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※紙面抜粋
その影響は?効果は? 米トランプ相互関税でにわかに浮上した消費税減税という選択肢
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/370092/2
2025/04/05 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
慌てて与野党党首会議(C)共同通信社
選挙前の一時的なバラマキではなく、今こそ、悪魔の税制の功罪を検証する必要。防衛費、法人税に切り込めるのか、社会保障を削らずにすむのか。石破じゃできないだろうが、怪しい連立にも国民の警戒感。
◇ ◇ ◇
衝撃と波紋はとどまるところを知らない。トランプ米大統領が2日、怒涛のような「相互関税」を発表したことで各国が動揺。貿易戦争激化による景気悪化懸念から、世界同時株安の様相となっている。
米国へのすべての輸出品に「24%」という想像を絶する厳しい関税を課されることになった日本では、4日も株価が急落。日経平均は一時、前日比1400円超の下落となり、8カ月ぶりに3万4000円を割り込んだ。終値は955円35銭安の3万3780円58銭と年初来安値を更新。1週間の終値下げ幅は3339円に達し、SMBC日興証券によれば、この週間下げ幅は過去最大だという。
すでに自動車への25%の追加関税は発動された。これに相互関税も加わるわけだ。企業の資金繰り支援などに万全を期すなど、政府は大慌てで対策に乗り出しているが、「日本だけは除外」の懇願外交が基本方針なだけに、妙案があるはずもない。
石破首相は急きょ、与野党党首会談を呼びかけ、4日の午後、国会内で約45分間、会談。「言うなれば国難。野党も含めて超党派で対応する必要がある」と協力を要請した。野党からは「トランプと直談判することが大切。電話でもいいから早く会談すべきだ」(立憲民主党・野田代表)、「できるだけ早い時期に、トップ同士で会った方がいい」(日本維新の会・前原共同代表)、「追加関税が発効する9日までに訪米し、直接会談で事態を打開するしかない」(国民民主党・玉木代表)とせっつかれ、石破も直訴について「全く躊躇するものではない」と語ったとはいうものの、「誰に話せばトランプ氏に伝わるのかが分からない」と本音を漏らす場面もあったらしい。どうにも見通しは暗い。
輸出企業への還付は不公平
24%というトランプ政権による相互関税の算出方法はデタラメだ。「非関税障壁」を考慮すると日本は米国に46%の関税を課していると主張しているが、実際は、相手国との貿易赤字額を米国への輸出額で割り、その数字を2で割っただけという驚くほど単純なものだった。
米商務省によると、2024年の日本から米国への輸出額は1482億ドルで、日本は684億ドルの貿易黒字だ。684を1482で割り、100をかけると46%。24%は、トランプからすれば「半分程度にまけてやったぞ」ということらしい。
もっとも、トランプは2日の演説でも「日本は米国産のコメに700%の関税をかけている」と批判。「日本では自動車の94%が日本製だ」と文句を言っている。今後、さらなる非関税障壁を突き付け、要求を強めてくる可能性もあるのだが、そこでにわかに注目されているのが「消費税」だ。
米国がかねて問題視しているのが「付加価値税」であり、日本の消費税に相当する。その理由はこうだ。
日本から米国へモノを輸出する際に、企業は10%の消費税を還付してもらえる。そうすると、10%分、米国で安く売ることができる。逆に、米国企業が日本へ輸出して販売すれば10%の消費税がかかり、10%分価格が高くなってしまう。まずこれが彼らの言う不公平。さらに、米国にも売上税はあるが、国税ではなく州税で、消費税のような還付制度はない。だから、米国企業が不利益を被っているというのである。
経済評論家の斎藤満氏が言う。
「コメや消費税という非関税障壁は、今回の相互関税の税率算定に入っていません。しかし、トランプ政権は、今後の展開で改善がなければ、さらなる関税を上乗せすると各国を脅しています。消費税を下げないと追加課税するぞと言われたら、日本政府は震え上がるでしょう。トランプ政権の圧力を軽減するには、米国のように消費税を国税から地方税に移管する方法がある。また、野党からすれば、この外圧を利用して消費税引き下げ交渉に出る手はある」
消費減税は国民全員が助かる生活支援策
年初来安値を交渉中(C)日刊ゲンダイ
つまり、米国から見れば、消費税は日本の輸出企業を保護するための、過剰な優遇だというわけ。世界経済を大混乱に陥れるトランプ政権がやっていることはメチャクチャだが、「消費税減税」の観点では、確かに追い風になる。
維新、国民民主、れいわ新選組、共産党は消費減税を訴えているし、財務相経験者の野田代表が消費減税に慎重な立憲にも、2つの勉強会が立ち上がっている。
そのひとつ「食料品の消費税ゼロ%を実現する会」は、2026年4月から食料品の税率を0%に引き下げ、年5兆円規模の減税を実施するという提言案をまとめた。月内にも執行部に提出する予定だ。
「物価高を受け『国民の可処分所得を直接的に引き上げる』と主張し、党の参院選公約への反映を目指しています。対象は軽減税率8%が適用される飲食料品とし、酒類や外食は除く。減税によってGDP(国内総生産)を0.3〜0.5%押し上げると試算しました。実施期間は、党が掲げる消費税収の一部を中低所得者に還元する『給付付き税額控除』が導入されるまでの2〜3年の時限措置です」(立憲関係者)
1日の記者会見で、食料品を対象とした消費減税をバッサリ否定した石破だったが、与党内でも参院選向けの経済政策として消費減税を期待する声が浮上している。
公明党の岡本政調会長は2日の会見で消費減税について問われ、「さまざまなことを選択肢から外すことなく議論したい」と含みを残した。自民でも石破の記者会見での発言に異論が上がっており、松山参院幹事長は「物価高対策、特に食料品に対する対策は非常に重要だ」と促した。石破と距離を置く小林元経済安保相も、きのうのインターネット番組で「消費税の在り方も含め検討していく余地はある」と言い出した。消費減税が石破叩きの材料になりつつある。
庶民は長年、割を食ってきた
逆進性が高く、所得の低い人ほど負担の重い消費税は「悪魔の税制」と呼ばれる。選挙前の一時的なバラマキではなく、今こそ、その功罪を検証する必要があるのではないか。
トランプ米国がヤリ玉に挙げるように、輸出企業は仕入れにかかる消費税の還付をガッポリ受け、潤ってきた。他方、庶民は、物価高により支払う消費税は増えるばかり。事実上の「インフレ税」を負担させられているようなものだ。そんなフザけた話があるものか。
それでなくてもアベノミクスの大企業優遇で、庶民は割を食ってきた。法人税はどんどん減税され、防衛費だけは聖域化し、当初予算でついに8兆円を突破した。一方で社会保障費はどんどん削られる。命のセーフティーネットである高額療養費制度の見直しに手をつけようとしたのがいい例だ。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。
「当然、消費税を下げるべきです。理由は3つ。@消費税で税収が増えた分は企業向け減税で帳消しにされている。庶民から幅広く税金を集めて、それを企業にまく原資に使ってきたのが実態。社会保障費に使うと言うが、お金に色はついていない。A消費税は累進課税になっておらず、所得の低い人ほど負担が大きい。B新年度予算で103万円の壁引き上げや高校授業料無償化をやったが、対象は一部でしかない。消費減税はあらゆる人が対象で、国民全員が助かる生活支援策になる。食料品を中心に消費減税はコロナ禍の時から世界中で実施されていますよ」
財務省は徹底的に抵抗するだろうし、石破に消費減税がやれるのかどうか。
トランプ関税を受けた与野党党首会談で石破が野党に協力を要請したのは、「内閣不信任決議案を出させないための策略」との見方もある。
野党の牙を抜くための怪しい“救国連立内閣”には警戒が必要だが、物価高対策に最も効果的なのは、消費減税、一択だ。
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