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トランプ老大統領にベッタベタの属従外交は「下の下」策だ 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/367943
2025/02/19 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
恥も外聞もない徹底的な屈従外交(C)ロイター
先々週の本欄で、訪米前の石破茂首相が「米国の言うことを何でも聞きますからどうぞお目こぼしを、などというつもりは全くない」と威勢の良いことを言っていたので、トランプ大統領と会った時に何が起きるか楽しみだ、という趣旨のことを述べた。ところが実際には石破は、自分の言葉を完全に裏切って、それこそ歯の浮くような「お世辞」や「おべっか」を連発し、認知障害気味の老大統領の機嫌を損ねないことだけに専念した。
石破は、トランプが狙撃され耳から血を流しながら運ばれて行った写真を取り上げ、「あの時、大統領閣下は『神様から選ばれたのだ。必ず大統領に当選する』と確信したに違いない」と持ち上げ、またトランプの決まり文句「MAGA(米国を再び偉大に)」を「忘れ去られた人々に対する深い思いやりに基づくものだ」と賛美した。さらに、トランプにはお金の話をするのが一番とばかり、日系企業による対米直接投資を累計1兆ドルにまで引き上げること、米国産のLNGを購入することを約束した。
こうした恥も外聞もないベッタベタの擦り寄りは、もちろん「米国務省の東京代理店」とまで呼ばれる買弁的外務官僚の振り付けによるもので、確かに初対面でいきなり大衝突が起きるのだけは回避しようとするにはこうするより仕方がなかったのかもしれないが、徹底的な屈従態度のパフォーマンスで何とか取り入ろうというのは「下の下」の策で、やはり言うべきことは言って少しは肝を冷やさせて「お、こいつは手ごわいな」と思わせるのが「中の上」の策ではないのか。
何しろ相手は「認知障害気味」なのだから、最初から無理のない程度に優位を確保しないと関係は長続きしない。私がトランプをそう呼ぶことに「大丈夫か」と懸念を抱く向きもあるかもしれないが、彼の第1期の4年間にホワイトハウス内で何が起きていたかの詳細な記録であるピーター・ベイカー他の「ぶち壊し屋」上下2冊(白水社)、その4年間を観察した米国の一流精神科医たちが書いた「ドナルド・トランプの危険な兆候」(岩波書店)と「アメリカは正気を取り戻せるか」(創元社)を読めば、納得してもらえると思う。
さすがの外務官僚もこういう米大統領をどう扱うかのノウハウは持っておらず、そのアドバイスに従っていると石破は地獄に落ちるだろう。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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