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掃除を諦めれば「ゴミ」はたまる…誰かがバカと戦わなければならない 適菜収「それでもバカとは戦え」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/371053
2025/04/25 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
「めちゃくちゃ気持ちいいですね〜」/(C)共同通信社
劇作家の福田恆存は「言論は空しい」と言った(「言論の空しさ」)。
たしかに言論は空しい。バカにバカと言っても仕方がないし、デマ屋にデマ屋と言っても仕方がないし、杉田水脈に嘘つきと言っても仕方がない。それをトートロジー(同義語反復)と呼ぶ。
「非学者論に負けず」という言葉もある。言葉が通じないからこそ、バカはバカなのだ。無知、恥知らずは最強である。よってバカを批判しても徒労に終わり、まさにバカを見る。
3月23日、大阪・関西万博に出展される「ミライ人間洗濯機」に大阪府知事の吉村洋文が入り、「めちゃめちゃ気持ちいいですね」とアピールした。この洗濯機を製作した「サイエンス」(大阪市淀川区)の青山恭明取締役会長によると、水流を自動調整しながら、最適な音楽や画像を流して「心まで洗う」とのこと。
しかし、あの手の連中の心の汚れはその程度の技術で洗い落とせるようなものではない。ゴミの山の上に築かれた万博会場で日々噴出するメタンガスや硫化水素、一酸化炭素は、近代大衆社会の負の側面、あらゆる地下的なもの、不健康なもの、構造的な腐敗が維新という形で噴出したものであるからだ。
これは世界史的に見れば近代500年、フランス革命以降に限定しても250年くらいのスパンで捉えるべき病である。そして根本的な治療方法は今のところない。
この連載では安倍晋三や維新の会を取り上げることが多かったが、それを駆除したところで、土壌が腐っている限り第2の安倍、第2の維新が湧いてくるだけだ。実際、おかしな政党が増えてきた。
かといって諦めてしまえばそこで終わりだ。誰かがバカとは戦わなければならない。連載当初から述べている通り、これは毎日の掃除と同じだ。いくら掃除をしても、翌日にはゴミがたまっていく。でも、掃除をしなくていいという話にはならない。目の前にあるゴミを片づけるのが人間の生活であり、そこに世界全体を奇麗にするという高尚な思想は必要ない。
私は学校の掃除当番のように、バカと戦う作業のお手伝いをしてきたが、そろそろ若い人に代わってもらいたいと思うようになった。それで今回を最終回にさせていただく。「日刊ゲンダイ」読者の皆さま、約6年間、ありがとうございました。 (おわり)
適菜収 作家
近著に「安倍晋三の正体」「ニッポンを蝕む全体主義」「思想の免疫力」(評論家・中野剛志氏との対談)など、著書50冊以上。「菜収のメールマガジン」も発行。本紙連載を書籍化した「それでもバカとは戦え」も好評発売中。6月28日には第2弾「続 それでもバカとは戦え」が発売予定。
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