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「トランプ関税」で大恐慌前夜…今まさに50年周期の「カタストロフ」が訪れている 金子勝の「天下の逆襲」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/370537
2025/04/15 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
日本は甘く見ていないか。こんな能天気で自動車しか残っていない日本の産業衰退が解決するはずがない(C)ロイター
トランプ関税が2日に公表されたが、対中関税を145%に引き上げるとともに、関税の上乗せは90日間一時停止された。株暴落や米国債の投げ売りが起きるなど金融市場は異様に不安定化し、さながら大恐慌前夜の様相だが、これは一過性の現象ではない。私が以前から指摘してきたように、これは経済学者・シュンペーターが唱えたコンドラチェフ循環の波であり、50年ごとに起きるカタストロフである。
今から50年前を思い起こしてみよう。1971年のニクソン・ショックで、ドルと金の交換が停止され変動相場制に移行した。73年の第4次中東戦争の結果、石油ショックが起きてスタグフレーションが発生。そして先進国が協調するG7体制が出来上がった。大転換が起きたのだ。
現在はそれから50年後。2020年に新型コロナのパンデミックが起き、世界的なサプライチェーンが寸断された。21年後半に中国の不動産バブルが崩壊。22年2月、ロシアによるウクライナ侵略が起き、強烈な物価上昇が発生した。23年後半、イスラエルによるガザ攻撃で大量虐殺が起きた。そして、25年1月にトランプ政権が誕生し、関税戦争の火蓋を切ったのだ。
今はまさに50年周期で起きるカタストロフ=大転換が起きている。問題は次に現れる新たな秩序が見えてこないことだ。例えば、85年のプラザ合意では先進諸国が為替レートを切り上げて米国に協力。当時は冷戦体制で、G7諸国は社会主義国に対抗し、自由主義陣営として米国を協調して支えた。しかし今、トランプは移民を排斥し、フェイクファシズムで民主主義を破壊し、プーチンやネタニヤフとも結びつく。そんなトランプに各国が協力するだろうか。
いまトランプは対中関税を引き上げる一方、その他の国への相互関税の上乗せは90日間延期し、交渉次第で関税率を変えるとする。WTOという国際機関を無視し、トランプの意向次第で関税が変わる事態を許せば、世界の貿易ルールは成り立たなくなってしまう。中国政府もトランプの脅しに屈しないだろうから、この関税戦争は簡単には終わらない。
この事態を日本は甘く見てはいないか。アベノミクス残党たちは、トランプとゴルフをやって蜜月関係を作れば譲歩してくれるとか、一律5万円を配るとか減税するとか言っている。だが、こんな能天気で自動車しか残っていない日本の産業衰退が解決するはずがない。
必要なのは、教育無償化や科学技術政策を軸にして新しい高付加価値産業を作りつつ、エネルギーや農産物の自給によって輸入を減らしていくことだ。根本的対策があって初めて救済策が意味を持つ。このままでは日本は沈んでいく以外に道はない。
金子勝 淑徳大客員教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。
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