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(回答先: <2>罪悪感 投稿者 エンセン 日時 2003 年 10 月 07 日 09:21:10)
兆候 対応“置き去り”暴走へ
「小学四、五年のころ、あの子は教室で泣きわめき、よく担任教諭から保健室に連れて行かれた。普通は小学高学年になると収まるのに、あの子はそうならなかったから、よく覚えている」
少年の小学生時代を知る学校関係者は、こう振り返る。少年は思い通りにならないことがあると突然騒ぎだした。幼稚園児のころも、はさみでほかの園児の服やカーテンを切りたがり、かんしゃくを起こして奇声を上げた。「変わった子」という印象を今も関係者に残している。
少年は家裁送致後の精神鑑定で、発達障害の一つ「アスペルガー症候群」と診断された。知的遅れはないが、対人関係をうまく保てず、関心や行動に偏りがあるのを特徴とする。少年は幼少時から、不可解な行動を取ることで無意識的なシグナルを発していた。
周囲は必ずしも静観したわけではない。小学高学年のころ、心配した担任教諭は、母親に相談を持ち掛けている。だが、母親から反応らしい反応はなかった。
母親は母親で、一人息子のことを気に病んでいた。少年は運動が苦手で、手先が不器用なため、付ききりで訓練し勉強を教えた。
これが裏目に出た。少年は友人と交わる機会を奪われ、一方で厳しい母親を恐れた。祖父母の自宅に逃げ込んだり、逃走したまま午前三時に補導されたこともある。
「さまざまな特異行動が見られたにもかかわらず、家庭と学校が問題意識を共有することがなく、指導に当たる機会を得ることができなかった」
長崎家裁は少年への保護処分で、障害を抱える少年への対応が置き去りにされたと指摘した。小学校教諭らは特異性を読み取り、優しく接したが、中学校ではそれもなくなった。少年のシグナルは、適切な支援、治療という形で生かされないままだった。
抑圧された生活の中で、思春期に入った少年の性的こだわりは、異常なまでに膨らんでいく。
少年は小学三、四年のころ、友人から股間(こかん)をけり上げられた体験を持つ。腫れてうみ、親から病院に連れて行かれた。ひそかに、自分でトイレの洗浄剤を使って洗うこともあり、痛みを伴った。「性器や痛みへのこだわりは、この体験が引き金になった」。家裁送致後、少年に接した関係者はこうみる。
執着心は幼児に向けられた。中学生になったばかりの四月、少年は暴走を始める。長崎市内の大型商業施設で遊戯広場にいた三歳男児を誘い出し、裸にして体を触った。男児に泣かれたため置き去りにしたが、「少年にとっては“学習”だった」と精神医学の専門家は言う。行動はエスカレートし、やがて四歳男児の誘拐へと突き進んでいった。
2003年10月2日長崎新聞掲載
http://www.nagasaki-np.co.jp/press/yuusatu/kikaku2/03.html