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膨張するカウンターに萎縮し大好きな選挙が苦行に…渋谷のマイク納めは中止 3.16千葉県知事選ルポ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/369091
2025/03/15 日刊ゲンダイ
手放せないミルクティー(提供写真)
千葉県知事選(16日投開票)は終盤に入った。反社会的カルト集団と認定された政治団体「NHKから国民を守る党」(N国党)の立花孝志党首は、選挙運動の大半を兵庫県で展開している。
ラストサンデーは甲子園などで街頭演説。カウンター勢力にこてんぱんにされた。いわゆるN国信者にとって、立花は「尊師」。このままではその威厳が保てないとばかりに、週明けに再び尼崎に入った。
ところが、立花の言動を問題視するカウンター勢力は日増しに増える一方だ。最前列こそN国信者のユーチューバーが陣取ったが、2列目以降はカウンターが支配。至近距離から飛んでくる「嘘つき!」というヤジに反応し、精神安定剤化したミルクティーをガブ飲みしていた。
「負け」というヤジもよく効いた。立花は弱者を攻撃し、精神的勝利を味わう感覚に酔いしれる人間だ。支持者に強いところを見せて人気を集めているため、「負け」と言われることには敏感なのだ。立花が街頭に立つほどカウンターは戦い方を学習し、その弱点を突くようになった。
昨年の兵庫県知事選で味わったヒーロー気分には浸れなくなった。にもかかわらず、なぜ立花は兵庫にこだわるのか。夏の参院選比例代表で当選を狙っているが、おぼつかない。ここは「2馬力選挙」で支援した斎藤元彦知事の熱狂的支持者にあやかって、パワハラ告発問題で日本維新の会から離党勧告処分された増山誠県議を兵庫選挙区に擁立した方が議席を獲得しやすいと考えているからだ。
しかし、増山は除名された同僚の岸口実県議や、同じく離党勧告処分された白井孝明県議と新会派「躍動の会」を結成。N国党から参院選に立つ可能性は今のところ見えない。
街頭に立てば罵声を浴び、勝負の参院選に暗雲が立ち込める。立花のテンションは下がるばかりだ。億単位の政党交付金を手に入れるためには、参院選で政党要件となる「得票率2%以上」のクリアが絶対条件だが、見通しは全く立たない。
この先は「2馬力選挙」を宣言した大阪・岸和田市長選(30日告示、4月6日投開票)が控えるが、今になって「立候補しないかもしれない」と変節し始めた。カウンターが集まり、罵声を浴びると得票が伸びないからだ。続く伊丹市長選(4月6日告示、13日投開票)にも出馬表明したが、党員を立てると言い出すようになった。つまるところ、カウンターのヤジに負け、大好きな選挙に出るのが嫌になってしまったようだ。14日は財務省解体デモの現場で男に襲われ、告知していたマイク納めは中止になった。
立花はこの選挙戦でも、自殺した兵庫県の元西播磨県民局長や竹内英明前県議を誹謗中傷し続け、遺族を苦しめている。警察が立花を野放しにしたことが被害を拡大させているといえるが、頼りない捜査当局に代わって立ち上がった市民の力により、反社会的カルト集団の勢いは失われつつある。
選挙ウォッチャーちだい 選挙ウォッチャー
全国の選挙現場を取材、「note」などで報道。「『NHKから国民を守る党』とは何だったのか?」を上梓。N国党から名誉毀損で提訴されたが、2024年11月に1審勝訴。
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