、あの国の冷徹で合理的かつ功利的な戦略に目を奪われるがあまり、イスラエルのやることは必ず後に理(利)にかなうことになると思い込んでいる落合信彦のごとき短絡な思考に陥る前に、今現在イスラエルは実はかなり苦しい状況に置かれていることを片隅においておくことだ。
つまりイスラエルも度々誤った戦略を使っていることをよく見ておくべきだろう。