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※紙面抜粋
※2025年3月10日 日刊ゲンダイ2面
「先送り」という狡猾 高額療養費の改悪を葬り去るには参院選での鉄槌が必要
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/368798
2025/03/10 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
選挙のことだけ、勝てば寄り添うどころかまた手を付ける(C)J MPA
迷走石破政権は選挙のために命のセーフティーネットを守ったふり。秋にはシレッと患者いじめを始めるだろう。政治とカネの腐敗も同じこと。ねじれの解消で姑息な政権の放逐を。
◇ ◇ ◇
「わが自由民主党は、国民一人一人に最も近い政党でありたい。もう一度、その原点に立ち返りたい」
9日、都内のホテルで開かれた自民党大会で壇上に立った石破首相はこう言い、「高額療養費制度の問題もそうであります」と口にした。
石破は「もう一度、丁寧に、弱い人、苦しい人、つらい人の声を聞いて、国民に最も近い自民党。それが信頼を回復する唯一の手だてだと思います」とか演説していたが、まったく、よく言う。
そもそも、弱い人や苦しい人の声を丁寧に聞く政治ならば、財源確保のために命のセーフティーネットである高額療養費制度に手を付けようなんて冷酷なことをするはずがないのだ。
石破政権は、がん患者ら制度を利用する当事者の声を聞く機会を設けることもないまま、昨年11月からわずか4回の審議会で高額療養費制度の負担上限額を段階的に引き上げることを決定。この見直しによって約1600億円の歳出削減を盛り込んだ2025年度の一般会計予算案を国会に提出した。
今年2月以降、国会審議などを通じて高額療養制度の改悪に関心が集まり、負担上限額の引き上げに対する世論の批判が一気に高まった結果、来年8月以降の引き上げについては秋までに再検討する方針に転換したものの、今年8月からの引き上げ開始だけは譲らなかったのが石破だ。
制度見直しは「凍結すべきだ」という患者団体や野党の声を突っぱね、8月からの限度額引き上げを盛り込んだ予算案が4日に衆議院で可決されたばかりだ。
国民ではなく与党議員の声を聞く
ところが、予算審議の場が参院に移り、今夏に改選を迎える参院議員を中心に党内からも「このままでは夏の参院選を戦えない」と泣きが入ると、石破は7日になって突然、8月の負担上限額引き上げは凍結すると言い出した。
つまり、弱い人、苦しい人の声を聞いて見直しを決めたのではない。党内の参院議員の声を聞き、選挙のために、いったん引っ込めることにした。それを全国から地方議員や党員が集まり、参院選に向けて結束を確認する党大会の直前に発表したわけだ。国民の命よりも選挙が大事。それが石破自民の本音ということである。
9日の党大会後、自民党の小林鷹之元経済安保担当相は、石破が高額療養費制度をめぐって計3回の修正の末に今年8月からの引き上げを見送ったことについて、「意思決定が二転三転しているように感じる。責任政党だから、政策を作る際には本当に丁寧なプロセスを踏んでやらないと国民の理解をなかなか得られない」と苦言を呈していたが、小林が問題視しているのも「プロセス」であって、高額療養費制度の見直し自体に異を唱えているわけではない。
多くの自民党議員は、選挙への影響を気にして8月からの引き上げに反対しているだけで、高額療養費制度を利用するがん患者の悲痛な声や、国民の不安に真摯に寄り添う姿勢は見えない。連中の頭の中には選挙と利権のことしかないのだ。
「石破政権は国民の声を聞いて、国民の命を守るために高額療養費制度の上限額引き上げを凍結したわけではない。制度を利用する当事者ではなく、与党参院議員のために不人気政策を引っ込めた。凍結というのは『中止』ではなく、あくまで『先送り』に過ぎません。これで無事に選挙をしのげたら、秋にはシレッと負担引き上げの議論を再開するでしょう。それが自民党政権の常套手段なのだから、国民はだまされてはいけません」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)
選挙目当てで「年金改革関連法案」も先送りか
党大会でも詭弁(C)J MPA
高額療養費制度の見直しは、もともとは岸田前政権で決定した子ども関連政策の財源確保のためだ。年間3.6兆円規模の対策を盛り込んだが、「増税メガネ」と呼ばれることを気にした岸田は増税議論を避け、財源のアテがないまま、1兆円程度を社会保障費の歳出削減で賄うとお茶を濁した。そこで見直し対象にあげられたのが高額療養費制度の見直しだった。
これによって政府は当初、今年度予算で約1600億円の歳出削減を見込んでいたが、8月からの限度額引き上げを見送れば、新たな財源を探す必要が出てくる。あるいは、当初予算の再修正は避けられない。
「衆院で予算案が可決した後に見直しを言い出すなんて、本来なら予算審議をやり直さなければいけないような話です。これまで“与党内野党”のような立場で正論を言って国民から期待されていた石破氏ですが、首相になった途端に官僚の言いなりになっているように見えるし、言行不一致で人心は離れる一方です。どのみち凍結に追い込まれるなら、衆院での審議中にリーダーシップを発揮して『国民の命に関わる問題だから高額療養費制度の見直しは凍結する』と宣言していれば、拍手喝采で国民世論を味方につけられたかもしれないのに、あまりに泥縄の対応で迷走している。それに、防衛費のGDP比2%への増額などは財源の裏付けもなく決めるのに、国民の命や生活に関わる問題では財源論を持ち出して渋るのではダブルスタンダードと見られても仕方ありません」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
時間が経てば忘れるとナメている
石破はよく「国民に受けることばかりやっていると国は滅びる」と言う。故・渡辺美智雄元副総理の言葉を引用して「政治家の仕事は勇気と真心を持って、真実を語ることだ」とも言う。
だが実際にやっていることは選挙目当ての国民受けではないのか。ここに宰相の器としての不足があるとも言えるし、少数与党の焦燥がにじむ。
石破自民は、今国会で特に重要とする「重要広範議案」に位置づけていた年金改革関連法案の国会提出も先送りする方針だという。法案には国民の負担増も含まれているため、参院選への悪影響を懸念してのことだ。
当初は今月中に法案を閣議決定する予定だったが、参院選後の臨時国会に先送りする方向で調整に入った。一事が万事、という感じがする。
「不人気政策を封印して、なんとか選挙をやり過ごせば、『信を得た』と言ってまた国民いじめを始めるのが自民党です。政治とカネの問題も同じで、反省したフリをして時間が経てば国民は忘れるとナメている。その繰り返しじゃないですか。もっとも、昨年の衆院選で国民が明確に『NO』を突きつけたからこそ、自公政権が高額療養費制度の限度額引き上げを強行できなかったという事実を重く受け止める必要がある。国民が少数与党に追い込んだから、好き勝手できなくなった。野党が結束して臨めば、自公政権から国民のための政治を取り戻すことも可能なのです。参院選で自公を過半数割れに追い込んで、姑息な政権を放逐することが、国民生活を守る第一歩です」(五十嵐仁氏=前出)
国民は手ぐすねだ。大企業優遇で利権まみれの自民党に任せているかぎり、われわれ庶民の生活が良くなることは決してないし、国民の命さえも財源と引き換えにされてしまう。参院選で鉄槌を下し、庶民イジメの利権政治を葬り去るしかない。
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