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10/11 16:07 富士山噴火なら影響は？　全国の降灰予測図を試作　　社会50

　富士山で宝永噴火（一七○七年）の規模で噴火が起きた場合、都
心で火山灰が一ミリ積もる確率は約３３％―。独立行政法人「産業
技術総合研究所」（茨城県つくば市）の須藤茂総括研究員らが、火
山灰災害予測図の試作版をまとめた。福岡市で開催中の日本火山学
会で十三日に発表する。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　降灰はわずかな量でも交通機関のまひなど、市民生活に与える影
響が大きく、本年度中にＣＤ―ＲＯＭ化するなど完成させ、自治体
などに活用してもらう計画だ。　　　　　　　　　　　　　　　　
　須藤研究員らは、過去約三十万年に全国で起きた噴火による火山
灰の分布から、どの方向にどの程度積もりやすいかを計算。過去一
万年間に起きたのと同様の噴火が将来も起きると仮定して、全国一
平方キロごとの降灰確率を算出した。　　　　　　　　　　　　　
　富士山で宝永噴火と同規模の噴火が起きた場合、厚さ一ミリの降
灰確率は神奈川県小田原市約６８％、横浜市約４８％。一センチに
達する確率は都心約２８％、横浜市約４４％。宝永噴火の十倍クラ
スの噴火になると、一ミリの確率は都心が約６５％となる。　　　
　同様の予測図が、北海道・利尻山から鹿児島県・諏訪瀬島まで約
七十の火山について作成が可能だ。利用者は身近な火山の降灰の危
険性から遠くの火山による影響まで簡単に検索できるようになる。
　須藤氏は「昨年十月に起きたイタリア・エトナ火山の噴火では、
わずかの降灰でシチリア島の国際空港が延べ一カ月閉鎖になったと
いい、たとえ厚さ一ミリでも都市機能へのダメージは大きい」と話
している。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
（了）　　０３１０１１　１６０６　　　　　　　　　　　　　　
[2003-10-11-16:07]

10/11 16:21 富士山噴火 　社会52

　富士山噴火　約１０万年前の大噴火で土台が作られ、約１万年前
（縄文時代）の噴火活動で現在の原形ができた。８６４年の噴火で
は、溶岩が大規模に流出し「せの海」と呼ばれた大きな湖が精進湖
と西湖に二分された。１７０７年の宝永噴火では５合目付近の火口
から噴煙が高さ１万メートルまで立ち上り、８億５千万立方メート
ルの灰や岩を噴出した。ふもとでは３メートルも降り積もり、約１
００キロ離れた江戸や川崎でも数センチ積もった。噴火による死者
はなかったが、飢饉（ききん）が起こり、社会的混乱が数十年続い
たという。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

（了）　　０３１０１１　１６２０　　　　　　　　　　　　　　
[2003-10-11-16:21]
nifty共同通信24時間ニュース

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