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希望捨てたら悪夢が確定する
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2025年3月18日 植草一秀の『知られざる真実』
今夏の参議院議員通常選挙は投開票日が7月20日になる公算が高い。
3連休の中日、夏休み最初の日曜日となれば、通常は投票率が下がる。
投票率が下がる日に投票日を設定したと見られる。
これまで自公は投票率が下がれば下がるほど有利と言われてきた。
岩盤支持層は雨が降ろうが槍が降ろうが投票所に足を運ぶ。
得票数が変動しないから全体の投票数が減れば自公の得票率は高まり、より多くの議席を獲得できる。
このような判断で投票日を設定しているとすれば言語道断。
かつて「(選挙に無関心な人は)寝ていてくれればいい」と言い放った総理大臣がいたが、日本民主主義の劣化を物語る発言だ。
主権者が投票所に足を運べば政治は変わる。
2009年に鳩山由紀夫内閣を誕生させた総選挙では投票率が7割近くに跳ね上がった。
新たに投票所に足を運んだ有権者の票の多くは民主党への投票で、鳩山民主党を圧勝させた。
日本政治刷新を担う政党が登場し、投票率が大幅に高まれば日本政治が刷新される可能性が高まる。
日本の主権者は絶望の淵にたたずむが希望を捨ててはいけない。
希望を捨てることは悪夢を確定させること。
悪夢を確定させてはいけない。
参院選に際して主権者はどのように行動するべきか。
候補者や政党が示す公約を吟味して行動を決めることが必要。
選挙の争点を明確にして、その争点に対する政策公約を吟味して投票先を決定することが必要だ。
選挙の争点にふさわしい問題は何か。
五つの最重要問題を提示したい。
第一は消費税減税・廃止
第二は高額療養費制度改悪阻止
第三は企業団体献金の全面禁止
第四は憲法改悪阻止
第五は原発とリニアの廃止
いずれも最重要の問題。
この重大問題への賛否を軸に投票対象を決める。
二つの勢力に区分できるだろう。
一つの勢力は
消費税増税推進・高額療養費制度改悪・企業団体献金温存・憲法改悪・原発とリニア推進
の勢力。
現在の与党を中心にこの政策が基本に敷かれている。
これに対する勢力は、
消費税減税・廃止・高額療養費制度改悪阻止・企業団体献金全面禁止・憲法改悪阻止・原発リニア廃止
の勢力。
後者の勢力がひとつの塊になって主権者に迫れば大きな威力を発揮するだろう。
政権交代の気運が高まれば一気に政権交代実現に持ち込めるかもしれない。
しかし、そのためには核が必要だ。
2009年には鳩山民主党が核の役割を担った。
16年が経過したいま、その核が見当たらない。
立憲民主党は2017年に結党されたときには期待された。
民主党が「良い民主党」と「悪い民主党」に分裂し、立憲民主党が「良い民主党」だと評価されたからだ。
立憲民主党はリベラル勢力と連帯して政権交代を目指すことが期待された。
ところが、2021年の選挙で立民は転んでしまった。
「共闘の対象は国民民主と連合で共産、れいわ、社民は共闘の対象にあらず」
と枝野幸男氏が宣言した。
これを契機に立憲民主党は凋落の坂道を転げ落ちた。
「悪い民主党」の「国民民主党」も衰退の一途を辿り、解党の危機に直面した。
その国民民主が息を吹き返したことは極めて不自然だ。
不自然の裏には不自然の事情があるのだろう。
だが、希望を捨ててはいけない。
私たちが核を作り、大きく育てることが必要だ。
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